JP2014107612A - 離散的光路長調整装置及び離散的光路長調整方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】3×3光スイッチ161〜16(M+1)の機能として、光路長調整用の遅延光ファイバを通過して次の光スイッチに行く経路と、遅延光ファイバを通過しないで次の光スイッチに行く経路に加えて、以降の光スイッチへの接続を飛ばして、N×1光スイッチ18によりダイレクトに出力する経路(短絡路)の選択ができるようにし、これにより、不要な固定遅延累積の排除を可能とする。
【選択図】図1
Description
本発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、光スイッチ数が増えても、固定遅延の累積を抑制することができ、これによって全体の遅延時間の短縮を実現し、光路長可変域を広くとることのできる離散的光路長調整装置及び離散的光路長調整方法を提供することにある。
(1)光信号の遅延時間を変化させる離散的光路長調整装置において、光路長が順に2のべき乗に単位長を乗じて与えられる複数の遅延光ファイバと、前記複数の遅延光ファイバを選択的に直列接続して任意の遅延時間を生成する複数の切替光スイッチ手段と、前記複数の切替光スイッチ手段のうち、任意の出力を選択して出力する選択光スイッチ手段と、前記複数の切替光スイッチ手段の切り替え及び選択光スイッチ手段の選択を制御する制御手段とを具備し、前記制御手段は、指定遅延時間に合わせて前記複数の切替光スイッチ手段を選択的に切り替えて前記遅延光ファイバを直列接続させ、最終段の遅延光ファイバの出力を前記選択光スイッチ手段により選択出力させる態様とする。
本発明に係る離散的光路長調整方法は、以下のような態様とする。
(7)光路長が順に2のべき乗に単位長を乗じて与えられる複数の遅延光ファイバを選択的に直列接続して任意の遅延時間を生成する離散的光路長調整方法において、前記複数の遅延光ファイバを直列接続させる光スイッチのうち、最終段の遅延出力を得る光スイッチの出力を選択的に出力する態様とする。
(第1の実施形態)
図1は本発明に係る離散的光路長調整装置の第1の実施形態の構成を示すブロック図である。図1において、11,12は光ファイバによる光線路13をA系統の光線路14とB系統の光線路15に2分岐するための波長無依存光カプラ(WIC)、161〜16(m+1),171〜17(m+1)はそれぞれA,B系統それぞれの光線路14,15に、光路長が20,21,22,…,2m-1で表される2のべき乗に単位長l0を乗じて与えられるm本の光ファイバの両端を、制御装置20からの制御指示に応じて選択的に接続する3×3ポートの光スイッチ(以下、3×3光スイッチと記すものとし、3×3光スイッチ群16,17の表記で総称する)、18,19はそれぞれ制御装置20からの制御指示に応じて、A,B系統それぞれの光スイッチ161〜16(m+1),171〜17(m+1)の選択出力のいずれかを取り出すN×1ポートの光スイッチ(Nは1〜m+1、以下、N×1光スイッチと記す)である。
まず、前提条件として、n番目の3×3光スイッチ16n,17nまでの各光スイッチ間の光路長差のみを利用した最大可変光路長をTv(n) 、n番目の3×3光スイッチ16n,17nまでの固定遅延とn番目の3×3光スイッチ16n,17nからN×1光スイッチ18,19までの固定遅延とを合わせた固定遅延量をTf(n) 、n番目の3×3光スイッチ16n,17nまでの設定光路長をT(n) とする。また、固定遅延量Tf(n) の大小関係は、
Tf(n+1) ≧Tf(n) …(1)
であるとする。ただし、1≦n≦m(mはA系統もしくはB系統の3×3光スイッチの総数)である。また、光路長を単位長間隔で連続的に調整するためには、
Tv(n)≧Tf(n+h)−Tf(n) …(2)
を満たす必要がある。ただし、2≦n≦m−1である。
Tmin =Tf(j) …(3)
である。ただし、2≦j≦m−1である。
まず、制御装置20は、工程500において、設定したい光路長Tと、光路長調整部の最小固定遅延量Tf(j) とN×1光スイッチ18,19の経路の選択で変化する光路長調整部のぞれぞれの固定遅延量Tf(n) (j+1≦n≦m)の差分との大小関係を比較し、設定したい光路長Tと光路長調整部の固定遅延差分TF(n) とを比較する(ステップS1)。ただし、
TF(n) =Tf(n) −Tf(j) …(4)
である。ただし、j+1≦n≦mである。
まず、設定したい光路長Tが全ての固定遅延差分TF(n) に対して、
0≦T<TF(n) …(5)
のときは、式(2)および式(3)より、
T<TF(n) =Tf(n) −Tf(j)
T≦Tv(j) =l0(2j-1−1) …(6)
となる。よって、必要な光スイッチ数jを式(6)によって計算し(ステップS21)、N×1光スイッチ18,19の入力をiに設定し(ステップS22)、設定したい光路長Tをj番目の3×3光スイッチ16j,17jまでを用いて設定する(ステップS23)。ここで、l0は単位光路長、2≦j≦m−1である。よって、N×1光スイッチ18,19の入力としてj番目の3×3光スイッチ16j,17jからの出力を選択し、j番目の3×3光スイッチ16j,17jまでの設定光路長T(j)を、
T(j) =T …(7)
とする。
まず、設定したい光路長Tよりも小さい固定遅延差分TF(n) の中で最も大きな固定遅延差分TF(n) をk番目の固定遅延差分TF(k) とすると、N×1光スイッチ18,19の入力としてk番目の3×3光スイッチ16k,17kの出力を選択する(ステップS31)。
Tv=T−TF(k) …(8)
である。また、k番目の3×3光スイッチ16k,17kまでの設定光路長T(k)は、
T(k) =Tv …(9)
である。
ここで、本実施形態における離散的光路長調整部の最小光路長Tmin 、最大光路長Tmax 、可変光路長Tver は、離散的光路長調整部の一系統がm個の3×3光スイッチ16m,17mで構成されているとすると、
Tmin =Tf(j)
Tmax =Tf(m) +Tv(m)
Tver =Tmax −Tmin
=Tf(m)−Tf(j) +Tv(m)
=TF(m)+Tv(m)
…(10)
となる。
Tmin(c) =Tf(b)
Tmax(c) =Tf(b) +Tv(m)
Tvar(c) =Tmax(c) −Tmin(c)
=Tv(m)
…(11)
ここで、Tf(b) は、2×2光スイッチと3×3光スイッチの内部光路長が等しいとすると、最大固定遅延量Tf(m) からN×1光スイッチ18,19の光路長とN×1光スイッチ18,19から選択された3×3光スイッチ16i,17iまでの光路長を引いた値である。
ΔTmin =Tmin(c) −Tmin
=Tf(b) −Tf(j)
ΔTmax =Tmax(c) −Tmax
=Tf(b) −Tf(m)
ΔTmin =Tvar(c) −Tvar
=TF(m)
…(12)
となる。
また、本実施形態において、式(2)を満たすhが1以上の場合には、n<n+p<n+hの範囲のn+p番目の3×3光スイッチ16(n+p),17(n+p)を2×2光スイッチに置き換えてもよい。
図4は本発明に係る離散的光路長調整装置の第2の実施形態の構成を示すブロック図である。図4において、31,32は光ファイバによる光線路33をA系統の光線路34とB系統の光線路35に2分岐するための波長無依存光カプラ(WIC)、(3610,3611,3620,3621,…,36m0,36m1),(3810,3811,3820,3821,…38m0,38m1)はそれぞれA,B系統それぞれの光線路34,35に、光路長が20,21,22,…,2m-1で表される2のべき乗に単位長l0を乗じて与えられるm本の光ファイバの両端を、制御装置42からの制御指示に応じて選択的に接続する、波長依存性の小さい2×2ポートの光スイッチ(以下、2×2光スイッチと記すものとし、2×2光スイッチ群36,38の表記で総称する)、371〜37(m−1),391〜39(m−1)は2×2光スイッチ群36,38の各スイッチ出力を入力して、制御装置42からの制御指示に応じて選択的に出力する1×2ポートの光スイッチ(以下、1×2光スイッチと記すものとし、1×2光スイッチ群37,39の表記で総称する)、40,41はそれぞれ制御装置42からの制御指示に応じて、A,B系統それぞれの光スイッチ371〜37(m−1),391〜39(m−1)の選択出力のいずれかを取り出すN×1ポートの光スイッチ(Nは1〜m+1、以下、N×1光スイッチと記す)である。
まず、前提条件として、n番目の1×2光スイッチ37,39までの各2×2光スイッチ36,38間の光路長差のみを利用した最大可変光路長をTv(n) 、n番目の1×2光スイッチ37,39までの固定遅延量とn番目の1×2光スイッチ37,39からN×1光スイッチ40,41までの固定遅延量を合わせた固定遅延量をTf(n) 、n番目の1×2光スイッチ37,39までの設定光路長をT(n) とする。また、固定遅延量Tf(n) の大小関係は、
Tf(n+1) ≧Tf(n) …(13)
であるとする。ただし、1≦n≦m/2−1、mはA系統もしくはB系統の2×2光スイッチ36,38の総数である。また、光路長を単位長間隔で連続的に調整するためには、
Tv(n) ≧Tf(n+h) −Tf(n) …(14)
を満たす必要がある。ただし、1≦n≦m/2−2である。本発明では式(14)が満たされるとする。
Tmin =Tf(j) …(15)
である。ただし、1≦j≦m/2-2である。
設定したい光路長Tと、光路長調整部の最小固定遅延量Tf(j) とN×1光スイッチ40,41の経路の選択で変化する光路長調整部のぞれぞれの固定遅延量Tf(n) (j+1≦n≦m/2−1)の差分との大小関係を比較する工程500では、設定したい光路長Tと光路長調整部の固定遅延差分TF(n) を比較する。ただし、
TF(n) =Tf(n) −Tf(j) …(16)
である。ただし、j+1≦n≦m/2−1である。
0≦T<TF(n) …(17)
のときは、式(16)および式(17)より、
T<TF(n) =Tf(n) −Tf(j)
≦Tv(j) =l0(2j−1) …(18)
となる。よって、j番目の1×2光スイッチ37,39までを用いて設定したい光路長Tを設定する。ここで、l0は単位光路長、1≦j≦m/2−2である。よって、N×1光スイッチ41-42の入力としてj番目の1×2光スイッチ37,39からの出力を選択し、j番目の1×2光スイッチ37,39までの設定光路長T(j) を、
T(j) =T …(19)
とする。
Tv=T−TF(k) …(20)
である。また、k番目の1×2光スイッチ37,39までの設定光路長T(k)は、
T(k) =Tv …(21)
である。
Tmin =Tf(j)
Tmax =Tfb+Tv(m)
Tvar =Tmax −Tmin
=Tfb−Tf(j)+Tv(m)
…(22)
となる。Tfbは最終段の2×2光スイッチ36,38までの固定遅延と最終段の2×2光スイッチ36,38からN×1光スイッチ40,41までの固定遅延を合せた値である。
Tmin(c) =Tf(b)
Tmax(c) =Tf(b) +Tv(m)
Tvar(c) =Tmax(c) −Tmin(c)
=Tv(m)
…(23)
Tf(b)は最大固定遅延量TfbからN×1光スイッチ40,41の光路長と前記N×1光スイッチ40,41から2×2光スイッチ36,38までの光路長と一系統全ての1×2光スイッチ37,39の光路長を引いた値である。
ΔTmin =Tmin(c)−Tmin
=Tf(b) −Tf(j)
ΔTmax =Tmax(c)−Tmax
=Tfb−Tf(b)
ΔTmin =Tvar(c) −Tvar
=Tfb−Tf(j)
…(24)
以上より、本実施形態によれば、式(12)の最小光路長(最小固定遅延)をΔTmin 減少させ、かつ、可変光路長をΔTvar 拡大することが可能になることが分かる。
図6は本発明に係る離散的光路長調整装置の第3の実施形態の構成を示すブロック図である。図6において、51,52は光ファイバによる光線路53をA系統の光線路54とB系統の光線路55に2分岐するための波長無依存光カプラ(WIC)、561〜56m,581〜58mはそれぞれA,B系統それぞれの光線路54,55に、光路長が20,21,22,…,2m-1で表される2のべき乗に単位長l0を乗じて与えられるm本の光ファイバの両端を、制御装置62からの制御指示に応じて選択的に接続する、波長依存性の小さい2×2ポートの光スイッチ(以下、2×2光スイッチと記すものとし、2×2光スイッチ群56,58の表記で総称する)、571〜57(m−1),591〜59(m−1)は2×2光スイッチ群56,58の各スイッチ出力を入力して、制御装置62からの制御指示に応じて選択的に出力する1×2ポートの光スイッチ(以下、1×2光スイッチと記すものとし、1×2光スイッチ群57,59の表記で総称する)、60,61はそれぞれ制御装置62からの制御指示に応じて、A,B系統それぞれの光スイッチ571〜57(m−1),591〜59(m−1)の選択出力のいずれかを取り出すN×1ポートの光スイッチ(Nは1〜m+1、以下、N×1光スイッチと記す)である。
まず、前提条件として、n番目の1×2光スイッチ57n,59nまでの各2×2光スイッチ56,58間の光路長差のみを利用した最大可変光路長をTv(n)、n番目の1×2光スイッチ57n,59nまでの固定遅延量とn番目の1×2光スイッチ57n,59nからN×1光スイッチ60,61までの固定遅延を合せた固定遅延量をTf(n) 、n番目の1×2光スイッチ57n,59nまでの設定光路長をT(n)とする。また、固定遅延Tf(n)の大小関係は、
Tf(n+1) ≧Tf(n) …(25)
であるとする。ただし、1≦n≦m−2、mはA系統もしくはB系統の前記2×2光スイッチ56,58の総数である。
Tv(n) ≧Tf(n+h) −Tf(n) …(26)
を満たす必要がある。ただし、1≦n≦m−2である。
本実施形態では式(26)が満たされるとする。式(26)が満たされる場合に、N×1光スイッチ60,61への入力はn番目の1×2光スイッチ57n,59nの出力からn+h番目の1×2光スイッチ57(n+h),59(n+h)の出力へ切り替えられる。よって、離散的光路長調整の最小固定遅延量Tmin は式(26)を満たす最小のnをjとすると、
Tmin =Tf(j) …(27)
である。ただし、1≦j≦m-1である。このとき、設定したい光路長Tの値に応じた光路長設定方法について以下に述べる。
TF(n) =Tf(n) −Tf(j) …(28)
である。ただし、j+1≦n≦m−1である。
0≦T<TF(n) …(29)
のときは、式(28)および式(29)より
T<TF(n) =Tf(n) −Tf(j)
≦Tv(j) =l0(2j−1) …(30)
となる。よって、j番目の1×2光スイッチ57j,59jまでを用いて設定したい光路長Tを設定する。ここで、l0は単位光路長、1≦j≦m-1である。よって、N×1光スイッチ60,61の入力としてj番目の前記1×2光スイッチ57j,59jの出力を選択し、j番目の1×2光スイッチ57j,59jまでの設定光路長T(j) を、
T(j) =T …(31)
とする。
Tv=T−TF(k) …(32)
である。また、k番目の1×2光スイッチ57k,59kまでの設定光路長T(k) は、
T(k) =Tv …(33)
である。
ここで、本実施形態における離散的光路長調整装置の最小光路長Tmin 、最大光路長Tmax 、可変光路長Tvar は、光路長調整部の一系統がm個の2×2光スイッチ56,58で構成されているとすると、
Tmin =Tf(j)
Tmin =Tfb’+Tv(m)
Tvar =Tmax −Tmin
=Tfb’−Tf(j) +Tv(m)
…(34)
となる。
次に従来の方法による離散的光路長調整装置の最小光路長Tmin(c)、最大光路長Tmax(c)および可変光路長Tvar(c)は、以下のようになる。
Tmin(c) =Tf(b)
Tmax(c) =Tf(b) +Tv(m)
Tvar(c) =Tmax(c) −Tmin(c)
=Tv(m)
…(35)
Tf(b)は最大固定遅延量Tfb’からN×1光スイッチ60,61の光路長とN×1光スイッチ60,61から最終段の2×2光スイッチ56,58までの光路長と一系統全ての1×2光スイッチ57,59の光路長を引いた値である。
ΔTmin =Tmin(c) −Tmin
=Tf(b)−Tf(j)
ΔTmax =Tmax(c) −Tmax
=Tfb’−Tf(b)
ΔTmin =Tvar(c) −Tvar
=Tfb’−Tf(j)
…(36)
以上より、本実施形態によれば、式(36)の最小光路長(最小固定遅延量)をΔTmin 減少させ、かつ、可変光路長をΔTvar 拡大することが可能になることが分かる。
図8は本発明に係る離散的光路長調整装置の第4の実施形態の構成を示すブロック図である。図8において、71,72は光ファイバによる光線路73をA系統の光線路74とB系統の光線路75に2分岐するための波長無依存光カプラ(WIC)、761〜76m,781〜78mはそれぞれA,B系統それぞれの光線路74,75に、光路長が20,21,22,…,2m-1で表される2のべき乗に単位長l0を乗じて与えられるm本の光ファイバの両端を、制御装置82からの制御指示に応じて選択的に接続する、波長依存性の小さい2×2ポートの光スイッチ(以下、2×2光スイッチと記すものとし、2×2光スイッチ群76,78の表記で総称する)、771〜77(m−1),791〜79(m−1)は2×2光スイッチ群76,78の各スイッチ出力を入力して、制御装置82からの制御指示に応じて選択的に出力する1×2ポートの光スイッチ(以下、1×2光スイッチと記すものとし、1×2光スイッチ群77,79の表記で総称する)、80,81はそれぞれ制御装置82からの制御指示に応じて、A,B系統それぞれの光スイッチ771〜77(m−1),791〜79(m−1)の選択出力のいずれかを取り出すN×1ポートの光スイッチ(Nは1〜m+1、以下、N×1光スイッチと記す)である。
A系統74およびB系統75の各系統のn番目の2×2光スイッチ76n,78nの第1の出力ポートO1とn+1番目の前記2×2光スイッチ76(n+1),78(n+1)の第1の入力ポートI1とを接続している光ファイバの光路長とn番目の2×2光スイッチ76n,78nの第2の出力ポートO2と1×2光スイッチ77,79とn+1番目の2×2光スイッチ76(n+1),78(n+1)の第2の入力ポートI2とを接続している光経路の光路長は単位長l0×2n-1だけ異なる。本構成で用いない2×2光スイッチ76,78の入出力ポートは無反射終端されている。
まず、前提条件として、n番目の1×2光スイッチ77,79までの各2×2光スイッチ76,78間の光路長差のみを利用した最大可変光路長をTv(n) 、n番目の前記1×2光スイッチ77,79までの固定遅延量とn番目の1×2光スイッチ77,79からN×1光スイッチ80,81までの固定遅延量を合わせた固定遅延量をTf(n) 、n番目の1×2光スイッチ77,79までの設定光路長をT(n) とする。また、固定遅延Tf(n) の大小関係は、
Tf(n+1) ≧Tf(n) …(37)
であるとする。ただし、1≦n≦m−2、mはA系統もしくはB系統の2×2光スイッチ76,78の総数である。
Tv(n) ≧Tf(n+h) −Tf(n) …(38)
を満たす必要がある。ただし、2≦n≦m−2である。
本実施形態では式(38)が満たされるとする。式(38)が満たされる場合に、N×1光スイッチ80,81への入力はn番目の1×2光スイッチ77,79からの出力からn+h番目の1×2光スイッチ77,79からの出力へ切り替えられる。よって、光路長調整部の最小固定遅延量Tmin は式(38)を満たす最小のnをjとすると、
Tmin =Tf(j) …(39)
である。ただし、2≦j≦m-2である。
設定したい光路長Tと、光路長調整部の最小固定遅延量Tf(j) とN×1光スイッチ80,81の経路の選択で変化する光路長調整部のぞれぞれの固定遅延量Tf(n) (j+1≦n≦m−1)の差分との大小関係を比較する工程500では、設定したい光路長Tと光路長調整部の固定遅延差分TF(n) を比較する。ただし、
TF(n) =Tf(n) −Tf(j) …(40)
である。また、j+1≦n≦m−1である。
0≦T<TF(n) …(41)
のときは、式(40)および式(41)より、
T<TF(n) =Tf(n) −Tf(j)
≦Tv(j) =l0(2j-1−1) …(42)
となる。よって、j番目の1×2光スイッチ77,79までを用いて設定したい光路長Tを設定する。ここで、l0は単位光路長、2≦j≦m−2である。よって、N×1光スイッチ80,81の入力としてj番目の1×2光スイッチ77,79からの出力を選択し、j番目の1×2光スイッチ77,79までの設定光路長T(j) を、
T(j) =T …(43)
とする。
Tv=T−TF(k) …(44)
である。また、k番目の1×2光スイッチ77,79までの設定光路長T(k) は、
T(k) =Tv …(45)
である。
ここで、本実施形態における離散的光路長調整装置の最小光路長Tmin 、最大光路長Tmax 、可変光路長Tvarは、離散的光路長調整装置の一系統がm個の2×2光スイッチ76m,78mで構成されているとすると
Tmin =Tf(j)
Tmax =Tfb’’+Tv(m)
Tvar =Tmax −Tmin
=Tfb’’−Tf(j) +Tv(m)
…(46)
となる。
次に、従来の方法による離散的光路長調整装置の最小光路長Tmin(c) 、最大光路長Tmax(c) および可変光路長Tvar(c) は、以下のようになる。
Tmin(c) =Tf(b)
Tmax(c) =Tf(b) +Tv(m)
Tvar(c) =Tmax(c) −Tmin(c)
=Tv(m)
…(47)
ここで、Tf(b) は最大固定遅延Tfb’’からN×1光スイッチ80,81の光路長とN×1光スイッチ80,81から2×2光スイッチ76,78までの光路長と一系統全ての1×2光スイッチ77,79の光路長を引いた値である。
ΔTmin =Tmin(c) −Tmin
=Tf(b) −Tf(j)
ΔTmax =Tmax(c) −Tmax
=Tfb’’−Tf(b)
ΔTmin =Tvar(c) −Tvar
=Tfb−Tf(j)
…(48)
以上より、本実施形態によれば、式(48)の最小光路長(最小固定遅延量)をΔTmin 減少させ、かつ、可変光路長をΔTvar 拡大することが可能になることが分かる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施可能である。要するに本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
13,33,53,73…光線路
14,34,54,74…A系統光線路
15,35,55,75…B系統光線路
16,17…3×3光スイッチ
18,19,40,41,60,61,80,81…N×1光スイッチ
20,42,62,82…制御装置
36,38,56,58,76,78…2×2光スイッチ
37,39,57,59,77,79…1×2光スイッチ
Claims (7)
- 光信号の遅延時間を変化させる離散的光路長調整装置において、
光路長が順に2のべき乗に単位長を乗じて与えられる複数の遅延光ファイバと、
前記複数の遅延光ファイバを選択的に直列接続して任意の遅延時間を生成する複数の切替光スイッチ手段と、
前記複数の切替光スイッチ手段のうち、任意の出力を選択して出力する選択光スイッチ手段と、
前記複数の切替光スイッチ手段の切り替え及び選択光スイッチ手段の選択を制御する制御手段と
を具備し、
前記制御手段は、指定遅延時間に合わせて前記複数の切替光スイッチ手段を選択的に切り替えて前記遅延光ファイバを直列接続させ、最終段の遅延光ファイバの出力を前記選択光スイッチ手段により選択出力させることを特徴とする離散的光路長調整装置。 - 前記複数の切替光スイッチ手段は、それぞれ前記複数の遅延光ファイバを選択的に直列接続させると共に、いずれかの出力ポートを外部出力ポートとする3×3光スイッチであり、
前記選択光スイッチ手段は、前記3×3光スイッチそれぞれの外部出力ポートのうちいずれかの出力を選択することを特徴とする請求項1記載の離散的光路長調整装置。 - 前記複数の切替光スイッチ手段は、前記複数の遅延光ファイバそれぞれの両端に配置され、選択的に直列経路に挿入する一対の2×2光スイッチ群と、前記一対の光スイッチ群それぞれの出力を選択的に外部出力する1×2光スイッチ群とを備え、
前記選択光スイッチ手段は、前記1×2光スイッチ群のうちいずれかの出力を選択することを特徴とする請求項1記載の離散的光路長調整装置。 - 前記複数の切替光スイッチ手段は、前記複数の遅延光ファイバそれぞれに対応して設けられ、個別に直列経路に挿入する複数の2×2光スイッチ群と、前記複数の2×2光スイッチそれぞれの出力を選択的に外部出力する1×2光スイッチ群とを備え、
前記選択光スイッチ手段は、前記1×2光スイッチ群のうちいずれかの出力を選択することを特徴とする請求項1記載の離散的光路長調整装置。 - 前記複数の切替光スイッチ手段は、前記複数の遅延光ファイバそれぞれの入出力端で個別に直列経路に挿入させ、一方の出力ポートを外部出力とする複数の2×2光スイッチ群を備え、
前記選択光スイッチ手段は、前記複数の2×2光スイッチ群のうちいずれかの外部出力を選択することを特徴とする請求項1記載の離散的光路長調整装置。 - 前記複数の遅延光ファイバには、単位長×1/2の長さのオフセットを与える光ファイバが選択的に接続されることを特徴とする請求項1記載の離散的光路長調整装置。
- 光路長が順に2のべき乗に単位長を乗じて与えられる複数の遅延光ファイバを選択的に直列接続して任意の遅延時間を生成する離散的光路長調整方法において、
前記複数の遅延光ファイバを直列接続させる光スイッチのうち、最終段の遅延出力を得る光スイッチの出力を選択的に出力することを特徴とする離散的光路長調整方法。
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