JP2014107083A - 燃料電池システムの排ガス処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】膜/電極接合体を備える燃料電池と、燃料電池のアノードに液体燃料であるヒドラジンを供給する燃料供給手段と、燃料電池のカソードにエアを供給するエア供給手段と、燃料電池からの排ガスを処理する排ガス処理装置とを含む燃料電池システムに適用され、排ガス処理装置から排出される気体を大気に放出するための排気管の途中に設けられるマフラーにおいて、燃料電池システムの外部に放出されるアンモニアを含む凝縮水の量を削減するための構成を提供する。
【解決手段】排気管108の内径よりも大きな内径を有するマフラー本体151と、このマフラー本体の長手方向中間部の内部に配したアンモニア吸着シート152と、このアンモニア吸着シートの上流側に配され内部に通気路156を有する吸水部153とを備え、吸水部の上流側端とマフラー本体の上流側端との間に空間157を設けたマフラー109を採用する。
【選択図】図2
【解決手段】排気管108の内径よりも大きな内径を有するマフラー本体151と、このマフラー本体の長手方向中間部の内部に配したアンモニア吸着シート152と、このアンモニア吸着シートの上流側に配され内部に通気路156を有する吸水部153とを備え、吸水部の上流側端とマフラー本体の上流側端との間に空間157を設けたマフラー109を採用する。
【選択図】図2
Description
本発明は、液体燃料であるヒドラジンを燃料電池に供給する燃料電池システムに備えられる排ガス処理装置に関する。
燃料電池システムとして、液体燃料であるヒドラジンを燃料電池に供給するものが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
このような燃料電池は、たとえば、固体高分子膜の両側にアノード(燃料極)およびカソード(酸素極)を貼り合わせて一体化した膜/電極接合体を備えている。アノードには、燃料循環路が接続されている。すなわち、燃料循環路の一端がアノードの燃料供給口に接続され、その他端がアノードの燃料排出口に接続されている。アノードには、燃料循環路からヒドラジンが供給され、アノードを通過したヒドラジンは、燃料循環路に排出される。一方、カソードには、空気が供給される。
アノードでは、窒素ガス(N2)、水(H2O)および電子(e-)が生成される。電子は、外部回路(図示せず)を介して、カソードに移動する。窒素ガスおよび水は、未反応のヒドラジンとともに、燃料循環路に排出される。一方、カソードでは、アニオン(OH-)が生成される。アニオンは、固体高分子膜を透過して、アノードに移動する。その結果、アノードとカソードとの間に、発電反応(電気化学反応)による起電力が発生する
。
。
また、アノードでは、ヒドラジンの自然分解が起こり、分解物として、アンモニア(NH3)が生成する。そのため、アノードから排出される排出物には、ヒドラジン、窒素ガスおよび水の他に、アンモニアが含まれる。また、燃料電池内では、水および液体燃料が膜/電極接合体のアノードから固体高分子膜を透過してカソードに移動する、いわゆるクロスリークが発生する。そのため、カソードから排出される排出物にも、クロスリークしたヒドラジンの自然分解によって生成されるアンモニアが含まれる。
そのため、その排出物を液体であるヒドラジンおよび水と気体である窒素ガスおよびアンモニアとに分離した後、窒素ガスおよびアンモニアを含む排ガスからアンモニアを除去する処理が必要となる。
ここで、排気ガスからアンモニアを除去するための手段として、硫酸等に代表される中和剤を利用して排気ガス中のアンモニアを除去することが考えられるが、アンモニアが処理しきれず残存することがある。このような不具合を解決するための手段として、中和剤を利用してアンモニアを除去する処置を施した後の気体を大気に放出するための排気管の途中にマフラーを配し、このマフラーの内部にアンモニア除去シート等により形成したアンモニア除去部を配設するとともに、このアンモニア除去部の下方に吸水部を配設することが考えられている。
しかし、前記マフラーの内径は排気管の内径よりも大きく、排気管内を流通する気体がこのマフラーに達した際に気体が断熱膨張し、気体内に含まれる水分が凝縮する。また、気体が断熱膨張する際にアンモニアが液化し、液化したアンモニアがそのままアンモニア除去部に達することがある。また、マフラーの表面からの放熱により排気管内を流通する気体が冷却され、その際にも気体内に含まれる水分が凝縮する。そして、凝縮水分にアンモニアが溶解し、あるいは凝縮水分と液化したアンモニアとが混合し、アンモニアと水分とが混合したアンモニア水が外部に放出されるという不具合がなお発生しうる。
本発明は以上の点に着目し、燃料電池システムの外部に放出されるアンモニア水の量を削減することができる、燃料電池システムの排ガス処理装置を提供することを目的とする。
以上の課題を解決すべく、本発明に係る燃料電池システムの排ガス処理装置は、以下に述べるような構成を有する。すなわち本発明に係る燃料電池システムの排ガス処理装置は、膜/電極接合体を備える燃料電池と、前記燃料電池のアノードに液体燃料であるヒドラジンを供給する燃料供給手段と、前記燃料電池のカソードにエアを供給するエア供給手段とを含む燃料電池システムに適用され、前記燃料電池からの排ガスを処理するものであって、前記燃料電池から排出される気体を大気に放出するための排気管と、この排気管の途中に設けられるマフラーとを備え、前記マフラーが、前記排気管の内径よりも大きな内径を有するマフラー本体と、このマフラー本体の内部に配したアンモニア除去部と、このアンモニア除去部の上流側に配した吸水部とを備え、前記マフラー本体の内部に、前記アンモニア除去部、前記吸水部及びこのマフラー本体の入口開口部により包囲される空間が設けられている。
このようなものであれば、凝縮水分を含む気体がアンモニア除去部に達する前に吸水部を通過するので、この吸水部により水分が除去された後気体がアンモニア除去部を通過することとなる。そのため、アンモニアが凝縮水分に溶解してアンモニア水としてアンモニア除去部を通過することが抑制される。さらに、前記吸水部が前記空間の外側に位置し、気体は前記空間を経て前記アンモニア除去部を通過するので、前記吸水部を保温材として機能させ、新たに発生する凝縮水分の量を抑制し、この点からアンモニア除去部を通過し外部に排出されるアンモニア水の量を削減できる。
ここで、「吸水部をアンモニア除去部の上流側に配する」とは、吸水部の少なくとも一部をアンモニア吸着剤の上流側端縁よりも上流側に配すること全般を示す概念である。
また、アンモニア水の外部への排出をさらに効果的に削減するための構成として、前記アンモニア除去部と前記マフラー本体との間に第2の吸水部を備えているものが挙げられる。このようなものであれば、アンモニア除去部内を通過する気体に含まれる凝結水分を前記第2の吸水部により除去できるからである。
本発明によれば、燃料電池システムの外部に放出されるアンモニア水の量を削減可能な燃料電池システムの排ガス処理装置を提供することができる。
本発明の一実施形態を、図1及び図2を参照しつつ以下に示す。
<システム構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る排ガス処理装置が備えられた燃料電池システムの構成図である。
図1は、本発明の一実施形態に係る排ガス処理装置が備えられた燃料電池システムの構成図である。
燃料電池システム1は、液体燃料を用いる燃料電池システム(FCシステム)であり、たとえば、自動車に駆動源として搭載される。
燃料電池システム1は、燃料電池11を備えている。
燃料電池11は、所定数(たとえば、100〜200)のセルが一方向に積層された、いわゆるセルスタックを有している。各セルは、膜/電極接合体(MEA:MembraneElectrodeAssembly)、膜/電極接合体の両側に配置されたセパレータ、および膜/電極接合体と各セパレータとの間に介在されたガス拡散層(GDL:GasDiffusionLayer)を備えている。
膜/電極接合体は、固体高分子膜の両側にアノード(燃料極)およびカソード(酸素極)を貼り合わせて一体化したものである。固体高分子膜は、たとえば、アニオン(OH-)を透過させる性質を有する。
セパレータの両面には、たとえば、葛折り状に屈曲した凹溝(図示せず)が形成されている。膜/電極接合体のアノードに対向する凹溝は、燃料流路として形成されている。燃料流路の一端および他端は、それぞれ燃料入口12および燃料出口13に接続されている。膜/電極接合体のカソードに対向する凹溝は、エア流路として形成されている。エア流路の一端および他端は、それぞれエア入口14およびエア出口15に接続されている。また、各セル間では、一方のセルのセパレータに形成された凹溝と他方のセルのセパレータに形成された凹溝とが重なり合い、それらの凹溝が冷却水流路を形成している。冷却水流路の一端および他端は、それぞれ冷却水入口16および冷却水出口17に接続されている。
燃料電池システム1は、燃料供給手段たる燃料循環システム20を備えている。
燃料循環システム20には、第1燃料タンク21、第2燃料タンク22、燃料サブタンク23および気液分離器24が含まれる。
第1燃料タンク21には、液体燃料として、たとえば、常温のヒドラジン(N2H4)が貯留されている。第1燃料タンク21には、第1燃料補給管25の一端が接続されている。第1燃料補給管25の他端は、燃料サブタンク23に接続されている。第1燃料補給管25の途中部には、第1燃料供給ポンプ26が介装されている。
第2燃料タンク22には、電解液として、たとえば、常温の水酸化カリウム水溶液(KOH)が貯留されている。第2燃料タンク22には、第2燃料補給管27の一端がi接続されている。第2燃料補給管27の他端は、燃料サブタンク23に接続されている。第2燃料補給管27の途中部には、第2燃料供給ポンプ28が介装されている。
燃料サブタンク23には、電解液に混合された液体燃料、たとえば、水酸化カリウム水溶液に混合されたヒドラジンが貯留されている。燃料サブタンク23には、燃料供給管29の一端が接続されている。燃料供給管29の他端は、燃料電池11の燃料入口12に接続されている。燃料供給管29の途中部には、燃料循環ポンプ30が介装されている。
燃料電池11の燃料出口13には、燃料排出管31の一端が接続されている。燃料排出管31の他端は、気液分離器24に接続されている。
気液分離器24の底部には、燃料帰還管32の一端が接続されている。燃料帰還管32の他端は、燃料サブタンク23に接続されている。燃料帰還管32の途中部には、ストレーナ33が介装されている。また、気液分離器24の上部には、パージ管34の一端が接続されている。
燃料電池システム1は、エア供給手段たる給排気システム40を備えている。
給排気システム40には、エアコンプレッサ41および気液分離器42が含まれる。
エアコンプレッサ41の吸込口には、吸気管43の一端が接続されている。吸気管43の他端は、エアクリーナ44に接続されている。吸気管43には、吸気管43を流通するエアの流量を検出するエア流量計45が設けられている。
エアコンプレッサ41の吐出口には、エア供給管46の一端が接続されている。エア供給管46の他端は、燃料電池11のエア入口14に接続されている。エア供給管46の途中部には、インタークーラ47が介装されている。
燃料電池11のエア出口15には、エア排出管48の一端が接続されている。エア排出管48の他端は、気液分離器42に接続されている。
気液分離器42の底部には、回収管49の一端が接続されている。回収管49の他端は、気液分離器24に接続されている。回収管49の途中部には、環流電磁弁50およびフィルタ51が気液分離器42側からこの順に介装されている。気液分離器42の上部には、パージ管52の一端が接続されている。パージ管52の途中部には、エア背圧調整弁53が介装されている。
また、給排気システム40には、排ガス処理装置100が含まれる。
排ガス処理装置100は、中和剤タンク101、中和剤供給管102、スクラバ103、気液分離器104、排気管108及びマフラー109を備えている。
中和剤タンク101には、中和剤として、たとえば、硫酸(H2SO4)が貯留されている。
中和剤供給管102の一端は、中和剤タンク101に接続されている。中和剤供給管102の途中部には、中和剤ポンプ105が介装されている。
スクラバ103の入口には、気液分離器42から延びるパージ管52の他端が接続されている。スクラバ103における入口の近傍には、中和剤供給管102の他端が接続されている。スクラバ103の出口には、接続管106の一端が接続されている。接続管106の他端は、気液分離器104の側壁に接続されている。
気液分離器104の側壁にはさらに、気液分離器24から延びるパージ管34の他端が接続されている。気液分離器104の底部には、中和剤帰還管107の一端が接続されている。中和剤帰還管107の他端は、中和剤タンク101に接続されている。また、気液分離器104の上部には、排気管108の一端が接続されている。
排気管108の途中部には、マフラー109が介装されている。排気管108には、排気管108からの排気中のアンモニア濃度を検出するNH3センサ110が設けられている。
図2は、排気管108の途中部に介装したマフラー109の縦断面図である。
このマフラー109は、排気管108の内径よりも大きな内径を有するマフラー本体151と、このマフラー本体151の長手方向中間部の内部に配したアンモニア除去部であるアンモニア吸着シート152と、このアンモニア吸着シート152の上流側に配された本発明の吸水部である第1の吸水部153と、この第1の吸水部153の下流側に隣接して設けられ前記アンモニア吸着材152と前記マフラー本体151との間に隙間なく配された第2の吸水部154と、この第2の吸水部154の下流側に隣接して配された第3の吸水部155とを備えている。前記第1の吸水部153は、その内部に前記排気管108の内径とほぼ同じ内径を有する通気路156を備えている。また、前記第1の吸水部153と前記アンモニア吸着シート152との間に、第1の吸水部153、第2の吸水部154、アンモニア吸着シート152、並びにマフラー本体151の入口開口部により包囲された空間157を設けている。前記第3の吸水部155は、その内部に前記排気管108の内径とほぼ同じ内径を有する通気路158を備えており、この通気路158がマフラー本体151の出口開口部に連通している。
燃料電池システム1は、冷却システム120を備えている。
冷却システム120は、燃料電池11の冷却水入口16から冷却水流路に冷却水を供給する。冷却水は、冷却水流路を流通した後、冷却水出口17から排出されて、冷却システム120に戻される。冷却水が冷却水流路を流通することにより、燃料電池11が冷却される。
<発電動作>
燃料電池11による発電のために、燃料循環ポンプ30が駆動される。燃料循環ポンプ30が駆動されると、燃料サブタンク23に貯留されている液体燃料を含む液体が燃料供給管29に吸い出される。そして、燃料供給管29を液体が流通し、その液体が燃料電池11の燃料入口12から燃料電池11の燃料流路に供給される。
燃料電池11による発電のために、燃料循環ポンプ30が駆動される。燃料循環ポンプ30が駆動されると、燃料サブタンク23に貯留されている液体燃料を含む液体が燃料供給管29に吸い出される。そして、燃料供給管29を液体が流通し、その液体が燃料電池11の燃料入口12から燃料電池11の燃料流路に供給される。
また、燃料電池11による発電のために、エアコンプレッサ41が駆動される。エアコンプレッサ41が駆動されると、エア(大気)がエアクリーナ44を通して吸気管43に取り込まれる。吸気管43に取り込まれたエアは、エアコンプレッサ41で圧縮されて、エアコンプレッサ41からエア供給管46に送り出される。エアコンプレッサ41での圧縮に伴って温度が上昇したエアは、エア供給管46を流通する途中で、インタークーラ47によって冷却される。そして、冷却後のエアは、燃料電池11のエア入口14を通して、燃料電池11のエア流路に供給される。
燃料電池11の燃料流路を液体燃料を含む液体が流通し、エア流路をエアが流通すると、燃料電池11において、発電反応(電気化学反応)が生じ、その電気化学反応による起電力が発生する。
具体的には、アノードにおいて、反応式(1)で示される反応が生じ、窒素ガス(N2)、水(H2O)および電子(e-)が生成される。電子は、外部回路(図示せず)を介して、カソードに移動する。窒素ガスおよび水は、未反応の液体燃料とともに、燃料流路から燃料出口13を通して燃料排出管31に流出する。一方、カソードでは、反応式(2)で示される反応が生じ、アニオン(OH-)が生成される。アニオンは、固体高分子膜を透過して、アノードに移動する。
NH2NH2+4OH-→N2+4H2O+4e-…(1)
O2+2H2O+4e-→4OH-…(2)
この結果、アノードとカソードとの間に、発電反応(電気化学反応)による起電力が発生する。
O2+2H2O+4e-→4OH-…(2)
この結果、アノードとカソードとの間に、発電反応(電気化学反応)による起電力が発生する。
燃料電池11の燃料流路を流通した液体は、燃料出口13から燃料排出管31に排出される。燃料電池11のアノードでは、液体燃料であるヒドラジンの自然分解が起こり、分解物として、アンモニア(NH3)が生成する。そのため、燃料排出管31に排出される液体には、ヒドラジン、窒素ガスおよび水の他に、アンモニアが含まれる。燃料排出管31に排出される液体は、燃料排出管31を通して、気液分離器24に流入する。気液分離器24では、燃料排出管31から流入する液体からその液体に含まれる気体(窒素ガスおよびアンモニア)が分離される。
脱気された液体は、気液分離器24内の下部(底部)に集まり、気液分離器24から燃料帰還管32に流出する。燃料帰還管32に流出した液体は、燃料帰還管32を流通し、その途中でストレーナ33を通過する。液体がストレーナ33を通過することにより、液体から異物(固形物)が除去される。その後、燃料帰還管32を流通する液体は、燃料帰還管32から燃料サブタンク23に戻る。
こうして、液体燃料を含む液体は、燃料サブタンク23、燃料供給管29、燃料電池11の燃料流路、燃料排出管31、気液分離器24および燃料帰還管32を含む燃料循環路を循環する。
気液分離器24内で液体から分離された気体は、気液分離器24からパージ管34に流出し、パージ管34を排ガス処理装置100に向けて流通する。そして、パージ管34を流通する気体は、排ガス処理装置100を経由して、大気に放出される。
燃料電池11のエア流路を流通したエアは、エア出口15からエア排出管48に排出される。
燃料電池11内では、水および液体燃料が膜/電極接合体のアノードから固体高分子膜を透過してカソードに移動する、いわゆるクロスリークが発生する。そのため、エア排出管48に流出するエアには、そのクロスリークした液体燃料(ヒドラジン)、その液体燃料の自然分解によって生成されるアンモニアおよび水の蒸気が含まれる。
エア排出管48に流出した気体は、エア排出管48を流通して、気液分離器42に流入する。気液分離器42では、エア排出管48から流入する気体とそのエアに含まれる液体燃料などの液体とが分離される。
液体が除去された気体は、気液分離器42からパージ管52に流出し、パージ管52を排ガス処理装置100に向けて流通する。そして、パージ管52を流通する気体は、排ガス処理装置100を経由して、大気に放出される。
一方、気体から分離した液体は、気液分離器42内の下部(底部)に集まる。環流電磁弁50が閉じられている間、その液体は、気液分離器42内の下部に溜められる。気液分離器42内に溜められた液体は、エア背圧調整弁53の開度が小さくされて、気液分離器42内の圧力が通常よりも高められた状態で、環流電磁弁50が開かれることにより、回収管49を通して、気液分離器24に送られる(回収される)。液体が回収管49を流通する途中でフィルタ51を通過することにより、液体から異物が除去される。気液分離器24に流入した液体は、気液分離器24内の下部(底部)に集まり、気液分離器24から燃料帰還管32に流出し、燃料帰還管32を流通して、燃料帰還管32から燃料サブタンク23に戻る。
<燃料補給動作>
燃料電池システム1の稼働中に、燃料サブタンク23に液体燃料を補給する必要が生じると、第1燃料供給ポンプ26および/または第2燃料供給ポンプ28が駆動される。
燃料電池システム1の稼働中に、燃料サブタンク23に液体燃料を補給する必要が生じると、第1燃料供給ポンプ26および/または第2燃料供給ポンプ28が駆動される。
第1燃料供給ポンプ26が駆動されると、第1燃料タンク21から第1燃料補給管25に液体燃料(ヒドラジン)が汲み出される。そして、その液体燃料が第1燃料補給管25を通して燃料サブタンク23に供給される。
第2燃料供給ポンプ28が駆動されると、第2燃料タンク22から第2燃料補給管27に電解液(水酸化カリウム水溶液)が汲み出される。そして、その電解液が第2燃料補給管27を通して燃料サブタンク23に供給される。
<排ガス処理>
燃料電池11の発電中、排ガス処理装置100では、気液分離器24からパージ管34に排出される気体および気液分離器42からパージ管52に排出される気体(排ガス)からアンモニア(NH3)を除去するための排ガス処理が行われる。
燃料電池11の発電中、排ガス処理装置100では、気液分離器24からパージ管34に排出される気体および気液分離器42からパージ管52に排出される気体(排ガス)からアンモニア(NH3)を除去するための排ガス処理が行われる。
排ガス処理のために、中和剤ポンプ105が駆動される。中和剤ポンプ105が駆動されると、中和剤タンク101から中和剤供給管102に中和剤である硫酸を含む液体が汲み出される。この中和剤を含む液体は、中和剤供給管102をスクラバ103に向けて流通する。そして、中和剤を含む液体は、スクラバ103内に噴射される。
その一方で、エアコンプレッサ41が駆動されると、吸気管43、エア供給管46、燃料電池11のエア流路、エア排出管48、気液分離器42およびパージ管52をエアが流通する。エア排出管48、気液分離器42およびパージ管52を流通するエア(気体)には、燃料電池11内でカソードにクロスリークした液体燃料(ヒドラジン)の自然分解によって生成されるアンモニアが含まれる。
アンモニアを含む気体は、パージ管52からスクラバ103内に流入する。中和剤供給管102を流通しスクラバ103内に噴射される中和剤を含む液体は、スクラバ103内でパージ管52から送り込まれる気体に混ざり、気体に含まれるアンモニアと中和剤である硫酸とが中和して、硫酸アンモニウム((NH4)2SO4)が生成される。
中和剤および硫酸アンモニウムを含む気体は、スクラバ103から接続管106を通して気液分離器104に流入する。一方、気液分離器104には、パージ管34を流通する気体が送り込まれる。パージ管34を流通する気体には、燃料電池11内のアノードで液体燃料(ヒドラジン)の自然分解によって生成されるアンモニアが含まれる。
気液分離器104内においては、前記スクラバ103から送り込まれ中和剤および硫酸アンモニウムを含む気体の流れに向けて、前記パージ管34から送り込まれた気体が吐出される。このとき、前記パージ管34から送り込まれた気体にも中和剤が混入し、その気体に含まれるアンモニアと中和剤である硫酸とが中和して、硫酸アンモニウムが生成される。アンモニアが除去された気体および硫酸および硫酸アンモニウムを含む液体の混合流体中の液体は気液分離器104の底部に溜まり、中和剤帰還管107を通して、中和剤タンク101に戻される。このようにして、中和剤である硫酸を含む液体は、中和剤タンク101、中和剤供給管102、スクラバ103、気液分離器104および中和剤帰還管107を含む中和剤循環路を循環する。一方、アンモニアが除去された気体は、排気管108に排出される。そして、排気管108に排出された気体は、排気管108を流通し、その途中でマフラー109を通過する。
マフラー109に達した気体は、前記第1の吸水部153内の通気路156を通過し、この第1の吸水部153と前記アンモニア吸着シート152との間の空間157に達する。このとき、気体は前記空間157内で断熱膨張し、気体中に含まれる水分が液化して凝縮する。この水分は、前記第1の吸水部153及び前記第2の吸水部154により吸収除去される。その後、気体は前記アンモニア吸着シート152内を通過し、気体状態のアンモニアがこのアンモニア吸着シート152により吸着除去される。また、気体に含まれる液体状態の水分の一部は、第2の吸水部154により吸収される。そして、前記アンモニア吸着シート152内を通過した気体は、前記第3の吸水部155内の通気路158を経て、大気に放出される。この気体が大気に放出される前に、気体中に残存する液体状態の水分は、前記第3の吸水部155により吸収される。
<作用効果>
すなわち、本実施形態によれば、前記排気管108中を流通しマフラー109の内部に達した水分を含む気体は、アンモニア除去シート152に達する前に第1の吸水部153内の通気路を通過するので水分の一部が予め第1の吸水部153により吸水される。さらに気体が前記第1の吸水部153と前記アンモニア除去シート152との間の空間157内で断熱膨張するとともにマフラー本体151に接することにより冷却されて発生した凝縮水の大部分は、前記空間157に面した前記第1の吸水部153及び第2の吸水部154により吸収除去される。その上、前記第1〜第3の吸水部153〜155が保温材として機能するので、マフラー109中を流通する際に新たに凝縮する水分の量は抑制できる。従って、このマフラーを通過して大気に放出されるアンモニア水の量を削減することができる。
すなわち、本実施形態によれば、前記排気管108中を流通しマフラー109の内部に達した水分を含む気体は、アンモニア除去シート152に達する前に第1の吸水部153内の通気路を通過するので水分の一部が予め第1の吸水部153により吸水される。さらに気体が前記第1の吸水部153と前記アンモニア除去シート152との間の空間157内で断熱膨張するとともにマフラー本体151に接することにより冷却されて発生した凝縮水の大部分は、前記空間157に面した前記第1の吸水部153及び第2の吸水部154により吸収除去される。その上、前記第1〜第3の吸水部153〜155が保温材として機能するので、マフラー109中を流通する際に新たに凝縮する水分の量は抑制できる。従って、このマフラーを通過して大気に放出されるアンモニア水の量を削減することができる。
さらに本実施形態では、アンモニア吸着シート152とマフラー本体151との間に第2の吸水部154を設けており、気体がアンモニア吸着シート152を通過する際に気体中に含まれる凝結水分の多くが第2の吸水部154により吸収されるので、外部に放出されるアンモニア水の量をさらに効果的に削減することができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限らない。
例えば、図3に示すように、マフラー本体A151の長手寸法略全域にわたって、排気管108の内径と同一の内径を有する通気路A156を内部に有する吸水部A153を配するとともに、この通気路A156内部における下流側の部位にアンモニア除去部であるアンモニア除去シートA152を配し、前記通気路A156内部における上流側の部位を請求項中の空間として形成したマフラーA109を採用してもよい。
また、図4に示すように、排気管108の内径と同一の内径を有する通気路B156を内部に有する吸水部B153を配し、この通気路B156内部における下流側の部位にアンモニア除去部であるアンモニア除去シートB152を配するとともに、マフラー本体B151の入口側開口部と吸水部B153との間に空間を設けたマフラーB109を採用してもよい。
加えて、図5に示すように、マフラー本体C151の長手寸法略全域にわたって、排気管108の内径よりも大きな内径を有する通気路C156を内部に有する吸水部C153を配するとともに、この通気路C156内部における下流側の部位にアンモニア除去部であるアンモニア除去シートC152を配し、前記通気路C156内部における上流側の部位を請求項中の空間として形成したマフラーC109を採用してもよい。
なお、図3〜図5に示す実施形態の燃料電池システムは、その他の点では図1及び図2に示す燃料電池システム1と同様の構成を有するので、対応する箇所には同一の名称及び符号を付し、詳細な説明は省略している。
これらの態様を採用した場合であっても、凝結水分及びアンモニアを含む気体がアンモニア除去部に達する前に吸水部により凝結水分を吸収除去できるとともに、吸水部中の通気路を通過する際には吸水部が保温材として機能するので新たに凝縮する水分の量は抑制できることから、本発明の最も主要な効果を得ることができる。
加えて、図4及び図5に示す構成では、気体が前記空間に達した際に気体を断熱膨張させて気体に含まれる水分を凝結させ、その際に発生した凝結水分もアンモニア除去部に達する前に吸水部により吸収除去できるので、大気に放出されるアンモニア水の量をさらに効果的に削減できる。
その他、本発明の趣旨を損ねない範囲で種々に変更してよい。
1…燃料電池システム
11…燃料電池
20…燃料供給手段(燃料循環システム)
40…エア供給手段(給排気システム)
100…排ガス処理装置
108…排気管
109、A109、B109、C109…マフラー
151、A151、B151、C151…マフラー本体
152、A152、B152、C152…アンモニア除去部(アンモニア除去シート)
153、A153、B153、C153…(第1の)吸水部
154…第2の吸水部
157、A156、B157、C156…空間
11…燃料電池
20…燃料供給手段(燃料循環システム)
40…エア供給手段(給排気システム)
100…排ガス処理装置
108…排気管
109、A109、B109、C109…マフラー
151、A151、B151、C151…マフラー本体
152、A152、B152、C152…アンモニア除去部(アンモニア除去シート)
153、A153、B153、C153…(第1の)吸水部
154…第2の吸水部
157、A156、B157、C156…空間
Claims (2)
- 膜/電極接合体を備える燃料電池と、前記燃料電池のアノードに液体燃料であるヒドラジンを供給する燃料供給手段と、前記燃料電池のカソードにエアを供給するエア供給手段とを含む燃料電池システムに適用され、前記燃料電池からの排ガスを処理する排ガス処理装置であって、
前記燃料電池から排出される気体を大気に放出するための排気管と、この排気管の途中に設けられるマフラーとを備え、前記マフラーが、前記排気管の内径よりも大きな内径を有するマフラー本体と、このマフラー本体の内部に配したアンモニア除去部と、このアンモニア除去部の上流側に配した吸水部とを備え、前記マフラー本体の内部に、前記アンモニア除去部、前記吸水部及びこのマフラー本体の入口開口部により包囲される空間が設けられていることを特徴とする燃料電池システムの排ガス処理装置。 - 前記アンモニア除去部と前記マフラー本体との間に第2の吸水部を備えている請求項1記載の燃料電池システムの排ガス処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012258434A JP2014107083A (ja) | 2012-11-27 | 2012-11-27 | 燃料電池システムの排ガス処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2012258434A JP2014107083A (ja) | 2012-11-27 | 2012-11-27 | 燃料電池システムの排ガス処理装置 |
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JP2014107083A true JP2014107083A (ja) | 2014-06-09 |
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ID=51028408
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JP2012258434A Pending JP2014107083A (ja) | 2012-11-27 | 2012-11-27 | 燃料電池システムの排ガス処理装置 |
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JP (1) | JP2014107083A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108604689A (zh) * | 2016-02-04 | 2018-09-28 | 柯耐克斯系统株式会社 | 燃料电池 |
-
2012
- 2012-11-27 JP JP2012258434A patent/JP2014107083A/ja active Pending
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CN108604689A (zh) * | 2016-02-04 | 2018-09-28 | 柯耐克斯系统株式会社 | 燃料电池 |
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