JP2014105975A - 燃焼装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】燃焼装置1は、燃焼部に空気を送るための送風機47の駆動によって生じる空気の流れで、制御装置2や電源装置3を冷却できる機能を備えている。燃焼装置1には、不測の事態に備えた安全動作モードが備えられており、不具合等によって制御装置2や電源装置3に生じる過電流を検出するための基準電流値を設け、基準電流値を超えた過電流が流れた際に、安全動作を実行させる。そして、燃焼装置1は、送風機47の現在の状態又は予想される直近の状態に応じて安全動作を実行させる基準となる基準電流値を変更する閾値変更機能を備えている。
【選択図】図2
Description
一方で、いずれの電気機器も、自己の熱や外的な熱によって、一定温度以上まで加熱されると、不具合や故障を引き起こすおそれがある。そのため、特に熱に弱い制御装置や電源装置に限って、何らかの冷却装置で冷却する方策が勘案されるが、冷却専用の装置を用意すると、製造コストを上昇させてしまう等の問題が生じるため避けたい。
しかしながら、燃焼用のファンを用いて電気機器を冷却する場合、ファンが駆動されない「運転待機状態」(燃焼停止状態)において冷却効果が期待できないため、「運転待機状態」における電気機器の温度上昇が避けられなかった。すなわち、一般的に、主電源が投入された燃焼装置では、燃焼用ファンが駆動されているか否かに関わらず、一定の電力(待機電力)が消費される。つまり、燃焼用ファンを停止した状態であっても、電気機器は待機電力により発熱状態が維持されるため、電気機器は昇温傾向となる。
さらに、このような状態において、例えば、導体間に何らかの異物が跨って生じる短絡が電気機器に生じた場合、定格電流を超える過剰な電流が電気機器に流れる。
そして燃焼用のファンが停止している場合は、電気機器を強制冷却するすべが無いから、過電流が流れると短時間の内に電気機器の温度が破壊域まで上昇してしまい、電気機器が壊れてしまう。すなわち燃焼用のファンが運転されている場合は、故障に至らない様な軽微な短絡が生じた場合であっても、「運転待機状態」(燃焼停止状態)にある場合には、電気機器の温度が過度に上昇し、基板等が破壊されてしまう場合がある。
詳述すると、燃焼装置は、湯水を供給したり循環させたり、燃料ガスを供給したりするための電磁弁を多数備えている。電磁弁には誘導素子であるコイルが搭載されているため、電磁弁をON−OFFした際に、瞬間的な突入電流が生じる。突入電流は、一般的に、定常時の電流(定格電流)の何倍もの大きさを有しており、電磁弁の数だけ突入電流が加算される。そのため、突入電流の総和を考慮して基準電流値を設定した場合、基準電流値が相当高いものとなる。
ところが前記した様に、燃焼装置では搭載する電磁弁をONさせる際に要する突入電流の総和が相当に大きく、過電流保護機能における基準電流値を予め低めに設定すると、突入電流の総和が基準電流値を超えてしまう場合がある。その場合には、過電流保護機能が働き、安全動作が実行されるため、流れる電流が遮断されるか或いは制限されてしまい、実際には故障が無いにも係わらず、燃焼装置が運転を停止してしまう。
たとえば、電磁弁を駆動するために必要な電流量が不足して供給できず、正常に電磁弁がONされない等の不具合が生じる。つまり、予め基準電流値を低く設定した場合、不用意に安全動作が実行され、燃焼装置の本来の機能を損ねてしまう懸念があった。
過電流は、電子機器を異常発熱させて素子を焼損させるもので、電子機器破壊の典型的な原因である。
過電流が流れた場合に行われる所定の安全動作は、例えば、過電流を抑制する動作や、過電流を遮断する動作、間欠的に電流を流す動作等も、本発明の構成要素たる「安全動作」に含まれる。
例えば本発明では、閾値変更機能によって、いま現在、送風機が停止している場合や、低速で運転されている様な場合に、基準電流値を、送風機が高速で駆動している場合の基準電流値よりも小さくなるように設定することができる(以下、低い基準電流値という)。
あるいは、動作モードを変更する信号が入力され、今現在は、送風機が高速で運転されているものの、今から短時間の間に送風機が停止されたり、微速に回転数が変更される様な場合に、基準電流値を低い基準電流値に設定することができる。
そしてそのように閾値の変更設定をすれば、本来電力負荷が小さくて済む状況下において、高い基準電流値付近の電流が長時間に渡って流れてしまう不具合を回避することができるため、送風機の運転の有無に関わらず、電子機器が過剰に昇温してしまうおそれはない。すなわち本発明では、送風機による冷却効果が期待できない状況下においては、電子機器に流れる電流値が「低い基準電流値」に至ることで、安全動作を作動させることができるため、電子機器は過度に昇温してしまうことがない。
また送風機が停止状態から再び駆動状態に切り替わった際に、高い基準電流値に戻す構成を採用することもできるため、従来のように燃焼装置の本来の機能が損なわれてしまうことがない。
そこで、本発明の燃焼装置は、電子機器を冷却する能力が喪失した場合あるいは喪失してしまう場合に、基準電流値を下方に変更して、高い電流値が長時間継続する不具合を回避できる機能が備えられている。この結果、電子機器破壊のリスクを軽減できる。
なお、下方に変更する基準電流値は任意に設定可能である。
本発明の燃焼装置は、そのような「送風機の制御信号」を用いるため、リレーやマイコン等の制御機器を用いた制御が可能であり、基準電流値を容易に変更することができる。
本発明の燃焼装置は、そのような信号に基づいて基準電流値を変更する制御が可能であるため、故障時においても低い基準電流値に変更することが可能である。
また、「暖房端末に対して熱媒体又は湯水を供給し得る状態であってバーナの燃焼が行われていない状態」とは、例えば、暖房端末での熱消費が少なかったり、所定温度以上にある場合等である。このような場合には、暖房端末に「所定温度の湯水」をポンプ等で循環させるだけでよいため、バーナの燃焼は行われず、送風機は停止したままとなる。すなわち、「所定温度の湯水」は「電子機器の温度上昇に寄与する外的要因」となるものであり、「送風機の停止」は「冷却能力の喪失」であるため、二つの悪条件が重なる。このような場合にも、前述と同様に、電子機器破壊のリスクが高まるため、基準電流値を下方に変更することで、電子機器破壊のリスクを軽減できる。
本実施形態の燃焼装置1は、給湯モード、追い焚きモード、並びに暖房モードの実施が可能な構成であり、その基本構造は公知の燃焼装置と同様である。
そこで、まず、燃焼装置1の基本構造について簡単に説明する。
制御装置2は、図2の様に従来公知のCPUと、ROMと、RAM等で構成されたマイコン5(マイクロコントローラ又は集積回路)を備えている。制御装置2には、送風機47をはじめとする各電装品等との間に、各電装品等を制御する信号経路7(図2の破線)が設けられている。さらに、制御装置2と電源装置3との間に信号経路8(図2の破線)が設けられている。そのため、送風機47等の各機器からマイコン5へ送信されるアラーム信号や、マイコン5が検知したエラー信号等を、制御装置2から電源装置3に送信できる。
電源装置3は、制御装置2に電源を供給するためのものであり、多くの電子部品が搭載されている。電源装置3と制御装置2との間には、DC15V(ボルト)の電源経路6(図2の実線)が設けられている。なお、電源装置3の詳しい構成については後述する。
本実施形態では、送風機47の駆動によって、常温の空気が筺体40外から筺体40内に吸い込まれる。すなわち送風機47の駆動によって、筺体40内に給気孔41から送風機47の吸入口90に至る気流が発生する。そしてコントローラケース15は、当該気流にさらされる位置に配置されている。
より詳細には、防雨板50のスリット51を通過して、コントローラケース15の周辺に外気が導入される。つまり、昇温傾向の制御装置2及び電源装置3は、防雨板50のスリット51を通過した空気にさらされると、常温域に向けて冷却されるか、一定温度以上昇温しないように温度が維持される。なお、制御装置2や電源装置3を冷却した空気は、送風機47の吸入口90に吸い込まれ、燃焼部43の方に流れていく。
本実施形態の燃焼装置1では、前記したように、通常運転モードとして、給湯モード、追い焚きモード、並びに、暖房モードがある。
一般給湯運転は、カラン等が操作されて出湯要求が発生した場合に、燃焼部43で燃焼動作を実行し、燃焼動作で生成された燃焼ガスによって、給湯側熱交換部45を通過した湯水を加熱するものであり、燃焼ガスによって昇温した湯を所望の温度に調整して出湯する。
なお、燃焼動作においては、燃焼ガスと、送風機47の駆動によって供給された空気との混合ガスを燃焼する動作が実施される。
風呂落とし込み運転は、出湯要求の発生条件が、一般給湯運転と異なる(図示しないリモコン操作による)だけであり、前記一般給湯運転とほぼ同様の動作を実施するため、説明を省略する。
なお、追い焚きモードにおいては、浴槽内の湯水を燃焼部43で生成された燃焼ガスで直接加熱することができないため、暖房・追い焚き側熱交換部46を通過した熱媒体を加熱し、その昇温した熱媒体によって液液熱交換部76を通過した浴槽内の湯水を加熱している。
高温暖房運転は、端末側(ファンコンベクタ56)のリモコン等が操作された場合に、一般給湯運転と同様、燃焼部43で燃焼動作を実行し、燃焼動作で生成された燃焼ガスによって、暖房・追い焚き側熱交換部46を通過した熱媒体を加熱する暖房加熱動作を行うものであり、暖房加熱動作で昇温した熱媒体を所望の温度(概ね80℃)になるように調整して端末側に送り出す。また、高温暖房運転では、暖房流路61内を流通する熱媒体の温度が一定温度以上となれば、燃焼動作を停止しつつ、熱媒体の循環状態を継続する非加熱動作が実行される。そして、再び暖房流路61内を流通する熱媒体の温度が一定温度を下回れば、燃焼動作を再開する。
低温暖房運転は、端末側(床暖房機器57)に送り出す熱媒体の温度が前記高温暖房運転よりも低温(概ね60℃)である点が異なるが、その他の基本的な動作は同様であるため、説明を省略する。
本実施形態の燃焼装置1は、前記したように、燃焼部43に空気を送るための送風機47の駆動によって生じる空気の流れで、制御装置2や電源装置3を冷却できる機能を備えている。すなわち、本実施形態では、送風機47に、燃焼用としての空気を供給する機能と、電気機器(制御装置2や電源装置3)を冷却できる機能が兼ね備えられている。そして、この機能によって、送風機47の駆動時における、電気機器の焼損等の可能性を低減している。
しかしながら、先にも説明したように、単純に燃焼用の送風機47を、電気機器の冷却用として共用した場合、送風機47が駆動しないタイミングにおいては、当該送風機47は、もはや冷却用として機能しないため、電気機器の焼損の可能性は払拭できない。
すなわち、本実施形態では、このような状態になれば、送風機47の駆動が停止した状態あるいは送風機47が所定の低能力範囲内で運転された状態と認識されて、安全動作を実施させる基準電流値(閾値)を通常閾値から変更閾値に切り替える。また、前記状態から通常運転モードのいずれか1つの動作(例えば一般給湯運転)あるいは2つの動作(例えば一般給湯運転と暖房運転)が実行されて、送風機47が駆動状態あるいは送風機47の回転数が一定値を超えた状態となれば、再び基準電流値(閾値)を通常閾値に戻す。
以下、順次説明する。まずステップ1において、送風機47がOFFであるか否かが確認される。すなわち、ステップ1では、燃焼装置1が待機状態であるか、通常運転モードにおいて燃焼動作が停止された状態であるかが確認される。そして、ステップ1において、待機状態あるいは燃焼停止状態による送風機47のOFF状態が確認されると、ステップ7に移行する。そして、ステップ7で、フラグAがONであるか否かが確認され、フラグAがONにされていなければ、ステップ8でフラグAがONにされて基準電流値が変更閾値に変更される(ステップ11)。
なお、ステップ7において、フラグAがONであることが確認されれば、再びステップ1に戻り、同様の動作が実施される。
なお、ステップ9において、フラグBがONであることが確認されれば、再びステップ1に戻り、同様の動作が実施される。
また、横軸は、時間の経過を示すものである。
一方、床暖房機器57の湯水の温度は、目標設定温度である温度T3よりも低い温度T1である。
電流a3は待機電流a1よりも多いが、電源装置3(電子機器)は、送風機47の送風によって冷却される。そのため時間t1経過後も、電源装置3内の温度は低い。
床暖房機器57の湯水の温度は、温度T1から目標設定温度である温度T3に向かって上昇している。
送風機47が停止することによって電源装置3の送風が停止されるが、電源装置3に流れる電流が電流a2に低下するので、電源装置3の温度変化は小さい。
一方、湯水を循環させるための循環ポンプ48はONのままであり、燃焼装置1は低温暖房運転を継続している。
送風機47が起動することによって電源装置3の送風が再開され、電源装置3の温度は低下する。
一方、湯水を循環させるための循環ポンプ48はONであり、燃焼装置1は「低温暖房運転」を継続している。
しかしながら、送風機47が起動中であり、電源装置3は冷却されているから、電源装置3の温度はそれほど高くはならない。即ち電源装置3には通常よりも高い電流が流れるものの、冷却効果が機能しているから、電源装置3の温度は危険温度には達しない。そのため電源装置3が故障することはない。
基準電流値は変更閾値Bに低下されることによって、電源装置3に流れる電流が変更閾値Bを越えることとなり、直ちに安全動作が実行される。
そのため送風機47が停止されて電源装置3を冷却する機能は失われるが、電源装置3に流れる電流が急激に低下するので、電源装置3の温度は低下傾向となり、破壊を免れる。
仮に本発明を採用せず、送風機47を停止しても閾値を変更しない場合は、図の破線の様に送風機47の停止に伴って電源装置3の温度が上昇し、破壊されてしまうこととなる。
一方、送風機47が駆動されない待機状態において、安全動作が実行される基準電流値を、閾値変更機能を用いて通常閾値Aから変更閾値Bに切り替えたことで、通常閾値Aでは検出できない異常電流に起因した焼損等を防止することができる。
電源装置3は、図7の回路図に示すように、主に、商用電源を整流するダイオードD1〜D4で構成される整流回路10と、平滑化する電解コンデンサC1で構成される平滑回路11と、所望する直流電源へ変換するスイッチング電源部12等によって構成されている。
スイッチング電源部12は、主にスイッチングトランスST1で構成された所謂DC−DCコンバータであり、商用電源で作り出したDC140Vの直流電圧を、スイッチングトランスST1の1次側(供給側)の巻き線N1及び2次側(負荷側)の巻き線N2、さらにダイオードD5と電解コンデンサC3を介してDC15Vの直流電圧へと変換(降圧)するものである。
バイアス回路14は、スイッチングトランスST1の巻き線N3と、直列に接続された抵抗r(抵抗R2と抵抗R1の合成抵抗)と,R4とで構成されている。巻き線N3から出力される電圧は、抵抗r,R4で分圧される。つまり、基準電流値(閾値)をバイアスするバイアス電圧は、抵抗R4/(抵抗r+抵抗R4)の回路定数で決定される。つまり、抵抗rを変更したり元に戻したりすると、バイアス電圧が変化したり元に戻ったりする。
つまり、ファン制御信号がONの時、図9に示すように、フォトカプラIC2、トランジスタQ3がONされるため、電界効果トランジスタQ1はONとなる。
一方、ファン制御信号がOFFの時、図10に示すように、フォトカプラIC2、トランジスタQ3がOFFとなるため、電界効果トランジスタQ1はOFFとなる。
すなわち、電界効果トランジスタQ1のON−OFF動作は、ファン制御信号のON−OFF動作に連動する。
一方、ファン制御信号がOFFの間、電界効果トランジスタQ1はOFFであるため、抵抗rは、抵抗R2単体の抵抗値となる。つまり、ファン制御信号をOFFさせることで、抵抗rを大きくする(元に戻す)ことができる。
または、閾値変更回路21で電界効果トランジスタQ1及び抵抗R1を通電状態として
抵抗rを小さくすると、バイアス電圧は大きくなる。
つまり、ファン制御信号がOFFの時、抵抗rが大きくなり、バイアス電圧は小さくなる。その結果、基準電流値(閾値)が低下する。この低下した基準電流値(閾値)が変更閾値である。
一方、ファン制御信号がONの時、抵抗rが小さくなり、バイアス電圧は大きくなる。その結果、基準電流値(閾値)が変更閾値よりも上昇する(元の値に復帰する)。この上昇した基準電流値(閾値)が通常閾値である。
すなわち、スイッチング電源コントローラIC1の入力端子P1に入力される基準電流値(閾値)自体の電位は抵抗R2やR4をはじめ、さらに抵抗R3やR5の影響を受けるが、基準電流値(閾値)を下げるか上げる(元に戻す)かは、電界効果トランジスタQ1及び抵抗R1を非通電とするか通電するかで決定される。
しかしながら本発明はこれに限定されず、図11に示す閾値変更回路22で構成しても構わない。
図11に示す閾値変更回路22は、マイコン5からのエラー信号等に基づいて閾値を変える構成であり、異常を検知して出力される何らかの信号に基づいて基準電流値を変更する構成例を示すものである。
以下、閾値変更回路22について説明する。なお、前述の電源装置3や閾値変更回路21と重複する構成については、説明を省略する。
一方、マイコン信号がOFFの時(送風機47の正常時)は、図13に示すように、電界効果トランジスタQ10がONされるため、抵抗rは、抵抗R2と抵抗R1の合成抵抗となって抵抗rが小さくなる。その結果、前述と同様に、基準電流値(閾値)が高い方の通常閾値に設定される。
すなわち、前述と同様に、スイッチング電源コントローラIC1の入力端子P1に入力される基準電流値(閾値)を下げるか上げる(元に戻す)かは、電界効果トランジスタQ10及び抵抗R1を非通電とするか通電するかで決定される。
図14に示す閾値変更回路23も、マイコン5からの信号等に基づいて閾値を変える構成であり、送風機47が所定の低能力範囲内で運転されている場合、または送風機47を所定の低能力範囲内で運転させる場合に基準電流値を下方に変更する構成を示すものである。
以下、閾値変更回路23について説明する。なお、前述の閾値変更回路22と重複する構成については、説明を省略する。
すなわち、閾値変更回路23において、電界効果トランジスタQ10は、トランジスタQ4(PNP型)のON動作でOFFとなる。トランジスタQ4は、オペアンプで構成された作動増幅器IC4からの出力がLレベルとなった際に、ONされる。
電解コンデンサC10の電圧は、マイコン5からの送風機47の駆動パルス信号(以下、マイコン信号と称する)を平滑して作られる電圧である。そのため、電解コンデンサC10の電圧は、マイコン5からのパルス信号が増加する(送風機47の回転数が増える)ことで高くなる。
つまり、マイコン信号が増加する時、作動増幅器IC4の非反転入力端子(+)に加わる電解コンデンサC10の電圧値が、反転入力端子(−)に加わる基準電圧を上回る。その結果、作動増幅器IC4が、Hレベルを出力する。
一方、マイコン信号が低い時、作動増幅器IC4の非反転入力端子(+)に加わる電解コンデンサC10の電圧値は、反転入力端子(−)に加わる基準電圧を下回る。その結果、作動増幅器IC4が、Lレベルを出力する。
前述と同様に、スイッチング電源コントローラIC1の入力端子P1に入力される基準電流値(閾値)を下げるか上げる(元に戻す)かは、電界効果トランジスタQ10及び抵抗R1を非通電とするか通電するかで決定される。
閾値変更回路24は、主に抵抗R1と電界効果トランジスタQ1で構成されており、前述の閾値変更回路21〜23と同様に、電界効果トランジスタQ1のON−OFFで、合成抵抗である抵抗rを可変できる。抵抗rは、並列接続された抵抗R2と抵抗R1の合成抵抗であるため、電界効果トランジスタQ1がONの時、抵抗値rが小さくなる。すなわち、基準電流値(閾値)を下げることができる(変更閾値)。
また、電界効果トランジスタQ1がOFFの時、抵抗値rが大きくなる。すなわち、基準電流値(閾値)を上げることができる(通常閾値)。
すなわち、スイッチング電源コントローラIC1の入力端子P1に入力される基準電流値(閾値)を下げるか上げる(元に戻す)かは、電界効果トランジスタQ1及び抵抗R1を通電するか非通電とするかで決定される(前述の閾値変更回路21〜23とは逆の動きとなる)。
なお、電界効果トランジスタQ1は、電源Vccを抵抗R7,R8で分圧したHレベルの電位がゲート(G)に加わった状態にあり、常時ONにされている。そして、電界効果トランジスタQ1をOFFさせるためには、フォトカプラIC2をONにする必要がある。すなわち、電界効果トランジスタQ1のON−OFF動作は、フォトカプラIC2のON−OFF動作と反対の動きとなる。フォトカプラIC2を操作するマイコン信号としては、送風機47が正常に駆動している時の信号等が挙げられる。
また安全動作は、燃焼等を停止させる動作と共に、何らかの警報や報知を発するものであることが望ましい。例えば図示しないリモコンや、ディスプレイに所定の表示を表出させる動作を伴うものであることが推奨される。
2 制御装置(電子機器)
3 電源装置(電子機器)
21,22,23,24 閾値変更回路
43 燃焼部(バーナ)
45 給湯側熱交換部
46 暖房・追い焚き側熱交換部
47 送風機
55 暖房端末
Claims (7)
- バーナと、バーナに燃焼用の空気を供給する送風機と、水又は熱媒体の少なくともいずれかを加熱する熱交換器と、電子機器とを備え、前記送風機が前記電子機器の冷却にも寄与しており、さらに前記電子機器に過電流が流れた場合に所定の安全動作を実行する保護機能を備えた燃焼装置において、
送風機の現在の状態又は予想される直近の状態に応じて安全動作を実行させる基準となる基準電流値を変更する閾値変更機能を備えることを特徴とする燃焼装置。 - 送風機が停止している場合、または送風機を停止させる場合に基準電流値を下方に変更することを特徴とする請求項1に記載の燃焼装置。
- 送風機が所定の低能力範囲内で運転されている場合、または送風機を所定の低能力範囲内で運転させる場合に基準電流値を下方に変更することを特徴とする請求項1又は2に記載の燃焼装置。
- 送風機の制御信号に基づいて基準電流値を変更することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の燃焼装置。
- 異常を検知して出力される何らかの信号に基づいて基準電流値を変更することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の燃焼装置。
- 暖房端末に熱媒体又は湯水を供給する暖房機能を備え、暖房端末に対して熱媒体又は湯水を供給し得る状態であってバーナの燃焼が行われていない状態の場合に基準電流値を下方に変更することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の燃焼装置。
- 給湯機能を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の燃焼装置。
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