以下、本発明のバスダクトプラグインホール保護構造について図面に基づいて説明する。尚、本発明は、以下で説明する各実施形態に限定されるものではなく、それぞれ実施形態を部分的に組み合わせる、不要箇所を削除するなど、本発明の要旨の範囲内で適用可能である。
《第1実施形態》
先ず、本発明の第1実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造について、図1乃至図3を用いて説明する。尚、図1は、本発明の第1実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造のバスダクトを示す図であり、(a)が平面図であり、(b)が側面図である。また、図2は、本発明の第1実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造及びバスダクトの詳細を示す図であり、(a)がA−Aの模式断面図であり、(b)がB−Bの模式断面図であり、(c)がC−Cの模式断面図である。また、図3は、本発明の第1実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造のプラグインホールにプラグイン装置を挿入する過程を示す模式図であり、(a)が挿入前の図、(b)が指示円S1部分の拡大図(挿入前)、(c)が指示円S1部分の拡大図(挿入中)、(d)が指示円S1部分の拡大図(挿入後)である。
第1実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造1は、例えば空気層によって絶縁された空気絶縁型の複数(この場合、一例としてRST三相+中性相の四本)のバスダクト導体2をハウジング11内部に収容したバスダクト10と、バスダクト10の各バスダクト導体2それぞれに対応する複数(この場合、一例として四個)の接触子21を有するプラグイン装置20を具えている(図3参照)。そして、バスダクト10に設けられたプラグインホール12に対してプラグイン装置20の接触子21が挿入(プラグイン)されてバスダクト導体2と接続されることにより、電気幹線の主幹としてのバスダクト10に対してプラグイン装置20が電気的に接続されるようになっている。以下、第1実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造1の詳細を説明していく。
先ず、第1実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造1を構成するバスダクト10について説明する。図1及び図2に示すように、バスダクト10は、空気層によって絶縁された空気絶縁型の四本のバスダクト導体2が、図示しない絶縁ホルダによって支持されてハウジング11の内部に配置されている。ハウジング11は、全体として断面視で中空の略直方体形状(すなわち略ロ字形状)であり、一対のハウジング半体を組み合わせて形成されている。尚、バスダクト10の絶縁は空気絶縁型だけに限らず、絶縁性のシートで覆うことで絶縁する絶縁被覆型のものでも良い。
一対のハウジング半体は、断面視で下側に開放した略コ字形状の上側ハウジング半体11aと、断面視で上側に開放した略コ字形状の下側ハウジング半体11bとからなる。これら上側ハウジング半体11aおよび下側ハウジング半体11bには、その両側壁を、断面視で内方から外方に略凸形状に突出変形させることで形成された突出部としての補強部14がバスダクト10の長手方向に沿って設けられ、電気幹線を形成するバスダクト10全体の強度を向上するようになされている。
また、下側ハウジング半体11bは、その幅(側壁同士の間隔)が上側ハウジング半体11aの幅よりも僅かに狭く形成されている。これにより、下側ハウジング半体11bの開放端を上にして配置し、その上から上側ハウジング反対11aの開放端を覆い被せると、側壁の補強部14同士が嵌合することになり、側壁の嵌合部分をビス留め等して固定することでハウジング11が組み立てられるようになされている。そして、組み立て後のハウジング11における両側壁の補強部14の内側には、側壁を略凸形状に突出変形させることに伴い、略凹形状の突出空間としての補強空間15(上から順に15a・15b・15c)が形成される。
上側ハウジング半体11aは、図1に示すように、その上面にプラグインホール12が所定間隔で複数形成されており、上側ハウジング半体11aの内側に配置されたシャッタ部材13によって閉塞されている。尚、ここでは一例として、プラグインホール12を上側ハウジング半体11aに複数形成するようにした場合について述べるが、プラグインホール12が形成されるのは下側ハウジング半体11bでも良いし、上側ハウジング半体11aと下側ハウジング半体11bの両方でも良く、その数や配置も特に限定しない。
プラグインホール12を閉塞する扉部材あるいは開閉部材としてのシャッタ部材13は、図2に示すように、プラグインホール12をバスダクト10の長手方向に二分して閉塞するかのようにしてお互いに対向して配置された一対の第1シャッタ部材13a及び第2シャッタ部材13bとからなり、これら第1シャッタ部材13a及び第2シャッタ部材13bのそれぞれに、両側壁の補強空間15a同士の間を架け渡せる長さの閉塞部13cが形成されている。また、この閉塞部13cの両端側には、補強空間15aの高さよりも僅かに低いスライド部13dが形成されている。すなわち、これら第1シャッタ部材13a及び第2シャッタ部材13bは、ハウジング11の両側壁の補強空間15a・15aに閉塞部13cが架け渡されると、補強空間15aの内部に位置決めされると共に、スライド部13dがスライド可能な状態で補強空間15a内に収納されるようになされている。これにより、第1シャッタ部材13a及び第2シャッタ部材13bは、プラグインホール12を両開き式にスライド開閉できるようになされている。
このように、第1実施形態のシャッタ部材13がスライド開閉式であるため、例えば作業者が不用意にシャッタ部材13に触れてしまうような場合に、プラグインホール12に直交する方向の力が加えられてもシャッタ部材13が開くことはなく、その分、プラグインホール12の保護が強固なものとなる。また、シャッタ部材13が第1シャッタ部材13a及び第2シャッタ部材13bからなる両開きのスライド開閉式であるため、一方のシャッタ部材が開く方向の力が加えられても他方のシャッタ部材が開くことはなく、つまりは、例えば作業者が不用意にシャッタ部材に触れてしまうような場合に、第1シャッタ部材13aと第2シャッタ部材13bの両方が一度に開いてしまう危険性を極力回避でき、その分、プラグインホール12の保護が強固なものとなる。
また、第1シャッタ部材13a及び第2シャッタ部材13bには、プラグインホール12の閉塞時に相互に接触する閉塞部13cの端辺の全域に亘って、プラグインホール12の外方から内方に向けて傾斜するシャッタ開放ガイド部13eが設けられている。このシャッタ開放ガイド部13eに対し、後述するプラグイン装置20のシャッタ開放部(扉開放部)が押し当てられることによって、プラグイン装置20を挿入する方向の動きが第1シャッタ部材13a及び第2シャッタ部材13bを開放方向にスライドさせる動きに変換されるようになされている。尚、シャッタ開放ガイド部13eは、プラグインホール12の閉塞時に相互に接触する閉塞部13cの端辺のうち、少なくとも後述するシャッタ開放部が接触する部分に形成されていれば良い。
さらに、これら第1シャッタ部材13a及び第2シャッタ部材13bは、螺旋(コイル)状のバネ部材16によって相互に連結されている。具体的には、第1シャッタ部材13aのスライド部13dの近傍で閉塞部13cにおける第2シャッタ部材13bの反対側の位置にバネ係止部13fが設けられており、また、第2シャッタ部材13bの両側のスライド部13dの近傍で閉塞部13cにおける第1シャッタ部材13aの反対側の位置に、バネ係止部13fが設けられている。そして、第1シャッタ部材13aのバネ係止部13fと第2シャッタ部材13bのバネ係止部13fとを連結するようにして、バネ部材16が係止されている。
これにより、第1シャッタ部材13a及び第2シャッタ部材13bは、バネ部材16によって相互に引き付けられるため、相互に近づく方向、すなわちプラグインホール12を閉塞する方向にお互いが付勢されるようになっている。このとき、一つのバネ部材16で第1シャッタ部材13aと第2シャッタ部材13bの両方を付勢しているため、それぞれにバネ部材を別個に設ける場合よりもバネ部材の数が半分になり、その分だけ構造が簡単で部品数も少なくコストがかからなくて済む。
また、第1シャッタ部材13aの一方の端と第2シャッタ部材13bの一方の端がバネ部材16によって連結されると共に、第1シャッタ部材13aの他方の端と第2シャッタ部材13bの他方の端がバネ部材16によって連結されるため、これら第1シャッタ部材13a及び第2シャッタ部材13bと二本のバネ部材16とがユニット化された状態となる(図2(b))。すなわち、ハウジング11の組み立て時において、このユニット化された第1シャッタ部材13a及び第2シャッタ部材13bと二本のバネ部材16を取り付けるだけで済むことになるため、個々の部材を別個に取り付ける場合に比べて組み立て作業が容易になるという利点がある。
ここで、補強空間15aには、上側ハウジング半体11aの外側から上板を貫通するようにして、ボルトやビスを締結したりリベット等を打ち込むことにより、第1シャッタ部材13a及び第2シャッタ部材13bの移動を規制する規制部17が設けられている。この規制部17は、例えば、プラグインホール12のバスダクト10の長手方向における略中央に設けられることにより、第1シャッタ部材13aが規制部17を越えて第2シャッタ部材13b側へ移動することを規制すると共に、第2シャッタ部材13bが規制部17を越えて第1シャッタ部材13a側へ移動することを規制するようになされている。尚、この規制部17は、第1シャッタ部材13a用と第2シャッタ部材13b用とに別に設けても良い。
これにより、第1実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造1のようにバネ部材16がバスダクト10のハウジング11に固定されていない状態においても、第1シャッタ部材13a及び第2シャッタ部材13bが所定位置を越えて移動してしまうような事態、すなわち第1シャッタ部材13a及び第2シャッタ部材13bがずれてプラグインホール12が不用意に開放されてしまうような事態を、規制部17を補強空間15aに設けるという簡易な構造だけで容易に回避できる。
このように、第1実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造1のバスダクト10は形成されており、プラグインホール2を閉塞するシャッタ部材13(第1シャッタ部材13a及び第2シャッタ部材13b)と、シャッタ部材13を閉塞方向に付勢するバネ部材16とを別部材によって形成しているため、シャッタ部材13の強度とバネ部材16の強度とを別個に設定することができる。すなわち、本発明によれば、プラグイン装置20のプラグイン時の施工性を悪化させることなく強固な保護構造を提供することができるため、作業者の感電等を防ぐための強固な保護とプラグイン時の施工性とを両立可能な保護構造を提供することができる。
また、第1実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造1のバスダクト10において、断面視略ロ字形状のハウジング11には、断面視で内方から外方に略凸形状に突出する突出部としての補強部14が形成されており、シャッタ部材13を構成する部材の一部とバネ部材16と規制部17とが(すなわち、プラグインホールを閉塞することに関わる部材の一部が)、補強部14の内側の略凹形状の突出空間としての補強空間15aに配置されている。このため、バスダクト10の内部に収納されているバスダクト導体2とハウジング11との間の空間絶縁距離や沿面距離等を極力阻害することなく、シャッタ部材13の一部やバネ部材16といったプラグインホールを閉塞することに関わる部材の一部をハウジング11の内部に収納することができる。すなわち、シャッタ部材13等のプラグインホールを閉塞することに関わる部材を設けることに起因して空間絶縁距離や沿面距離等を確保するためにバスダクト10が巨大化してしまうような事態を極力回避し得る。
次に、第1実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造1を構成するプラグイン装置20について説明する。プラグイン装置20は、図3に示すように、遮断器等(図示せず)を内部に収納した箱形状の本体部22と、バスダクト10の各バスダクト導体2それぞれに対応して本体部22から突設された複数(この場合、一例として四個)のクリップ状の接触子21と、この接触子21を支持すると共に保護するための絶縁樹脂製の絶縁ホルダ23と、シャッタ部材13を開放するためのシャッタ開放部24とを有している。
ここで、絶縁ホルダ23は、プラグイン時にバスダクト導体2を受け入れる溝23aがバスダクト10のバスダクト導体2の位置に合わせて複数個並べて形成され、この溝23aに接触子21が配置されるようになされている。また、絶縁ホルダ23は、全体として略直方体形状をしており、底面視においてプラグインホール12よりも僅かに小さい略相似形状に形成されている。
シャッタ開放部24は、絶縁ホルダ23の両側の側壁23bに沿って設けられ、側壁23bと同じ幅、あるいは側壁23bよりも幅広に形成されている。これにより、プラグイン挿入時、シャッタ開放部24によって第1シャッタ部材13a及び第2シャッタ部材13bを開放する際、絶縁ホルダ23に第1シャッタ部材13a及び第2シャッタ部材13bが引っかかることなく挿入することができる。尚、シャッタ開放部24を主として、各部材を導電性の部材で形成することで、このシャッタ開放部24を介してバスダクト10とプラグイン装置20とをアース接続することも可能である。また、シャッタ開放部24には、絶縁ホルダ23よりも下方に突出する左右対称で略二等辺三角形状の開放片24aが形成されている。この開放片24aは、絶縁ホルダ23側に僅かに屈曲形成されている。これにより、プラグイン挿入時、シャッタ開放部24の開放片24aがプラグインホール12に挿入し易くなる。
このように、第1実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造1のプラグイン装置20は形成されており、シャッタ開放部24が設けられている点に特徴がある。
以下、第1実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造1において、プラグインホール12に対してプラグイン装置20を挿入する際の動作について図3を用いて説明する。
図3(a)及び(b)は、バスダクト10のプラグインホール12に対してプラグイン装置20を挿入する前の状態を示す図であり、シャッタ開放部24の略二等辺三角形状の開放片24aの先端が、第1シャッタ部材13aのシャッタ開放ガイド部13eと第2シャッタ部材13bのシャッタ開放ガイド部13eとが接する部分の略直上に位置するようにプラグイン装置20が配置されている。
図3(c)は、プラグインホール12に対してプラグイン装置20を近づけて挿入する動作が開始された状態を示す図であり、シャッタ開放部24の略二等辺三角形状の開放片24aの先端が第1シャッタ部材13aのシャッタ開放ガイド部13eと第2シャッタ部材13bのシャッタ開放ガイド部13eとに接触し、第1シャッタ部材13a及び第2シャッタ部材13bを相互に離間する方向にスライドさせている。すなわち、シャッタ開放ガイド部13eに対してシャッタ開放部24の略三角形状の開放片24aが押し当てられることによって、プラグイン装置20を近づけて挿入する方向の動作が第1シャッタ部材13a及び第2シャッタ部材13bを開放方向にスライドさせる動作に変換されており、その力がバネ部材16の付勢力を越えたときに、プラグインホール12が開放されていくようになされている。
図3(d)は、プラグインホール12に対してプラグイン装置20を挿入する動作が完了した状態を示す図であり、シャッタ開放部24の略二等辺三角形状の開放片24aによって第1シャッタ部材13aと第2シャッタ部材13bとが開放され、絶縁ホルダ23とこの絶縁ホルダ23に保護された接触子21とがプラグインホール12の内部に挿入されている。その結果、クリップ状の各接触子21が対応するバスダクト導体2を挟持することになり、バスダクト10とプラグイン装置20との電気的接続が達成される。
尚、絶縁ホルダ23の正面側の略中央には誤挿入防止リブ23cが形成されている(図3(a)参照)。また、プラグインホール12の縁には、プラグイン時にこの誤挿入防止リブ23cを通過させるための誤挿入防止切欠12aが形成されている(図1(a)及び図2(b)参照)。これにより、バスダクトプラグインホール保護構造1では、プラグイン時において、プラグインホール12の誤挿入防止切欠12aを通過する方向以外のプラグイン装置20の挿入が絶縁ホルダ23の誤挿入防止リブ23cにより防止される。
このように、第1実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造1は、バスダクト10のプラグインホール12に対してプラグイン装置20を挿入する(近づける)動作により、図3(b)→(c)→(d)のように、第1シャッタ部材13a及び第2シャッタ部材13bが自動で開放されるようになされている。
また、第1実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造1において、プラグインホール12からプラグイン装置20を引き抜く際のシャッタ部材13の動作については、第1シャッタ部材13a及び第2シャッタ部材13bがバネ部材16によってプラグインホール12の閉塞方向に常に付勢されているため、単純に挿入時とは逆の動作となり、図3(d)→(c)→(b)のように、第1シャッタ部材13a及び第2シャッタ部材13bが自動で閉塞されるようになされている。
以上説明したように、第1実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造1は、プラグイン装置20の未接続時にはシャッタ部材13でプラグインホール12を閉塞し、バスダクト10のプラグインホール12に対するプラグイン装置20の着脱の際にはその動作に応じてシャッタ部材13が自動で開閉されるようになされており、作業者の感電等を防ぐための強固な保護とプラグイン時の施工性との両方を提供できる。
《第2実施形態》
次に、本発明の第2実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造100について、図4及び図5を用いて説明する。尚、図4は、本発明の第2実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造及びバスダクトの詳細を示す図であり、(a)が模式断面図であり、(b)がD−Dの模式断面図であり、(c)がE−Eの模式断面図である。また、図5は、本発明の第2実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造のプラグインホールにプラグイン装置を挿入する過程を示す模式図であり、(a)が挿入前の拡大図、(b)が挿入中の拡大図、(c)が挿入後の拡大図である。
尚、第2実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造100は、シャッタ部材及びバネ部材の構造が、第1実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造1とは異なる。よって、この第2実施形態では、説明の便宜上、第1実施形態と同様の構成又は相当する部分となるものには同じ符号を付すと共に、第1実施形態と異なる部分(すなわちシャッタ部材及びバネ部材の構造)を詳細に説明し、同様の構成の部分については説明を省略する。
第2実施形態のシャッタ部材13は、図4に示すように、第1実施形態と同様にプラグインホール12を両開き式にスライド開閉可能な一対の第1シャッタ部材13a及び第2シャッタ部材13bとからなり、螺旋(コイル)状のバネ部材116と例えばボルトおよびナットからなる連結部材18とによって相互に連結されている。
具体的には、第1シャッタ部材13aのスライド部13dにおける第2シャッタ部材13b側の位置に、スライド部13dを内側に屈曲延設するようにしてバネ止部113fが設けられており、また、第2シャッタ部材13bのスライド部13dにおける第1シャッタ部材13a側の位置に、スライド部13dを内側に屈曲延設するようにしてバネ止部113fが設けられている。また、第1シャッタ部材13a及び第2シャッタ部材13bそれぞれのバネ止部113fには、連結部材18を挿通可能であると共にバネ部材116を挿通不可能な大きさの挿通孔113gが設けられている。
そして、第1シャッタ部材13aの挿通孔113gと第2シャッタ部材13bの挿通孔113gとを連結するように連結部材18が挿通され、第1シャッタ部材13aのバネ止部113fと連結部材18の一方の端部18aとの間に一本目のバネ部材116が収まるように、この螺旋状のバネ部材116に連結部材18が挿通されており、同様に、第2シャッタ部材13bのバネ止部113fと連結部材18の他方の端部18bとの間に二本目のバネ部材116が収まるように、この螺旋状のバネ部材116に連結部材18が挿通されている。
その結果、第1シャッタ部材13a側のバネ部材116は、その一端側で連結部材18の一方の端部18aを押圧すると共に他端側でバネ止部113fを押圧するようになされている。同様に、第2シャッタ部材13a側のバネ部材116は、その他端側で連結部材18の他方の端部18bを押圧すると共に一端側でバネ止部113fを押圧するようになされている。
このようにして、第2実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造100において、第1シャッタ部材13a及び第2シャッタ部材13bは、バネ部材116によって相互に近づく方向、すなわちプラグインホール12を閉塞する方向にお互いが付勢されるようになっている。その結果、この第2実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造100においても、上述した第1実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造1と同様の効果を得ることができる。
一方で、第2実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造100において、バネ部材116が第1シャッタ部材13a及び第2シャッタ部材13bのそれぞれに別個に設けられ、螺旋状のバネ部材116の中に連結部材18が挿通されている点が、第1実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造1の第1シャッタ部材13a及び第2シャッタ部材13bとは異なる。
これにより、仮に、何らかの原因によってバネ部材116が断線した場合であっても、バネ部材116が連結部材18に挿通されているため、断線したバネ部材116が垂下して、バスダクト導体2とハウジング11との間の空間絶縁距離や沿面距離等を阻害したり、バスダクト導体2と短絡してしまったりといった事態が発生することを回避できるようになされている。
また、第2実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造100においても、シャッタ部材13を構成する部材の一部とバネ部材116と規制部17と連結部材18、すなわちプラグインホール12を閉塞することに関わる部材の一部が、補強部14の内側の略凹形状の補強空間15(この場合、特に補強部15a)に配置されている。このため、バスダクト10の内部に収納されているバスダクト導体2とハウジング11との間の空間絶縁距離や沿面距離等を極力阻害することなく、プラグインホール12を閉塞することに関わる部材の一部をハウジング11の内に収納することができる。すなわち、第2実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造100においても、第1実施形態と同様に、シャッタ部材13を設けることに起因して空間絶縁距離や沿面距離等を確保するためにバスダクト10が巨大化してしまうような事態を極力回避し得る。
以下、第2実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造100において、プラグインホール12に対してプラグイン装置20を近づけて挿入する際のシャッタ部材13の動作について図5を用いて説明する。
図5(a)は、バスダクト10のプラグインホール12に対してプラグイン装置20の接触子21を近づけて挿入する直前の状態を示す図であり、シャッタ開放部24の略二等辺三角形状の開放片24aの先端が、第1シャッタ部材13aのシャッタ開放ガイド部13eと第2シャッタ部材13bのシャッタ開放ガイド部13eとが接する部分の略直上に位置するようにプラグイン装置20が配置されている。
図5(b)は、プラグインホール12に対してプラグイン装置20を近づけて挿入する動作が開始された状態を示す図であり、シャッタ開放部24の略二等辺三角形状の開放片24aの先端が第1シャッタ部材13aのシャッタ開放ガイド部13eと第2シャッタ部材13bのシャッタ開放ガイド部13eとに接触し、第1シャッタ部材13a及び第2シャッタ部材13bが相互に離間する方向にスライドさせている。すなわち、シャッタ開放ガイド部13eに対してシャッタ開放部24の略三角形状の開放片24aが押し当てられることによって、プラグイン装置20を挿入する方向の動作が第1シャッタ部材13a及び第2シャッタ部材13bを開放方向にスライドさせる動作に変換されており、その力がバネ部材116の付勢力を越えたときに、プラグインホール12が開放されていくようになされている。
図5(c)は、プラグインホール12に対してプラグイン装置20を挿入する動作が完了した状態を示す図であり、シャッタ開放部24の略二等辺三角形状の開放片24aによって第1シャッタ部材13aと第2シャッタ部材13bとが開放され、絶縁ホルダ23とこの絶縁ホルダ23に保護された接触子21とがプラグインホール12の内部に挿入されている。その結果、クリップ状の各接触子21が対応するバスダクト導体2を挟持することになり、バスダクト10とプラグイン装置20との電気的接続が達成される。
このように、第2実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造100も、第1実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造1と同様に、バスダクト10のプラグインホール12に対するプラグイン装置20の挿入動作により、図5(a)→(b)→(c)のように、第1シャッタ部材13a及び第2シャッタ部材13bが自動で開放されるようになされている。
また、第2実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造100において、プラグインホール12からプラグイン装置20を引き抜く際のシャッタ部材13の動作についても、第1実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造1と同様に、第1シャッタ部材13a及び第2シャッタ部材13bがバネ部材116によってプラグインホール12の閉塞方向に常に付勢されているため、単純に挿入時とは逆の動作となり、図5(c)→(b)→(a)のように、第1シャッタ部材13a及び第2シャッタ部材13bが自動で閉塞されるようになされている。
以上説明したように、第2実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造100も、プラグイン装置20の未接続時にはシャッタ部材13でプラグインホール12を閉塞し、バスダクト10のプラグインホール12に対するプラグイン装置20の着脱の際にはその動作に応じてシャッタ部材13が自動で開閉されるようになされており、作業者の感電等を防ぐための強固な保護とプラグイン時の施工性との両方を提供できる。
《第3実施形態》
次に、本発明の第3実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造200について、図6乃至図11を用いて説明する。尚、図6は、本発明の第3実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造及びバスダクトの詳細を示す図であり、(a)が平面図であり、(b)がF−Fの模式断面図であり、(c)がG−Gの模式断面図である。図7は、本発明の第3実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造のロック部材の詳細を示す図であり、(a)が平面図であり、(b)が正面図であり、(c)が側面図である。また、図8は、本発明の第3実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造のロック部材収納部の詳細を示す図であり、(a)が平面図であり、(b)が正面図であり、(c)がH−Hの模式断面図である。また、図9は、本発明の第3実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造におけるロック構造の詳細を示す図であり、(a)がロック状態を示す図であり、(b)がロック解除状態を示す図である。尚、この図9においては、構成が判り易くなるようロック部材30を特に斜線で示している。また、図10は、本発明の第3実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造におけるシャッタ部材のロック状態の詳細を示す平面図である。また、図11は、本発明の第3実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造のプラグインホールにプラグイン装置を挿入する過程を示す模式図であり、(a)が挿入前の図、(b)が指示円S2部分の拡大図(挿入前)、(c)が指示円S2部分の拡大図(ロック解除)、(d)が指示円S2部分の拡大図(挿入後)である。
尚、第3実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造200は、シャッタ部材(扉部材あるいは開閉部材)の開閉機構が第1実施形態及び第2実施形態とは異なる上、ロック機構およびロック解除機構も有する。よって、この第3実施形態では、説明の便宜上、第1実施形態及び第2実施形態と同様の構成又は相当する部分となるものには同じ符号を付すと共に、第1実施形態及び第2実施形態と異なる部分(すなわちシャッタ部材の構造とロック機構およびロック解除機構)を詳細に説明し、同様の構成の部分については説明を省略する。
先ず、第3実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造200のシャッタ部材213は、図6に示すように、プラグインホール12をバスダクト10の長手方向に二分するかのようにしてお互いに対向して配置された一対の第1シャッタ部材213a及び第2シャッタ部材213bと、これらシャッタ部材213a及び第2シャッタ部材213bを囲うように設けられた枠体213hを有しており、全体としてユニット化され、バスダクト10の上側ハウジング半体11aの外側からプラグインホール12に嵌合されている。
第1シャッタ部材213a及び第2シャッタ部材213bのそれぞれは、枠体213hによって囲まれた領域(以下、これも便宜的にプラグインホール12とする)を閉塞した際に上面に位置する閉塞部213cと、第1シャッタ部材213a及び第2シャッタ部材213bをプラグインホール12に対して観音開きするように回動可能に保持させるための一対の円柱状の回動軸213iとを有している(図6及び図11参照)。
また、枠体213hの内壁には、これら回動軸213iに対応する位置に、回動軸213iよりも僅かに径が大きい円柱状の回動穴(図示せず)が形成されている。これにより、第1シャッタ部材213a及び第2シャッタ部材213bは、回動軸213iが枠体213hの回動穴に回動可能な状態で保持され、プラグインホール12を観音開き式に開閉できるようになされている。尚、この回動式(この場合両開きなので観音開き式)の開閉は、ヒンジ部材を別途取り付けるものでも、薄肉部を形成することによるものでも、どんな構造でもよい。
また、閉塞部213cは、回動軸213i側から先端側にかけての中程で厚みが1/2程度に薄くなり、先端側で更に1/2程度に薄くなるように形成されている。そして、閉塞部213cの先端側において厚みが変化する部分に、第1及び第2実施形態のシャッタ開放ガイド部13eに相当するシャッタ開放ガイド部213eが設けられている。
また、第1シャッタ部材213a及び第2シャッタ部材213bの閉塞部213cにおいて、厚み1/2程度になっている部分の上部には、枠体213hの内壁上端からシャッタ係止部213jが延設されている(図6参照)。これにより、第1シャッタ部材213a及び第2シャッタ部材213bは、プラグインホール12を閉塞した状態よりもハウジング11の内側方向には回動して開くことができるものの、プラグインホール12を閉塞した状態よりもハウジング11の外側方向には開くことができないようになされている。尚、プラグインホール12を閉塞した状態よりもハウジング11の外側方向に第1シャッタ部材213a及び第2シャッタ部材213bを開けないように係止できるのであれば、シャッタ係止部213jを設ける位置や大きさ、個数については適宜である。
さらに、第1シャッタ部材213aの回動軸213iには、螺旋(コイル)状のバネ部材216が挿通され、その一端が第1シャッタ部材213aの裏面に係止されると共に、その他端が枠体213hの内壁に係止されるようになされている。また、第2シャッタ部材213bの回動軸213iについても、同様にバネ部材216は挿通されてその一端が第2シャッタ部材213bの裏面に係止されると共に、その他端が枠体213hの内壁に係止されるようになされている。
これにより、第3実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造200のシャッタ部材213は、第1シャッタ部材213aおよび第2シャッタ部材213bのそれぞれを、ハウジング11の内側から外側へ回動するように付勢している。
これにより、第1シャッタ部材213a及び第2シャッタ部材213bは、プラグイン装置が接続されていない状態においてプラグインホール12を常に閉塞し続けるようになされており、また、バネ部材216の付勢力を越える力でプラグイン装置が挿入されるとプラグインホール12を開放し、そして、接続されていたプラグイン装置を引き抜く際には、自動でプラグインホール12を閉塞するようになされている。
次に、第3実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造200における、シャッタ部材213のロック機構について説明する。このロック機構は、ロック状態において第1シャッタ部材213a及び第2シャッタ部材213bが観音開き式に回動してプラグインホール12を開放しないようにしつつ、ロックが解除された場合には開放できるようにするためのものであり、第1シャッタ部材213a及び第2シャッタ部材213bが閉塞状態において突き合わされている端辺の端部近傍に設けられ(図6の指示円S2の部分)、図7乃至図10に示すように、ロック部材30を、シャッタ部材213の枠体213hに穿たれたロック部材収納部40に対してスライド可能な状態に設けることによって実現される。
具体的には、ロック部材30は、図7に示すように、平板状で平面視略方形のロック基部31と、ロック基部31の上面の略中央付近から上方に略四角柱状に突出したロック頭部32とを有している。一方、ロック部材収納部40は、図8に示すように、シャッタ部材213の枠体213hの内部に形成され、ロック部材30の正面図と略同形状でこのロック部材30を挿入可能な正面側開口41と、挿入されたロック部材30をスライド可能に収納するスライド室42と、挿入されたロック部材30が所定位置より正面側開口41側にスライドしないように保持し続けるための係止部43と、挿入されたロック部材30のロック頭部32の上面を上方に露出するための上面側開口44と、挿入されたロック部材30を正面側開口41の方に付勢する板バネ形状のロックバネ部材50(図9参照)を収納するためのバネ保持室45とを備えている。
尚、ロック部材30及びロック部材収納部40は、シャッタ部材213の枠体213hに穿設されたロック部材収納部40にロック部材30がスライド可能な状態で設置できるのであれば、各部位の形状や大きさは適宜である。
そして、第3実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造200のロック機構は、ロック部材収納部40のバネ保持室45にロックバネ部材50が下の開口からセットされた状態で正面側開口41からロック部材30が挿入されると、図9(a)に示すように、ロックバネ部材50の付勢力によってロック部材30が係止部43に押し付けられた状態となる。この状態において、ロック基部31の一部が枠体213hの内壁からプラグインホール12側に突出するようになされており(以下、ここを突出部分33とする)、図10に示すように、この突出部分33が、第1シャッタ部材213a及び第2シャッタ部材213bが閉塞状態において突き合わされている端辺の端部の下側に配置されることで、第1シャッタ部材213a及び第2シャッタ部材213bがハウジング11の内側方向に回動して開くことを係止(すなわちロック)するようになされている。すなわちこれがロック状態である。
一方、第3実施形態のバスタクトプラグインホール保護構造200のロック機構は、ロック基部31の突出部分33がロックバネ部材50の付勢力を越える力で枠体213h側に押されると、図9(b)に示すように、ロック部材30がスライド室42をスライドしてロック部材収納部40の奥に移動し、突出部分33がロック部材収納部40に収納された状態となる。この状態において、図示しない第1シャッタ部材213a及び第2シャッタ部材213bがハウジング11の内側方向に観音開き式に回動して開くことができるようになる。すなわちロック解除状態となる。
このようにして、第3実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造200では、第1シャッタ部材213a及び第2シャッタ部材213bがハウジング11の内側方向に回動して開くことをロックしたり解除したり(すなわち、ロックのON/OFF)できるようになされている。尚、第1シャッタ部材213a及び第2シャッタ部材213bは、補強部として図示しないリブを形成したり補強部材を貼り付けて強度を向上してもよい。特に、第1シャッタ部材213a及び第2シャッタ部材213bそれぞれの長手方向に沿って補強部を設けることで、例えば指による不測の押圧によって第1シャッタ部材213a及び第2シャッタ部材213bが反ってしまうことを抑えることができる、すなわち、第1シャッタ部材213a及び第2シャッタ部材213bが反ってロック部材30による係止が外れてロックが解除されてしまうような事態を極力回避できる。
次に、第3実施形態のバスタクトプラグインホール保護構造200における、ロック解除機構について説明する。このロック解除機構に関し、まず、第3実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造200を構成するプラグイン装置220について、第1実施形態及び第2実施形態のプラグイン装置20とは異なる部分を説明する。
プラグイン装置220は、図11に示すように、絶縁ホルダ23と一体に成形されたシャッタ開放部224が、絶縁ホルダ23の両側の側壁23bから下方に延設するように設けられており、絶縁ホルダ23よりも下方に突出する略二等辺三角形状の開放片224aが形成されている。この開放片224aは、先端がより鋭角的に形成されており、第1シャッタ部材213aのシャッタ開放ガイド部213eと第2シャッタ部材213bのシャッタ開放ガイド部213eとの間(図10参照s)に挿入し易いようになされている。
シャッタ開放部224の略中央付近からは、バスダクト10の長手方向に幅狭で平板状のロック解除部60が、平面視で絶縁ホルダ23の両側壁よりも外側の位置に下方に向けて突設されている。さらに、ロック解除部60は、下端にかけて先細りの略三角形状の解除片61が形成されていると共に、上端にかけても先細りの略三角形状の解除片62が形成されている。
一方で、第3実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造200において、シャッタ部材213には、図10に示すように、第1シャッタ部材213a及び第2シャッタ部材213bが閉塞状態において突き合わされている部分の端部に、板状のロック解除部60が挿通可能なスリット213sが形成されている。このスリット213sは、第1シャッタ部材213aと第2シャッタ部材213bとが対向する端辺の両角がそれぞれ矩形に切り欠かれることにより形成された微小な隙間である。
そして、このスリット213sに対し、プラグイン装置220のロック解除部60が挿入されると、ロック部材30の被ロック解除部としての突出部33に対して解除片61が押し当てられることで、ロック解除部60を挿入する方向の動作がロック基部31の突出部分33を枠体213h側に押し込む動作に変換され、これにより、ロック部材30がロック部材収納部40に収納されて、第1シャッタ部材213a及び第2シャッタ部材213bのロックが解除されるようになされている。
このようにして、第3実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造200では、第1シャッタ部材213a及び第2シャッタ部材213bのロックが、プラグイン装置220を近づけて挿入することに伴って解除されるようになされている。
すなわち、第3実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造200では、ロック部材30が設けられて第1シャッタ部材213a及び第2シャッタ部材213bが開くことを防止する一方で、プラグインホール12へプラグイン装置220を近づけて挿入する動作に応じ、ロック部材30によるロックを解除できるようになされている。これにより、例えば作業者が不用意にシャッタ部材213に触れてしまうような場合には、ロックされているためシャッタ部材が開くことはなく、プラグインホール12の保護がより一層強固なものとなる。その一方で、プラグインホール12にプラグイン装置220を近づけて挿入する際、シャッタ部材213のロックが自動で解除されるため、施工性に何ら影響することなくスムーズな挿入が可能である。
また、第3実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造200では、ロック部材30のロック頭部32の上面がロック部材収納部40の上面側開口44から、外部(上方)へと露出しており、容易に視認できるようになっている。これにより、ロックされているか否かが一目で判別でき、例えば、仮に何らかの要因によってロック部材に不具合があって、ロックされているべき状況においてロックされていないような状態が生じたとしても、シャッタ部材を押して確認する等の作業をすることなく目視だけで不具合を判別することができる。
また、第3実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造200では、ロック部材30の被ロック解除部としての突出部33が、第1シャッタ部材213a及び第2シャッタ部材213bよりもハウジング11の内側、すなわち、ハウジング11の外部へ露出しない位置に設けられている。このため、例えば作業者が不用意にシャッタ部材に触れてしまうような場合においても、被ロック解除部に作業者が触れることが無く、すなわち、不用意にロックが解除されることがないため、プラグインホールの保護がより一層強固なものとなる。尚、突出部33がハウジング11の外部へ露出しない状態とは、完全に塞がれて外方から完全に視認できないものだけでなく、微小な隙間(例えば指やドライバーが入らない程度の隙間)はあっても容易には視認できなかったり容易には触れられないものも含むものとする。
また、第3実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造200では、プラグインホール12の平面視において、ロック部材30の被ロック解除部としての突出部分33がプラグインホール12の領域の内側に配置されている。このため、プラグインホール12の平面視において被ロック解除部がプラグインホールの領域の外側になるように配置する場合に比べてバスダクトプラグインホール保護構造200を設けるのに必要なスペースを小さくすることができ、その結果、バスダクトプラグインホール保護構造がコンパクトになる。
また、第3実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造200では、第1シャッタ部材213a及び第2シャッタ部材213bが端部同士を向かい合わせにして配置された両開き式であり、第1シャッタ部材213aの端部と第2シャッタ部材213bの端部との間のスリット213sを介してロック解除部60がハウジング11内部に挿入され、ロック部材30による第1シャッタ部材213a及び第2シャッタ部材213bのロックを解除するようになされている。このため、プラグインホール12の平面視においてロック部材30の被ロック解除部としての突出部分33がプラグインホール12の領域の内側に位置していても、ロック解除部60で被ロック解除部(突出部分33)を押圧することが可能となる。
また、第3実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造200は、換言すれば、第1シャッタ部材213aとプラグインホール12との間の微小な隙間としてのスリット213s、若しくは、第2シャッタ部材213bとプラグインホール12との間の微小な隙間としてのスリット213sを介してロック解除部60がハウジング11内部に挿入され、ロック部材30による第1シャッタ部材213a及び第2シャッタ部材213bのロックを解除するようになされているとも解することもできる。このため、プラグインホール12の平面視においてロック部材30の被ロック解除部としての突出部分33がプラグインホール12の領域の内側に位置していても、ロック解除部60で被ロック解除部(突出部分33)を押圧することが可能となる。
かかる構成に加え、第3実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造200では、第1シャッタ部材213a及び第2シャッタ部材213bにおいて、スリット213sへ向けて傾斜するロック解除ガイド部213kがシャッタ開放ガイド部213eをそのまま延設するように設けられている(図10参照)。このため、プラグイン装置220の挿入時においてプラグインホール12に対する位置、すなわちスリット213sに対するロック解除部60の位置が多少ずれたとしても、ロック解除部60の位置がガイド213kによって矯正されることにより、スムーズに挿入することが可能となる。
以下、第3実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造200において、プラグインホール12に対してプラグイン装置220を近づけて挿入する際のシャッタ部材213及びロック部材30の動作について図11を用いて説明する。
図11(a)及び(b)は、バスダクト10のプラグインホール12に対してプラグイン装置220を挿入する前の状態を示す図であり、ロック解除部60の略三角形状の解除片61の先端が、第1シャッタ部材213a及び第2シャッタ部材213bの間のスリット213sの略直上に位置するようにプラグイン装置220が配置されている。
図11(c)は、ロック解除部60によってロック部材30が枠体213h側に押し込まれ、ロック部材収納部40に収納された状態を示している。これにより、第1シャッタ部材213a及び第2シャッタ部材213bのロックが解除され、ハウジング11の内側方向に観音開き式に開くことができるようになっている。
図11(d)は、プラグインホール12に対してプラグイン装置220を挿入する動作がほぼ完了した状態を示す図であり、シャッタ開放部224の略三角形状の開放片224aによって第1シャッタ部材213aと第2シャッタ部材213bとがハウジング11の内側方向に観音開き式に回動され、絶縁ホルダ23とこの絶縁ホルダ23に保護された接触子21とがプラグインホール12の内部に挿入されている。その結果、クリップ状の各接触子21が対応するバスダクト導体2を挟持することになり、バスダクト10とプラグイン装置220との電気的接続が達成される。
尚、プラグイン装置220の挿入が完了した状態においては、ロック解除部60がバスダクト導体2の下方にまで挿入されてしまうため、ロック部材30は再びロック部材収納部40の係止部43に係止される位置まで戻っている。これにより、バスダクト10にプラグイン装置220を装着し続けている間、ロックバネ部材50を圧縮した状態にし続けることを回避できるようになされており、長期の使用の後にロックバネ部材50の弾性力が悪化して、第1シャッタ部材213a及び第2シャッタ部材213bのロックに不具合を起こしてしまうような事態を極力回避できるようになされている。また、ロック部材60を絶縁ホルダ23の高さの分だけ形成する必要もないため、その分部材が少なくて済みコストも低減できる。
このように、第3実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造200は、バスダクト10のプラグインホール12に対するプラグイン装置220の挿入動作により、図11(b)→(c)→(d)のように、第1シャッタ部材213a及び第2シャッタ部材213bのロックを自動で解除しつつ、これら、第1シャッタ部材213a及び第2シャッタ部材213bを自動で開放するようになされている。
また、第3実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造200において、プラグインホール12からプラグイン装置220を引き抜く際のシャッタ部材213の動作については、第1シャッタ部材213a及び第2シャッタ部材213bがバネ部材216によってプラグインホール12の閉塞方向に常に付勢されているため、単純に挿入時とは逆の動作となり、図11(d)→(c)→(b)のように、第1シャッタ部材213a及び第2シャッタ部材213bが自動で閉塞した後に、ロック部材30がロックバネ部材50によって元の位置に戻ることで自動にロックされるようになされている。
尚、上述したように、このプラグイン装置220を装着した状態においてロック部材30はロック時と同じ位置に戻っている。従って、プラグイン装置220を引き抜く際、ロック解除部60の上部に設けられた解除片62でロック部材30をロック部材収納部40に収納し、その後に第1シャッタ部材213a及び第2シャッタ部材213bが閉塞され、さらにその後にロック部材30がロック状態に戻ってロックされる、という動作が、プラグイン装置220を引き抜く動作に応じて自動でなされるようになっている。
以上説明したように、第3実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造200は、第1シャッタ部材213a及び第2シャッタ部材213bがハウジング11の内側方向に観音開き式に回動して開くことがロックされているため、例えば作業者が不用意にシャッタ部材213に触れてしまうような場合においても、シャッタ部材が開くことはなく、プラグインホール12の保護がより一層強固なものとなる。その一方で、プラグインホール12にプラグイン装置220を近づけて挿入する際に、シャッタ部材213のロックが自動で解除されるため、施工性を損なうことなく容易に挿入可能である。
《第4実施形態》
次に、本発明の第4実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造300について、図12及び図13を用いて説明する。尚、図12は、本発明の第4実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造及びバスダクトの詳細を示す図であり、(a)が平面図であり、(b)がI−Iの模式断面図であり、(c)がJ−Jの模式断面図である。また、図13は、本発明の第4実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造のプラグインホールにプラグイン装置を挿入する過程を示す模式図であり、(a)が挿入前の図、(b)が指示円S3部分の拡大図(挿入前)、(c)が指示円S3部分の拡大図(ロック解除状態)、(d)が指示円S3部分の拡大図(挿入後)である。
尚、第4実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造300は、ロック機構およびロック解除機構が第1実施形態乃至第3実施形態とは異なる。よって、この第4実施形態では、説明の便宜上、第1実施形態乃至第3実施形態と同様の構成又は相当する部分となるものには同じ符号を付すと共に、第1実施形態乃至第3実施形態と異なる部分(すなわちロック機構およびロック解除機構)を詳細に説明し、同様の構成の部分については説明を省略する。
先ず、第4実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造300における、シャッタ部材313のロック機構について説明する。このロック機構は、ロック状態において第1シャッタ部材313a及び第2シャッタ部材313bがプラグインホール12を開放しないように維持しつつ、ロックが解除された場合には開放できるようにするためのものであり、図12及び図13に示すように、第1シャッタ部材313a及び第2シャッタ部材313bが閉塞状態において突き合わされている端辺の端部近傍において、ロック部材330を枠体313hから延設するように一体に設けることによって実現される。
具体的には、ロック部材330は、図13に示すように、例えば幅狭で薄い略短冊状で枠体313hの内壁の中程から上方に向けて弾性変形可能な程度の強度で延設されておりその先端には、第1シャッタ部材313a及び第2シャッタ部材313bが閉塞状態において突き合わされている部分の端部の上側を係止するように配置される係止部331が設けられている。
係止部331は、第1シャッタ部材313a及び第2シャッタ部材313bがバネ部材216によってプラグインホール12の内側から外側へ回動すること、すなわち観音開きにプラグインホール12を開放することを防止するようになされている。
また、ロック部材330には、第1シャッタ部材313a及び第2シャッタ部材313bが閉塞状態において突き合わされている部分の端部の下側を係止するように配置されるロック部332が設けられている。ここで、第1シャッタ部材313a及び第2シャッタ部材313b側へのロック部332の突出幅は、係止部331の突出幅より短く形成されている。
ロック部332は、第1シャッタ部材313a及び第2シャッタ部材313bが閉塞状態において突き合わされている部分の端部の下側に配置されることで、第1シャッタ部材313a及び第2シャッタ部材313bを係止し、ハウジング11の内側方向に観音開き式に開くことを防止(すなわちロック)するようになされている。すなわちこれがロック状態である。
かかる構成に加え、シャッタ部材313において枠体313hとロック部材330との間には、ロック部材330が枠体313h側へ押されたときに変形して反ることができるようにするためのロック部材収納空間340が形成されている。
これにより、第4実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造300は、ロック部材330の弾性力を越える力で係止部331が枠体313h側に押されると、ロック部材330が変形して枠体313h側へ反ってロック部材収納空間340に収容された状態になる。このとき、ロック部材330のロック部332も枠体313h側へ反ることにより、ロック部332による係止が外れ、第1シャッタ部材313a及び第2シャッタ部材313bがハウジング11の内側方向に観音開きできるようになされている。すなわちこれがロック解除状態である。
このようにして、第4実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造300においても、第3実施形態と同様に、第1シャッタ部材313a及び第2シャッタ部材313bがハウジング11の内側方向に観音開き式に開くことのロックと解除(すなわちロックのON/OFF)ができるようになされている。
尚、シャッタ部材313には、ハウジング11内部のバスダクト導体2を保持する導体保持溝313mが形成されており、バスダクト導体2を支持する支持ホルダとしても機能している。
次に、第4実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造300における、ロック解除機構について説明する。このロック解除機構に関し、まず、第4実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造300を構成するプラグイン装置320について、第1実施形態乃至第3実施形態のプラグイン装置とは異なる部分を説明する。
プラグイン装置320は、図13に示すように、絶縁ホルダ23の両側壁23b側には、第1乃至第3実施形態のようなシャッタ開放部が形成されていないと共に、第3実施形態のようなロック解除部も形成されていない。このプラグイン装置320において、ロック解除部として機能するのは絶縁ホルダ23の両側壁23b側の下端部23dであり、シャッタ開放部として機能するのは絶縁ホルダ23の前壁23e及び後壁23f側の下端部23gである。
一方で、第4実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造300において、ロック部材330の係止部331には、第1シャッタ部材313a及び第2シャッタ部材313b側に向けて上部が丸みを帯びた斜辺を形成するようにして、被ロック解除部333が形成されている。
この被ロック解除部333に対し、プラグイン装置320の絶縁ホルダ23の両側壁23b側の下端部23d(ロック解除部)がプラグイン装置320の挿入方向に押し当てられると、プラグイン装置320を挿入する方向の動作がロック部材330の係止部331を枠体313h側に押圧する動作に変換され、これにより、ロック部材330が変形して枠体313h側へ反ってロック部材収納空間340に収容される。このとき、第1シャッタ部材313a及び第2シャッタ部材313bの下側に配置されていたロック部332も枠体313h側へ移動することになり、その結果、ロックが解除されるようになされている。
このようにして、第4実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造300では、第1シャッタ部材313a及び第2シャッタ部材313bのロックが、プラグイン装置320の挿入によって解除されるようになされている。
すなわち、第4実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造300では、ロック部材330が設けられて第1シャッタ部材313a及び第2シャッタ部材313bが開くことを防止する一方で、プラグインホール12へのプラグイン装置320の挿入動作に応じ、ロック部材330によるロックを解除できるようになされている。これにより、プラグインホール12にプラグイン装置320を近づけて挿入する際に、第1シャッタ部材313a及び第2シャッタ部材313bのロックが自動で解除されるため、施工性に何ら影響することなくスムーズな挿入が可能である。その一方で、例えば作業者が不用意にシャッタ部材313に触れてしまうような場合には、ロックされているため第1シャッタ部材313a及び第2シャッタ部材313bが開くことはなく、プラグインホール12の保護がより一層強固なものとなる。
また、第4実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造300では、ロック部材330の被ロック解除部333が外部(上方)へと露出しており、容易に視認できるようになっている。これにより、ロックされているか否かが一目で判別でき、例えば、仮に何らかの要因によってロック部材330に不具合があって、ロックされているべき状況においてロックされていないような状態が生じたとしても、シャッタ部材を押して確認する等の作業をすることなく目視だけで不具合を判別することができる。
これに加え、第4実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造300では、ロック部材330の被ロック解除部333が、第1シャッタ部材313a及び第2シャッタ部材313bよりも外部(上方)に配置されている。これにより、ロック機能を有しつつも、メンテナンス等でシャッタ部材を開けたい場合には、被ロック解除部333を直接操作して容易にロックを解除でき、シャッタ部材を開放することができる。
また、第4実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造300では、プラグインホール12の平面視において、ロック部材330の被ロック解除部333がプラグインホール12の領域の内側に配置されている。このため、プラグインホール12の平面視において被ロック解除部333がプラグインホールの領域の外側になるように配置する場合に比べてバスダクトプラグインホール保護構造300を設けるのに必要なスペースを小さくすることができ、その結果、バスダクトプラグインホール保護構造がコンパクトになる。
また、第4実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造300では、プラグイン装置320には、分岐用の接触子21とこの接触子21の絶縁ホルダ23とが設けられ、絶縁ホルダ23の両側壁23b側の下端部23dがロック解除部の機能を有するようにしていると共に、絶縁ホルダ23の前壁23e側及び後壁23f側の下端部23gがシャッタ開放部の機能を有するようにしている。このため、ロック解除部やシャッタ開放部を別部材や別形状として形成する必要が無いため、構造がシンプルとなり製造コストも安くなる。
以下、第4実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造300において、プラグインホール12に対してプラグイン装置320を挿入する際のシャッタ部材313及びロック部材330の動作について図13を用いて説明する。
図13(a)及び(b)は、バスダクト10のプラグインホール12に対してプラグイン装置320を挿入する前の状態を示す図であり、絶縁ホルダ23の両側壁23b側の下端部23dのそれぞれが被ロック解除部333の略直上に位置するようにプラグイン装置320が配置されている。
図13(c)は、プラグインホール12に対してプラグイン装置320を挿入する動作が開始された結果、絶縁ホルダ23の両側壁23b側の下端部23d(ロック解除部)それぞれが被ロック解除部333を押圧してロック部材330全体を枠体313h側へ反らせてロック部材収納空間340に収容させた状態を示す図であり、第1シャッタ部材313a及び第2シャッタ部材313bの下側に配置されていたロック部332もロック部材330の変形に伴って枠体313h側へ移動し、ロックが解除されている。
図13(d)は、プラグインホール12に対してプラグイン装置320を挿入する動作によって、絶縁ホルダ23の前壁23e側及び後壁23f側の下端部23g(シャッタ開放部)それぞれが第1シャッタ部材313a及び第2シャッタ部材313bの閉塞部313cを押圧して回動させることで開放し、プラグインホール12に対してプラグイン装置320を挿入する動作が完了した状態を示す図であり、絶縁ホルダ23とこの絶縁ホルダ23に保護された接触子21とがプラグインホール12の内部に挿入されている。その結果、クリップ状の各接触子21が対応するバスダクト導体2を挟持することになり、バスダクト10とプラグイン装置320との電気的接続が達成される
このように、第4実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造300は、バスダクト10のプラグインホール12に対するプラグイン装置320の挿入動作により、図13(b)→(c)→(d)のように、第1シャッタ部材313a及び第2シャッタ部材313bのロックを自動で解除しつつ、これら、第1シャッタ部材313a及び第2シャッタ部材313bを自動で開放するようになされている。
また、第4実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造300において、プラグインホール12からプラグイン装置320を引き抜く際のシャッタ部材313の動作については、第1シャッタ部材313a及び第2シャッタ部材313bがバネ部材316によってプラグインホール12の閉塞方向に常に付勢されているため、単純に挿入時とは逆の動作となり、図13(d)→(c)→(b)のように、第1シャッタ部材313a及び第2シャッタ部材313bが自動で閉塞した後に、ロック部材330が弾性力によって元の位置に戻ることで自動にロックされるようになされている。
以上説明したように、第4実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造300は、例えば作業者が不用意にシャッタ部材313に触れてしまうような場合には、ロックされているためシャッタ部材が開くことはなく、プラグインホール12の保護がより一層強固なものとなる。その一方で、プラグインホール12にプラグイン装置320を近づけて挿入する際には、シャッタ部材313のロックが自動で解除されるため、施工性に何ら影響することなくスムーズな挿入が可能である。
また、第4実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造300は、枠体313hとロック部材330とが一体に成形されているため、構造としてシンプルであり、容易に形成できるという利点もある。
尚、上述した第1乃至第4実施形態において、空気層によって絶縁された空気絶縁型のバスダクト導体2を有するバスダクト10に対してシャッタ部材を設ける構成を説明したが、本発明はこれに限らず、各導体を絶縁物で被覆して密着並設した絶縁型バスダクトに対してシャッタ部材を設けるようにしても良い。以下、絶縁型バスダクトに対してシャッタ部材を設ける場合について第5実施例として説明する。
《第5実施形態》
次に、本発明の第5施形態のバスダクトプラグインホール保護構造400について、図14乃至図16を用いて説明する。尚、図14は、本発明の第5実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造のバスダクトを示す図であり、(a)が平面図であり、(b)が側面図である。また、図15は、本発明の第5実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造及びバスダクトの詳細を示す図であり、(a)が平面図であり、(b)がK−Kの模式断面図であり、(c)がL−Lの模式断面図である。また、図16は、本発明の第5実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造のプラグインホールにプラグイン装置を挿入する過程を示す模式図であり、(a)が挿入前の図、(b)が指示円S4部分の拡大図(挿入前)、(c)が指示円S4部分の拡大図(ロック解除状態)、(d)が指示円S4部分の拡大図(挿入後)である。
尚、第5実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造400は、バスダクトおよびシャッタ部材の構造が第1実施形態乃至第4実施形態とは異なる。よって、この第5実施形態では、説明の便宜上、第1実施形態乃至第4実施形態と同様の構成又は相当する部分となるものには同じ符号を付すと共に、第1実施形態乃至第4実施形態と異なる部分(すなわちバスダクトおよびシャッタ部材)を詳細に説明し、同様の構成の部分については説明を省略する。
第5実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造400は、例えば図示しない絶縁性の樹脂シートで被覆されて密着並設した絶縁被覆型の複数(この場合、一例としてRST三相分の三本)のバスダクト導体402をハウジング411内部に収容したバスダクト410と、バスダクト410同士を電気的に接続するバスダクト接続部419(すなわち、接続用のバスダクト)と、バスダクト410の各バスダクト導体402それぞれに対応する複数(この場合、一例として三個)の接触子421を有するプラグイン装置420を具えている(図16参照)。
バスダクト接続部419では、図15に示すように、対向して配置されたバスダクト410の各相のバスダクト導体402の端部を二枚の接続導体419aで挟み、両外側にハウジングとしての側板419bを配置して、相間や側板419bとの間を絶縁セパレータ419eで絶縁し、ボルト419cで一括に締結することでバスダクト410同士を電気的に接続するようになされている。このとき、二枚の接続導体419aはバスダクト導体402よりも幅広に形成されているため、ボルト419cで締結したときにバスダクト導体402よりも上方(下方)に突き出るようになされており、この突き出た部分において、二枚の接続導体419aに挟まれたプラグイン空間419dが形成されるようになされている。
また、バスダクト接続部419では、その上部および下部をハウジングとしての上下板419fで覆っており、この上下板にプラグインホール12が形成され、ここにシャッタ部材413が取り付けられる(この場合は一例として上側のみに形成)。そして、シャッタ部材413を介したプラグインホール12にプラグイン装置420の接触子421が挿入され、且つ、プラグイン空間419dに挿入(プラグイン)されると、接続導体419aに接続されることにより、電気幹線の主幹としてのバスダクト410に対してプラグイン装置420が電気的に接続されるようになっている。
ここで、先ず、第5実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造400における、シャッタ部材413について説明する。シャッタ部材413は、図15に示すように、プラグインホール12をバスダクト410の長手方向に二分するかのようにしてお互いに対向して配置された一対の第1シャッタ部材413a及び第2シャッタ部材413bとからなり、これら第1シャッタ部材413a及び第2シャッタ部材413bのそれぞれに、プラグインホール12を覆うための閉塞部413cが形成されている。また、シャッタ部材413の枠体413hにおけるバスダクト410の長手方向の両側には、第1シャッタ部材413a及び第2シャッタ部材413bの閉塞部413cをスライドして収容可能なスライド穴413dが枠体413hに囲まれた内側の領域に穿設されている。尚、枠体413hで囲まれた領域も便宜的にプラグインホール12とする。
従って、第1シャッタ部材413a及び第2シャッタ部材413bの閉塞部413cそれぞれを、スライド穴413dに挿入することで、第1シャッタ部材413a及び第2シャッタ部材413bは、プラグインホール12を両開き式にスライド開閉できるようになされている。
また、第1シャッタ部材413a及び第2シャッタ部材413bには、プラグインホール12の閉塞時に相互に接触する閉塞部413cの端辺の少なくとも一部に、プラグインホール12の外方から内方に向けて傾斜するシャッタ開放ガイド部413eが設けられている。このシャッタ開放ガイド部413eに対し、後述するプラグイン装置420の接触子421(シャッタ開放部)が押し当てられることによって、プラグイン装置420を挿入する方向の動きが第1シャッタ部材413a及び第2シャッタ部材413bを開放方向にスライドさせる動きに変換されるようになされている。
尚、スライド穴413dの中には、プラグインホール12を閉塞する方向に第1シャッタ部材413a及び第2シャッタ部材413bを付勢するための例えば螺旋(コイル)状のバネ部材416が設けられており、これにより、第1シャッタ部材413a及び第2シャッタ部材413bが付勢されてプラグインホール12を閉塞するようになされている。
次に、第5実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造400における、シャッタ部材413のロック機構について説明する。このロック機構は、ロック状態において第1シャッタ部材413a及び第2シャッタ部材413bが両開きにスライドしてプラグインホール12を開放しないように維持しつつ、ロックが解除された場合には開放できるようにするためのものであり、図15及び図16に示すように、第1シャッタ部材413a及び第2シャッタ部材413bが閉塞状態において突き合わされている部分の端部近傍において、ロック部材430を枠体413hから延設するように一体に設けることによって実現される。
具体的には、ロック部材430は、枠体413hの内壁の下方から上方に向けて弾性変形可能な程度の強度で延設されており、その先端には、第1シャッタ部材413a及び第2シャッタ部材413bが閉塞状態において突き合わされている部分の端部の上側に配置される被ロック解除部431が設けられている。
また、ロック部材430には、閉塞状態における第1シャッタ部材413a及び第2シャッタ部材413bそれぞれの閉塞部413cの下側でシャッタ開放ガイド部413eの裏側の部分を係止するように、一対のロック部432が設けられており、第1シャッタ部材413a及び第2シャッタ部材413b側へのロック部432の突出幅は、被ロック解除部431の突出幅より短く形成されている。
ロック部432は、閉塞状態における第1シャッタ部材413a及び第2シャッタ部材413bのシャッタ開放ガイド部413eの裏側の部分に配置されることで、開放ガイド部413eを係止し、第1シャッタ部材413a及び第2シャッタ部材413bがスライドしてプラグインホール12を開放することを防止(すなわちロック)するようになされている。すなわちこれがロック状態である。
かかる構成に加え、シャッタ部材413において枠体413hとロック部材430との間には、ロック部材430が枠体413h側へ押されたときに変形して反ることができるようにするためのロック部材収納空間440が形成されている。
これにより、第5実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造400は、ロック部材430の弾性力を越える力で被ロック解除部431が枠体413h側に押されると、ロック部材430が変形して枠体413h側へ反ってロック部材収納空間440に収容された状態になる。このとき、ロック部材430のロック部432も枠体413h側へ反ることにより、ロック部432による係止が外れ、第1シャッタ部材413a及び第2シャッタ部材413bがスライドして開くことができるようになされている。すなわちこれがロック解除状態である。
このようにして、第5実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造400においても、第3実施形態及び第4実施形態と同様に、第1シャッタ部材413a及び第2シャッタ部材413bがスライドしてプラグインホール12を開放することのロックと解除(すなわち、ロックのON/OFF)ができるようになされている。
次に、第5実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造400における、ロック解除機構について説明する。このロック解除機構に関し、まず、第4実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造400を構成するプラグイン装置420について、第1実施形態乃至第4実施形態のプラグイン装置とは異なる部分を説明する。
プラグイン装置420は、図16に示すように、遮断器等(図示せず)を内部に収納した箱形状の本体部422と、バスダクト410の各バスダクト導体402それぞれに対応して本体部422から突設された複数(この場合、一例として三個)の接触子421と、この接触子421を支持すると共に保護するための絶縁樹脂製の絶縁ホルダ423とを有している。そして、この第5実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造400におけるプラグイン装置420では、接触子421がロック解除部として機能すると共に、シャッタ開放部としても機能するようになされている。
具体的には、接触子421は、バスダクト410の長手方向に沿って見たときに、一対の端子が先細りで中央付近が外側に丸く膨らむような形状になるように横並びで配置されている。この一対の端子が、二枚の接続導体419aの間のプラグイン空間419dに接触子421を挿入し易いように挿入ガイド421aとして形成されている。そして、三個並んだ接触子421の挿入ガイド421aのうち、両外側に位置する挿入ガイド421aがロック解除部としても機能するようになされている。
また、接触子421は、バスダクト410の長手方向に直交する方向に沿って見たときに、端子が下方の先端に向けて先細りの逆三角形状に形成されており、この部分がシャッタ開放部421bとして機能する。
一方で、第5実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造400において、ロック部材430の被ロック解除部431は、その端部に上方から下方に傾斜する斜辺が形成されている。
この被ロック解除部431に対し、プラグイン装置420の接触子421の挿入ガイド421a(ロック解除部)がプラグイン装置420の挿入方向に押し当てられると、プラグイン装置420を挿入する方向の動作が被ロック解除部431を枠体413h側に押圧する動作に変換され、これにより、ロック部材430が変形して枠体413h側へ反ってロック部材収納空間440に収容される。このとき、ロック部材430のロック部432も枠体413h側へ反ることにより、ロック部432による係止が外れ、その結果、ロックが解除されるようになされている。
このようにして、第5実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造400では、第1シャッタ部材413a及び第2シャッタ部材413bのロックが、プラグイン装置420の挿入によって解除されるようになされている。
すなわち、第5実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造400では、ロック部材430が設けられて第1シャッタ部材413a及び第2シャッタ部材413bが開くことを防止する一方で、プラグインホール12へのプラグイン装置420の挿入動作に応じ、ロック部材430によるロックを解除できるようになされている。これにより、例えば作業者が不用意にシャッタ部材413に触れてしまうような場合には、ロックされているため第1シャッタ部材413a及び第2シャッタ部材413bが開くことはなく、プラグインホール12の保護がより一層強固なものとなる。その一方で、プラグインホール12にプラグイン装置420を近づけて挿入する際に、第1シャッタ部材413a及び第2シャッタ部材413bのロックが自動で解除されるため、施工性に何ら影響することなくスムーズな挿入が可能である。
また、第5実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造400では、ロック部材430の被ロック解除部431が外部(上方)へと露出しており、容易に視認できるようになっている。これにより、ロックされているか否かが一目で判別でき、例えば、仮に何らかの要因によってロック部材430に不具合があって、ロックされているべき状況においてロックされていないような状態が生じたとしても、シャッタ部材を押して確認する等の作業をすることなく目視だけで不具合を判別することができる。
これに加え、第5実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造400では、ロック部材430の被ロック解除部431が、第1シャッタ部材413a及び第2シャッタ部材413bよりも外部(上方)に配置されている。これにより、ロック機能を有しつつも、メンテナンス等でシャッタ部材を開けたい場合には、被ロック解除部431を直接操作して容易にロックを解除でき、シャッタ部材を開放することができる。
また、第5実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造400では、プラグインホール12の平面視において、ロック部材430の被ロック解除部431がプラグインホール12の領域の内側に配置されている。このため、プラグインホール12の平面視において被ロック解除部431がプラグインホールの領域の外側になるように配置する場合に比べてバスダクトプラグインホール保護構造400を設けるのに必要なスペースを小さくすることができ、その結果、バスダクトプラグインホール保護構造がコンパクトになる。
また、第5実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造400では、プラグイン装置420に分岐用の接触子421が設けられ、この接触子421の挿入ガイド421aがロック解除部の機能を有するようにしていると共に、接触子421のシャッタ開放部421bがシャッタ開放部の機能を有するようにしている。このため、ロック解除部やシャッタ開放部を別部材や別形状として形成する必要が無いため、構造がシンプルとなり製造コストも安くなる。
かかる構成に加え、第5実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造400では、プラグイン装置420に分岐用の接触子421を保護する絶縁ホルダ423にも、ロック解除部として機能する第1斜辺423aが形成されていると共に、シャッタ開放部として機能する第2斜辺423bが形成されている。すなわち、第5実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造400では、プラグイン装置420の接触子421と絶縁ホルダ423との両方が、ロック解除部の機能を有すると共にシャッタ開放部の機能を有するようにもなされている。尚、接触子421及び絶縁ホルダ423の形状や寸法を選定することで、接触子421だけにロック解除部の機能およびシャッタ開放部の機能の少なくとも一方を付与するようにしても良い。
以下、第5実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造400において、プラグインホール12に対してプラグイン装置420を挿入する際のシャッタ部材413及びロック部材430の動作について図16を用いて説明する。
図16(a)及び(b)は、プラグインホール12に対してプラグイン装置420を挿入する前の状態を示す図であり、三個並んだ接触子421の挿入ガイド421aのうちの両外側に位置する挿入ガイド421a(ロック解除部)が被ロック解除部431の略直上に位置するようにプラグイン装置420が配置されている。
図16(c)は、プラグインホール12に対してプラグイン装置420を挿入する動作が開始された結果、三個並んだ接触子421の挿入ガイド421aのうちの両外側に位置する挿入ガイド421aそれぞれが被ロック解除部431を押圧してロック部材430全体を枠体413h側へ反らせてロック部材収納空間440に収容させた状態を示す図であり、ロック部材430のロック部432も枠体413h側へ反ることにより、ロック部432による係止が外れてロックが解除され、第1シャッタ部材413a及び第2シャッタ部材413bがスライドして開くことができる状態となっている。
図16(d)は、プラグインホール12に対してプラグイン装置420を挿入する動作が完了した状態を示す図であり、接触子421の略三角形状のシャッタ開放部421bの先端が第1シャッタ部材413aのシャッタ開放ガイド部413eと第2シャッタ部材413bのシャッタ開放ガイド部413eとに接触し、第1シャッタ部材413aと第2シャッタ部材413bとが離間する方向にスライドさせている。すなわち、シャッタ開放ガイド部413eに対して略三角形状のシャッタ開放部421bが押し当てられることによって、プラグイン装置420を挿入する方向の動作が第1シャッタ部材413a及び第2シャッタ部材413bを開放方向にスライドさせる動作に変換されており、その力がバネ部材416の付勢力を越えたときに、プラグインホール12が開放されていくようになされている。
このように、第5実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造400は、バスダクト410(バスダクト接続部419)のプラグインホール12に対するプラグイン装置420の挿入動作により、図16(b)→(c)→(d)のように、第1シャッタ部材413a及び第2シャッタ部材413bのロックを自動で解除しつつ、これら、第1シャッタ部材413a及び第2シャッタ部材413bを自動で開放するようになされている。
また、第5実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造400において、プラグインホール12からプラグイン装置420を引き抜く際のシャッタ部材413の動作については、第1シャッタ部材413a及び第2シャッタ部材413bがバネ部材416によってプラグインホール12の閉塞方向に常に付勢されているため、単純に挿入時とは逆の動作となり、図16(d)→(c)→(b)のように、第1シャッタ部材413a及び第2シャッタ部材413bが自動で閉塞した後に、ロック部材430が弾性力によって元の位置に戻ることで自動にロックされるようになされている。
以上説明したように、第5実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造400は、プラグインホール12にプラグイン装置420を近づけて挿入する際に、シャッタ部材413のロックが自動で解除されるため、施工性に何ら影響することなくスムーズな挿入が可能である。その一方で、例えば作業者が不用意にシャッタ部材413に触れてしまうような場合には、ロックされているためシャッタ部材が開くことはなく、プラグインホール12の保護がより一層強固なものとなる。
《他の実施形態》
尚、上述した実施の形態では、RST三相+中性相の四本のバスダクト導体(三相四線)や、RST三相だけの三本のバスダクト導体(三相三線)を有するバスダクトについて説明したが、本発明はこれに限らず、単相一線・単相二線・単相三線・三相六線・三相八線、等、バスダクト導体の相数や導体の線数は適宜であるものとする。
また、上述した第1乃至第4実施形態では、突出部としてハウジング11の補強部14を適用し、突出空間としてハウジング11の補強空間15(15a・15b・15c)を適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば意匠用や部材セット用の凹部といった、補強用途ではない突出部及び突出空間を用いるようにしても良い。
また、上述した第1及び第2実施形態では、上側ハウジング半体11aおよび下側ハウジング半体11bの両側壁に補強部14および補強空間15を形成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、上側ハウジング半体11aの上板や下側ハウジング半体11bの下板を略凸形状に突出変形させることによって補強部や補強空間を形成するようにしても良く、そのようにして形成された補強空間にシャッタ部材の一部やバネ部材が収納されるようにシャッタ部材を配置しても良い。
また、上述した第1及び第2実施形態では、補強空間15a・補強空間15b・補強空間15cのうちの補強空間15aに対してプラグインホール12を閉塞することに関わる部材の一部を配置するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、補強空間15bや補強空間15cを利用する構成であってもよい。また、ハウジング11の両側壁の補強空間15aにそれぞれバネ部材や規制部を設けるようにした場合について述べたが、片側だけに設けるようにしても良い。また、一方にはバネ部材を他方には規制部を設けるようにしても良い。
また、上述した第1及び第2実施形態では、プラグインホール12を閉塞することに関わる部材として、シャッタ部材13の一部、バネ部材16(116)及び規制部17を補強空間15aに収容するようにした場合について述べたが、その全体を収容してもよいし、一部を収容してもよいし、いずれかの部材だけを収容してもよく、要は、プラグインホール12を閉塞することに関わる部材の一部が補強空間15a(突出空間)に収容されていれば、バスダクト導体2とハウジング11との間の空間絶縁距離や沿面距離等を阻害しにくくなる。
また、上述した第1乃至第5実施形態では、螺旋(コイル)状のバネ部材や板状のバネ部材を用いるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、バネ部材としては弾性を有する部材を用いればよく、金属材料、ゴム状の物質や軟質樹脂、木片や竹片等の植物材料品及びその加工物、等何でもよいし、その形状も蛇腹状等でもよい。また、このバネ部材とシャッタ部材とを連結する部位やその構造についても、特に限定しない。
また、上述した第1乃至第5実施形態では、プラグインホール12の略中央付近で第1シャッタ部材と第2シャッタ部材とが突き合わされるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、第1シャッタ部材と第2シャッタ部材とが突き合わされた部分が、第1シャッタ部材及び第2シャッタ部材のどちらかに偏っていても良い。
また、上述した第1乃至第5実施形態では、遮断器等を内部に収納した箱形状のプラグイン装置を用いるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、プラグイン装置の形状は特に限定しないし、遮断器等を内部に備えていなくてもよい。
また、上述した第1乃至第3実施形態では、略三角形状のシャッタ開放部によって第1シャッタ部材及び第2シャッタ部材を開放するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、下方が先細りの台形状や円弧形状等、挿入時に第1シャッタ部材及び第2シャッタ部材に引っかからない形状であれば何でも良いものとする。
また、上述した第1及び第2実施形態では、図4及び図6に示すように、シャッタ開放部24の略三角形状の開放片24aの斜辺の角度よりも第1シャッタ部材13a及び第2シャッタ部材13bのシャッタ開放ガイド部13eの傾斜角度の方が急勾配にした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、開放片24aの斜辺の角度の方を急勾配にしても良いし、角度を合わせるようにしても良い。すなわち、開放片24aの斜辺の角度よりもシャッタ開放ガイド部13eの傾斜角度の方が急勾配にした場合は、少ない挿入量で第1シャッタ部材13a及び第2シャッタ部材13bを開放できるという利点がある。また、開放片24aの斜辺の角度をシャッタ開放ガイド部13eの傾斜角度よりも急勾配にした場合は、より少ない力で第1シャッタ部材13a及び第2シャッタ部材13bを開放できるという利点がある。さらに、開放片24aの斜辺の角度とシャッタ開放ガイド部13eの傾斜角度とを合わせた場合は、開放片24aの斜辺全体でシャッタ開放ガイド部13eを押圧できるため、挿入の力が安定して第1シャッタ部材13a及び第2シャッタ部材13bに伝わるという利点がある。
また、上述した第3乃至第5実施形態では、バスダクト及びバスダクト接続部のハウジングに形成されたプラグインホール12に対し、枠体としてユニット化されたシャッタ部材を取付けるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、第1及び第2実施形態のように枠体を設けずにハウジングの内側にシャッタ部材を埋め込むようにしても良い。同様に、第1及び第2実施形態のシャッタ部材を、第3乃至第5実施形態のシャッタ部材のように枠体を設けてハウジングの外部に取り付けるようにしても良い。
また、上述した第3実施形態では、ロック解除部60の解除片61及び解除片62を略三角形状にしてロック部材30のロック基部31の突出部分33を横断面視で矩形とするようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、解除片61及び解除片62を矩形にして突出部分33を横断面視で略三角形状等にしても良いし、解除片61及び解除片62を略三角形状のままにして突出部分33を横断面視で略三角形状等にしても良い。要は、プラグイン装置220を挿入する方向の動きを、ロック部材30を枠体213h側に押圧する方向の動きに変換できるのであれば、ロック解除部60やロック部材30の各部位の形状は適宜選択可能であるものとする。第1乃至第5実施形態におけるシャッタ開放ガイド部とシャッタ開放部との関係や、被ロック解除部とロック解除部との関係も同様である。
また、上述した第3実施形態では、第1シャッタ部材213a及び第2シャッタ部材213bが閉塞状態において突き合わされている部分の端部にスリット213sを形成するようにした場合について述べたが、このスリット213sを裏側から閉塞できるように、第1シャッタ部材213a及び第2シャッタ部材213bの少なくとも一方の裏側に軟質樹脂製の閉塞シートを設置するようにしても良い。そうすることで、第1シャッタ部材213a及び第2シャッタ部材213bの閉塞時にはこのスリット213sも閉塞シートによって閉塞された状態となり安全性を向上でき、その一方で、プラグイン装置220のロック解除部60がスリット213sに挿入される際には、閉塞シートが変形してロック解除部60を容易に通すことが可能となり、施工性も確保できる。
また、上述した第3実施形態では、第2シャッタ部材213bに対向する第1シャッタ部材213aの端辺の両角を矩形に切り欠くと共に、第1シャッタ部材213aに対向する第2シャッタ部材213bの端辺の両角を矩形に切り欠くことにより、その切欠き同士が合わさることでスリット213sを形成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、第1シャッタ部材213aと第2シャッタ部材213bとのどちらかだけを切り欠くことでスリットを形成しても良いし、閉塞状態における第1シャッタ部材213aと第2シャッタ部材213bとを僅かに離間させることで微小な隙間としてのスリットを形成するようにしても良い。また、第1シャッタ部材213a及び第2シャッタ部材213bがつき合わされている部分の端部に隣接する枠体213hの内側部分を僅かに切り欠くことで、スリットを形成しても良い。
また、上述した第3実施形態では、ロック部材30のロック頭部32の上面が、ロック部材収納部40の上面側開口44から外部(上方)へと露出するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば上面側開口44を設けないことでロック頭部32の上面を外部に露出しないようにしても良い。そうすることで、ロックされているか否かを一目で判別することはできなくなるものの、外部からロック部材30へ直接触れる可能性がある部位を減らすことができるため、その分だけ安全性を向上することができる。
また、上述した第3乃至第5実施形態では、プラグインホール12の平面視において、ロック部材の被ロック解除部がプラグインホール12の領域の内側に配置されるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、被ロック解除部の少なくとも一部がプラグインホール12の領域の内側に配置されるのであれば、その構造は特に限定しない。
また、上述した第4実施形態では、第1シャッタ部材313a及び第2シャッタ部材313b側へのロック部332の突出幅を係止部331の突出幅より短く形成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、係止部331が絶縁ホルダ23によって押し退けられたときに、ロック部332によるロックが解除される寸法や位置関係であるのならば、ロック部332の突出幅および係止部331の突出幅は、同じ幅でも良いしどちらが長くても良く、適宜設定できるものとする。第5実施形態についても同様である。
また、上述した第4実施形態では、絶縁ホルダ23の両側壁23b側の下端部23dがロック解除部の機能を有するようにしていると共に、絶縁ホルダ23の前壁23e側及び後壁23f側の下端部23gがシャッタ開放部の機能を有するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、絶縁ホルダ23の両側壁23b側の下端部23dがロック解除部の機能を有する一方でシャッタ解放部を別部材として設けるようにしても良いし、絶縁ホルダ23の前壁23e側及び後壁23f側の下端部23gがシャッタ開放部の機能を有する一方でロック解除部を別部材として設けるようにしても良い。要は、絶縁ホルダ23が有するのは、ロック解除部の機能とシャッタ解放部の機能との少なくとも一方であればよい。
また、上述した第5実施形態では、接触子421の挿入ガイド421aがロック解除部の機能を有するようにしていると共に、接触子421のシャッタ開放部421bがシャッタ開放部の機能を有するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、接触子421の挿入ガイド421aがロック解除部の機能を有する一方でシャッタ解放部を別部材として設けるようにしても良いし、接触子421のシャッタ開放部421bがシャッタ開放部の機能を有する一方でロック解除部を別部材として設けるようにしても良い。要は、接触子421が有するのは、ロック解除部の機能とシャッタ解放部の機能との少なくとも一方であればよい。
また、上述した第3実施形態では、スリット213sへ向けて傾斜するロック解除ガイド部213kを第1シャッタ部材213a及び第2シャッタ部材213bに形成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、枠体213hに形成されていてもよい。すなわち、ロック解除部60が挿入されるスリット213sの周囲にロック解除ガイド部213kが形成されていれば、プラグイン装置220の挿入時においてプラグインホール12に対する位置、すなわちスリット213sに対するロック解除部60の位置が多少ずれたとしても、ロック解除部60の位置がガイド213kによって矯正されることにより、スムーズに挿入することが可能となる。
また、上述した第3実施形態では、シャッタ係止部213jを設けることによって、プラグインホール12を閉塞した状態よりもハウジング11の外側方向に第1シャッタ部材213a及び第2シャッタ部材213bを開くことができないようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、第1シャッタ部材213a及び第2シャッタ部材213bが突き合わされてプラグインホール12を閉塞する位置で付勢力が無くなるような設計でバネ部材216を設置するようにすれば、シャッタ係止部を設けなくても、第1シャッタ部材213a及び第2シャッタ部材213bが枠体213hを越えてハウジング11の外側方向に勝手に開くことを防止できる。
また、上述した第1乃至第5実施形態では、第1シャッタ部材と第2シャッタ部材とでプラグインホール12を閉塞するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、プラグインホール12を一枚のシャッタ部材(すなわち第1シャッタ部材のみ)で閉塞するようにしても良い。以下、具体例として、第1実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造1においてプラグインホール12を一枚の第1シャッタ部材で閉塞した場合について、変形例1のバスダクトプラグインホール保護構造500として説明する。
変形例1のバスダクトプラグインホール保護構造500は、図17及び図18に示すように、シャッタ部材の構造が第1実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造1とは異なる。よって、この変形例1では、説明の便宜上、第1実施形態と同様の構成又は相当する部分となるものには同じ符号を付すと共に、第1実施形態と異なる部分のみを詳細に説明し、同様の構成の部分については説明を省略する。
変形例1のバスダクトプラグインホール保護構造500には、シャッタ部材513において第1シャッタ部材513aだけが設けられており、この第1シャッタ部材513aは、一枚でプラグインホール12を閉塞できる大きさの閉塞部513cを有している。
また、変形例1のバスダクトプラグインホール保護構造500では、補強空間15aにおいて、プラグインホール12を基準として第1シャッタ部材513aのバネ係止部13fとは反対側の位置に、バネ部材16を係止するための断面視で略L字形状のバネ係止部材590が設けられている。そして、第1シャッタ部材513aのバネ係止部13fとバネ係止部材590とを連結するようにして、バネ部材16が係止されている。
また、補強空間15aにおいて、バネ係止部材590と第1シャッタ部材513aとの間には規制部17が設けられており、これにより、第1シャッタ部材513aがバネ部材16によって付勢される際、バネ係止部材590側へスライドし過ぎないようになされている。
また、変形例1のバスダクトプラグインホール保護構造500では、プラグイン装置20のシャッタ開放部524の開放片524aの形状が左右非対称の略直角三角形形状である点が、左右対称の略二等辺三角形状のシャッタ開放片24aを有していた第1実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造1とは異なる。
これにより、この変形例1のバスダクトプラグインホール保護構造500は、第1シャッタ部材のみの片開きスライド式という違いはあるものの、第1実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造1と同様の動作をすることができるようになされている。
以下、変形例1のバスダクトプラグインホール保護構造500において、プラグインホール12に対してプラグイン装置20を挿入する際の第1シャッタ部材513aの動作について図18を用いて説明する。
図18(a)は、バスダクト10のプラグインホール12に対してプラグイン装置20を挿入する前の状態を示す図であり、シャッタ開放部524の略直角三角形状の開放片524aの先端が、第1シャッタ部材513aのシャッタ開放ガイド部513eとプラグインホール12のホール縁512aとが接する部分の略直上に位置するようにプラグイン装置20が配置されている。尚、この場合、ホール縁512aが第1シャッタ部材513aの規制部としても機能することも可能である。すなわち、ホール縁512aを、バスダクト10の幅方向に拡張してもよい。
図18(b)は、プラグインホール12に対してプラグイン装置20を挿入する動作が開始された状態を示す図であり、シャッタ開放部524の略直角三角形状の開放片524aの先端が第1シャッタ部材513aのシャッタ開放ガイド部513eとプラグインホール12のホール縁512aとに接触し、第1シャッタ部材513aをホール縁512aから離間する方向にスライドさせている。すなわち、第1シャッタ部材513aのシャッタ開放ガイド部513eに対してシャッタ開放部524の略直角三角形状の開放片524aの斜辺が押し当てられることによって、プラグイン装置20を挿入する方向の動作が第1シャッタ部材513aを開放方向にスライドさせる動作に変換されており、その力がバネ部材16の付勢力を越えたときに、プラグインホール12が開放されていくようになされている。
図18(c)は、プラグインホール12が完全に開放された状態を示す図であり、シャッタ開放部524の略直角三角形状の開放片524aによって第1シャッタ部材513aが開放され、絶縁ホルダ23とこの絶縁ホルダ23に保護された接触子(図示せず)とがプラグインホール12の内部に挿入されている。その結果、クリップ状の各接触子が対応するバスダクト導体を挟持することになり、バスダクト10とプラグイン装置20との電気的接続が達成される。
このようにして、変形例1のバスダクトプラグインホール保護構造500も、第1実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造1と同様に動作するようになされており、その結果、同様の効果が得られる。
これに加え、変形例1のバスダクトプラグインホール保護構造500では、図17に示すように、シャッタ開放ガイド部513eが、プラグインホール12の閉塞時に第1シャッタ部材513aがプラグインホール12のホール縁512aに接触する端辺の全域ではなく、シャッタ開放部524の略直角三角形状の開放片524aが接触する周囲にのみ形成されている。これにより、作業者が不用意にシャッタ開放ガイド部513eを押圧することに起因して第1シャッタ部材513aが開いてしまうような状況を極力回避できるようになされており、その分、プラグインホール12の保護が強固なものとなる。
変形例1のバスダクトプラグインホール保護構造500では、突出空間としての補強空間15aにバネ係止部材590も配置されている。すなわち、このバネ係止部材590もプラグインホール12を閉塞することに関わる部材であり、補強空間15aに配置されているため、空間絶縁距離や沿面距離等を確保するためにバスダクト10が巨大化してしまうような事態を極力回避し得る。
また、上述した第3乃至第5実施形態では、枠体を有するシャッタ部材をバスダクトのハウジングの外側に取り付けるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、ハウジングの内側にシャッタ部材を収納するようにしても良い。以下、具体例として、第3実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造200において、ハウジング11の内側にシャッタ部材を収納した場合について、変形例2のバスダクトプラグインホール保護構造600として説明する。
変形例2のバスダクトプラグインホール保護構造600は、図19に示すように、シャッタ部材がハウジング11の内側に収納されている点が第3実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造200とは異なる。よって、この変形例2では、説明の便宜上、第3実施形態と同様の構成又は相当する部分となるものには同じ符号を付すと共に、第3実施形態と異なる部分のみを詳細に説明し、同様の構成の部分については説明を省略する。
シャッタ部材613は、図19に示すように、プラグインホール12をバスダクト10の長手方向に二分するかのようにしてお互いに対向して配置された一対の第1シャッタ部材613a及び第2シャッタ部材613bと、これら第1シャッタ部材613a及び第2シャッタ部材613bを囲うように設けられた枠体613hと、枠体613hの両端から下方に延設された係合片613iを有しており、全体としてユニット化され、バスダクト10の上側ハウジング半体11aの内側からプラグインホール12に嵌合されている。
このとき、係合片613iの高さが、ハウジング11の補強空間15aの高さよりも僅かに低く設定されている。これにより、シャッタ部材613は、枠体613hの両端の係合片613iをハウジング11の両側壁の補強空間15a・15aに架け渡して係合させることにより、プラグインホール12の内側に位置決めされて容易に取り付けることができる。
このようして変形例2のバスダクトプラグインホール保護構造600のシャッタ部材613は、ハウジング11の内側に取り付けることができるようになされており、それ以外については第3実施形態と何ら変わる部分がない。その結果、変形例2のバスダクトプラグインホール保護構造600のシャッタ部材613も、上述の第3実施形態と同様の動作及び効果を得ることができるようになされている。
かかる構成に加え、変形例2のバスダクトプラグインホール保護構造600では、プラグインホール12を閉塞することに関わる部材として、ロック機構(ロック部材30、ロック部材収納部40、ロックバネ部材50)とシャッタ部材613の係合片613iとが、補強部14の内側の略凹形状の補強空間15(この場合、補強部15a)に配置されている。このため、バスダクト10の内部に収納されているバスダクト導体2とハウジング11との間の空間絶縁距離や沿面距離等を極力阻害することなく、プラグインホール12を閉塞することに関わる部材をハウジング11の内部に収納することができる。すなわち、シャッタ部材613をハウジング11の内部に設けることに起因して空間絶縁距離や沿面距離等を確保するためにバスダクト10が巨大化してしまうような事態を極力回避し得る。
また、変形例2のバスダクトプラグインホール保護構造600では、平面視でロック部材30は外部に露出しない位置に設けられている。これにより、ロックされているか否かを一目で判別することはできなくなるものの、外部からロック部材30へ直接触れる可能性がある部位を減らすことができるため、その分だけ安全性を向上することができる。
また、上述の第3実施形態では、ロック部材30を板バネ形状のロックバネ部材50で付勢する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、ロック部材の構成は限定しないし、ロック羽部材もコイルバネ等の他のバネ部材で良い。すなわち、図20及び図21に示すようなロック部材730に、コイルバネ状のロックバネ部材750を組み合わせても良い。
このロック部材730は、図示しないロック解除部の押圧を受けるための被ロック解除部としての突出部分733と、ロック部材730がセットされたときにロックバネ部材750に付勢されて所定位置より突出部分733側にスライドしないように図示しない枠体に係止するための係止部736と、内部にロックバネ部材750を収容するバネ収容空間735を有する。そして、ロック部材730は、バネ収容空間735を有するため、少ないスペースにおいても比較的長い形状のロックバネ部材750を取付けることができる。その結果、バネ収容空間735を有しないロック部材730に短いバネ部材を組み合わせた場合に比べて、ロック解除時におけるロック部材730の移動量に対するロックバネ部材750の長さの変化の割合が小さくなるため(図21参照)、移動量に対するバネの付勢力の変化の割合も小さくなり、ロック解除をスムーズに行うことができる。
さらに、図22に示すようなロック部材930に、コイル状のロックバネ部材を組み合わせても良い。この場合のロック部材930は、図示しないロック解除部の押圧を受けるための被ロック解除部としての突出部分933と、ロック部材930がセットされたときにロックバネ部材に付勢されて所定位置より突出部分933側にスライドしないように枠体の突起がスライド可能に挿入されるための長孔936と、内部にロックバネ部材を収容するバネ収容空間935を有する。そして、ロック部材930もバネ収容空間935を有するため、少ないスペースにおいても比較的長い形状のロックバネ部材を取り付け可能な点は、上述したロック部材730及びロックバネ部材750の関係と同じである。
次に、ロック部材930を用いたバスダクトプラグインホール保護構造900を、変形例3として図23及び図24を用いて説明する。尚、図23において(a)がシャッタ閉塞状態の上方斜視図であり、(b)がシャッタ閉塞状態の下方斜視図であり、(c)がシャッタ開放態の上方斜視図であり、(d)がシャッタ開放状態の下方斜視図ある。また、図24は、変形例3においてプラグインホールにプラグイン装置を挿入する過程を示す模式図であり、(a)が挿入前の図、(b)が挿入中の図である。
このバスダクトプラグインホール保護構造900のシャッタ部材は、第1シャッタ部材213a及び第2シャッタ部材213bが枠体213hに取り付けられてユニット化され、バスダクト10の上側ハウジング半体11aの外側からプラグインホール12に合わせて取り付けられている点において、上述した第3実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造と同じである。よって、この変形例3では、説明の便宜上、第3実施形態と同様の構成又は相当する部分となるものには同じ符号を付すと共に、第3実施形態と異なる部分を詳細に説明し、同様の構成の部分については説明を省略する。
第1シャッタ部材213a及び第2シャッタ部材213bのそれぞれは、図23(b)(d)に示すように、枠体213hによって囲まれた領域(すなわちプラグインホール12)に対して回動可能に保持させるための一対の円柱状の回動軸913iを有している。また、枠体213hの裏側には、これら回動軸913iに対応する位置に、回動軸913iよりも僅かに径が大きい円筒状の回動穴913kが形成されている。これにより、第1シャッタ部材213a及び第2シャッタ部材213bは、回動軸913iが枠体213hの回動穴913kに回動可能な状態で保持され、プラグインホール12を回動して開閉できるようになされている。
そして、回動軸913iは、螺旋(コイル)状のバネ部材916に挿通され、バネ部材916の一端が第1シャッタ部材213a及び第2シャッタ部材213bの裏側に係止されると共に、その他端が枠体213hの裏側に係止されるようになされている。これにより、変形例3のバスダクトプラグインホール保護構造900では、第1シャッタ部材213aおよび第2シャッタ部材213bのそれぞれを、ハウジング11の内側から外側へ回動するように付勢している。
また、バスダクトプラグインホール保護構造900におけるシャッタ係止部213jは、第1シャッタ部材213a及び第2シャッタ部材213bの短辺の上部全体を係止するよう枠体213hの内壁上端から延設されている。これにより、第3実施形態のシャッタ係止部213jと同様に、第1シャッタ部材213a及び第2シャッタ部材213bは、プラグインホール12を閉塞した状態よりもハウジング11の外側方向には開くことができないようになされている。
さらに、バスダクトプラグインホール保護構造900におけるロック解除ガイド部213kは、スリット213sへ向けて傾斜するように枠体213h及びシャッタ係止部213jに形成されている。これにより、第3実施形態のロック解除ガイド部213kと同様に、プラグイン装置920の挿入時において、プラグインホール12に対する位置、すなわちスリット213sに対するロック解除部60の位置が多少ずれたとしても、ロック解除部60の位置がガイド213kによって矯正されることにより、スムーズに挿入することが可能となる。
ここで、変形例3のバスダクトプラグインホール保護構造900において、ロック部材930は、第3実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造200のロック部材30と同様の動作を行う。すなわち、ロック部材930は、図22及び図23に示すように、突出部分933が、第1シャッタ部材213a及び第2シャッタ部材213bが閉塞状態において突き合わされている端辺の端部の下側に配置され、ロックバネ部材950によりプラグインホール12の内側方向へ付勢されることで、第1シャッタ部材213a及び第2シャッタ部材213bがハウジング11の内側方向に回動して開くことを係止(すなわちロック)するようになされている(ロック状態)。
尚、ロック部材930は、枠体213hから突設される突起213xがスライド可能に長孔936内に挿入されるため、ロックバネ部材950に付勢されても突起213xに係止され、所定位置より突出部分933側(プラグインホール12の内側方向)にスライドしないようになされている。また、ロック部材930は、図23(b)でいうところのその上方に図示しない保持プレートを配置してビス固定する等により、枠体213hから離脱しないように、且つ枠体213hに対してスライド可能に保持される。
そして、ロック部材930は、図23(c)(d)に示すように、突出部分933がロックバネ部材950の付勢力を越える力で枠体213h側に押されると移動し、第1シャッタ部材213a及び第2シャッタ部材213bがハウジング11の内側方向に回動して開くことができるようになる(ロック解除状態)。
一方、変形例3のバスダクトプラグインホール保護構造900におけるプラグイン装置920(ここでは、説明のため便宜的に本体部や接触子を省略し、絶縁ホルダ923のみを表示する)は、図24に示すように、プラグイン装置920の挿入時にロック解除部材60によってロック部材930によるロックを自動で解除してから第1シャッタ部材213a及び第2シャッタ部材213bを開放する点では第3実施形態のプラグイン装置220と同様であるものの、絶縁ホルダ923の下端自体がそのまま略矩形状のシャッタ開放部となっている点が、略二等辺三角形状のシャッタ開放部224を有する第3実施形態のプラグイン装置320とは異なる。すなわち、変形例3のプラグイン装置920は、第4実施形態のプラグイン装置320のシャッタ開放部(下端部23g)に第3実施形態のプラグイン装置220のロック解除部材60を組み合わせたような構造をしている。
これにより、変形例3のバスダクトプラグインホール保護構造900では、プラグイン装置920をプラグインホール12に挿入する際、第1シャッタ部材213a及び第2シャッタ部材213bがまだ開き始めていない段階において、絶縁ホルダ923の前壁23e側及び後壁23f側の下端部23g(すなわちシャッタ開放部)によって、第1シャッタ部材213a及び第2シャッタ部材213bの上面における回動軸913iにより近い部分を垂直若しくは垂直に近い角度で押圧することになる。その結果、プラグイン装置920の挿入長さに対する第1シャッタ部材213a及び第2シャッタ部材213bの開放方向への回動量が大きくなるため、迅速な開放が可能となる。また、プラグイン装置920をプラグインホール12から引き抜く際については、挿入時と逆の動作となるため、プラグイン装置920の引き抜き長さに対する第1シャッタ部材213a及び第2シャッタ部材213bの閉塞方向への回動量が大きくなり、迅速な閉塞が可能となる。
よって、変形例3のバスダクトプラグインホール保護構造900では、第1シャッタ部材213a及び第2シャッタ部材213bを開閉させるためのプラグイン装置920の移動距離(以下、着脱距離ともいう)を短縮できる。これにより、例えば、プラグイン装置920の着脱距離を考慮してバスダクトの周囲に予め確保する施工用スペースを縮小することも可能となる。また、バスダクトプラグインホール保護構造900では、プラグイン装置920を引き抜く際において、第1シャッタ部材213a及び第2シャッタ部材213bが閉塞してからロック部材930がロック状態に戻るまでの間に、構造的(動作タイミング的)な余裕をもたせることが可能となる。これにより、例えば、挿入状態のプラグイン装置920を作業者が素早く引き抜くような場合でも、第1シャッタ部材213a及び第2シャッタ部材213bが閉塞位置に完全に戻るよりも前にロック部材930が先にロック位置に戻ってしまうような事態、すなわち、ロック部材930が第1シャッタ部材213a及び第2シャッタ部材213bの閉塞を阻害してしまうような事態を、プラグイン装置920の着脱距離を延長することなく確実に防ぐことが可能となる。
尚、絶縁ホルダ923は、図示しない複数相(図24の場合、3相+中性相)のクリップ状の接触子を固定するという役割だけでなく、これら接触子間を絶縁するための沿面距離や空間絶縁距離を確保する役割も有しており、絶縁ホルダ923それ自体の構造を縮小したり短縮したりすることに構造的な限界がある。すなわち、絶縁ホルダ923に上述の第3実施形態のようにテーパー状のシャッタ開放部を設けると、テーパーの分だけ着脱距離が延長することになる。したがって、本変形例3の絶縁ホルダ923の開放片224aのようにテーパー状のシャッタ開放部を有さない(若しくは、わずかに有する)構造とすることは、プラグイン装置920の着脱距離を短縮する上で数少ない有効手段であり、さらに、第1シャッタ部材213a及び第2シャッタ部材213bの上面における回動軸913iにより近い部分を押圧することで、より着脱距離を短縮できることになる。
また、この変形例3では、第1シャッタ部材213a及び第2シャッタ部材213bがまだ開き始めていない段階において、回動軸913iに近い部分を下端部23g(すなわちシャッタ開放部)によって垂直若しくは垂直に近い角度で押圧する場合について述べたが、垂直に近い角度(例えば、80°〜100°)で押圧することができるのであれば、回動軸913iに近い部分を押圧するのは第1シャッタ部材213a及び第2シャッタ部材213bが開き始めた後の段階であってもよく、押圧するためのシャッタ開放部の構造も特に限定しない(僅かにテーパーを有するようにしてもよいし、絶縁ホルダとは別に設けてもよい)。また、垂直若しくは垂直に近い角度で押圧するとは、第1シャッタ部材213a及び第2シャッタ部材213b全体に対する角度を意味し、例えばその表面(閉塞部213c)に補強リブ等が設けられていることに起因して、シャッタ開放部による押圧部位が局所的に傾斜している場合であっても、第1シャッタ部材213a及び第2シャッタ部材213b全体に対する押圧角度が垂直若しくは垂直に近い角度であるならば効果が得られるものである。
かかる構成に加え、ロック状態において第1シャッタ部材213a及び第2シャッタ部材213bの裏側でロック部材930が配置される部分の周囲には、防壁960が立設されている。これにより、バスダクトプラグインホール保護構造900では、第1シャッタ部材213a及び第2シャッタ部材213bの閉塞部213cとロック部材930との間に形成される微小な隙間を防壁960により確実に塞ぐことができ、仮にスリット213sにドライバー等の工具が近付くような場合があったとしても、工具がハウジング11内に入って内部の導体2に触れて作業者が感電するような事態を未然に防ぐことができる。
そして、変形例3のバスダクトプラグインホール保護構造900も、図24に示すように、第3実施形態と同様に、プラグインホール12に対してプラグイン装置920を近づけて挿入する際に、ロックを自動で解除しつつ、これら、第1シャッタ部材213a及び第2シャッタ部材213bを自動で開放するようになされていると共に、プラグイン装置920をプラグインホール12から引き抜けば、第1シャッタ部材213a及び第2シャッタ部材213bが自動で閉塞すると共に、自動にロックされるようになされている。
尚、変形例3のバスダクトプラグインホール保護構造900では、プラグイン装置920の後壁23fに誤挿入防止切欠切欠923aが形成されると共に、プラグイン時において誤挿入防止切欠切欠923aに対応する枠体213hの部分に誤挿入防止リブ923bが形成されている。これにより、バスダクトプラグインホール保護構造900では、プラグイン時において、誤挿入防止切欠切欠923aと誤挿入防止リブ923bとが一致しない場合の誤挿入が防止される。
このようして変形例3のバスダクトプラグインホール保護構造900も、上述の第3及び第4実施形態と同様の動作及び効果を得ることができるようになされている。
尚、上述した第1及び第2実施形態では、スライド開閉タイプの第1シャッタ部材及び第2シャッタ部材を、バネ部材で連結することでユニット化するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば、第1シャッタ部材及び第2シャッタ部材を枠体に対してスライド開閉可能に取り付けることにより、ユニット化しても良い。以下、具体例を、図25及び図26に示す変形例4として説明する。
変形例4のバスダクトプラグインホール保護構造800におけるシャッタ部材813は、図26に示すように、第1シャッタ部材13a及び第2シャッタ部材13bが、枠体813hにスライド可能に取り付けられている点が第1実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造1とは異なる。よって、この変形例4では、説明の便宜上、第1実施形態と同様の構成又は相当する部分となるものには同じ符号を付すと共に、第1実施形態と異なる部分のみを詳細に説明し、同様の構成の部分については説明を省略する。
まず、第1シャッタ部材13a及び第2シャッタ部材13bには、図26に示すように閉塞部13cの両端を一部延長するようにしてスライド部810が形成されている。一方、枠体813hは、全体としてハウジング11の両側壁の補強空間15a同士の間を架け渡せる長さの平板部813pを有し、この平板部813pにはプラグインホール12と同程度の大きさ及び形状の開口812が形成されている(以下、この開口812を便宜的にプラグインホール12と呼ぶこともある)。
また、平板部813pの幅方向の両端側には、ハウジング11の補強空間15aの高さと同程度の高さの側壁813dが形成されている。この側壁813dには、第1シャッタ部材13aのスライド部810を挿通してスライド可能に保持する第1レール孔813qが、側壁813dを貫通する長孔として設けられていると共に、第2シャッタ部材13bのスライド部810を挿通してスライド可能に保持する第2レール孔813rが、側壁813dを貫通する長孔として設けられている
これにより、第1シャッタ部材13aは、閉塞部13cの両端のスライド部810を、枠体813hの両側壁813dの第1レール孔813qに挿入するようにして配置されることで、枠体813hに対してスライド可能に取り付けられる。同様に、第2シャッタ部材13bも、閉塞部13cの両端のスライド部810を、枠体813hの両側壁813dの第2レール孔813rに挿入するようにして配置されることで、枠体813hに対してスライド可能に取り付けられる。
このとき、第1シャッタ部材13a及び第2シャッタ部材13bにはシャッタ開放ガイド部13eが設けられているため、閉塞部13cまで第1レール孔813q及び第2レール孔813rに侵入してしまうことがシャッタ開放ガイド部13eによって規制され、第1レール孔813q及び第2レール孔813rに対して挿入されるのはスライド部810のみとなる。これにより第1シャッタ部材13a及び第2シャッタ部材13bは、第1レール孔813q及び第2レール孔813rから離脱することなく、枠体813hの両側壁813dの間に保持されるようになされている。
さらに、これら第1シャッタ部材13a及び第2シャッタ部材13bは、螺旋(コイル)状のバネ部材816によって相互に連結されている。具体的には、第1シャッタ部材13aの両側のスライド部810における第2シャッタ部材13b側とは反対側の位置にバネ係止部813fが設けられており、また、第2シャッタ部材13bの両側のスライド部810における第1シャッタ部材13a側とは反対側の位置に、バネ係止部813fが設けられている。そして、第1シャッタ部材13aのバネ係止部813fと第2シャッタ部材13bのバネ係止部813fとを連結するようにして、バネ部材816が係止されている。
これにより、第1シャッタ部材13a及び第2シャッタ部材13bは、バネ部材816によって相互に引き付けられるため、相互に近づく方向、すなわち開口812(プラグインホール12)を閉塞する方向にお互いが付勢されるようになっている。また、第1シャッタ部材13a及び第2シャッタ部材13bは、第1レール孔813q及び第2レール孔813rにスライド部810が挿入されていることにより、このスライド部810がスライドする範囲においてのみ移動可能になされている。すなわち、第1レール孔813q及び第2レール孔813rの端が、上述した第1実施形態の規制部17と同じ役割を果たしている。
このように、変形例4のシャッタ部材813は形成されており、図25に示すように、枠体813hの開口812がハウジング11のプラグインホール12と重なるように、且つ、枠体813hの平板部813pがハウジング11の両側壁の補強空間15aに架け渡されるように配置され、ハウジング11とビス等によって固定される。これにより、変形例3のバスダクトプラグインホール保護構造800は、図示しないプラグイン装置の着脱に対して、第1及び第2実施形態のバスダクトプラグインホール保護構造と同様に動作すると共に、同様の効果を得ることが可能である。
これに加え、変形例4のシャッタ部材813は、ハウジング11に取り付けられた状態において、平板部813p両端の側壁813dがハウジング11の内部空間(断面視で略ロ字形状の空間)と補強空間15aとの間に存在するため、補強空間15aに配置されたバネ部材816が仮に何らかの不測の事態により切断するような事態が発生したとしても、切断したバネ部材816が垂れ下がってバスダクト導体2とハウジング11との間の空間絶縁距離や沿面距離等を阻害したり、バスダクト導体2と短絡したりといった事態が発生することを確実に回避できる。すなわち、平板部813p両端の側壁813dは、補強空間15aに配置されたバネ部材816がハウジング11の内部空間に移動することを規制するバネ移動規制部として機能し、機能を発揮できるのであればその形状も壁だけに限らず、柵状部材、所定間隔ごと設置されたビスやボルト、バスダクトの長手方向に沿って配置される柱状部材等、何でも良く、隙間の有無や寸法も特に限定しない。
以上、本発明のバスダクトプラグインホール保護構造について各実施形態および変形例に基づいて説明したが、本発明は、上述した各実施形態や変形例に限定されるものではなく、それぞれ実施形態を部分的に組み合わせる、不要箇所を削除するなど、本発明の要旨の範囲内で適用可能である。例えば、第5実施形態の第1シャッタ部材413aと第2シャッタ部材413bとを、第1実施形態のバネ部材16で相互に連結することで、これら第5実施形態の第1シャッタ部材413aと第2シャッタ部材413bとでプラグインホール12を閉塞するようにしても良い。また、第3乃至第5実施形態や変形例においてプラグインホール12に対して二箇所ずつ設けていたロック部材を、片側だけにしても同様の効果を得ることができる。さらに、ロック機構を有する第3乃至第5実施形態や変形例においてプラグインホール12を第1シャッタ部材と第2シャッタ部材とで閉塞するようにしていた構成を、片方のシャッタ部材だけで閉塞するようにしても良い。さらに、スライド式に開閉する第1及び第2実施形態の第1シャッタ部材13a及び第2シャッタ部材13b(開閉部材)を、回動して開閉する構成としても良い。