JP2014103010A - 質量分析装置及び質量分析装置の制御方法 - Google Patents

質量分析装置及び質量分析装置の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】比較的高い感度を維持しながらスキャンの高速化を同時に実現することが可能な質量分析装置及び質量分析装置の制御方法を提供すること。
【解決手段】質量分析装置1は、試料をイオン化するイオン源2と、イオン源2で生成されたイオンの少なくとも一部を蓄積する蓄積動作を行った後、蓄積したイオンを排出する排出動作を行うコリジョンセル40と、コリジョンセル40が排出したイオンから質量電荷比に基づいて目的イオンを選択する第2分析部50と、目的イオンを検出する検出器60と、検出器60からの信号を電圧に変換するアナログ信号処理部80と、アナログ信号処理部80からの信号をサンプリングしてデジタル信号に変換するAD変換器90と、を含む。コリジョンセル40の連続する2回の排出動作により発生する2つのイオンパルスに応じてアナログ信号処理部80から出力される2つの信号の少なくとも一部同士が時間的に重なり合う。
【選択図】図1

Description

本発明は、質量分析装置及び質量分析装置の制御方法に関する。
四重極質量分析計は、双曲線状の四重極マスフィルターにRF電圧、DC電圧、軸電圧を印加することで所望の質量電荷比のイオンのみ通過させる質量分析装置である。選択するイオンの質量電荷比を一定間隔で細かく変化させるとサンプルの質量スペクトルが得られる。質量スペクトルを得るこの測定法はスキャンと呼ばれる。スキャンでは四重極マスフィルターに印加するRFとDC電圧を細かく掃引する。
四重極マスフィルターの上流側ではイオンのクーリングを行う場合もある。クーリングでは通常、多重極イオンガイドでイオンをガスと衝突させる。ガスとの衝突によりイオンの平均運動エネルギーが低下し、運動エネルギー幅もガスと同じ程度の温度にまで縮小される。クーリングにより四重極マスフィルターに入射する前のイオンの速度が揃い、分解能と感度の向上につながる。
四重極マスフィルターを2つ連結し、その間にコリジョンセルを設けると三連型四重極質量分析装置になる。三連型四重極質量分析装置は、分析部が2つあることで、単体の四重極質量分析装置よりもイオンの選択性が高く、定量分析や定性分析で頻繁に使用されている。
三連型四重極質量分析装置ではまず、第1分析部で所望のイオンが選択される。第1分析部で選択されるイオンは通常、プリカーサーイオンと呼ばれる。プリカーサーイオンはコリジョンセルへと導かれる。コリジョンセルは多重極イオンガイドとその両端に入口電極と出口電極を配置した構成で、ニードルバルブ等の外部からガスを導入する手段を備えている。コリジョンセルにガスを導入すると、プリカーサーイオンはガス(衝突ガス)との衝突によりある確率で開裂を起こし断片化される。コリジョンセルで断片化されたイオンはプロダクトイオンと呼ばれる。コリジョンセル内のプリカーサーイオンやプロダクトイオンは第2分析部で目的のイオンのみが分離され検出される。三連型四重極質量分析装置では通常、プロダクトイオンが測定の対象になるので、コリジョンセルでは高い開裂効率が求められる。
イオンの蓄積と排出は装置の小型化につながる。四重極質量分析装置、或いは三連型四重極質量分析装置では分解能の低下を招くので四重極マスフィルターを短くするのは困難である。装置を小型化するには多重極イオンガイドやコリジョンセルを短くせざるを得ない。通常、これらの部分を短くすると衝突ガスとの衝突回数が減少し、イオンのクーリングや開裂を阻害する原因になる。十分な衝突回数を維持するため、衝突ガスを多量に導入すれば後段の分析部の圧力を上げ、感度の低下につながることもある。しかし、一時的に蓄積することでイオンは多重極イオンガイドやコリジョンセルの入口と出口を往復しながら衝突ガスと衝突を繰り返すので、ガス導入量を抑えてもクーリングや開裂に必要な衝突回数を確保できる。その結果、装置を小型化できる。
特開2010−127714号公報
1つのイオンが四重極マスフィルターを通過する間に選択イオンの変化を行う高速なスキャンの場合、一般には四重極マスフィルターに入射するイオン量を時間的に一定とすることが望ましい。一方、イオンパルスが入射する四重極マスフィルターで、このような高速スキャンを行うと、イオンパルスの時間情報を反映した誤った質量スペクトルが観測される可能性がある。サンプル本来の質量スペクトルを観察するには、イオンパルスが通過する間四重極マスフィルターは選択イオンを変更してはならない。その結果、イオンの蓄積と排出を行う三連型四重極質量分析装置では高速なスキャンは難しい。
一方、四重極質量分析装置、或いは三連型四重極質量分析装置ではほとんどの場合、前処理装置としてクロマトグラフを用いる。近年、クロマトグラフの高速化は目覚しく、それに対応して質量分析装置の高速スキャンへの要求がますます高まっている。
本発明は、以上のような状況に鑑みてなされたものであり、本発明のいくつかの態様によれば、装置の小型化とスキャンの高速化を同時に実現することが可能な質量分析装置及び質量分析装置の制御方法を提供することができる。
(1)本発明に係る質量分析装置は、
試料をイオン化するイオン源と
前記イオン源で生成されたイオンの少なくとも一部を蓄積する蓄積動作を行った後、蓄積したイオンを排出する排出動作を行うイオン蓄積排出部と、
前記イオン蓄積排出部が排出したイオンから質量電荷比に基づいて目的イオンを選択する分析部と、
前記目的イオンを検出する検出器と、
前記検出器からの信号を電圧に変換するアナログ信号処理部と、
前記アナログ信号処理部からの信号をサンプリングしてデジタル信号に変換するAD変換器と、を含み、
前記イオン蓄積排出部の連続する2回の前記排出動作により発生する2つのイオンパルスに応じて前記アナログ信号処理部から出力される2つの信号の少なくとも一部同士が時間的に重なり合う、質量分析装置である。
本発明に係る質量分析装置によれば、イオン蓄積排出部から排出したイオンパルスの信号をAD変換器でサンプリングする前に直流化することができる。これにより、分析部での高速なスキャンが可能となる。
さらに、本発明に係る質量分析装置によれば、検出器に入射する前にイオンをイオン蓄積排出部で一時的に蓄積した後に排出することで、比較的高い感度を維持することができる。
(2)本発明に係る質量分析装置は、
前記イオン蓄積排出部の前記排出動作の周波数が、前記アナログ信号処理部の帯域よりも大きいようにしてもよい。
本発明に係る質量分析装置によれば、イオン蓄積排出部でイオンを排出する周波数をアナログ信号処理部の帯域より大きくすることでイオンパルスの信号をより直流化することができる。これにより、分析部でのより高速なスキャンが可能となる。
(3)本発明に係る質量分析装置は、
前記イオン蓄積排出部の連続する2回の前記排出動作により、後の前記排出動作で排出
されるイオンに含まれる前記目的イオンの少なくとも一部が、先の前記排出動作で排出されるイオンに含まれる前記目的イオンの少なくとも一部よりも先に前記検出器に入射するようにしてもよい。
(4)本発明に係る質量分析装置は、
前記イオン蓄積排出部によるイオンの蓄積及び排出のタイミングを制御する制御部を含み、
前記制御部は、
前記イオン蓄積排出部の出口電極に、矩形波状、正弦波状又は三角波状に変化する電圧を印加することにより、前記蓄積排出部に前記蓄積動作と前記排出動作を行わせるようにしてもよい。
(5)本発明に係る質量分析装置は、
前記イオン源で生成されたイオンの運動エネルギーの低下を行う冷却室を含み、
前記冷却室は、
前記イオン蓄積排出部として機能し、前記イオン源で生成されたイオンを蓄積する蓄積動作を行った後、蓄積したイオンを排出する排出動作を行い、
前記分析部は、
前記冷却室が排出したイオンから質量電荷比に基づいて前記目的イオンを選択するようにしてもよい。
本発明に係る質量分析装置によれば、冷却室から排出したイオンパルスの信号をAD変換器でサンプリングする前に直流化することができる。これにより、分析部での高速なスキャンが可能となる。
さらに、本発明に係る質量分析装置によれば、検出器に入射する前にイオンを冷却室で一時的に蓄積した後に排出することで、比較的高い感度を維持することができる。
(6)本発明に係る質量分析装置において、
前記分析部は、四重極マスフィルターを含むようにしてもよい。
(7)本発明に係る質量分析装置は、
前記イオン源で生成されたイオンから質量電荷比に基づいて第1の目的イオンを選択する第1分析部と、
前記第1の目的イオンの一部又は全部を開裂させてプロダクトイオンを生成するコリジョンセルと、
前記第1の目的イオン及び前記プロダクトイオンから質量電荷比に基づいて第2の目的イオンを選択する第2分析部と、を含み、
前記コリジョンセルは、
前記イオン蓄積排出部として機能し、前記第1の目的イオン及び前記プロダクトイオンを蓄積する蓄積動作を行った後、蓄積したイオンを排出する排出動作を行い、
前記第2分析部は、
前記分析部として機能し、前記コリジョンセルが排出したイオンから質量電荷比に基づいて前記第2の目的イオンを選択するようにしてもよい。
本発明に係る質量分析装置によれば、コリジョンセルから排出したイオンパルスの信号をAD変換器でサンプリングする前に直流化することができる。これにより、第2分析部での高速なスキャンが可能となる。
さらに、本発明に係る質量分析装置によれば、検出器に入射する前にイオンをコリジョ
ンセルで一時的に蓄積した後に排出することで、比較的高い感度を維持することができる。
(8)本発明に係る質量分析装置は、
前記イオン源で生成されたイオンの運動エネルギーの低下を行う冷却室と、
前記冷却室が排出したイオンから質量電荷比に基づいて第1の目的イオンを選択する第1分析部と、
前記第1の目的イオンの一部又は全部を開裂させてプロダクトイオンを生成するコリジョンセルと、
前記第1の目的イオン及び前記プロダクトイオンから質量電荷比に基づいて第2の目的イオンを選択する第2分析部と、を含み、
前記冷却室は、
前記イオン蓄積排出部として機能し、前記イオン源で生成されたイオンを蓄積する蓄積動作を行った後、蓄積したイオンを排出する排出動作を行い、
前記第1分析部は、
前記分析部として機能するようにしてもよい。
本発明に係る質量分析装置によれば、冷却室から排出したイオンパルスの信号をAD変換器でサンプリングする前に直流化することができる。これにより、第1分析部での高速なスキャンが可能となる。
さらに、本発明に係る質量分析装置によれば、検出器に入射する前にイオンを冷却室で一時的に蓄積した後に排出することで、比較的高い感度を維持することができる。
(9)本発明に係る質量分析装置において、
前記第1分析部及び前記第2分析部の少なくとも一方は、四重極マスフィルターを含むようにしてもよい。
(10)本発明に係る質量分析装置の制御方法は、
試料をイオン化するイオン源と前記イオン源で生成されたイオンの少なくとも一部を蓄積する蓄積動作を行った後、蓄積したイオンを排出する排出動作を行うイオン蓄積排出部と、前記イオン蓄積排出部が排出したイオンから質量電荷比に基づいて目的イオンを選択する分析部と、前記目的イオンを検出する検出器と、前記検出器からの信号を電圧に変換するアナログ信号処理部と、前記アナログ信号処理部からの信号をサンプリングしてデジタル信号に変換するAD変換器と、を含む質量分析装置の制御方法であって、
前記イオン蓄積排出部の連続する2回の前記排出動作により発生する2つのイオンパルスに基づいて前記アナログ信号処理部から出力される2つの信号の少なくとも一部同士が時間的に重なり合うように、前記イオン蓄積排出部によるイオンの蓄積及び排出のタイミングを制御する。
本発明に係る質量分析装置の制御方法によれば、イオン蓄積排出部から排出したイオンパルスの信号をAD変換器でサンプリングする前に直流化することができる。これにより、分析部での高速なスキャンが可能となる。
従って、本発明に係る質量分析装置の制御方法によれば、比較的高い感度を維持しながらスキャンの高速化を同時に実現することができる。
さらに、本発明に係る質量分析装置の制御方法によれば、検出器に入射する前にイオンをイオン蓄積排出部で一時的に蓄積した後に排出することで、比較的高い感度を維持することができる。
第1実施形態の質量分析装置の構成例を示す図。 第1実施形態の質量分析装置の動作の一例を示すタイムチャート図。 第1実施形態の質量分析装置の動作の一例を示すタイムチャート図。 第2実施形態の質量分析装置の構成例を示す図。 第2実施形態の質量分析装置の動作の一例を示すタイムチャート図。 第2実施形態の質量分析装置の動作の一例を示すタイムチャート図。 第3実施形態の質量分析装置の構成例を示す図。 第3実施形態の質量分析装置の動作の一例を示すタイムチャート図。 第3実施形態の質量分析装置の動作の一例を示すタイムチャート図。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.第1実施形態
(1)構成
まず、第1実施形態の質量分析装置の構成について説明する。第1実施形態の質量分析装置は、いわゆる三連型の四重極質量分析装置であり、その構成の一例を図1に示す。なお、図1は、本実施形態の質量分析装置を鉛直方向に切断した時の概略断面図である。
図1に示すように、第1実施形態の質量分析装置1は、イオン源2、イオン引き出し部10、多重極イオンガイド22、第1分析部30、コリジョンセル40、第2分析部50、検出器60、電源70、アナログ信号処理部80、AD変換器90、デジタル信号処理部100、電源制御部110及びパーソナルコンピューター120を含んで構成されている。なお、本実施形態の質量分析装置は図1の構成要素の一部を省略した構成としてもよい。
イオン源2は、図示しないクロマトグラフ等の試料導入装置から導入された試料を所定の方法でイオン化する。イオン源2は、例えば、ESI法等の大気圧イオン化法によって連続的にイオンを生成する大気圧連続イオン源や電子衝突イオン化法等の真空中で行うイオン化法を用いたイオン源として実現することができる。
イオン源2の後段には、中心に開口部を有する単数若しくは複数の電極からなるイオン引き出し部10が設けられている。イオン源2で生成されたイオンは、イオン引き出し部10を通過して、入口電極24から多重極イオンガイド22に入射し、出口電極26から第1分析部30へと導入される。
第1分析部30は、イオン源2で生成されたイオンから、質量電荷比(イオンの質量mをイオンの価数zで割ったもの(m/z))に基づいてイオン(第1の目的イオン)を選択する。具体的には、第1分析部30は、四重極マスフィルター32を含んで構成されており、四重極マスフィルター32に印加される選択電圧(RF電圧とDC電圧)に応じた質量電荷比のイオンを選択して通過させる。第1分析部30で選択されるイオンはプリカーサーイオンと呼ばれる。
第1分析部30の後段には、コリジョンセル40が設けられており、第1分析部30で選択されたプリカーサーイオンはコリジョンセル40へと導かれる。コリジョンセル40は、多重極イオンガイド42の両端に入口電極44と出口電極46を配置した構成であり
、外部からヘリウムやアルゴン等のガスを導入するためのガス導入手段48(ニードルバルブ等)を備えている。入口電極44と出口電極46は、それぞれその中心に開口部が設けられている。コリジョンセル40にガスを導入することで、プリカーサーイオンの一部又は全部はガスとの衝突によりある確率で開裂を起こし断片化される。但し、プリカーサーイオンが開裂を起こすには、衝突エネルギーがプリカーサーイオンの解離エネルギー以上でなければならない。衝突エネルギーは多重極イオンガイド22の軸電圧と多重極イオンガイド42の軸電圧との電位差による位置エネルギーの差にほぼ等しくなる。コリジョンセル40で断片化されたイオンはプロダクトイオンと呼ばれる。
コリジョンセル40の後段には、第2分析部50が設けられており、コリジョンセル40内のプリカーサーイオンやプロダクトイオンは出口電極46を通過し、第2分析部50に入射する。第2分析部50は、プリカーサーイオン及びプロダクトイオンから、質量電荷比(m/z)に基づいてイオン(第2の目的イオン)を選択する。具体的には、第2分析部50は、四重極マスフィルター52を含んで構成されており、四重極マスフィルター52に印加される選択電圧(RF電圧とDC電圧)に応じた質量電荷比のイオンを選択して通過させる。
第2分析部50の後段には検出器60が設けられており、第2分析部50で選択されたイオンは、検出器60で検出される。具体的には、検出器60は、入射したイオンの数(量)に比例した電流を出力する。
検出器60が出力する電流は、アナログ信号処理部80で電圧に変換される。アナログ信号処理部80は、さらにフィルターで余分なノイズを除去してもよい。
アナログ信号処理部80の出力信号はAD変換器90でサンプリングされ、デジタル信号に変換される。
このデジタル信号は、デジタル信号処理部100で所定回数だけ積算され、その結果がパーソナルコンピューター120に転送される。パーソナルコンピューター120は、これらの結果を付属の記憶部(記憶装置)(不図示)に保存し、表示する。
イオン源2、イオン引き出し部10、多重極イオンガイド22、第1分析部30、コリジョンセル40、第2分析部50に印加されるすべての電圧は電源70より供給される。電源70は、電源制御部110によって制御される。特に、本実施形態では、電源制御部110は、コリジョンセル40が、プリカーサーイオン及びプロダクトイオンを蓄積する蓄積動作を所与の蓄積時間だけ行った後、蓄積されたイオンを排出する排出動作を所与の開放時間だけ行うように電源70を制御する。
本実施形態では、デジタル信号処理部100、電源制御部110及びパーソナルコンピューター120は制御部200を構成しており、制御部200は、設定情報に基づいてコリジョンセル40の蓄積・排出動作の周期(出口電極46の開閉周波数)を設定する。
なお、本実施形態の質量分析装置1において、多重極イオンガイド22は必ずしも必要ではないが、イオン源2で大気圧イオン源を用いるときは設置したほうがよい。大気圧イオン源を用いる場合、イオン引き出し部10を出射した直後のイオンの運動エネルギーは一般に高く、そのままでは第1分析部30の分解能と感度が低下するので、多重極イオンガイド22を設置しクーリングを行う。大気圧イオン源の空気が入口電極24から大量に多重極イオンガイド22に流入してくるため、イオンの運動エネルギーはこの残留ガスとの衝突により低下する。その結果、出口電極26を通過した直後のイオンの全エネルギーはほぼ多重極イオンガイド22の軸電圧による位置エネルギーと等しくなる。また、運動
エネルギーの幅は残留ガスの温度(室温)にまで均一化される。
(2)動作
次に、第1実施形態の質量分析装置1の動作について説明する。以下では、イオン源2において生成されるイオンが正イオンであるものとして説明するが、負イオンであってもよい。負イオンについても、電圧極性を反転させれば以下と同様の説明を適用することができる。
イオン源2で生成されたイオンは、多重極イオンガイド22を通過して第1分析部30に入射し、第1分析部30で選択されたプリカーサーイオンがコリジョンセル40に入射する。
コリジョンセル40ではイオンを一旦蓄積した後、排出する。イオンの蓄積と排出を行うため、出口電極46に電源70からパルス電圧を印加する。パルス電圧を多重極イオンガイド42の軸電圧よりも高くすると出口電極46は閉鎖し、イオンはコリジョンセル40に蓄積される。
一方、パルス電圧を多重極イオンガイド42の軸電圧よりも低くすると出口電極46は開放されイオンが排出される。コリジョンセル40にはガス導入手段48より希ガス等の衝突ガスを導入する。衝突ガスにはプリカーサーイオンを開裂させてプロダクトイオンの生成を促す効果以外にも、衝突によってコリジョンセル40のイオンの運動エネルギーを低下させる効果もある。そのため、蓄積時に出口電極46の電位障壁に跳ね返されて入口電極44に戻ってきたイオンのエネルギーは、初めて入口電極44を通過したときよりも低くなる。入口電極44の電圧を調整すれば、上流からのイオンは通過させ、下流から戻ってきたイオンは通過できないようにすることも可能となる。これにより、コリジョンセル40は高い蓄積効率を実現できる。
コリジョンセル40でのイオンの蓄積と排出によって質量分析装置1の小型化が実現できる。三連型四重極質量分析装置である質量分析装置1では分解能の低下を招くので、第1分析部30や第2分析部50を短くするのは困難である。装置を小型化するには多重極イオンガイド22やコリジョンセル40を短くせざるを得ない。通常、これらの部分を短くすると衝突ガスとの衝突回数が減少し、イオンのクーリングや開裂を阻害する原因になる。十分な衝突回数を維持するため、衝突ガスを多量に導入すれば後段の分析部の圧力が上がり、感度の低下につながることもある。しかし、コリジョンセル40で一時的に蓄積することでイオンはコリジョンセル40の入口と出口を往復しながら衝突ガスと衝突を繰り返すので、ガス導入量を抑えても開裂に必要な衝突回数を確保できる。その結果、装置を小型化できる。
本実施形態では、コリジョンセル40で排出したイオンパルスが第2分析部50を通過していくが、発生した個々のイオンパルスは時間的に完全に分離している訳ではない。連続する2回の排出動作により発生する2つのイオンパルスは少なくとも一部同士が時間的に重なり合って第2分析部50を通過していく。このようなイオンパルスの時間的な平滑化により、第2分析部50での高速なスキャンが可能となる。
平滑化には、例えば、出口電極46の開閉周期を小さくし、イオンの排出間隔を短くする。排出間隔が短くなれば、イオン速度のばらつきによりイオンパルスが第2分析部50において時間的に完全に分離されなくなる。
図2は、本実施形態の質量分析装置1の動作の一例を示すタイムチャート図である。コリジョンセル40の出口電極46に周期T(周波数1/T)で周期的にパルス電圧を印加
し、コリジョンセル40内のプリカーサーイオン及びプロダクトイオンはパルスとなってコリジョンセル40から周期的に出射する。
具体的には、コリジョンセル40に入射したプリカーサーイオンはコリジョンセル40で開裂した後、それぞれ出口電極46の排出動作B1,B2,B3,・・・でイオンパルスC1,C2,C3,・・・となって排出される。
イオンパルスC1,C2,C3,・・・の時間間隔は、排出直後では出口電極46の開放時間にほぼ等しいが、第2分析部50を飛行するにつれイオン速度のばらつきによって広がる。本実施形態では出口電極46の開閉周期を用いてイオンパルスC1,C2,C3,・・・の時間幅を制御する。開閉周期が短いほど、これらのイオンパルスの時間的に重なる部分が増える。また、開閉周期が短いほど、これらのイオンパルスは第2分析部50のより上流部で時間的に重なるようになる。
図2の例では、第2分析部50で高速スキャンが行われており、イオンパルスC1,C2,C3,・・・がそれぞれ、第2分析部50を通過する間に、第2分析部50で選択されるイオンが順次変更されている。イオンパルスC1,C2,C3,・・・は第2分析部50に入射直後にそれぞれイオンパルスD1,D2,D3,・・・に、出射直前にそれぞれイオンパルスd1,d2,d3,・・・になっているものとする。説明を簡単にするために、図2の例では、各イオンパルスC1,C2,C3,・・・には各質量電荷比のプロダクトイオンが均等に含まれているものとしている。
第2分析部50に入射直後のイオンパルスD1,D2,D3,・・・は隣のイオンパルスと重なり合っていないが、イオン速度のばらつきによりパルス幅が広がった結果、第2分析部50の出射直前のイオンパルスd1,d2,d3,・・・は隣のイオンパルスとの重なりが見られる。
図3は、質量分析装置1の動作の他の一例を示すタイムチャート図であり、図2の例よりも、コリジョンセル40の出口電極46の開閉周期Tを短くした(開閉周波数1/Tを大きくした)場合の動作の例を示している。図3の例では、図2の例と比較して、イオンパルスd1,d2,d3,・・・の裾野の重なりがより大きくなる。さらに、第2分析部50に入射直後のイオンパルスD1,D2,D3,・・・でもイオンパルス同士の重なりが見られる。
出口電極46の開閉周期をさらに短くすると、イオンパルスD1,D2,D3,・・・の平滑化がさらに進み、第2分析部50に入射するイオン量の時間的な変動をほとんどなくすこともできる。第2分析部50で高速スキャンを行うには、このような時間的な変動のないイオン流を入射させるのが最も理想的である。
ただし、出口電極46の開閉周期を短くするとイオンの蓄積時間が短くなり、一般にはコリジョンセル40での開裂効率が悪化する。しかし、イオンの開裂効率は蓄積時間がある値以上では飽和するので、蓄積時間をこの値よりも短くしなければ開裂効率が悪化することはない。また、開裂効率の低下を抑えるにはガス導入量を増やせばよい。本実施形態では、イオンをコリジョンセル40に一時的に蓄積しているので、同じ寸法のコリジョンセル40を用いてイオンを蓄積しないで開裂させる場合と比較して、導入する衝突ガス量も少量で済む。
以上に説明したように、第1実施形態の質量分析装置によれば、出口電極46の開閉周期を制御することでイオンパルスが第2分析部50を通過する間に平滑化される。このため、第2分析部50の選択イオンがイオンの通過中に変化するような高速スキャンにおい
ても、サンプル本来の質量スペクトルに近いものが得られる。出口電極46の開閉周期を速くし、イオンパルスを十分平滑化すると、サンプル本来の質量スペクトルとほぼ同じものが得られる。さらに、コリジョンセル40でイオンをある時間蓄積しているので、装置の小型化も同時に実現できる。
2.第2実施形態
(1)構成
まず、第2実施形態の質量分析装置の構成について説明する。第2実施形態の質量分析装置は、第1実施形態とは異なる構成の三連型四重極質量分析装置であり、その構成の一例を図4に示す。なお、図4は、本実施形態の質量分析装置を鉛直方向に切断した時の概略断面図である。
図4に示すように、第2実施形態の質量分析装置1は、イオン源2、イオン引き出し部10、冷却室130、第1分析部30、コリジョンセル40、第2分析部50、検出器60、電源70、アナログ信号処理部80、AD変換器90、デジタル信号処理部100、電源制御部110及びパーソナルコンピューター120を含んで構成されている。なお、本実施形態の質量分析装置は図4の構成要素の一部を省略した構成としてもよい。また、図4において、図1と同じ構成要素には同じ符号を付しており、その説明を省略又は簡略する。
第2実施形態の質量分析装置1が第1実施形態と異なるのは、イオン引き出し部10と第1分析部30の間に、多重極イオンガイド22、入口電極24及び出口電極26の代わりに冷却室130が設けられている点である。冷却室130はイオンガイド132とその両端の入口電極134、出口電極136からなる。必要に応じて、冷却室130にはニードルバルブ等による外部からのガス導入手段138を設置してもよい。
その他の構成は、第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
(2)動作
次に、第2実施形態の質量分析装置1の動作について説明する。以下では、イオン源2において生成されるイオンが正イオンであるものとして説明するが、負イオンであってもよい。負イオンについても、電圧極性を反転させれば以下と同様の説明を適用することができる。なお、以下の説明において、第1実施形態と共通する内容については説明を省略する。
イオン源2で生成されたイオンは、イオン引き出し部10を通過して冷却室130に入射する。冷却室130の入口電極134を常に開放しておくことで、イオン源2で生成されたほぼすべてのイオンを冷却室130に導入することができる。
本実施形態では、冷却室130でイオンを一旦蓄積した後、排出する。入口電極134と出口電極136の間をイオンが往復しながらクーリングされるので冷却室を小型化できる。クーリングは冷却室内でイオンが衝突ガスと衝突を繰り返すことで行われる。イオン源2で大気圧イオン源を用いるとき、入口電極134からはイオンと共に空気も流入してくるため、この残留ガスとの衝突によりイオンがクーリングされる。一方、イオン源2が電子衝突イオン化法等、真空中で行うイオン化法を用いる場合、冷却室130に残留ガスがほとんど流入して来ないのでガス導入手段138で衝突ガスを導入しイオンのクーリングを促進させる。
冷却室130でのイオンの蓄積には出口電極136にパルス電圧を印加すればよい。パルス電圧をイオンガイド132の軸電圧よりも高くすると出口電極136は閉鎖し、イオ
ンは冷却室130に蓄積される。一方、パルス電圧をイオンガイド132の軸電圧よりも低くすると出口電極136は開放され、イオンが排出される。クーリングによって、蓄積時に出口電極136の電位障壁に跳ね返されて入口電極134に戻ってきたイオンのエネルギーは、初めて入口電極134を通過したときよりも低くなる。入口電極134の電圧を調整すれば、上流からのイオンは通過させ、下流から戻ってきたイオンは通過できないようにすることも可能となる。これにより、冷却室130は高い蓄積効率を実現できる。
冷却室130ではイオンを開裂させずにクーリングのみを起こす。クーリングにより、イオンの全エネルギーは最終的にイオンガイド132の軸電圧による位置エネルギー程度まで低下する。そのため、入口電極134を通過直後のイオンの全エネルギーと、イオンガイド132の軸電圧による位置エネルギーとの差が、解離エネルギー以内であればイオンの開裂は起こらない。
冷却室130での蓄積と排出によりイオンはパルス化されて第1分析部30に入射し、第1分析部30で選択されたプリカーサーイオンがコリジョンセル40に入射する。本実施形態では、コリジョンセル40の入口電極44と出口電極46を常に開放しておき、プリカーサーイオンはコリジョンセル40を通過する間にその一部又は全部が開裂し、第2分析部50で選択されたイオンが検出器60に入射する。
本実施形態では、冷却室130で排出したイオンパルスが第1分析部30を通過していくが、発生した個々のイオンパルスは時間的に完全に分離している訳ではない。連続する2回の排出動作により発生する2つのイオンパルスは少なくとも一部同士が時間的に重なって第1分析部30を通過していく。このようなイオンパルスの時間的な平滑化により、第1分析部30での高速なスキャンが可能となる。
平滑化には、例えば、出口電極136の開閉周期を小さくし、イオンの排出間隔を短くする。排出間隔が短くなれば、イオン速度のばらつきによりイオンパルスが第1分析部30において時間的に完全に分離されなくなる。
図5は、本実施形態の質量分析装置1の動作の一例を示すタイムチャート図であり、第1実施形態で示した図2のタイムチャートに対応するものである。図5に示すように、冷却室130の出口電極136に周期T(周波数1/T)で周期的にパルス電圧を印加し、イオン源2で生成されたイオンはパルスとなって冷却室130から周期的に出射する。
具体的には、イオン源2で生成されたイオンは、冷却室130に蓄積され、出口電極136の排出動作B1,B2,B3,・・・でイオンパルスC1,C2,C3,・・・となって冷却室130から排出される。
冷却室130から排出されたイオンパルスC1,C2,C3,・・・は、第1分析部30に入射し、第1分析部30で選択されたプリカーサーイオンのパルスがコリジョンセル40に周期的に導入される。
図5の例では、第1分析部30で高速スキャンが行われており、イオンパルスC1,C2,C3,・・・がそれぞれ第1分析部30を通過する間に第1分析部30で選択されるイオンが順次変更されている。イオンパルスC1,C2,C3,・・・は第1分析部30に入射直後にそれぞれイオンパルスD1,D2,D3,・・・に、出射直前にそれぞれイオンパルスd1,d2,d3,・・・になっているものとする。説明を簡単にするために、図5の例では、各イオンパルスC1,C2,C3,・・・には各質量電荷比のイオンが均等に含まれているものとしている。
第1分析部30に入射直後のイオンパルスD1,D2,D3,・・・は隣のイオンパルスと重なり合っていないが、イオン速度のばらつきによりパルス幅が広がった結果、第1分析部30を出射直前のイオンパルスd1,d2,d3,・・・は隣のイオンパルスとの重なりが見られる。
図6は、質量分析装置1の動作の他の一例を示すタイムチャート図であり、第1実施形態で示した図3のタイムチャートに対応するものである。図6の例では、図5の例よりも、冷却室130の出口電極136の開閉周期Tが短く(開閉周波数1/Tを大きく)なっており、図5の例と比較して、イオンパルスd1,d2,d3,・・・の裾野の重なりがより大きくなっている。さらに、第1分析部30に入射直後のイオンパルスD1,D2,D3,・・・でもイオンパルス同士の重なりが見られる。
出口電極136の開閉周期をさらに短くすると、イオンパルスD1,D2,D3,・・・の平滑化がさらに進み、第1分析部30に入射するイオン量の時間的な変動をほとんどなくすこともできる。第1分析部30で高速スキャンを行うには、このような時間的な変動のないイオン流を入射させるのが最も理想的である。
ただし、出口電極136の開閉周期を短くするとイオンの運動エネルギーが十分低下せず、一般には第1分析部30の分解能が改善されない。しかし、イオンの運動エネルギーは蓄積時間がある値以上で一定値まで低下するので、蓄積時間をこの値よりも長くすると第1分析部30の分解能が改善できる。また、イオンの運動エネルギーを十分に低下させるにはガス導入量を増やせばよい。本実施形態では、イオンを冷却室130に一時的に蓄積しているので、同じ寸法の冷却室130を用いてイオンを蓄積しないで開裂させる場合と比較して、導入する衝突ガス量も少量で済む。
以上に説明したように、第2実施形態の質量分析装置によれば、出口電極136の開閉周期を制御することでイオンパルスが第1分析部30を通過する間に平滑化される。このため、第1分析部30の選択イオンがイオンの通過中に変化するような高速スキャンにおいても、サンプル本来の質量スペクトルに近いものが得られる。出口電極136の開閉周期を速くし、イオンパルスを十分平滑化すると、サンプル本来の質量スペクトルとほぼ同じものが得られる。さらに、冷却室130でイオンを一定時間蓄積しているので、装置の小型化も同時に実現できる。
3.第3実施形態
(1)構成
まず、第3実施形態の質量分析装置の構成について説明する。第3実施形態の質量分析装置は、単独型の四重極質量分析装置であり、第2実施形態の質量分析装置からコリジョンセル40と第2分析部50を削除したものである。図7に、第3実施形態の質量分析装置の構成の一例を示す。なお、図7は、本実施形態の質量分析装置を鉛直方向に切断した時の概略断面図である。
図7に示すように、第3実施形態の質量分析装置1は、イオン源2、イオン引き出し部10、冷却室130、分析部30、検出器60、電源70、アナログ信号処理部80、AD変換器90、デジタル信号処理部100、電源制御部110及びパーソナルコンピューター120を含んで構成されている。なお、本実施形態の質量分析装置は図7の構成要素の一部を省略した構成としてもよい。また、図7において、図1又は図4と同じ構成要素には同じ符号を付しており、その説明を省略又は簡略する。
イオン源2で発生したイオンはイオン引き出し部10を通過して、冷却部30でクーリングされる。その後、分析部30で所望のイオンが選択されて検出器60で検出される。
検出されたイオンの信号はアナログ信号処理部80で電圧に変換された後、余分なノイズが除去される。最後にAD変換器90でサンプリングされる。
その他の構成は、第1実施形態又は第2実施形態と同様であるので、説明を省略する。
(2)動作
次に、第3実施形態の質量分析装置1の動作について説明する。以下では、イオン源2において生成されるイオンが正イオンであるものとして説明するが、負イオンであってもよい。負イオンについても、電圧極性を反転させれば以下と同様の説明を適用することができる。なお、以下の説明において、第1実施形態又は第2実施形態と共通する内容については説明を省略する。
本実施形態では第2実施形態と同様、冷却部130でイオンを開裂させずにクーリングする。冷却室130でイオンを蓄積すれば、入口電極134と出口電極136の間をイオンが往復しながらクーリングされるので冷却室を小型化できる。
イオン源2で生成されたイオンは、イオン引き出し部10を通過して冷却室130に入射する。本実施形態では、第2実施形態と同様に、出口電極136にパルス電圧を印加することで、冷却室130でイオンを一旦蓄積した後、排出する。
冷却室130での蓄積と排出によりイオンはパルス化されて分析部30に入射し、分析部30で選択されたイオン(目的イオン)が検出器60に入射する。
本実施形態では、冷却室130で排出したイオンパルスが分析部30を通過していくが、発生した個々のイオンパルスは時間的に完全に分離している訳ではない。連続する2回の排出動作により発生する2つのイオンパルスは少なくとも一部同士が時間的に重なって分析部30を通過していく。このようなイオンパルスの時間的な平滑化により、分析部30での高速なスキャンが可能となる。
平滑化には、例えば、出口電極136の開閉周期を小さくし、イオンの排出間隔を短くする。排出間隔が短くなれば、イオン速度のばらつきによりイオンパルスが第1分析部30において時間的に完全に分離されなくなる。
図8は、本実施形態の質量分析装置1の動作の一例を示すタイムチャート図であり、第1実施形態で示した図2や第2実施形態で示した図5のタイムチャートに対応するものである。図8に示すように、冷却室130の出口電極136に周期T(周波数1/T)で周期的にパルス電圧を印加し、イオン源2で生成されたイオンはパルスとなって冷却室130から周期的に出射する。
具体的には、イオン源2で生成されたイオンは、冷却室130に蓄積され、出口電極136の排出動作B1,B2,B3,・・・でイオンパルスC1,C2,C3,・・・となって冷却室130から排出される。冷却室130から排出されたイオンパルスC1,C2,C3,・・・は、分析部30に入射する。
図8の例では、分析部30で高速スキャンが行われており、イオンパルスC1,C2,C3,・・・がそれぞれ分析部30を通過する間に分析部30で選択されるイオンが順次変更されている。イオンパルスC1,C2,C3,・・・は分析部30に入射直後にそれぞれイオンパルスD1,D2,D3,・・・に、出射直前にそれぞれイオンパルスd1,d2,d3,・・・になっているものとする。説明を簡単にするために、図8の例では、各イオンパルスC1,C2,C3,・・・には各質量電荷比のイオンが均等に含まれてい
るものとしている。
分析部30に入射直後のイオンパルスD1,D2,D3,・・・は隣のイオンパルスと重なり合っていないが、イオン速度のばらつきによりパルス幅が広がった結果、分析部30を出射直前のイオンパルスd1,d2,d3,・・・は隣のイオンパルスとの重なりが見られる。
図9は、質量分析装置1の動作の他の一例を示すタイムチャート図であり、第1実施形態で示した図3や第2実施形態で示した図6のタイムチャートに対応するものである。図9の例では、図8の例よりも、冷却室130の出口電極136の開閉周期Tが短く(開閉周波数1/Tを大きく)なっており、図8の例と比較して、イオンパルスd1,d2,d3,・・・の裾野の重なりがより大きくなっている。さらに、分析部30に入射直後のイオンパルスD1,D2,D3,・・・でもイオンパルス同士の重なりが見られる。
出口電極136の開閉周期をさらに短くすると、イオンパルスD1,D2,D3,・・・の平滑化がさらに進み、分析部30に入射するイオン量の時間的な変動をほとんどなくすこともできる。分析部30で高速スキャンを行うには、このような時間的な変動のないイオン流を入射させるのが最も理想的である。
ただし、出口電極136の開閉周期を短くするとイオンの運動エネルギーが十分低下せず、一般には分析部30の分解能が改善されない。しかし、イオンの運動エネルギーは蓄積時間がある値以上で一定値まで低下するので、蓄積時間をこの値よりも長くすると分析部30の分解能が改善できる。また、イオンの運動エネルギーを十分に低下させるにはガス導入量を増やせばよい。本実施形態では、イオンを冷却室130に一時的に蓄積しているので、同じ寸法の冷却室130を用いてイオンを蓄積しないで開裂させる場合と比較して、導入する衝突ガス量も少量で済む。
以上に説明したように、第3実施形態の質量分析装置によれば、出口電極136の開閉周期を制御することでイオンパルスが分析部30を通過する間に平滑化される。このため、分析部30の選択イオンがイオンの通過中に変化するような高速スキャンにおいても、サンプル本来の質量スペクトルに近いものが得られる。出口電極136の開閉周期を速くし、イオンパルスを十分平滑化すると、サンプル本来の質量スペクトルとほぼ同じものが得られる。さらに、冷却室130でイオンを一定時間蓄積しているので、装置の小型化も同時に実現できる。
4.変形例
本発明は本実施形態に限定されず、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。
[変形例1]
前述の各実施形態では、コリジョンセル40の出口電極46あるいは冷却室130の出口電極136にパルス電圧を印加しているが、パルス電圧以外にもイオンの蓄積と排出ができるような電圧を印加すればよい。すなわち、第1実施形態では、コリジョンセル40の出口電極46に印加する電圧は多重極イオンガイド42の軸電圧を上下しながら変動すればよいし、第2実施形態や第3実施形態では、冷却室130の出口電極136に印加する電圧はイオンガイド132の軸電圧を上下しながら変動すればよい。この条件を満たすなら、例えば、正弦波や三角波で変動する電圧でもよい。
[変形例2]
前述の各実施形態では、排出されたイオンパルスが下流の分析部を通過する間にイオン
パルスの裾野が重なり合うようになるが、イオンがAD変換器90でサンプリングされる前までにイオンパルスの裾野が重なるようにしても良い。
例えば、出口電極46あるいは出口電極136でのパルス電圧の周波数をアナログ信号処理部80の帯域よりも大きくする(逆に言えば、アナログ信号処理部80の帯域を当該パルス電圧の周波数よりも小さくする)ことで、検出器60に連続して入射する時には分離されている2つのイオンパルスがアナログ信号処理部80で時間的に平滑化されるようにしてもよい。
上述した実施形態および変形例は一例であって、これらに限定されるわけではない。例えば、各実施形態および各変形例を適宜組み合わせることも可能である。
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
1 質量分析装置、2 イオン源、10 イオン引き出し部、22 多重極イオンガイド、24 入口電極、26 出口電極、30 第1分析部(分析部)、32 四重極マスフィルター、40 コリジョンセル、42 多重極イオンガイド、44 入口電極、46 出口電極、48 ガス導入手段、50 第2分析部、52 四重極マスフィルター、60
検出器、70 電源、80 アナログ信号処理部、90 AD変換器、100 デジタル信号処理部、110 電源制御部、120 パーソナルコンピューター、130 冷却室、132 イオンガイド、134 入口電極、136 出口電極、138 ガス導入手段、200 制御部

Claims (10)

  1. 試料をイオン化するイオン源と
    前記イオン源で生成されたイオンの少なくとも一部を蓄積する蓄積動作を行った後、蓄積したイオンを排出する排出動作を行うイオン蓄積排出部と、
    前記イオン蓄積排出部が排出したイオンから質量電荷比に基づいて目的イオンを選択する分析部と、
    前記目的イオンを検出する検出器と、
    前記検出器からの信号を電圧に変換するアナログ信号処理部と、
    前記アナログ信号処理部からの信号をサンプリングしてデジタル信号に変換するAD変換器と、を含み、
    前記イオン蓄積排出部の連続する2回の前記排出動作により発生する2つのイオンパルスに応じて前記アナログ信号処理部から出力される2つの信号の少なくとも一部同士が時間的に重なり合う、質量分析装置。
  2. 請求項1において、
    前記イオン蓄積排出部の前記排出動作の周波数が、前記アナログ信号処理部の帯域よりも大きい、質量分析装置。
  3. 請求項1又は2において、
    前記イオン蓄積排出部の連続する2回の前記排出動作により、後の前記排出動作で排出されるイオンに含まれる前記目的イオンの少なくとも一部が、先の前記排出動作で排出されるイオンに含まれる前記目的イオンの少なくとも一部よりも先に前記検出器に入射する、質量分析装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項において、
    前記イオン蓄積排出部によるイオンの蓄積及び排出のタイミングを制御する制御部を含み、
    前記制御部は、
    前記イオン蓄積排出部の出口電極に、矩形波状、正弦波状又は三角波状に変化する電圧を印加することにより、前記蓄積排出部に前記蓄積動作と前記排出動作を行わせる、質量分析装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項において、
    前記イオン源で生成されたイオンの運動エネルギーの低下を行う冷却室を含み、
    前記冷却室は、
    前記イオン蓄積排出部として機能し、前記イオン源で生成されたイオンを蓄積する蓄積動作を行った後、蓄積したイオンを排出する排出動作を行い、
    前記分析部は、
    前記冷却室が排出したイオンから質量電荷比に基づいて前記目的イオンを選択する、質量分析装置。
  6. 請求項5において、
    前記分析部は、四重極マスフィルターを含む、質量分析装置。
  7. 請求項1乃至4のいずれか一項において、
    前記イオン源で生成されたイオンから質量電荷比に基づいて第1の目的イオンを選択する第1分析部と、
    前記第1の目的イオンの一部又は全部を開裂させてプロダクトイオンを生成するコリジョンセルと、
    前記第1の目的イオン及び前記プロダクトイオンから質量電荷比に基づいて第2の目的イオンを選択する第2分析部と、を含み、
    前記コリジョンセルは、
    前記イオン蓄積排出部として機能し、前記第1の目的イオン及び前記プロダクトイオンを蓄積する蓄積動作を行った後、蓄積したイオンを排出する排出動作を行い、
    前記第2分析部は、
    前記分析部として機能し、前記コリジョンセルが排出したイオンから質量電荷比に基づいて前記第2の目的イオンを選択する、質量分析装置。
  8. 請求項1乃至4のいずれか一項において、
    前記イオン源で生成されたイオンの運動エネルギーの低下を行う冷却室と、
    前記冷却室が排出したイオンから質量電荷比に基づいて第1の目的イオンを選択する第1分析部と、
    前記第1の目的イオンの一部又は全部を開裂させてプロダクトイオンを生成するコリジョンセルと、
    前記第1の目的イオン及び前記プロダクトイオンから質量電荷比に基づいて第2の目的イオンを選択する第2分析部と、を含み、
    前記冷却室は、
    前記イオン蓄積排出部として機能し、前記イオン源で生成されたイオンを蓄積する蓄積動作を行った後、蓄積したイオンを排出する排出動作を行い、
    前記第1分析部は、
    前記分析部として機能する、質量分析装置。
  9. 請求項7又は8において、
    前記第1分析部及び前記第2分析部の少なくとも一方は、四重極マスフィルターを含む、質量分析装置。
  10. 試料をイオン化するイオン源と前記イオン源で生成されたイオンの少なくとも一部を蓄積する蓄積動作を行った後、蓄積したイオンを排出する排出動作を行うイオン蓄積排出部と、前記イオン蓄積排出部が排出したイオンから質量電荷比に基づいて目的イオンを選択する分析部と、前記目的イオンを検出する検出器と、前記検出器からの信号を電圧に変換するアナログ信号処理部と、前記アナログ信号処理部からの信号をサンプリングしてデジタル信号に変換するAD変換器と、を含む質量分析装置の制御方法であって、
    前記イオン蓄積排出部の連続する2回の前記排出動作により発生する2つのイオンパルスに基づいて前記アナログ信号処理部から出力される2つの信号の少なくとも一部同士が時間的に重なり合うように、前記イオン蓄積排出部によるイオンの蓄積及び排出のタイミングを制御する、質量分析装置の制御方法。
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