JP2014102452A - 消臭タグ、消臭タグの製造方法 - Google Patents

消臭タグ、消臭タグの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】物品の陳列形態によらずに、物品の消臭を行える消臭タグ、消臭タグの製造方法を提供する。
【解決手段】消臭タグ10は、物品に取り付けられて情報の表示を行うタグであって、基材層1と、基材層1の一方の面に形成され、消臭作用を有した消臭層2と、基材層1の他方の面に形成された印刷可能な表示面1aとを備える。よって、消臭タグ10は、従来のタグと同様に表示面1aに印刷を行え、また、物品の陳列形態によらずに、物品の消臭を行える。
【選択図】図1

Description

本発明は、物品に取り付けられて各種情報の表示を行うタグであって、消臭作用を有した消臭タグ、消臭タグの製造方法に関するものである。
陳列されている物品、特に、衣料品等の繊維製品は、その性質上、周囲の臭気成分を吸収しやすい。また、衣料品は、試着される場合もあり、その場合に試着者の香水や体臭等が衣料品に付着するおそれも高い。衣料品に他人の香水の香りや体臭が付着してしまうと、購買者にとって、購買意欲が著しく低下してしまい、その物品が売れ残ってしまうおそれが高い。したがって、特に衣料品等の繊維製品の分野では、物品の消臭を効果的に行える手段が望まれている。
このような要望にこたえるために、例えば、特許文献1及び特許文献2には、ハンガーに消臭作用を持たせる技術が開示されている。
特開2007−151657号公報 登録実用新案第3127615号公報
しかし、上記特許文献に開示されている手法では、ハンガーを利用する物品にしか消臭効果を作用させることができない。したがって、例えば、折り畳んで棚に重ねて陳列される物品では、上記特許文献に開示されているハンガーを利用した消臭を行うことができなかった。
本発明の課題は、物品の陳列形態によらずに、物品の消臭を行える消臭タグ、消臭タグの製造方法を提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。
請求項1の発明は、物品に取り付けられて情報の表示を行うタグであって、基材層と、前記基材層の一方の面に形成され、消臭作用を有した消臭層と、前記基材層の他方の面に形成された印刷可能な表示面と、を備える消臭タグである。
請求項2の発明は、請求項1に記載の消臭タグにおいて、前記消臭層は、前記基材層に対して消臭作用を有する薬剤を塗布することにより形成されていること、を特徴とする消臭タグである。
請求項3の発明は、請求項2に記載の消臭タグにおいて、前記薬剤は、有機窒素化合物を含むこと、を特徴とする消臭タグである。
請求項4の発明は、基材層を形成する工程と、前記基材層の一方の面に消臭作用を有した消臭層を形成する工程と、前記基材層の他方の面に印刷を行う工程と、印刷後の前記基材層を切断する工程と、を備える消臭タグの製造方法である。
本発明によれば、消臭タグは、物品の陳列形態によらずに、物品の消臭を行える。また、消臭タグの製造方法によれば、物品の陳列形態によらずに、物品の消臭を行える消臭タグを製造できる。
本発明による消臭タグ10の第1実施形態を示す概略斜視図である。 第1実施形態の消臭タグ10の製造方法を説明する概略図である。 アンモニアに対する消臭性確認試験の結果を示す表である。 硫化水素に対する消臭性確認試験の結果を示す表である。 アンモニアに対する消臭性確認試験の結果を示す表である。 ノネナールに対する消臭性確認試験の結果を示す表である。 試験1から試験4の結果をまとめた表である。 消臭タグ10の製造方法の第2実施形態を説明する概略図である。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面等を参照して説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明による消臭タグ10の第1実施形態を示す概略斜視図である。
なお、図1を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張して示している。
また、以下の説明では、具体的な数値、形状、材料等を示して説明を行うが、これらは、適宜変更することができる。
消臭タグ10は、基材層1と、消臭層2とが積層された構成になっている。
基材層1は、紙や樹脂フィルム等により構成されており、表面に表示面1aを有し、裏面に消臭層2が積層されている。本実施形態の基材層1は、260g/m のタグ用紙を用いている。また、基材層1には、タグとして商品等の物品に取り付けるときに紐等を通す孔1bが開口されている。
表示面1aは、商品名や価格、バーコード等、任意の情報をサーマルプリンタ等によって、印刷可能となっている。
消臭層2は、消臭効果を有した層であり、消臭作用を有する薬剤を塗布することにより形成されている。本実施形態の消臭層2は、有機窒素化合物を塗布して形成されている。
次に、本実施形態の消臭タグ10の製造方法について説明する。
図2は、第1実施形態の消臭タグ10の製造方法を説明する概略図である。
先ず、基材層1をロール状に巻いた状態で供給部101に装填する。
次に、供給部101から長尺の基材層1を搬送して、塗工ローラ103により消臭層2の原料となる薬剤102を基材層1の裏面(図2の下方の面)に塗布する。この薬剤102は、上述したように有機窒素化合物を用いる。
次に、プラテンローラ104及びサーマルヘッド105からなる印刷部によって、基材層1の表示面1aに各種情報の印刷を行う。なお、塗工ローラ103と印刷部との間に、乾燥を促進させる乾燥工程を適宜設けてもよい。
表示面1aへの印刷後、切断部106により、タグを一枚毎に切断して、消臭タグ10が完成する。
上述のように製造した消臭タグ10の消臭効果を確認する試験を行った。以下、試験方法と試験結果について説明する。
今回は、アンモニア、硫化水素、酢酸、ノネナールの4種類の臭気についての消臭効果を確認する試験を行った。
(試験1)アンモニアに対する消臭性確認試験
容量5Lのポリフッ化ビニル樹脂フィルム(PVF)製のサンプリングバックを用いて試験を行った。なお、この試験及び以下の試験で用いたサンプリングバックは、テドラーバッグ(テドラーは、登録商標)である。
試料とした消臭タグは、日本大昭和板紙株式会社製のリバース70PEFC 260gに消臭薬剤を塗布したものであり、4cm×8cmのサイズに切断されている。
上記試料(消臭タグ)をサンプリングバックに入れ、さらに、初期112ppmのアンモニアガスを2L充填した。これを、2時間放置した後の、サンプリングバック内のガスを測定し、試料(消臭タグ)を入れないサンプリングバック(ブランク)との比較を行った。また、試料を入れたサンプリングバックは、2つ用意した。
図3は、アンモニアに対する消臭性確認試験の結果を示す表である。
2時間経過後のガス測定結果は、ブランクで100ppmであった。これに対して、試料1は、40ppmであり、浄化率に換算すると、60.0%のアンモニアを浄化したことになる。また、試料2は、45ppmであり、浄化率に換算すると、55.0%のアンモニアを浄化したことになる。
(試験2)硫化水素に対する消臭性確認試験
容量5Lのポリフッ化ビニル樹脂フィルム(PVF)製のサンプリングバックを用いて試験を行った。
試料とした消臭タグは、日本大昭和板紙株式会社製のリバース70PEFC 260gに消臭薬剤を塗布したものであり、4cm×8cmのサイズに切断されている。
上記試料(消臭タグ)をサンプリングバックに入れ、さらに、初期5.2ppmの硫化水素ガスを2L充填した。これを、2時間放置した後の、サンプリングバック内のガスを測定し、試料(消臭タグ)を入れないサンプリングバック(ブランク)との比較を行った。また、試料を入れたサンプリングバックは、2つ用意した。
図4は、硫化水素に対する消臭性確認試験の結果を示す表である。
2時間経過後のガス測定結果は、ブランクで2.5ppmであった。これに対して、試料1及び試料2ともに、0ppmであり、浄化率に換算すると、100.0%の硫化水素を浄化したことになる。
(試験3)酢酸に対する消臭性確認試験
容量5Lのポリフッ化ビニル樹脂フィルム(PVF)製のサンプリングバックを用いて試験を行った。
試料とした消臭タグは、日本大昭和板紙株式会社製のリバース70PEFC 260gに消臭薬剤を塗布したものであり、4cm×8cmのサイズに切断されている。
上記試料(消臭タグ)をサンプリングバックに入れ、さらに、初期60ppmの酢酸ガスを2L充填した。これを、2時間放置した後の、サンプリングバック内のガスを測定し、試料(消臭タグ)を入れないサンプリングバック(ブランク)との比較を行った。また、試料を入れたサンプリングバックは、2つ用意した。
図5は、酢酸に対する消臭性確認試験の結果を示す表である。
2時間経過後のガス測定結果は、ブランクで55ppmであった。これに対して、試料1は、2ppmであり、浄化率に換算すると、96.4%の酢酸を浄化したことになる。また、試料2は、3ppmであり、浄化率に換算すると、94.5%の酢酸を浄化したことになる。
(試験4)ノネナールに対する消臭性確認試験
容量500mLのフラスコを用いて試験を行った。
試料とした消臭タグは、日本大昭和板紙株式会社製のリバース70PEFC 260gに消臭薬剤を塗布したものであり、4cm×8cmのサイズに切断されている。
上記試料(消臭タグ)をフラスコに入れ、さらに、1% w/v in ETOH ノネナール 5μLを充填した。これを、2時間放置した後の、フラスコ内のガスを測定し、試料(消臭タグ)を入れないフラスコ(ブランク)との比較を行った。また、試料を入れたフラスコは、2つ用意した。
図6は、ノネナールに対する消臭性確認試験の結果を示す表である。なお、図6に示す測定結果は、ガスクロマトグラフィで測定した測定値を示している。
2時間経過後のガス測定結果は、ブランクで73573であった。これに対して、試料1は、18912であり、浄化率に換算すると、74.3%のノネナールを浄化したことになる。また、試料2は、20013であり、浄化率に換算すると、72.8%のノネナールを浄化したことになる。
図7は、試験1から試験4の結果をまとめた表である。
図7に示すように、本実施形態における消臭タグ10は、有効な消臭作用を備えていることがわかる。
以上説明したように、本実施形態における消臭タグ10は、従来からある通常のタグと同様に価格等の印刷が可能であり、通常のタグと同様に用いるだけで、物品の陳列形態によらずに、物品の消臭を行える。
(第2実施形態)
図8は、消臭タグ10の製造方法の第2実施形態を説明する概略図である。
第2実施形態の消臭タグ10は、第1実施形態の消臭タグ10と同じ形態をしている。ただし、製造方法の一部が第1実施形態とは異なっている。よって、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
第2実施形態の製造方法では、塗工ローラ103により消臭層2の原料となる薬剤102を基材層1の裏面(図2の下方の面)に塗布した後、巻き取り部107において長尺で未印刷の消臭タグを巻き取って、ロール形態の消臭タグ(以下、消臭タグロール)200を製造する。そして、この消臭タグロール200を、供給部108に装填し直して、印刷と切断を行う。
以上説明した第2実施形態の製造方法によれば、長尺で未印刷の消臭タグを巻き取った消臭タグロール200を一旦製造する。よって、利用者は、この消臭タグロール200を購入する等して持っておけば、従来のタグと同様にタグプリンタに消臭タグロール200を装填して、消臭タグを簡単に作製できる。すなわち、利用者にとっては、従来のタグとの違いを意識することなく、従来と同じタグプリンタを用いて、消臭タグを作製可能である。このように、本発明における消臭タグとは、上述のような長尺のものをロール状に巻き取ったものも含む。
(変形形態)
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
各実施形態において、消臭タグ10への印刷は、サーマルヘッド105を用いて行う例を挙げて説明した。これに限らず、例えば、消臭タグ10は、インクジェット等、他の方式によって印刷されるようにしてもよい。
なお、各実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。また、本発明は以上説明した各実施形態によって限定されることはない。
1 基材層
1a 表示面
1b 孔
2 消臭層
10 消臭タグ
101 供給部
102 薬剤
103 塗工ローラ
104 プラテンローラ
105 サーマルヘッド
106 切断部
107 取り部
108 供給部
200 消臭タグロール

Claims (4)

  1. 物品に取り付けられて情報の表示を行うタグであって、
    基材層と、
    前記基材層の一方の面に形成され、消臭作用を有した消臭層と、
    前記基材層の他方の面に形成された印刷可能な表示面と、
    を備える消臭タグ。
  2. 請求項1に記載の消臭タグにおいて、
    前記消臭層は、前記基材層に対して消臭作用を有する薬剤を塗布することにより形成されていること、
    を特徴とする消臭タグ。
  3. 請求項2に記載の消臭タグにおいて、
    前記薬剤は、有機窒素化合物を含むこと、
    を特徴とする消臭タグ。
  4. 基材層を形成する工程と、
    前記基材層の一方の面に消臭作用を有した消臭層を形成する工程と、
    前記基材層の他方の面に印刷を行う工程と、
    印刷後の前記基材層を切断する工程と、
    を備える消臭タグの製造方法。
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