JP2014101920A - 車輪用転がり軸受装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ラビリンスシールの隙間が小さく、安定した、密封性能に優れた車輪用転がり軸受装置および駆動系モジュール部品を提供する。
【解決手段】インナー側の外周面に取付けフランジ2b、内周面に2列の外輪軌道2a1、2a2、取付けフランジ2bの基部からインナー側に延長円環部2cを、それぞれ有する外輪2と、アウター側外周に、ハブフランジ3Ab、第一の内輪軌道3Aaを、設けた第一の内輪部材3Aと、外周に第二の内輪軌道3Ba、インナー側の端部に椀形部3Bbを、有する第二の内輪部材3Bと、両外輪軌道2a1、2a2および内輪軌道3Aa、3Baの間にそれぞれ配置された複数の転動体4と、を備えた車輪用転がり軸受装置1であって、外輪2の延長円環部2cの内周に形成された外輪密封面2eと、椀形部3Bbの外周に形成されたジョイント密封面3Bdとでラビリンスシール8形成され、ラビリンスシール8は径方向の微少隙間Δ有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、車輪用転がり軸受装置に係り、より詳しくは、駆動軸の出力部を含む車輪用転がり軸受装置に関する。
駆動軸の出力部を含む車輪用転がり軸受装置としては、外輪に車体の支持部材への取付けフランジを、車両アウター側の内輪部材に車輪取付けフランジを、車両インナー側の軸部品に駆動軸の出力部を、有するものがある。(特許文献1参照)
車輪用転がり軸受装置においては、軸受内部に封入したグリースなど潤滑剤の漏出の防止し、また、外部からの泥水や異物の進入防止のため、接触式の密封装置が設けられている。例えば、接触式の密封装置として、外輪の両端開口部にシールケースを取付け、そのシールケースの内側にシール部材を装着して、そのシールリップを内輪や軸などの軸部品に弾性的に接触させたハブ用シールが知られている。
また、車輪用転がり軸受装置の車両アウター側においては、ハブ用シールの径方向外方にブレーキ部品が配置されているため、ハブ用シールの周囲に直接かかる路面からの泥水や異物は少なく、さらに、車体や支持部材からハブ用シールに向け流動してくる泥水等も少ないため、ハブ用シールのみで密封が可能である。
しかし、車両インナー側においては、路面からの泥水や異物がハブ用シールの周囲に直接かかり、また、車体の支持部材や等速ジョイントの出力部を伝ってハブ用シールに到達する泥水や異物も多い。このため、車両インナー側は車両アウター側より優れた密封性能が要求される。車両インナー側の密封性能を向上させる方策として、ラビリンスシールによってハブ用シール近傍への異物侵入を制限する車輪用回転支持装置が提案されている。(特許文献2参照)
特開2008−183991号公報 特開2002−316508号公報
車輪用転がり軸受装置には車両の自重および運転によるモーメント荷重が負荷される。モーメント荷重が負荷されると、車輪用転がり軸受装置の固定側である外輪と、回転部である内輪部材との間に軸方向、径方向の変位が生じる。この状態において、車輪用転がり軸受装置の径方向の変位は軸方向の変位にくらべ小さいことがわかっている。
また、ラビリンスシールの隙間は、ラビリンスシールを構成する部材どうしが接触しない範囲で、小さいほど密封効果に優れていることもわかっている。ラビリンスシールの設計時の最小隙間は前述の変位を考慮して安全目に設定されている。また、ラビリンスシールの隙間は、ラビリンスシールを構成する部品の、関係する部位の寸法のばらつきによって変動する。ラビリンスシールの設計時の最大隙間は、前記最小値に加工誤差、組立誤差を加算して設定される。
前述の特許文献2の転がり軸受装置においては、いずれの実施形態においても、車体の支持部材と、駆動軸の出力部との間、もしくは外輪に付設された固定部材と駆動軸の出力部に付設された回転部材との間、でラビリンスシールを構成している。このため、前記転がり軸受装置のラビリンスシールの隙間は、外輪と支持部材や固定部材の結合部の寸法ばらつきや、組立誤差によって大きく変動し、十分な密封性能をえることはできない。
また、前記転がり軸受装置を含め、車両インナー側にラビリンスシールを有する従来の車輪用転がり軸受装置においては、ラビリンスシールの径方向の隙間に対して何ら配慮されておらず、ラビリンスシールの十分な密封性能を得ることができない。
本発明は、ラビリンスシールの隙間が小さく、かつ、ラビリンスシールの隙間が安定した、密封性能に優れた車輪用転がり軸受装置を提供することを目的としている。
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明の構成上の特徴は、車両インナー側の外周面に車体に固定した支持部材に取付けられる取付けフランジを、内周面に2列の外輪軌道を、前記取付けフランジの基部から軸方向車両インナー側に延在する延長円環部を、それぞれ有する外輪と、車両アウター側の外周に、車輪が取付けられるハブフランジ、および車両アウター側の外輪軌道と対向する第一の内輪軌道を、それぞれ有する第一の内輪部材と、外周に車両インナー側の外輪軌道と対向する第二の内輪軌道を、車両インナー側の端部に設けられ、出力側等速自在継ぎ手を内蔵する椀形部を、それぞれ有する第二の内輪部材と、各外輪軌道および上記第一、第二の内輪軌道の間にそれぞれ配置された複数の転動体と、を備えた車輪用転がり軸受装置であって、前記外輪の車両インナー側の端部に設けられた延長円環部の内周に形成された外輪密封面と、前記椀形部の外周に設けられたジョイント密封面との間でラビリンスシールが形成され、前記ラビリンスシールは径方向の微少隙間を有することである。
本発明の構成によれば、車両の運転時における変位の小さい径方向に、微少隙間を設けており、車両の運転時における変位による微少隙間の変化が小さく、軸方向の隙間にくらべ安定した密封効果をえることができる。また上記運転時における変位が小さいため、初期の隙間が小さく設定されており、軸方向の隙間にくらべより高い密封効果をえることができる。さらに、外輪と軸部材以外の構成部品を介さずラビリンスシールが構成されているため、さらに安定した隙間が確保されており、他の構成部品を介してラビリンスシールが構成されているものにくらべ高い密封効果をえることができる。
上記の課題を解決するため、請求項2に係る発明の構成上の特徴は、前記外輪密封面は前記外輪軌道と同一加工基準面にて加工され、前記ジョイント密封面は前記第二の内輪軌道と同一加工基準面にて加工されたことである。
前記外輪と前記第二の内輪部材との相対位置の誤差が最も小さいのは、前記外輪軌道と前記第二の内輪軌道の間である。本発明の構成によれば、前記外輪密封面前記外輪軌道と同一加工基準面にて加工され、前記ジョイント密封面は前記第二の内輪軌道と同一加工基準面にて加工されており、前記外輪密封面と前記ジョイント密封面との間の相対位置の誤差は、前記外輪軌道と前記第二の内輪軌道との間の相対位置の誤差に、前記外輪密封面および前記ジョイント密封面の加工誤差を加えた略等しい値となる。
すなわち、前記外輪密封面と前記ジョイント密封面との間の相対位置の誤差は、前記外輪の前記外輪軌道および前記第二の内輪部材の前記第二の内輪軌道輪の加工基準面以外の部位を加工基準面として加工した場合にくらべ、はるかに小さい。この結果、前記ラビリンスシールの前記微少隙間は非常に安定し、より優れた密封効果を得ることができる。
本発明によれば、ラビリンスシールの隙間が小さく、かつ、ラビリンスシールの隙間が安定した、密封性能に優れた車輪用転がり軸受装置を提供することができる。
本発明の第1の実施形態の車輪用転がり軸受装置の断面図である。 図1の主要部の断面図である。 本発明の第2実施形態の車輪用転がり軸受装置の断面図である。
この発明の第1の実施の形態を、以下図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態の車輪用転がり軸受装置の断面図であり、図2は図1の主要部の断面図である。
図1および図2において、第1の実施形態の車輪用転がり軸受装置1は、内周部に2列の外輪軌道2a1、2a2が形成された外輪2と、外周部に内輪軌道3Aaが形成された第1の内輪部材3Aと、外周部に内輪軌道3Baが形成された第2の内輪部材3Bとを有している。各外輪軌道2a1、2a2と、内輪軌道3Aa、内輪軌道3Baとの間に、それぞれ転動自在に配置された2列の複数の転動体としてのボール4を有し、各列の複数のボール4はそれぞれ、保持器5A、保持器5Bに保持されている。
また、外輪2の車両アウター側の端部の内周には、第2の内輪部材3Aの外周に摺接するアウターシール6Aが固定され、外輪2の車両インナー側の内周には、第2の内輪部材3Bの外周に摺接するインナーシール6Bが固定されている。また、第2の内輪部材3Bの内周車両インナー側には出力側等速自在継ぎ手7が内蔵されている。
外輪2は炭素鋼等の鋼材からなる環体で、車両インナー側には外周から径方向外方に拡径して、複数の軸方向の取付け穴2cを有する取付けフランジ2bが形成されている。取付けフランジ2bの車両インナー側には取付け円筒部2dが形成され、取付け円筒部2dからさらに車両インナー側に延長円環部2eが形成されている。取付けフランジ2bの車両インナー側の側面は、取付けフランジ面2fとなっている。
取付けフランジ面2fから車両インナー側の、取付け円筒部2dの外周には円筒形状の取付け円筒面2gが形成されている。また、延長円環部2eの内周には円筒形状の外輪密封面2hが形成されている。外輪2の内周車両アウター側に外輪軌道2a1、内周車両インナー側に外輪軌道2a2形成されている。
ここで、外輪2の外輪軌道2a1、2a2は、取付けフランジ面2fと取付け円筒面2gを加工基準面として加工されている。また、外輪密封面2eも取付けフランジ面2fと取付け円筒面2gを加工基準面として加工されている。
外輪2の内周、外輪軌道2a1から車両アウター側にはアウターシール嵌合部2d1が車両アウター側端部まで延在し、外輪軌道2a2から車両インナー側にはインナーシール嵌合部が延在し、外輪密封面2eに連なっている。外輪密封面2eの車両インナー側端部から径方向外方に、延長円環部2cの外周まで円環部端面2iが延在している。
第1の内輪部材3Aは炭素鋼等の鋼材からなる環体で、外周中央部に内輪軌道3Aaが、車両アウター側端部に車輪ガイド円筒部3Afが形成され、車両インナー側端部は第2の内輪部材3Bとの突き当て面3Aeとなっている。内輪軌道3Aaから車両アウター側には湾曲して拡径するアウターシール摺動面3Adが形成され、アウターシール嵌合面3Adと車輪ガイド円筒部3Afの間にはさらに拡径して、複数のハブボルト3cが軸方向に嵌入されたハブフランジ3Abが形成されている。
第1の内輪部材3Aの内周車両インナー側には、軸嵌合部3Ag、内周車両アウター側には軸嵌合部3Agに連なる、内歯スプライン等の軸係合手段3Ahが形成されている。
第2の内輪部材3Bは炭素鋼等の鋼材からなる環体で、車両インナー側端部に椀形部3Bbを有し、外周中央部に内輪軌道3Baが形成され、内輪軌道3Baから車両インナー側に連なる椀形部3Bbの外周には湾曲して拡径するインナーシール嵌合面3Bdが形成されている。椀形部3Bbの外周、インナーシール嵌合面3Bdより車両インナー側には、円筒形状のジョイント密封面3Bdが形成されている。ジョイント密封面3Bdの直径は外輪2の外輪密封面2eの直径より僅かに小さい。椀形部3Bbの軸方向車両インナー側の端部は軸線に直角な平面である椀形部端面3Bfとなっている。
また、内輪軌道3Baから車両アウター側は径方向内方に縮径する突き当て面3Beとなっている。突き当て面3Beの径方向内方の端部から軸方向車両アウター側にハブ嵌合面3Bgが形成され、ハブ嵌合面3Bgの軸方向車両アウター側に連なって、第1の内輪部材3Aの軸係合手段3Ahと噛み合う外歯スプライン等のハブ係合手段3Bhが形成されている。
ここで、内輪軌道3Baはハブ嵌合面3Bgと椀形部端面3Bfを加工基準面として加工され、ジョイント密封面3Bdもハブ嵌合面3Bgと椀形部端面3Bfを加工基準面として加工されている。
椀形部3Bbの内部には、例えば通常ボールジョイントと称される出力側等速自在継ぎ手7が内蔵されている。出力側等速自在継ぎ手7は複数の駆動ボール7a、複数の駆動ボールを保持するボール保持手段7b、および内軸7cを有し、内軸7cの内周面には、図示しないドライブシャフトを構成する中間駆動軸の出力側端部が係合される、内歯スプライン等の係合手段7dが形成されている。
アウターシール6Aは円盤部6Abの内周に合成ゴム等の弾性材からなるリップ6Aaを有し、円盤部6Abの外周インナー側に軸方向に延びる円筒部6Acを有する。また、 インナーシール6Bは円盤部6Bbの内周に合成ゴム等の弾性材からなるリップ6Baを有し、円盤部6Bbの外周アウター側に軸方向に延びる円筒部6Bcを有する。
外輪2の外輪軌道2a1と、第1の内輪部材3Aの内輪軌道3Aaの間には複数のボール4が保持器5Aに保持されて転動自在に配置されており、外輪2の外輪軌道2a2と、第2の内輪部材3Bの内輪軌道3Baの間には複数のボール4が保持器5Bに保持されて転動自在に配置されている。ここで、外輪軌道2a1と、ボール4と、内輪軌道3Aaとの接触角、および、外輪軌道2a2と、ボール4と、内輪軌道3Baとの接触角はいずれも35°となっている。
アウターシール6Aはリップ6Aaを第1の内輪部材3Aのアウターシール摺動面3Ad接し、円筒部6Acを外輪2のアウターシール嵌合部2d1に嵌入され、外輪2に固定されている。また、インナーシール6Bはリップ6Baを第1の内輪部材3Bのインナーシール摺動面3Bd接し、円筒部6Bcを外輪2のインナーシール嵌合部2d2に嵌入され、外輪2に固定されている。
第2の内輪部材3Bは、突き当て面3Beを第1の内輪部材3Aの突き当て面3Beに接し、ハブ嵌合面3Bgを軸嵌合部3Agに嵌入し、係合手段3Bhを第1の内輪部材3Aの軸係合手段3Ahと係合して、第1の内輪部材3Aと結合されている。さらに、第2の内輪部材3Bのアウター側端部をかしめることによって第2の内輪部材3Bは第1の内輪部材3Aに固定されている。
上述の構成によって、第1の実施形態の車輪用転がり軸受装置1は、外輪2、第1の内輪部材3A、第2の内輪部材3B、複数のボール4、保持器5A、5B、アウターシール6A、インナーシール6Bが一体化されている。この一体化によって、外輪2の外輪密封面2hとジョイント密封面3Bdとの間で、径方向の微少隙間Δを有するラビリンスシール8が形成されている。
以下、この発明の第1の実施形態の車輪用転がり軸受装置1の作用を説明する。
車輪用転がり軸受装置には車両の自重や、運転時の旋回力や、振動によってモーメント荷重が負荷される。モーメント荷重が負荷されると、車輪用転がり軸受装置の固定側である外輪と、回転部である内輪部材との間に軸方向および径方向の変位が生じる。外輪と、内輪部材との間に軸方向および径方向の変位が生じると、ラビリンスシールの隙間もそれぞれの変位によって増減する。
車輪用転がり軸受装置の径方向の変位δRと軸方向の変位δAの間にはδR≒δAtanαの関係が有る。また、ラビリンスシールの隙間は軸受の内部すきまの影響を受ける。車輪用転がり軸受装置の径方向すきまRsと、軸方向すきまAsの間にもRs≒Astanαの関係が有る。ここでαは転動体と軌道の接触角であり、通常、車輪用転がり軸受装置の場合20°から40°であり、この発明の第1の実施形態の車輪用転がり軸受装置1の場合、35°となっている。
すなわち、変位や内部すきまによる径方向のラビリンスシールの隙間の変化は、この発明の第1の実施形態の車輪用転がり軸受装置1の場合は、軸方向のラビリンスシールの隙間の変化の約70%となる。すなわち、この発明の第1の実施形態の車輪用転がり軸受装置1の径方向のラビリンスシールは、軸方向のラビリンスシールにくらべ、ラビリンスの隙間に対する変位や内部すきまの影響が小さい。
また、ラビリンスシールの隙間は、ラビリンスシールを構成する部材どうしが接触しない範囲で、小さいほど密封効果に優れていることもわかっている。また、ラビリンスシールの隙間は、ラビリンスシールを構成する部品間の、関係する全ての部品の関係部位の加工誤差、組立誤差によって変動する。ラビリンスシールの設計時の最小隙間は、前述の変位や内部すきまによるラビリンスシールの隙間の変化と、前記加工誤差、組立誤差を加算して設定される。前記加工誤差には関係する部品の関係部位間の相対位置の誤差と各部位の寸法誤差の和がある。
外輪と内輪部材との相対位置の誤差が最も小さいのは、外輪軌道と内輪軌道の間である。本発明の構成によれば、外輪2の外輪密封面2hは外輪軌道2a1、2a2と同一加工基準面にて加工され、第2の内輪部材3Bのジョイント密封面3Bdは内輪軌道3Baと同一加工基準面にて加工されており、外輪密封面2hとジョイント密封面3Bdとの間の相対位置の誤差は、外輪軌道と内輪軌道との間の相対位置の誤差に略等しい。
すなわち、この発明の第1の実施形態の車輪用転がり軸受装置1の外輪密封面2hとジョイント密封面3Bdとの間の相対位置の誤差は、外輪2の外輪軌道2a1、2a2および第2の内輪部材3Bの内輪軌道3Baの加工基準面以外の部位を加工基準面として、外輪密封面2hとジョイント密封面3Bd加工した場合にくらべ、はるかに小さい。また、関係する部品は外輪2と第2の内輪部材のみであり、組立誤差および関係部位の寸法誤差の和は他部品を介してラビリンスシールが形成されたものに比べ非常に小さい。
このように、この発明の第1の実施形態の車輪用転がり軸受装置1のラビリンスシール8の微少隙間Δは、変位や内部すきまによるラビリンスシールの隙間の変化、前記加工誤差、組立誤差が非常に小さいため、設計時の最小隙間が小さく設定され、使用時の最大隙間は従来のラビリンスシールの隙間に比べ大幅に小さくなる。すなわちこの発明の実施形態の車輪用転がり軸受装置1のラビリンスシール8の径方向の微少隙間Δは小さく、かつ、非常に安定し、より優れた密封効果を得ることができる。
図3は、本発明の第2実施形態の車輪用転がり軸受装置の断面図である。
本発明の第2実施形態の車輪用転がり軸受装置10は、本発明の第1の実施形態の車輪用転がり軸受装置1に、中間駆動軸と入力側等速自在継ぎ手と入力軸を装着した構成であり、構成のみが本発明の第1の実施形態の車輪用転がり軸受装置1と異なる。本発明の第2実施形態の車輪用転がり軸受装置10では、本発明の第1の実施形態の車輪用転がり軸受装置1と共通の構成、作用効果については説明を省略することにし、本発明の第1の実施形態の車輪用転がり軸受装置1と異なる構成、作用効果についてのみ説明を行う。
図3によると、本発明の第2実施形態の車輪用転がり軸受装置10は、車輪用転がり軸受装置1と、中間駆動軸11と、入力軸12と、入力側等速自在継ぎ手13と、を有する。
車輪用転がり軸受装置1は前述の本発明の第1の実施形態の車輪用転がり軸受装置1と同一形状、構成となっている。
中間駆動軸11は車両アウター側端部に外歯スプライン等の出力側係合手段11aが形成され、車両インナー側端部に外歯スプライン等の入力側係合手段11bが形成されている。入力軸12は車両アウター側端部に入力側等速自在継ぎ手13が内蔵された椀形部12aが形成され、車両インナー側端部には、図示しない駆動源の動力出力手段と係合する、外歯スプライン等の入力側係合手段12bが形成されている。
入力側等速自在継ぎ手13は、例えば通常ボールジョイントと称されるもので、複数の駆動ボール13a、複数の駆動ボールを保持するボール保持手段13b、および内軸13cを有し、内軸13cの内周面には内歯スプライン等の係合手段13dが形成されている。
中間駆動軸11は車両インナー側端部の外歯スプライン等の入力側係合手段11bが、入力軸12に内蔵された入力側等速自在継ぎ手13の内軸13cの内歯スプライン等の係合手段13dに係合することにより、入力側等速自在継ぎ手13を介して入力軸12と一体化されている。また、中間駆動軸11は車両アウター側端部の外歯スプライン等の出力側係合手段11aが、車輪用転がり軸受装置1の第2の内輪部材3Bに内蔵された出力側等速自在継ぎ手7の内軸7cの内歯スプライン等の係合手段7dに係合することにより、車輪用転がり軸受装置1と一体化されている。
本発明の第2の実施形態の車輪用転がり軸受装置10が解決しようとする課題、作用効果は前述の本発明の第1の実施形態の車輪用転がり軸受装置1の解決しようとする課題、作用効果と共通である。
上述の実施形態では、転動体はボールであるが、この発明では、転動体は円すいころ等の他の形式の転動体であっても良い。
上述の実施形態では、第1の内輪部材と第2の内輪部材は、かしめで一体化されているが、この発明では、第1の内輪部材と第2の内輪部材は止め輪等他の結合手段で一体化される形式であっても良い。
上述の実施形態では、出力側等速自在継ぎ手7及び入力側等速自在継ぎ手13は、例えば通常ボールジョイントと称されるものであるが、この発明では、出力側等速自在継ぎ手及び入力側等速自在継ぎ手は、通常ボールジョイントと称されるもの以外の形式の等速自在継ぎ手であっても良い。
上述の実施形態では、アウターシールおよびインナーシールは、内周のみにリップを有する形式であるが、この発明では、アウターシールおよびインナーシールは、それぞれ、軸方向側面にリップを有する形式や、スリンガーを有する形式等他の形式であっても良い。
1、10 ‥ 車輪用転がり軸受装置
2 ‥ 外輪
2a1、2a2 ‥ 外輪軌道
2b ‥ 取付けフランジ
2c ‥ 延長円環部
2e ‥ 外輪密封面
3A、3B ‥ 内輪部材
3Aa、3Ba ‥ 内輪軌道
3Ab ‥ ハブフランジ
3Bb ‥ 椀形部
3Bd ‥ ジョイント密封面
4 ‥ ボール(転動体)
5A、5B ‥ 保持器
6A、6B ‥ シール
7、13 ‥ 等速自在継手
8 ‥ ラビリンスシール
Δ ‥ 微少隙間
11 ‥ 中間駆動軸
12 ‥ 入力軸

Claims (2)

  1. 車両インナー側の外周面に車体に固定した支持部材に取付けられる取付けフランジを、内周面に2列の外輪軌道を、前記取付けフランジの基部から軸方向車両インナー側に延在する延長円環部を、それぞれ有する外輪と、車両アウター側の外周に、車輪が取付けられるハブフランジ、および車両アウター側の外輪軌道に対向する第一の内輪軌道を、それぞれ有する第一の内輪部材と、外周に車両インナー側の外輪軌道に対向する第二の内輪軌道を、車両インナー側の端部に設けられ、出力側等速自在継ぎ手を内蔵する椀形部を、それぞれ有する第二の内輪部材と、各外輪軌道および上記第一、第二の内輪軌道の間にそれぞれ配置された複数の転動体と、を備えた車輪用転がり軸受装置であって、
    前記外輪の車両インナー側の端部に設けられた延長円環部の内周に形成された外輪密封面と、前記椀形部の外周に形成されたジョイント密封面との間でラビリンスシールが形成され、前記ラビリンスシールは径方向の微少隙間を有することを特徴とする車輪用転がり軸受装置。
  2. 前記外輪密封面は前記外輪軌道と同一加工基準面にて加工され、前記ジョイント密封面は前記第二の内輪軌道と同一加工基準面にて加工されたことを特徴とする請求項1に記載の車輪用転がり軸受装置。
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