以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施形態では、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)方式の車両に本発明を適用した場合について説明する。
図1は本実施形態に係る車両の動力伝達系および空調制御システムの概略構成を示す図である。以下、これら動力伝達系および空調制御システムについて具体的に説明する。
−車両の動力伝達系−
図1に示すように、車両の動力伝達系は、車両走行用の駆動トルクを発生するエンジン(内燃機関)1、トルクコンバータ2、自動変速機3、前輪用デファレンシャル装置41、前輪車軸(フロントドライブシャフト)42、前輪(駆動輪)43L,43Rを備えている。
以下、エンジン1、トルクコンバータ2、自動変速機3などの各部について具体的に説明する。
(エンジン)
図2はエンジン1の概略構成を示す図である。なお、この図2ではエンジン1の1気筒の構成のみを示している。
エンジン1は、火花点火式4気筒レシプロエンジンであり、ポート噴射式のインジェクタ(燃料噴射弁;以下、単に「インジェクタ」という)10aを備え、このインジェクタ10aから噴射された燃料により燃焼室12内で混合気を生成するようになっている。
また、エンジン1の各気筒11内にはピストン13が設けられており、前記混合気の燃焼に伴ってこのピストン13が気筒11内で往復運動する。
前記各インジェクタ10aは、それぞれ燃料蓄圧容器としてのデリバリパイプ10bに接続されており、このデリバリパイプ10bから燃料が供給されるようになっている。
また、インジェクタ10aによって燃焼室12内に向けて噴射された燃料は、吸気通路14の一部を構成するインテークマニホールド14aを通って燃焼室12内へ導入される空気Aと共に混合気を形成し、点火プラグ15で着火されて燃焼する。混合気の燃焼圧力はピストン13に伝えられ、ピストン13を往復運動させる。吸気バルブ16は、吸気カムシャフト16aにより駆動される。この吸気カムシャフト16aは、クランクシャフト(エンジン1の出力軸)18から取り出される動力がタイミングベルト等によって伝達されて回転駆動される。
ピストン13の往復運動はコネクティングロッド13aを介してクランクシャフト18に伝えられ、ここで回転運動に変換されて、エンジン1の出力として取り出される。
また、燃焼後の混合気は排気ガスExとなり、排気バルブ17の開弁動作に伴って排気通路19の一部であるエキゾーストマニホールド19aへ排出される。排気ガスExは、エキゾーストマニホールド19aの下流側に設けられた触媒コンバータ19bにより浄化された後、大気中へ放出される。前記排気バルブ17は、排気カムシャフト17aにより駆動される。この排気カムシャフト17aは、クランクシャフト18から取り出される動力がタイミングベルト等によって伝達されて回転駆動される。
また、エンジン1は、吸気通路14におけるエアクリーナ14bの下流側に設けられたスロットルボディ14cにより吸入空気量が調整される。このスロットルボディ14cは、バタフライバルブで成るスロットルバルブ14dと、このスロットルバルブ14dを開閉駆動するスロットルモータ14eと、スロットルバルブ14dの開度を検出するスロットル開度センサ102とを備えている。エンジンECU100は、ドライバ(運転者)により操作されるアクセルペダルの開度を検知するアクセル開度センサ104からの出力を取得して、スロットルモータ14eに制御信号を送り、スロットル開度センサ102からのスロットル開度フィードバック信号に基づいて、スロットルバルブ14dを適切な開度に制御する。これにより、エンジン1の気筒11内へ導入する空気Aの量を調整する。
また、車両停車中においてアクセル開度が「0」とされるアイドリング運転時のエンジン回転速度(アイドリング回転速度)も前記スロットルバルブ14dの開度を制御することによって調整される。例えば、空調要求が生じた場合や、その他の補機類の負荷が増大した場合には、それに応じてスロットルバルブ14dの開度を大きくして、アイドリング回転速度を高くする制御(アイドルアップ制御)を行うようになっている。なお、このアイドリング回転速度の制御は、スロットルバルブ14dをバイパスする空気流路を設け、この空気流路に備えられたISC(Idle Speed Control)バルブによって行うようにしてもよい。
前記触媒コンバータ19bの上流側(排気流れの上流側)の排気通路19には空燃比(A/F)センサ105が配置されている。このA/Fセンサ105は、空燃比に対してリニアな特性を示すセンサである。また、触媒コンバータ19bの下流側の排気通路19にはO2センサ106が配置されている。このO2センサ106は、排気ガス中の酸素濃度に応じて起電力を発生するものであり、理論空燃比に相当する電圧(比較電圧)よりも出力が高いときはリッチと判定し、逆に比較電圧よりも出力が低いときはリーンと判定する。これらA/Fセンサ105およびO2センサ106の出力信号は空燃比フィードバック制御(例えば、特開2010−007561号公報に記載の技術を参照)に用いられる。
(トルクコンバータ・自動変速機)
トルクコンバータ2(図1を参照)は、入力側のポンプインペラおよび出力側のタービンランナ(図示省略)などを備えており、それらポンプインペラとタービンランナとの間で流体(作動油)を介して動力伝達を行う。ポンプインペラはエンジン1のクランクシャフト18に連結されている。タービンランナはタービンシャフトを介して自動変速機3の入力軸に連結されている。
自動変速機3は、例えば、クラッチおよびブレーキ等の摩擦係合装置と遊星歯車装置とを用いてギヤ段を設定する有段式(遊星歯車式)の自動変速機である。摩擦係合装置の少なくとも一つが係合されることによりエンジン1からのトルクが自動変速機3に伝達され、所定の変速が行われて自動変速機3から出力される。また、全ての摩擦係合装置が開放されると、自動変速機3でのトルク伝達が遮断されることになる。
なお、自動変速機3は、変速比を無段階に調整するベルト式などの無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)であってもよい。また、変速機としては、マニュアルトランスミッション(手動変速機)であってもよい。
自動変速機3の出力軸には出力ギヤ(図示省略)が回転一体に連結されている。その出力ギヤは前輪用デファレンシャル装置41のデフドリブンギヤ(リングギヤ)41aに噛み合っており、自動変速機3の出力軸に伝達されたトルクは、前輪用デファレンシャル装置41および前輪車軸42を介して左右の前輪43L,43Rに伝達される。これら左右の前輪43L,43Rの回転速度は、車輪速センサ109L,109Rによって検出される。
(シフト装置)
また、本実施形態に係る車両の運転席の近傍にはシフト装置5が配置されている(図3を参照)。このシフト装置5にはシフトレバー51が変位操作可能に設けられている。また、このシフト装置5には、パーキング(P)位置、リバース(R)位置、ニュートラル(N)位置、ドライブ(D)位置、および、シーケンシャル(S)位置を有するシフトゲートが形成されており、ドライバが所望の変速位置へシフトレバー51を変位させることが可能となっている。これらパーキング(P)位置、リバース(R)位置、ニュートラル(N)位置、ドライブ(D)位置、シーケンシャル(S)位置(下記の「+」位置および「−」位置も含む)の各変速位置は、シフトポジションセンサ107(図4を参照)によって検出される。
前記シフトレバー51がパーキング(P)位置に操作されてPレンジが設定されると、自動変速機3内の動力伝達経路が解放され、すなわち自動変速機3内の動力伝達が遮断されるニュートラル状態(中立状態)となり、且つ図示しないメカニカルパーキング機構によって機械的にフロントドライブシャフト42の回転が阻止(ロック)されることになる。シフトレバー51がリバース(R)位置に操作されてRレンジが設定されると、フロントドライブシャフト42の回転方向が逆回転となり、車両の後進走行が可能となる。シフトレバー51がニュートラル(N)位置に操作されてNレンジが設定されると、自動変速機3内の動力伝達が遮断されるニュートラル状態となる。シフトレバー51がドライブ(D)位置に操作されてDレンジが設定されると、自動変速機3の第1速ギヤ段「1st」〜第6速ギヤ段「6th」の変速を許容する変速範囲で自動変速モードが成立され、第1速ギヤ段「1st」〜第6速ギヤ段「6th」の全ての前進ギヤ段を用いて自動変速制御が実行される。つまり、前記シフトレバー51が「ドライブ(D)位置」に操作されている状態では、自動変速機3は「自動変速モード(オートマチックモード)」とされ、図示しない変速マップに従って変速段が選定されて自動変速動作が行われる。
一方、前記シフトレバー51が「シーケンシャル(S)位置」に操作されている状態では、自動変速機3は「手動変速モード(シーケンシャルシフトモード)」とされる。このS位置の前後には「+」位置および「−」位置が設けられている。「+」位置は、マニュアルアップシフトの際にシフトレバー51が操作される位置であり、「−」位置は、マニュアルダウンシフトの際にシフトレバー51が操作される位置である。そして、シフトレバー51がS位置にあるときに、このS位置を中立位置としてシフトレバー51が「+」位置または「−」位置に操作されると、自動変速機3の変速段がアップまたはダウンされる。具体的には、「+」位置への1回操作ごとに変速段が1段ずつアップ(例えば1st→2nd→…→6th)される。一方、「−」位置への1回操作ごとにギヤ段が1段ずつダウン(例えば6th→5th→…→1st)される。
−空調制御システム−
次に、空調制御システムについて説明する。この空調制御システムは、自動車の車室内を空調(空気調和)するエアコンユニット6の各アクチュエータ等をエアコンECU200(図4を参照)によって制御することにより、車室内の温度を設定温度に保つための自動制御が可能となっている。
(エアコンユニット)
エアコンユニット(空調ユニット)6は、図1に示すように、車室内に空調空気を導くための空気通路を形成する空調ダクト7、この空調ダクト7内において空気流を発生させる遠心式送風機(空調用送風機)61、空調ダクト7内を流れる空気を冷却して車室内を冷房するための冷凍サイクル8、および、空調ダクト7内を流れる空気を加熱して車室内を暖房するための冷却水回路9等を備えている。
空調ダクト7の最も上流側(風上側)は、吸込口切替箱(内外気切替箱)を構成する部分であって、車室内空気(以下、内気という)を取り入れる内気吸込口71、および、車室外空気(以下、外気という)を取り入れる外気吸込口72を有している。
さらに、内気吸込口71および外気吸込口72の内側には、内外気切替ドア73が回動自在に取り付けられている。
この内外気切替ドア73は、サーボモータ等のアクチュエータ73a(図4)により駆動されて、吸込口モードを内気循環モードと外気導入モードとの間で切り替える。
また、空調ダクト7の最も下流側(風下側)は、吹出口切替箱を構成する部分であって、デフロスタ(DEF)開口部74、フェイス(FACE)開口部75、および、フット(FOOT)開口部76を有している。
前記DEF開口部74には、デフロスタダクト74aが設けられ、このデフロスタダクト74aの最下流端には、自動車のフロントガラスFWの内面に向かって空調風を吹き出すデフロスタ(DEF)吹出口74bが形成されている。
また、FACE開口部75には、フェイスダクト75aが設けられ、このフェイスダクト75aの最下流端には、乗員の頭部および胸部に向かって空調風を吹き出すフェイス(FACE)吹出口75bが形成されている。
さらに、FOOT開口部76には、フットダクト76aが設けられ、このフットダクト76aの最下流端には、乗員の足元部に向かって空調風を吹き出すフット(FOOT)吹出口76bが形成されている。
そして、各吹出口74b,75b,76bの内側には、吹出口切替ドア77,78が回動自在に取り付けられている。これら吹出口切替ドア77,78は、サーボモータ等のアクチュエータ77a,78a(図4)によりそれぞれ駆動されて、吹出口モードをフェイス(FACE)モード、バイレベル(B/L)モード、フット(FOOT)モード、フットデフ(F/D)モードおよびデフロスタ(DEF)モードのいずれかに切り替える。
前記遠心式送風機61は、空調ダクト7と一体的に構成されたスクロールケースに回転自在に収容されたブロア62、および、このブロア62を回転駆動するブロアモータ63を有している。
そして、ブロアモータ63は、ブロア駆動回路63a(図4)を介して印加されるブロア端子電圧(以下、ブロア電圧という)に基づいて、ブロア風量(ブロア62の回転速度)が制御される。
冷凍サイクル8は、圧縮機81、この圧縮機81の吐出口より吐出された冷媒が流入するコンデンサ82、凝縮液化された冷媒を気液分離して液冷媒のみを下流に流すレシーバ(受液器、気液分離器)83、液冷媒を減圧膨張させるエキスパンションバルブ(膨張弁、減圧手段)84、減圧膨張された冷媒を蒸発気化させるエバポレータ(冷媒蒸発器)85、および、これらを環状に接続する冷媒配管86等から構成されている。
このうち、エバポレータ85は、空気通路の略全面を塞ぐように空調ダクト7内に配設されている。
圧縮機81は、吸入した冷媒を圧縮して吐出するもので、エンジン1からの動力を受けて駆動する。具体的には、エンジン1のクランクシャフト18に取り付けられたクランクプーリP1と、圧縮機81の駆動軸に電磁クラッチCを介して取り付けられた補機プーリP2との間に補機ベルトVが架け渡されており、電磁クラッチCに通電されたON状態(締結状態)では、エンジン1からの動力が補機ベルトVを介して圧縮機81に伝達されるようになっている。このエンジン1の動力が圧縮機81に伝達されることにより、冷凍サイクル8を冷媒が循環し、エバポレータ85における冷媒の蒸発気化に伴って空気の冷却が行われる。一方、電磁クラッチCのOFF状態では、エンジン1の動力が圧縮機81に伝達されず、冷凍サイクル8での冷媒の循環が停止し、エバポレータ85による空気の冷却は停止される。
また、コンデンサ82は、圧縮機81で圧縮された冷媒を凝縮液化させる冷媒凝縮器である。具体的に、このコンデンサ82は、冷却ファン(室外ファン)88により送風される外気および走行風(車両走行時)と冷媒との間で熱交換を行う。
前記冷却水回路9は、図示しないウォータポンプによって、エンジン1のウォータジャケット内で暖められた冷却水を循環させる回路であって、ヒータコア91を有している。
このヒータコア91は、内部にエンジン冷却水が流れ、このエンジン冷却水を暖房用熱源として空気を加熱する。なお、この冷却水回路9には、前記ヒータコア91の他に、エンジン冷却水の熱を大気に放出するためのラジエータや、冷却水循環回路を切り換えるためのサーモスタット(何れも図示省略)等が備えられている。これらの構成については周知であるため、ここでの説明は省略する。
前記ヒータコア91は、空気通路を部分的に塞ぐように空調ダクト7内においてエバポレータ85よりも下流側に配設されている。
また、ヒータコア91の上流側には、エアミックス(A/M)ドア92が回動自在に取り付けられている。このA/Mドア92は、サーボモータ等のアクチュエータ92a(図4)によって駆動されて、ヒータコア91から空気を全て迂回させるMAX・COOL位置から、ヒータコア91に空気を全て通すMAX・HOT位置までの間でその停止位置によって、ヒータコア91を通過する空気量とヒータコア91を迂回する空気量との割合を変更して、車室内へ吹き出す空気の温度を調整する。
−エンジンECUおよびエアコンECU−
図4は、エンジンECU100およびエアコンECU200を含む制御ブロックを示す概略構成図である。
エンジンECU100は、車両の走行状況に応じてエンジン1へ供給する混合気や燃焼タイミングを制御することによりエンジン1を駆動するものである。
エアコンECU200は、車室内の空調要求に応じて前記エアコンユニット6の各アクチュエータ等を制御するものである。
また、これらエンジンECU100およびエアコンECU200は、エンジン制御や空調制御に必要な情報を互いに送受信可能に接続されている。
エンジンECU100およびエアコンECU200は、図示していないが、共に一般的に公知のECU(Electronic Control Unit)とされており、それぞれ、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびバックアップRAMなどを備えている。
ROMは、各種制御プログラムや、それら各種制御プログラムを実行する際に参照されるマップ等が記憶されている。CPUは、ROMに記憶された各種制御プログラムやマップに基づいて演算処理を実行する。RAMは、CPUでの演算結果や各センサから入力されたデータ等を一時的に記憶するメモリであり、バックアップRAMは、エンジン1の停止時にその保存すべきデータ等を記憶する不揮発性のメモリである。
図4に示すように、エンジンECU100には、前記エンジン1のクランクシャフト18の回転角(クランク角CA)を検出するためのクランク角センサ101、前記スロットル開度センサ102、吸気通路14への吸入空気量を検出するエアフローメータ103、前記アクセル開度センサ104、A/Fセンサ105、O2センサ106、シフトポジションセンサ107、エンジン1の冷却水温度を検出する水温センサ108、および、前記車輪速センサ109L,109Rなどの各種センサが接続されており、その各センサの信号が入力される。また、このエンジンECU100は、スロットルモータ14e、インジェクタ10aの燃料噴射量や燃料噴射タイミング、点火プラグ15の点火タイミング、吸排気バルブ16,17の開閉タイミングの位相を変化させるためのVVT(Variable Valve Timing)機構10などを制御する。
一方、エアコンECU200には、車室内前面に設けられたコントロールパネル300上の各種スイッチからのスイッチ信号、および各種センサからのセンサ信号が入力される。
コントロールパネル300上に設けられた各種スイッチとしては、図5に一例を示すように、圧縮機81の起動および停止を指令するためのフル(FULL)スイッチ301およびエアコン(A/C)スイッチ302、吸込口モードを切り替えるための吸込口切替スイッチ303、車室内の温度を所望の設定温度Tsetに設定するための温度設定レバー304、ブロア62の送風量をマニュアルモードで設定するための風量切替レバー(ブロアスイッチ)305、および、吹出口モードを切り替えるための吹出口切替スイッチ306,307,308,309,310が備えられている。
このうちFULLスイッチ301は、エバポレータ85による空気冷却度合をフロストする限界まで下げるフルモードを指令するエアコンスイッチである。また、A/Cスイッチ302は、燃料経済性(省燃費性)を優先して圧縮機81をON、OFFするエコノミーモードを指令するエアコンスイッチである。
さらに、風量切替レバー305は、レバー位置がOFFの場合に、ブロアモータ63への通電を停止する(ブロアレベル「0」)。また、レバー位置がAUTOの場合には、ブロアモータ63に印加するブロア電圧(ブロアレベル)、つまりブロア風量を自動制御する。また、レバー位置がLO、ME、HIの場合には、それぞれブロアモータ63に印加するブロア電圧(ブロアレベル)を4V(ボルト)の最小値(最小風量)、中間値(中間風量)、12Vの最大値(最大風量)に固定する。
そして、吹出口切替スイッチ306〜310には、FACEモードに固定するためのフェイス(FACE)スイッチ306、B/Lモードに固定するためのバイレベル(B/L)スイッチ307、FOOTモードに固定するためのフット(FOOT)スイッチ308、F/Dモードに固定するためのフットデフ(F/D)スイッチ309、および、DEFモードに固定するためのデフロスタ(DEF)スイッチ310等がある。
そして、エアコンECU200に接続される各種センサとしては、図4に示したように、車室内の空気温度(以下、内気温度という場合もある)を検出する内気温度センサ110、車室外の空気温度(以下、外気温度という場合もある)を検出する外気温度センサ111、車室内に照射される日射量を検出する日射センサ112、エバポレータ85における空気冷却度合を検出するエバポレータ後温度センサ113、ヒータコア91に流入するエンジン冷却水の温度(冷却水温)を検出する冷却水温度センサ114、および、冷凍サイクル8の高圧圧力(凝縮圧力、吐出圧力)を検出する冷媒圧力センサ115等がある。
なお、前記内気温度センサ110、外気温度センサ111および冷却水温度センサ114は、具体的にはサーミスタが使用されている。また、図1に示すように、前記エバポレータ後温度センサ113は、エバポレータ85を通過した空気の温度を検出するサーミスタである。
また、このエアコンECU200には、前記各アクチュエータ73a,77a,78a、92a、ブロア駆動回路63a、電磁クラッチCが接続されており、車室内の空調要求に応じてこれらを制御する。
−アイドルアップ制御−
次に、本実施形態の特徴とする制御であるアイドルアップ制御について説明する。まず、このアイドルアップ制御の概略について説明する。
一般に、エンジン1のアイドリング運転時において空調要求が生じると、空調性能を高めるためにエンジン回転速度を上昇させる制御(アイドルアップ制御)が実行される。そして、従来の技術(前記特許文献3)にあっては、車両の停車中において自動変速機のシフトレバーが走行レンジ位置以外のレンジ位置(Nレンジ位置やPレンジ位置)から走行レンジ位置(Dレンジ位置やRレンジ位置)に操作された場合にアイドルアップを禁止している。このため、車室内の空調要求に十分に応えることができない可能性があった。つまり、車両の停車中において自動変速機のシフトレバーが走行レンジ位置以外のレンジ位置にある状態で空調要求に応じてアイドルアップが行われている場合に、シフトレバーが走行レンジ位置に操作されたとしても、ドライバはエンジン回転速度が高くなっている(アイドルアップしている)ことによる違和感を生じ難いものであるにも拘わらず、アイドルアップが禁止されてしまうことになる。このため、必要以上にアイドルアップを禁止していることになり、その結果、乗員の空調要求に十分に応えることができないものであった。
この点に鑑み、本実施形態では、アイドルアップ実行条件(例えば車両の停車中において自動変速機3のシフトレバー51が走行レンジ位置以外のレンジ位置(N位置やP位置)に操作されている状態で空調要求が生じたこと)が成立してアイドルアップ制御が行われている状況において、その後、空調要求が解除されること以外の条件(例えばシフトレバー51が走行レンジ位置(D位置やR位置)に操作されたこと)が成立した場合であっても、そのアイドルアップ制御を継続するようにしている。
以下、アイドルアップ制御の手順について、図6および図7のフローチャートを用いて具体的に説明する。この図6および図7に示すフローチャートは、イグニッションスイッチ(またはスタートスイッチ)がONされている状態であって、アクセル開度センサ104によって検出されているアクセルの開度が「0」となっている場合において数msec毎に実行される。
まず、ステップST1において、エンジン1が始動してからの経過時間が所定時間以上であるか否かを判定する。これは、エンジン1の暖機運転が完了しているか否かを判定するものである。例えば、エンジンECU100に備えられたタイマによるカウントが、イグニッションスイッチ(またはスタートスイッチ)がONされた時点から開始され、そのカウント値をモニタすることにより行われる。この所定時間(ステップST1でYES判定される所定時間)としては実験やシミュレーションによって適宜設定される。なお、このステップST1では、前記水温センサ108によって検出される冷却水温度が所定温度以上となっているか否かを判定(エンジン1の暖機運転が完了しているか否かを冷却水温度によって判定)するようにしてもよい。
エンジン1が始動してからの経過時間が所定時間未満であってステップST1でNO判定された場合には、ステップST2に移り、前記外気温度センサ111によって検出されている現在の外気温度(現在の車室外の空気温度)を読み込み、この値を以下の判定動作に使用する外気温度ethamupとして設定してステップST8に移る。
このステップST8では、前記ステップST2で設定された外気温度ethamupが所定温度α(例えば5℃)未満であり、且つ前記ブロア62がONとなっている(ブロアモータ63が作動している)か否かを判定する。
なお、前記所定温度αの値としては任意に設定可能であるが、一般的に車室内の暖房要求が生じる値として予め設定されている。
また、前記ブロア62がONとなる状況としては、前記風量切替レバー305の位置がAUTOである場合には、内気温度センサ110によって検出されている内気温度(車室内の空気温度)が、前記温度設定レバー304によって設定されている車室内設定温度Tsetよりも低く、その乖離量が所定量以上である場合にエアコンECU200からブロア駆動信号が出力されることによってブロア62がONとなる。このため、このエアコンECU200からのブロア駆動信号の出力の有無を認識することによってブロア62がONとなっているか否かを判定できる。また、前記風量切替レバー305の位置がAUTO以外の位置である場合には、そのレバー位置がOFFであればエアコンECU200からブロア駆動信号が出力されないため、これを認識することによってブロア62がOFFとなっていることが判定できる。また、風量切替レバー305の位置がLO,ME,HIの何れかであればエアコンECU200からブロア駆動信号が出力されるため、これを認識することによってブロア62がONとなっていることが判定できる。
前記外気温度ethamupが所定温度α未満であり、且つ前記ブロア62がONであってステップST8でYES判定された場合には、ステップST9に移り、車室内の暖房要求が生じているとして(低外気温度でブロア62がONとなっていることにより、暖房要求が生じていると判断して)、前記エンジンECU100に予め記憶されている暖房要求アイドルアップフラグをONにする。
一方、前記外気温度ethamupが所定温度α以上であったり、または、前記ブロア62がOFFであったりした場合には、ステップST8でNO判定されてステップST10に移り、暖房要求が生じていないとして(外気温度が所定温度以上であったり、ブロア62がOFFとなっていたりすることにより、暖房要求が生じていないと判断して)、前記暖房要求アイドルアップフラグをOFFにする。
このようにして暖房要求アイドルアップフラグをセットした後、ステップST12に移り、現在、暖房要求アイドルアップフラグがONであるか否かを判定する。つまり、ステップST8でYES判定されて暖房要求アイドルアップフラグがONとなっていた場合には、このステップST12でYES判定されてステップST13に移る一方、ステップST8でNO判定されて暖房要求アイドルアップフラグがOFFとなっていた場合には、このステップST12でNO判定されてステップST14に移ることになる。
ステップST13では、アイドリングの目標回転速度をアイドルアップ回転速度マップAに従って決定する。このアイドルアップ回転速度マップAは、水温センサ108によって検出されている冷却水温度に応じてアイドリングの目標回転速度を決定するものであって、目標回転速度を比較的高く設定するものとして予めエンジンECU100のROMに記憶されている。なお、このアイドルアップ回転速度マップAに従って決定されたアイドリングの目標回転速度は「アイドルアップ制御」が行われる目標回転速度に相当する。
一方、ステップST14では、アイドリングの目標回転速度をアイドルアップ回転速度マップBに従って決定する。このアイドルアップ回転速度マップBも、水温センサ108によって検出されている冷却水温度に応じてアイドリングの目標回転速度を決定するものであるが、前記アイドルアップ回転速度マップAに比べて目標回転速度を低く設定するものとして予めエンジンECU100のROMに記憶されている。なお、このアイドルアップ回転速度マップBに従って決定されたアイドリングの目標回転速度は「アイドルアップ制御」が行われていない目標回転速度に相当する。
図8はこれらアイドルアップ回転速度マップを示し、図8(a)はアイドルアップ回転速度マップAであり、図8(b)はアイドルアップ回転速度マップBである。これらアイドルアップ回転速度マップから明らかなように、アイドルアップ回転速度マップAによって決定されるアイドリングの目標回転速度は、同一冷却水温度においてアイドルアップ回転速度マップBによって決定されるアイドリングの目標回転速度よりも高くなっている。これらアイドルアップ回転速度マップA,Bにおける冷却水温度と目標回転速度との関係は、図に示したものには限定されず適宜設定される。
このようにしてアイドリングの目標回転速度を決定した後、ステップST15に移り、アイドリング回転速度が、前記決定された目標回転速度となるようにエンジン1の制御が行われる。つまり、スロットルバルブ14dの開度およびインジェクタ10aからの燃料噴射量が制御されてアイドリング回転速度が調整されることになる。例えば、前記クランク角センサ101からの出力信号に基づいて算出されるエンジン回転速度が前記目標回転速度に一致するようにスロットルバルブ14dの開度およびインジェクタ10aからの燃料噴射量がフィードバック制御される。
一方、エンジン1が始動してからの経過時間が所定時間以上となっておりステップST1でYES判定された場合には、ステップST3に移り、前記車輪速センサ109L,109Rによって検出されている前輪43L,43Rの回転速度に基づいて算出された車速が所定値β(例えば15km/h)未満であるか否かを判定する。この車速の算出は、例えば各車輪速センサ109L,109Rそれぞれの検出値から得られる車速の平均値として求められる。
この車速が所定値β以上であり、ステップST3でNO判定された場合には、ステップST2に移る。この場合、前述したように、現在の外気温度を外気温度ethamupとして設定し(ステップST2)、この外気温度ethamupが所定温度α未満であり且つブロア62がONとなっているか否かを判定し(ステップST8)、この判定がYESであった場合にはアイドリングの目標回転速度をアイドルアップ回転速度マップAに従って決定する(ステップST13)。一方、この判定がNOであった場合にはアイドリングの目標回転速度をアイドルアップ回転速度マップBに従って決定する(ステップST14)。そして、この決定された目標回転速度となるようにエンジン1の制御が行われる(ステップST15)。つまり、車速が所定値β以上であった場合には、現在の外気温度とブロア62の作動状態とに基づいて暖房要求の有無を判定し、その判定結果に応じてアイドリングの目標回転速度を決定することになる。つまり、高車速時には、アイドルアップ制御の実行状態が切り換わってもドライバの違和感を招きにくいため、アイドルアップ制御の実行状態の切り替わりを許容する。
一方、車速が所定値β未満であり、ステップST3でYES判定された場合には、ステップST4に移る(図7)。このステップST4では、前記シフトポジションセンサ107によって検出されているシフトレバー51の操作位置が、ニュートラル(N)位置またはパーキング(P)位置といった自動変速機3での動力伝達遮断位置にあるか否かを判定する。
そして、シフトレバー51の操作位置が、ドライブ(D)位置、リバース(R)位置、シーケンシャル(S)位置といった自動変速機3での動力伝達位置にあり、ステップST4でNO判定された場合には、ステップST5に移る。このステップST5では、前回ルーチンで設定されていた外気温度ethamupをそのまま今回ルーチンにおける外気温度ethamupとして読み込んで、ステップST6に移る。つまり、外気温度の情報を更新しない。
ステップST6では、前記ステップST8と同様に、外気温度ethamup(ステップST5で読み込まれた前回ルーチンでの外気温度ethamup)が所定温度α(例えば5℃)未満であり、且つ前記ブロア62がONとなっているか否かを判定する。この判定手法は、前記ステップST8の場合と同様である。
前記外気温度ethamupが所定温度α未満であり、且つ前記ブロア62がONであってステップST6でYES判定された場合には、ステップST12に移り、現在、暖房要求アイドルアップフラグがONであるか否かを判定する。つまり、前回ルーチンにおいて暖房要求アイドルアップフラグがONであったか(現在、アイドルアップ回転速度マップAに従って決定された目標回転速度によるアイドルアップ制御が実行されているか)否かを判定する。
そして、暖房要求アイドルアップフラグがONとなっている場合には、このステップST12でYES判定されてステップST13に移る。つまり、車両の停車または低車速状態において、シフトレバー51の操作位置が、ドライブ(D)位置、リバース(R)位置、シーケンシャル(S)位置といった自動変速機3での動力伝達位置に操作されたとしても、現在、アイドルアップ制御が実行されており、前回ルーチンでの外気温度ethamupが所定温度α(例えば5℃)未満であって前記ブロア62がONとなっている(暖房要求が解除されていない)場合には、そのアイドルアップ制御を継続し、アイドリングの目標回転速度をアイドルアップ回転速度マップAに従って決定する。
一方、暖房要求アイドルアップフラグがOFFとなっている場合には、ステップST12でNO判定されてステップST14に移る。つまり、車両の停車または低車速状態において、シフトレバー51の操作位置が、ドライブ(D)位置、リバース(R)位置、シーケンシャル(S)位置といった自動変速機3での動力伝達位置に操作された場合に、現在、アイドルアップ制御が実行されていない場合には、前回ルーチンでの外気温度ethamupが所定温度α(例えば5℃)未満であって前記ブロア62がONになったとしても、そのアイドルアップ制御の非実行状態を継続し、アイドリングの目標回転速度をアイドルアップ回転速度マップBに従って決定する。以後の動作は前述した場合と同様である。
このように、車両が停車または低車速状態(車速が所定値β未満)であり、且つシフトレバー51の操作位置が、ドライブ(D)位置、リバース(R)位置、シーケンシャル(S)位置といった自動変速機3での動力伝達位置にある場合には、外気温度の情報を更新することなく暖房要求の有無を判定し、その判定結果に応じてアイドリングの目標回転速度を決定することになる。そして、既に(前回ルーチンで)アイドルアップ制御が開始されている状況では、シフトレバー51の操作位置が、ドライブ(D)位置、リバース(R)位置、シーケンシャル(S)位置といった自動変速機3での動力伝達位置に操作された場合であっても、ブロア62がONであること(暖房要求があること)を条件として、アイドルアップ制御を継続し、アイドリングの目標回転速度をアイドルアップ回転速度マップAに従って決定することになる。これにより、高い暖房性能を維持する。
一方、アイドルアップ制御が開始されていない状況では、前記外気温度の情報を更新しないことで、仮にブロア62がONになったとしてもアイドルアップ制御の開始を禁止することになる。つまり、車両が停車または低車速状態であり、シフトレバー51の操作位置が、ドライブ(D)位置、リバース(R)位置、シーケンシャル(S)位置といった自動変速機3での動力伝達位置にある場合に、アイドルアップ制御が開始されることを禁止することになる。これにより、シフトレバー51の操作位置が自動変速機3での動力伝達位置にある状態で、アイドルアップ停止状態からアイドルアップ制御が開始してクリープトルクが増大することに起因するドライバの違和感を回避する。
一方、ステップST6の判定において、外気温度ethamupが所定温度α以上であったり、または、前記ブロア62がOFFであったりした場合には、NO判定され、ステップST7に移り、暖房要求が生じていない、または、暖房要求が解除されたとして、前記暖房要求アイドルアップフラグをOFFにする。このようにして暖房要求アイドルアップフラグをOFFにした後、ステップST12に移る。以後の動作は前述した場合と同様である。
一方、ステップST4の判定において、シフトレバー51の操作位置が、ニュートラル(N)位置またはパーキング(P)位置といった自動変速機3での動力伝達遮断位置にあり、ステップST4でYES判定された場合には、ステップST11に移る。
このステップST11では、前回ルーチンで設定されていた外気温度ethamup、および、今回ルーチンにおいて外気温度センサ111によって検出された外気温度(現在の外気温度)のうち最小値となっている側の外気温度を以下の判定動作に使用する外気温度ethamupとして設定してステップST8に移る。
このステップST8では、前述した如く、前記ステップST11で設定された外気温度ethamupが所定温度α未満であり、且つ前記ブロア62がONとなっているか否かを判定する。そして、外気温度ethamupが所定温度α未満であり、且つ前記ブロア62がONであってステップST8でYES判定された場合には、ステップST9に移り、暖房要求が生じているとして暖房要求アイドルアップフラグをONにする。一方、前記外気温度ethamupが所定温度α以上であったり、または、前記ブロア62がOFFであったりした場合には、ステップST8でNO判定され、ステップST10に移り、暖房要求が生じていないとして、前記暖房要求アイドルアップフラグをOFFにする。
このようにして暖房要求アイドルアップフラグをセットした後、ステップST12に移り、現在、暖房要求アイドルアップフラグがONであるか否かを判定する。
暖房要求アイドルアップフラグがONとなっている場合には、このステップST12でYES判定されてステップST13に移る一方、暖房要求アイドルアップフラグがOFFとなっている場合には、このステップST12でNO判定されてステップST14に移る。以後の動作は前述した場合と同様である。
このように、車速が所定値β未満であり、且つシフトレバー51の操作位置が、ニュートラル(N)位置またはパーキング(P)位置といった自動変速機3での動力伝達遮断位置にある場合には、外気温度が高温側に移行する情報については更新せず、外気温度が低温側に移行する情報についてのみ更新して暖房要求の有無を判定し、その判定結果に応じて暖房要求アイドルアップフラグを設定してアイドリングの目標回転速度を決定することになる。これにより、エンジン1からの輻射熱等の影響を受けることなしに暖房要求の有無を正確に判定し、暖房要求がある際には、その要求に応じた暖房能力を確保するようにしている。つまり、アイドルアップ制御の実行中に、エンジン1からの輻射熱等の影響を受けて、前記外気温度センサ111によって検出されている外気温度の値が上昇したとしても、アイドルアップ制御が解除されてしまうといった状況を招かないようにして暖房能力を維持するようにしている。
以上説明したように、本実施形態では、アイドルアップ実行条件(車両の停車中において自動変速機3のシフトレバー51が走行レンジ位置以外のレンジ位置(N位置やP位置)に操作されている状態で空調要求が生じたこと)が成立してアイドルアップ制御が行われている状況(エンジン1の始動時点からアイドルアップ制御が行われている場合や、シフトレバー51が走行レンジ位置以外のレンジ位置にある際に暖房要求が生じてアイドルアップ制御が開始された場合等)において、その後、空調要求が解除されること以外の条件(シフトレバー51が走行レンジ位置(D位置やR位置)に操作されたこと)が成立した場合であっても、そのアイドルアップ制御を継続するようにしている。このため、アイドルアップ制御が行われていたことに起因する運転者の違和感を招くことなしに、高い暖房性能を維持することが可能になり、車室内の快適性を維持することができる。
−他の実施形態−
以上説明した実施形態は、前進6速の変速が可能な自動変速機3を搭載したFF車両に対して本発明を適用した場合について説明した。本発明はこれに限らず、前進5速や前進8速等の変速が可能な自動変速機を搭載した車両や、FR(フロントエンジン・リヤドライブ)型車両や4輪駆動車に適用することも可能である。
また、前記実施形態では、ガソリンエンジンを搭載した車両に本発明を適用した場合について説明したが、ディーゼルエンジン等の他のエンジンを搭載した車両に対しても本発明は適用可能である。
また、前記実施形態では、コンベンショナル車両(駆動力源としてエンジンのみを搭載した車両)に本発明を適用した場合について説明した。本発明はこれに限らず、ハイブリッド車両(駆動力源としてエンジンおよび電動モータを搭載した車両)に対しても適用が可能である。
また、前記実施形態では、車室内の暖房要求時におけるアイドルアップ制御について説明した。本発明は、車室内の冷房要求時におけるアイドルアップ制御に対しても適用可能である。例えば、温度設定レバー304により設定される設定温度Tsetに対して車室内温度が高い状況で前記フル(FULL)スイッチ301の押し込み操作やエアコン(A/C)スイッチ302の押し込み操作がなされた場合に冷房要求が生じた状態となってアイドルアップ制御が行われる場合にも適用可能である。