JP2014101757A - 消音装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】消音器の設置位置を特定し、確実に消音効果が得られる消音装置を提供する。
【解決手段】両端に開口を有し、前記開口のうち第1の開口が騒音源に連結される管路と、前記管路における第1の開口から第2の開口側に離れた位置の壁面に径外方向へ突出して設けられ、前記壁面側の端部が前記管路と連通し、他端部が閉塞した管状の消音器とを備え、前記騒音源から発生する騒音の波長がλである場合に、前記消音器の長さをλ/4とし、前記管路の第1の開口から前記消音器の接合位置までの長さと前記管路の第2の開口から前記消音器の接合位置までの長さとを夫々(2n+1)λ/4(但し、nは0を含む自然数)としたことを特徴とする消音装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、サイドブランチを備えた消音装置に関する。
従来、空調のダクトや内燃機関の排気管等において、低周波の騒音を低減するために、サイドブランチ型の消音器を管路に設置することが知られている。しかし、サイドブランチ型の消音器は、設置位置によって騒音低減効果がまちまちであり、設置位置によっては殆ど消音器の効果が得られないこともある。
特開2005−307895(特許文献1)の消音システムは、共鳴周波数fにおける波長をλとしたとき、同じ周波数領域fの騒音を減衰させる2つのサイドブランチ型消音器を管路に設置し、その2つのサイドブランチ型消音器の取り付け間隔dを少なくともλ/12+n・λ/2≦d≦5λ/12+n・λ/2(n=0,1,2,...)に設定することで、確実に消音効果が得られるようにしたものである。
特開2005−307895号公報
空調ダクトのような長い管路にサイドブランチ型消音器を設置する場合には、特許文献1のようにサイドブランチ型消音器を間隔dだけ離して2つ設置することが可能であるが、これを重機の排気管に適用するには、サイドブランチ型消音器を間隔dだけ離して2つ設置するために管路を長く延長する必要があり現実的ではない。
そこで本発明は、消音器の設置位置を特定し、確実に消音効果が得られる消音装置の提供を課題とする。
上記課題を解決するため、本発明の消音装置は、
両端に開口を有し、前記開口のうち第1の開口が騒音源に連結される管路と、
前記管路における第1の開口から第2の開口側に離れた位置の壁面に径外方向へ突出して設けられ、前記壁面側の端部が前記管路と連通し、他端部が閉塞した管状の消音器とを備え、
前記騒音源から発生する騒音の波長がλである場合に、前記消音器の長さをλ/4とし、前記管路の第1の開口から前記消音器の接合位置までの長さと前記管路の第2の開口から前記消音器の接合位置までの長さとを夫々(2n+1)λ/4(但し、nは0を含む自然数)とした。
前記消音装置は、前記消音器の長さと、前記管路の第1の開口から前記消音器の接合位置までの長さと、前記管路の第2の開口から前記消音器の接合位置までの長さとを調整する調整部を備えても良い。
前記消音装置は、前記波長λの変動量を検出する検出部と、
前記波長λの変動量に基づいて前記調整部を制御し、前記消音器の長さと、前記管路の第1の開口から前記消音器の接合位置までの長さと、前記管路の第2の開口から前記消音器の接合位置までの長さとを調整させる制御部と、
を備えても良い。
本発明によれば、消音器の設置位置を特定し、確実に消音効果が得られる消音装置を提供することができる。
図1は、実施形態1に係る消音装置の断面図である。 図2は、サイドブランチの取り付け位置による消音効果を確認する試験の説明図である。 図3は、図2の試験結果を示すグラフである。 図4は、変形例1に係る消音装置を示す図である。 図5は、変形例2に係る消音装置を示す図である。 図6は、変形例3に係る消音装置を示す図である。 図7は、実施形態2に係る消音装置を示す図である。 図8は、サイドブランチ及び管路の長さを図7と比べて短く調整した状態を示す図である。 図9は、波長λの変動量に応じてサイドブランチ及び管路の長さを自動的に調整する構成を備えた消音装置を示す図である。
次に、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。以下の実施形態では、内燃機関の排気管を一例として説明する。但し、以下で説明する実施形態は本発明を実施するための例示であり、本発明は以下で説明する態様に限定されない。例えば、空調のダクトや燃料電池の空気導入管などの消音装置も含まれる。
〈実施形態1〉
本発明の実施形態1について図1を参照して説明する。図1は実施形態1に係る消音装置の断面図である。
消音装置10は、騒音源としての内燃機関20に接続され、内燃機関20の排気と共に放出される騒音を低減するものである。内燃機関20は、ガソリンや軽油を気化させ、シリンダ内で空気と混合して燃焼させ、この燃焼時の膨張によりピストンを往復動させることで動力として出力する所謂レシプロエンジンである。内燃機関20は、例えば発電機や、建機、車両等に搭載される。なお、騒音源は、内燃機関20に限らず、空調機やボイラー、燃料電池など、騒音を発し、且つ通気を必要とするものであれば良い。
消音装置10は、排気管として内燃機関20に接続される管路1と、管路1の途中に設けられたサイドブランチ(消音器)2を備えている。
管路1は、両端に開口を有し、一方の開口を第1の開口11、他方の開口を第2の開口12とし、第1の開口11が内燃機関20の排気ポートに連結される。
サイドブランチ2は前記管路1における第1の開口11から第2の開口側に離れた位置の壁面13に径外方向へ突出して設けられ、前記壁面側の端部21が前記管路1の内空と連通し、他端部22が閉塞した管状の消音器である。なお、管路1の内径とサイドブランチ2の内径は、ほぼ同じである。
また、サイドブランチ2の内空の長手方向軸心と管路1の内空の長手方向軸心とが交わる点を分岐点23とし、管路1の第1の開口11から第2の開口へ抜ける騒音の通過方向
において上流側である第1の開口11から分岐点23までを上流側管路14、分岐点から第2の開口12までを下流側管路15とする。
内燃機関20から放出される騒音のうち、特に低周波は、各シリンダの燃焼タイミング等に基づいた周期の音波として現れるため、サイドブランチ2は、この低周波の低減を対象に設計される。即ち、この低周波の波長をλとしたとき、サイドブランチ2は、管路1との接合位置(分岐点23)から反対側端部の内壁面(閉塞面)22までの長さL3がλ/4とされる。
このようにサイドブランチ2の長さをλ/4とすることで、内燃機関20から放出された波長λの音波が、上流部側管路14を通り、分岐点23でサイドブランチ2内へ分岐し、閉塞面22で反射して分岐点23に戻る際、分岐点23で内燃機関20からの音波との干渉で音圧が低減される。
このように長さがλ/4のサイドブランチ2を管路1の途中に設けることで波長λの騒音を干渉により低減させることができるが、サイドブランチ2の取り付け位置によっては、消音効果が得られる場合と得られない場合があった。そこで本発明者は、鋭意検討の結果、管路1の第1の開口11から前記消音器の接合位置までの長さL1と、前記管路の第2の開口から前記消音器の接合位置までの長さL2とを夫々(2n+1)λ/4(但し、nは0を含む自然数)とすることで、効果的に消音できることを見出した。以下で、この検討結果を説明する。
図2は、サイドブランチの取り付け位置による消音効果を確認する試験の説明図、図3は、図2の試験結果を示すグラフである。
本試験では、図2に示すように、騒音源20に消音装置10を接続し、消音装置10を通って下流側管路15の第2の開口12から放出される音圧レベルを測定器(サウンドレベルメータ)30で測定した。また、比較のため、消音装置10からサイドブランチ2を除いた管路1を騒音源20と接続して同様に測定した。なお、騒音源20と測定器30との間には壁40を設け、騒音源20から消音装置10を通らずに直接測定器30へ達する音の影響を除外した。
そして、消音装置10の上流側管長L1と下流側管長L2をλ/4,λ/2,3λ/4,λとして、それぞれ音圧レベルを測定し、サイドブランチが無い場合との差を求め図3に示した。
図2の試験では、実際の重機から放出される騒音の周波数を測定したところ、40Hzが卓越していたので、この卓越周波数である40Hzを対象とし、1/5模型で試験を行った。
即ち、周波数f=40Hzの場合、波長λ=8.5m、λ/4=2.125mとなるので、これを1/5に換算して、周波数f´=200Hz、波長λ´=1.7m、λ´/4=0.425mとし、アクリル材で消音器の模型を作成して試験を行った。
図3から分かるように、上流側管長L1と下流側管長L2が共にλ/4の奇数倍となっているときに消音効果が高く、その他の場合に消音効果が低い。即ち、上流側管長L1と下流側管長L2の一方がλ/4の奇数倍であっても他方がλ/4の偶数倍であれば、充分な消音効果は得られない。
そこで、本実施形態の消音装置10では、上流側管長L1と下流側管長L2をλ/4の奇数倍とした。
なお、図3には省略したが上流側管長L1と下流側管長L2をλ/4未満とした場合、消音効果が低いことが確認できた。また、上記試験結果より、上流側管長L1と下流側管長L2をλ以上にした場合も、5λ/4,7λ/4のようにλ/4の奇数倍であれば消音効果が高く、λ/4の偶数倍であると消音効果が低いと考えられる。
上記試験結果に基づき、発電機のエンジンと接続する消音装置の例を検討する。例えば、騒音の周波数が75Hz、排気温度が300℃であった場合、音速を480m/s、波長λを6.4mとし、サイドブランチ2の長さL3を1.6m、上流側管長L1及び下流側管長L2を1.6m或いは4.8mとする。なお、管路1及びサイドブランチ2の材質は特に限定されないが、排気管として内燃機関20に接続される場合には、耐熱性を考慮して鉄やステンレス、真鍮などの金属が望ましい。また、管路1及びサイドブランチ2の内径は特に限定されないが、例えば200mmとする。このように発電機のエンジンの排気管として本実施形態の消音装置10を適用することで、対象の騒音を適確に低減させることが可能となる。
本実施形態の消音装置10は、対象とする波長を限定しないが、低周波の低減に特に有効である。低周波の騒音は、遮蔽物で防ぐことが難しく、低周波公害として問題になることがあるが、本実施形態の消音装置10は、干渉によって消音する構成であるので、効果的に低周波の騒音を低減させることができる。ここで低周波の騒音とは、例えば120Hz以下の騒音である。
〈変形例1〉
図4は、変形例1に係る消音装置10Aを示す図である。前述の消音装置10(図1)は、上流側管路14と下流側管路15を一直線上に配置したが、本変形例1では、下流側管路15を上流側管路14に対して直交方向に接続する。なお、下流側管路15とサイドブランチ2は一直線上に配置されている。また、サイドブランチ2は、上流側管路14の径外方向へ突出して設けられている。
内燃機関20から放出された波長λの音波は、上流部側管路14を通り、分岐点23でサイドブランチ2内へ分岐し、閉塞面22で反射して分岐点23に戻る際、分岐点23で内燃機関20からの音波との干渉で音圧が低減される。
このようにサイドブランチ2と下流側管路15を一直線上に配置した構成でも、前述と同様に、サイドブランチ2の長さL3をλ/4とし、上流側管長L1と下流側管長L2を(2n+1)λ/4(但し、nは0を含む自然数)とすることで、確実に消音効果を得ることができる。
〈変形例2〉
図5は、変形例2に係る消音装置10Bを示す図である。前述の消音装置10(図1)は、上流側管路14と下流側管路15を一直線上に配置したが、本変形例2では、上流側管路14を下流側管路15に対して直交方向に接続する。なお、上流側管路14とサイドブランチ2は一直線上に配置されている。また、サイドブランチ2は、下流側管路15の径外方向へ突出して設けられている。
内燃機関20から放出された波長λの音波は、上流部側管路14を通り、分岐点23でサイドブランチ2内へ分岐し、閉塞面22で反射して分岐点23に戻る際、分岐点23で内燃機関20からの音波との干渉で音圧が低減される。
このように上流側管路14とサイドブランチ2を一直線上に配置した構成でも、前述と
同様に、サイドブランチ2の長さL3をλ/4とし、上流側管長L1と下流側管長L2を(2n+1)λ/4(但し、nは0を含む自然数)とすることで、確実に消音効果を得ることができる。
〈変形例3〉
図6は、変形例3に係る消音装置10Cを示す図である。前述の消音装置10(図1)では、サイドブランチ2を直線状としたが、本変形例3では、サイドブランチ2を屈曲させて設けた。このようにサイドブランチ2を屈曲させた場合でも、分岐点23から閉塞面22までの長さがλ/4であれば、前述した直線状の場合と同様に消音効果を得ることができる。なお、屈曲は、一箇所に限らず、複数箇所で屈曲させても良い。また、図6の例では、サイドブランチ2の閉塞面22側を下流側管路と同方向となるように屈曲させたが、屈曲の方向は、これに限らず任意の方向として良い。
本変形例3によれば、サイドブランチ2による消音効果を得ながら、サイドブランチ2を屈曲させてコンパクトに構成できる。
〈実施形態2〉
図7は、実施形態2に係る消音装置を示す図である。本実施形態2の消音装置10Dは、前述の実施形態1と比べてサイドブランチ2及び管路1の長さを調整する調整部を設けた点が異なり、その他の構成は同じである。このため、同一の要素には同符号を付すなどして、再度の説明を省略する。
本実施形態2のサイドブランチ2は、内筒24と外筒25から成る。内筒24は管路1の壁面13に径外方向へ突出して設けられ、前記壁面側の端部が前記管路1と連通し、他端部が開口した管状の部材である。外筒25は、一端部が開口し他端に閉塞面22を有する管状の部材である。外筒25は、内径が内筒24の外径とほぼ同じか僅かに大きく、内筒24の開口端に外嵌する。外筒25は、内筒24の外周面に沿って内筒24の長手方向へ摺動可能に嵌め合わされ、この嵌め合いによって外筒25の壁面と内筒24の壁面の重なり部分が多くなるとサイドブランチ2の長さL3が短くなり、外筒25の壁面と内筒24の壁面の重なり部分が少なくなるとサイドブランチ2の長さL3が長くなる。即ち、この内筒24と外筒25の嵌合部分26が調整部となっている。
また、本実施形態2の上流側管路14は、内筒14A,14Cと外筒14Bから成る。内筒14Aは一端部が内燃機関20と接続され、他端部が開口した管状の部材である。内筒14Cは一端部が開口し、他端部が下流側管路15と連なる管状の部材である。外筒14Bは、両端部が開口した管状の部材であり、内径が内筒14A,14Cの外径とほぼ同じか僅かに大きく、内筒14A,14Cの開口端に外嵌する。外筒14Bは、内筒14A,14Cの外周面に沿って内筒14A,14Cの長手方向へ摺動可能に嵌め合わされ、この嵌め合いによって外筒14Bの壁面と内筒14A,14Cの壁面の重なり部分が多くなると上流側管長L1が短くなり、外筒14Bの壁面と内筒14A,14Cの壁面の重なり部分が少なくなると上流側管長L1が長くなる。即ち、この内筒14A,14Cと外筒14Bの嵌合部分14Dが調整部となっている。
同様に本実施形態2の下流側管路15は、内筒15A,15Cと外筒15Bから成る。内筒15Aは一端部が上流側管路14と連なり、他端部が開口した管状の部材である。内筒15Cは両端部が開口した管状の部材である。外筒15Bは、両端部が開口した管状の部材であり、内径が内筒15A,15Cの外径とほぼ同じか僅かに大きく、内筒15A,15Cの開口端に外嵌する。外筒15Bは、内筒15A,15Cの外周面に沿って内筒15A,15Cの長手方向へ摺動可能に嵌め合わされ、この嵌め合いによって外筒15Bの壁面と内筒15A,15Cの壁面の重なり部分が多くなると下流側管長L2が短くなり、外筒15Bの壁面と内筒15A,15Cの壁面の重なり部分が少なくなると下流側管長L
2が長くなる。即ち、この内筒15A,15Cと外筒15Bの嵌合部分15Dが調整部となっている。
図8は、サイドブランチ2及び管路1の長さを図7と比べて短く調整した状態を示す図である。
このように本実施形態2の消音装置10Dは、調整部26,14D,15Dを備えたことにより、サイドブランチの長さL3、上流側管長L1、下流側管長L2を調整可能としている。従って、負荷の変動等により内燃機関20の排気温度が変わり、排気音(騒音)の波長λが変化した場合にも、長さL1−L3を調整して、変化後の騒音を低減できる。
なお、上記の例では、内筒と外筒を摺動可能に嵌め合わせて調整部としたが、内筒と外筒を螺合して調整部としても良い。例えば、サイドブランチ2における内筒24の開口側外周面に雄ねじを形成し、外筒25の開口側内周面に雌ねじを形成して内筒24と外筒25を螺合する。これにより外筒25を回転させることで、外筒25がねじ山に従って内筒24の長手方向に移動し、サイドブランチ2の長さL3を調整できる。
また、上流側管路14における内筒14A,14Cの開口側外周面に雄ねじを形成し、外筒14Bの開口側内周面に雌ねじを形成して内筒14A,14Cと外筒14Bを螺合する。なお、内筒14Aに形成するねじ山の向きと、内筒14Cに形成するねじ山の向きとを反対に形成する。例えば、内筒14Aのねじ山を右ねじとした場合、内筒14Cのねじ山を左ねじとする。この場合、外筒14Bに形成する内筒14A側の雌ねじと内筒14C側の雌ねじの向きを反対に形成する。これにより外筒14Bを回転させることで、内筒14A,14Cがねじ山に従い上流側管路14の長手方向に移動する。ここで外筒14Bと螺合する内筒14A,14Cの端部が互いに外筒14Bの中央へ向けて移動すると上流側管長L1が短くなり、これら内筒14A,14Cの端部が互いに外筒14Bの端部へ向けて移動すると上流側管長L1が長くなる。
同様に、下流側管路15における内筒15A,15Cの開口側外周面に雄ねじを形成し、外筒15Bの開口側内周面に雌ねじを形成して内筒15A,15Cと外筒15Bを螺合する。なお、内筒15Aに形成するねじ山の向きと、内筒15Cに形成するねじ山の向きとを反対に形成する。例えば、内筒15Aのねじ山を右ねじとした場合、内筒15Cのねじ山を左ねじとする。この場合、外筒15Bに形成する内筒15A側の雌ねじと内筒15C側の雌ねじの向きを反対に形成する。これにより外筒15Bを回転させることで、内筒15A,15Cがねじ山に従い下流側管路15の長手方向に移動する。ここで外筒15Bと螺合する内筒15A,15Cの端部が互いに外筒15Bの中央へ向けて移動すると下流側管長L2が短くなり、これら内筒15A,15Cの端部が互いに外筒15Bの端部へ向けて移動すると下流側管長L2が長くなる。
上記調整部26,14D,15Dによる長さの調整は、手動で行っても良いし、ソレノイドやモータ等からなる駆動部で調整部26,14D,15Dを駆動させて長さの調整を行っても良い。駆動部によって調整部を駆動する場合、操作部等の入力インタフェースから数値を入力し、この入力値に応じて調整部を駆動させて長さL1−L3を調整しても良い。例えば、発電機の機種毎に最適な各部の長さL1−L3を求め、この機種毎の各部の長さL1−L3を記載した表を予め用意しておき、操作者がこの表に基づいて長さL1−L3の値を駆動部へ入力して長さの調節を行わせても良い。
また、手動で調整する場合、操作者が前記表に基づいて調整部26,14D,15Dを調整し、各部の長さL1−L3が表の値と合うように調節すれば良い。
長さの調整は、上述のように調整部26,14D,15Dでサイドブランチ2や、上流
側管路14、下流側管路15を伸縮させる構成に限らず、長さの異なるサイドブランチ2や、上流側管路14、下流側管路15に付け替えることで、最適な長さに合わせる構成としても良い。例えば、長さの異なるサイドブランチ2や、上流側管路14、下流側管路15を複数パターン用意しておき、発電機の機種や負荷に応じ、適切な長さのサイドブランチ2や、上流側管路14、下流側管路15を組み合わせて用いる。また、上流側管路14や下流側管路15をλ/4の長さとした消音装置10に2λ/4の長さの管を取り付け、上流側管路14や下流側管路15を3λ/4の長さに延長する構成としても良い。
また、消音装置10Dは波長λの変動量に応じて各部の長さL1−L3を調整する構成でも良い。図9は、波長λの変動量に応じて各部の長さL1−L3を自動的に調整する構成を備えた消音装置10Dを示す図である。図9の消音装置10Dは、波長λの変動量を検出する検出部41と、前記調整部26,14D,15Dを駆動する駆動部42,43,44と、検出した波長λの変動量に基づいて駆動部42,43,44を駆動させ、前記調整部26,14D,15Dを制御する制御部45とを備え、波長λの変動量に応じて調整部26,14D,15Dを制御し、長さL1−L3を自動的に調整させる。
ここで検出部41は、例えば熱電対、白金測温抵抗体、ボロメータ等の温度センサと、音の周波数を検出する周波数カウンタであり、第1の開口11での温度と騒音の周波数を電気信号として検出し、制御部に入力する。なお、騒音の周波数がほぼ一定で、変動要因が温度のみと見なせる場合には、周波数の検出を省略しても良い。また、検出部41は、温度や周波数の検出に限らず、波長λの変動量が検出できれば良い。例えば、検出部41は、発電機の負荷やエンジンの回転数、燃料の供給量等、波長λの変動要因を検出することで、間接的に波長λの変動量を検出する構成であっても良い。この場合、変動要因とする発電機の負荷やエンジンの回転数、燃料の供給量等と波長λとの関係式を予め求めておき、制御部45が、この関係式に基づき、検出された変動要因に応じた波長λを算出する。
駆動部42,43,44は、ソレノイドやモータ並びに移動用のステージ等からなり、調整部26,14D,15Dを駆動して、サイドブランチ2や、上流側管路14、下流側管路15の長さを伸縮させる。
制御部45は、CPUやメモリ、入出力インタフェース等を有する情報処理装置である。制御部45は、所定周期で検出部41から第1の開口11での温度と騒音の周波数を取得し、温度或いは周波数の変動が所定値を超えた場合、波長λの変動量を求めて、変動後の波長λに基づいてサイドブランチの長さL3をλ/4、上流側管長L1と下流側管長L2を夫々(2n+1)λ/4(但し、nは0を含む自然数)とするように駆動部42,43,44を駆動させて調整部26,14D,15Dによる調整を行う。
例えば、消音対象の騒音の周波数fが75Hzで温度が300℃の場合、λ/4は前述の如く1.6mである。ここで温度Tが200℃に変化した場合、制御部は式1により音速C≒436m/sを求め、式2よりλ/4≒1.45mを求める。
C=20.055×(T+273.15)1/2・・・(式1)
λ=C/f・・・(式2)
そして制御部45は、駆動部42によって調整部26を駆動し、サイドブランチ2の長さL3を0.15m短くする。これと共に制御部45は、駆動部43,44によって調整部14D,15Dを駆動し、上流側管長L1,下流側管長L2がλ/4であれば0.15m短く設定し、上流側管長L1,下流側管長L2が3λ/4であれば0.45m短く設定する。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明に係る消音装置はこれらに
限らず、可能な限りこれらの組合せを含むことができる。
また、上記実施形態の消音装置10,10A,10B,10C,10Dは、サイドブランチ2を備えたが、これに加え、膨張型や共鳴型などの消音器を備えても良い。例えば、上流側管路14の第1の開口11からに分岐点23までの間に他の消音器を備えても良い。また、下流側管路15の分岐点23から第2の開口12までの間に他の消音器を備えても良い。
1 管路
2 サイドブランチ
10,10A,10B,10C,10D 消音装置
11 第1の開口
12 第2の開口
14 上流側管路
15 下流側管路
20 騒音源(内燃機関)
23 分岐点
26,14D,15D 調整部
30 測定器
41 検出部
42,43,44 駆動部
45 制御部
L1 上流側管長
L2 下流側管長
λ 波長

Claims (3)

  1. 両端に開口を有し、前記開口のうち第1の開口が騒音源に連結される管路と、
    前記管路における第1の開口から第2の開口側に離れた位置の壁面に径外方向へ突出して設けられ、前記壁面側の端部が前記管路と連通し、他端部が閉塞した管状の消音器とを備え、
    前記騒音源から発生する騒音の波長がλである場合に、前記消音器の長さをλ/4とし、前記管路の第1の開口から前記消音器の接合位置までの長さと前記管路の第2の開口から前記消音器の接合位置までの長さとを夫々(2n+1)λ/4(但し、nは0を含む自然数)としたことを特徴とする消音装置。
  2. 前記消音器の長さと、前記管路の第1の開口から前記消音器の接合位置までの長さと、前記管路の第2の開口から前記消音器の接合位置までの長さとを調整する調整部を備えた請求項1に記載の消音装置。
  3. 前記波長λの変動量を検出する検出部と、
    前記波長λの変動量に基づいて前記調整部を制御し、前記消音器の長さと、前記管路の第1の開口から前記消音器の接合位置までの長さと、前記管路の第2の開口から前記消音器の接合位置までの長さとを調整させる制御部と、
    を備えた請求項2に記載の消音装置。
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