JP2014101560A - 銅または銅合金用エッチング液 - Google Patents

銅または銅合金用エッチング液 Download PDF

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Abstract

【課題】 銅もしくは銅合金からなる層とニッケルからなる層を有する電子基板、および銅もしくは銅合金からなる層と錫もしくは錫合金からなる層を有する電子基板から、銅または銅合金をエッチングする工程において、使用時の泡立ちが少なく、銅または銅合金のエッチングを高選択的に行うことができる安定性の高いエッチング液を提供することを目的とする。
【解決手段】 銅もしくは銅合金からなる層とニッケルからなる層を有する電子基板、および銅もしくは銅合金からなる層と錫もしくは錫合金からなる層を有する電子基板から、銅もしくは銅合金からなる層を選択的にエッチングする工程用のエッチング液であって、アルコキシアルキルアミン(A)を必須成分とする銅または銅合金用エッチング液を使用する。
【選択図】 図4

Description

本発明は電子基板から銅または銅合金をエッチングするエッチング液に関するものであって、特に銅もしくは銅合金からなる層とニッケルからなる層を有する電子基板、または銅もしくは銅合金からなる層と錫もしくは錫合金からなる層を有する電子基板から銅または銅合金を選択的にエッチングするエッチング液に関する。
電子デバイスは性能向上のため素子の微細化、高密度化が進んでいるが、特に半導体デバイスでは微細化技術が限界に近づきつつある。高密度化の技術として従来のワイヤボンディング、フリップチップやバンプを用いて3次元構造のデバイスが実用化されているが、さらなる高密度化が望まれている。そこでシリコンを貫通している細いビアを作成し、銅等の導電体を充填し電極を作成する技術(TSV技術)の開発が進んでいる(非特許文献1)。
一般的にTSV技術において銅を電極とする場合、シリコン基板に孔を空け、孔の内壁にシリコン酸化膜、チタン等のバリヤメタル層を作成した後、有機金属気相成長法や物理的気相成長法により銅または銅合金のシード層を作成する(図1)。次にリソグラフィにより電極を形成する部位以外の銅または銅合金のシード層の上にレジスト樹脂をパターニングする(図2)。その後、パターニングされていない部分に銅または銅合金をメッキ処理等により埋め込み、バンプの形成が行われる。しかし、銅または銅合金のままであると表面酸化現象等で接続信頼性が低下する、もしくはバンプの強度維持のため、一般的にニッケルと金、または錫もしくは錫と銀の合金からなる導電層がそれぞれ積層される(図3)。その後、レジスト樹脂を除去することでバンプが形成される(図4)。
ところで銅または銅合金のシード層やチタン等のバリヤメタル層はシリコン基板の孔の内部だけでなくシリコン基板表面にも形成されており、レジストを除去した後も残ったままである。このままではバンプ間が導通してしまい所望の電子デバイスを得ることができない。このため、シリコン基板表面に形成された銅または銅合金のシード層やチタン等のバリヤメタル層はエッチングにより除去しなければならない(図5および図6)。
このうち銅または銅合金のシード層をウェットエッチングする方法として、硫酸と過酸化水素混合液等の酸と酸化剤からなるエッチング液を用いた方法が広く用いられている(特許文献1)。また、塩化第二銅や塩化第二鉄を含むエッチング液を用いた方法も広く知られている(特許文献2)。また、硫酸と過酸化水素、ポリエチレングリコール誘導体である界面活性剤からなるエッチング液を用いた方法も広く知られている(特許文献3)。
しかしながら特許文献1〜3のようなエッチング方法では、電子基板に形成された銅または銅合金のシード層をバンプ形成後にエッチングする場合、銅メッキ層とニッケル層界面で局部的にエッチングが進み、所望のバンプが形成できないという問題があった。
また、現在のエッチング装置では、薬液のバッファ槽の液面をセンサーで検知、管理しているため、エッチング液の泡の発生はセンサーを誤作動させてしまう。また、エッチング液はポンプで循環させているため、泡が多量に発生すると、ポンプがエアをかみ、送液に不具合を起こす。このため特許文献3のようなエッチング方法では、泡が発生してしまい作業性に欠けるという問題があった。
「三次元実装のためのTSV技術」(傳田精一著、2009年、工業調査会発行)の12〜16頁
特開2000−286531号公報 特開2008−285720号公報 特開2009−120870号公報
本発明は、銅もしくは銅合金からなる層とニッケルからなる層を有する電子基板、および銅もしくは銅合金からなる層と錫もしくは錫合金からなる層を有する電子基板から、銅または銅合金をエッチングする工程において、使用時の泡立ちが少なく、銅もしくは銅合金層とニッケル層界面、または、銅もしくは銅合金層と錫もしくは錫合金層界面で局所的なエッチングを抑制し、選択的に銅または銅合金をエッチングできる安定性の高いエッチング液を提供することを目的とする。
本発明者は、上記の目的を達成するべく検討を行った結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、銅もしくは銅合金からなる層とニッケルからなる層を有する電子基板、または、銅もしくは銅合金からなる層と錫もしくは錫合金からなる層を有する電子基板から、銅または銅合金を選択的にエッチングする工程用のエッチング液であって、アルコキシアルキルアミン(A)を必須成分とすることを特徴とする銅または銅合金用エッチング液;並びにこのエッチング液を用いて、銅もしくは銅合金からなる層とニッケルからなる層を有する電子基板、または、銅もしくは銅合金からなる層と錫もしくは錫合金からなる層を有する電子基板から選択的に銅または銅合金をエッチングする工程を含むことを特徴とする電子基板の製造方法である。
本発明のエッチング液は安定性が高く、銅または銅合金からなる層とニッケルからなる層を有する電子基板、および銅または銅合金からなる層と錫または錫合金からなる層を有する電子基板から銅または銅合金をエッチングする工程において、使用時の泡立ちを抑制し、銅もしくは銅合金層とニッケル界面層、または、銅もしくは銅合金層と錫もしくは錫合金層界面で局所的なエッチングを抑制し、選択的に銅または銅合金をエッチングできる。
図1は、シリコン基板に孔を空け、孔の内壁にシリコン酸化膜、チタン層、銅または銅合金のシード層の各層が積層されている断面図である。
図2は、図1のシリコン基板の上にレジスト樹脂を塗布しリソグラフィによりパターニングを行った後の断面図である。
図3は、図2のシリコン基板にさらに、ニッケルと金の金属を積層または錫もしくは錫合金を積層した後の断面図である。
図4は、図3のシリコン基板からレジスト樹脂を除去した後の断面図である。
図5は、図4のシリコン基板から銅または銅合金のシード層を除去した後の断面図である。
図6は、図5のシリコン基板からバリヤメタル(チタン)層を除去した後の断面図である。
本発明の銅または銅合金用エッチング液は、使用時の泡立ちが少なく、銅または銅合金からなる層とニッケルからなる層を有する電子基板、および銅または銅合金からなる層と錫または錫合金からなる層を有する電子基板から銅または銅合金からなる層を選択的にエッチングする工程用のエッチング液であって、アルコキシアルキルアミン(A)を必須成分とする。
本発明において、エッチングされる銅または銅合金からなる層とニッケルからなる層を有する電子基板、および銅または銅合金からなる層と錫または錫合金からなる層を有する電子基板としては、半導体、フラットパネルディスプレー等に使用されるものが挙げられ、銅としては化学気相成長法(CVD法)、物理的気相成長法(PVD法)、原子層堆積法(ALD法)、めっきで形成されたもの等が挙げられる。また、ニッケルおよび錫もしくは錫合金も上記の方法で形成されたもの等が挙げられる。
本発明のアルコキシアルキルアミン(A)としては、アルコキシ基および1個または2個以上の窒素原子を含むアルコキシアルキルアミンであり、具体的には下記一般式(1)で表されるアルコキシアルキルモノアミン(A1)および下記一般式(2)で表されるアルコキシアルキルポリアミン(A2)等が挙げられる。
Figure 2014101560
[式中、R〜Rは、それぞれ独立して水素原子、または一部が炭素数1〜4個有するアルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1〜4個のアルキル基を示し、R〜R3のうち少なくとも1つは炭素数1〜4個有するアルコキシ基で置換されている炭素数1〜4個のアルキル基である。またR〜R3の2つが環状構造を形成してもよい。]
Figure 2014101560
[式中、R〜Rは、それぞれ独立して水素原子、または一部が炭素数1〜4個有するアルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1〜4個のアルキル基を示し、R〜Rのうち少なくとも1つは炭素数1〜4個有するアルコキシ基で置換されている炭素数1〜4個のアルキル基である。また、Rは水素原子、または一部が炭素数1〜4個有するアルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1〜4個のアルキル基を示す。また、RとRが環状構造および/またはRとRが環状構造を形成してもよい。
とYはそれぞれ独立して炭素数1〜4個のアルキレン基を示す。nは0または1〜4の整数を示す。]
一般式(1)で表されるアルコキシアルキルモノアミン(A1)において、R〜Rは、 水素原子、アルキル基、一部がアルコキシ基で置換されているアルキル基で、それぞれが同種でも異種であってもよいが、R〜R3のうち少なくとも1つはアルコキシ基で置換されているアルキル基である。
アルキル基としては、炭素数1〜4の直鎖状または分岐状のアルキル基が挙げられる。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基およびtert−ブチル基等が挙げられる。
一部がアルコキシ基で置換されているアルキル基としては、炭素数1〜4の直鎖状または分枝状のアルコキシアルキル基が挙げられる。
このような一部がアルコキシ基で置換されているアルキル基としては、メトキシメチル基、エトキシメチル基、1−メトキシエチル基、2−メトキシエチル基、2−エトキシエチル基、2−n−プロポキシエチル基、2−イソプロポキシエチル基、2−n−ブトキシエチル基、2−sec−ブトキシエチル基、2−tert−ブトキシエチル基、1−メトキシプロピル基、2−メトキシプロピル基、3−メトキシプロピル基、3−エトキシプロピル基、3−n−プロポキシプロピル基、3−イソプロポキシプロピル基、3−n−ブトキシプロピル基、3−sec−ブトキシプロピル基、3−tert−ブトキシプロピル基、1−メトキシイソプロピル基、2−メトキシイソプロピル基、3−メトキシイソプロピル基、3−エトキシイソプロピル基、3−n−プロポキシイソプロピル基、3−イソプロポキシイソプロピル基、3−n−ブトキシイソプロピル基、3−t−ブトキシイソプロピル基、1−メトキシブチル基、2−メトキシブチル基、3−メトキシブチル基、4−メトキシブチル基、4−エトキシブチル基、4−n−プロポキシブチル基、4−イソプロポキシブチル基、4−t−ブトキシブチル基、4−tert−ブトキシブチル基、ジメトキシメチル基、1,1−ジメトキシエチル基、1,2−ジメトキシエチル基、2,2−ジメトキシエチル基、2、3−ジメトキシプロピル基および1,2,3−トリメトキシプロピル基等が挙げられる。
一般式(2)で表されるアルコキシアルキルポリアミン(A2)において、R〜Rは、水素原子、アルキル基、または一部がアルコキシ基で置換されているアルキル基で、それぞれが同種でも異種であってもよいが、R〜Rのうち少なくとも1つはアルコキシ基で置換されているアルキル基である。RとRが環状構造および/またはRとRが環状構造を形成してもよい。また、Rは水素原子、アルキル基、または一部がアルコキシ基で置換されているアルキル基である。
アルキル基および一部がアルコキシ基で置換されているアルキル基は、前記のR〜Rで示されるアルキル基および一部がアルコキシ基で置換されているアルキル基と同様のものである。
一般式(2)中のYおよびYで示されるアルキレン基としては、炭素数1〜4の直鎖状または分岐状のアルキレン基が挙げられる。
具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基およびテトラメチレン基等が挙げられる。
およびYで示されるアルキレン基の炭素数は、エッチング液の泡立ち抑制等の観点から、好ましくは1〜3、さらに好ましくは2である。
一般式(2)中のnは0または1〜4の整数であり、好ましくは0または1〜2、さらに好ましくは0または1である。n個の[―Y―N(―R)―]はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
アルコキシアルキルモノアミン(A1)としては、2−メトキシエチルアミン、2−エトキシメチルアミン、2−プロポキシエチルアミン、2−n−ブトキシエチルアミン、2−tert−ブトキシエチルアミン、N−(2−メトキシエチル)メチルアミン、N−(2−エトキシエチル)メチルアミン、N−(2−プロポキシエチル)メチルアミン、N−(2−tert−ブトキシエチル)メチルアミン、N−(2−メトキシエチル)エチルアミン、N−(2−エトキシエチル)エチルアミン、N−(2−プロポキシエチル)エチルアミン、N−(2−tert−ブトキシエチル)エチルアミン、N−(2−メトキシエチル)イソプロピルアミン、N−(2−エトキシエチル)イソプロピルアミン、N−(2−プロポキシエチル)イソプロピルアミン、N−(2−tert−ブトキシエチル)イソプロピルアミン、(1,1−ジメチル−2−メトキシエチル)アミン、(1,1−ジメチル−2−エトキシエチル)アミン、(1,1−ジメチル−2−プロポキシエチル)アミン、(1,1−ジメチル−2−tert−ブトキシエチル)アミン、ジメチル(2−メトキシエチル)アミン、ジメチル(2−エトキシエチル)アミン、ジメチル(2−プロポキシエチル)アミン、ジメチル(2−tert−ブトキシエチル)アミン、ジエチル(2−メトキシエチル)アミン、ジエチル(2−エトキシエチル)アミン、ジエチル(2−プロポキシエチル)アミン、ジエチル(2−tert−ブトキシエチル)アミン、ジ(2−メトキシエチル)アミン、ジ(2−エトキシエチル)アミン、ジ(2−プロポキシエチル)アミン、ジ(2−tert−ブトキシエチル)アミン、トリ(2−メトキシエチル)アミン、トリ(2−エトキシエチル)アミン、トリ(2−プロポキシエチル)アミン、トリ(2−tert−ブトキシエチル)アミン、メトキシプロピルアミン、エトキシプロピルアミン、プロポキシプロピルアミン、tert−ブトキシプロピルアミン、2−メトキシプロピルアミン、2−エトキシプロピルアミン、2−プロポキシプロピルアミン、2−tert−ブトキシプロピルアミン、ジ(2−メトキシプロピル)アミン、ジ(2−エトキシプロピル)アミン、ジ(2−プロポキシプロピル)アミン、ジ(2−tert−ブトキシプロピル)アミン、トリ(2−メトキシプロピル)アミン、トリ(2−エトキシプロピル)アミン、トリ(2−プロポキシプロピル)アミン、トリ(2−tert−ブトキシプロピル)アミン、ジメチル(3−メトキシプロピル)アミン、ジメチル(3−エトキシプロピル)アミン、ジメチル(3−プロポキシプロピル)アミン、ジメチル(3−tert−ブトキシプロピル)アミン、ジエチル(3−メトキシプロピル)アミン、ジエチル(3−エトキシプロピル)アミン、ジエチル(3−プロポキシプロピル)アミンおよびジエチル(3−tert−ブトキシプロピル)アミン等が挙げられる。
アルコキシアルキルポリアミン(A2)としては、一般式(2)中のnが0のアルコキシアルキルポリアミンとして、N−(2−メトキシエチル)1,2−エタンジアミン、N−(2−エトキシエチル)1,2−エタンジアミン、N−(2−プロポトキシエチル)1,2−エタンジアミン、N−(2−tert−ブトキシエチル)1,2−エタンジアミン、N,N,N’−トリメチル−N’−(2−メトキシエチル)エチレンジアミン、N,N,N’−トリメチル−N’−(2−エトキシエチル)エチレンジアミン、N,N,N’−トリメチル−N’−(2−プロポキシエチル)エチレンジアミン、N,N,N’−トリメチル−N’−(2−tert−ブトキシエチル)エチレンジアミン、N,N’−ビス(2−メトキシエチル)−1,2−エタンジアミン、N,N’−ビス(2−エトキシエチル)−1,2−エタンジアミン、N,N’−ビス(2−プロポキシエチル)−1,2−エタンジアミン、N,N’−ビス(2−tert−ブトキシエチル)−1,2−エタンジアミン、N−(3−メトキシプロピル)エチレンジアミン、N−(3−エトキシプロピル)エチレンジアミン、N−(3−プロポキシプロピル)エチレンジアミン、N−(3−tert−ブトキシプロピル)エチレンジアミン、N,N−ビス(2−メトキシエチル)エチレンジアミン、N,N−ビス(2−エトキシエチル)エチレンジアミン、N,N−ビス(2−プロポキシエチル)エチレンジアミン、N,N−ビス(2−tert−ブトキシエチル)エチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラキス(2−メトキシエチル)エチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラキス(2−エトキシエチル)エチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラキス(2−プロポキシエチル)エチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラキス(2−tert−ブトキシエチル)エチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラキス(2−メトキシエチル)トリメチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラキス(2−エトキシエチル)トリメチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラキス(2−プロポキシエチル)トリメチレンジアミンおよびN,N,N’,N’−テトラキス(2−tert−ブトキシエチル)トリメチレンジアミン等が挙げられる。
一般式(2)中のnが1のアルコキシアルキルポリアミンとして、N−(2−メトキシエチル)‐N’−(2−アミノエチル)エチレンジアミン、N−(2−エトキシエチル)‐N’−(2−アミノエチル)エチレンジアミン、N−(2−プロポキシエチル)‐N’−(2−アミノエチル)エチレンジアミン、N−(2−tert−ブトキシエチル)‐N’−(2−アミノエチル)エチレンジアミン、N−(2−メトキシエチル)−N’−(2−アミノエチル)エチレンジアミン、N−(2−エトキシエチル)−N’−(2−アミノエチル)エチレンジアミン、N−(2−プロポキシエチル)−N’−(2−アミノエチル)エチレンジアミン、N−(2−tert−ブトキシエチル)−N’−(2−アミノエチル)エチレンジアミン、2,2’−(2−メトキシエチルイミノ)ビス(エタンアミン)、2,2’−(2−エトキシエチルイミノ)ビス(エタンアミン)、2,2’−(2−プロポシエチルイミノ)ビス(エタンアミン)、2,2’−(2−tert−ブトキシエチルイミノ)ビス(エタンアミン)、3,3’,3’’,3’’’−[3−メトキシプロピルイミノビス(エチレンニトリロ)]テトラキス(1−プロパンメチルエーテル)、3,3’,3’’,3’’’−[3−エトキシプロピルイミノビス(エチレンニトリロ)]テトラキス(1−プロパンエチルエーテル)、N,N,N’,N’’,N’’−ペンタキス(2−メトキシプロピル)ジエチレントリアミン、N,N,N’,N’’,N’’−ペンタキス(2−エトキシプロピル)ジエチレントリアミン、N,N,N’,N’’,N’’−ペンタキス(2−プロポキシプロピル)ジエチレントリアミン、N,N,N’,N’’,N’’−ペンタキス(2−tert−ブトキシプロピル)ジエチレントリアミン、N、N−ビス(メトキシエチル)ジエチレントリアミン、N、N−ビス(エトキシエチル)ジエチレントリアミン、N、N−ビス(プロポキシエチル)ジエチレントリアミン、N、N−ビス(tert−ブトキシエチル)ジエチレントリアミン、N、N’’’’−ビス(メトキシエチル)ジエチレントリアミン、N、N’’’’−ビス(エトキシエチル)ジエチレントリアミン、N,N’’’’−ビス(プロポキシエチル)ジエチレントリアミンおよびN,N’’’’−ビス(tert−ブトキシエチル)ジエチレントリアミン等が挙げられる。
一般式(2)中のnが2のアルコキシアルキルポリアミンとして、N−(2−メトキシプロピル)トリエチレンテトラアミン、N−(2−エトキシプロピル)トリエチレンテトラアミン、N−(2−プロポキシプロピル)トリエチレンテトラアミン、N−(2−tert−ブトキシプロピル)トリエチレンテトラアミン、N−(2−メトキシプロピル)トリエチレンテトラアミン、N−(2−エトキシプロピル)トリエチレンテトラアミン、N−(2−プロポキシプロピル)トリエチレンテトラアミン、N−(2−tert−ブトキシプロピル)トリエチレンテトラアミン、N−(2−メトキシプロピル)トリエチレンテトラアミン、N−(2−エトキシプロピル)トリエチレンテトラアミンおよびN−(2−プロポキシプロピル)トリエチレンテトラアミン、N−(2−tert−ブトキシプロピル)トリエチレンテトラアミン等が挙げられる。
一般式(2)中のnが3のアルコキシアルキルポリアミンとして、N−(2−メトキシプロピル)テトラエチレンペンタミン、N−(2−エトキシプロピル)テトラエチレンペンタミン、N−(2−プロポキシプロピル)テトラエチレンペンタミンおよびN−(2−tert−ブトキシプロピル)テトラエチレンペンタミン等が挙げられる。
一般式(2)中のnが4のアルコキシアルキルポリアミンとして、N−(2−メトキシプロピル)ペンタエチレンヘキサミン、N−(2−エトキシプロピル)ペンタエチレンヘキサミン、N−(2−プロポキシプロピル)ペンタエチレンヘキサミンおよびN−(2−tert−ブトキシプロピル)ペンタエチレンヘキサミン等が挙げられる。
この中で銅または銅合金層とニッケル層界面、または銅もしくは銅合金層と錫もしくは錫合金層界面で局所的なエッチングを抑制する観点から、アルコキシアルキルポリアミン(A2)が好ましく、さらに好ましくは、一般式(2)中のnが0または1〜2で表されるアルコキシアルキルポリアミン、特に好ましくは、一般式(2)中のnが0または1で表されるアルコキシアルキルポリアミンである。
本発明のエッチング剤は、必要に応じてさらに溶剤で希釈して使用してもよいが、使用時のアルコキシアルキルアミン(A)の含有量は、銅または銅合金のエッチング速度の観点、また、銅または銅合金層とニッケル層界面、または銅もしくは銅合金層と錫もしくは錫合金層界面で局所的なエッチングを抑制する観点から、使用時のエッチング液の合計重量に基づいて、0.05〜6重量%が好ましく、さらに好ましくは0.1〜4重量%、特に好ましくは0.2〜3重量%である。
希釈可能な溶剤としては水、アルコール、グリコールエーテル、エーテル、エステル、ケトン、カーボネートおよびアミド等が挙げられる。エッチング液の溶剤として取り扱いやすさの観点から好ましいのは水である。
本発明のエッチング液はさらに、酸基を分子内に有するキレート剤(B)を含有することができる。酸基を分子内に有するキレート剤(B)は銅または銅合金のエッチング速度を高める作用がある。
本発明のおけるキレート剤(B)中の酸基としては、カルボキシル基、ホスホン酸基、スルホン酸基、リン酸基、硫酸基、硝酸基およびホウ酸基等が挙げられる。
なお、キレート剤(B)は、エッチング液中で塩の形で含有してもよい。
本発明における酸基を分子内に有するキレート剤(B)は、キレート効果を有するための官能基を2個以上有するものであり、酸基以外のキレート効果を有する官能基として、アルコール性水酸基、フェノール性水酸基、二トリル基、チオール基およびアミノ基等が挙げられる。
本発明のキレート剤(B)またはその塩としては、カルボキシル基を2個以上含む有機酸またはその塩(B1)、ホスホン酸基を2個以上含む有機酸またはその塩(B2)、スルホン酸基を2個以上含む有機酸またはその塩(B3)、カルボキシル基とホスホン酸基をそれぞれ含む有機酸またはその塩(B4)およびキレート効果を示す水酸基1個以上有し、かつ、カルボキシル基、ホスホン酸基またはスルホン酸基を1個のみ含む有機酸またはその塩(B5)等が挙げられる。
カルボキシル基を2個以上含む有機酸またはその塩(B1)としては、エチレンジアミンテトラ酢酸(塩)、ジエチレントリアミンペンタ酢酸(塩)、トリエチレンテトラミンヘキサ酢酸(塩)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(塩)、ジヒドロキシエチルエチレンジアミン四酢酸(塩)、ニトリロ酸酢酸(塩)、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸(塩)、β−アラニンジ酢酸(塩)、アスパラギン酸ジ酢酸(塩)、メチルグリシンジ酢酸(塩)、イミノジコハク酸(塩)、セリンジ酢酸(塩)、ヒドロキシイミノジコハク酸(塩)、酒石酸(塩)、クエン酸(塩)、ピロメリット酸(塩)、ベンゾポリカルボン酸(塩)およびシクロペンタンテトラカルボン酸(塩)等が挙げられる。
ホスホン酸基を2個以上含む有機酸またはその塩(B2)としては、メチルジホスホン酸(塩)、アミノトリ(メチレンホスホン酸)(塩)、1−ヒドロキシエチリデン−1、1−ジホスホン酸(塩)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)(塩)、ヘキサメチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)(塩)、プロピレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)(塩)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)(塩)、トリエチレンテトラミンヘキサ(メチレンホスホン酸)(塩)、トリアミノトリエチルアミンヘキサ(メチレンホスホン酸)(塩)、トランス−1、2−シクロヘキサンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)(塩)、グリコールエーテルジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)(塩)およびテトラエチレンペンタミンヘプタ(メチレンホスホン酸)(塩)等が挙げられる。
スルホン酸基を2個以上含む有機酸またはその塩(B3)としては、メタンジスルホン酸(塩)、エタンジスルホン酸(塩)、フェノールジスルホン酸(塩)、ナフタレンジスルホン酸(塩)およびピペラジン−1、4−ビス(2−エタンスルホン酸)(塩)等が挙げられる。
カルボキシル基とホスホン酸基をそれぞれ1個以上含む有機酸またはその塩(B4)としては、ホスホノ酢酸(塩)、2−ヒドロキシ−2−ホスホノ酢酸(塩)、カルボキシホスホン酸(塩)、3−ホスホノプロピオン酸(塩)および4−(3−ホスホノプロピル)−2−ピペラジンカルボン酸(塩)等が挙げられる。
水酸基1個以上有し、かつ、カルボキシル基、ホスホン酸基またはスルホン酸基を1個のみ含む有機酸またはその塩(B5)としては、乳酸(塩)、サリチル酸(塩)、没食子酸(塩)、2−ヒドロキシエチルホスホン酸(塩)および2−ヒドロキシエタンスルホン酸(塩)等が挙げられる。
キレート剤(B)が、塩を形成する場合、その対イオンとしては、ナトリウムイオンおよびカリウムイオン等のアルカリ金属イオン;マグネシウムイオンおよびカルシウムイオン等のアルカリ土類金属イオン;アンモニウムイオンおよびテトラメチルアンモニウムイオン等の4級アンモニウムイオンが挙げられる。
本発明のキレート剤(B)のうち、銅または銅合金へのエッチング速度の観点、また、銅もしくは銅合金からなる層とニッケルからなる層のエッチング速度比、および銅または銅合金からなる層と錫または錫合金からなる層のエッチング速度比の観点から好ましいものは、上記の(B1)、(B2)および(B3)であり、さらに好ましいのは(B2)である。
酸基を分子内に有するキレート剤(B)は単独または2つ以上を併用してもよい。
酸基を分子内に有するキレート剤(B)含有量は銅または銅合金のエッチング速度の観点から、使用時のエッチング液の合計重量に基づいて、0.1〜50重量%が好ましく、さらに好ましくは0.5〜30重量%、特に好ましくは1〜20重量%である。
本発明のエッチング液はさらに、酸化剤(C)を含有することができる。酸化剤(C)はエッチング速度を高める作用がある。
本発明の酸化剤(C)としては、過酸化水素等の過酸化物、硝酸アンモニウム等の硝酸(塩)、過硫酸アンモニウム等の過硫酸(塩)、重クロム酸カリウム等の重クロム酸(塩)、過マンガン酸カリウム等の過マンガン酸(塩)、次亜塩素酸(塩)、亜塩素酸(塩)、塩素酸(塩)、過塩素酸(塩)、オゾン、ヨウ素等が挙げられる。エッチング速度の観点から、過酸化水素、過マンガン酸(塩)および次亜塩素酸が好ましい。
酸化剤(C)の含有量は、エッチング速度の観点から、使用時のエッチング液の合計重量に基づいて、純分換算で0.05〜20重量%が好ましく、さらに好ましくは0.1〜10重量%、特に好ましくは0.2〜5重量%である。
本発明の酸基を分子内に有するキレート剤(B)とアルコキシアルキルアミン(A)の重量比(B)/(A)は、銅もしくは銅合金からなる層とニッケルからなる層のエッチング速度比または、銅もしくは銅合金からなる層と錫もしくは錫合金からなる層のエッチング速度比および泡立ちの観点から、好ましくは1〜100、さらに好ましくは2〜50、特に好ましくは5〜30である。
本発明の酸基を分子内に有するキレート剤(B)と酸化剤(C)の重量比(B)/(C)は、銅または銅合金のエッチング速度の観点から、好ましくは1〜30、さらに好ましくは1.5〜20、特に好ましくは2〜10である。
本発明のエッチング液は配線金属の保護の目的で必要に応じてトリアゾール類、イミダゾール類、チオール化合物、糖アルコール類等の腐食防止剤を添加することができる。
本発明のエッチング液は配線金属の保護の目的で必要に応じて酸化防止剤を添加することができる。
酸化防止剤としては、カテキン、トコフェロール、カテコール、メチルカテコール、エチルカテコール、tert−ブチルカテコール、没食子酸メチル、没食子酸プロピル等のフェノール類、3−ヒドロキシフラボン、アスコルビン酸等が挙げられる。
本発明のエッチング液には、pH調整の目的で塩基性化合物または酸性化合物を添加することができる。
その目的で添加する塩基性化合物は、アンモニア、(A)以外のアミンまたはテトラアルキルアンモニウムヒドロキシド、含窒素複素環式化合物である。(A)以外のアミンとしては、脂肪族アミン、アルキレンジアミン、ポリアルキレンポリアミン、芳香族アミン、脂環式アミン、グアニジン等が挙げられる。
また、その目的で添加する酸性化合物は、硫酸、塩酸、硝酸、フッ化水素酸等の無機酸、酢酸等の有機酸である。これらの酸性化合物のうち、エッチング速度を安定化できる観点から、無機酸またはその塩が好ましく、硫酸、塩酸、硝酸、フッ化水素酸がさらに好ましい。
本発明のエッチング液は泡立ち抑制の目的で必要に応じて消泡剤を添加することができる。
消泡剤としては、シリコーン、長鎖アルコール、脂肪酸エステル、エチレンオキサイドプロピレンオキサイド共重合体および金属セッケン等が挙げられる。
本発明のエッチング液を用いて、銅もしくは銅合金からなる層とニッケルからなる層を有する電子基板または銅もしくは銅合金からなる層と錫もしくは錫合金からなる層を有する電子基板から選択的に銅または銅合金をエッチング処理する工程を経て電子基板を製造することができる。
本発明において、銅または銅合金のエッチング処理方法としては、浸漬式エッチングや枚葉式エッチング等が挙げられる。
本発明のエッチング液は好ましくは10〜100℃の範囲、さらに好ましくは15℃〜80℃の温度条件で使用する。10℃以上であればエッチング速度の点で好ましく、100℃以下の温度であればエッチング速度にバラツキが生じない点で好ましい。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、特に定めない限り、%は重量%、部は重量部を示す。また、特に定めない限り、本発明は25℃で行うものとする。
<実施例1〜11および比較例1〜5>
表1に記載したアルコキシアルキルアミン(A)、酸基を分子内に有するキレート剤(B)、酸化剤(C)、および水をポリプロピレン製の容器中で混合して、本発明のエッチング液と比較のためのエッチング液を得た。
Figure 2014101560
なお、表中の記号は以下の化合物を表す。
(A−1):2−エトキシエチルアミン
(A−2):N,N,N’,N’−テトラキス(2−メトキシエチル)エチレンジアミン
(A’−1):トリエチルアミン
(A’−2):ラウリルアルコールのEO9モル付加物
(A’−3):1,2−ビス[ジ(ヒドロキシエチル)アミノ]エタン
(B−1):イミノジコハク酸
(B−2):メチルジホスホン酸
(B−3):エタンジスルホン酸
(B−4):ホスホノ酢酸
(B−5):サリチル酸
(C−1):過マンガン酸カリウム
性能評価として、抑泡性、銅のエッチング時間、ニッケルのエッチング性能(ニッケル/銅のエッチングレート比)および錫−銀合金のエッチング性能(錫−銀合金/銅のエッチングレート比)を以下の方法で行った。
<抑泡性>
抑泡性はロス・マイルス試験[JIS K3362(2008)]に準じて測定することができ、本JISで定める装置を用い、実施例1〜11および比較例1〜5のエッチング剤200mLを30℃で900mmの高さから30秒間で液面上に落下させ、落下直後の泡の高さ(mm)を目視にて測定し、下記の判定基準で抑泡性を評価した。
○:50mm未満
×:50mm以上
<銅のエッチング時間>
銅のエッチング時間を、以下の操作方法で銅シード層の光沢が消失するまでの時間(分)で評価した。
(1)シリコン基板に加工を加えて図4の状態まで作成したウエハ(銅シード層の厚み1μm)を15mm角の正方形に切断してテストピースを作成した。
なお、走査型電子顕微鏡(日立ハイテク社製S−4800)でウエハを1cm各に切断したテストピースの断面を観察したところ、バンプの幅は30μm、バンプの高さは8μmであった。銅シード層の厚みは1μmであった。
(2)実施例1〜11および比較例1〜5のエッチング液70mLをポリプロピレン製の容器に入れて、この中に上記のテストピースを浸漬し、マグネチックスターラーで撹拌した。
(3)撹拌しながら液中に浸漬した状態でテストピースの表面を目視で観察し、銅シード層の全面の銅の光沢が消失する(図5の3:チタン層の全面が見える状態)までの時間を測定した。
(4)本操作は、配合直後および70℃で1ヶ月放置した後に行った。
この目的で使用されるエッチング液においては、銅光沢の消失時間が10分未満であることが好ましく、下記の判定基準で評価した。
◎:10分未満
○:10分以上30分未満
×:30分以上
<ニッケルのエッチング量およびニッケル/銅のエッチングレート比>
ニッケルのエッチング量およびニッケル/銅のエッチングレート比を、以下の操作方法で測定し、評価した。
(1)シリコン基板に加工を加えて図4の状態まで作成したウエハ(銅シード層の厚み1μm)を15mm角の正方形に切断してテストピースを作成した。
(2)実施例1〜11および比較例1〜5のエッチング液70mLをポリプロピレン製の容器に入れて、この中に上記のテストピースを1分間浸漬してマグネチックスターラーで撹拌した後、取り出した。
(3)走査型電子顕微鏡(日立ハイテク社製S−4800)で、浸漬前のテストピースと浸漬後のテストピースのそれぞれニッケル層の浸食の程度とその幅が確認できる側面の写真撮影をした。そして、写真画像から、浸漬前のテストピースのニッケル層(図4の7)の幅A(μm)と、浸漬後のテストピースのニッケル層(図5の7)の幅A(μm)を測定した。
(4)ニッケルのエッチング量として、下記数式(1)で算出される浸漬前後のテストピースのニッケル層の幅の変化(差)ΔANiを算出した。
Figure 2014101560
下記の判定基準で評価する。
◎:0.5μm未満
○:0.5μm以上1μm未満
×:1μm以上
(5)読み取った2つの値および銅のエッチング時間を下記数式(2)に代入しニッケル/銅のエッチングレート比を算出した。
Figure 2014101560
Cu:銅のエッチング時間(分)
Ni:ニッケルのエッチング時間で、本評価法では1分
Cu:銅シード層の厚みで、本評価法では1μm
上記数式(2)で算出したニッケル/銅のエッチングレート比から、下記の判定基準で評価した。
◎:0.25未満
○:0.25以上0.5未満
×:0.5以上
<錫−銀合金のエッチング量および錫−銀合金/銅のエッチングレート比>
錫−銀合金のエッチング量および錫−銀合金/銅のエッチングレート比を、以下の操作方法で測定し、評価した。
(1)シリコン基板に加工を加えて図4の状態まで作成したウエハ(銅シード層の厚み1μm)を15mm角の正方形に切断してテストピースを作成した。
(2)実施例1〜11および比較例1〜5のエッチング液をポリプロピレン製の容器に入れて、この中に上記のテストピースを1分間浸漬してマグネチックスターラーで撹拌することで錫−銀合金のエッチングを行い、その後、取り出した。
(3)走査型電子顕微鏡(日立ハイテク社製S−4800)で、浸漬前のテストピースと浸漬後のテストピースのそれぞれ錫−銀合金層の浸食の程度とその幅が確認できる側面の写真撮影をした。そして、写真画像から、浸漬前のテストピースの錫−銀合金層(図4の7)の幅A(μm)と、浸漬後のテストピースの錫−銀合金層(図5の7)の幅A(μm)を測定した。
(4)錫−銀合金のエッチング量として、下記数式(1)で算出される浸漬前後のテストピースの錫−銀合金層の幅の変化(差)ΔASn−Agを算出した。
Figure 2014101560
下記の判定基準で評価する。
◎:0.5μm未満
○:0.5μm以上1μm未満
×:1μm以上
(5)読み取った2つの値および銅のエッチング時間を下記数式(4)に代入し錫−銀合金/銅のエッチングレート比を算出した。
Figure 2014101560
Cu:銅のエッチング時間(分)
Ni:錫−銀合金のエッチング時間(分)
Cu:銅シード層の厚み
上記数式(4)で算出した錫−銀合金/銅のエッチングレート比から、下記の判定基準で評価した。
◎:0.25未満
○:0.25以上0.5未満
×:0.5以上
表1から明らかなように、実施例1〜11では、泡立ちに問題が無く、銅シード層のエッチングが速く、その反面、ニッケル部分および錫−銀合金部分のエッチングが認められず、高選択的に銅シード層をエッチングすることができた。
一方、アルコキシアルキルアミンを含んでいない比較例1では、銅シード層のエッチングは速いものの、抑泡性に劣り、またニッケルをエッチングしてしまい、高選択的に銅シード層をエッチングできない。
アルコキシアルキルアミン(A)の代わりにトリエチルアミン(A’−1)を使用した比較例2および3では、泡立ちが多く、ニッケル/銅および錫−銀/銅のエッチングレート比に劣る。また、ラウリルアルコールのEO9モル付加物(A’−2)を使用した比較例4では、高選択的に銅シード層をエッチングするが、泡立ちは多くなってしまう。また、アルコキシアルキルアミン(A)の代わりに1,2−ビス[ジ(ヒドロキシエチル)アミノ]エタン(A’−3)を使用した比較例5では、配合直後の性能は実施例同等であるが、70℃で1ヶ月放置後の銅のエッチングレートが劣る。
本発明の銅または銅合金用エッチング液は、銅または銅合金からなる層とニッケルからなる層を有する電子基板、および銅または銅合金からなる層と錫または錫合金からなる層を有する電子基板に対して、使用時の泡立ちが少なく、銅または銅合金のエッチングを高選択的に行うことができるという点で優れているため、半導体素子、プリント配線基板、フラットパネルディスプレー、MEMS、等の電子基板製造時の工程用薬剤として有用である。
図1〜図6中の数字1〜9は、以下を表す。
1: シリコン基板
2: シリコン酸化膜
3: チタン層
4: 銅シード層
5: レジスト樹脂
6: 銅めっき層
7: ニッケル層
7’:錫または錫合金層
8: 金層
8’:錫または錫合金層
9: バンプ

Claims (7)

  1. 銅もしくは銅合金からなる層とニッケルからなる層を有する電子基板、または、銅もしくは銅合金からなる層と錫もしくは錫合金からなる層を有する電子基板から、銅または銅合金を選択的にエッチングする工程用のエッチング液であって、アルコキシアルキルアミン(A)を必須成分とすることを特徴とする銅または銅合金用エッチング液。
  2. 該アルコキシアルキルアミン(A)が下記一般式(1)で表されるアルコキシアルキルモノアミン(A1)または下記一般式(2)で表されるアルコキシポリアルキルポリアミン(A2)である請求項1記載のエッチング液。
    Figure 2014101560
    [式中、R〜Rは、それぞれ独立して水素原子、または一部が炭素数1〜4個有するアルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1〜4個のアルキル基を示し、R〜R3のうち少なくとも1つは炭素数1〜4個有するアルコキシ基で置換されている炭素数1〜4個のアルキル基である。またR〜R3の2つが環状構造を形成してもよい。]
    Figure 2014101560
    [式中、R〜Rは、それぞれ独立して水素原子、または一部が炭素数1〜4個有するアルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1〜4個のアルキル基を示し、R〜Rのうち少なくとも1つは炭素数1〜4個有するアルコキシ基で置換されている炭素数1〜4個のアルキル基である。また、Rは水素原子、または一部が炭素数1〜4個有するアルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1〜4個のアルキル基を示す。また、RとRが環状構造および/またはRとRが環状構造を形成してもよい。
    とYはそれぞれ独立して炭素数1〜4個のアルキレン基を示す。nは0または1〜4の整数を示す。]
  3. さらに、酸基を分子内に有するキレート剤(B)を含有する請求項1または2記載のエッチング液。
  4. さらに、酸化剤(C)を含有する請求項1〜3いずれかに記載のエッチング液。
  5. キレート剤(B)とアルコキシアルキルアミン(A)の重量比[(B)/(A)]が1〜100である請求項3または4に記載のエッチング液。
  6. 該キレート剤(B)と酸化剤(C)の重量比[(B)/(C)]が1〜30である請求項4または5に記載のエッチング液。
  7. 請求項1〜6いずれか記載の銅または銅合金用エッチング液を用いて、銅もしくは銅合金からなる層とニッケルからなる層を有する電子基板、または、銅もしくは銅合金からなる層と錫もしくは錫合金からなる層を有する電子基板から選択的に銅もしくは銅合金からなる層をエッチングする工程を含むことを特徴とする電子基板の製造方法。
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JP2018184624A (ja) * 2017-04-24 2018-11-22 三洋化成工業株式会社 銅又は銅合金用エッチング液
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