JP2014100823A - 加飾シート、加飾品及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】基体シートの上に並列した2つ以上の接着層が形成され、該加飾シートの位置合わせ検知パターンを検知して、該加飾シートを表面が並列した2つ以上の材質の基材上の所定の位置にセットし、該加飾シートの各接着層を該各基材上に位置を合わせて積層することができる加飾シートを提供する。
【解決手段】加飾シート10は、基体シート1と、基体シート1の上に形成された2つの接着層、すなわち第1接着層3と第2接着層4とを備えた加飾シートであって、第1接着層3と第2接着層4はそれぞれ加飾シート10の表面に露出するように形成された加飾シートである。第1接着層3と第2接着層4のいずれか1つが位置合わせ検知パターン7を含む。
【選択図】図1

Description

本発明は基体シートの上に並列した2つ以上の接着層が形成され、該加飾シートの位置合わせ検知パターンを検知して、該加飾シートを表面が並列した2つ以上の材質の基材上の所定の位置にセットし、該加飾シートの各接着層を該各基材上に位置を合わせて積層することができる加飾シートに関する。
従来、基体シートの表面に並列した2つの特性の異なる接着層が形成された発明として特許文献1の発明があった。該発明は、基体シート上に積層され、活性エネルギー線硬化性樹脂を有する接着層を備え、溶融した射出成形樹脂の射出前において、該成形樹脂が直接当たる接着層のゲート対向予定領域に活性エネルギー線を照射して、他の領域の接着層より当該ゲート対向予定領域の接着層を予め硬化させておき、射出成形における前記成形樹脂による接着層のゲート飛びを防止する発明である。
特開2010-247493
しかし、上記発明はゲート対向予定領域が小面積でかつ1個程度である場合は有用となる発明であるが、本発明のような接着させる基材の表面が並列した2つ以上の材質からなり、各々の接着させる面積が大きい基材の場合には、活性エネルギー線を照射する領域が多大となり、生産性に劣る問題があった。
また、特許文献1の発明の場合はもともと基材の材質は同じ射出成形樹脂であるので接着性に問題は発生しないが、本発明のように接着させる基材の表面が並列して根本的に異なる材質(たとえば、金属基材と成形樹脂、金属基材とガラスなどのセラミック基材、成形樹脂とガラスなどのセラミック基材など)からなれば、同じ材質の接着層で対応すればいずれかの基材に対しては接着性が不足あるいは全く接着しないなどの問題が生じる恐れがあった。
したがって、本発明のように接着させる基材の表面が並列して根本的に異なる2つ以上の材質からなる場合は、それらの各基材に各々接着する接着層を、位置を合わせて載置しなければならず、少しでもその位置がずれると接着不良を起こし、生産性が低下するという問題があった。
そこで、本発明者は、上記課題を解決するために次のような発明をした。すなわち、本発明の第1の発明は、基体シートと、基体シートの上に形成された2つ以上の接着層とを備え、接着層の各々は加飾シート表面に露出するように形成され、接着層のいずれか1つは位置合わせ検知パターンを含む、加飾シートである。
また、第2の発明は、第1の発明の構成において、接着層のいずれか1つは、他の接着層上に積層形成される部分と位置合わせ検知パターンとなる部分とを含む、加飾シートである。
第3の発明は、第1の発明の構成において、接着層の各々は並列するように形成された加飾シートである。
また、第4の発明は、第1から第3の発明の構成において、位置合わせ検知パターン層を含む接着層は透明又は薄い色であり、赤外線又は紫外線を、反射遮蔽又は吸収する材料を含む、加飾シートである。
第5の発明は、第1から第4の発明の構成において、接着層は、金属基材、成形樹脂基材及びセラミック基材のうちの1つと接着させるための第1接着層と、金属基材、成形樹脂基材及びセラミック基材のうちの他の1つと接着させるための第2接着層とを含む、加飾シートである。
また、第6の発明は、基材と、基材の上に固着された第1から第4の発明の加飾シートとを備えた加飾品である。
第7の発明は、2つ以上の材質で構成された基材と、基材の上に固着された第1から第4の発明の加飾シートとを備え、材質の各々に対応した接着層の各々が接着された加飾品である。
第8の発明は、第7の発明の構成において、基材は、金属基材、成形樹脂基材及びセラミック基材のうちの2つの材質で構成され、接着層は基材の各々を接着させるための接着層である加飾品である。
第9の発明は、第1から第5の発明の加飾シートの位置合わせ検知パターンを検知する工程と、加飾シートを基材上の所定の位置にセットする工程と、加飾シートの各接着層を基材上に接着させる工程とを含む加飾品の製造方法である。
第10の発明は、2つの材質で構成された基材に、第1から第5の発明の加飾シートが固着した加飾品の製造方法であって、加飾シートの位置合わせ検知パターンを検知する工程と、加飾シートを基材のうちの1つの上の所定の位置にセットする工程と、基材のうちの1つに対応した接着層を基材のうちの1つの上に接着させる工程と、基材のうちの1つが接着した加飾シートの位置合わせ検知パターンを検知する工程と、基材のうちの1つが接着した加飾シートを射出成形金型の所定の位置にセットする工程と、射出成形金型内に溶融樹脂を射出し、冷却・固化して、基材のうちの他の1つを成形すると同時に、基材のうちの他の1つに対応した接着層に接着させる工程とを備えた加飾品の製造方法である。
本発明の加飾シートは、接着させる基材の表面が並列した2つ以上の材質からなり、各々の接着させる面積が大きい基材の場合にでも適用でき、各基材に対して各接着層の位置を合わせてセットすることができる。従って、金属基材と成形樹脂、金属基材とガラスなどのセラミック基材、成形樹脂とガラスなどのセラミック基材など複合材料からなる筐体に対しても、その両方の材質上に位置を合わせて加飾できる効果がある。また、それ以外の複合材料に対しても、接着層の材質を適宜選択することで加飾できる効果がある。また、予め硬化させた接着層で位置合わせ検知パターンを形成すれば、特許文献1のような射出成形樹脂による接着層のゲート飛びを防止する目的の場合にも対応できる効果がある。
本発明に係る加飾シートの一実施例を示す図である。 本発明に係る加飾シートの別の一実施例を示す図である。 本発明に係る加飾シートを複合基材に載置した状態の一実施例を示す図である。 本発明に係る加飾シートを複合基材に載置した状態の別の一実施例を示す図である。 本発明に係る加飾シートの位置合わせ検知パターン部分を拡大し、光電センサーの投光部から発射した信号光が透明素材によって反射する光線を検知する概念図である。 本発明に係る加飾シートの位置合わせ検知パターン部分を拡大し、光電センサーの投光部から発射した信号光が透明素材によって吸収される光線の光量変化を検知する概念図である。
以下、本発明に係る加飾シート等について説明する。
図1を参照して、本発明に係る加飾シート10は、基体シート1の表面に並列した第1接着層3や第2接着層4などの2つ以上接着層が形成され、該接着層のいずれか1つが位置合わせ検知パターン7を含む加飾シートである。この場合、第1接着層の表面3aと第2接着層表面4aは、共に加飾シート10の表面に露出している。
図2を参照して、加飾シート10はこのように構成しても良い。すなわち、加飾シート10は、基体シート1の表面に第1接着層3や第2接着層4などの2つ以上接着層が形成され、第1接着層3上に第2接着層4が積層形成される部分5と第2接着層4が積層形成されない部分6、および第2接着層4と同時に形成される位置合わせ検知パターン7となる部分を含む加飾シートである。この場合も、第1接着層の表面3aと第2接着層表面4aは、共に加飾シート10の表面に露出している。
第1接着層3や第2接着層4は、例えば透明なガラスなどのセラミック基材、射出成形樹脂などのプラスチック基材、アルミニウム板などの金属基材など材質の異なる基材8および基材9等に接着させるための層であり、グラビア・オフセット・スクリーンなどの各種汎用印刷方法で形成できる。第1接着層3や第2接着層4の厚みは例えば0.2μm〜30μm程度が好ましい。第1接着層3や第2接着層4の材質としてはアクリル、ポリウレタン、エポキシ、ポリ塩化ビニル等の樹脂が挙げられ、透明であっても透明でなくてもよい。
但し、位置合わせ検知パターン7を含む方の接着層については、光電センサー21がその位置合わせ検知パターン7を検知できなければならないので不透明な材質の方が好ましい。それにもかかわらず位置合わせ検知パターン7を含む方の接着層を透明または薄い着色にする必要がある場合には、位置合わせ検知パターン7を含む方の接着層中に視外光線を反射遮蔽したり吸収したりする透明素材20を含有させておくとよい。
位置合わせ検知パターン7中に含有させる透明素材20としては、赤外線を反射遮断するスズ含有酸化インジウムやアンチモン含有酸化スズ等、紫外線を吸収する酸化亜鉛や酸化チタンなどがある。該透明素材20を含む位置合わせ検知パターン7に対して光電センサー21の投光部から赤外線または紫外線からなる光線22を信号光として発射し、透明素材20によって反射する光線23を受光部24で検出したり、透明素材20によって吸収される光線22の光量変化を受光部25で検出したりすることで、位置合わせ検知パターン7を検出するとよい。
本発明に係る加飾シート10には、上記以外の層として絵柄印刷層、金属蒸着パターン層、離型層、アンカー層、ハードコート層などの層を適宜形成してもよい。そして、基体シート1は加飾品のオーバーコート層として加飾品の一部となるよう構成してもよいし、加飾品から剥がして廃棄する所謂転写シートとして構成してもよい。
第1接着層3や第2接着層4と基材8および基材9との接着は、単に接着層上に基材を載せるだけの仮接着であってもよいし、熱や圧力等を加えて強固に接着させてもよい。また、基材8または基材9が成形樹脂の場合は成形と同時に接着させてもよい。
なお、特許文献1のように基材8と基材9とは同じ成形樹脂の材質であって、ゲート部のインキ流れ対策のために第1接着層3と第2接着層4とが材質は同じであるが硬化度に差異をつけるよう構成したい場合には、第1接着層3にのみ硬化剤を含有させておくとよい。
〔第1実施形態〕
[加飾シートを形成する工程]
本発明の第1実施形態による加飾シートと加飾品について説明する。
図1を参照して、厚み38μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムからなる基体シート1上にメラミン樹脂からなる離型層を形成し、次いでアクリル樹脂からなる絵柄印刷層2を形成し、次いで熱硬化剤が添加されたアクリル樹脂からなる第1接着層3をパターン形成し、次いで第1接着層3のパターンに並列して熱硬化剤が添加されていないアクリル樹脂からなる第2接着層4および位置合わせ検知パターン7を形成して、加熱処理をしてロール状の加飾シート10を作成した。そして、上記硬化剤が添加されていないアクリル樹脂中には、赤外線を反射遮蔽する透明素材20として該ウレタン樹脂に対して重量比で10%に該当する平均粒径20μmのスズ含有酸化インジウム粒子を含有させておいた。
[第1接着層のパターン部分が射出成形金型のゲート位置になるよう載置する工程]
図5を参照して、上記ロール状の加飾シート10を搬送装置に取り付け、搬送路には赤外線22を信号光として発射・検知する光電センサー21を取り付けて、位置合わせ検知パターン7中に含有される透明素材20によって反射する赤外線23を受光部24で検出して、搬送される加飾シート10が常時所定の位置で停止するよう設定した。そして、所定の位置で停止した加飾シート10の第1接着層3のパターン部上に、射出成形金型のゲート位置がくるよう載置した。
[加飾シートと射出成形樹脂とを積層する工程]
上記載置した後、射出成形金型を閉じ、溶融したポリカーボネート系樹脂からなる射出成形樹脂を射出成形金型に充填し、冷却後に該射出成形金型を開いて成形品を取り出し、基体シート1を離型層とともに剥がしたところ、ポリカーボネート系樹脂からなる基材8上に加飾がされた加飾品が得られた。該加飾品は従来技術ではゲート部の第2接着層4が溶融したポリカーボネート系樹脂によってインキ流れが起こって製造できないものであったが、本発明の加飾シートを用いたことで熱硬化した第1接着層3の作用によってインキ流れが防止されていた。
〔第2実施形態〕
本発明の第2実施形態による加飾シートと加飾品について説明する。加飾シート10は、接着層の層構造を除いては第1実施形態と構成を同じくするので、ここでは相違点のみを説明する。
図2を参照して、厚み38μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムからなる基体シート1上にメラミン樹脂からなる離型層を形成し、次いでアクリル樹脂からなる絵柄印刷層2を形成し、次いで熱硬化剤が添加されたアクリル樹脂からなる第1接着層3を全面に形成し、次いで熱硬化剤が添加されていないアクリル樹脂からなる第2接着層4および位置合わせ検知パターン7を抜きパターン形成して、加熱処理をしてロール状の加飾シート10を作成した。
また、加飾シート10を搬送装置に取り付けて載置する際には、加飾シート10の第2接着層4が形成されない第1接着層3だけの抜きパターン部6上に、射出成形金型のゲート位置がくるよう載置した。
〔第3実施形態〕
[加飾シートを作成する工程]
本発明の第3実施形態による加飾シートと加飾品について説明する。
図1を参照して、厚み38μmのポリエステルフィルムからなる基体シート1上に、各々グラビア印刷にて、メラミン樹脂からなる離型層を形成し、次いでアクリル樹脂からなる絵柄印刷層2を形成し、次いで塩化ビニル樹脂からなる第1接着層3をパターン形成し、次いで該第1接着層3のパターンに並列して透明なウレタン樹脂からなる第2接着層4および位置合わせ検知パターン7をパターン形成してロール状の加飾シート10を作成した。そして、上記透明なウレタン樹脂中には、紫外線を吸収する透明素材20として該ウレタン樹脂に対して重量比で15%に該当する平均粒径15μmの酸化亜鉛粒子を含有させておいた。
[金属と成形樹脂からなる複合基材を作成する工程]
マグネシウムがドープされた1mm厚の平滑なアルミニウム板を金属加工機でもって所定の形状に打ち抜き加工し、その端部および周辺部にレーザー光線を照射して、該照射部分が粗面となった金属インサート材を作成した。該金属インサート材を射出成形金型内に載置して、該金型を閉じ形成された金型キャビティ内にポリカーボネ―ト樹脂を射出して充填した。冷却後、金型を開き取り出したところ、表面が平滑なアルミニウム板からなる基材8とポリカーボネ―ト樹脂からなる基材9とからなる複合基材が作成できた。該複合基材はアルミニウム板の上記粗面部分にポリカーボネ―ト樹脂が食いついてアンカー効果により強固に接着していた。
[複合基材上に加飾シートを積層する工程]
図6を参照して、上記加飾シート10を搬送装置に取り付け、搬送路には紫外線22を信号光として発射する光電センサー21を取り付け、対面には加飾シートの位置合わせ検知パターン7中に含有される透明素材20によって吸収される紫外線22の光量変化を検出する受光部25を取り付けた。これにより該光量変化を検出することで位置合わせ検知パターン7を検出し、搬送される加飾シート10が常時所定の位置で停止するよう設定した。そして、所定の位置で停止した加飾シート10の第2接着層4上に基材8、第1接着層3上に基材9が載置された状態で(図3)、加熱されたシリコンパッドでもって熱圧を加えることによって第2接着層4と基材8、第1接着層3と基材9とを強固に接着させた後、基体シート1を離型層とともに剥がしたところ、複合基材上に加飾がされた加飾品が得られた。
〔第4実施形態〕
本発明の第4実施形態による加飾シートと加飾品について説明する。加飾シート10は、接着層の層構造を除いては第3実施形態と構成を同じくするので、ここでは相違点のみを説明する。
図2を参照して、厚み38μmのポリエステルフィルムからなる基体シート1上に、各々グラビア印刷にて、メラミン樹脂からなる離型層を形成し、次いでアクリル樹脂からなる絵柄印刷層2を形成し、次いで塩化ビニル樹脂からなる第1接着層3を全面に形成し、次いで透明なウレタン樹脂からなる第2接着層4および位置合わせ検知パターン7をパターン形成してロール状の加飾シート10を作成した。
〔第5実施形態〕
[加飾シートを作成する工程]
本発明の第5実施形態による加飾シートと加飾品について説明する。
図1を参照して、厚み38μmのポリエステルフィルムからなる基体シート1上に、各々グラビア印刷にて、メラミン樹脂からなる離型層を形成し、次いでアクリル樹脂からなる絵柄印刷層2を形成し、次いでウレタン樹脂からなる第1接着層3をパターン形成し、次いで該第1接着層3のパターンに並列して透明な熱硬化性エポキシ樹脂からなる第2接着層4および位置合わせ検知パターン7をパターン形成してロール状の加飾シート10を作成した。そして、上記透明な熱硬化性エポキシ樹脂中には、紫外線を吸収する透明素材20として該熱硬化性エポキシ樹脂に対して重量比で15%に該当する平均粒径15μmの酸化亜鉛粒子を含有させておいた。
[金属とガラスからなる複合基材を作成する工程]
マグネシウムがドープされた1mm厚の平滑なアルミニウム板を金属加工機でもって所定の形状に打ち抜き加工し、その端部および周辺部にレーザー光線を照射して、該照射部分が粗面となった金属基材を作成した。該金属基材をルツボに載置して、溶融したソーダガラスを充填し、冷却後、ルツボから取り出したところ、ソーダガラスからなる基材8と表面が平滑なアルミニウム板からなる基材9とからなる複合基材が作成できた。該複合基材はアルミニウム板の上記粗面部分にソーダガラスが食いついてアンカー効果により強固に接着していた。
[複合基材上に加飾シートを積層する工程]
図6を参照して、上記加飾シート10を搬送装置に取り付け、搬送路には紫外線22を信号光として発射する光電センサー21を取り付け、対面には加飾シートの位置合わせ検知パターン7中に含有される透明素材20によって吸収される紫外線22の光量変化を検出する受光部25が取り付けた。これにより該光量変化を検出することで位置合わせ検知パターン7を検出し、搬送される加飾シート10が常時所定の位置で停止するよう設定した。そして、所定の位置で停止した加飾シート10の第2接着層4上に基材8、第1接着層3上に基材9が載置された状態で(図3)、加熱されたシリコンパッドでもって熱圧を加えることによって第2接着層4と基材8、第1接着層3と基材9とを強固に接着させた後、基体シート1を離型層とともに剥がしたところ、複合基材上に加飾がされた加飾品が得られた。
〔第6実施形態〕
本発明の第6実施形態による加飾シートと加飾品について説明する。加飾シート10は、接着層の層構造を除いては第5実施形態と構成を同じくするので、ここでは相違点のみを説明する。
図2を参照して、厚み38μmのポリエステルフィルムからなる基体シート1上に、各々グラビア印刷にて、メラミン樹脂からなる離型層を形成し、次いでアクリル樹脂からなる絵柄印刷層2を形成し、次いでウレタン樹脂からなる第1接着層3を全面に形成し、次いで透明な熱硬化性エポキシ樹脂からなる第2接着層4および位置合わせ検知パターン7をパターン形成してロール状の加飾シート10を作成した。そして、上記透明な熱硬化性エポキシ樹脂中には、紫外線を吸収する透明素材20として該熱硬化性エポキシ樹脂に対して重量比で15%に該当する平均粒径15μmの酸化亜鉛粒子を含有させておいた。
〔第7実施形態〕
[加飾シートを作成する工程]
本発明の第7実施形態による加飾シートと加飾品について説明する。この加飾品は、2つの材質で構成された基材に加飾シートが固着した加飾品である。
図1を参照して、厚み125μmのアクリルフィルムからなる基体シート1上に、各々グラビア印刷にて、アクリル樹脂からなる絵柄印刷層2をパターン形成し、次いでアクリル樹脂からなる第1接着層3をパターン形成し、次いで第1接着層3のパターンに並列して透明な熱硬化性エポキシ樹脂からなる第2接着層4および位置合わせ検知パターン7をパターン形成してロール状の加飾シート10を作成した。そして、上記透明な熱硬化性エポキシ樹脂中には、赤外線を反射遮蔽する透明素材20として該熱硬化性エポキシ樹脂に対して重量比で10%に該当する平均粒径20μmのスズ含有酸化インジウム粒子を含有させておいた。
[第2接着層に基材を積層する工程]
図5を参照して、上記ロール状の加飾シート10を搬送装置に取り付け、搬送路には赤外線22を信号光として発射・検知する光電センサー21を取り付けて、位置合わせ検知パターン7中に含有される透明素材20によって反射する赤外線23を受光部24で検出して、搬送される加飾シート10が常時所定の位置で停止するよう設定した。そして、所定の位置で停止した加飾シート10の第2接着層4上に、1mm厚のアルミノケイ酸ガラスからなる基材8を載置し、加熱されたシリコンパッドでもって熱圧を加えることによって第2接着層4を十分に硬化させ、第2接着層4と基材8とが位置を合わせて強固に接着されたインサートシートが得られた。
[第1接着層に基材を積層する工程]
上記インサートシートを射出成形金型に付属する搬送装置に取り付け、搬送路には赤外線22を信号光として発射・検知する光電センサー21を取り付けて、インサートシートの位置合わせ検知パターン7中に含有される透明素材20によって反射する赤外線23を受光部24で検出して、搬送されるインサートシートが常時射出成形金型のキャビティ内の所定の位置で停止するよう設定した。そして、該射出成形金型を閉じ、溶融したアクリル系樹脂からなる射出成形樹脂が該射出成形金型に充填し、冷却後に該射出成形金型を開けば、射出成形と同時にインサートシートの第1接着層3上にアクリル系樹脂からなる基材9が積層され、加飾がされた加飾品が得られた。
アルミノケイ酸ガラスからなる基材8が2つ以上の材質で構成された基材のうちの1つであり、アクリル系樹脂からなる基材9が2つ以上の材質で構成された基材のうちの他の1つである。
〔第8実施形態〕
本発明の第8実施形態による加飾シート、加飾品について説明する。加飾シート10は、接着層の層構造を除いては第7実施形態と構成を同じくするので、ここでは相違点のみを説明する。
図2を参照して、厚み125μmのアクリルフィルムからなる基体シート1上に、各々グラビア印刷にて、アクリル樹脂からなる絵柄印刷層2をパターン形成し、次いでアクリル樹脂からなる第1接着層3を全面に形成し、次いで透明な熱硬化性エポキシ樹脂からなる第2接着層4および位置合わせ検知パターン7をパターン形成してロール状の加飾シート10を作成した。
なお、上記実施形態では、1つまたは2つの材質が表面に露出した基材と2つの接着層の場合で説明したが、3つ以上の材質が表面に露出した基材と3つ以上の接着層であってもよい。
本発明に係る加飾品は、電子機器の表示部を有する各種機器の筐体や、各種の内装品、外装品等に広く利用することができる。
1 基体シート
2 絵柄印刷層
3 第1接着層
3a 第1接着層の表面
4 第2接着層
4a 第2接着層の表面
5 第2接着層が積層形成される部分
6 第2接着層が積層形成されない部分
7 位置合わせ検知パターン
8 基材
9 基材
10 加飾シート
20 透明素材
21 光電センサー
22 投光部からの光線
23 透明素材によって反射した光線
24 反射光線を検出する受光部
25 透過光線の光量変化を検出する受光部

Claims (10)

  1. 基体シートと、
    前記基体シートの上に形成された2つ以上の接着層とを備え、
    前記接着層の各々は前記加飾シート表面に露出するように形成され、
    前記接着層のいずれか1つは位置合わせ検知パターンを含む、加飾シート。
  2. 前記接着層のいずれか1つは、他の接着層上に積層形成される部分と位置合わせ検知パターンとなる部分とを含む、請求項1記載の加飾シート。
  3. 前記接着層の各々は並列するように形成された、請求項1記載の加飾シート。
  4. 位置合わせ検知パターン層を含む前記接着層は透明又は薄い色であり、赤外線又は紫外線を、反射遮蔽又は吸収する材料を含む、請求項1から3のいずれかに記載の加飾シート。
  5. 前記接着層は、
    金属基材、成形樹脂基材及びセラミック基材のうちの1つと接着させるための第1接着層と、
    金属基材、成形樹脂基材及びセラミック基材のうちの他の1つと接着させるための第2接着層とを含む、請求項1から4のいずれかに記載の加飾シート。
  6. 基材と、
    前記基材の上に固着された請求項1から4に記載の加飾シートとを備えた加飾品。
  7. 2つ以上の材質で構成された基材と、
    前記基材の上に固着された請求項1から4に記載の加飾シートとを備え、
    前記材質の各々に対応した前記接着層の各々が接着された加飾品。
  8. 前記基材は、金属基材、成形樹脂基材及びセラミック基材のうちの2つの材質で構成され、
    前記接着層は前記基材の各々を接着させるための接着層である請求項7記載の加飾品。
  9. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の加飾シートの位置合わせ検知パターンを検知する工程と、
    前記加飾シートを前記基材上の所定の位置にセットする工程と、
    前記加飾シートの各接着層を前記基材上に接着させる工程とを含む加飾品の製造方法。
  10. 2つの材質で構成された基材に、請求項1から請求項5のいずれかに記載の加飾シートが固着した加飾品の製造方法であって、
    前記加飾シートの位置合わせ検知パターンを検知する工程と、
    前記加飾シートを前記基材のうちの1つの上の所定の位置にセットする工程と、
    前記基材のうちの1つに対応した前記接着層を前記基材のうちの1つの上に接着させる工程と、
    前記基材のうちの1つが接着した加飾シートの位置合わせ検知パターンを検知する工程と、
    前記基材のうちの1つが接着した加飾シートを射出成形金型の所定の位置にセットする工程と、
    前記射出成形金型内に溶融樹脂を射出し、冷却・固化して、前記基材のうちの他の1つを成形すると同時に、前記基材のうちの他の1つに対応した接着層に接着させる工程とを備えた加飾品の製造方法。
JP2012252919A 2012-11-19 2012-11-19 加飾シート、加飾品及びその製造方法 Pending JP2014100823A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2018030334A1 (ja) * 2016-08-08 2018-02-15 大日本印刷株式会社 転写シート、転写シートの製造方法、及び加飾成形品の製造方法
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JP2018034495A (ja) * 2016-08-30 2018-03-08 大日本印刷株式会社 転写シート、転写シートの製造方法、及び加飾成形品の製造方法
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