JP2014100808A - ヒータの断線・劣化判定方法および射出成形機 - Google Patents

ヒータの断線・劣化判定方法および射出成形機 Download PDF

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Abstract

【課題】温度制御に悪影響を与えずに、ヒータ毎の断線や劣化状態を精度良く判定する方法を提供する。
【解決手段】
射出成形機の複数枚のヒータ(2)は、ヒータ電源(5)から給電し、個別に設けられているスイッチ(4)によって独立してPWM制御する。電流センサ(6)をヒータ電源(5)に設ける。PWM制御の制御周期においてONになっているヒータ(2)が1枚だけのタイミングにおいて、電流センサ(6)によってこのヒータ(2)のヒータ電流を得る。そしてヒータ電流が、このヒータ(2)に予め設定されている電流しきい値よりも小さいときにヒータ(2)が断線している、あるいは劣化していると判定する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、射出成形機の加熱シリンダを加熱するヒータの、断線や劣化状態を判定するヒータの断線・劣化判定方法、およびそのような方法が実施される射出成形機に関するものである。
射出成形機の加熱シリンダには、複数枚のヒータが巻かれており、通電することによって加熱シリンダを加熱できるようになっている。また加熱シリンダには複数本の温度センサも設けられている。射出材料を効率よく溶融し、そして射出に適した粘度に調整するために、加熱シリンダは各位置において所望の温度になるように制御されている。具体的に説明すると、各ヒータには電流の供給をスイッチングするソリッドステートリレーあるいは電磁接触器が設けられ、コントローラからの指令によってON/OFFされるようになっている。このON/OFFはPWM制御によって実施され、制御周期に対して電流を供給する通電時間の占める割合、すなわちデューティー比を調整することによってヒータへの電力供給を調整するようになっている。コントローラには温度センサからの信号が入力され、フィードバック制御によって加熱シリンダの各位置が所定の温度になるようにヒータへの電力供給が調整されている。このようなヒータは、長時間使用すると劣化して断線する。断線したら交換する必要がある。
ヒータの断線を検出する方法として、ヒータに電力を供給するヒータ回路のそれぞれに電流センサを設け、電流を常時監視する方法が周知である。電流が検出されなくなったらヒータが断線したと判断することができ、確実にヒータの断線を判断できるが、電流センサはヒータ回路毎、つまりヒータ毎に必要になる。
特開2000−071306号公報
ヒータの断線を検出する他の方法が、本出願人によって特許文献1によって提案されている。特許文献1に記載の方法によると、電流センサは共通の電流センサを1箇所にのみ、つまりヒータへの電力の供給線にのみ設けるようにして、個々のヒータ回路には設けない。そして断線を検査するときには1枚のヒータのみに通電するようにして、共通の電流センサによって電流値を測定する。そして順次通電するヒータを切り替え、それぞれのヒータの電流値を測定する。コントローラには各ヒータの正常時に測定された電流値が記憶されており、測定した電流値を正常時の電流と比較することによって断線の有無を判断する。
従来の、ヒータ回路毎に電流センサを設ける方法も、特許文献1に記載の方法も、いずれもヒータの断線を確実に検出することができ優れてはいる。しかしながら解決すべき問題も見受けられる。具体的には従来の方法においては、全てのヒータ回路に電流センサが必要になるので射出成形機のコストが高くなってしまうという問題がある。特に大型の射出成形機においてはヒータの枚数が多いのでコスト高になる。電流センサの個数が多いと配線が複雑になる問題もあるし、それだけ電流センサが故障する頻度も高くなってしまう。特許文献1に記載の方法においては、ヒータの断線の検出は運転中、つまり温度制御中に実施することになるが、ソリッドステートリレーや電磁接触器のON/OFFを温度制御と無関係に実施することになり、制御の外乱になって温度制御に悪影響がでるという問題がある。仮にヒータの断線の検出を実施する頻度を小さくすれば、温度制御に対する影響は小さくすることができるが、このようにするとヒータの断線の発見が遅れてしまう。さらにはソリッドステートリレーや電磁接触器のON/OFFは、温度制御の目的以外でも実施することになり、その分だけ寿命に影響する。また従来の方法においても、特許文献1に記載の方法においても、検出できるのがヒータの断線のみという点にも問題が見受けられる。つまりヒータの劣化を事前に判定できないので、代替品のヒータを用意することができない。そうするとヒータが断線したときに、射出成形機の長期間の停止が避けられない。仮に全ての種類のヒータを予備で用意しておけば、断線したヒータを速やかに交換できるので長期間の運転停止は避けることができるかも知れない。しかしながら計画に無いタイミングで射出成形機を停止しなければならないことには変わりがないので、生産計画に支障が出る。また一定数のヒータの予備を必ずストックしておかなければならず不経済でもある。
本発明は、上記したような問題点を解決した、ヒータの断線・劣化判定方法および射出成形機を提供することを目的としており、具体的には、コストが小さいにも拘わらず、温度制御に悪影響を与えることなしに、ヒータ毎の断線や劣化状態を精度良く判定することができるヒータの断線・劣化判定方法および射出成形機を提供することを目的としている。
本発明は、上記目的を達成するために、複数枚のヒータを備え、これらのヒータが共通の電源であるヒータ電源から給電されるようになっている射出成形機のヒータの断線・劣化判定方法として構成される。これらのヒータは、制御周期におけるON時間の比率であるデューティー比が個別に調整されて、個別に設けられているスイッチによって独立してPWM制御されるものとする。また電流センサはヒータ電源に設けるようにする。本発明の方法は、制御周期においてONになっているヒータが1枚だけのタイミングにおいて、電流センサによってこのヒータのヒータ電流を得る。そしてヒータ電流が、このヒータに予め設定されている電流しきい値よりも小さいときにヒータが断線している、あるいは劣化していると判定する。
かくして、請求項1に記載の発明は、上記目的を達成するために、制御周期におけるON時間の比率であるデューティー比が個別に調整されて、個別に設けられているスイッチによって独立してPWM制御される複数枚のヒータが、共通のヒータ電源から給電されるようになっている射出成形機において、前記制御周期においてONになっているヒータが1枚だけのタイミングにおいて、前記ヒータ電源において電流を測定してヒータ電流を得、前記ヒータに設定されている電流しきい値と前記ヒータ電流とを比較して前記ヒータの断線・劣化を判定することを特徴とする射出成形機のヒータの断線・劣化判定方法として構成される。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の方法において、前記PWM制御は前半ON型制御と後半ON型制御の2種類からなり、前記前半ON型制御は、前記制御周期の開始時にONし、そして前記デューティー比に相当するON時間後にOFFするように制御し、前記後半ON型制御は、前記制御周期の開始時にOFFし、そして所定のタイミングでONして前記制御周期の終了時に前記デューティー比に相当するON時間が得られるように制御し、前記複数枚のヒータのうち1枚のヒータは前記前半ON型制御と前記後半ON型制御のうちの一方の制御を実施し、そして他のヒータは他方の制御を実施し、それによって前記制御周期において前記1枚のヒータのみがONになるタイミングを設け、ヒータの断線・劣化を判定することを特徴とする射出成形機のヒータの断線・劣化判定方法。
請求項3に記載の発明は、ヒータ電源から給電されてPWM制御によって所定のデューティー比で電流がON/OFFされる複数枚のヒータと、前記ヒータ電源に設けられている電流センサとを備え、請求項1または2に記載のヒータの断線・劣化判定方法が実施されることを特徴とする射出成形機として構成される。
以上のように、本願発明によると、制御周期におけるON時間の比率であるデューティー比が個別に調整されて、個別に設けられているスイッチによって独立してPWM制御される複数枚のヒータが、共通のヒータ電源から給電されるようになっている射出成形機の、ヒータの断線・劣化判定方法として構成されている。すなわち一般的なPWM制御が実施される射出成形機を対象とし、実質的に全ての射出成形機が対象になる。そして本願発明によると、制御周期においてONになっているヒータが1枚だけのタイミングにおいて、ヒータ電源において電流を測定してヒータ電流を得、ヒータに設定されている電流しきい値とヒータ電流とを比較してヒータの断線・劣化を判定するので、少なくとも3つの効果が得られる。第1の効果は、電流をヒータ電源において測定すればいいので電流センサを共通化できる点である。従って、コストを小さくすることができる。第2の効果は、ヒータ電流を電流しきい値と比較するだけなので判定基準がシンプルである点である。つまり電流しきい値より小さい場合には断線している、あるいは劣化していると判定することができる。そして第3の効果はPWM制御を妨げることなく、判定できる点である。つまりPWM制御の制御周期の中でONになっているヒータが1枚だけのタイミングを見つけ、このヒータについて判定するようにするのでPWM制御の外乱にはならない。これによって温度制御に影響を与えない。ところでこの方法においては制御周期において1枚だけONになっているヒータが判定の対象になっているので、ヒータによっては判定の対象にならない場合もあり得る。しかしながら、劣化が進んだヒータは、徐々に抵抗値が大きくなってヒータ電流が低下してくるので所望の発熱量を得るには必然的にデューティー比が大きくなってくる。これによって制御周期のなかにおいて、劣化が進んだヒータだけがONになっているタイミングが生じやすい。つまりヒータの劣化が進むと、判定対象のヒータになり易く、格別に問題はない。
他の発明によると、PWM制御は前半ON型制御と後半ON型制御の2種類からなり、前半ON型制御は、制御周期の開始時にONし、そしてデューティー比に相当するON時間後にOFFするように制御し、後半ON型制御は、制御周期の開始時にOFFし、そして所定のタイミングでONして制御周期の終了時にデューティー比に相当するON時間が得られるように制御する。そして複数枚のヒータのうち1枚のヒータは前半ON型制御と後半ON型制御のうちの一方の制御を実施し、そして他のヒータは他方の制御を実施し、それによって制御周期において1枚のヒータのみがONになるタイミングを設けている。つまり任意の1枚のヒータを他のヒータの制御と異なる方法で制御するようにすると、制御周期の開始直後あるいは終了直前のいずれかにおいて、必ずこの1枚のヒータだけがONするタイミングを得ることができる。そうするとこの1枚のヒータについて確実に断線・劣化判定を実施することができることになる。各ヒータについて制御の方法を適宜切り替えることによって、全てのヒータについて断線・劣化判定を行うことができる。なお、前半ON型制御も、後半ON型制御も、デューティー比には影響しないので制御を切り替えても温度制御に影響を与える心配はない。
本発明の実施の形態に係る射出成形機を模式的に示す図である。 本実施の形態において、PWM制御されるヒータのON/OFF状態を示すグラフである。 PWM制御されるヒータのON/OFF状態を示すグラフである。 本実施の形態において、PWM制御されるヒータのON/OFF状態を示すグラフであり、その(ア)(イ)はPWM制御の異なる方法で制御される1枚のヒータのON/OFF状態を示すグラフであり、その(ウ)は複数のヒータのON/OFF状態を示すグラフである。
以下、本実施の形態について説明する。本実施の形態に係るヒータの断線・劣化判定方法は、実質的に全ての射出成形機において実施が可能であり、射出成形機に設けられているコントローラにこの機能を付加すれば、すなわちプログラムを追加すれば実施できるようになっている。本実施の形態に係る射出成形機も、従来の一般的な射出成形機と同様に、射出材料を溶融して射出する射出装置、金型を型締めする型締装置、等から構成されている。図1には、射出装置を構成している加熱シリンダ1が模式的に示されている。
加熱シリンダ1には、つまり加熱シリンダ本体と射出ノズルとには、複数枚のヒータ2、2、…が巻かれて加熱できるようになっている。これらのヒータ2、2、…には、個別にスイッチ4、4、…が設けられ、共通のヒータ電源5からの電流が独立してON/OFFされるようになっている。スイッチ4、4、…はソリッドステートリレーすなわちSSR、電磁接触器等からなり、高速にON/OFFできるようになっている。
本実施の形態において、ヒータ2a、2b、…に流れる電流つまりヒータ電流は適宜測定され、ヒータの断線や劣化状態が判定される。このヒータ電流を測定する電流センサ6は、ヒータ電源5近傍に設けられている。より詳しく説明すると、本実施の形態においてヒータ電源は3相交流電流からなるので、電流センサ6は各相に1個ずつ、つまり3個だけ設けられている。このような電流センサ6によって各ヒータ2a、2b、…のヒータ電流を測定するようになっている。
本実施の形態に係る加熱シリンダ1にも、温度センサ7が埋め込まれている。図1には温度センサ7は1本しか示されていないが、必要に応じて複数本の温度センサ7が設けられている。温度センサ7の信号線は、射出成形機のコントローラ8に接続され、コントローラ8に温度が入力されるようになっている。具体的にはコントローラ8の温度制御器9に測定値の温度が入力される。温度制御器9は図1において1個しか示されていないが、ヒータ2a、2b、…の個数と同数設けられ、それぞれのヒータ2a、2b、…は独立して制御されるようになっている。
本実施の形態に係る射出成形機も、他の一般的な射出成形機と同様に加熱シリンダ1の温度をPWM制御によって温度制御している。すなわちコントローラ内において、温度制御器9が、予め設定されている目標温度と測定値の温度の偏差を得、偏差が少なくなるようにヒータ2への電流の供給の割合を決定する。つまりPWM制御の制御周期におけるON時間の割合、すなわちデューティー比を決定する。PWM制御器11は、決定されたデューティー比に従ってスイッチ4、4、…をON/OFFする。
本実施の形態に係る射出成形機においては、各ヒータ2a、2b、…におけるヒータ電流を測定し、これを元に断線や劣化状態の判定をする。このような処理を行う機能ブロックがコントローラ8に設けられ、図1においてヒータ断線判断13として示されている。またヒータ断線判断13は、コントローラ8の内部メモリに設けられているヒータ情報14から、各ヒータ2a、2b、…の電流しきい値を取得できるようになっている。この電流しきい値はヒータ2a、2b、…の断線や劣化状態を判定するための基準であり、ヒータ2a、2b、…に流れるヒータ電流の許容最低値になっている。このような電流しきい値が予めヒータ情報14に格納されている。なお、これらの電流しきい値は、各ヒータ2a、2b、…の定格電流値を参考にして決定されている。あるいは各ヒータ2、2b、…の使用開始初期に測定した、劣化していない状態におけるヒータ電流を参考にして決定されている。
以下、本実施の形態に係るヒータの断線・劣化判定方法について説明する。本実施の形態に係る射出成形機において加熱シリンダ1を温度制御する。すなわち温度制御器9において目標温度と温度センサ7の測定温度との偏差を得、各ヒータ2a、2b、…におけるデューティー比を調整する。調整されたデューティー比に基づいてPWM制御器11がスイッチ4、4、…をON/OFFしてヒータ2a、2b、…に電流を供給する。図2には、PWM制御の所定の制御周期における各ヒータ2a、2b、…の電流のON/OFF状態が示されている。いずれのヒータ2a、2b、…も制御周期の開始時にONされ、それぞれのデューティー比に基づいて制御周期の途中でOFFされている。つまり制御周期の開始時には全てのヒータ2a、2b、…がONされているが、次第にONされているヒータ2a、2b、…の枚数が減って、最後は1枚のヒータのみONされた状態になる。図2においては、時間t1においてヒータ2dのみがONされている。本実施の形態においては、このようにONになっているヒータが1枚だけのタイミングにおいて、そのヒータを判定対象のヒータとする。時間t1においてヒータ断線判断13は、温度センサ6で測定される電流値を得る。時間t1において給電されているのはヒータ2dだけであるので、電流値はヒータ2dのヒータ電流Idを表す。判定対象のヒータ2dに対応する電流しきい値をヒータ情報14から読み込んで、ヒータ電流Idをこの電流しきい値と比較する。ヒータ電流Idが電流しきい値よりも小さい場合、ヒータ2dは断線している、あるいは劣化した状態であると判定する。必要に応じてコントローラ8は警報を発する。
本実施の形態に係るヒータの断線・劣化判定方法においては、他のヒータ2a、2b、…に比して大きいデューティー比で制御されているヒータしか判定対象とすることができない。従って全てのヒータ2a、2b、…の判定ができないので、不十分であるようにも見える。しかしながら、劣化したヒータについてはこの方法によってほぼ確実に劣化判定できる。一般的にヒータHは、図3において符号20のグラフ示されているように、使用開始初期の劣化していない状態においてはヒータ電流Ifは大きい。ヒータ電流Ifが大きいので発熱量が大きく、制御周期におけるON時間は短くて済む。つまりデューティー比は小さい。しかしながら長時間使用して劣化すると符号21のグラフで示されているように、ヒータHのヒータ電流I’は低下してくる。つまり電流しきい値Isに近づく。そうすると必要な発熱量を確保するために制御周期におけるON時間が長くなる。つまりデューティー比が大きくなる。これによって、判定対象のヒータになることになる。つまりヒータ2a、2b、…が劣化すると、自然とデューティー比が大きくなって判定対象のヒータになるので、劣化したヒータはほぼ確実に断線・劣化判定できることになる。
次に第2の実施の形態に係るヒータの断線・劣化判定方法について説明する。この方法も前実施の形態に係る方法と同様に、制御周期においてONになっているヒータが1枚だけのタイミングにおいて、そのヒータを判定対象として断線・劣化判定をするが、この方法においては任意のヒータに対して、1枚だけONになるタイミングが生じるようにする。これによって全てのヒータ2a、2b、…について断線・劣化判定方法を実施することができる。第2の実施の形態に係る方法を実施する上で、PWM制御として2種類の制御方法、つまり前半ON型制御と、後半ON型制御を用意する。前半ON型制御は、図4の(ア)に示されているように制御周期の開始時にONし、デューティー比に応じてOFFする制御方法である。この前半ON型制御では、制御周期の終了直前にはOFFされた状態になっている。これに対して後半ON型制御は、図4の(イ)に示されているように制御周期の開始時にOFFし、所定のタイミングでONして制御周期の終了時にちょうどON時間がデューティー比に対応するように制御する。つまり後半ON型制御では制御周期の終了直前はONされた状態になる。
第2の実施の形態に係るヒータの断線・劣化判定方法においては、任意のヒータ2a、2b、…について判定対象とすることができる。判定対象としてヒータ2cを選択した場合、ヒータ2cについては後半ON型制御で、他のヒータ2a、2b、…については前半ON型制御で温度制御するようにする。そうすると、図4の(ウ)に示されているように、制御周期の終了直前の時間t2において、判定対象のヒータ2cだけがONした状態になる。この状態で電流センサ7において測定される電流はヒータ2cのヒータ電流Icになる。ヒータ断線判断13は、ヒータ電流Icをヒータ情報14から得られる電流しきい値と比較して、ヒータの断線・劣化判定を行う。他のヒータ2a、2b、…について判定対象にする場合は、その判定対象のヒータのみ後半ON型制御で制御し、他のヒータは前半ON型制御で制御する。以下同様にヒータの断線・劣化判定を実施する。
第2の実施の形態に係るヒータの断線・劣化判定方法においては、判定対象のヒータを後半ON型制御で、他のヒータを前半ON型制御で制御するように説明したが、逆にしてもよい。つまり判定対象のヒータを前半ON型制御で、他のヒータを後半ON型制御で制御するようにする。このようにすると制御周期の開始直後に判定対象のヒータだけがONした状態になる。これによってヒータ電流を測定でき、ヒータの断線・劣化判定を実施することができる。
1 加熱シリンダ 2 ヒータ
4 スイッチ 5 ヒータ電源
6 電流センサ 7 温度センサ
8 コントローラ 9 温度制御器
13 ヒータ断線判断 14 ヒータ情報

Claims (3)

  1. 制御周期におけるON時間の比率であるデューティー比が個別に調整されて、個別に設けられているスイッチによって独立してPWM制御される複数枚のヒータが、共通のヒータ電源から給電されるようになっている射出成形機において、
    前記制御周期においてONになっているヒータが1枚だけのタイミングにおいて、前記ヒータ電源において電流を測定してヒータ電流を得、前記ヒータに設定されている電流しきい値と前記ヒータ電流とを比較して前記ヒータの断線・劣化を判定することを特徴とする射出成形機のヒータの断線・劣化判定方法。
  2. 請求項1に記載の方法において、前記PWM制御は前半ON型制御と後半ON型制御の2種類からなり、
    前記前半ON型制御は、前記制御周期の開始時にONし、そして前記デューティー比に相当するON時間後にOFFするように制御し、
    前記後半ON型制御は、前記制御周期の開始時にOFFし、そして所定のタイミングでONして前記制御周期の終了時に前記デューティー比に相当するON時間が得られるように制御し、
    前記複数枚のヒータのうち1枚のヒータは前記前半ON型制御と前記後半ON型制御のうちの一方の制御を実施し、そして他のヒータは他方の制御を実施し、それによって前記制御周期において前記1枚のヒータのみがONになるタイミングを設け、ヒータの断線・劣化を判定することを特徴とする射出成形機のヒータの断線・劣化判定方法。
  3. ヒータ電源から給電されてPWM制御によって所定のデューティー比で電流がON/OFFされる複数枚のヒータと、前記ヒータ電源に設けられている電流センサとを備え、請求項1または2に記載のヒータの断線・劣化判定方法が実施されることを特徴とする射出成形機。
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