本発明の第1の態様は、電動注入器シリンジのクランプアセンブリ(以下、「クランプアセンブリ」と称される)によって具現化される。クランプアセンブリは、第1のRFIDリーダアンテナを有する第1のクランプ部材を含む。第1のクランプ部材は、クランプアセンブリの開放および閉鎖構成を画定することを少なくとも補助するように移動可能である。第1のクランプ部材をある位置に移動させることは、クランプアセンブリの開放構成と関連し得る(例えば、電動注入器シリンジがクランプアセンブリ内に設置されること、またはそこから除去されることを可能にするため)。第1のクランプ部材を別の位置に移動させることは、クランプアセンブリの閉鎖構成と関連していてもよい(例えば、クランプアセンブリが、設置された電動注入器シリンジと近接して離間した関係で係合するおよび/または配置される場合、クランプアセンブリが、設置された電動注入器シリンジを少なくともいくつかの方式で拘束する場合)。
本発明の第1の態様に関連して記述される特徴の種々の改良点が存在する。さらなる特徴も、本発明の上記の第1の態様に組み込まれてもよい。これらの改良点および追加特徴は、個別に、または任意の組み合わせで存在してもよい。第1のクランプ部材は、(例えば、それぞれ、電動注入器シリンジのクランプアセンブリの開放および閉鎖構成の)第1の位置と第2の位置との間を含む、任意の適切な方式で移動させられてもよい。一実施形態において、第1のクランプ部材は、旋回運動を利用することができる。例えば、第1のクランプ部材は、第1の旋回ピンに載置されてもよい。第1のRFIDリーダアンテナへの電力は、この第1の旋回ピンを通って提供されてもよい。
上記第1の旋回ピンは、導電性材料または材料の組み合わせで形成されてもよく、第1のRFIDリーダアンテナと任意の適切な方式で電気的に相互接続されてもよい。例えば、1つ以上の電気トレース、ワイヤ等が、第1のRFIDリーダアンテナから第1の旋回ピンに延在することができる。別のオプションは、(例えば、少なくとも概して「ポゴピン」等の形態である)1つ以上の移動可能な電気接点を、(例えば、ばね等の、任意の適切な種類の1つ以上の付勢部材を介して)第1の旋回ピンと係合するように付勢させることであり、各々のそのような電気接続は、第1のRFIDリーダアンテナと任意の適切な方式で(例えば、第1のRFIDリーダアンテナから関連する移動可能な電気接点に延在する1つ以上の電気トレース、ワイヤ等を介して)電気的に相互接続されてもよい。第1のクランプ部材が、互いに離間した第1および第2のRFIDリーダアンテナ部を含む場合、1)第1の旋回ピンは、第1の絶縁部および第1の導電部対を含んでもよく、第1の絶縁部は、第1の旋回ピンによって画定される旋回軸に沿って前進する第1の導電部対の2つの部材の間に配置される(枢同軸は第1の旋回ピンの長さ寸法と同じ)、2)第1の導電部対の部材のうちの1つ(第1の旋回ピン)は、第1のRFIDリーダアンテナ部と(例えば、第1の旋回ピンと係合するように付勢される第1の移動可能な電気接点を介して)電気的に相互接続されてもよい、3)第1の導電部対の部材のうちの他方(第1の旋回ピン)は、第2のRFIDリーダアンテナ部と(例えば、第1の旋回ピンと係合するように付勢される第2の移動可能な電気接点を介して)電気的に相互接続してもよい。
電動注入器シリンジのクランプアセンブリは、第2のクランプ部材をさらに含んでもよい。この第2のクランプ部材は、固定位置で維持されてもよい(例えば、不動部材)。別のオプションは、第2のクランプ部材が移動可能な構造であることである。第2のクランプ部材は、クランプアセンブリの開放構成と関連するある位置に移動されてもよい(例えば、電動注入器シリンジがクランプアセンブリ内に設置されること、またはそこから除去されることを可能にするため)。第2のクランプ部材は、クランプアセンブリの閉鎖構成と関連する別の位置に移動されてもよい(例えば、第1および第2のクランプ部材が、設置された電動注入器シリンジと近接して離間した関係で係合するおよび/または配置される場合、クランプアセンブリが、設置された電動注入器シリンジを少なくともいくつかの方式で拘束する場合)。第1および第2のクランプ部材は独立して移動可能であってもよく、第1および第2のクランプ部材は、(例えば、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類の単一のアクチュエータの動作を介して)同時に移動されてもよく、第1および第2のクランプ部材は連続的に移動されてもよく、またはそれらの組み合わせであってもよい。一実施形態において、第1および第2のクランプ部材は、少なくとも、概して、共通の軸の周囲で移動する。
第2のクランプ部材は、(例えば、それぞれ、電動注入器シリンジのクランプアセンブリの開放構成および閉鎖構成の)第3の位置と第4の位置の間を含む、任意の適切な方式で移動させられてもよい。一実施形態において、第2のクランプ部材は、旋回運動を利用することができる。例えば、第2のクランプ部材は、第2の旋回ピンに載置されてもよい。第2のクランプ部材によって組み込まれたRFIDリーダアンテナ(例えば、第1のRFIDリーダアンテナの一部、別個の第2のRFIDリーダアンテナ)への電力は、例えば、第1の旋回ピンに関連して上述したのと同じ方式で、この第2の旋回ピンを通して提供されてもよい。
第1および第2のクランプ部材は、対向関係で配置されると特徴付けられてもよい。例えば、第1のクランプ部材および第2のクランプ部材は、設置された電動注入器シリンジの長さ寸法に沿った共通の場所に配置されてもよく、第1のクランプ部材は、少なくとも概して電動注入器シリンジの円周の約2分の1に沿って延在し、第2のクランプ部材は、少なくとも概して電動注入器シリンジの円周のおよそ反対側の半分に沿って延在する。他の構成が適切であってもよい。
第1のRFIDリーダアンテナは、完全に第1のクランプ部材上に配置されてもよい。別のオプションは、第1のRFIDリーダアンテナの第1の部分が完全に第1のクランプ部材上に配置され、第1のRFIDリーダアンテナの第2の部分が完全に第2のクランプ部材上に配置されることである。この場合、第1および第2の部分は、(例えば、クランプアセンブリがその閉鎖構成にあるときに)集合的に単一の第1のRFIDリーダアンテナとして機能することができる。またクランプアセンブリは、第2のRFIDリーダアンテナを含むことができ、第1のRFIDリーダアンテナは、完全に第1のクランプ部材上に配置され、第2のRFIDリーダアンテナは、完全に第2のクランプ部材上に配置され、第1および第2のRFIDリーダアンテナは、自律的または独立的に動作可能である。
電動注入器シリンジのクランプアセンブリは、任意の適切な配置で配置される単一のクランプ部材または複数のクランプ部材を含む、任意の適切な数のクランプ部材を含むことができる。第1のクランプ部材に加えた各々のそのようなクランプ部材は、1)移動可能な構造であってもよいか、または静止したままであってもよい、2)RFIDリーダアンテナを含むか、または含まなくてもよい(そのようなRFIDリーダアンテナの全部または一部のみを含む場合を含む)、3)それらのすべての組み合わせを含む。
クランプアセンブリによって利用される各RFIDリーダアンテナは、任意の適切な場所でクランプ部材に組み込まれてもよい。一実施形態において、RFIDリーダアンテナは、(例えば、それがクランプアセンブリ内に位置し、クランプアセンブリがその閉鎖構成にあるときに)設置された電動注入器シリンジの筒に向かって突出するクランプ部材の表面に組み込まれる。別の実施形態において、RFIDリーダアンテナは、(例えば、それがクランプアセンブリ内に位置し、クランプアセンブリがその閉鎖構成にあるときに)設置された電動注入器シリンジのフランジに向かって突出するクランプ部材の表面上に組み込まれる。このフランジは、設置された電動注入器シリンジの近位端またはその付近に配置されてもよく、放出ノズルは、電動注入器シリンジの遠位端またはその付近に配置されてもよい。
電力は、電動注入器シリンジのクランプアセンブリのクランプ部材によって組み込まれたRFIDリーダアンテナに任意の適切な方式で提供されてもよい。例えば、また上述したように、電力は、クランプ部材が載置されてもよい旋回ピンを通してRFIDリーダアンテナに提供されてもよい。別のオプションは、可撓性コネクタを利用することである。さらに別のオプションは、クランプアセンブリをその開放構成から閉鎖構成に変更するときにクランプ部材が移動する経路内に、(任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類の)少なくとも1つの電気接点を配置することである。各クランプ部材は、それ自体の電気接点の「セット」を有することができる(各々のそのような「セット」は、少なくとも1つの電気接点を含む)。一対の隣接するクランプ部材は、少なくとも1つの共通の電気接点を共有することができる。例えば、そのような一対のうちの1つまたは両方のクランプ部材は、クランプアセンブリをその閉鎖構成内に配置し、共通の電気接点または一連の複数の電気接点に係合するように、移動することができる。
電動注入器シリンジのクランプアセンブリの各RFIDリーダアンテナは、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類のアンテナであってもよい。各RFIDリーダアンテナを電動注入器シリンジのクランプアセンブリと一体化する任意の方法もまた、利用されてもよい。一実施形態は、電動注入器シリンジのクランプアセンブリの少なくとも1つのクランプ部材内に成形されるRFIDリーダアンテナを有する。別の実施形態は、電動注入器シリンジのクランプアセンブリの少なくとも1つのクランプ部材上に直接印刷されるRFIDリーダアンテナを有する。さらに別の実施形態は、適切な基板上に印刷されるRFIDリーダアンテナを有し、この基板は、次いで、電動注入器シリンジのクランプアセンブリの少なくとも1つのクランプ部材に積層されるか、または他の方法で接着される。
電動注入器シリンジのクランプアセンブリは、任意の適切な電動注入器によって利用されてもよく、また任意の適切な方式で一体化されてもよい。一実施形態において、シリンジのクランプアセンブリは、電動注入器のパワーヘッド上に載置される。別の実施形態において、シリンジのクランプアセンブリは、一方で電動注入器のパワーヘッドに(例えば、手で、またはいずれのツールも使用せずに)着脱可能に載置されてもよい面板の構造内に組み込まれる。さらに別の実施形態において、シリンジのクランプアセンブリは、一方で電動注入器のパワーヘッドに載置されるアダプタの構造内に組み込まれる。
本発明の第2の態様は、電動注入器シリンジ、シリンジプランジャ駆動アセンブリ、第1のクランプ部材、および第1のRFIDリーダアンテナを含む、電動注入器によって具現化される。電動注入器シリンジは、シリンジ筒、シリンジ筒内に配置され、かつシリンジ筒に対して移動可能であるプランジャ、および少なくとも1つのRFIDタグを含む。シリンジプランジャ駆動アセンブリは、シリンジプランジャと相互作用して、同プランジャを少なくとも1つの方向に移動させる(例えば、電動注入器シリンジから流体を放出するため)。第1のクランプ部材は、(例えば、第1のクランプ部材を含むクランプアセンブリの開放構成と関連してもよい第1の位置(例えば、電動注入器シリンジが電動注入器のパワーヘッドに設置されること、またはそこから除去されることを可能にするため)と記述のクランプアセンブリの閉鎖構成と関連し得る第2の位置(例えば、各クランプ部材が、設置された電動注入器シリンジと近接して離間した関係で係合するおよび/または配置される)との間で)移動可能である。少なくとも1つのRFIDリーダアンテナが、第1のクランプ部材によって組み込まれる。
本発明の第2の態様に関連して記述される特徴の種々の改良点が存在する。さらなる特徴も、本発明の第2の態様に組み込まれ得る。これらの改良点および追加特徴は、個別に、または任意の組み合わせで存在し得る。最初に、電動注入器は、第1の態様に関連して上述した電動注入器シリンジのクランプアセンブリを利用することができ、第2の態様の第1のクランプ部材は第1の態様の第1のクランプ部材と同じである。この電動注入器シリンジのクランプアセンブリは、任意の適切な方式で電動注入器内と一体化されてもよい。一実施形態において、シリンジのクランプアセンブリは、電動注入器のパワーヘッド上に載置される。別の実施形態において、シリンジのクランプアセンブリは、一方で、電動注入器のパワーヘッドに(例えば、手で、またはいずれのツールも使用せずに)着脱可能に載置されてもよい面板の構造内に組み込まれる。さらに別の実施形態において、シリンジのクランプアセンブリは、一方で、電動注入器のパワーヘッドに載置されるアダプタの構造内に組み込まれる。
電動注入器シリンジは、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類のシリンジであってもよい(例えば、事前充填(既に流体が充填された状態のシリンジが最終使用設備に送達される)、空(おそらくは空気または任意の他の適切な気体もしくは気体の組み合わせで「充填」され、所望の流体が最終使用設備でシリンジに搭載される))。電動注入器は、各シリンジに、電動注入器上で設置されるべき別個の駆動系部を提供することができ、各々のそのような駆動系部はシリンジプランジャ駆動アセンブリの一部であってもよい。駆動系部は、ネジ山付き主ネジまたは駆動ネジ等の形態、および駆動ネジとラムとの間のある回転方向への相対回転が、ラムを駆動ネジに沿ってある軸方向に移動させ、かつ駆動ネジとラムとの間の反対の回転方向への相対回転が、ラムを駆動ネジに沿って反対の軸方向に移動させるような方式において、(例えば、中間のネジ山付きナットを介して)駆動ネジ上に載置されるラムの形態であってもよい。
任意の適切な駆動源は、特定のシリンジと関連する電動注入器駆動系部に、記述の相対回転運動を提供することができる。各シリンジの電動注入器駆動系部は、共通の駆動源によって電力供給されてもよいか、または、各電動注入器駆動系部が別個の独立した駆動源によって電力供給されてもよい。電動注入器によって利用される各々のそのような駆動源は、ブラシ付きもしくはブラシレス電気モータ、油圧モータ、空気モータ、圧電モータ、またはステッピングモータ等、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類の1つ以上のモータの形態であってもよい。
任意の種類の情報が、電動注入器シリンジによって利用される各RFIDタグに記憶されてもよい。RFIDタグの任意の適切な部材が、電動注入器シリンジによって利用されてもよい。複数のRFIDタグが、任意の適切な配設で配置されてもよい。シリンジと関連する各RFIDタグは、シリンジ上の任意の適切な場所に配置されてもよい。一実施形態において、RFIDタグは、記述のシリンジ筒上にある。一実施形態において、RFIDタグは、シリンジの近位端またはその付近に配置されてもよく、かつシリンジ筒から外向きに延在することができるフランジ上にある。流体は、電動注入器シリンジの遠位端から放出されてもよい。
電動注入器は、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類を有してもよい。電動注入器は、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類の1つ以上のシリンジプランジャ駆動アセンブリまたは駆動体を利用してもよく、この場合、このような各シリンジプランジャ駆動体または駆動アセンブリは、少なくとも二方向移動(例えば、(例えば、放出ストロークのために、軸経路に沿ってシリンジプランジャを移動させるための)流体を放出するための第1の方向の移動、(例えば、シリンジプランジャをシリンジ放出ノズルから離れて軸方向に後退させるために)シリンジ内の流体の装填または装填に適応するため、または後続の流体放出動作のための位置に戻るための第2の方向の運動)が可能であり、このような各シリンジプランジャ駆動体または駆動アセンブリは、(例えば、流体を放出するように)少なくとも1つの方向にシリンジプランジャを前進させることができるように、任意の適切な方式で(例えば、機械的接触によって、(機械的または別様の)適切な結合によって)、その対応するシリンジプランジャと相互作用し得る。
電動注入器は、任意の適切な医療用途(例えば、コンピュータ断層撮影法またはCT映像法、磁気共鳴映像法またはMRI、単光子放射型コンピュータ断層撮影法またはSPECT撮像、陽電子放射型コンピュータ断層撮影法またはPET撮像、X線映像法、血管造影法、光学映像法、超音波映像法)を含むがこれらに限定されない、1つ以上の医用流体の送達が所望される任意の適切な用途に、任意の適切な方式で(例えば、患者等の流体標的への注入を介して)使用されてもよい。電動注入器は、適切な撮像システム(例えば、CTスキャナ)等の、任意の構成要素または構成要素の組み合わせと併せて使用されてもよい。例えば、情報は、任意のこのような電動注入器と1つ以上の他の構成要素との間で伝達され得る(例えば、スキャン遅延情報、注入開始信号、注入速度)。
任意の適切な数のシリンジが、任意の適切な方式で(例えば、着脱式、前方装填式、後方装填式、側面装填式)、電動注入器とともに利用されてもよく、任意の適切な医用流体が、電動注入器の所与のシリンジから放出されてもよく(例えば、造影剤、放射性医薬品、生理食塩水、およびそれらの任意の組み合わせ)、任意の適切な流体が、任意の適切な方式で(例えば、連続的に、同時に)多重シリンジ電動注入器構成から放出されてもよく、またはそれらの任意の組み合わせである。一実施形態では、電動注入器の動作によってシリンジから放出される流体は、導管(例えば、医用管セット)内に方向付けられ、その場合、この導管は、任意の適切な方式でシリンジと流体的に相互連結され、流体を所望の位置に(例えば、注入のために患者に挿入されるカテーテルに)方向付ける。複数のシリンジが、(例えば、単一の注入部位に提供するために)共通導管内に放出してもよく、または1つのシリンジが、(例えば、1つの患者の注入部位に提供するために)1つの導管内に放出してもよい一方で、別のシリンジは、(例えば、異なる注入部位に提供するために)異なる導管内に放出してもよい。一実施形態では、各シリンジは、シリンジバレルと、シリンジバレル内に配置され、かつシリンジバレルに対して移動可能であるプランジャとを含む。このプランジャは、シリンジプランジャ駆動アセンブリが、少なくとも1つの方向に、および可能性として、は2つの異なる反対方向に、プランジャを前進させることができるように、電動注入器のシリンジプランジャ駆動アセンブリと界面接触してもよい。
例えば、本願発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
電動注入器シリンジクランプアセンブリであって、
第1のクランプ部材であって、該第1のクランプ部材は、該クランプアセンブリの開放および閉鎖構成を画定することを少なくとも補助するように移動可能である、第1のクランプ部材を備え、該第1のクランプ部材は、該第1のクランプ部材上に第1のRFIDリーダアンテナを備える、アセンブリ。
(項目2)
前記第1のクランプ部材は、第1の位置と第2の位置との間で旋回可能である、項目1に記載のアセンブリ。
(項目3)
第1の旋回ピンをさらに備え、該第1の旋回ピンは、導電性であり、前記第1のRFIDリーダアンテナと電気的に相互接続され、前記第1のクランプ部材は、該第1の旋回ピン上に載置される、項目1〜2のうちのいずれかに記載のアセンブリ。
(項目4)
第1の電気接点をさらに備え、該第1の電気接点は、移動可能であり、前記第1の旋回ピンと係合するように付勢され、前記第1のRFIDリーダアンテナと電気的に相互接続される、項目3に記載のアセンブリ。
(項目5)
前記第1の旋回ピンは、第1の絶縁部および第1の導電部対を備えており、該第1の絶縁部は、該第1の旋回ピンの長さ寸法に沿って前進する該第1の導電部対の部材の間に配置され、前記第1のRFIDリーダアンテナは、離間している第1および第2のアンテナ部を備え、該第1のアンテナ部は、該第1の導電部対のうちの1つの該部材と電気的に相互接続され、該第2のアンテナ部は、該第1の導電部対のうちの別の該部材と電気的に相互接続される、項目の3〜4のうちのいずれかに記載のアセンブリ。
(項目6)
第2のクランプ部材をさらに備える、項目1〜5のうちのいずれかに記載のアセンブリ。
(項目7)
前記第2のクランプ部材は、固定位置に維持される、項目6に記載のアセンブリ。
(項目8)
前記第2のクランプ部材は、前記クランプアセンブリの前記開放および閉鎖構成を画定することを少なくとも補助するように移動可能である、項目6に記載のアセンブリ。
(項目9)
前記第2のクランプ部材は、旋回可能である、項目の6および8のうちのいずれかに記載のアセンブリ。
(項目10)
第2の旋回ピンをさらに備え、該第2の旋回ピンは、導電性であり、前記第2のクランプ部材の少なくとも1つのRFIDリーダアンテナと電気的に相互接続され、該第2のクランプ部材は、該第2の旋回ピン上に載置される、項目6、8、および9のうちのいずれかに記載のアセンブリ。
(項目11)
第2の電気接点をさらに備え、該第2の電気接点は、移動可能であり、前記第2の旋回ピンと係合するように付勢され、前記少なくとも1つのRFIDリーダアンテナと電気的に相互接続される、項目10に記載のアセンブリ。
(項目12)
前記第2の旋回ピンは、第2の絶縁部および第2の導電部対を備えており、該第2の絶縁部は、該第2の旋回ピンの長さ寸法に沿って前進する該第2の導電部対の部材の間に配置され、前記少なくとも1つのRFIDリーダアンテナは、離間している第3および第4のアンテナ部を備え、該第3のアンテナ部は、該第2の導電部対の1つの該部材と電気的に相互接続され、該第4のアンテナ部は、該第2の導電部対の別の該部材と電気的に相互接続される、項目10〜11のうちのいずれかに記載のアセンブリ
(項目13)
前記第1および第2のクランプ部材は、各々、共通軸の周りを移動可能である、項目6および8〜12のうちのいずれかに記載のアセンブリ。
(項目14)
前記第1および第2のクランプ部材は、対向している関係で配置される、項目6〜13のうちのいずれかに記載のアセンブリ。
(項目15)
前記第1のRFIDリーダアンテナの一部は、前記第1のクランプ部材上にあり、該第1のRFIDリーダアンテナの別の一部は、前記第2のクランプ部材上にある、項目6〜14のうちのいずれかに記載のアセンブリ。
(項目16)
前記第2のクランプ部材上に第2のRFIDリーダアンテナをさらに備える、項目6〜14のうちのいずれかに記載のアセンブリ。
(項目17)
前記第1および第2のRFIDリーダアンテナは、前記クランプアセンブリ内に位置し、および該クランプアセンブリが前記閉鎖構成にあるときに、電動注入器シリンジの筒に向かって突出する前記第1および第2のクランプ部材のそれぞれの表面上に配置される、項目16に記載のアセンブリ。
(項目18)
前記第1および第2のRFIDリーダアンテナは、前記クランプアセンブリ内に位置し、および該クランプアセンブリが前記閉鎖構成にあるときに、電動注入器シリンジのフランジに向かって突出する前記第1および第2のクランプ部材のそれぞれの表面上に配置される、項目16に記載のアセンブリ。
(項目19)
前記第1および第2のRFIDリーダアンテナは、自律的である、項目16〜18のうちのいずれかに記載のアセンブリ。
(項目20)
前記第1および第2のRFIDリーダアンテナは、前記クランプアセンブリが前記閉鎖構成にあるときに、単一のRFIDアンテナとして集合的に機能する、項目16〜18のうちのいずれかに記載のアセンブリ。
(項目21)
前記第1のRFIDリーダアンテナは、前記クランプアセンブリ内に位置し、および該クランプアセンブリが前記閉鎖構成にあるときに、電動注入器シリンジの筒に向かって突出する前記第1のクランプ部材の表面上に配置される、項目1〜15のうちのいずれかに記載のアセンブリ。
(項目22)
前記第1のRFIDリーダアンテナは、前記クランプアセンブリ内に位置し、および該クランプアセンブリが前記閉鎖構成にあるときに、電動注入器シリンジのフランジに向かって突出する前記第1のクランプ部材の表面上に配置される、項目1〜15のうちのいずれかに記載のアセンブリ。
(項目23)
前記第1のRFIDリーダアンテナと相互接続される可撓性コネクタをさらに備える、項目1〜2および6〜22のうちのいずれか1項に記載のアセンブリ。
(項目24)
前記第1のクランプ部材の運動経路内に配置される第1の電気接点をさらに備えており、該第1の電気接点は、該第1のクランプ部材が第1の位置にあるときに、前記第1のRFIDリーダアンテナから離間し、該第1の電気接点は、該第1のクランプ部材が第2の位置にあるときに、該第1のRFIDリーダアンテナと係合する、項目1〜2および6〜22のいずれかに記載のアセンブリ。
(項目25)
電動注入器シリンジは、それの前記開放構成にあるときに、該電動注入器シリンジのクランプアセンブリ内に設置され、および該クランプアセンブリから除去され得、設置された電動注入器シリンジは、それの該閉鎖構成にあるときに、該電動注入器シリンジのクランプアセンブリによって拘束される、項目1〜24のうちのいずれかに記載のアセンブリ。
(項目26)
電動注入器であって、
電動注入器シリンジであって、シリンジ筒、該シリンジ筒内に配置され、該シリンジ筒に対して移動可能であるプランジャ、および少なくとも1つのRFIDタグを備える、電動注入器シリンジと、
シリンジプランジャ駆動アセンブリであって、該プランジャと相互作用して該プランジャを該シリンジ筒に対して移動させる電動式駆動源を備える、シリンジプランジャ駆動アセンブリと、
第1のクランプ部材であって、該第1のクランプ部材は、移動可能であり、該電動注入器シリンジと近接して離間した関係または接触した状態のうちの少なくとも1つで配置され、該第1のクランプ部材は、第1のRFIDリーダアンテナを備える、第1のクランプ部材と
を備える、電動注入器。
(項目27)
前記プランジャは、軸経路に沿って移動可能である、項目26に記載の電動注入器。
(項目28)
前記シリンジプランジャ駆動アセンブリは、二方向運動が可能である、項目26〜27のうちのいずれかに記載の電動注入器。
(項目29)
第2のクランプ部材をさらに備える、項目26〜28のうちのいずれかに記載の電動注入器。
(項目30)
項目1、17、および21のうちのいずれかに記載の電動注入器シリンジのクランプアセンブリをさらに備え、前記少なくとも1つのRFIDタグは、該電動注入器シリンジの前記筒上にある、項目26〜29のうちのいずれかに記載の電動注入器。
(項目31)
項目1、18、および22のうちのいずれか一項に記載の電動注入器シリンジのクランプアセンブリをさらに備え、前記少なくとも1つのRFIDタグは、該電動注入器シリンジのフランジ上にある、項目26〜29のうちのいずれかに記載の電動注入器。
(項目32)
前記フランジは、前記電動注入器シリンジの近位端上の前記シリンジ筒に対して外向きに延在する、項目31に記載の電動注入器。
(項目33)
項目1〜25のうちのいずれか一項に記載の電動注入器シリンジのクランプアセンブリをさらに備える、項目26〜29のうちのいずれかに記載の電動注入器。
図1Aは、パワーヘッド212を有する電動注入器210の一実施形態の概略図を提示する。1つ以上のグラフィカルユーザインターフェースまたはGUI211が、パワーヘッド212に関連付けられ得る。各GUI211は、(1)任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類を有してもよく、(2)任意の適切な方式でパワーヘッド212と動作可能に相互連結されてもよく、(3)任意の適切な場所に配置されてもよく、(4)電動注入器210の動作の1つ以上の側面の制御、電動注入器210の動作に関連付けられる1つ以上のパラメータの入力/編集、および適切な情報(例えば、電動注入器10の動作に関連する情報)の表示である機能のうちの1つまたは任意の組み合わせを提供するように構成されてもよく、あるいは(5)前述の任意の組み合わせである。任意の適切な数のGUI211を利用してもよい。一実施形態では、電動注入器210は、パワーヘッド212から分離されるが、パワーヘッド212と通信するコンソールによって組み込まれるGUI211を含む。別の実施形態では、電動注入器210は、パワーヘッド212の一部であるGUI211を含む。さらに別の実施形態では、電動注入器210は、パワーヘッド212と通信する別々のコンソール上で一方のGUI211を利用し、また、パワーヘッド212上にある別のGUI211も利用する。各GUI211は、同じ機能性または一組の機能性を提供し得るか、またはGUI211は、そのそれぞれの機能性に関して、少なくともある点で異なってもよい。
シリンジ228は、このパワーヘッド212上に設置されてもよく、設置される場合、電動注入器210の一部と考えられ得る。注入処置によっては、比較的高い圧力がシリンジ228内に生成される場合がある。この点に関し、圧力ジャケット226内にシリンジ228を配置することが望ましくてもよい。圧力ジャケット226は、典型的には、パワーヘッド212上にシリンジ228を設置するステップの一部として、またはそのステップの後に、シリンジ228をその中に配置可能にする方式で、パワーヘッド212と関連付けられる。同圧力ジャケット226は、典型的には、複数の注入処置のために種々のシリンジ228を圧力ジャケット226内に位置付け、そこから除去する際に、パワーヘッド212と関連付けられたままである。電動注入器210が低圧注入のために構成/利用される場合、および/または電動注入器210とともに利用されるシリンジ228が、圧力ジャケット226により提供される追加支持なしで、高圧注入に耐えるのに十分な耐久性を有する場合に、電動注入器210は、圧力ジャケット226を排除してもよい。いずれの場合であっても、シリンジ228から放出される流体は、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類の導管238の中へ方向付けられてもよく、これは、任意の適切な方式でシリンジ228と流体的に相互連結されてもよく、かつ流体を任意の適切な場所に(例えば、患者に)方向付けてもよい。
パワーヘッド212は、シリンジ228から流体を放出するためにシリンジ228(例えば、そのプランジャ232)と相互作用(例えば、界面接触)する、シリンジプランジャ駆動アセンブリまたはシリンジプランジャ駆動体214を含む。このシリンジプランジャ駆動アセンブリ214は、駆動出力部218(例えば、回転可能な駆動ネジ)に動力供給する、駆動源216(例えば、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類のモータ、任意選択の歯車装置、およびその同等物)を含む。ラム220は、駆動出力218によって、適切な経路(例えば、軸方向)に沿って前進させられ得る。ラム220は、以下に論じられる方式で、シリンジ228の対応する部分と相互作用または界面接触するための連結具222を含み得る。
シリンジ228は、(例えば、双頭矢印Bと一致する軸に沿った軸方向往復運動のために)シリンジバレル230内で移動可能に配置される、プランジャまたはピストン232を含む。プランジャ232は、連結具234を含み得る。このシリンジプランジャ連結具234は、シリンジプランジャ駆動アセンブリ214がシリンジバレル230内でシリンジプランジャ232を後退させることを可能にするように、ラム連結具222と相互作用または界面接触し得る。シリンジプランジャ連結具234は、ヘッドまたはボタン236bとともにシリンジプランジャ232の本体から延出する、シャフト236aの形式であり得る。しかしながら、シリンジプランジャ連結具234は、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類を有してもよい。
概して、電動注入器210のシリンジプランジャ駆動アセンブリ214は、シリンジプランジャ232を少なくとも1つの方向に移動または前進させる(シリンジバレル230に対して)ことが可能であるように例えば、対応するシリンジ228から流体を放出するために)、任意の適切な方式で(例えば、機械的接触によって、適切な連結(機械的または別の様態)によって)、シリンジ228のシリンジプランジャ232と相互作用し得る。すなわち、シリンジプランジャ駆動アセンブリ214は、二方向運動(例えば、同一の駆動源216の動作を介する)が可能であってもよいが、電動注入器210は、シリンジプランジャ駆動アセンブリ214の動作が、実際は、電動注入器210が使用する各シリンジプランジャ232を一方向のみに移動させるだけであるように構成されてもよい。しかしながら、シリンジプランジャ駆動アセンブリ214は、このような各シリンジプランジャ232が2つの異なる方向(例えば、共通軸経路に沿った異なる方向)の各々に移動することができるように、電動注入器210が使用する各シリンジプランジャ232と相互作用するように構成されてもよい。
シリンジプランジャ232の後退は、後続する注入または放出のために、シリンジバレル230内への流体の装填に適応するために利用されてもよく、後続する注入または放出のためにシリンジバレル230内へ流体を実際に引き込むために利用されてもよく、または任意の他の適切な目的に利用されてもよい。一定の構成は、シリンジプランジャ駆動アセンブリ214がシリンジプランジャ232を後退させることができることを要求しなくてもよく、この場合、ラム連結具220およびシリンジプランジャ連結具234が所望されなくてもよい。この場合、シリンジプランジャ駆動アセンブリ214は、(例えば、別の事前充填シリンジ228が設置された後に)別の流体供給動作を実行する目的で後退させられてもよい。ラム連結具222およびシリンジプランジャ連結具232を利用する場合であっても、ラム220がシリンジプランジャ232を前進させてシリンジ228から流体を放出する場合に、これらの構成要素を連結してもしなくてもよいようにする(例えば、ラム220が単にシリンジプランジャ234を「押圧」してもよい)。任意の適切な寸法または寸法の組み合わせにおける任意の単一の運動または組み合わせた運動を利用して、ラム連結具222およびシリンジプランジャ連結具234を連結状態もしくは条件に配置してもよく、ラム連結具222およびシリンジプランジャ連結具234を非連結状態もしくは条件に配置してもよく、またはその両方であってもよい。
シリンジ228は、任意の適切な方式でパワーヘッド212上に設置されてもよい。例えば、シリンジ228は、パワーヘッド212上に直接設置されるように構成され得る。図示する実施形態では、シリンジ228とパワーヘッド212との間に界面を提供するように、筐体224がパワーヘッド212上に適切に装着される。この筐体224は、シリンジ228の1つ以上の構成が設置され得るアダプタの形式であってもよく、この場合、シリンジ228の少なくとも1つの構成は、任意のこのようなアダプタを使用せずに、パワーヘッド212上に直接設置され得る。また、筐体224は、シリンジ228の1つ以上の構成が設置され得る面板の形式であってもよい。この場合、パワーヘッド212上にシリンジ228を設置するために面板が必要とされ、面板なしでシリンジ228をパワーヘッド212上に設置することができないようなものであってもよい。圧力ジャケット226が使用されている場合、シリンジ228に関連して本明細書において論じられる種々の方式で、それがパワーヘッド212上に設置されてもよく、次いで、シリンジ228は、その後、圧力ジャケット226の中に設置される。
筐体224は、シリンジ228の設置時に、パワーヘッド212上に装着され、パワーヘッド212に対して固定位置にとどまり得る。別の選択肢は、シリンジ228の設置に適応するように、筐体224およびパワーヘッド212を移動可能に相互連結することである。例えば、筐体224は、双頭矢印Aを含有する平面内で移動して、ラム連結具222とシリンジプランジャ連結具234との間で、連結状態または条件および非連結状態または条件のうちの1つ以上を提供し得る。
図1Bを参照すると、電動注入器10は、注入器アセンブリを提供するために、駆動ラム16と整列してシリンジ14を注入器10に取り付けることを容易にするための、シリンジ装着具12を含む。注入器10とともに使用するためのシリンジ14は、概して、本体18(外部円筒状バレルの形式であり得る)を含み、これは、その前方端部20において、円錐状前壁22と一体型である。放出先端26において終端となる首部24は、概して、円錐状前壁22から前方に延出し、円錐状前壁22と一体型である。シリンジ14の本体18は、このような圧力ジャケットまたはクレードル30が注入器10上に存在する場合に、圧力ジャケット(図示せず)またはクレードル30の内壁と界面接触し得る。シリンジ14は、注入器10と連動して使用する場合に、シリンジ嵌合区分32を含み、これは、半径方向外側に延出するフランジ34の形式であり得る。このフランジ34は、シリンジ14の長手方向軸36に実質的に垂直である平面に位置し、概して、シリンジ14の本体18の後方端部38と一体型であり得る。シリンジ14が注入器10に関連付けられる場合、フランジ34は、注入器10の筐体42の前方端部40に位置するシリンジ装着具12内に、および/またはシリンジ装着具12と接触して位置している。シリンジ嵌合部分32およびシリンジ装着具12は、以下にさらに詳細に説明するように、シリンジ14の注入器10への動作連結を容易にするように利用され得る。
シリンジ14の放出先端26は、その遠隔端部において画定されるオリフィス44を有し、これは、首部24、円錐状前壁22、およびシリンジ14の本体18内に画定される内部シリンジ空洞46と連通し得る。空洞46の後方端部48は、シリンジプランジャ52の概して前方対向表面50によって画定され得る。図示する実施形態では、この前方対向表面50は、実質的に円錐状である。表面50は、円錐状前壁22の内部の傾斜に一致する傾斜を有し得る。シリンジプランジャ52は、空洞46が変動可能な体積を有するように、シリンジ14の本体18内で密着して摺動可能であり得る。管(図示せず)は、流体が管を通ってシリンジ14から伝達可能であるように、放出先端26に動作可能に連結され得る。
次に、図1、図4B、および図5Bを参照すると、シリンジプランジャ52が、シリンジ14の本体18内においてより明確に見られる。シリンジ14が注入器10に取り付けられる場合、シリンジプランジャ52は、好ましくは、注入器10の駆動ラム16に近接して、かつそれに実質的に整列して位置する。駆動ラム16は、モータ(図示せず)によって駆動されて、その長手方向軸方向54に沿って前方運動または後方運動で移動させて駆動ラム16を配備し、このようにして、シリンジ14の長手方向軸36に沿って前方運動または後方運動でシリンジプランジャ52をそれぞれ配備して、流体の患者への注入またはシリンジ14の流体による充填をそれぞれ行う。例えば、事前充填シリンジを注入器10内に装填してもよく、プランジャ52を前方方向に配備することによって、流体をシリンジ14から吐出してもよい。このようにして、流体は、患者に注入され得る。代替として、空のシリンジを注入器10内に装填してもよいが、シリンジプランジャ52は、その最も前方の位置に、またはその付近に位置し得る。その後、流体をシリンジ14内に引き込むために、シリンジ14を流体源に動作可能に連結し、シリンジプランジャ52を後方方向に後退させることによって、流体(例えば、造影剤)をシリンジ14内に装填し得る。
注入器10は、変動する体積の事前充填シリンジまたは空シリンジに適応するように設計され得る。例えば、注入器10は、125mlの事前充填シリンジ(例えば、ミズーリ州、セントルイスのMallinckrodt Inc.から市販されるUltraject(登録商標)シリンジ)を収容するように適合され得る。このようなシリンジは、造影剤を患者に注入するために使用され得る。これらの125mlシリンジは、50ml、75ml、100ml、125ml、または他の量等の多種多様な適切な量の流体のいずれかで事前充填されてもよい。加えて、注入器10は、多種多様のサイズ(例えば、50ml、75ml、100ml、125ml、130ml等)のいずれかの空シリンジに適応し得る。
図2A〜図5Bを参照すると、シリンジ装着具12の一実施形態が示される。シリンジ装着具12は、オリフィス60を画定する壁部材58を含む可動アクチュエータ56と、アクチュエータ56に動作可能に結合され、かつ応答してそれとともに可動である少なくとも1つの第1の可動部材62とを含む。より具体的には、図示する実施形態のシリンジ装着具12は、アクチュエータ56の壁部材58に動作可能に結合される第1および第2の可動部材62、64を含む。第1および第2の可動部材62、64は、そこに動作可能に連結される第1および第2のピン66、68を含む。第1のピン66は、第1の可動部材62の第1の端部70付近に動作可能に結合され、第2のピン68は、第2の可動部材64の第1の端部72付近に動作可能に結合される。第1および第2のピン66、68は、アクチュエータ56の壁部材58に画定される少なくとも1つのスロット74に収容されて、第1および第2の可動部材62、64をそこに結合する。アクチュエータ56は、第1および第2の可動部材62、64の近位に配置される。さらに、第1および第2の部材62、64は、そこから後方に突出する第1および第2のロッド67、69を含み得る。これらの第1および第2のロッド67、69は、第1および第2の可動部材62、64が開放位置と閉鎖位置との間で移動する際に、アクチュエータ56の壁部材58の外側輪郭に沿って対面および移動し得る。
スロット74は、その基部76において、アクチュエータ56の壁部材58によって画定される。第1および第2のピン66、68は、スロット74内において可動(例えば、摺動可能、および任意選択により回転可能)である。第1および第2のピン66、68の各々は、スロット74の中心78に近位の位置から、スロット74の第1および第2の終端部80、82付近の位置まで移動することができる。第1および第2のピン66、68は、両方ともがスロット74の片側を移動しない。むしろ、第1のピン66は、スロット74の一方の部分内で移動するように適合され、第2のピン68は、スロット74の別の部分内で移動するように適合される。具体的には、図示する実施形態では、壁部材58の基部76は、「V」に少なくとも概して類似する形状で、その上部部分を有する開口部84を含む。第1および第2のピン66、68は、この開口部84の「V」部分に配置される。第1および第2のピン66、68が、「V」の2つの脚部の交差点付近に位置している場合、第1および第2の可動部材62、64は、開放位置にある(図4A参照)。第1および第2のピン66、68が、「V」の第1および第2の終端部80、82付近に位置している場合、第1および第2の可動部材62、64は、閉鎖位置にある(図5A参照)。図示する実施形態のスロット74は、概して「V」形状を有するものとして本明細書に図示および説明されるが、必ずしもこのような「V」形状である必要はなく、第1および第2の可動部材62、64をスロット内において十分移動可能にして、シリンジを注射器10に動作可能に連結する任意の他の形状を使用することができることを当業者は認識する。例えば、スロット74は、「U」または「C」形状を有してもよい。さらに、当業者は、1つを超えるスロットを使用してもよいことを認識する。例えば、壁部材58の基部76に近接する「V」形状を形成する2つのスロットは、「V」の先端付近で第1および第2のピン66、68を収容することができる。前述のように、当業者は、スロットが必ずしも「V」の形状である必要がないことを認識する。
図2A〜図5Bから分かるように、シリンジ装着具12のアクチュエータ56および第1および第2の可動部材62、64は、注入器10の筐体42の面板86内に保持される(面板の追加の図面は、図6〜図12に示される)。特に図2Aを参照すると、面板86は、近位壁部分88、遠位壁部分90、遠位壁部分90から遠位に延出するクレードル30、および結合板92を含む。第1および第2の可動部材62、64は、結合板92とアクチュエータ56の壁部材58との間に位置し、次いで、全ての3つの構成要素は、近位壁部分88と遠位壁部分90との間に形成される面板86の内部空洞94内に含まれる。アクチュエータ56ならびに第1および第2の可動部材62、64は、内部空洞94内において可動である。結合板は、好ましくは、近位および遠位壁部分88、90のうちの少なくとも1つに固定される際に、面板86の近位および遠位部分に対して実質的に不動である。図示する実施形態では、この固定は、ネジ96を使用することによって生じ、ネジ96は、後方板99におけるオリフィス97、近位壁部分88におけるオリフィス98、結合板92におけるオリフィス100を貫通し、遠位壁部分90におけるオリフィス(図示せず)に収容される。
結合板92は、その近位表面105から突出する第1および第2の旋回シャフト101、103を含む。これらの第1および第2の旋回シャフト101、103は、第1および第2の可動部材62、64のそれぞれに画定される第1および第2のシャフト開口部107、109に収容される。したがって、第1および第2の可動部材62、64は、対応する第1および第2の旋回シャフト101、103の周りの旋回運動を呈することができる。言い換えると、第1および第2の可動部材62、64は、可動部材62、64がその周りを旋回することができる方式で、対応する第1および第2の旋回シャフト101、103に結合される。したがって、第1および第2の旋回シャフト101、103は、第1および第2の可動部材62、64に旋回点を提供すると考えられ得る。
シリンジ装着具12内へのシリンジ14の装填を開始するために、シリンジ14の後方端部38におけるフランジ34は、シリンジ装着具12の遠位壁部分90および結合板92の各々における開口を通過し、アクチュエータ56に画定されるオリフィス60内に収容され得る。シリンジ14の後方端部38は、オリフィス60に位置する一方で、シリンジ14は、注入器10の駆動ラム16の長手方向軸54に実質的に垂直である第1の方向に移動し得る。本明細書において、この方向は、「下方」方向と呼ばれる(運動が注入器10に対して下方であるため)。しかしながら、当業者は、運動が、「下方」である必要はなく、他の方向における運動がシリンジ14の適切な係合をもたらすことができるように(「上方」移動、「側方」移動、または駆動ラム16の長手方向軸54と実質的に同軸関係にシリンジ14の長手方向軸36が移動するような、任意の他の適切な実質的に垂直な動きを含むが、これらに限定されない)、シリンジ装着具12を構成することができることを認識する。この下方運動は、次いで、アクチュエータ56を下方方向に応答して移動させる。下方方向におけるアクチュエータ56の運動によって、第1および第2のピン66、68の各々は、壁部材58の基部76に画定されるスロット74の対応する第1および第2の端部80、82に移動する。ピン66、68のこの移動は、固定結合板92の第1および第2の旋回シャフト101、103が第1および第2の可動部材62、64の第1および第2のシャフト開口部107、109内に位置することに起因して、第1および第2の可動部材62、64が下方方向に移動不可能であることから生じる。したがって、アクチュエータ56が下方方向に移動する際に、第1および第2のピン66、68は、スロット74内のその第1および第2の終端80、82まで移動する。第1および第2の可動部材62、64は、下方に移動不可能であることから、これらは、その代わりに、第1および第2の旋回シャフト101、103が提供する旋回点の周りを旋回する。言い換えると、第1および第2の可動部材62、64は、それぞれの第1および第2のシャフト開口部107、109において、対応する第1および第2の旋回シャフト101、103の周りを回転する。したがって、第1および第2の可動部材62、64は、シリンジ14の後方端部38と係合する(例えば、実質的に、円周方向に被包する)ように旋回する(図5A参照)。シリンジ14のフランジ34は、可動部材62、64のこの旋回移動中にアクチュエータ56内に位置することから、第1および第2の可動部材62、64は、シリンジ14の本体18と係合する(フランジ34ではない)。シリンジ14の本体18とのこの係合が、本体18の実質的な被包として特徴付けられ得るように、可動部材62、64が設計される実施形態では、この種類の係合によって、従来のシリンジ装着具に見られるよりも多くのシリンジ14の被覆が可能になるので、シリンジ14がより大きな注入圧力に耐えることが潜在的に可能になると考えられ得る。
図示する実施形態では、第1および第2の可動部材62、64は、相互に対向しており、駆動ラム16の長手方向軸54の周りに位置している。さらに、第1および第2の可動部材62、64の各々は、弓状面102、104を有する。これらの弓状面102、104は、相互に直径方向に対向しているように示され、シリンジ14の本体18の外側に位置する。シリンジ14が注入器10のシリンジ装着具12に適切に係合される場合、シリンジ装着具12の第1および第2の可動部材62、64は、シリンジ14の外部本体18の側面と接触して、シリンジ14を適所に、かつ注入器10の駆動ラム16と整列して保持する。
いくつかの実施形態では、シリンジ14を把持および/または保持するための可動部材62、64の能力を改善するために、可動部材62、64の弓状面102、104は、1つ以上の種類の係合強化特徴(例えば、溝、段差、窪み、リッジ、歯、それらの組み合わせ、およびその同等物)を有し得る。いくつかの実施形態では、把持強化コーティング(例えば、Santoprene(登録商標)エラストマー)を可動部材62、64の弓状面102、104に塗布して、シリンジ14の把持/保持を容易にしてもよい。
第1および第2の可動部材62、64の旋回移動は、それらが相互に向かって旋回する際における、および相互に離れるように旋回する際における、弓状面102、104間の距離を変える。図示する実施形態では、第1および第2の可動部材62、64の各々は、可動である。いくつかの実施形態では、不動部材(例えば、弓状止め具または当接具)に対して間隔をおいて配置される単一の可動部材を使用することが可能であり、不動部材に向かって単一の可動部材が移動し得る。
いくつかの実施形態では、第1および第2の可動部材62、64は、適切なシリンジ係合機能に必要ではない。このような実施形態では、シリンジ14と係合するために単一の把持部材を使用して、シリンジ14を注入器10に動作可能に連結し得る。このような実施形態では、単一の可動部材は、本体18との接触時に、シリンジ14の十分な円周を被覆して、シリンジ14を注入器10に対して保持するはずである。このような実施形態においては、可動部材の中心点から延出する各アームは、アームが、シリンジ14の挿入および/または除去を可能にするように外側および内側に広がることができるように、ある程度の弾性を有し得る。
アクチュエータ56の壁部材58は、第1の波型輪郭106および第2の波型輪郭108を含む外周側面110を有するように示されている。図示するように、第2の波型輪郭108は、第1の波型輪郭106の実質的に反対に位置している。これらの第1および第2の波型輪郭106、108の各々は、第1の谷112、第2の谷114、およびその間に配置されるリッジ116を含む。注入器10のシリンジ装着具12内に位置している場合、これらの第1および第2の波型輪郭106、108は、第1および第2の突出118、120によって対向され(図2Aおよび図5A参照)、これらの突出は、アクチュエータ56が第1の位置と第2の位置との間で移動する際に、第1および第2の波型輪郭106、108の表面に沿って重なるように適合される。図示する実施形態では、第1および第2の突出118、120は、面板86の近位壁部分88に結合され、第1および第2の波型輪郭106、108の各々に向かう方向にバネ付勢される。第1および第2の戻り止め118、120と第1および第2の波型輪郭106、108との相互作用によって、シリンジ14の装填または取り外しのいずれかのためにアクチュエータ56を移動させることをユーザが望むまで、第1または第2の位置のいずれかにアクチュエータ56を保持することが支援される。いくつかの実施形態では、第1および第2のピン66、68は、第1および第2の可動部材62、64の各々に関連付けられる付勢バネを含み得る。このような実施形態では、付勢バネの各々の一方の端部は、そのそれぞれに関連付けられる可動部材に接触してもよく、各付勢バネの反対の端部は、注入器10の筐体42(または、面板86の部分に対して着座または位置してもよい。いくつかの実施形態では、これらの付勢バネの少なくとも一部分は、ピン66、68の周囲に配置され、これらのピンは、第1および第2の可動部材62、64の旋回軸を形成する。
シリンジ14を注入器10内に装填するために、シリンジ14の後方端部38におけるフランジ34が、壁部材58のオリフィス60内に収容されて、フランジ34の外周上の少なくとも1つの接触点122が、オリフィス60を画定する外周124と接触するか、または接触させることができるように、シリンジ14は、アクチュエータ56の壁部材58に対して位置している。より具体的には、フランジ34は、一定の実施形態において、アクチュエータ56における凹部125によって収容され得る。アクチュエータ56は、第1および第2の可動部材62、64が開放位置にあるように、第1の位置にあるものとして図4Aに示される。また、この第1の位置では、第1および第2の突出118、120は、対応する第1および第2の波型輪郭106、108の第1の谷112と接触する。第1および第2の突出118、120のバネ付勢の力は、アクチュエータ56の壁部材58が支援を受けずに第2の位置まで移動することを防ぐことを少なくとも支援する。さらに、注入器10の駆動ラム16は、好ましくは、プランジャ結合機構126がシリンジプランジャ52の後方面から延出する結合機構128と整列するように位置している(図4B参照)。
次いで、ユーザは、駆動ラム16の長手方向軸54に実質的に垂直な方向に、およびそれに向かう方向において、シリンジ14に力を印加する。壁部材58の外周面124に接触するシリンジ14のフランジ34を利用して、アクチュエータ56の壁部材58を押し付けて、駆動ラム16の長手方向軸54に実質的に垂直な方向に応答して移動させる。第1および第2の突出118、120のバネ付勢を上回るのに十分な力を印加して、アクチュエータ56が第1の位置から第2の位置まで移動するようにする。これが発生する際、第1および第2の突出118、120は、第1の谷112からリッジ116に沿って第2の谷114まで、第1および第2の波型輪郭106、108に沿って重なる。次いで、第1および第2の突出118、120を利用して、図5Aに示す第2の位置に壁部材58を保持することを少なくとも支援し得る。
第1の位置から第2の位置への壁部材58の移動は、駆動ラムの長手方向軸54に実質的に垂直な方向に壁部材58のスロット74を協調的に移動させる。したがって、スロット74は、第1および第2のピン66、68に対して移動し、これによって、第1および第2のピン66、68は、スロット74に対して、およびスロット74内において移動する。より具体的には、図示する実施形態では、第1および第2のピン66、68は、「V」の先端に近位の位置から「V」の各脚部の終端に近位の位置まで(図4Aに示す位置から図5Aに示す位置まで)、V字型スロット内において移動する。この動きにより、シリンジ14の後方端部38が第1および第2の可動部材62、64によって係合されるように、開放位置から閉鎖位置への第1および第2の可動部材62、64の応答的旋回動きが引き起こされる。具体的には、アクチュエータ56が下方方向に移動する際、第1および第2のピン66、68は、スロット74内において、その第1および第2の終端80、82まで移動する。第1および第2の可動部材62、64は、下方に移動不可能であることから、これらは、その代わりに、第1および第2の旋回シャフト101、103が提供する旋回点を中心に旋回する。言い換えると、第1および第2の可動部材62、64は、それぞれの第1および第2のシャフト開口部107、109において、第1および第2の旋回シャフト101、103を中心に回転する。
壁部材58が、第1の位置から第2の位置に移動し、シリンジ14が、可動部材62、64により係合されない位置から可動部材62、64により係合される位置に壁部材58とともに移動する際、シリンジプランジャ52の後方端部38における結合機構128は、駆動ラム16のプランジャ結合機構126と係合されない位置から、駆動ラム16のプランジャ結合機構126と係合される置まで移動する。図示する実施形態では(図4Bおよび図5B参照)、シリンジ14のフランジ34が、壁部材58が画定するオリフィス60と整列する場合、シリンジ14内におけるシリンジプランジャ52は、好ましくは、シリンジプランジャ52の後方面上の結合機構128が駆動ラム16のプランジャ結合機構126と整列するように位置している。図示するシリンジプランジャ52の結合機構128は、シリンジプランジャ52の後方面から延出する突出128である。この突出128は、キャップ部分132(シリンジ14の長手方向軸に対して横断)が被さる茎部分130(シリンジ14の長手方向軸36に対して平行)を有する「T」形状を呈するものとして特徴付けられ得る。壁部材58が第1の位置から第2の位置に移動する際、結合機構128のキャップ部分132は、図示する実施形態では、駆動ラム16の前方端部に形成されるスロット134であるプランジャ結合機構126によって収容され得る。
スロット134は、シリンジ14の結合機構128、特に、そのキャップ部分132を収容する形状で、駆動ラム16の前方端部に画定される。プランジャ結合要素126の断面は、「J」形状(キャップ部分132を収容するように構成される「J」のフック部分内にスロットを有する)を呈するように示され、したがって、シリンジプランジャ52が駆動ラム16と係合する場合、「J」形状の遠位端136は、結合機構128のキャップ部分132の一部に遠位に位置している。したがって、シリンジ14が初めにアクチュエータ56に挿入される場合(第1の位置において)、結合機構128のキャップ部分132は、駆動ラム16のプランジャ結合要素126の「上」にある。しかしながら、アクチュエータ56が第2の位置に移動する際、結合機構128のキャップ部分132は、駆動ラム16のプランジャ結合機構126の遠位端136に近位に位置しているように移動する。一旦係合すると、造影剤等の流体をシリンジ14から分注するように、その長手方向軸54に沿って前方に駆動ラム16を平行移動させること等によって、注入処置を実行してもよい。図示する実施形態のスロット134および延長部128は、本明細書においてそれぞれ「J」および「T」と言及される形状を有するが、当業者は、結合を容易にする任意の形状を使用してもよいことを認識する。加えて、図示する実施形態は、最初に、受動的結合をもたらす結合機構128およびプランジャ結合機構126を示すが、当業者は、能動的結合をもたらす結合機構およびプランジャ結合機構(ある度合いの受動的把持を伴う)を使用してもよいことを認識する。
前述のように、シリンジ装着具12によって、注入器10の駆動ラム16が任意の位置にある場合に、注入器10の面板86および/または前方端部40からシリンジ14を除去することが可能になる。シリンジ14を注入器10から取り外す前に、駆動ラム16を「本来の」位置に戻す必要はない。したがって、注入処置中に、駆動ラム16の平行移動を停止し得る一方で、駆動ラム16は、注入器10の前面板86から延出位置にある。次いで、ユーザは、シリンジ14を把持し、それを上方方向に移動させることができ、これによって、第1および第2の突出118、120のバネ付勢力を上回って、アクチュエータ56が第2の位置から第1の位置に移動する。これが発生する際に、第1および第2の突出118、120は、第2の谷114からリッジ116の上を通って第1の谷112まで、第1および第2の波型輪郭106、108に沿って重なる。同時に、第1および第2の可動部材62、64の第1および第2のピン66、68は、Vのアームの終端80、82付近の位置からVの先端付近の位置まで、壁部材58のV字型スロット内において移動する。これにより、第1および第2の可動部材62、64は、第1および第2の旋回シャフト101、103の第1および第2のシャフト開口部107、109との相互作用によって生成された旋回点を中心に旋回することによって、閉鎖位置から解放位置に旋回する。アクチュエータ56のオリフィス60内におけるシリンジ14の後方端部38におけるフランジ34の位置付けに起因して、アクチュエータ56によって、シリンジ14の後方面上のT字型結合機構に十分な垂直のシリンジ移動が、駆動ラム16の前方部分上のスロットを除去することが可能になり、これによって、注入器10からシリンジ14を除去することが可能になる。
図1Aおよび図1Bの電動注入器210、10の各々は、流体が対象(例えば、患者)に注入される医療撮像用途を含むがこれに限定されない、任意の適切な用途に使用されてもよい。電動注入器210、10の代表的な医療撮像用途は、コンピュータ断層撮影法またはCT映像法、磁気共鳴映像法またはMRI、SPECT映像法、PET映像法、X線映像法、血管造影法、光学映像法、および超音波映像法を含むがこれらに限定されない。電動注入器210、10の各々は、単独で、または1つ以上の他の構成要素と組み合わせて使用され得る電動注入器210、10の各々は、例えば、情報が電動注入器210、10と1つ以上の他の構成要素との間で伝達され得るように(例えば、スキャン遅延情報、注入開始信号、注入速度)、1つ以上の構成要素と動作可能に相互連結されてもよい。
単一ヘッド構成(単一のシリンジ用)および二重ヘッド構成(2つのシリンジ用)を含むがこれらに限定されない任意の数のシリンジが、電動注入器210、10の各々によって利用され得る。多重シリンジ構成の場合、各電動注入器210、10は、任意の好適な方式で、任意のタイミング順序に従って、種々のシリンジから流体を放出してもよい(例えば、2つ以上のシリンジからの連続放出、2つ以上のシリンジからの同時放出、またはそれらの任意の組み合わせ)。複数のシリンジが、(例えば、単一の注入部位に提供するために)共通導管内に放出してもよく、または1つのシリンジが、(例えば、1つの注入部位に提供するために)1つの導管内に放出してもよい一方で、別のシリンジは、(例えば、異なる注入部位に提供するために)異なる導管内に放出してもよい。電動注入器210、10の各々によって利用されるこのような各シリンジは、任意の適切な流体、例えば、造影剤、放射性医薬品、生理食塩水、およびその任意の組み合わせを含んでもよい。電動注入器210、10の各々によって利用されるこのような各シリンジは、任意の適切な方式で設置されてもよい(例えば、後方装填構成を利用してもよく、前方装填構成を利用してもよく、側面装填構成を利用してもよい)。
図6は、(部材62、64を交換して)図1Bの電動注入器10および任意の他の適切な電動注入器に使用することのできる、電動注入器シリンジのクランプアセンブリ300の一実施形態の透視図である。概して、クランプアセンブリ300は、対応する電動注入器のパワーヘッド上の電動注入器シリンジ330を維持または保持するために使用することができる。クランプアセンブリ300は、電動注入器シリンジ330に圧縮力を印加することができるが、すべての場合においてそのような圧縮力が必要なわけではない。代わりに、クランプアセンブリ300の1つ以上の部分が電動注入器シリンジ330に近接して離間された関係で配置されてもよいか、クランプアセンブリ300の1つ以上の部分が電動注入器シリンジ330と界面接触する関係で単純に配置されてもよいか、またはその両方であってもよい。いずれの場合も、クランプアセンブリ300は、電動注入器シリンジ330上の1つ以上のRFIDタグ336と通信するための少なくとも1つのRFIDリーダアンテナを含む。任意の適切な数のRFIDリーダアンテナがクランプアセンブリ300によって用いられてもよく、各RFIDリーダアンテナは、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類の(例えば、任意の好適なレイアウトまたはパターンの)アンテナである。クランプアセンブリ300のRFIDリーダアンテナに電力を提供する任意の適切な方法が利用され得る。1つ以上のRFIDリーダアンテナをクランプアセンブリ300に組み込む任意の適切な方法が利用され得る(例えば、1つ以上のRFIDリーダアンテナをクランプアセンブリ300に別個に載置する、1つ以上のRFIDリーダアンテナをクランプアセンブリ300の構造内に一体化する、およびそれらの任意の組み合わせ含む)。
クランプアセンブリ300によるRFIDリーダアンテナの種々の統合を、図7〜10に関連して以下に論議する。最初に図7を参照すると、クランプアセンブリ300は、第1のクランプ部材302および第2のクランプ部材312を含む。第1のクランプ部材302および第2のクランプ部材312は、対向した関係で配置されると特徴付けられてもよい。図示された実施形態において、各クランプ部材302、312は、電動注入器シリンジ330のシリンジ筒332の異なる位置から外向きではあるが、電動注入器シリンジ330の長さ寸法に沿って同じ場所に配置される(長さ寸法は軸338と同じである)。第1のクランプ部材302は、内側または内部表面308に沿って、対向して配置される端部表面304、306を含む。端部表面306は、クランプアセンブリ300内に位置し、クランプアセンブリ300が閉鎖構成にあるときに(代表的な閉鎖構成を図7に示す)、電動注入器シリンジ330のフランジ334に向かって突出するかまたは面する。すなわち、図6に示す図において、シリンジフランジ334はクランプアセンブリ300の後側に配置される。いずれの場合も、内側表面308は、クランプアセンブリ300内に位置し、クランプアセンブリ300がその閉鎖構成にあるときに、電動注入器シリンジ330の筒332に向かって突出するかまたは面する。第1の旋回ピン310は、クランプアセンブリ300を組み込む電動注入器のパワーヘッドに、第1のクランプ部材302を旋回可能に相互接続する。
第2のクランプ部材312は、内側または内部表面318に沿って、対向して配置される端部表面314、316を含む。端部表面316は、クランプアセンブリ300内に位置し、クランプアセンブリ300が閉鎖構成にあるときに、電動注入器シリンジ330のシリンジフランジ334に向かって突出するかまたは面する。すなわち、図6に示す図において、シリンジフランジ334はクランプアセンブリ300の後側に配置される。いずれの場合も、内側表面318は、クランプアセンブリ300内に位置し、クランプアセンブリ300がその閉鎖構成にあるときに、電動注入器シリンジ330の筒332に向かって突出するかまたは面する。第2の旋回ピン320は、クランプアセンブリ300を組み込む電動注入器のパワーヘッドに、第1のクランプ部材312を旋回可能に相互接続する。
電動注入器シリンジ330のフランジ334は、電動注入器シリンジ330の近位端に位置するかまたは近位端上に位置すると特徴付けられ得る(例えば、対向して配置される電動注入器シリンジ330の遠位端は、電動注入器シリンジ330からの流体放出を収容することができ、フランジ334は図1Bに示すシリンジ14のフランジ34と同様に位置している)。少なくとも1つのRFIDタグ336が、電動注入器シリンジ330上に配置される。各RFIDタグ336は、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類のタグであってもよく、任意の適切な方式で製造されてもよく、任意の適切な情報で符号化されてもよく、電動注入器シリンジ330上の任意の適切な場所に配置されてもよい。任意の適切な数のRFIDタグ336が電動注入器シリンジ330上に配置されてもよく、複数のRFIDタグ336が任意の適切な配設で配置されてもよい。1つ以上のRFIDタグ336がシリンジ筒332上に配置されてもよく、1つ以上のRFIDタグ336が電動注入器シリンジ330のフランジ334上に配置されてもよく、またはその両方でもよい。
クランプアセンブリ300の図示された実施形態は、第1のクランプ部材302および第2のクランプ部材312の各々が、少なくとも2つの一般的な位置の間で移動して、クランプアセンブリ300の開放および閉鎖構成を画定することを可能にする。第1のクランプ部材302および第2のクランプ部材312の各々は、クランプアセンブリ300の開放および閉鎖構成を画定するように、任意の適切な経路または経路の組み合わせに沿って移動させられ得る。クランプアセンブリ300をその開放および閉鎖構成の各々に駆動する任意の適切な方法が利用され得る。一実施形態において、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類の単一のアクチュエータ(例えば、アクチュエータ56)が、第1のクランプ部材302および第2のクランプ部材312を、それらのそれぞれの旋回ピン310、320の周りで同時に旋回させる。第1のクランプ部材302および第2のクランプ部材312の各々に別個のアクチュエータが提供されてもよいことを理解されたい。また、第1のクランプ部材302および第2のクランプ部材312のうちの一方を、実際に静止位置または固定位置(少なくとも他のクランプ部材302、312に対して)で維持し、他方を任意の適切な方式で移動させて、クランプアセンブリ300の開放および閉鎖構成を提供する(図示せず)ことができることも理解されたい。
図7は、少なくとも1つのRFIDリーダアンテナをクランプアセンブリ300と一体化するための1つのオプションを図示する。第1のRFIDリーダアンテナ部340は、第1のクランプ部材302の端部表面304上に配置され(端部表面306が別のオプションであるが、図示せず)、第2のRFIDリーダアンテナ部342は、第2のクランプ部材312の端部314上に配置される(端部表面316が別のオプションであるが、図示せず)。第1のRFIDリーダアンテナ部340および第2のRFIDリーダアンテナ部342は、各々、自律的または独立的に動作可能な(例えば、完全に機能的である)RFIDリーダアンテナであってもよい。代替として、第1のRFIDリーダアンテナ部340および第2のRFIDリーダアンテナ部342は、(少なくとも、クランプアセンブリ300が図7に示す閉鎖構成にあるときに)単一のRFIDリーダアンテナを集合的に画定することができる。任意の適切なレイアウトが、第1のRFIDリーダアンテナ部340および第2のRFIDリーダアンテナ部342の各々に用いられてもよい。
クランプアセンブリ300と一体化されたRFIDリーダアンテナに電力を提供するための2つのオプションも、図7によって図示される。RFIDリーダアンテナ部340への電力は、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類の可撓性コネクタ344によって提供される。第2のRFIDリーダアンテナ部342への電力は、第2の旋回ピン320を介して提供されるので、このピンは導電性材料または材料の組み合わせで形成される。
RFIDリーダアンテナの別のレイアウトが、図8Aに例示される。ここでは、RFIDリーダアンテナ部350は、第1/第2のクランプ部材302/312の内部表面308/318(電動注入器シリンジ330がクランプアセンブリ300内に位置しているときに、シリンジ筒332に向かって突出するかまたは面するクランプ部材302/312の表面)上に配置されている。第1/第2の旋回ピン310/320は図8Aに示されていないが、第1/第2の旋回軸311/321(それぞれの第1/第2のクランプ部材302/312が、その周囲を移動する軸311/321)が図8Aに示される。例示された実施形態では、RFIDリーダアンテナ部350自体がRFIDリーダアンテナとして機能するが、クランプアセンブリ300の他のクランプ部材302/312(図示せず)上の別のRFIDリーダアンテナ部とともに、集合的にRFIDリーダアンテナを画定するように構成されてもよい。
図8Bは、図6の電動注入器シリンジのクランプアセンブリ300上のRFIDリーダアンテナの、別の可能なレイアウトを示す。ここでは、第1のRFIDリーダアンテナ部360および第2のRFIDリーダアンテナ部362は、各々、第1/第2のクランプ部材302/312の内部表面308/318(電動注入器シリンジ330がクランプアセンブリ300内に位置しているときに、シリンジ筒332に向かって突出するかまたは面するクランプ部材302/312の表面)上に配置されている。第1および第2の旋回ピン310/320は図8Bに示されていないが、第1/第2の旋回軸311/321(それぞれの第1/第2のクランプ部材302/312が、その周囲を移動する軸311/321)が図8Bに示される。例示された実施形態において、RFIDリーダアンテナ部360、362は、各々、RFIDリーダアンテナとして機能することができる。各RFIDリーダアンテナ部360、362は、クランプアセンブリ300の他のクランプ部材302/312上の別のRFIDリーダアンテナ部とともに、集合的にRFIDリーダアンテナを画定することができる(クランプアセンブリ300が、2つの別個のRFIDリーダアンテナを含むように)。最後に、各RFIDリーダアンテナ部360、362は、1つ以上のRFIDリーダアンテナ部が他のクランプ部材302/312上に配置される場合を含み、クランプアセンブリ300の単一のRFIDリーダアンテナの一部であってもよい。
クランプアセンブリ300上のRFIDリーダアンテナに電力を提供するための2つの方法を、図7に関連して上記で論議した。追加オプションが図9および10に表されている。図9において、旋回ピン370は、図8Bに示される一対の離間したRFIDリーダアンテナ部360、362に別個の電気接続を提供するように構成される。クランプ部材302/312の旋回ピン370は、中間絶縁部374によって分けられた第1の導電部372および第2の導電部376を含む。一対の移動可能かつ導電性であるピン378は、互いに離間し、任意の適切な方式で(例えば、図示しないが、ばね等を使用して)旋回ピン370と接触するように付勢される。一方の導電ピン378が旋回ピン370の第1の導電部372と係合し、他方の導電ピン378が、次いで旋回ピン370の第2の導電部376と係合する。各導電ピン378も、少なくとも導電ピン378が旋回ピン370と接触しているときに、それ自体の導体380と電気的に接触する。一方の導体380は、第1のRFIDリーダアンテナ部360に延在するか、または他の方法で電気的に通信し、他方の導体380は、第2のRFIDリーダ部362に延在するか、または他の方法で電気的に通信している(図8Bを参照)。
図10に示される第1/第2のクランプ部材302/312は、一方で、互いに離間した一対の足部382を含むRFIDリーダアンテナ部380を含む。各足部382は、クランプ部材302/312のエッジ部386に延在し、それ自体の電気接点384(例えば、パワーヘッド上に載置される)と整列させられる。クランプアセンブリ300をその閉鎖構成に配置するようにクランプ部材302/312を移動させると、各足部382が、その対応する電気接点384と電気的に接触する。別のクランプ部材302/312は、同様の一対の電気接点384を有することができるか、または他のクランプ部材302/312は、図10に示す電気接点384と電気的に接触させることもできる。
任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類の電動注入器シリンジのクランプアセンブリ(例えば、単一のクランプ部材を利用すること、および複数のクランプ部材が任意の適切な配設で利用および配置される場合を含む、任意の適切な数のクランプ部材を含む)は、上記にしたがって、少なくとも1つのRFIDリーダアンテナを含むことができる。一実施形態において、1つ以上のRFIDリーダアンテナは、このクランプアセンブリと設置された電動注入器シリンジとの間の相対的な位置付け要件が減じられるような方式で、電動注入器シリンジのクランプアセンブリによって組み込まれる。設置された電動注入器シリンジ上の各RFIDタグは、電動注入器シリンジのクランプアセンブリ内における位置にかかわらず、電動注入器シリンジのクランプアセンブリの1つ以上のRFIDリーダアンテナによって可読であることが望ましくあり得る。
電動注入器シリンジのクランプアセンブリの1つ以上のクランプ部材は、上記にしたがってRFIDリーダアンテナを含むことができる。所与のRFIDアンテナが、単一のクランプ部材に組み込まれてもよいか、または複数のクランプ部材に組み込まれてもよい。電動注入器シリンジのクランプアセンブリの各クランプ部材はRFIDリーダアンテナを含むことができるが、複数のクランプ部材を用いた構成の場合には、1つ以上のクランプ部材は、いずれのRFIDリーダアンテナをその中に含まなくてもよい(しかしながら、そのような場合においても、少なくとも1つのクランプ部材は、なおも少なくとも1つのRFIDリーダアンテナを含む)。
本明細書に記載する種々の電動注入器シリンジのクランプアセンブリは、任意の適切な電動注入器によって利用され得、また任意の適切な方式で一体化され得る。一実施形態において、シリンジのクランプアセンブリは、電動注入器のパワーヘッド上に載置される。別の実施形態において、シリンジのクランプアセンブリは、一方で、電動注入器のパワーヘッドに(例えば、手で、または任意のツールを使用せずに)着脱可能に載置され得る面板の構造内に組み込まれる。さらに別の実施形態において、シリンジのクランプアセンブリは、一方で、電動注入器のパワーヘッドに載置されるアダプタの構造内に組み込まれる。
本発明の前述の説明は、例示および説明のために提示されている。さらに、本説明は、本発明を本明細書で開示される形式に限定することを意図としない。その結果として、変形および修正は、上記の教示に相応し、関連技術の技能および知識は、本発明の範囲内にある。上述する実施形態はさらに、本発明を実践する既知の最良の形態を説明すること、およびこのような実施形態または他の実施形態において、かつ本発明の特定の用途または使用により必要とされる種々の修正とともに、当業者が本発明を利用できるようにすることを意図する。添付の請求項は、従来技術によって可能となる範囲まで代替実施形態を含むと解釈されることが意図される。