JP2014100429A - 洗濯機 - Google Patents
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Abstract
【課題】衣類の一部の汚れが洗濯水によって他の部分に再付着するのを低減し、洗濯性能を向上させる。
【解決手段】衣類収容部1a内に衣類を支持するハンガー9と、ハンガー9で支持された衣類に洗濯水を供給する噴射口10と、噴射口10に洗濯水を供給するポンプ17と、噴射口10とポンプ17とを連通接続する洗濯水経路23と、衣類の内側から洗濯水を吸引する吸引装置15と、ポンプ17および吸引装置15を制御する制御装置22とを備え、制御装置22は、吸引装置15を駆動させながら洗濯水を衣類に供給するようにしたものである。
【選択図】図4
【解決手段】衣類収容部1a内に衣類を支持するハンガー9と、ハンガー9で支持された衣類に洗濯水を供給する噴射口10と、噴射口10に洗濯水を供給するポンプ17と、噴射口10とポンプ17とを連通接続する洗濯水経路23と、衣類の内側から洗濯水を吸引する吸引装置15と、ポンプ17および吸引装置15を制御する制御装置22とを備え、制御装置22は、吸引装置15を駆動させながら洗濯水を衣類に供給するようにしたものである。
【選択図】図4
Description
本発明は、衣類等の洗濯物を洗う洗濯機に関するものである。
従来、この種の洗濯機は、衣類等の洗濯物を吊り下げた状態で固定し、洗浄液を移動させながら洗濯物に噴射するものが考えられている(例えば、特許文献1参照)。
図7は、特許文献1に記載された従来の洗濯システムを示すものである。図7に示すように、衣類等の洗濯物51をハンガー52に吊り下げて本体53内に収容する。洗浄水を圧送するポンプ54によって複数の噴射口55から洗濯物51に洗浄液を噴射し、洗浄するようにしたものである。
しかしながら、前記従来の構成では、襟元等衣類の一部分に汚れが付いている場合、汚れが付いている部分に洗濯水を噴射すると、洗濯水に溶け込んだ汚れが衣類の他の部分に再付着し、汚れは薄くはなるものの汚れが広がってしまう場合があった。その結果、衣類の下部には、衣類の上部に付いていた様々な汚れが薄まって付着してしまい、分厚い衣類や裏地のある衣類などは、汚れが落ちにくくなるという課題があった。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、衣類の一部の汚れが洗濯水によって他の部分に再付着するのを低減し、洗濯性能を向上させることが可能な洗濯機を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の洗濯機は、衣類収容部内に衣類を支持するハンガーと、前記ハンガーで支持された衣類に洗濯水を供給する噴射口と、前記噴射口に洗濯水を供給するポンプと、前記噴射口と前記ポンプとを連通接続する洗濯水経路と、衣類の内側から洗濯水を吸引する吸引装置と、前記ポンプおよび前記吸引装置を制御する制御装置とを備え、前記制御装置は、前記吸引装置を駆動させながら洗濯水を衣類に供給するようにしたものである。
これによって、衣類の外側から内側に洗濯水を通過させながら汚れを洗浄することができるとともに、汚れの混ざった洗濯水を衣類の内側から吸引しながら洗うことで、衣類の一部の汚れを他の部分へ再付着させることなく、衣類全体の洗浄性能を向上させることができる。
本発明の洗濯機は、衣類の一部に付着した汚れを他の部分へ広げることなく洗浄することができ、衣類全体の洗浄性能を向上させることができる。
第1の発明は、衣類を収容する衣類収容部を設けた本体と、前記衣類収容部内に衣類を支持するハンガーと、前記ハンガーで支持された衣類に洗濯水を供給する噴射口と、前記噴射口に洗濯水を供給するポンプと、前記噴射口と前記ポンプとを連通接続する洗濯水経路と、衣類の内側から洗濯水を吸引する吸引装置と、前記ポンプおよび前記吸引装置を制御する制御装置とを備え、前記制御装置は、前記吸引装置を駆動させながら洗濯水を衣類に供給するようにしたことにより、衣類の一部の汚れを他の部分へ再付着させることなく洗浄することができ、衣類全体の洗浄性能を向上させることができる。
第2の発明は、特に、第1の発明において、吸引した洗濯水を衣類に接触させずに排出する排出経路を設けたことにより、衣類の汚れが含まれた洗濯水が、ハンガーに吊り下げられた衣類に接触することなく排出することができ、汚れの再付着を防止することができる。
第3の発明は、特に、第1または第2の発明において、吸引装置は、ハンガーに設けた複数の吸引口と、負圧を生じさせて洗濯水を吸引する吸引力発生装置と、前記吸引口と前記吸引力発生装置とを連通接続する吸引経路とを具備したことにより、衣類を吊下げ支持するハンガーから洗濯水を吸引することで、ハンガーに密着した衣類から洗濯水を効率よく吸引することができ、汚れた洗濯水が衣類の他の部分に広がることを低減することができる。
第4の発明は、特に、第1〜第3のいずれか1つの発明において、制御装置は、ポンプを駆動する前に吸引装置を駆動するようにしたことにより、汚れた洗濯水が衣類の他の部分へ広がり難くすることができ、洗浄性能を向上させることができる。
第5の発明は、特に、第1〜第4のいずれか1つの発明において、吸引装置は、吸引経路を流れる風の流れ方向を切り替える風向切替装置を備えたことにより、吸引口より風を噴射し、吸引口周辺の衣類を乾燥させることで、衣類に残った汚れ成分を他の部分へ拡散させるのを防ぐことができる。
第6の発明は、特に、第3〜第5のいずれか1つの発明において、吸引装置は、吸引経路をポンプの吐出側と連通接続するように切り替える吸引経路切替装置を備えたことにより、吸引する部分だけに直接洗濯水を供給することが可能となり、洗浄する部分以外の部分に洗濯水を付着させないことにより、衣類の一部の汚れがさらに他の部分に広がることを低減することができ、洗浄性能を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における洗濯機の外観図、図2は、同洗濯機の扉を開いた状態の外観図、図3および図4は、同洗濯機の要部断面図である。
図1は、本発明の第1の実施の形態における洗濯機の外観図、図2は、同洗濯機の扉を開いた状態の外観図、図3および図4は、同洗濯機の要部断面図である。
図1〜図4において、本発明の第1の実施の形態にかかる洗濯機は、本体1内の上部の大部分に形成した衣類収容部1aと、本体1内の衣類収容部1aの下方に形成した機械室1bを有している。衣類収容部1aは、前面が開放可能な扉2を有し、扉2は、本体1に取着したヒンジ3によって開閉自在に支持している。
扉2は、左端の上下部にヒンジ3を設け、扉2の右端近傍の前面部に、開閉用の取っ手4を設けて左開きするようにしている。扉2の前面部には、運転用の操作部と運転モードや運転状況等を表示する操作表示装置5を設けている。機械室1bは、前面に開閉自在な機械扉6を有し、機械扉6の下部を支点に手前側へ回動させて、下方に開くように取り付けられている。
扉2の内側の本体1と接する部分には、扉2の周縁部に沿って防水パッキン7が設けられている。一方、本体1内の扉2と対向する位置に、開閉スイッチ(図示せず)が設けられている。開閉スイッチの操作部1cは本体1の前面部に突出し、扉2が閉じられたときに扉2により押圧されてオン状態になり、扉2が開かれると押圧が解除されてオフ状態になるように構成されている。
本体1の衣類収容部1a内には、衣類収容部1aの左右の壁面にハンガーポール8の両端部を固定している。ハンガーポール8は、衣類収容部1aの前後方向の略中央部に取り付けられており、衣類Aが掛かったハンガー9をかけるように構成されている。
ハンガーポール8は、ハンガーポール用モータ(図示せず)によって上下振動可能に設けられている。また、ハンガーポール8には、ハンガー9が3つ吊り下げられるような吊り下げ部が衣類収納部1a内で略均等に構成されている。衣類収容部1aの複数の内壁面には、衣類Aの外側から洗濯水を噴射する複数の噴射口10が設けられている。
衣類収容部1aの底部には水溜め部11が設けられている。水溜め部11は、後部から扉2が設けられている前部に向けて、底面11aを前下がりに傾斜させて構成しており、扉2を開いた状態で前部から流出しないように一定程度の水量が溜められるようになっている。
ハンガー9は、図4に示すとおり、衣類Aの襟から肩の部分を支持する襟肩支持部9aと、衣類Aの身頃部分内に筒状に延びた身頃部9bを有する形状となっている。衣類Aの襟や肩の部分は、ハンガー9の襟肩支持部9aによって支持されているので、ハンガー9に密着している。衣類Aの身頃部分の内側に位置する身頃部9bは、ハンガー9に密着しておらず、衣類Aとの間に所定の隙間を有している。
ハンガー9には、衣類Aに密着している部分、すなわち、襟肩支持部9aと、衣類Aに近接している部分、すなわち、身頃部9bに複数の吸引口12を設けている。吸引口12は、例えば、直径約5mm程度の大きさで、狭い部分では3mm程度の間隔で並んで設けられている。
また、身頃の筒状部分、すなわち、身頃部9bの内側に吸引力発生装置13が設けられている。吸引口12と吸引力発生装置13は、ハンガー9内に設けられた吸引経路14によって連通接続されている。吸引装置15は、吸引口12と、負圧を生じさせて洗濯水を吸引する吸引力発生装置13と、吸引経路14とで構成されている。
吸引力発生装置13には、吸引経路14と反対側に排出経路16が下方に向けて設けられており、排出経路16の出口から出た洗濯水は水溜め部11に排水される。排出経路16から出た洗濯水は、ハンガー9の内側、すなわち、筒状に延びた身頃部9bの内側を通るので、衣類Aには接触しない。
また、ハンガー9をハンガーポール8に吊り下げる吊下げ部には、ハンガー9とハンガーポール8が接触する部分に、一対の電極(図示せず)が設けられており、吸引力発生装置13の電力は、制御装置22から電極を介して吸引力発生装置13に供給される。
本体1内の機械室1b内には、洗濯水を循環させるためのポンプ17と、ポンプ17と水溜め部11とを連通接続させる循環経路18と、循環経路18中に着脱自在に設けたフィルタ19と、フィルタ19とポンプ17との間の循環経路18に設けた排水弁20と、排水弁20と機外とを連通接続する排水経路21と、吸引力発生装置13、ポンプ17、排水弁20等を制御し、洗濯運転を制御する制御装置22を設けている。
排水弁20は、循環経路18およびポンプ17と同じか、それより下方に設けられている。また、ポンプ17と複数の各噴射口10とを連通接続する洗濯水経路23が設けられている。
洗濯水経路23のポンプ17近傍には、洗濯水経路切替装置24を設けている。洗濯水経路23は、1つのハンガー9について3本存在し、1つ目の洗濯水経路23aは、噴射口10aとポンプ17とを連通接続し、衣類Aの上部に対向配置した噴射口10aから衣類Aに向かって上方から洗濯水を噴射する。
2つ目の洗濯水経路23bは、噴射口10bとポンプ17とを連通接続し、衣類Aの側部の上方に対向配置した噴射口10bから衣類Aに向かって側方から洗濯水を噴射する。3つ目の洗濯水経路23cは、噴射口10cとポンプ17とを連通接続し、衣類Aの側部の下方に対向配置した噴射口10cから衣類Aに向かって側方から洗濯水を噴射する。
洗濯水経路切替装置24は、ダンパーによりポンプ17と連通接続する噴射口10a、10b、10cを切り替えることができ、全部または一部または順次または設定された噴射口10から洗濯水を噴射するよう構成されている。
外部水栓Cと本体1は、ホースDで接続されており、ホースDを通って流入した水は、本体1内の給水弁(図示せず)を介して衣類収容部1a内の水溜め部11に供給されるように構成されている。
以上のように構成された洗濯機について、以下その動作、作用を説明する。衣類の洗濯プログラムの実行による動作の詳細を以下に説明する。洗濯の手順の概要を示す。洗濯は洗い工程、すすぎ工程、脱水工程からなる。洗い工程での手順を示す。まず、使用者は扉2を開けて、洗濯する衣類Aをハンガー9に掛け、衣類収容部1a内のハンガーポール8に吊り下げる。
次に、洗剤等を水溜め部11に供給して扉2を閉じると、開閉スイッチ(図示せず)の操作部1cを押圧してオンされ、制御装置22は扉2が閉じられたことを検知する。使用者は操作表示装置5を操作して、洗濯を行う衣類の種類別や、汚れ度合別に設けられたコースの中から最適なものを選択し、洗濯を開始する。
洗い工程が始まると、制御装置22は、給水弁(図示せず)を開いて水を水溜め部11に供給し、水と洗剤が混合される。供給された水は、水溜め部11から循環経路18に流入し、フィルタ19および排水弁20を介してポンプ17まで流入する。このとき、排水弁20で排水経路21側を閉じている。
次に、制御装置22は、吸引力発生装置13を駆動させ、吸引口12から空気を吸引させる。その後、制御装置22は、ポンプ17を駆動して洗濯水を吐出させる。洗濯水は洗濯水経路23を矢印イ方向へ流れ、複数の噴射口10より衣類Aの各部位に向かって外側から洗濯水が噴射される。
制御装置22が吸引力発生装置13を駆動させると、吸引口12周囲の空気が吸引経路14内に吸込まれ、衣類Aも吸引される。その結果、衣類Aは吸引口12に密接する状態となる。衣類Aの外側から供給された洗濯水は、吸引装置15により衣類Aを貫通して吸引口12へと吸引される。
衣類Aの外側から供給された洗濯水は、衣類Aを貫通するので、繊維の奥深くにこびりついた汚れも落とすことが可能となる。また、洗濯水は吸引装置15によって、洗濯水が衣類Aのその他の部分に広がる前に吸引される。衣類Aの余分な水分は吸引装置15によってほとんど吸引されてしまうので、特に脱水工程を設ける必要はない。
衣類Aから吸引された汚れを含む洗濯水は、吸引経路14を通り、吸引力発生装置13を経て排出経路16から水溜め室11に排出され、循環経路18を通ってポンプ17に戻って循環する。
制御装置22は、予め設定された所定時間、洗濯水を循環させ、上記のように付着した汚れを衣類Aから除去する。その後、制御装置22は、ポンプ17を停止し、排水弁20を開放させて、水溜め部11や循環経路18に溜まった洗濯水を排水経路21から機外へ排出し、洗い工程を終了する。
洗い工程が終了すると、すすぎ工程に移る。制御装置22は、給水弁を開放するとともに排水弁20で排水経路21を閉じ、水を水溜め部11に溜める。所定の時間が経過すると、制御装置22は給水弁を閉じ、ポンプ17を駆動する。
洗い工程の終了とともに汚れと洗剤の混ざった洗濯水が排水されているので、汚れの含まない水を衣類Aに噴射することになり、衣類Aに残った汚れや洗剤などを洗い落とす。ポンプ17を駆動させて所定時間経過すると、制御装置22はポンプ17を停止させて、排水弁20を開放して排水する。以上の給水から排水までのプロセスを複数回行ってすすぎ工程を終了する。なお、すすぎ工程において、吸引装置15を駆動させてもよい。
すすぎ工程が終了すると、脱水工程に移る。制御装置22は排水弁20を開き、ハンガーポール用モータ(図示せず)を動作させ、ハンガーポール8を上下振動させる。ハンガーポール8の上下振動により衣類Aから水が落下していく。
所定時間ハンガーポール用モータを動作させた後、制御装置22は、ハンガーポール用モータの動作を停止し、脱水工程を終了する。脱水工程が終了すると、制御装置22は、操作表示装置5に取り付けられたスピーカーから運転終了を知らせるメロディを流して報知する。
なお、洗濯をしていない場合は、開閉スイッチ(図示せず)がオフの状態、つまり、扉2が開かれた状態では、制御装置22は運転を開始しない。一方、洗濯中は、開閉スイッチ(図示せず)がオフの状態になると、制御装置22は、吸引力発生装置13、ポンプ17、ハンガーポール用モータ(図示せず)等の動作を停止し、給水弁(図示せず)と排水弁20は閉じる。
以上のように、本実施の形態においては、衣類を収容する衣類収容部1aを設けた本体1と、衣類収容部1a内に衣類を支持するハンガー9と、ハンガー9で支持された衣類に洗濯水を供給する噴射口10と、噴射口10に洗濯水を供給するポンプ17と、噴射口10とポンプ17とを連通接続する洗濯水経路23と、衣類の内側から洗濯水を吸引する吸引装置15と、ポンプ17および吸引装置15を制御する制御装置22とを備え、制御装置22は、吸引装置15を駆動させながら洗濯水を衣類に供給するようにしたものであり、衣類の一部の汚れが全体に広がって再付着することを防いで、衣類全体の洗浄性能を向上させることができる。
また、吸引した洗濯水の排出経路16をハンガー9の内側に配置したことで、汚れを含んだ洗濯水が衣類Aに接触することがなく、汚れの再付着を少なくして洗浄性能を向上させることができる。
また、ポンプ17を駆動して洗濯水を供給する前に吸引動作を開始することで、汚れを含んだ洗濯水が衣類の他の部分に広がることを防ぎ、汚れの再付着を防止して洗浄性能を向上させることができる。
なお、吸引経路14内にダンパーを設置し、制御装置22によってこのダンパーの開閉を制御することで、一時に吸引力を発生させる吸引口12を限定してもよい。例えば、衣類Aの襟の部分のみ洗浄したい場合に、襟の部分の吸引口12のみ吸引力を発生させることで、吸引口12全部から吸引する場合に比べて、より強い吸引力を発生させることができる。
(実施の形態2)
図5は、本発明の第2の実施の形態における洗濯機の要部断面図である。本実施の形態の特徴は、ハンガー25は、衣類Aの襟部および肩部近傍のみの構造となっており、身頃の部分まで広がっていない。また、吸引力発生装置13は機械室1bに配設されており、吸引経路26は、ハンガー25内およびハンガーポール8、衣類収納部1a外壁の内側を通って吸引力発生装置13と連通接続している。ハンガー25には、吸引口27が衣類と接触する部分に複数設けられており、それぞれの吸引口27は、吸引経路26を通して吸引力発生装置13と連通接続されている。
図5は、本発明の第2の実施の形態における洗濯機の要部断面図である。本実施の形態の特徴は、ハンガー25は、衣類Aの襟部および肩部近傍のみの構造となっており、身頃の部分まで広がっていない。また、吸引力発生装置13は機械室1bに配設されており、吸引経路26は、ハンガー25内およびハンガーポール8、衣類収納部1a外壁の内側を通って吸引力発生装置13と連通接続している。ハンガー25には、吸引口27が衣類と接触する部分に複数設けられており、それぞれの吸引口27は、吸引経路26を通して吸引力発生装置13と連通接続されている。
吸引経路26の途中には風向切替装置28を設けており、ダンパーによって吸引経路26と吸引力発生装置13の吸込側を連通接続させる場合(ケース1)と、吸引力発生装置13の吐出側を連通接続させる場合(ケース2)とを切り替えることが可能に構成されている。
ケース1の場合は、吸引力発生装置13の吐出側は、排水切替弁29を介して循環経路18と連結され、吸込んだ洗濯水を排水弁20を介して排水経路21から機体外へ排出するよう構成されている。循環経路18には汚れセンサ(図示せず)が設けられている。
一方、ケース2の場合は、吸引力発生装置13の吸込側は、吸気切替弁30を介して機械室1b内の空気を吸い込むように構成されている。
洗濯水経路23は、新たに吸引経路26と洗濯水経路切替装置24とを連通接続する経路が付加されており、吸引経路切替装置31を介して吸引経路26と連通接続されている。吸引経路切替装置31が洗濯水経路23と吸引経路26とを連通接続した場合は、洗濯水が吸引力発生装置13側に流れ込まないように密閉するよう構成されている。
図6は、ハンガー25の引っ掛け部とハンガーポール8の断面図を示しており、(a)は、ハンガー25をハンガーポール8にセットした状態であり、(b)は、ハンガー25をハンガーポール8から外した状態を示している。
ハンガーポール8のハンガー25をセットする部分に丸穴8aが開けられており、この丸穴8aの内側にパッキン32が設けられている。パッキン32は、ハンガーポール8の丸穴8aを閉じる方向へ、内方から押し付けられるようにバネ(図示せず)によって付勢されている。他の構成は実施の形態1と同じであり、同一の構成に同一の符号を付して、詳細な説明は実施の形態1のものを援用する。
以上のように構成された洗濯機について、以下その動作、作用を説明する。基本的な動作は、実施の形態1と同様であるので、詳細な説明は実施の形態1のものを援用する。
使用者は、特に、襟部分のみ洗いたい衣類Aをハンガー25にセットし、衣類Aの襟部分だけを洗う襟洗浄コースを選択し、実行する。
洗い工程においては、制御装置22は、吸引経路切替装置31によりポンプ17の水を吸引経路26を逆流するように切り替えて、衣類Aの襟や肩部分を少量濡らす程度供給する。その後、制御装置22は、吸引経路切替装置31により洗濯水経路23と吸引経路26とを遮絶し、風向切替装置28をケース1(吸引経路26と吸引力発生装置13の吸込側を連通接続)に切り替えて、衣類Aに対して外側から噴射された洗濯水を、衣類Aの内側から吸引する。
汚れを含んだ吸引された洗濯水は、吸引経路26を通して循環経路18に流れ込み、汚れセンサーによって洗濯水の汚れ度合いを制御装置22へ出力する。制御装置22は、検知した汚れ度合いに応じて洗剤量を調整した洗濯水をポンプ17によって衣類Aの襟部に供給する。この間、吸引力発生装置13は駆動したままであり、洗濯水を吸引しながら襟部だけの洗浄を行う。
洗い工程が終わると、すすぎ工程を開始する。制御装置22は、吸引力発生装置13を駆動させた後、汚れの加わっていない水を噴射口10aから襟部分のみに供給する。これにより、衣類Aに付着した汚れや洗剤成分が水に溶け出して洗い流される。洗濯水を吸引しながらすすぐので、衣類Aは脱水する必要のない程度の水しか残っておらず、脱水工程は行わずに乾燥工程に入る。
乾燥工程では、制御装置22は風向切替装置28を切り替えて、吸引口27から衣類Aに向かって送風する。このとき、制御装置22は吸気切替弁30を、吸引力発生装置13が機械室1b内の空気を吸うように切り替える。これにより、濡れている部分を急速に乾燥することができる。
実施の形態1と異なり、吸引口27は衣類を支持している部分だけに設けられており、衣類との間に隙間が生じにくく、吸引力発生装置13を駆動させると、衣類Aは吸引されて吸引口27と接触し、吸引ロスが生じにくく、効率よく吸引することができる。
本実施の形態においては、吸引口27は衣類の上部に集中して設けられており、中部と下部には存在しない。基本的に汚れの再付着は、衣類の上部の汚れがその下部に広がっていくものである。特に、襟の部分は素肌に接しやすい部分であり、皮脂汚れなどが付着しやすいが、それより下の部分では、直接素肌に接することもなく、水でも十分落ちる汚れである場合も多い。
このようなことを鑑みると、衣類の上部、特に、襟部分の汚れが再付着することを防ぐのが合理的であり、吸引口27が衣類の上部に偏っていても、実質的に汚れの再付着を防ぐという効果は十分に得られるものである。
ハンガー25がハンガーポール8にセットされたときは、パッキン32はハンガー25に設けた突起25aによって押圧され、図6(a)のように、付勢力に抗してハンガーポール8の内側に入り込み、ハンガー25内の洗濯水がハンガーポール8内に流れ込む。ハンガー25がハンガーポール8から外されると、パッキン32が丸穴8aを閉じ、ハンガー25の吸引口27にて吸引力が働かなくなる。
以上のように、本実施の形態においては、風向切替装置28を設けることで、衣類を部分的に洗浄とすすぎを行った後で、洗濯水の衣類に含まれる水分が他の部分にまで広がっていく前に、素早く乾燥させることが可能となり、汚れの再付着を抑制して衣類の洗浄性能を向上させることができる。
また、本実施の形態においては、吸引経路切替装置31を設けることで、洗濯水を確実に吸引可能な部分のみに供給することが可能となるので、さらに汚れが他の部分に再付着することを抑制して、衣類の洗浄性能を向上させることができる。
なお、上記すべての実施の形態において、吸引口の形状は必ずしも円形でなくてもよく、また、吸引力発生装置13の吸引能力との兼ね合いで最適な大きさを選べばよいので、必ずしも実施の形態に記載するような大きさや間隔でなくてもよい。
また、衣類の襟や肩部など直接ハンガーで衣類を支持している部分と、そうでない部分では、衣類との距離も異なるために最適な吸引口の大きさも異なってくるため、吸引口は配設場所によって大きさを異ならせるようにしてもよい。
なお、上記すべての実施の形態において、吸引口の形状は、円形の穴が開いているだけではなく、ハンガー表面がヴォイド状に形成され、このヴォイドの底部分に吸引穴を設けるなどすると、より広範囲の部分から洗濯水を吸引することができる。
なお、上記すべての実施の形態において、本体1は必ずしも箱型でなくてもよく、円筒形や尖塔形状など他の形でも、衣類をハンガーにより支持した状態で収容することができればよい。
なお、上記すべての実施の形態において、機械扉6は扉2と一体化されていてもよい。
なお、上記すべての実施の形態において、送風用のファンを設けて、衣類を乾燥させる機能が付加されてもよい。
なお、上記すべての実施の形態において、扉2は片開きの扉であるが、両開きの扉や、シャッターなど他の扉でもよく、本体1内からの水漏れが防止できればよい。
なお、上記すべての実施の形態において、ハンガーの数は3つに限定されるものではなく、それ以上でも以下でもよい。
以上のように、本発明にかかる洗濯機は、衣類の一部に付着した汚れを他の部分へ広げることなく洗浄することができ、衣類全体の洗浄性能を向上させることができるので、洗濯機として有用である。
1 本体
1a 衣類収容部
9 ハンガー
10 噴射口
15 吸引装置
17 ポンプ
22 制御装置
23 洗濯水経路
1a 衣類収容部
9 ハンガー
10 噴射口
15 吸引装置
17 ポンプ
22 制御装置
23 洗濯水経路
Claims (6)
- 衣類を収容する衣類収容部を設けた本体と、
前記衣類収容部内に衣類を支持するハンガーと、
前記ハンガーで支持された衣類に洗濯水を供給する噴射口と、
前記噴射口に洗濯水を供給するポンプと、
前記噴射口と前記ポンプとを連通接続する洗濯水経路と、
衣類の内側から洗濯水を吸引する吸引装置と、
前記ポンプおよび前記吸引装置を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、前記吸引装置を駆動させながら洗濯水を衣類に供給するようにした
洗濯機。 - 吸引した洗濯水を衣類に接触させずに排出する排出経路を設けた
請求項1記載の洗濯機。 - 吸引装置は、ハンガーに設けた複数の吸引口と、
負圧を生じさせて洗濯水を吸引する吸引力発生装置と、
前記吸引口と前記吸引力発生装置とを連通接続する吸引経路とを具備した
請求項1または2記載の洗濯機。 - 制御装置は、ポンプを駆動する前に吸引装置を駆動するようにした
請求項1〜3のいずれか1項に記載の洗濯機。 - 吸引装置は、吸引経路を流れる風の流れ方向を切り替える風向切替装置を備えた
請求項1〜4のいずれか1項に記載の洗濯機。 - 吸引装置は、吸引経路をポンプの吐出側と連通接続するように切り替える吸引経路切替装置を備えた
請求項3〜5のいずれか1項に記載の洗濯機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012256180A JP2014100429A (ja) | 2012-11-22 | 2012-11-22 | 洗濯機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2012256180A JP2014100429A (ja) | 2012-11-22 | 2012-11-22 | 洗濯機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014100429A true JP2014100429A (ja) | 2014-06-05 |
Family
ID=51023545
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2012256180A Pending JP2014100429A (ja) | 2012-11-22 | 2012-11-22 | 洗濯機 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2014100429A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105569210A (zh) * | 2015-08-27 | 2016-05-11 | 胡振强 | 挂衣墙 |
JP2017529191A (ja) * | 2014-09-28 | 2017-10-05 | 青島海爾洗衣机有限公司QingDao Haier Washing Machine Co.,Ltd. | 洗濯方法及び該洗濯方法を用いる洗濯機 |
CN107780118A (zh) * | 2016-08-25 | 2018-03-09 | 青岛海尔洗衣机有限公司 | 一种无磨损洗涤的洗衣机及其控制方法 |
WO2018159357A1 (ja) * | 2017-03-03 | 2018-09-07 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 衣類洗浄装置 |
-
2012
- 2012-11-22 JP JP2012256180A patent/JP2014100429A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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