次に、本発明に係る遊技機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。なお、遊技機としては、一般的なパチンコ機を例にして説明する。また、以下の説明において、「前」、「後」、「左」、「右」とは、特に断りのない限り、図1に示すようにパチンコ機を前側(遊技者側)から見た状態で指称する。
(パチンコ機10について)
実施例に係るパチンコ機10は、図1に示すように、前後に開口する矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に縦置き姿勢で設置される固定枠としての外枠11の開口前面側に、遊技盤20を着脱可能に保持する本体枠としての中枠12が開閉および着脱可能に組み付けられて、該遊技盤20の裏側に、所定条件の成立(後述する始動入賞口30,31へのパチンコ球の入賞)を契機として演出用の図柄(以下飾図という)を変動表示させて図柄変動演出を行う演出実行手段としての図柄表示装置(表示手段)17が着脱可能に配設されている。また、前記中枠12の前面側には、前記遊技盤20を透視保護するガラス板や透明な合成樹脂材により形成された透視保護板(図示せず)で前後に開口する窓口13aを覆うよう構成された装飾枠としての前枠13が開閉可能に組み付けられると共に、該前枠13の下方にパチンコ球を貯留する下球受け皿15が開閉可能に組み付けられる。なお、実施例では、前記前枠13の下部位置に、パチンコ球を貯留する上球受け皿14が一体的に組み付けられており、前枠13の開閉に合わせて上球受け皿14も一体的に開閉するよう構成される。
また、前枠13には、窓口13aの外周を囲繞するようランプ装置(発光手段)18が配設されると共に、中枠12の上隅部に、音声や効果音を出力可能なスピーカ(音出力手段)19が配設されている。すなわち、前記ランプ装置18に設けられたLED等の発光体(図示せず)を点灯・点滅したり、前記スピーカ19から適宜の音声を出力することで、前記図柄表示装置17での図柄変動演出に合わせて発光演出や音声演出を行い得るよう構成されている。すなわち、前記前枠13に配設された前記ランプ装置18やスピーカ19も演出実行手段として機能している。
また、前記中枠12の右下方位置には、該中枠12に配設された打球発射装置(図示せず)を作動する操作ハンドル16が設けられている。前記操作ハンドル16は、左回転方向に付勢された操作レバー16aを備えており、該操作レバー16aを右回転するよう遊技者が回動操作することで打球発射装置が作動されて、前記上球受け皿14に貯留されたパチンコ球が前記遊技盤20の遊技領域20aに向けて1球ずつ発射されるようになっている。ここで、前記操作レバー16aの回動量に応じて前記打球発射装置によるパチンコ球の打球力が強弱変化するよう構成されており、遊技者が操作レバー16aの回動量を調節することで、前記遊技領域20aへのパチンコ球の発射位置を任意に変更し得るようになっている。なお、実施例では、前記図柄表示装置17としては、飾図の他に各種絵柄やキャラクタ等を表示可能な液晶パネルを収容ケースに収容した液晶表示装置が採用されているが、これに限られるものではなく、ドラム式の図柄表示装置やドットマトリックス式の図柄表示装置等の各種図柄を停止および変動表示可能な従来公知の各種の表示装置を採用し得る。また、前記上球受け皿14は、前記前枠13と別体に形成して中枠12に対して開閉可能に組み付けるようにしてもよい。
図1に示す如く、前記上球受け皿14の上面には、操作手段としての操作ボタン36が設けられている。そして、操作ボタン36は、後述する可動体91,91を作動する手段として用いる他、後述する第1演出手段83および第2演出手段84での演出に関る押下信号を入力する手段としても用いられるよう構成される。
前記操作ボタン36は、遊技者の手が届く前枠13の前側に配置されており、遊技者が操作可能な操作手段である。操作ボタン36は、後述するパチンコ機10の状態(第1有効期間が設定されている状態、第2有効期間が設定されている状態、第3有効期間が設定されている状態)に応じて機能が変更されるように統括制御CPU65aで制御される。操作ボタン36は、押下したときに押下信号を統括制御基板65の統括制御CPU65aに出力するよう構成される。また、操作ボタン36の内部には、図示しないがLED等の発光体を配設したランプ装置が配設され、該ランプ装置を発光することで、操作ボタン36の操作時期等を知らせ得るよう構成されている。
前記パチンコ機10の裏側には、図示しないが、球払出装置を駆動制御する払出制御基板(払出制御手段)、前記打球発射装置を駆動制御する発射制御基板等が配設されている。前記払出制御基板は、前記パチンコ機10の後側に配設されるメイン制御基板(図8参照)60に配線接続されており、該メイン制御基板60のメイン制御CPU60aから出力された制御信号が払出制御基板に入力され、該制御信号に基づいて払出制御基板が球払出装置を制御することで、所要数のパチンコ球を賞球として払い出すよう構成される。
(遊技盤20について)
前記遊技盤20は、図2に示すように、ベニヤ材や合成樹脂材により形成された略矩形状の板部材であって、遊技盤20の裏面側に、前記図柄表示装置17が取り付けられた設置部材37(図9参照)が着脱可能に組み付けられている。前記遊技盤20の前面には、略円形状に湾曲形成した案内レール21が配設されており、該案内レール21により画成される略円形の遊技領域20aに、前記中枠12に配設された図示しない打球発射装置から発射されたパチンコ球が打ち出されることで遊技が行われるようになっている。また、前記遊技盤20には、前後に貫通する装着口(図示せず)が適宜位置に開設されており、各装着口に対して各種の遊技盤設置部品(具体的には後述する枠状装飾体25、特別入賞装置40、ゲート部材47、普通入賞装置49等)が前側から取り付けられると共に、遊技領域20aの最下部位置には、該遊技領域20aに打ち出されたパチンコ球を排出するアウト口22が開設されている。なお、前記装着口の形成数は、遊技盤20に取り付けられる各種遊技盤設置部品の個数や配設位置等により必要に応じて適宜変更される。
ここで、実施例の前記遊技盤20には、図2、図9に示すように、前記案内レール21で囲まれた遊技領域20aの略中央で開口する装着口に、前後に開口する表示窓口25aが形成されたセンター役とも称される枠状装飾体25が取り付けられ、該枠状装飾体25の表示窓口25aを介して図柄表示装置17の画像表示面17aが遊技盤20の前面側に臨むよう構成されている。なお、前記遊技盤20には、前記遊技領域20a内に多数の遊技釘23が設けられており、遊技領域20aを流下するパチンコ球が遊技釘23に接触することで、流下方向が不規則に変化するよう構成されている。また、前記遊技盤20における枠状装飾体25の右側下方位置に開設された装着口に、遊技領域20aを流下するパチンコ球が入賞可能な特別入賞口(特別入賞手段)41を有する特別入賞装置(入賞手段)40が取り付けられている。
(枠状装飾体25について)
前記遊技盤20に配設される前記枠状装飾体25は、図2、図9に示す如く、前記図柄表装置17の画像表示面17aを前側に臨ませる表示窓口25aを画成する上枠部38aの下側に、後述する球遊びユニット80の振分け部材98や演出手段83,84を前側に臨ませる演出用窓口25bを画成する下枠部38bが連設されている。なお、下枠部38bは、上枠部38aに対して左右方向の寸法が小さく設定されて、該下枠部38bの左右両側の遊技領域20aに、特別入賞装置40や普通入賞装置49を設置するスペースを確保するよう構成される。また、前記枠状装飾体25には、表示窓口25aと演出用窓口25bとの間に、左右方向に延在するステージ39が設けられ、後述するように第1始動入賞口30に入賞したパチンコ球がステージ39に案内されるようになっている。
ここで、前記枠状装飾体25(上枠部38aおよび下枠部38b)は、図9に示すように、その全周に亘って前記遊技盤20の前面から前方へ突出するよう形成されて、前記遊技領域20aと表示窓口25aおよび演出用窓口25bとを区画するよう構成されており、遊技領域20aを流下するパチンコ球が枠状装飾体25の窓口25a,25b内側に進入しないようようになっている。すなわち、実施例の遊技領域20aは、前記枠状装飾体25の左側に画成される第1球流下経路と、当該枠状装飾体25の右側に画成される第2球流下経路とに区画されて、遊技盤20の遊技領域20aに打ち出されるパチンコ球の位置や発射強度に応じて、該第1球流下経路または第2球流下経路をパチンコ球が流下するようになっている。
(ステージ39について)
前記枠状装飾体25のステージ39は、図9に示す如く、パチンコ球が転動する転動面39aが左右方向に延在すると共に、該転動面39aの全体が下方に突出する凹形状に形成されたものである。転動面39aの前端縁には、左右方向の全長に亘って上側に向けて所定高さで立上がる前規制壁45が設けられ、転動面39a上を転動するパチンコ球が前側に移動するのを該前規規壁45で防止している(図10参照)。また、転動面39aの後端縁には、左右方向の全長に亘って上側に向けて所定高さで立上がる後規制壁46が設けられ、転動面39a上を転動するパチンコ球が後側に移動するのを該後規制壁46で防止している。但し、後規制壁46における左右方向の中央部は、左右方向に所定長さで切欠かれており、この切欠部46aを介して転動面39a上のパチンコ球はステージ39から後方へ移動可能に構成されている。実施例のパチンコ機10では、第1始動入賞口30に入賞してステージ39に案内された全てのパチンコ球は、ステージ39から後方へ移動して後述する球遊びユニット80に導入されるよう構成される。そして、当該球遊びユニット80で所定の球遊び遊技に供されたパチンコ球は、再び遊技領域20aに排出されることなく機外に排出されるよう構成される。なお、ステージ39の転動面39aには、後規制壁46の切欠部46aの形成位置に対応する部分に、後方に向けて下方傾斜する傾斜面39bが形成されており(図10参照)、転動面39a上のパチンコ球が左右方向の中央(最部位置)で滞ることなくスムーズに後方に移動し得るようになっている。
また、前記遊技盤20には、遊技領域20aを流下するパチンコ球が入賞可能な入賞口30,31,41,49aが適宜の位置に設けられており、各入賞口30,31,35a,41へのパチンコ球の入賞(具体的には、後述する各入賞検出センサ34,35,44,49bの検出)を賞球の払出条件として、各入賞口毎に定めた払い出し個数の賞球が払い出されるよう構成されている。実施例のパチンコ機10では、パチンコ球の入賞を契機として賞球の払出条件が成立すると共に図柄変動演出(後述する特図変動表示)の開始条件が成立する始動入賞口(始動入賞手段)30,31と、後述する特別遊技としての当り遊技の発生を契機としてパチンコ球の入賞が可能となると共にパチンコ球の入賞を契機として賞球の払出条件が成立する特別入賞口(特別入賞手段)41と、パチンコ球の入賞を契機として賞球の払出条件が成立する普通入賞口49aとが設けられている。具体的に、前記始動入賞口30,31は、前記枠状装飾体25の左右側部に夫々設けられ、前記特別入賞口41は、前記遊技領域20aの第2球流下経路に設けられると共に、前記普通入賞口49aは、遊技領域20aの第1球流下経路および第2球流下経路の夫々に設けられている。なお、実施例のパチンコ機10では、当り遊技として、当り遊技後の遊技状態が当り遊技の種類に応じて定まる大当り遊技が設定されており、以下大当り遊技と表示する場合もある。
(第1始動入賞口30および第2始動入賞口31について)
前記枠状装飾体25に、第1始動入賞口(始動入賞手段)30および第2始動入賞口(始動入賞手段)31が設けられている。第1始動入賞口30は、図2、図9に示す如く、枠状装飾体25における上枠部38aの左下部に設けられる。この第1始動入賞口30は、枠状装飾体25の左側に画成される遊技領域20a(第1球流下経路)に向けて常に開口する常時開放型の入賞口とされ、枠状装飾体25の左側の遊技領域20aを流下するパチンコ球が入賞可能に構成される。そして、第1始動入賞口30に入賞したパチンコ球を、後述する球遊び遊技に用いる演出球として前記ステージ39に導びくよう構成されている。前記第2始動入賞口31は、図2、図9に示す如く、枠状装飾体25における上枠部38aの右下部に設けられる。この第2始動入賞口31は、枠状装飾体25の右側に画成される遊技領域20a(第2球流下経路)に向けて開口するように設けられる。また枠状装飾体25に、第2始動入賞口31を開閉する開閉部材33が設けられており、駆動手段としての始動入賞ソレノイド32(図8参照)の駆動に伴って開閉部材33が第2始動入賞口31を閉鎖する閉鎖位置と開放する開放位置に変位するよう構成されている。なお、図2において開閉部材33の開放位置を二点鎖線で示してある。
すなわち、実施例において前記第1始動入賞口30は、前記遊技領域20aを流下するパチンコ球が常時一定の確率で入賞可能に構成され、第2始動入賞口31は、始動入賞ソレノイド32を駆動することでパチンコ球の入賞確率を可変し得るよう構成されている。ここで、前記開閉部材33が閉鎖位置に変位した状態では、前記第2始動入賞口31へのパチンコ球の入賞が阻止されて、前記遊技領域20aの第1球流下経路を流下するパチンコ球が第1始動入賞口30へ入賞する確率よりも、遊技領域20aの第2球流下経路を流下するパチンコ球が第2始動入賞口31へ入賞する確率の方が低くなるよう設定されている。一方で、前記開閉部材33が開放位置に変位した状態では、開閉部材33で受止められたパチンコ球が第2始動入賞口31に案内されることで、前記遊技領域20aの第1球流下経路を流下するパチンコ球が第1始動入賞口30へ入賞する確率よりも、遊技領域20aの第2球流下経路を流下するパチンコ球が第2始動入賞口31へ入賞する確率の方が高くなるよう設定されている。実施例では、前記開閉部材33が閉鎖位置に変位した状態では、前記第2始動入賞口31へパチンコ球が入賞しないよう構成されているが(入賞確率0%)、パチンコ球が入賞可能な程度に第2始動入賞口31を開放させるようにしてもよい。
また、前記第1および第2始動入賞口30,31は、該第1および第2始動入賞口30,31に入賞したパチンコ球を検出する入賞検出手段としての始動入賞検出センサ34,35(図8参照)が設けられている。前記始動入賞検出センサ34,35は、パチンコ機10の裏側に配設されたメイン制御基板60(図8参照)に配線接続されている。そして、始動入賞検出センサ34,35からの検出信号がメイン制御基板60のメイン制御CPU60aに入力されることを賞球の払出条件として、該メイン制御CPU60aが賞球の払い出しを決定するようになっている。すなわち、メイン制御CPU60aは、所定の払出条件の成立に伴い、払い出し賞球数を決定する賞球数決定手段としての機能を有している。具体的に、第1始動入賞口30に対応した始動入賞検出センサ34によるパチンコ球の検出(すなわち第1始動入賞口30へのパチンコ球の入賞)を契機として賞球の払出条件が成立した場合には、メイン制御CPU60aが所定数(実施例では3個)の賞球の払い出しを決定するよう設定されている。また、第2始動入賞口31に対応した始動入賞検出センサ35によるパチンコ球の検出(すなわち第2始動入賞口31へのパチンコ球の入賞)を契機として賞球の払出条件が成立した場合には、メイン制御CPU60aが所定数(実施例では2個)の賞球が払い出されるようになっている。なお、第1始動入賞口30および第2始動入賞口31へのパチンコ球の入賞時の払い出し賞球数を同数にしてもよく、また第1始動入賞口30への入賞時よりも第2始動入賞口31への入賞時の払い出し賞球数を多くすることも可能である。
また、始動入賞検出センサ34,35によるパチンコ球の検出(すなわち第1および第2始動入賞口30,31へのパチンコ球の入賞)を遊技の開始条件として、前記メイン制御CPU60aが各種情報(後述する各種乱数情報)を取得して、この取得した情報に基づいて後述する特図当り抽選(当り判定)が行われるよう構成されている。そして、特図当り抽選の結果に基づいて前記図柄表示装置17において図柄変動演出が実行されると共に、後述する特図表示器50A,50Bにおいて特図変動が実行されるようになっている。そして、前記図柄表示装置17での図柄変動演出の結果、該図柄表示装置17に所定の組み合わせ(例えば同一飾図の3つ揃い等)で飾図が確定停止表示されることで、遊技者に有利な当り遊技(大当り遊技)が付与され、当り遊技の発生に伴って前記特別入賞口41を所定の開放条件で開放する当り遊技が行われて、遊技者が賞球を獲得し得る機会が与えられるよう構成されている。
ここで、実施例では、前記始動入賞検出センサ34,35が始動入賞口30,31毎が設けられており、以下の説明では、第1始動入賞口30に対応するセンサを第1始動入賞検出センサ34と指称し、第2始動入賞口31に対応するセンサを第2始動入賞検出センサ35と指称するものとする。また、メイン制御基板60は、第1始動入賞検出センサ34または第2始動入賞検出センサ35からの検出信号を受信すると、払出制御基板(図示せず)に制御信号を出力して、前記球払出装置に所定数の賞球を払い出させるよう構成される。なお、球払出装置から払い出される賞球球数は、前述したようにパチンコ球が入賞した始動口毎に予め設定されている。
(特別入賞装置40について)
前記特別入賞装置40は、図2に示すように、前記枠状装飾体25における下枠部38bより右側の遊技領域20aに配置されている。この特別入賞装置40は、遊技領域20aに開口する特別入賞手段としての特別入賞口41を開閉自在に閉成する開閉体(開閉部材)43,43を備えており、駆動手段としての特別入賞ソレノイド42(図8参照)の駆動に伴って開閉体34,34が閉鎖する閉鎖位置と開放する開放位置に変位するよう構成されている。なお、実施例では、特別入賞口41を挟む左右両側に開閉体43,43が設けられており、特別入賞ソレノイド42の駆動に伴って一対の開閉体43,43が揺動することで特別入賞口41を開閉するよう構成されている。また、前記特別入賞装置40には、前記特別入賞口41に入賞したパチンコ球を検出する特別入賞検出手段としての特別入賞検出センサ44(図8参照)が設けられている。特別入賞検出センサ44は、前記メイン制御基板60に配線接続されており、特別入賞検出センサ44がパチンコ球を検出すると、検出信号をメイン制御基板60のメイン制御CPU60aに出力し、メイン制御CPU60aは、特別入賞検出センサ44からの球検出信号の入力を賞球の払出条件として前記払出制御基板に制御信号を出力して前記球払出装置に予め設定された数(実施例では14個)の賞球を払い出させるようになっている。ここで、前記特別入賞ソレノイド42は、前記第1および第2始動入賞口30,31へのパチンコ球の入賞を契機として特別入賞口41を開放する当り遊技(大当り遊技)が付与される場合に、当りの種類に応じた所定の開閉条件に従ってメイン制御基板60によって駆動制御される。
(普通入賞装置49について)
前記普通入賞装置49に設けられる普通入賞口49aは、図2、図9に示すように、前記遊技盤20の遊技領域20a内で常に上方へ開口する常時開放タイプの入賞口とされており、該遊技領域20aを流下するパチンコ球が常時一定の確率で入賞し得るよう構成されている。また、前記普通入賞装置49には、該普通入賞口49aに入賞したパチンコ球を検出する普通入賞検出手段としての普通入賞検出センサ49b(図8参照)が設けられている。前記普通入賞検出センサ49bは、前記メイン制御基板60に配線接続されており、普通入賞検出センサ49bからの検出信号がメイン制御基板60のメイン制御CPU60aに入力されることを賞球の払出条件として、該メイン制御CPU60aが賞球の払い出しを決定するようになっている。具体的に、普通入賞検出センサ49bによるパチンコ球の検出(すなわち普通入賞口49aへのパチンコ球の入賞)を契機として賞球の払出条件が成立した場合には、メイン制御基板60が所定数(実施例では5個)の賞球の払い出しを決定するようになっている。
前記遊技盤20には、図2に示すように、前記遊技領域20aの第1球流下経路に、所定数(実施例では3つ)の普通入賞口49aが設けられた普通入賞装置49が前記第1始動入賞口30の下方に位置するよう配設されており、該第1始動入賞口30へのパチンコ球の入賞機会を優先して確保すると共に、当該第1始動入賞口30に入賞しなかったパチンコ球が普通入賞口49aに入賞し得るようになっている。また、前記遊技領域20aの第2球流下経路には、所定数(実施例では1つ)の普通入賞口49aが設けられた普通入賞装置49が設けられると共に、該第2球流下経路の普通入賞口49aが前記第2始動入賞口31の下方に位置するよう構成されており、該第2始動入賞口31へのパチンコ球の入賞機会を優先して確保すると共に、当該第2始動入賞口31に入賞しなかったパチンコ球が普通入賞口49aに入賞し得るようになっている。また、前記普通入賞装置49には、前記メイン制御CPU60aにより決定された各種の遊技情報を表示する遊技情報表示部Mが設けられており、当該遊技情報表示部Mを確認することで、遊技に必要な遊技情報を適宜に確認し得るようになっている。ここで,実施例の遊技情報表示部Mには、前記遊技情報を表示する各表示として、後述する特図表示部50A,50B、特図保留表示部52,53、普図表示部55、普図保留表示部56、ラウンド表示部57および右打ち表示部58が設けられている。なお前記遊技情報表示部Mは、前記遊技盤20の盤面と略同一面上に位置するよう前記第1球流下経路に配設された普通入賞装置49に設けられた透視板49c(図2参照)の裏側に設けられている。
(ゲート部材47について)
図1、図2、図9に示すように、前記枠状装飾体25の右側には、遊技領域20aの第2球流下経路を流下するパチンコ球が通過可能なゲート部材47が設けられている。前記ゲート部材47にはゲートセンサ48(図8参照)が配設されており、該ゲート部材47を通過するパチンコ球をゲートセンサ48で検出するよう構成されている。前記ゲートセンサ48は、前記メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)に配線接続されており、該ゲートセンサ48からメイン制御基板60への球検出信号の入力(すなわちゲートセンサ48のパチンコ球の検出(ゲート部材47のパチンコ球の通過)に伴って各種通過検出情報(後述する普図当り判定用乱数等の乱数情報)が取得され、この取得した情報に基づいて後述する普図当り判定(普図当り抽選)が行われるよう構成されている。そして、この普図当り抽選の結果に応じて前記始動入賞ソレノイド32が駆動制御されて開閉部材33が開閉動作するようになっている。すなわち、実施例のメイン制御CPU60aは、ゲートセンサ48によるパチンコ球の検出に基づいて、前記第2始動入賞口31を開放するか否かを決定する入賞口開放判定手段として機能している。
(特図表示部50A,50Bについて)
前記特図表示部(表示手段)50A,50Bは、前記第1始動入賞口30および第2始動入賞口31への入賞を契機として行われる特図当り抽選(大当り判定)の結果を示す報知用の特別図柄(以下、特図という)を特定可能に表示する表示部である。ここで、図2に示すように、特図表示部50A,50Bは、前記第1始動入賞口30への入賞(第1始動入賞検出センサ34による検出)を契機として変動表示を開始する第1特図表示部50Aと、第2始動入賞口31への入賞(第2始動入賞検出センサ35による検出)を契機として変動表示を開始する第2特図表示部50Bとからなり、各特図表示部50A,50Bの何れも複数個(実施例では8個ずつ)の発光表示部により構成されている。そして、前記第1始動入賞口30へのパチンコ球の入賞を契機として、第1特図表示部50Aの発光表示部が順次点灯・消灯する変動表示(以下特図変動表示という場合がある)が行われ、最終的に発光表示部が確定的に点灯した点灯位置(点灯パターン)により複数種類の特図の内の1つを表示するようになっている。また、第2始動入賞口31へのパチンコ球の入賞を契機として、第2特図表示部50Bの発光表示部が点灯・消灯する変動表示(以下特図変動表示という場合がある)が行われて、最終的に発光部が確定的に点灯した点灯位置(点灯パターン)により複数種類の特図の内の1つを表示するよう構成されている。なお、実施例の各発光表示部は小数点表示可能な7セグメント表示部により構成されているが、これに限らず点灯位置を適宜変更し得る形態であればよく、複数個のLEDにより構成された表示部であったり、ドットマトリックス表示部、小型の液晶表示部、その他特図を表示可能な表示手段を採用できる。
具体的には、各特図表示部50A,50Bにおいて表示し得る特図としては、当りの当選を認識し得る当り表示(大当り図柄)としての100種類の特図と、はずれを認識し得るはずれ表示(はずれ図柄)としての1種類の特図とが各特図表示部50A,50Bに対応して夫々設定されて、特図当り抽選の結果に応じて1つの特図が決定されて、特図変動表示の結果として、決定された特図が各特図表示部50A,50Bに確定停止表示される。なお、前述した各特図表示部50A,50Bにおいて表示し得る大当り図柄やはずれ図柄としての特図の数は一例であって、適宜に変更することができる。そして、前記特図表示部50A,50Bの何れかに、大当り表示としての特図が表示されることで、当り表示に対応した大当り遊技が引き続いて遊技者に付与されるようになっている。実施例のパチンコ機10に設定された大当り遊技については後で詳細に説明する。なお、以下の説明では、第1特図表示部50Aで行われる特図変動表示を「第1特図変動表示」と称し、該第1特図変動表示の結果、第1特図表示部50Aに確定停止表示される特図を特図1と称する場合がある。同様に、第2特図表示部50Bで行われる特図変動表示を「第2特図変動表示」と称し、該第2特図変動表示の結果、第2特図表示部50Bに確定停止表示される特図を特図2と称する場合がある。
(特図保留表示部52,53について)
前記特図保留表示部52,53は、前記第1始動入賞口30および第2始動入賞口31にパチンコ球が入賞した際に取得される入賞情報(各種乱数情報)を、機内部の記憶手段(実施例では、メイン制御RAM60c)に特図始動保留情報(始動保留情報)として記憶する場合に、当該特図始動保留情報の保留数を特定可能に表示する表示部である。ここで、図2に示すように、前記特図保留表示部52,53は、前記第1始動入賞口30にパチンコ球が入賞した際に取得される入賞情報(各種乱数情報)をメイン制御RAM60cが第1特図始動保留情報として記憶した保留数を表示する第1特図保留表示部52と、第2始動入賞口31にパチンコ球が入賞した際に取得される入賞情報(各種乱数情報)をメイン制御RAM60cが第2特図始動保留情報として記憶した保留数を表示する第2特図保留表示部53とからなり、各特図保留表示部52,53の何れも複数個(実施例では2個ずつ)の発光表示部により構成されている。この第1特図始動保留情報の保留数を表示する複数のLED(実施例では2個)から発光表示部が構成された第1特図保留表示部52が設けられると共に、該第2特図始動保留情報の保留数を表示する複数のLED(実施例では2個)から発光表示部が構成された第2特図保留表示部53が設けられている。すなわち、前記第1および第2特図保留表示部52,53の表示内容によって、保留されている第1特図変動表示および第2特図変動表示の回数(図柄変動演出の回数)が報知される。
ここで、前記第1特図保留表示部52で表示される第1特図始動保留情報の保留数は、第1始動入賞口30へパチンコ球が入賞することで1加算されると共に、第1特図変動表示(図柄変動演出)が行われる毎に1減算される。同様に、前記第2特図保留表示部53で表示される第2特図始動保留情報の保留数は、第2始動入賞口31へパチンコ球が入賞することで1加算されると共に、第2特図変動表示(図柄変動演出)が行われる毎に1減算される。なお、第1および第2特図始動保留情報の保留数には所定の上限数(実施例では何れに対しても「4」)が設定されており、該上限数まで第1および第2特図始動保留情報の保留数を夫々加算し得るよう設定されている。なお、前記第1および第2特図保留表示部52,53の夫々は、左右に並んだ複数(実施例では2つ)のLEDから構成されており、各始動保留記憶数が「1」〜「2」の場合には対応の特図保留表示部52,53が左から順に点灯し、各始動保留記憶数が「3」〜「4」の場合には対応の特図保留表示部52,53が左から順に点滅することで、保留情報の保留数を遊技者が把握し得るようになっている。
(普図表示部55について)
前記普図表示部55は、前記ゲートセンサ48のパチンコ球の検出(ゲート部材47のパチンコ球の通過)を契機として行われる普図当り抽選(普図当り判定)の結果を示す報知用の普通図柄(以下、普図という)を特定可能に表示する表示部である。ここで、図2に示すように、普図表示部55では、ゲートセンサ48のパチンコ球の検出(ゲート部材47のパチンコ球の通過)を契機として、複数種類の普図を変動させて1つの普図を導出する普図変動表示が行われるようになっている。実施例では、2つのLEDの発光態様にて2種類の普図を表示するようになっている。具体的には、左側LEDだけが点灯する発光態様および右側LEDだけが点灯する発光態様により普図を示している。なお、以下では、右側LEDだけが点灯することにより示される普図を普図「0」とし、左側LEDだけが点灯することにより示される普図を普図「1」とする。そして、前記普図表示部55の最終的な点灯結果から普図当りまたははずれを認識できるようになっている。具体的には、普図当りの場合に普図表示部55に普図「1」が表示され、はずれの場合に普図「0」が表示される。すなわち、この普図当りを認識できる普図が普図当りの表示結果となり、はずれを認識できる普図が普図はずれの表示結果となる。
(普図保留表示部56について)
前記普図保留表示部56は、前記ゲート部材47をパチンコ球が通過した際に取得される球通過検出情報(普図当り判定用乱数等の各種乱数情報)を、機内部の記憶手段(実施例では、メイン制御RAM60c)に普図始動保留情報(始動保留情報)として記憶する場合に、当該普図始動保留情報の保留数を特定可能に表示する表示部である。ここで、前記普図保留表示部56は、図2に示すように、複数個(実施例では2個)の発光表示部により構成されており、該普図保留表示部56の表示内容によって保留されている普図の変動回数が報知される。前記普図保留表示部56で表示される普図始動保留記憶数は、ゲート部材47をパチンコ球が通過すると1加算され、普図変動表示が開始されることにより1減算される。なお、普図始動保留記憶数には所定の上限数(実施例では「4」)が設定されており、該上限数まで普図始動保留記憶数を加算し得るよう設定されている。具体的に、実施例の普図保留表示部56は、普図始動保留記憶数が1〜2の場合には普図保留表示部56が上から順に点灯し、普図始動保留記憶数が3〜4の場合には普図保留表示部56が上から順に点滅することで、普図変動表示が行われる保留数を把握し得るようになっている。
(ラウンド表示部57について)
前記ラウンド表示部57は、大当り判定に当選した場合に、当選した大当り遊技のラウンド回数を特定可能に表示する表示部である。すなわち、実施例のパチンコ機10では、大当り判定に当選した場合に、後述するように複数種類の大当り遊技の中から1つの大当り遊技が決定されると共に、この大当り遊技には規定のラウンド回数(規定ラウンド数)が異なる複数種類のものが設定されており、当選した大当り遊技の規定ラウンド数を報知するラウンド表示部57で表示するようになっている。このラウンド表示部57は、複数のLED(実施例では3個)から発光表示部が構成される。実施例では、大当り遊技の規定ラウンド数として、「2回」、「4回」および「16回」の3種類が設定されており、規定ラウンド数毎に点灯するLEDが定められて、LEDの点灯位置に応じて当選した大当り遊技に対応した規定ラウンド数が報知されるようになっている。なお、前記遊技情報表示部Mの前面を被覆する透視板45aには、ラウンド表示部57の各LEDに対応した位置に各LEDで示される規定ラウンド数を表す数値が表示されており、LEDの点灯位置に対応した規定ラウンド数を直接的に認識し得るようになっている。
(右打ち表示部58について)
前記右打ち表示部58は、前記第2球流下経路へパチンコ球を打ち出して遊技を実行する右打ち遊技状態であることを特定可能に表示する表示部である。すなわち、右打ち遊技状態では、第2球流下経路へパチンコ球を打ち出して遊技を行うことで、第1球流下経路へパチンコ球を打ち出して遊技を行う場合と比べて、遊技者により多くの特典が付与される状態であり、右打ち表示部58が右打ち遊技状態であることを報知するようになっている。具体的に、前述のように第2球流下経路に第2始動入賞口31や特別入賞装置40が配置された実施例のパチンコ機10では、後述する変短状態が付与された状態および大当り遊技が付与された状態等が右打ち遊技状態に該当する。実施例の右打ち表示部58は、所定数のLED(実施例では1個)から発光表示部が構成されており、当該右打ち表示部58のLEDを点灯することで右打ち遊技状態であることを報知するようになっている。また、前記右打ち表示部58は、前記第1特図表示部50Aまたは第2特図表示部50Bに特図が確定停止されて右打ち遊技状態に移行した後に点灯し、右打ち遊技状態が終了するのに伴い消灯するようになっている。
(図柄表示装置17について)
前記図柄表示装置17には、図2に示すように、前記飾図を変動表示可能な図柄列26a,26b,26cが複数列設定されており、前記第1始動入賞口30または第2始動入賞口31への入賞を契機として、各図柄列26a,26b,26cの飾図が変動開始されるようになっている。実施例の図柄表示装置17には、図柄変動演出の結果として1つの飾図を停止表示可能な複数の有効停止位置27が夫々設定されており、図柄変動演出により、各図柄列26a,26b,26cの有効停止位置27を組み合わせた停止図柄有効ライン28に確定停止表示される飾図の図柄組み合わせを導出するようになっている。なお、実施例の図柄表示装置17には、3列の図柄列26a,26b,26cが左右横並び状に設定されると共に、各図柄列26a,26b,26c毎に飾図の有効停止位置27が1箇所ずつ定められており、3列の飾図からなる図柄変動演出が行われるようになっている。すなわち、実施例の図柄表示装置17には、1つの停止図柄有効ライン28が設定されている。以下の説明では、左側から順に左図柄列26a、中図柄列26b、右図柄列26cと指称する場合がある。
また、前記図柄表示装置17の各図柄列26a,26b,26cにおける飾図の表示領域は、第1特図表示部50Aおよび第2特図表示部50Bに比較して大きな領域で構成されて、特図に比較して飾図が遥かに大きく表示されるようになっている。このため、遊技者は、図柄表示装置17の停止図柄有効ライン28に停止表示された図柄組み合わせから大当りまたははずれを認識できる。
前記図柄表示装置17には、図柄変動演出の開始と共に予め定めた変動方向(実施例では上から下の縦方向)に沿って飾図が移動するよう変動表示されるようになっており、予め定められた停止順序で変動表示されている飾図が各図柄列26a,26b,26cの有効停止位置27に停止表示されるようになっている。なお、実施例では、図柄変動演出の開始時に、左図柄列26a、中図柄列26b、右図柄列26cの順で飾図が変動開始し、左図柄列26a、右図柄列26c、中図柄列26bの順で停止表示する飾図の変動タイミングを基本として、図柄表示装置17で実行される図柄変動演出の演出内容や特図始動保留情報(後述)の記憶数等に応じて飾図の変動タイミングが適宜に変更されるよう構成されている。
また、前記図柄表示装置17では、図柄変動演出が終了する前に各図柄列26a,26b,26cの有効停止位置27に飾図が一時的に仮停止表示されて、各図柄列26a,26b,26cの飾図が確定停止表示されることで1回の図柄変動演出が終了するようになっている。すなわち、図柄変動演出(第1特図変動表示および第2特図変動表示)は、1つの特図始動保留情報に基づいて行われる飾図(特図1および特図2)の変動開始から確定停止までを1回として実行されるようになっている。なお、「変動表示」とは、前記各図柄列26a,26b,26cにおいて、有効停止位置27に表示される飾図が所定順序で変化している状態である。そして、飾図の「確定停止」とは、前記各図柄列26a,26b,26cにおいて有効停止位置27に飾図が所定の特図変動インターバル時間に亘って継続して停止表示された状態である。なお、実施例では、第1始動入賞検出センサ34の検出に基づく図柄変動演出(第1特図変動表示)の特図変動インターバル時間として600ms(ミリ秒)が設定され、第2始動入賞検出センサ35の検出に基づく図柄変動演出(第2特図変動表示)の特図変動インターバル時間として600msが設定されている。また、飾図の「仮停止」とは、前記各図柄列26a,26b,26cにおいて有効停止位置27に留まるよう表示された飾図が特図変動インターバル時間だけ継続して停止していない状態である。すなわち、飾図の仮停止には、有効停止位置27において飾図がゆれ変動状態で表示されている状態や、特図変動インターバル時間より短い時間で停止表示されている状態を含んでいる。
ここで、第1特図表示部50Aと図柄表示装置17では、第1特図変動表示と該第1特図変動表示に関する図柄変動演出が開始され、特図1と飾図とが確定停止表示される。同様に、第2特図表示部50Bと図柄表示装置17では、第2特図変動表示と該第2特図変動表示に関する図柄変動演出が開始され、特図2と飾図とが確定停止表示される。なお、第1および第2特図表示部50A,50Bにおいて特図変動表示が同時に行われることはなく、一方の特図表示部50A,50Bで特図変動表示が行われている場合には、メイン制御RAM60cに対応する第1または第2特図始動保留情報として保留記憶されるようになっている。
ここで、実施例に係る図柄表示装置17には、各図柄列26a,26b,26cに「0」〜「9」の10種類の数字が基本の飾図として設定されており、該基本の飾図が各図柄列26a,26b,26cで順番に変動表示されるようになっている。なお、飾図としては、これに限られるものではなく、任意の数字や文字、絵柄等のように、遊技者が各飾図を区別して識別し得る形態とされる。実施例の飾図は、大当り遊技の終了後に確変状態(後述)を付与することを確定的に遊技者が認識可能な第1の識別図柄と、大当り遊技終了後に確変状態を付与される可能性のあることを非確定的に認識可能な第2の識別図柄に分類されている。なお、本実施形態において大当り遊技終了後に付与可能な確変状態については後で詳細に説明する。ここで、第1の識別図柄としては、基本となる飾図の中から適宜に設定しても、基本となる飾図以外に定めた特別な飾図を用いることもできる。なお、実施例においては、「1」、「3」、「5」、「7」、「9」の奇数図柄を第1の識別図柄とし、「0」、「2」、「4」、「6」、「8」の偶数図柄を第2の識別図柄とした例で説明する。
そして、前記図柄表示装置17における各図柄列26a,26b,26cの有効停止位置27(停止図柄有効ライン28)に確定停止表示された各図柄列26a,26b,26cの飾図が当りの図柄組み合わせであった場合に、当り遊技(大当り遊技)が付与されることを把握し得るようになっている。ここで、実施例では、大当りの図柄組み合わせとして、各図柄列の有効停止位置27に同じ飾図が確定停止表示される図柄組み合わせ(例えば、「222」、「777」等)が設定されている。この大当りを認識できる飾図の図柄組み合わせが、図柄表示装置17に表示される大当り表示となり、図柄変動演出の終了後に遊技者に有利な大当り遊技が付与される。また、実施例では、図柄表示装置17で変動表示される前述した基本の飾図とは別に、特殊飾図(特殊図柄)を表示し得るよう設定されており、各図柄列の有効停止位置27の何れか(例えば中図柄列の有効停止位置)に特殊飾図が確定停止表示されることで、所定の大当り遊技が付与されることを認識できるよう構成されている。この大当り遊技が発生する可能性を認識できる飾図の図柄組み合わせが、図柄表示装置17に表示される大当り示唆表示となる。一方で、図柄表示装置17の有効停止位置27に確定停止表示された全列の図柄が1つでも異なる種類の場合には、その図柄組み合わせ(例えば「123」、「734」、「171」等)から、原則的には大当り遊技が付与されない「はずれ」であることを認識できる。このはずれを認識できる飾図の図柄組み合わせが、図柄表示装置17のはずれ表示となる。但し、このような3列の飾図が全て同一でない図柄組み合わせのうち、特定の図柄組み合わせを所定の演出(例えば、所定の大当り遊技)が実行される契機として用いることも可能である。特定の図柄組み合わせとは、当該図柄組み合わせから遊技者が何らかの法則性や意味を認識または連想し得るものである。特定の図柄組み合わせの具体例としては、3列の飾図が連続した昇順または降順で並ぶ図柄組み合わせ(例えば、「123」、「321」)や、左図柄列26aおよび中図柄列26bの飾図が同一で、右図柄列26cの飾図の値が1つずれた図柄組み合わせ(例えば、「778」)、3列の飾図が所定の語呂合わせとなる図柄組み合わせ(例えば、「758」(名古屋))等が挙げられる。このように、特定の図柄組み合わせは、はずれ表示結果としてだけでなく大当り表示結果としても選択され得る飾図の図柄組み合わせとされる。
また、図柄変動演出において、複数の図柄列の内で、特定の図柄列(実施例では、左図柄列26aおよび右図柄列26c)に同じ飾図が停止表示され、かつ残りの図柄列(実施例では、中図柄列26b)が変動表示された表示(リーチ表示)となることで、リーチが生起されたことを遊技者が認識し得るようになっている。具体的なリーチ表示の例としては、左図柄列26aおよび右図柄列26cに同じ飾図が停止表示された図柄組み合わせ(「1↓1」、「4↓4」等)となる。なお、「↓」は変動中であることを表している。また、リーチ表示を形成する特定の図柄列(左図柄列26aおよび右図柄列26c)の飾図は、仮停止表示の状態とされ、残りの図柄列(中図柄列26b)に飾図が停止表示(仮停止表示)された後に、全ての図柄列の飾図が確定停止表示されるようになっている。
また、前記図柄表示装置17には、第1特図表示部50Aおよび第2特図表示部50Bで行われる特図変動表示の結果、表示される特図に応じた飾図の図柄組み合わせが表示される。すなわち、第1特図表示部50Aおよび第2特図表示部50Bに表示される特図と、図柄表示装置17に表示される飾図の図柄組み合わせとが夫々対応しており、図柄変動演出が終了すると、第1特図表示部50Aおよび第2特図表示部50Bに特図が確定停止されると共に、図柄表示装置17の各図柄列26a,26b,26cに飾図が確定停止表示されるようになっている。なお、特別図柄に対する飾図の図柄組み合わせは一対一とは限らず、1つの特別図柄に対して複数の飾図による図柄組み合わせの中から1つの飾図による図柄組み合わせが選択されるようになっている。
(設置部材37について)
前記設置部材37は、略矩形状の背面板と、該背面板の外周縁部から前方に突出する画壁部とから前方に開口した箱状に形成されて、該画壁部の開口前端部を前記遊技盤20の裏面に当接させた状態で、当該遊技盤20と設置部材37とがネジにより固定される。そして、前記設置部材37において前記遊技盤20との間に画成される空間に、可動演出装置110や球遊びユニット80および各種の発光装置が設置されて、設置部材37を基材とする1つのユニットとして扱い得るようになっている。また、前記設置部材37の背面板には、前記枠状装飾体25の表示窓口25aと前後に整列する位置に、図9に示す如く、略矩形状の開口部37aが前後に開口するよう開設されると共に、該背面板の裏側に前記図柄表示装置17が着脱自在に取付けられて、該開口部37aを介して図柄表示装置17の画像表示部17aが遊技盤20の前側に臨むようになっている。
(球遊びユニット80について)
前記設置部材37には、前記第1始動入賞口30に入賞して第1始動入賞検出センサ34で検出された後のパチンコ球を用いた球遊び遊技を実行可能な球遊びユニット80が配設されている。この球遊びユニット80は、図9〜図10に示す如く、遊技者が操作ボタン36を操作(押下)することで作動可能な一対の可動体91,91と、パチンコ球を振分ける振分け動作(特定演出)を行い得る振分け部材98と、振分け部材98によりパチンコ球が振分けられる該振分け部材98の左右両側に配設された複数(実施例では2基)の演出手段83,84とを、基体85に配設して構成される。そして、球遊びユニット80は、設置部材37に配設した状態で、図2、図9、図10に示す如く、可動体91,91が枠状装飾体25における表示窓口25aを介して遊技盤20の前側から視認可能に構成されると共に、振分け部材98および演出手段83,84が演出用窓口25bを介して遊技盤20の前側から視認可能に構成されている。なお、実施例のパチンコ機10では、前述したように枠状装飾体25のステージ39に案内された全てのパチンコ球が球遊びユニット80に導入されるようになっており、該球遊びユニット80に導入されたパチンコ球については、以後演出球という場合もある。
(切換えステージ86について)
前記球遊びユニット80には、前記ステージ39の後方に位置するように切換えステージ86が設けられている。この切換えステージ86は、図10に示す如く、左右方向に延在し、前記ステージ39の切欠部46aから通出された演出球が後方に向けて転動可能な前球転動部(球経路)87と、該前球転動部87より上方位置において左右方向に延在して設けられ、前球転動部87から可動体91,91によって移動された(持上げられた)演出球が左右方向に転動可能な後球転動部(特定の球経路)88とを備える2段構成となっている。
前記前球転動部87は、前記枠状装飾体25のステージ39における転動面39aから一段下がって位置すると共に、前端から後端に向けて下方傾斜しており、ステージ39から当該前球転動部87に移動した演出球を後方に向けて転動させ得るよう構成される。切換えステージ86には、前球転動部87の後端縁から上側に向けて立上がる後壁に開口部87a(図11参照)が前後方向に開口するように形成される。また、球遊びユニット80の基体85には、前記後球転動部88の下方位置に、左右方向に延在する共通通路89が形成されており、前球転動部87は、後壁に開設された前記開口部87aを介して共通通路89に連通している。すなわち、ステージ39から前球転動部87に通出された演出球は、開口部87aを介して共通通路89に通入し得るよう構成される。
図10に示す如く、前記後球転動部88の左右方向の中央に、上下方向に開口する球通孔88aが形成されており、該球通孔88aは、前記共通通路89に連通するよう構成される。すなわち、実施例のパチンコ機10では、切換えステージ86の前後の球転動部87,88に移動した演出球は、最終的には共通通路89に通入するよう構成されている。また、後球転動部88の下面に、球通孔88aを通過(通入)した演出球を検出する演出球検出センサ(演出球検出手段)90(図8参照)が設けられている。この演出球検出センサ90は、前記統括制御基板65に配線接続されており、該演出球検出センサ90がパチンコ球を検出した信号が統括制御基板65の統括制御CPU65aに入力されるよう構成される。なお、後球転動部88は、球通孔88aの左右両側に位置する部分が該球通孔88aに向けて下方傾斜するよう形成されており、後球転動部88に移動した演出球が当該後球転動部88に滞ることなく球通孔88aから速やかに共通通路89に通入し得るようになっている。
(可動体91について)
前記一対の可動体91,91は、図10、図11に示す如く、前記前球転動部87の上方に、左右方向の中央を挟んで左右に配設されている。各可動体91は、パチンコ機10のモチーフとなるキャラクタを模した装飾部91aと、該装飾部91aから他方の可動体91に向けて延出する持上げ部91bとを備え、装飾部91aが球遊びユニット80の基体85に回動自在に枢支されている。球遊びユニット80の基体85における後面に、各可動体91を揺動する駆動手段としての第1ソレノイド92(図8参照)が配設されており、各第1ソレノイド92が対応する可動体91に連繋されている。両第1ソレノイド92,92は、前記統括制御基板65に配線接続されており、後述する第1有効期間中における操作ボタン36からの押下信号の入力時に、統括制御基板65の統括制御CPU65aによって両第1ソレノイド92,92が同期して作動するよう制御される。そして、両第1ソレノイド92,92を同期して作動することで、一対の可動体91,91は、持上げ部91b,91bの先端が前記ステージ39の転動面39aより下方に位置する下降位置と、前記後球転動部88より上方に位置する上昇位置との間で揺動するよう構成される。
前記一対の可動体91,91の持上げ部91b,91bは、前記下降位置においてステージ39における前記切欠部46aより後側で下方に位置して、該切欠部46aから後方に通出する演出球を1個受容し得るよう構成される。そして、一対の可動体91,91を上昇位置まで揺動することで、一対の持上げ部91b,91bに受容した演出球を前記後球転動部88の位置まで持上げると共に、該演出球を後球転動部88に向けて移動させ得るよう構成される。なお、一対の可動体91,91を上昇位置に位置させた状態で、前記ステージ39の切欠部46aから後方に通出する演出球は持上げ部91b,91bの下側を通って前球転動部87に移動し得るようになっている。すなわち、前記第1始動入賞口30に入賞してステージ39の転動面39a上を左右に転動するパチンコ球が、前記切欠部46aから後方に通出するタイミングで一対の可動体91,91を下降位置から上昇位置に移動させることで、該演出球を一対の持上げ部91b,91bで後球転動部88まで持上げることができる一方で、一対の可動体91,91を下降位置から上昇位置に移動するタイミングが、ステージ39上の演出球が切欠部46aから後方に通出するタイミングと一致しない場合は、該演出球は一対の持上げ部91b,91bで持上げられることなく前球転動部87から共通通路89に通入する。このように、一対の可動体91,91を下降位置と上昇位置との間で揺動することで、ステージ39の切欠部46aから後方に通出する演出球を前球転動部87および後球転動部88の何れかに移動させ得るようになっており、該可動体91,91が、演出球の流下する球経路を切換える手段として機能する。
前記共通通路89は、左方に向けて下方傾斜すると共に、該傾斜下端に、共通通路89を流下する演出球を前方に通出する通出口89aが設けられている(図11参照)。この通出口89aは、基体85に設けた停留路93に連通しており、共通通路89を流下したパチンコ球を停留路93に一時的に停留し得るよう構成される。この停留路93は、規定個数(実施例では4個)の演出球を左右方向に並んで停留可能に構成されると共に、規定個数を超えた演出球は、基体85に形成した排出路94を介して機外に排出するよう構成される。
(停留部材95について)
前記停留路93は、右方に向けて下方傾斜すると共に、該停留路93の傾斜下端部の前側に、停留部材(停留手段)95が配設されている。この停留部材95は、基体85に対して回動自在に枢支されると共に、外周に1個の演出球を受容可能な切出し部95aが上方および後方に開口するように凹設された部材である。停留部材95は、常には切出し部95aを停留路93の傾斜下端部の前側に臨ませて、該停留路93から1個の演出球を切出し部95aに受容可能に構成されており、この状態では切出し部95aに受容した演出球の後述する送出路97への送り込みを規制するよう構成される。停留部材95には、図11に示す如く、基体85に配設された作動手段としての第2ソレノイド96が連繋されている。第2ソレノイド96は、前記統括制御基板65に配線接続されており、該統括制御基板65の統括制御CPU65aの制御下に第2ソレノイド96が作動されることで、停留部材95は、停留路93から1個の演出球を切出し部95aに受容可能な停留状態と、該切出し部95aに受容した演出球を送出路97に送り込む停留解除状態との間で揺動されるようになっている。そして、停留部材95は、停留解除状態から停留状態に復帰することで、演出球を送り出して空となった切出し部95aに停留路93から演出球を受容し得るよう構成される。すなわち、停留部材95は、停留状態と停留解除状態との間で揺動することで、演出球を1個ずつ切り出し得るよう構成されている。
(送出路97について)
前記停留部材95の配設位置より右側に、該停留部材95が停留解除状態となった際に切出し部95aから送り出される演出球が流下可能な送出路97が形成されている。また、前記基体85には、送出路97の下方に、振分け部材(振分け手段)98が揺動自在に収容される収容部99が形成されており、送出路97の傾斜下端に形成した放出口が、収容部99の上部に連通するよう構成される。前記送出路97には、該送出路97を流下する演出球を検出する切出しセンサ100(図8参照)が設けられている。この切出しセンサ100は、前記統括制御基板65に配線接続されており、該切出しセンサ100が演出球を検出した信号が統括制御基板65の統括制御CPU65aに入力されるよう構成される。そして、統括制御CPU65aでは、切出しセンサ100からの球検出信号の入力によって、停留路93から振分け部材98への演出球の送り込み数を認識し得るようになっている。なお、前記収容部99および送出路97は、基体85の前面に配設されるカバー部材85bによって画成されている。
(振分け部材98について)
前記振分け部材98は、収容部99内において基体85に回動自在に枢支されると共に、該振分け部材98の外周には、複数の演出球を保留可能な保留部98aが凹設されている。振分け部材98には、基体85に配設された駆動手段としてのステッピングモータ等の第1駆動モータ101(図8参照)が連繋されている。第1駆動モータ101は、前記統括制御基板65に配線接続されており、該統括制御基板65の統括制御CPU65aの制御下に第1駆動モータ101が駆動されることで、振分け部材98は、前記送出路97の放出口から放出される演出球を保留部98aに受容可能な受取り位置と、保留部98aに保留している演出球を、後述する第1球通入口103aへ通出し得る第1振分け位置(振分け位置)および後述する第2球通入口104aへ通出し得る第2振分け位置(振分け位置)との間で揺動されるよう構成される。
実施例の振分け部材98は、前記保留部98aに、最大4個(始動保留情報の記憶数の上限数と同じ数)の演出球を保留可能に構成され、前記受取り位置では、保留部98aに保留した全ての演出球が、第1球通入口103aおよび第2球通入口104aへ通出不能な状態となり、前記第1振分け位置および第2振分け位置では、保留部98aに保留した全ての演出球が対応する第1球通入口103aおよび第2球通入口104aへ通出し得るよう構成される。また、振分け部材98は、後述する動作パターンに基づいて、第1振分け位置と第2振分け位置との間、すなわち保留部98aに保留している演出球を第1球通入口103aおよび第2球通入口104aへ通出しない範囲で左右方向に揺動する揺動動作を行い得るようになっている。
前記振分け部材98には、前記統括制御基板65に配線接続される位置検出センサ102(図8参照)が検出可能な検出片(図示せず)が設けられている。実施例では、前記受取り位置において検出片を位置検出センサ102が検出するよう構成されており、統括制御CPU65aは、位置検出センサ102からの検出信号によって振分け部材98の受取り位置を認識し得るよう構成される。そして、統括制御CPU65aは、受取り位置を原点位置として第1駆動モータ101をパルス制御することで、後述動作パターンで振分け部材98を動作させ得るよう構成される。
(球排出路103,104について)
前記基体85には、図11に示す如く、前記振分け部材98の左側に、第1球通入口103aを前記収容部99に開口する第1球排出路(球経路)103が設けられると共に、該振分け部材98の右側に、第2球通入口104aを前記収容部99に開口する第2球排出路(球経路)104が設けられる。すなわち、振分け部材98を受取り位置から第1振分け位置まで回動することで、保留部98aが第1球通入口103aに連通して、該保留部98aに保留されている演出球が第1球通入口103aを介して第1球排出路103に通入し、振分け部材98を受取り位置から第2振分け位置まで回動することで、保留部98aが第2球通入口104aに連通して、該保留部98aに保留されている演出球が第2球通入口104aを介して第2球排出路104に通入する。このように実施例のパチンコ機10では、球遊びユニット80に通入した演出球を、振分け部材98によって複数の球経路(第1球排出路103,第2球排出路104)の何れかに振分け得るよう構成されている。なお、第1球排出路103および第2球排出路104に通入した演出球は、遊技領域20aに戻されることなく機外に排出される。
(第1演出手段83について)
前記基体85には、前記振分け部材98の左側(第1球排出路103に対応する側)に、第1演出手段83が配設されている。この第1演出手段83は、図9、図10に示す如く、複数(実施例では4つ)の発光部105a,105b,105c,105dと、これら発光部105a,105b,105c,105dの裏側に配設され、各発光部105a,105b,105c,105dと対応する位置にLED等の発光体を夫々実装した発光基板を備えた演出発光装置106(図8参照)とから構成される。演出発光装置106は、前記ランプ制御基板72に配線接続されており、前記統括制御CPU65aからランプ制御基板72に入力された制御コマンドに基づいて、該ランプ制御基板72によって演出発光装置106が制御されることで後述する発光演出を実行し得るよう構成されている。なお、各発光部105a,105b,105c,105dに対応する発光体は個別に発光制御可能に構成されており、各発光部105a,105b,105c,105dを個々に明輝させ得るようになっている。
本実施例では、図9、図10に示す如く、4つの発光部105a,105b,105c,105dが上下方向に並んで設けられており、下側から順に第1発光部105a、第2発光部105b、第3発光部105cおよび第4発光部105dと指称するものとする。また、各発光部105a,105b,105c,105dの大きさは、下側から上側へ順に大きくなるよう設定されており、各発光部105a,105b,105c,105dが下側から上側に順に明輝することで明輝領域が次第に大きくなるよう構成してある。本実施例では、第1発光部105aが明輝した状態から第2発光部105bが明輝した状態へ変化したこと、第2発光部105bが明輝した状態から第3発光部105cが明輝した状態へ変化したこと、第3発光部105cが明輝した状態から第4発光部105dが明輝した状態へ変化したことを、ランクアップすると指称する場合もある。なお、実施例では、ランクアップした際に、ランクアップする前に明輝していた(後側の発光体が点灯している状態の)発光部も明輝した状態を維持するようになている。すなわち、第1発光部105aが明輝した状態からランクアップした場合は、第1発光部105aおよび第2発光部105bが明輝した状態へ変化する。また、第2発光部105bが明輝した状態からランクアップした場合は、第1〜第3発光部105a,105b,105cが明輝した状態へ変化する。そして、第3発光部105cが明輝した状態からランクアップした場合は、第1〜第4発光部105a,105b,105c,105dの全ての発光部が明輝した状態に変化するよう構成してある。なお、ランクアップした場合に、下側の発光部を明輝しないようにしてもよい。すなわち、ランクアップ時には、上側の発光部を明輝(後側の発光体を点灯)する一方で、下側の発光部を明輝させない(後側の発光体を消灯)ように制御してもいよい。
(第2演出手段84について)
前記基体85には、前記振分け部材98の右側(第2球排出路104に対応する側)に、第2演出手段84が配設されている。この第2演出手段84は、図9〜図11に示す如く、基体85に回転自在に枢支されたルーレットを模した円盤状の回転体107と、該回転体107を回転駆動する駆動手段としての第2駆動モータ108とを備え、該第2駆動モータ108が前記統括制御基板65に配線接続されている。回転体107の前面に、当りを示唆するキャラクタが表示された第1表示部107aと、はずれを示唆する絵が表示された第2表示部107bとが画成されている。また基体85には、図9、図10に示す如く、回転体107の前側に位置するように指示部材109が配設されており、該指示部材109の先端部は、回転体107の一部に重なるように位置している。すなわち、回転体107を回転した後に停止した際に、指示部材109の先端部によって該回転体107に表示されている第1表示部107aおよび第2表示部107bの一方を指し示し得るよう構成される。本実施例では、回転体107の回転停止時において指示部材109が第1表示部107aを指し示していれば、大当りの確定を報知するよう設定されており、第2演出手段84で実行される演出は、所謂一発告知演出である。
(可動演出装置110について)
前記設置部材37に配設される前記可動演出装置110は、上下方向に移動する可動部材111を備え、該可動部材111は、図示しないモータ等の駆動手段によって、前記球遊びユニット80の後側に位置する下方の退避位置と、上方の作動位置との間を移動するよう構成される。可動部材111の退避位置では、該可動部材111の略全体が球遊びユニット80の後側に位置して前側から視認できない状態となるのに対し、可動部材111の作動位置では、該可動部材111が球遊びユニット80の上端縁から上方に延出して前記表示窓口25aにおいて画像表示部17aの前側に位置して前側から視認可能な状態となり(図9の二点鎖線参照)、インパクトのある演出を行い得るようになっている。
(確変状態について)
実施例のパチンコ機10は、大当り遊技終了後に遊技者に有利な遊技状態として第1特典遊技状態を付与する機能を備えている。第1特典遊技状態では、特図当り確率を低確率から高確率に変更することにより特別入賞口41へのパチンコ球の入賞機会を高めることができる。以下の説明では、第1特典遊技状態を、便宜的に「確変状態」というものとする。
確変機能は、確定停止表示された大当り図柄(特図1または特図2)の種類が予め定めた確変図柄(特定図柄)であることを条件として、大当り遊技の終了後に大当りの抽選確率(大当り確率)が低確率(実施例では、219/65536)から高確率(実施例では、441/65536)に変動させる確変状態を付与する機能である。なお、確変状態が付与されていない状態を非確変状態というものとする。実施例では、大当り遊技終了後に確変状態が付与される大当りが確変大当りであり、確変状態が付与されない大当りが非確変大当りとなる。このように、確変状態が付与されると、大当りの抽選確率が高確率に変動して大当り遊技が生起され易くなるため、確変状態は遊技者にとって有利であり、遊技者は確変大当りになることを期待しつつ遊技を行っている。また、実施例では、確変状態が付与される大当り遊技の場合には、大当り遊技終了後、所定回数の図柄変動演出(特図変動表示)が実行されるまでの間継続して確変状態が付与される。実施例では、大当り遊技終了後、200回の図柄変動演出(特図変動表示)が実行されるまでの間継続して確変状態が付与されるよう設定してある。なお、確変状態が付与される期間としては、上記のものに限られない。例えば、確変状態が付与されてから所定条件を満たすまでの間継続して確変状態を付与し、当該所定条件を満たすことを条件に非確変状態に移行させるようにすることもでき、また次回の大当り遊技が生起されるまでの間継続して確変状態が付与されるようにすることもできる。また、図柄変動演出(特図変動表示)毎に非確変状態に移行させるかを、始動入賞手段へのパチンコ球の入賞を契機に取得する乱数に基づいて判定(転落抽選)し、転落抽選に当選することを条件に非確変状態に移行させるようにすることもできる。
(変短状態について)
また、実施例のパチンコ機10は、大当り遊技終了後に遊技者に有利な遊技状態として第2特典遊技状態(第2の遊技状態)を付与する機能を備えている。ここで、第2特典遊技状態としては、前記第2始動入賞口31へのパチンコ球の入賞契機が、当該第2特典遊技状態が付与されていない状態(第1の遊技状態)と較べて増加する入賞率向上状態である。具体的には、第2特典遊技状態では、(1)普図変動表示の変動時間の短縮、(2)普図当り確率を低確率から高確率に変動、(3)普図当り1回についての第2始動入賞口31を開放する開閉部材33の開放時間を増やすこと、により第2始動入賞口31へのパチンコ球の入賞契機を増加することができる。なお、第2特典遊技状態では、上記(1)〜(3)を単独または複数を組み合わせることができる。なお普図当り1回についての第2始動入賞口31を開放する開閉部材33の開放時間を増やすに際しては、開閉部材33の開放時間を単純に延長することで実現してもよく、また開閉部材33の開放回数を増やすことで実現することもでき、またこれらを複合させてもよい。なお、実施例では、第2特典遊技状態を変短状態と指称するものとし、実施例の変短状態は上記(1)〜(3)を組み合わせて設定されている。また、変短状態が付与されていない状態を非変短状態というものとする。すなわち、変短状態は、第2始動入賞口31へのパチンコ球の入賞率が向上した入賞率向上状態である。
すなわち、実施例では、非変短状態において普図表示部55で行われる普図変動表示の変動時間が5000msに設定され、変短状態において普図表示部55で行われる普図変動表示の変動時間が非変短状態よりも短い600msおよび1500msの何れかに設定されており、変短状態の付与に伴い普図表示部55で行われる普図変動表示の変動時間が短縮されるようになっている。また、非変短状態における普図当り確率が低確率(実施例では、1125/65536)に設定されると共に、変短状態における普図当り確率が高確率(実施例では、65535/65536)に設定されており、変短状態の付与に伴い普図当り確率が低確率から高確率に変動するようになっている。なお、実施例において、普図が確定停止表示されてから次回の普図変動が行われるまでの間(普図変動インターバル)は、500msに設定されている。
また、変短状態が付与された状態では、変短状態が付与されていない状態とは異なる動作パターンで開閉部材33が開閉動作されるようになっている。具体的には、変短状態が付与されていない状態では、普図変動表示で当選した場合(普図当りの場合)に、開閉部材33が開放してから所定時間(実施例では300ms)が経過するまで開放状態を維持する開放動作を1回行う。一方で、変短状態が付与されている状態では、普図変動表示に当選した場合(普図当りの場合)に、開閉部材33は開放してから所定時間(実施例では1800ms)が経過するまで開放状態を維持する開放動作を3回行うようになっている。すなわち、変短状態が付与されている状態では、変短状態が付与されていない状態と比較して、開閉部材33の合計開放時間が長く、遊技者にとって有利に動作するように設定されている。なお、1回の普図当りにおいて第2始動入賞口31への入賞を許容する入賞上限数(実施例では10個)が設定されており、前記開閉部材33を開放してからの入賞数が入賞上限個数(閉鎖条件)に達することで、開閉部材33を閉鎖させるようになっている。
実施例では、大当り判定に当選した時点における遊技状態に応じて変短状態が付与される変動回数(以下、変短回数という)が変化するよう構成されている。具体的には、大当り図柄(特図1または特図2)の種類に応じて、変短状態が付与される変動回数(以下、変短回数という)が変化するよう構成されている。具体的には、大当り図柄(特図1または特図2)の種類が予め定めた図柄(実施例において後述する図柄B、図柄c、図柄d)である場合に、確変状態が付与されている間継続して変短状態が付与されるよう変短回数(実施例では200回)が設定されている。また、大当り図柄(特図1または特図2)の種類が予め定めた更に別の図柄(実施例において後述する図柄f)である場合に、確変状態の付与期間(実施例では200回)より短い変短状態が付与されるよう変短回数(実施例では100回)が設定されている。また、大当り図柄(特図1または特図2)の種類が予め定めた特定の図柄(実施例において後述する図柄A、図柄E)である場合には、大当り時点における遊技状態に応じて付与される変短回数が変わるよう設定されている。具体的に、実施例では、大当り時点における遊技状態に応じて変短回数が、33回、100回、200回の何れかとなるよう設定されている。ここで、変短状態の付与条件は、大当り遊技(大当り図柄)の種類毎に定められている。
(大当り遊技について)
次に、実施例のパチンコ機10で付与される大当り遊技について説明する。大当り遊技は、特図変動表示の結果として第1特図表示部50Aまたは第2特図表示部50Bに大当り図柄が確定停止表示された後に開始されるよう設定されており、当選した大当り遊技(大当り図柄)の種類に応じて特別入賞装置40の開閉体43,43が開閉動作される。なお実施例の大当り遊技では、特別入賞装置40の開閉体43,43を開放するラウンド遊技を規定ラウンド数(実施例では2回、4回、16回)だけ実行することで、大当り遊技が終了するようになっている。1回のラウンド遊技は、特別入賞口41に規定個数(例えば9個)のパチンコ球が入賞するか、あるいは各ラウンド遊技の開始から規定時間(ラウンド遊技時間)が経過することで終了する。なお、大当り遊技における各ラウンド遊技の間は、所定時間だけ開閉体43,43が閉鎖状態で保持されるラウンド間インターバル時間が設定されている。ここで、前記大当り遊技の各ラウンド遊技における特別入賞装置40の開閉体43,43の開閉態様(開閉パターン)には、パチンコ球を所定間隔で連続的に発射した条件において、1回の開放動作(開放してから閉鎖するまでの動作)においてラウンド遊技に定められた規定個数(例えば9個)のパチンコ球が入賞可能な時間だけ開放を継続する長時間開放動作と、該長時間開放動作よりも開閉体43,43の開放時間が短く設定された短時間開放動作とを適宜に組み合わせて構成されている。なお、実施例では、長時間開放動作において開閉体43,43が最大で25秒間開放するよう設定されると共に、短時間放動作において開閉体43,43が最大で0.06秒間開放するよう設定される。
(大当り遊技の種類について)
実施例のパチンコ機10では、図3に示すように、大当り判定に当選した場合に、遊技者に与える価値が異なる複数種類の大当り遊技の中から1つの大当り遊技が決定され、その決定された大当り遊技が付与される。ここで、複数種類の大当り遊技の内で何れの大当り遊技が付与されるかは、大当り判定に当選した際に決定される大当り図柄(特図1および特図2)の種類に基づいて決定されるようになっている。実施例において第1特図表示部50Aに表示可能な100種類の大当り図柄としての特図1は、図柄A、図柄B、図柄Eの3つのグループに分類されており、第1特図表示部50Aに確定停止表示された大当り図柄としての特図1に応じた大当り遊技が付与されるようになっている。同様に、実施例において第2特図表示部50Bに表示可能な100種類の大当り図柄としての特図2は、図柄c、図柄d、図柄fの3つのグループに分類されており、第2特図表示部50Bに確定停止表示された大当り図柄としての特図2に応じた大当り遊技が付与される。ここで、100種類の大当り図柄としての特図1は、図柄Aに74種類、図柄Bに16種類、図柄Eに10種類が夫々振り分けられている。また、100種類の大当り図柄としての特図2は、図柄cに18種類、図柄dに72種類、図柄fに10種類が夫々振り分けられている。
(大当り遊技について)
次に、実施例に係るパチンコ機10で付与される大当り遊技について説明する。実施例のパチンコ機10では、前記第1〜第2始動入賞口30,31へのパチンコ球の入賞に基づいて行われる大当り判定の判定結果が肯定の場合に、大当り図柄毎に定められた大当り遊技が決定される。なお、実施例では、特定の大当り図柄(図柄A,E)に関しては、大当り判定の判定結果が肯定判定であった時点における遊技状態に応じて、大当り遊技後に変短状態が付与される期間(変短回数)が変化するようになっている。この変短回数の振分条件となる遊技状態として、低確未変短状態(確変状態および変短状態が何れも付与されていない遊技状態)、低確変短状態(確変状態が付与されない一方で変短状態が付与された遊技状態)、高確未変短状態(確変状態が付与される一方で変短状態が付与されない遊技状態)および高確変短状態(確変状態および変短状態が付与された遊技状態)がある。
(第1特図始動保留情報に基づく大当り遊技について)
前記第1特図始動保留情報(第1始動入賞口30へのパチンコ球の入賞)に基づく大当り判定の判定結果が肯定判定の場合には、前記メイン制御CPU60aは、予め定められた複数種類の大当り図柄の中から1つの大当り図柄を決定するよう設定されている。具体的に、実施例では、図3に示すように、第1始動入賞口30へパチンコ球が入賞した際に取得された特図決定用乱数に基づいて、3種類の大当り図柄(図柄A、図柄B、図柄E)の中から1つの大当り図柄を決定するようになっている。実施例のパチンコ機では、第1特図始動保留情報に基づく大当り判定の判定結果が肯定判定の場合に、74%の割合で大当り図柄としての図柄Aが選択され、16%の割合で大当り図柄としての図柄Bが選択され、10%の割合で大当り図柄としての図柄Eが選択されるよう特図決定用判定値が割り当てられている。なお、前述した大当り図柄の振分割合は一例であり、これに限られるものではない。
(第1の大当り遊技について)
前記図柄Aに対応した第1の大当り遊技は、当該第1の大当り遊技をメイン制御CPU60aが決定した際に、第1の大当り遊技の終了後に確変状態および変短状態が付与される大当り遊技として設定されている。具体的に、実施例では、図3に示すように、図柄A(第1の大当り遊技)が決定された場合に、第1の大当り遊技の終了後に所定の変動回数(実施例では200回)の図柄変動演出(第1または第2特図変動表示)が実行されるまで確変状態が継続して付与されるよう設定されている。また、図柄A(第1の大当り遊技)が決定された場合に付与される変短状態の付与期間は、図柄A(第1の大当り遊技)が決定された時点の遊技状態(確変状態および変短状態)に応じて可変するよう設定されている。すなわち、第1の大当り遊技は、第1の大当り遊技に当選した時点における遊技状態(確変状態や変短状態の付与状態)の違いにより大当り遊技後に移行する遊技状態が段階的に変化する第1の特定大当り遊技(特定当り遊技)として設定されている。
具体的に、図柄A(第1の大当り遊技)が決定された時点の遊技状態が低確未変短状態である場合には、当該第1の大当り遊技後に付与される変短状態の付与期間(変短回数)として33回が設定されている。また、図柄A(第1の大当り遊技)が決定された時点の遊技状態が高確未変短状態である場合には、当該第1の大当り遊技後の変短状態の付与期間(変短回数)として100回が設定されている。更に、図柄A(第1の大当り遊技)が決定された時点の遊技状態が変短状態(低確変短状態または高確変短状態)である場合には、当該第1の大当り遊技後の変短状態の付与期間(変短回数)として200回が設定されている。
また、実施例における第1の大当り遊技は、当該第1の大当り遊技(図柄A)が決定された時点の遊技状態(確変状態および変短状態)に関わりなく、前記特別入賞装置40の特別入賞口41が同じ開閉態様で開閉されるようになっている。具体的に、前記第1の大当り遊技は、規定ラウンド数が「4回」に設定された大当り遊技であって、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「9個」に設定されている。また第1の大当り遊技では、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「25.0(秒)」が設定されており、各ラウンド遊技において前記開閉体43,43が最大で「25.0(秒)」に亘って開放動作するようになっている。なお、第1の大当り遊技におけるラウンド間インターバル時間は、「2.0(秒)」に設定されている。また、第1の大当り遊技では、オープニング演出時間として「10.0(秒)」が設定され、エンディング演出時間として「13.0(秒)」が設定されている。
(第2の大当り遊技について)
前記図柄Bに対応した第2の大当り遊技は、当該第2の大当り遊技をメイン制御CPU60aが決定した際に、第2の大当り遊技の終了後に確変状態および変短状態が付与される大当り遊技として設定されている。具体的に、実施例では、図3に示すように、図柄B(第2の大当り遊技)が決定された場合に、第2の大当り遊技の終了後に所定の変動回数(実施例では200回)の図柄変動演出(第1または第2特図変動表示)が実行されるまで確変状態が継続して付与されるよう設定されている。また、図柄B(第2の大当り遊技)が決定された場合に付与される変短状態の付与期間は、図柄B(第2の大当り遊技)が決定された時点の遊技状態(確変状態および変短状態)に関係なく、200回の変短状態が付与されるように設定されている。
また、実施例における第2の大当り遊技は、当該第2の大当り遊技(図柄B)が決定された時点の遊技状態(確変状態および変短状態)に関わりなく、前記特別入賞装置40の特別入賞口41が同じ開閉態様で開閉されるようになっている。具体的に、前記第2の大当り遊技は、規定ラウンド数が「2回」に設定された大当り遊技であって、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「9個」に設定されている。また第2の大当り遊技では、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「0.06(秒)」が設定されている。なお、第2の大当り遊技では、オープニング演出時間として「10.0(秒)」が設定され、エンディング演出時間として「13.0(秒)」が夫々設定されている。また、第2の大当り遊技のラウンド間インターバル時間は「1.5(秒)」に設定されている。すなわち、第2の大当り遊技における各ラウンド遊技時間(0.06(秒))は、1回のラウンド遊技において、特別入賞口41に入賞するパチンコ球の入賞個数が入賞上限個数を満たさないような時間に設定されている。このように、第2の大当り遊技は、入賞球は殆ど発生することはなく賞球数が最も少ない大当り遊技として設定されている。
(第3の大当り遊技について)
前記図柄Eに対応した第3の大当り遊技は、当該第3の大当り遊技をメイン制御CPU60aが決定した際に、第3の大当り遊技の終了後に確変状態が付与されない一方で変短状態が付与される大当り遊技として設定されている(図3参照)。また、図柄E(第3の大当り遊技)が決定された場合に付与される変短状態の付与期間は、図柄E(第3の大当り遊技)が決定された時点の遊技状態(確変状態および変短状態)に応じて可変するよう設定されている。すなわち、第3の大当り遊技は、第3の大当り遊技に当選した時点における遊技状態(確変状態や変短状態の付与状態)の違いにより大当り遊技後に移行する遊技状態が段階的に変化する第2の特定大当り遊技として設定されている。
具体的に、図3に示すように、図柄E(第3の大当り遊技)が決定された時点の遊技状態が低確未変短状態である場合には、当該第3の大当り遊技後に付与される変短状態の付与期間(変短回数)として33回が設定されている。また、図柄E(第3の大当り遊技)が決定された時点の遊技状態が高確未変短状態である場合には、当該第3の大当り遊技後の変短状態の付与期間(変短回数)として100回が設定されている。更に、図柄E(第3の大当り遊技)が決定された時点の遊技状態が変短状態(低確変短状態または高確変短状態)である場合には、当該第3の大当り遊技後の変短状態の付与期間(変短回数)として100回が設定されている。
(第2特図始動保留情報に基づく大当り遊技について)
前記第2特図始動保留情報(第2始動入賞口31へのパチンコ球の入賞)に基づく大当り判定の判定結果が肯定判定の場合には、前記メイン制御CPU60aは、予め定められた複数種類の大当り図柄の中から1つの大当り図柄を決定するよう設定されている(図3参照)。具体的に、実施例では、第2始動入賞口31へパチンコ球が入賞した際に取得された特図決定用乱数に基づいて、3種類の大当り図柄(図柄c、図柄d、図柄f)の中から1つの大当り図柄を決定するようになっている。実施例のパチンコ機では、第2特図始動保留情報に基づく大当り判定の判定結果が肯定判定の場合に、18%の割合で大当り図柄としての図柄cが選択され、72%の割合で大当り図柄としての図柄dが選択され、10%の割合で大当り図柄としての図柄fが選択されるよう特図決定用判定値が割り当てられている。なお、前述した大当り図柄の振分割合は一例であり、これに限られるものではない。
(第4および第5の大当り遊技について)
前記図柄cに対応した第4の大当り遊技および図柄dに対応した第5の大当り遊技は、当該第4または第5の大当り遊技をメイン制御CPU60aが決定した際に、第4または第5の大当り遊技の終了後に確変状態および変短状態が付与される大当り遊技として設定されている(図3参照)。具体的に、実施例では、図柄c,d(第4または第5の大当り遊技)が決定された場合に、第4または第5の大当り遊技の終了後に所定の変動回数(実施例では200回)の図柄変動演出(第1または第2特図変動表示)が実行されるまで確変状態が継続して付与されるよう設定されている。また、図柄c,d(第4または第5の大当り遊技)が決定された場合に付与される変短状態の付与期間は、図柄c,d(第4または第5の大当り遊技)が決定された時点の遊技状態(確変状態および変短状態)に関係なく、200回の変短状態が付与されるように設定されている。
また、実施例における第4および第5の大当り遊技は、当該第4および第5の大当り遊技(図柄c,d)が決定された時点の遊技状態(確変状態および変短状態)に関わりなく、前記特別入賞装置40の特別入賞口41が同じ開閉態様で開閉されるようになっている。具体的に、前記第4および第5の大当り遊技は、規定ラウンド数が「16回」に設定された大当り遊技であって、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「9個」に設定されている。また第4および第5の大当り遊技では、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「25.0(秒)」が設定されている。なお、第4および第5の大当り遊技では、オープニング演出時間として「6.0(秒)」が設定され、エンディング演出時間として「13.0(秒)」が夫々設定されている。また、第4および第5の大当り遊技のラウンド間インターバル時間は「2.0(秒)」に設定されている。このように、第4および第5の大当り遊技は、各大当り遊技によって得られる利益が等しく設定されると共に、実施例のパチンコ機10に設定された大当り遊技の種類の内で最も付与される利益が大きい大当り遊技として設定されている。
(第6の大当り遊技について)
前記図柄fに対応した第6の大当り遊技は、当該第6の大当り遊技をメイン制御CPU60aが決定した際に、第6の大当り遊技の終了後に確変状態が付与されない一方で変短状態が付与される大当り遊技として設定されている(図3参照)。具体的に、実施例では、図柄f(第6の大当り遊技)が決定された場合に付与される変短状態の付与期間は、図柄f(第6の大当り遊技)が決定された時点の遊技状態(確変状態および変短状態)に関係なく、100回の変短状態が付与されるように設定されている。
また、実施例における第6の大当り遊技は、当該第6の大当り遊技(図柄f)が決定された時点の遊技状態(確変状態および変短状態)に関わりなく、前記特別入賞装置40の特別入賞口41が同じ開閉態様で開閉されるようになっている。具体的に、前記第6の大当り遊技は、規定ラウンド数が「16回」に設定された大当り遊技であって、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「9個」に設定されている。また第6の大当り遊技では、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「25.0(秒)」が設定されている。なお、第6の大当り遊技では、オープニング演出時間として「6.0(秒)」が設定され、エンディング演出時間として「13.0(秒)」が夫々設定されている。また、第6の大当り遊技のラウンド間インターバル時間は「2.0(秒)」に設定されている。このように、第6の大当り遊技は、前述した第4および第5大当り遊技と同様に実施例のパチンコ機10に設定された大当り遊技の種類の内で最も獲得可能な賞球数が多い大当り遊技として設定されている。
このように、実施例のパチンコ機10では、第1始動入賞口30への入賞を契機とする第1特図始動保留情報に基づく当り判定の判定結果が肯定の場合には、規定ラウンド数が「2」または「4回」に設定された第1〜第3大当り遊技に対して大当り図柄としての特図1(図柄A,図柄B,図柄E)が割り当てられているのに対し、第2始動入賞口31への入賞を契機とする第2特図始動保留情報に基づく当り判定の判定結果が肯定の場合には、規定ラウンド数が「16回」に設定された第4〜第6の大当り遊技に対して大当り図柄としての特図2(図柄c,図柄d,図柄f)が夫々割り当てられている。すなわち、実施例のパチンコ機10では、大当り図柄として何れの図柄が決定された場合であっても、第2始動入賞口31への入賞に基づいた当り判定の判定結果が肯定の場合に、第1始動入賞口30への入賞に基づいた当り判定の判定結果が肯定の場合と比べて、獲得可能な賞球数(付与される特典量)が多くなるようメイン制御CPU60aが大当り遊技の種類(大当り図柄)を決定するよう設定されている。
(パチンコ機の制御構成について)
次に、パチンコ機10の制御構成について説明する。実施例のパチンコ機10には、図8に示す如く、パチンコ機10を全体的に制御する制御手段としてのメイン制御基板(メイン制御手段)60と、該メイン制御基板60からの制御信号に基づいて各制御対象を制御する制御手段としてのサブ制御基板(サブ制御手段)65,70とが設けられている。すなわち、メイン制御基板60では、パチンコ機10に備えられた各種検出センサ(検出手段)からの検出信号に基づいて各種処理が実行され、その処理結果に応じた各種の制御信号(制御コマンド)がサブ制御基板65,70に出力されるようになっている。
また、実施例のパチンコ機10には、サブ制御基板として、遊技演出を全体的に制御する統括制御基板65と、図柄表示装置17での表示内容を制御する表示制御基板70と、パチンコ機10が備える各種発光演出手段(ランプ装置18や演出発光装置106等)の発光制御を行うランプ制御基板72と、パチンコ機10が備えるスピーカ19の音出力制御を行う音制御基板73とを備えている。すなわち、メイン制御基板60が出力した制御信号(制御コマンド)に基づいて、前記統括制御基板65が表示制御基板70、ランプ制御基板72および音制御基板73を制御するよう構成されており、パチンコ機10で実行される各種遊技演出(図柄変動演出や発光演出、音声演出)を統括的にコントロールし得るようになっている。ここで、表示制御基板70は、統括制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づいて、図柄表示装置17に表示される図柄(飾図)や背景画像等の図柄変動演出の表示内容を制御するよう構成される。また、ランプ制御基板72は、統括制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づいて、パチンコ機10が備える各種発光演出手段の点灯・消灯のタイミングや、発光強度等を制御するものである。そして、音制御基板73は、統括制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づき、パチンコ機10が備える各種スピーカ19からの音声出力のタイミングや出力内容等を制御するものである。
(メイン制御基板60について)
前記メイン制御基板60は、図8に示に示す如く、制御処理を実行するメイン制御CPU60a、該メイン制御CPU60aが実行する制御プログラムを記憶するメイン制御ROM60b、当該メイン制御CPU60aの処理に必要なデータの書込み・読出しが可能なメイン制御RAM60c等が備えられている。そして、前記始動入賞検出センサ34,35、特別入賞検出センサ44、普通入賞検出センサ49b、ゲートセンサ48等の各種センサが前記メイン制御CPU60aに接続されている。また、メイン制御CPU60aには、遊技情報表示部Mの各表示部(第1および第2特図表示部50A,50B、第1および第2特図保留表示部52,53、普図表示部55、普図保留表示部56、ラウンド表示部57、右打ち表示部58)が接続されて、各検出センサ34,35,44,48,49bの検出を契機としてメイン制御CPU60aで実行された制御処理に基づいて、遊技情報表示部Mの各表示部50A,50B,52,53,55,56,57,58の表示制御が実行されるようになっている。また、メイン制御CPU60aには、前記第2始動入賞口31を開閉する開閉部材33に連繋する始動入賞ソレノイド32および特別入賞口41を開閉する開閉体43,43に連繋する特別入賞ソレノイド42が接続されており、該メイン制御CPU60aでの制御処理結果に基づいて各ソレノイド32,42を駆動させることで、対応する開閉部材33や開閉体43,43が開閉するようになっている。そして、メイン制御CPU60aは、大当り遊技の種類に応じた開閉態様で開閉体43,43が開閉するよう前記特別入賞ソレノイド42を駆動制御し、開閉体43,43を長時間開放動作させる長時間開放制御および開閉体43,43を短時間開放動作させる短時間開放制御を実行するよう構成される。
メイン制御CPU60aは、第1始動入賞口30または第2始動入賞口31へパチンコ球が入賞したこと(より具体的には第1始動入賞検出センサ34または第2始動入賞検出センサ35がパチンコ球を検出したこと)を契機として入賞情報としての各種乱数を取得するよう設定されている。ここで、メイン制御CPU60aが始動入賞検出センサ34,35の検出を契機として取得する乱数としては、当り判定用乱数、特図決定用乱数、演出実行判定用乱数(リーチ判定用乱数)、特図変動パターン振分用乱数等の各種乱数が設定されている。そして、メイン制御CPU60aがこれらの乱数値を所定の周期(実施例では4ms)で更新し、更新後の乱数値をメイン制御RAM60cに一時的に記憶して更新前の値を書き換えることにより、第1または第2始動入賞検出センサ34,35の検出信号がメイン制御CPU60aに入力されたタイミングに応じて乱数が取得されるようになっている。また、メイン制御CPU60aは、時間を計測するタイマ更新処理を実行する。メイン制御RAM60cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)されるようになっている。
また、前記第1始動入賞口30および第2始動入賞口31にパチンコ球が入賞した際に取得される入賞情報(各種乱数値)は、対応する第1特図始動保留情報および第2特図始動保留情報としてメイン制御RAM60cの所定の特図記憶領域(記憶領域)に一時的に記憶保持されるよう構成されている。第1特図始動保留情報および第2特図始動保留情報は、メイン制御RAM60cに記憶する順序で記憶する特図記憶領域が定まっており、各特図始動保留情報に基づいて図柄変動演出(特図変動表示)を実行する場合に、メイン制御RAM60cに記憶した順序で特図始動保留情報がメイン制御CPU60aにより読み出されるようになっている。実施例では、第1特図始動保留情報か第2特図始動保留情報かを区別可能に個別にメイン制御RAM60cに記憶されており、第2特図始動保留情報がメイン制御RAM60cに記憶されている場合には、第1特図始動保留情報よりも第2特図始動保留情報をメイン制御CPU60aが優先して読み出して図柄変動演出(特図変動表示)を実行させるよう設定されている。
当り判定用乱数は、図柄変動演出の結果として当り遊技(大当り遊技)を発生するか否かの当り判定(大当り判定)で用いる乱数である。実施例では、当り判定用乱数として、「0」〜「65535」の全65536通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。また、特図決定用乱数は、大当り判定の結果に応じて第1特図表示部50Aに確定停止表示させる特図1または第2特図表示部50Bに確定停止表示させる特図2を決定する際に用いる乱数である。ここで、実施例では、特図決定用乱数として、「0」〜「100」の全101通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。特図決定用乱数の各値には、前述したはずれを示す1種類の特図に対応する乱数と、大当りの当選を示す100種類の特図に対応する乱数とが設定されており、該特図決定用乱数の値により、第1特図表示部50Aに確定停止表示される特図1または第2特図表示部50Bに確定停止表示される特図2が特定されるようになっている。すなわち、第1始動入賞検出センサ34の検出を契機として取得される特図決定用乱数の値により、第1特図表示部50Aに確定停止表示される特図1が特定され、第2始動入賞検出センサ35の検出を契機として取得される特図決定用乱数の値により、第2特図表示部50Bに確定停止表示される特図2が特定される。また、前述したように、前記大当り図柄としての特図1および特図2は、大当り遊技の種類毎に分類されており、特図1または特図2が特定されることで、図柄変動演出の終了後に付与される大当り遊技の種類が特定されるようになっている。すなわち、特図決定用乱数が当り遊技(大当り遊技)の種類を決定する乱数としての機能を有している。また、前述したように、大当り遊技の種類毎に大当り遊技後に確変状態および変短状態が付与されるか否かが一義的に定められており、特図決定用乱数が確変状態および変短状態を付与するか否かを決定する乱数としての機能も有している。更に、大当り遊技の種類毎に大当り遊技後に付与される変短状態の付与期間(変短回数)が1つまたは複数定められており、特図決定用乱数が変短状態の付与期間を決定する乱数としての機能も有している。
また、演出実行判定用乱数は、前述した当り判定(大当り判定)における判定結果が否定となった場合に(大当り遊技に当選しなかったはずれの場合に)、当り表示が表示される可能性を示唆する演出を行うか否かの演出実行判定(リーチ判定)で用いられる乱数である。実施例では、演出実行判定用乱数として、「0」〜「238」の全239通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。ここで、当り表示が表示される可能性を示唆する演出としては、図柄表示装置17に図柄変動の過程で表示されるリーチ表示を契機として行われるリーチ演出や、飾図の変動開始から変動停止までを1回とした変動サイクルを複数回連続して実行可能とする連続予告演出(先読み予告演出)や、図柄表示装置17に表示される当り表示される可能性を示唆する予告演出や、ランプ装置18の光やスピーカ19から出力される音声により当り表示が表示される可能性を遊技者に示唆する予告演出を含むものである。前記特図変動パターン振分用乱数は、図柄変動演出における図柄変動の特図変動パターンの決定に用いる乱数である。実施例では、特図変動パターン振分用乱数として、「0」〜「99」の全100通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。
実施例のパチンコ機10では、当り判定用乱数、特図決定用乱数、演出実行判定用乱数および特図変動パターン振分用乱数は、第1始動入賞口30または第2始動入賞口31へパチンコ球が入賞したこと(より具体的には第1始動入賞検出センサ34または第2始動入賞検出センサ35がパチンコ球を検出したこと)を契機として、メイン制御RAM60cに一時的に記憶されている各乱数を同じタイミングで前記メイン制御CPU60aが取得するようになっている。また、第1始動入賞口30へパチンコ球が入賞したことを契機に取得される各乱数は、第2始動入賞口31へパチンコ球が入賞したことを契機に取得される各乱数と同一のものが共通で使用され、各始動入賞口30,31への入賞タイミングに応じた乱数を前記メイン制御CPU60aが取得するようになっている。
また、メイン制御CPU60aは、ゲート部材47をパチンコ球が通過したこと(より具体的にはゲートセンサ48がパチンコ球を検出したこと)を契機として通過検出情報としての各種乱数を取得するよう設定されている。ここで、メイン制御CPU60aがゲートセンサ48の検出を契機に取得する乱数としては、普図当り判定用乱数、普図変動パターン決定用乱数等の各種乱数が設定されている。そして、メイン制御CPU60aがこれらの乱数値を所定の周期(実施例では4ms)で更新し、更新後の乱数値をメイン制御RAM60cに一時的に記憶して更新前の値を書き換えることにより、ゲートセンサ48の検出信号がメイン制御CPU60aに入力されたタイミングに応じて乱数が取得されるようになっている。また、メイン制御CPU60aは、時間を計測するタイマ更新処理を実行する。メイン制御RAM60cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)されるようになっている。
また、前記ゲートセンサ48をパチンコ球が通過した際に取得される通過検出情報(各種乱数値)は、普図始動保留情報としてメイン制御RAM60cの所定の普図記憶領域(記憶領域)に一時的に記憶保持されるよう構成されている。普図始動保留情報は、メイン制御RAM60cに記憶する順序で記憶する普図記憶領域が定まっており、普図始動保留情報に基づいて普図変動表示を実行する場合に、メイン制御RAM60cに記憶した順序で普図始動保留情報がメイン制御CPU60aにより読み出されるようになっている。
普図当り判定用乱数は、普図変動の結果として第2始動入賞口31の開放(普図当り)を発生させるか否かの普図当り判定(普図当り抽選)で用いられる乱数である。実施例では、普図当り判定用乱数として、「0」〜「65535」の全65536通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。前記普図変動パターン振分用乱数は、普図変動表示における普図変動の変動時間を定めた普図変動パターンの決定に用いる乱数である。実施例では、普図変動パターン振分用乱数として、「0」〜「8」の全9通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。そして、ゲート部材47をパチンコ球が通過したこと(より具体的にはゲートセンサ48がパチンコ球を検出したこと)を契機として、メイン制御RAM60cに一時的に記憶されている通過検出情報(普図当り判定用乱数および普図変動パターン振分用乱数等)を同じタイミングで前記メイン制御CPU60aが取得するようになっている。
(判定値について)
一方、メイン制御ROM60bには、図柄変動演出の結果、大当りを発生させることを示す大当り判定値が記憶されている。大当り判定値は、前記当り判定用乱数を用いて大当りか否かの判定(大当り判定)で用いる判定値であり、当り判定用乱数の取り得る「0」〜「65535」までの全65536通りの整数の中から所定数の判定値が定められている。ここで、大当り判定値は、大当り判定を行う時点で前述した確変状態が付与されているか否かで判定値の設定数が異なっている。具体的には、確変状態のときに設定される大当り判定値の数(実施例では441個)は、非確変状態の場合に設定される大当り判定値の数(実施例では219個)よりも多く設定されている。すなわち、確変状態における大当り判定値の設定数を多くすることで、大当り遊技が発生し易くなっている。
また、メイン制御ROM60bには、特図決定用判定値が記憶されている。特図決定用判定値は、大当り判定の結果が肯定の場合に、第1特図表示部50Aに確定停止表示させる大当り図柄としての特図1または第2特図表示部50Bに確定停止表示させる大当り図柄としての特図2を、特図決定用乱数を用いて決定する判定値である。ここで、実施例では、特図決定用判定値には、前述した101種類の特図決定用乱数に対応した「0」〜「100」の整数値が設定されており、特図決定用判定値の夫々に個別に特図1および特図2が対応付けられている。
また、メイン制御ROM60bには、演出実行判定値(リーチ判定値)が記憶されている。演出実行判定値は、当り判定(大当り判定)の結果が否定の場合に、当り表示が図柄表示装置17に表示される可能性を示唆するリーチ演出等の演出を実行させるか否かの演出実行判定(リーチ抽選)で用いる判定値であり、演出実行判定用乱数の取り得る数値「0」〜「238」までの全239通りの整数の中から定められている。すなわち、取得された演出実行判定用乱数の値が、設定された演出実行判定値と一致する場合に、リーチ演出等の演出を実行させることをメイン制御CPU60aが決定するようになっている。
また、メイン制御ROM60bには、変動内容を特定する複数種類の特図変動パターンが記憶されており、各特図変動パターンに対応して特図変動パターン振分判定値が記憶されている。ここで、前記特図変動パターンは、第1特図変動表示または第2特図変動表示が開始してから確定停止表示されるまでの間に実行される演出内容(図柄変動演出の表示内容、発光演出態様、音声演出態、振分け部材98の動作態様)の基本的なベースとなる内容を特定するものである。また、特図変動パターンは、第1特図変動表示または第2特図変動表示が開始してから特図1または特図2が確定停止表示されるまでの変動時間(図柄変動演出および特図変動表示の時間)を特定している。特図変動パターン振分判定値は、前記特図変動パターン振分用乱数を用いて特図変動パターンの決定に用いる判定値であり、特図変動パターン毎に所定の判定値が割当てられており、取得された特図変動パターン振分用乱数に対応する特図変動パターン振分判定値が割り当てられた特図変動パターンが特定されるようになっている。
また、メイン制御ROM60bには、普図変動演出の結果、普図当りを発生させることを示す普図当り判定値が記憶されている。普図当り判定値は、前記普図当り判定用乱数を用いて普図当りか否かの判定(普図当り判定)で用いる判定値であり、普図当り判定用乱数の取り得る「0」〜「65535」までの全65536通りの整数の中から所定数の判定値が定められている。ここで、普図当り判定値は、普図当り判定を行う時点で前述した変短状態が付与されているか否かで判定値の設定数が異なっている。具体的には、変短状態の場合に設定される普図当り判定値の数(実施例では65535個)は、非変短状態の場合に設定される普図当り判定値の数(実施例では1125個)よりも多く設定されている。すなわち、変短状態における普図当り判定値の設定数を多くすることで、普図当りが発生し易くなっている。
メイン制御ROM60bには、複数種類の普図変動パターンが記憶されており、各普図変動パターンに対応して普図変動パターン振分判定値が記憶されている。ここで、前記普図変動パターンは、普図変動表示を開始してから普図が確定停止表示されるまでの普図変動表示の変動時間を特定している。普図変動パターン振分判定値は、前記普図変動パターン振分用乱数を用いて普図変動パターンの決定に用いる判定値であり、普図変動パターン決定用乱数の取り得る数値「0」〜「8」までの全9通りの整数の中から定められている。そして、普図変動パターン毎に所定の判定値が割当てられており、取得された普図変動パターン振分用乱数に対応する普図変動パターン振分判定値が割り当てられた普図変動パターンがメイン制御CPU60aにより特定されるようになっている。ここで、普図変動パターン決定用判定値は、普図当り判定を行った時点での遊技状態が変短状態か非変短状態であるかによって、割当てられる普図変動パターンの種類および割当数が異なっている。具体的に、実施例では、非変短状態の場合に1つの普図変動パターンに対して普図変動パターン決定用判定値が割り当てられて、所定時間の変動時間(例えば5000ms)を定める普図変動パターンが決定されるのに対し、変短状態の場合に複数(実施例では2つ)の普図変動パターンに対して普図変動パターン決定用判定値が割り当てられて、各普図変動パターンに対する普図変動パターン決定用判定値の割当数に応じた割合で、所定時間の変動時間(例えば600ms)を定める普図変動パターンおよびこれと異なる変動時間(例えば1500ms)を定める普図変動パターンの何れかの普図変動パターンが決定される。
(統括制御基板について)
前記統括制御基板65には、統括制御CPU65aが備えられている。該統括制御CPU65aには、図8に示す如く、統括制御ROM65bおよび統括制御RAM65cが接続されている。また、統括制御CPU65aは、各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を統括制御RAM65cの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。
ここで、前記統括制御ROM65bには、図柄変動演出において実行する図柄変動演出の具体的な演出内容を特定する演出パターンが記憶されている。前記演出パターンは前記変動パターンに対応付けられており、メイン制御CPU60aにより決定された変動パターンに基づいて対応する演出パターンを統括制御CPU65aが決定するようになっている。なお、前記演出パターンは、前記変動パターンに対して一対一の関係で対応付けられたものではなく、1つの変動パターンに対して複数の演出パターンが対応付けられている。また、演出パターンには、図柄変動演出において各図柄表示列26a,26b,26cの飾図の停止タイミングが定められており、該演出パターンで定められる停止タイミングに従って各列に飾図が停止されると共に、該飾図の停止に合わせてスピーカ19から適宜の効果音が出力されたり、ランプ装置18が適宜の発光を行ったりするようになっている。
また、統括制御ROM65bには、表示制御基板70、ランプ制御基板72および音制御基板73を統括的に制御するための統括制御プログラムが記憶されている。統括制御CPU65aは、各種制御コマンドを入力すると、当該統括制御プログラムに基づき各種制御を実行する。
(表示制御基板70について)
次に、図8に基づき表示制御基板70について説明する。表示制御基板70には、表示制御CPU70aが備えられている。該表示制御CPU70aには、表示制御ROM70bおよび表示制御RAM70cが接続されている。また、表示制御基板70(表示制御CPU70a)には、図柄表示装置17が接続されている。表示制御ROM70bには、図柄表示装置17の表示内容を制御するための表示制御プログラムが記憶されている。また、表示制御ROM70bには、各種の画像データ(図柄、各種背景画像、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。更に、表示制御RAM70cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が記憶(設定)されるようになっている。
すなわち、メイン制御CPU60aは、始動入賞口30,31への入賞を契機として各種乱数を取得する乱数取得手段としての機能を有すると共に、図柄変動演出の開始時に、乱数取得手段により取得された乱数の値が予め定められた当り判定値(大当り判定値)と一致するか否かを判定することで、当り遊技(大当り遊技)が付与されるか否かの当り判定を行う当り判定手段としての機能を備えている。また、始動入賞口30,31への入賞を契機として当りか否かを判定する当り判定手段、複数種類の当り遊技の中から付与する当り遊技の種類を決定する当り遊技決定手段(当り判定手段)および決定した種類の当り遊技を特図変動表示終了後(図柄変動演出終了後)に付与する当り遊技付与手段としての夫々の機能を前記メイン制御CPU60aが備えている。メイン制御CPU60aは、前記始動入賞口30,31への入賞に基づいて、前記メイン制御ROM60bが記憶する複数の特図変動パターン(変動パターン)の中から1つの特図変動パターンを決定する特図変動パターン決定手段(変動パターン決定手段)としての機能を備えている。また、前記メイン制御CPU60aは、当りが発生する確率(当り判定手段による判定結果が肯定となる確率)が通常よりも高確率となる確変状態を付与するか否かを決定する確変決定手段として機能すると共に、当り遊技終了後に確変状態を付与する確変付与手段として機能するよう構成されている。ここで、前記メイン制御CPU60aは、当りが発生する場合(当り判定手段の判定結果が肯定の場合)にのみ、確変状態を付与するか否かを判定するようになっている。
更に、前記メイン制御CPU60aは、当りが発生する場合(当り判定手段の判定結果が肯定の場合)に、第2始動入賞口31へパチンコ球が入賞する確率が高確率となる入賞率向上状態(変短状態)を付与するか否かを判定する入賞率向上状態判定手段として機能し、入賞率向上状態を付与する場合に、入賞率向上状態を付与する期間を決定する入賞率向上状態付与期間決定手段として機能すると共に、当り遊技終了後に決定された入賞率向上状態を付与する期間だけ変短状態を付与する変短状態付与手段としても機能している。ここで、前記メイン制御CPU60aは、当り遊技の終了後から予め決められた回数の特図変動表示(図柄変動演出)が実行されるまでの間、あるいは次回の当り遊技が付与されるまでの間の何れかの期間を、入賞率向上状態付与期間として決定するようになっている。このように、前記メイン制御CPU60aは、当り判定が肯定判定の場合に、始動入賞口30,31への入賞に基づいて当り遊技後に遊技者に有利な特典状態(確変状態、変短状態)を付与するか否かを決定する特典状態決定手段としての機能を備えている。また、前記メイン制御RAM60cは、図柄表示装置17で図柄変動演出が行われている間(すなわち第1および第2特図表示部50A,50Bで特図変動表示が行われている間)に取得された入賞情報を始動保留情報として複数記憶可能な保留記憶手段として機能する。具体的に、表示手段(図柄表示装置17や第1特図表示部50A)で変動表示が行われている間に第1始動入賞検出センサ34の検出を契機として取得される入賞情報を第1始動保留情報として記憶する第1保留記憶手段および表示手段(図柄表示装置17や第2特図表示部50B)で変動表示が行われている間に第2始動入賞検出センサ35の検出を契機として取得される入賞情報を第2始動保留情報として記憶する第2保留記憶手段として機能する。
次に、メイン制御基板60のメイン制御CPU60aが制御プログラムに基づき実行する特図処理および特図開始処理について具体的に説明する。
(特図処理について)
特図入力処理では、図4に示すように、第1始動入賞口30にパチンコ球が入賞したか否かをメイン制御CPU60aが判定する(ステップA11)。すなわち、ステップA11においてメイン制御CPU60aは、第1始動入賞口30に対応する第1始動入賞検出センサ34がパチンコ球を検出した時に出力する検出信号が入力されたか否かを判定する。そしてステップA11の判定結果が否定の場合には、ステップA15に移行する。ステップA11の判定結果が肯定の場合には、メイン制御CPU60aは、メイン制御RAM60cに記憶されている第1特図始動保留情報の保留数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップA12)。ステップA12の判定結果が否定(すなわち第1特図始動保留情報の保留数が4)の場合には、メイン制御CPU60aは、ステップA15に移行する。
ステップA12の判定結果が肯定(第1特図始動保留情報の保留数<4)の場合には、第1特図始動保留情報の保留数を1加算し、メイン制御RAM60cが記憶する第1特図始動保留情報の保留数を書き換える(ステップA13)。続いて、メイン制御RAM60cから入賞情報(当り判定用乱数の値、特図決定用乱数の値、演出実行判定用乱数の値および特図変動パターン振分用乱数等の各種乱数の値)をメイン制御CPU60aが読み出して、当該入賞情報(乱数の値)を第1特図始動保留情報として保留数に対応付けたメイン制御RAM60cの所定の記憶領域に設定する(ステップA14)。これにより、ステップA15に移行する。
また、ステップA15では、第2始動入賞口31にパチンコ球が入賞したか否かをメイン制御CPU60aが判定する。すなわち、ステップA15においてメイン制御CPU60aは、第2始動入賞口31に対応する第2始動入賞検出センサ35がパチンコ球を検出した時に出力する検出信号が入力されたか否かを判定する。そしてステップA15の判定結果が否定の場合には、特図入力処理を終了する。ステップA15の判定結果が肯定の場合には、メイン制御CPU60aは、メイン制御RAM60cに記憶されている第2特図始動保留情報の保留数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップA16)。ステップA16の判定結果が否定(すなわち第2特図始動保留情報の保留数が4)の場合には、メイン制御CPU60aは、特図入力処理を終了する。
ステップA16の判定結果が肯定(第2特図始動保留情報の保留数<4)の場合には、第2特図始動保留情報の保留数を1加算し、メイン制御RAM60cが記憶する第2特図始動保留情報の保留数を書き換える(ステップA17)。続いて、メイン制御RAM60cから入賞情報(当り判定用乱数の値、特図決定用乱数の値、演出実行判定用乱数の値および特図変動パターン振分用乱数等の各種乱数の値)をメイン制御CPU60aが読み出して、当該入賞情報(乱数の値)を第2特図始動保留情報として保留数に対応付けたメイン制御RAM60cの所定の記憶領域に設定する(ステップA18)。その後、メイン制御CPU60aが、前記第1または第2始動入賞口30,31へパチンコ球が入賞した時点で前記メイン制御RAM60cに記憶されている第1または第2特図始動保留情報に基づいて実行される図柄変動演出中に予告演出に関する情報を送信する保留コマンド処理を実行し(ステップA19)、特図入力処理を終了する。
(特図開始処理について)
次に、特図開始処理について図5に基づき説明する。メイン制御CPU60aは、特図開始処理を所定の周期(実施例では4ms)毎に実行している。特図開始処理では、メイン制御CPU60aは、特図表示部50A,50Bおよび図柄表示装置17において特図1または特図2が変動表示中であるか、または大当り遊技中であるか否かを判定する(ステップB11)。そして、ステップB11の判定結果が肯定の場合には、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。一方、ステップB11の判定結果が否定の場合には、第2特図始動保留情報の保留数を読み出し(ステップB12)、第2特図始動保留情報の保留数が「0」よりも大きいか否かを判定する(ステップB13)。ステップB13の判定結果が否定の場合には(第2特図始動保留情報の保留数=0の場合には)、メイン制御CPU60aは、ステップB16の処理に移行する。またメイン制御CPU60aは、ステップB13の判定結果が肯定の場合には(第2特図始動保留情報の保留数>0)の場合には、メイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶される特図変動処理フラグに第2特図変動演出を実行することを示す値「1」を設定する。次いで、メイン制御CPU60aが第2特図始動保留情報の保留数を1減算して(ステップB14)、保留数に対応付けられたメイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶されている当該第2特図始動保留情報(当り判定用乱数の値、特図決定用乱数の値、演出実行判定用乱数の値および特図変動パターン振分用乱数等の各種乱数の値)をメイン制御CPU60aが取得する(ステップB15)。
ここで、メイン制御CPU60aは、最も早く記憶した第2特図始動保留情報が記憶される第1特図記憶領域から第2特図始動保留情報(乱数)を取得する。そして、メイン制御CPU60aは、第2特図始動保留情報に関連付けられた乱数を取得した後、2番目に早く記憶した第2特図始動保留情報が記憶されている第2特図記憶領域の第2特図始動保留情報(乱数)を、前記第1特図記憶領域に記憶させる。同様に、メイン制御CPU60aは、3番目に早く記憶した第2特図始動保留情報が記憶されている第3特図記憶領域の第2特図始動保留情報(乱数)を前記第2特図記憶領域に記憶させ、4番目に早く記憶した(すなわち最も新しい)第2特図始動保留情報が記憶されている第4特図記憶領域の第2特図始動保留情報(乱数)を前記第3特図記憶領域に記憶させる。すなわち、第2特図始動保留情報は、メイン制御RAM60cに記憶された順序でメイン制御CPU60aにより読み出されるようになっている。また、メイン制御CPU60aは、減算後の第2特図始動保留情報の保留数に対応するように第2特図保留表示部53の表示を変更させる。
前記ステップB15の処理により第2特図始動保留情報としての各種乱数が取得されると、図6に示すように、メイン制御CPU60aは、取得した当り判定用乱数の値がメイン制御ROM60bに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定する大当り判定(当り抽選)を行う(ステップB22)。なお、前述したように、非確変状態の時(低確率の時)に大当り判定の判定結果が肯定となる確率(すなわち大当り確率)は、219/65536に設定され、確変状態の時(高確率の時)に判定結果が肯定となる確率(大当り確率)は、441/65536に設定されている。そして、ステップB22における大当り判定の判定結果が肯定の場合には(大当りが発生する場合には)、大当りの変動であることを示す大当りフラグに「1」が設定される(ステップB23)。そして、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に基づき、第2特図表示部50Bに確定停止表示される大当り図柄となる最終停止図柄(特図2)を決定する(ステップB24)。ここで、特図決定用乱数の値は、特図2の大当り図柄が対応付けられていることから、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に対応付けられた特図2を決定することで大当り図柄を決定することになる。また、メイン制御CPU60aは、大当り図柄が確変状態を付与する大当り図柄の場合には、確変状態を示す確変フラグを大当り遊技の終了後に「1」に設定し、確変状態を付与しない大当り図柄の場合に確変フラグを「0」に設定する。また、大当り図柄が変短状態を付与する大当り図柄の場合には、変短状態を示す変短フラグを大当り遊技の終了後に「1」に設定し、変短状態を付与しない大当り図柄の場合に変短フラグを「0」に設定する。なお、変短フラグは、変短状態の終了条件が満たされると、変短フラグが「0」に設定される。大当り図柄(特図)が決定されると、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン振分用乱数の値に基づいて当り用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB25)。
一方、ステップB22の大当り判定の判定結果が否定の場合には(大当りでない場合には)、メイン制御CPU60aは、リーチ演出を実行させるか否かを判定する演出実行判定(リーチ判定)を行う(ステップB27)。実施例では、メイン制御CPU60aは、ステップB15の処理時においてメイン制御RAM60cから取得した演出実行判定用乱数の値が、演出実行判定値と一致するか否かにより当選判定を行う。そして、ステップB27の判定結果が肯定の場合には(リーチ演出を行う場合には)、メイン制御CPU60aは、第2特図表示部50Bにて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図2)として決定する(ステップB28)。次に、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン振分用乱数の値に基づいてはずれリーチ用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB29)。
また、ステップB27での演出実行判定の判定結果が否定の場合には(リーチ演出を行わない場合には)、メイン制御CPU60aは、第2特図表示部50Bにて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図2)として決定する(ステップB30)。次に、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン振分用乱数の値に基づいてはずれ用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB31)。
ここで、ステップB25,B29,B31において特図変動パターンおよび最終停止図柄(特図2)を決定したメイン制御CPU60aは、統括制御基板65に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する(ステップB26)。具体的には、メイン制御CPU60aは、特図変動パターンを指定すると共に図柄変動の開始を指示する特図変動パターン指定コマンドを出力すると共に、特図変動パターンで特定された変動時間の計測を開始する。これと同時に、メイン制御CPU60aは、第2特図変動表示を開始させるように第2特図表示部50Bを制御する。また、メイン制御CPU60aは、最終停止図柄となる特図2を指示するための特図2指定コマンドを出力する。そして、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。その後、特図開始処理とは別の処理で、メイン制御CPU60aは、前記指定した特図変動パターンに定められている変動時間に基づいて、決定した最終停止図柄を表示させるように第2特図表示部50Bの表示内容を制御する。また、メイン制御CPU60aは、前記指定した特図変動パターンに定められている変動時間に基づいて、飾図の変動停止を指示し、図柄組み合わせを確定停止表示させるための全図柄停止コマンドを出力する。また、変短状態の終了条件を満たした場合には、変短終了コマンドを出力する。
一方、ステップB13の判定結果が否定の場合(第2特図始動保留情報の保留数=0の場合)には、第1特図始動保留情報の保留数を読み出し(ステップB16)、第1特図始動保留情報の保留数が「0」よりも大きいか否かを判定する(ステップB17)。メイン制御CPU60aは、ステップB17の判定結果が肯定の場合には(第1特図始動保留情報の保留数>0)の場合には、メイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶される特図変動処理フラグに第1特図変動演出を実行することを示す値「0」を設定する。次いで、メイン制御CPU60aが第1特図始動保留情報の保留数を1減算して(ステップB18)、当該第1特図始動保留情報に対応付けられたメイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶されている当り判定用乱数の値、特図決定用乱数の値、演出実行判定用乱数の値および特図変動パターン振分用乱数の値をメイン制御CPU60aが取得して(ステップB19)、次いで当り判定処理を実行する。すなわち、実施例のパチンコ機10では、第2始動入賞口31への入賞を契機として取得される第2特図始動保留情報がメイン制御RAM60cに記憶されている場合には、第1始動入賞口30への入賞を契機として取得される第1特図始動保留情報がメイン制御RAM60cに記憶されていたとしても、該第2特図始動保留情報に基づく図柄変動演出が優先的に実行されるようになっている。
ここで、メイン制御CPU60aは、最も早く記憶した第1特図始動保留情報が記憶される第1特図記憶領域から第1特図始動保留情報(乱数)を取得する。そして、メイン制御CPU60aは、第1特図始動保留情報に関連付けられた乱数を取得した後、2番目に早く記憶した第1特図始動保留情報が記憶されている第2特図記憶領域の第1特図始動保留情報(乱数)を、前記第1特図記憶領域に記憶させる。同様に、メイン制御CPU60aは、3番目に早く記憶した第1特図始動保留情報が記憶されている第3特図記憶領域の第1特図始動保留情報(乱数)を前記第2特図記憶領域に記憶させ、4番目に早く記憶した(すなわち最も新しい)第1特図始動保留情報が記憶されている第4特図記憶領域の第1特図始動保留情報(乱数)を前記第3特図記憶領域に記憶させる。すなわち、第1特図始動保留情報は、メイン制御RAM60cに記憶された順序でメイン制御CPU60aにより読み出されるようになっている。また、メイン制御CPU60aは、減算後の第1特図始動保留情報の保留数に対応するように第1特図保留表示部52の表示を変更させる。
前記ステップB19の処理により各種乱数が取得されると、図7に示すように、メイン制御CPU60aは、取得した当り判定用乱数の値がメイン制御ROM60bに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定する大当り判定(当り抽選)を行う(ステップB32)。なお、前述したように、非確変状態の時(低確率の時)に大当り判定の判定結果が肯定となる確率(すなわち大当り確率)は、219/65536に設定され、確変状態の時(高確率の時)に判定結果が肯定となる確率(大当り確率)は、441/65536に設定されている。そして、ステップB32における大当り判定の判定結果が肯定の場合には(大当りが発生する場合には)、大当りの変動であることを示す大当りフラグに「1」が設定される(ステップB33)。そして、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に基づき、第1特図表示部50Aに確定停止表示される大当り図柄となる最終停止図柄(特図1)を決定する(ステップB34)。ここで、特図決定用乱数の値は、特図1毎に大当り図柄が対応付けられていることから、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に対応付けられた特図1を決定することで大当り図柄を決定することになる。また、メイン制御CPU60aは、決定した大当り図柄に応じて該大当り図柄により特定される大当り遊技後の遊技状態を示す確変フラグおよび変短フラグを大当り遊技後に設定する。大当り図柄(特図1)が決定されると、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン振分用乱数の値に基づいて当り用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB35)。
一方、ステップB32の大当り判定の判定結果が否定の場合には(大当りでない場合には)、メイン制御CPU60aは、リーチ演出を実行させるか否かを判定する演出実行判定(リーチ判定)を行う(ステップB37)。実施例では、メイン制御CPU60aは、ステップB19の処理時においてメイン制御RAM60cから取得した演出実行判定用乱数の値が、演出実行判定値と一致するか否かにより当選判定を行う。そして、ステップB37の判定結果が肯定の場合には(リーチ演出を行う場合には)、メイン制御CPU60aは、第1特図表示部50Aにて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図1)として決定する(ステップB38)。次に、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン振分用乱数の値に基づいてはずれリーチ用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB39)。
また、ステップB37での演出実行判定の判定結果が否定の場合には(リーチ演出を行わない場合には)、メイン制御CPU60aは、第1特図表示部50Aにて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図1)として決定する(ステップB40)。次に、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン振分用乱数の値に基づいてはずれ用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB41)。
ここで、ステップB35,B39,B41において特図変動パターンおよび最終停止図柄(特図1)を決定したメイン制御CPU60aは、統括制御基板65に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する(ステップB36)。具体的には、メイン制御CPU60aは、特図変動パターンを指定すると共に図柄変動の開始を指示する特図変動パターン指定コマンドを出力すると共に、特図変動パターンで特定された変動時間の計測を開始する。これと同時に、メイン制御CPU60aは、第1特図変動表示を開始させるように第1特図表示部50Aを制御する。また、メイン制御CPU60aは、最終停止図柄となる特図1を指示するための特図1指定コマンドを出力する。そして、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。その後、特図開始処理とは別の処理で、メイン制御CPU60aは、前記指定した特図変動パターンに定められている変動時間に基づいて、決定した最終停止図柄を表示させるように第1特図表示部50Aの表示内容を制御する。また、メイン制御CPU60aは、前記指定した特図変動パターンに定められている変動時間に基づいて、飾図の変動停止を指示し、図柄組み合わせを確定停止表示させるための全図柄停止コマンドを出力する。また、変短状態の終了条件を満たした場合には、変短終了コマンドを出力する。
一方、ステップB17の判定結果が否定の場合(第1特図始動保留情報の保留数=0の場合)には、メイン制御CPU60aは、デモ演出の実行を開始させるデモンストレーション指定コマンドを既に出力したか否かを判定し(ステップB20)、判定結果が否定の場合には、デモンストレーション指定コマンドを出力して特図開始処理を終了する(ステップB21)。また、ステップB20の判定結果が肯定の場合には(デモンストレーション指定コマンドを既に出力していた場合には)、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。
(統括制御について)
次に、統括制御基板65で実行される処理について説明する。統括制御基板65の統括制御CPU65aは、前記メイン制御CPU60aから入力された特図変動パターン指定コマンドに基づいて、当該図柄変動演出において実行する演出パターンを決定し、決定した演出パターンを指定する演出パターン指定コマンドを表示制御基板70やランプ制御基板72、音制御基板73等に出力する。統括制御CPU65aは、特図1指定コマンドまたは特図2指定コマンドが入力されると、該コマンドに対応する特図の停止図柄指定に応じて図柄表示装置17に最終停止表示させる各図柄列26a,26b,26cの飾図を決定する。すなわち、統括制御CPU65aは、特図1指定コマンドまたは特図2指定コマンドで指定された図柄が大当り図柄の場合には、大当り表示となる飾図の図柄組み合わせとなるよう各図柄列26a,26b,26cの飾図が決定される。
また、メイン制御CPU60aから出力される特図1指定コマンドおよび特図2指定コマンドに基づいて、確変情報フラグおよび変短情報フラグを統括制御CPU65aが設定するようになっている。具体的には、特図1指定または特図2指定コマンドで特定される特図1または特図2が、確変状態を付与する大当り図柄に対応する場合に確変状態を示す確変情報フラグを「1」に設定し、確変状態を付与しない大当り図柄に対応する場合に確変情報フラグを「0」に設定する。また、特図1指定または特図2指定コマンドで特定される特図1または特図2が、変短状態を付与する大当り図柄に対応する場合に変短状態を示す変短情報フラグを「1」に設定し、変短状態を付与しない大当り図柄に対応する場合に変短情報フラグを「0」に設定する。
そして、前記演出パターンで特定される各図柄列26a,26b,26cの飾図の停止タイミングにおいて、各列の飾図指定コマンドを表示制御基板70やランプ制御基板72、音制御基板73等に出力する。具体的には、統括制御CPU65aは、特図変動パターン指定コマンドが入力されると同時にタイマ手段(図示せず)により時間の計測を開始し、左図柄列26aの飾図の停止タイミングにおいて左飾図指定コマンドを出力し、右図柄列26cの飾図の停止タイミングにおいて右飾図指定コマンドを出力し、中図柄列26bの飾図の停止タイミングにおいて中飾図指定コマンドを出力する。
また、前記統括制御CPU65aは、特図指定コマンドで指定された停止図柄が、はずれ図柄の場合、はずれを認識可能な図柄組み合わせを決定する。また、統括制御CPU65aは、はずれリーチ演出用の特図変動パターンが指示されている場合、リーチ形成図柄を含むはずれを認識可能な図柄組み合わせを決定する。一方、統括制御CPU65aは、はずれ演出用の特図変動パターンが指示されている場合、リーチ形成図柄を含まないはずれを認識可能な図柄組み合わせを決定する。また、統括制御CPU65aは、全図柄停止コマンドを入力すると、該コマンドを表示制御基板70やランプ制御基板72、音制御基板73等に出力する。
(表示制御について)
前記表示制御基板70では、演出パターン指定コマンドが入力されると、該コマンドで特定される演出パターンに対応する演出内容を示す表示データを表示制御CPU70aが選択し、該演出パターンに対応した表示内容で図柄変動演出を実行させるように図柄表示装置17を制御する。そして、表示制御CPU70aは、図柄変動演出の開始に伴って演出開始からの経過時間を計時し、計測した時間毎に演出パターンに基づいた画像が表示されるよう図柄表示装置17に映し出す画像を所定の周期毎に切り替える。そして、表示制御CPU70aは、各図柄列26a,26b,26cの図柄停止コマンドが入力されると、対応する図柄列26a,26b,26cの有効停止位置27に飾図指定コマンドで指定された飾図を仮停止させ、全図柄停止コマンドが入力されると、各図柄列26a,26b,26cの有効停止位置27に飾図指定コマンドで指示された飾図を図柄表示装置17に確定停止表示させるように図柄表示装置17の表示内容を制御し、図柄変動演出を終了させる。
ここで、前記図柄表示装置17で実行される図柄変動演出の内容は、メイン制御CPU60aから出力される特図変動パターン指定コマンドまたは統括制御CPU65aから出力される演出パターン指定コマンドに応じて設定されるものであり、メイン制御CPU60aおよび統括制御CPU65aが図柄変動演出の内容を特定する演出内容を決定する図柄変動演出決定手段としての機能を有している。
(球遊びユニット80の動作制御について)
本実施例のパチンコ機10では、前記球遊びユニット80で実行可能な球遊び遊技に用いられる可動体91,91を作動させるための前記操作ボタン36からの押下信号を受け付ける第1有効期間、前記第1演出手段83の演出を行う際の操作ボタン36からの押下信号を受け付ける第2有効期間、前記第2演出手段84の演出を行う際の操作ボタン36からの押下信号を受け付ける第3有効期間が、統括制御CPU65aによって設定されるよう構成される。そして、統括制御CPU65aは、第1有効期間内に遊技者による操作ボタン36の操作が検出(押下信号の入力)されると、その操作が検出されたタイミングで前記第1ソレノイド92,92を駆動制御し、これによって可動体91,91が作動するよう構成される。また、統括制御CPU65aは、第2有効期間内に遊技者による操作ボタン36の操作が検出(押下信号の入力)されると、その押下回数をカウントして第1演出手段83における発光部105a〜105dの明輝態様を変更する後述のランクアップをするか否かを判定し、肯定の(所定の条件が満たされた)場合には対応する発光部105a〜105dを明輝する制御を行うよう構成される。更に、統括制御CPU65aは、第3有効期間内に遊技者による操作ボタン36の操作が検出(押下信号の入力)されると、その操作が検出されたタイミングに基づいて前記第2駆動モータ108を停止制御し、前記回転体107の回転を停止するよう構成される。実施例では、前記第1有効期間は、第2有効期間、第3有効期間およびその他の操作ボタン36の操作により各種演出を行う場合以外の期間で設定され、第1有効期間以外では操作ボタン36の操作によっては可動体91を作動させないようにしてある。
このように、統括制御CPU65aは、操作ボタン36の操作(具体的には操作ボタン36を操作したことによる押下信号の受け付け)を有効とする有効期間を設定可能な有効期間設定手段としての機能を有する。
実施例のパチンコ機10では、前記球遊びユニット80における切換えステージ86の後端縁から上方に延出する透明壁85aの前面に、操作ボタンを示す絵と、「ボタンを押して球を入れてみて」というメッセージが表示されたシール等が貼付されており、遊技者に操作ボタン36を操作することを促し得るよう構成されている。また、前記統括制御CPU65aは、前記メイン制御RAM60cに最も早く記憶している始動保留情報に基づき、該始動保留情報での図柄変動演出が開始される際に第1演出手段83または第2演出手段84で演出が実行されるタイミングで前記操作ボタン36の操作を所定時間(第2有効期間または第3有効時間)に亘って有効とする操作有効コマンドを表示制御基板70(表示制御CPU70a)に出力するよう設定される。そして、表示制御基板70では、操作有効コマンドが入力されると、該コマンドで特定される演出パターンに対応する演出内容を示す表示データを表示制御CPU70aが選択し、該演出パターンに対応した表示内容の画像を表示するように図柄表示装置17を制御するよう構成される。具体的には、第2有効期間および第3有効期間には、図柄表示装置17の画像表示面17aにおいて、操作ボタンを示す画像(操作ボタン画像と指称する場合もある)と、演出を実行する演出手段83,84の演出に応じた操作要求メッセージを示す画像(操作要求メッセージ画像と指称する場合もある)とを表示させるコマンドを出力するよう構成される。実施例では、第1演出手段83が演出を行う場合には、「ボタンを連打して」という操作要求メッセージが表示され、第2演出手段84が演出を行う場合には、「ボタンを押してルーレットを停止して」という操作要求メッセージが表示される。第2有効期間および第3有効期間において図柄表示装置17に表示される操作ボタン画像および操作要求メッセージ画像の表示は、遊技者による操作ボタン36の操作を促すために実行されるボタン操作促進演出である。
(図柄表示装置17による始動保留表示について)
前記パチンコ機10では、前記特図表示器50,51の第1および第2特図保留表示部52,53で特図始動保留情報の記憶数(始動保留球数)を表示する他に、当該始動保留球数を、前記図柄表示装置17に設定された第1保留表示領域17bおよび第2保留表示領域17cにおいて、パチンコ球を摸した画像として表示して、遊技者に保留情報の記憶数を報知し得るよう構成される(図12参照)。なお、保留表示領域17b,17cに表示される始動保留球数の表示について、始動保留表示112という場合がある。第1保留表示領域17bは、第1特図保留表示部52で表示される特図始動保留情報の記憶数と対応して始動保留球数を表示する領域であり、第2保留表示領域17cは、第2特図保留表示部53で表示される特図始動保留情報の記憶数と対応して始動保留球数を表示する領域である。
前記始動保留球の表示態様つき、第1保留表示領域17bで始動保留球数を表示する場合で説明すると、始動保留球が1個の場合は、図12(a)に示すように、第1保留表示領域17bにパチンコ球を摸した画像(始動保留表示112)を1つ表示し、始動保留球が2個の場合は、図12(b)に示すように、第1保留表示領域17bにパチンコ球を摸した画像(始動保留表示112)を2つ表示し、始動保留球が3個の場合は、図12(c)に示すように、第1保留表示領域17bにパチンコ球を摸した画像(始動保留表示112)を3つ表示し、始動保留球が4つの場合は、図12(d)に示すように第1保留表示領域17bにパチンコ球を摸した画像(始動保留表示112)を4個表示する。また、図柄表示装置17は、第1保留表示領域17bに表示される始動保留表示112によって、始動保留球数を報知するのみならず、表示態様を変化させることにより、前記振分け部材98が振分け動作を実行する可能性を示唆する保留予告演出を実行し得るようになっている。なお、第2保留表示領域17cで始動保留球数を表示する態様は、第1保留表示領域17bでの表示態様と同じである。また、始動保留表示112の表示態様を変化することを、以後、保留予告演出と指称する場合もある。
前記統括制御ROM65bには、振分け部材98の振分け動作が実行される可能性を示唆する始動保留表示112の表示態様の種類として、複数種類(実施例では4種類)が記憶されている。本実施例では、表示態様として画像の色が設定されており、統括制御ROM65bには、「白色」、「青色」、「緑色」、「赤色」の4色の表示態様が記憶されている。そして、統括制御CPU65aは、メイン制御RAM60cに記憶されている始動保留情報に基づいて始動保留表示112の色(表示態様)を変化させることで、振分け手段98が振分け動作を実行する可能性を示唆し得るようになっている。そして、統括制御CPU65aは、始動入賞口30,31へのパチンコ球の入賞時にメイン制御RAM60cに記憶した始動保留情報に基づいて設定された保留コマンド(後述)に基づいて始動保留表示112の色(表示態様)を変化させることで、振分け手段98が振分け動作を実行する可能性を示唆し得るようになっている。本実施例では、始動保留表示112の色によって、振分け手段98が振分け動作を実行する期待値が異なるよう設定されている。具体的には、「白色」は、基本色として、始動保留球が発生した場合に決定される表示態様であり、「白色」から「青色」、「緑色」、「赤色」と段階的に色が変化するにつれて期待値が高くなるよう設定されている。
(始動保留表示112の上限について)
実施例のパチンコ機10では、前記始動保留表示112が変化可能な表示態様(色)の上限は、前記始動入賞口30,31にパチンコ球が入賞(具体的には始動入賞検出センサ34,35の球検出)した時点で取得した情報(乱数値)に基づいて、メイン制御CPU60aで実行された保留コマンド処理(後述)にて特定された変動パターン情報によって特定される。なお、メイン制御CPU60aで特定される上限の期待値の表示態様について、上限表示態様という場合がある。
前記メイン制御CPU60aのメイン制御ROM60bに記憶されている前記特図変動パターンには、図13に示す如く、振分け部材98で振分け動作を実行させる場合で当りの第1の変動パターンと、振分け部材98で振分け動作を実行させる場合ではずれの第2の変動パターンと、振分け部材98で振分け動作を実行しない(非動作の)場合で当りの第3の変動パターンと、振分け部材98で振分け動作を実行しない(非動作の)場合ではずれの第4の変動パターンとが設定されている。更に、第1の変動パターンは、全体で100個が設定されると共に、図13(a)に示す如く、100個の第1の変動パターンの内の70個は、始動保留表示112の上限表示態様として「赤色」が設定され、100個の第1の変動パターンの内の20個は、始動保留表示112の上限表示態様として「緑色」が設定され、100個の第1の変動パターンの内の10個は、始動保留表示112の上限表示態様として「青色」が設定されている。また、第2の変動パターンは、全体で100個が設定されると共に、図13(b)に示す如く、100個の第2の変動パターンの内の60個は、始動保留表示112の上限表示態様として「赤色」が設定され、100個の第2の変動パターンの内の25個は、始動保留表示112の上限表示態様として「緑色」が設定され、100個の第2の変動パターンの内の15個は、始動保留表示112の上限表示態様として「青色」が設定されている。また、第3の変動パターンは、全体で100個が設定されると共に、図13(c)に示す如く、100個の第3の変動パターンの内の20個は、始動保留表示112の上限表示態様として「緑色」が設定され、100個の第3の変動パターンの内の80個は、始動保留表示112の上限表示態様として「青色」が設定されている。また、第4の変動パターンは、全体で100個が設定されると共に、図13(d)に示す如く、100個の第4の変動パターンの内の10個は、始動保留表示112の上限表示態様として「緑色」が設定され、100個の第4の変動パターンの内の90個は、始動保留表示112の上限表示態様として「青色」が設定されている。なお、前記第1〜第4の変動パターンの数および各変動パターンにおける「赤色」、「緑色」および「青色」の上限表示態様の割合は一例であって、これに限られるものではない。
そして、統括制御CPU65aでは、後述する先読みした始動保留情報(保留コマンド)に、上限表示態様として「赤色」が設定されている第1の変動パターンまたは第2の変動パターンを指定するコマンドが含まれている場合は、先読みした当該の始動保留情報に対応する始動保留表示112について、該始動保留表示112の図柄変動演出が開始されるまでの間に前記球遊び遊技において成功(演出球検出センサ90の球検出)した場合は、「赤色」までは変化させることができる。また、先読みした始動保留情報(保留コマンド)に、上限表示態様として「緑色」が設定されている第1の変動パターン、第2の変動パターン、第3の変動パターンまたは第4の変動パターンを指定するコマンドが含まれている場合は、先読みした当該の始動保留情報に対応する始動保留表示112について、該始動保留表示112の図柄変動演出が開始されるまでの間に前記球遊び遊技において成功(演出球検出センサ90の球検出)した場合は、「緑色」までは変化させることができる。同様に、先読みした始動保留情報(保留コマンド)に、上限表示態様として「青色」が設定されている第1の変動パターン、第2の変動パターン、第3の変動パターンまたは第4の変動パターンを指定するコマンドが含まれている場合は、先読みした当該の始動保留情報に対応する始動保留表示112について、該始動保留表示112の図柄変動演出が開始されるまでの間に前記球遊び遊技において成功(演出球検出センサ90の球検出)した場合は、「青色」までは変化させることができる。
すなわち、前記表示制御CPU70aは、保留記憶手段に記憶した同じ始動保留情報の内容を複数の表示態様で表示可能な始動保留情報表示手段としての機能を有する。そして、メイン制御CPU60aは、始動入賞口30,31への入賞を契機に図柄表示装置(始動保留情報表示手段)17で表示可能な上限の期待値の始動保留表示112の表示態様を決定(コマンドにより特定)する表示態様上限決定手段としての機能を有している。また、前記統括制御CPU65aは、前記演出球検出センサ90の球検出を契機として、前記始動保留情報表示手段の表示態様を球検出前の表示態様から別の表示態様に変更可能な表示態様変更手段としての機能を有する。そして、統括制御CPU65aは、前記図柄表示装置17で表示される始動保留表示112の表示態様を、前記メイン制御CPU60a(表示態様上限決定手段)が決定した期待値以下の期待値の表示態様の中から決定して変更するよう構成されている。
(前兆演出について)
前記統括制御ROM65bには、図14に示すように、前記始動保留表示112の色が変化する演出(保留予告演出)が行われる可能性を示唆する前兆演出(示唆演出)を特定した複数種類の前兆演出パターン(示唆演出パターン)OA1〜OA3が記憶されている。前兆演出は、始動保留表示112の色が変化する演出が実行される前段階で図柄表示装置17に表示される演出であって、該前兆演出が行われることで、始動保留表示112の色が変化する演出が実行されることを遊技者が期待し得るようになっている。この前兆演出パターンOA1〜OA3は、図14に示す如く、始動保留表示112の色が変化する演出が実行される可能性の期待値が大・中・小と異なる複数種類が設定されている。そして、この前兆演出は、前記保留表示領域17b、17cの近傍に設定された前兆表示領域17d,17e(図12参照)において、パチンコ機10のモチーフとなるキャラクタが出現し、該キャラクタが各種のアクションを行う演出である。なお、第1前兆表示領域17dは、第1保留表示領域17bに表示された始動保留表示112に対応する前兆演出を表示する領域であり、第2前兆表示領域17eは、第2保留表示領域17cに表示された始動保留表示112に対応する前兆演出を表示する領域である。この前兆演出としては、例えば、特定の始動保留表示112(例えば4個の保留球がある場合では、最も新しく記憶した4番目の保留球)に対してキャラクタがパンチを繰り出す等のアクションを行い、パンチが当れば始動保留表示112の表示態様が変化する等が挙げられるが、これに限られるものではない。すなわち、保留表示されている全ての始動保留表示112に対応してキャラクタが出現して個々にアクションを行うものや、更には始動保留表示112とは別に敵キャラクタを出現させ、キャラクタ同士のバトルを行うもの等、始動保留表示112の表示態様が変化する可能性を表現し得る演出であればよい。実施例では、図柄表示装置17が、示唆演出(前兆演出)を実行可能な示唆演出手段としての機能を有する。
前記球遊び遊技において前記演出球検出センサ90の球検出を契機として統括制御CPU65aが実行する前兆演出パターンの振分け抽選において、統括制御ROM65bに記憶される前兆演出パターン用乱数および前兆演出パターン用判定値を用いて該統括制御CPU65aが前兆演出パターンを決定するよう構成される。そして、統括制御CPU65aは、前兆演出パターンの振分け抽選で決定した前兆演出パターンを特定する前兆演出パターン指定コマンドを前記表示制御基板70に出力し、該表示制御基板70では、前兆演出パターン指定コマンドが入力されると、該コマンドで特定される前兆演出パターンに対応する演出内容を示す表示データを表示制御CPU70aが選択し、該前兆演出パターンに対応した表示内容で前兆演出を実行させるように図柄表示装置17を制御する。すなわち、実施例では、演出球検出手段の球検出を契機に複数の示唆演出パターンから1つの示唆演出パターンを決定する示唆演出パターン決定手段および当該示唆演出パターンで特定される示唆演出を示唆演出手段で実行させる示唆演出実行制御手段としての機能を、統括制御CPU65aが有する。
本実施例では、統括制御CPU65aで実行される前兆演出パターンの振分け抽選に用いられる前兆演出パターン用乱数および前兆演出パターン用判定値について、前兆演出パターン用抽選乱数および前兆演出パターン用抽選判定値と指称するものとする。そして、本実施例では、前兆演出パターン用抽選乱数として、「0」〜「99」の全100通りの整数値が設定されており、統括制御CPU65aは、前兆演出パターン用抽選乱数を所定の周期(4ms)で1ずつ更新し、更新後の値を統括制御RAM65cに一時的に記憶して更新前の値を書き換えるように構成されている。
前記前兆演出パターンの振分け抽選に用いられる抽選テーブルとして、後述する保留コマンド処理において先読みされた始動保留情報に前記始動保留表示112の上限表示態様として「赤色」が設定された変動パターンを指定する情報(コマンド)が含まれている場合に用いられる前兆演出用第1抽選テーブルT1と、始動保留表示112の上限表示態様として「赤色」が設定されていない変動パターンを指定する情報(コマンド)が含まれている場合に用いられる前兆演出用第2抽選テーブルT2とが設定されている。そして、前兆演出用第1抽選テーブルT1では、前兆演出パターン用抽選判定値の振分けとして、図15(a)に示す如く、第1前兆演出パターンOA1に対して、「0」〜「79」の80通りの前兆演出パターン用抽選判定値が振分けられ、第2前兆演出パターンOA2に対して、「80」〜「94」の15通りの前兆演出パターン用抽選判定値が振分けられ、第3前兆演出パターンOA3に対して、「95」〜「99」の5通りの前兆演出パターン用抽選判定値が振分けられている。一方、前兆演出用第2抽選テーブルT2では、前兆演出パターン用抽選判定値の振分けとして、図15(b)に示す如く、第1前兆演出パターンOA1に対して、「0」〜「4」の5通りの前兆演出パターン用抽選判定値が振分けられ、第2前兆演出パターンOA2に対して、「5」〜「39」の35通りの前兆演出パターン用抽選判定値が振分けられ、第3前兆演出パターンOA3に対して、「40」〜「99」の60通りの前兆演出パターン用抽選判定値が振分けられている。このように、前兆演出用第1抽選テーブルT1においては、第3前兆演出パターンOA3、第2前兆演出パターンOA2、第1前兆演出パターンOA1の順で前兆演出パターン用抽選判定値が多く振り分けられて、最も第1前兆演出パターンOA1が選択され易くなっている。これに対し、前兆演出用第2抽選テーブルT2においては、第1前兆演出パターンOA1、第2前兆演出パターンOA2、第3前兆演出パターンOA3の順で前兆演出パターン用抽選判定値が多く振り分けられて、最も第3前兆演出パターンOA3が選択され易くなっている。すなわち、前兆演出が実行された場合において、第3前兆演出パターンOA3、第2前兆演出パターンOA2、第1前兆演出パターンOA1の順で、始動保留表示112の色が変化する演出(保留予告演出)が実行される可能性の期待値が高くなる(図14参照)。なお、前兆演出用第1抽選テーブルT1および前兆演出用第2抽選テーブルT2に示す前兆演出パターン用抽選判定値の振分けは一例であって、これに限られるものではない。
ここで、実施例のパチンコ機10では、後述する予告演出判定処理において、統括制御CPU6aが始動保留表示112の表示態様を変更しない(予告演出を実行しない)と決定する場合があり、この場合には球遊び遊技を行って成功したとしても、始動保留表示112が変化しないため(基本色である「白色」のままのため)に遊技者が操作ボタン36を押下する意欲を低下させるおそれがある。そこで、本実施例では、予告演出判定処理において統括制御CPU65aが始動保留表示112の表示態様を変更しないと決定した場合であっても、球遊び遊技を行って成功したときには、前記前兆演出を実行することで、操作ボタン36を押下することの意欲を減退させない演出を行い得るようにしてある。
すなわち、前記前兆演出として、前記前兆表示領域17d,17eに出現させたキャラクタの周囲にオーラのような画像を表示する煽り演出の内容を含んでおり、始動保留表示112の表示態様を変更する、しないに関らず、球遊び遊技を行って成功したときには煽り演出を行って球遊び遊技に成功した実感を遊技者に与えて、操作ボタン36を押下することの意欲を減退させないように構成してある。また、煽り演出は、球遊び遊技に成功した際に始動保留表示112の表示態様(色)が変化しないことでの遊技者の操作ボタン36を操作する意欲減退を抑制する以外に、始動保留表示112の表示態様(色)が変化する可能性を示唆する演出としても用いられる。すなわち、煽り演出において表示される画像(オーラ)の色として、前記始動保留表示112の表示態様に設定されている4色が統括制御ROM65bに記憶されている。そして、始動保留表示112の表示態様(色)が変化する可能性の期待値が、「白色」→「青色」→「緑色」→「赤色」の順で高くなるよう設定されて、前記キャラクタの周囲に表示されるオーラの色によって、遊技者に始動保留表示112が変化することを期待させ得るようになっている。すなわち、実施例では、振分け手段98が振分け動作を実行する可能性を示唆する始動保留表示112の表示態様が変化する可能性を示唆する前兆演出(煽り演出を含む)についても、振分け手段98が振分け動作を実行する可能性を間接的に示唆する演出であり、始動保留表示112の表示態様が変化する演出および前兆演出を含んで保留予告演出といえる。
(保留コマンド処理について)
次に、前述した保留予告演出(始動保留表示112の表示態様の変更)を実行するための保留コマンド処理について説明する。なお、保留コマンド処理は、第1始動入賞口30または第2始動入賞口31へパチンコ球が入賞した際(特図入力処理が実行される際)に行われる。すなわち、第1始動入賞口30または第2始動入賞口31へパチンコ球が入賞してから次の図柄変動演出(第1または第2特図変動表示)が開始されるよりも前に(特図開始処理が行われるよりも前に)、保留コマンド処理が実行される。言い換えると、保留コマンド処理は、図柄変動演出の前に実行するよう構成されている。
図16に、第1始動入賞口30または第2始動入賞口31へパチンコ球が入賞した際に取得した情報に対応するコマンドを特定する保留コマンド処理を示す。メイン制御CPU60aは、前記第1始動入賞口30または第2始動入賞口31にパチンコ球が入賞したときに取得した対応の第1または第2特図始動保留情報が大当りとなるか否かを入賞時に判定する(ステップC11)。そして、第1または第2特図始動保留情報に基づく前記大当り判定が肯定であった場合は、遊技状態(より具体的には確変状態か非確変状態か)が変化しない限り、当該肯定判定された特図始動保留情報に基づいて図柄変動演出が行われた際に大当りが発生する。
(大当り判定結果が肯定の場合について)
そして、ステップC11における前記大当り判定の判定結果が肯定である場合には、第1始動入賞口30または第2始動入賞口31に入賞したときに取得された特図決定用乱数の値に基づき、当該肯定判定された対応の第1または第2特図始動保留情報に基づいて図柄変動演出が行われた場合の大当りの種類(ラウンド数、確変か非確変かの情報等)を特定する(ステップC12)。そして、ステップC11における前記大当り判定の判定結果が肯定である場合には、前記第1始動入賞口30または第2始動入賞口31に入賞したときに取得された対応の第1または第2特図始動保留情報に基づいて、入賞時点で特定される大当り変動演出内容を特定する(変動パターンや上限表示態様を特定する)(ステップC13)。
(大当り判定結果が肯定の場合の保留コマンドの設定について)
ステップC13において大当り変動演出内容(変動パターンや上限表示態様)が特定されると、メイン制御CPU60aは、メイン制御RAM60cの所定の記憶領域に保留コマンドを設定すると共に、該保留コマンドを統括制御CPU65aに送信する(ステップC14)。ここで、保留コマンドは、第1始動入賞口30または第2始動入賞口31に入賞した時点におけるステップC11における当り判定の判定結果を示す大当り情報を含んでいる。また、前述したように、特図変動パターン毎に始動保留表示112の上限表示態様が対応付けられており(第1〜第2の変動パターン、図13参照)、該特図変動パターンを特定する保留コマンドは、始動保留表示112の上限表示態様を特定する情報(上限表示態様情報)を含んだコマンドである。従って、保留コマンドを参照することで、第1始動入賞口30または第2始動入賞口31に入賞したときに取得された始動保留情報に基づいて、図柄変動演出(第1または第2特図変動表示)が実行された際に大当りが発生するか否かを識別し得ると共に、先読みされた始動保留情報に基づく始動保留表示112の変化可能な上限表示態様を識別し得るようになっている。
また、保留コマンドには、第1始動入賞口30または第2始動入賞口31に入賞した時点において、前記メイン制御RAM60cが記憶する対応の第1または第2特図始動保留情報の記憶数を示す保留数情報、第1始動入賞口30および第2始動入賞口31の何れへのパチンコ球の入賞に基づく保留コマンドであるかを示す特図種別情報(入賞情報)、ステップC11における大当り判定結果が当りの場合に判定された大当りの種類(大当り図柄)を示す大当り遊技種別情報(当り遊技種別情報)が含まれている。なお、保留コマンドで特定される保留数情報は、特図種別情報で特定される第1または第2始動入賞口30,31に対応する特図始動保留情報の記憶数情報である。従って、特図種別情報で第1始動入賞口30が特定される場合には、保留数情報は第1特図始動保留情報の記憶数を示しており、特図種別情報で第2始動入賞口31が特定される場合には、保留数情報は第2特図始動保留情報の記憶数を示している。また、保留コマンドには、ステップC11における大当り判定が肯定の場合に、第1始動入賞口30または第2始動入賞口31にパチンコ球が入賞した時点での遊技状態(確変状態か否か、変短状態か否か)に関する情報を含んでいる。
(大当り判定結果が否定の場合の保留コマンドの設定について)
ステップC11における前記大当り判定の判定結果が否定である場合には、第1始動入賞口30または第2始動入賞口31に入賞したときに取得された対応の第1または第2特図決定用乱数の値に基づいて、入賞時点で特定されるはずれ変動演出内容を特定する(変動パターンや上限表示態様を特定する)(ステップC15)。ステップC15においてはずれ変動演出内容が特定されると、メイン制御CPU60aは、メイン制御RAM60cの所定の記憶領域に保留コマンドを設定すると共に、該保留コマンドを統括制御CPU65aに送信する(ステップC14)。ここで、ステップC11における大当り判定の判定結果が否定の場合に設定される保留コマンドは、前述と同様にステップC11における前記大当り判定の判定結果を示す大当り情報と、当該始動保留表示112の表示態様を変化可能な上限表示態様を示す上限表示態様情報とを含んだコマンドである。また、ステップC11における大当り判定の判定結果が否定の場合に設定される保留コマンドは、前記メイン制御RAM60cが記憶する第1または第2特図始動保留情報の記憶数を示す保留数情報、第1始動入賞口30および第2始動入賞口31の何れへのパチンコ球の入賞に基づくコマンドであるかを示す特図種別情報(入賞情報)が含まれている。なお、保留コマンドで特定される保留数情報は、特図種別情報で特定される第1または第2始動入賞口30,31に対応する特図始動保留情報の記憶数情報である。従って、特図種別情報で第1始動入賞口30が特定される場合には、保留数情報は第1特図始動保留情報の記憶数を示しており、特図種別情報で第2始動入賞口31が特定される場合には、保留数情報は第2特図始動保留情報の記憶数を示している。すなわち、保留コマンドにおけるコマンド構成は、ステップC11における大当り判定の判定結果に関わらず同じ構成で設定される。
(保留予告演出判定処理について)
次に、前記統括制御基板65で、前記始動保留表示112の表示態様を変化させる保留予告演出を実行させるか否かを判定する保留予告演出判定処理について、図17を参照して説明する。前記保留予告演出判定処理は、メイン制御CPU60aから入力される保留コマンドに基づいて行われる。統括制御CPU65aは、メイン制御CPU60aから保留コマンドが入力されると(ステップD11)、ステップD12で始動保留表示112の表示態様を変化させる保留予告演出を実行するか否かを判定する。すなわち、統括制御CPU65aは、保留コマンドが入力された際に取得した乱数、および「実行する」、「実行しない」に所定割合で振分けられている判定値に基づいて予告演出を実行するか否かを判定するよう構成される。そして、ステップD12が否定の場合は、保留予告演出を実行しないことを決定して、保留予告演出判定処理を終了する。一方、ステップD12が肯定の場合は、統括制御CPU65aは、保留予告演出の実行が待機状態であることを示す保留予告演出待機フラグに「1」を設定し(ステップD13)、保留予告演出判定処理を終了する。なお、ステップD12が否定の場合は、保留予告演出待機フラグは「0」となっている。すなわち、保留予告演出の実行を待機している状態で、前記一対の可動体91,91による球遊び遊技に成功(演出球検出センサ90の球検出)を契機として、始動保留表示112の表示態様を変化させ得るようになっている。なお、ステップD12の判定において、保留コマンドで特定される変動パターンが大当り遊技を特定する(図13の第1の変動パターンおよび第2の変動パターン)場合に、該変動パータンがはずれ遊技を特定する(図13の第3の変動パターンおよび第4の変動パターン)場合より多くの判定値が「実行する」に振分けられており、大当り遊技を特定する変動パターンの方が始動保留表示112の表示態様を変化させ易くなっている。
(予告演出開始処理について)
次に、予告演出開始処理について図18を参照して説明する。統括制御CPU65aは、前記演出球検出センサ90がパチンコ球を検出したか否かを判定する(ステップE11)。そして、ステップE11の判定結果が否定の場合には、統括制御CPU65aは、予告演出開始処理を終了する。一方、ステップE11の判定結果が肯定の場合には、統括制御CPU65aは、保留予告演出実行待機フラグが「1」か否かを判定する(ステップE12)。ステップE12が肯定であれば、前兆演出用第1抽選テーブルT1から前兆演出パターンを1つ決定し(ステップE13)、ステップE14に移行して始動保留表示112を変更させるよう制御する。また、統括制御CPU65aは、ステップE12が否定であれば、前兆演出用第2抽選テーブルT2から前兆演出パターンを1つ決定して(ステップE15)、予告演出開始処理を終了する。
ここで、ステップE13、E14においで前兆演出パターンを決定した統括制御CPU65aは、表示制御基板70に対し、対応する前兆演出パターンを指定する前兆演出パターン指定コマンドを所定のタイミングで出力する。表示制御基板70では、前兆演出パターン指定コマンドが入力されると、該コマンドで特定される前兆演出パターンに対応する演出内容を示す表示データを表示制御CPU70aが選択し、該前兆演出パターンに対応した表示内容で前兆演出を実行させるように図柄表示装置17を制御する。また、統括制御CPU65aは、ステップE12が肯定であった場合は、表示制御基板70に対して前兆演出パターン指定コマンドを出力した後の所定のタイミングで、始動保留表示112の表示態様を指定する表示態様指定コマンドを出力する。表示制御基板70では、表示態様指定コマンドが入力されると、該コマンドで特定される表示態様の表示データを表示制御CPU70aが選択し、該表示データに基づいて始動保留表示112の表示態様を変更するように図柄表示装置17を制御する。
ここで、前記メイン制御CPU60aにおいて保留コマンド処理において特定された上限表示態様と、実際の表示態様の変化との関係について、図19に示す如く、4個の始動保留球が存在している状態を挙げて具体的に説明する。なお、図19において、メイン制御RAM60cに最も早く記憶した始動保留情報を始動保留情報1とし、2番目に早く記憶した始動保留情報を始動保留情報2とし、3番目に早く記憶した始動保留情報を始動保留情報3とし、4番目に早く記憶した(すなわち最も新しい)始動保留情報を始動保留情報4として表示してある。そして、始動保留情報1に含まれる期待値の上限が「青色」の上限表示態様、始動保留情報2に含まれる期待値の上限が「緑色」の上限表示態様、始動保留情報3に含まれる期待値の上限が「赤色」の上限表示態様、始動保留情報4に含まれる期待値の上限が「青色」の上限表示態様であった場合とする。また、始動入賞口30,31に入賞した際に前記始動保留表示112に与えられる色は、基本色の「白色」となっている。
前記状態において球遊び遊技に成功(演出球検出センサ90の球検出)すると、統括制御CPU65aは、始動保留情報1〜4に対応する全ての始動保留表示112の色を変更するコマンドを表示制御CPU70aに出力し、該コマンドが入力された表示制御CPU70aは、始動保留情報1〜4に対応する始動保留表示112を「白色」から「青色」に変化させる。次に、球遊び遊技に成功(演出球検出センサ90の球検出)すると、統括制御CPU65aは、始動保留情報2,3に対応する始動保留表示112の色を変更するコマンドを表示制御CPU70aに出力し、該コマンドが入力された表示制御CPU70aは、始動保留情報2,3に対応する始動保留表示112を「青色」から「緑色」に変化させる。すなわち、始動保留情報1,4に対応する始動保留情報では、期待値の上限が「青色」に決定されているので、球遊び遊技に成功(演出球検出センサ90の球検出)しても色は変更されない。
更に、球遊び遊技に成功(演出球検出センサ90の球検出)すると、統括制御CPU65aは、始動保留情報3に対応する始動保留表示112の色を変更するコマンドを表示制御CPU70aに出力し、該コマンドが入力された表示制御CPU70aは、始動保留情報3に対応する始動保留表示112を「緑色」から「赤色」に変化させる。すなわち、始動保留情報2では、期待値の上限が「緑色」に決定されているので、球遊び遊技に成功(演出球検出センサ90の球検出)しても色は変更されない。
ここで、実施例のパチンコ機10では、球遊び遊技に成功(演出球検出センサ90の球検出)した場合は、始動保留表示112の表示態様を変更する、しないに関らず前兆演出を実行するよう構成されており、前記表示態様の変化は、前兆演出が実行されてから実行される。なお、始動保留情報1〜4において上限表示態様が異なる場合は、前述したように球遊び遊技に成功しても表示態様を変化させることができない始動保留表示112が発生するが、このときでも前兆演出は実行される。
(別種保留予告演出について)
前記統括制御CPU65aは、前記始動保留表示112を変更することで振分け部材98が振分け動作を行うことを示唆する保留予告演出とは別の種類の保留予告演出(予告演出)を予告演出手段で実行させ得るように構成される。この別の種類の保留予告演出について、別種保留予告演出というものとする。この別種保留予告演出としては、例えば、前記図柄表示装置17に表示されるキャラクタ同士が会話する形式で「振分け部材が動作するかも」等の文字列を表示する「会話予告」、パチンコ機10が備えるランプ装置18を通常とは異なるパターンで点滅させたり、異なる色で点灯させる「ランプ予告」、スピーカ19から特殊な効果音を出力する「音予告」等、各種のものが設定されている。そして、メイン制御CPU60aが、始動入賞口30,31へのパチンコ球の入賞を契機とする保留コマンド処理において、別種保留予告演出を実行可能か否かを特定している。また、統括制御CPU65aは、保留コマンドが入力された際に別種保留予告演出を実行するか否かを決定すると共に、該統括制御CPU65aに入力されている保留コマンドに基づいて複数種類の別種保留予告演出の中から1つを決定し、決定した別種保留予告演出を、対応する図柄表示装置17、ランプ装置18、スピーカ19を制御して実行するよう構成される。実施例では、図柄表示装置17、ランプ装置18、スピーカ19が、予告演出を実行する予告演出手段として機能する。
なお、複数種類の別種保留予告演出から1つの別種保留予告演出を決定する抽選は、統括制御ROM65bに記憶される別種保留予告演出用の乱数および判定値を用いて行われる。すなわち、統括制御ROM65bには、別種保留予告演出の具体的な内容を特定する別種保留予告演出パターンが複数種類記憶されると共に、各別種保留予告演出パターンに対して別種保留予告演出用の判定値が振分けられている。そして、統括制御CPU65aは、保留コマンドが入力された際に取得した別種保留予告演出用の乱数と別種保留予告演出用の判定値とを比較することで、別種保留予告演出を決定するよう構成される。
前記統括制御CPU65aは、前記別種保留予告演出を実行することが決定されている場合に、球遊び遊技の成功によって前記保留予告演出(前兆演出および始動保留表示112の表示態様を変更する演出)を実行することが決定された場合は、球遊び遊技の成功(演出球検出センサ90の球検出)を契機として、別種保留予告演出および保留表示演出の何れの演出を優先して実行するのかを決定し得るよう構成される。すなわち、別種保留予告演出として、例えば「会話予告」の実行が決定されている場合に、図柄表示装置17の画像表示面17a上で表示される前記前兆演出と「会話予告」の演出とが重複して実行されると、遊技者は、球遊び遊技の成功によって実行されたのが何れの演出であるかを認識することができず、球遊び遊技を行う意欲が減退するおそれがある。そこで、実施例では、別種保留予告演出の実行が決定されている場合であっても、球遊び遊技の成功によって実行されることとなった前兆演出を優先して実行するようにして、球遊び遊技を行う遊技者の意欲が減退するのを防止するようにしてある。
ここで、前記演出の優先順位を決定して実際に優先する演出のみを遊技者に認識させる方法として、図柄表示装置17のレイヤー処理方法が挙げられる。具体的には、図柄表示装置17は、画像を表示するレイヤーを複数層備え、遊技者に視認させたい画像のみを視認可能と得るよう構成されており、始動保留表示112や前兆演出の画像を視認可能とすると共に、「会話予告」の画像は視認不能とすることで、優先度が高い画像のみを遊技者に視認させるようにする。なお、このレイヤー処理においては、「会話予告」の演出も実行されているものの、遊技者には視認不能な状態となっていることから、遊技者にとっては実行されていないことに等しい状態となる。なお、演出の優先順位を決定して実際に優先する演出のみを遊技者に認識させる方法としては、レイヤー処理に限らず、実際に優先する演出のみを実行し、優先順位の下位の演出の実行をキャンセルする等、各種方法を採用し得る。
このように、統括制御CPU65aは、別種保留予告演出(予告演出)を複数種類から1つ決定する予告演出決定手段としての機能を有する。また、決定した別種保留予告演出(予告演出)を図柄表示装置17、ランプ装置18、スピーカ19等の予告演出手段で実行させる予告演出実行制御手段、および演出球検出センサ(演出球検出手段)90の球検出を契機として、始動保留表示112の表示態様の変更および別種保留予告演出(予告演出)を実行する優先順位を決定する実行順位決定手段としての機能を、統括制御CPU65aは有している。
(振分け部材98の演出について)
本実施例では、前記メイン制御ROM60bに記憶されている前記振分け部材98が動作することを特定する変動パターン(第1の変動パターンおよび第2の駆動パターン、図13参照)は、第1種変動パターンと第2種変動パターンに分類されている。第1種変動パターンは、前記振分け部材98により演出球を左側の第1演出手段83に振分けて該第1演出手段83で示唆演出を実行させるパターンとして設定され、第2種変動パターンは、振分け部材98により演出球を右側の第2演出手段84に振分けて該第2演出手段84で示唆演出を実行させるパターンとして設定される。そして、統括制御CPU65aでは、前記始動入賞口30,31にパチンコ球が入賞した時点で取得された始動保留情報に基づく図柄変動演出が実行される際にメイン制御CPU60aから出力された第1種変動パターンまたは第2種変動パターンに対応するコマンドが該統括制御CPU65aに入力された際に、振分け部材98で実行させる動作パターンを複数種類の中から1つ決定し、該動作パターンで特定される動作を振分け部材98で実行させるように前記第1駆動モータ101を駆動制御する。すなわち、メイン制御CPU60aにより決定された変動パターンによって、振分け部材98により演出球を振分けるルートが特定されるようになっており、該変動パターンには、振分け部材98による演出球の振分けルート(第1演出手段83へのルートまたは第2演出手段84へのルート)を示すルート情報が含まれている。そして、実施例では、変動パターン決定手段で決定された変動パターンに基づいて、振分け手段で実行させる動作を特定する動作パターンを複数の中から1つ決定する動作パターン決定手段、および動作パターン決定手段が決定した動作パターンで特定される動作を振分け手段で実行させる動作パターン実行制御手段としての機能を、統括制御CPU65aが備えている。
(振分け部材98の動作パターンについて)
前記動作パターンには、図20に示す如く、第1種変動パターンに対応する第1種動作パターンが複数種類設定されている。本実施例では、振分け部材98の第1種動作パターンは、保留部98aを送出路97における球出口の下方に位置させた受取り位置を基準として、該受取り位置で保留部98aに受け取った演出球を、前記第1球通入口103aへ通出する第1振分け位置まで回転した後に受取り位置に復帰する第1種動作パターンPA1と、受取り位置を基準として、該保留部98aに保留されている演出球が第1球通入口103aへ通出しない角度で左側に傾動した後に、逆向きに傾動して保留部98aに保留されている演出球が第2球通入口104aへ通出しない角度で右側に傾動し、次いで受取り位置に戻った状態でより小さい角度範囲で左右に揺動する揺動動作を行った後、第1球通入口103aに演出球を通出させる第1種動作パターンPA2と、該第1種動作パターンPA2を基本として揺動動作の動作時間が異なる第1種動作パターンPA3の3種類が設定されている。実施例では、第1種動作パターンPA2の揺動動作の時間が2sに設定されるのに対し、第1種動作パターンPA3の揺動動作の時間が4sに設定されている。
また、前記動作パターンには、図20に示す如く、第2種変動パターンに対応する第2種動作パターンが複数種類設定されている。本実施例では、振分け部材98の第2種動作パターンは、保留部98aを送出路97における放出口の下方に位置させた受取り位置を基準として、該受取り位置で保留部98aに受け取った演出球を、前記第2球通入口104aへ通出する第2振分け位置まで回転した後に受取り位置に復帰する第2種動作パターンPB1と、受取り位置を基準として、該保留部98aに保留されている演出球が第2球通入口104aへ通出しない角度で右側に傾動した後に、逆向きに傾動して保留部98aに保留されている演出球が第1球通入口103aへ通出しない角度で左側に傾動し、次いで受取り位置に戻った状態でより小さい角度範囲で左右に揺動する揺動動作を行った後、第2球通入口104aに演出球を通出させる第2種動作パターンPB2と、該第2種動作パターンPB2を基本として揺動動作の動作時間が異なる第2種動作パターンPB3の3種類が設定されている。実施例では、第2種動作パターンPB2の揺動動作の時間が2sに設定されるのに対し、第2種動作パターンPB3の揺動動作の時間が4sに設定されている。なお、第1および第2種動作パターンの形態および数は一例であって、これに限られるものではない。
(演出球の振分け抽選について)
前記統括制御CPU65aでは、前記始動入賞口30,31にパチンコ球が入賞した時点で取得された始動保留情報に基づく図柄変動演出が実行される際に前記メイン制御CPU60aから出力される変動パターンによって振分け部材98を動作することが特定されている場合に、演出球数の振分け抽選が実行される。この演出球数の振分け抽選は、統括制御ROM65bに記憶される演出球数用乱数および演出球数用判定値を用いて、前記停留路93から振分け部材98に対して送り込む演出球の個数を決定するよう構成される。すなわち、実施例では、変動パターンに基づいて振分け手段に送り込む演出球の個数を決定する演出球数決定手段としての機能を統括制御CPU65aが備えている。
本実施例では、統括制御CPU65aが実行する演出球数の振分け抽選に用いられる演出球数用乱数および演出球数用判定値について、演出球数用抽選乱数および演出球数用抽選判定値と指称するものとする。そして、本実施例では、演出球数用抽選乱数として、「0」〜「99」の全100通りの整数値が設定されており、統括制御CPU65aは、演出球数用抽選乱数を所定の周期(4ms)で1ずつ更新し、更新後の値を統括制御RAM65cに一時的に記憶して更新前の値を書き換えるように構成されている。
前記演出球数の振分け抽選に用いられる抽選テーブルとして、大当り判定の判定結果が肯定の場合に用いられる当り用演出球数用抽選テーブルT3と、大当り判定の判定結果が否定の場合に用いられるはずれ用演出球数用抽選テーブルT4とが設定されている。そして、当り用演出球数用抽選テーブルT3では、演出球数用抽選判定値の振分けとして、図21(a)に示す如く、演出球の「1個」に対して、「0」〜「4」の5通りの演出球数用抽選判定値が振分けられ、演出球の「2個」に対して、「5」〜「19」の15通りの演出球数用抽選判定値が振分けられ、演出球の「3個」に対して、「20」〜「39」の20通りの演出球数用抽選判定値が振分けられ、演出球の「4個」に対して、「40」〜「99」の60通りの演出球数用抽選判定値が振分けられている。一方、はずれ用演出球数用抽選テーブルT4では、演出球数用抽選判定値の振分けとして、図21(b)に示す如く、演出球の「1個」に対して、「0」〜「59」の60通りの演出球数用抽選判定値が振分けられ、演出球の「2個」に対して、「60」〜「79」の20通りの演出球数用抽選判定値が振分けられ、演出球の「3個」に対して、「80」〜「94」の15通りの演出球数用抽選判定値が振分けられ、演出球の「4個」に対して、「95」〜「99」の5通りの演出球数用抽選判定値が振分けられている。そして、統括制御CPU65aは、前記始動入賞口30,31にパチンコ球が入賞した時点で取得された始動保留情報に基づく図柄変動演出が実行される際にメイン制御CPU60aからの変動パターンを特定するコマンドが入力されたときに演出球数用抽選乱数を取得すると共に、この取得した演出球数用抽選乱数の値を、当り用またははずれ用演出球数用抽選テーブルT3,T4に設定されている演出球数用抽選判定値と比較して、「1個」〜「4個」の何れかを決定するよう構成される。
図21(a)および(b)に示す如く、当り用演出球数用抽選テーブルT3では、演出球の個数が多くなる程、演出球数用抽選判定値の振分け数が多くなるのに対し、はずれ用演出球数用抽選テーブルT4では、演出球の個数が小さくなる程、演出球数用抽選判定値の振分け数が多くなるよう設定される。すなわち、演出球の個数が多くなる程、大当りに当選している確率(信頼度)が高くなるようにしてある。なお、当り用演出球数用抽選テーブルT3およびはずれ用演出球数用抽選テーブルT4に示す演出球数用抽選判定値の振分けは一例であって、これに限られるものではない。
前記統括制御CPU65aは、演出球数の振分け抽選によって演出球数を振分け部材98に送り込む個数が決定されると、所定のタイミングで前記第2ソレノイド96を作動制御して停留部材95を停留状態と停留解除状態との間を往復動させることで、抽選により決定された個数の演出球を振分け部材98に送り込むよう構成される。振分け部材98の動作を特定する動作パターンは、始動入賞口30,31にパチンコ球が入賞した時点で取得された始動保留情報に基づく図柄変動演出が実行される際にメイン制御CPU60aから出力される変動パターンによって特定されるものであるので、統括制御CPU65aが、動作パターンで特定される振分け手段の動作に応じて停留手段を作動させるように作動手段を制御する作動制御手段としての機能を有する。
(第1演出手段83の演出について)
前記振分け部材98の左側に配設される前記第1演出手段83による演出について説明する。前記メイン制御CPU60aによって第1種変動パターンが決定されることで、第1演出手段83での演出が決定された場合に、統括制御CPU65aでは、前記振分け部材98により演出球が第1球排出路103へ通出された後に、前記第2有効期間のカウントを開始し、第2有効期間が経過したときには第2有効期間のカウントをリセットするよう構成される。そして、第2有効時間の間に押下された操作ボタン36の回数に応じて、発光部105a,105b,105c,105dをランクアップするか否かを決定し得るようになっている。ここで、統括制御CPU65aは、第2有効期間の間だけ、操作ボタン36を押下した際に発信される押下信号を、後述する押下回数としてカウント可能に構成されている。なお、第2有効期間のカウントは、統括制御CPU65aによりパルス制御される第1駆動モータ101によって回動する振分け部材98が、第1振分け位置に至ったと該統括制御CPU65aが判断したタイミングで開始される。
本実施例では、4つの発光部105a,105b,105c,105dが全て明輝していない状態を最下段階、第1発光部105aのみが明輝している状態を第1段階、第1発光部105aおよび第2発光部105bが明輝している状態を第2段階、第1発光部105a〜第3発光部105cが明輝している状態を第3段階と指称する。そして、前記現在の段階から上の段階にランクアップするのに必要な操作ボタン36の押下回数が抽選によって決定されるようになっており、統括制御CPU65aは、現在の段階において操作ボタン36が決定された押下回数だけ操作されたとき(押下回数の押下信号が入力されたとき)には、ボタン成功コマンドを表示制御CPU70aに出力し、該ボタン成功コマンドが入力された表示制御CPU70aが上段階の発光部を明輝させるように対応する発光体を発光する制御を実行するよう設定されている。また、ボタン成功コマンドの出力時に、統括制御CPU65aは、次の段階にランクアップするのに必要な操作ボタン36の押下回数を抽選によって決定するよう構成される。
すなわち、前記統括制御CPU65aは、前記始動入賞口30,31にパチンコ球が入賞した時点で取得された始動保留情報に基づく図柄変動演出が実行される際にメイン制御CPU60aから出力された第1演出手段83での演出を実行するコマンドが入力されたときにランクアップ用乱数を取得し、該ランクアップ用乱数およびランクアップ用判定値を用いて、第1演出手段83において発光部をランクアップするか否かを決定するランクアップ振分け抽選を行うよう構成される。本実施例では、ランクアップ振分け抽選に用いられるランクアップ用乱数およびランクアップ用判定値について、アンクアップ用抽選乱数およびランクアップ用抽選判定値と指称するものとする。そして、本実施例では、ランクアップ用抽選乱数として、「0」〜「99」の全100通りの整数値が設定されており、統括制御CPU65aは、ランクアップ用抽選乱数を所定の周期(4ms)で1ずつ更新し、更新後の値を統括制御RAM65cに一時的に記憶して更新前の値を書き換えるように構成されている。
すなわち、統括制御CPU65aには、前記始動入賞口30,31へのパチンコ球の入賞を契機として大当り判定が肯定の場合において第1演出手段83のランクアップ振分け抽選に用いられる成功用ランクアップ用振分け抽選テーブルT5(図22(a)参照)と、大当り判定が否定の場合において第1演出手段83のランクアップ振分け抽選に用いられる失敗用ランクアップ用振分け抽選テーブルT6(図22(b)参照)が設定されている。そして、始動入賞口30,31にパチンコ球が入賞した時点で取得された始動保留情報に基づく図柄変動演出が実行される際にメイン制御CPU60aから入力されるコマンドが大当りを特定するものである場合は、統括制御CPU65aが成功用ランクアップ用振分け抽選テーブルT5を用いてランクアップ振分け抽選を行い、始動入賞口30,31にパチンコ球が入賞した時点で取得された始動保留情報に基づく図柄変動演出が実行される際にメイン制御CPU60aから入力されるコマンドがはずれを特定するものである場合は、失敗用ランクアップ用振分け抽選テーブルT6を用いてランクアップ振分け抽選を行うよう構成される。
成功用ランクアップ用振分け抽選テーブルT5および失敗用ランクアップ用振分け抽選テーブルT6を用いたランクアップ振分け抽選方法は同じであるので、成功用ランクアップ用振分け抽選テーブルT5の用いたランクアップ振分け抽選の場合についてのみ説明する。
前記成功用ランクアップ用振分け抽選テーブルT5では、ランクアップ用抽選判定値の振分けとして、図22(a)に示す如く、現在の段階が最下段階の場合では、押下回数が「1回」に対して、「0」〜「99」の100通りのランクアップ用抽選判定値が振分けられている。そして、統括制御CPU65aは、始動入賞口30,31にパチンコ球が入賞した時点で取得された始動保留情報に基づく図柄変動演出が実行される際にメイン制御CPU60aから出力された第1演出手段83での演出を実行するコマンドが入力されたときに取得したランクアップ用抽選乱数を、成功用ランクアップ用振分け抽選テーブルT5に設定されているランクアップ用抽選判定値と比較して、ランクアップするか否かを決定するよう構成される。すなわち、現在の段階が最下段階であれば、第2有効期間の間に操作ボタン36が1回押下されたことを条件に、第1発光部105aが明輝する第1段階にランクアップ可能に構成されている。
前記成功用ランクアップ用振分け抽選テーブルT5では、現在の段階が第1段階の場合は、押下回数が「1回」に対して、「0」〜「29」の30通りのランクアップ用抽選判定値が振分けられ、押下回数が「4回」に対して、「30」〜「64」の35通りのランクアップ用抽選判定値が振分けられ、押下回数が「7回」に対して、「65」〜「99」の35通りのランクアップ用抽選判定値が振分けられている。そして、統括制御CPU65aでは、最下段階から第1段階にランクアップした際に表示制御CPU70aへランプ成功コマンドを出力したときに、第1演出手段83での演出の開始時に取得した前記ランクアップ用抽選乱数の値を、成功用ランクアップ用振分け抽選テーブルT5に設定されているランクアップ用抽選判定値と比較して、第1段階から第2段階へランクアップするために必要な押下回数を決定するよう構成される。すなわち、現在の段階が第1段階であれば、第2有効期間の間に操作ボタン36が1回、4回または7回押下されたことを条件に、第1発光部105aおよび第2発光部105bが明輝する第2段階にランクアップ可能に構成されている。
また、成功用ランクアップ用振分け抽選テーブルT5では、現在の段階が第2段階の場合は、押下回数が「1回」に対して、「0」〜「19」の20通りのランクアップ用抽選判定値が振分けられ、押下回数が「4回」に対して、「20」〜「43」の24通りのランクアップ用抽選判定値が振分けられ、押下回数が「7回」に対して、「44」〜「83」の45通りのランクアップ用抽選判定値が振分けられ、押下回数が「11回」に対して、「84」〜「98」の15通りのランクアップ用抽選判定値が振分けられ、押下回数が「15回」に対して、「99」の1通りのランクアップ用抽選判定値が振分けられている。そして、統括制御CPU65aでは、第1段階から第2段階にランクアップした際に表示制御CPU70aへランプ成功コマンドを出力したときに、第1演出手段83での演出の開始時に取得した前記ランクアップ用抽選乱数の値を、成功用ランクアップ用振分け抽選テーブルT5に設定されているランクアップ用抽選判定値と比較して、第2段階から第3段階へランクアップするために必要な押下回数を決定する。すなわち、現在の段階が第2段階であれば、第2有効期間の間に操作ボタン36が1回、4回、7回、11回または15回押下されたことを条件に、第1発光部105a〜第3発光部105cが明輝する第3段階にランクアップ可能に構成されている。
更に、成功用ランクアップ用振分け抽選テーブルT5では、現在の段階が第3段階の場合は、押下回数が「1回」に対して、「0」〜「4」の5通りのランクアップ用抽選判定値が振分けられ、押下回数が「4回」に対して、「5」〜「14」の10通りのランクアップ用抽選判定値が振分けられ、押下回数が「7回」に対して、「15」〜「29」の15通りのランクアップ用抽選判定値が振分けられ、押下回数が「11回」に対して、「30」〜「59」の30通りのランクアップ用抽選判定値が振分けられ、押下回数が「15回」に対して、「60」〜「94」の35通りのランクアップ用抽選判定値が振分けられ、押下回数が「200回」に対して、「96」〜「99」の5通りのランクアップ用抽選判定値が振分けられている。そして、統括制御CPU65aでは、第2段階から第3段階にランクアップした際に表示制御CPU70aへランプ成功コマンドを出力したときに、第1演出手段83での演出の開始時に取得した前記ランクアップ用抽選乱数の値を、成功用ランクアップ用振分け抽選テーブルT5に設定されているランクアップ用抽選判定値と比較して、第3段階から第4段階へランクアップするために必要な押下回数を決定する。すなわち、現在の段階が第3段階であれば、第2有効期間の間に操作ボタン36が1回、4回、7回、11回、15回または200回押下されたことを条件に、第1発光部105a〜第4発光部105dが明輝する第4段階にランクアップ可能に構成されている。
ここで、失敗用ランクアップ用振分け抽選テーブルT6では、現在の段階が第3段階の場合は、押下回数が「200回」に対して全て(「0」〜「99」の100通り)のランクアップ用抽選判定値が振分けられている。この「200回」という押下回数は、実施例では、第2有効期間の間において操作ボタン36を押下することが略不可能な回数であって、はずれの図柄変動演出中における第1演出手段83の演出として、第4段階までランクアップする演出が実行されることは略不可能に設定されている。なお、成功用ランクアップ用振分け抽選テーブルT5および失敗用ランクアップ用振分け抽選テーブルT6に示すランクアップ用抽選判定値の振分けおよび押下回数は一例であって、これに限られるものではない。
(第2演出手段84の演出について)
次に、前記振分け部材98の右側に配設される前記第2演出手段84による演出について説明する。前記メイン制御CPU60aによって第2種変動パターンが決定されることで、第2演出手段84での演出が決定された場合に、統括制御CPU65aでは、前記振分け部材98により演出球が第2球排出路104へ通出された後に、前記操作ボタン36の操作を有効とする第3有効期間のカウントを開始し、第3有効期間が経過したときには第3有効期間のカウントをリセットするよう構成される。なお、第3有効期間のカウントは、統括制御CPU65aによりパルス制御される第1駆動モータ101によって回動する振分け部材98が、第2振分け位置に至ったと該統括制御CPU65aが判断したタイミングで開始される。また、統括制御CPU65aは、第3有効期間のカウントを開始するタイミングで、前記第2駆動モータ108の回転を開始して回転体107を回転させる。
そして、第3有効期間の間に操作ボタン36が操作され、その押下信号が統括制御CPU65aに入力されたときに、該統括制御CPU65aは、回転体107の回転を停止するように前記第2駆動モータ108を停止制御するよう構成される。但し、前記指示部材109で指し示される表示部107a,107bは、始動入賞口30,31にパチンコ球が入賞した時点で取得された始動保留情報に基づく図柄変動演出が実行される際にメイン制御CPU60aから入力される変動パターンで特定されるコマンドによって決定されており、操作ボタン36の押下信号は、回転体107を停止するための契機となるタイミング信号として用いられる。また、第3有効期間中に操作ボタン36の押下信号が統括制御CPU65aに入力されない場合は、該統括制御CPU65aは、変動パターンによって決められている表示部107a,107bが指示部材109で指し示される位置で回転体107を停止するように第2駆動モータ108を停止制御するよう構成されている。
〔実施例の作用〕
次に、前述のように構成された実施例に係るパチンコ機10の作用につき説明する。
前記前枠13の前面側に設けられた前記操作ハンドル16の操作レバー16aを遊技者が回転操作すると、前記打球発射装置から発射されたパチンコ球が前記遊技領域20a内に打ち出される。このとき、前記操作レバー16aの回動量に応じてパチンコ球の打ち出し位置が変化し、打ち出し位置に応じて遊技領域20aの第1球流下経路または第2球流下経路をパチンコ球が流下する。パチンコ機10が大当り状態、確変状態、変短状態等の特定状態以外の場合、遊技者は第1球流下経路をパチンコ球が流下する「左打ち」となるようにパチンコ球を打ち出す。そして、第1球流下経路を流下するパチンコ球が、前記枠状装飾体25の左側に設けた第1始動入賞口30に入賞すると、前記第1始動入賞検出センサ34による球検出を契機として、前記メイン制御CPU60aが各種情報(各種乱数情報)を取得して、この取得した情報に基づいて特図当り抽選(当り判定)が行われる。また、メイン制御CPU60aは、第1始動入賞口30へパチンコ球が入賞した際に、該第1始動入賞口30に入賞したときに取得した第1特図始動保留情報に基づいて図柄変動演出が実行された場合に、前記大当り表示が図柄表示装置17に表示されるか否かを判定して保留コマンドを特定する保留コマンド処理を実行する(図16参照)。
前記第1始動入賞口30へパチンコ球が入賞すると、前記図柄表示装置17における第1保留表示領域17bにパチンコ球を模した始動保留表示112が1つ表示される(図12(a)参照)。この場合に、第1保留表示領域17bに表示される始動保留表示112の表示形態は、基本色となる「白色」になっている。そして、第1始動入賞口30にパチンコ球が入賞した時点で取得された始動保留情報に基づく図柄変動演出が実行される際に、該当する始動保留表示112を第1保留表示領域17bから消すように表示制御CPU70aが図柄表示装置17を制御する。
前記第1始動入賞口30に入賞したパチンコ球は、前記枠状装飾体25のステージ39に案内され、該ステージ39の転動面39a上を左右に転動し、勢いが弱まったパチンコ球は、ステージ39中央の切欠部46aから後方に移動する。本実施例のパチンコ機10では、前記第1有効期間内において操作ボタン36の操作により押下信号が統括制御CPU65aに入力されると、該統括制御CPU65aが第1ソレノイド92,92を作動制御し、図2、図9、図10に示す一対の可動体91,91が上下方向に揺動するように作動する。一対の可動体91,91は、前記切欠部46aの後方を上下に移動する持上げ部91b,91bを備えており、ステージ39から切欠部46aを介してパチンコ球が後方に移動するタイミングで、持上げ部91b,91bを下降位置から上昇位置に移動させることができれば、該パチンコ球(演出球)を一対の持上げ部91b,91bで前記後球転動部88まで持上げることができる。しかし、持上げ部91b,91bを下降位置から上昇位置に移動させるタイミングが、ステージ39から切欠部46aを介してパチンコ球が後方に移動するタイミングと合わない場合は、該パチンコ球(演出球)は一対の持上げ部91b,91bで持上げられることなく前記前球転動部87から共通通路89に通入する。共通通路89に通入した演出球は、前記停留路93に通入して該停留路93内に停留される。但し、停留路93には所定個数(実施例では4個)の演出球のみが停留可能となっているので、所定個数を超えて共通通路89に通入した演出球は、前記排出路94から機外に排出される。
前記後球転動部88に移動した演出球が前記球通孔88aに通入すると、該演出球を検出した前記演出球検出センサ90からの球検出信号が統括制御CPU65aに入力される。統括制御CPU65aは、前記第1保留表示領域17bに始動保留表示112が表示されている状態で、前記演出球検出センサ90からの球検出信号が入力された場合は、前記保留コマンド処理によって特定された保留コマンドの入力に基づいて、始動保留表示112の表示様態を変化させるか否かを判定する。
前記第1保留表示領域17bに表示されている全ての始動保留表示112に対応する保留コマンドで指定される変動パターンの上限表示態様が、前記「白色」より高い期待値の色である「青色」、「緑色」または「赤色」であり、前記保留予告実行待機フラグが「1」である場合に、統括制御CPU65aは、前記演出球検出センサ90の球検出を契機として、前記図柄表示装置17の第1保留表示領域17bに表示されている全ての始動保留表示112の色を変更するコマンドを表示制御CPU70aに出力し、該コマンドが入力された表示制御CPU70aが図柄表示装置17を制御して始動保留表示112の色を変更する。すなわち、「白色」で表示されていた始動保留表示112が「青色」に変化することで、遊技者は、操作ボタン36を操作して球遊び遊技に成功(演出球検出センサ90の球検出)したことを実感でき、遊技の興趣を向上し得る。このように、実施例のパチンコ機10では、第1始動入賞口30に入賞したパチンコ球(演出球)を利用して、遊技者が実際に操作ボタン36を操作することで可動する可動体91,91によって演出球の流下方向を切換えることができる斬新でインパクトのある演出を提供することができ、他機種との差別化を図り得る。
また、保留コマンドで指定される変動パターンの上限表示態様が、現在の表示態様より複数段上の期待値の色であれば、遊技者が操作ボタン36を操作して球遊び遊技に成功(演出球検出センサ90の球検出)する毎に、始動保留表示112の色(表示態様)が変化する。例えば、現在の始動保留表示112の色が「白色」で、上限表示態様が「赤色」であれば、球遊び遊技に成功する毎に、始動保留表示112の色が「白色」→「青色」→「緑色」→「赤色」と変化するので、内部的に設定されたパターンで表示が変更される構成に比べ、遊技者に遊技に参加している実感を強く抱かせることができ、遊技者に球遊び遊技を行う意欲を惹起させ得る。
しかも、前記始動保留表示112の色の変化は、前記振分け部材98が振分け動作を実行する可能性を示唆する保留予告演出となっており、かつ「白色」→「青色」→「緑色」→「赤色」の順で、振分け部材98が振分け動作を実行する可能性の期待値が高くなるよう設定されているので、球遊び遊技を行う意欲をより遊技者に持たせることができる。また、実施例のパチンコ機10では、振分け部材98が振分け動作を実行することが、大当り遊技が付与される可能性を示唆する演出として設定されているので、遊技者に積極的に球遊び遊技を行わせることができる。
また、前記始動保留表示112の上限表示態様は、振分け部材98で振分け動作を実行するか否かを特定する変動パターン(保留コマンド)によって特定されているので、始動入賞口30,31へのパチンコ球の入賞時にメイン制御RAM60cに記憶した始動保留情報に基づいて特定された保留コマンドに基づいて実行される始動保留表示112の表示態様が上限表示態様の期待値以上の期待値の表示態様に変更されることはなく、表示態様の期待値と振分け部材98の振分け動作が実行することの関係を保つことができる。すなわち、第1始動入賞口30への入賞時の抽選によって振分け部材98の振分け動作が実行されないと決定されたにも関らず、球遊び遊技の成功が続くことで始動保留表示112の表示態様が最も期待値の高い「赤色」となってしまい、球遊び遊技を成功させて期待値が高い表示態様に変化させても振分け部材98が動作しない事態が発生することで、遊技者の球遊び遊技を行う意欲を減退させるのを抑制し得る。
実施例のパチンコ機10では、前記球遊び遊技の成功(演出球検出センサ90の球検出)を契機として、前記始動保留表示112の表示態様が変化するか否かに関る前兆演出を前記図柄表示装置17で実行可能に構成されているので、より演出効果の向上を期待し得る。しかも、前兆演出についても、前記演出球検出センサ90の球検出を契機として実行された前兆演出パターンの振分け抽選で決定した前兆演出パターンOA1〜OA3によって、始動保留表示112の表示態様が変化する期待値が異なるよう設定されているので、球遊び遊技に成功した際に表示される前兆演出が期待値の高い演出であることを望んで球遊び遊技を行うことができる。すなわち、前兆演出の種類が違っても始動保留表示112の表示態様が変化する期待値が一定であればメリハリがなく、遊技者が球遊び遊技を行う意欲を減退させることにも繋がりかねないが、前兆演出の種類によって期待値を変えることで、遊技者に球遊び遊技を行う意欲を惹起させ得る。
ここで、前記統括制御CPU65aは、始動入賞口30,31へのパチンコ球の入賞時にメイン制御RAM60cに記憶した始動保留情報に基づいて特定された保留コマンドに基づいて始動保留表示112の表示態様を変更する演出を実行することが決定されると共に、前記別種保留予告演出が実行することが決定された場合に、始動保留表示112を実行する前に実行される前兆演出を優先して実行するよう設定されている。すなわち、遊技者が球遊び遊技に成功したことによって前兆演出が実行されてから始動保留表示112の表示態様が変化することで、球遊び遊技の成功によって始動保留表示112の表示態様が変化する演出が実行されたことを遊技者に確実に認識させることができ、球遊び遊技を行う遊技者の意欲を惹起し得る。
次に、前記振分け部材98の振分け動作に関連する作用につき説明する。
前記第1始動入賞口30に入賞したパチンコ球が、前記一対の可動体91,91による球遊び遊技に成功した場合および失敗した場合の何れの場合も、演出球は前記共通通路89から停留路93に通入し、該停留路93に所定数だけ演出球が停留される。この停留路93に最初に通入した演出球は、停留状態となっている前記停留部材95の切出し部95aに受容されて停留されると共に、その他に4個の演出球が停留路93に停留される。
前記統括制御CPU65aでは、前記第1始動入賞口30にパチンコ球が入賞した時点で取得された始動保留情報に基づく図柄変動演出が実行される際に前記メイン制御CPU60aから出力される変動パターンを指定するコマンドによって振分け部材98を動作することが特定されている場合に、演出球数の振分け抽選が実行される。この演出球数の振分け抽選によって決定された個数の演出球を前記送出路97に放出するように、統括制御ROM65bが前記第2ソレノイド96を作動制御する。すなわち、演出球数の振分け抽選によって演出球数が1個に決定された場合は、統括制御CPU65aが第2ソレノイド96を作動制御して停留部材95を停留状態と停留解除状態との間を1回往復動させる。これにより、停留部材95から前記送出路97に演出球が1個送り出され、該演出球は、該送出路97の放出口から収容部99内に落下する。該収容部99では、受取り位置に振分け部材98が位置しており、該振分け部材98の保留部98aに演出球が受容される。また、演出球数の振分け抽選によって演出球数が2〜4個に決定された場合は、統括制御CPU65aが第2ソレノイド96を作動制御して停留部材95を停留状態と停留解除状態との間を2〜4回往復動させることで、抽選により決定された個数の演出球を受取り位置に位置する振分け部材98の保留部98aに送り込むことができる。
実施例のパチンコ機10では、前記停留部材95によって演出球を1個ずつ切り出すよう構成してあるので、演出球数の振分け抽選によって決定された個数の演出球を確実に振分け部材98に送り込むことができる。また、停留部材95から送出路97に送り出された演出球は、前記切出しセンサ100によって検出されているので、該切出しセンサ100の球検出信号に基づいて統括制御CPU65aは振分け部材98に送り込まれた演出球の個数を把握でき、演出球数の振分け抽選によって決定された個数の演出球が振分け部材98に送り込まれた状態で、該振分け部材98を作動することができる。すなわち、振分け部材98に送り込まれる演出球数(振分け部材98で振分けられる演出球数)は、大当り遊技が付与される可能性の期待値に関るので、振分け部材98で振分けられる演出球数と、実際に大当り遊技が付与される関係が、予め設定された関係と齟齬するのを防止できる。また、図21(a)および(b)に示す如く、当り用演出球数用抽選テーブルT3およびはずれ用演出球数用抽選テーブルT4における演出球数用抽選判定値の振分けによって、振分け部材98に送り込まれる演出球の個数が多くなる程、大当りに当選している確率(信頼度)が高くなるよう設定してあるので、振分け部材98に送り込まれる演出球に対する遊技者の関心を高めることができる。
また、停留部材95を作動する第2ソレノイド96を制御することで、振分け部材98の上流側で演出球を停留させたり該振分け部材98に任意に送り込むことができるので、演出の多様化を図り得る。更には、振分け部材98により振分けられる演出球の個数を任意に変更可能であるので、振分け部材98で振分けられる演出球の個数と振分けられる球排出路103,104との関係の組み合わせを多様化することができ、演出効果を向上し得る。また、実施例では、演出球数の振分け抽選によって決定可能な演出球の個数として最高4個が設定されているのに対し、前記停留路93および停留状態の停留部材95の切出し部95aを含めて、振分け部材98の上流側に5個の演出球を停留させることができるよう構成してあるので、振分け部材98に送り込む演出球が足らなくな事態が発生するのを抑制することができる。更には、演出球数の振分け抽選によって決定可能な最高演出球数+1の演出球を停留するよう構成したので、連続して振分け抽選に当選した場合であっても、後の振分け演出に際して少なくとも1球は演出球として使用することができる。そして、振分け部材98の振分け動作によって演出球が前記球通入口103a,104aに通出されることを契機として、対応する演出手段83,84での演出が開始されるように見せることができる。
前記統括制御CPU65aは、前記第1始動入賞口30にパチンコ球が入賞した時点で取得された始動保留情報に基づく図柄変動演出が実行される際にメイン制御CPU60aから出力された変動パターンに対応するコマンドが該統括制御CPU65aに入力された際に、振分け部材98で実行させる動作パターンを複数種類の中から1つ決定し、該動作パターンで特定される動作を振分け部材98で実行させるように前記第1駆動モータ101を駆動制御する。すなわち、統括制御CPU65aが第1種変動パターンに対応する第1種動作パターンPA1,PA2,PA3を決定した場合は、振分け部材98の保留部98aに保留されている演出球を、前記第1球排出路103に通出する振分け動作を実行するように第1駆動モータ101を駆動制御する。これに対し、統括制御CPU65aが第2種変動パターンに対応する第2種動作パターンPB1,PB2,PB3を決定した場合は、振分け部材98の保留部98aに保留されている演出球を、前記第2球排出路104に通出する振分け動作を実行するように第1駆動モータ101を駆動制御する。
前記第1種動作パターンおよび第2種動作パターンには、複数種類が設定されているので、その動作パターンの違いによって、遊技者は振分け部材98の保留部98aに保留されている演出球が何れの球排出路103,104に振分けられるのかに関心を持って振分け部材98の動作を楽しむことができる。特に、第1種動作パターンPA2,PA3および第2種動作パターンPB2,PB3は、保留部98aに保留されている演出球が前記第1球通入口103aおよび第2球通入口104aへ通出しない角度で振分け部材98が左右に揺動する揺動動作を行うので、演出球が何れの球排出路103,104に振分けられるのかに対する関心を惹き付けることができ、興趣を向上し得る。
また、前記振分け部材98により演出球が振分けられる第1球排出路103側に対応する第1演出手段83と、第2球排出路104側に対応する第2演出手段84とでは、実行する演出内容が異なるので、遊技演出が単調となるのを防ぐことができる。すなわち、遊技者は振分け部材98による演出球の振分け演出と、演出球が振分けられた側の演出手段83,84で実行される演出とを楽しむことができ、遊技の興趣を向上し得る。そして、振分け部材98で振分けられる演出球は、前記第1始動入賞口30に入賞したパチンコ球を利用しているので、第1始動入賞口30の入賞により図柄表示装置17で開始された図柄変動演出と、該第1始動入賞口30に入賞したパチンコ球(演出球)の振分け遊技とに関連を持たせることができ、遊技者に演出球の振分け遊技に対する関心をより惹き付けることができる。すなわち、演出球を用いた斬新でインパクトのある演出を行うことができ、他機種との差別化を図り得る。
前記振分け部材98によって第1球排出路103に演出球が振分けられると、前記第1演出手段83による演出が開始される。すなわち、統括制御CPU65aは、演出球が第1球排出路103に振分けられたタイミングで、前記操作ボタン36からの押下信号を押下回数として受け付ける第2有効期間のカウントを開始し、該操作ボタン36から出力される押下信号を第1演出手段83の演出を進行するための信号としてカウントする。第1演出手段83では、操作ボタン36の押下回数に応じて発光部105a,105b,105c,105dの明輝態様がランクアップする演出が行われ、ランクアップする程、大当りに当選している確率(信頼度)が高くなるので、遊技者に遊技に参加(操作ボタン36を押下)する意欲を持たせることができる。
前記振分け部材98によって第2球排出路104に演出球が振分けられると、前記第2演出手段84による演出が開始される。すなわち、統括制御CPU65aは、演出球が第2球排出路104に振分けられたタイミングで、前記操作ボタン36からの押下信号を第2演出手段84の演出に関る信号として受け付ける第3有効期間のカウントを開始する。第2演出手段84では、第3有効期間のカウント開始によって回転を開始した前記回転体107を、操作ボタン36の押下信号の入力によって停止する演出が行われる。そして、回転体107が停止した際に、前記指示部材109によって指し示されている表示部107a,107bの内容で、大当り遊技が付与される可能性を示唆するようになっている。すなわち、第2演出手段84によって実行される演出も、第1演出手段83の演出と同様に、大当り遊技が付与される可能性を示唆する演出であるので、遊技者に遊技に参加(操作ボタン36を押下)する意欲を持たせることができる。また、第1演出手段83の演出と、第2演出手段84の演出とは、大当り遊技が付与される可能性を示唆する演出であるものの、その演出形態(演出内容)は全く異なっているので、遊技演出が単調となることはなく、遊技者に異なる演出を楽しませることができる。
実施例のパチンコ機10では、前記第1演出手段83において第1〜第4発光部105a,105b,105c,105dの全てが明輝した状態(遊技の成功)、および前記第2演出手段84において回転体107の停止時に指示部材109によって第1表示部107aが指し示された状態(遊技の成功)となった場合は、前記可動演出装置110の駆動手段を制御し、前記図柄表示装置17における画像表示面17aの前側に、球遊びユニット80の上端縁から可動部材111を上方に延出するように動作させるので(図9の二点鎖線参照)、インパクトのある演出を行い得ると共に、大当り遊技が付与されることへの高い期待感を遊技者に与えることができ、遊技の興趣を向上し得る。
実施例のパチンコ機10では、前記第1始動入賞口30に入賞したパチンコ球(演出球)を、枠状装飾体25に配設した球遊びユニット80における一対の可動体91,91の球遊び遊技に利用すると共に、該可動体91,91の球遊び遊技で利用された演出球を、更に振分け部材98の振分け遊技に用いるように構成したので、今までにない演出球を用いた斬新でインパクトのある演出を提供することができ、他機種との差別化を図り得る。また、可動体91,91で実行される球遊び遊技は、振分け部材98で振分け動作が実行される可能性を示唆する始動保留表示112の表示態様の変更に関っているので、遊技者の球遊び遊技に参加する意欲を高めることができ、遊技の興趣を向上することができる。
〔変更例について〕
なお、本発明に係る遊技機の構成としては、前述した実施例に示したものに限らず、種々の変更が可能で、例えば以下のものを採用可能である。
(1) 実施例では、始動保留表示の表示態様の変更(始動保留情報の内容を示す表示態様の変更)として、始動保留表示の色を変化させる場合で説明したが、色を変化させる態様の他に、例えば、始動保留表示の形状を変化させたり、始動保留表示の大きさを変化させたり、あるいは色、形、大きさ等を組み合わせた表示態様を変化させるようにしてもよい。
(2) 実施例では、始動保留表示の変化可能な表示態様の種類として4種類の場合で説明したが、2種類、3種類または5種類以上であってもよい。
(3) 実施例では、始動保留表示の表示態様について、球遊び遊技に成功する毎に、特定演出(振分け部材の振分け動作)が発生する期待値が1段階ずつ変化する場合で説明したが、始動保留情報に基づいて一挙に2段階あるいは3段階以上変化するようにしてもよい。また、球遊び遊技に成功したときに、表示態様を変化させる段階数の当選割合が異なるように設定された表示態様変化テーブルを用いて表示態様変化抽選を行うよう構成し、該表示態様変化抽選で決定された段階数だけ表示態様を変化させるようにしてもよい。この場合に、表示態様変化テーブルについて、表示態様を変化させる段階数(1段階、2段階、3段階・・・)だけでなく、変化させない項目を含めてもよい。
(4) 実施例では、始動保留表示の表示態様を変更することで、振分け部材が動作する可能性を示唆するようにしたが、先読みした始動保留情報に基づく図柄変動演出が実行された後に当り遊技が付与される可能性を示唆する予告演出としてもよい。この場合においても、始動保留表示が変化する態様によって当り遊技が付与される期待値が異なるようになっていればよい。また、先読みした始動保留情報に基づく図柄変動演出が実行された際にリーチとなることを予告する演出、あるいは確変状態や変短状態が付与されることを予告する演出として用いることもできる。
(5) 実施例では、始動保留表示を図柄表示装置の画面上に表示するよう構成したが、遊技盤や枠状装飾体に設けたLED等の発光体で始動保留表示を行うように構成し、該発光体の発光態様(消灯、点灯、点滅等)によって表示態様の変更を表わす構成を採用し得る。
(6) 実施例では、始動保留表示の変更に関し、球遊び遊技の成功(演出球検出センサの球検出)時に保留表示領域に表示されている全ての始動保留表示を対象として変更し得るよう構成したが、これに限られるものではない。すなわち、複数の始動保留表示(始動保留球)がある状態で、抽選によって決定した始動保留表示あるいは特定の(例えば複数の始動保留表示の中で上限表示態様が最も高い)始動保留表示を対象として、球遊び遊技の成功(演出球検出センサの球検出)時に当該始動保留表示のみの表示態様を変更するようにしてもよい。また、抽選によって決定した始動保留表示に対して表示態様を変更する場合においては、当該始動保留表示が保留予告演出の対象となっていることを、前記前兆演出によって示唆するようにすればよい。
(7) 実施例では、始動保留表示の表示態様が変化する可能性を示唆する演出として、前兆演出で出現させたキャラクタの周囲にオーラのような画像を表示する煽り演出を行うよう構成したが、当該煽り演出を、振分け部材が振分け動作を実行する可能性を示唆する演出として用いることができる。すなわち、振分け部材が振分け動作を実行する可能性の期待値が異なる複数種類の煽り演出パターンを統括制御ROMに記憶しておき、可動体による球遊び遊技の成功(演出球検出センサの球検出)を契機として抽選により決定した煽り演出パターンで特定される煽り演出を、始動保留表示の表示態様の変化とは別に図柄表示装置に表示するようにしてもよい。なお、煽り演出としてはキャラクタの周囲にオーラのような画像を表示する演出に限られるものではなく、パチンコ機に配設された可動演出装置が動作する演出や、ランプ装置またはスピーカによる演出、あるいわそれらを組み合わせた演出等であってもよい。
(8) 実施例では、始動保留表示の表示態様を変更する演出と前兆演出とを別の演出としたが、何れの演出も演出球検出スイッチによる球検出を契機として実行される演出であって、両演出を含めて始動保留情報の内容を表示する始動保留表示とし得る。すなわち、前兆演出を含む始動保留表示の表示態様の変更による演出および別種保留予告演出(予告演出)の実行が決定された場合に、統括制御CPUで決定した優先順位に基づいて、前兆演出を含む始動保留表示の表示態様の変更による演出および別種保留予告演出(予告演出)を対応する手段で実行させる構成を採用し得る。
ここで、優先順位に基づいて演出を実行するとは、優先順位の高い演出のみを実行し、優先順位の低い演出を実行しないことのみを意味するものではなく、実施例でも述べたように、優先順位の高低に関わらず演出を実行するもとで、画像処理によって優先順位の高い演出を遊技者に視認可能な状態で表示する態様、または優先順位の高い演出を強調するべく拡大表示する一方で優先順位の低い演出については縮小表示して目立たなくする態様を含むものである。
(9) 実施例では、始動保留表示の表示態様の変化によって、振分け部材が振分け動作を実行する可能性の期待値を表すようにしたが、始動保留表示の表示態様の変化によって期待値を表す特定演出としては振分け部材の振分け動作に限られるものではなく、枠状装飾体に配設された他の可動演出装置が動作する演出や、ランプ装置またはスピーカによる特殊な演出(大当り遊技が付与される可能性を示唆する演出)等であってもよい。
(10) 実施例では、球遊び遊技に用いられる可動体を作動させる操作ボタンの押下信号を受け付ける第1有効期間について、第1演出手段および第2演出手段での演出に関る信号として操作ボタンの押下信号を受け付ける第2有効期間および第3有効期間と分けて設定したが、第1有効期間については、パチンコ機の電源ON状態の全期間として設定してもよい。すなわち、パチンコ機の電源ON状態では、操作ボタンを押下すれば常に可動体が作動するようにし、前記第2有効期間および第3有効期間においても第1演出手段および第2演出手段での演出とは関りなく可動体を作動して演出を盛り上げるようにすることができる。
(11) 前記(10)においてパチンコ機の電源ON状態の全期間で操作ボタンからの押下信号によって可動体を作動するようにした構成において、始動保留表示の表示態様を変更可能とし得る信号受付け有効期間を設定し、該信号受付け有効期間の間のみ演出球検出センサの球検出信号を受け付けるよう構成するようにしてもよい。すなわち、信号受付け有効期間の間は、可動体による球遊び遊技を始動保留表示の表示態様を変更する契機として用いることができると共に、信号受付け有効期間以外の期間については、始動保留表示の表示態様を変更する契機を作り出す遊技としてではなく、可動体による球遊び遊技を単純に演出球を用いたミニゲームとして遊技者に楽しませることができる。
(12) 実施例では、一対の可動体によって演出球の流下する球経路を切換えるよう構成したが、演出球が流下する球経路を切換える可動体の構成はこれに限定されるものでなく、1つの可動体によって演出球が流下する球経路を切換える構成を採用し得る。
(13) 実施例では、演出球が流下可能な球転動部(球経路)を上下および前後に離間して形成し、ステージから移動する演出球を可動体によって一方の球転動部に持上げ可能に構成したが、可動体によって演出球が流下する球経路が切換わる構成はこれに限定されるものではない。例えば、始動入賞口に入賞したパチンコ球(演出球)が前方から後方、または後方から前面に向けて転動可能な傾斜面を設けると共に、該傾斜面の傾斜下端側に左右に離間して球経路を設け、傾斜面を転動するパチンコ球(演出球)に接触可能な可動体を操作ボタンの操作(押下)によって作動することで、パチンコ球(演出球)の転動方向を変えることで通入する球経路が変わる構成が採用可能である。
(14) 実施例では、可動体によって2つの球経路の何れかに演出球を流下させるようにしたが、可動体によって切換えられる球経路の数は2つに限らず3つ以上であってもよい。この場合に、演出球が流下した球経路に応じて、始動保留表示の表示態様が変更可能な段階数が異なるようにしてもよい。例えば、第1の球経路に演出球が流下した場合は、球遊び遊技の失敗として始動保留表示の表示態様を変化させず、第2の球経路に演出球が流下した場合は、球遊び遊技の成功として始動保留表示の表示態様を1段階変更可能とし、第3の球経路に演出球が流下した場合は、球遊び遊技の成功として始動保留表示の表示態様を2段階変更可能とする構成を採用できる。
(15) 実施例では、枠状装飾体に設けた始動入賞口に入賞したパチンコ球を球遊びユニットに導入して球遊び遊技や振分け演出に用いるよう構成したが、これに限られるものではない。例えば、遊技盤に設けた始動入賞口に入賞したパチンコ球を、遊技盤の表面または裏面に形成した通路を介して球遊びユニットに導入する構成を採用可能である。
(16) 実施例では、枠状装飾体に設けた第1始動入賞口に入賞したパチンコ球のみを球遊びユニットに導入するようにしたが、第2始動入賞口に入賞したパチンコ球を球遊びユニットに導入するようにしてもよい。
(17) 実施例では、枠状装飾体に設けた始動入賞口に入賞して始動入賞検出センサによって検出された後のパチンコ球(演出球)を用いて球遊び遊技を行うよう構成したが、これに限定されるものでない。すなわち、可動体による球経路の切換え位置の上流側と下流側との間で演出球を循環可能に構成した封入式の演出球用演出装置を遊技盤や設置部材に設け、該演出球用演出装置に封入されている演出球によって球遊び遊技を行う構成であってもよい。この場合に、始動入賞口(始動入賞手段)は枠状装飾体に設ける必要はなく、遊技盤の盤面に設ける構成を採用し得る。また、封入式の演出球用演出装置を用いて球遊び遊技を行うよう構成した場合は、始動入賞口への入賞の如何に関りなく演出球で球遊び遊技を行い得るので、始動保留表示の変更等の保留予告演出や図柄変動演出とは関係なくミニゲームとして球遊び遊技を行うことができる。
(18) 実施例では、振分け部材によって演出球を振分ける球排出路(球経路)を2つとした場合で説明したが、3つ以上であってもよく、各球排出路(球経路)に対応した演出手段を夫々設けるようにすればよい。
(19) 実施例では、振分け部材として揺動する構成を採用した場合で説明したが、振分け部材の構成はこれに限られるものではなく、演出球を複数の球経路に振り分けることが可能な構成であれば、公知の構成を採用可能である。
(20) 実施例では、枠状装飾体に設けた始動入賞口に入賞して始動入賞検出センサによって検出された後のパチンコ球(演出球)を振分け部材に導びて振分けるよう構成したが、これに限定されるものでない。すなわち、振分け部材の上流側と演出球が振分けられた球排出路(球経路)の下流側との間で演出球を循環可能に構成した封入式の演出球用演出装置を遊技盤や設置部材に設け、該演出球用演出装置に封入されている演出球を振分け部材によって振分ける構成を採用し得る。この場合に、始動入賞口(始動入賞手段)は枠状装飾体に設ける必要はなく、遊技盤の盤面に設ける構成を採用し得る。
(21) 実施例では、可動体で切換えられる前球転動部(球経路)および後球転動部(球経路)を、振分け部材にパチンコ球(演出球)を導びく共通通路に連通し、同じパチンコ球(演出球)を可動体での球遊び遊技および振分け部材での振分け演出に用いるよう構成したが、一方を遊技領域から導入したパチンコ球を用いる構成にすると共に、他方を演出装置に封入した演出球を用いる構成としてもよい。
(22) 実施例では、統括制御CPUで振分け部材へ送り込む演出球の個数を抽選により決定したが、始動入賞口への入賞時に実行される保留コマンド処理において振分け部材へ送り込む演出球の個数を決定し、該演出球数情報を保留コマンドで特定するようにしてもよい。すなわち、保留コマンドに、球遊びユニットに配設した振分け部材による演出球の振分けルート情報および振分け部材へ送り込む演出球の個数を示す演出球数情報を含ませることができる。
(23) 実施例では、始動保留表示(始動保留情報の内容)を図柄表示装置に表示するようにしたが、始動保留表示(始動保留情報の内容)を、その表示態様を変更表示可能なドットマトリックス表示部や小型の液晶表示部、その他始動保留表示(始動保留情報の内容)を表示可能な表示手段(始動保留情報表示手段)を飾図を変動表示する図柄表示装置とは別途設ける構成を採用し得る。
(24) 実施例では、図柄表示装置によって示唆演出(前兆演出)を実行するよう構成したが、始動保留情報表示手段の表示態様が変更されることを示唆する示唆演出手段としてはこれに限られるものではない。例えば、表示態様を変更表示可能なドットマトリックス表示部や小型の液晶表示部、その他始動保留情報表示手段の表示態様が変更されることを示唆する示唆演出を実行可能な手段(示唆演出手段)を、飾図を変動表示する図柄表示装置とは別途設ける構成を採用し得る。また、示唆演出手段として、表示を変更するものでなく、遊技機が備えるランプ装置やスピーカあるいは可動演出装置を採用可能である。
(25) 実施例では、遊技球が一定の確率で入賞可能な第1始動入賞手段(第1始動入賞口)と、遊技球の入賞確率を可変可能な第2始動入賞手段(第2始動入賞口)とを始動入賞手段として備え、各始動入賞手段毎に検出手段(始動入賞検出センサ)を設けて個別に遊技球の入賞を検出するよう構成したが、該第1および第2始動入賞手段の入賞検出手段を共通にしてもよい。すなわち、第1始動入賞手段への入賞と、第2始動入賞手段への入賞とを区別しないよう構成してもよい。
(26) 実施例においてメイン制御手段(メイン制御CPU)が備える機能の全部または一部をサブ制御手段(統括制御CPU)が備えるようにしてもよく、反対にサブ制御手段が備える機能の全部または一部をメイン制御手段が備えるようにしてもよい。そして実施例では、メイン制御基板とサブ制御基板(統括制御基板)とを分けて設けるようにしたが、単一の制御基板とすることもできる。すなわち、実施例におけるメイン制御手段およびサブ制御手段の機能を、単一の制御基板に設けた制御手段(CPU)が備えるようにしてもよい。更に、別途制御基板を備えて、実施例のメイン制御手段やサブ制御手段が備える機能の全部また一部を、別の制御手段に備えさせてもよい。すなわち、統括制御CPUを、当り遊技実行手段として機能させることができるものである。
(27) また、実施例において統括制御手段(統括制御CPU)が備える機能の全部または一部を表示制御手段(表示制御CPU)が備えるようにしてもよく、反対に表示制御手段が備える機能の全部または一部を統括制御手段が備えるようにしてもよい。そして実施例では、統括制御基板(統括制御CPU)と表示制御基板(表示制御CPU)とを分けて設けるようにしたが、単一の制御基板とすることもできる。すなわち、実施例における統括制御手段および表示制御手段の機能を、単一の制御基板に設けた制御手段(CPU)が備えるようにしてもよい。また、発光制御を行うランプ制御手段や音出力制御を行う音制御手段に関しても同様に、統括制御手段が兼用することができる。
(28) 実施例では、第1特典遊技状態が付与されている状態を確変状態としたが、これに限られるものではなく、第1特典遊技状態および第2特典遊技状態を組み合わせた状態を確変状態とすることもできる。この場合に、第1特典遊技状態および第2特典遊技状態の何れも付与されていない状態を非確変状態とすることができる。
(29) 遊技機としては、パチンコ機に限られるものではなく、アレンジボール機やパチンコ球を用いたスロットマシン等、その他各種の遊技機であってもよい。