次に、本発明に係る遊技機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。なお、遊技機としては、一般的なパチンコ機を例にして説明する。また、以下の説明において、「前」、「後」、「左」、「右」とは、特に断りのない限り、図1に示すようにパチンコ機を前側(遊技者側)から見た状態で指称する。
(パチンコ機10について)
実施例に係るパチンコ機10は、図1に示すように、前後に開口する矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に縦置き姿勢で設置される基体としての外枠11の開口前面側に、遊技盤20を着脱可能に保持する基体としての中枠12が開閉および着脱可能に組み付けられて、該遊技盤20の裏側に、所定条件の成立(後述する始動入賞口31,32へのパチンコ球の入賞)を契機として演出用の飾り図柄(以下飾図という)を変動表示させて図柄組合せ演出を表示する第1表示装置(表示手段)17が着脱可能に配設されている。また、前記中枠12の前面側には、前記遊技盤20を透視保護するガラス板や透明な合成樹脂材により形成された透視保護板13bで前後に開口する窓口13aを覆うよう構成された基体としての前枠13が開閉可能に組み付けられると共に、該前枠13の下方にパチンコ球を貯留する下球受け皿15が開閉可能に組み付けられる。すなわち、第1表示装置17は、表示による演出を行う演出実行手段として機能している。なお、実施例では、前記前枠13の下部位置に、パチンコ球を貯留する上球受け皿14が一体的に組み付けられており、前枠13の開閉に合わせて上球受け皿14も一体的に開閉するよう構成される。
また、前枠13には、窓口13aを囲繞するようランプ装置(発光手段)18が配設されると共に、前枠13の上部位置に、音声や効果音を出力可能なスピーカ(音出力手段)19が配設されている。すなわち、前記ランプ装置18に設けられたLED等の発光体(図示せず)を点灯・点滅したり、前記スピーカ19から適宜の音声を出力することで、前記第1表示装置17で行われる各種の表示演出(図柄組合せ演出)に合わせて光による演出や音による演出を行い得るよう構成されている。すなわち、前記前枠13に配設された前記ランプ装置18や中枠12に配設されたスピーカ19も演出実行手段として機能している。
また、前記中枠12の右下方位置には、該中枠12に配設された打球発射装置(図示せず)を作動する操作ハンドル16が設けられている。前記操作ハンドル16は、左回転方向に付勢された操作レバー16aを備えており、該操作レバー16aを右回転するよう遊技者が回動操作することで打球発射装置が作動されて、前記上球受け皿14に貯留されたパチンコ球が前記遊技盤20の遊技領域20aに向けて1球ずつ発射されるようになっている。ここで、前記操作レバー16aの回動量に応じて前記打球発射装置によるパチンコ球の打球力が強弱変化するよう構成されており、遊技者が操作レバー16aの回動量を調節することで、前記遊技領域20aへのパチンコ球の発射位置を任意に変更し得るようになっている。なお、実施例では、前記第1表示装置17としては、飾図の他に各種絵柄やキャラクタ等を表示可能な液晶パネルを収容ケースに収容した液晶表示装置が採用されているが、これに限られるものではなく、ドラム式の表示装置やドットマトリックス式の表示装置等の各種図柄を停止および変動表示可能な従来公知の各種の表示装置を採用し得る。また、前記上球受け皿14は、前記前枠13と別体に形成して中枠12に対して開閉可能に組み付けるようにしてもよい。
(遊技盤20について)
前記遊技盤20は、図2に示すように、ベニヤ材や合成樹脂材により形成された略矩形状の板部材であって、遊技盤20の裏面側に前記第1表示装置17が着脱可能に組み付けられている。前記遊技盤20の前面には、略円形状に湾曲形成した案内レール21が配設されており、該案内レール21によりパチンコ球が流下する遊技領域20aが画成されて、前記中枠12に配設された図示しない打球発射装置から発射されたパチンコ球が当該遊技領域20a内に打ち出されることで遊技が行われるようになっている。また、前記遊技盤20には、前後に貫通する装着口(図示せず)が適宜位置に開設されており、各装着口に対して各種の遊技盤設置部品(具体的には後述する枠状装飾体25、各種入賞部29,30,36,40,45、ゲート部48等)が前側から取り付けられると共に、遊技領域20aの最下部位置には、該遊技領域20aに打ち出されたパチンコ球を排出するアウト口22が開設されている。なお、前記装着口の形成数は、遊技盤20に取り付けられる各種遊技盤設置部品の個数や配設位置等により必要に応じて適宜に決定される。
ここで、実施例の前記遊技盤20には、図2に示すように、前記案内レール21で囲まれた遊技領域20aの略中央で開口する装着口に、前後に開口する表示窓口25aが形成されたセンター役とも称される枠状装飾体(装飾部材)25が取り付けられ、該枠状装飾体25の表示窓口25aを介して第1表示装置17の第1表示画面17aが遊技盤20の前面側に臨むよう構成されている。なお、前記遊技盤20には、前記遊技領域20a内に多数の遊技釘23が設けられており、遊技領域20aを流下するパチンコ球が遊技釘23に接触することで、流下方向が不規則に変化するよう構成されている。また、前記遊技盤20における枠状装飾体25の右側下方位置に開設された装着口に、遊技領域20aを流下するパチンコ球が入賞可能な第2始動入賞口32を有する第2始動入賞部30が取り付けられている。ここで、前記第2始動入賞部30は、後述する普図当りの発生に伴ってパチンコ球が入賞可能に開放される普図当り用入賞手段とされている。
ここで、前記枠状装飾体25は、前記表示窓口25aの左右側部および上部に亘って連続して延在する庇状部が前記遊技盤20の前面から前方へ突出するよう設けられて、前記遊技領域20aと表示窓口25aとを区画するよう構成されており、遊技領域20aを流下するパチンコ球が枠状装飾体25の表示窓口25a内側に進入しないようになっている。すなわち、実施例の遊技領域20aは、前記枠状装飾体25の左側に画成される第1球流下領域と、当該枠状装飾体25の右側に画成される第2球流下領域とに区画されて、遊技盤20の遊技領域20aに打ち出されるパチンコ球の位置や発射強度に応じて、該第1球流下領域または第2球流下領域をパチンコ球が流下するようになっている。
また、前記遊技盤20には、遊技領域20aを流下するパチンコ球が入賞可能な入賞口31,32,37,41,46が適宜の位置に設けられており、各入賞口31,32,37,41,46へのパチンコ球の入賞(具体的には、後述する各入賞検出センサSE1〜SE7の検出)を賞球の払出条件として、各入賞口毎に定めた払い出し個数の賞球が払い出されるよう構成されている。実施例のパチンコ機10では、パチンコ球の入賞を契機として賞球の払出条件が成立すると共に図柄組合せ演出(後述する特図変動表示)の開始条件が成立する始動入賞口(始動入賞手段)31,32と、後述する特別遊技としての当り遊技の発生を契機としてパチンコ球の入賞が可能となると共にパチンコ球の入賞を契機として賞球の払出条件が成立する特別入賞口(特別入賞手段)37,41と、パチンコ球の入賞を契機として賞球の払出条件のみが成立する普通入賞口46とが設けられている。実施例のパチンコ機10では、前記始動入賞口31,32は、前記第1球流下領域および第2球流下領域の夫々に設けられ、前記特別入賞口37,41は、前記遊技領域20aの第2球流下領域に設けられると共に、前記普通入賞口46は、遊技領域20aの第1球流下領域および第2球流下領域の夫々に設けられている(図2参照)。
(始動入賞口31,32について)
前記遊技盤20には、図2に示すように、前記枠状装飾体25の下方で遊技盤20の左右方向の中央位置に、第1始動入賞口31を備えた第1始動入賞部29が設けられている。第1始動入賞口31は、遊技領域20a内で常に上方へ開口する常時開放型の入賞口とされる。また、前記遊技盤20には、図2に示すように、前記枠状装飾体25の右下方位置に、前記第2始動入賞口32を開閉する第2始動入賞部30が設けられている。前記第2始動入賞部30は、前記枠状装飾体25の右側に画成される遊技領域20a(第2球流下領域)内で第2始動入賞口32が開口するよう設けられると共に、当該第2始動入賞口32を開閉する開閉部材34を備えており、駆動手段としての始動入賞ソレノイド33(図3参照)の駆動に伴って開閉部材34が第2始動入賞口32を閉鎖する閉鎖位置と開放する開放位置に変位するよう構成されている。すなわち、前記第2始動入賞口32は、パチンコ球の入賞態様を可変する開閉部材34を備えた可変入賞口として構成されている。
すなわち、実施例において前記第1始動入賞口31は、前記遊技領域20a(第1球流下領域)を流下するパチンコ球が常時一定の確率で入賞可能に構成され、第2始動入賞口32は、始動入賞ソレノイド33を駆動することでパチンコ球の入賞確率を可変し得るよう構成されている。ここで、前記開閉部材34が閉鎖位置に変位した状態では、前記第2始動入賞口32へのパチンコ球の入賞が阻止されて、前記遊技領域20a(第1球流下領域)を流下するパチンコ球が第1始動入賞口31へ入賞する確率よりも、遊技領域20aの第2球流下領域を流下するパチンコ球が第2始動入賞口32へ入賞する確率の方が低くなるよう設定されている。一方で、前記開閉部材34が開放位置に変位した状態では、開閉部材34で受止められたパチンコ球が第2始動入賞口32に案内されることで、前記遊技領域20a(第1球流下領域)を流下するパチンコ球が第1始動入賞口31へ入賞する確率よりも、遊技領域20aの第2球流下領域を流下するパチンコ球が第2始動入賞口32へ入賞する確率の方が高くなるよう設定されている。実施例では、前記開閉部材34が閉鎖位置に変位した状態では、前記第2始動入賞口32へパチンコ球が入賞しないよう構成されているが(入賞確率0%)、パチンコ球が入賞可能な程度に第2始動入賞口32が開放した状態を閉鎖位置としてもよい。
また、前記第1および第2始動入賞口31,32は、該第1および第2始動入賞口31,32に入賞したパチンコ球を検出する始動検出手段(検出手段)としての始動入賞検出センサSE1,SE2(図3参照)が設けられている。前記始動入賞検出センサSE1,SE2は、パチンコ機10の裏側に配設されたメイン制御基板60(図3参照)に配線接続されている。そして、始動入賞検出センサSE1,SE2からの検出信号がメイン制御基板60のメイン制御CPU60aに入力されることを賞球の払出条件として、該メイン制御CPU60aが賞球の払い出しを決定するようになっている。すなわち、メイン制御CPU60aは、所定の払出条件の成立に伴い、払い出し賞球数を決定する賞球数決定手段としての機能を有している。具体的に、第1および第2始動入賞口31,32に対応した始動入賞検出センサSE1,SE2によるパチンコ球の検出(すなわち第1および第2始動入賞口31,32へのパチンコ球の入賞)を契機として賞球の払出条件が成立した場合には、メイン制御CPU60aが所定数(実施例では3個)の賞球の払い出しを決定するよう設定されている。なお、第1および第2始動入賞口31,32へのパチンコ球の入賞時の払い出し賞球数は、任意に決定することができる。
また、始動入賞検出センサSE1,SE2によるパチンコ球の検出(すなわち第1,第2始動入賞口31,32へのパチンコ球の入賞)を遊技の開始条件として、前記メイン制御CPU60aが入賞情報(後述する特図当り判定用乱数等の各種乱数情報)を取得して、この取得した情報に基づいて後述する特図当り判定(当り判定)が行われるよう構成されている。すなわち、始動入賞検出センサSE1,SE2がパチンコ球を検出すること(すなわち第1,第2始動入賞口31,32へパチンコ球が入賞すること)がメイン制御CPU60aによる特図当り判定が行われるための判定条件となっている。そして、特図当り判定の結果に基づいて(始動入賞検出センサSE1,SE2の球検出を契機として)前記第1表示装置17において図柄組合せ演出が実行されると共に、後述する特図表示部50A,50Bにおいて特図変動が実行されるようになっている。そして、前記第1表示装置17での図柄組合せ演出の結果、該第1表示装置17に所定の当り表示となる図柄組み合わせ(例えば同一飾図の3つ揃い等)で飾図が確定停止表示された後に、遊技者に有利な当り遊技が付与され、当り遊技の発生に伴って前記特別入賞口37,41を所定の開放条件で開放する当り遊技が行われて、遊技者が賞球を獲得し得る機会が与えられるよう構成されている。
ここで、実施例では、前記始動入賞検出センサSE1,SE2が始動入賞口31,32毎に設けられており、以下の説明では、第1始動入賞口31に対応するセンサを第1始動入賞検出センサSE1と指称し、第2始動入賞口32に対応するセンサを第2始動入賞検出センサSE2と指称するものとする。また、メイン制御基板60は、第1,第2始動入賞検出センサSE1,SE2の何れかからの検出信号が入力されると、払出制御基板(図示せず)に制御信号を出力して、前記球払出装置に所定数の賞球を払い出させるよう構成される。なお、球払出装置から払い出される賞球数は、前述したようにパチンコ球が入賞した始動口毎に予め設定されている。
(第1特別入賞装置36について)
前記第1特別入賞装置36は、図2に示すように、前記枠状装飾体25における右下部位置に配置されている。この第1特別入賞装置36は、第2球流下領域(遊技領域20a)に開口する第1特別入賞手段としての第1特別入賞口37を開閉自在に閉成する開閉部材39を備えており、駆動手段としての第1特別入賞ソレノイド38(図3参照)の駆動に伴って開閉部材39が閉鎖する閉鎖位置と開放する開放位置に変位するよう構成されている。実施例では、前記開閉部材39が閉鎖位置に変位した状態では、前記第1特別入賞口37へパチンコ球が入賞しないよう構成されている。また、前記第1特別入賞装置36には、前記第1特別入賞口37に入賞したパチンコ球を検出する第1特別入賞検出手段としての第1特別入賞検出センサSE3(図3参照)が設けられている。第1特別入賞検出センサSE3は、前記メイン制御基板60に配線接続されており、第1特別入賞検出センサSE3がパチンコ球を検出すると、検出信号をメイン制御基板60のメイン制御CPU60aに出力し、メイン制御CPU60aは、第1特別入賞検出センサSE3からの球検出信号の入力を賞球の払出条件として前記払出制御基板に制御信号を出力して前記球払出装置に予め設定された数(実施例では14個)の賞球を払い出させるようになっている。ここで、前記第1特別入賞ソレノイド38は、前記第1,第2始動入賞口31,32へのパチンコ球の入賞を契機として第1特別入賞口37を開放する当り遊技が付与される場合に、当りの種類に応じた所定の開閉条件に従ってメイン制御基板60によって駆動制御される。
(第2特別入賞装置40について)
前記第2特別入賞装置40は、図2に示すように、前記遊技盤20における枠状装飾体25の右下方位置の遊技領域20a(第2球流下領域)に配置されている。この第2特別入賞装置40は、遊技領域20aに開口する第2特別入賞手段としての第2特別入賞口41を開閉自在に閉成する開閉部材43を備えており、駆動手段としての第2特別入賞ソレノイド42(図3参照)の駆動に伴って開閉部材43が閉鎖する閉鎖位置と開放する開放位置に変位するよう構成されている。実施例では、前記開閉部材43が閉鎖位置に変位した状態では、前記第2特別入賞口41へパチンコ球が入賞しないよう構成されている。また、前記第2特別入賞装置40には、前記第2特別入賞口41に入賞したパチンコ球を検出する第2特別入賞検出手段としての第2特別入賞検出センサSE4(図3参照)が設けられている。第2特別入賞検出センサSE4は、前記メイン制御基板60に配線接続されており、第2特別入賞検出センサSE4がパチンコ球を検出すると、検出信号をメイン制御基板60のメイン制御CPU60aに出力し、メイン制御CPU60aは、第2特別入賞検出センサSE4からの球検出信号の入力を賞球の払出条件として前記払出制御基板に制御信号を出力して前記球払出装置に予め設定された数(実施例では14個)の賞球を払い出させるようになっている。
ここで、前記第2特別入賞ソレノイド42は、前記第1,第2始動入賞口31,32へのパチンコ球の入賞を契機としてメイン制御基板60における大当り抽選の結果として大当りが発生した場合に、当該大当り遊技中における所定のタイミングで第2特別入賞口(特別入賞口)41を開閉するようメイン制御基板60によって駆動制御される。また、第2特別入賞装置40には、第2特別入賞口41に入賞したパチンコ球が特定領域を通過したことを検出する特定領域入球検出手段としての特定領域入球検出センサSE6が設けられている。特定領域入球検出センサSE6は、前記メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)に配線接続されており(図3参照)、特定領域入球検出センサSE6がパチンコ球を検出すると、検出信号をメイン制御基板60に出力するよう構成される。
ここで、実施例では、大当り遊技後の遊技状態として、遊技者に有利な特典である確変状態(後述)を付与するか否かを、後述する第1〜第4の大当り遊技における特定ラウンドにおいて前記第2特別入賞装置40における第2特別入賞口41を開放させて、当該特定ラウンド中に該第2特別入賞口41に入ったパチンコ球が前記特定領域入球検出センサSE6で検出されるか否か(特定領域にパチンコ球が入球したか否か)により決定するよう構成されている。すなわち、第1〜第4の大当り遊技における特定ラウンド(実施例では4回目のラウンド)において、第2特別入賞装置40の特定領域入球検出センサSE6がパチンコ球を検出した場合(すなわち特定領域にパチンコ球が入球した場合)に、メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)が確変状態の付与を決定するよう構成されている。また第1〜第4の大当り遊技における特定ラウンドにおいて、第2特別入賞装置40の特定領域入球検出センサSE6がパチンコ球を検出しない場合(すなわち特定領域にパチンコ球が入球しなかった場合)は、メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)が確変状態の付与を決定しない(非確変状態の付与を決定する)よう構成されている。すなわち、メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)は、大当り遊技における特定ラウンド中に特定領域入球検出センサSE6がパチンコ球を検出した場合に、当該大当り遊技の終了後に確変状態を付与することを決定する特定状態付与決定手段としての機能を有している。
(普通入賞口46について)
前記普通入賞口46は、図2に示すように、前記遊技盤20の遊技領域20a内で常に上方へ開口する常時開放タイプの入賞口とされており、該遊技領域20aを流下するパチンコ球が常時一定の確率で入賞し得るよう構成されている。また、前記普通入賞口46には、該普通入賞口46に入賞したパチンコ球を検出する普通入賞検出手段としての普通入賞検出センサSE5(図3参照)が設けられている。前記普通入賞検出センサSE5は、前記メイン制御基板60に配線接続されており、普通入賞検出センサSE5からの検出信号がメイン制御基板60のメイン制御CPU60aに入力されることを賞球の払出条件として、該メイン制御CPU60aが賞球の払い出しを決定するようになっている。具体的に、普通入賞検出センサSE5によるパチンコ球の検出(すなわち普通入賞口46へのパチンコ球の入賞)を契機として賞球の払出条件が成立した場合には、メイン制御基板60が所定数(実施例では第1球流下領域の普通入賞口46の入賞では8個、第2球流下領域の普通入賞口46の入賞では7個)の賞球の払い出しを決定するようになっている。
(ゲート部48について)
図2に示すように、前記枠状装飾体25の右側には、遊技領域20aの第2球流下領域を流下するパチンコ球が通過可能なゲート部48が設けられている。前記ゲート部48にはゲートセンサSE7(図3参照)が配設されており、該ゲート部48を通過するパチンコ球をゲートセンサSE7で検出するよう構成されている。前記ゲートセンサSE7は、前記メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)に配線接続されており、該ゲートセンサSE7からメイン制御基板60への球検出信号の入力(すなわちゲートセンサSE7のパチンコ球の検出)に伴って各種通過検出情報(後述する普図当り判定用乱数等の乱数情報)が取得され、この取得した情報に基づいて後述する当り判定(第2の当り判定)が行われるよう構成されている。そして、この普図当り判定の結果に応じて前記始動入賞ソレノイド33が駆動制御されて開閉部材34が開閉動作するようになっている。すなわち、実施例のメイン制御CPU60aは、ゲートセンサSE7によるパチンコ球の検出に基づいて、前記第2始動入賞口32を開放するか否かを決定する入賞口開放判定手段として機能している。
(遊技情報表示部Mについて)
前記遊技盤20の所定位置(実施例では、遊技領域20a外の左下部位置)には、前記メイン制御CPU60aにより決定された各種の遊技情報を表示する遊技情報表示部Mが設けられており、当該遊技情報表示部Mを目視することで、遊技に必要な遊技情報を遊技者が適宜に確認し得るようになっている。ここで、実施例の遊技情報表示部Mには、前記遊技情報を表示する各遊技状態表示部として、特図表示部50A,50B、特図保留表示部52,53、普図表示部55、普図保留表示部56およびラウンド表示部57等が設けられている。なお、前記遊技情報表示部Mの前面は、光透過性のカバー体Maにより覆蓋保護されており、カバー体Maを介して遊技状態表示部Mに表示された各種の遊技情報を確認し得るよう構成されている。
(特図表示部50A,50Bについて)
前記特図表示部(表示手段)50A,50Bは、前記第1,第2始動入賞口31,32への入賞を契機として行われる特図当り判定の結果を示す報知用の特別図柄(以下、特図という)を特定可能に表示する表示部である。ここで、図2に示すように、特図表示部50A,50Bは、前記第1始動入賞口31への入賞(第1始動入賞検出センサSE1による検出)を契機として変動表示を開始する第1特図表示部50Aと、第2始動入賞口32への入賞(第2始動入賞検出センサSE2による検出)を契機として変動表示を開始する第2特図表示部50Bとからなり、各特図表示部50A,50Bの何れも複数個(実施例では8個ずつ)の発光表示部により構成されている。そして、前記第1始動入賞口31へのパチンコ球の入賞を契機として、第1特図表示部50Aの発光表示部が順次点灯・消灯する変動表示(以下特図変動表示という場合がある)が行われ、最終的に発光表示部が確定的に点灯した点灯位置(点灯パターン)により複数種類の特図の内の1つを表示するようになっている。また、第2始動入賞口32へのパチンコ球の入賞を契機として、第2特図表示部50Bの発光表示部が点灯・消灯する変動表示(以下特図変動表示という場合がある)が行われて、最終的に発光部が確定的に点灯した点灯位置(点灯パターン)により複数種類の特図の内の1つを表示するよう構成されている。すなわち、特図表示部50A,50Bは、特図当り判定の判定結果を示す特別図柄を変動および停止表示する特別図柄表示手段である。
具体的には、各特図表示部50A,50Bにおいて表示し得る特図としては、当りの当選を認識し得る当り表示(大当り図柄)としての200種類の特図と、はずれを認識し得るはずれ表示(はずれ図柄)としての1種類の特図とが各特図表示部50A,50Bに対応して夫々設定されて、特図当り判定の結果に応じて決定された1つの特図が、特図変動表示の結果として、各特図表示部50A,50Bに確定停止表示される。なお、前述した各特図表示部50A,50Bにおいて表示し得る大当り図柄やはずれ図柄としての特図の数は一例であって、適宜に変更することができる。そして、前記特図表示部50A,50Bの何れかに、大当り表示としての特図が表示されることで、大当り表示に対応した大当り遊技が引き続いて遊技者に付与されるようになっている。実施例のパチンコ機10に設定された大当り遊技については後で詳細に説明する。なお、以下の説明では、第1特図表示部50Aで行われる特図変動表示を「第1特図変動表示」と称し、該第1特図変動表示の結果、第1特図表示部50Aに確定停止表示される特図を特図1と称する場合がある。同様に、第2特図表示部50Bで行われる特図変動表示を「第2特図変動表示」と称し、該第2特図変動表示の結果、第2特図表示部50Bに確定停止表示される特図を特図2と称する場合がある。
(特図保留表示部52,53について)
前記特図保留表示部52,53は、前記第1,第2始動入賞口31,32にパチンコ球が入賞した際に取得される入賞情報(各種乱数情報)を、機内部の記憶手段(実施例では、メイン制御RAM60c)に特図始動保留情報として記憶する場合に、当該特図始動保留情報の保留数を特定可能に表示する表示部である。ここで、図2に示すように、前記特図保留表示部52,53は、前記第1始動入賞口31にパチンコ球が入賞した際に取得される入賞情報(各種乱数情報)をメイン制御RAM60cが第1特図始動保留情報として記憶した保留数を表示する第1特図保留表示部52と、第2始動入賞口32にパチンコ球が入賞した際に取得される入賞情報(各種乱数情報)をメイン制御RAM60cが第2特図始動保留情報として記憶した保留数を表示する第2特図保留表示部53とからなり、各特図保留表示部52,53の何れも複数個(実施例では2個ずつ)の発光表示部により構成されている。この第1特図始動保留情報の保留数を表示する複数のLED(実施例では2個)から発光表示部が構成された第1特図保留表示部52が設けられると共に、該第2特図始動保留情報の保留数を表示する複数のLED(実施例では2個)から発光表示部が構成された第2特図保留表示部53が設けられている。すなわち、前記第1および第2特図保留表示部52,53の表示内容によって、保留されている第1特図変動表示および第2特図変動表示の回数(図柄組合せ演出の回数)が報知される。
ここで、前記第1特図保留表示部52で表示される第1特図始動保留情報の保留数は、第1始動入賞口31へパチンコ球が入賞することで1加算されると共に、第1特図変動表示(図柄組合せ演出)が行われる毎に1減算される。また、前記第2特図保留表示部53で表示される第2特図始動保留情報の保留数は、第2始動入賞口32へパチンコ球が入賞することで1加算されると共に、第2特図変動表示(図柄組合せ演出)が行われる毎に1減算される。なお、第1および第2特図始動保留情報の保留数には所定の上限数(実施例では何れに対しても「4」)が設定されており、該上限数まで第1および第2特図始動保留情報の保留数を夫々加算し得るよう設定されている。なお、前記第1および第2特図保留表示部52,53の夫々は、上下に並んだ複数(実施例では2つ)のLEDから構成されており、各始動保留記憶数が「1」〜「2」の場合には対応の特図保留表示部52,53が上から順に点灯し、各始動保留記憶数が「3」〜「4」の場合には対応の特図保留表示部52,53が上から順に点滅することで、保留情報の保留数を遊技者が把握し得るようになっている。
(普図表示部55について)
前記普図表示部55は、前記ゲートセンサSE7のパチンコ球の検出(ゲート部48のパチンコ球の通過)を契機として行われる普図当り判定の結果を示す報知用の普通図柄(以下、普図という)を特定可能に表示する表示部である。ここで、図2に示すように、普図表示部55では、ゲートセンサSE7のパチンコ球の検出(ゲート部48のパチンコ球の通過)を契機として、複数種類の普図を変動させて1つの普図を導出する普図変動表示が行われるようになっている。実施例では、2つのLEDの発光態様にて2種類の普図を表示するようになっている。具体的には、上側LEDだけが点灯する発光態様および下側LEDだけが点灯する発光態様により普図を示している。なお、以下では、下側LEDだけが点灯することにより示される普図を普図「0」とし、上側LEDだけが点灯することにより示される普図を普図「1」とする。そして、前記普図表示部55の最終的な点灯結果から普図当りまたははずれを認識できるようになっている。具体的には、普図当りの場合に普図表示部55に普図「1」が表示され、はずれの場合に普図「0」が表示される。すなわち、この普図当りを認識できる普図が普図当りの表示結果となり、はずれを認識できる普図が普図はずれの表示結果となる。すなわち、普図表示部55は、普図当り判定の判定結果を示す普通図柄を変動および停止表示する普通図柄表示手段である。
(普図保留表示部56について)
前記普図保留表示部56は、前記ゲート部48をパチンコ球が通過した際に取得される球通過検出情報(普図当り判定用乱数等の各種乱数情報)を、機内部の記憶手段(実施例では、メイン制御RAM60c)に普図始動保留情報として記憶する場合に、当該普図始動保留情報の保留数を特定可能に表示する表示部である。ここで、前記普図保留表示部56は、図2に示すように、複数個(実施例では2個)の発光表示部により構成されており、該普図保留表示部56の表示内容によって保留されている普図の変動回数が報知される。前記普図保留表示部56で表示される普図始動保留記憶数は、ゲート部48をパチンコ球が通過すると1加算され、普図変動表示が開始されることにより1減算される。なお、普図始動保留記憶数には所定の上限数(実施例では「4」)が設定されており、該上限数まで普図始動保留記憶数を加算し得るよう設定されている。具体的に、実施例の普図保留表示部56は、普図始動保留記憶数が1〜2の場合には普図保留表示部56が上から順に点灯し、普図始動保留記憶数が3〜4の場合には普図保留表示部56が上から順に点滅することで、普図変動表示が行われる保留数を把握し得るようになっている。
(ラウンド表示部57について)
実施例のパチンコ機10では、大当り判定に当選した場合に、後述する複数種類の大当り遊技の中から1つの大当り遊技が決定される。この大当り遊技には、規定ラウンド数が異なる複数種類のものが設定されており、前記ラウンド表示部57で当選した大当り遊技の規定ラウンド数を報知するよう構成されている。ラウンド表示部57は、図2に示すように、複数個(実施例では8個)の発光表示部により構成されている。また、本実施例では、大当り遊技の規定ラウンド数として、「4回」、「14回」および「16回」の3種類が設定されており、該ラウンド表示部57の表示内容によって規定ラウンド数を識別可能に報知するようになっている。
(第1表示装置17について)
前記第1表示装置17には、図2に示すように、前記飾図を変動表示可能な図柄列26a,26b,26cが複数列設定されており、前記第1,第2始動入賞口31,32への入賞を契機として、各図柄列26a,26b,26cの飾図が変動開始されるようになっている。また、第1表示装置17には、組合せの対象となる飾図が確定停止表示される複数の組合せ図柄位置L,C,Rが設定されて、図柄組合せ演出の結果として当該組合せ図柄位置L,C,Rの夫々に停止表示された飾図の組合せが予め定められた当り表示となる場合に特図当り判定の判定結果が当り判定であることが報知されるよう構成されている。実施例の第1表示装置17には、3列の図柄列26a,26b,26cが左右横並び状に設定されると共に、各図柄列26a,26b,26c毎に飾図の組合せ図柄位置L,C,Rが1箇所ずつ定められており、3列の飾図からなる図柄組合せ演出が行われるようになっている。すなわち、実施例では、3列の図柄列26a,26b,26cに対応した3つの飾図の組合せで当りか否かを報知し得るよう構成されている。以下の説明では、左側から順に左図柄列26a、中図柄列26b、右図柄列26cと指称する場合がある。
また、前記第1表示装置17の各図柄列26a,26b,26cにおける飾図の表示範囲は、第1特図表示部50Aおよび第2特図表示部50Bに比較して大きな領域で構成されて、特図に比較して飾図が遥かに大きく表示されるようになっている。このため、遊技者は、第1表示装置17の組合せ図柄位置L,C,Rに確定停止表示された図柄組み合わせから大当りやはずれを認識できる。
前記第1表示装置17には、図柄組合せ演出の開始と共に予め定めた変動方向(実施例では上から下の縦方向)に沿って飾図が移動するよう変動表示されるようになっており、予め定められた停止順序で変動表示されている飾図が各図柄列26a,26b,26cの組合せ図柄位置L,C,Rに停止表示されるようになっている。なお、実施例では、図柄組合せ演出の開始時に、左図柄列26a、中図柄列26b、右図柄列26cの順で飾図が変動開始し、左図柄列26a、右図柄列26c、中図柄列26bの順で停止表示する飾図の変動タイミングを基本として、第1表示装置17で実行される図柄組合せ演出の演出内容や特図始動保留情報(後述)の記憶数等に応じて飾図の変動タイミングが適宜に変更されるよう構成されている。
また、前記第1表示装置17では、図柄組合せ演出が終了する前に各図柄列26a,26b,26cの組合せ図柄位置L,C,Rに飾図が一時的に仮停止表示されて、各図柄列26a,26b,26cの飾図が確定停止表示されることで1回の図柄組合せ演出が終了するようになっている。すなわち、図柄組合せ演出(第1特図変動表示および第2特図変動表示)は、1つの特図始動保留情報に基づいて行われる飾図(特図1および特図2)の変動開始から確定停止までを1回として実行されるようになっている。ここで、飾図の「確定停止」とは、前記各図柄列26a,26b,26cにおいて組合せ図柄位置L,C,Rに飾図が所定の特図変動インターバル時間に亘って継続して停止表示された状態である。なお、実施例では、第1,第2始動入賞検出センサSE1,SE2の検出に基づく図柄組合せ演出(第1,第2特図変動表示)の特図変動インターバル時間として800ms(ミリ秒)が設定されている。また、飾図の「仮停止」とは、前記各図柄列26a,26b,26cにおいて組合せ図柄位置L,C,Rに留まるよう表示された飾図が特図変動インターバル時間だけ継続して停止していない状態である。すなわち、飾図の仮停止には、組合せ図柄位置L,C,Rにおいて飾図がゆれ変動状態で表示されている状態や、特図変動インターバル時間より短い時間で停止表示されている状態を含んでいる。また、「飾図の変動」とは、前記各図柄列26a,26b,26cにおいて、組合せ図柄位置L,C,Rに飾図が認識可能な状態で表示されていない状態であって、組合せ図柄位置に表示される飾図が所定順序で変化したり、組合せ図柄位置に飾図が表示されていない状態を含んでいる。
ここで、第1特図表示部50Aと第1表示装置17では、第1特図変動表示と該第1特図変動表示に関する図柄組合せ演出が開始され、特図1と飾図とが確定停止表示される。同様に、第2特図表示部50Bと第1表示装置17では、第2特図変動表示と該第2特図変動表示に関する図柄組合せ演出が開始され、特図2と飾図とが確定停止表示される。なお、第1および第2特図表示部50A,50Bにおいて特図変動表示が同時に行われることはなく、一方の特図表示部50A,50Bで特図変動表示が行われている場合には、メイン制御RAM60cに対応する第1または第2特図始動保留情報として保留記憶されるようになっている。
ここで、実施例に係る第1表示装置17には、各図柄列26a,26b,26cに「0」〜「9」の10種類の数字が基本の飾図として設定されており、該基本の飾図が各図柄列26a,26b,26cで順番に変動表示されるようになっている。なお、飾図としては、これに限られるものではなく、任意の数字や文字、絵柄等のように、遊技者が各飾図を区別して識別し得る形態とされる。また前記飾図は、大当り遊技の終了後に確変状態(後述)が付与される可能性が高いことを遊技者が認識可能な第1の識別図柄と、大当り遊技終了後に確変状態が付与される可能性が高いか否かを認識不能な第2の識別図柄とに分類されている。なお、本実施形態において大当り遊技終了後に付与可能な確変状態については後詳する。ここで、第1の識別図柄としては、基本となる飾図の中から適宜に設定しても、基本となる飾図以外に定めた特別な飾図を用いることもできる。実施例においては、「1」、「3」、「5」、「7」、「9」の奇数図柄を第1の識別図柄とし、「0」、「2」、「4」、「6」、「8」の偶数図柄を第2の識別図柄とした例で説明する。
そして、前記第1表示装置17における各図柄列26a,26b,26cの組合せ図柄位置L,C,Rに確定停止表示された各図柄列26a,26b,26cの飾図が当りの図柄組み合わせであった場合に、当り遊技(大当り遊技)が付与されることを把握し得るようになっている。ここで、実施例では、大当りの図柄組み合わせとして、各図柄列の組合せ図柄位置L,C,Rに同じ飾図が確定停止表示される図柄組み合わせ(例えば、「222」、「777」等)が設定されている。この大当りを認識できる飾図の図柄組み合わせが、第1表示装置17に表示される大当り表示(当り表示)となり、図柄組合せ演出の終了後に遊技者に有利な大当り遊技が付与される。また、実施例では、第1表示装置17で変動表示される前述した基本の飾図とは別に、特殊飾図(特殊図柄)を表示し得るよう設定されており、各図柄列の組合せ図柄位置L,C,Rの何れか(例えば中図柄列26bの組合せ図柄位置C)に特殊飾図が確定停止表示されることで、所定の大当り遊技が付与されることを認識できるよう構成されている。この大当り遊技が発生する可能性を認識できる飾図の図柄組み合わせが、第1表示装置17に表示される大当り示唆表示となる。一方で、第1表示装置17の組合せ図柄位置L,C,Rに確定停止表示された全列の図柄が1つでも異なる種類の場合には、その図柄組合せ(例えば「123」、「734」、「171」等)から、原則的には大当り遊技が付与されない「はずれ」であることを認識できる。このはずれを認識できる飾図の図柄組合せが、第1表示装置17のはずれ表示となる。但し、このような3列の飾図が全て同一でない図柄組合せのうち、特定の図柄組合せを所定の演出(例えば、所定の大当り遊技)が実行される契機として用いることも可能である。特定の図柄組合せとは、当該図柄組合せから遊技者が何らかの法則性や意味を認識または連想し得るものである。特定の図柄組み合わせの具体例としては、3列の飾図が連続した昇順または降順で並ぶ図柄組合せ(例えば、「123」、「321」)や、左図柄列26aおよび中図柄列26bの飾図が同一で、右図柄列26cの飾図の値が1つずれた図柄組み合わせ(例えば、「778」)、3列の飾図が所定の語呂合せとなる図柄組み合わせ(例えば、「758」(名古屋))等が挙げられる。このように、特定の図柄組合せは、はずれ表示結果としてだけでなく大当り表示結果としても選択され得る飾図の図柄組合せとされる。
また、図柄組合せ演出において、複数の図柄列の内で、特定の図柄列(実施例では、左図柄列26aおよび右図柄列26c)に同じ飾図が停止表示され、かつ残りの図柄列(実施例では、中図柄列26b)が変動表示された表示(リーチ表示)となることで、リーチが生起されたことを遊技者が認識し得るようになっている。具体的なリーチ表示の例としては、左図柄列26aおよび右図柄列26cに同じ飾図が停止表示された図柄組み合わせ(「1↓1」、「4↓4」等)となる。なお、「↓」は変動中であることを表している。また、リーチ表示を形成する特定の図柄列(左図柄列26aおよび右図柄列26c)の飾図は、仮停止表示の状態とされ、残りの図柄列(中図柄列26b)の飾図が停止表示(仮停止表示)された後に、全ての図柄列の飾図が確定停止表示されるようになっている。
このように、第1表示装置17は、図柄組合せ演出を表示すると共に複数の飾り図柄を停止表示する演出表示手段である。そして、演出表示手段としての第1表示装置17に、組合せの対象となる飾図(飾り図柄)が停止表示される複数の組合せ図柄位置が設定されて、当該組合せ図柄位置の夫々に停止表示された飾り図柄の組合せが予め定められた当り表示となる場合に特図当り判定の判定が当り判定であることが報知されるよう構成されている。
また、前記第1表示装置17には、第1特図表示部50Aおよび第2特図表示部50Bで行われる特図変動表示の結果、表示される特図に応じた飾図の図柄組み合わせが表示される。すなわち、第1特図表示部50Aおよび第2特図表示部50Bに表示される特図と、第1表示装置17に表示される飾図の図柄組み合わせとが夫々対応しており、図柄組合せ演出が終了すると、第1特図表示部50Aおよび第2特図表示部50Bに特図が確定停止されると共に、第1表示装置17の各図柄列26a,26b,26cに飾図が確定停止表示されるようになっている。なお、特図に対する飾図の図柄組み合わせは一対一とは限らず、1つの特図に対して複数の飾図による図柄組み合わせの中から1つの飾図による図柄組み合わせが選択されるようになっている。
(第2表示装置80,81について)
前記遊技盤20の裏側に、該枠状装飾体25の表示窓口25aを介して第2表示画面80a,81aを遊技盤20の前面側に臨ませるようにして第2表示装置(表示手段)80,81が配設されている。実施例では、図2に示す如く、前記第1表示装置17の第1表示画面17aの前側において上下に離間して一対の第2表示装置80,81が配置されている各第2表示装置80,81は、各種画像を表示可能な液晶パネルを収容ケースに収容した液晶表示装置が採用され、収容ケースに収容された液晶パネルの第2表示画面80a,81aが、収容ケースに形成した開口部から前側に臨むよう構成される。そして、第2表示装置80,81では、後述するサブ制御手段65,70の制御下に第2表示画面80a,81aで各種演出に係る画像を表示し得るよう構成されている。すなわち、第2表示装置80,81では、前記始動入賞口31,32へのパチンコ球の入賞を契機として第1表示装置17で実行される図柄組合せ演出と関連する演出や、該図柄組合せ演出とは別の演出を表示し得る他、後述する特定演出モードTMの移行に伴う各種表示演出や客寄せのためのデモンストレーション演出(デモ演出)等も表示し得るよう構成される。図柄組合せ演出と関連した表出演出としては、例えば、特図当り抽選や普図当り抽選に当選する期待度等を示唆する予告演出や、該特図当り抽選や普図当り抽選の結果を報知する報知演出等が挙げられる。なお、第2表示装置80,81は、液晶表示装置に限られるものではなく、有機EL(Electro-Luminescence)等、各種画像を表示可能なその他の表示原理が異なる各種装置を用いることができる。
(確変状態について)
実施例のパチンコ機10は、大当り遊技終了後に遊技者に有利な遊技状態として第1特典遊技状態を付与する機能を備えている。ここで、第1特典遊技状態としては、前記特別入賞口37,41へのパチンコ球の入賞契機が、当該第1特典遊技状態が付与されていない状態に較べて増加する状態である。具体的には、第1特典遊技状態では、特図当り確率を低確率から高確率に変動することにより特別入賞口37,41へのパチンコ球の入賞契機を増加することができる。以下の説明では、第1特典遊技状態を、便宜的に「確変状態」というものとする。
確変機能は、大当り遊技中における特定ラウンドにおいて前記第2特別入賞装置40の特定領域入球検出センサSE6によるパチンコ球の検出(特定領域へのパチンコ球の入球)を条件として、大当り遊技(当り遊技)の終了後に大当りの抽選確率(大当り確率)を低確率(実施例では、164/65536)から高確率(実施例では、1010/65536)に変動させる確変状態を付与可能とする機能である。なお、確変状態が付与されていない状態を非確変状態というものとする。また、前記低確率および高確率は一例であって、これに限られるものではない。実施例では、確変状態が付与される場合には、大当り遊技終了後、所定回数の図柄組合せ演出(特図変動表示)が実行されるまでの間継続して確変状態が付与される。実施例では、大当り遊技終了後、120回の図柄組合せ演出(特図変動表示)が実行されるまでの間継続して確変状態が付与されるよう設定してある。なお、確変状態が付与される期間(以下、確変状態が継続する図柄組合せ演出の変動回数を確変回数という)としては、上記のものに限られない。例えば、確変状態が付与されてから所定条件を満たすまでの間継続して確変状態を付与し、当該所定条件を満たすことを条件に非確変状態に移行させるようにすることもでき、また次回の大当り遊技が生起されるまでの間継続して確変状態が付与されるようにすることもできる。
ここで、後述するように大当り遊技の終了後に確変状態が付与される場合は、メイン制御RAM60cの記憶領域に設定された確変フラグに「1」が設定されると共に、確変状態が付与されない場合は該確変フラグは「0」に設定される。また、前記確変回数は、メイン制御RAM60cの記憶領域に設定された確変回数カウンタに設定され、該カウンタの値は、図柄組合せ演出毎(図柄組合せ演出の終了時)に1減算され、「0」になった場合は確変フラグが「0」に設定されるようになっている。
(変短状態について)
また、実施例のパチンコ機10は、大当り遊技終了後に遊技者に有利な遊技状態として第2特典遊技状態(第2の遊技状態)を付与する機能を備えている。ここで、第2特典遊技状態としては、前記第2始動入賞口32へのパチンコ球の入賞契機が、当該第2特典遊技状態が付与されていない状態(第1の遊技状態)と較べて増加する入賞率向上状態である。具体的には、第2特典遊技状態では、(1)普図変動表示の変動時間の短縮、(2)普図当り確率を低確率から高確率に変動、(3)普図当り1回についての第2始動入賞口32を開放する開閉部材34の開放時間を増やすこと、により第2始動入賞口32へのパチンコ球の入賞契機を増加することができる。なお、第2特典遊技状態では、上記(1)〜(3)を単独または複数を組み合わせることができる。なお普図当り1回についての第2始動入賞口32を開放する開閉部材34の開放時間を増やすに際しては、開閉部材34の開放時間を単純に延長することで実現してもよく、また開閉部材34の開放回数を増やすことで実現することもでき、またこれらを複合させてもよい。なお、実施例では、第2特典遊技状態を変短状態と指称するものとし、実施例の変短状態は上記(1)〜(3)を組み合わせるよう設定されている。また、変短状態が付与されていない状態を非変短状態というものとする。すなわち、変短状態は、第2始動入賞口32へのパチンコ球の入賞率が向上した入賞率向上状態である。
すなわち、実施例では、非変短状態において普図表示部55で行われる普図変動表示の変動時間が6000msに設定され、変短状態において普図表示部55で行われる普図変動表示の変動時間が非変短状態よりも短い520msに設定されており、変短状態の付与に伴い普図表示部55で行われる普図変動表示の変動時間が短縮されるようになっている。また、非変短状態における普図当り判定の当選確率が低確率(実施例では、16384/65536)に設定されると共に、変短状態における普図当り判定の当選確率が高確率(実施例では、65535/65536)に設定されており、変短状態の付与に伴い普図当り判定の当選確率が低確率から高確率に変動するようになっている。なお、実施例において、普図が確定停止表示されてから次回の普図変動が行われるまでの間(普図変動インターバル)は、500msに設定されている。また、変短状態が付与された状態では、変短状態が付与されていない状態とは異なる動作パターンで開閉部材34が開閉動作されるようになっている。具体的には、変短状態が付与されていない状態では、普図変動表示で当選した場合(普図当りの場合)に、第2始動入賞口32の開閉部材34が開放してから所定時間(実施例では396ms)が経過するまで開放状態を維持する開放動作を1回行う。一方で、変短状態が付与されている状態では、普図変動表示に当選した場合(普図当りの場合)に、第2始動入賞口32の開閉部材34は開放してから所定時間(実施例では448ms)が経過するまで開放状態を維持する開放動作を6回行うようになっている。すなわち、変短状態が付与されている状態では、変短状態が付与されていない状態と比較して、第2始動入賞口32の開閉部材34の合計開放時間が長く、遊技者にとって有利に動作するように設定されている。なお、1回の普図当りにおいて第2始動入賞口32への入賞を許容する入賞上限数(実施例では5個)が設定されており、前記開閉部材34を開放してからの入賞数が入賞上限個数(閉鎖条件)に達することで、開閉部材34を閉鎖させるようになっている。
実施例のパチンコ機10では、前記確変状態が付与される場合と付与されない場合とに応じて、変短状態を付与する場合における変動回数(以下、変短回数という)を前記メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)が決定するよう構成されている。実施例では、図4に示す如く、大当り遊技の終了後に付与する変短状態の変短回数として、100回(第1の変短回数)および120回(第2の変短回数)が設定されている。そして、メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)は、後述する第1〜4の大当り遊技における前記特定ラウンドにおいて前記特定領域入球検出センサSE6がパチンコ球を検出して大当り遊技の終了後に確変状態を付与することを決定した場合と、該特定ラウンドにおいて特定領域入球検出センサSE6がパチンコ球を検出しないことで大当り遊技の終了後に確変状態を付与することを決定しない場合とに応じて変短回数を100回と120回の2種類の内から1つを決定するよう構成されている。
具体的には、メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)は、変短状態が付与される変短回数として、特定ラウンドにおいて特定領域入球検出センサSE6がパチンコ球を検出した場合(大当り遊技の終了後に確変状態を付与する場合)には120回を決定し、特定ラウンドにおいて特定領域入球検出センサSE6がパチンコ球を検出しない場合(大当り遊技の終了後に確変状態を付与しない場合)には100回を決定する。すなわち、変短状態の付与条件は、確変状態の有無によって定められる。なお、変短回数は上記の数に限定されるものではない。また、変短回数については、大当り図柄(特図1および特図2)の種類によって異ならせることもできる。
ここで、後述するように大当り遊技の終了後に変短状態が付与される場合は、メイン制御RAM60cの記憶領域に設定された変短フラグに「1」が設定されると共に、変短状態が付与されない場合は該変短フラグは「0」に設定される。また、前記変短回数は、メイン制御RAM60cの記憶領域に設定された変短回数カウンタに設定され、該カウンタの値は、図柄組合せ演出毎(図柄組合せ演出の終了時)に1減算され、「0」になった場合は変短フラグが「0」に設定されるようになっている。
実施例では、メイン制御CPU60aは、大当り遊技の特定ラウンド中における前記特定領域入球検出センサSE6がパチンコ球を検出した場合は、入賞率向上状態(変短状態)を付与する期間(変短回数)として第1の変短回数を付与することを決定し、該特定ラウンド中における特定領域入球検出センサSE6がパチンコ球を検出しない場合は、入賞率向上状態(変短状態)を付与する期間(変短回数)として前記第1の変短回数とは異なる第2の変短回数を付与することを決定する特典付与決定手段としての機能を有している。
(大当り遊技について)
次に、実施例のパチンコ機10で付与される大当り遊技について説明する。大当り遊技は、特図変動表示の結果として第1特図表示部50Aまたは第2特図表示部50Bに大当り図柄が確定停止表示された後に開始されるよう設定されており、当選した大当り遊技(大当り図柄)の種類に応じて第1特別入賞装置36の第1開閉部材39または第2特別入賞装置40の第2開閉部材43が開閉動作されるラウンドが異なるよう設定される。なお実施例の大当り遊技では、特別入賞装置36,40の開閉部材39,43を開放するラウンド遊技を規定ラウンド数(例えば4回、14回、16回等)だけ実行することで、大当り遊技が終了するようになっている。1回のラウンド遊技は、特別入賞口37,41に規定個数(例えば9個)のパチンコ球が入賞するか、あるいは各ラウンド遊技の開始から規定時間(ラウンド遊技時間)が経過することで終了する。なお、大当り遊技における各ラウンド遊技の間は、所定時間だけ開閉部材39,43が閉鎖状態で保持されるラウンド間インターバル時間が設定されている。
ここで、前記大当り遊技の各ラウンドにおける第1特別入賞装置36の第1開閉部材39および第2特別入賞装置40の第2開閉部材43の開放態様(開放パターン)には、パチンコ球を所定間隔で連続的に発射した条件において、1回の開放動作(開放してから閉鎖するまでの動作)においてラウンドに定められた規定個数(例えば9個)のパチンコ球が入賞可能な時間だけ開放を継続する長時間開放動作(長時間開放)と、該長時間開放動作よりも開閉部材39,43の開放時間が短く設定された短時間開放動作(短時間開放)とを適宜に組み合わせて構成されている。なお、実施例では、長時間開放動作において開閉部材39,43が最大で25.00秒間開放するよう設定されると共に、短時間開放動作において開閉部材39,43は最大で0.04秒間開放するよう設定される。すなわち、開閉部材39,43の短時間開放動作では、パチンコ球の入賞が極めて難しく、特別入賞口37,41への入賞を殆ど期待し得ない動作時間に設定されている。
(大当り遊技の種類について)
実施例のパチンコ機10では、図4に示すように、大当り判定に当選した場合に、遊技者に与える価値が異なる複数種類の大当り遊技の中から1つの大当り遊技が決定され、その決定された大当り遊技が付与される。ここで、複数種類の大当り遊技の内で何れの大当り遊技が付与されるかは、大当り判定に当選した際に決定される大当り図柄(特図1および特図2)の種類に基づいて決定されるようになっている。実施例において第1特図表示部50Aに表示可能な100種類の大当り図柄としての特図1は、図柄A、図柄Bの2つのグループに分類されており、第1特図表示部50Aに確定停止表示された大当り図柄としての特図1に応じた大当り遊技が付与されるようになっている。同様に、実施例において第2特図表示部50Bに表示可能な100種類の大当り図柄としての特図2は、図柄a、図柄bの2つのグループに分類されており、第2特図表示部50Bに確定停止表示された大当り図柄としての特図2に応じた大当り遊技が付与される。そして、実施例では、図柄Aには、70種類の特図1が振り分けられており、図柄Bには、30種類の特図1が振り分けられている。同様に、図柄aには、70種類の特図2が振り分けられており、図柄bには、30種類の特図2が振り分けられている。なお、大当り遊技の種類は、これに限られるものではなく、適宜に設定可能である。
実施例のパチンコ機10では、大当り遊技として第1〜第4の大当り遊技の4種類が設定されており、各大当り遊技において、最終ラウンドより前に設定された特定ラウンドで前記第2特別入賞装置40の第2開閉部材43を所定の開放パターンで動作すると共に、該特定ラウンド以外のラウンドでは前記第1特別入賞装置36の第1開閉部材39を所定の開放パターンで動作するよう構成される。そして、特定ラウンドにおいて第2開閉部材43が所定の開放パターンで動作することで、第2特別入賞装置40に設けた特定領域へのパチンコ球の入球を可能とし得るようになっている。各大当り遊技における特定ラウンドでの第2開閉部材43の具体的な開放パターンについては、各大当り遊技を個別に説明する際に併せて詳述するが、大当り遊技の種類(図柄の種類)に応じて、第2開閉部材43の開放パターンを変更することで、前記特定領域入球検出センサSE6によるパチンコ球の検出確率を変更して、確変状態の付与確率が変更されるように構成されている。実施例では、第1の大当り遊技(図柄A)、第3の大当り遊技(図柄a)および第4の大当り遊技(図柄b)では、特定ラウンドにおいて第2開閉部材43が前記長時間開放動作する開放パターンに設定されるのに対し、第2の大当り遊技(図柄B)では、特定ラウンドにおいて第2開閉部材43が前記短時間開放動作する開放パターンに設定されている。すなわち、第1の大当り遊技(図柄A)、第3の大当り遊技(図柄a)および第4の大当り遊技(図柄b)は、第2の大当り遊技(図柄B)に比べて確変状態が付与される確率が高い第1種の大当り遊技として設定され、第2の大当り遊技(図柄B)が第1種の大当り遊技に比べて確変状態が付与される確率が低い第2種の大当り遊技として設定されている。
(第1の大当り遊技について)
前記図柄Aに対応した第1の大当り遊技は、当該第1の大当り遊技をメイン制御CPU60aが決定した際に、前記第2特別入賞装置40の第2開閉部材43を長時間開放動作させる大当り遊技として設定される。すなわち、第1の大当り遊技は、大当り遊技の終了後に高確率で確変状態が付与され得る大当り遊技として設定されている。また、図柄A(第1の大当り遊技)が決定された場合に付与される可能性のある変短状態の付与期間(変短回数)は、特定ラウンドにおいて前記特定領域入球検出センサSE6がパチンコ球を検出して確変状態を付与することを決定した場合には120回の変短状態が付与されるのに対し、特定ラウンドにおいて特定領域入球検出センサSE6がパチンコ球を検出しないことを条件に確変状態を付与することを決定しない場合には100回の変短状態が付与されるように設定されている。
前記第1の大当り遊技は、規定ラウンド数が「14回」に設定された大当り遊技であって、各ラウンドの入賞上限個数が「9個」に設定されている。また第1の大当り遊技では、1回目から3回目までのラウンド、および5回目から7回目までのラウンドでは、前記第1特別入賞装置36の第1開閉部材39が長時間開放動作し、4回目のラウンドでは、第2特別入賞装置40の第2開閉部材43が長時間開放動作するよう設定される。また、8回目から14回目までのラウンドでは、前記第1特別入賞装置36の第1開閉部材39が短時間開放動作するよう設定される。すなわち、第1の大当り遊技では、4回目のラウンドが特定ラウンドに設定されている。
ここで、第1の大当り遊技では、1回目〜7回目までのラウンドでの1回のラウンド時間として「25.00(秒)」が設定されており、1回目〜7回目の各ラウンドにおいて前記第1開閉部材39または第2開閉部材43が最大で「25.00(秒)」の長時間に亘って開放動作(長時間開放動作)するように設定されている。これに対し、8回目〜14回目までのラウンドでの1回のラウンド時間として「0.04(秒)」が設定されており、8回目〜14回目の各ラウンドにおいて前記第1開閉部材39が最大で「0.04(秒)」の短時間に亘って開放動作(短時間開放動作)するように設定されている。
(第2の大当り遊技について)
前記図柄Bに対応した第2の大当り遊技は、当該第2の大当り遊技をメイン制御CPU60aが決定した際に、前記第2特別入賞装置40の第2開閉部材43を短時間開放動作させる大当り遊技として設定される。すなわち、第2の大当り遊技は、大当り遊技の終了後に確変状態が極めて付与され難い大当り遊技として設定されている。また、図柄B(第2の大当り遊技)が決定された場合に付与される可能性のある変短状態の付与期間は、前記第1の大当り遊技の場合と同じであって、特定ラウンドにおいて前記特定領域入球検出センサSE6がパチンコ球を検出して確変状態が付与されることが決定された場合には120回の変短状態が付与されるのに対し、該特定ラウンドにおいて特定領域入球検出センサSE6がパチンコ球を検出しなかったことにより確変状態が付与されないことが決定された場合には100回の変短状態が付与されるように設定されている。
前記第2の大当り遊技は、規定ラウンド数が「14回」に設定された大当り遊技であって、各ラウンドの入賞上限個数が「9個」に設定されている。また第2の大当り遊技では、1回目から3回目までのラウンド、および5回目から8回目までのラウンドでは、前記第1特別入賞装置36の第1開閉部材39が長時間開放動作し、4回目のラウンドでは、第2特別入賞装置40の第2開閉部材43が短時間開放動作するよう設定される。また、9回目から14回目までのラウンドでは、前記第1特別入賞装置36の第1開閉部材39が短時間開放動作するよう設定される。すなわち、第2の大当り遊技では、4回目のラウンドが特定ラウンドに設定されている。
ここで、第2の大当り遊技では、1回目〜3回目および5回目〜8回目までのラウンドでの1回のラウンド時間として「25.00(秒)」が設定されており、1回目〜3回目および5回目〜8回目の各ラウンドにおいて前記第1開閉部材39が最大で「25.00(秒)」の長時間に亘って開放動作(長時間開放動作)するように設定されている。これに対し、4回目および9回目〜14回目までのラウンドでの1回のラウンド時間として「0.04(秒)」が設定されており、4回目および9回目〜14回目の各ラウンドにおいて前記第1開閉部材39または第2開閉部材43が最大で「0.04(秒)」の短時間に亘って開放動作(短時間開放動作)するように設定されている。
(第3の大当り遊技について)
前記図柄aに対応した第3の大当り遊技は、当該第3の大当り遊技をメイン制御CPU60aが決定した際に、前記第2特別入賞装置40の第2開閉部材43を長時間開放動作させる大当り遊技として設定される。すなわち、第3の大当り遊技は、大当り遊技の終了後に高確率で確変状態が付与され得る大当り遊技として設定されている。また、図柄a(第3の大当り遊技)が決定された場合に付与される可能性のある変短状態の付与期間(変短回数)は、前記第1の大当り遊技の場合と同じであって、特定ラウンドにおいて前記特定領域入球検出センサSE6がパチンコ球を検出して確変状態を付与することを決定した場合には120回の変短状態が付与されるのに対し、特定ラウンドにおいて特定領域入球検出センサSE6がパチンコ球を検出しないことを条件に確変状態を付与することを決定しない場合には100回の変短状態が付与されるように設定されている。
前記第3の大当り遊技は、規定ラウンド数が「16回」に設定された大当り遊技であって、各ラウンドの入賞上限個数が「9個」に設定されている。また第3の大当り遊技では、1回目から3回目までのラウンド、および5回目から16回目までのラウンドでは、前記第1特別入賞装置36の第1開閉部材39が長時間開放動作し、4回目のラウンドでは、第2特別入賞装置40の第2開閉部材43が長時間開放動作するよう設定される。すなわち、第3の大当り遊技では、4回目のラウンドが特定ラウンドに設定されている。また、第3の大当り遊技では、全てのラウンドでの1回のラウンド時間として「25.00(秒)」が設定されており、各ラウンドにおいて前記第1開閉部材39または第2開閉部材43が最大で「25.00(秒)」の長時間に亘って開放動作(長時間開放動作)するように設定されている。
(第4の大当り遊技について)
前記図柄bに対応した第4の大当り遊技は、当該第4の大当り遊技をメイン制御CPU60aが決定した際に、前記第2特別入賞装置40の第2開閉部材43を長時間開放動作させる大当り遊技として設定される。すなわち、第4の大当り遊技は、大当り遊技の終了後に高確率で確変状態が付与され得る大当り遊技として設定されている。また、図柄b(第4の大当り遊技)が決定された場合に付与される可能性のある変短状態の付与期間(変短回数)は、前記第1の大当り遊技の場合と同じであって、特定ラウンドにおいて前記特定領域入球検出センサSE6がパチンコ球を検出して確変状態を付与することを決定した場合には120回の変短状態が付与されるのに対し、特定ラウンドにおいて特定領域入球検出センサSE6がパチンコ球を検出しないことを条件に確変状態を付与することを決定しない場合には100回の変短状態が付与されるように設定されている。
前記第4の大当り遊技は、規定ラウンド数が「4回」に設定された大当り遊技であって、各ラウンドの入賞上限個数が「9個」に設定されている。また第4の大当り遊技では、1回目から3回目までのラウンドでは、前記第1特別入賞装置36の第1開閉部材39が長時間開放動作し、4回目のラウンドでは、第2特別入賞装置40の第2開閉部材43が長時間開放動作するよう設定される。すなわち、第4の大当り遊技では、4回目のラウンド(最終ラウンド)が特定ラウンドに設定されている。また、第4の大当り遊技では、全てのラウンドでの1回のラウンド時間として「25.00(秒)」が設定されており、各ラウンドにおいて前記第1開閉部材39または第2開閉部材43が最大で「25.00(秒)」の長時間に亘って開放動作(長時間開放動作)するように設定されている。
ここで、前記第1の大当り遊技および第2の大当り遊技の規定ラウンド数は同一に設定されているので、大当り判定に当選した場合に前記ラウンド表示部57に規定ラウンド数を表示しても、当選した大当り遊技が、確変状態が付与され易い第1の大当り遊技であるか、確変状態が付与され難い第2の大当り遊技であるのかを遊技者が区別できないよう構成されている。また、第3の大当り遊技と第4の大当り遊技とでは規定ラウンド数は異なるものの、1ラウンド目から4ラウンド目までの第1開閉部材39および第2開閉部材43の開放動作態様が同一に設定されているので、4ラウンド目が終了するまでは第3の大当り遊技または第4の大当り遊技の何れに当選したのか認識することは難しくなっている。そこで、当該4ラウンド目の大当り遊技中に、当選した大当り遊技が、規定ラウンド数が16回の第3の大当り遊技(遊技者にとってより有利な大当り遊技)であることを報知する昇格演出を行うことで、遊技の興趣を向上することができる。
(演出モードについて)
実施例のパチンコ機10は、後述するRTC82の計時値に基づく時間条件によってモード移行する特定演出モードTMと、該RTC82の計時値に基づかない時間以外の条件によってモード移行する複数種類の通常演出モードM1,M2,M3,M4とを備えている(図5参照)。ここで、演出モードは、その時点での遊技状態が確変状態であるか否かを遊技者に示唆または報知すると共に、変短状態であるか否かを遊技者に示唆または報知する遊技状態示唆画像を第1表示装置17や第2表示装置80,81に表示させて遊技演出を行うようになっている。そして、実施例のパチンコ機10では、時間やその他の所定のモード移行条件が成立することで、後述する統括制御CPU65aの制御下に演出モードが変更され得るようになっている。またパチンコ機10では、演出モードTM,M1,M2,M3,M4が変更されると、後述する統括制御RAM65cの記憶領域に対応する演出フラグが設定されて、統括制御CPU65aは、現在の演出モードTM,M1,M2,M3,M4を認識し得るようになっている。なお、パチンコ機10に設定された演出モードTM,M1,M2,M3,M4に基づいて遊技を行っている状態を、演出モードに滞在しているという場合もある。
実施例に係るパチンコ機10では、図5に示す如く、通常演出モードとして、確変状態および変短状態が付与されておらず、遊技状態が同じ(通常遊技状態=非確変・非変短遊技状態)である複数(実施例では2種類)の通常滞在演出モードM1,M2と、確変状態および変短状態が付与されている遊技状態となる確変滞在演出モードM3と、変短状態のみが付与されている遊技状態となる変短滞在演出モードM4とが設定されている。すなわち、通常滞在演出モードとしての第1通常滞在演出モードM1および第2通常滞在演出モードM2は、遊技中における大当り確率や第2始動入賞口32へのパチンコ球の入賞率等の遊技条件(遊技状態)が同じ場合に統括制御CPU65aが決定可能な演出モードであり、確変滞在演出モードM3および変短滞在演出モードM4は、遊技中における大当り確率等の遊技条件(遊技状態)が通常滞在演出モードM1,M2とは異なる場合に統括制御CPU65aが決定可能な演出モードである。すなわち、実施例では確変滞在演出モードM3および変短滞在演出モードM4が、特別滞在演出モードとして設定されている。また、前記特定演出モードTMは、後述する時間条件(モード移行実行時間K1)によって移行(統括制御CPU65aが決定可能な)する演出モードであって、該特定演出モードTMにおける遊技状態で、当該特定演出モードTMに移行する直前の通常演出モードにおける遊技状態に依存するよう構成されている。
前記第1表示装置17や第2表示装置80,81には、特定演出モードTMや各通常演出モードM1,M2,M3,M4に対応した内容の異なる遊技状態示唆画像が表示されるようになっている。具体的には、第1表示装置17の飾図の背面に映し出される背景表示が演出モード毎に異なるように設定されており、背景表示の種類から現在(遊技中)の演出モードを遊技者が認識し得るようになっている。また、第2表示装置80,81に映し出される演出も演出モード毎に異なるように設定されており、第2表示装置80,81に表示されている演出の種類からも現在の演出モードを遊技者が認識し得るようになっている。更に、各演出モードでは、第1表示装置17で行われる図柄組合せ演出の演出内容の一部または全部が異なっており、演出モード毎に特有の演出が実行され得るよう設定されている。なお、演出モードとして、確変状態が付与されているか否かを第1表示装置17や第2表示装置80,81の表示からは遊技者が認識できない潜伏モードや、変短状態が付与されているか否かを第1表示装置17や第2表示装置80,81の表示からは遊技者が認識できない潜伏変短モード等を設定してもよい。
ここで、前記通常演出モードM1,M2,M3,M4のモード移行条件として、実施例では大当りの発生および大当り遊技後の図柄変動(第1または第2特図変動表示)の変動回数(実施例では100回または120回)が設定されている。具体的には、大当りの発生によって通常滞在演出モードM1,M2から確変滞在演出モードM3または変短滞在演出モードM4に移行し、大当り遊技後の変動回数によって確変滞在演出モードM3または変短滞在演出モードM4から通常滞在演出モードM1,M2に移行する。また、通常滞在演出モードM1,M2間のモード移行条件としては、確変状態および変短状態が付与されていな通常遊技状態での図柄変動の変動回数や、特定の特図変動パターンの決定(ボタン操作は不要)、または特定の特図変動パターンが決定された際に実行されるモード移行演出でのボタン操作、あるいは当り遊技の前後で遊技状態が変化しない小当りや当り遊技後に確変状態が付与されるものの当り遊技中の特別入賞口37,41の開放時間が短時間で入賞がほとんど期待できない突然確変大当り等の特定当りの決定(ボタン操作は不要)等が挙げられるが、その他の条件を適宜に設定し得る。
(パチンコ機の制御構成について)
次に、パチンコ機10の制御構成について説明する。実施例のパチンコ機10には、図3に示す如く、パチンコ機10を全体的に制御する制御手段としてのメイン制御基板(メイン制御手段)60と、該メイン制御基板60からの制御信号に基づいて各制御対象を制御する制御手段としてのサブ制御基板(サブ制御手段)65,70とが設けられている。すなわち、メイン制御基板60では、パチンコ機10に備えられた各種検出センサ(検出手段)からの検出信号に基づいて各種処理が実行され、その処理結果に応じた各種の制御信号(制御コマンド)がサブ制御基板65,70に出力されるようになっている。
また、実施例のパチンコ機10には、サブ制御基板として、遊技演出を全体的に制御する統括制御基板65と、第1表示装置17および第2表示装置80,81での表示内容を制御する表示制御基板70と、パチンコ機10が備える各種発光演出手段(ランプ装置18等)の発光制御を行うランプ制御基板72と、パチンコ機10が備えるスピーカ19の音出力制御を行う音制御基板73とを備えている。すなわち、メイン制御基板60が出力した制御信号(制御コマンド)に基づいて、前記統括制御基板65が表示制御基板70、ランプ制御基板72および音制御基板73を制御するよう構成されており、パチンコ機10で実行される各種遊技演出(図柄組合せ演出や発光演出、音声演出)を統括的にコントロールし得るようになっている。ここで、表示制御基板70は、統括制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づいて、第1表示装置17に表示される図柄(飾図)や背景画像等の図柄組合せ演出の表示内容を制御すると共に、第2表示装置80,81に表示される演出の表示内容を制御するよう構成される。また、ランプ制御基板72は、統括制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づいて、パチンコ機10が備える各種発光演出手段の点灯・消灯のタイミングや、発光強度等を制御するものである。そして、音制御基板73は、統括制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づき、パチンコ機10が備えるスピーカ19からの音演出の出力タイミングや出力内容等を制御するものである。
(メイン制御基板60について)
前記メイン制御基板60は、図3に示に示す如く、制御処理を実行するメイン制御CPU60a、該メイン制御CPU60aが実行する制御プログラムを記憶するメイン制御ROM60b、当該メイン制御CPU60aの処理に必要なデータの書込み・読出しが可能なメイン制御RAM60c等が備えられている。そして、前記始動入賞検出センサSE1,SE2、特別入賞検出センサSE3,SE4、普通入賞検出センサSE5、特定領域入球検出センサSE6、ゲートセンサSE7等の各種センサが前記メイン制御CPU60aに接続されている。また、メイン制御CPU60aには、遊技情報表示部Mの各表示部(第1および第2特図表示部50A,50B、第1および第2特図保留表示部52,53、普図表示部55、普図保留表示部56、ラウンド表示部57等)が接続されて、各検出センサSE1〜SE7の検出を契機としてメイン制御CPU60aで実行された制御処理に基づいて、遊技情報表示部Mの各表示部50A,50B,52,53,55,56,57の表示制御が実行されるようになっている。また、メイン制御CPU60aには、前記第2始動入賞口32を開閉する開閉部材34に連繋する始動入賞ソレノイド33、第1特別入賞口37を開閉する第1開閉部材39に連繋する第1特別入賞ソレノイド38および第2特別入賞口41を開閉する第2開閉部材43に連繋する第2特別入賞ソレノイド42が接続されており、該メイン制御CPU60aでの制御処理結果に基づいて各ソレノイド33,38,42を駆動させることで、対応する開閉部材34,39,43が開閉するようになっている。そして、メイン制御CPU60aは、大当り遊技の種類に応じた開閉態様で開閉部材39,43が開閉するよう前記特別入賞ソレノイド38,42を駆動制御するよう構成される。
メイン制御CPU60aは、第1,第2始動入賞口31,32へパチンコ球が入賞したこと(より具体的には第1,第2始動入賞検出センサSE1,SE2がパチンコ球を検出したこと)を契機として入賞情報としての各種乱数を取得するよう設定されている。ここで、メイン制御CPU60aが始動入賞検出センサSE1,SE2の検出を契機として取得する乱数としては、特図当り判定用乱数、特図決定用乱数、演出実行判定用乱数(リーチ判定用乱数)、特図変動パターン振分用乱数等の各種乱数が設定されている。そして、メイン制御CPU60aがこれらの乱数値を所定の周期(実施例では4ms)で更新し、更新後の乱数値をメイン制御RAM60cに一時的に記憶して更新前の値を書き換えることにより、第1,第2始動入賞検出センサSE1,SE2の検出信号がメイン制御CPU60aに入力されたタイミングに応じて乱数が取得されるようになっている。また、メイン制御CPU60aは、時間を計測するタイマ更新処理を実行する。メイン制御RAM60cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)されるようになっている。
また、前記第1,第2始動入賞口31,32にパチンコ球が入賞した際に取得される入賞情報(各種乱数値)は、特図始動保留情報としてメイン制御RAM60cの所定の始動保留領域(記憶領域)にメイン制御CPU60aが一時的に記憶保持させるよう構成されている。特図始動保留情報は、メイン制御RAM60cに記憶する順序で記憶する始動保留領域が定まっており、各特図始動保留情報に基づいて図柄組合せ演出(特図変動表示)を実行する場合に、特図始動保留情報をメイン制御RAM60cに記憶した順序でメイン制御CPU60aにより読み出されるようになっている。なお、以下の説明では、第1始動入賞口31にパチンコ球が入賞した際に取得される入賞情報(各種乱数値)に基づく特図始動保留情報を第1特図始動保留情報と指称し、第2始動入賞口32にパチンコ球が入賞した際に取得される入賞情報(各種乱数値)に基づく特図始動保留情報を第2特図始動保留情報と指称して区別する場合もある。
具体的に、メイン制御RAM60cには、第1始動保留情報を記憶可能な第1始動保留領域と、第2始動保留情報を記憶可能な第2始動保留領域とが設けられており、第1始動入賞検出センサSE1の検出を契機に取得される入賞情報(各種乱数値)が第1始動保留領域に記憶され、第2始動入賞検出センサSE2の何れかの検出を契機に取得される入賞情報(各種乱数値)が第2始動保留領域に記憶されるようになっている。また、第1始動保留領域および第2始動保留領域は、第1領域〜第4領域の4つの記憶領域から構成されており、始動入賞検出センサSE1,SE2の1回の検出を契機に取得される入賞情報(各種乱数値)が第1領域〜第4領域に順に記憶されると共に、特図当り判定(特図変動表示)を実行する場合に、メイン制御RAM60cに記憶した順序で特図始動保留情報がメイン制御CPU60aにより読み出されるようになっている。すなわち、最大で8個の始動保留情報(すなわち4個の第1始動保留情報および4個の第2始動保留情報)をメイン制御RAM60cに記憶させ得るよう構成されており、当該メイン制御RAM60cが記憶する最大で8個の第1および第2特図始動保留情報の内で最も古い情報から順に、メイン制御CPU60aが特図始動保留情報を読み出すよう設定されている。ここで、以下の説明では、第1,第2始動入賞検出センサSE1,SE2の検出を契機として入賞情報を取得した時点でメイン制御CPU60aによりメイン制御RAM60cに記憶された始動保留情報を入賞時始動保留情報と指称し、特図当り判定(特図変動表示)を実行する際にメイン制御RAM60cからメイン制御CPU60aにより読み出された始動保留情報を変動開始時始動保留情報と指称する場合がある。
前記特図当り判定用乱数は、図柄組合せ演出の結果として当り遊技(大当り遊技)を発生するか否かの特図当り判定(大当り判定)で用いる乱数である。実施例では、特図当り判定用乱数として、「0」〜「65535」の全65536通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。また、特図決定用乱数は、特図当り判定の結果に応じて第1特図表示部50Aに確定停止表示させる特図1または第2特図表示部50Bに確定停止表示させる特図2を決定する際に用いる乱数である。ここで、実施例では、特図決定用乱数として、「0」〜「199」の全200通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。特図決定用乱数の各値には、前述したはずれを示す1種類の特図に対応する乱数と、大当りの当選を示す200種類の特図に対応する乱数とが設定されており、該特図決定用乱数の値により、第1特図表示部50Aに確定停止表示される特図1または第2特図表示部50Bに確定停止表示される特図2が特定されるようになっている。すなわち、第1始動入賞検出センサSE1の検出を契機として取得される特図決定用乱数の値により、第1特図表示部50Aに確定停止表示される特図1が特定され、第2始動入賞検出センサSE2の検出を契機として取得される特図決定用乱数の値により、第2特図表示部50Bに確定停止表示される特図2が特定される。また、前述したように、前記大当り図柄としての特図1および特図2は、大当り遊技の種類毎に分類されており、特図1または特図2が特定されることで、図柄組合せ演出の終了後に付与される大当り遊技の種類が特定されるようになっている。すなわち、特図決定用乱数が当り遊技(大当り遊技)の種類を決定する乱数としての機能を有している。
また、演出実行判定用乱数は、前述した特図当り判定における判定結果が否定となった場合に(大当り遊技に当選しなかったはずれの場合に)、当り表示が表示される可能性を示唆する演出を行うか否かの演出実行判定(リーチ判定)で用いられる乱数である。実施例では、演出実行判定用乱数として、「0」〜「238」の全239通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。ここで、当り表示が表示される可能性を示唆する演出としては、第1表示装置17に図柄変動の過程で表示されるリーチ表示を契機として行われるリーチ演出や、1回の図柄組合せ演出において各図柄列26a,26b,26cの飾図を複数回連続的に仮停止させる擬似連続予告演出や、飾図の変動開始から変動停止までを1回とした変動サイクルを複数回連続して実行可能とする連続予告演出(先読み予告演出)や、第1表示装置17や第2表示装置80,81に当り表示される可能性を示唆する予告演出や、ランプ装置18の光やスピーカ19から出力される音演出により第1表示装置17や第2表示装置80,81に当り表示が表示される可能性を遊技者に示唆する予告演出を含むものである。
前記特図変動パターン振分用乱数は、図柄組合せ演出における演出時間を特定する複数の特図変動パターンから1つの特図変動パターンを決定する際に用いられる乱数である。実施例では、特図変動パターン振分用乱数として、「0」〜「250」の全251通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。
実施例のパチンコ機10では、特図当り判定用乱数、特図決定用乱数、演出実行判定用乱数、特図変動パターン振分用乱数等の各種乱数値は、第1,第2始動入賞口31,32へパチンコ球が入賞したこと(より具体的には第1,第2始動入賞検出センサSE1,SE2の何れかがパチンコ球を検出したこと)を契機として、メイン制御RAM60cに一時的に記憶されている各乱数を同じタイミングで前記メイン制御CPU60aが取得するようになっている。ここで、第1始動入賞口31へパチンコ球が入賞したことを契機に取得される各乱数は、第2始動入賞口32へパチンコ球が入賞したことを契機に取得される各乱数と同一のものが共通で使用され、各始動入賞口31,32への入賞タイミングに応じた乱数を前記メイン制御CPU60aが取得するようになっている。
また、メイン制御CPU60aは、ゲート部48をパチンコ球が通過したこと(より具体的にはゲートセンサSE7がパチンコ球を検出したこと)を契機として通過検出情報としての各種乱数を取得するよう設定されている。ここで、メイン制御CPU60aがゲートセンサSE7の検出を契機に取得する乱数としては、普図当り判定用乱数、普図変動パターン決定用乱数等の各種乱数が設定されている。そして、メイン制御CPU60aがこれらの乱数値を所定の周期(実施例では4ms)で更新し、更新後の乱数値をメイン制御RAM60cに一時的に記憶して更新前の値を書き換えることにより、ゲートセンサSE7の検出信号がメイン制御CPU60aに入力されたタイミングに応じて乱数が取得されるようになっている。また、メイン制御CPU60aは、時間を計測するタイマ更新処理を実行する。メイン制御RAM60cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)されるようになっている。
また、前記ゲートセンサSE7をパチンコ球が通過した際に取得される通過検出情報(各種乱数値)は、普図始動保留情報としてメイン制御RAM60cの所定の普図記憶領域(記憶領域)に一時的に記憶保持されるよう構成されている。普図始動保留情報は、メイン制御RAM60cに記憶する順序で記憶する普図記憶領域が定まっており、普図始動保留情報に基づいて普図変動表示を実行する場合に、メイン制御RAM60cに記憶した順序で普図始動保留情報がメイン制御CPU60aにより読み出されるようになっている。
普図当り判定用乱数は、普図変動の結果として第2始動入賞口32の開放(普図当り)を発生させるか否かの普図当り判定で用いられる乱数である。実施例では、普図当り判定用乱数として、「0」〜「65535」の全65536通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。前記普図変動パターン振分用乱数は、普図変動表示における普図変動の変動時間を定めた普図変動パターンの決定に用いる乱数である。実施例では、普図変動パターン振分用乱数として、「0」〜「8」の全9通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。そして、ゲート部48をパチンコ球が通過したこと(より具体的にはゲートセンサSE7がパチンコ球を検出したこと)を契機として、メイン制御RAM60cに一時的に記憶されている通過検出情報(普図当り判定用乱数および普図変動パターン振分用乱数等)を同じタイミングで前記メイン制御CPU60aが取得するようになっている。
(判定値について)
一方、メイン制御ROM60bには、図柄組合せ演出の結果、大当り遊技を発生させることを示す大当り判定値が記憶されている。大当り判定値は、前記特図当り判定用乱数を用いて大当り遊技を発生させるか否かの判定(特図当り判定)で用いる判定値であり、特図当り判定用乱数の取り得る「0」〜「65535」までの全65536通りの整数の中から所定数の判定値が定められている。ここで、大当り判定値は、特図当り判定を行う時点で前述した確変状態が付与されているか否かで判定値の設定数が異なっている。具体的には、確変状態のときに設定される大当り判定値の数(実施例では1700個)は、非確変状態の場合に設定される大当り判定値の数(実施例では170個)よりも多く設定されている。すなわち、確変状態における大当り判定値の設定数を多くすることで、大当り遊技が発生し易くなっている。
また、メイン制御ROM60bには、特図決定用判定値が記憶されている。特図決定用判定値は、特図当り判定の結果が大当りの場合(大当り遊技に当選した場合)に、第1特図表示部50Aに確定停止表示させる大当り図柄としての特図1または第2特図表示部50Bに確定停止表示させる大当り図柄としての特図2を、特図決定用乱数を用いて決定する判定値である。ここで、実施例では、特図決定用判定値には、前述した200種類の特図決定用乱数に対応した種類の整数値が設定されている。そして、第1始動入賞口31へのパチンコ球の入賞を契機とした特図始動保留情報に基づいて大当りに当選した場合には、特図決定用判定値が特図1の大当り図柄として設定された前記2種類の図柄A〜図柄Bに対応付けられて割り当てられており、特図決定用乱数に対応した特図決定用判定値が割り当てられた図柄A〜図柄Bの何れかをメイン制御CPU60aが決定するようになっている。同様に、第2始動入賞口32へのパチンコ球の入賞を契機とした特図始動保留情報に基づいて大当りに当選した場合には、特図決定用判定値が特図2の大当り図柄として設定された前記2種類の図柄a〜図柄bに対応付けられて割り当てられており、特図決定用乱数に対応した特図決定用判定値が割り当てられた図柄a〜図柄bの何れかをメイン制御CPU60aが決定するようになっている。
また、メイン制御ROM60bには、演出実行判定値(リーチ判定値)が記憶されている。演出実行判定値は、特図当り判定の結果が否定の場合に、当り表示が第1表示装置17に表示される可能性を示唆するリーチ演出を実行させるか否かの演出実行判定(リーチ抽選)で用いる判定値であり、演出実行判定用乱数の取り得る数値「0」〜「238」までの全239通りの整数の中から定められている。すなわち、取得された演出実行判定用乱数の値が、設定された演出実行判定値と一致する場合に、最終的にはずれとなるリーチ演出の演出を実行させることをメイン制御CPU60aが決定するようになっている。ここで、演出実行判定値は、演出実行判定を行う時点の遊技状態(確変状態または変短状態)に応じて判定値の設定数が異なっている。具体的に、変短状態が付与されている場合よりも変短状態が付与されていない非変短状態のときに設定される演出実行判定値の数の方が多くなるよう設定されている。すなわち、変短状態の場合には、非変短状態の場合に比べてリーチ演出が発生し難くなっている。
(特図変動パターンについて)
前記メイン制御ROM60bには、複数種類の特図変動パターンが記憶されている。前記特図変動パターンは、第1特図変動表示または第2特図変動表示が開始してから確定停止表示されるまでの間に実行される演出内容(図柄組合せ演出の表示内容、発光演出態様、音声演出態様)の基本的なベースとなる内容を特定するものである。また、特図変動パターンは、第1特図変動表示または第2特図変動表示が開始してから特図1または特図2が確定停止表示されるまでの変動時間(図柄組合せ演出および特図変動表示の時間)を特定している。
前記特図変動パターンとして、図6に示す如く、特図当り判定の結果が否定の場合にメイン制御CPU60aが選択可能なはずれ用の特図変動パターンとして、リーチ演出が行われない複数種類の通常はずれ用の特図変動パターン(はずれ用第1特図変動パターンP1)と、リーチ演出が行われる複数種類のリーチはずれ用の特図変動パターン(はずれ用第2〜第4特図変動パターンP2,P3,P4)とが設けられている。また、特図変動パターンとして、特図当り判定の結果が肯定の場合にメイン制御CPU60aが選択可能な当り用の特図変動パターンとして、リーチ演出が行われない複数種類の通常当り用の特図変動パターン(当り用第1特図変動パターンP5)と、リーチ演出が行われる複数種類のリーチ当り用の特図変動パターン(当り用第2〜第4特図変動パターンP6,P7,P8)とが設けられている。なお、通常はずれ用の特図変動パターン(はずれ用第1特図変動パターンP1)は、演出実行判定の結果が否定の場合にメイン制御CPU60aが選択可能な特図変動パターンであり、リーチはずれ用の特図変動パターン(はずれ用第2〜第4特図変動パターンP2,P3,P4)は、演出実行判定の結果が肯定の場合にメイン制御CPU60aが選択可能な特図変動パターンである。
ここで、リーチ演出は、前記第1表示装置17で行われる図柄組合せ演出においてリーチ表示が表示されてから、大当りまたははずれとなる飾図の図柄組合せが停止表示されるまでの間に行われる演出である。また、リーチ演出には、図柄組合せ演出の変動時間が異なるノーマルリーチ演出、ショートスーパーリーチ演出およびロングスーパーリーチ演出等があり、本実施例では、ノーマルリーチ演出、ショートスーパーリーチ演出およびロングスーパーリーチ演出が行われるはずれ用の特図変動パターンとして、はずれ用第2特図変動パターンP2、はずれ用第3特図変動パターンP3およびはずれ用第4特図変動パターンP4が設定される。また、ノーマルリーチ演出、ショートスーパーリーチ演出およびロングスーパーリーチ演出が行われる当り用の特図変動パターンとして、当り用第2特図変動パターンP6、当り用第3特図変動パターンP7および当り用第4特図変動パターンP8が設定される。なお、変動時間は、ノーマルリーチ演出、ショートスーパーリーチ演出、ロングスーパーリーチ演出の順で長くなる。また、リーチ演出が行われない特図変動パターンP1,P5の図柄組合せ演出の変動時間は、ノーマルリーチ演出が行われる特図変動パターンP2,P6の図柄組合せ演出の変動時間より短く設定されている。
また、前記ショートスーパーリーチ演出やロングスーパーリーチ演出では、図柄組合せ演出中において、再変動や再抽選等の煽り演出を行う種類も設定されている。再変動とは、左図柄列26aの組合せ図柄位置Lに停止した有効図柄と、右図柄列26cの組合せ図柄位置Rに停止した有効図柄とによりリーチ表示された状態で、中図柄列26bの変動中の図柄の速度を遅くしてリーチ表示された組合せ図柄位置C上に停止するように見せ掛けた後に、速度を速やめて再変動させる演出形態である。これに対し、再抽選とは、組合せ図柄位置L,C,R上に同じ有効図柄の組合わせで仮の大当り図柄を一旦停止表示させた後に、該大当り図柄を再変動させて、最終的な大当り図柄を確定停止表示させる演出形態である。
前記メイン制御ROM60bには、変動パターン振分用判定値が記憶されている。変動パターン振分用判定値は、大当り判定および演出実行判定の結果に応じて決定可能な特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する際に用いる判定値であり、特図変動パターン振分用乱数の取り得る数値「0」〜「250」までの全251通りの整数の中から定められている。この変動パターン振分用判定値は、大当り判定および演出実行判定の結果に応じてメイン制御CPU60aが決定可能な特図変動パターンに対して所定数ずつ割り当てられている。すなわち、特図変動パターン振分用乱数に対応する判定値が割り当てられた変動パターンを特定することで、図柄組合せ演出において実行される特図変動パターン(演出内容や変動時間)が決定される。すなわち、特図変動パターン振分用乱数に基づいて複数の特図変動パターンから特図変動パターンを決定する際に、変動パターン振分用判定値の割当て数に応じて特図変動パターンの選択されやすさを調節している。具体的に、特図当り判定の結果が否定の場合は、はずれ用第1特図変動パターンP1、はずれ用第2特図変動パターンP2、はずれ用第3特図変動パターンP3、はずれ用第4特図変動パターンP4の順で選択し難くなっているのに対し、特図当り判定の結果が肯定の場合は、当り用第1特図変動パターンP5、当り用第2特図変動パターンP6、当り用第3特図変動パターンP7、当り用第4特図変動パターンP8の順で選択し易くなっている。すなわち、図柄組合せ演出の変動時間が長くなる程、大当り遊技が付与される可能性が高くなるようになっている。
また、メイン制御ROM60bには、普図変動演出の結果、普図当りを発生させることを示す普図当り判定値が記憶されている。普図当り判定値は、前記普図当り判定用乱数を用いて普図当りか否かの判定(普図当り判定)で用いる判定値であり、普図当り判定用乱数の取り得る「0」〜「65535」までの全65536通りの整数の中から所定数の判定値が定められている。ここで、普図当り判定値は、普図当り判定を行う時点で前述した変短状態が付与されているか否かで判定値の設定数が異なっている。具体的には、変短状態の場合に設定される普図当り判定値の数(実施例では65535個)は、非変短状態の場合に設定される普図当り判定値の数(実施例では1125個)よりも多く設定されている。すなわち、変短状態における普図の設定数を多くすることで、普図当りが発生し易くなっている。
メイン制御ROM60bには、複数種類の普図変動パターンが記憶されており、各普図変動パターンに対応して普図変動パターン振分判定値が記憶されている。ここで、前記普図変動パターンは、普図変動表示を開始してから普図が確定停止表示されるまでの普図変動表示の変動時間を特定している。普図変動パターン振分判定値は、前記普図変動パターン振分用乱数を用いて普図変動パターンの決定に用いる判定値であり、普図変動パターン決定用乱数の取り得る数値「0」〜「8」までの全9通りの整数の中から定められている。そして、普図変動パターン毎に所定の判定値が割り当てられており、取得された普図変動パターン振分用乱数に対応する普図変動パターン振分判定値が割り当てられた普図変動パターンがメイン制御CPU60aにより特定されるようになっている。ここで、普図変動パターン決定用判定値は、普図当り判定の結果によって、割り当てられる普図変動パターンの種類および割当数が異なっている。具体的に、実施例では、普図当り判定の結果が肯定(普図当りに当選)の場合に1つの普図変動パターンに対して全ての普図変動パターン決定用判定値が割り当てられて、所定時間の変動時間(例えば6000ms)を定めた普図変動パターンが決定されるのに対し、普図当り判定の結果が肯定(普図当りに落選)の場合に別の1つの普図変動パターンに対して全ての普図変動パターン決定用判定値が割り当てられて、所定時間の変動時間(例えば520ms)を定めた普図変動パターンが決定されるようになっている。
(統括制御基板について)
前記統括制御基板65には、統括制御CPU65aが備えられている。該統括制御CPU65aには、図3に示す如く、統括制御ROM65bおよび統括制御RAM65cが接続されている。また、統括制御CPU65aは、各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を統括制御RAM65cの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。
前記統括制御基板65には、時刻(時間)を計時する計時手段としてのRTC(リアルタイムクロック)82が備えられている。また、統括制御基板65には、パチンコ機10の電源断後に電力を供給可能なキャパシタや二次電池等のバックアップ電源(図示せず)が搭載されている。そして、RTC82は、パチンコ機10に電源が供給されているときには電源基板(図示せず)から電源供給を受けて動作し、時間を計時する。一方、RTC82は、パチンコ機10の電源断がなされた後にはバックアップ電源から電力供給を受けて動作し、時間を計時する。なお、RTC82は、現在の日にち(年、月、日および曜日)を計測することもできる。そして、統括制御CPU65aは、RTC82の計時値に基づいて、演出モードを移行したり内部的な演出の抽選状態を変更するよう設定されている。なお、RTC82の計時値に基づくモード移行等については後述する。
ここで、前記統括制御ROM65bには、図柄組合せ演出において実行する図柄組合せ演出の具体的な演出内容を特定する演出パターンが記憶されている。前記演出パターンは前記特図変動パターンに対応付けられており、メイン制御CPU60aにより決定された特図変動パターンに基づいて対応する演出パターンを統括制御CPU65aが決定するようになっている。具体的には、はずれ用第1特図変動パターンP1に対応するはずれ用第1演出パターン、はずれ用第2特図変動パターンP2に対応するはずれ用第2演出パターン、はずれ用第3特図変動パターンP3に対応するはずれ用第3演出パターン、はずれ用第4特図変動パターンP4に対応するはずれ用第4演出パターン、当り用第1特図変動パターンP5に対応する当り用第1演出パターン、当り用第2特図変動パターンP6に対応する当り用第2演出パターン、当り用第3特図変動パターンP7に対応する当り用第3演出パターン、当り用第4特図変動パターンP8に対応する当り用第4演出パターンが設定されている。なお、前記演出パターンは、前記特図変動パターンに対して一対一の関係で対応付けられたものではなく、1つの特図変動パターンに対して1つまたは複数の演出パターンが対応付けられており、特図変動パターンに対応した演出パターンの中から1つの演出パターンを統括制御CPU65aが決定するよう構成されている。すなわち、統括制御CPU65aは、前記メイン制御CPU60aが取得した入賞情報(乱数値)に基づいて、前記第1表示装置17で行わせる図柄組合せ演出の演出内容を決定する演出内容決定手段として機能するよう構成されている。また、演出パターンには、図柄組合せ演出において各図柄表示列26a,26b,26cの飾図の停止タイミングが定められており、該演出パターンで定められる停止タイミングに従って各列に飾図が停止されると共に、該飾図の停止に合わせてスピーカ19から適宜の効果音が出力されたり、ランプ装置18が適宜の発光を行ったりするようになっている。
ここで、前記各演出パターンには、前記演出モードM1,M2,M3,M4,TMに対応して、背景表示の形態や色の種類、表示されるキャラクタの種類等が異なる複数種類が設定されており、前記第1表示装置17や第2表示装置80,81に表示される画像から現在(遊技中)の演出モードを遊技者が認識し得るようになっている。特に実施例のパチンコ機10では、時間条件によって移行する特別な特定演出モードTMが設定されていることから、特定演出モードTMと他の演出モードM1,M2,M3,M4とを明確に識別し得るように、当該特定演出モードTMでのみ統括制御CPU65a(表示制御CPU70a)が選択可能な表示色やキャラクタ等の特定画像データ(特定演出情報)と、他の演出モードM1,M2,M3,M4で統括制御CPU65a(表示制御CPU70a)が選択可能な表示色やキャラクタ等の通常画像データ(通常演出情報)が設定されている。そして、統括制御CPU65a(表示制御CPU70a)は、通常演出モードM1,M2,M3,M4中においては通常演出情報から情報を選択して表示装置17,80,81に表示するように該表示装置17,80,81を制御する一方で、特定演出モードTM中においては特定演出情報から情報を選択して表示装置17,80,81に表示するように該表示装置17,80,81を制御するよう構成される。例えば、演出モードM1,M2,M3,M4での図柄組合せ演出時における背景が青色表示であるのに対し、特定演出モードTMでは図柄組合せ演出時における背景が赤色表示される。
また、前記統括制御ROM65bには、前記RTC82の計時値に基づいて通常演出モードM1,M2,M3,M4から移行する特定演出モードTMにおける演出内容を特定する特定演出パターンが記憶されている。この特定演出パターンについては、RTC82の計時値に基づくモード移行を説明する際に併せて詳細に説明する。
また、統括制御ROM65bには、表示制御基板70、ランプ制御基板72および音制御基板73を統括的に制御するための統括制御プログラムが記憶されている。統括制御CPU65aは、各種制御コマンドを入力すると、当該統括制御プログラムに基づき各種制御を実行する。
(表示制御基板70について)
次に、図3に基づき表示制御基板70について説明する。表示制御基板70には、表示制御CPU70aが備えられている。該表示制御CPU70aには、表示制御ROM70bおよび表示制御RAM70cが接続されている。また、表示制御基板70(表示制御CPU70a)には、第1表示装置17および第2表示装置80,81が接続されている。表示制御ROM70bには、第1表示装置17および第2表示装置80,81の表示内容を制御するための表示制御プログラムが記憶されている。また、表示制御ROM70bには、各種の画像データ(図柄、各種背景画像、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。更に、表示制御RAM70cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が記憶(設定)されるようになっている。
すなわち、始動入賞検出センサSE1,SE2の球検出を契機として当り遊技(大当り遊技)を生起させるか否かを判定する当り判定手段、当り判定手段の判定結果が肯定の場合に、複数種類の当り遊技の中から付与する当り遊技を決定する当り遊技決定手段としての夫々の機能を前記メイン制御CPU60aが備えている。すなわち、始動入賞検出センサSE1,SE2の球検出を契機として当り遊技を発生させることを決定する当り決定手段としての機能をメイン制御CPU60aが有している。またメイン制御CPU60aは、決定した種類の当り遊技を特図変動表示終了後(図柄組合せ演出終了後)に付与する当り遊技付与手段としての機能を備えている。メイン制御CPU60aは、始動入賞検出センサSE1,SE2の何れかの球検出を契機として、前記第1表示装置(表示手段)17で行わせる図柄組合せ演出の変動時間を特定する変動パターン(特図変動パターン)を記憶手段としてのメイン制御ROM60bが記憶する複数の変動パターンの中から決定する変動パターン決定手段としての機能を備えている。また、前記メイン制御CPU60aは、当りが発生する確率(当り判定手段による判定結果が肯定となる確率)が通常よりも高確率となる確変状態を付与するか否かを決定する第1遊技状態決定手段として機能すると共に、当り遊技終了後に確変状態を付与する第1遊技状態付与手段として機能するよう構成されている。ここで、前記メイン制御CPU60aは、当りが発生する場合(当り判定手段の判定結果が肯定の場合)にのみ、前記特定領域入球検出センサSE6によるパチンコ球の検出を条件として確変状態を付与するようになっている。またメイン制御CPU60aは、当り判定手段の判定結果に応じた特別図柄を特別図柄表示手段(特図表示部50A,50B)に停止表示させるよう前記特別図柄表示手段(特図表示部50A,50B)の表示を制御する特別図柄表示制御手段として機能している。
更に、前記メイン制御CPU60aは、当りが発生する場合(当り判定手段の判定結果が肯定の場合)に、第2始動入賞口32へパチンコ球が入賞する確率が高確率となる入賞率向上状態(変短状態)を付与するか否かを決定する第2遊技状態決定手段として機能し、入賞率向上状態を付与する場合に、入賞率向上状態を付与する期間を決定する期間決定手段として機能すると共に、当り遊技終了後に決定された入賞率向上状態を付与する期間だけ変短状態を付与する第2遊技状態付与手段としても機能している。ここで、前記メイン制御CPU60aは、当り遊技の終了後から予め決められた回数の特図変動表示(図柄組合せ演出)が実行されるまでの間の期間を、入賞率向上状態の付与期間として決定するようになっている。また、メイン制御CPU60aは、入賞率向上状態の付与期間として複数種類の期間を、前記特定領域入球検出センサSE6によるパチンコ球の検出の有無に応じて決定するようになっている。このように、前記メイン制御CPU60aは、当り判定が肯定判定の場合に、始動入賞検出センサSE1,SE2の球検出に基づいて当り遊技後に遊技者に有利な特典状態(確変状態、変短状態)を付与するか否かを決定する特典状態決定手段としての機能を備えている。また、前記メイン制御RAM60cは、第1表示装置17で図柄組合せ演出が行われている間(すなわち第1および第2特図表示部50A,50Bで特図変動表示が行われている間)に取得された入賞情報を始動保留情報として複数記憶可能な保留記憶手段として機能する。具体的に、表示手段(第1表示装置17や第1特図表示部50A)で変動表示が行われている間に第1始動入賞検出センサSE1の検出を契機として取得される入賞情報を第1始動保留情報として記憶する第1保留記憶手段および表示手段(第1表示装置17や第2特図表示部50B)で変動表示が行われている間に第2始動入賞検出センサSE2の検出を契機として取得される入賞情報を第2始動保留情報として記憶する第2保留記憶手段として機能する。
また、前記統括制御CPU65aは、当り判定手段としてのメイン制御CPU60aの判定結果に基づいて前記表示手段としての第1表示装置17に停止表示させる飾り図柄を決定する飾り図柄決定手段として機能すると共に、決定された飾り図柄を停止表示させるように表示手段としての第1表示装置17を制御する表示制御手段として機能している。また、統括制御CPU65aは、入賞情報取得手段による入賞情報の取得(判定条件の成立)を契機として、前記表示手段で行わせる図柄組合せ演出の演出内容を特定する演出パターンを複数種類の中から1つ決定する演出パターン決定手段としての機能を有している。また、演出パターン決定手段としての統括制御CPU65aは、メイン制御CPU60aが決定した特図変動パターンに基づいて演出パターンを決定するようになっている。そして、前記演出パターン決定手段としての統括制御CPU65aが決定可能な演出パターンとして、各組合せ図柄位置に仮停止させた飾り図柄の組合せにより前記図柄組合せ演出の結果として当り表示が表示される可能性を示唆する仮停止演出パターンが含まれており、仮停止演出パターンが決定された場合に、前記飾り図柄決定手段としての統括制御CPU65aが仮停止させる仮停止の飾図を決定するよう構成されている。
次に、メイン制御基板60のメイン制御CPU60aが制御プログラムに基づき実行する特図入力処理および特図開始処理について具体的に説明する。
(特図入力処理について)
特図入力処理では、図7に示すように、第1始動入賞口31にパチンコ球が入賞したか否かをメイン制御CPU60aが判定する(ステップA11)。すなわち、ステップA11においてメイン制御CPU60aは、第1始動入賞口31に対応する第1始動入賞検出センサSE1がパチンコ球を検出した時に出力する検出信号が入力されたか否かを判定する。そしてステップA11の判定結果が否定の場合には、ステップA15に移行する。ステップA11の判定結果が肯定の場合には、メイン制御CPU60aは、メイン制御RAM60cに記憶されている第1特図始動保留情報の保留数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップA12)。ステップA12の判定結果が否定(すなわち第1特図始動保留情報の保留数が4)の場合には、メイン制御CPU60aは、ステップA15に移行する。
ステップA12の判定結果が肯定(第1特図始動保留情報の保留数<4)の場合には、第1特図始動保留情報の保留数を1加算し、メイン制御RAM60cが記憶する第1特図始動保留情報の保留数を書き換える(ステップA13)。続いて、メイン制御RAM60cから入賞情報(特図当り判定用乱数の値、特図決定用乱数の値、演出実行判定用乱数の値、特図変動パターン振分用乱数の値等の各種乱数の値)をメイン制御CPU60aが読み出して、当該入賞情報(乱数の値)を第1入賞時始動保留情報として保留数に対応付けたメイン制御RAM60cにおける第1始動保留領域の第1〜第4領域に設定する(ステップA14)。これにより、ステップA15に移行する。
また、ステップA15では、第2始動入賞口32にパチンコ球が入賞したか否かをメイン制御CPU60aが判定する。すなわち、ステップA15においてメイン制御CPU60aは、第2始動入賞口32に対応する第2始動入賞検出センサSE2がパチンコ球を検出した時に出力する検出信号が入力されたか否かを判定する。そしてステップA15の判定結果が否定の場合には、特図入力処理を終了する。ステップA15の判定結果が肯定の場合には、メイン制御CPU60aは、メイン制御RAM60cに記憶されている第2特図始動保留情報の保留数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップA16)。ステップA16の判定結果が否定(すなわち第2特図始動保留情報の保留数が4)の場合には、特図入力処理を終了する。
ステップA16の判定結果が肯定(第2特図始動保留情報の保留数<4)の場合には、第2特図始動保留情報の保留数を1加算し、メイン制御RAM60cが記憶する第2特図始動保留情報の保留数を書き換える(ステップA17)。続いて、メイン制御RAM60cから入賞情報(特図当り判定用乱数の値、特図決定用乱数の値、演出実行判定用乱数の値、特図変動パターン振分用乱数の値等の各種乱数の値)をメイン制御CPU60aが読み出して、当該入賞情報(乱数の値)を第2入賞時始動保留情報として保留数に対応付けたメイン制御RAM60cの第2始動保留領域の第1〜第4領域に設定し(ステップA18)、特図入力処理を終了する。
(特図開始処理について)
次に、特図開始処理について図8に基づき説明する。メイン制御CPU60aは、特図開始処理を所定の周期(実施例では4ms)毎に実行している。特図開始処理では、メイン制御CPU60aは、特図表示部50A,50Bにおいて特図1または特図2が変動表示中(第1表示装置17で図柄組合せ演出中)であるか、または大当り遊技中であるか否かを判定する(ステップB11)。そして、ステップB11の判定結果が肯定の場合には、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。一方、ステップB11の判定結果が否定の場合には、第2特図始動保留情報の保留数を読み出し(ステップB12)、第2特図始動保留情報の保留数が「0」よりも大きいか否かを判定する(ステップB13)。ステップB13の判定結果が否定の場合には(第2特図始動保留情報の保留数=0の場合には)、メイン制御CPU60aは、ステップB16の処理に移行する。またメイン制御CPU60aは、ステップB13の判定結果が肯定の場合には(第2特図始動保留情報の保留数>0)の場合には、メイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶される特図変動処理フラグに第2特図変動演出を実行することを示す値「1」を設定する。次いで、メイン制御CPU60aが第2特図始動保留情報の保留数を1減算して(ステップB14)、保留数に対応付けられたメイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶されている当該第2特図始動保留情報(特図当り判定用乱数の値、特図決定用乱数の値、演出実行判定用乱数の値および特図変動パターン振分用乱数の値等の各種乱数の値)をメイン制御CPU60aが取得する(ステップB15)。
ここで、メイン制御CPU60aは、最も早く記憶した第2特図始動保留情報が記憶される第1特図記憶領域から第2特図始動保留情報(乱数)を取得する。そして、メイン制御CPU60aは、第2特図始動保留情報に関連付けられた乱数を取得した後、2番目に早く記憶した第2特図始動保留情報が記憶されている第2特図記憶領域の第2特図始動保留情報(乱数)を、前記第1特図記憶領域に記憶させる。同様に、メイン制御CPU60aは、3番目に早く記憶した第2特図始動保留情報が記憶されている第3特図記憶領域の第2特図始動保留情報(乱数)を前記第2特図記憶領域に記憶させ、4番目に早く記憶した(すなわち最も新しい)第2特図始動保留情報が記憶されている第4特図記憶領域の第2特図始動保留情報(乱数)を前記第3特図記憶領域に記憶させる。すなわち、第2特図始動保留情報は、メイン制御RAM60cに記憶された順序でメイン制御CPU60aにより読み出されるようになっている。また、メイン制御CPU60aは、減算後の第2特図始動保留情報の保留数に対応するように第2特図保留表示部53の表示を変更させる。
前記ステップB15の処理により第2特図始動保留情報としての各種乱数が取得されると、図9に示すように、メイン制御CPU60aは、取得した特図当り判定用乱数の値がメイン制御ROM60bに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定する大当り判定(当り判定)を行う(ステップB22)。そして、ステップB22における大当り判定の判定結果が肯定の場合には(大当りが発生する場合には)、大当りの変動であることを示す大当りフラグに「1」が設定される(ステップB23)。そして、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に基づき、第2特図表示部53に確定停止表示される大当り図柄となる最終停止図柄(特図2)を決定する(ステップB24)。すなわち、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に基づいて特図2を決定することで、大当り図柄を決定する。大当り図柄(特図)が決定されると、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン振分用乱数の値に基づいて当り用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB25)。
ここで、実施例のパチンコ機10では、全ての大当り図柄が変短状態を付与するものとして設定されているため、変短フラグは大当り遊技の終了後に「1」に設定される。また、確変状態については、前述したように前記第2特別入賞装置40の特定領域へのパチンコ球の入球(具体的には特定領域入球検出センサSE6の球検出)によって付与されるよう構成されているので、大当り遊技中の特定ラウンドにおいて特定領域入球検出センサSE6が球検出したことを条件に、大当り遊技の終了後に確変フラグは「1」に設定される。また、大当り遊技中の特定ラウンドにおいて特定領域入球検出センサSE6が球検出しなかった場合は、確変フラグを「0」に設定する。なお、大当り遊技中の特定ラウンドにおいて特定領域入球検出センサSE6が球検出しなかった場合においても、前述したように変短フラグは大当り遊技の終了後に「1」に設定される。そして、確変フラグおよび変短フラグは、確変状態の終了条件および変短状態の終了条件が満たされると、対応するフラグが「0」に設定される。
一方、ステップB22の大当り判定の判定結果が否定の場合には(大当りでない場合には)、メイン制御CPU60aは、リーチ演出を実行させるか否かを判定する演出実行判定(リーチ判定)を行う(ステップB27)。実施例では、メイン制御CPU60aは、ステップB15の処理時においてメイン制御RAM60cから取得した演出実行判定用乱数の値が、演出実行判定値と一致するか否かにより当選判定を行う。そして、ステップB27の判定結果が肯定の場合には(リーチ演出を行う場合には)、メイン制御CPU60aは、第2特図表示部53にて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図2)として決定する(ステップB28)。次に、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン振分用乱数の値に基づいてはずれリーチ用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB29)。
また、ステップB27での演出実行判定の判定結果が否定の場合には(リーチ演出を行わない場合には)、メイン制御CPU60aは、第2特図表示部53にて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図2)として決定する(ステップB30)。次に、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン振分用乱数の値に基づいてはずれ用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB31)。
ここで、ステップB25,B29,B31において特図変動パターンおよび最終停止図柄(特図2)を決定したメイン制御CPU60aは、統括制御基板65に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する(ステップB26)。具体的には、メイン制御CPU60aは、特図変動パターンを指定すると共に図柄変動の開始を指示する特図変動パターン指定コマンドを出力し、更に特図変動パターンで特定された変動時間の計測を開始する。これと同時に、メイン制御CPU60aは、第2特図変動表示を開始させるように第2特図表示部53を制御する。また、メイン制御CPU60aは、最終停止図柄となる特図2を指示するための特図2指定コマンドを出力する。そして、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。その後、特図開始処理とは別の処理で、メイン制御CPU60aは、前記指定した特図変動パターンに定められている変動時間に基づいて、決定した最終停止図柄を表示させるように第2特図表示部53の表示内容を制御する。また、メイン制御CPU60aは、前記指定した特図変動パターンに定められている変動時間に基づいて、飾図の変動停止を指示し、図柄組み合わせを確定停止表示させるための全図柄停止コマンドを出力する。また、確変状態の終了条件および変短状態の終了条件を満たした場合には、確変終了コマンドおよび変短終了コマンドを出力する。
一方、ステップB13の判定結果が否定の場合(第2特図始動保留情報の保留数=0の場合)には、第1特図始動保留情報の保留数を読み出し(ステップB16)、第1特図始動保留情報の保留数が「0」よりも大きいか否かを判定する(ステップB17)。メイン制御CPU60aは、ステップB17の判定結果が肯定の場合には(第1特図始動保留情報の保留数>0)の場合には、メイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶される特図変動処理フラグに第1特図変動演出を実行することを示す値「0」を設定する。次いで、メイン制御CPU60aが第1特図始動保留情報の保留数を1減算して(ステップB18)、当該第1特図始動保留情報に対応付けられたメイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶されている特図当り判定用乱数の値、特図決定用乱数の値、演出実行判定用乱数の値および特図変動パターン振分用乱数の値をメイン制御CPU60aが取得して(ステップB19)、次いで当り判定処理を実行する。すなわち、実施例のパチンコ機10では、第2始動入賞口32への入賞を契機として取得される第2特図始動保留情報がメイン制御RAM60cに記憶されている場合には、第1始動入賞口31への入賞を契機として取得される第1特図始動保留情報がメイン制御RAM60cに記憶されていたとしても、該第2特図始動保留情報に基づく図柄変動演出が優先的に実行されるようになっている。なお、特図始動保留情報に基づく図柄変動演出を実行するに際しては、メイン制御RAM60cに特図始動保留情報が記憶された順で該特図始動保留情報に基づく図柄変動演出を実行するようにしてもよい。すなわち、パチンコ球が入賞した始動入賞口の種類(第1始動入賞口31および第2始動入賞口32)に関係なく、始動入賞口31,32への入賞を契機として取得される特図始動保留情報がメイン制御RAM60cに記憶された順で、該特図始動保留情報に基づく図柄変動演出が実行されるものであってもよい。
ここで、メイン制御CPU60aは、最も早く記憶した第1特図始動保留情報が記憶される第1特図記憶領域から第1特図始動保留情報(乱数)を取得する。そして、メイン制御CPU60aは、第1特図始動保留情報に関連付けられた乱数を取得した後、2番目に早く記憶した第1特図始動保留情報が記憶されている第2特図記憶領域の第1特図始動保留情報(乱数)を、前記第1特図記憶領域に記憶させる。同様に、メイン制御CPU60aは、3番目に早く記憶した第1特図始動保留情報が記憶されている第3特図記憶領域の第1特図始動保留情報(乱数)を前記第2特図記憶領域に記憶させ、4番目に早く記憶した(すなわち最も新しい)第1特図始動保留情報が記憶されている第4特図記憶領域の第1特図始動保留情報(乱数)を前記第3特図記憶領域に記憶させる。すなわち、第1特図始動保留情報は、メイン制御RAM60cに記憶された順序でメイン制御CPU60aにより読み出されるようになっている。また、メイン制御CPU60aは、減算後の第1特図始動保留情報の保留数に対応するように第1特図保留表示部52の表示を変更させる。
前記ステップB19の処理により各種乱数が取得されると、図10に示すように、メイン制御CPU60aは、取得した特図当り判定用乱数の値がメイン制御ROM60bに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定する大当り判定(当り抽選)を行う(ステップB32)。そして、ステップB32における大当り判定の判定結果が肯定の場合には(大当りが発生する場合には)、大当りの変動であることを示す大当りフラグに「1」が設定される(ステップB33)。そして、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に基づき、第1特図表示部52に確定停止表示される大当り図柄となる最終停止図柄(特図1)を決定する(ステップB34)。すなわち、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に基づいて特図1を決定することで、大当り図柄を決定する。大当り図柄(特図1)が決定されると、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン振分用乱数の値に基づいて当り用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB35)。なお、前述したように、実施例のパチンコ機10では、全ての大当り図柄が変短状態を付与するものとして設定されると共に、確変状態については、大当り遊技中の特定ラウンドにおいて特定領域入球検出センサSE6が球検出したことを条件に付与されるよう構成されているので、変短フラグは大当り遊技の終了後に「1」に設定され、確変フラグは特定領域入球検出センサSE6の検出状態に応じて「1」または「0」に設定される。
一方、ステップB32の大当り判定の判定結果が否定の場合には(大当りでない場合には)、メイン制御CPU60aは、リーチ演出を実行させるか否かを判定する演出実行判定(リーチ判定)を行う(ステップB37)。実施例では、メイン制御CPU60aは、ステップB19の処理時においてメイン制御RAM60cから取得した演出実行判定用乱数の値が、演出実行判定値と一致するか否かにより当選判定を行う。そして、ステップB37の判定結果が肯定の場合には(リーチ演出を行う場合には)、メイン制御CPU60aは、第1特図表示部52にて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図1)として決定する(ステップB38)。次に、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン振分用乱数の値に基づいてはずれリーチ用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB39)。
また、ステップB37での演出実行判定の判定結果が否定の場合には(リーチ演出を行わない場合には)、メイン制御CPU60aは、第1特図表示部52にて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図1)として決定する(ステップB40)。次に、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン振分用乱数の値に基づいてはずれ用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB41)。
ここで、ステップB35,B39,B41において特図変動パターンおよび最終停止図柄(特図1)を決定したメイン制御CPU60aは、統括制御基板65に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する(ステップB36)。具体的には、メイン制御CPU60aは、特図変動パターンを指定すると共に図柄変動の開始を指示する特図変動パターン指定コマンドを出力すると共に、特図変動パターンで特定された変動時間の計測を開始する。これと同時に、メイン制御CPU60aは、第1特図変動表示を開始させるように第1特図表示部52を制御する。また、メイン制御CPU60aは、最終停止図柄となる特図1を指示するための特図1指定コマンドを出力する。そして、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。その後、特図開始処理とは別の処理で、メイン制御CPU60aは、前記指定した特図変動パターンに定められている変動時間に基づいて、決定した最終停止図柄を表示させるように第1特図表示部52の表示内容を制御する。また、メイン制御CPU60aは、前記指定した特図変動パターンに定められている変動時間に基づいて、飾図の変動停止を指示し、図柄組み合わせを確定停止表示させるための全図柄停止コマンドを出力する。また、確変状態および変短状態の終了条件を満たした場合には、確変状態および変短終了コマンドを出力する。
一方、ステップB17の判定結果が否定の場合(第1特図始動保留情報の保留数=0の場合)には、メイン制御CPU60aは、デモ演出の実行を開始させるデモンストレーション指定コマンドを既に出力したか否かを判定し(ステップB20)、判定結果が否定の場合には、デモンストレーション指定コマンドを出力して特図開始処理を終了する(ステップB21)。また、ステップB20の判定結果が肯定の場合には(デモンストレーション指定コマンドを既に出力していた場合には)、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。
(統括制御について)
次に、統括制御基板65で実行される処理について説明する。統括制御基板65の統括制御CPU65aは、前記メイン制御CPU60aから入力された特図変動パターン指定コマンドに基づいて、当該図柄変動演出において実行する演出パターンを決定し、決定した演出パターンを指定する演出パターン指定コマンドを表示制御基板70やランプ制御基板72、音制御基板73等に出力する。すなわち、統括制御CPU65aは、決定された変動パターンに基づいて第1表示装置17で図柄組合せ演出を実行させる演出実行制御手段として機能する。また統括制御CPU65aは、前記RTC82の計時値に基づいて、特別演出モードTMの移行に関連する演出を指定する特別演出モード指定コマンドを表示制御基板70やランプ制御基板72、音制御基板73等に出力する。すなわち、統括制御CPU65aは、前記RTC82の計時値に基づいて通常演出モードM1,M2,M3,M4から特定演出モードTMに移行させる演出モード移行手段としての機能を備えている。
ここで、統括制御CPU65aが選択可能な演出パターンは、前述したように特図変動パターン毎に分類されており、特図変動パターンに対応する演出パターンが選択される。また、統括制御CPU65aは、特図1指定コマンドまたは特図2指定コマンドが入力されると、該コマンドに対応する特図の停止図柄指定に応じて第1表示装置17に最終停止表示させる各図柄列26a,26b,26cの飾図を決定する。すなわち、統括制御CPU65aは、特図1指定コマンドまたは特図2指定コマンドで指定された図柄が大当り図柄の場合には、大当り表示となる飾図の図柄組み合わせとなるよう各図柄列26a,26b,26cの飾図が決定される。
また、メイン制御CPU60aから出力される特図1指定コマンドおよび特図2指定コマンドに基づいて、変短フラグを統括制御CPU65aが設定するようになっている。具体的には、特図1指定コマンドまたは特図2指定コマンドで特定される特図1または特図2が、変短状態を付与する大当り図柄に対応する場合に変短状態を示す変短フラグを「1」に設定し、変短状態を付与しない大当り図柄に対応する場合に変短フラグを「0」に設定する。なお、前述したように本実施例のパチンコ機10では、全ての大当り図柄が変短状態を付与するものとして設定されているため、変短フラグは何れも「1」に設定される。また、大当り遊技の特定ラウンドで前記特定領域入球検出センサSE6がパチンコ球を検出したか否かに応じてメイン制御CPU60aから出力される確変指定コマンドまたは非確変指定コマンドに基づいて、確変フラグを統括制御CPU65aが設定するようになっている。具体的には、特定領域入球検出センサSE6がパチンコ球を検出したことに基づいてメイン制御CPU60aから確変指定コマンドが出力された場合に確変状態を示す確変フラグを「1」に設定し、特定領域入球検出センサSE6がパチンコ球を検出しなかったことに基づいてメイン制御CPU60aから非確変指定コマンドが出力された場合に確変フラグを「0」に設定する。なお、統括制御CPU65aは、大当り遊技中の特定ラウンドにおいて特定領域入球検出センサSE6が球検出しなかった場合でも、変短フラグを「1」に設定する。
そして、前記演出パターンで特定される各図柄列26a,26b,26cの飾図の停止タイミングにおいて、各列の飾図指定コマンドを第1表示装置17やランプ制御基板72、音制御基板73等に出力する。具体的には、統括制御CPU65aは、特図変動パターン指定コマンドが入力されると同時にタイマ手段(図示せず)により時間の計測を開始し、左図柄列26aの飾図の停止タイミングにおいて左飾図指定コマンドを出力し、右図柄列26cの飾図の停止タイミングにおいて右飾図指定コマンドを出力し、中図柄列26bの飾図の停止タイミングにおいて中飾図指定コマンドを出力する。
また、前記統括制御CPU65aは、特図指定コマンドで指定された停止図柄が、はずれ図柄の場合、はずれを認識可能な図柄組み合わせを決定する。また、統括制御CPU65aは、リーチはずれ用の特図変動パターンが指示されている場合、リーチ形成図柄を含むはずれを認識可能な図柄組み合わせを決定する。一方、統括制御CPU65aは、はずれ用の特図変動パターンが指示されている場合、リーチ形成図柄を含まないはずれを認識可能な図柄組み合わせを決定する。また、統括制御CPU65aは、全図柄停止コマンドを入力すると、該コマンドを表示制御基板70やランプ制御基板72、音制御基板73等に出力する。
(表示制御について)
前記表示制御基板70では、統括制御基板65からコマンドが入力されると、該コマンドで特定される演出パターンに対応する演出内容で図柄組合せ演出を実行させるように第1表示装置17を制御すると共に、該図柄変動に伴う演出を実行させるように第2表示装置80,81を制御する。そして、表示制御CPU70aは、各図柄列26a,26b,26cの図柄停止コマンドが入力されると、対応する図柄列26a,26b,26cの組合せ図柄位置L,C,Rに飾図指定コマンドで指定された飾図を仮停止させ、全図柄停止コマンドが入力されると、各図柄列26a,26b,26cの組合せ図柄位置L,C,Rに飾図指定コマンドで指示された飾図を第1表示装置17に確定停止表示させるように第1表示装置17を制御し、図柄組合せ演出を終了させる。
ここで、前記第1表示装置17で実行される図柄組合せ演出の内容は、メイン制御CPU60aから出力される特図変動パターン指定コマンドまたは統括制御CPU65aから出力される演出パターン指定コマンドに応じて設定されるものであり、メイン制御CPU60aおよび統括制御CPU65aが図柄組合せ演出の内容を特定する演出内容を決定する演出内容決定手段としての機能を有している。
(表示手段の表示部について)
実施例では、前記第1表示装置17および第2表示装置80,81から表示手段(演出実行手段)が構成されており、両表示装置17,80,81の表示画面17a,80a,81aの全体を表示部として図柄組合せ演出や各種予告演出を表示し得るよう構成される。実施例では、図14に示す如く、第1表示装置17は、第1表示画面17aを第1表示部83aと第2表示部83bとに分け、第1表示部83aで図柄組合せ演出を表示する一方で、第2表示部83bで異なる演出を表示し得るよう設定される。第2表示部83bの表示領域は、第1表示部83aの表示領域より小さく設定されており、実施例では第1表示画面17aにおける右下隅に第2表示部83bが設定される。また、第2表示装置80,81は、遊技中の演出モードM1,M2,M3,M4,TMを報知可能な演出を第2表示画面80a,81aに表示可能に構成されており、該第2表示画面80a,81aがモード表示部として機能するようになっている。実施例では、遊技中の演出モードが特定演出モードTMであることを報知する後述する滞在中演出を、一方(上側)の第2表示装置80のモード表示部(第2表示画面)80aに表示するよう構成されているが、両方の第2表示装置80,81のモード表示部(第2表示画面)80a,81aに夫々滞在中演出を表示するようにしてもよい。
ここで、前記第1表示画面17aに2つの異なる画像を表示させる方法として、レイヤー処理方法が挙げられる。具体的には、第1表示装置17に表示する画像を複数層のレイヤーに分けて積層表示し、第2表示部83bで表示したい画像を、第1表示部83aで表示したい画像より前側のレイヤー層に表示することで、2つの画像をパチンコ機10の前側から視認可能に表示することができる。なお、2つの画像を表示する方法としては、レイヤー処理に限らず、第1表示画面17aを第1表示部83aと第2表示部83bとに分割し、各表示部83a,83bに夫々対応する画像を表示する方法等、その他の各種方法を採用し得る。
実施例では、前記RTC82の計時値に基づいて、前記統括制御CPU65aの制御下に演出モードが通常演出モードM1,M2,M3,M4から特定演出モードTMに移行される場合に、特定演出モードTMであることを特定可能な演出を、第1表示部83aまたは第2表示部83bに表示させるように、統括制御CPU65aが表示制御基板70(表示制御CPU70a)を介して第1表示装置(表示手段)17および第2表示装置(表示手段)80を制御し得るようになっている。なお、特定演出モードTMの移行に関連する後述するモード移行予告演出、移行報知演出および滞在中演出等を第1表示装置17や第2表示装置80に表示させる制御は、統括制御CPU65aが表示制御基板70(表示制御CPU70a)を介して行うよう構成されているが、以後は統括制御CPU65aが表示装置17,80を制御するという場合がある。
(統括制御CPU65aが制御する時間)
前記統括制御RAM65cには、前記特定演出モードTMに関係するモード移行実行時間K1、予告実行時間K2および準備開始時間K3等の複数の時間が設定されており、統括制御CPU65aは、前記RTC82の計時値に基づいて、これらの時間K1,K2,K3となったか否かを判定し、肯定された場合には対応する制御および演出を行うように前記第1表示装置17および第2表示装置80を制御するよう構成されている。
(特定演出モードTMについて)
前記特定演出モードTMは、前記RTC82の計時値に基づいて、前記統括制御CPU65aの制御下に通常演出モードM1,M2,M3,M4から移行される特有の演出モードであって、RTC82の計時値が予め設定されたモード移行時間K1になったことを統括制御CPU65aが判定(判定結果が肯定)した場合に、通常演出モードM1,M2,M3,M4から特定演出モードTMに移行される。実施例では、モード移行時間が3時間に設定されて、RTC82の計時値に基づいて3時間毎に通常演出モードM1,M2,M3,M4から特定演出モードTMに移行されるよう構成される。また、RTC82の計時値が予め設定された特定演出モード終了時間K4になったことを統括制御CPU65aが判定(判定結果が肯定)した場合に、該統括制御CPU65aは特定演出モードTMから通常演出モードM1,M2,M3,M4に移行するよう構成される。実施例では、特定演出モード終了時間K4は5分に設定されている。なお、特定演出モードTMへの移行によっては遊技状態は変化しないよう構成されており、該特定演出モードTMに移行したときの遊技状態は直前の遊技状態に依存する(図5参照)。すなわち、直前の遊技状態が通常遊技状態(非確変・非変短遊技状態)であれば、特定演出モードTMにおける遊技状態は通常遊技状態(非確変・非変短遊技状態)であり、直前の遊技状態が確変・非変短遊技状態、非確変・変短遊技状態、確変・変短遊技状態であれば、特定演出モードTMにおける遊技状態も確変・非変短遊技状態、非確変・変短遊技状態、確変・変短遊技状態となる。
また、モード移行実行時間K1になったことを統括制御CPU65aが判定(判定結果が肯定)した場合に、特定演出モードTMに移行したことを報知する移行報知演出を、前記第1表示部83aまたは第2表示部83bに表示するよう構成される。この移行報知演出としては、例えば、図14(a)の(3)または図14(b)の(3)に示す如く、「特定演出モード 突入」の文字列を表示する。この移行報知演出は、特定演出モードTMに移行する直前の通常演出モードM1,M2,M3,M4の種類に関係なく共通の演出(表示内容)であって、何れの通常演出モードM1,M2,M3,M4に滞在している状態であっても当該移行報知演出によって特定演出モードTMに移行したことを認識し得るようになっている。なお、実施例のパチンコ機10では、特定演出モードTMに移行したことを報知する移行報知演出を第1表示部83aまたは第2表示部83bに表示する前に、該特定演出モードTMとなることを予告するモード移行予告演出を第1表示部83aまたは第2表示部83bに表示し得るよう構成されている(図14(a)の(2)または図14(b)の(2)参照)が、該モード移行予告演出については後述する。
前記特定演出モードTMでは、後述する表示部選択処理により選択された第1表示部83aまたは第2表示部83bに移行報知演出を表示した後は、遊技中の演出モードが特定演出モードTMであることを報知する滞在中演出(特定演出モードTMの専用演出)を前記モード表示部(第2表示画面)80aに表示するように第2表示装置80が前記統括制御CPU65aによって制御される。図14(a)の(4)および図14(b)の(4)には、滞在中演出として「特定演出モード中」の文字列をモード表示部80aに表示する例を示しているが、特定演出モードTMに滞在していることを報知し得る動画等であってもよい。
(演出モード移行処理)
図12は、前記RTC82の計時値に基づく演出モード移行処理の内容を示すフローチャートである。この演出モード移行処理では、RTC82の計時値がモード移行実行時間K1であるか否かを判定する(ステップC11)。モード移行実行時間K1である場合(ステップC11でYES)、ステップC12に移行して、通常演出モードM1,M2,M3,M4から特別演出モードTMに移行させる。その後、RTC82の計時値に基づいて、特定演出モード終了時間K4であるか否かを判定する(ステップC13)。特定演出モード終了時間K4である場合(ステップC13でYES)、ステップC14に移行して、特別演出モードTMから通常演出モードM1,M2,M3,M4に移行させる。
前記特定演出モードTMの終了後に移行させる通常演出モードM1,M2,M3,M4は、モード移行実行時間K1となったときの通常演出モードM1,M2,M3,M4に移行する。なお、モード移行実行時間K1となったときの通常演出モードが、通常遊技状態の場合に前記統括制御CPU65aが決定可能(移行させることが可能)な第1通常滞在演出モードM1または第2通常滞在演出モードM2であった場合は、特定演出モードTMの終了を契機として異なる通常滞在演出モードM1,M2に移行させるようにしてもよい。
(表示部選択処理について)
前記RTC82の計時値に基づいて、モード移行実行時間K1(予告実行時間K2)になったと統括制御CPU65aが判定した場合に、該統括制御CPU65aは、当該モード移行実行時間K1(予告実行時間K2)になったときにおける前記第1表示装置17の演出状態に応じて、移行報知演出(モード移行予告演出)を表示する表示部を第1表示部83aおよび第2表示部83bから選択するよう構成されている。なお、表示部選択処理は、後述するモード移行予告演出を実行する際にも同じく実行されるので、モード移行予告演出に関する構成については括弧書きで付記する。
図13は、移行報知演出(モード移行予告演出)を表示する表示部を第1表示部83aおよび第2表示部83bから選択する表示部選択処理の内容を示すフローチャートである。この表示部選択処理では、モード移行実行時間K1(予告実行時間K2)になった場合(ステップD11)は、第1表示装置17で図柄組合せ演出が実行中であるか否かを判定し(ステップD12)、図柄組合せ演出が実行されていない場合(ステップD12でNO)は、ステップD13に移行して、第1表示部83aに移行報知演出(モード移行予告演出)を表示する(図14(a)の(2)参照)。なお、図柄組合せ演出が実行されていない状態には、大当り遊技中およびデモ演出中が含まれ、該大当り遊技中およびデモ演出中において統括制御CPU65aがモード移行実行時間K1(予告実行時間K2)になったと判定した場合は、第1表示部83aに移行報知演出(モード移行予告演出)を表示するようになっている。
前記ステップD12での判定結果が否定(NO)の場合は、ステップD14で現在変動中の図柄組合せ演出を特定する特図変動パターンがP2〜P4,P6〜P8であるか否か、すなわちリーチ演出が行われる図柄組合せ演出か否かを判定し、該ステップD14が否定(NO)であれば、ステップD13に移行して、第1表示部83aに移行報知演出(モード移行予告演出)を表示する。すなわち、リーチ演出が行われない特図変動パターンP1,P5で特定される演出内容の図柄組合せ演出が実行されている場合は、第1表示画面17aで表示されている図柄組合せ演出を縮小して第2表示部83bに表示する一方で、第1表示部83aに移行報知演出(モード移行予告演出)を表示する。
前記ステップD14での判定結果が肯定(YES)の場合は、ステップD15に移行して、第2表示部83bに移行報知演出(モード移行予告演出)を表示する(図14(b)の(2)参照)。そして、移行報知演出(モード移行予告演出)を第1表示部83aまたは第2表示部83bに表示した後は、ステップD16に移行して、遊技中の演出モードが特定演出モードTMであることを報知する滞在演中演出を前記モード表示部(第2表示画面)80aに表示する。
すなわち、リーチ演出は、当該の図柄組合せ演出の結果として大当り遊技が付与される可能性を示唆する演出であって、特定演出モードTMに移行することよりも遊技者にとって関心の高い情報を含んでいる可能性がある。そこで、リーチ演出が行われる図柄組合せ演出が実行されている最中にモード移行実行時間K1(予告実行時間K2)となった場合は、遊技者にとって関心の度合が高いリーチ演出が行われる図柄組合せ演出を表示領域の大きな第1表示部83aに表示する一方で、該第1表示部83aより表示領域が小さい第2表示部83bに移行報知演出(モード移行予告演出)を表示することで、遊技の興趣を低下させることなく特定演出モードTMへの移行を遊技者に知らせることができる。また、リーチ演出が行われない特図変動パターンP1,P5で特定される演出内容の図柄組合せ演出は、リーチ演出が行われる特図変動パターンP2〜P4,P6〜P8で特定される演出内容の図柄組合せ演出や特定演出モードTMへ移行することよりは遊技者にとって関心は低く、表示領域の大きな第1表示部83aに移行報知演出(モード移行予告演出)を表示することで、遊技者の興味を惹くことができる特定演出モードTMへの移行を確実に知らせることで興趣を向上し得るようになっている。すなわち、遊技者の関心の度合の高低に基づき、関心の度合が高い情報(演出)を第1表示部83aに表示することで、遊技の興趣を向上することができる。本実施例では、リーチ演出が行われない演出が第1種別の演出であって、リーチ演出が行われない演出(第1種別の演出)が行われている演出状態が第1演出状態であり、遊技者にとって関心の度合が高いリーチ演出が第2種別の演出であって、該リーチ演出(第2種別の演出)が行われている演出状態が第2演出状態である。また、デモンストレーション演出も、第1種別の演出である。
ここで、前記第1表示装置17が第1演出状態で第1表示部83aに移行報知演出を表示させた場合に、統括制御CPU65aは、前記始動入賞口31,32への入賞(始動入賞検出センサSE1,SE2による球検出)を契機として、第1表示装置17における第1表示画面17aの全体に図柄組せ演出を表示させると共に、滞在中演出をモード表示部80aに表示させるように第1表示装置17および第2表示装置80を制御する。また、第1表示装置17が第2演出状態で第2表示部83bに移行報知演出を表示させた場合に、統括制御CPU65aは、特定演出モードTMへの移行時に実行されているリーチ演出が行われる図柄組合せ演出が終了したことを契機として、第2表示部83bでの移行報知演出を終了して滞在中演出をモード表示部80aに表示させるように第1表示装置17および第2表示装置80を制御する。なお、滞在中演出をモード表示部80aに表示させる契機は、図柄組合せ演出の開始や終了に関係なく、移行報知演出を表示させた後の所定時間後としてもよい。例えば、モード移行実行時間K1より後(例えば5秒後)に設定された滞在中演出実行時間となったことを、前記RTC82の計時値に基づいて統括制御CPU65aが判定(判定結果が肯定)した場合に、移行報知演出を終了すると共に滞在中演出をモード表示部80aに表示させるように統括制御CPU65aが両表示装置17,80を制御する構成を採用し得る。
(モード移行予告演出について)
実施例でのパチンコ機10では、前記特定演出モードTMに移行する前に、該特定演出モードTMとなることを予告するモード移行予告演出を前記表示部83a,83bに表示し得るよう構成されている。実施例では、特定演出モードTMの移行条件であるモード移行実行時間K1より前に設定された予告実行時間K2(図11参照)となったことを、前記RTC82の計時値に基づいて統括制御CPU65aが判定(判定結果が肯定)した場合に、モード移行実行時間K1までの残り時間(実施例では10秒)を表示すると共に時間をカウントダウンするカウトダウン演出を表示部83a,83bに表示するよう構成される(図14(a)の(2)または図14(b)の(2)参照)。具体的に、モード移行予告演出は、第1表示部83aまたは第2表示部83bに、「特定演出モード 10秒前」→「特定演出モード 9秒前」→「特定演出モード 8秒前」・・・「特定演出モード 3秒前」→「特定演出モード 2秒前」→「特定演出モード 1秒前」の文字列が順次表示される。そして、「特定演出モード 1秒前」が表示された後(モード移行予告演出の終了後)に、前記移行報知演出が第1表示部83aまたは第2表示部83bに表示される。すなわち、モード移行予告演出を行うことで、遊技を行っている遊技者に対して、特定演出モードTMに移行することを予め知らせることができ、遊技者に期待感を与えて興趣を向上できる。
ここで、前述したように、RTC82の計時値が予告実行時間K2になったと統括制御CPU65aが判定した場合に、該統括制御CPU65aは、当該予告実行時間K2になったときにおける前記第1表示装置17の演出状態に応じて、モード移行予告演出を表示する表示部を第1表示部83aおよび第2表示部83bから選択する表示部選択処理(図13参照)を実行するよう構成されている。すなわち、遊技者の関心の度合の高低に基づき、関心の度合が高い情報(リーチ演出が行われる図柄組せ演出)を第1表示部83aに表示し、関心の低い情報(モード移行予告演出)を第2表示部83bに表示することで、関心の度合が高いリーチ演出が行われる図柄組せ演出を阻害することなく特定演出モードTMに移行することを知らせ得る。
ここで、図柄組合せ演出中においてRTC82の計時値が予告実行時間K2またはモード移行実行時間K1になったと統括制御CPU65aが判定したタイミングが、リーチ表示前の場合では、前記ステップD14での判定結果が肯定(YES)であったとしても、第1表示部83aにモード移行予告演出または移行報知演出を表示すると共に、当該図柄組合せ演出を第2表示部83bに縮小表示する。そして、図柄組合せ演出においてリーチ表示となるタイミングで第1表示部83aで表示されているモード移行予告演出または移行報知演出を第2表示部83bに縮小表示する一方で、第1表示部83aに図柄組合せ演出(リーチ演出)を表示する。これにより、当該図柄組合せ演出がリーチ演出が行われるものであるのか否かを、モード移行予告演出または移行報知演出の表示態様によって認識されてしまうのを防止し得るようになっている。
(予告演出について)
実施例のパチンコ機10では、前記始動入賞口31,32への入賞(具体的には始動入賞検出センサSE1,SE2による球検出)を契機とした図柄組合せ演出の終了後に大当り遊技(当り遊技)が付与される可能性を示唆する予告演出を、統括制御ROM65bに記憶されている予告演出情報に基づいて第1表示装置17の図柄組合せ演出中に実行し得るよう構成される。この予告演出には、図柄組合せ演出の終了後に大当り遊技が付与される確率が高い高信頼度予告演出(特殊予告演出)R1,R2,R3と、図柄組合せ演出の終了後に大当り遊技が付与される確率が該高信頼度予告演出R1,R2,R3より低い低信頼度予告演出R4とが設定されている(図15〜図18参照)。高信頼度予告演出R1,R2,R3および低信頼度予告演出R4は、夫々について複数種類が統括制御ROM65bに記憶されている。そして、実施例のパチンコ機10では、始動入賞口31,32への入賞(具体的には始動入賞検出センサSE1,SE2による球検出)を契機とした大当り判定の結果として決定された、大当り演出を特定する特図変動パターンおよびはずれ演出を特定する特図変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドが統括制御CPU65aに入力された際に、該統括制御CPU65aが、予告演出を実行するか否か、および実行する場合における予告演出を複数種類(第1高信頼度予告演出R1、第2高信頼度予告演出R2、第3高信頼度予告演出R3および低信頼度予告演出R4)の中から1つ決定する予告演出の実行可否決定抽選を行うよう構成される。
ここで、前記高信頼度予告演出R1,R2,R3として、動画からなる第1高信頼度予告演出R1と、第1高信頼度予告演出R1とは演出内容が異なる動画からなる第2高信頼度予告演出R2と、静止画からなる第3高信頼度予告演出R3とが設定され、第3高信頼度予告演出R3は、図柄組合せ演出中において所定の画像を差し込み表示させる、いわゆるカットイン表示させる予告として用いられる。そして、これら複数の高信頼度予告演出R1,R2,R3では、当該パチンコ機10のモチーフとなる特徴的なアイテムの画像(特殊画像)が共通的に用いられ、当該アイテムの画像が表示されることで高信頼度予告演出であることを認識し得るようになっている。これに対し、低信頼度予告演出R4は、高信頼度予告演出R1,R2,R3で共通的に用いられるアイテムの画像は表示されないようになっている。なお、高信頼度予告演出として、共通のアイテムの画像が表示されない複数種類の通常高信頼度予告演出を設定し、該通常高信頼度予告演出および第1〜第3高信頼度予告演出R1,R2,R3から予告演出として表示する高信頼度予告演出を統括制御CPU65aが決定するよう構成してもよい。実施例では、共通の特殊画像が表示される高信頼度予告演出R1,R2,R3が特定演出であり、共通の特殊画像が表示されない低信頼度予告演出R4が非特定演出である。なお、共通の特殊画像が表示されない通常高信頼度予告演出を設定した場合は、該通常高信頼度予告演出も非特定演出となる。前記高信頼度予告演出として、例えば、パチンコ機10のモチーフとなる主人公が、特殊画像としてのキセル(刻みタバコを吸う道具)を用いた動作を行う複数パターンのイメージ画像が所謂「キセル予告」として設定されて、この「キセル予告」が高信頼度予告演出として用いられる。
(予告演出の実行可否決定抽選について)
前記予告演出の実行可否決定抽選は、前記統括制御ROM65bに記憶される予告演出用乱数および予告演出用判定値と、該予告演出用判定値が振分けられている抽選テーブルT1A,T1B,T1C,T1D,T2A,T2B,T3A,T3Bを用いて行われる。各抽選テーブルT1A,T1B,T1C,T1D,T2A,T2B,T3A,T3B(図15〜図18参照)は、予告演出の実行可否決定抽選が行われる際の演出モードに応じて使い分けられるようになっている。具体的に、通常滞在演出モードM1,M2では、通常滞在演出モード用抽選テーブルT1A,T1B,T1C,T1Dを用いて予告演出の実行可否決定抽選が行われ、後述するモード移行準備状態TNでは、準備状態用抽選テーブルT3A,T3Bを用いて予告演出の実行可否決定抽選が行われ、特定演出モードTMでは、特定演出モード用抽選テーブルT2A,T2Bを用いて予告演出の実行可否決定抽選が行われる。また、各抽選テーブルT1A,T1B,T1C,T1D,T2A,T2B,T3A,T3Bでは、メイン制御CPU60aから入力される特図変動パターンP1,P2,P3,P4,P5,P6,P7,P8の種類によって、予告演出用判定値の振分け値が異なるよう設定されている。そして、統括制御CPU65aは、メイン制御CPU60aから各種特図変動パターンP1,P2,P3,P4,P5,P6,P7,P8を指定する変動パターン指定コマンドが入力されたときに予告用演出用乱数を取得すると共に、この取得した予告用演出用乱数の値を、各抽選テーブルT1A,T1B,T1C,T1D,T2A,T2B,T3A,T3Bに設定されている予告演出用判定値と比較して、各抽選テーブルT1A,T1B,T1C,T1D,T2A,T2B,T3A,T3Bに応じて「予告なし」、「第1高信頼度予告演出R1」、「第2信頼度予告演出R2」、「第3信頼度予告演出R3」、「低信頼度予告演出R4」の何れかを決定するよう構成される。なお、図15〜図18に示す抽選テーブルT1A,T1B,T1C,T1D,T2A,T2B,T3A,T3Bは、後述する予告演出実行タイミングF1,F2,F3,F4における予告演出の可否および種類を抽選により決定するためのテーブルであって、当該抽選テーブルT1A,T1B,T1C,T1D,T2A,T2B,T3A,T3Bにおいて「予告なし」が決定された場合に、図柄組合せ演出中に予告演出が全く行われないことを決めるものではない。
ここで、実施例のパチンコ機10では、通常演出モードに分類される通常滞在演出モードM1,M2とは遊技状態が異なる特別滞在演出モード(確変滞在演出モードM3および変短滞在演出モードM4)において、予告演出の実行可否決定抽選は行われないように構成されているが、当該特別滞在演出モードM3,M4においても実行可否決定抽選を行うようにしてもよい。
次に、各演出モードにおいて実行可否決定抽選で用いられる抽選テーブルT1A,T1B,T1C,T1D,T2A,T2B,T3A,T3Bについて説明する。なお、モード移行準備状態TNにおいて用いられる準備状態用抽選テーブルT3A,T3Bについては、モード移行準備状態T2A,T2Bを説明する際に併せて説明する。
(通常滞在演出モード用抽選テーブルT1A,T1B,T1C,T1D)
前記通常滞在演出モードM1,M2での予告演出の実行可否決定抽選は、2段階で予告演出の抽選が行われる。すなわち、第1段階実行可否決定抽選では、図15に示す第1通常滞在演出モード用抽選テーブルT1A,T1Bを用いて高信頼度予告演出を実行するか否かの抽選を行い、第1段階実行可否決定抽選において高信頼度予告演出を実行することが決定された場合は、第2段階実行可否決定抽選において第2通常滞在演出モード用抽選テーブルT1C,T1D(図16参照)を用いて実行する高信頼度予告演出の種類を決定するよう構成されている。
第1段階実行可否決定抽選で用いられる通常滞在演出モード用抽選テーブルT1A,T1Bとして、大当り判定の判定結果が否定(はずれ)の条件で用いられるはずれ第1通常滞在演出モード用抽選テーブルT1A(図15(a)参照)と、大当り判定の判定結果が肯定(当り)の条件で用いられる当り第1通常滞在演出モード用抽選テーブルT1B(図15(b)参照)とが設定されている。両抽選テーブルT1A,T1Bでは、予告演出用乱数の取り得る1000通りの予告演出用判定値が、「予告なし」、「高信頼度予告演出実行」および「低信頼度予告演出R4」に夫々振分けられている。
具体的には、はずれ第1通常滞在演出モード用抽選テーブルT1Aでは、前記各特図変動パターンP1,P2,P3,P4に応じて以下のように予告演出用判定値が振分けられている。
はずれ用第1特図変動パターンP1およびはずれ用第2特図変動パターンP2では、「予告なし」に1000通りの予告演出用判定値が夫々振分けられている。また、はずれ用第3特図変動パターンP3では、「予告なし」に950通りの予告演出用判定値が振分けられると共に、「低信頼度予告演出R4」に50通りの予告演出用判定値が振分けられ、はずれ用第4特図変動パターンP4では、「予告なし」に667通りの予告演出用判定値が振分けられ、「高信頼度予告演出実行」に33通りの予告演出用判定値が振分けられると共に、「低信頼度予告演出R4」に300通りの予告演出用判定値が振分けられている。
前記当り第1通常滞在演出モード用抽選テーブルT1Bでは、各特図変動パターンP5,P6,P7,P8に応じて以下のように予告演出用判定値が振分けられている。
当り用第1特図変動パターンP5および当り用第2特図変動パターンP6では、「予告なし」に1000通りの予告演出用判定値が夫々振分けられている。また、当り用第3特図変動パターンP7では、「予告なし」に950通りの予告演出用判定値が振分けられると共に、「低信頼度予告演出R4」に50通りの予告演出用判定値が振分けられ、当り用第4特図変動パターンP8では、「予告なし」に500通りの予告演出用判定値が振分けられ、「高信頼度予告演出実行」に200通りの予告演出用判定値が振分けられると共に、「低信頼度予告演出R4」に300通りの予告演出用判定値が振分けられている。
前記第2段階実行可否決定抽選で用いられる通常滞在演出モード用抽選テーブルT1C,T1Dとして、大当り判定の判定結果が否定(はずれ)の条件で用いられるはずれ第2通常滞在演出モード用抽選テーブルT1C(図16(a)参照)と、大当り判定の判定結果が肯定(当り)の条件で用いられる当り第2通常滞在演出モード用抽選テーブルT1D(図16(b)参照)とが設定されている。両抽選テーブルT1C,T1Dでは、予告演出用乱数の取り得る1000通りの予告演出用判定値が、「第1高信頼度予告演出R1」および「第2高信頼度予告演出R2」に夫々振分けられている。
具体的には、はずれ第2通常滞在演出モード用抽選テーブルT1Cでは、「第1高信頼度予告演出R1」に950通りの予告演出用判定値が振分けられると共に、「第2高信頼度予告演出R2」に50通りの予告演出用判定値が振分けられている。当り第2通常滞在演出モード用抽選テーブルT1Dでは、「第1高信頼度予告演出R1」に920通りの予告演出用判定値が振分けられると共に、「第2高信頼度予告演出R2」に80通りの予告演出用判定値が振分けられている。
前記通常滞在演出モードM1,M2における予告演出の実行可否決定抽選では、大当り判定ではずれの場合および当りの場合の何れでも高信頼度予告演出R1,R2および低信頼度予告演出R4が実行される可能性はある。但し、高信頼度予告演出R1,R2は、はずれの場合より当りの場合の方が出現する確率は著しく高くなっているのに対し、低信頼度予告演出R4は、特図変動パターンP3,P4,P7,P8の抽選確率が、はずれの場合と当りの場合とで異なるものの、はずれの場合に対する当りの場合に出現する確率は、高信頼度予告演出R1,R2の場合より低くなっている。すなわち、通常滞在演出モードM1,M2において高信頼度予告演出R1,R2が出現(決定)した場合は、低信頼度予告演出R4が出現(決定)した場合より、図柄組合せ演出の終了後に大当り遊技が付与される確率が高い。また実施例では、通常滞在演出モードM1,M2では予告演出の実行可否決定抽選を行って所要の確率で高信頼度予告演出を決定し得る可能性がある一方で、特別滞在演出モード(確変滞在演出モードM3および変短滞在演出モードM4)では予告演出の実行可否決定抽選を行わないので高信頼度予告演出を決定し得る可能性はなく、通常滞在演出モードM1,M2と特別滞在演出モードM3,M4とでは高信頼度予告演出を決定する確率が異なっている。なお、特別滞在演出モード(確変滞在演出モードM3および変短滞在演出モードM4)でも予告演出の実行可否決定抽選を行うよう構成し、その場合の高信頼度予告演出を決定する確率を通常滞在演出モードM1,M2で高信頼度予告演出を決定する確率と異ならせるようにしてもよい。
(特定演出モード用抽選テーブルT2A,T2B)
次に、前記特定演出モードTMでの予告演出の実行可否決定抽選で用いられる特定演出モード用抽選テーブルT2A,T2Bとして、大当り判定の判定結果が否定(はずれ)の条件で用いられるはずれ特定演出モード用抽選テーブルT2A(図17(a)参照)と、大当り判定の判定結果が肯定(当り)の条件で用いられる当り特定演出モード用抽選テーブルT2B(図17(b)参照)とが設定されている。両抽選テーブルT2A,T2Bでは、予告演出用乱数の取り得る1000通りの予告演出用判定値が、「予告なし」、「第1高信頼度予告演出R1」、「第3高信頼度予告演出R3」および「低信頼度予告演出R4」に夫々振分けられている。
具体的には、はずれ特定演出モード用抽選テーブルT2Aでは、各特図変動パターンP1,P2,P3,P4に応じて以下のように予告演出用判定値が振分けられている。
はずれ用第1特図変動パターンP1およびはずれ用第2特図変動パターンP2では、「予告なし」に1000通りの予告演出用判定値が夫々振分けられている。また、はずれ用第3特図変動パターンP3では、「予告なし」に950通りの予告演出用判定値が振分けられると共に、「低信頼度予告演出R4」に50通りの予告演出用判定値が振分けられ、はずれ用第4特図変動パターンP4では、「予告なし」に900通りの予告演出用判定値が振分けられると共に、「低信頼度予告演出R4」に100通りの予告演出用判定値が振分けられている。
前記当り特定演出モード用抽選テーブルT2Bでは、各特図変動パターンP5,P6,P7,P8に応じて以下のように予告演出用判定値が振分けられている。
当り用第1特図変動パターンP5および当り用第2特図変動パターンP6では、「予告なし」に1000通りの予告演出用判定値が夫々振分けられている。また、当り用第3特図変動パターンP7では、「予告なし」に50通りの予告演出用判定値が振分けられ、「第3高信頼度予告演出R3」に900通りの予告演出用判定値が振分けられると共に、「低信頼度予告演出R4」に50通りの予告演出用判定値が振分けられている。また、当り用第4特図変動パターンP8では、「予告なし」に50通りの予告演出用判定値が振分けられ、「第1高信頼度予告演出R1」に450通りの予告演出用判定値が振分けられ、「第3高信頼度予告演出R3」に400通りの予告演出用判定値が振分けられると共に、「低信頼度予告演出R4」に100通りの予告演出用判定値が振分けられている。
前記特定演出モードTMにおける予告演出の実行可否決定抽選では、大当り判定ではずれの場合には、当該予告演出の実行可否決定抽選で決定可能な全ての高信頼度予告演出R1,R3は決定されることはなく、該高信頼度予告演出R1,R3は、大当り判定で当りの場合にのみ決定される。すなわち、当該特定演出モードTMでは、高信頼度予告演出R1,R3は、図柄組合せ演出の終了後に大当り遊技が付与されることが確定される大当り確定予告演出となる。また、低信頼度予告演出R4は大当り判定ではずれの場合および当りの場合の何れでも実行される可能性があるのに対し、高信頼度予告演出R1,R3は、大当り判定で当りの場合にしか出現(決定)しないので、特定演出モードTMにおいて高信頼度予告演出R1,R3が出現(決定)した場合は、低信頼度予告演出R4が出現(決定)した場合より、図柄組合せ演出の終了後に大当り遊技が付与される確率が高い。
ここで、特定演出モードTMにおける予告演出の実行可否決定抽選で用いられるはずれ特定演出モード用抽選テーブルT2Aと、前記通常演出モードM1,M2における予告演出の実行可否決定抽選で用いられるはずれ第1通常滞在演出モード用抽選テーブルT1Aとを比較すると、特定演出モードTMの方が通常演出モードM1,M2より高信頼度予告演出(R1,R3)が決定される確率が高くなっている。また、特定演出モードTMにおける予告演出の実行可否決定抽選で用いられる当り特定演出モード用抽選テーブルT2Bと、前記通常演出モードM1,M2における予告演出の実行可否決定抽選で用いられる当り第1通常滞在演出モード用抽選テーブルT1Bとを比較すると、特定演出モードTMの方が通常演出モードM1,M2より高信頼度予告演出(R1,R3)が決定される確率が高くなっている。すなわち、高信頼度予告演出は、通常演出モードM1,M2より特定演出モードTMの方が、統括制御CPU65aにより決定される確率が高くなるよう設定されている。
また、特定演出モードTMにおける予告演出の実行可否決定抽選で用いられるはずれおよび当り特定演出モード用抽選テーブルT2A,T2Bと、前記通常演出モードM1,M2における予告演出の実行可否決定抽選で用いられるはずれおよび当り第1通常滞在演出モード用抽選テーブルT1A,T1Bとを比較すると、特定演出モードTMでは大当り判定で当りの場合にのみ高信頼度予告演出(R1,R3)が決定されるのに対し、通常演出モードM1,M2では大当り判定ではずれおよび当りの何れの場合でも高信頼度予告演出(R1,R2)が決定可能に設定されている。すなわち、通常演出モードM1,M2において高信頼度予告演出(R1,R2)が出現した場合より、特定演出モードTMにおいて高信頼度予告演出(R1,R3)が出現した場合の方が、大当り遊技が付与される確率が高く、該高信頼度予告演出(R1,R2,R3)の信頼度は通常演出モードM1,M2より特定演出モードTMの方が高いと言える。
(モード移行準備状態TNについて)
実施例では、前記特定演出モードTMに移行する前に、前記予告演出の抽選に際して、大当り判定が否定の場合には統括制御CPU65aが高信頼度予告演出(R1,R3)を決定しないモード移行準備状態TNが内部的に設定されている。このモード移行準備状態TNは内部的に設定されるものであって、当該モード移行準備状態TN中における第1表示装置17の第1表示画面17aや第2表示装置80(81)の第2表示画面80a(81a)に表示される演出は、遊技中の通常演出モードM1,M2,M2,M3に対応する表示内容で表示される。すなわち、モード移行準備状態TNであることは、第1表示装置17や第2表示装置80(81)の表示によっては遊技者が認識し得ないよう構成される。
前記モード移行準備状態TNは、前記RTC82の計時値が準備開始時間K3になったと前記統括制御CPU65aが判定した場合に内部的に設定される。またこのモード移行準備状態TNは、RTC82の計時値に基づいて、統括制御CPU65aが前記モード移行実行時間K1になったと判定した場合に終了するよう設定される(図11参照)。前記準備開始時間K3は、モード移行実行時間K1より前記第1表示装置17で実行される図柄組合せ演出の最長の変動時間以前に設定されている。具体的には、実施例における最長の変動時間が2分であるのに対し、準備開始時間K3は3分に設定される。すなわち、特定演出モードTMに移行する3分前からモード移行準備状態TNが開始されるようになっている。なお、統括制御CPU65aは、準備開始時間K3になったと判定した場合に、統括制御RAM65cの記憶領域に設定された準備モードフラグに「1」が設定されると共に、モード移行実行時間K1になったと判定した場合は該準備モードフラグに「0」が設定されて、統括制御CPU65aは準備モードフラグの情報に基づいて内部的にモード移行準備状態TNが設定されている状態を認識し得るようになっている。そして、統括制御CPU65aは、モード移行準備状態TN中においてメイン制御CPU60aによる特図当り判定が行われた情報に基づく予告演出の抽選を、準備状態用抽選テーブルT3A,T3Bを用いて行うように構成されている。
(準備状態用抽選テーブルT3A,T3B)
前記モード移行準備状態TN中における予告演出の抽選は、前記統括制御ROM65bに記憶される予告演出用乱数および予告演出用判定値と、該予告演出用判定値が振分けられている準備状態用抽選テーブルT3A,T3Bを用いて行われる。この準備モードモード用抽選テーブルT3A,T3Bとして、大当り判定の判定結果が否定(はずれ)の条件で用いられるはずれ準備状態用抽選テーブルT3A(図18(a)参照)と、大当り判定の判定結果が肯定(当り)の条件で用いられる当り準備状態用抽選テーブルT3B(図18(b)参照)とが設定されている。両抽選テーブルT3A,T3Bでは、予告演出用乱数の取り得る1000通りの予告演出用判定値が、「予告なし」、「第1高信頼度予告演出R1」、「第3高信頼度予告演出R3」および「低信頼度予告演出R4」に夫々振分けられている。
具体的には、はずれ準備演出モード用抽選テーブルT3Aでは、各特図変動パターンP1,P2,P3,P4に応じて以下のように予告演出用判定値が振分けられている。
はずれ用第1特図変動パターンP1およびはずれ用第2特図変動パターンP2では、「予告なし」に1000通りの予告演出用判定値が夫々振分けられている。また、はずれ用第3特図変動パターンP3では、「予告なし」に950通りの予告演出用判定値が振分けられると共に、「低信頼度予告演出R4」に50通りの予告演出用判定値が振分けられ、はずれ用第4特図変動パターンP4では、「予告なし」に700通りの予告演出用判定値が振分けられると共に、「低信頼度予告演出R4」に300通りの予告演出用判定値が振分けられている。
前記当り準備演出モード用抽選テーブルT3Bでは、各特図変動パターンP5,P6,P7,P8に応じて以下のように予告演出用判定値が振分けられている。
当り用第1特図変動パターンP5および当り用第2特図変動パターンP6では、「予告なし」に1000通りの予告演出用判定値が夫々振分けられている。また、当り用第3特図変動パターンP7では、「予告なし」に950通りの予告演出用判定値が振分けられると共に、「低信頼度予告演出R4」に50通りの予告演出用判定値が振分けられ、当り用第4特図変動パターンP8では、「予告なし」に100通りの予告演出用判定値が振分けられ、「第1高信頼度予告演出R1」に600通りの予告演出用判定値が振分けられると共に、「低信頼度予告演出R4」に300通りの予告演出用判定値が振分けられている。
前記モード移行準備状態TNにおける予告演出の実行可否決定抽選では、大当り判定ではずれの場合には、当該予告演出の実行可否決定抽選において決定可能な全ての高信頼度予告演出R1,R3は決定されることはなく、後述するように特定演出モードTMにおいて、高信頼度予告演出R1,R3が出現したにも関わらずはずれとなるのを防止し得るよう構成される。また、低信頼度予告演出R4は大当り判定ではずれの場合および当りの場合の何れでも実行される可能性があるのに対し、第1高信頼度予告演出R1は、大当り判定で当りの場合にしか出現(決定)しないので、モード移行準備状態TNにおいて第1高信頼度予告演出(高信頼度予告演出)R1が出現(決定)した場合は、低信頼度予告演出R4が出現(決定)した場合より、図柄組合せ演出の終了後に大当り遊技が付与される確率が高い。また、モード移行準備状態TN中において予告演出の実行可否決定抽選が行われた情報に基づく図柄組合せ演出が特定演出モードTMに移行した後も継続して、該特定演出モードTM中に終了した場合にあっても、第1高信頼度予告演出R1が出現した場合は大当り遊技が付与されるので、当該特定演出モードTMでの高信頼度予告演出(R1)の信頼度が低下することはない。
(予告演出の予告演出実行タイミングについて)
実施例では、前記メイン制御CPU60aが決定可能な最長の変動時間に対応する特図変動パターンで特定される演出パターンを基準として、第1表示装置17での1回の図柄組合せ演出において、予告演出を実行可能な複数(4通り)の予告演出実行タイミングF1,F2,F3,F4が設定されている。そして、前記統括制御CPU65aは、メイン制御CPU60aから入力された特図変動パターンに基づいて前述したように予告演出の実行を決定した場合に、当該予告演出を実行する予告演出実行タイミングを決定し、該統括制御CPU65aは決定した予告演出実行タイミングで予告演出を実行するよう構成される。
本実施例では、図19に示すように、変動開始→リーチ表示→ノーマルリーチ→スーパーリーチ(SPリーチ)→変動停止(図柄の確定停止)のパターンにおいて、4通りの予告演出実行タイミングF1,F2,F3,F4を設定してある。具体的には、第1予告演出実行タイミングF1は、図柄変動開始時に設定され、第2予告演出実行タイミングF2は、ノーマルリーチ中に設定され、第3予告演出実行タイミングF3は、スーパーリーチ発展時に設定され、第4予告演出実行タイミングF4は、再抽選時(仮停止から再変動された図柄が確定停止されるまでの間)に設定されている。すなわち、実施例では、図柄組合せ演出における図柄の変動開始から図柄が仮停止されるまでの間に、第1〜第3予告演出実行タイミングF1,F2,F3が設定されると共に、仮停止から再変動された図柄が確定停止されるまでの間に第4予告演出実行タイミングF4が設定されている。そして、統括制御CPU65aは、メイン制御CPU60aから入力された特図変動パターンが当り用およびはずれ用の場合には、第1〜第3予告演出実行タイミングF1,F2,F3の中から決定すると共に、メイン制御CPU60aから入力された特図変動パターンが当り用の場合には、第1〜第4予告演出実行タイミングF1,F2,F3,F4の中から決定するよう設定されている。なお、図19に示す予告演出実行タイミングF1,F2,F3,F4は、実施例における高信頼度予告演出R1,R2,R3が実行可能なタイミングであって、低信頼度予告演出R4や通常高信頼度予告演出等のその他各種通常予告演出(非特定演出)の予告演出実行タイミングについては、図19に示すタイミング以外の任意のタイミングが設定されている。
前記予告演出の予告演出実行タイミング決定抽選は、前記統括制御ROM65bに記憶される予告実行タイミング用乱数および予告実行タイミング用判定値と、該予告実行タイミング用判定値が振分けられているタイミング抽選テーブルを用いて行われる。すなわち、統括制御CPU65aは、メイン制御CPU60aから各種特図変動パターンP1,P2,P3,P4,P5,P6,P7,P8を指定する変動パターン指定コマンドが入力されたときに予告実行タイミング用乱数を取得すると共に、この取得した予告実用タイミング用乱数の値を、タイミング抽選テーブルに設定されている予告実行タイミング用判定値と比較して、前記予告演出実行タイミングF1〜F4の中から1つを決定するよう構成される。
ここで、予告演出実行タイミング決定抽選で用いられるタイミング抽選テーブルは、特図変動パターンP1,P2,P3,P4,P5,P6,P7,P8によって異なるものが用いられる。すなわち、はずれ用第1特図変動パターンP1および当り用第1特図変動パターンP5では、第1予告演出実行タイミングF1のみに予告実行タイミング用判定値が振分けられたタイミング抽選テーブルが用いられ、はずれ用第2特図変動パターンP2および当り用第2特図変動パターンP6では、第1予告演出実行タイミングF1および第2告演出実行タイミングF2に予告実行タイミング用判定値が振分けられたタイミング抽選テーブルが用いられ、はずれ用第3特図変動パターンP3およびはずれ用第4特図変動パターンP4では、第1〜第3予告演出実行タイミングF1,F2,F3に予告実行タイミング用判定値が振分けられたタイミング抽選テーブルが用いられ、当り用第3特図変動パターンP7および当り用第4特図変動パターンP8では、第1〜第4予告演出実行タイミングF1,F2,F3,F4の全てに予告実行タイミング用判定値が振分けられたタイミング抽選テーブルが用いられる。すなわち、予告演出の予告演出実行タイミングは、特図変動パターンP1,P2,P3,P4,P5,P6,P7,P8で特定される図柄組合せ演出の変動時間や演出内容に応じたタイミング抽選テーブルを用いて決定される。
(音演出について)
実施例のパチンコ機10では、前記統括制御RAM65cに記憶されている音データに基づく各種音演出を前記スピーカ(音演出実行手段)19で実行(出力)させることで、遊技を盛り上げるよう構成されている。統括制御RAM65cに記憶されている音データ(音演出)としては、演出モード、リーチ演出および予告演出等に対応したBGMデータ、リーチ演出の発展や予告演出を音声により報知する音声データ、その他大当り遊技が開始される際に出力されるファンファーレ等の効果音データ等の複数種類が設定されている。BGMデータは、図5に示す如く、遊技中の演出モードに応じて異なる種類が設定されており、実施例では、前記第1通常滞在演出モードM1に対応する第1BGMデータ、第2通常滞在演出モードM2に対応する第2BGMデータ、確変滞在演出モードM3に対応する第3BGMデータ、変短滞在演出モードM4に対応する第4BGMデータおよび特定演出モードTMに対応する特定BGMデータ(特定音演出)が設定されている。この特定BGMデータに基づく音演出は、当該特定演出モードTMでのみ実行される特定音演出であり、該特定音演出によって遊技者に特定演出モードTM中であることを認識させ得るようになっている。また、大当り遊技が付与される可能性を示唆する情報を含むリーチ演出や予告演出に対応する特殊BGMデータ(特殊音演出)が統括制御RAM65cに記憶されている。この特殊BGMデータは、リーチ演出の種類(ノーマルリーチ演出、ショートスーパーリーチ演出、ロングスーパーリーチ演出等)や予告演出の種類によって異なる種類が設定されている。なお、演出モード、リーチ演出および予告演出等に対応する音演出については、BGM、音声および効果音が個々に設定される場合の他に、複数の音演出が組み合わされたものが、演出モード、リーチ演出および予告演出等に対応して設定されているものであってもよい。
前記統括制御CPU65aは、前記演出モードM1,M2,M3,M4,TMがモード移行条件(図柄組合せ演出の変動回数や時間)の成立によって切り替った場合に、前記統括制御RAM65cに記憶されている各演出モードM1,M2,M3,M4,TMに対応する音データを読み出し、該音データをスピーカ19に出力して該スピーカ19で再生させるよう構成される。また統括制御CPU65aは、前記通常演出モードM1,M2,M3,M4中において、前記第1特図変動パターンP1,P5のようにリーチ演出を行わない図柄組合せ演出が実行されている状態(第1演出状態)の場合は、特殊BGMデータを読み出すことなく演出モードM1,M2,M3,M4,TMに対応するBGMデータをスピーカ19に出力し、前記第2特図変動パターンP2,P6、第3特図変動パターンP3,P7、第4特図変動パターンP4,P8のようにリーチ演出を行う図柄組合せ演出が実行されている状態(第2演出状態)の場合は、特殊BGMデータを読み出して該特殊BGMデータをスピーカ19に出力する。また、統括制御CPU65aは、前記特定演出モードTM中において、前記第1特図変動パターンP1,P5のようにリーチ演出を行わない図柄組合せ演出が実行されている状態(第1演出状態)の場合は、特殊BGMデータを読み出すことなく特定BGMデータをスピーカ19に出力し、前記第2特図変動パターンP2,P6、第3特図変動パターンP3,P7、第4特図変動パターンP4,P8のようにリーチ演出を行う図柄組合せ演出が実行されている状態(第2演出状態)の場合は、特殊BGMデータを読み出して該特殊BGMデータをスピーカ19に出力する。
実施例では、第1表示装置(演出実行手段)17での表示内容が異なる複数種類の通常演出モードM1,M2,M3,M4から通常演出モードを決定する演出モード決定手段としての機能を統括制御CPU65aが備えている。また、実施例では、前記RTC(計時手段)82の計時値が予め設定されたモード移行実行時間K1になった場合に、通常演出モードM1,M2,M3,M4から特定演出モードTMに移行させる演出モード移行手段としての機能および特定演出モードTMへの移行を報知する移行報知演出の実行を決定する報知演出決定手段としての機能を統括制御CPU65aが備えている。また、報知演出決定手段としての統括制御CPU65aが移行報知演出の実行を決定したことに基づいて、第1表示装置(演出実行手段)17で第1種別の演出が行われる第1演出状態の場合は、第1表示部83aに移行報知演出を表示し、第1表示装置(演出実行手段)17で第2種別の演出が行われる第2演出状態の場合は、第2表示部83bに移行報知演出を表示させるように該第1表示装置(演出実行手段)17を制御する演出実行制御手段としての機能も該統括制御CPU65aが備えている。そして、演出実行制御手段としての統括制御CPU65aは、第1表示装置(演出実行手段)17が第1演出状態の場合は、各通常演出モードM1,M2,M3,M4に共通する移行報知演出を第1表示部83aに表示させた後に、特定演出モードTMであることを報知する滞在中演出をモード表示部80aに表示させ、第1表示装置(演出実行手段)17が第2演出状態の場合は、特図変動パターンP2〜P4,P6〜P8で特定されるリーチ演出(第2種別の演出)を第1表示部83aに表示させた状態で、各通常演出モードM1,M2,M3,M4に共通する移行報知演出を第2表示部83bに表示させた後に、特定演出モードTMであることを報知する滞在中演出をモード表示部80a(81a)に表示させるように第1表示装置(演出実行手段)17および第2表示装置(演出実行手段)80(81)を制御するよう構成される。
実施例では、RTC(計時手段)82の計時値が予め設定された予告実行時間K2になった場合に、特定演出モードTMに移行することを予告するモード移行予告演出の実行を決定する移行予告演出決定手段としての機能を備えている。そして、移行予告演出決定手段としての統括制御CPU65aがモード移行予告演出の実行を決定したことに基づいて、第1表示装置(演出実行手段)17が第1演出状態の場合は、第1表示部83aにモード移行予告演出を表示し、第1表示装置(演出実行手段)17が第2演出状態の場合は、第2表示部83bにモード移行予告演出を表示させるように第1表示装置(演出実行手段)17を制御する演出実行制御手段としての機能を統括制御CPU65aが備えている。また、統括制御CPU65aは、図柄組合せ演出の終了後に大当り遊技(当り遊技)が付与される可能性を示唆する特別演出としての予告演出を複数種類から決定する予告演出決定手段(特別演出決定手段)としての機能、決定された予告演出(特別演出)を第1表示装置(演出実行手段)17で実行させる予告実行制御手段としての機能および図柄組合せ演出の開始から該図柄組合せ演出の終了までの間に設定されて高信頼度予告演出(特殊予告演出)を実行可能な複数の予告演出実行タイミングから予告演出実行タイミングを決定する実行タイミング決定手段としての機能を備えている。更に、特殊音演出および特定音演出を含む複数種類の異なる音演出からスピーカ(音演出実行手段)19で実行させる音演出を決定する音演出決定手段としての機能を統括制御CPU65aが備えている。
(実施例の作用)
次に、実施例に係るパチンコ機10の作用につき説明する。
本実施例では、前記RTC82の計時値が予告実行時間K2になったと前記統括制御CPU65aが判定した場合に、前記第1表示装置17の第1表示画面17aで図柄組合せ演出が行われていないか、またはリーチ演出が行われない図柄組合せ演出が実行されている第1演出状態の場合は、図14(a)の(2)に示す如く、該統括制御CPU65aは、大きな表示領域の第1表示部83aにモード移行予告演出を表示するように第1表示装置17を制御する。すなわち、遊技者の興味を惹くことができる特定演出モードTMに移行することを予告するモード移行予告演出を、大きな第1表示部83aに表示してインパクトを与えると共に遊技者に確実に知らせることができ、特定演出モードTMに移行することへの関心を高めて興趣を向上し得る。一方で、前記統括制御CPU65aが予告実行時間K2になったと判定した場合に、第1表示装置17の第1表示画面17aで遊技者にとって関心の高いリーチ演出が行われる図柄組合せ演出が実行されている第2演出状態の場合は、該統括制御CPU65aは、図14(b)の(2)に示す如く、大きな表示領域の第1表示部83aで図柄組合せ演出を継続しつつ、第2表示部83bにモード移行予告演出を表示するように第1表示装置17を制御する。すなわち、遊技者の関心の高いリーチ演出が行われる図柄組合せ演出を阻害することなく特定演出モードTMに移行することを遊技者に認識させ得る。なお、RTC82の計時値が予告実行時間K2になったと統括制御CPU65aが判定したタイミングが、リーチ表示前の場合は、リーチ表示のタイミングとなるまでは第1表示部83aにモード移行予告演出を表示すると共に、当該図柄組合せ演出を第2表示部83bで縮小表示する。そして、図柄組合せ演出においてリーチ表示となるタイミングで第1表示部83aで表示されているモード移行予告演出を縮小して第2表示部83bに表示する一方で、第1表示部83aに図柄組合せ演出(リーチ演出)を表示することで、当該図柄組合せ演出がリーチ演出が行われるものであるのか否かを、モード移行予告演出の表示態様によって認識されてしまうのを防止し得る。
本実施例では、前記RTC82の計時値がモード移行実行時間K1になったと前記統括制御CPU65aが判定した場合に、前記第1表示装置17が前記第1演出状態の場合は、該統括制御CPU65aは、図14(a)の(3)に示す如く、大きな表示領域の第1表示部83aに移行報知演出を表示するように第1表示装置17を制御する。すなわち、遊技者の興味を惹くことができる特定演出モードTMへの移行を、大きな第1表示部83aに表示してインパクトを与えると共に遊技者に確実に知らせることができ、興趣を向上し得る。一方で、前記統括制御CPU65aがモード移行実行時間K1になったと判定した場合に、第1表示装置17が前記第2演出状態の場合は、該統括制御CPU65aは、図14(b)の(3)に示す如く、大きな表示領域の第1表示部83aで遊技者にとって関心の高いリーチ演出が行われる図柄組合せ演出を継続しつつ、第2表示部83bに移行報知演出を表示するように第1表示装置17を制御する。すなわち、遊技者の関心の高いリーチ演出が行われる図柄組合せ演出を阻害することなく特定演出モードTMへの移行を遊技者に認識させることができる。なお、RTC82の計時値がモード移行実行時間K1になったと統括制御CPU65aが判定したタイミングが、リーチ表示前の場合は、リーチ表示のタイミングとなるまでは第1表示部83aに移行報知演出を表示すると共に、当該図柄組合せ演出を第2表示部83bで縮小表示する。そして、図柄組合せ演出においてリーチ表示となるタイミングで第1表示部83aに表示されているモード移行予告演出を縮小して第2表示部83bに表示する一方で、第1表示部83aに図柄組合せ演出(リーチ演出)を表示することで、当該図柄組合せ演出がリーチ演出が行われるものであるのか否かを、移行報知演出の表示態様によって認識されてしまうのを防止し得る。
前記第1表示装置17が第1演出状態であるときに第1表示部83aに移行報知演出を表示させた統括制御CPU65aは、前記始動入賞口31,32への入賞(始動入賞検出センサSE1,SE2による球検出)を契機として第1表示装置17における第1表示画面17aの全体に図柄組合せ演出を表示させると共に、前記第2表示装置80のモード表示部(第2表示画面)80aに滞在中演出を表示するように両表示装置17,80を制御する(図14(a)の(4)参照)。また、第1表示装置17が第2演出状態であるときに第2表示部83bに移行報知演出を表示させた統括制御CPU65aは、特定演出モードTMへの移行時に実行されているリーチ演出が行われる図柄組合せ演出が終了したことを契機として、第2表示部83bでの移行報知演出を終了させて第2表示装置80のモード表示部(第2表示画面)80aに滞在中演出を表示するように両表示装置17,80を制御する(図14(b)の(4)参照)。そして、第2表示装置80での滞在中演出の表示は、特定演出モードTMが終了するまで継続させるように統括制御CPU65aが第2表示装置80を制御する。すなわち、移行報知演出を表示することで特定演出モードTMへの移行を遊技者に知らせた後は、第1表示装置17で行われる図柄組合せ演出を阻害しない状態で、遊技を行っている演出モードが特定演出モードTMであることを第2表示装置80に表示した滞在中演出によって遊技者に認識させることができる。
また、図11に示す如く、特定演出モード中において始動入賞口31,32への入賞(始動入賞検出センサSE1,SE2による球検出)を契機とした図柄組合せ演出では、統括制御CPU65aは特定演出モードTMに対応する演出パターンを決定して、該演出パターンで特定される演出を表示装置17,80,81で表示させるので、図柄組合せ演出によっても遊技者に特定演出モードTM中であることを認識させることができる。更に、前記特定演出モードTMに移行すると、前記統括制御CPU65aは、当該特定演出モードTMに専用の特定BGMの音データを統括制御RAM65cから読み出し、該音データをスピーカ19に出力して該スピーカ19で再生させる。すなわち、特定演出モードTMでしか聞くことができない特定BGMがスピーカ19から出力されるので、遊技者に特別感を与えて興趣を高めることができる。また、特定演出モードTMにおいてリーチ演出が行われる図柄組合せ演出や予告演出が行われる場合は、統括制御CPU65aは、該リーチ演出や予告演出に対応する特殊BGMの音データを統括制御RAM65cから読み出し、該音データをスピーカ19に出力して該スピーカ19で再生させる。すなわち、特定演出モードTMと通常演出モードM1,M2,M3,M4とで、リーチ演出や予告演出に対応する特殊BGMを共通化することで、特定BGMによって特定演出モードTM中であることの特別感を遊技者に与えつつ統括制御CPU65aの制御負荷を低減することができる。
本実施例では、通常演出モードM1,M2,M3,M4の滞在中において前記始動入賞口31,32への入賞(始動入賞検出センサSE1,SE2による球検出)を契機とした大当り判定の結果として決定された特図変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドが統括制御CPU65aに入力された際に、該統括制御CPU65aが実行する予告演出の実行可否決定抽選において用いる第1通常滞在演出モード用抽選テーブルT1A,T1Bと、特定演出モードTMの滞在中において始動入賞口31,32への入賞(始動入賞検出センサSE1,SE2による球検出)を契機とした大当り判定の結果として決定された特図変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドが統括制御CPU65aに入力された際に、該統括制御CPU65aが実行する予告演出の実行可否決定抽選において用いる特定演出モード用抽選テーブルT2A,T2Bとを異なるようにした。そして、通常滞在演出モード(通常演出モード)M1,M2で高信頼度予告演出(R1,R2)が出現する割合より、特定演出モードTMで高信頼度予告演出(R1,R3)が出現する割合を高くしたので、通常滞在演出モード(通常演出モード)M1,M2から特定演出モードTMへの移行により演出効果を向上しつつ、当該特定演出モードTMにおいて高信頼度予告演出(R1,R3)が出現することに対する注目度を高めて、遊技の興趣を向上させ得る。
また、本実施例では、特定演出モードTMにおける予告演出の実行可否決定抽選では、大当り判定ではずれの場合には、高信頼度予告演出R1,R3は決定されることはなく、該高信頼度予告演出R1,R3は、大当り判定で当りの場合にのみ決定されるように構成されている。すなわち、特定演出モードTMでは、高信頼度予告演出R1,R3は、図柄組合せ演出の終了後に大当り遊技が付与されることが確定される大当り確定予告演出であり、該高信頼度予告演出R1,R3が出現することに対する注目度をより高めて興趣を向上することができる。
ここで、実施例のパチンコ機10では、前記RTC82の計時値が準備開始時間K3になったと前記統括制御CPU65aが判定した場合に、該統括制御CPU65aは、内部的にモード移行準備状態TNを設定する。このモード移行準備状態TN中において、始動入賞口31,32への入賞(始動入賞検出センサSE1,SE2による球検出)を契機としたメイン制御CPU60aによる特図当り判定が行われた情報に基づく予告演出の抽選の実行可否決定抽選では、通常滞在演出モードM1,M2および特定演出モードTMで用いる演出モード用抽選テーブルとは予告演出用判定値の高信頼度予告演出(R1,R3)に対する振分けが異なる準備状態用抽選テーブルT3A,T3Bが用いられる(図18参照)。すなわち、準備状態用抽選テーブルT3A,T3Bを用いる予告演出の実行可否決定抽選では、大当り判定ではずれの場合に高信頼度予告演出R1,R3が決定されることはなく、大当り判定で当りの場合にのみ高信頼度予告演出R1,R3が決定される可能性があるようになっている。
また、前記準備開始時間K3は、モード移行実行時間K1より前記第1表示装置17で実行される図柄組合せ演出の最長の変動時間以前に設定されている。すなわち、モード移行準備状態TNが設定されてから特別演出モードTMに移行するまでの時間は、最長の変動時間より長く設定されている。従って、モード移行準備状態TN中において始動入賞口31,32への入賞(始動入賞検出センサSE1,SE2による球検出)を契機としたメイン制御CPU60aによる特図当り判定が行われた情報に基づく予告演出の実行可否決定抽選が行われた情報に基づく図柄組合せ演出が特定演出モードTMに移行した後に終了する場合にあっても、第1高信頼度予告演出R1が出現した場合は大当り遊技が付与されるので、当該特定演出モードTMでの高信頼度予告演出R1の信頼度が低下することはない。言い替えると、準備開始時間K3となってからモード移行実行時間K1となるまでの間に実行される大当り判定ではずれの場合は高信頼度予告演出R1が決定されることはないので、特定演出モードTM中に高信頼度予告演出R1が出現してもはずれとなってしまうことはなく、特定演出モードTM中における高信頼度予告演出R1の信頼度の低下を防止し得る。なお、図11に示す如く、準備開始時間K3からモード移行予告実行時間K2までの間において始動入賞口31,32への入賞(始動入賞検出センサSE1,SE2による球検出)を契機とした図柄組合せ演出では、統括制御CPU65aは通常演出モードK1,K2,K3,K4に対応する演出パターンを決定して、該演出パターンで特定される演出を表示装置17,80,81で表示させるので、内部的にモード移行準備状態TMとなっていることを遊技者が認識してしまうのは防止される。
実施例では、前記通常滞在演出モードM1,M2、特別滞在演出モード(確変滞在演出モードM3および変短滞在演出モードM4)および特定演出モードTMにおいて、予告演出の実行可否決定抽選で高信頼度予告演出R1,R2,R3が決定される確率を異なるよう設定しているので、各演出モードでの高信頼度予告演出の出現率が異なり、演出の興趣を向上し得る。また、前記特定演出モードTMにおいて前記統括制御CPU65aが予告演出(高信頼度予告演出R1,R3または低信頼度予告演出R4)を決定した場合に、図柄組合せ演出の実行中において該予告演出(高信頼度予告演出R1,R3または低信頼度予告演出R4)を実行する予告演出実行タイミングを抽選により決定するよう構成したので、予告演出(高信頼度予告演出R1,R3または低信頼度予告演出R4)の予告演出実行タイミングを異ならせることができ、演出が単調となるのを抑制して遊技の興趣を高めることができる。すなわち、遊技者が注目する高信頼度予告演出R1,R3の出現タイミングを多様化して、演出の興趣を向上し得る。
また、予告演出実行タイミングは、図柄組合せ演出において仮停止から再変動された図柄が確定停止するまでの間にも設定されているので(図19参照)、図柄組合せ演出の終了まで高信頼度予告演出が出現することを期待して遊技を行うことができ、興趣を向上し得る。
(変更例)
本願発明は前述した実施例の構成に限定されるものではなく、その他の構成を適宜に採用することができる。
(1) 実施例では、1台のパチンコ機について、RTCの計時値に基づいて一定時間毎に特別演出モードに移行するよう構成した場合で説明したが、遊技店に設置されている同一機種の全てのRTCの計時値が同一となるよう設定することで、複数のパチンコ機で同一時間に同じ特別演出モードが実行されることで、遊技の興趣を向上することができる。
(2) パチンコ機で設定されるモード移行実行時間や予告実行時間は、実施例に限定されるものでなく、任意に設定可能である。また、準備開始時間に関しては、モード移行実行時間より最長の変動時間以前となっていればよく、実施例に限定されるものでない。
(3) 実施例では、特定領域を有する第2特別入賞装置を設け、該第2特別入賞装置の特定領域にパチンコ球が入球したことを特定領域入球検出センサが検出することで、大当り遊技の終了後に確変状態を付与するよう構成したが、確変状態を付与する付与しないを、始動検出手段の球検出を契機とした当り判定により当選した大当り遊技の種類(特図の種類)によって一義的に決定される構成であってもよい。
(4) パチンコ機で設定される演出モード、予告演出(高信頼度予告演出、低信頼度予告演出)、予告演出実行タイミングの数は、実施例に限定されるものでなく、各種仕様に応じて設定可能である。
(5) 実施例では、高信頼度予告演出としての動画からなる第1および第2高信頼度予告演出と静止画からなる第3高信頼度予告演出(カットイン予告演出)の実行可能な予告実行タイミングを同じとした場合で説明したが、異なるようにしてもよい。また、第1および第2高信頼度予告演出と第3高信頼度予告演出との実行可能な予告実行タイミングの数を異ならせてもよい。
(6) 実施例では、高信頼度予告演出として2種類の動画と1種類の静止画を設定したが、動画は1種類であっても3種類以上であってもよく、静止画も2種類以上であってもよい。また、高信頼度予告演出の種類は、動画のみあるいは静止画のみであってもよい。なお、高信頼度予告演出を1種類の動画とした場合は、演出時間が全ての予告実行タイミングにおいて実行可能な長さに設定することで、各予告実行タイミングにおいて共通して用いることができる。
(7) 図柄組合せ演出中に設定される予告実行タイミング毎に、決定可能な高信頼度予告演出の演出内容(キセル予告のイメージ画像)が異なるようにしてもよい。
(8) 実施例では、通常演出モードおよび特定演出モードでの高信頼度予告演出を実行可能な予告実行タイミングの図柄組合せ演出中におけるタイミングや数を同じとした場合で説明したが、図柄組合せ演出中におけるタイミングや数を異ならせるようにしてもよい。この場合に、通常演出モードより特定演出モードでの選択可能なタイミングや数を増やすようにすれば、特定演出モードでの興趣をより向上することができるので好ましい。
(9) 実施例では、特定演出モードへの移行を報知する移行報知演出および特定演出モードに移行することを予告するモード移行予告演出について、当該移行報知演出およびモード移行予告演出を実行する時間(モード移行実行時間、予告実行時間)となったときに第1表示装置(演出実行手段)が第2演出状態であった場合は、該移行報知演出およびモード移行予告を第1表示画面に設定された第2表示部に表示させるようにしたが、第2表示装置(演出実行手段)の第2表示画面(第2表示部)に表示させることもできる。
(10) 実施例では、第1表示装置の第1表示画面の前側で上下に離間して2つの第2表示装置を配設したが、該第2表示装置は1つであってもよい。また、第2表示装置の配設位置は、第1表示装置の第1表示画面に表示される図柄組合せ演出を阻害しない位置であれば、任意の位置に設置できる。
(11) 実施例では、第1表示部の表示領域より第2表示部の表示領域を小さく設定したが、両表示部の表示領域を同じ大きさに設定してもよい。
(12) 実施例では、移行報知演出を第1表示画面の第1表示部または第2表示部に表示した後、特定演出モードの滞在中演出を第2表示装置の第2表示画面であるモード表示部に表示させるようにしたが、該滞在中演出を第1表示画面の第2表示部に表示させるようにしてもよい。すなわち、演出実行手段(表示手段)を第1表示装置のみから構成して、第2表示装置を省略することができる。
(13) 実施例では、特定演出モードに移行する際に移行報知演出およびモード移行予告演出を実行するようにしたが、特定演出モードが終了する際に該特定演出モードが終了したことを報知する特定演出モード終了報知演出および特定演出モードが終了することを予告する特定演出モード終了予告演出を実行するようにしてもよい。すなわち、特定演出モード終了時間および該特定演出モード終了時間より所定時間前(例えば10秒前)の特定演出モード終了予告時間を設定し、計時手段の計時値に基づいて、モード移行判定手段(統括制御CPU)が特定演出モード終了予告時間および特定演出モード終了時間になったと判定した場合に、第1表示部または第2表示部に特定演出モード終了予告演出および特定演出モード終了報知演出を表示するように表示制御手段が演出実行手段を制御する構成を採用し得る。また、特定演出モード終了予告演出および特定演出モード終了報知演出を表示する場合には、実施例と同様に演出実行手段の演出状態を判定して、該判定結果に基づいて特定演出モード終了予告演出および特定演出モード終了報知演出を表示する表示部を決定するようにすればよい。
(14) 実施例では、RTCの計時値が特定演出モード終了時間になったと統括制御CPUが判定したタイミングで、モード表示部での滞在中演出を停止するよう第2表示装置を制御するよう構成したが、特定演出モード終了時間になったと統括制御CPUが判定したタイミングに応じて第2表示装置の表示制御を異ならせるようにしてもよい。例えば、特定演出モード終了時間になったと統括制御CPUが判定したタイミングがリーチ演出中であった場合に、当該図柄組合せ演出が終了するまでモード表示部に滞在中演出を継続して表示し、当該図柄組合せ演出の終了によってモード表示部での滞在中演出を停止するように第2表示装置を制御するようにしてもよい。また、特定演出モード終了時間になったと統括制御CPUが判定したタイミングが、リーチ演出を行わない図柄組合せ演出中であった場合に、当該図柄組合せ演出が終了するまでモード表示部に滞在中演出を継続して表示し、当該図柄組合せ演出の終了によってモード表示部での滞在中演出を停止するように第2表示装置を制御するようにしてもよい。
(15) 特定演出モード中に遊技状態が確変状態や変短状態になった場合に、予告演出として実施例の第3高信頼度予告演出(カットイン予告演出)の実行タイミングの数を増加したり、実行される確率を特別滞在演出モード中に比べて高くなるように設定するようにしてもよい。
(16) 実施例では、RTCの計時値がモード移行予告実行時間またはモード移行実行時間になったと統括制御CPUが判定したタイミングが、リーチ表示前の場合に、リーチ表示となるタイミングで第1表示部で表示されているモード移行予告演出または移行報知演出を第2表示部に縮小表示すると共に、第1表示部に図柄組合せ演出(リーチ演出)を表示するよう構成したが、モード移行予告演出、移行報知演出および図柄組合せ演出(リーチ演出)を表示する表示部の切り替えタイミングは、リーチ表示のタイミングに限られるものではなく、リーチ表示前のタイミングであってもよい。
(17) 実施例では、特定演出モードにおける予告演出の抽選では、リーチ演出を行わない特図変動パターンおよびノーマルリーチ演出を行う特図変動パターンで特定される演出内容で図柄組合せ演出が行われる場合には、高信頼度予告演出が決定されないように対応する抽選テーブルにおける予告演出用判定値の振分けを設定したが、高信頼度予告演出が決定可能なように予告演出用判定値を振分けるようにしてもよい。この場合に、リーチ演出を行わない特図変動パターンおよびノーマルリーチ演出を行う特図変動パターンで特定される図柄組合せ演出の変動時間は、スーパーリーチ演出を行う図柄組合せ演出の変動時間より短いので、カットイン予告演出が可能な第3高信頼度予告演出のみを決定可能にするのが好ましい。
(18) 実施例では、予告演出および予告演出実行タイミングの決定抽選は、各予告演出や各予告演出実行タイミングが個別に設定された抽選テーブルを用いて行うよう構成したが、特図変動パターンに基づいて統括制御CPU(演出パターン決定手段)が決定可能な演出パターンとして、予告演出の種類や予告演出実行タイミングが異なる複数種類の演出パターンを設定し、複数種類の中から1つの演出パターンを抽選テーブルを用いて決定するようにしてもよい。
(19) 実施例では、特定演出モードにおいて決定可能な複数の高信頼度予告演出について、各演出で共通的に特殊画像が表示されるようにして、該特殊画像が当該パチンコ機においては遊技者にとって有利な画像であることを認識させ得るようにしている。そこで、大当り遊技中の演出として実行可能な昇格演出(実施例では大当り遊技のラウンド数の昇格であるが、確変状態への昇降であってもよい。すなわち、遊技者にとって有利な状態に変化する契機となる演出であればよい。)を行う場合に、当該昇格演出において演出実行手段に表示させる画像として前記特殊画像を用いるようにしてもよい。
(20) 実施例では、第1通常滞在演出モードおよび第2通常滞在演出モードにおいて予告演出の実行可否決定抽選に用いる通常滞在演出モード用抽選テーブルを共通としたが、高信頼度予告演出および低信頼度予告演出に振分けられる予告演出用判定値の割合が異なる別々の通常滞在演出モード用抽選テーブルを用いるようにしてもよい。
(21) 実施例では、遊技球が一定の確率で入賞可能な第1始動入賞手段と、遊技球の入賞確率を可変可能な第2始動入賞手段とを始動入賞手段として備え、各始動入賞手段毎に検出手段を設けて個別に遊技球の入賞を検出するよう構成したが、該第1および第2始動入賞手段の検出手段を共通にしてもよい。すなわち、第1始動入賞手段への入賞と、第2入賞手段への入賞とを区別しないよう構成してもよい。
(22) 実施例においてメイン制御手段(メイン制御CPU)が備える機能の全部または一部をサブ制御手段(統括制御CPU)が備えるようにしてもよく、反対にサブ制御手段が備える機能の全部または一部をメイン制御手段が備えるようにしてもよい。そして実施例では、メイン制御基板とサブ制御基板(統括制御基板)とを分けて設けるようにしたが、単一の制御基板とすることもできる。すなわち、実施例におけるメイン制御手段およびサブ制御手段の機能を、単一の制御基板に設けた制御手段(CPU)が備えるようにしてもよい。更に、別途制御基板を備えて、実施例のメイン制御手段やサブ制御手段が備える機能の全部また一部を、別の制御手段に備えさせてもよい。すなわち、統括制御CPUを、当り遊技実行手段として機能させることができるものである。
(23) また、実施例において統括制御手段(統括制御CPU)が備える機能の全部または一部を表示制御手段(表示制御CPU)が備えるようにしてもよく、反対に表示制御手段が備える機能の全部または一部を統括制御手段が備えるようにしてもよい。そして実施例では、統括制御基板(統括制御CPU)と表示制御基板(表示制御CPU)とを分けて設けるようにしたが、単一の制御基板とすることもできる。すなわち、実施例における統括制御手段および表示制御手段の機能を、単一の制御基板に設けた制御手段(CPU)が備えるようにしてもよい。また、発光制御を行うランプ制御手段や音出力制御を行う音制御手段に関しても同様に、統括制御手段が兼用することができる。
(24) 実施例では、第1特典遊技状態が付与されている状態を確変状態としたが、これに限られるものではなく、第1特典遊技状態および第2特典遊技状態を組み合わせた状態を確変状態とすることもできる。この場合に、第1特典遊技状態および第2特典遊技状態の何れも付与されていない状態を非確変状態とすることができる。
(25) 遊技機としては、パチンコ機に限られるものではなく、アレンジボール機や遊技媒体としてパチンコ球やメダルを用いたスロットマシン等、その他各種の遊技機であってもよい。
(26) スロットマシンは、遊技者が所定の開始操作手段の操作を行うことを契機に、図柄が配列された複数の回動体が変動開始すると共に、変動ゲームの当否に関連した当否判定を行い、所定の停止操作手段の操作を契機に、当否判定に基づく図柄停止制御を実行し、停止した図柄の組み合わせによって遊技利益が付与されるよう構成された遊技機であって、このようなスロットマシンにおいて複数の表示装置を用いる場合に実施例の構成を採用することができる。
ここで、スロットマシンのより具体的な構成を説明すると、外周部に識別情報としての複数の図柄が表示された複数のリール(回転体)を有する図柄変動表示装置において、複数のリールに表示されている図柄を有効ライン上に揃えることにより、所定数のパチンコ球やメダルを獲得する遊技が行われる。すなわちスロットマシンでは、スタートレバーの操作によってリールの回転が開始され、各リールに対応するストップボタンが操作されたタイミングに応じてリールの回転が停止され、全てのリールの回転(図柄の変動)が停止したときに導出された表示結果(有効ライン上に所定の図柄が揃うこと等)に従って、当該図柄変動に伴う演出の終了後に入賞が発生する。そして、スロットマシンでは入賞によって各種の特別遊技状態が付与されるようになっている。
このようなスロットマシンにおいて、リールを備えた図柄変動表示装置の上部等に第1表示装置および第2表示装置を配設した構成において、計時手段の計時値に基づき統括制御CPUがモード移行予告実行時間やモード移行実行時間等の各時間になったと判定した場合に、図柄変動表示装置での演出状態に応じて第1表示装置や第2表示装置の表示画面にモード移行予告演出や移行報知演出等を表示するように第1および第2表示装置を制御するようにすればよい。