以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施形態を、図面に基づいて説明する。図1は、パチンコ機10の正面図であり、図2は、パチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3は、パチンコ機10の背面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図5参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81で表示される変動表示(変動演出)の演出パターンを変更したり、リーチ演出時の演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
加えて、前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。
また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ(図示せず)と、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ(図示せず)と、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ(図示せず)がオンされると共に可変抵抗器(図示せず)の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。なお、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ(図示せず)および打ち止めスイッチ(図示せず)がオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。かかる球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、前述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、第2入球口67(スルーゲート)、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。なお、この図2は、符号を分かり易くするために、釘や金具などの一部を削除し図示したものである。一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が落下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、主に第1図柄を表示するための第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37には、発光手段である複数の発光ダイオード(以下、「LED」と略す。)37aと7セグメント表示器37bとが設けられている。
第1図柄表示装置37における複数のLED37aは、点灯状態によって種々の情報を報知するものである。具体的に、LED37aは、主制御装置110(図3,5参照)でなされる大当たりの抽選結果に応じた第1図柄を点灯状態によって示す。大当たりの抽選結果として、例えば、確変大当たりと、通常大当たりと、外れとの3種類の抽選結果が設けられている場合に、抽選結果が「確変大当たり」であれば、LED37aは、点灯状態によって「確変大当たり」に対応する第1図柄を示す。同様に、LED37aは、大当たりの抽選結果に応じて、「通常大当たり」及び「外れ」にそれぞれ対応する第1図柄を点灯状態によって示す。
なお、本実施形態のパチンコ機10では、大当たりの抽選結果として、「確変大当たり」と、「通常大当たり」と、「外れ」との3つの抽選結果が設けられており、第1入球口64への入賞に基づき、「確変大当たり」であるか、「通常大当たり」であるか、「外れ」であるかが抽選されるように構成されている。
そして、かかる抽選の結果が「確変大当たり」であった場合には、第1図柄表示装置37のLED37aが「確変大当たり」に対応する第1図柄を停止図柄として表示した後、大当たり抽選の大当たり確率が通常確率よりアップして特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態になると共に、後述する第2図柄の当たり確率が通常確率よりアップして、第1入球口64(図2参照)に付随する電動役物が所定時間だけ開放されて、球が第1入球口64へ入球し易い状態となる。以下では、この状態のことを、確変中(確変状態)と称する。
一方で、大当たり抽選の結果が「通常大当たり」であった場合には、第1図柄表示装置37のLED37aが「通常大当たり」に対応する第1図柄を停止図柄として表示した後、大当たり抽選の大当たり確率は通常確率のままであるが、第2図柄の当たり確率が通常確率よりアップして、第1入球口64に付随する電動役物が所定時間だけ開放されて、球が第1入球口64へ入球し易い状態となる。以下では、この状態のことを、時短中(時短状態)と称する。
なお、確変中や時短中において、第2図柄の当たり確率を変更する代わりに、パチンコ機10の遊技状態に応じて、第1入球口64に付随する電動役物を開放する時間や、1回の当たりで電動役物が開放する回数を変更するものとしてもよい。
また、大当たり抽選の結果が「外れ」であった場合には、第1図柄表示装置37のLED37aが「外れ」に対応する第1図柄を停止図柄として表示した後、確変中でも時短中でもない遊技の状態、即ち、大当たり抽選の大当たり確率も第2図柄の当たり確率も通常確率である状態となる。以下では、このような、確変中(確変状態)でも時短中(時短状態)でもない状態を、通常中(通常状態)と称する。
また、LED37aは、パチンコ機10の遊技状態(例えば、確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか、等)を点灯状態により、変動表示中(変動中)であるか否かを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示す。
これらLED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ない数のLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。また、7セグメント表示器37bは、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。
また、遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入球口64への入賞(入球)をトリガとして第3図柄を変動表示する液晶ディスプレイ(以下単に「LCD」と略す。)で構成された第3図柄表示装置81と、第2入球口67(スルーゲート)の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示部83と、第2入球口67(スルーゲート)を通過した球の保留球数を示す第2図柄保留ランプ84とが設けられている。
第3図柄表示装置81は、後述する演出制御装置117によって表示内容が制御され、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦にスクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている(図4参照)。また、本実施形態では、第3図柄表示装置81は、8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成され、可変表示装置ユニット80には、この第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。なお、本実施形態では、第1図柄表示装置37において主制御装置110の制御に伴った遊技状態や、大当たりの抽選結果を示す第1図柄の表示が行われるのに対して、その第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示(変動演出)が、第3図柄表示装置81において行われる。なお、LCDに代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
また、大当たりの抽選が開始されてから、第1図柄表示装置37において、各種の停止図柄(例えば、確変大当たりを示す第1図柄、通常大当たりを示す第1図柄、外れを示す第1図柄のいずれか1つ)が表示されるまでの間に、球が第1入球口64へ入賞(入球)した場合、その入賞(入球)回数は、最大4回まで保留され、その保留回数が第1図柄表示装置37により示されると共に、特図保留ランプ85の点灯個数においても示される。以後、第1入球口64についての保留回数のことを、特図保留球数Nと称する。なお、特図保留ランプ85は、最大保留回数分の4つ設けられており、第3図柄表示装置81の上方に配設されている。
なお、本実施形態においては、第1入球口64への入賞が最大4回まで保留されるように構成するが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、特図保留ランプ85を削除し、第1入球口64への入賞に基づく変動表示の保留回数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留回数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37において保留回数を表示するようにしても良い。なお、その場合は、特図保留ランプ85により点灯表示を行わないものとしても良い。
第2図柄表示部83は、球が第2入球口67(スルーゲート)を通過する毎に、表示図柄(第2図柄)としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示を行うものである。本実施形態のパチンコ機10は、第2図柄表示部83における変動表示が所定図柄(「○」の図柄)で停止した場合に、第1入球口64に付随する電動役物が所定時間だけ開放状態となり、球が第1入球口64へ入球し易い状態となるように構成されている。
球の第2入球口67(スルーゲート)の通過回数は、最大4回まで保留され、その保留回数が第2図柄保留ランプ84において点灯表示される。なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示部83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、第2入球口67(スルーゲート)についての球の保留回数は、第1入球口64と同様に、最大回数が4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1図柄表示装置37により保留回数が示されるので、第2図柄保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしても良い。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1入球口64が配設されている。この第1入球口64へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ208a(図5参照)がオンとなり、その第1入球口スイッチ208aのオンに起因して主制御装置110で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた第1図柄の表示が第1図柄表示装置37のLED37aにより示されると共に、第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示が、第3図柄表示装置81により示される。
また、第1入球口64は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入球口64へ球が入球した場合に払い出される賞球数と、一般入賞口63へ球が入球した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、異なる数としても良い。例えば、第1入球口64へ球が入球した場合に払い出される賞球数を20個としても良い。
第1入球口64の下方には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、主制御装置110での抽選が大当たりであった場合、所定時間(変動時間)が経過した後に、第1図柄表示装置37のLED37aを大当たりの停止図柄となるように点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が9個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図5に示すソレノイド209の一部)とを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞し易い開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、特別遊技状態は上述した形態に限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37のLED37aが大当たりに対応する態様で点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口63,64,65aにも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と、演出制御基板(演出制御装置117)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と、発射制御基板(発射制御装置112)と、電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、演出制御装置117、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図5参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図5参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図4を参照して、本実施形態のパチンコ機10における第3図柄表示装置81に表示される表示内容について説明する。図4は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための図面であり、図4(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、図4(b)は、実際の表示画面を例示した図である。
第3図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄と、この主図柄より小さく形成された花びら形状の1種類の副図柄とにより構成されている。各主図柄は、木箱よりなる後方図柄の上に「0」から「9」の数字を付して構成され、そのうち奇数番号(1,3,5,7,9)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯に大きな数字が付加されている。これに対し、偶数番号(0,2,4,6,8)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯にお守り、風呂敷、ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄が付加されており、付属図柄の右下側に偶数の数字が緑色で小さく、且つ、付属図柄の前側に表示されるように付加されている。
また、本実施形態のパチンコ機10においては、主制御装置110による抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃って停止する変動表示が行われ、その変動表示後(即ち、同一の主図柄が揃って停止した後)に大当たりが発生するよう構成されている。大当たり終了後に高確率状態(確変状態)に移行する場合は、奇数番号が付加された主図柄(「高確率図柄」に相当)が揃って停止する変動表示が行われる。一方、大当たり終了後に低確率状態に移行する場合は、偶数番号が付加された主図柄(「低確率図柄」に相当)が揃って停止する変動表示が行われる。
図4(a)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面は、大きくは上下に2分割され、下側の2/3が第3図柄を変動表示する主表示領域Dm、それ以外の上側の1/3が予告演出やキャラクタを表示する副表示領域Dsとなっている。
主表示領域Dmには、左・中・右の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、前述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1〜Z3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配列されている。このため、各図柄列には、10個の主図柄と10個の副図柄の計20個の第3図柄が設定され、各図柄列Z1〜Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。特に、左図柄列Z1においては主図柄の数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2及び右図柄列Z3においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
また、主表示領域Dmには、各図柄列Z1〜Z3毎に上・中・下の3段に第3図柄が表示される。従って、第3図柄表示装置81には、3段×3列の計9個の第3図柄が表示される。この主表示領域Dmには、5つの有効ライン、即ち上ラインL1、中ラインL2、下ラインL3、右上がりラインL4、左上がりラインL5が設定されている。そして、毎回の遊技に際して、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、その停止時にいずれかの有効ライン上に大当たり図柄の組合せ(本実施形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃えば、大当たりとして大当たり動画が表示される。
なお、同一の図柄の組み合わせではなく、同一の図柄でない特定の組み合わせで停止表示されると大当たりが発生するよう構成してもよい。このように非同一の図柄の組み合わせでない停止表示から大当たりを発生させた場合、遊技者は液晶表示画面の表示からは予期し得ない大当たりを経験することになるので、遊技の興趣を高めることができる。
本実施形態のパチンコ機10では、大当たり終了後に高確率状態(確変状態)へ移行する場合には、同一の主図柄が有効ライン上に揃うように構成されている。ここで、確変大当たりであった場合には、奇数番号が付加された主図柄が揃うように構成され、一方で、通常大当たりであった場合には、偶数番号が付加された主図柄が揃うように構成されている。
副表示領域Dsは、主表示領域Dmよりも上方に横長に設けられており、さらに左右方向に3つの予告領域Ds1〜Ds3に等区分されている。ここで、左右の予告領域Ds1,Ds3は、ソレノイド(図示せず)で電気的に開閉される両開き式の不透明な扉で通常覆われており、時としてソレノイドが励磁されて扉が手前側に開放されることにより遊技者に視認可能となる表示領域となっている。中央の予告領域Ds2は、扉で覆い隠されずに常に視認できる表示領域となっている。
図4(b)に示すように、実際の表示画面では、主表示領域Dmに第3図柄の主図柄と副図柄とが合計9個表示される。副表示領域Dsにおいては、左右の扉が閉鎖された状態となっており、左右の予告領域Ds1,Ds3が覆い隠されて表示画面が視認できない状態となっている。変動表示の途中において、左右のいずれか一方、または両方の扉が開放されると、左右の予告領域Ds1,Ds3に動画が表示され、通常より大当たりへ遷移し易い状態であることが遊技者に示唆される。中央の予告領域Ds2では、通常は、所定のキャラクタ(本実施形態ではハチマキを付けた少年)が所定動作をし、時として所定動作とは別の特別な動作をしたり、別のキャラクタが現出する等して予告演出が行われる。なお、第3図柄表示装置81の表示画面は、原則として上下の表示領域Dm,Dsに区分されているが、各表示領域Dm,Dsを跨いでより大きく第3図柄やキャラクタ等を表示して表示演出を行うことができる。
次に、図5を参照して、上述したパチンコ機10の電気的構成について説明する。図5は、パチンコ機10の構成を示すブロック図である。主制御装置110は、パチンコ機10全体の動作を制御するものであり、払出制御装置111や、演出制御装置117などのサブ制御装置に対して各種コマンドを送信し、サブ制御装置の動作を制御するものである。なお、主制御装置110からサブ制御装置へ送信される各種コマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。なお、サブ制御装置から主制御装置110へ、サブ制御装置の状態を示すコマンドを送信するように構成しても良い。
この主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、後述する各カウンタC1〜C4,CS1〜CS3,CINI1〜CINI2と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路とが内蔵されている。なお、各カウンタC1〜C4,CS1〜CS3,CINI1〜CINI2の具体的構成については、図6を参照しつつ後述する。
RAM203は、特図保留球カウンタ203aを有している。特図保留球カウンタ203aは、第1入球口64についての入賞の保留回数、即ち、特図保留球数Nを計数するカウンタである。なお、この特図保留球カウンタ203aは、パチンコ機10の電源投入に伴って実行されるRAM203の初期化処理(図10参照)において初期化(0クリア)される。
ここで、図6を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられている保留球格納エリアや、カウンタ用バッファや、各カウンタC1〜C4,CS1〜CS3,CINI1〜CINI2等について説明する。図6は、各カウンタの概要を示す模式図である。
保留球格納エリアや、カウンタ用バッファや、各カウンタC1〜C4,CS1〜CS3,CINI1〜CINI2等は、大当たりの判定や第1図柄表示装置37の表示の設定、第2図柄表示部83の表示結果の抽選などを行うために、主制御装置110のMPU201により使用される。
大当たり抽選や第1図柄表示装置37の表示の設定には、大当たりの抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、大当たり図柄の選択に使用する第1当たり種別図柄カウンタC2と、停止パターン選択カウンタC3と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1,CS2,CS3とが用いられる。また、第2図柄表示部83の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新される毎に、前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
これらの各カウンタC1〜C4,CS1〜CS3,CINI1〜CINI2は、メイン処理(図9参照)の実行間隔である4ms間隔、またはタイマ割込処理(図13参照)の実行間隔である2ms間隔で更新され、その更新値がRAM203のワークエリア(図示せず)に設けられているカウンタ用バッファに適宜記憶される。なお、各種の制御プログラムの実行に際して、各カウンタC1〜C4,CS1〜CS3,CINI1〜CINI2の各値が参照される場合には、カウンタ用バッファに記憶されている各カウンタの各値がそれぞれ参照される。
保留球格納エリアは、球が第1入球口64へ入賞(入球)した場合に、その入賞タイミングに合わせて、各カウンタC1〜C3の値を記憶するためのメモリである。この保留球格納エリアには、球の入賞タイミングで取得されたデータ(各カウンタC1〜C3の値)を最大4回分まで記憶できるように、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)を有していると共に、変動開始処理(図12参照)において参照される1つの実行エリアとから構成されている。
保留球格納エリアにおける4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)にはそれぞれ、第1当たり乱数カウンタC1の値を格納するためのエリアと、第1当たり種別カウンタC2の値を格納するためのエリアと、停止パターン選択カウンタC3の値を格納するためのエリアとが設けられている。なお、本実施形態では、1の保留球格納エリア内の各保留エリアの中に、カウンタC1〜C3の値が格納される3つのエリアを設ける構成としたが、保留球格納エリアを複数設けて、これら3つのエリアを複数の保留球格納エリアに分けて記憶する構成としてもよい。例えば、カウンタC1〜C3の値を格納するための3つのエリアのうちの一部(1又は2つのエリア)を、2つ設けられた保留球格納エリアのうちの一方に設け、残りのエリアを他方の保留球格納エリアに設けるように構成してもよい。
上述した通り、保留球格納エリアには、球が第1入球口64へ入賞したタイミングで取得されるデータ(各カウンタC1〜C3の値)を最大4回分まで記憶することができるが、複数回のデータを記憶する場合には、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番にデータが記憶される。即ち、エリア番号の小さい保留エリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶される。よって、保留第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶されることになる。
保留球格納エリアにおける実行エリアには、第1当たり乱数カウンタC1の値を格納するためのエリアと、第1当たり種別カウンタC2の値を格納するためのエリアと、停止パターン選択カウンタC3の値を格納するためのエリアとが設けられている。後述する変動処理(図10参照)において、保留球格納エリアの保留第1エリアに記憶されているデータ(各カウンタC1〜C3の値)が、実行エリアにシフトされて参照され、その参照データに基づいて大当たりの抽選結果が決定される。そして、その抽選結果に対応する変動表示及び停止表示が、第1図柄表示装置37などで行われる。
次に、各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜738の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり738)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成されており(値=0〜738)、タイマ割込処理(図13参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図9参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングで、RAM203の保留球格納エリア、より具体的には、保留球格納エリアにおける最もエリア番号の小さい空き保留エリア内の該当エリアに記憶される。本実施形態では、大当たりとなる乱数の値の数は、低確率時(大当たり確率が通常の状態)と高確率時(大当たり確率が通常よりも高い状態)との2種類設定されている。低確率時(大当たり確率が通常の状態)に大当たりとなる乱数の値は2種類で、その値は「373,727」である。一方、高確率時(大当たり確率が通常よりも高い状態)に大当たりとなる乱数の値は13種類で、その値は「59,109,163,211,263,317,367,421,479,523,631,683,733」である。なお、第1当たり乱数カウンタC1の値(乱数値)から、大当たりか否かを判定する乱数値を格納したテーブル(図示せず)は、主制御装置110のROM202内に設けられている。
第1当たり種別カウンタC2は、大当たりの種別を決定するためのカウンタである。本実施形態では、第1当たり種別カウンタC2により決定される大当たりの種別として、大当たり終了後に高確率状態となる大当たり(確変大当たり)と、大当たり終了後に低確率状態となる大当たり(通常大当たり)とがあり、球が第1入球口64に入賞したタイミング取得された第1当たり種別カウンタC2の値に応じて、これら2種類の大当たり種別のうちのいずれかが決定される。
本実施形態において、第1当たり種別カウンタC2は、0〜4の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり4)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば定期的に(本実施形態では、後述する図13のタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングで、RAM203の保留球格納エリア、より具体的には、保留球格納エリアにおける最もエリア番号の小さい空き保留エリア内の該当エリアに記憶される。本実施形態では、「大当たり終了後に高確率状態となる大当たり(確変大当たり)」となる乱数の値は「1,2,3」であり、「大当たり終了後に低確率状態となる大当たり(通常大当たり)」となる乱数の値は「0,4」である。この第1当たり種別カウンタC2の値(乱数値)から、「大当たり終了後に高確率状態となる大当たり」か「大当たり終了後に低確率状態となる大当たり」かを判定する乱数値を格納したテーブル(図示せず)は、主制御装置110のROM202内に設けられている。
なお、本実施形態では、球が第1入球口64へ入賞したタイミングで取得されたデータ(カウンタC1〜C3の値)のうち、第1当たり乱数カウンタC1の値に基づき「大当たり」と判定され、かつ、第1当たり種別カウンタC2の値に基づき「大当たり終了後に高確率状態となる大当たり」と判定された場合に、その大当たりが「確変大当たり」となる。一方、第1当たり乱数カウンタC1の値に基づき「大当たり」と判定され、かつ、第1当たり種別カウンタC2の値に基づき「大当たり終了後に低確率状態となる大当たり」と判定された場合に、その大当たりが「通常大当たり」となる。
よって、第1当たり乱数カウンタC1の値と第1当たり種別カウンタC2の値とに基づき、2種類の大当たり(確変大当たり、又は通常大当たり)に対応した表示態様と、外れに対応した1種類の表示態様との合計3種類の表示態様のうち、いずれか1つの表示態様が、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様として選択される。
なお、本実施形態における「確変大当たり」は、最大ラウンド数が15ラウンドである大当たりの後、次に大当たり(確変大当たり、又は、通常大当たり)となるまでの間は、第1図柄の大当たり確率が高確率状態(大当たり確率が通常よりも高い状態)へと移行すると共に、第2図柄の当たり確率もアップする大当たり(15ラウンド確変大当たり)である。
また、本実施形態における「通常大当たり」と、最大ラウンド数が15ラウンドである大当たりの後、第1図柄の大当たり確率が低確率状態(大当たり確率が通常の状態)へ移行し、所定の変動回数の間(本実施形態では、100変動回数)だけ、第2図柄の当たり確率のみがアップする大当たり(15R通常大当たり)である。
なお、本実施形態では、「通常大当たり」となった場合には、所定の変動回数の間、第2図柄の当たり確率をアップするように構成するが、これに換えて、次の大当たりの抽選結果が決定されるまで、第2図柄の当たり確率のアップを継続するように構成してもよい。
また、本実施形態では、「確変大当たり」又は「通常大当たり」の最大ラウンド数を15ラウンドとするが、最大ラウンド数は15ラウンドに限らず、種々の値(例えば、7ラウンドや、16ラウンドなど)とすることができる。
また、本実施形態では、「確変大当たり」の最大ラウンドも「通常大当たり」の最大ラウンド数も両方とも15ラウンドとするが、最大ラウンド数が「確変大当たり」と「通常大当たり」とで異なるようにしても良い。例えば、「確変大当たり」の最大ラウンド数を15ラウンドとし、「通常大当たり」の最大ラウンド数を7ラウンドとしても良い。
また、本実施形態では、「確変大当たり」となった場合には、次の大当たりの抽選結果が決定されるまで、第2図柄の当たり確率をアップするように構成しているが、その代わりに、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)だけ、第2図柄の当たり確率をアップするように構成しても良い。
停止パターン選択カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。本実施形態では、停止パターン選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置81で表示される演出のパターンが選択され、リーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」(例えば0〜8の範囲)と、同じくリーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」(例えば9〜38の範囲)と、リーチが発生しない「完全外れ」(例えば39〜238の範囲)との3つの停止パターン(動的表示の表示結果の態様)が選択される。
停止パターン選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングで、RAM203の保留球格納エリア、より具体的には、保留球格納エリアにおける最もエリア番号の小さい空き保留エリア内の該当エリアに記憶される。
なお、停止パターン選択カウンタC3の値(乱数値)から、停止パターンを選択するために参照されるテーブル(図示せず)は、主制御装置110のROM202内に設けられており、停止パターンは、このテーブルと停止パターン選択カウンタC3の値とに基づいて選択される。なお、かかるテーブルは、1の停止パターンを取り得る停止パターン選択カウンタC3の値の範囲が異なるように、複数のテーブルが設けられている。これは、パチンコ機10の現在の状態が高確率状態(大当たり確率が通常よりも高い状態)であるかや、低確率状態(大当たり確率が通常の状態)であるかや、特図保留球カウンタ203aの値(特図保留球数N)等に応じて、各停止パターンの選択比率を変更するためである。
例えば、高確率状態(大当たり確率が通常よりも高い状態)では、大当たりが発生し易いため必要以上にリーチ演出が選択されないように、「完全外れ」の停止パターンに対応した乱数値の範囲が10〜238と広いテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され易くなる。このテーブルでは、「前後外れリーチ」の乱数値の範囲が0〜5と狭くなると共に、「前後外れ以外リーチ」の乱数値の範囲も6〜9と狭くなり、「前後外れリーチ」や「前後外れ以外リーチ」が選択され難くなる。
また、低確率状態(大当たり確率が通常の状態)で、保留球格納エリアに各乱数値が記憶(保留)されていなければ、第1入球口64への球の入球時間を確保するために「完全外れ」の停止パターンに対応した乱数値の範囲が51〜238と狭いテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され難くなる。このテーブルでは、「前後外れリーチ」の乱数値の範囲が0〜8であり、「前後外れ以外リーチ」の乱数値の範囲が9〜50と広くなり、「前後外れ以外リーチ」が選択され易くなっている。よって、低確率状態(大当たり確率が通常の状態)では、第1入球口64への球の入球時間を確保できるので、第3図柄表示装置81による変動表示が継続して行われ易くなる。
次に、3つの変動種別カウンタCS1〜CS3のうち、変動種別カウンタCS1,CS2について説明する。一方の変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっており、他方の変動種別カウンタCS2は、例えば0〜240の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり240)に達した後0に戻る構成となっている。以下の説明では、CS1を「第1変動種別カウンタ」、CS2を「第2変動種別カウンタ」とも称することがある。
第1変動種別カウンタCS1は、第3図柄の変動表示(動的表示)のパターン(変動パターン)を選択(選定)するために使用するカウンタである。この第1変動種別カウンタCS1の値は、後述するメイン処理(図9参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。
本実施形態では、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいて選択可能な変動パターンとして、通常変動、ノーマルリーチ変動、特殊変動1、及び特殊変動2という4種類の変動パターンが設定されている。第1変動種別カウンタCS1の値に基づいて選択される各変動パターンは、演出時間(変動時間)が異なるように構成されている。
これらの変動パターンのうち、「通常変動」は、リーチ表示を伴わずにハズレの表示結果を現出するパターン(即ち、外れ変動)である。本実施形態の「通常変動(通常変動4)」は、特図保留球数Nによる時間短縮がないときの変動時間が10秒に設定されている。
「ノーマルリーチ変動」は、リーチ表示を伴う所謂ノーマルリーチの変動パターンである。本実施形態の「ノーマルリーチ変動」は、特図保留球数Nによる時間短縮がないときの変動時間が12秒に設定されている。
また、「特殊変動1」及び「特殊変動2」は、どちらも、後述する6種類の変動表示単位(図7(a)参照)のうち、2以上の変動表示単位を組み合わせた発展型のリーチパターンである。なお、本実施形態の「特殊変動1」及び「特殊変動2」は、特図保留球数Nによる時間短縮がないときの変動時間が、それぞれ、42秒及び30秒に設定されている。
第1変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から変動パターンを選択する際には、ROM202に記憶されている第1選択テーブル(図示せず)が選定されて参照される。この第1選択テーブルは、第1当たり種別カウンタC2の値により決まる大当たり種別(確変大当たり又は通常大当たり)や、停止パターン選択カウンタC3の値により決まる外れ時の停止図柄(完全外れ、前後外れリーチ、又は前後外れ以外リーチ)毎に設けられており、各第1テーブルにおいて、変動パターンに対する第1変動種別カウンタCS1の範囲の割り当てが異なっている。即ち、第1テーブル毎に、変動パターンの選択確率が異なる。
一方、第2変動種別カウンタCS2は、特殊変動(特殊変動1,2)を除くリーチパターン(本実施形態では、ノーマルリーチ)において、最終停止図柄以外の図柄が停止してリーチが発生した後に最終停止図柄が停止するまでの変動図柄数を決定するためのカウンタである。なお、以下の説明では、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいて決定される、リーチ発生後に最終停止図柄が停止するまでの変動図柄数を、単に「変動図柄数」と称することがある。この第2変動種別カウンタCS2の値は、後述するメイン処理(図9参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。
即ち、本実施形態では、第2変動種別カウンタCS2の値により、ノーマルリーチにおける、左図柄列Z1の図柄(左図柄)及び右図柄列Z3の図柄(右図柄)が停止してから、中図柄列Z2の図柄(中図柄)が停止するまでの変動図柄数が決定される。
第2変動種別カウンタCS2の値(乱数値)から、リーチ発生後に最終停止図柄が停止するまでの変動図柄数を決定する際には、ROM202に記憶されている第2選択テーブル(図示せず)が選定されて参照される。この第2選択テーブルは、第1当たり種別カウンタC2の値により決まる大当たり種別(確変大当たり又は通常大当たり)や、停止パターン選択カウンタC3の値により決まる外れ時の停止図柄(完全外れ、前後外れリーチ、又は前後外れ以外リーチ)毎に設けられており、各変動パターン選択テーブルにおいて、リーチ発生後に最終停止図柄が停止するまでの変動図柄数に対する、第2変動種別カウンタCS2の範囲の割り当てが異なっている。即ち、第2選択テーブルに応じて、リーチ発生後に最終停止図柄が停止するまでの変動図柄数の選択確率が異なる。
本実施形態のパチンコ機10は、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいて変動パターンの種別を選択し、第2変動種別カウンタCS2の値に基づき、リーチ発生後に最終停止図柄が停止するまでの変動図柄数を決定する。即ち、第1変動種別カウンタCS1によって、ノーマルリーチ等のリーチの種別のような大まかな図柄変動態様が決定され、第2変動種別カウンタCS2によって、例えばノーマルリーチA、ノーマルリーチB等のようにさらに細かな図柄変動態様が決定される。つまり、変動種別カウンタCS1,CS2を組み合わせることで、変動表示の多種多様化を容易に実現できる。
ところで、特図保留球数N(特図保留球カウンタ203aの値)が最大の値である「4」である場合には、第1入球口63への入賞があってもその入賞を保留できず、遊技者にとって無駄な始動入賞となってしまうので、始動入賞の発生しやすいパチンコ機においては変動時間を短くすることが要求される。その一方で、変動時間が短すぎて変動表示が途絶えると大当たりの期待が持続せず遊技者の遊技意欲が減衰するので、適度な変動時間の長さも必要である。
そこで、本実施形態のパチンコ機10は、上記事情を考慮し、変動種別カウンタCS1に基づき選択された変動パターンから、特図保留球数Nに応じた変動時間のパターンを得るように構成されている。これによって、速やかに待機中の変動表示を消化して無駄な始動入賞を抑制しつつ、変動表示が途絶えて遊技意欲が減衰することを防止することができる。
しかし、主制御装置110が特図保留球数Nに応じて異なる変動時間毎に変動パターンコマンドを生成すると、変動パターンコマンドの数(種類)が増大する分、主制御装置110に記憶させる変動パターンコマンドが増大すると共に、コマンドの出力を制御する主制御装置110の制御負担も増大する。主制御装置110への過度な負担は、遊技の進行に不具合を与える虞があり、変動表示の態様が多様である程、不具合が生じる可能性は高まることになる。
これに対し、本実施形態のパチンコ機10は、主制御装置110が、第1変動種別カウンタCS1の値に基づき選択された変動パターンと、第2変動種別カウンタCS2の値に基づき選択された変動図柄数とから、1の変動パターンコマンドを生成するように構成されている。即ち、本実施形態のパチンコ機10では、変動パターンコマンドは、特図保留球数Nと無関係に生成され、演出制御装置117へ出力される。
ここで、第2変動種別カウンタCS2の値に基づき決定される変動図柄数は、リーチ発生後に最終停止図柄が停止するまでの変動時間であると換言することができる。よって、主制御装置110が演出制御装置117へ出力する変動パターンコマンドは、第1変動種別カウンタCS1の値に基づき選択された変動パターンが示す変動時間を、第2変動種別カウンタCS2の値に基づき決定された変動時間に基づいて延長又は短縮して得られた変動時間の情報を含んでいる。
一方で、この変動パターンコマンドを受信した演出制御装置117は、受信した変動パターンコマンドが示す変動時間(以下、この変動時間を「第1の変動時間」と称することがある。)に基づき、変動開始時の特図保留球数Nに応じた変動時間(以下、この変動時間を「第2の変動時間」と称することがある。)を決定し、そのように決定された第2の変動時間に応じた変動態様を選定する。
よって、本実施形態のパチンコ機10によれば、特図保留球数Nに応じて異なる変動時間毎の変動パターンコマンドを準備する必要がないので、特図保留球数Nに応じて変動時間を異ならせる場合であっても、主制御装置110に記憶させる変動パターンコマンドの数の増加を好適に抑制することができ、その結果、少ない記憶量で、多様な変動時間による多様な演出を実現することが可能となる。また、主制御装置110から出力されるコマンド数の増大が抑制されたことにより、主制御装置110の制御負担の増大も好適に抑制することができる。
次に、変動種別カウンタCS3について説明する。変動種別カウンタCS3の値は、例えば、0〜162の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり162)に達した後に0に戻る構成となっている。以下の説明では、CS3を「第3変動種別カウンタ」と称する。
第3変動種別カウンタCS3は、予告演出の演出パターンを選択するためのカウンタである。即ち、本実施形態の第3図柄表示装置81は、第3図柄の変動以外に、変動している図柄を滑らせたり(所謂「スベリ演出」)、図柄を戻したり(所謂「戻り演出」)、リーチ演出の発生を予告するための予告キャラクタを通過させるなどの予告演出を行うことができるので、その予告演出の演出パターンが変動種別カウンタCS3によって選択される。具体的には、予告演出に必要となる時間を変動時間に加算(例えば、+0.5秒、+1秒、+2秒など)する演出パターンや、それとは反対に変動表示される時間を短縮するために変動時間を減算(例えば、−1秒など)する演出パターンや、変動時間を加減算しない演出パターンが選択される。
即ち、この第3変動種別カウンタCS3の値に基づき、演出時間の加減算値が決定される。第3変動種別カウンタCS3の値に基づき決定された演出時間の加減算値が、変動種別カウンタCS1,CS2の値と特図保留球数Nとに基づいて決定される変動時間に加減算されることにより、第1図柄又は第3図柄の変動表示の変動時間(即ち、図柄の変動表示が開始されてから、最終停止図柄が停止するまでの変動時間)が決定される。よって、変動種別カウンタCS1,CS2に加え、さらに変動種別カウンタCS3を組み合わせることにより、変動表示をさらに多種多様化できる。
なお、上述した停止パターン選択カウンタC3の場合と同様に、この変動種別カウンタCS3の場合も、変動種別カウンタCS3の値(乱数値)に対して選択される予告演出の演出パターンの範囲が異なるように、複数のテーブルが設けられている。即ち、パチンコ機10の現在の状態が高確率状態(大当たり確率が通常よりも高い状態)であるかや、低確率状態(大当たり確率が通常の状態)であるかや、特図保留球カウンタ203aの値(特図保留球数N)等に応じて、各演出パターンの選択比率が異なるテーブルが設けられている。かかるテーブル(図示せず)は、上述した変動種別カウンタCS1,CS2と同様に、ROM202内に設けられている。
第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。第2当たり乱数カウンタC4の値は、例えば、本実施形態ではタイマ割込処理(図13参照)毎に、定期的に更新され、球が左右何れかの第2入球口67(スルーゲート)を通過したことが検知された時に取得される。当選することとなる乱数の値は149種類あり、その範囲は「5〜153」となっている。なお、第2当たり乱数カウンタC4の値(乱数値)から、当たりか否かを判定する乱数値を格納したテーブル(図示せず)は、ROM202内に設けられている。
また、第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜250)、タイマ割込処理(図13参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図9参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
再度、図5に戻って説明する。RAM203は、上述したカウンタやフラグなどの他にも、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図9参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図8参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図15参照)が即座に実行され、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111と、演出制御装置117と、第1図柄表示装置37と、第2図柄表示装置82と、第2図柄保留ランプ84と、第1入球口スイッチ208aや図示しないスイッチ群又はセンサ群などからなる各種スイッチ208や、特定入賞口65aの開閉板を開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209とが接続されている。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
また、RAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行され、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。なお、払出制御装置111で実行されるNMI割込処理は、主制御装置110で実行されるNMI割込処理(図15参照)と同様の処理である。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112、外部出力端子板260などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ(図示しない)により検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
演出制御装置117は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力設定、特図保留ランプ85におけるランプの点灯数の設定、電飾部29〜33や表示ランプ34などにおけるランプの点灯および消灯の設定、第3図柄表示装置(LCD)81における第3図柄の変動表示や大当たり演出を制御するものである。
演出制御装置117は、MPU271と、画像コントローラ274と、キャラクタROM275と、ビデオRAM276と、入出力ポート277と、出力ポート278と、バスライン279,280とを有している。
演算装置であるMPU271には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン279を介して入出力ポート277が接続されている。入出力ポート277には、主制御装置110と、画像コントローラ274と、音声出力装置226と、電飾部29〜33及び表示ランプ34と、特図保留ランプ85とが接続されている。
画像コントローラ274には、キャラクタROM275、及びビデオRAM276が接続されると共に、バスライン280を介して出力ポート278が接続されている。この出力ポート278の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。なお、パチンコ機10は、大当たりの当選確率や1回の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、演出制御装置117は共通部品化されコスト低減が図られている。
なお、本実施形態では、音声出力の制御や、各種ランプの点灯および消灯の制御や、第3図柄表示装置(LCD)81における第3図柄の変動表示の制御を一括して演出制御装置117で行うよう構成しているが、各種制御を複数の制御装置で分担して行うように構成しても良い。例えば、音声出力の制御と、各種ランプの点灯および消灯の制御とを専用の制御装置(音声ランプ制御装置)で行い、第3図柄表示装置(LCD)81における第3図柄の変動表示の制御を専用の制御装置(表示制御装置)で行うように構成しても良い。
MPU271は、1チップマイコンとしての演算装置である。MPU271には、MPU271により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM272と、ワークメモリ等として使用されるRAM273などの各種回路とが内蔵されている。
ROM272は、特殊変動設定テーブル272aを格納する領域を有している。特殊変動設定テーブル272aは、演出制御装置117が、特殊変動(特殊変動1又は特殊変動2)の実行を指示する変動パターンコマンド及び演出時間加減算コマンドを主制御装置110から受信した場合に、これらの受信コマンドに基づく変動表示の態様(変動態様)を選択(選定)するためのテーブルである。
ここで、図7を参照して、特殊変動設定テーブル272aについて説明する。図7は、特殊変動設定テーブル272aを説明するための模式図である。特殊変動設定テーブル272aは、後述する変動時間決定処理(図22(a)参照)において決定された変動時間(即ち、第2の変動時間)の長さに応じた3種類のテーブル、即ち、第1特殊変動選定テーブル272a1(図7(b))と、第2特殊変動選定テーブル272a2(図7(c))と、第3特殊変動選定テーブル272a3(図7(d))とから構成される。各テーブル272a1〜272a3には、そのテーブルにおいて選定可能な特殊変動の各態様に対し、後述する変動態様選定カウンタ273dの値が割り当てられている。
特殊変動は、種別の異なる複数の変動パターンを組み合わせた発展型のリーチパターンであり、本実施形態では、図7(a)に示す6種類の単位変動表示のうち、2以上の単位変動表示の組み合わせによって構成される。
図7(a)に示すように、特殊変動の構成要素として使用される6種類の単位変動表示は、「通常変動1」と、「通常変動2」と、「通常変動3」と、「ノーマルリーチ」と、「スーパーリーチ前半」と、「スーパーリーチ前半」とから構成される。なお、図7(a)において、各単位変動表示の左側に付されている[1]〜[6]の数字は、各テーブル272a1〜272a3に含まれる特殊変動の構成を理解し易くする目的で便宜的に付したものである。
「通常変動1」は、変動時間が6秒の外れ変動であり、「通常変動2」は、変動時間が12秒の外れ変動であり、「通常変動3」は、変動時間が18秒の外れ変動である。また、「ノーマルリーチ」は、変動時間が12秒のノーマルリーチ変動である。
「スーパーリーチ前半」と「スーパーリーチ後半」は、どちらも、変動時間が12秒のスーパーリーチ変動であるが、「スーパーリーチ後半」の方が、「スーパーリーチ前半」よりも大当たりへの期待が高い態様とされている。
なお、「スーパーリーチ変動」は、リーチが発生してから最終図柄が停止するまでの間に所定の演出が現出するリーチパターンである。「スーパーリーチ変動」においてリーチが発生してから最終図柄が停止するまでの間に現出する所定の演出としては、特定のキャラクタを登場させることや、特定の背景表示を行うことや、特定の態様(例えば、図柄が拡大又は縮小されたり、図柄がゆらゆらと揺れたり、など)で図柄が変動されること等が例示される。
本実施形態では、上述した通り、特殊変動の構成要素として使用される各単位変動表示(通常変動1〜3、ノーマルリーチ、スーパーリーチ前半、及びスーパーリーチ後半)の変動時間は、6の倍数とされているので、第2の変動時間(変動時間決定処理(図22(a)参照)において決定された変動時間)の特殊変動(特殊変動1又は特殊変動2)を構成する単位変動表示の組み合わせを作り易い。
第1特殊変動選定テーブル272a1は、変動時間(第2の変動時間)が30秒である特殊変動を選定するためのテーブルである。図7(b)に示すように、第1特殊変動選定テーブル272a1により選定可能な特殊変動は、特殊変動A1〜A4である。
具体的に、特殊変動A1は、まず、[1]通常変動1が6秒間表示され、続いて、[4]ノーマルリーチが12秒間表示され、最後に、[5]スーパーリーチ前半が12秒間表示されるものである。
特殊変動A2は、まず、[1]通常変動1が6秒間表示され、続いて、[5]スーパーリーチ前半が12秒間表示され、最後に、[6]スーパーリーチ後半が12秒間表示されるものである。この特殊変動A2は、最後に表示される単位変動表示が[6]スーパーリーチ後半であり、最後の単位変動表示が[5]スーパーリーチ前半である特殊変動A1より大きな期待感を遊技者に与え易い。
特殊変動A3は、まず、[1]通常変動1が6秒間表示され、続いて、[4]ノーマルリーチが12秒間表示され、最後に、[6]スーパーリーチ後半が12秒間表示されるものである。この特殊変動A3は、[4]ノーマルリーチから[6]スーパーリーチ後半に発展するものであり、[5]スーパーリーチ前半から[6]スーパーリーチ後半に発展する特殊変動A2よりも発展度合いが大きく、特殊変動A2より大きな期待感を遊技者に与え易い。
特殊変動A4は、まず、[3]通常変動3が18秒間表示され、続いて、[6]スーパーリーチ後半が12秒間表示されるものである。この特殊変動A4は、外れ変動である[3]通常変動3からいきなり[6]スーパーリーチ後半に発展するので、特殊変動A3より大きな期待感を遊技者に与え易い。
このように、第1特殊変動選定テーブル272a1により選定可能な4種類の特殊変動(特殊変動A1〜A4)は、全て、変動時間(第2の変動時間)が30秒の変動表示であるが、特殊変動A1〜A4は、各々を構成する単位変動表示の組み合わせに応じて遊技者に異なる印象を与える。
図7(b)に示すように、第1特殊変動選定テーブル272a1は、変動表示の終了後に大当たりとなる場合に使用されるテーブル(大当たり用テーブル)と、変動表示の終了後に外れとなる場合に使用されるテーブル(外れ用テーブル)とから構成されており、大当たり用テーブルと外れ用テーブルとで、特殊変動A1〜A4に対する変動態様選定カウンタ273dの値の割り当てが異なっている。
具体的に、第1特殊変動選定テーブル272a1の大当たり用テーブルでは、特殊変動A1を選定する変動態様選定カウンタ273dの範囲として「0」〜「19」が割り当てられており、特殊変動A2を選定する範囲として「20」〜「59」が割り当てられており、特殊変動A3を選定する範囲として「60」〜「139」が割り当てられており、特殊変動A4を選定する範囲として「140」〜「255」が割り当てられている。よって、第1特殊変動選定テーブル272a1の大当たり用テーブルにおける、特殊変動A1、特殊変動A2、特殊変動A3、及び特殊変動A4の選定比率は、20:40:80:116である。
一方、外れ用テーブルでは、特殊変動A1を選定する変動態様選定カウンタ273dの範囲として「140」〜「255」が割り当てられており、特殊変動A2を選定する範囲として「60」〜「139」が割り当てられており、特殊変動A3を選定する範囲として「20」〜「59」が割り当てられており、特殊変動A4を選定する範囲として「0」〜「19」が割り当てられている。よって、第1特殊変動選定テーブル272a1の外れ用テーブルにおける、特殊変動A1、特殊変動A2、特殊変動A3、及び特殊変動A4の選定比率は、116:80:40:20である。
このように、第1特殊変動選定テーブル272a1の大当たり用テーブルでは、特殊変動A4が最も選定され易く、特殊変動A1が最も選定され難くなるように、変動態様選定カウンタ273dの値が割り当てられており、その一方で、外れ用テーブルでは、特殊変動A1が最も選定され易く、特殊変動A4が最も選定され難くなるように、変動態様選定カウンタ273dの値が割り当てられている。
上述した通り、第1特殊変動選定テーブル272a1により選定可能な4種類の特殊変動は、特殊変動A1<特殊変動A2<特殊変動A3<特殊変動A4の順で遊技者に期待感を与え易いので、大当たり用テーブルでは、大当たり期待感の高い特殊変動が選定され易く、外れテーブルでは、大当たり期待感の低い特殊変動が選定され易くなっている。
つまり、変動表示の終了後に大当たり(特別遊技状態)となる場合には、特殊変動(変動態様)を構成する単位変動表示の組み合わせは、大当たりの発生に対する期待感(期待度)の最も高い態様の選定確率が最も高く、大当たりの発生に対する期待感の最も低い態様の選定確率が最も低くされている。よって、大当たりの発生に対する遊技者の期待を高めることができ、遊技者の遊技意欲を好適に盛り上げることができる。
一方、変動表示の終了後に大当たりが発生しない(即ち、外れの場合)には、特殊変動(変動態様)を構成する単位変動表示の組み合わせは、大当たりの発生に対する期待感(期待度)の最も低い態様の選定確率が最も高く、大当たりの発生に対する期待感の最も高い態様の選定確率が最も低くされている。よって、大当たりの発生に対する過剰な期待を遊技者に抱かせることを防止することができ、落胆による遊技意欲の減衰を防ぐことができる。
第2特殊変動選定テーブル272a2は、変動時間(第2の変動時間)が42秒である特殊変動を選定するためのテーブルである。図7(c)に示すように、第2特殊変動選定テーブル272a2により選定可能な特殊変動は、特殊変動B1〜B4である。
具体的に、特殊変動B1は、まず、[3]通常変動3が18秒間表示され、続いて、[4]ノーマルリーチが12秒間表示され、最後に、[5]スーパーリーチ前半が12秒間表示されるものである。
特殊変動B2は、まず、[3]通常変動3が18秒間表示され、続いて、[5]スーパーリーチ前半が12秒間表示され、最後に、[6]スーパーリーチ後半が12秒間表示されるものである。この特殊変動B2は、最後に表示される単位変動表示が[6]スーパーリーチ後半であり、最後の単位変動表示が[5]スーパーリーチ前半である特殊変動B1より大きな期待感を遊技者に与え易い。
特殊変動B3は、まず、[3]通常変動3が18秒間表示され、続いて、[4]ノーマルリーチが12秒間表示され、最後に、[6]スーパーリーチ後半が12秒間表示されるものである。この特殊変動B3は、[4]ノーマルリーチから[6]スーパーリーチ後半に発展するものであり、[5]スーパーリーチ前半から[6]スーパーリーチ後半に発展する特殊変動B2よりも発展度合いが大きく、特殊変動B2より大きな期待感を遊技者に与え易い。
特殊変動B4は、まず、[1]通常変動1が6秒間表示され、続いて、[4]ノーマルリーチが12秒間表示され、さらに、[5]スーパーリーチ前半が12秒間表示された後、最後に、[6]スーパーリーチ後半が12秒間表示されるものである。この特殊変動B4は、特殊変動B3に比べ発展する段階が多いので、特殊変動B3より大きな期待感を遊技者に与え易い。
このように、第2特殊変動選定テーブル272a2により選定可能な4種類の特殊変動(特殊変動B1〜B4)は、全て、後述する変動時間決定処理(図22(a)参照)により決定された変動時間(第2の変動時間)が42秒の変動表示であるが、特殊変動B1〜B4は、各々を構成する単位変動表示の組み合わせに応じて遊技者に異なる印象を与える。
図7(c)に示すように、第2特殊変動選定テーブル272a2もまた、第1特殊変動選定テーブル272a1と同様に、変動表示の終了後に大当たりとなる場合に使用されるテーブル(大当たり用テーブル)と、変動表示の終了後に外れとなる場合に使用されるテーブル(外れ用テーブル)とから構成されている。そして、大当たり用テーブルと外れ用テーブルとで、特殊変動B1〜B4に対する変動態様選定カウンタ273dの値の割り当てが異なっている。
具体的に、第2特殊変動選定テーブル272a2の大当たり用テーブルでは、特殊変動B1を選定する変動態様選定カウンタ273dの範囲として「0」〜「29」が割り当てられており、特殊変動B2を選定する範囲として「30」〜「79」が割り当てられており、特殊変動B3を選定する範囲として「80」〜「139」が割り当てられており、特殊変動B4を選定する範囲として「140」〜「255」が割り当てられている。よって、第2特殊変動選定テーブル272a2の大当たり用テーブルにおける、特殊変動B1、特殊変動B2、特殊変動B3、及び特殊変動B4の選定比率は、30:50:60:116である。
一方、外れ用テーブルでは、特殊変動B1を選定する変動態様選定カウンタ273dの範囲として「140」〜「255」が割り当てられており、特殊変動B2を選定する範囲として「80」〜「139」が割り当てられており、特殊変動B3を選定する範囲として「30」〜「79」が割り当てられており、特殊変動B4を選定する範囲として「0」〜「29」が割り当てられている。よって、第2特殊変動選定テーブル272a2の外れ用テーブルにおける、特殊変動B1、特殊変動B2、特殊変動B3、及び特殊変動B4の選定比率は、116:60:50:30である。
このように、第2特殊変動選定テーブル272a2の大当たり用テーブルでは、特殊変動B4が最も選定され易く、特殊変動B1が最も選定され難くなるように、変動態様選定カウンタ273dの値が割り当てられており、その一方で、外れ用テーブルでは、特殊変動B1が最も選定され易く、特殊変動B4が最も選定され難くなるように、変動態様選定カウンタ273dの値が割り当てられている。
上述した通り、第2特殊変動選定テーブル272a2により選定可能な4種類の特殊変動は、特殊変動B1<特殊変動B2<特殊変動B3<特殊変動B4の順で遊技者に期待感を与え易いので、大当たり用テーブルでは、大当たり期待感の高い特殊変動が選定され易く、外れテーブルでは、大当たり期待感の低い特殊変動が選定され易くなっている。
つまり、変動表示の終了後に大当たり(特別遊技状態)となる場合には、特殊変動(変動態様)を構成する単位変動表示の組み合わせは、大当たりの発生に対する期待感(期待度)の最も高い態様の選定確率が最も高く、大当たりの発生に対する期待感の最も低い態様の選定確率が最も低くされている。よって、大当たりの発生に対する遊技者の期待を高めることができ、遊技者の遊技意欲を好適に盛り上げることができる。
一方、変動表示の終了後に大当たりが発生しない(即ち、外れの場合)には、特殊変動(変動態様)を構成する単位変動表示の組み合わせは、大当たりの発生に対する期待感(期待度)の最も低い態様の選定確率が最も高く、大当たりの発生に対する期待感の最も高い態様の選定確率が最も低くされている。よって、大当たりの発生に対する過剰な期待を遊技者に抱かせることを防止することができ、落胆による遊技意欲の減衰を防ぐことができる。
第3特殊変動選定テーブル272a3は、変動時間(第2の変動時間)が24秒である特殊変動を選定するためのテーブルである。図7(d)に示すように、第3特殊変動選定テーブル272a3により選定可能な特殊変動は、特殊変動C1〜C3である。
具体的に、特殊変動C1は、[2]通常変動2が12秒間表示された後、[4]ノーマルリーチが12秒間表示されるものである。特殊変動C2は、[2]通常変動2が12秒間表示された後、[5]スーパーリーチ前半が12秒間表示されるものである。特殊変動C3は、[2]通常変動2が12秒間表示された後、[6]スーパーリーチ後半が12秒間表示されるものである。これらの特殊変動C1〜C3は、最後に表示される単位変動表示が遊技者に与える期待感の差から、特殊変動C1<特殊変動C2<特殊変動C3の順で遊技者に期待感を与え易い。
このように、第3特殊変動選定テーブル272a3により選定可能な3種類の特殊変動(特殊変動C1〜C3)は、全て、変動時間(第2の変動時間)が24秒の変動表示であるが、特殊変動C1〜C4は、各々を構成する単位変動表示の組み合わせに応じて遊技者に異なる印象を与える。
図7(d)に示すように、第3特殊変動選定テーブル272a3もまた、上述した2つの特殊変動選定テーブル272a1,272a2と同様に、変動表示の終了後に大当たりとなる場合に使用されるテーブル(大当たり用テーブル)と、変動表示の終了後に外れとなる場合に使用されるテーブル(外れ用テーブル)とから構成されている。そして、大当たり用テーブルと外れ用テーブルとで、特殊変動C1〜C3に対する変動態様選定カウンタ273dの値の割り当てが異なっている。
具体的に、第3特殊変動選定テーブル272a3の大当たり用テーブルでは、特殊変動C1を選定する変動態様選定カウンタ273dの範囲として「0」〜「39」が割り当てられており、特殊変動C2を選定する範囲として「40」〜「125」が割り当てられており、特殊変動C3を選定する範囲として「126」〜「255」が割り当てられている。よって、第3特殊変動選定テーブル272a3の大当たり用テーブルにおける、特殊変動C1、特殊変動C2、及び特殊変動C3の選定比率は、40:86:130である。
一方、外れ用テーブルでは、特殊変動C1を選定する変動態様選定カウンタ273dの範囲として「126」〜「255」が割り当てられており、特殊変動C2を選定する範囲として「40」〜「125」が割り当てられており、特殊変動C3を選定する範囲として「0」〜「39」が割り当てられている。よって、第3特殊変動選定テーブル272a3の外れ用テーブルにおける、特殊変動C1、特殊変動C2、及び特殊変動C3の選定比率は、130:86:40である。
このように、第3特殊変動選定テーブル272a3の大当たり用テーブルでは、特殊変動C3が最も選定され易く、特殊変動C1が最も選定され難くなるように、変動態様選定カウンタ273dの値が割り当てられており、その一方で、外れ用テーブルでは、特殊変動C1が最も選定され易く、特殊変動C3が最も選定され難くなるように、変動態様選定カウンタ273dの値が割り当てられている。
上述した通り、第3特殊変動選定テーブル272a3により選定可能な3種類の特殊変動は、特殊変動C1<特殊変動C2<特殊変動C3の順で遊技者に期待感を与え易いので、大当たり用テーブルでは、大当たり期待感の高い特殊変動が選定され易く、外れ用テーブルでは、大当たり期待感の低い特殊変動が選定され易くなっている。
つまり、変動表示の終了後に大当たり(特別遊技状態)となる場合には、特殊変動(変動態様)を構成する単位変動表示の組み合わせは、大当たりの発生に対する期待感(期待度)の最も高い態様の選定確率が最も高く、大当たりの発生に対する期待感の最も低い態様の選定確率が最も低くされている。よって、大当たりの発生に対する遊技者の期待を高めることができ、遊技者の遊技意欲を好適に盛り上げることができる。
一方、変動表示の終了後に大当たりが発生しない(即ち、外れの場合)には、特殊変動(変動態様)を構成する単位変動表示の組み合わせは、大当たりの発生に対する期待感(期待度)の最も低い態様の選定確率が最も高く、大当たりの発生に対する期待感の最も高い態様の選定確率が最も低くされている。よって、大当たりの発生に対する過剰な期待を遊技者に抱かせることを防止することができ、落胆による遊技意欲の減衰を防ぐことができる。
ところで、詳細は後述するが、本実施形態では、演出制御装置117は、主制御装置110から受信した変動パターンが示す第1の変動時間(即ち、主制御装置110が変動種別カウンタCS1,CS2に基づいて決定した変動時間)を、特図保留球カウンタ273aの値(変動開始時の特図保留球数N)に応じた変動時間(第2の変動時間)に設定し、そのように設定した第2の変動時間に応じた変動態様を設定する。
例えば、演出制御装置117は、第1の変動時間が42秒である「特殊変動1」を示す変動パターンコマンドを主制御装置110から受信した場合には、変動開始時の特図保留球数Nが「0」又は「1」であれば、第2の変動時間を第1の変動時間と同じ42秒とし、該特図保留球Nが「2」又は「3」であれば、第2の変動時間を第1の変動時間より12秒短い30秒に設定(変更)する。
一方、演出制御装置117は、第1の変動時間が30秒である「特殊変動2」を示す変動パターンコマンドを受信した場合には、変動開始時の特図保留球Nが「0」又は「1」であれば、第2の変動時間を第1の変動時間と同じ30秒とし、該特図保留球数Nが「2」又は「3」であれば、第2の変動時間を第1の変動時間より6秒短い24秒に設定する。
次いで、演出制御装置117は、主制御装置110から受信した変動パターンに基づいて自身が設定した第2の変動時間に応じた特殊変動選定テーブル272a(272a1〜272a3)を用い、変動態様選定カウンタ273dの値に応じた特殊変動を、第3図柄表示装置81で実行する変動表示の変動態様として選定する。
このように、本実施形態のパチンコ機1によれば、演出制御装置117は、主制御装置110から受信した1つの変動パターンコマンドから、複数の変動時間を設定することができるので、1の変動パターンコマンドから、変動時間の異なる複数の変動表示の態様(変動態様)を選定することができる。
よって、少ない変動パターンコマンドで、多様な変動時間による多様な演出を実現することができる。即ち、主制御装置110の空き容量の消費を好適に抑制すると共に、変動パターンコマンドを演出制御装置117へ出力する主制御装置110の制御負担を好適に抑制しつつ、多様な変動時間による多様な演出を実現することができる。
再度、図5に戻って説明する。演出制御装置117のRAM273は、特図保留球カウンタ273aと、AND演算結果メモリ273bと、変動時間カウンタ273cと、変動態様選定カウンタ273dとを有している。
特図保留球カウンタ273aは、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる変動表示であって、主制御装置110において保留されている第1入球口64への入賞に基づく変動表示の回数(保留回数、待機回数)を計数するカウンタである。
この特図保留球カウンタ273aには、特図保留球カウンタ203aの値を示す保留数コマンドを主制御装置110から受信した場合に、受信した保留数コマンドに基づき特図保留球カウンタ203aの値が設定される。即ち、特図保留球カウンタ273aは、主制御装置110の特図保留球カウンタ203aの値を示すものである。
詳細は後述するが、主制御装置110は、第1入球口64への球の入球(入賞)に伴って特図保留球カウンタ203aの値に1加算し、その特図保留球カウンタ203aの値を保留数コマンドによって演出制御装置117に通知する。一方、主制御装置110は、変動表示を開始する際に、特図保留球カウンタ203aの値から1減算し、その特図保留球カウンタ203aの値を保留数コマンドによって演出制御装置117に通知する。よって、特図保留球カウンタ273aは、第1入球口64へ球が入球する毎に1ずつ増加し、変動が開始される毎に(変動の開始時に)1ずつ減少する。なお、この特図保留球カウンタ273aは、パチンコ機10の電源投入に伴って実行される演出制御装置117の立ち上げ処理(図16参照)において初期化(0クリア)される。
AND演算結果メモリ273bは、後述する保留数設定処理(図21参照)において実行される、特図保留球数Nを示す保留数コマンドの値と、所定の1バイトの値(本実施形態では、「00000001」(2進数))とのAND演算の結果を記憶するためのメモリである。
詳細は後述するが、保留数コマンドの値と所定の1バイトの値とのAND演算の結果(即ち、このAND演算結果メモリ273bに記憶されている値)は、特図保留球数Nの区分に応じた値である。具体的に、本実施形態では、特図保留球数N(即ち、特図保留球カウンタ273aの値)が「1」以下である場合には、AND演算後の結果が「00000000」(2進数)となり、特図保留球数Nが「2」以上である場合には、AND演算後の結果が「00000001」(2進数)となるように区分されている。
演出制御装置117が受信した保留数コマンドが特殊変動の変動開始時に送信されたものである場合には、このAND演算結果メモリ273bに記憶されている値は、特殊変動(特殊変動1,2)の変動時間(即ち、第2の変動時間)を設定するために使用される。詳細は後述するが、演出制御装置117が、特殊変動(特殊変動1,2)を示す変動パターンコマンドを受信した場合には、変動時間決定処理(図22(a)参照)により、受信した変動パターンコマンドに、AND演算結果メモリ273bに記憶されている値が加算され、得られた値に応じた第2の変動時間が決められる。なお、このAND演算結果メモリ273bは、パチンコ機10の電源投入に伴って実行される演出制御装置117の立ち上げ処理(図16参照)において初期化(0クリア)される。
変動時間カウンタ273cは、第3図柄表示装置81に表示される第3図柄の変動表示の変動時間を管理するためのカウンタである。本実施形態では、変動時間カウンタ273cは、変動パターンコマンドと演出時間加減算コマンドとに基づいて初期値(実行すべき変動時間)を設定した後、20ms毎に変動演出処理(図19参照)が実行される毎に、値が1ずつ減算されるように構成されている。
変動時間カウンタ273cに初期値として設定される値は、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドに基づいて変動時間決定処理(図22(a)参照)により決定される第2の変動時間に、演出時間加減算コマンドに応じた時間を加減算して得られた時間(即ち、実行すべき変動時間)に応じた値である。上述した通り、この変動時間カウンタ273cは、20ms毎に更新されるので、例えば、演出時間加減算コマンドに応じた時間の加減算後の時間が30sであれば、「1500」が初期値として設定される。なお、この変動時間カウンタ273cは、パチンコ機10の電源投入に伴って実行される演出制御装置117の立ち上げ処理(図16参照)において初期化(0クリア)される。
変動態様選定カウンタ273dは、特殊変動選定テーブル272a(272a1〜272a2)から特殊変動のパターン(変動パターン)を選定する際に参照されるカウンタである。即ち、特殊変動のパターンの選定は、特殊変動選定テーブル272a(272a1〜272a2)の中から、変動態様選定カウンタ273dの値に応じた変動パターンを選定することによって行われる。
この変動態様選定カウンタ273dは、本実施形態では0〜255の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(即ち、255)に達した後、0に戻る構成となっている。なお、この変動態様選定カウンタ273dは、パチンコ機10の電源投入に伴って実行される演出制御装置117の立ち上げ処理(図16参照)において初期化(0クリア)される。
また、RAM273は、MPU271の内部レジスタの内容やMPU271により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。更に、RAM273は、各種のメモリ、フラグ、カウンタ等などを有している。
画像コントローラ274は、キャラクタROM275、ビデオRAM276、入出力ポート277、出力ポート278のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオRAM276に記憶される表示データを所定のタイミングで読み出して第3図柄表示装置81に表示させるものである。
キャラクタROM275は、第3図柄表示装置81に表示する図柄(背景図柄や第3図柄や装飾図柄)などの演出用のデータが、圧縮された形式で格納されているメモリである。このキャラクタROM275には、例えば、変動表示(変動演出)に用いられる演出用の各種データや、第3図柄のキャラクタ図柄や、背景図柄や、予告キャラクタ図柄などが記憶されている。演出用の各種データとしては、通常変動(例えば、通常変動1、通常変動2、通常変動3、通常変動4)、ノーマルリーチ変動、スーパーリーチ変動(スーパーリーチ前半、スーパーリーチ後半)の各変動表示に用いるデータ(以後、「変動表示データ」と称する。)などが該当する。
なお、本実施形態では、特殊変動1及び特殊変動2などの特殊変動は、通常変動、ノーマルリーチ変動、スーパーリーチ変動の各変動表示を組み合わせたものであるので、特殊変動のための変動表示データは記憶されていない。これに対し、特殊変動用の変動表示データを準備して、キャラクタROM275に記憶させておくように構成してもよい。
キャラクタROM275には、記憶するデータ量を少なくするために、上述したような演出用のデータが圧縮された状態で記憶されている。本実施形態では、演出用のデータは約1024Mバイトで構成されており、その約1024Mバイトのデータが、約768Mバイトに圧縮されてキャラクタROM275に記憶されている。キャラクタROM275に圧縮され記憶されている演出用のデータは、必要なものだけが読み出されて、解凍された後に、ビデオRAM276の所定の領域に書き込まれる。
ビデオRAM276は、第3図柄表示装置81に表示する演出用のデータを、解凍した状態(直ぐに使用可能な状態)で記憶するためのメモリである。ビデオRAM276は、変動表示データ記憶領域276aを有している。
変動表示データ記憶領域276aは、第3図柄表示装置81において変動表示(変動演出)を行うための変動表示データを記憶するためのメモリである。第3図柄表示装置81において変動表示が開始されると、この変動演出データ記憶領域276aに記憶されている変動表示データ(高速変動などの変動表示)に対応する画像が時間に応じて第3図柄表示装置81に表示される。
なお、各種データをキャラクタROM275から読み出し、変動演出データ記憶領域276aに記憶するのは、一般的に処理速度がROMよりRAMの方が高速であるためである。例えば、演出データをキャラクタROM275から読み出しながら第3図柄表示装置(LCD)81に表示する構成にすると、読み出すデータ量が大きい場合には読み出しに時間を有し、スムーズな表示ができなかったり鮮明な表示ができない場合があるからである。また、RAMに記憶する方が、表示データの加工(例えば、装飾図柄の大きさの変更や背景図柄の色の変更)などが容易であるからでもある。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)とを有するRAM消去スイッチ回路253とを備えている。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図15参照)を正常に実行し、電源断の発生情報をRAM203及びRAM213に記憶して完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110及び払出制御装置111は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、それぞれのバックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次に、図8から図15のフローチャートを参照して、上記構成を有するパチンコ機10における主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2ms周期で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されNMI割込処理とに大別される。
まず、図8を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合の立ち上げ処理について説明する。図8は、主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S101)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(演出制御装置117、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウェイト処理(本実施形態では1秒)を実行する。次いで、RAM203のアクセスを許可する(S103)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされているか否かを判別し(S104)、オンされていれば(S104:Yes)、処理をS111へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S104:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S105)、記憶されていなければ(S105:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS111へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S105:Yes)、RAM判定値を算出し(S106)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S107:No)、即ち算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS111へ移行する。なお、図9のS213の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S111の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S111)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S112、S113)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S112、S113)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S112、S113)を実行する。RAMの初期化処理(S112、S113)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S112)、その後、RAM203の初期値を設定する(S113)。RAM203の初期化処理(S112,S113)の実行後は、S110の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S104:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S105:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S107:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S108)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S109)、S110の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。S110の処理では、割込みを許可して、後述するメイン処理に移行する。
次に、図9を参照して、上述した立ち上げ処理後に実行されるメイン処理について説明する。図9は、主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4ms周期の定期処理としてS201〜S206の各処理が実行され、その残余時間でS209,S210のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理においては、まず、前回の処理で更新されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)や、外部出力端子板260を介してホールコンピュータ600へ送信(出力)する(S201)。この外部出力処理(S201)により、例えば、S501のスイッチ読み込み処理(図13参照)によって検出された入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、この外部出力処理(S201)により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、種別コマンド、停止コマンド、演出時間加減算コマンド等を演出制御装置117に送信したり、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
S201の処理後、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の各値を更新する(S202)。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3を1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態では198,240,162)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新値を、RAM203内のカウンタバッファにおける該当領域に格納する。
変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S203)、第1図柄表示装置37による表示を行うための処理や第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する変動処理を実行する(S204)。なお、変動処理の詳細は図10を参照して後述する。
変動処理の終了後は、大当たり状態である場合において可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための大当たり処理を実行する(S205)。具体的には、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口65aの開放し、その後、予め規定されている時間(例えば、30秒)が経過するか、特定入賞口65aに所定数(例えば、9個)の球が入球した場合に、特定入賞口65aを閉鎖する処理を、所定ラウンド数(例えば、15ラウンド)繰り返し実行する処理である。
次に、第2図柄表示装置82による第2図柄(例えば「○」又は「×」の図柄)の表示制御処理を実行する(S206)。簡単に説明すると、球が第2入球口(スルーゲート)67を通過したことを条件に、その通過したタイミングで第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置82の表示部83にて第2図柄の変動表示が実施される。そして、第2当たり乱数カウンタC4の値により第2図柄の抽選が実施され、第2図柄の当たり状態になると、第1入球口64に付随する電動役物が所定時間開放される。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S207)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S207:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち前回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4ms)が経過したか否かを判別し(S208)、既に所定時間が経過していれば(S208:Yes)、処理をS201へ移行し、前述したS201以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、前回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S208:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1,CS2、CS3の更新を繰り返し実行する(S209,S210)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S209)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では738、250)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203内のカウンタバッファにおける該当領域に格納する。
次に、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新を実行する(S210)。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3を1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態では198,240,162)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新値を、RAM203内のカウンタバッファにおける該当領域に格納する。
ここで、S201〜S206の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1,CS2,CS3についてもランダムに更新することができる。
また、S207の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S207:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、NMI割込処理(図15参照)が実行されたということなので、S211以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S211)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や演出制御装置117等の周辺制御装置)に対して送信する(S212)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S213)、RAM203のアクセスを禁止して(S214)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S207の処理は、S201〜S206で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS209とS210の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS201の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS201の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S101)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S201の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図10を参照して、変動処理(S204)について説明する。図10は、メイン処理(図9参照)の中で実行される変動処理(S204)を示すフローチャートである。変動処理では、まず、今現在大当たり中であるか否かを判別する(S301)。大当たり中としては、大当たりの際に第3図柄表示装置81及び第1図柄表示装置37で表示される大当たり遊技の最中と大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判別の結果、大当たり中であれば(S301:Yes)、そのまま本処理を終了する。
大当たり中でなければ(S301:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判別し(S302)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S302:No)、特図保留球カウンタ203aの値、即ち、特図保留球数Nを取得する(S303)。S303の処理後、特図保留球数Nが0よりも大きいか否かを判別する(S304)。特図保留球数Nが0であれば(S304:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、特図保留球数N>0であれば(S304:Yes)、特図保留球数N(即ち、特図保留球カウンタ203aの値)を1減算し(S304)、RAM203に設けられている保留球格納エリア(図示せず)の保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる保留球格納エリア順送り処理を実行する(S305)。なお、保留球格納エリア順送り処理(S305)で実行される詳細な処理については、図11を参照して後述する。
保留球格納エリア順送り処理(S305)の実行後、第1図柄表示装置37の変動開始処理を実行し(S306)、変動処理(S204)を終了する。なお、変動開始処理(S306)で実行される詳細な処理については、図12を参照して後述する。
一方、S302の処理により確認した結果、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であると判別されると(S302:Yes)、RAM203に設けられた特図制御タイマ(図示せず)を参照して変動時間が経過したか否かを判別する(S307)。なお、特図制御タイマ(図示せず)は、変動開始から変動終了までの時間を管理するタイマである。第1図柄表示装置37に表示される変動時間は、変動種別カウンタCS1,CS2の値と特図保留球数Nとに基づいて決定された変動時間(第2の変動時間)と変動種別カウンタCS3により選択された加算時間とに応じて決められており、この変動時間が経過していなければ(S307:No)、第1図柄表示装置37の表示を更新する(S308)。
本実施形態では、第1図柄表示装置37のLED37aの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる表示態様が設定される。
ここで、第1図柄表示装置37の停止表示にて表示される停止図柄は、第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて大当たりか否かの停止図柄が決定される。さらに、大当たりの停止図柄については、第1当たり種別カウンタC2の値に応じて、大当たり後に高確率状態となる場合(即ち、確変大当たり)の停止図柄と、大当たり後に低確率状態となる場合(即ち、通常大当たり)の停止図柄とに区別される。例えば、確変大当たりであれば、停止図柄として青色のLEDを点灯させ、第2の確変大当たりであれば、停止図柄として赤色のLEDを点灯させる。一方で、抽選結果(第1当たり乱数カウンタC1の値)が外れである場合には停止図柄として、赤色のLEDと緑色のLEDとを点灯させる。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
なお、変動処理は4ms毎に実行されるが、その変動処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、変動処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行っている。なお、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
一方、第1図柄表示装置37の変動時間が経過していれば(S307:Yes)、第1図柄表示装置37において実行中の変動表示を終了(停止)するために、停止表示の設定を行い(S309)、第3図柄表示装置81の変動停止を第1図柄表示装置37におけるLEDの点灯と同調させるために停止コマンドを設定し(S310)、変動処理(S204)を終了し、メイン処理(図9参照)へ戻る。演出制御装置117は、この停止コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において実行中の1の変動表示を終了させる。
次に、図11を参照して、上述した保留球格納エリア順送り処理(S305)について説明する。図11は、変動処理(図10参照)の中で実行される保留球格納エリア順送り処理(S305)を示すフローチャートである。
この保留球格納エリア順送り処理(S305)では、まず、保留球格納エリアの保留第1エリアに記憶されている各データ(第1当たり乱数カウンタの値、第1当たり種別カウンタの値、及び停止パターン選択カウンタの値)を、実行エリアへシフトする(S351)。
次に、保留第2エリア〜保留第4エリアに記憶されている各データをそれぞれ、エリア番号の1小さいエリアへシフトする(S352)。なお、本実施形態では、第2〜第4保留エリアのうち、データが記憶(保留)されている保留エリアについてのみデータのシフトを行う。よって、データが記憶(保留)されていない保留エリアについては、データのシフト処理が行われないので、データのシフト回数を軽減することができ、制御的負担を軽減することができる。
また、データの有無に関わらず、第2〜第4保留エリアの各データを、エリア番号が1小さいエリアにそれぞれシフトするように構成しても良い。その場合は、第2〜第4保留エリアにデータが記憶(保留)されているか否かの判定が不用となるので、プログラムのステップ数を軽減することができる。よって、プログラムの容量を小さくすることができるので、ROM202の空き容量を増やすことができる。
次に、特図保留球カウンタ203aの値(特図保留球数N)を1減算し(S353)、減算した後の特図保留球数カウンタ203aの値を示す保留数コマンドを設定する(S354)。本実施形態では、特図保留級数Nが「0」である場合には、「00000000」(2進数)が保留数コマンドとして設定され、特図保留級数Nが「1」である場合には、「00000010」(2進数)が保留数コマンドとして設定される。また、特図保留級数Nが「2」である場合には、「00000011」(2進数)が保留数コマンドとして設定され、特図保留級数Nが「3」である場合には、「00000101」(2進数)が保留数コマンドとして設定される。
このS354の処理により設定された保留数コマンドは、メイン処理(図9参照)において次回に実行されるS201の外部出力処理により演出制御装置117へ出力される。出力された保留数コマンドが、演出制御装置117により受信されると、その保留数コマンドが示す特図保留球数Nと同一数のランプが特図保留ランプ85において点灯される。
次に、特図保留球カウンタ203aの値(特図保留球数N)に応じて、第1図柄表示装置37のLED37aを点灯させて、新たな保留回数を点灯状態により表示し(S355)、保留球格納エリア順送り処理(S305)を終了し、変動処理(図10参照)へ戻る。
次に、図12を参照して、上述した変動開始処理(S306)について説明する。図12は、変動処理(図10参照)の中で実行される変動開始処理(S306)を示すフローチャートである。
変動開始処理(S306)では、まず、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値に基づいて大当たりか否かを判別する(S401)。大当たりか否かは第1当たり乱数カウンタC1の値とその時々のモードとの関係に基づいて判別される。
なお、本実施形態では、通常の確率(低確率)時には、第1当たり乱数カウンタC1の値が「310」又は「608」であれば、S401の処理により大当たりと判別される。一方、高確率時には、第1当たり乱数カウンタC1の値が「28,63,90,127,154,188,210,250,278,305,343,375,400,426,471,509,535,568,598,618」のうちのいずれかであれば、S401の処理により大当たりと判別される。
S401の処理により大当たりであると判別された場合には(S401:Yes)、第1図柄表示装置37に表示する大当たり時の表示態様(LED37aの点灯状態)を設定する(S402)。具体的に、S402では、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値に基づき大当たり種別(即ち、大当たり時の停止図柄)を決定した後、決定された大当たり種別に応じた表示態様が第1図柄表示装置37に表示されるように設定を行う。なお、本実施形態では、第1当たり種別カウンタC2の値が「1,2,3」である場合の大当たり種別は「確変大当たり」であり、第1当たり種別カウンタC2の値が「0,4」である場合の、大当たり種別は「通常大当たり」である。
S402の処理後、第1当たり種別カウンタC2の値が示す大当たり種別と、RAM203内のワークエリア(図示せず)に設けられているカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値とに基づき、変動パターンを決定する(S403)。
具体的に、S403では、ROM202に記憶されている複数の第1テーブル(図示せず)の中から、S402の処理において決定された大当たり種別に応じたテーブルを参照して、第1変動種別カウンタCS1の値に応じた変動パターン(本実施形態では、ノーマルリーチ変動、又は特殊変動(特殊変動1,2))を決定すると共に、第2変動種別カウンタCS2の値に基づき、ノーマルリーチ変動における図柄変動数(リーチ発生後に最終停止図柄が停止するまでの変動図柄数)を決定する。
一方で、S401の処理で大当たりではないと判別された場合には(S401:No)、第1図柄表示装置37に表示する外れ時の表示態様(LED37aの点灯状態)を設定する(S410)。具体的に、S410では、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値に基づき、外れ時の停止図柄(前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、又は完全外れ)を決定した後、決定された停止図柄に応じた表示態様が第1図柄表示装置37に表示されるように設定を行う。
S410の処理後、停止パターン選択カウンタC3の値が示す外れ時の停止図柄と、RAM203内のワークエリア(図示せず)に設けられているカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値とに基づき、変動パターンを決定する(S411)。
具体的に、S411では、ROM202に記憶されている複数の第1テーブル(図示せず)の中から、S411の処理において決定された外れ時の停止図柄に応じたテーブルを参照して、第1変動種別カウンタCS1の値に応じた変動パターン(本実施形態では、通常変動、ノーマルリーチ変動、又は特殊変動(特殊変動1,2))を決定すると共に、第2変動種別カウンタCS2の値に基づき、ノーマルリーチ変動における図柄変動数(リーチ発生後に最終停止図柄が停止するまでの変動図柄数)を決定する。
S403又はS411の処理後、これらの処理により変動種別カウンタCS1,CS2に基づき決定された変動パターンが示す変動時間から、特図保留球数Nに応じた変動時間を決定する(S404)。
次いで、S404の処理により決定された変動時間に加減算される演出時間(演出時間の加減算値)を決定する(S405)。このとき、RAM203内のワークエリア(図示せず)に設けられているカウンタ用バッファに記憶されている第3種別カウンタCS3の値に基づいて加減算される演出時間が決定される。
次いで、S404の処理により決定された変動時間と、S405の処理により決定された演出時間の加減算値とから得られる時間を、特図制御タイマ(図示せず)に設定する(S407)。このS407の処理により特図制御タイマに設定された時間が、第1図柄表示装置37に表示される第1図柄の変動表示の変動時間(即ち、変動開始から変動終了までの時間)となる。
S406の処理後、S403又はS411の処理により決定された変動パターン(変動時間)に応じた変動パターンコマンドを設定する(S407)。本実施形態では、例えば、S403又はS411の処理により決定された変動パターンが「特殊変動1」である場合には、「10000000」(2進数)が変動パターンコマンドとして設定される。また、例えば、決定された変動パターンが「特殊変動2」である場合には、「10000001」(2進数)が変動パターンコマンドとして設定される。
なお、「特殊変動1」を示す変動パターンコマンド、即ち、「10000000」(2進数)を便宜的に「変動パターンコマンドA」と称すると共に、「特殊変動2」を示す変動パターンコマンド、即ち、「10000001」(2進数)を便宜的に「変動パターンコマンドB」と称する。
このS407の処理により設定される変動パターンコマンドが示す変動時間は、変動種別カウンタCS1,CS2に基づいて決定された変動時間であり、特図保留球数Nを考慮していない変動時間である。詳細は後述するが、この変動パターンコマンドを受信した演出制御装置117は、受信した変動パターンコマンドが示す変動時間に基づき、変動開始時の特図保留球数Nに応じた変動時間(即ち、第2の変動時間)を設定し、その第2の変動時間に応じた変動態様を選定する。
S407の処理後、S403又はS411の処理で設定された表示態様(即ち、停止図柄)に応じた種別コマンドを設定し(S408)、S405の処理で決定された演出時間の加減算値に応じた演出時間加減算コマンドを設定し(S409)、この変動開始処理(S306)を終了し、変動処理(図10参照)へ戻る。
上述した通り、保留球格納エリア順送り処理(図11参照)の中で、「保留数コマンド」が設定された後、変動開始処理(図12参照)の中で、「変動パターンコマンド」、「種別コマンド」、「演算時間加減算コマンド」の順で、コマンドが設定される。メイン処理(図9参照)における外部出力処理(S201)では、コマンドが設定された順番に各コマンドが送信されるので、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示を開始する際には、「保留数コマンド」、「変動パターンコマンド」、「種別コマンド」、「演算時間加減算コマンド」の順でコマンドが演出制御装置117に出力される。
図13は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、主制御装置110のMPU201により例えば2ms毎に実行される。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S501)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S502)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では738)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203内のカウンタバッファにおける該当領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では250)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203内のカウンタバッファにおける該当領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S503)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、619,15,238,250)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203内のカウンタバッファにおける該当領域に格納する。
その後は、第1入球口64への入賞に伴う始動入賞処理を実行し(S504)、発射制御処理を実行して(S505)、タイマ割込処理を終了する。なお、始動入賞処理については、図14を参照して後述する。また、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ(図示しない)により検出し、発射を停止させるための打ち止めスイッチ(図示しない)が操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
ここで、図14のフローチャートを参照して、上述した始動入賞処理(S504)を説明する。図14は、タイマ割込処理(図13参照)の中で実行される始動入賞処理(S504)を示すフローチャートである。
この始動入賞処理が実行されると、まず、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したか否かを判別する(S601)。球が第1入球口64に入賞したと判別されると(S601:Yes)、第1図柄表示装置37の特図保留球数Nが上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判別する(S602)。
このとき、第1入球口64への入賞があり、且つ特図保留球数N<4であれば(S602:Yes)、前記ステップS503で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値を、RAM203の保留球格納エリアの空き保留エリアのうち最初のエリアに格納する(S603)。
次に、特図保留球カウンタ203aの値(即ち、特図保留球数N)に1加算し(S604)、加算した後の特図保留球数カウンタ203aの値を示す保留数コマンドを設定する(S605)。なお、本実施形態では、特図保留級数Nが「1」である場合には、「00000010」(2進数)が保留数コマンドとして設定される。また、特図保留級数Nが「2」である場合には、「00000011」(2進数)が保留数コマンドとして設定され、特図保留級数Nが「3」である場合には、「00000101」(2進数)が保留数コマンドとして設定される。また、特図保留級数Nが「4」である場合には、「00001000」(2進数)が保留数コマンドとして設定される。
S605の処理により設定された保留数コマンドは、メイン処理(図9参照)の中で実行されるS201の外部出力処理により演出制御装置117へ出力される。出力された保留数コマンドが、演出制御装置117により受信されると、その保留数コマンドが示す特図保留球数Nと同一数のランプが特図保留ランプ85において点灯される。
次に、特図保留球カウンタ203aの値(特図保留球数N)に応じて、第1図柄表示装置37のLED37aを点灯させて、新たな保留回数を点灯状態により表示し(S606)、始動入賞処理(S504)を終了してタイマ割込処理(図13参照)へ戻る。
一方、第1入球口64への入賞がないか(S601:No)、或いは、第1入球口64への入賞があっても特図保留球数N<4でなければ(S602:No)、S603及びS604の各処理をスキップし、始動入賞処理(S504)を終了してタイマ割込処理へ戻る。
図15は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に実行される処理であり、このNMI割込処理の実行により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S701)、NMI割込処理を終了する。
次に、図16から図22を参照して、演出制御装置117内のMPU271により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU271の処理としては、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、主制御装置110から送信された各種コマンドを受信する毎に実行されるコマンド受信割込処理とに大別される。
図16は、演出制御装置117内のMPU271により実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は、演出制御装置117の各種初期設定を行うための処理であり、パチンコ機10に電源が投入された場合や、MPU271がリセットされた場合に実行される処理である。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定を行う(S1001)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源投入報知処理を実行する(S1002)。この電源投入報知処理(S1002)は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226や、電飾部29〜33や、表示ランプ34や、特図保留ランプ85や、第3図柄表示装置81の画面などにより行われる。
電源投入報知処理(S1002)の実行後は、第3図柄表示装置81に初期画面を表示するために、まず、初期画面に応じた演出データ(又は、画像データ)を、キャラクタROM275から読み出し、ビデオRAM276の所定領域に記憶する(S1003)。そして、その演出データを使用して、初期画面を第3図柄表示装置(LCD)81に表示する(S1004)。
次に、今回の立ち上げ処理が、後述する電源断処理(図17のS1109参照)の実行途中で、MPU271がリセットされたために実行されたものであるのかを、RAM273内に設けられている電源断処理中フラグ(図示せず)がオンされているか否かによって判定する(S1005)。
上述した通り、瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)が発生すると、主制御装置110は、演出制御装置117などに対して電源断コマンドを送信する。詳細については図17を参照しつつ後述するが、演出制御装置117は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると、電源断コマンドを受信したことを示す電源断の発生情報をRAM273に記憶し、電源断処理(図17のS1109参照)を実行する。電源断処理中フラグは、この電源断処理の前にオンされ、電源断処理の終了後にオフされる。
つまり、電源断処理の実行途中で、MPU271がリセットされたか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。なお、電源断処理の実行途中に、または、実行完了した後に電源が完全に遮断された場合には、RAM273のデータが喪失するので、かかる場合には、電源断処理中フラグはオフとなる。
より具体的には、電源断処理中フラグがオフである場合は、次の3つの状態のいずれかとなった後に、今回の立ち上げ処理が実行された場合である。第1の状態としては、電源が完全に遮断された状態である。電源が完全に遮断されると、RAM273のデータが喪失するので、電源断処理中フラグはオフとなる。
第2の状態としては、瞬間的な停電が発生したため電源断処理(図17のS1109参照)が実行されたが、電源の遮断は起きず正常に戻り、その後、電源断処理が完了した後に、MPU271がリセットされた状態である。この場合、電源が遮断されなかったため、RAM273のデータは喪失せずに保持される。また、電源断処理が完了するので、電源断処理中フラグはオフとなる。
第3の状態としては、ノイズなどによって演出制御装置117のMPU271のみがリセットされた状態である。つまり、電源断処理が実行されることなく(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)、MPU271がリセットされると、電源断処理中フラグがオフのまま、RAM273のデータが保持される。
上述した3つの状態のいずれかとなった後に、今回の立ち上げ処理が実行された場合、即ち、電源断フラグがオフの場合は(S1005:No)、RAM273のデータが破壊されているか否かを確認する(S1006)。なお、ここでデータが破壊されているか否かを確認しているのは、ノイズなどによってMPU271のみがリセットされて、立ち上げ処理が開始された場合に、RAM273のデータが正常に保持されていれば、そのデータを使用して演出制御装置117の制御を継続できるからである。
RAM273のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM273の特定の領域には、後述するS1009の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM273のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM273のデータ破壊を確認することができる。RAM273のデータ破壊が確認されれば(S1006:Yes)、S1007へ移行して、RAM273の初期化を開始する。一方、RAM273のデータ破壊が確認されなければ(S1006:No)、S1011の処理へ移行する。
より具体的には、電源が完全に遮断された後に、今回の立ち上げ処理が開始された場合には、RAM273の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM273の記憶は喪失するから)、RAM273のデータ破壊と判断され(S1006:Yes)、S1007の処理へ移行する。一方、瞬間的な停電が発生したため電源断処理(図17のS1109参照)が実行されたが、電源の遮断は起きず正常に戻り、その後、電源断処理の実行が完了した後にMPU271がリセットされて、今回の立ち上げ処理が開始されたか、或いは、ノイズなどによって演出制御装置117のMPU271のみがリセットされた後に、今回の立ち上げ処理が開始された場合には、RAM273の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM273のデータは正常と判断されて(S1006:No)、S1011の処理へ移行する。
S1005の処理において、電源断処理中フラグがオンである場合は(S1005:Yes)、瞬間的な停電が発生したため電源断処理(図17のS1109参照)が実行されたが、電源の遮断は起きず正常に戻り、その後、電源断処理の実行途中でMPU271がリセットされた場合である。この場合は、現在のRAM273の記憶状態が必ずしも正しいとは言えない。よって、かかる場合には制御を継続することが困難であるので、処理をS1007へ移行して、RAM273の初期化を開始する。
S1007の処理では、RAM273の全範囲の記憶領域をチェックし(S1007)、そのチェック結果に基づいてRAM273が正常であるか否かを判別する(S1008)。なお、S1007で行うチェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM273の読み書きチェックにより、RAM273のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM273のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出された場合には、RAM273に異常があると判別し(S1008:No)、RAM273の異常を報知して(S1014)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM273の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM273の異常報知を行うようにしても良い。また、第3図柄表示装置81の画面において、RAM273の異常を報知するように構成しても良い。
一方、RAM273のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常であれば、RAM273は正常であると判別し(S1008:Yes)、RAM273の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S1009)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM273にデータ破壊があるか否かがチェックされる。
S1109の処理後、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S1010)。電源断フラグは、電源断処理(図17のS1109参照)が実行される前にオンされ、電源が完全に遮断されるとオフとなる。よって、立ち上げ処理の実行時に電源断フラグがオンである場合とは、瞬間的な停電が発生したため電源断処理が実行されたが、電源の遮断は起きず正常に戻り、その後、電源断処理の実行途中に、または、実行完了してMPU271がリセットされた場合である。
よって、S1010の処理により確認した結果、電源断フラグがオンである場合には(S1010:Yes)、演出制御装置117の各処理を初期化するためにRAM273の作業エリア(作業領域)をクリアし(S1011)、RAM273の初期値を設定した後(S1012)、割込み許可を設定して(S1013)、メイン処理へ移行する。
一方、立ち上げ処理の実行時に電源断フラグがオフである場合とは、例えば、電源が完全に遮断された後に、再度電源が投入された場合(電源断フラグのデータを含むRAM273のデータが喪失している場合)、或いは、ノイズなどによって演出制御装置117のMPU271のみがリセットされて、電源断フラグがオンされることなく(即ち、主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)、RAM273のデータが保持されている場合である。
よって、S1010の処理により確認した結果、電源断フラグがオフされている場合には(S1010:No)、RAM273の作業エリアのクリア処理であるS1011をスキップして、処理をS1012へ移行し、RAM273の初期値を設定した後(S1012)、割込み許可を設定して(S1013)、メイン処理へ移行する。
なお、電源断フラグがオフされている場合にS1011のクリア処理をスキップするのは、ノイズなどによって演出制御装置117のMPU271のみがリセットされて、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM273の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、演出制御装置117の制御を継続できるからである。また、S1007〜S1009の処理が実行された場合には、S1007の処理によって、RAM273のすべての記憶領域は既にクリアされているので、再度、RAM273の作業エリアをクリアする必要がないからである。
次に、図17を参照して、上述した立ち上げ処理後に実行されるメイン処理について説明する。図17は、演出制御装置117内のMPU271により実行されるメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理は、遊技の演出(音声出力や表示など)に関する制御を実行するための処理であり、上述した演出制御装置117の立ち上げ処理(図16参照)の終了後に実行され、その後は繰り返し実行される処理である。
メイン処理では、まず、前回の判定が実行されてから(即ち、前回にS1101の処理が実行されてから)、1ms以上が経過したか否かを判定し(S1101)、前回の判定が実行されてから1ms以上経過している場合には(S1101:Yes)、各種ランプの点灯制御や音声出力制御などを実行する処理である音声ランプ演出処理を実行し(S1102)、S1103の処理へ移行する。なお、この音声ランプ演出処理(S1102)の詳細については、図18を参照して後述する。
一方、S1101の処理による判定の結果、前回の判定から未だ1msが経過していなければ(S1101:No)、S1102の処理をスキップして、S1103の処理へ移行する。なお、S1101の処理によって前回の判定が実行されてから1ms経過していない場合に音声ランプ演出処理(S1102)の処理をスキップするのは、音声ランプ演出処理(S1102)の中で実行されるランプの点灯制御や音声出力制御を1msより短い周期で実行する必要がないからである。
S1103では、前回の判定が実行されてから(即ち、前回にS1103の処理が実行されてから)、20ms以上が経過したか否かを判定する(S1103)。このとき、前回の判定が実行されてから20ms以上経過している場合には(S1103:Yes)、変動演出に応じた動画(画像)を第3図柄表示装置(LCD)81に表示させるための処理である変動演出処理を実行し(S1104)、S1105の処理へ移行する。なお、この変動演出処理(S1104)の詳細については、図19を参照して後述する。
一方、S1101の処理による判定の結果、前回の判定が実行されてから未だ20msが経過していなければ(S1103:No)、S1104の処理をスキップして、S1105の処理へ移行する。なお、S1103の処理によって前回の判定が実行されてから20ms経過していない場合に変動演出処理(S1104)の処理をスキップするのは、この変動演出処理が、第3図柄表示装置(LCD)81に表示させる画像を変動時間に応じて更新する処理であるので、かかる処理を20msより短い周期で実行する必要がないからである。
S1105の処理では、変動態様選定カウンタ273dを更新(即ち、変動態様選定カウンタ273dの値に1加算)する(S1105)。S1105の処理後、RAM273に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判定する(S1106)。なお、電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。
S1106の処理により、電源断の発生情報が記憶されていると判定された場合には(S1106:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S1108)、電源断処理を実行する(S1109)。電源断処理(S1109)の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S1110)、その後、処理を、無限ループする。
S1109の電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226、電飾部29〜33、表示ランプ34、及び、第3図柄表示装置81への出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。なお、各出力ポートをオフするのは、異常な表示や、異常な音声出力が行われることを防止するためであり、異常な表示や、異常な音声出力によって、遊技者を困惑させないようにするためである。
一方、S1106の処理による判定の結果、電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1106:No)、立ち上げ処理(図16参照)のS1009の処理によってRAM273に記憶されたキーワード「55AAh」に基づき、RAM273が破壊されているか否かを判別し(S1107)、RAM273が破壊されていなければ(S1107:No)、S1101の処理へ戻り、上述したS1101〜S1107の各処理を繰り返し実行する。
一方、S1107の処理により、RAM273が破壊されると判定された場合には(S1107:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて処理が無限ループとされたことにより、変動演出処理(S1104)が実行されなくなるため、その後は、第3図柄表示装置81の表示が変化されない。これにより、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。なお、RAM273が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226や、電飾部29〜33や、表示ランプ34や、特図保留ランプ85や、第3図柄表示装置81の画面などによりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図18を参照して、上述した音声ランプ演出処理(S1102)について説明する。図18は、演出制御処理117のメイン処理(図17参照)の中で実行される音声ランプ演出処理(S1102)を示すフローチャートである。
音声ランプ演出処理(S1102)では、まず、後述するS1205の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプ(例えば、電飾部29〜33や、表示ランプ34など)の出力を設定する(S1201)。
S1201の処理後、客待ち演出処理(S1202)を実行し、保留個数表示更新処理を実行する(S1203)。客待ち演出処理(S1202)では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などを行う。また、保留個数表示更新処理(S1203)では、主制御装置110から送信されて受信した保留数コマンドに基づいて、特図保留ランプ85の点灯数が更新される。
次いで、枠ボタン入力監視・演出処理を実行する(S1204)。この枠ボタン入力監視・演出処理(S1204)では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。例えば、変動表示開始時に予告キャラが出現した場合に枠ボタン22を押すことで今回の変動による大当たりの期待値を表示したり、リーチ演出中に枠ボタン22を押すことで大当たりへの期待感を持てる演出に変更したり、複数のリーチ演出のうち1のリーチ演出を選択するための決定ボタンとしても良い。なお、パチンコ機に枠ボタン22が配設されていない場合には、S1204の処理を省略することができる。
枠ボタン入力監視・演出処理(S1204)の実行後は、ランプ編集処理を実行し(S1205)、音編集・出力処理を実行する(S1206)。ランプ編集処理(S1205)では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンや、表示ランプ34などを設定する。音編集・出力処理(S1206)では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどを設定し、その設定に応じて音声出力装置226から音を出力させる。
S1206の処理後、液晶演出実行管理処理を実行し(S1207)、音声ランプ演出処理を終了して、メイン処理(図17参照)へ戻る。液晶演出実行管理処理(S1207)では、主制御装置110から送信されて受信した変動パターンコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間を設定する。この液晶演出実行監視処理(S1207)で設定された時間に基づいてS1205のランプ編集処理やS1206の音編集・出力処理を実行する。
次に、図19を参照して、上述した変動演出処理(S1104)について説明する。図19は、演出制御処理117のメイン処理(図17参照)の中で実行される変動演出処理(S1104)を示すフローチャートである。
変動演出処理(S1104)では、まず、第3図柄表示装置81で実行されている変動演出が大当たり用の演出であるか(即ち、大当たり中であるか)否かを判別し(S1221)、大当たり中であれば(S1221:Yes)、大当たり演出処理を実行する(S1230)。大当たり演出処理では、ラウンド数を更新したり、賞球数を更新したり、ラウンド毎に背景の画像を更新するなど(例えば、ラウンド毎に、キャラクタROM275から演出データを読み出して、ビデオRAM276の所定領域に書き込むなど)を行う。大当たり演出処理(S1230)の終了後は、変動演出処理を終了して、メイン処理へ戻る。
一方、S1221の処理において、大当たり中でなければ(S1221:No)、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示の実行中であるか(即ち、変動中であるか)否かを判定する(S1222)。このとき、変動中でない場合は(S1222:No)、RAM273内に設けられている変動開始フラグ(図示せず)がオンであるかを判定する(S1223)。
なお、図示されない変動開始フラグは、第3図柄の変動表示の開始を指示するフラグであり、S1223において変動開始フラグがオンであると判定された場合に、第3図柄の変動表示が開始される。この変動開始フラグは、主制御装置110から送信されてくる変動パターンコマンドを受信した場合にオンに設定され(図20参照)、第3図柄の変動表示を開始する際にオフに設定される。
S1223の処理による判定の結果、変動開始フラグがオフであれば(S1223:No)、その他の表示処理を実行する(S1232)。なお、その他の表示処理では、例えば、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に実行する客待ち演出などの表示処理である。その他表示処理(S1232)の実行後は、変動演出処理を終了して、メイン処理へ戻る。
一方、S1223の処理による判定の結果、変動開始フラグがオンであれば(S1223:Yes)、変動開始フラグをオフし(S1224)、RAM273内に設けられている変動時間カウンタ(図示せず)に初期値を設定する(S1225)。なお、図示されない変動時間カウンタは、第3図柄の変動表示が開始されてからの経過時間を計時するためのカウンタである。
ここで、S1225において変動時間カウンタに設定される初期値は、変動パターンコマンドと保留数コマンドとに基づき、後述する変動時間決定処理(図22(a)参照)により決定された変動時間(即ち、第2変動時間)と、演出時間加減算コマンドが示す演出時間の加減算値(即ち、第2変動時間から加減算される時間)とから得られた時間、即ち、実行すべき変動時間に応じた値である。つまり、演出制御装置117の変動時間カウンタには、主制御装置110の変動時間カウンタ273cと同じ値が設定される。
S1225の処理後、変動時間カウンタの値から1減算することにより、変動時間の計時を開始し(S1226)、変動時間カウンタの値が0より大きいか否か、即ち、変動時間内であるか否かを判定する(S1227)。
一方、S1222の処理による判定の結果、第3図柄の変動表示の実行中(変動中)である場合は(S1222:Yes)、変動時間カウンタの値から1減算して(S1231)、S1227の処理へ移行し、変動時間内であるか否かの判定を行う。
S1227の処理による判定の結果、変動時間内であれば(S1227:Yes)、ビデオRAM276の変動演出データ記憶領域276aに記憶されている変動演出データを使用して、第3図柄表示装置(LCD)81に、変動演出データ(高速変動などの変動演出)に対応する画像を表示する(S1228)。その後、変動演出処理を終了して、メイン処理(図17参照)へ戻る。
一方で、S1227の処理による判定の結果、変動時間カウンタの値が0、即ち、変動時間が終了している場合には(S1227:No)、主制御装置110から受信した種別コマンドに基づいて設定された停止図柄を第3図柄表示装置(LCD)81に表示し(S1229)、変動演出処理を終了して、メイン処理(図17参照)へ戻る。
次に、図20を参照して、演出制御装置117内のMPU271により実行されるコマンド受信割込処理について説明する。図20は、コマンド受信割込処理を示すフローチャートである。このコマンド受信割込処理は、主制御装置110から送信されてくる各種コマンドを受信するための処理であり、主制御装置110から送信されてくる各種コマンドを受信する毎に実行される割込処理である。
コマンド受信割込処理では、まず、保留数コマンドを受信したか否かを判定し(S1301)、保留数コマンドを受信していない場合には(S1301:No)、S1302の処理へ移行する。
一方、保留数コマンドを受信した場合には(S1301:Yes)、特図保留球数設定処理を実行し(S1306)、S1302の処理へ移行する。なお、この特図保留球数設定処理(S1306)は、特図保留球カウンタ273aの値を保留数コマンドに基づいて設定すると共に、第2の変動時間を得ることができるように保留数コマンドを所定の演算に供する処理であり、その詳細については、図21を参照して後述する。
S1302では、変動パターンコマンドを受信したか否かを判定する(S1302)。このとき、変動パターンコマンドを受信していない場合には(S1302:No)、S1303の処理へ移行する。
一方、変動パターンコマンドを受信した場合には(S1302:Yes)、RAM203内に設けられている変動開始フラグ(図示せず)をオンし(S1307)、変動パターンコマンドが示す変動時間(第1の変動時間)から、特図保留球数Nに応じた変動時間(第2の変動時間)を決定する変動時間決定処理を実行し(S1308)、S1303の処理へ移行する。なお、変動時間決定処理(S1308)の詳細については、図22を参照して後述する。
S1303では、種別コマンドを受信したか否かを判定する(S1303)。このとき、種別コマンドを受信していない場合には(S1303:No)、S1304の処理へ移行する。
一方、種別コマンドを受信した場合には(S1303:Yes)、受信した種別コマンドに基づいて停止図柄を設定し(S1309)、上述した変動時間決定処理(S1308)により決定された第2の変動時間に基づき、変動表示の変動態様を選定する変動態様選定処理(S1310)を実行し、S1304の処理へ移行する。なお、変動態様選定処理(S1310)の詳細については、図23を参照して後述する。
S1304では、演出時間加減算コマンドを受信したか否かを判定する(S1304)。このとき、演出時間加減算コマンドを受信していない場合には(S1304:No)、S1305の処理へ移行する。
一方、演出時間加減算コマンドを受信した場合には(S1304:Yes)、受信した演出時間加減算コマンドが示す演出時間の加減算値を取得し(S1311)、S1305の処理へ移行する。S1311において演出時間の加減算値が取得された結果、第3図柄の変動表示に付加される予告演出(例えば、スベリ演出や戻り演出など)が決定される。例えば、演出時間の加減算値が+0.5秒の場合には1図柄の戻り演出が予告演出として付加されることになる。
S1305では、その他のコマンドを受信したかを判定する(S1305)。このとき、その他のコマンドを受信した場合は(S1305:Yes)、その他のコマンドに応じた処理を実行し(S1312)、このコマンド受信割込処理を終了する。例えば、電源断コマンドを受信した場合なら、S1312において、RAM273の所定領域に電源断の発生情報を記憶する。
一方、S1305の処理による判定の結果、その他のコマンドを受信していない場合は(S1305:No)、上述したS1312の処理をスキップして、このコマンド受信割込処理を終了する。
次に、図21を参照して、上述した特図保留球数設定処理(S1306)について説明する。図21(a)は、コマンド受信割込処理(図20参照)において保留数コマンドを受信した場合に実行される特図保留球数設定処理(S1306)を示すフローチャートである。
特図保留球数設定処理では、まず、受信した保留数コマンドが示す特図保留球数Nを、特図保留球カウンタ273aに設定する(S1401)。S1401の処理の結果、保留個数表示更新処理(図18のS1203参照)の次回実行時に、受信した保留数コマンドが示す特図保留球数Nと同一数のランプが、特図保留ランプ85において点灯される。
S1401の処理後、特図保留球カウンタ273aの値が「4」未満であるか否か、即ち、受信した保留数コマンドが示す特図保留球数Nが「0」〜「3」のいずれかであるか否かを確認する(S1402)。
1402の処理により確認した結果、特図保留球カウンタ273aの値が「4」であれば(S1402:No)、受信した保留球コマンドが、変動表示の開始に伴い保留球格納エリア順送り処理(図11参照)において設定された保留球コマンドであることはない。よって、かかる場合には、後述するS1402及びS1403の処理は不要であるので、これらの処理をスキップして、この特図保留球数設定処理(S1306)を終了する。
一方、S1402の処理により確認した結果、特図保留球カウンタ273aの値が「4」未満であれば(S1402:Yes)、受信した保留数コマンドと、「00000001」(2進数)とのAND演算を実行し(S1403)、得られた演算結果をAND演算結果メモリ273bに記憶し(S1404)、この特図保留球数設定処理(S1306)を終了する。
ここで、図21(b)は、特図保留球数設定処理のS1403において実行されるAND演算による演算結果を示す参考図である。本実施形態のパチンコ機10で使用される保留数コマンドは、特図保留級数Nが「0」である場合に「00000000」(2進数)であり、特図保留級数Nが「1」である場合に「00000010」(2進数)であり、特図保留級数Nが「2」である場合に「00000011」(2進数)であり、特図保留級数Nが「3」である場合に「00000101」(2進数)である。
よって、S1403で実行されるAND演算による演算結果(AND演算結果)は、図21(b)に示すように、特図保留球数Nが「0」又は「1」である場合には「00000000」(2進数)が得られ、特図保留球数Nが「2」又は「3」である場合に「00000001」(2進数)が得られる。
即ち、本実施形態では、S1403において実行されたAND演算により、特図保留球数Nが「1」以下である保留数コマンドの群と、特図保留球数Nが「2」以上である保留数コマンドの群との2つに区分することができる。このように、保留数コマンドと「00000001」(2進数)とをAND演算に供することにより、保留数コマンドを効率的に区分することができる。
詳細は後述するが、これらのAND演算結果(即ち、保留数コマンドを2区分するデータ)は、変動時間決定処理(図22(a)参照)において使用され、それによって、1つの変動パターンコマンドが示す変動時間(第1の変動時間)から、特図保留球数Nに応じて2つの変動時間(第2の変動時間)を得ることができる。よって、本実施形態のパチンコ機10では、特図保留球数Nに応じた変動時間毎に異なる変動パターンコマンドを主制御手段110から出力する必要がない。
次に、図22を参照して、上述した変動時間決定処理(S1308)について説明する。図22(a)は、コマンド受信割込処理(図20参照)において変動パターンコマンドを受信した場合に実行される変動時間決定処理(S1308)を示すフローチャートであり、図22(b)は、特殊変動に対し変動時間決定処理により決定された第2の変動時間を示す参考図である。
変動時間決定処理では、まず、受信した変動パターンコマンドが特殊変動(特殊変動1又は特殊変動2)を示す変動パターンコマンドであるかを確認する(S1421)。即ち、S1421では、受信したコマンドが、変動パターンコマンドA(「10000000」(2進数))又は変動パターンコマンドB(「10000001」(2進数))であるかを確認する。
S1421の処理により確認した結果、受信した変動パターンコマンドが変動パターンコマンドA又は変動パターンコマンドBであれば(S1421:Yes)、受信した変動パターンコマンドに、AND演算結果メモリ273bに記憶されている値を加算する(1422)。
上述した通り、AND演算結果メモリ273bには、変動表示の開始に伴い変動パターンコマンドに先立って受信した保留球コマンドが示す特図保留球数Nに応じた1バイトの値が記憶されている(図21(a)のS1403参照)。よって、S1422では、変動パターンコマンドA又は変動パターンコマンドBに、「00000000」(2進数)又は「00000001」(2進数)を加算する。
このS1422の処理が実行されると、受信した変動パターンコマンドが変動パターンコマンドAであった場合、変動開始時の特図保留球数Nが「1」又は「2」であれば、加算結果として「10000000」が得られ、変動開始時の特図保留球数Nが「2」又は「3」であれば、加算結果として「10000001」が得られる(図22(b)参照)。即ち、変動パターンコマンドAとAND演算結果メモリ273bに記憶されている各値との加算により得られる値(加算結果)は、互いに「1」(2進数)だけ異なる値となる。
一方、受信した変動パターンコマンドが変動パターンコマンドBであった場合、変動開始時の特図保留球数Nが「1」又は「2」であれば、加算結果として「10000001」が得られ、変動開始時の特図保留球数Nが「2」又は「3」であれば、加算結果として「10000010」が得られる(図22(b)参照)。よって、変動パターンコマンドBとAND演算結果メモリ273bに記憶されている値との加算により得られる値(加算結果)もまた、変動パターンコマンドAの場合と同様に、互いに「1」(2進数)だけ異なる値となる。
本実施形態では、このS1422による加算結果に基づき、第2の変動時間を決定する。具体的に、S1422の処理後に実行されるS1423において、変動パターンコマンドA又は変動パターンコマンドBと、AND演算結果メモリ273bに記憶されている値との加算結果を判別する(S1423)。
このとき、加算結果が「10000000」(2進数)であると判別された場合には(S1423:10000000)、変動時間(即ち、第2の変動時間)を24秒に決定し(S1424)、変動時間決定処理を終了する。
一方で、加算結果が「10000001」(2進数)であると判別された場合には(S1423:10000001)、第2の変動時間を30秒に決定し(S1425)、変動時間決定処理を終了する。
また、加算結果が「10000000」(2進数)であると判別された場合には(S1423:10000010)、第2の変動時間を42秒に決定し(S1426)、変動時間決定処理を終了する。
よって、受信した変動パターンコマンドが変動パターンコマンドA(即ち、「特殊変動1」を示す変動パターンコマンド)であった場合、変動開始時の特図保留球数Nが「1」又は「2」であれば、第2の変動時間は、42秒に決定され、変動開始時の特図保留球数Nが「2」又は「3」であれば、第2の変動時間は、42秒より12秒短い30秒に決定される(図22(b)参照)。
一方、受信した変動パターンコマンドが変動パターンコマンドB(即ち、「特殊変動2」を示す変動パターンコマンド)であった場合、変動開始時の特図保留球数Nが「1」又は「2」であれば、第2の変動時間は、30秒に決定され、変動開始時の特図保留球数Nが「2」又は「3」であれば、第2の変動時間は、30秒より6秒短い24秒に決定される(図22(b)参照)。
上述した通り、変動パターンコマンド(変動パターンコマンドA又は変動パターンコマンドB)とAND演算結果メモリ273bに記憶されている値との加算により得られる値(加算結果)は、互いに「1」(2進数)だけ異なる値であるので、加算結果を容易に分類することが可能である。
また、変動パターンコマンドとAND演算結果メモリ273bに記憶されている値との加算結果から第2の変動時間を決定するので、変動開始時の特図保留球数Nが「2」又は「3」であるときの変動パターンコマンドAに対する第2の変動時間と、変動開始時の特図保留球数Nが「1」又は「2」であるときの変動パターンコマンドBに対する第2の変動時間とがどちらも30秒であるように、異なる変動パターンコマンドであっても、特図保留球数Nに応じて同じ第2の変動時間を割り当てることができる。
再度、図22(a)に戻る。S1421の処理により確認した結果、特殊変動を示す変動パターンコマンド以外の変動パターンコマンドを受信した場合には(S1421:No)、上述した特殊変動を示す変動パターンに対する第2の変動時間の決定(即ち、S1422〜S1426)と同様に、AND演算結果メモリ273bに記憶されている値を用いて各変動パターンに対する変動時間を決定し(S1427)、変動時間決定処理を終了する。
次に、図23を参照して、上述した変動態様選定処理(S1311)について説明する。図23は、コマンド受信割込処理(図20参照)において種別コマンドを受信した場合に実行される変動態様選定処理(S1311)を示すフローチャートである。
変動態様選定処理では、まず、特殊変動に対する変動態様の選定であるか、即ち、特殊変動の変動パターンコマンドの受信に対して上述した変動時間決定処理(図22(a)参照)により決定された第2の変動時間に基づく変動態様の選定であるかを判別する(S1441)。
S1441の処理による判別の結果、特殊変動に対する変動態様の選定である場合には(S1441:Yes)、受信した種別コマンドが大当たり(確変大当たり又は普通大当たり)を示すものであるか否かを確認する(S1442)。
S1442の処理により確認した結果、受信した種別コマンドが大当たりを示すものであれば(S1442:Yes)、上述した変動時間決定処理により決定された第2の変動時間に対応する特殊変動選定テーブル272a1〜272a3のうち、大当たり用のテーブルを選定する(S1443)。
即ち、S1443では、変動時間決定処理により決定された第2の変動時間が30秒であれば、第1特殊変動選定テーブル272a1(図7(b)参照)の大当たり用テーブルを選定し、第2の変動時間が42秒であれば、第2特殊変動選定テーブル272a2(図7(c)参照)の大当たり用テーブルを選定し、第2の変動時間が24秒であれば、第3特殊変動選定テーブル272a3(図7(d)参照)の大当たり用テーブルを選定する。
一方、S1442の処理により確認した結果、受信した種別コマンドが大当たりを示すものでなく、外れ時の停止図柄(完全外れ、前後外れリーチ、又は前後外れ以外リーチ)であれば(S1442:No)、上述した変動時間決定処理により決定された第2の変動時間に対応する特殊変動選定テーブル272a1〜272a3のうち、外れ用のテーブルを選定する(S1447)。
即ち、S1447では、変動時間決定処理により決定された第2の変動時間が30秒であれば、第1特殊変動選定テーブル272a1(図7(b)参照)の外れ用テーブルを選定し、第2の変動時間が42秒であれば、第2特殊変動選定テーブル272a2(図7(c)参照)の外れ用テーブルを選定し、第2の変動時間が24秒であれば、第3特殊変動選定テーブル272a3(図7(d)参照)の外れ用テーブルを選定する。
S1443又はS1447の処理後、選定された特殊変動選定テーブル272a1〜272a3を参照し、変動態様選定カウンタ273dの値に基づき、変動態様の選定を行う(S1444)。
そして、選定された変動態様に応じた変動表示データをキャラクタROM275から読み出して、ビデオRAM276の変動表示データ記憶領域276aに記憶し(S1445)、変動態様選定処理を終了する。このS1445の処理により変動演出データ記憶領域276aに変動表示データが記憶されたことにより、この変動表示データに基づく変動表示が第3図柄表示装置81に表示される。
一方で、S1441の処理による判別の結果、特殊変動以外の変動表示に対する変動態様の選定である場合には(S1441:No)、変動パターンコマンド(即ち、第1の変動時間)が示す変動パターン(本実施形態では、通常変動、又はノーマルリーチ変動)に対応するROM272内のテーブル(図示せず)を参照し、変動態様選定カウンタ273dの値に応じた変動態様を選定し(S1446)、S1445の処理へ移行する。
なお、S1446では、上述した特殊変動に対する変動態様の選定(即ち、S1442〜S1444,S1447)と同様に、ROM272内に第2の変動時間及び種別コマンドに応じて設けられている変動態様選定用のテーブル(図示せず)を用い、変動態様選定カウンタ273dの値に基づき、変動態様の選定を行うよう構成してもよい。
以上説明した通り、本実施形態のパチンコ機10によれば、主制御装置110は、特殊変動(特殊変動1又は特殊変動2)を示す1の変動パターンコマンド(第1コマンド)を演出制御装置117に出力するだけで、その変動パターンコマンドが示す1の特殊変動に対し、変動開始時の特図保留球数Nに応じて2つの変動時間(第2の変動時間)を得ることができる。よって、特図保留球数Nに応じて変動時間を異ならせる場合であっても、特図保留球数Nに応じた変動時間毎に異なる変動パターンコマンドを主制御手段110から演出制御装置117へ出力する必要がなく、主制御装置110に記憶させる変動パターンコマンドの数の増加を好適に抑制することができる。
このとき、演出制御装置117は、主制御装置110から受信した保留数コマンドにより変動開始時の特図保留球数Nを認識することができる。保留数コマンドは、特図保留球数Nと、特図保留ランプ85におけるランプの点灯数との間に齟齬が生じないようにするために主制御装置110から演出制御装置117へ出力することが必要とされるコマンドであるので、かかる保留数コマンドを第2の変動時間の決定に流用することにより、第2の変動時間を決定するのに必要な情報を演出制御装置117へ伝達するコマンドを設ける必要がないので、コマンド数の増大を招くこともない。
従って、本実施形態のパチンコ機10によれば、少ない記憶量で、多様な変動時間による多様な演出を実現することが可能であると共に、主制御装置110から出力されるコマンド数の増大が抑制されたことにより、主制御装置110の制御負担の増大も好適に抑制することができる。
また、変動パターンコマンド(第1コマンド)と保留数コマンド(第2コマンド)とから第2の変動時間を決定する際には、変動パターンコマンドの内容に応じて、保留数コマンド(即ち、特図保留球数N)による変動パターンコマンドの扱いが異なっている。具体的に、変動パターンコマンドの内容に応じて、特図保留球数Nに応じて2つの変動時間の時間差が異なっているので、変動パターンコマンドと保留数コマンドとの組み合わせに応じて、コマンド数の増加を抑制しつつ種々の変動時間の変動態様を設定することができる。よって、主制御手段の制御負担の増大の抑制と演出の多様化との両立をより好適に実現することができる。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した各実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記実施形態では、変動パターンコマンドが示す変動表示の種別(第1の変動時間)を、保留数コマンドを用いて第2の変動時間に変換する構成としたが、保留数コマンドでなく演出時間加減算コマンドを用いて、変動パターンコマンドが示す変動表示の種別から第2の変動時間を得る構成としてもよい。
また、上記実施形態では、変動パターンコマンドと保留数コマンドとから第2の変動時間を決定し、変動態様の選定を行う構成としたが、変動パターンコマンド及び保留数コマンドの2つのコマンドだけでなく、その他の1又は複数のコマンドも利用して第2の変動時間を決定する構成としてもよい。例えば、変動パターンコマンドと保留数コマンドとに加え、演出時間加減算コマンドを第3コマンドとしてさらに用いて、第2の変動時間を決定する構成としてもよい。
また、上記実施形態では、演出制御装置117は、受信した保留数コマンドと「00000001」(2進数)とのAND演算により、保留数コマンドから区分データ(即ち、「00000000」(2進数)又は「00000001」(2進数))を得る構成としたが、区分データを得るための演算は上述したAND演算に限定されない。例えば、受信した保留数コマンドと「11111110」(2進数)とのNOR演算により、「00000000」(2進数)又は「00000001」(2進数)を区分データとして得る構成であってもよい。
また、上記実施形態では、保留数コマンドと「00000001」(2進数)とのAND演算を行うので、全てのビットが「0」である第1の区分データと、最下位ビットが「1」であり残りのビットが「0」である第2の区分データとを得たが、保留数コマンドと「00001000」(2進数)とのAND演算など、所定ビットが「1」であり残りのビットが「0」であるデータと保留数コマンドとのAND演算により区分データを得る構成としてもよい。
例えば、少なくとも第3ビット(最下位ビットから左に3つ目のビット)が「1」である1バイトのコマンドを、特図保留球数Nが「0」又は「1」である場合の保留数コマンドとし、少なくとも第3ビットが「0」である1バイトのコマンドを、特図保留球数Nが「2」又は「3」である場合の保留数コマンドとしたとき、「00001000」(2進数)とのAND演算の結果、保留数コマンドを、「00000000」(2進数)又は「00001000」(2進数)のいずれかの区分データに変換することができる。
あるいは、保留数コマンドとのAND演算に供するデータを、「00000001」(2進数)や「00001000」(2進数)など、所定位置の1ビットが「1」であるデータとするのではなく、複数ビットが「1」であるデータ(例えば、「00000011」(2進数)など)としてもよい。
また、上記実施形態では、特図保留球数Nが「0」又は「1」である保留数コマンドの最下位ビットが「0」であり、特図保留球数Nが「2」又は「3」である保留数コマンドの最下位ビットが「1」であるので、保留数コマンドと「00000001」(2進数)とのAND演算により、特図保留球数Nが「0」又は「1」である場合に第1区分データ(「00000000」(2進数))が得られ、特図保留球数Nが「2」又は「3」である場合に第2区分データ(「00000001」(2進数))が得られる構成であった。このとき、例えば、特図保留球数Nが「2」である場合の保留数コマンドを「00000110」(2進数)とすると、保留数コマンドを、特図保留球数Nが「0」〜「2」である場合と、特図保留球数Nが「3」である場合とに区分することができる。
また、上記実施形態では、演出制御装置117は、受信した保留数コマンドと「00000001」(2進数)とのAND演算により、保留数コマンドを2区分するデータ(区分データ)を得る構成としたが、保留数コマンドから区分データに変換するためのテーブルを演出制御装置117に設け、演出制御装置117が保留数コマンドを受信した場合には、該テーブルを参照して保留数コマンドを区分データ(即ち、「00000000」(2進数)又は「00000001」(2進数))に変換する構成としてもよい。
また、上記実施形態では、保留数コマンドから2つの区分データ(即ち、保留数コマンドを2区分するデータ)を得る構成としたが、保留数コマンド(即ち、特図保留球数Nを示すコマンド)を2つ以上に区分する構成としてもよい。例えば、特図保留球数Nが「0」である場合と、特図保留球数Nが「1」である場合と、特図保留球数Nが「2」である場合と、特図保留球数Nが「3」である場合とで4区分する構成としてもよい。なお、保留数コマンド以外のコマンドを、変動パターンコマンドから第2の変動時間を得るために用いた場合にも、そのコマンドに基づく区分は2つに限らず、種々の数とすることができる。
また、上記実施形態では、AND演算結果メモリ273bに2つの区分データ(即ち、「00000000」(2進数)及び「00000001」(2進数))を準備しておくことにより、演出制御装置117が変動パターンコマンドA又は変動パターンコマンドBのいずれを受信した場合であっても、各変動パターンコマンドから2つの第2の変動時間を得る構成としたが、AND演算結果メモリ273bに、各々を構成する区分データの数が異なる複数のグループを準備しておき、受信した変動パターンコマンドの種類に応じて適用するグループ(即ち、区分データの数)を異ならせるように構成してもよい。
例えば、演出制御装置117が変動パターンコマンドAを受信した場合には、この変動パターンコマンドAと、AND演算結果メモリ273bに記憶されている第1グループを構成する2つの区分データ(例えば、「00000000」(2進数)及び「00000001」(2進数))とを加算することにより、2つの第2の変動時間を得る一方で、演出制御装置117が変動パターンコマンドBを受信した場合には、この変動パターンコマンドBと、AND演算結果メモリ273bに記憶されている第2グループを構成する4つの区分データ(例えば、「00000000」(2進数)、「00000001」(2進数)、「00000010」(2進数)、及び「00000011」(2進数))とを加算することにより、4つの第2の変動時間を得る構成としてもよい。
なお、AND演算結果メモリ273bに、複数のグループを準備する場合には、例えば、特図保留球数設定処理(図21参照)において、保留数コマンドをAND演算に供し、その演算結果をAND演算結果メモリ273bに記憶するS1402〜S1404の処理を、準備しておきたいグループ毎に実行すればよい。あるいは、保留数コマンドから区分データに変換するためのテーブルをグループ毎に設け、演出制御装置117が保留数コマンドを受信した場合には、各テーブルを参照し、各グループ毎に区分データを得るようにしてもよい。
また、上記実施形態では、変動パターンコマンドと、保留数コマンドから得られた区分データとの演算(加算)の結果から、第2の変動時間を決定する構成としたが、変動パターンコマンドと区分データとの演算は、加算に限定されるものではない。例えば、変動パターンコマンドから区分データを減算した結果から、第2の変動時間を決定する構成としてもよい。
また、上記実施形態では、変動パターンコマンドと、保留数コマンドから得られた区分データとの加算結果から、第2の変動時間を決定する構成としたが、変動パターンコマンドと保留数コマンドと第2の変動時間とを対応付けたテーブルを演出制御装置117に設け、演出制御装置117が変動パターンコマンド及び保留数コマンドを受信した場合に、該テーブルを参照して第2の変動時間を決定する構成としてもよい。
また、上記実施形態では、変動パターンコマンドと区分データとの加算結果の1つに対し、1の変動時間(第2の変動時間)が対応付けられているが、2以上の加算結果に対し、1の変動時間を対応付けられていてもよい。例えば、上記実施形態では、変動パターンコマンドと区分データとの加算結果が「10000001」(2進数)であれば、第2の変動時間が30秒であると決定されるが、他の変動時間が割り当てられていない他の加算結果(例えば、「10000011」(2進数))に対しても、第2の変動時間として30秒が得られるように構成してもよい。
また、上記実施形態では、演出制御装置117は、変動パターンコマンドと、保留数コマンドから得られた区分データとの加算結果から、第2の変動時間を決定する構成であったが、保留数コマンドと加減算時間とを対応付けたテーブルを演出制御装置117に設け、演出制御装置117が保留数コマンドを受信した場合には、該テーブルを参照して保留数コマンドに応じた加減算時間を取得し、その加減算時間と変動パターンコマンドが示す変動時間とから第2の変動時間を決定する構成としてもよい。
また、上記実施形態では、主制御装置110が第1変動種別カウンタCS1に基づいて特殊変動(特殊変動1又は特殊変動2)を選定した場合には、選定された特殊変動であることを示す変動パターンコマンド(変動パターンコマンドA又は変動パターンコマンドB)を演出制御装置117へ出力し、その変動パターンコマンドを受信した演出制御装置117が、受信した変動パターンコマンドが示す特殊変動の第2の変動時間を保留数コマンドに基づいて決定し、決定された第2の変動時間に応じた特殊変動選定テーブルを参照し、複数の変動態様の中から、1の変動態様を選定する構成であった。即ち、上記実施形態では、主制御装置110は、1種類の変動種別(即ち、1の変動時間)を選定し、演出制御装置117が、主制御装置110が選定した1種類の変動種別に属する複数の変動態様に振り分ける構成であった。
これに対し、主制御装置110は、第1変動種別カウンタCS1に基づいて選定した1種類の特殊変動をさらに細かな態様(変動時間)に振り分け、細かく振り分けられた態様に応じた変動パターンコマンドを出力し、演出制御装置117は、受信した1の変動パターンコマンドに基づき、複数の変動態様のいずれかを選定するように構成してもよい。即ち、主制御装置110は、1種類の変動種別を細かい態様に振り分けた後、演出制御装置117側においてさらに細かい態様に振り分ける構成としてもよい。
例えば、主制御装置110は、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいて選定された特殊変動1を、第2変動種別カウンタCS2の値又は振り分け用のテーブルなどに基づいて、さらに、特殊変動1a、特殊変動1b、特殊変動1c等の細かい態様に振り分け、そのように細かく振り分けられた態様に応じた変動パターンコマンド(例えば、特殊変動1aであれば変動パターンコマンドAa、特殊変動1bであれば変動パターンコマンドAb、特殊変動1cであれば変動パターンコマンドAc)を、演出制御装置117に出力し、演出制御装置117が受信した変動パターンコマンドが示す態様をさらに細かい態様に振り分ける構成としてもよい。かかる構成により、より多種多様な変動表示を実施することが可能となる。
また、上記実施形態では、演出制御装置117が受信した変動パターンコマンドが、変動パターンコマンドAであるか変動パターンコマンドBであるかにかかわらず、保留数コマンドに基づいて得られた第2の変動時間が30秒であれば、第1特殊変動選定テーブル272a1(図7(b)参照)を参照して変動態様を選定する構成としたが、第2の変動時間が同じ30秒であっても、受信した変動パターンコマンドが、変動パターンコマンドAであるか(即ち、特殊変動1であるか)、変動パターンコマンドBであるか(即ち、特殊変動2であるか)に応じて異なる特殊変動選定テーブルを参照する構成としてもよい。
例えば、変動パターンコマンドAを受信した場合に参照する選定テーブルを、第1特殊変動選定テーブル272a1とし、変動パターンコマンドBを受信した場合に参照する選定テーブルを、第1特殊変動選定テーブル272a1とは別のテーブルとする構成としてもよい。第2の変動時間が30秒である場合のテーブルとしては、例えば、「通常変動3が18秒間表示された後、ノーマルリーチが12秒表示される」態様(パターン)と、「通常変動3が18秒間表示された後、スーパーリーチ前半が12秒表示される」態様と、「通常変動3が18秒間表示された後、スーパーリーチ後半が12秒表示される」態様とを、変動態様選定カウンタ273dの値に応じて振り分けたテーブルを採用することができる。
また、上記実施形態では、第2の変動時間毎に設けられている特殊変動選定テーブル272a(272a1〜272a3)は、大当たり用テーブルと外れ用テーブルとで、選定確率が異なるが、選択可能な変動態様は共通する構成であったが、大当たり用テーブルと外れ用テーブルとで、選択可能な変動態様が異なるように構成されていてもよい。例えば、第1特殊変動選定テーブル272a1において、大当たり用テーブルでは特殊変動A1が選定されず、外れ用テーブルでは特殊変動A4が選定されない構成としてもよい。あるいは、大当たり用テーブルと外れ用テーブルとで、選定可能な変動態様が全く異なるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、変動パターンコマンドが示す第1の変動時間(変動表示の種別)を、その変動表示の種別の基準変動時間(上記実施形態では、特図保留球数Nによる時間短縮がないときの変動時間)とし、変動時間決定処理(図22(a)参照)により決定される第2の変動時間が、該基準変動時間又は該基準時間より短い時間であるよう構成した。これに対し、保留数コマンドに応じて決定される第2の変動時間が、基準変動時間又は該基準時間より長い時間であるように構成してもよい。例えば、特殊変動1の基準変動時間を特図保留球数Nが「2」又は「3」である場合の30秒とし、変動時間決定処理により決定される第2の変動時間が、30秒又は40秒であるように構成してもよい。また、変動パターンコマンドが示す第1の変動時間を第2の変動時間に変換する際に、基準変動時間を含まない変動時間に変換する構成としてもよい。
また、上記実施形態では、ノーマルリーチ変動の態様(変動時間)を、第1変動種別カウンタCS1と第2変動種別カウンタCS2との両方を用いて決定する構成としたが、第2変動種別カウンタCS2を設けることなく、第1変動種別カウンタCS1だけを用いて変動表示の態様(変動時間)を決定する構成としてもよい。あるいは、第2変動種別カウンタCS2を使わずに、第1変動種別カウンタCS1だけを用いて変動表示の態様を決定する構成としてもよい。また、第1変動種別カウンタCS1を設けることなく(又は、使わずに)、第2変動種別カウンタCS2だけを用いて変動表示の変動時間を決定する構成としてもよい。
あるいは、第1変動種別カウンタCS1と第2変動種別カウンタCS2との両方を用いて変動表示の変動時間を決定する場合と、第1変動種別カウンタCS1又は第2変動種別カウンタCS2のいずれか一方を用いて変動表示の変動時間を決定する場合とを併用する構成としてもよい。かかる場合には、変動種別カウンタCS1,CS2の両方を用いて変動表示の変動時間を決定するか、第1変動種別カウンタCS1又は第2変動種別カウンタCS2のいずれか一方を用いて変動表示の変動時間を決定するかを、その都度の第1変動種別カウンタCS1又は第2変動種別カウンタCS2の値や遊技条件などに応じて適宜決めることができる。
また、第1変動種別カウンタCS1と第2変動種別カウンタCS2との両方を用いて変動表示の変動時間を決定する構成に換えて、第1変動種別カウンタCS1と停止図柄との組み合わせで変動表示の変動時間を決定する構成としてもよい。
また、上記実施形態では、第1変動種別カウンタCS1に基づいてノーマルリーチ変動が選定された場合に、主制御装置110は、第2変動種別カウンタCS2に基づいてさらに細かく振り分けられた態様に応じた変動パターンコマンドを演出制御装置117へ出力する構成としたが、第2変動種別カウンタCS2を用いることなく、主制御装置110は、第1変動種別カウンタCS1に基づいて選定されたノーマルリーチ変動を示す変動パターンコマンドを演出制御装置117へ出力し、演出制御装置117が詳細な変動態様を選定する構成であってもよい。
また、上記実施形態では、第1変動種別カウンタCS1に基づいて選択可能な変動パターン(変動表示の種別)として、通常変動、ノーマルリーチ変動、特殊変動1、及び特殊変動2という4種類の変動パターンを準備したが、第1変動種別カウンタCS1に基づいて選択可能な変動パターンの中に、スーパーリーチ変動やスペシャルリーチ変動などが含まれていてもよい。
また、上記実施形態では、音声出力や各種ランプの点灯の制御と、第3図柄表示装置81の制御とを1の制御装置(即ち、演出制御装置117)によって行う構成としたが、音声出力や各種ランプの点灯の制御と、第3図柄表示装置81の制御とを別々の制御装置により行う構成としてもよい。
例えば、音声出力や各種ランプの点灯の制御を行う制御装置(音声ランプ制御装置)を主制御装置110に接続し、第3図柄表示装置81の制御する制御装置(表示制御装置)を音声ランプ制御装置に接続して、各コマンドを主制御装置110から音声ランプ制御装置に送信し、その音声ランプ制御装置から表示制御装置に表示の指示がなされるよう構成してもよい。あるいは、第3図柄表示装置81の制御する制御装置(表示制御装置)を主制御装置110に接続し、音声出力や各種ランプの点灯の制御を行う制御装置(音声ランプ制御装置)を表示制御装置に接続して、各コマンドを主制御装置110から表示制御装置に送信し、その表示制御装置から音声ランプ制御装置に、音声出力や各種ランプの点灯の制御指示がなされるよう構成してもよい。また、主制御装置110から表示制御装置に直接コマンドを送信するものとしてもよい。
また、上記実施形態では、第1入球口64への入賞および第2入球口67の通過は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1入球口64への入賞に基づく変動表示の保留回数を、第3図柄表示装置81の一部においても、数字で、或いは、4つに区画された領域を保留回数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良く、第1図柄表示装置37とは別体でランプ等の発光部材を設け、該発光部材によって保留回数を通知するように構成しても良い。
また、上記実施形態では、主制御装置110が変動開始時に保留数コマンドを出力し、その変動開始時に出力された保留数コマンドを利用して第2の変動時間を得る構成としたが、演出制御装置117が変動表示を終了する毎に特図保留球カウンタ273aの値を1減算し、演出制御装置117が変動パターンコマンドを受信した場合に、受信した変動パターンコマンドと特図保留球カウンタ273aの値とから第2の変動時間を決定する構成としてもよい。
また、上記実施形態の特図保留球数設定処理(図21(a)参照)では、特図保留球カウンタ273aの値が「4」未満である場合に、保留数コマンドと「00000001」(2進数)とのAND演算を実行する構成としたが、特図保留球カウンタ273aの値を判定することなく(即ち、S1402の処理を実行することなく)、保留数コマンドが変動開始時に受信したものである場合に限って、保留数コマンドと「00000001」(2進数)とのAND演算を実行する構成としてもよい。
また、上記実施形態では、変動演出処理(図19参照)のS1227において、変動時間カウンタ273cの値が「0」であった場合に、変動時間が終了したと判定したが、主制御装置110から出力された停止コマンドの受信をもって変動時間が終了したと判定する構成であってもよい。
また、上記実施形態に示すように、動的表示の一種である変動表示は、第3図柄表示装置81の表示画面上で識別情報としての図柄を縦方向にスクロールさせるものに限定されず、横方向あるいはL字形等の所定経路に沿って図柄を移動表示して行うものであっても良い。また、識別情報の動的表示としては、図柄の変動表示に限られるものではなく、例えば、1又は複数のキャラクタを図柄と共に、若しくは、図柄とは別に多種多様に動作表示または変化表示させて行われる演出表示なども含まれるのである。この場合、1又は複数のキャラクタが、第3図柄として用いられる。
本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有するいわゆる第2種パチンコ遊技機などに実施しても良い。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球など他の遊技機として実施するようにしても良い。
本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施しても良い。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施しても良い。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施しても良い。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。
以下に、本発明の遊技機、および、上述した各種実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
識別情報を表示可能な表示手段と、遊技の制御を行う主制御手段と、始動条件が成立した場合に前記主制御手段から送信される制御用コマンドに基づいて前記表示手段に識別情報の変動表示を表示させる表示用制御手段を備えた遊技機において、前記表示用制御手段は、前記表示手段に表示させる前記変動表示の変動態様を前記制御用コマンドに基づいて設定する変動態様設定手段とを備え、前記変動態様設定手段は、第1コマンド及び第2コマンドを少なくとも含む複数の前記制御用コマンドに基づいて、前記変動態様を設定する第1変動態様設定手段を含んで構成されることを特徴とする遊技機A1。
遊技機A1によれば、表示用制御手段により表示手段に表示させられる変動表示の変動態様が、該表示用制御手段における変動態様設定手段によって、第1コマンド及び第2コマンドを少なくとも含む複数の制御用コマンドに基づいて設定されるので、ある特定の制御コマンドの組み合わせによって多種類の変動態様を設定することが可能となり、それによって、変動表示による演出を多様化することができる。例えば、第1コマンドが変動態様の種別を示す場合に、第2コマンドを含む残りのコマンドにより、該第1コマンドが示す変動態様の種別の範囲内で異なる変動態様を設定することができる。このとき、変動態様の設定に用いられる複数の制御用コマンドの一部を、変動態様の設定とは無関係の用途に利用されるコマンドとした場合、コマンド数の増加を抑制しつつ上述した演出の多様化が可能となるため、演出の多様化に伴う主制御手段の制御負担の増大を抑制することができる。
なお、上述した実施形態において、遊技機A1の表示手段としては、第3図柄表示装置81が例示され、遊技機A1の主制御手段としては、主制御装置110が例示され、遊技機A1の表示用制御手段としては、演出制御装置117が例示される。また、上述した実施形態において、遊技機A1の変動態様設定手段及び第1変動態様設定手段としては、特図保留球数設定処理(図21参照)のS1403,S1404の処理、変動時間決定処理(図22(a)参照)のS1422〜S1426の処理、変動態様選定手段(図23参照)のS1442〜S1445,S1447の処理が例示される。
遊技機A1において、前記第1変動態様設定手段は、前記第1コマンド及び前記第2コマンドを少なくとも含む複数の制御用コマンドに基づいて、前記変動態様を選定するための変動時間である選定用変動時間を決定する選定用変動時間決定手段と、その選定用変動時間決定手段により決定された前記選定用変動時間に基づき、前記変動態様を選定する変動態様選定手段とを備えていることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、表示用制御手段により表示手段に表示される変動表示の変動態様の選定に用いられる選定用変動時間が、選定用変動時間決定手段によって、第1コマンド及び第2コマンドを少なくとも含む複数の制御用コマンドに基づいて決定される。そのため、第1コマンド及び第2コマンドを少なくとも含む複数の制御用コマンドに基づいて選定用変動時間を決定し、結果的に、変動表示の変動態様を設定することができるので、ある特定の制御コマンドの組み合わせによって種々の変動時間を有する多種類の変動態様の設定が可能となる。例えば、第1コマンドが変動態様の種別を示す場合に、第2コマンドを含む残りのコマンドにより、該第1コマンドが示す変動態様の種別の範囲内で異なる変動態様を設定することができる。このとき、変動態様の設定に用いられる複数の制御用コマンドの一部を、変動態様の設定とは無関係の用途に利用されるコマンドとした場合、コマンド数の増加を抑制しつつ上述した演出の多様化が可能となるため、演出の多様化に伴う主制御手段の制御負担の増大を抑制することができる。
なお、上述した実施形態において、遊技機A2の選定用変動時間決定手段としては、特図保留球数設定処理(図21参照)のS1403,S1404の処理、変動時間決定処理(図22(a)参照)のS1422〜S1426の処理が例示される。
遊技機A2において、前記主制御手段は、前記表示手段に行わせる前記識別情報の変動表示の変動態様の種別を、前記選定用変動時間決定手段による前記選定用変動時間の決定に先立って選定する主側変動態様選定手段を備え、前記第1コマンドは、前記主側変動態様選定手段により選定された変動態様の種別を示すコマンドであり、前記選定用変動時間決定手段は、前記第1コマンドと前記第2コマンドとに基づき、前記第1コマンドが示す前記変動態様の種別と前記第2コマンドとに応じた前記選定用変動時間を決定するものであることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、選定用変動時間の決定に使用される第1コマンドは、主側変動態様選定手段により選定された変動態様の種別を示すコマンドであり、該第1コマンドが示す変動態様の種別と第2コマンドとに応じた選定用変動時間が選定用変動時間決定手段により決定される。一般的に、変動態様の種別に応じて基準となるおおよその変動時間(基準変動時間)が決まるので、第1コマンドが示す変動態様の種別が示す基準変動時間から、第2コマンドに応じた選定用変動時間を決定することができる。ここで、第2コマンドとして、変動態様の設定とは無関係の用途に利用されるコマンドを用いることにより、コマンド数の増加を抑制しつつ多様化された演出を表示手段に表示することが可能となり、主制御手段の制御負担を抑制しつつ演出の多様化を実現することができる。
なお、上述した実施形態において、遊技機A3の第1コマンドとしては、変動パターンコマンドが例示される。
遊技機A2又はA3において、前記選定用変動時間決定手段は、前記第2コマンドを区分に応じた区分データに変換する変換手段と、前記第1コマンド又は該第1コマンドに対応するデータを、前記変換手段による変換によって得られた前記区分データを用いた演算に供する演算手段とを備え、その演算手段による演算結果に基づき、前記選定用変動時間を決定するものであることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、第2コマンドが変換手段によって区分データに変換された後、その区分データと第1コマンド又は該第1コマンドに対応するデータとを演算手段による演算に供し、得られた演算結果に基づいて、選定用変動時間が決定される。一般的に、変動態様の種別に応じて基準となるおおよその変動時間(基準変動時間)が決まるので、第1コマンドが示す変動態様の種別が示す基準変動時間を、第2コマンドに応じた区分データとの演算に供することにより、該基準変動時間から、区分データに応じた選定用変動時間を得ることができる。ここで、第2コマンドとして、変動態様の設定とは無関係の用途に利用されるコマンドを用いることにより、コマンド数の増加を抑制しつつ多様化された演出を表示手段に表示することが可能となり、主制御手段の制御負担を抑制しつつ演出の多様化を実現することができる。
なお、上述した実施形態において、遊技機A4の変換手段としては、特図保留球数設定処理(図21参照)のS1403,S1404の処理が例示され、遊技機A4の演算手段としては、変動時間決定処理(図22(a)参照)のS1422の処理が例示される。
遊技機A4において、前記演算手段は、前記第1コマンド又は該第1コマンドに対応するデータと、前記変換手段による変換により得られた前記区分データとを加算するものであることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、第2コマンドが変換手段によって区分データに変換された後、その区分データが演算手段により第1コマンド又は該第1コマンドに対応するデータに加算される。そして、得られた結果に基づいて、選定用変動時間が決定される。一般的に、変動態様の種別に応じて基準となるおおよその変動時間(基準変動時間)が決まるので、第1コマンド(又は第1コマンドに対応するデータ)に、第2コマンドに応じた区分データを加算することにより、第1コマンドが示す変動態様の種別が示す基準変動時間から、区分データに応じた選定用変動時間を得ることができる。即ち、第1コマンド又は該第1コマンドに対応するデータに区分データが加算されるので、基準変動時間から、区分データの数だけ異なる変動時間を導出することができる。ここで、第2コマンドとして、変動態様の設定とは無関係の用途に利用されるコマンドを用いることにより、コマンド数の増加を抑制しつつ多様化された演出を表示手段に表示することが可能となり、主制御手段の制御負担を抑制しつつ演出の多様化を実現することができる。
遊技機A4又はA5において、前記変換手段は、前記第2コマンドを所定の演算に供することにより前記区分データに変換することを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、区分データは、第2コマンドを所定の演算に供することにより得ることができるので、演算結果が同じであれば、複数の第2コマンドから1の区分データを得ることができる。よって、第2コマンドを効率的に区分する(区分データに変換する)ことができ、1の第1コマンド(即ち、基準変動時間)から複数の第2の変動時間を効率的に得ることができ、結果として、コマンド数の増加を抑制しつつ多様化された演出を表示手段に表示することができ、主制御手段の制御負担を抑制しつつ演出の多様化を実現することができる。
遊技機A4からA6のいずれかにおいて、前記変換手段は、前記第2コマンドと、最下位ビットが0又は1であり残りのビットが全て0であるデータとをAND演算して、前記第2コマンドを、全てのビットが0である第1区分データ、又は最下位ビットが1であり残りのビットが全て0である第2区分データのいずれかに変換するものであり、前記演算手段は、前記第1コマンド又は該第1コマンドに対応するデータと、前記変換手段による変換により得られた前記第1区分データ又は第2区分データとを加算するものであることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、区分データは、第2コマンドと、最下位ビットが0又は1であり残りのビットが全て0であるデータとのAND演算により得られるので、第2コマンドを、全てのビットが0である第1区分データか、最下位ビットが1であり残りのビットが全て0である第2区分データのいずれかに効率的に区分する(区分データに変換する)ことができる。また、第1区分データと第2区分データとが互いに「1(2進数)」だけ異なる値であるため、これらの区分データと第1コマンド又は該第1コマンドに対応するデータとの加算結果もまた、互いに「1(2進数)」だけ異なる値となるので、1の第1コマンド(又は該第1コマンドに対応するデータ)と区分データ(第1又は第2区分データ)との加算結果を単純に分類し易く、1の第1コマンドから複数の選定用変動時間を容易に得ることが可能となる。よって、コマンド数の増加を抑制しつつ多様化された演出を表示手段に表示することができ、主制御手段の制御負担を抑制しつつ演出の多様化を実現することができる。
遊技機A4からA6のいずれかにおいて、前記変換手段は、前記第2コマンドと、所定ビットが0又は1であり残りのビットが全て0であるデータとをAND演算して、前記第2コマンドを、前記所定ビットが0である第1区分データ又は前記所定ビットビットが1である第2区分データのいずれかに変換するものであり、前記演算手段は、前記第1コマンド又は該第1コマンドに対応するデータと、前記変換手段による変換により得られた前記第1区分データ又は第2区分データとを加算するものであることを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、区分データは、第2コマンドと、所定ビットが0又は1であり残りのビットが全て0であるデータとのAND演算により得られるので、第2コマンドを、全てのビットが0である第1区分データか、所定ビットが1であり残りのビットが全て0である第2区分データのいずれかに効率的に区分する(区分データに変換する)ことができる。それによって、第1区分データと第2区分データとが互いに所定数だけ異なる値であるため、これらの区分データと第1コマンド又は該第1コマンドに対応するデータとの加算結果もまた、互いに「1(2進数)」だけ異なる値となるので、1の第1コマンド(又は該第1コマンドに対応するデータ)と区分データ(第1又は第2区分データ)との加算結果を単純に分類し易く、1の第1コマンドから複数の選定用変動時間を容易に得ることが可能となる。よって、コマンド数の増加を抑制しつつ多様化された演出を表示手段に表示することができ、主制御手段の制御負担を抑制しつつ演出の多様化を実現することができる。
遊技機A2からA8のいずれかにおいて、前記変動態様選定手段は、前記選定用変動時間決定手段により決定された前記選定用変動時間の変動表示を実行可能な複数の前記変動態様の中から、これらの複数の変動態様の各々に対して予め決められている選定確率に基づいて、1の前記変動態様を選定するものであることを特徴とする遊技機A9。
遊技機A9によれば、選定用変動時間決定手段により決定された選定用変動時間の変動表示を実行可能な複数の変動態様の中から、所定の選定確率に基づき1の変動態様が選定されるので、コマンド数の増加を抑制しつつ多様化された演出を表示手段に表示することが可能となり、主制御手段の制御負担を抑制しつつ演出の多様化を実現することができる。
遊技機A9において、前記変動態様は、複数種類の単位変動表示を組み合わせて構成されるものであり、前記複数の変動態様の各々に対して予め決められている選定確率は、前記変動態様を構成する複数種類の変動表示の組み合わせ方に基づいて決められていることを特徴とする遊技機A10。
遊技機A10によれば、変動態様が、複数種類の単位変動表示を組み合わせて構成されているので、同一種別の変動態様の中で、遊技者に大当たりの期待をさせ易い変動態様から、遊技者に大当たりの期待をさせ難い変動態様まで、種々の印象を与える変動態様を設けることができる。よって、このように多様な演出を主制御手段の制御負担を抑制しつつ実現することができる。
また、複数の変動態様の各々に対して予め決められている選定確率は、変動態様を構成する複数種類の変動表示の組み合わせ方に基づいて決められているので、遊技者に与える印象の異なる変動態様を適切な選定確率で表示手段に表示させることにより、遊技者の大当たりに対する期待を高めることができ、遊技意欲を好適に盛り上げることができる。
遊技機A9又はA10において、前記選定確率は、前記主制御手段により制御される遊技の状態に応じて決められていることを特徴とする遊技機A11。
遊技機A11によれば、選定確率は、主制御手段により制御される遊技の状態に応じて決められているので、遊技の状態に応じた選定確率で変動態様を表示させることができる。よって、例えば、主制御手段により変動表示後の遊技状態が大当たり(特別遊技状態)であると決定された場合に、大当たりを期待させる変動表示の選定確率を高くし、大当たりを期待させない変動表示の選定確率を低くするように設定することで、遊技者の大当たりに対する期待を高めることができ、遊技意欲を好適に盛り上げることができる。一方、主制御手段により変動表示後の遊技状態が大当たりでないと決定された場合に、大当たりを期待させない変動表示の選定確率を高くし、大当たりを期待させる変動表示の選定確率を低くするように設定することで、大当たりに対する期待を過剰にさせることがなく、落胆による遊技意欲の減衰を防ぐことができる。
遊技機A9からA11のいずれかにおいて、前記主制御手段は、始動条件の成立に基づいて前記識別情報の変動表示の終了後の遊技状態を第1状態とするか該第1状態より有利な第2状態とするかを抽選する抽選手段を備え、前記選定確率は、前記抽選手段による抽選結果が前記識別情報の変動表示の終了後の遊技状態を前記第1状態にするか前記第2状態にするかに応じて異なるように決められていることを特徴とする遊技機A12。
遊技機A12によれば、選定確率は、始動条件の成立に基づいて行われる抽選手段による抽選結果が、識別情報の変動表示の終了後の遊技状態を第1状態とするものであるか、識別情報の変動表示の終了後の遊技状態を該第1状態より有利な第2状態とするかに応じて異なるように決められている。よって、主制御手段により変動表示後の遊技状態がより有利な第2状態であると決定された場合に、該第2状態を期待させる変動表示の選定確率を高くし、該第2状態を期待させない変動表示の選定確率を低くするように設定することで、遊技者の第2状態に対する期待を高めることができ、遊技意欲を好適に盛り上げることができる。一方、主制御手段により変動表示後の遊技状態が第1状態であると決定された場合に、第2状態(該第1状態より有利な状態)を期待させない変動表示の選定確率を高くし、該第2状態を期待させる変動表示の選定確率を低くするように設定することで、遊技者の第2状態に対する期待を過剰にさせることがなく、落胆による遊技意欲の減衰を防ぐことができる。
なお、上述した実施形態において、遊技機A12の抽選手段としては、始動入賞処理(図14参照)のS603の処理及び変動開始処理(図12参照)のS401の処理が例示される。
遊技機A12において、前記変動態様は、前記第2状態の発生に対する期待度に応じた複数種類の単位変動表示を組み合わせて構成されるものであり、前記選定確率は、前記抽選手段による抽選結果が前記識別情報の変動表示の終了後の遊技状態を前記第2状態にすることを示すものであった場合には、該第2状態の発生に対する期待度の最も高い変動態様に対する選定確率が最も高く、該第2状態の発生に対する期待度の最も低い変動態様に対する選定確率が最も低く決められており、前記抽選手段による抽選結果が前記識別情報の変動表示の終了後の遊技状態を前記第1状態にすることを示すものであった場合には、該第2状態の発生に対する期待度の最も低い変動態様に対する選定確率が最も高く、該第2状態の発生に対する期待度の最も高い変動態様に対する選定確率が最も低く決められていることを特徴とする遊技機A13。
遊技機A13によれば、主制御手段により変動表示後の遊技状態がより有利な第2状態であると決定された場合に、該第2状態の発生に対する期待度の最も高い変動態様(即ち、変動態様を構成する単位変動表示の組み合わせ)に対する選定確率を最も高くし、該第2状態の発生に対する期待度の最も低い変動態様に対する選定確率を最も低くするように設定することで、遊技者の第2状態に対する期待を高めることができ、遊技意欲を好適に盛り上げることができる。一方、主制御手段により変動表示後の遊技状態が第1状態であると決定された場合に、第2状態(該第1状態より有利な状態)に対する期待度の最も低い変動態様に対する選定確率を最も高く、該第2状態の発生に対する期待度の最も高い変動態様に対する選定確率を最も低く設定することで、遊技者の第2状態に対する期待を過剰にさせることがなく、落胆による遊技意欲の減衰を防ぐことができる。
遊技機A1からA13のいずれかにおいて、前記第2コマンドは、前記選定用変動時間決定手段による前記選定用変動時間の決定とは別の用途でも使用されるコマンドであることを特徴とする遊技機A14。
遊技機A14によれば、変動態様の設定とは無関係の用途に利用されるコマンドを、変動態様の設定に用いる第2コマンドとして流用するので、1の第1コマンドから複数の選定用変動時間を得るために専用のコマンドを設ける必要がない。また、複数の選定用変動時間を指示するためのコマンドを選定用変動時間毎に設ける必要もない。よって、コマンド数の増加を抑制しつつ多様化された演出を表示手段に表示することが可能となり、主制御手段の制御負担を抑制しつつ演出の多様化を実現することができる。
遊技機A14において、前記第2コマンドは、前記識別情報の変動表示の開始を保留する数に応じた情報を前記表示用制御手段に伝達するためのコマンドであることを特徴とする遊技機A15。
遊技機A15によれば、識別情報の変動表示の開始を保留する数に応じた情報を表示用制御手段に伝達するためのコマンドを第2コマンドとして流用する。一般的に、識別情報の変動表示の開始を保留する数に応じて変動時間の長さに対する要求が異なっており、例えば、該保留数が最大値に近い場合には、無駄な始動条件の成立を防ぐために変動時間を短くすることが要求され、その他の場合には、変動表示の途絶えによる遊技者の遊技意欲の減衰を防ぐために適度な長さの変動時間が要求される。よって、識別情報の変動表示の開始を保留する数に応じた情報を表示用制御手段に伝達するためのコマンドを第2コマンドとして流用することにより、コマンド数の増加を抑制しつつ、同一種別の変動態様の変動態様を、該保留数に応じて異なる時間とすることができる。
遊技機A1からA15のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機A16。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1からA15のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機A17。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1からA15のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機A18。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
識別情報を表示可能な表示手段と、遊技の制御を行う主制御手段と、始動条件が成立した場合に前記主制御手段から送信される制御用コマンドに基づいて前記表示手段に識別情報の変動表示を表示させる表示用制御手段とを備えた遊技機において、前記表示制御手段は、前記表示手段に表示させる前記変動表示の変動態様を前記制御用コマンドに基づいて設定する変動態様設定手段を備え、前記変動態様設定手段は、第1コマンド及び第2コマンドを少なくとも含む複数の前記制御用コマンドに基づいて、前記変動態様を設定する第1変動態様設定手段を含んで構成され、前記第1変動態様設定手段により前記変動態様を設定する際には、前記第1コマンドに応じて、前記第2コマンドによる該第1コマンドの扱いが異なることを特徴とする遊技機B1。
遊技機B1によれば、表示用制御手段により表示手段に表示させられる変動表示の変動態様が、該表示用制御手段における変動態様設定手段によって、第1コマンド及び第2コマンドを少なくとも含む複数の制御用コマンドに基づいて設定されるので、ある特定の制御コマンドの組み合わせによって多種類の変動態様を設定することが可能となり、それによって、変動表示による演出を多様化することができる。例えば、第1コマンドが変動態様の種別を示す場合に、第2コマンドを含む残りのコマンドにより、該第1コマンドが示す変動態様の種別の範囲内で異なる変動態様を設定することができる。このとき、変動態様の設定に用いられる複数の制御用コマンドの一部を、変動態様の設定とは無関係の用途に利用されるコマンドとした場合、コマンド数の増加を抑制しつつ上述した演出の多様化が可能となるため、演出の多様化に伴う主制御手段の制御負担の増加を抑制することができる。
さらに、第1変動態様設定手段により変動態様を設定する際には、第1コマンドに応じて、第2コマンドによる該第1コマンドの扱いが異なるよう構成されているので、第1コマンドと第2コマンドとの組み合わせに応じて、コマンド数の増加を抑制しつつ多様な変動態様を設定することができる。よって、主制御手段の制御負担の増大の抑制と演出の多様化との両立をより好適に実現することができる。
なお、上述した実施形態において、遊技機B1の表示手段としては、第3図柄表示装置81が例示され、遊技機B1の主制御手段としては、主制御装置110が例示され、遊技機A1の表示用制御手段としては、演出制御装置117が例示される。また、上述した実施形態において、遊技機B1の変動態様設定手段及び第1変動態様設定手段としては、特図保留球数設定処理(図21参照)のS1403,S1404の処理、変動時間決定処理(図22(a)参照)のS1422〜S1426の処理、変動態様選定手段(図23参照)のS1442〜S1445,S1447の処理が例示される。
遊技機B1において、前記第1変動態様設定手段は、前記第1コマンドが示す第1情報を前記第2コマンドに応じて変換し、第2情報を得る情報取得手段と、その情報取得手段により得られた第2情報に基づいて、前記変動態様を選定する前記変動態様選定手段とを備え、前記第1コマンドと複数種類の前記第2コマンドから前記情報取得手段によって得られる前記第2情報の種類は、該第1コマンドに応じて異なることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、第1変動態様設定手段により変動態様を設定する場合には、第1コマンドが示す第1情報が、情報取得手段によって第2コマンドに応じて変換されて第2情報として取得され、その第2情報に基づき変動態様選定手段により設定すべき変動態様の選定が行われる。このとき、第1コマンドと複数種類の第2コマンドから情報取得手段によって得られる第2情報の種類は、該第1コマンドに応じて異なっているので、第1コマンドと第2コマンドとの組み合わせに応じて、コマンド数の増加を抑制しつつ多様な変動態様を設定することができる。よって、主制御手段の制御負担の増大の抑制と演出の多様化との両立をより好適に実現することができる。
なお、上述した実施形態において、遊技機B2の情報取得手段としては、変動時間決定処理(図22(a)参照)のS1422の処理が例示され、遊技機B2の変動態様選定手段としては、変動態様選定手段(図23参照)のS1442〜S1444,S1447の処理が例示される。
遊技機B2において、前記第1情報は、前記表示手段に行わせる前記識別情報の変動表示の変動態様の種別を示す情報であり、前記第2情報は、前記変動態様選定手段により前記変動態様を選定するための選定用変動時間を示す情報であり、前記第1コマンドと複数種類の前記第2コマンドから前記情報取得手段によって得られる前記第2情報の種類は、該第1コマンドに応じて異なることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、第1変動態様設定手段により変動態様を設定する場合には、第1コマンドが示す第1情報(即ち、識別情報の変動表示の変動態様の種別を示す情報)が、情報取得手段によって第2コマンドに応じて変換されて第2情報(即ち、変動態様選定手段により変動態様を選定するための選定用変動時間を示す情報)として取得され、その第2情報に基づき変動態様選定手段により設定すべき変動態様の選定が行われる。このとき、第1コマンドと複数種類の第2コマンドから情報取得手段によって得られる第2情報の種類(即ち、選定用変動時間の種類)は、該第1コマンドに応じて異なっているので、第1コマンドと第2コマンドとの組み合わせに応じて、多様な選定用変動時間を得ることができる。よって、コマンド数の増加を抑制しつつ多様な変動態様を設定することができるので、主制御手段の制御負担の増大の抑制と演出の多様化との両立をより好適に実現することができる。
遊技機B3において、前記情報取得手段は、前記第2コマンドを区分に応じた区分データに変換する変換手段と、前記第1コマンド又は該第1コマンドに対応するデータを、前記変換手段による変換によって得られた前記区分データを用いた演算に供する演算手段とを備え、その演算手段による演算結果に基づき、前記選定用変動時間を得るものであることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、第2コマンドが変換手段によって区分データに変換された後、その区分データと第1コマンド又は該第1コマンドに対応するデータとを演算手段による演算に供し、得られた演算結果に基づいて、第2情報(即ち、選定用変動時間)が得られる。一般的に、変動態様の種別に応じて基準となるおおよその変動時間(基準変動時間)が決まるので、第1コマンドが示す変動態様の種別が示す基準変動時間を、第2コマンドに応じた区分データとの演算に供することにより、該基準変動時間から、区分データに応じた選定用変動時間を得ることができる。ここで、第2コマンドとして、変動態様の設定とは無関係の用途に利用されるコマンドを用いることにより、コマンド数の増加を抑制しつつ多様化された演出を表示手段に表示することが可能となり、主制御手段の制御負担を抑制しつつ演出の多様化を実現することができる。
なお、上述した実施形態において、遊技機B4の変換手段としては、特図保留球数設定処理(図21参照)のS1403,S1404の処理が例示され、遊技機B4の演算手段としては、変動時間決定処理(図22(a)参照)のS1422の処理が例示される。
遊技機B4において、前記演算手段は、前記第1コマンド又は該第1コマンドに対応するデータと、前記変換手段による変換により得られた前記区分データとを加算するものであることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、第2コマンドが変換手段によって区分データに変換された後、その区分データが演算手段により第1コマンド又は該第1コマンドに対応するデータに加算される。そして、得られた結果に基づいて、選定用変動時間が取得される。一般的に、変動態様の種別に応じて基準となるおおよその変動時間(基準変動時間)が決まるので、第1コマンド(又は第1コマンドに対応するデータ)に、第2コマンドに応じた区分データを加算することにより、第1コマンドが示す変動態様の種別が示す基準変動時間から、区分データに応じた選定用変動時間を得ることができる。即ち、第1コマンド又は該第1コマンドに対応するデータに区分データが加算されるので、基準変動時間から、区分データの数だけ異なる変動時間を導出することができる。ここで、第2コマンドとして、変動態様の設定とは無関係の用途に利用されるコマンドを用いることにより、コマンド数の増加を抑制しつつ多様化された演出を表示手段に表示することが可能となり、主制御手段の制御負担を抑制しつつ演出の多様化を実現することができる。
遊技機B4又はB5において、前記変換手段は、前記第2コマンドを所定の演算に供することにより前記区分データに変換することを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、区分データは、第2コマンドを所定の演算に供することにより得ることができるので、演算結果が同じであれば、複数の第2コマンドから1の区分データを得ることができる。よって、第2コマンドを効率的に区分する(区分データに変換する)ことができ、1の第1コマンド(即ち、基準変動時間)から複数の第2の変動時間を効率的に得ることができ、結果として、コマンド数の増加を抑制しつつ多様化された演出を表示手段に表示することができ、主制御手段の制御負担を抑制しつつ演出の多様化を実現することができる。
遊技機B4からB6のいずれかにおいて、前記変換手段は、前記第2コマンドと、最下位ビットが0又は1であり残りのビットが全て0であるデータとをAND演算して、前記第2コマンドを、全てのビットが0である第1区分データ、又は最下位ビットが1であり残りのビットが全て0である第2区分データのいずれかに変換するものであり、前記演算手段は、前記第1コマンド又は該第1コマンドに対応するデータと、前記変換手段による変換により得られた前記第1区分データ又は第2区分データとを加算するものであることを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、区分データは、第2コマンドと、最下位ビットが0又は1であり残りのビットが全て0であるデータとのAND演算により得られるので、第2コマンドを、全てのビットが0である第1区分データか、最下位ビットが1であり残りのビットが全て0である第2区分データのいずれかに効率的に区分する(区分データに変換する)ことができる。また、第1区分データと第2区分データとが互いに「1(2進数)」だけ異なる値であるため、これらの区分データと第1コマンド又は該第1コマンドに対応するデータとの加算結果もまた、互いに「1(2進数)」だけ異なる値となるので、1の第1コマンド(又は該第1コマンドに対応するデータ)と区分データ(第1又は第2区分データ)との加算結果を単純に分類し易く、1の第1コマンドから複数の選定用変動時間を容易に得ることが可能となる。よって、コマンド数の増加を抑制しつつ多様化された演出を表示手段に表示することができ、主制御手段の制御負担を抑制しつつ演出の多様化を実現することができる。
遊技機B4からB6のいずれかにおいて、前記変換手段は、前記第2コマンドと、所定ビットが0又は1であり残りのビットが全て0であるデータとをAND演算して、前記第2コマンドを、前記所定ビットが0である第1区分データ又は前記所定ビットビットが1である第2区分データのいずれかに変換するものであり、前記演算手段は、前記第1コマンド又は該第1コマンドに対応するデータと、前記変換手段による変換により得られた前記第1区分データ又は第2区分データとを加算するものであることを特徴とする遊技機B8。
遊技機B8によれば、区分データは、第2コマンドと、所定ビットが0又は1であり残りのビットが全て0であるデータとのAND演算により得られるので、第2コマンドを、全てのビットが0である第1区分データか、所定ビットが1であり残りのビットが全て0である第2区分データのいずれかに効率的に区分する(区分データに変換する)ことができる。それによって、第1区分データと第2区分データとが互いに所定数だけ異なる値であるため、これらの区分データと第1コマンド又は該第1コマンドに対応するデータとの加算結果もまた、互いに「1(2進数)」だけ異なる値となるので、1の第1コマンド(又は該第1コマンドに対応するデータ)と区分データ(第1又は第2区分データ)との加算結果を単純に分類し易く、1の第1コマンドから複数の選定用変動時間を容易に得ることが可能となる。よって、コマンド数の増加を抑制しつつ多様化された演出を表示手段に表示することができ、主制御手段の制御負担を抑制しつつ演出の多様化を実現することができる。
遊技機B3において、前記情報取得手段は、前記第1情報が示す変動態様の種別に応じて基準となる変動時間に加減算して前記選定用変動時間を得るための加減算時間を、前記第2コマンドに基づいて取得する加減算時間取得手段を備え、前記第1コマンドと複数種類の前記第2コマンドから前記加減算時間取得手段によって得られる前記加減算時間の種類は、前記第1コマンドに応じて異なることを特徴とする遊技機B9。
遊技機B9によれば、情報取得手段により第2情報(即ち、変動態様選定手段により変動態様を選定するための選定用変動時間を示す情報)を取得する場合には、まず、加減算取得手段によって加減算時間が取得され、その加減算時間を第1情報(即ち、識別情報の変動表示の変動態様の種別を示す情報)に応じて基準となる変動時間から加減算することにより選定用変動時間を得る。このとき、第1コマンドと複数種類の第2コマンドから加減算時間取得手段によって得られる加減算時間の種類は、該第1コマンドに応じて異なっているので、第1コマンドと第2コマンドとの組み合わせに応じて、多様な選定用変動時間を得ることができる。よって、コマンド数の増加を抑制しつつ多様な変動態様を設定することができるので、主制御手段の制御負担の増大の抑制と演出の多様化との両立をより好適に実現することができる。
遊技機B2からB9のいずれかにおいて、前記第2コマンドは、前記情報取得手段による前記第2情報の取得とは別の用途でも使用されるコマンドであることを特徴とする遊技機B10。
遊技機B10によれば、第2情報の取得とは無関係の用途に利用されるコマンドを、変動態様の設定に用いる第2コマンドとして流用するので、1の第1コマンドから複数の選定用変動時間を得るために専用のコマンドを設ける必要がない。また、複数の選定用変動時間を指示するためのコマンドを選定用変動時間毎に設ける必要もない。よって、コマンド数の増加を抑制しつつ多様化された演出を表示手段に表示することが可能となり、主制御手段の制御負担を抑制しつつ演出の多様化を実現することができる。
遊技機B10において、前記第2コマンドは、前記識別情報の変動表示の開始を保留する数に応じた情報を前記表示用制御手段に伝達するためのコマンドであることを特徴とする遊技機B11。
遊技機B11によれば、識別情報の変動表示の開始を保留する数に応じた情報を表示用制御手段に伝達するためのコマンドを第2コマンドとして流用する。一般的に、識別情報の変動表示の開始を保留する数に応じて変動時間の長さに対する要求が異なっており、例えば、該保留数が最大値に近い場合には、無駄な始動条件の成立を防ぐために変動時間を短くすることが要求され、その他の場合には、変動表示の途絶えによる遊技者の遊技意欲の減衰を防ぐために適度な長さの変動時間が要求される。よって、識別情報の変動表示の開始を保留する数に応じた情報を表示用制御手段に伝達するためのコマンドを第2コマンドとして流用することにより、コマンド数の増加を抑制しつつ、同一種別の変動態様の変動態様を、該保留数に応じて異なる時間とすることができる。
遊技機B2からB11のいずれかにおいて、前記第1情報は、前記表示手段に行わせる前記識別情報の変動表示の変動態様の種別を示す情報であり、前記第2情報は、前記変動態様選定手段により前記変動態様を選定するための選定用変動時間を示す情報であり、前記第1コマンドと複数種類の前記第2コマンドから前記情報取得手段によって得られる前記第2情報の種類は、該第1コマンドに応じて異なっており、前記変動態様選定手段は、前記情報取得手段により取得された第2情報が示す前記選定用変動時間の変動表示を実行可能な複数の前記変動態様の中から、これらの複数の変動態様の各々に対して予め決められている選定確率に基づいて、1の前記変動態様を選定するものであることを特徴とする遊技機B12。
遊技機B12によれば、情報取得手段により取得された第2情報が示す選定用変動時間の変動表示を実行可能な複数の変動態様の中から、所定の選定確率に基づき1の変動態様が選定されるので、コマンド数の増加を抑制しつつ多様化された演出を表示手段に表示することが可能となり、主制御手段の制御負担を抑制しつつ演出の多様化を実現することができる。
遊技機B12において、前記変動態様は、複数種類の単位変動表示を組み合わせて構成されるものであり、前記複数の変動態様の各々に対して予め決められている選定確率は、前記変動態様を構成する複数種類の変動表示の組み合わせ方に基づいて決められていることを特徴とする遊技機B13。
遊技機B13によれば、変動態様が、複数種類の単位変動表示を組み合わせて構成されているので、同一種別の変動態様の中で、遊技者に大当たりの期待をさせ易い変動態様から、遊技者に大当たりの期待をさせ難い変動態様まで、種々の印象を与える変動態様を設けることができる。よって、このように多様な演出を主制御手段の制御負担を抑制しつつ実現することができる。
また、複数の変動態様の各々に対して予め決められている選定確率は、変動態様を構成する複数種類の変動表示の組み合わせ方に基づいて決められているので、遊技者に与える印象の異なる変動態様を適切な選定確率で表示手段に表示させることにより、遊技者の大当たりに対する期待を高めることができ、遊技意欲を好適に盛り上げることができる。
遊技機B12又はB13において、前記選定確率は、前記主制御手段により制御される遊技の状態に応じて決められていることを特徴とする遊技機B14。
遊技機B14によれば、選定確率は、主制御手段により制御される遊技の状態に応じて決められているので、遊技の状態に応じた選定確率で変動態様を表示させることができる。よって、例えば、主制御手段により変動表示後の遊技状態が大当たり(特別遊技状態)であると決定された場合に、大当たりを期待させる変動表示の選定確率を高くし、大当たりを期待させない変動表示の選定確率を低くするように設定することで、遊技者の大当たりに対する期待を高めることができ、遊技意欲を好適に盛り上げることができる。一方、主制御手段により変動表示後の遊技状態が大当たりでないと決定された場合に、大当たりを期待させない変動表示の選定確率を高くし、大当たりを期待させる変動表示の選定確率を低くするように設定することで、大当たりに対する期待を過剰にさせることがなく、落胆による遊技意欲の減衰を防ぐことができる。
遊技機B12からB14のいずれかにおいて、前記主制御手段は、始動条件の成立に基づいて前記識別情報の変動表示の終了後の遊技状態を第1状態とするか該第1状態より有利な第2状態とするかを抽選する抽選手段を備え、前記選定確率は、前記抽選手段による抽選結果が前記識別情報の変動表示の終了後の遊技状態を前記第1状態にするか前記第2状態にするかに応じて異なるように決められていることを特徴とする遊技機B15。
遊技機B15によれば、選定確率は、始動条件の成立に基づいて行われる抽選手段による抽選結果が、識別情報の変動表示の終了後の遊技状態を第1状態とするものであるか、識別情報の変動表示の終了後の遊技状態を該第1状態より有利な第2状態とするかに応じて異なるように決められている。よって、主制御手段により変動表示後の遊技状態がより有利な第2状態であると決定された場合に、該第2状態を期待させる変動表示の選定確率を高くし、該第2状態を期待させない変動表示の選定確率を低くするように設定することで、遊技者の第2状態に対する期待を高めることができ、遊技意欲を好適に盛り上げることができる。一方、主制御手段により変動表示後の遊技状態が第1状態であると決定された場合に、第2状態(該第1状態より有利な状態)を期待させない変動表示の選定確率を高くし、該第2状態を期待させる変動表示の選定確率を低くするように設定することで、遊技者の第2状態に対する期待を過剰にさせることがなく、落胆による遊技意欲の減衰を防ぐことができる。
なお、上述した実施形態において、遊技機B15の抽選手段としては、始動入賞処理(図14参照)のS603の処理及び変動開始処理(図12参照)のS401の処理が例示される。
遊技機B15において、前記変動態様は、前記第2状態の発生に対する期待度に応じた複数種類の単位変動表示を組み合わせて構成されるものであり、前記選定確率は、前記抽選手段による抽選結果が前記識別情報の変動表示の終了後の遊技状態を前記第2状態にすることを示すものであった場合には、該第2状態の発生に対する期待度の最も高い変動態様に対する選定確率が最も高く、該第2状態の発生に対する期待度の最も低い変動態様に対する選定確率が最も低く決められており、前記抽選手段による抽選結果が前記識別情報の変動表示の終了後の遊技状態を前記第1状態にすることを示すものであった場合には、該第2状態の発生に対する期待度の最も低い変動態様に対する選定確率が最も高く、該第2状態の発生に対する期待度の最も高い変動態様に対する選定確率が最も低く決められていることを特徴とする遊技機B16。
遊技機B16によれば、主制御手段により変動表示後の遊技状態がより有利な第2状態であると決定された場合に、該第2状態の発生に対する期待度の最も高い変動態様(即ち、変動態様を構成する単位変動表示の組み合わせ)に対する選定確率を最も高くし、該第2状態の発生に対する期待度の最も低い変動態様に対する選定確率を最も低くするように設定することで、遊技者の第2状態に対する期待を高めることができ、遊技意欲を好適に盛り上げることができる。一方、主制御手段により変動表示後の遊技状態が第1状態であると決定された場合に、第2状態(該第1状態より有利な状態)に対する期待度の最も低い変動態様に対する選定確率を最も高く、該第2状態の発生に対する期待度の最も高い変動態様に対する選定確率を最も低く設定することで、遊技者の第2状態に対する期待を過剰にさせることがなく、落胆による遊技意欲の減衰を防ぐことができる。
遊技機B1からB16のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機B17。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機B1からB16のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機B18。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機B1からB16のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機B19。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。