JP2014095687A - はんだ接続部の検査回路および方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】断線故障および半断線故障を電気的に検出可能とするはんだ接続部の検査回路および方法の提供。
【解決手段】方形波信号源Vと、検査プローブ3と、検査プローブ3および方形波信号源Vと接続される微分回路と、検査プローブ3と接続される出力部と、表示部とを備え、一端が接地された第1の金属配線1と、第1の金属配線の他端とはんだ接続された第2の金属配線2において、第2の金属配線2に検査プローブ3を当接させた状態で方形波信号源Vから印加すると、第1の金属配線1および第2の金属配線2のはんだ接続箇所の断線状況に応じた応答波形が表示部に表示される。
【選択図】図1

Description

本発明は、はんだ接続部の接続状態の検査回路および方法に関し、例えば、リード線と端子とをはんだ接続したはんだ接続部(コネクタ部)の接続状態が、正常・半断線故障・断線故障のいずれにあるかを判定するための検査回路および方法に関する。
リード線と端子とがはんだ接続されたはんだ接続部(コネクタ部)では、はんだに不純物が含まれていたり、はんだ付けが気泡を含む状態になっていたり、経年変化で「さび」が発生したりすること等に起因して、クラック(はんだ割れ)等の接続不良が発生する。このような接続不良は、使用状態で接続部が受ける衝撃・振動により発生し、経年進行した結果として、正常動作をしなくなる、あるいは、発熱・発火等の恐れがある。
近時、新幹線の配電盤発煙事故がはんだ接続部の接続不良により発生したことは記憶に新しいが、この事故は、通常ならばブレーカが落ちて電流を遮断するところ、ブレーカ内部のはんだ付けが切れていたために、正常に作動しなかったことが原因であるとされる。このような事故発生を避けるためには、はんだ接続部の接続状態が正常か否か、日頃から点検する必要があり、そのためには、効率的な検査手段が求められている。
従来、パルスの反射特性を利用するTDR(time domain reflectometry)法が知られている。TDR法とは、例えば、プリント基板の配線に高速なパルスやステップ信号を印加し、返ってくる反射波形を観測する手法のことである。具体的には、パルス発生装置が電極を介して配線に入力パルスを供給した際、配線に故障箇所があると故障箇所で反射パルスが発生するので、この反射パルスの電圧波形をオシロスコープで観察することにより、配線が断線または短絡のいずれであるのかを判別する。
特許文献1では、1本の配線を接地した状態で、該接地した配線と隣接する配線との間に方形波信号を印加し、該パルスが配線を往復する時間と反射波電圧値を測定することで、断線または短絡の有無を判別するとともに、断線箇所または短絡箇所を特定する試験用半導体装置の評価方法が提案されている。
特開平9−115979号公報
近年の電子機器の小型化に伴い、プリント配線板上に実装された論理回路の製造工程で起こる故障の検出が難しくなっている。製造工程で起こる故障としては、主として短絡故障と開放故障があるが、本発明は開放故障の検出を目的としている。ここで、本発明が検出を目的とする開放故障には、断線故障が含まれるのはもちろんのこと、はんだ付けの不良などに生じる半断線故障も含まれる。
開放故障の検査法としては、論理値測定による検査法、画像処理による検査法、電気的検査法が挙げられる。しかし、論理値測定による検査法では開放故障を確実に検出することは難しく、特に半断線故障を検出することは不可能であった。また、画像処理による検査においては、外観上は正しく接続できているように見えても電気的には正しく接続されていない場合もあるので故障の検出精度に原理上の限界があり、また画像撮影できない位置における開放故障を検出することはできない。そこで、本発明では電気的検査により開放故障を検出することとした。
TDR法によれば、断線または短絡の有無とその故障箇所を特定することができる。しかしながら、半断線故障は、その故障箇所に抵抗成分を持つので、検出信号が小さくなり確実にその故障を検出することは難しい。また、検査対象内に静電容量を含む場合は、印加した方形波信号が配線を往復する間に、その故障で遅延を生じる。そのため、TDR法では、半断線故障の検出はできない。また、TDR法は、該パルスが故障箇所までを往復する時間で故障個所を特定するが、コネクタまたは部品接続部の検査では、印加パルスから故障個所までの距離が短く、正常と不良の場合の該パルスの信号遅延が微小なので確実に検出することは難しい。
また、n個直列に接続された同種の半導体素子において、断線故障および半断線故障を最小限の回数で検出することも求められている。特に半導体素子がLED素子である場合、半断線故障ではLEDの輝度が低下するに過ぎないため、故障と気付かないという問題がある。
そこで、本発明は、断線故障および半断線故障を電気的に検出可能とするはんだ接続部の検査回路および方法を提供することを目的とする。
第1の発明は、はんだ接続部の接続状況を判定するための検査回路であって、方形波信号源Vと、検査プローブと、検査プローブおよび方形波信号源Vと接続される微分回路と、検査プローブと接続される出力部と、表示部とを備え、一端が接地された第1の金属配線と、第1の金属配線の他端とはんだ接続された第2の金属配線において、第2の金属配線に検査プローブを当接させた状態で方形波信号源Vから印加すると、第1の金属配線および第2の金属配線のはんだ接続箇所の断線状況に応じた応答波形が表示部に表示されるはんだ接続部の検査回路である。
第2の発明は、第1の発明において、さらに、微分回路および方形波信号源Vとを接続する配線にカソードが接続され、アノードが接地されるダイオードを備えることを特徴とする。
第3の発明は、第1の発明において、出力部からの出力および基準クロック信号が入力されるAND回路と、AND回路をトリガ信号とするカウンタ回路と、カウンタ回路と接続される表示器とを備えることを特徴とする。
第4の発明は、第1ないし3のいずれかの発明に係る検査回路を用い、2本の金属配線のはんだ接続部の接続状況を判定する検査方法であって、1本の金属配線を接地した状態で、もう1本の金属配線を検査回路に接続し、検査回路から方形波信号を印加し、表示部に表示された検査回路出力電圧の形状を観測することで、はんだ接続部の接続状況が正常、半断線故障または断線故障のいずれかにあることを判定するはんだ接続部の検査方法である。
第5の発明は、第3の発明に係る検査回路を用い、2本の金属配線のはんだ接続部の接続状況を判定する検査方法であって、1本の金属配線を接地した状態で、もう1本の金属配線を検査回路に接続し、検査回路から方形波信号を印加し、カウンタ回路のカウント数に基づきはんだ接続部の接続状況が正常、半断線故障または断線故障のいずれかにあることを判定するはんだ接続部の検査方法である。
第6の発明は、第4または5の発明において、はんだ接続部が、電子回路基板のパッドとCMOS論理ICのリードであることを特徴とする。
第7の発明は、第2の発明に係る検査回路を用い、直列にn個接続された一対のリードを有する半導体素子からなる被検査回路のはんだ接続部の接続状況を判定する検査方法であって、被検査回路の一方の端部に位置する半導体素子のマイナスリードを接地し、他方の端部に位置する半導体素子のプラスリードに検査プローブを当接させた状態で方形波信号源Vから印加し、表示部に表示された検査回路出力電圧の形状を観測することで、2n個のリードのはんだ接続部の接続状況が正常、半断線故障または断線故障のいずれかにあることを判定するはんだ接続部の検査方法である。
第8の発明は、第7の発明において、半導体素子がLED素子であることを特徴とする。
本発明によれば、はんだ接続部の接続状態を、簡易な構成の検査回路により低コストに判定することができる。
また、カウンタ回路を備える本発明によれば、はんだ接続部の接続状態を出力パルス数を計測することで判定することが可能である。
さらに、n個直列に接続された半導体素子において、はんだ接続部の接続状態を最小限の回数で検査することが可能となる。
第1実施形態に係る検査回路の構成図である。 はんだ接続部に半断線故障がある場合の等価回路である。 (a)は検査回路で印加する方形波信号電圧であり、(b)は半断線故障のある回路に検査信号を印加した際の出力電圧である。 第1実施形態において、(a)は正常な回路に検査信号を印加した際の出力電圧であり、(b)は半断線故障のある回路に検査信号を印加した際の出力電圧であり、(c)は断線故障のある回路に検査信号を印加した際の出力電圧である。 第2実施形態に係る検査回路の構成図である。 第2実施形態において、(a)は正常な回路に検査信号を印加した際の出力電圧であり、(b)は半断線故障のある回路に検査信号を印加した際の出力電圧であり、(c)は断線故障のある回路に検査信号を印加した際の出力電圧である。 実施例1に係る検査回路による電子回路基板のパッド(金属配線1)とCMOS論理ICのリード(金属配線2)の接続検査例を示した図である。 (a)は、断線故障の検査結果を示したものであり、(b)は、1kΩの半断線故障回路の検査結果を示したものである。 (a)は、100Ωの半断線故障回路の検査結果を示したものであり、(b)は、正常回路の検査結果を示したものである。 実施例1に係る検査回路における半断線故障r検査時の説明図である。 実施例1に係る検査回路における半断線故障rが生じた場合の等価回路である。 実施例2に係る検査回路の構成図である。 第3実施形態に係る検査回路の構成図である。 第3実施形態に係る検査時の等価回路である。 第3実施形態に係る検査回路を用いた検査方法を説明する図である。 実施例3に係る被検査回路の構成図である。
以下では、本発明を実施するための形態例を説明する。
[第1実施形態]
第1実施形態に係る検査回路10は、被検査回路が正常、半断線故障、断線故障のいずれかの状態にあることを判定するものである。ここで、「正常」とは、リード線(金属配線1)と端子(金属配線2)とを接続するはんだ付けが良好に行われており、接触抵抗がゼロの状態にあるものをいい、「半断線故障」とは、リード線と端子とを接続するはんだ付けが不良状態となって、一部しか導通しないために低抵抗の接触抵抗を伴っている状態にあるものをいい、「断線故障」とは、いわゆる完全開放故障であり、リード線と端子とを接続するはんだ付けがまったく電気的導通できない状態にあるものをいう。
第1実施形態に係る検査回路10は、はんだ接続された金属配線1(リード線)と金属配線2(端子)の接続状態を判定するものであって、図1に示すように、方形波信号源Vと、検査プローブ3と、検査プローブ3および方形波信号源Vと接続される微分回路と、検査プローブと接続される出力部とから構成される。本実施形態の微分回路は、コンデンサCおよび抵抗Rから構成される。この検査回路10による検査は、はんだ接続部を構成する金属配線のいずれかをGNDに落とし、他方の金属配線に検査プローブで検査信号を印加して、出力部VTESTにおける出力応答電圧を表示部(オシロスコープの画面)で観測することにより行う。図1では、金属配線1をGNDに落とし、他方の金属配線2に検査信号を印加している。
図2は、はんだ接続部に半断線故障がある場合の等価回路である。同図では半断線抵抗値をrとしており、出力部VTESTにおける出力電圧は次の式1で導かれる。
[式1]
TEST=Vexp(-t/τ)
式1から、VTESTは時間経過と共に指数関数的に減少することが分かる。ここで、τは半断線故障による抵抗値rを含んだ回路全体の時定数であり、次の式2で表される。
[式2]
τ=C・R・r/(R+r)
図3(a)は検査回路10で印加する方形波信号であり、(b)は半断線故障のある回路に検査信号を印加した際の出力電圧である。同図に示すように、検査回路10に方形波信号を印加すると、断線または半断線故障がある場合の出力波形は指数関数的に減少する。
正常な回路の場合は抵抗値rをゼロと見なせばよく、断線故障の場合も抵抗値rを無限大と見なせばよいため、いずれも等価回路は図2と同じとなる。図4に、(a)正常な回路に検査信号を印加した際の出力電圧、(b)半断線故障のある回路に検査信号を印加した際の出力電圧、(c)断線故障のある回路に検査信号を印加した際の出力電圧を示す。
このように、VTESTは半断線抵抗値に応じて指数関数的に減少し、正常回路では急激に立ち下がるパルスとなる。従って、第1実施形態に係る検査回路10によれば、半断線故障と断線故障とを、出力波形の形状により判定することが可能である。また、オシロスコープで観測される波形を予めの試験により類型化し記憶手段に記憶させることにより、コンピュータによる故障態様の自動判定を行うことも可能である。
以上に説明した本発明によれば、二つの金属の一方を接地し、もう一方の金属に検査プローブを直接接触させて抵抗Rの両端の信号を観測するので、確実に断線故障を検出できる。さらに、検査対象内に静電容量を含む場合でも、検査回路出力は微分回路出力を直接観測するので断線故障を検出できる。半断線故障の検査では、接続部が持つ抵抗成分に応じて検査回路の微分回路の時定数が変化し、その変化で検査回路出力に遅延が現れる。その遅延には、該パルスの配線移動による遅延はないと考えられるので、その遅延を観測することで、検査対象箇所にどの程度の半断線故障が生じているかを検出できる。断線状況に応じて生じる遅延の統計データを記憶装置に蓄積すれば、コンピュータにより正常、断線および半断線を自動判定することも可能である。
[第2実施形態]
図5は、第2実施形態に係る検査回路の構成図である。この検査回路は、方形波信号源Vの一周期間でカウンタ回路入力のトリガTのパルス数を計測することにより、故障の程度を判定するよう構成されている。
第2実施形態に係る検査回路は、第1実施形態に係る検査回路において、VTESTの出力と故障識別パルスPとを取るAND回路を設けると共に、当該AND回路の出力計測するカウンタ回路および表示器を設けて構成される。故障識別パルスPは、基準クロック(図示せず)から出力される基準クロック信号を供給する。カウンタ回路では、入力トリガTに応じてパルス数がカウントされて3デジットの出力Q、Q、Qを発生する。カウンタ回路の出力Q、Q、Qは、表示器により表示される。
被検査回路が正常の場合には、抵抗値がゼロである故、Vで発生した方形波をなす電圧変動を加えても、これに応じた電圧降下は急峻であり、VTESTに出力は生じない。被検査回路が断線故障の場合には、抵抗値が無限大であるため、電圧降下は検査回路(微分回路)そのものにより生じるものだけであり、VTESTの電圧は緩やかな低下を示すものとなる。半断線故障の場合には、Rがゼロでも無限大でもない抵抗値であるため、先の式2の時定数を有しており、比較的早い電圧降下を示す。このような正常・半断線故障・断線故障に応じて生じるVTESTにおける出力電圧変動を、図6の最上段に示す。
図6(a)は正常な回路に検査信号を印加した際の出力電圧であり、(b)は半断線故障のある回路に検査信号を印加した際の出力電圧であり、(c)は断線故障のある回路に検査信号を印加した際の出力電圧である。
(a)正常の場合には、出力電圧変動が検出できないので、検査入力方形波の1回の正電圧印加後に、(Q)=(0 0 0)となる。これは、10進カウンタで表示すると0である。
(b)半断線故障の場合には、出力電圧Tは早期に低下するので、出力Tの繰り返しは早期に停止する。詳細には、トリガTが2回入力された時点で電圧降下が終了しており、検査入力方形波の1回の正電圧印加後に、(Q)=(0 1 0)となる。これは、10進カウンタで表示すると2である。
(c)断線故障の場合には、信号源Vからの方形波が加えられている間、VTESTからの出力電圧は緩やかながら継続していることから、故障識別用パルスPが入力される毎にQ出力が反転し、下段のQ、Q出力も同様に出力反転が行われ、アンド回路の出力パルスは、検査入力方形波の1回の正電圧印加後に、(Q)=(1 1 1)となる。これは、10進カウンタで表示すると7である。
このように、正常・半断線故障・断線故障の各々でカウントされる故障識別パルス数は異なるものとなることから、このパルス数を計測・表示することで故障の程度を判定することができる。
[第3実施形態]
第3実施形態では、一対のリードを有する半導体素子をn個直列に接続してなる回路を被検査回路とする。このような被検査回路を、第1実施形態の検査回路10により検査することも可能であるが、一対のリードのそれぞれに対して検査を実施する必要があるため、2n回の検査が必要であり煩雑である。そこで、第3実施形態では、被検査回路の両端に位置するランド1およびnを一回検査することにより、被検査回路全体を検査可能とすることを解決課題とする。
図13は、第3実施形態に係る検査回路20の構成図である。第3実施形態に係る検査回路20は、第1実施形態に係る検査回路10に整流用ダイオード21を追加して構成される。整流用ダイオード21は、LED素子4に負の電圧が印加されるのを防ぐためのものである。
図14は、第3実施形態に係る検査時の等価回路である。同図中のrは、はんだ箇所の抵抗値rの和とLED素子4の内部抵抗値rLEDの直列合成抵抗を示すものである。図13の構成例では、r=r1+r2+rLEDとなる。ここで、rの値は、はんだ5が正常である場合はr=0であり、半断線故障である場合はrは所定の抵抗値であり、断線故障である場合はr=∞であると考えることができる。
出力部VTESTにおける出力電圧は上述の式1で導かれ、τは上述の式2で導かれる。なお、LED素子4が1個の場合においも、断線および半断線故障を検査できることは言うまでも無い。
図15は、第3実施形態に係る検査回路20を用いた検査方法を説明する図である。直列接続されたn個のLED素子において、一方の端部にあるLED素子4のランドL1にプローブ3を接続し、他方の端部にあるLED素子4nのランドLn+1(マイナスリード)をGNDに落とし、プローブ3から方形波信号を印加することによりはんだ接続部の検査を行う。
検査回路20における印加する方形波信号および出力電圧は、実施形態例1と同じであり、図3のとおりとなる。
なお、LED回路に電流制御用抵抗6を設ける場合、その抵抗値rrestをrに加算する必要がある。すなわち、図15の等価回路におけるrは、はんだ箇所の抵抗値rの和およびn個のLED素子4の内部抵抗値rLEDの和に電流制御用抵抗6の抵抗値rrestを足した値となる。
以下では本発明の詳細を実施例により説明するが、本発明は何ら実施例に限定されるものではない。
実施例1は、第1実施形態に係る検査回路による測定結果に関する。
図7は、実施例1に係る検査回路による電子回路基板のパッド(金属配線1)とCMOS論理ICのリード(金属配線2)の接続検査例を示した図である。実施例1は、以下の測定条件で測定した。
:5V−1kHzの方形波信号
=0.1μF
=10kΩ
図8(a)は、断線故障の検査結果を示したものであり、上段はVにより印加した方形波信号の波形であり、下段は検査リードからの応答波形である。
図8(b)は、1kΩの半断線故障回路の検査結果を示したものであり、上段はVにより印加した方形波信号の波形であり、下段は検査リードからの応答波形である。
図9(a)は、100Ωの半断線故障回路の検査結果を示したものであり、上段はVにより印加した方形波信号の波形であり、下段は検査リードからの応答波形である。
図9(b)は、正常回路の検査結果を示したものであり、上段はVにより印加した方形波信号の波形であり、下段は検査リードからの応答波形である。
図10に示すように、IC#iリードの接続検査に第1実施形態を適用するとき、IC#i−1からL信号を伝達する。このとき、IC#i−1のプルダウン抵抗Rdownにより、回路の時定数は、次の式3で表すことができる。
[式3]
τ = 1 / ( C・( R + R // r ))
ただし、r=r+Rdownであり、記号//は並列接続の合成抵抗値を示している。
正常接続は、図10でr=0の場合であるが、Rdownが非常に小さな値であり、その抵抗分により、短時間VTESTの出力が生じている。ICの接続検査では、この信号波形を正常とし、それと半断線故障の場合の波形を比較する。半断線故障rが生じた場合は、図11に示すように、rとRdownが直列接続されることになるので、ほぼ半断線故障rで決まる時定数に従って、出力電圧が現れる。
実施例2は、第2実施形態に係る検査回路を実現した具体的な回路例に関する。
図12に示すように、実施例1の検査回路は、4ビット同期式カウンタとして74LS163を採用しており、7セグメントデコーダおよび7セグメントLEDからなる表示器と接続されている。74LS163出力より後段は、一般的な2進数を7セグメントLEDに表示するための回路である。
実施例2の検査回路による検査は、接続検査時のみ検査スイッチを電源側に接続し、カウンタ回路を動作させることにより行う。この検査回路に印加する方形波電圧源の周波数よりも高い周波数の基準クロック信号で、検査回路出力VTESTとのANDをとり、半断線故障rによるパルスを計数する。この計数は、検査入力方形波の1回の正電圧印加期間行う。計測数は、74LS163出力から2進数で得られるので、デコーダを介してLEDに計測数を表示する。
図16は、実施例3に係る被検査回路の構成図であり、直列に接続された3個のLED素子群が10個並列に接続されてなるLEDマトリックス回路である。30個のLED素子は、いずれも同じ仕様である。
実施例3は、12V電源とLEDマトリックス回路の間に100Ωの半断線故障を直列に挿入して実験した。以下の測定条件で測定したところ、正常回路測定の場合と半断線故障の場合とで有意に異なる出力波形が観察された。
:12V−1kHzの方形波信号
=0.1μF
=1kΩ
1 金属配線(リード)
2 金属配線(端子)
3 検査プローブ
4 LED素子
5 はんだ
6 電流制御用抵抗
10 (第1実施形態に係る)検査回路
20 (第3実施形態に係る)検査回路
21 整流用ダイオード

Claims (8)

  1. はんだ接続部の接続状況を判定するための検査回路であって、
    方形波信号源Vと、検査プローブと、検査プローブおよび方形波信号源Vと接続される微分回路と、検査プローブと接続される出力部と、表示部とを備え、
    一端が接地された第1の金属配線と、第1の金属配線の他端とはんだ接続された第2の金属配線において、第2の金属配線に検査プローブを当接させた状態で方形波信号源Vから印加すると、第1の金属配線および第2の金属配線のはんだ接続箇所の断線状況に応じた応答波形が表示部に表示されるはんだ接続部の検査回路。
  2. さらに、微分回路および方形波信号源Vとを接続する配線にカソードが接続され、アノードが接地されるダイオードを備える請求項1のはんだ接続部の検査回路。
  3. 出力部からの出力および基準クロック信号が入力されるAND回路と、AND回路をトリガ信号とするカウンタ回路と、カウンタ回路と接続される表示器とを備える請求項1のはんだ接続部の検査回路。
  4. 請求項1ないし3のいずれかの検査回路を用い、2本の金属配線のはんだ接続部の接続状況を判定する検査方法であって、
    1本の金属配線を接地した状態で、もう1本の金属配線を検査回路に接続し、検査回路から方形波信号を印加し、表示部に表示された検査回路出力電圧の形状を観測することで、はんだ接続部の接続状況が正常、半断線故障または断線故障のいずれかにあることを判定するはんだ接続部の検査方法。
  5. 請求項3の検査回路を用い、2本の金属配線のはんだ接続部の接続状況を判定する検査方法であって、
    1本の金属配線を接地した状態で、もう1本の金属配線を検査回路に接続し、検査回路から方形波信号を印加し、カウンタ回路のカウント数に基づきはんだ接続部の接続状況が正常、半断線故障または断線故障のいずれかにあることを判定するはんだ接続部の検査方法。
  6. はんだ接続部が、電子回路基板のパッドとCMOS論理ICのリードである請求項4または5のはんだ接続部の検査方法。
  7. 請求項2の検査回路を用い、直列にn個接続された一対のリードを有する半導体素子からなる被検査回路のはんだ接続部の接続状況を判定する検査方法であって、
    被検査回路の一方の端部に位置する半導体素子のマイナスリードを接地し、他方の端部に位置する半導体素子のプラスリードに検査プローブを当接させた状態で方形波信号源Vから印加し、表示部に表示された検査回路出力電圧の形状を観測することで、2n個のリードのはんだ接続部の接続状況が正常、半断線故障または断線故障のいずれかにあることを判定するはんだ接続部の検査方法。
  8. 半導体素子がLED素子である請求項7のはんだ接続部の検査方法。
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