JP2014095257A - 最下段用の袖瓦 - Google Patents

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【課題】下から2段目の袖瓦の垂下部下端に集まった雨水を、軒先にある雨樋の中へ確実に導くようにした最下段用の袖瓦を提供する。
【解決手段】屋根葺き材の上面を覆う本体部2と、この本体部2の妻側端縁において下方に向け垂設された垂下部3とからなり、屋根の最下段に葺設される最下段用の袖瓦において、前記垂下部3の外表面に、下から2段目に葺設した袖瓦21の垂下部下端から受けとった水滴を、破風板22を回避するように雨樋23へ導くための案内路11を形成した。前記案内路11の先端には、水滴が雨樋内へ落下するように水滴の流下方向を変換させるための方向変換用部材11aを取り付けるのが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、下から2段目の袖瓦の垂下部下端に集まった雨水を、軒先にある雨樋の中へ確実に導くようにした最下段用の袖瓦に関するものである。
従来から、切妻屋根等の袖部に葺設される袖瓦として、屋根葺き材の上面を覆う本体部と、この本体部の妻側において下方に向け垂設される垂下部とからなり、垂直方向の断面が逆L字状に構成されたものが知られている(例えば、特許文献1を参照)。しかしながら、この特許文献1に記載の袖瓦の場合は、降雨時に雨滴が袖瓦側面の継ぎ部からポタポタと落下する現象が生じ、静かな住宅街では騒音になるという問題等が指摘されていた。
そこで、特許文献2や特許文献3に示されるように、袖瓦の垂下部の下方に尻部から頭部にわたる凸状あるいは凹状の雨受け部を設けるとともに、この雨受け部を軒先まで連続させたものが提案されている。これによれば、前記雨受け部により垂下部の継ぎ部における雨垂れを防ぐことができ、また雨滴を雨受け部に沿って軒先まで導くことが可能である。そして、この雨受け部先端の雨水は、最終的には軒先に取り付けられた雨樋に案内されるようになっている。
しかし、屋根の構造にも様々なパターンがあって、例えば、破風板を軒先よりも更に前方に延長したものや、雨樋の端部を目隠し用の化粧板で遮ったもの等があり、この場合には前記破風板等が邪魔をして、雨受け部先端の雨水を雨樋内へ導くことができないという問題があった。更には、雨樋が垂下部下端よりも高い位置に取り付けられたものや、雨樋を軒先から少し前方側へ突き出たもの等もあり、この場合にも雨受け部先端の雨水を雨樋内へ導くことができないという問題があった。
特開平10−169104号公報 特開2003−20763号公報 特許第4804119号公報
本発明は上記のような問題点を解決して、破風板が軒先よりも更に前方に延長した屋根構造や、雨樋の端部を目隠し用の化粧板で遮った屋根構造や、雨樋が垂下部下端よりも高い位置に取り付けられた構造等からなり、袖瓦の雨受け部先端の雨水を雨樋内へ導くことができない屋根構造であったとしても、下から2段目の袖瓦の垂下部下端に集まった雨水を、軒先にある雨樋の中へ確実に導くことができる最下段用の袖瓦を提供することを目的として完成されたものである。
上記課題を解決するためになされた本発明の最下段用の袖瓦は、屋根葺き材の上面を覆う本体部と、この本体部の妻側端縁において下方に向け垂設された垂下部とからなり、屋根の最下段に葺設される最下段用の袖瓦において、前記垂下部の外表面に、下から2段目に葺設した袖瓦の垂下部下端から受けとった水滴を、破風板を回避するように雨樋へ導くための案内路を形成したことを特徴とするものである。
また前記案内路は、垂下部の尻側下端部から頭側端部へ至り、かつ頭側端部において雨樋より高い位置に通じているものとすることができ、これを請求項2に係る発明とする。
また、案内路の先端には、水滴が雨樋内へ落下するように水滴の流下方向を変換させるための方向変換用部材が取り付けてあるものとすることができ、これを請求項3に係る発明とする。
また、案内路は、帯状の金属板体からなり、垂下部の外表面に固定されているものとすることができ、これを請求項4に係る発明とする。
また、案内路は、垂下部の外表面に一体成形されているものとすることができ、これを請求項5に係る発明とする。
請求項1に係る発明では、垂下部の外表面に、下から2段目に葺設した袖瓦の垂下部下端から受けとった水滴を、破風板を回避するように雨樋へ導くための案内路を形成したので、破風板が軒先よりも更に前方に延長した屋根構造等からなり、下から2段目の袖瓦の垂下部下端に集まった雨水を、軒先にある雨樋の中へ確実に導くことができる。
また、請求項2に係る発明では、案内路は、垂下部の尻側下端部から頭側端部へ至り、かつ頭側端部において雨樋より高い位置に通じている構造としたので、破風板に邪魔されることなく雨水を雨樋の中へ確実に導くことができる。
また、請求項3に係る発明では、案内路の先端に、水滴が雨樋内へ落下するように水滴の流下方向を変換させるための方向変換用部材が取り付けてある構造としたので、破風板の内側に設置された雨樋の中へ雨水を確実に導くことができる。
また、請求項4に係る発明では、案内路は、帯状の金属板体からなり、垂下部の外表面に固定されている構造としたので、通常の袖瓦に前記金属板体を後から付けることで簡単に最下段用の袖瓦に変更することができ、優れた生産性、低コスト性を発揮できる。
また、請求項5に係る発明では、案内路は、垂下部の外表面に一体成形されている構造としたので、意匠性に優れた最下段用の袖瓦を提供することができる。
本発明の実施の形態を示す斜視図である。 図1の袖瓦の葺設状態を示す斜視図である。 図2の正面図である。 その他の実施の形態を示す斜視図である。
以下に、図面を参照しつつ本発明の好ましい実施の形態を示す。
図1は、本発明に係る最下段用の袖瓦の一例を示す斜視図、図2は図1の袖瓦の葺設状態を示す斜視図、図3は図2の正面図である。
本発明の最下段用の袖瓦は、切妻屋根のような勾配のある屋根の袖部に葺設されるものである。図1において、1は瓦本体1であり、基本的には野地板や瓦等の屋根葺き材(図示せず)の上面を覆う本体部2と、この本体部2の妻側において下方に向け垂設される垂下部3とから構成されており、長手方向に直交する断面は略逆L字状となっている。
図1〜図3に示すように、前記垂下部3の頭部(T)側端縁には厚みを薄くした薄肉部4が形成されている。一方、垂下部3の尻部(S)側端縁には上位位置である下から2段目に葺設される袖瓦21の薄肉部4を垂下部表面が面一となるように重ね合わせ可能な凹み部5が形成されており、また、この凹み部5の下端には下から2段目の袖瓦の薄肉部4の端縁4aに沿って垂下した雨滴が雨垂れとして落下するのを防止する鍔状の水受け部6が形成されている。
図中、22は破風板である。図示のものでは、破風板22は軒先よりも更に前方に延長されており、その先端には雨樋23の端部を遮蔽するための目隠し部22aが形成された構造となっている。そして、前記目隠し部22aは破風板22の高さよりも高くなっているため、垂下部3の下端縁を流下してきた水滴はこのままでは雨樋23には導かれない状態となっている。
そこで、本発明は上記最下段用の袖瓦において、前記垂下部3の外表面に、下から2段目に葺設した袖瓦21の垂下部下端から受けとった水滴を、破風板22を回避するように雨樋23へ導くための案内路11を形成した。
これにより、下から2段目の袖瓦21の垂下部下端に集まった雨水を、破風板22を回避して軒先にある雨樋23の中へ確実に導くことができるようにしてある。
前記案内路11は、垂下部3の尻側下端部から頭側端部へ至り、かつ頭側端部において雨樋より高い位置に通じているよう構成されている。図示のものでは、破風板22の上端(あるいは、破風板22の先端に形成された目隠し部22aの上端)より高い位置に通じているよう構成されており、雨水を雨樋23の中へ確実に導くことが可能となっている。
また、案内路11の先端には、水滴が雨樋23内へ落下するように水滴の流下方向を変換させるための方向変換用部材11aが取り付けてある。この方向変換用部材11aは、案内路11を流れてきた雨水を略90°方向変換させて雨樋23内へ確実に導くためのものであり、更に先端側は上方に向けて湾曲加工されており、雨水の飛び散りがないように構成されている。
前記案内路11は、例えばステンレス製の帯状の金属板体からなり、垂下部3の外表面に固定されている。固定方法としては、例えばボルト等の締結具や接着剤などの一般的な固定手段を採用することができる。また、この案内路11の巾は、3〜10mm程度である。
その他、案内路11は、垂下部3の外表面に一体成形したものとすることもできる。例えば、前記案内路11の下方部が肉厚で、上方部が肉薄となるように成形型に凹凸を設けておき、プレス成形してできた段差を案内路とすることができる。
図4は、その他の袖瓦を示すものである。
この場合は、前記垂下部3の頭部側は葺設される袖瓦の重なり分に等しい長さだけ切り欠かれており、頭部(T)に板状の重なり本体部7が突出した状態となっている。また、垂下部3の頭部側端縁には厚みを薄くした断面略三角形状の薄肉部4が形成されている。一方、垂下部3の尻部側端縁には前記三角形状に対応した凹み部5が形成され、また該凹み部5の下端には前記三角形状に等しい水受け部6が形成されている。
図4のものにおいても、垂下部3の外表面に、下から2段目に葺設した袖瓦21の垂下部下端から受けとった水滴を、破風板22を回避するように雨樋23へ導くための案内路11を形成した構造となっている。
また、案内路11の先端には、水滴が雨樋23内へ落下するように水滴の流下方向を変換させるための方向変換用部材11aが取り付けてある点や、案内路11がステンレス製の帯状の金属板体からなる点は図1のものと同様である。
この場合も、案内路11は垂下部3の尻側下端部から頭側端部へ至り、かつ頭側端部において雨樋23より高い位置に通じているよう構成されているので、雨水を雨樋23へ確実に導くことが可能となる。
更に、図4のものでは、垂下部3の頭部側端縁が尻部側へ入り込んだ位置にあるため、流下する雨滴が少なく、また、垂下部下端縁を流下して来る雨滴と合流しても雨垂れを発生しにくい構造となっている。
以上のように構成された最下段用の袖瓦は、図2、及び図3に示すように、尻部(S)に上位側に位置する下から2段目の袖瓦の頭部(T)が重なるように葺設され使用に供される。
本発明では、垂下部3の外表面に、破風板22を回避するように雨樋23へ導くための案内路11が形成されているので、下から2段目に葺設した袖瓦21の垂下部下端から受けとった水滴は、前記案内路11により頭側の端縁4aまで導かれる。この案内路11の頭側端部は雨樋23より高い位置に通じているので、水滴は全て雨樋23内へ導かれることとなる。
このように、破風板が軒先よりも更に前方に延長した屋根構造や、雨樋の端部を目隠し用の化粧板で遮った屋根構造や、雨樋が垂下部下端よりも高い位置に取り付けられた構造等からなり、袖瓦の雨受け部先端の雨水を雨樋内へ導くことができない屋根構造であったとしても、本発明の最下段用の袖瓦は、下から2段目の袖瓦の垂下部下端に集まった雨水を、軒先にある雨樋の中へ確実に導くことができることとなる。しかも、簡単な構造でありコスト的にも低廉なものとすることができ、また、スッキリとした外観を呈するもので意匠的にも優れたものである。
1 瓦本体
2 本体部
3 垂下部
4 薄肉部
4a 端縁
5 凹み部
6 水受け部
7 重なり本体部
11 案内路
11a 方向変換用部材
21 2段目の袖瓦
22 破風板
22a 目隠し部
23 雨樋
S 尻部
T 頭部

Claims (5)

  1. 屋根葺き材の上面を覆う本体部と、この本体部の妻側端縁において下方に向け垂設された垂下部とからなり、屋根の最下段に葺設される最下段用の袖瓦において、前記垂下部の外表面に、下から2段目に葺設した袖瓦の垂下部下端から受けとった水滴を、破風板を回避するように雨樋へ導くための案内路を形成したことを特徴とする最下段用の袖瓦。
  2. 案内路は、垂下部の尻側下端部から頭側端部へ至り、かつ頭側端部において雨樋より高い位置に通じている請求項1に記載の最下段用の袖瓦。
  3. 案内路の先端には、水滴が雨樋内へ落下するように水滴の流下方向を変換させるための方向変換用部材が取り付けてある請求項1または2に記載の最下段用の袖瓦。
  4. 案内路は、帯状の金属板体からなり、垂下部の外表面に固定されている請求項1〜3のいずれかに記載の最下段用の袖瓦。
  5. 案内路は、垂下部の外表面に一体成形されている請求項1〜3のいずれかに記載の最下段用の袖瓦。
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