JP2014095242A - 引戸の位置保持装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】マグネットの吸着磁力を利用して引戸を全開又は全閉位置で位置保持するにあたり、キャッチ部52を、マグネット部62とは非接触状態で当接部63に当接させ、マグネット部62の磁気力を、挿通孔631の内周域を磁路として磁力伝達させ、揺動可能な状態で磁力吸着させて引戸を位置保持し、吸着状態でマグネット部62との対面間隔を調整操作して、引戸ごとに吸引磁気力の強弱の可変調整を行えるようにする。
【解決手段】キャッチ部52を、マグネット部62を挿通孔631を介して対向離間した状態で当接部63に当接させて、挿通孔631の内周域を、磁力吸着させる磁路としての機能と、両者の対面間隔を調整して引戸1の吸着保持力を設定する調整域Sとして機能と兼用可能に構成する。

【選択図】図7

Description

本発明は、上吊式の引戸を、引戸側に設けられたキャッチ手段と、取付けベース側に設けられたマグネット手段の吸着磁力とによって、全開または全閉位置で保持する引戸の位置保持装置に関する。
従来、建物の出入り口や鉄道車両の客車間開口部等における上吊式の引戸には、引戸を全開状態または全閉状態に保持するために、マグネット(永久磁石)の吸着磁力を利用するようにしたものが知られている(特許文献1、2参照)。
特許文献1のものは、吊り車のハンガー金具(6)に吸着部(4)を取着し、ハンガーレール(2)が設けられた取付けベース固定側(2A)に、永久磁石としての吸着ストッパ(3)を取着して、全開または全閉位置で吸着部(4)を吸着ストッパ(3)に吸着させるようにしたものであり、特許文献2のものは、定置吸引部(21b)の永久磁石(21)とキャッチ部としての可動吸引部(25b)とを隙間Sを存して非接触状態で対面させ、永久磁石の吸引磁力によって、引戸の全開または全閉位置で保持し、隙間(S)を近接離間操作することで永久磁石の吸引磁力の強弱を調整するようにしたものである。
ところで、鉄道車両の客車間開口部等における上吊式の引戸(妻引戸)は、人の乗り降りやカーブ走行等の際に、車体自身が揺れたり傾いたり、遠心力が掛かるなどして、引戸に対してその吸着保持状態を解離するような外力を受けるため、このような解離作用を受けても引戸を全開または全閉位置で確実に位置保持する必要がある。
しかしながら、特許文献1のものでは、確実な吸着保持ができるものの、妻引戸はその重量もばらばら(35kg〜60kg程度)で、引戸重量ごとに、その都度異なる吸引磁気力のマグネットを選定し、吸着保持力の設定をして製作しなければならず、製作の煩雑化を招き多様性に欠けるだけでなく、マグネットに直接吸着させているため当接時に破損したり、衝突音を発するなどの問題点を有していた。一方、特許文献2のものでは、非接触状態で位置保持するので、マグネットの破損はある程度回避できるものの、隙間Sの狭めて設定すると閉戸時に戸先ゴムが弾性変形の影響を受けて吸着してしまい、マグネットを破損してしまう危惧があり、しかも、マグネットとの保持位置における吸引磁力が安定せず、振動や傾動、遠心力といった外力を受けることによって離間し易く、引戸を安定的に位置保持できないため、車両用引戸に実質的に採用することができないという問題点を有していた。
なお、上記かっこ()と共に付した符号は、各特許文献中で使用された符号である。
特開2000−130020号公報 特開2004−204630号公報
本発明は、上記の如き問題点を一掃すべく創案されたものであって、マグネットの吸着磁力を利用して引戸を全開または全閉位置で位置保持するものでありながら、キャッチ部を、マグネット部とは非接触状態で当接部の挿通孔前周面に当接させ、その当接時に、マグネット部の磁気力を、挿通孔の内周域を磁路として機能させることで磁力伝達を図り、挿通孔の前周面に揺動可能な状態で磁力吸着させて引戸を位置保持できるようにすると共に、吸着状態でマグネット部との対面間隔を近接離間する調整操作をし得て、キャッチ部を介してマグネット部に流れる吸引磁気力の強弱の可変調整を可能とし、引戸装置に最適な吸着保持力を設定できるようにして、大きさや重量の異なる引戸に対する適用の多様化と製作の一元化を図ることができる引戸の位置保持装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明の引戸の位置保持装置は、引戸の上端部に設けられた吊り車が、取付けベースに設けられたハンガーレール上を転動して開閉する上吊式の引戸装置に備えられ、引戸の戸先側または戸尻側に配設されるキャッチ手段とマグネット手段とを組として構成され、キャッチ手段を、マグネット手段の吸着磁力によって引戸を全開または全閉位置で保持する位置保持装置であって、前記キャッチ手段は、前記吊り車の吊り金具または取付けベースに取着されるキャッチ取付け基板と、該キャッチ取付け基板に常時突出方向に弾発付勢されて揺動可能に設けられ、前記マグネット手段に対面当接するキャッチ部とで構成され、前記マグネット手段は、前記吊り金具または取付けベースに取着されるマグネット取付け基板と、該マグネット取付け基板に、螺合送り操作によりその対向間隔を調整可能に前記キャッチ部に対面して設けられたマグネット部と、該マグネット部の外周を覆う挿通孔を有し、該挿通孔の前周面に対して前記キャッチ部が当接される強磁性体にて形成される当接部とで構成され、前記当接部は、前記キャッチ部が当接した際に、前記マグネット部を非接触対面させた状態で、前記挿通孔の内周域を、その内周面とマグネット部の外周面とを磁力伝達可能に配置せしめて磁路として機能させ、キャッチ部を吸着保持させた状態で吸引磁力の強弱を前記螺合送り操作により吸着保持力を調整設定する調整域として機能すべく構成されていることを特徴とするものである。
本発明は、上記のように構成したことにより、マグネットの吸着磁力を利用して引戸を全開または全閉位置で位置保持するものでありながら、強磁性体にて形成される当接部の挿通孔前周面にキャッチ部が当接した際、マグネット部の磁気力を、固定された磁路として機能する挿通孔の内周域を通って、漏洩磁束を減少して効率のよい磁力伝達が図られ、安定した磁界を形成し、キャッチ部を、マグネット部に直接当接させない非接触状態で、かつ揺動可能な状態で強固に吸着保持することができるだけでなく、マグネットの破損回避は勿論、閉戸時に戸先ゴムの弾性変形を受けても、キャッチ部が後方に揺動するので、面一に当接でき当接音の発生も抑止される。しかも、キャッチ部が当接部に磁力吸着した状態で、マグネット部との対面間隔を僅かな隙間であっても開閉に際して磁極短絡することがなく、精度良く近接離間する調整設定を行い得て、キャッチ部を介してマグネット部に流れる吸引磁気力の強弱を可変調整操作して、引戸ごとに最適な吸着磁力をもって位置保持設定することができる。その結果、自閉式引戸の戸先側と戸尻側の吸着保持力を異ならしめた設定や、開閉ストローク、大きさ、重量といった引戸1ごとに異なる吸着保持力を個々別々に設定することができ、その都度マグネットの磁気力を選定する必要もなく、一種類のマグネット手段をもって適用の多様化と製作の一元化を図ることができると共に、車両用引戸の如く振動や傾動、遠心力といった外力の影響を受けても、これら外力に追随してキャッチ部が揺動し、吸着ズレが防止され面一な吸着状態が維持されて解離規制がなされ、引戸1を位置保持することができる。
本発明の実施形態を示す全閉状態における上吊式引戸装置の上部正面図である。 図1の上部側面図であり、(A)はA−A矢示図、(B)はB−B矢示図である。 戸先側に取り付けられるマグネット手段の構成図であり、(A)は正面図、(B)は側面図である。 戸先側に取り付けられるキャッチ手段の構成図であり、(A)は正面図、(B)は側面図、(C)は平面図である。 戸尻側に取り付けられるマグネット手段の構成図であり、(A)は正面図、(B)は側面図、(C)は平面図である。 戸先側に取り付けられるキャッチ手段の構成図であり、(A)は正面図、(B)は側面図、(C)は平面図である。 戸先側におけるキャッチ部とマグネット部との吸着保持状態を示す要部断面図である。
以下、本発明の実施の形態を好適な実施の形態として例示する引戸の位置保持装置を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、全閉状態における上吊式引戸装置の上部正面図、図2(A)は図1のA−A矢示上部側面図、(B)はB−B矢示上部側面図はであって、引戸1は、その上端部に固定された吊り車2、2が、上枠等の取付けベース11に水平状に設けられた案内レール12を転動することによって引戸開口部を開閉する上吊式の片引戸で構成され、開放された引戸1は戸袋13に収納されるようになっている。
また、引戸1には、その上部の部材収容スペースに、案内レール12の下面を転動する振れ止めローラ22、常時巻取方向に付勢されたワイヤー31にて構成される自閉装置3、開戸側と閉戸側のエアークッション4、4、戸先側と戸尻側にそれぞれキャッチ手段5とマグネット手段6とを組として構成される引戸1を全開位置と全閉位置で保持する位置保持装置が備えられており、点検口を介して前側から調整できるようになっている。
エアークッション4は、エアーシリンダ式の制動装置であって、開戸側のものは吊り車2、2の吊り金具21、21間に横架して、閉戸側のものは取付けベース11に、それぞれピストンロッド41を戸尻側に向けて取付位置を異ならしめて配設され、それぞれピストンロッド41の先端面と対向する位置には、マグネット接離部材42、42が配設され、当接時に吸着するようになっている。引戸1を開戸移動すると、閉戸側のピストンロッド41が引き出され、その途中で吸着が解除され、開戸終了途中でピストンロッド41の先端面がマグネット接離部材42に当接吸着し、移動継続に伴ってピストンロッド41が押し込まれるエアー制御によって、開放スピードを減速させて低速で全開位置まで移動する。引戸1の閉戸移動にはこれとは逆の吸着解除と当接吸着とにより減速動作が行われる。
なお、ピストンロッド41の先端面は樹脂コーティングされており、当接吸着時の当接音が発生しないようになっており、また、ピストンロッド41の引き出し抵抗はほとんど無いため、その吸着磁力も極めて弱いものとなっている。これらエアークッション4の構成は概略公知である。
図4は、戸先側に取り付けられるキャッチ手段の構成図、図6は、戸尻側に取り付けられるキャッチ手段の構成図であって、キャッチ手段5は、戸先側の吊り金具21と、戸尻側となる戸袋13内の取付けベース11基端側のそれぞれに取着されるキャッチ取付け基板51と、マグネット手段6に対面当接するキャッチ部52とで構成される。
キャッチ取付け基板51には、取付けベース11や吊り金具21への取付け片511とキャッチ部52を支持する支持片512とを有して平面視L字状に折曲形成され、戸先側に配設されるキャッチ取付け基板51への取付け片511には長孔が穿設され、吊り金具21へ取着する際に、キャッチ部52がマグネット手段6に対面当接する位置を調整できるようになっており、キャッチ部52を支持する支持片には、支軸521の後端部を遊嵌状に抜け止め挿入する軸孔513が穿設されている。
キャッチ部52は、後述する当接部63に当接する挿通孔631の外径よりも大きな円板状に形成され、その後端部が軸孔513に遊嵌状に抜け止め挿入された支軸521に、コイルスプリング522を介装した状態で、その先端面に対して、中心位置でビス固定することにより支持し、常時突出方向に弾発付勢されて前後方向及び円周方向に揺動可能に構成される。キャッチ部52と当接部63との当接設定は、支軸521の抜け止め基端部が支持片512に当接した状態(後方に押圧されて遊びを有しない状態)でセッティングすることが好適であり、特に、車両用引戸のように遠心力等による開戸方向に外力を受けた際に遊びによる反動が抑止することができる。従って、この様に構成すると、面一な当接が図られ当接音の発生が抑止され、永久磁石621(マグネット)の破損回避は勿論、閉戸時の戸先ゴムの弾性変形や、振動や傾動、遠心力といった外力の影響を受けても、吸着状態でこれら外力に追随してキャッチ部52が揺動し、吸着ズレが防止され面一な吸着が維持され解離規制することができる。
図3は、戸先側に取り付けられるマグネット手段の構成図、図5は、戸尻側に取り付けられるマグネット手段の構成図であって、マグネット手段6は、戸先側の取付けベース11と戸尻側の吊り金具21にそれぞれ取着されるマグネット取付け基板61と、該マグネット取付け基板61に、螺合送り操作によりその対向間隔を調整可能にキャッチ部52に対面して設けられたマグネット部62と、該マグネット部62の外周を覆う挿通孔631を有し、この挿通孔631の前周面に対してキャッチ部52が当接される強磁性体にて形成される当接部63とで構成される。
マグネット部62は、キャッチ部52側面をS極面とし背反側面をN極面として、中心にビス孔を有したドーナツ型円盤状に形成された永久磁石621が、N極側を接触させ、その外周面を磁極短絡させない非接触状態(図示しない)で鋼製のヨーク622内に被嵌収容された、所謂円盤型マグネットにて構成され、マグネット部62には、ヨーク622の中心に挿入されたビス623が背面側でナット止めされている。
戸先側に配設されるマグネット取付け基板61は、マグネット部62の背面側から突出するビス623を螺入し背面側でロックナット624により固定する固定片611と、取付けベース11への取付け片612、当接部63を取付けする取付け片613を一体的に折曲形成して構成される。当接部63は、挿通孔631を有するキャッチ部52の当接面の上下にそれぞれ取付け片632、632を折曲して正面視コ字状に形成し、これをマグネット取付け基板61の取付け片613にビス固定され、さらに、上側取付け片613は自閉装置3が装着されるブラケットに兼用されている。
戸尻側に配設されるマグネット取付け基板61は、マグネット部62の背面側から突出するビス623を螺入し前面側でロックナット624により固定する固定片611と、吊り金具21への取付け片612とで折曲形成され、当接部63は、固定片611から折曲させた立上り片を介してマグネット取付け基板61と一体成形されている。また、取付け片612には、長孔が穿設され、吊り金具21へ取着する際に、キャッチ部52がマグネット手段6に対面当接する位置を調整できるようになっている。
つまり、固定片611と当接部63とは、所定間隔を存して対向離間しており、マグネット部62は、挿通孔631に挿入された状態で、その背面側から突出する固定片611に螺入されたビス623を介して取り付けられ、ビス623の螺合送り操作により、当接部63の略板厚幅となる前面から後面より僅かに離間した挿通孔631の内周面域間の磁力伝達可能な範囲を、調整域Sとして進退移動させて位置決め調整可能に構成される。
一方、マグネット部62の磁力は、ヨーク622の円周先端側に磁束誘導されたN極が、その前周端面から出て永久磁石621のS極表面に入る流れにより集束された磁界(磁束ループ)を形成するので、マグネット部62を、強磁性体にて形成される当接部63の挿通孔631から僅かに離間した状態から挿入された状態までの範囲内において、その内周面域にN極が磁束誘導される。このキャッチ部52を当接させない状態では、挿通孔631の円周廻りとなる当接部63の前周面域は殆ど吸着磁力を有しない。なお、本実施例では、ヨーク622の外周面を挿通孔631の内周面と僅かな隙間をもって挿入したが、接触した状態で挿入させても良く、当接部63は板材で形成しその板厚を利用して調整域Sに設定したが、別途筒状部材を用いて挿通孔631に取着し調整域Sを長めに設定できるようにしても良く、要はヨーク622の磁極が強磁性体を介して磁束誘導されれば良い。
次に、キャッチ部52を当接部63に当接させた状態におけるマグネット部62の吸着保持機能について、図7の戸先側におけるキャッチ部とマグネット部との吸着保持状態を示す要部断面図に基づいて説明する。この図に示すように、キャッチ部52を、マグネット部62に直接当接させない非接触状態で、挿通孔631の前周面域となる当接部63に当接(接触)させると、予めヨーク622の磁極(N極)が磁束誘導された状態にある挿通孔631の内周域が磁路として機能し、この内周域を通ることで漏洩磁束を減少させ、瞬時にキャッチ部52に環状で均等な磁力伝達がなされ、対向空間域を介してマグネット部62(S極)へ流れる効率のよい安定した磁界が形成されて磁力吸着がなされる。このキャッチ部52が当接部63に磁力吸着した状態で、マグネット部62との対面間隔(対向空間域)を、ビス623の螺合送り操作により近接(接近)離間する調整することで、キャッチ部52から対向空間域を介してマグネット部62に流れる吸引磁気力の強弱(吸引磁力が接近するほど強く、遠ざけるほど弱くなる近接作用)を可変調整して設定できるようになっており、挿通孔631の内周域は、磁路としての機能と、その対面間隔を調整して吸着保持力を設定する調整域Sとしての機能を兼ね備えている。
このように構成すると、本実施例における自閉式引戸1を全開位置と全閉位置で位置保持する際に、全開位置では、自閉装置3により引戸1が閉戸側に引っ張られる外力を受けているので、戸尻側のマグネット部62と当接部63との吸着保持力を、戸先側のものよりも強めに設定する必要がある場合に、両者の設定を異なしめて調整することができ、さらには、鉄道車両に設置される引戸1(妻引戸)のように、人の乗り降りやカーブ走行等の際に、車体自身が揺れたり傾いたり、遠心力が加わるといった外力の影響を受けるものや、引戸1の移動ストローク、大きさや重量の異なるものであっても、設置される引戸1ごとにその対面間隔を調整して最適な吸着保持力を設定することができ、引戸ごとに異なる磁力の永久磁石621を選定して、吸着保持力を設定製作する必要が回避される。
叙述の如く構成された本発明の実施の形態において、キャッチ手段5を、マグネット手段6の吸着磁力によって引戸を全開または全閉位置で保持する位置保持するのであるが、本発明にかかる位置保持装置は、キャッチ手段5が、吊り車2の吊り金具21または取付けベース11に取着されるキャッチ取付け基板51と、該キャッチ取付け基板51に常時突出方向に弾発付勢されて揺動可能に設けられ、マグネット手段6に対面当接するキャッチ部52とで構成され、マグネット手段6は、吊り金具21または取付けベース11に取着されるマグネット取付け基板61と、該マグネット取付け基板61に、螺合送り操作によりその対向間隔を調整可能にキャッチ部52に対面して設けられたマグネット部62と、該マグネット部62の外周を覆う挿通孔631を有し、挿通孔631の前周面に対してキャッチ部52が当接される強磁性体にて形成される当接部63とで構成され、当接部63は、キャッチ部52が当接した際に、マグネット部62を非接触対面させた状態で、挿通孔631の内周域を、その内周面とマグネット部62の外周面とを磁力伝達可能に配置せしめて磁路として機能させ、キャッチ部52を吸着保持すると共に、この吸着状態で吸引磁力の強弱をビス623の螺合送り操作により調整して吸着保持力を設定する調整域Sとして機能すべく構成されている。
そのため、永久磁石621(マグネット)の吸着磁力を利用して引戸1を全開または全閉位置で位置保持するものでありながら、強磁性体にて形成される当接部63の挿通孔631前周面にキャッチ部52が当接した際、マグネット部62の磁気力を、固定された磁路として機能する挿通孔631の内周域を通って、漏洩磁束を減少させ効率のよい磁力伝達が図られ、安定した磁界を形成し、キャッチ部52を、マグネット部62に直接当接させない非接触状態で、かつ揺動可能な状態で強固に吸着保持することができるだけでなく、永久磁石621の破損回避は勿論、閉戸時に戸先ゴムの弾性変形を受けても、キャッチ部52が後方に揺動するので、面一に当接でき当接音の発生も抑止される。しかも、キャッチ部52が当接部63に磁力吸着した状態で、マグネット部62との対面間隔を僅かな隙間であっても開閉に際して磁極短絡することがなく、精度良く近接離間する調整設定を行い得て、キャッチ部52を介してマグネット部62に流れる吸引磁気力の強弱を可変調整操作して、引戸1ごとに最適な吸着磁力をもって位置保持設定することができる。その結果、自閉式引戸1の戸先側と戸尻側の吸着保持力を異ならしめた設定や、開閉ストローク、大きさ、重量といった引戸1ごとに異なる吸着保持力を個々別々に設定することができ、その都度マグネットの磁気力を選定する必要もなく、一種類のマグネット手段6をもって適用の多様化と製作の一元化を図ることができると共に、車両用引戸の如く振動や傾動、遠心力といった外力の影響を受けても、これら外力に追随してキャッチ部52が揺動し、吸着ズレが防止され面一な吸着状態が維持されて解離規制がなされ、引戸1を位置保持することができる。
また、戸先側に配設されるマグネット手段6には、その上端部に、常時巻取方向に付勢されたワイヤー31にて構成される自閉装置3が一体的に備えられている。この自閉装置3は、当接部63を、挿通孔631を有するキャッチ部52の当接面の上下にそれぞれ折曲せしめた取付け片632、632を有して正面視コ字状に形成すると共に、下側の取付け片632をマグネット取付け基板61に取着し、上側の取付け片632に装着されている。
この様に構成すると、出荷時に予め自閉装置3の自閉力調整と、これに適合したマグネット手段6の組み合わせ調整させた基本的な設定製作が行え、部品点数の削減と製作の規格統一がなされ製作の煩雑化が解消されるだけでなく、引戸1への取付け作業時に自閉力の強弱調整の操作を行いながら、キャッチ部52とマグネット部62との対向離間調整や、キャッチ部52と当接部63との当接調整の設定を同時に行うことができ、作業効率の向上を図ることができる。
また、キャッチ部52は、その中心に配設した支軸521にコイルスプリング522を装着した状態で、該支軸521の先端を、キャッチ取付け基板51に形成した軸孔513に遊嵌状に抜け止め挿入して支持し、当接部63に磁力吸着した状態で、前後方向及び円周方向に揺動可能に構成されているので、当接部63との面一な当接が図られ当接音の発生が抑止され、永久磁石621(マグネット)の破損回避は勿論、閉戸時の戸先ゴムの弾性変形や、地震等により、又は、車両用引戸の如く振動や傾動、遠心力といった外力の影響を受けても、吸着状態でこれら外力に追随してキャッチ部52が揺動し、吸着ズレが防止され面一な吸着が維持され解離を規制することができる。
また、挿通孔631は、当接部63を板状部材として円形に打ち抜き形成されると共に、キャッチ部52は、挿通孔631の外径よりも大きな円板状に形成され、マグネット部62は、キャッチ部52の側面をS極面として背反するN極側をヨーク622内に収容された円盤状に形成され、ヨーク622の外周面が前記挿通孔の内周面と僅かな隙間をもって又は接触した状態で磁力伝達可能に挿入されるよう構成される。
このように構成すると、キャッチ部52を、マグネット部62に直接当接させない非接触状態で、挿通孔631の前周面域となる当接部63に当接(接触)した際、挿通孔631の内周域に対して、予めヨーク622の磁極(N極)が磁束誘導された状態とすることができ、この挿通孔631の内周域が磁路として機能し、この内周域を通ることで漏洩磁束を減少させ、瞬時にキャッチ部52に環状で均等な磁力伝達がなされ、対向空間域を介してマグネット部62(S極)へ流れる効率のよい安定した磁界形成によって磁力吸着させることができる。なお、キャッチ部52、マグネット部62、挿通孔631は円形に形成したが、角形であっても良く、その種類も選択できることは勿論である。
永久磁石621(マグネット)の吸着磁力を利用して引戸1を全開または全閉位置で位置保持するものでありながら、キャッチ部52を、マグネット部62とは非接触状態で当接部63の挿通孔631の前周面域に当接できるようにし、その当接時に、マグネット部62の磁気力を、挿通孔631の内周域を磁路として磁力伝達させ、挿通孔631の前周面に揺動可能な状態で磁力吸着させて引戸1を位置保持できるようにすると共に、吸着状態でマグネット部62との対面間隔を近接離間する調整操作を行い得て、キャッチ部52を介してマグネット部62に流れる吸引磁気力の強弱の可変調整を可能とし、引戸装置に最適な吸着保持力を設定できるようにして、一種類のマグネット手段6をもって開閉ストローク、大きさ、重量の異なる種々の引戸1に適用することができる。
1 引戸
11 取付けベース
12 案内レール
13 戸袋
2 吊り車
21 吊り金具
22 振れ止めローラ
3 自閉装置
31 ワイヤー
4 エアークッション
41 ピストンロッド
42 マグネット接離部材
5 キャッチ手段
51 キャッチ取付け基板
511 取付け片
512 支持片
513 軸孔
52 キャッチ部
521 支軸
522 コイルスプリング
6 マグネット手段
61 マグネット取付け基板
611 固定片
612 取付け片
613 取付け片
62 マグネット部
621 永久磁石
622 ヨーク
623 ビス
624 ロックナット
63 当接部
631 挿通孔
632 取付け片
S 調整域

Claims (5)

  1. 引戸の上端部に設けられた吊り車が、取付けベースに設けられたハンガーレール上を転動して開閉する上吊式の引戸装置に備えられ、
    引戸の戸先側または戸尻側に配設されキャッチ手段とマグネット手段とを組として構成され、キャッチ手段を、マグネット手段の吸着磁力によって引戸を全開または全閉位置で保持する位置保持装置であって、
    前記キャッチ手段は、前記吊り車の吊り金具または取付けベースに取着されるキャッチ取付け基板と、該キャッチ取付け基板に常時突出方向に弾発付勢されて揺動可能に設けられ、前記マグネット手段に対面当接するキャッチ部とで構成され、
    前記マグネット手段は、前記吊り金具または取付けベースに取着されるマグネット取付け基板と、該マグネット取付け基板に、螺合送り操作によりその対向間隔を調整可能に前記キャッチ部に対面して設けられたマグネット部と、該マグネット部の外周を覆う挿通孔を有し、該挿通孔の前周面に対して前記キャッチ部が当接される強磁性体にて形成される当接部とで構成され、
    前記当接部は、前記キャッチ部が当接した際に、前記マグネット部を非接触対面させた状態で、前記挿通孔の内周域を、その内周面とマグネット部の外周面とを磁力伝達可能に配置せしめて磁路として機能させ、キャッチ部を吸着保持させた状態で吸引磁力の強弱を前記螺合送り操作により吸着保持力を調整設定する調整域として機能すべく構成されていることを特徴とする引戸の位置保持装置。
  2. 請求項1において、前記戸先側に配設されるマグネット手段には、その上端部に、常時巻取方向に付勢されたワイヤーにて構成される自閉装置が一体的に備えられていることを特徴とする引戸の位置保持装置。
  3. 請求項2において、前記当接部を、前記挿通孔を有する前記キャッチ部の当接面の上下にそれぞれ折曲せしめた取付け片を有して正面視コ字状に形成すると共に、下側の取付け片を前記マグネット取付け基板に取着し、前記自閉装置は、上側の取付け片に装着されていることを特徴とする引戸の位置保持装置。
  4. 請求項1乃至3の何れかにおいて、前記キャッチ部は、その中心に配設した支軸にコイルスプリングを装着した状態で、該支軸の先端を、前記キャッチ取付け基板に形成した軸孔に遊嵌状に抜け止め挿入して支持し、前記当接部に磁力吸着した状態で、前後方向及び円周方向に揺動可能に構成されていることを特徴とする引戸の位置保持装置。
  5. 請求項1乃至4の何れかにおいて、前記挿通孔は、前記当接部を板状部材として円形に打ち抜き形成されると共に、前記キャッチ部は、前記挿通孔の外径よりも大きな円板状に形成され、前記マグネット部は、前記キャッチ部側面をS極面として背反するN極側をヨーク内に収容された円盤状に形成され、ヨークの外周面が前記挿通孔の内周面と僅かな隙間をもって又は接触した状態で磁力伝達可能に挿入されることを特徴とする引戸の位置保持装置。
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