本発明の毛髪用組成物は、(a)ウスベニアオイ又はブクリョウ、及び(b)カフェイン又はカカオ脂を含有する。
本発明において、(a)成分のウスベニアオイとは、アオイ科ゼニアオイ属のウスベニアオイ(学名はMalva sylvestris、ブルーマロウとも呼ばれる)から得られる固形物、乾燥物又はそれらからの抽出物を示す。ウスベニアオイは、ヨーロッパ原産の多年草であり、野生に生育している植物であるが、ハーブや生薬として用いるために栽培もされている。
本発明において、ウスベニアオイを抽出物として用いる場合は、ウスベニアオイの抽出物は、その抽出方法が特に制限されるものではないが、ウスベニアオイの全部又は一部の乾燥物、あるいはその乾燥物を破砕・粉砕した粉末から、溶媒により抽出される。ウスベニアオイの抽出物は、そのまま用いてもよく、希釈又は濃縮して用いてもよい。またはウスベニアオイの抽出物を得る場合には、凍結乾燥により保存されたウスベニアオイを用いることも可能である。これらのウスベニアオイは市販品を用いることも可能である。ウスベニアオイの市販品としては、例えば商品名:ウスベニアオイ抽出液LA、ウスベニアオイ抽出液BG又はマローモイスチャー(ともに丸善製薬株式会社製)等が挙げられる。
本発明において、(a)成分のブクリョウとは、サルノコシカケ科アナタケ属のブクリョウ(学名はPoria cocos(Fr.)Wolf、マツホドとも呼ばれる)の菌核から得られる生薬又はそれから得られる抽出物を示す。ブクリョウは、宿主であるマツ(Pinus属)やモミ(Abies属)など寄生し、木が枯れた後に形成される。ブクリョウには、多糖類のパキマン、トリテルペノイドのエブリコ酸などを有効成分として含むため、利尿、抗菌、腸弛緩作用等を目的とした生薬に配合される。
本発明において、ブクリョウを抽出物として用いる場合は、ブクリョウの抽出物は、その抽出方法が特に制限されるものではないが、ブクリョウの菌核の全部又は一部の乾燥物、あるいはその乾燥物を破砕・粉砕した粉末から、溶媒により抽出される。ブクリョウの抽出物は、そのまま用いてもよく、希釈又は濃縮して用いてもよい。またはブクリョウの抽出物を得る場合には、凍結乾燥により保存されたブクリョウを用いることも可能である。これらのブクリョウは市販品を用いることも可能である。ブクリョウの市販品としては、例えば商品名:ファルコレックスブクリョウ E又はファルコレックス ブクリョウ B(ともに一丸ファルコス株式会社製)等が挙げられる。
ウスベニアオイ又はブクリョウの抽出に用いる溶媒としては、例えば、水、アルコール、またはこれらの混合物が挙げられ、水、メタノール、エタノール、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン又はこれらの混合物が好ましく、水、エタノール又はエタノール含有水がさらに好ましい。
抽出に用いるウスベニアオイの部位は、特に限定はされないが、例えば、花、葉、茎、根等が挙げられ、花、葉が好ましい。
抽出方法は特に限定はされないが、例えば、ウスベニアオイ又はブクリョウの全部または一部を裁断し、破砕し、抽出溶媒を加えて、室温ないし加熱を行った後、ウスベニアオイ又はブクリョウのエキスを抽出する方法が挙げられる。また、抽出条件は通常の条件を適用することができ、限定はされないが、ウスベニアオイ又はブクリョウの乾燥物を、例えば3〜100℃で溶媒に浸漬又は加熱還流する方法を採用することができる。抽出溶媒を加える前に、ウスベニアオイ又はブクリョウに、酸、アルカリ、または酵素を加えることで、抽出効率を高めることも可能である。
本発明において、(a)成分のウスベニアオイの含有量は、育毛効果、白髪改善効果、使用感、製剤安定性、着色及びにおいの観点から、毛髪用組成物の総量を基準として、固形分換算で0.000001〜10重量%、好ましくは0.00001〜5重量%、さらに好ましくは0.0005〜2重量%とすることができる。
本発明において、(a)成分のブクリョウの含有量は、育毛効果、使用感、製剤安定性、着色及びにおいの観点から、毛髪用組成物の総量を基準として、固形分換算で0.000001〜10重量%、好ましくは0.00001〜5重量%、さらに好ましくは0.0005〜2重量%とすることができる。
本発明において、(b)成分のカフェインとは、カフェイン(1,3,7−トリメチルキサンチン)又はカフェインとテオフィリンやテオブロミン等のカフェイン誘導体との混合物を示す。カフェインは、カフェインを含有する茶葉、コーヒー豆、ガラナ、ココア等から抽出して得ることができる。抽出されたカフェインは、そのまま用いても、希釈液又は濃縮液として用いても良い。カフェインは、合成品を用いる事も可能である。カフェインは市販品を用いることも可能である。カフェインの市販品としては、例えば商品名:無水カフェイン(静岡カフェイン工業所製)等が挙げられる。
本発明において、(b)成分のカフェインの含有量は、育毛効果、使用感及び製剤安定性の観点から、毛髪用組成物の総量を基準として、0.0000001〜10重量%、好ましくは0.000005〜5重量%、さらに好ましくは0.00001〜2重量%とすることができる。
本発明において、(b)成分のカカオ脂(カカオバターとも呼ばれる)とは、カカオの種子から得られる脂肪成分を示す。有効成分として、オレイン酸、ステアリン酸、パルミチン酸等を含有することが知られている。カカオ脂は、一般的には、カカオの種子を炒った後、磨り潰し、圧搾することで得ることができる。カカオ脂は市販品を用いることも可能である。カカオ脂の市販品としては、例えば商品名:カカオバター(大東カカオ株式会社製)等が挙げられる。
本発明において、(b)成分のカカオ脂の含有量は、育毛効果、使用感及び製剤安定性の観点から、毛髪用組成物の総量を基準として、0.0000001〜10重量%、好ましくは0.000005〜5重量%、さらに好ましくは0.00001〜2重量%とすることができる。
本発明において、成分(a)及び(b)の配合重量比(固形分換算)は、育毛効果、使用感、及び製剤安定性の観点から、毛髪用組成物の総量を基準として、固形分換算で(a):(b)=0.000001〜100000:1、好ましくは(a):(b)=0.0001〜1000:1、さらに好ましくは(a):(b)=0.001〜100:1とすることができる
また、本発明者らは、ウスベニアオイが、SCF産生効果及びメラニン産生効果を有することを新たに見出した。例えば、頭皮にウスベニアオイを含有するメラニン産生促進剤又は白髪改善用組成物を適用した場合、ケラチナサイト等におけるSCFの産生が促進し、白髪の進行が抑制され、又は白髪が予防・改善される。また、メラニン産生細胞におけるメラニンの産生が促進し、白髪が予防・改善される。したがって、ウスベニアオイはメラニン産生促進剤又は白髪改善用組成物に好適である。
本発明において、メラニン産生促進剤とは、メラニン細胞又はメラノーマ細胞等のメラニン産生可能な細胞において、メラニン産生を促進させる効果を有する薬剤を示す。また、本発明におけるメラニン産生促進剤には、正常細胞におけるSCF産生を促進させることで、メラニン細胞の増殖を活性化することができる薬剤も含まれる。
本発明において、白髪改善用組成物とは、メラニン細胞の増殖を促す、及び/又はメラニン細胞からのメラニン産生を促進させることで、白髪を予防及び/又は白髪を改善することができる毛髪用組成物を示す。
ウスベニアオイと、カフェイン又はカカオ脂を含有するメラニン産生促進剤は、育毛効果に加え、ウスベニアオイを含有することによるメラニン産生促進効果を有する。また、ウスベニアオイと、カフェイン又はカカオ脂を含有する毛髪用組成物は、育毛効果を備えた白髪改善用の毛髪用組成物として好適である。
本発明の毛髪用組成物、メラニン産生促進剤又は白髪改善用組成物は、毛髪に用いられる化粧料、毛髪のために用いられる医薬品又は医薬部外品の公知の形態であれば、特に限定するものではないが、例えば、液剤、懸濁剤、乳剤、クリーム剤、軟膏剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、ゲル剤、リニメント剤、ローション剤、エアゾール剤、パウダー剤、不織布等のシートに毛髪用組成物を含浸させたシート剤等が挙げられる。中でも、好ましくは、液剤、懸濁剤、乳剤、クリーム剤、軟膏剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、ゲル剤、ローション剤、ゲル剤の形態で用いられる。かかる形態とすることにより、本発明の毛髪用組成物は育毛効果を十分に発揮することができる。また、本発明のメラニン産生促進剤又は白髪改善用組成物は白髪予防・改善効果を十分に発揮することができる。
本発明の毛髪用組成物、メラニン産生促進剤又は白髪改善用組成物のより詳細で具体的な形態としては、育毛剤、シャンプー、リンス、トリートメント、コンディショナー、ヘアーパック、ヘアークリーム、ヘアーリキッド、整髪料、ヘアートニック、パーマネント剤、ヘアカラー剤等が挙げられる。
また、本発明の毛髪用組成物、メラニン産生促進剤又は白髪改善用組成物のより詳細で具体的な形態としては、服用形態が挙げられ、経口的に服用されてもよく、例えば、カプセル剤、錠剤、顆粒剤、ゲル剤、シロップ剤、チューングガム等の形態により、公知の方法で製剤化することができる。
また、本発明の毛髪用組成物の使用形態としては、例えば、育毛を行いたい頭皮の皮膚又は毛髪に直接塗布又は散布することにより用いることができる。
また、本発明のメラニン産生促進剤又は白髪改善用組成物の使用形態としては、例えば、白髪を改善したい部位、白髪を予防したい部位等の皮膚又は毛髪に直接塗布又は散布することにより用いることができる。
本発明の毛髪用組成物、メラニン産生促進剤又は白髪改善用組成物の有効投与量は、皮膚に塗布する場合には、固形分換算で、単位面積あたり1回、約0.0001〜10mg/cm2である。
本発明の毛髪用組成物、メラニン産生促進剤又は白髪改善用組成物を経口的に服用する場合は、固形分換算で、成人1日あたり約0.0001〜10mgである。
本発明の毛髪用組成物を、上記の形態で毛髪に適用することで、育毛効果により、毛髪にハリが得られ、髪が切れにくくなり、髪が太くなり、抜毛が減り又は指通りが滑らかになることが期待される。
本発明のメラニン産生促進剤又は白髪改善用組成物を、上記の形態で毛髪に適用することで、白髪予防・改善効果により、つややかな黒髪が得られ、白髪が増えず又は白髪が黒髪に戻ることが期待される。
本発明の毛髪用組成物、メラニン産生促進剤又は白髪改善用組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、化粧料として、あるいは医薬品、医薬部外品等として用いられ得る、公知の基剤又は担体と共に混合して組成物とすることができる。その他に、本発明の毛髪用組成物、メラニン産生促進剤又は白髪改善用組成物には、例えば、界面活性剤、油分、アルコール類、増粘剤、防腐剤、抗酸化剤、酸化防止剤、保存剤、キレート剤、pH調整剤、安定化剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤、無痛化剤、分散剤、香料、着色剤、色素、水等の添加剤を配合することができる。添加剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
基剤又は担体としては、流動パラフィン、スクワラン、ゲル化炭化水素(プラスチベースなど)、オゾケライト、α−オレフィンオリゴマー、軽質流動パラフィンのような炭化水素;メチルポリシロキサン、架橋型メチルポリシロキサン、高重合メチルポリシロキサン、環状シリコーン、アルキル変性シリコーン、架橋型アルキル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン、架橋型ポリエーテル変性シリコーン、架橋型アルキルポリエーテル変性シリコーン、シリコーン・アルキル鎖共変性ポリエーテル変性シリコーン、シリコーン・アルキル鎖共変性ポリグリセリン変性シリコーン、ポリエーテル変性分岐シリコーン、ポリグリセリン変性分岐シリコーン、アクリルシリコン、フェニル変性シリコーン、シリコーンレジンのようなシリコーン油;ポリエチレングリコール;ジオキサン;ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリットのようなエステル類;エタノール、イソプロパノールのような低級アルコール;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルのようなグリコールエーテル;ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、グリセリン、イソプレングリコール、ペンタンジオール、ヘキサンジオールなどの多価アルコール;水などの水系基剤などが挙げられる。
基剤又は担体は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
界面活性剤としては、例えば、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ペンタ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、テトラ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタンのようなソルビタン脂肪酸エステル類;モノステアリン酸プロピレングリコールのようなプロピレングリコール脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40(HCO−40)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油50(HCO−50)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60(HCO−60)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油80などの硬化ヒマシ油誘導体;モノラウリル酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート20)、モノステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート60)、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート80)、イソステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタンのようなポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンモノヤシ油脂肪酸グリセリル;グリセリンアルキルエーテル;アルキルグルコシド;ポリオキシエチレンセチルエーテルのようなポリオキシアルキレンアルキルエーテル;ステアリルアミン、オレイルアミンのようなアミン類;ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ラウリルPEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンのようなシリコーン系界面活性剤;ラウリン酸塩、パルミチン酸塩、ココイルグルタミン酸塩、ヤシ油メチルアラニン塩、アシルメチルタウリン塩、ポリオキシエチレンラウリル硫酸塩のようなアニオン性界面活性剤、ラウリルジアミノエチルグリシン塩、ヤシ油脂肪酸ベタイン塩などの両性界面活性剤などが挙げられる。
油分としては、天然動植物油脂類、炭化水素油、エステル油、シリコーン油、高級アルコール、高級脂肪酸、動植物や合成の精油などが挙げられる。
天然動植物油脂類としては、例えば、アボガド油、アマニ油、アーモンド油、オリーブ油、カカオ油、牛脂、キリ油、小麦胚芽油、ゴマ油、米胚芽油、米糠油、サフラワー油、大豆油、月見草油、ツバキ油、トウモロコシ油、ナタネ油、馬脂、パーシック油、パーム油、パーム核油、ヒマシ油、ヒマワリ油、豚脂、ブドウ油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、ミンク油、綿実油、モクロウ、ヤシ油、硬化ヤシ油、落花生油、ラノリン、卵黄油、ローズヒップ油等が挙げられる。
炭化水素油としては、パラフィン系炭化水素、オレフィン系炭化水素が用いられ、例えば、スクワラン、スクワレン、セレシン、パラフィン、プリスタン、マイクロクリスタリンワックス、流動パラフィン、ワセリン等が挙げられる。
エステル油としては、合成エステル類、高級アルコールと高級脂肪酸とのエステル類が用いられ、例えば、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、イソステアリン酸イソステアリル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、2−エチルヘキサン酸セチル、ジ−2−エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、オクタン酸セチル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、コハク酸2−エチルヘキシル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、セバシン酸ジイソプロピル、乳酸セチル、乳酸テトラデシル、ミリスチン酸イソプリピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸セチル、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸オクチル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル、オレイン酸フィトステリル、リンゴ酸ジイソステアリル、パラメトキシケイ皮酸エステル、テトラロジン酸ペンタエリスリット等が挙げられる。
シリコーン油としては、例えば、ジメチルポリシロキサン、高重合メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、オクタメチルシクロペンタシロキサン、デカメチルシクロヘキサシロキサン、ステアロキシシリコーン等の高級アルコキシ変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、高級脂肪酸エステル変性シリコーン等が挙げられる。
高級アルコールとしては、例えば、オクチルドデカノール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、ベヘニルアルコール等が挙げられる。
高級脂肪酸としては、飽和または不飽和の直鎖もしくは分岐鎖の炭素数12〜22の脂肪酸を用いることができ、例えば、イソステアリン酸、オキシステアリン酸、オレイン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ベヘニン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、ラノリン酸、リノール酸、リノレン酸等が挙げられる。
増粘剤としては、例えば、グアーガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体、ポリエチレングリコール、ベントナイト、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドン)コポリマー、などが挙げられる。
防腐剤の好適な例としては、例えばパラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、デヒドロ酢酸、ソルビン酸などが挙げられる。
抗酸化剤の好適な例としては、例えば亜硫酸塩、アスコルビン酸などが挙げられる。
酸化防止剤としては、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ソルビン酸、亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸、エリソルビン酸、L−システイン塩酸塩などが挙げられる。
保存剤としては、安息香酸、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸イソブチル、パラオキシ安息香酸イソプロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ベンジル、パラオキシ安息香酸メチル、フェノキシエタノールなどが挙げられる。
キレート剤としては、EDTA・2ナトリウム塩、EDTA・カルシウム・2ナトリウム塩などが挙げられる。
pH調整剤としては、無機酸(塩酸、硫酸など)、有機酸(乳酸、乳酸ナトリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸ナトリウムなど)、無機塩基(水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなど)、有機塩基(トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミンなど)などが挙げられる。
安定化剤としては、ポリアクリル酸ナトリウム、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソールなどが挙げられる。
溶解補助剤の好適な例としては、例えばポリエチレングリコール、プロピレングリコール、D−マンニトール、安息香酸ベンジル、エタノール、トリスアミノメタン、コレステロール、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムなどが挙げられる。
懸濁化剤の好適な例としては、例えばステアリルトリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸、レシチン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、モノステアリン酸グリセリンなどの界面活性剤;例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどの親水性高分子などが挙げられる。
等張化剤の好適な例としては、例えば塩化ナトリウム、グリセリン、D−マンニトールなどが挙げられる。
緩衝剤の好適な例としては、例えばリン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩などの緩衝液などが挙げられる。
無痛化剤の好適な例としては、例えばベンジルアルコールなどが挙げられる。
分散剤としては、例えば、ピロリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸架橋コポリマー、有機酸等が挙げられる。
着色剤としては、無機顔料、天然色素などが挙げられる。
本発明の毛髪用組成物、メラニン産生促進剤又は白髪改善用組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の有効成分を含むことができる。有効成分の具体例としては、例えば、保湿成分、パール光沢付与剤、コンディショニング剤、スクラブ剤、血行促進成分、収斂成分、紫外線吸収成分、紫外線散乱成分、洗浄成分、抗菌成分、抗炎症剤、ビタミン類、ペプチド又はその誘導体、アミノ酸又はその誘導体、細胞賦活化成分などが挙げられる。
保湿成分としては、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ジグリセリンのような多価アルコール;トレハロース、キシリトール、オリゴ糖のような糖類;ヒアルロン酸ナトリウム、ヘパリン類似物質、コンドロイチン硫酸ナトリウム、コラーゲン、エラスチン、ケラチン、キチン、キトサンのような高分子化合物;グリシン、アスパラギン酸、アルギニンのようなアミノ酸;乳酸ナトリウム、尿素、ピロリドンカルボン酸ナトリウムのような天然保湿因子;セラミド、コレステロール、リン脂質のような脂質;カミツレエキス、ハマメリスエキス、チャエキス、シソエキスのような植物抽出エキスなどが挙げられる。
パール光沢付与剤としては、例えば、ジステアリン酸エチレングリコール、モノステアリン酸エチレングリコール、ジステアリン酸トリエチレングリコールなどが挙げられる。
コンディショニング剤としては、例えば、カチオン化セルロース、カチオン化澱粉、カチオン化フェヌグリークガム、カチオン化グアーガム、カチオン化タラガム、カチオン化ローカストビーンガム、カチオン化キサンタンガム、ジアリル四級アンモニウム塩/アクリルアミド共重合物、ポリクオタニウム、ビニルイミダゾリウムトリクロライド/ビニルピロリドン共重合体、ヒドロキシエチルセルロース/ジメチルジアリルアンモニウムクロライド共重合体、ビニルピロリドン/四級化ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体、ポリビニルピロリドン/アルキルアミノアクリレート共重合体、ポリビニルピロリドン/アルキルアミノアクリレート/ビニルカプロラクタム共重合体、ビニルピロリドン/メタクリルアミドプロピル塩化トリメチルアンモニウム共重合体、アルキルアクリルアミド/アクリレート/アルキルアミノアルキルアクリルアミド/ポリエチレングリコールメタクリレート共重合体、アジピン酸/ジメチルアミノヒドロキシプロピルエチレントリアミン共重合体等が挙げらる。
スクラブ剤としては、例えば、アプリコット核粉末、アーモンド殻粉末、アンズ核粉末、塩化ナトリウム粒、オリーブ核粉末、海水乾燥物粒、キャンデリラワックス、くるみ殻粉末、さくらんぼ核粉末、サンゴ粉末、炭粉末、はしばみ殻粉末、ポリエチレン末、無水ケイ酸等が挙げられる。
血行促進剤としては、例えば、アセチルコリン、イクタモール、カフェイン、カプサイシン、カンタリスチンキ、ガンマーオリザノール、ショオウキョウチンキ、ジンゲロン、セファランチン、センブリエキス、タンニン酸、トウガラシチンキ、トラゾリン、ニコチン酸トコフェロール、ニコチン酸ベンジルエステル等が挙げられる。
収斂成分としては、酸化亜鉛、硫酸亜鉛、アラントインヒドロキシアルミニウム、塩化アルミニウム、スルホ石炭酸亜鉛及びタンニン酸等が挙げられる。
紫外線吸収成分としては、オクチルトリアゾン、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸オクチル、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、t−ブチルメトキシジベンゾイルメタン、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、メトキシケイヒ酸オクチル、メトキシケイヒ酸エチルヘキシルなどが挙げられる。
紫外線散乱成分としては、含水ケイ酸、ケイ酸亜鉛、ケイ酸セリウム、ケイ酸チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化チタン、酸化鉄、無水ケイ酸等の無機化合物、それらの無機化合物を含水ケイ酸、水酸化アルミニウム、マイカやタルク等の無機粉体で被覆したり、ポリアミド、ポリエチレン、ポリエステル、ポリスチレン、ナイロン等の樹脂粉体に複合化したもの、さらにシリコン油や脂肪酸アルミニウム塩等で処理したものなどが挙げられる。
洗浄成分としては、ラウリン酸カリウム、ミリスチン酸カリウム、パルミチン酸カリウム又はステアリン酸カリウムなどのアルカリ金属塩、アルカノールアミド塩またはアミノ酸塩などの石けん類、ココイルグルタミン酸ナトリウム、ココイルメチルタウリンナトリウムなどのアミノ酸系界面活性剤、ラウレス硫酸ナトリウムなどのエーテル硫酸エステル塩、ラウリルエーテル酢酸ナトリウムなどのエーテルカルボン酸塩、アルキススルホコハク酸エステルナトリウムなどのスルホコハク酸エステル塩、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸時エタノールアミドなどの脂肪酸アルカノールアミド、ラウリルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸ナトリウムなどのモノアルキルリン酸エステル塩、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタインおよびラウロイルアミドエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルベタインヒドロキシプロピルリン酸ナトリウムなどのベタイン型両性界面活性剤、ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウムなどのアミノ酸型両性界面活性剤などが挙げられる。
抗菌成分としては、クロルヘキシジン、サリチル酸、塩化ベンザルコニウム、アクリノール、エタノール、塩化ベンゼトニウム、クレゾール、グルコン酸およびその誘導体、ポピドンヨード、ヨウ化カリウム、ヨウ素、イソプロピルメチルフェノール、トリクロカルバン、トリクロサン、感光素101号、感光素201号、パラベン、フェノキシエタノール、1,2−ペンタンジオール、塩酸アルキルジアミノグリシン、ピロクトオラミン、ミコナゾールなどが挙げられる。
抗炎症剤としては、グリチルレチン酸、グリチルリチン酸誘導体、アラントイン、アズレン、アミノカプロン酸及びヒドロコルチゾン等が挙げられる。
ビタミン類としては、dl−α−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロールカルシウム等のビタミンE類;リボフラビン、フラビンモノヌクレオチド、フラビンアデニンジヌクレオチド、リボフラビン酪酸エステル、リボフラビンテトラ酪酸エステル、リボフラビン5’−リン酸エステルナトリウム、リボフラビンテトラニコチン酸エステル等のビタミンB2類;ニコチン酸dl−α−トコフェロール、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸メチル、ニコチン酸β−ブトキシエチル、ニコチン酸1−(4−メチルフェニ・BR>求Jエチル等のニコチン酸類;アスコルビゲン−A、アスコルビン酸ステアリン酸エステル、アスコルビン酸パルミチン酸エステル、ジパルミチン酸L−アスコルビルなどのビタミンC類;メチルヘスペリジン、エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロールなどのビタミンD類;フィロキノン、ファルノキノン等のビタミンK類、γ−オリザノール、ジベンゾイルチアミン、ジベンゾイルチアミン塩酸塩;チアミン塩酸塩、チアミンセチル塩酸塩、チアミンチオシアン酸塩、チアミンラウリル塩酸塩、チアミン硝酸塩、チアミンモノリン酸塩、チアミンリジン塩、チアミントリリン酸塩、チアミンモノリン酸エステルリン酸塩、チアミンモノリン酸エステル、チアミンジリン酸エステル、チアミンジリン酸エステル塩酸塩、チアミントリリン酸エステル、チアミントリリン酸エステルモノリン酸塩等のビタミンB1類;塩酸ピリドキシン、酢酸ピリドキシン、塩酸ピリドキサール、5’−リン酸ピリドキサール、塩酸ピリドキサミン等のビタミンB6類;シアノコバラミン、ヒドロキソコバラミン、デオキシアデノシルコバラミン等のビタミンB12類;葉酸、プテロイルグルタミン酸等の葉酸類;ニコチン酸、ニコチン酸アミドなどのニコチン酸類;パントテン酸、パントテン酸カルシウム、パントテニルアルコール(パンテノール)、D−パンテサイン、D−パンテチン、補酵素A、パントテニルエチルエーテル等のパントテン酸類;ビオチン、ビオチシン等のビオチン類;アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、デヒドロアスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム等のアスコルビン酸誘導体であるビタミンC類;カルニチン、フェルラ酸、α−リポ酸、オロット酸等のビタミン様作用因子などが挙げられる。
ペプチド又はその誘導体としては、ケラチン分解ペプチド、加水分解ケラチン、コラーゲン、魚由来コラーゲン、アテロコラーゲン、ゼラチン、エラスチン、エラスチン分解ペプチド、コラーゲン分解ペプチド、加水分解コラーゲン、塩化ヒドロキシプロピルアンモニウム加水分解コラーゲン、エラスチン分解ペプチド、コンキオリン分解ペプチド、加水分解コンキオリン、シルク蛋白分解ペプチド、加水分解シルク、ラウロイル加水分解シルクナトリウム、大豆蛋白分解ペプチド、加水分解大豆蛋白、小麦蛋白、小麦蛋白分解ペプチド、加水分解小麦蛋白、カゼイン分解ペプチド、アシル化ペプチド(パルミトイルオリゴペプチド、パルミトイルペンタペプチド、パルミトイルテトラペプチド等)などが挙げられる。
アミノ酸又はその誘導体としては、ベタイン(トリメチルグリシン)、プロリン、ヒドロキシプロリン、アルギニン、リジン、セリン、グリシン、アラニン、フェニルアラニン、β−アラニン、スレオニン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、シスチン、メチオニン、ロイシン、イソロイシン、バリン、ヒスチジン、タウリン、γ−アミノ酪酸、γ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸、カルニチン、カルノシン、クレアチン等が挙げられる。
細胞賦活化成分としては、γ-アミノ酪酸、ε-アミノカプロン酸などのアミノ酸類、レチノール、チアミン、リボフラビン、塩酸ピリドキシン、パントテン酸類などのビタミン類、グリコール酸、乳酸などのα-ヒドロキシ酸類、タンニン、フラボノイド、サポニン、アラントイン、感光素301号などが挙げられる。
次に、試験例、実施例等により本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
ウスベニアオイには、ウスベニアオイ抽出液LA(丸善製薬株式会社製;固形分換算 0.4%)を使用した。
ブクリョウには、ファルコレックスブクリョウE(一丸ファルコス株式会社製;固形分換算 0.13%)を使用した。
カフェインは、市販の無水カフェイン(静岡カフェイン工業所製)を用いた。カカオ脂は、市販のLipobutter Refind Cocoa(島貿易株式会社製)又はカカオバター(大東カカオ株式会社製)を用いた。
(試験例1)ウスベニアオイ及びカフェインの育毛効果
ウスベニアオイ及びカフェインの育毛効果を調べるために、以下の実験を行った。
すなわち、ヒト頭髪毛乳頭細胞(human hair follicle dermal papilla cell:HFDPC、東洋紡株式会社製)を、毛乳頭細胞増殖培地(TMTPGM−250、東洋紡株式会社製)を用いて48wellプレート(Corning社製)に12,500cells/0.5 mL/wellずつ播き、37℃、5%CO2−95%airの条件下で48時間培養した。その後培養液を捨て、TMTPGM−250で各濃度(W/Vで、カフェイン単独の試験試料は、0.0001%、0.001%、0.01%、V/Vで、ウスベニアオイ単独の試験試料は0.001%、0.01%、0.1%、カフェイン及びウスベニアオイを共に含有する試験試料はそれぞれカフェイン0.0005%とウスベニアオイ0.005%となるよう調製、カフェイン0.005%とウスベニアオイ0.05%となるよう調製)に溶解した試験試料を各wellに0.5mLずつ添加し、37℃、5%CO2−95%airの条件下で24時間培養し、培養液をサンプリングした(上清タンパク質とする)。上清タンパク質(各100ulずつ)に含まれるKGFタンパク質量はKGF Human ELISA Kit Quantikine(96well)(R&Dシステムズ社製)を用いて定量を行った。コントロールを100%とした場合のKGF分泌量を算出した。
図1の結果から明らかなように、ウスベニアオイ又はカフェインを単独で配合する毛髪用組成物は、濃度依存性の育毛効果が認められた。ウスベニアオイ及びカフェインを共に含有する毛髪用組成物は、各成分を低濃度で含有した場合においても、相乗的な育毛効果が認められた。
(試験例2)ブクリョウ及びカフェインの育毛効果
試験例1と同様の方法により、ブクリョウ及びカフェインの育毛効果を調べた。
カフェイン単独の試験試料は、W/Vで、0.0001%、ブクリョウ単独の試験試料は、V/Vで、0.001%、カフェイン及びブクリョウを共に含有する試験試料はそれぞれカフェインを0.00005%、ブクリョウを0.0005%となるように調製した。
図2の結果から明らかなように、ブクリョウ及びカフェインを共に含有する毛髪用組成物は、各成分を低濃度で含有した場合において、相乗的な育毛効果が認められた。
(試験例3)ウスベニアオイ及びカカオ脂の育毛効果
試験例1と同様の方法により、ウスベニアオイ及びカカオ脂の育毛効果を調べた。
ウスベニアオイ単独の試験試料は、V/Vで、0.001%、0.01%、0.1%、カカオ脂単独の試験試料は、W/Vで、0.0001%、0.001%、0.01%、ウスベニアオイ及びカカオ脂を共に含有する試験試料はそれぞれウスベニアオイ0.0005%とカカオ脂0.00005%となるよう調製、ウスベニオアオイ0.005%とカカオ脂0.0005%となるよう調製、ウスベニアオイ0.05%とカカオ脂0.005%となるように調製した。
図3の結果から明らかなように、ウスベニアオイ及びカカオ脂を共に含有する毛髪用組成物は、各成分を低濃度で含有した場合において、相乗的な育毛効果が認められた。
(試験例4)ウスベニアオイのSCF産生促進効果
ウスベニアオイのSCF産生促進効果を調べるために、以下の実験を行った。
すなわち、正常ヒト新生児包皮表皮角化細胞(normal human epidermal keratinocyte:NHEK、倉敷紡績株式会社製)をHumedia−KG2(倉敷紡績株式会社製)を用いて96wellプレート(Corning社製)に5,000cells/0.2mL/wellずつ播き、37℃、5%CO2−95%airの条件下で48時間培養した。その後培養液を捨て、Humedia−KG2でウスベニアオイを0.01%または0.1%(V/V)に溶解した試験試料を各wellに0.2mLずつ添加し、37℃、5%CO2−95%airの条件下で48時間培養した。上清を捨て、PBSで洗浄後、−30℃エタノールで20分間細胞を固定し、PBSで洗浄後、2%BSA/PBSにて1時間半ブロッキングを行った。その後、一次抗体Anti−SCF antibody(abcam社製)にて2時間反応させ、PBSで洗浄後、二次抗体HRP−Goat Anti−Rabbit IgG(H+L) Conjugate(zymed社製)で1時間半反応させた。PBSで洗浄後、TMB Substrate(Dako社製)にて5分間反応させ、2N硫酸にて反応を停止させ、450nmで吸光値を測定した。コントロールを100%とした場合のSCF産生量を算出した。
図4の結果から明らかなように、ウスベニアオイを含有する毛髪用組成物は、SCF産生を促進する効果が認められた。
(試験例5)ウスベニアオイのメラニン産生促進効果
ウスベニアオイのメラニン産生促進効果を調べるために、以下の実験を行った。
すなわち、マウス由来B16−F10メラノーマ細胞(American Type Culture Collection(ATCC)から分譲、ATCC番号:CRL−6475)を、10%FBS含有DMEM(GIBCO)を用いて6wellプレート(Corning社製)に70,000cells/2ml/wellずつ播き、37℃、5%CO2−95%airの条件下で24時間培養した。その後培養液を捨て、DMEMでウスベニアオイを0.01%または0.1%(V/V)に溶解した試験試料を各wellに1mLずつ添加し、37℃、5%CO2−95%airの条件下で48時間培養した。その後培養上清を除去後、PBS(−)(GIBCO社製)にて2回洗浄後、4N NaOHを添加して60℃で2時間加温した。2時間後、細胞抽出液を96wellプレート(Corning社製)に0.1mLずつ移し、マイクロプレートリーダーにて475nmの吸光度を測定し、コントロールを100%とした場合のメラニン生成量を算出した。
図5の結果から明らかなように、ウスベニアオイを含有するメラニン産生促進剤又は毛髪用組成物は、メラニン産生を促進する効果が認められた。
(毛髪用組成物処方例1)
以下の各成分を混合、溶解し、ローションとした。以下の各処方例中の数値の単位は、全体量を100とした、「重量%」で示す。
[表1]
ウスベニアオイエキス 1
カフェイン 2
センブリエキス 0.1
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
l-メントール 0.2
濃グリセリン 3
エタノール 10
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40 1
精製水 残部
(毛髪用組成物処方例2)
以下の各成分を混合溶解し、ジェルとした。
[表2]
ウスベニアオイエキス 0.5
センブリエキス 0.05
カカオ脂 1
グリチルリチン酸ジカリウム 0.2
l-メントール 0.5
濃グリセリン 2
エタノール 5
1,3-ブチレングリコール 5
パルミチン酸イソプロピル 0.5
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40 4
トリエタノールアミン 0.2
カルボキシビニルポリマー 0.7
精製水 残部
(毛髪用組成物処方例3)
各成分を混合溶解し、調整した薬液とLPガスが、1:1になるようにエアゾール缶に充填し、エアゾール剤とした。
[表3]
ブクリョウエキス 0.3
センブリエキス 0.4
カフェイン 0.5
グリチルリチン酸ジカリウム 0.05
l-メントール 0.1
濃グリセリン 1
エタノール 30
1,3-ブチレングリコール 1
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40 1
精製水 残部
以上の毛髪用組成物の処方例1〜3は、優れた育毛効果を奏する。
(メラニン産生促進剤・白髪改善用組成物処方例1)
以下の各成分を混合、溶解し、ローションとした。
[表4]
ウスベニアオイエキス 1
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
l-メントール 0.2
濃グリセリン 3
エタノール 15
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40 1
精製水 残部
(メラニン産生促進剤・白髪改善用組成物処方例2)
以下の各成分を混合、溶解し、ローションとした。
[表5]
ウスベニアオイエキス 1
センブリエキス 0.1
カカオ脂 0.2
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
l-メントール 0.2
濃グリセリン 3
エタノール 40
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40 4
精製水 残部
(メラニン産生促進剤・白髪改善用組成物処方例3)
以下の各成分を混合溶解し、毛髪用ジェルとした。
[表6]
ウスベニアオイエキス 0.5
センブリエキス 0.05
カフェイン 0.1
グリチルリチン酸ジカリウム 0.2
l-メントール 0.5
濃グリセリン 2
エタノール 5
1,3-ブチレングリコール 5
パルミチン酸イソプロピル 0.5
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40 4
トリエタノールアミン 0.2
カルボキシビニルポリマー 0.7
精製水 残部
以上のメラニン産生促進剤・白髪改善用組成物の処方例1は、優れた白髪改善・予防効果を奏する。メラニン産生促進剤・白髪改善用組成物の処方例2〜3は、優れた育毛効果及び白髪改善・予防効果を備えるものである。