JP2014094856A - カーボンナノチューブ生成用基板の製造方法および連続製造装置 - Google Patents

カーボンナノチューブ生成用基板の製造方法および連続製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】製造コストおよび製造工程を圧縮することができるカーボンナノチューブ生成用基板の製造方法および連続製造装置を提供する。
【解決手段】基板2と、この基板2上に形成された中間層3と、この中間層3上に形成された触媒層4とを有するカーボンナノチューブ生成用基板1の製造方法であって、中間層前駆体溶液3’と触媒層前駆体溶液4’とを混合してなり、下相の中間層前駆体溶液3’と上相の触媒層前駆体溶液4’とに相分離し得る混合溶液34を上記基板2に塗布し、基板2に塗布された混合溶液34を下相3’と上相4’とに相分離させ、下相3’と上相4’とに相分離した混合溶液を乾燥させて、中間層3および触媒層4を形成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、カーボンナノチューブ生成用基板の製造方法および連続製造装置に関するものである。
カーボンナノチューブは、電子放出源、電池の電極、ガス分離膜、センサー、エネルギー貯蔵などの用途があり、広い分野で提案、期待されている。このため、実用的なカーボンナノチューブの普及が進めば、産業のさらなる発達につながることが容易に予測される。
上記用途に用いられるカーボンナノチューブとしては、その個々のチューブの特徴を集約するためにも、これら個々のチューブが一方向に配向したもの(配向性が高いもの)であることが好ましい。このような配向性が高いカーボンナノチューブを得るには、基板上に触媒層を介してカーボンナノチューブを生成する必要がある。しかし、基板の種類によっては、カーボンナノチューブの生成を妨げる作用があるので、この作用を抑えるために、基板と触媒層との間にバッファ層(中間層)を形成する方法が多く採用されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2008−297197号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示された方法は、第一ステップとして基板上にバッファ層(中間層)を形成し、第二ステップとして触媒層を形成する必要がある。このため、基板上にバッファ層(中間層)および触媒層が形成されたものをカーボンナノチューブ生成用基板と定義した場合、このカーボンナノチューブ生成用基板の製造コストが高くなるとともに、製造工程が長くなるという問題があった。特に、製造コストが高いことについては、カーボンナノチューブの普及が進まない大きな要因となっている。
そこで本発明は、製造コストおよび製造工程を圧縮することができるカーボンナノチューブ生成用基板の製造方法および連続製造装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の請求項1に係るカーボンナノチューブ生成用基板の製造方法は、基板と、この基板上に形成された中間層と、この中間層上に形成された触媒層とを有するカーボンナノチューブ生成用基板の製造方法であって、
中間層前駆体溶液と触媒層前駆体溶液とを混合してなり、下相の中間層前駆体溶液と上相の触媒層前駆体溶液とに相分離し得る混合溶液を上記基板に塗布し、
基板に塗布された混合溶液を下相と上相とに相分離させ、
下相と上相とに相分離した混合溶液を乾燥させて、中間層および触媒層を形成するものである。
また、本発明の請求項2に係るカーボンナノチューブ生成用基板の製造方法は、請求項1に記載のカーボンナノチューブ生成用基板の製造方法において、混合溶液を基板に塗布する前に、
生成させるカーボンナノチューブの所望の長さおよび太さに応じて、混合溶液における触媒層前駆体溶液の濃度を調整するものである。
さらに、本発明の請求項3に係るカーボンナノチューブ生成用基板の製造方法は、請求項1または2に記載のカーボンナノチューブ生成用基板の製造方法において、中間層前駆体溶液が水系であり、触媒層前駆体溶液が油系であるものである。
また、本発明の請求項4に係るカーボンナノチューブ生成用基板の製造方法は、請求項3に記載のカーボンナノチューブ生成用基板の製造方法における中間層前駆体溶液が、金属アルコキシドを水に溶解させたものである。
また、本発明の請求項5に係るカーボンナノチューブ生成用基板の製造方法は、請求項3または4に記載のカーボンナノチューブ生成用基板の製造方法における触媒層前駆体溶液が、油溶性界面活性剤および水和性遷移金属塩を、炭素が4以上からなる直鎖のアルコール類、トルエン、ベンゼン、キシレンおよびヘプタンのうち少なくとも1つに溶解させたものである。
また、本発明の請求項6に係るカーボンナノチューブ生成用基板の製造方法は、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のカーボンナノチューブ生成用基板の製造方法において、混合溶液を基板に塗布する方法が、滴下、コータまたは噴霧のいずれかであるものである。
また、本発明の請求項7に係るカーボンナノチューブ生成用基板の連続製造装置は、基板と、この基板上に形成された中間層と、この中間層上に形成された触媒層とを有するカーボンナノチューブ生成用基板の連続製造装置であって、
中間層前駆体溶液と触媒層前駆体溶液とを混合してなり、下相の中間層前駆体溶液と上相の触媒層前駆体溶液とに相分離し得る混合溶液を上記基板に塗布する塗布部と、
基板に塗布された混合溶液を下相と上相とに相分離させる分離部と、
下相と上相とに相分離した混合溶液を乾燥させて中間層および触媒層を形成する乾燥部とを備え、
基板を連続的に搬送して上記塗布部、分離部および乾燥部の順に通過させる連続搬送部が設けられたものである。
また、本発明の請求項8に係るカーボンナノチューブ生成用基板の連続製造装置は、請求項7に記載のカーボンナノチューブ生成用基板の連続製造装置における連続搬送部が、ロールツーロール装置またはベルトコンベアであるものである。
また、本発明の請求項9に係るカーボンナノチューブ生成用基板の連続製造装置は、請求項7または8に記載のカーボンナノチューブ生成用基板の連続製造装置において、塗布部により混合溶液を基板に塗布する方法が、滴下、コータまたは噴霧のいずれかであるものである。
上記カーボンナノチューブ生成用基板の製造方法によると、中間層および触媒層が一度に形成されるので、製造コストおよび製造工程を圧縮することができる。また、上記連続製造装置によると、中間層および触媒層が一度に且つ連続的に形成されるので、カーボンナノチューブ生成用基板を短時間で連続して製造することができる。
本発明の実施の形態に係る製造方法により製造されたカーボンナノチューブ生成用基板にカーボンナノチューブを生成させる工程を説明する概略拡大正面図であり、(a)はカーボンナノチューブ生成用基板の図、(b)はカーボンナノチューブ生成用基板を加熱した図、(c)はカーボンナノチューブ生成用基板にカーボンナノチューブを生成させた図である。 同製造方法を説明する概略拡大正面図であり、(a)は基板に混合溶液を塗布した図、(b)は混合溶液が下相と上相とに相分離した図、(c)は基板に中間層および触媒層を形成した図である。 同製造方法に用いる混合溶液を説明する図であり、(a)は下相と上相とに相分離した混合溶液を示す図、(b)は見た目が一相となった混合溶液を示す図である。 同製造方法により製造された他のカーボンナノチューブ生成用基板にカーボンナノチューブを生成させる工程を説明する概略拡大正面図であり、(a)はカーボンナノチューブ生成用基板の図、(b)はカーボンナノチューブ生成用基板を加熱した図、(c)はカーボンナノチューブ生成用基板にカーボンナノチューブを生成させた図である。 本発明の実施の形態に係る連続製造装置を示す全体構成図である。 本発明の実施例に係る製造方法により製造されたカーボンナノチューブ生成用基板に生成したカーボンナノチューブを比較する電子顕微鏡写真であり、(a)は触媒層前駆体溶液の濃度が0.05mol/Lの混合溶液を用いたカーボンナノチューブ生成用基板のカーボンナノチューブを示す図、(b)は触媒層前駆体溶液の濃度が0.10mol/Lの混合溶液を用いたカーボンナノチューブ生成用基板のカーボンナノチューブを示す図、(c)は触媒層前駆体溶液の濃度が0.15mol/Lの混合溶液を用いたカーボンナノチューブ生成用基板のカーボンナノチューブを示す図である。 同製造方法において1Lの混合溶液における触媒層前駆体溶液の量と形成される中間層の厚さとの関係を示すグラフである。 同カーボンナノチューブ生成用基板において1Lの混合溶液における触媒層前駆体溶液の量と生成するカーボンナノチューブの単位面積当たりの重量との関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態に係るカーボンナノチューブ生成用基板の製造方法および連続製造装置について、図面に基づき説明する。
まず、上記カーボンナノチューブ生成用基板について簡単に説明する。
図1(a)に示すように、上記カーボンナノチューブ生成用基板1は、ステンレス箔2と、ステンレス箔2上に形成された中間層3と、この中間層3上に形成された触媒層4とから構成されている。ここで、上記ステンレス箔2は、厚さ20〜300μm程度で基板となるものである。また、上記中間層3は、例えばシリカからなり、バッファ層ともいわれる。さらに、上記触媒層4は、鉄(Fe)、コバルト(Co)またはニッケル(Ni)の微粒子からなる層であり、カーボンナノチューブを生成させるための触媒となるものである。なお、以下では便宜上、ステンレス箔を単に基板2という。
上記カーボンナノチューブ生成用基板1の表面にカーボンナノチューブを生成させるには、まず、このカーボンナノチューブ生成用基板1を加熱する。これにより、図1(b)に示すように、触媒層4が凝縮して粒状体となる。次に、加熱されたカーボンナノチューブ生成用基板1に、原料ガス(例えば、アセチレン、メタン、ブタンなどの低級炭化水素ガスである)を供給する。これにより、図1(c)に示すように、上記粒状体のそれぞれに、一または複数のカーボンナノチューブCが基板2と略平行に生成する。このようにして、カーボンナノチューブ生成用基板1は、その表面に配向性のカーボンナノチューブCを生成させるためのものである。
[カーボンナノチューブ生成用基板1の製造方法]
以下、本発明の要旨である上記カーボンナノチューブ生成用基板1の製造方法について説明する。
この製造方法は、概略的に説明すると、中間層3および触媒層4の前駆体となる混合溶液34を基板2に塗布し[図2(a)参照]、この混合溶液34を下相(中間層3の前駆体)3’と上相(触媒層4の前駆体)4’とに相分離させ[図2(b)参照]、下相3’と上相4’とに相分離した混合溶液を乾燥させて、中間層(乾燥した下相3’)3および触媒層(乾燥した上相4’)4を形成する[図2(c)参照]ものである。
まず、図3(a)に示すように、下相となる中間層前駆体溶液3’と上相となる触媒層前駆体溶液4’とを所定の割合で混合して攪拌することにより、図3(b)に示すように、混合溶液34を得る。なお、この攪拌により、混合溶液34を見た目が一相となる程度にする。ここで、中間層前駆体溶液3’は、金属アルコキシドを水に溶解させた水系の溶液である。また、触媒層前駆体溶液4’は、油溶性界面活性剤および水和性遷移金属塩を、オクタノール/水の分配係数[logPo/w]がブタノール以上(つまり疎水性がブタノール以上)の溶媒に溶解させた油系の溶液である。これにより、図3(a)に示すように、混合溶液34が下相3’と上相4’とに相分離しやすくなる。なお、上相の触媒層前駆体溶液4’には、図3(a)に拡大して示すように、水和性遷移金属塩の金属成分[一例として鉄(Fe)で図示]が水(water pool)に包まれるとともに油溶性界面活性剤で逆ミセルを形成したものが、油相(oil phase)の中に多数混在している。また、オクタノール/水の分配係数[logPo/w]がブタノール以上の溶媒は、例えば、炭素が4以上からなる直鎖のアルコール類、トルエン、ベンゼン、キシレンまたはヘプタンなどである。
上記混合溶液34における中間層前駆体溶液3’と触媒層前駆体溶液4’との混合割合、すなわち混合溶液34における触媒層前駆体溶液4’の濃度は、カーボンナノチューブ生成用基板1に生成させたいカーボンナノチューブCの長さおよび径により調整する。
そして、図2(a)に示すように、混合溶液34を滴下、コータまたは噴霧により基板2に塗布する。特に、混合溶液34を基板2に塗布する方法を噴霧とすることにより、基板2に塗布された混合溶液34が粒状体となり、図4(a)に示すように、製造されるカーボンナノチューブ生成用基板1の中間層3および触媒層4も粒状体となる。このようなカーボンナノチューブ生成用基板1を、その表面にカーボンナノチューブCを生成させるために加熱すると、図4(b)に示すように、触媒層4が凝縮して確実に粒状体となる。このため、図4(c)に示すように、このカーボンナノチューブ生成用基板1に生成するカーボンナノチューブCの密度が、より均一となる。
その後、図2(a)および(b)に示すように、混合溶液34が塗布された基板2を静置することにより、混合溶液34を下相3’と上相4’とに相分離させる。なお、中間層前駆体溶液3’は水系で且つ触媒層前駆体溶液4’は油系であるから、混合溶液34が下相3’と上相4’とに相分離しやすくなり、静置する時間は短く、確実に相分離する。特に、触媒層前駆体溶液4’は、油溶性界面活性剤および水和性遷移金属塩を、疎水性がブタノール以上の溶媒に溶解させたものであるから、混合溶液34が下相3’と上相4’とにさらに相分離しやすくなり、静置する時間はさらに短く、さらに確実に相分離する。
次に、下相3’と上相4’とに相分離した混合溶液を乾燥させることにより、図2(c)に示すように、下相の中間層前駆体溶液3’が中間層3となるとともに、上相の触媒層前駆体溶液4’が触媒層4となる。このようにして、カーボンナノチューブ生成用基板1が製造される。
このように、本実施の形態に係るカーボンナノチューブ生成用基板1の製造方法によると、中間層3および触媒層4が一度に形成されるので、製造コストおよび製造工程を圧縮することができる。
また、混合溶液34として相分離しやすいものを用いるので、さらに製造コストおよび製造工程を圧縮することができる。
さらに、混合溶液34における中間層前駆体溶液3’と触媒層前駆体溶液4’との混合割合を調整することにより、所望の長さおよび径のカーボンナノチューブCが生成し得るカーボンナノチューブ生成用基板1を製造することができる。
また、混合溶液34を基板2に塗布する方法を噴霧とすることにより、密度がより均一となるカーボンナノチューブCを生成させ得るカーボンナノチューブ生成用基板1を製造することができる。
[カーボンナノチューブ生成用基板1の連続製造装置]
以下、本発明のもう一つの要旨である上記カーボンナノチューブ生成用基板1の連続製造装置について説明する。
図5に示すように、この連続製造装置10は、基板2を連続して搬送する連続搬送部70と、この連続搬送部70により搬送される基板2に中間層3および触媒層4を形成する層形成部30,40,50とが具備されている。
上記連続搬送部70は、ステンレス製の無端ベルト71と、この無端ベルト71が巻回された上流端ローラ72および下流端ローラ73とを有する。これら上流端ローラ72および下流端ローラ73は、平行に配置されるとともに、同方向且つ同速度で回転することにより、上記無端ベルト71を回動させ得るものである。すなわち、上記連続搬送部70はベルトコンベアである。
上記無端ベルト71の上部側において、上流側から順に、基板供給部20と、混合溶液34を基板2に塗布する塗布部30と、基板2に塗布された混合溶液34を下相3’と上相4’とに相分離させる分離部40と、下相3’と上相4’とに相分離した混合溶液を乾燥させる乾燥部50と、基板回収部60とが設けられている。これら基板供給部20および基板回収部60以外の構成、すなわち、塗布部30、分離部40および乾燥部50により、層形成部30,40,50が構成されている。
ここで、上記基板供給部20は、図示しない基板供給装置により基板2が無端ベルト71上に供給される空間である。上記塗布部30は、混合溶液34を収容するタンク31と、このタンク31に収容された混合溶液34を攪拌する攪拌用プロペラ32と、上記タンク31に収容された混合溶液34を無端ベルト71上の基板2に導く塗布用配管35とを有する。また、塗布用配管35には、基板2に導かれる混合溶液34の流量を調整する流量調整弁36と、流量が調整された混合溶液34を適切な状態で基板2に付着させるノズル37とが設けられている。このノズル37には、滴下用や噴霧用など、混合溶液34をどのような状態で基板2に付着させるかによって、適切なものが採用される。上記分離部40は、無端ベルト71上における塗布部30と乾燥部50との間の空間である。この分離部40の上下流方向長さは、無端ベルト71上の基板2が通過している間において、当該基板2に塗布された混合溶液34が下相3’と上相4’とに相分離する程度にされている。上記乾燥部50は、内部に基板2を通過させ得る炉本体51と、この炉本体51の内部を通過している基板2および塗布された混合溶液を加熱して当該混合溶液を乾燥させるヒータ52とを有する。上記基板回収部60は、図示しない基板回収装置によりカーボンナノチューブ生成用基板1が無端ベルト71上から回収される空間である。
以下、上記連続製造装置10の動作について説明する。
まず、基板2が、図示しない基板供給装置により基板供給部20に供給されて、塗布部30に搬送される。塗布部30では、タンク31に収容された混合溶液34が塗布用配管35およびノズル37を介して基板2に導かれることにより、混合溶液34が基板2に塗布される。そして、基板2が分離部40に搬送される。分離部40を基板2が通過している間において、基板2に塗布された混合溶液34が下相3’と上相4’とに相分離する。乾燥部50では、ヒータ52により基板2および混合溶液が加熱されて、当該混合溶液が乾燥して中間層3および触媒層4となる。すなわち、乾燥部50から搬送されるものは、カーボンナノチューブ生成用基板1となる。このカーボンナノチューブ生成用基板1が、基板回収部60で基板回収装置により回収される。
なお、上記タンク31に収容された混合溶液34は、攪拌用プロペラ32により攪拌されており、見た目が一相となる。また、塗布用配管35で導かれる混合溶液34の流量は、流量調整弁36により適宜調整される。
このように、本実施の形態に係る連続製造装置10によると、中間層3および触媒層4が一度に且つ連続的に形成されるので、カーボンナノチューブ生成用基板1を短時間で連続して製造することができる。
以下、上記カーボンナノチューブ生成用基板1の製造方法を具体的に示した実施例について説明する。
下相となる中間層前駆体溶液3’として、金属アルコキシド100gを水1Lに溶解させた後に、酸性溶液3gを添加したものを用いた。ここで、上記金属アルコキシドにはテトラエトキシシラン[Si(OC]を用い、上記酸性溶液には塩酸を用いた。なお、上記酸性溶液を添加することにより、上記中間層前駆体溶液3’は、酸性となることで膜化しやすくなる。このため、短時間で、中間層前駆体溶液3’が乾燥により中間層3となる。
上相となる触媒層前駆体溶液4’として、油溶性界面活性剤であるAerosol−OT(AOT)が3mmol/Lとなるように、AOTをヘプタン0.1Lに溶解させて1時間攪拌した後、水和性遷移金属塩である硝酸鉄9水和物[{Fe(HO}(NO・3HO]を溶解させて攪拌したものを用いた。
そして、これら中間層前駆体溶液3’と触媒層前駆体溶液4’とを所定の割合で混合して攪拌することにより、混合溶液34を得た。ここで、上記所定の割合(つまり混合割合)として、触媒層前駆体溶液4’の濃度がそれぞれ0.05mol/L,0.10mol/L,0.15mol/Lとなるようにした。すなわち、触媒層前駆体溶液4’の濃度が異なる3種類の混合溶液34を得た。
次に、図5に示すように、上記連続製造装置10によりカーボンナノチューブ生成用基板1を製造した。
具体的には、上記混合溶液34をタンク31に収容し、無端ベルト71を回動させて、基板2を一定の速度(1m/分)で搬送するようにした。そして、48mm×48mmの基板2を、図示しない基板供給装置により基板供給部20に供給し、塗布部30、分離部40、乾燥部50を通過させて、基板回収部60まで搬送した。
塗布部30では、混合溶液34を滴下により基板2に塗布した。また、分離部40の上下流方向長さを1mとし、分離部40を基板2が通過している1分間において、基板2に塗布された混合溶液34が下相3’と上相4’とに相分離した。さらに、乾燥部50では、炉本体51の上下流方向長さを10mとするとともに、炉本体51の内部の温度をヒータ52で300℃とすることにより、炉本体51の内部を通過する混合溶液34が乾燥して中間層3および触媒層4となった。このため、基板回収部60に搬送されたものは、カーボンナノチューブ生成用基板1となった。そして、このカーボンナノチューブ生成用基板1が、基板回収部60で図示しない基板回収装置により回収された。
さらに、上記他の2種類の混合溶液34をそれぞれ用いて、合計3種類のカーボンナノチューブ生成用基板1を製造した。
そして、このカーボンナノチューブ生成用基板1の表面に、配向性のカーボンナノチューブCを熱CVD法により生成させた。
具体的には、カーボンナノチューブ生成用基板1を700℃まで加熱し、このカーボンナノチューブ生成用基板1に濃度20%のアセチレン(C)ガスを10分間供給した。これにより、カーボンナノチューブ生成用基板1の表面に、配向性のカーボンナノチューブCが生成した。
さらに、上記他の2種類のカーボンナノチューブ生成用基板1のそれぞれに、上記と同一の条件でカーボンナノチューブCを生成させた。これら3種類のカーボンナノチューブCを比較する電子顕微鏡写真を図6(a)〜(c)に示す。図6(a)に示すように、触媒層前駆体溶液4’の濃度が0.05mol/Lの混合溶液34を用いて製造されたカーボンナノチューブ生成用基板1だと、その表面に生成したカーボンナノチューブCの平均長さが80μmで平均径が22nmであった。図6(b)に示すように、触媒層前駆体溶液4’の濃度が0.10mol/Lの混合溶液34を用いて製造されたカーボンナノチューブ生成用基板1だと、その表面に生成したカーボンナノチューブCの平均長さが65μmで平均径が26nmであった。図6(c)に示すように、触媒層前駆体溶液4’の濃度が0.15mol/Lの混合溶液34を用いて製造されたカーボンナノチューブ生成用基板1だと、その表面に生成したカーボンナノチューブCの平均長さが50μmで平均径が27nmであった。なお、図6での平均長さおよび平均径は、それぞれ100本のカーボンナノチューブCを標本とした値である。これら図6(a)〜(c)に示すように、触媒層前駆体溶液4’の濃度が高い混合溶液34を用いて製造されたカーボンナノチューブ生成用基板1は、その表面に生成するカーボンナノチューブCが長く且つ小径となり、触媒層前駆体溶液4’の濃度が低い混合溶液34を用いて製造されたカーボンナノチューブ生成用基板1は、その表面に生成するカーボンナノチューブCが短く且つ大径となった。
また、混合溶液34における触媒層前駆体溶液4’の濃度と形成される中間層3の厚さとの関係を図7のグラフで示し、上記濃度とカーボンナノチューブ生成用基板1に生成するカーボンナノチューブCの単位面積当たりの重量との関係を図8のグラフで示す。正確に説明すると、図7および図8の横軸は、1Lの混合溶液34における触媒層前駆体溶液4’の量である。図7に示すように、混合溶液34における触媒層前駆体溶液4’の量が増加するにつれて、すなわち触媒層前駆体溶液4’の濃度が高くなるにつれて、形成される中間層3の厚さが小さくなった。また、図8に示すように、1Lの混合溶液34における触媒層前駆体溶液4’の量が0.1〜0.17Lであれば、生成したカーボンナノチューブCの単位面積当たりの重量が0.005mg/cmを超えた。
このように、本実施例に係るカーボンナノチューブ生成用基板1の製造方法および連続製造装置10によると、上記実施の形態と同様の効果を奏した。
また、混合溶液34における触媒層前駆体溶液4’の濃度(中間層前駆体溶液3’と触媒層前駆体溶液4’との混合割合)を調整することにより、所望の長さおよび径のカーボンナノチューブCが生成し得るカーボンナノチューブ生成用基板1を製造することができた。
さらに、混合溶液34における触媒層前駆体溶液4’の濃度(中間層前駆体溶液3’と触媒層前駆体溶液4’との混合割合)を調整することにより、所望の単位面積当たりの重量のカーボンナノチューブCが生成し得るカーボンナノチューブ生成用基板1を製造することができた。
ところで、上記実施の形態における連続製造装置10では、連続搬送部70がベルトコンベアとして説明したが、ロールツーロール装置であってもよい。これにより、連続製造装置10の初期コストおよび運用コストを低減させることができる。
また、上記実施の形態における混合溶液34を基板2に塗布する方法の一例として噴霧について説明したが、超音波を用いた噴霧であってもよい。これにより、製造されるカーボンナノチューブ生成用基板1の中間層3および触媒層4が、さらに細かな粒状体となる。このため、カーボンナノチューブ生成用基板1を加熱すると、触媒層4が凝縮して極めて確実に粒状体となる。したがって、密度が極めて均一となるカーボンナノチューブCを生成させ得るカーボンナノチューブ生成用基板1を製造することができる。
さらに、上記実施の形態における連続製造装置の塗布部30は、混合溶液34を基板2に滴下または噴霧により塗布するものとして説明したが、コータであってもよい。
C カーボンナノチューブ
1 カーボンナノチューブ生成用基板
2 基板
3 中間層
3’ 中間層前駆体溶液
4 触媒層
4’ 触媒層前駆体溶液
10 連続製造装置
30 塗布部
40 分離部
50 乾燥部
70 連続搬送部

Claims (9)

  1. 基板と、この基板上に形成された中間層と、この中間層上に形成された触媒層とを有するカーボンナノチューブ生成用基板の製造方法であって、
    中間層前駆体溶液と触媒層前駆体溶液とを混合してなり、下相の中間層前駆体溶液と上相の触媒層前駆体溶液とに相分離し得る混合溶液を上記基板に塗布し、
    基板に塗布された混合溶液を下相と上相とに相分離させ、
    下相と上相とに相分離した混合溶液を乾燥させて、中間層および触媒層を形成することを特徴とするカーボンナノチューブ生成用基板の製造方法。
  2. 混合溶液を基板に塗布する前に、
    生成させるカーボンナノチューブの所望の長さおよび太さに応じて、混合溶液における触媒層前駆体溶液の濃度を調整することを特徴とする請求項1に記載のカーボンナノチューブ生成用基板の製造方法。
  3. 中間層前駆体溶液が水系であり、触媒層前駆体溶液が油系であることを特徴とする請求項1または2に記載のカーボンナノチューブ生成用基板の製造方法。
  4. 中間層前駆体溶液が、金属アルコキシドを水に溶解させたものであることを特徴とする請求項3に記載のカーボンナノチューブ生成用基板の製造方法。
  5. 触媒層前駆体溶液が、油溶性界面活性剤および水和性遷移金属塩を、炭素が4以上からなる直鎖のアルコール類、トルエン、ベンゼン、キシレンおよびヘプタンのうち少なくとも1つに溶解させたものであることを特徴とする請求項3または4に記載のカーボンナノチューブ生成用基板の製造方法。
  6. 混合溶液を基板に塗布する方法が、滴下、コータまたは噴霧のいずれかであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のカーボンナノチューブ生成用基板の製造方法。
  7. 基板と、この基板上に形成された中間層と、この中間層上に形成された触媒層とを有するカーボンナノチューブ生成用基板の連続製造装置であって、
    中間層前駆体溶液と触媒層前駆体溶液とを混合してなり、下相の中間層前駆体溶液と上相の触媒層前駆体溶液とに相分離し得る混合溶液を上記基板に塗布する塗布部と、
    基板に塗布された混合溶液を下相と上相とに相分離させる分離部と、
    下相と上相とに相分離した混合溶液を乾燥させて中間層および触媒層を形成する乾燥部とを備え、
    基板を連続的に搬送して上記塗布部、分離部および乾燥部の順に通過させる連続搬送部が設けられたことを特徴とするカーボンナノチューブ生成用基板の連続製造装置。
  8. 連続搬送部が、ロールツーロール装置またはベルトコンベアであることを特徴とする請求項7に記載のカーボンナノチューブ生成用基板の連続製造装置。
  9. 塗布部により混合溶液を基板に塗布する方法が、滴下、コータまたは噴霧のいずれかであることを特徴とする請求項7または8に記載のカーボンナノチューブ生成用基板の連続製造装置。
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