JP2014094386A - 異種金属バスバーの接合方法、及びこれを用いた異種金属バスバー、並びに電力変換装置 - Google Patents

異種金属バスバーの接合方法、及びこれを用いた異種金属バスバー、並びに電力変換装置 Download PDF

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Keiichi Urashiro
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政道 加瀬
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Abstract

【課題】異種金属よりなるバスバーを接合するのに際し、信頼性の高い接合部が得られる異種金属バスバーの接合法、及びこれを用いた異種金属バスバー、並びの電力変換装置を提供することにある。
【解決手段】低融点側のバスバーの接合端部を高融点側のバスバーの溶接端部より突出させ、この低融点側のバスバーの接合端部を主体的に溶融させ、この溶融した低融点側のバスバーの金属材料を高融点側のバスバーの接合端部に流動させて接合する。高融点側の接合端部の表面付近を非溶融状態、或いは表面付近の薄い層を溶融状態にすることで、低融点側のバスバーの溶融金属と高融点側のバスバーの接合端部を溶着状態とすることによって、バスバー間の通電面積が安定して確保できるようになって信頼性の高い接合部を形成することができるものである。
【選択図】図13

Description

本発明は異種金属バスバーの接合方法、及びこれを用いた異種金属バスバー、並びに電力変換装置に関するものである。
例えば、電気自動車、或いはハイブリッド自動車等においては車両の動力源として電動機を搭載しており、一般的には電動機に供給する電力を制御するためにインバータ装置を主要構成要素とする電力変換装置を備えている。
インバータ装置は絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ等の電力用半導体素子を内蔵した半導体パワーモジュール、その半導体パワーモジュールを駆動する駆動回路、それらを制御する制御回路、及びバッテリから供給される電力の配線である直流バスバー、電動機へ供給する電力の配線である交流バスバー、及び電流平滑化用のコンデンサ等を備えている。
そして、このようなインバータ装置は、交流電力を直流電力に変換する機能、あるいは、電動機が発生する交流電力を直流電力に変換する機能を備えている。このような機能を備えたインバータ装置は内部の電気的な接続には一般的に銅系の導電材料で製作された銅のバスバーを用いるが、原価低減や軽量化を図るために、例えばアルミニウムのバスバーを併用して使用する場合がある。
このような異種金属のバスバーの相互の接合方法に関しては、特開2005−230869号公報(特許文献1)に開示されているような接合技術が提案されている。この接合技術は高融点側のバスバーを溶融させ、これと同時に低融点側のバスバーも溶融させ、これらの両バスバーの溶融金属が混じり合って固化することで強固な溶接領域が得られるとしている。
つまり、特許文献1に記載の技術は高融点側のバスバーと低融点側のバスバーを互いに溶融して積極的に両バスバーの金属材料を混合し、この混合された金属材料で両バスバーを接合するという考え方である。
このため、これに従えば、両金属材料をうまく混合させるために高融点側のバスバーに高いエネルギーを集めて主体的に溶融し、低融点側のバスバーは溶融するが、ブローホールが生じない程度の低いエネルギーを与えるようにしている。更に、特許文献1においてはアルミニウムのバスバーと銅のバスバーを用い、高融点である銅のバスバー及び低融点であるアルミニウムのバスバーを溶融して両者の溶融金属を混合して接合することもできるとしている。
特開2005−230869号公報
ところで、特許文献1に記載の技術においては、高融点側のバスバーと低融点側のバスバーの金属材料を互いに溶融させて積極的に混合させることで、高融点側のバスバーと低融点側のバスバーの互いの金属材料が混合されて溶融層が形成されようになっている。このため、この部分は固溶することで合金層を形成することになり、固くなって脆くなる傾向を示すようになる。
したがって、この合金層の強度低下が懸念され、振動によって合金層が破断(いわゆる、割れの発生)して電流が遮断されるといった現象が予想され信頼性の確保に課題があった。特に、特許文献1においてはアルミニウムのバスバーと銅のバスバーを用い、銅のバスバーとアルミニウムのバスバーを溶融して両者の溶融金属を混合して接合するとしているが、銅とアルミニウムは合金として凝固する場合は固くて脆い金属化合物を形成し易く、このため接合部に割れ等の欠陥が生じやすくなって電流が遮断されるといった不具合が発生し、実用上は合金層による接合が困難であるといった課題を有している。
尚、この特許文献1においては高融点側のバスバーを主体的に溶融させるため、溶接機のエネルギーが多く必要となるという製造上の課題も副次的に有している。
本発明は特許文献1にあるような異種金属を積極的に溶融、混合させて完全な金属接合を得るというアプローチではなく、これとは異なったアプローチで異種金属のバスバーを接合するものである。
つまり、この種の異種金属のバスバーを接合する上で、完全な金属接合を行なうことなく、バスバー間の通電面積が安定して確保されていれば電流遮断といった重大な事故を予防できるという知見に基づき、異種金属のバスバーの接合方法の開発を行なうようにしたものである。
本発明の目的は、異種金属よりなるバスバーを接合するのに際し、信頼性の高い接合部が得られる異種金属バスバーの接合法、及びこれを用いた異種金属バスバー、並びの電力変換装置を提供することにある。
本発明に特徴は、低融点側のバスバーの接合端部を高融点側のバスバーの接合端部より突出させ、この低融点側のバスバーの接合端部を主体的に溶融させ、この溶融した低融点側のバスバーの金属材料を高融点側のバスバーの接合端部に流動させて接合する、ところにある。
本発明によれば、高融点側の接合端部の表面付近を非溶融状態、或いは表面付近の薄い層を溶融状態にすることで、低融点側のバスバーの溶融金属と高融点側のバスバーの接合端部を接合(溶着)状態とすることができ、バスバー間の通電面積が安定して確保できるようになって信頼性の高い接合部を形成することができるものである。
また、低融点側のバスバーの接合端部を溶融できるエネルギーであれば充分であるので、溶接機のエネルギーを低減できる効果も期待できるようになる。
ハイブリッド自動車の制御ブロックを示す構成図である。 インバータ装置の回路構成を示す回路図である。 電力変換装置の外観を示す外観斜視図である。 電力変換装置の交流/直流インターフェースを取り外した外観を示す外観斜視図である。 電力変換装置の交流/直流インターフェース、及び蓋を取り外した外観を示す外観斜視図である。 電力変換装置の分解した状態を示す分解斜視図である。 電力変換装置のバスバー部分を示した外観斜視図である。 バスバーの先端の構成を示す構成図である。 電力変換装置のバスバーの設置部部分の向きだした部分外観斜視図である。 本発明の実施例になるバスバーの接合方法を説明するための説明図である。 本発明の実施例になるバスバーの接合する前の構成を示す外観斜視図である。 本発明の実施例になるバスバーの接合した後の状態を示す説明図(写真)である。 本発明の実施例になるバスバーの接合状態を説明する説明図である。 本発明の他の実施例になるバスバーの接合状態を説明する説明図である。 本発明の他の実施例になるバスバーの接合状態を説明する説明図である。 本発明の他の実施例になるバスバーを説明する説明図である。
以下、本発明の実施形態について説明するが、その前に本発明が適用される電力変換装置について説明する。図1は、ハイブリッド自動車(以下「HEV」と記述する)の制御ブロックを示す図である。
エンジンEGNおよびモータジェネレータMG1は車両の走行用トルクを発生する。また、モータジェネレータMG1は回転トルクを発生するだけでなく、モータジェネレータMG1に外部から加えられる機械エネルギーを電力に変換する機能を有する。
モータジェネレータMG1は、例えば同期機あるいは誘導機であり、上述のごとく、運転方法によりモータとしても発電機としても動作する。モータジェネレータMG1を自動車に搭載する場合には、小型で高出力を得ることが望ましく、ネオジム磁石などを使用した永久磁石型の同期電動機が適している。また、永久磁石型の同期電動機は誘導電動機に比べて回転子の発熱が少なく、この観点でも自動車用として優れている。
エンジンEGNの出力側の出力トルクは動力分配機構TSMを介してモータジェネレータMG1に伝達され、動力分配機構TSMからの回転トルクあるいはモータジェネレータMG1が発生する回転トルクは、トランスミッションTMおよびデファレンシャルギアDEFを介して車輪に伝達される。一方、回生制動の運転時には、車輪から回転トルクがモータジェネレータMG1に伝達され、供給されてきた回転トルクに基づいて交流電力を発生する。発生した交流電力は後述するように電力変換装置200により直流電力に変換され、高電圧用のバッテリ136を充電し、充電された電力は再び走行エネルギーとして使用される。
次に電力変換装置200について説明する。インバータ回路140は、バッテリ136と直流コネクタ138を介して電気的に接続されており、バッテリ136とインバータ回路140との相互において電力の授受が行われる。モータジェネレータMG1をモータとして動作させる場合には、インバータ回路140は直流コネクタ138を介してバッテリ136から供給された直流電力に基づき交流電力を発生し、交流端子188を介してモータジェネレータMG1に供給する。モータジェネレータMG1とインバータ回路140からなる構成は電動/発電ユニットとして動作する。
なお、本実施形態では、バッテリ136の電力によって電動/発電ユニットを電動ユニットとして作動させることにより、モータジェネレータMG1の動力のみによって車両の駆動ができる。さらに、本実施形態では、電動発電ユニットを発電ユニットとしてエンジンEGNの動力或いは車輪からの動力によって作動させて発電させることにより、バッテリ136の充電ができる。
また、図1では省略したが、バッテリ136はさらに補機用のモータを駆動するための電源としても使用される。補機用のモータとしては例えば、エアコンディショナーのコンプレッサを駆動するモータ、あるいは制御用の油圧ポンプを駆動するモータである。バッテリ136から直流電力が補機用パワーモジュールに供給され、補機用パワーモジュールは交流電力を発生して補機用のモータに供給する。補機用パワーモジュールはインバータ回路140と基本的には同様の回路構成および機能を持ち、補機用のモータに供給する交流の位相や周波数、電力を制御する。なお、電力変換装置200は、インバータ回路140に供給される直流電力を平滑化するためのコンデンサモジュール500を備えている。
電力変換装置200は、上位の制御装置から指令を受けたりあるいは上位の制御装置に状態を表すデータを送信したりするための通信用のコネクタ21を備えている。電力変換装置200は、コネクタ21から入力される指令に基づいて制御回路172でモータジェネレータMG1の制御量を演算し、さらにモータとして運転するか発電機として運転するかを演算し、演算結果に基づいて制御パルスを発生し、その制御パルスをドライバ回路174へ供給する。ドライバ回路174は、供給された制御パルスに基づいて、インバータ回路140を制御するための駆動パルスを発生する。
次に、図2を用いてインバータ回路140の電気回路の構成を説明する。なお、以下で半導体素子として絶縁ゲート型バイポーラトランジスタを使用しており、以下略してIGBTと記す。上アームとして動作するIGBT328及びダイオード156と、下アームとして動作するIGBT330及びダイオード166とで、上下アームの直列回路150が構成される。インバータ回路140は、この直列回路150を、出力しようとする交流電力のU相、V相、W相の3相に対応して備えている。
これらの3相は、この実施の形態ではモータジェネレータMG1の電機子巻線の3相の各相巻線に対応している。3相のそれぞれの上下アームの直列回路150は、直列回路の中点部分である中間電極169から交流電流を出力する。この中間電極169は交流端子159を通して、モータジェネレータMG1への交流電力線である以下に説明の交流バスバー802と接続される。
上アームのIGBT328のコレクタ電極153は、正極端子157を介してコンデンサモジュール500の正極側のコンデンサ端子506に電気的に接続されている。また、下アームのIGBT330のエミッタ電極は、負極端子158を介してコンデンサモジュール500の負極側のコンデンサ端子504に電気的に接続されている。
上述のように、制御回路172は上位の制御装置からコネクタ21を介して制御指令を受け、これに基づいてインバータ回路140を構成する各相の直列回路150の上アームあるいは下アームを構成するIGBT328やIGBT330を制御するための制御信号である制御パルスを発生し、ドライバ回路174に供給する。
ドライバ回路174は、上記制御パルスに基づき、各相の直列回路150の上アームあるいは下アームを構成するIGBT328やIGBT330を制御するための駆動パルスを各相のIGBT328やIGBT330に供給する。IGBT328やIGBT330は、ドライバ回路174からの駆動パルスに基づき、導通あるいは遮断動作を行い、バッテリ136から供給された直流電力を三相交流電力に変換し、この変換された電力はモータジェネレータMG1に供給される。
IGBT328は、コレクタ電極153と、信号用エミッタ電極155と、ゲート電極154を備えている。また、IGBT330は、コレクタ電極163と、信号用のエミッタ電極165と、ゲート電極164を備えている。ダイオード156が、コレクタ電極153とエミッタ電極155との間に電気的に接続されている。また、ダイオード166が、コレクタ電極163とエミッタ電極165との間に電気的に接続されている。
スイッチング用パワー半導体素子としては金属酸化物半導体型電界効果トランジスタ(以下略してMOSFETと記す)を用いてもよい、この場合はダイオード156やダイオード166は不要となる。スイッチング用パワー半導体素子としては、IGBTは直流電圧が比較的高い場合に適していて、MOSFETは直流電圧が比較的低い場合に適している。
コンデンサモジュール500は、正極側のコンデンサ端子506と負極側のコンデンサ端子504と正極側の電源端子509と負極側の電源端子508とを備えている。バッテリ136からの高電圧の直流電力は、直流コネクタ138を介して、正極側の電源端子509や負極側の電源端子508に供給され、コンデンサモジュール500の正極側のコンデンサ端子506および負極側のコンデンサ端子504から、インバータ回路140へ供給される。
一方、交流電力からインバータ回路140によって変換された直流電力は、正極側のコンデンサ端子506や負極側のコンデンサ端子504からコンデンサモジュール500に供給され、正極側の電源端子509や負極側の電源端子508から直流コネクタ138を介してバッテリ136に供給され、バッテリ136に蓄積される。
制御回路172は、IGBT328及びIGBT330のスイッチングタイミングを演算処理するためのマイクロコンピュータ(以下、「マイコン」と記述する)を備えている。マイコンへの入力情報としては、モータジェネレータMG1に対して要求される目標トルク値、直列回路150からモータジェネレータMG1に供給される電流値、及びモータジェネレータMG1の回転子の磁極位置がある。
目標トルク値は、図示しない上位の制御装置から出力された指令信号に基づくものである。電流値は、電流センサ180による検出信号に基づいて検出されたものである。磁極位置は、モータジェネレータMG1に設けられたレゾルバなどの回転磁極センサ(図示せず)から出力された検出信号に基づいて検出されたものである。本実施形態では、電流センサ180は3相の電流値を検出する場合を例に挙げているが、2相分の電流値を検出するようにし、演算により3相分の電流を求めても良い。
制御回路172内のマイコンは、目標トルク値に基づいてモータジェネレータMG1のd軸,q軸の電流指令値を演算し、この演算されたd軸,q軸の電流指令値と、検出されたd軸,q軸の電流値との差分に基づいてd軸,q軸の電圧指令値を演算し、この演算されたd軸,q軸の電圧指令値を、検出された磁極位置に基づいてU相、V相、W相の電圧指令値に変換する。そして、マイコンは、U相、V相、W相の電圧指令値に基づく基本波(正弦波)と搬送波(三角波)との比較に基づいてパルス状の変調波を生成し、この生成された変調波をPWM(パルス幅変調)信号としてドライバ回路174に出力する。
ドライバ回路174は、下アームを駆動する場合、PWM信号を増幅したドライブ信号を、対応する下アームのIGBT330のゲート電極に出力する。また、ドライバ回路174は、上アームを駆動する場合、PWM信号の基準電位のレベルを上アームの基準電位のレベルにシフトしてからPWM信号を増幅し、これをドライブ信号として、対応する上アームのIGBT328のゲート電極にそれぞれ出力する。
また、制御回路172内のマイコンは、異常検知(過電流、過電圧、過温度など)を行い、直列回路150を保護している。このため、制御回路172にはセンシング情報が入力されている。例えば、各アームの信号用のエミッタ電極155及び信号用のエミッタ電極165からは各IGBT328とIGBT330のエミッタ電極に流れる電流の情報が、対応する駆動部(IC)に入力されている。これにより、各駆動部(IC)は過電流検知を行い、過電流が検知された場合には対応するIGBT328,IGBT330のスイッチング動作を停止させ、対応するIGBT328,IGBT330を過電流から保護する。
直列回路150に設けられた温度センサ(不図示)からは直列回路150の温度の情報がマイコンに入力されている。また、マイコンには直列回路150の直流正極側の電圧の情報が入力されている。マイコンは、それらの情報に基づいて過温度検知及び過電圧検知を行い、過温度或いは過電圧が検知された場合には全てのIGBT328,IGBT330のスイッチング動作を停止させる。
以上がインバータ装置の主な構成であるが、これらの動作は既によく知られているので、ここではその動作等についてはその説明を省略する。
図3及び図4は電力変換装置200の外観斜視図であり、本実施の形態の電力変換装置200は、平面形状が長方形の直方体形状としたことにより小型化が図れ、また、車両への取り付けが容易となるという効果を有している。8は蓋、10はハウジング、12は流路形成体、13は冷却媒体の入口配管、14は出口配管、420は下カバーである。蓋8、ハウジング10、流路形成体12および下カバー420は、電力変換装置200のケーシングを構成している。コネクタ21は、外部との接続のために設けられた信号用のコネクタである。
蓋8は、電力変換装置200を構成する回路部品が収納されるハウジング10の上部開口部に固定される。ハウジング10の下部に固定される流路形成体12は、後述するパワーモジュール300及びコンデンサモジュール500を保持するとともに、冷却媒体によってこれらを冷却する。冷却媒体としては、例えば水が用いられる場合が多く、以下では冷却水として説明する。入口配管13および出口配管14は流路形成体12の一側面に設けられ、入口配管13から供給された冷却水は流路形成体12内の後述する流路19に流入し、出口配管14から排出される。
交流コネクタ187が装着される交流インターフェース185および直流コネクタ138が装着される直流インターフェース137は、ハウジング10の側面に設けられている。交流インターフェース185と直流インターフェース137は同一部材上に配置されており、交流インターフェース185に装着された交流コネクタ187の交流配線187aは上方に延びている。直流インターフェース137に装着された直流コネクタ138の直流配線138aは電力変換装置200の下方に延びている。
図5にあるように、ハウジング10の一側面には交流インターフェース185および直流インターフェース137が固定される開口10a、開口10bが形成されている。開口10aからは3本の交流バスバー802、すなわち、U相交流バスバー802U、V相交流バスバー802VおよびW相交流バスバー802Wが突出する。また、開口10bからは直流電源端子508,509が突出している。
図6は図3において流路形成体12からハウジング10を外した状態を示す図である。ハウジング10は2つの収納空間を有しており、隔壁10cによって上部収納空間と下部収納空間とに区画されている。すなわち、蓋8とともに上側ケーシングとして機能するハウジング10は、側壁10eと天板である隔壁10cとを備え、隔壁10cの上面にコネクタ21が接続された制御回路基板20が固定され、隔壁10cの下側の下部収納空間にドライバ回路基板22および後述するバスバーアッセンブリ800が収納されている。制御回路基板20には図2に示した制御回路172が実装され、ドライバ回路基板22にはドライバ回路174が実装されている。
バスバーアッセンブリ800は、ボルト等によって流路形成体12に固定されている。バスバーアッセンブリ800には上方に突出する支柱807aが複数設けられており、これらの支柱807a上にドライバ回路基板22が固定されている。すなわち、ドライバ回路基板22は、バスバーアッセンブリ800の上方に対向配置されている。制御回路基板20とドライバ回路基板22とはフラットケーブル23によって接続されるが、そのフラットケーブルは隔壁10cに形成されたスリット状の開口を通って下部収納空間から上部収納空間へと引き出される。
蓋8の内側の、すなわちハウジング10の上部収納空間には、上述したように制御回路172を実装した制御回路基板20が配置されている。蓋8には、コネクタ21用の開口が形成されている。電力変換装置200内の制御回路を動作させる低電圧の直流電力は、コネクタ21から供給される。
流路形成体12には、入口配管13から流入した冷却水が流れる流路が形成されている。パワーモジュールの冷却流路は、流路形成体12の3つの側面に沿って流れるようなコの字形状の流路を形成している。入口配管13から流入した冷却水はコの字形状流路の一端から流路内に流入し、流路内を流れた後に、流路の他端に接続されている出口配管14から流出される。
流路の上面には3つの開口部402a〜402cが形成されており、直列回路150を内蔵したパワーモジュール300U,300V,300Wがそれらの開口部402a〜402cから流路内に挿入される。パワーモジュール300UにはU相の直列回路150が内蔵され、パワーモジュール300VにはV相の直列回路150が内蔵され、パワーモジュール300WにはW相の直列回路150が内蔵されている。これらパワーモジュール300U〜300Wは同一構成になっており、外観形状も同一形状である。開口部402a〜402cは、挿入されたパワーモジュール300U〜300Wのフランジ部によって塞がれる。
下カバー420とともに下側ケーシングを構成する流路形成体12には、流路によって囲まれるように、電装部品を収納するための収納空間405が形成されている。本実施形態では、この収納空間405にコンデンサモジュール500が収納されている。収納空間405に収納されたコンデンサモジュール500は、流路内を流れる冷却水によって冷却される。コンデンサモジュール500の上方には、交流バスバー802U〜802Wが装着されたバスバーアッセンブリ800が配置される。バスバーアッセンブリ800は、流路形成体12の上面に固定される。バスバーアッセンブリ800には、電流センサモジュール180が固定されている。
パワーモジュールは、直流電流を交流電流に変換するパワー半導体素子と、パワー半導体素子と半田材を介して接続されるリードフレームとを備え、リードフレームは、バスバーと一体に形成されている。
ドライバ回路基板22は、バスバーアッセンブリ800に設けられた支柱807aに固定されることにより、バスバーアッセンブリ800の上方に配置される。上述したように、制御回路基板20とドライバ回路基板22とはフラットケーブルによって接続される。フラットケーブルは隔壁10cに形成されたスリット状の開口を通って下部収納空間から上部収納空間へと引き出される。
このように、パワーモジュール300U〜300Wとドライバ回路基板22と制御回路基板20とが高さ方向に階層的に配置され、制御回路基板20が強電系のパワーモジュール300U〜300Wから最も遠い場所に配置されるので、制御回路基板20側にスイッチングノイズ等が混入するのを低減することができる。さらに、ドライバ回路基板22と制御回路基板20とは隔壁10cによって区画された別の収納空間に配置されるため、隔壁10cが電磁シールドとして機能し、ドライバ回路基板22から制御回路基板20に混入するノイズを低減することができる。なお、ハウジング10はアルミ等の金属材で形成されている。
更に、ハウジング10に一体に形成された隔壁10cに制御回路基板20が固定されるため、外部からの振動に対して制御回路基板20の機械的な共振周波数が高くなる。そのため、車両側からの振動の影響を受け難く、信頼性が向上する。バスバーアッセンブリ800はパワーモジュール300U〜300Wが収納された流路形成体12の上面に固定される。
図7にバスバーアッセンブリ300と流路形成体12を一体化した状態を示す。この状態において、パワーモジュール300U〜300Wとコンデンサモジュール500の接続、バスバーアッセンブリ300上のU相交流バスバー802U、V相交流バスバー802VおよびW相交流バスバー802Wとパワーモジュール300U〜300Wの接続のため、バスバーの接合端子BTを上方から接合することになる。図7では代表して2箇所に参照番号BTを付している。
以上が電力変換装置の機構的な構成であるが、この構成については既に知られたものであるので、これ以上の説明は省略する。
次に、本発明が対象とするバスバーの接合方法について図面を用いて詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されることなく、本発明の技術的な概念の中で種々の変形例や応用例をもその範囲に含むものである。
本発明の実施形態に使用されるバスバーの構成は図8及び図9に示されている通りである。図8はバスバーの接合端子BTの先端部分を切り取ったものを示しており、一方のバスバー900Aは融点が高い金属材料、ここでは銅系の金属材料で構成され、他方のバスバー900Bは融点が低い金属材料、ここではアルミニウム系の金属材料で構成されたものである。この他に銅やアルミニウム以外の電気伝導性の良い金属材料を使用しても差し支えないものである。ここで、『融点が高い』、『融点が低い』とは両者を比較した時の相対的な表現であって、絶対的な温度を限定的に示すものではない。
また、図9はバスバーの接合端子BTが設置された箇所を部分的に抜き出して拡大したものである。このバスバーの接合端子BTは交流バスバーを示している。ここで、銅系の金属材料とは純銅、或いは銅を主体とする合金よりなる金属材料であり、アルミニウム系の金属材料とは純アルミニウム、或いはアルミニウムを主体とする合金よりなる金属材料である。
銅系バスバー900Aとアルミニウム系バスバー900Bは平板状に形成され、互いの一面側で対向配置されている。ここでアルミニウム系バスバー900Bは銅系バスバー900Aよりその厚さが厚く構成されている。この理由については後で明らかにする。本実施例の場合はでアルミニウム系バスバー900Bは銅系バスバー900Aの2倍の厚さに設定されている。銅系バスバー900Aはパワーモジュール300Vに接続され交流接続バスバーとして使用され、アルミニウム系バスバー900Bは外部に交流出力を送る交流ターミナルとして使用される。交流ターミナルは外部に引き出されて交流インターフェース185に接続される。
銅系バスバー900Aとアルミニウム系バスバー900Bの先端は中央が窪んだ二つの山部900A−1、900A−2と、900B−1、900B−2の形状に形成されており、900A−1と900B−1の組み合わせと、900A−2と900B−2の組み合わせで接合が行われるものである。これらの山部900A−1、900B−1と、900A−2、900B−2の接合によって接合部901Aと接合部901Bが形成される。これらの接合には各山部900A−1、900B−1と、900A−2、900B−2の上方に溶接トーチを近接させ、アルミニウム系バスバー900Bの山部900B−1、900B−2を溶融するようにして接合している。この接合方法等については図10、図11で詳細に説明する。
図10には異種金属のバスバーを接合する際のバスバーBTと溶融装置WTの関係を示している。本実施例で行う特徴的な接合は、基本的には融点が低い金属材料で作られたバスバーを溶融させ、この溶融した金属を他方の融点が高い金属材料で作られたバスバーに流し、この溶融金属で融点の高い金属材料で作られたバスバーと溶着するところにある。
このように融点の異なる異種金属のバスバーを接合する例として、例えば融点が高い金属材料である銅系バスバー900Aと融点が低い金属材料であるアルミニウム系バスバー900Bの場合、アルミニウム系バスバー900Bの融点は約660℃であり、銅系バスバー900Aの融点は約1050℃である。したがって、溶融装置WTのエネルギーはアルミニウム系バスバー900Bを溶融できるが、銅系バスバー900Aは溶融できないエネルギー量に設定されている。尚、溶融装置WTは既存の溶接装置WTが使用され、この溶接装置の種類は多くあるが、これについては後で説明する。
図9にあるように、本実施例では銅系バスバー900Aとアルミニウム系バスバー900Bを電力変換装置内に組み立てた状態で、両バスバーをアーク式の溶接装置WTで接合するものである。
しかしながら、銅系バスバー900Aの山部900A−1、900A−2及びアルミニウム系バスバー900Bの山部900B−1、900B−2の先端位置を図8、図9にあるように同一面上で揃えていると、アルミニウム系バスバー900Bの山部900B−1、900B−2を溶融させた際に、溶融されたアルミニウム系溶融金属が銅系バスバー900Aの山部900A−1、900A−2に流れ落ちることができなく、アルミニウム系バスバー900Bのアルミニウム系溶融金属が重力によって下側に溶け落ちてしまい、接合が出来ない恐れがある。
これに対して、本実施例では図10、図11にあるように、アルミニウム系バスバー900Bの山部900B−1、900B−2を銅系バスバー900Aの山部900A−1、900A−2に対して所定の距離「La」だけ上側に突出させるようにしている。つまり、アルミニウム系バスバー900Bの山部900B−1、900B−2の溶融したアルミニウム系溶融金属が重力によって下側に流れ落ちるが、銅系バスバー900Aの山部900A−1、900A−2が下側で棚のような形状で配置されているため、この部分でアルミニウム系バスバー900Bの溶融したアルミニウム系溶融金属がその流れを留められ、結果としてアルミニウム系溶融金属が銅系バスバー900Aの山部900A−1、900A−2の表面上で溶着されるものである。したがって、銅系バスバー900Aの山部900A−1、900A−2は本実施例では基本的には溶接装置WTで溶融されていないものである。
尚、溶接装置WTはアルミニウム系バスバー900Bの山部900B−1、900B−2を溶融する機能を備えていれば良く、溶接装置WTの溶接電極はアルミニウム系バスバー900Bの山部900B−1、900B−2に対向するように配置されていれば良い。
ただ、アルミニウム系バスバー900Bの山部900B−1、900B−2のアルミニウム系溶融金属を銅系バスバー900Aの山部900A−1、900A−2により流れやすくするためには、溶接装置WTの溶接電極位置をアルミニウム系バスバー900Bと銅系バスバー900Aの対向面から銅系バスバー900A側に所定の距離「Lb」だけ寄せてアークを発生させることで、アルミニウム系バスバー900Bのアルミニウム系溶融金属が銅系バスバー900Aの山部900A−1、900A−2に流れやすくなる。つまり、溶接装置WTを銅系バスバー900A側に位置させることで、銅系バスバー900Aの表面または突出したアルミニウム系バスバー900Bの山部900B-1、900B-2の銅系バスバー900A側の角部「C部」にアークが飛びやすくなる。これより、アルミニウム系バスバー900Bの溶融開始部が銅系バスバー900A側寄りの位置となり、溶融時にアルミニウム系溶融金属が銅系バスバー900Aの山部900A−1、900A−2上に覆いかぶさる様な状態となって溶着されるようになる。
図12に上記した接合法で接合したバスバーBTの写真を示し、図13でその時のアルミニウム系バスバー900Bのアルミニウム系溶融金属の変化を説明する。
図12にあるように、写真中で左側が銅系バスバー900A10を示し、右側がアルミニウム系バスバー900Bを示している。この写真からわかるように、アルミニウム系バスバー900Bの山部900B-1、900B-2は溶融されて銅系バスバー900Aの山部900A−1、900A−2の表面に溶着される状態となっている。
図13にあるように、溶接装置WTの溶接電極によってアークがアルミニウム系バスバー900Bの山部900B-1、900B-2の角部「C部」に飛ぶと、この部分から溶融が始まり、溶融したアルミニウム系溶融金属は銅系バスバー900Aの山部900A−1、900A−2に向けて流れていく。
この理由として、アーク式の溶接装置WTを使用すると、放電アークとアルミニウム系バスバー900Bの山部900B-1、900B-2との電磁気相互作用によりアルミニウム系溶融金属が溶接電極側に引っ張られる現象が生じる。したがって、本実施例ではアーク式の溶接装置WTの溶接電極先端位置は銅系バスバー900A側に近づけることによって、溶接電極先端からのアーク放電がアルミニウム系溶融金属を銅系バスバー900Aの山部900A-1、900A-2の表面上に流れていくようになる。
また、アルミニウム系バスバー900Bの山部900B-1、900B-2の角部「C部」の反対側は溶融が始まっておらず、いわゆる壁部として機能する。このため、溶融されたアルミニウム系溶融金属はこの壁部の存在によって銅系バスバー900Aの山部900A−1、900A−2の表面上に流れていく。これのくり返しによってアルミニウム系バスバー900Bの山部900B-1、900B-2が連続的に溶融されていき、最終的には図13の左側の図面にあるように山部900B-1、900B-2が全体的に溶融されるようになる。そして、アルミニウム系バスバー900Bは上面から所定距離の範囲に亘って溶融された状態となる。
ここで、アルミニウム系溶融金属は銅系バスバー900Aの山部900A−1、900A−2の表面上に流れていくが、本実施例では銅系バスバー900Aの山部900A−1、900A−2は溶融されていない非溶融の状態であるので、銅系バスバー900Aの山部900A−1、900A−2の表面「W部」はアルミニウム系溶融金属が溶着した状態となっている。したがって、銅系バスバー900Aの山部900A−1、900A−2の表面「W部」はアルミニウム系溶融金属によって全体的に覆われる形態となって広い通電面積を確保することができ、接合部の信頼性を向上することができるようになる。
尚、本実施例ではアルミニウム系バスバー900Bの厚さを銅系バスバー900Aの厚さより厚くしているが、これは充分な量のアルミニウム系溶融金属を生成して、銅系バスバー900Aの山部900A−1、900A−2の表面「W部」をアルミニウム系溶融金属によって全体的に覆うようにするためである。
以上において、本実施例ではアーク式の溶接装置を使用したが次の溶接装置を使用しても差し支えないものである。アーク式の溶接装置以外の溶接装置としては、レーザ光あるいは電子ビームといった集中ビーム型エネルギーを照射する溶接装置が使用できる。
しかしながら、アーク式の溶接装置と異なって、金属材料との間に電磁気相互作用は生じないので、アルミニウム系溶融金属を引き付けることができず、逆に溶融時に発生するガスや蒸気などの影響により、アルミニウム系溶融金属は照射部位より反対側に押され、銅系バスバー900Aの山部900A−1、900A−2側に向かわない挙動をとるようになる。
このような問題を解決するためには、レーザ光や電子ビームの照射位置をアルミニウム系バスバー900B側に近づけ、かつ照射方向角度を銅系バスバー900A側に傾けることによって、アルミニウム系溶融金属が銅系バスバー900Aの山部900A−1、900A−2の表面上側に向けて流れるようにすることができる。これによって銅系バスバー900Aの山部900A−1、900A−2の表面「W部」をアルミニウム系溶融金属によって全体的に覆うようにすることができる。
もちろん、アルミニウム系バスバー900Bの山部900B-1、900B-2の角部「C部」付近を狙って、レーザ光や電子ビームを照射すれば、角部「C部」の反対側は溶融が始まっておらず、いわゆる壁部として機能するため、溶融されたアルミニウム系溶融金属はこの壁部の存在によって銅系バスバー900Aの山部900A−1、900A−2の表面上に流れていくこともできる。尚、本実施例以外の実施例においても同様に多くの溶接装置を使用することができる。
尚、アーク式の溶接装置を使用する場合は交流式TIG(Tungsten Inert Gas)溶接装置を使用するのが望ましいものである。この交流式TIG溶接装置を用いることで、アークを発生させる際に放電電極の極性(正/負)が周期的に切り替わることで、アルミニウム表面に介在する酸化膜を除去することができる。
直流方式TIG溶接装置を用いる場合、アルミの酸化膜を除去するには高いエネルギーを加える必要がある。しかし、エネルギーが高いために、酸化膜の除去と共にアルミニウムの沸点に達しやすくなり、溶融金属内にボイドが発生しやすくなる。このため、ボイド低減を図るために交流方式のTIG溶接を行うことが有効な手段である。他のアーク溶接の方式として、直流型TIGアーク溶接あるいはプラズマアーク溶接も、アルミニウム部材の酸化膜を除去するのに高い入熱の投入を要するものの、可能な施工方式である。
このように、本実施例においては、高融点の金属材料である銅系バスバー900Aの山部900A−1、900A−2は非溶融状態を保ち、低融点の金属材料であるアルミニウム系バスバー900Bの山部900B-1、900B-2は溶融して銅系バスバー900Aの山部900A−1、900A−2表面を全体的に覆って溶着状態の構成となる。このような接合形式によれば、銅系バスバー900Aとアルミニウム系バスバー900Bの金属材料(銅系金属とアルミニウム系金属)が混合して溶融、凝固する際の融合性や相安定性に制約を受けることなく、通電性を確保した健全な接合部を形成できるという効果が得られるようになる。
特許文献1にあるような接合方法では、銅系バスバー900Aとアルミニウム系バスバー900Bを多量に溶融して合金層を形成するものであるが、銅系金属のアルミニウム系金属に対する混合比が高いと金属間化合物が形成されやすくなる。この金属間化合物は溶接割れの感受性が高く、健全な接合構造を形成しにくいものであった。
一方、本実施例では銅系バスバー900Aを非溶融とし、アルミニウム系バスバー900Bを溶融状態にして銅系バスバー900Aの表面に覆い被せる溶着状態としているため、両者の界面で金属間化合物が生成され難くなって、融合性や相安定性に制約を受けることなく、通電性を確保した健全な接合部を形成できるという効果が得られるようになる。
次に本発明の第2の実施形態について説明する。第1の実施形態(実施例1)においては高融点の金属材料で作られたバスバー(銅系バスバー900A)は低融点の金属材料で作られたバスバー(アルミニウム系バスバー900B)に対して非溶融の状態とされていた。
これに対して、実施例2では高融点の金属材料で作られたバスバー(銅系バスバー900A)の表面部だけわずかに溶融した溶融領域を形成し、低融点の金属材料で作られたバスバー(アルミニウム系バスバー900B)の溶融金属がこの溶融領域を溶着する際に、両者の成分が混合されて凝固した接合領域を形成したものである。
尚、この混合状態は、特許文献1のように多くの量の金属材料を溶融して積極的に混合した混合状態とは異なり、低融点の金属材料で作られたバスバー(アルミニウム系バスバー900B)を溶融する時に生じる、高融点の金属材料で作られたバスバー(銅系バスバー900A)の表面部だけわずかに溶融した溶融金属を利用するものである。
以下に第2の実施形態について説明するが接合方法やバスバーの形状は第1の実施の形態と同様である。ただ、本実施例では高融点の金属材料で作られたバスバー(銅系バスバー900A)の表面部だけわずかに溶融するため、実施例1に比べて溶接装置WTのエネルギーを若干大きくしている。この溶接装置WTの各バスバーに与えるエネルギーはバスバーの仕様等によって適切に選択されて接合が実行されるものである。尚、エネルギーを大きくしなくても高融点の金属材料で作られたバスバー(銅系バスバー900A)の表面部だけわずかに溶融できれば良いので、あえてエネルギーを大きくすることは必要ない場合もある。
図14にあるように、溶接装置WTの溶接電極によってアークがアルミニウム系バスバー900Bの山部900B-1、900B-2の角部「C部」に飛ぶと、この部分から溶融が始まり、溶融したアルミニウム系溶融金属は銅系バスバー900Aの山部900A−1、900A−2に向けて流れていく。
この時、溶接装置WTを銅系バスバー900A側に位置させているので、銅系バスバー900Aの表面にもアークが飛ぶようになる。このため、銅系バスバー900Aの山部900A−1、900A−2の表面も溶融が始まる。ただ、この時の溶接装置のエネルギーは、銅系バスバー900Aの山部900A−1、900A−2を大量に溶融させるエネルギーではないので、銅系バスバー900Aの山部900A−1、900A−2の表面は薄い領域で溶融領域を形成する。
この状態で、銅系バスバー900Aの山部900A−1、900A−2の溶融領域に存在する銅系溶融金属に、アルミニウム系バスバー900Bの山部900B-1、900B-2で溶融したアルミニウム系溶融金属が流れ込んでくると、両者の界面近傍で混ざり合って凝固を行ない、この結果として両者の界面近傍に薄い合金層「X部」を形成するようになる。この薄い合金層「X部」は、合金の割合としてアルミニウム系溶融金属が多く含まれたアルミリッチ合金層が形成されている。
特許文献1では多くの量の金属材料を溶融して積極的に混合することで界面に完全な金属結合領域を形成できるので、通電性と共に機械強度に優れた接合部を得ることができるという反面、両バスバーの金属材料の成分が多量に混合して溶融、凝固するので、各金属材料の融合性や相安定性に制約を受け、割れのような有害な欠陥が生じるという課題があった。特許文献1は銅系バスバーとアルミニウム系バスバーを多量に溶融して合金層を形成するものであるが、銅系金属のアルミニウム系金属に対する混合比が高いと金属間化合物が形成されやすくなる。この金属間化合物は溶接割れの感受性が高く、健全な接合構造を形成しにくいものであった。
これに対して、本実施例では、銅系バスバー900Aの山部900A−1、900A−2の表面のみをわずかに溶融させて薄い溶融領域を形成し、この溶融領域にアルミニウム系溶融金属を流して混合し、これによってアルミニウム系溶融金属を多く含有する相状態、アルミリッチ合金層を形成させることで、特許文献1で課題となった各金属材料の融合性や相安定性の改善、接合部の割れの感受性の改善を図ることができるようになる。
次に本発明の第3の実施形態について説明する。第2の実施形態(実施例2)においては高融点の金属材料で作られたバスバー(銅系バスバー900A)の表面部だけわずかに溶融した溶融領域を形成し、低融点の金属材料で作られたバスバー(アルミニウム系バスバー900B)の溶融金属がこの溶融領域を溶着する際に、両者の成分が混合されて凝固したアルミリッチの合金層を形成するようにした。
これに対して、実施例3では高融点の金属材料で作られたバスバー(銅系バスバー900A)と低融点の金属材料で作られたバスバー(アルミニウム系バスバー900B)の融合性や溶着性を更に向上することを狙いとしている。
このため実施例3では、高融点側の金属材料で作られたバスバー(銅系バスバー900A)に、低融点の金属材料で作られたバスバー(アルミニウム系バスバー900B)と融合性や溶着性を改善できる相性が良い異種金属表面層を形成させ、低融点の金属材料で作られたバスバー(アルミニウム系バスバー900B)の溶融金属を高融点側の金属材料で作られたバスバー(銅系バスバー900A)の異種金属表面層の表面に流すことによって溶着状態とするものである。
この場合、高融点側の金属材料で作られたバスバー(銅系バスバー900A)と、異種金属表面層と、低融点の金属材料で作られたバスバー(アルミニウム系バスバー900B)の溶融状態を管理すれば少なくとも以下のような形態の接合方法をとることができるようになる。溶融状態の管理としては溶接装置WTのエネルギーを制御してやれば各バスバーの入熱量を制御でき、以下のような溶融状態を確保できるものである。
まず第1に、高融点側の金属材料で作られたバスバー(銅系バスバー900A)の母材、及び異種金属表面層とも非溶融状態で、低融点の金属材料で作られたバスバー(アルミニウム系バスバー900B)の溶融金属が異種金属表面層に流れて溶着された構成である。
第2に、高融点側の金属材料で作られたバスバー(銅系バスバー900A)の母材は非溶融状態で、異種金属表面層の少なくとも表面、或いは全層が溶融されて低融点の金属材料で作られたバスバー(アルミニウム系バスバー900B)の溶融金属がこの異種金属表面層の溶融領域に流れて溶着された構成である。
第3に、高融点側の金属材料で作られたバスバー(銅系バスバー900A)の母材の表面と、異種金属表面層の全層が溶融されて低融点の金属材料で作られたバスバー(アルミニウム系バスバー900B)の溶融金属がこの異種金属表面層の溶融領域に流れて溶着された構成である。
図15にあるように、銅系バスバー900Aの溶着面には上述した異種金属表面層902が形成されている。この異種金属方面層は、例えばニッケル、錫、銀、金などの成分を単独、或いは複数成分を含んだ異種金属の表面層として構成されている。この異種金属表面層は融合性や溶着性を向上する機能を有している。
そして、溶接装置WTの溶接電極によってアークがアルミニウム系バスバー900Bの山部900B-1、900B-2の角部「C部」に飛ぶと、この部分から溶融が始まり、溶融したアルミニウム系溶融金属は銅系バスバー900Aの山部900A−1、900A−2に形成した異種金属表面層902に向けて流れていく。
この時、上述したように溶接装置WTの入熱量を管理することによって、上記した3つの溶融状態を作り出すことができる。第1に、入熱状態を少なくすることによって、銅系バスバー900A、及び異種金属表面層902とも非溶融状態としているので、アルミニウム系バスバー900Bの山部900B-1、900B-2で溶融したアルミニウム系溶融金属が非溶融状態の異種金属表面層に流れて溶着されるものである。尚、図15ではこの状態を表しておらず、図13において銅系バスバー900Aに異種金属表面層902を形成したものがその形態となる。
第2に、第1の状態よりも入熱量を多くすることによって、銅系バスバー900Aは非溶融状態とし、異種金属表面層902の少なくとも表面、或いは全層が溶融されてアルミニウム系バスバー900Bのアルミニウム系溶融金属がこの異種金属表面層902の溶融領域に流れて溶着されるものである。図15において、この時の溶接装置のエネルギーは、銅系バスバー900Aの山部900A−1、900A−2まで溶融させるエネルギーではないので、銅系バスバー900Aの山部900A−1、900A−2の表面は非溶融状態で、異種金属表面層902までが溶融領域を形成する。
この状態で、異種金属表面層902の溶融領域に存在する溶融異種金属に、アルミニウム系バスバー900Bの山部900B-1、900B-2で溶融したアルミニウム系溶融金属が流れ込んでくると、両者の界面近傍で混ざり合って凝固を行ない、この結果として両者の界面近傍に薄い合金層「Y部」を形成するようになる。この薄い合金層「Y部」は融合性や溶着性を改善する異種金属と、アルミニウム系金属よりなる合金層である。この合金層はアルミニウム系金属が多いアルミリッチ層である。
第3に、第2の状態よりも更に入熱量を多くすることによって、銅系バスバー900Aの山部900A−1、900A−2の表面と、異種金属表面層902の全層が溶融され、更にアルミニウム系バスバー900Bのアルミニウム系溶融金属が、銅系バスバー900Aの山部900A−1、900A−2の表面と、異種金属表面層902の溶融領域に流れて溶着されるものである。図15において、この時の溶接装置のエネルギーは、銅系バスバー900Aの山部900A−1、900A−2まで溶融させるエネルギーであるので、銅系バスバー900Aの山部900A−1、900A−2の表面まで溶融状態で、異種金属表面層902を含んで溶融領域を形成する。
この状態で、銅系バスバー900Aの山部900A−1、900A−2の表面まで溶融状態であるので、銅系溶融金属、及び異種金属表面層902の溶融領域を含む溶融金属に、アルミニウム系バスバー900Bの山部900B-1、900B-2で溶融したアルミニウム系溶融金属が流れ込んでくると、銅系溶融金属、及び異種金属が界面近傍で混ざり合って凝固を行ない、この結果として界面近傍に薄い合金層「Y部」を形成するようになる。この薄い合金層「Y部」は銅系金属と、融合性や溶着性を改善する異種金属と、アルミニウム系金属よりなる合金層である。この合金層はアルミニウム系金属が多いアルミリッチ層である。
本実施例では、銅系バスバー900Aの山部900A−1、900A−2の表面に融合性や溶着性を向上する異種金属表面層902を形成することを特徴としている。この異種金属方面層902は、例えばニッケル、錫、銀、金などの成分を単独、或いは複数成分を含んだ異種金属の表面層として構成されているので、実施例1や実施例2にあるバスバーの効果に加えて、融合性や溶着性を向上する機能を有している。このため、異種金属よりなるバスバーの融合性や相安定性の改善、接合部の割れの感受性の改善を図ることができるようになる。
次に異種金属表面層902の形成方法について説明する。図16にあるように銅系バスバー900Aの山部900A−1、900A−2の表面には異種金属表面層902が形成されている。この異種金属表面層902は、銅系バスバー900Aがアルミニウム系バスバー900Bと接触する接触側面900A-3には形成されておらず、銅系バスバー900Aの山部900A−1、900A−2の先端側面900A−4、及び接触側面900A-3の反対側面900A-5に形成されている。
銅系バスバー900Aの接触側面900A-3に異種金属表面層902を形成しない理由は、異種金属表面層902が存在するとアルミニウム系バスバー900Bと接触側面900A-3の間に隙間が生じるのをなくすためである。この隙間があると機械的な外力によって銅系バスバー900Aとアルミニウム系バスバー900Bの間で剥離が生じる可能性が高くなる。このため接触側面900A−3には異種金属表面層902を形成しないようにしている。
また、本実施例では少なくとも銅系バスバー900Aの山部900A−1、900A−2の先端側面900A−4に異種金属表面層902が形成されていれば本来の機能を果たすことができるが、接触側面900A-3の反対側面900A-5にも異種金属表面層902を形成しているのは、異種金属表面層902と銅系バスバー900Aの山部900A−1、900A−2との間の接触面積を大きくして両者の接合強度を大きくするためでもある。
異種金属表面層902の形成は、(1)めっき層、(2)クラッド層を銅系バスバー900Aの製造工程段階にて予め形成させておくことが効果的である。この方法によれば上述した3つの溶融状態に対応できる。
一方、めっき層やクラッド層の形成が困難な場合は、(3)薄片状の異種金属部材を銅系バスバー900Aとアルミニウム系バスバー900Bの間に挟み込むことや仮付けで張り合わせ、アルミニウム系バスバー900Bの溶融と共に薄片状の異種金属部材の少なくとも一部も溶融して凝固させる構造とすることによっても、融合性や溶着性の向上に効果を発揮することができる。この場合、銅系バスバー900A、異種金属表面層902を溶融させない方法については適用できないので注意が必要である。
更に、異種金属表面層902を事前に形成しなくとも、(4)アルミニウム系バスバー900Bの溶融時に外部より銅系バスバー900Aとは異なった成分を含む溶加材を溶融時に供給して共に凝固させる方法も有効である。この場合、溶加材成分の供給方法はフィラーワイヤ等の外部からの供給や、或いはアーク溶接における溶接電極に溶加材成分を含有させ、放電電極の溶融とともに溶加材成分が溶融部に供給される方法によって添加が可能である。
溶加材の成分については、本実施例では高融点の金属材料として銅を主成分ないし主要合金成分とする銅系バスバー900Aであり、低融点の金属材料としてアルミニウムを主成分ないし主要合金成分とするアルミニウム系バスバー900Bであるので、例えばニッケル、錫、銀、金などの成分を単独、或いは複数成分を含んだ異種金属を使用することで、融合性を高めることが可能となる。
また、実施例1乃至実施例3に共通することであるが、異種金属バスバーの電気抵抗のバランスを確保するため、電気抵抗の高いアルミニウム系バスバー900Bの母材板厚は、電気抵抗の低い銅系バスバー900Aの母材板厚よりも大きい組み合わせを取るようにしている。
この場合、融点や板厚に差のある部材同士を溶接する際、溶け落ちなどが生じてバランスの悪い溶融凝固部が形成され通電面積や強度の低い接続部となる恐れがあったが、本発明では、アルミニウム系バスバー900Bの溶融した先端面を軸方向でみて銅系バスバー900Aの先端面側に向けて投影した場合に、アルミニウム系バスバー900Bの山部900B−1、900B−2が溶融した先端面は銅系バスバー900Aの山部900A−1、900A−2の先端面を覆うように重なっている。つまり、アルミニウム系バスバー900Bの山部900B−1、900B−2の溶融部分は銅系バスバー900Aの山部900A−1、900A−2の先端の大部分、望ましくは全部を覆うようにした接合部を形成している。このため、アルミニウム系溶融金属の溶け落ちが少なくなって充分な通電面積を確保できるようになるものである。
ここで、本実施例では各バスバーの先端部を二つの山を形成するようにしているが、これ以外に一つの山、三つの山、或いは山を形成しない平坦にすることも可能である。
以上に説明した各実施例を簡単に総括すると次の通りである。
(1)第1に、アルミニウム系バスバーの溶融部と銅系バスバーの界面が、銅系バスバーが非溶融で、かつ通電可能な溶着状態である。
(2)第2に、アルミニウム系バスバーの溶融部と銅系バスバーの界面が、銅系バスバーの表面近傍を一部溶融してアルミニウム溶融金属と成分的に混合してアルミリッチな相組織を持ち、かつ通電可能な溶着状態である。
(3)第3に、銅系バスバーと密着した異種金属表面層を有し、アルミニウムの溶融部と異種金属表面層との界面が、異種金属表面層が非溶融で、かつ通電可能な溶着状態である。
(4)第4に、銅系バスバーと密着した異種金属表面層を有し、アルミニウムの溶融部と異種金属表面層との界面が、異種金属表面層を少なくとも一部溶融してアルミニウム溶融金属と成分的に混合した相組織を持ち、かつ通電可能な溶着状態である。
(5)第5に、銅系バスバーと密着した異種金属表面層を有し、アルミニウムの溶融部と異種金属表面層との界面、及び異種金属表面層と銅系バスバーの界面が、異種金属表面層、並びに、銅系バスバーの表面の少なくとも一部を溶融し、銅系バスバーの表面溶融部と異種金属表面層の溶融部、及びアルミニウム溶融部が成分的に混合した相組織を持ち、かつ通電可能な溶着状態である。
この場合、異種金属表面層は、めっき層やクラッド層のような密着力に優れた層の形成でなくとも、薄片状の異種金属を銅系バスバーに仮付けで張り合わせたり、アルミニウム系バスバーとの間に挟み込ませたりして、銅系バスバー表面の溶融とともに、薄片状の異種金属の少なくとも一部も溶融して凝固させることによっても形成することが可能である。
(6)第6に、アルミニウム溶融部に外部からの添加材成分が混合し、添加成分とアルミニウムとの混合成分からなる溶融部と銅系バスバーの界面が、銅系バスバーの表面近傍を一部溶融し、銅系バスバーの表面近傍の溶融部とアルミニウムの溶融部と添加剤成分とが成分的に混合した相組織を持ち、かつ通電可能な溶着状態である。
以上述べたように、本発明は特許文献1にあるような異種金属を積極的に溶融させて完全な金属接合を得るというアプローチではなく、これとは異なったアプローチで異種金属のバスバーを接合するものである。
つまり、この種の異種金属のバスバーを接合する上で、完全な金属接合を行なうことなく、バスバー間の通電面積が安定して確保されていれば電流遮断といった重大な事故を予防できるという知見に基づき、低融点側のバスバーの接合端部を高融点側のバスバーの溶接端部より突出させ、この低融点側のバスバーの接合端部を主体的に溶融させ、この溶融した低融点側のバスバーの金属材料を高融点側のバスバーの接合端部に流動させて接合するようにしたものである。
本発明によれば、高融点側の接合端部の表面付近を非溶融状態、或いは表面付近の薄い層を溶融状態にすることで、低融点側のバスバーの溶融金属と高融点側のバスバーの接合端部を溶着状態とすることができ、バスバー間の通電面積が安定して確保できるようになって信頼性の高い接合部を形成することができるものである。また、低融点側のバスバーの接合端部を溶融できるエネルギーであれば充分であるので、溶接機のエネルギーを低減できる効果も期待できるようになる。
900A…銅系バスバー、900B…アルミニウム系バスバー、900A-1…銅系バスバーの山部、900A-2…銅系バスバーの山部、900B-1…アルミニウム系バスバーの山部、900B-2…アルミニウム系バスバーの山部、C部…角部、
W部…界面、X部…合金層、Y部…合金層。

Claims (28)

  1. 高融点の第1バスバーと、前記第1バスバーよりも融点が低い低融点の第2バスバーとを接続する異種金属バスバーの接合方法において、
    前記第1バスバーと前記第2バスバーを接触するように配置すると共に前記第2バスバーの先端部を前記第1バスバーの先端部よりも突出させ、前記第2バスバーの先端部を溶融装置によって溶融させ、この溶融した第2バスバーの溶融金属を前記第1バスバーの先端部に流して前記第1バスバーの先端部表面と前記第2バスバーの溶融金属とを溶着することを特徴とする異種金属バスバーの接合方法。
  2. 請求項1に記載の異種金属バスバーの接合方法において、
    前記溶融装置はアーク式の溶接装置であり、前記アーク式の溶接装置の放電電極から飛ぶアークによって前記第2バスバーの先端部を溶融することを特徴とする異種金属バスバーの接合方法。
  3. 請求項2に記載の異種金属バスバーの接合方法において、
    前記アーク式の溶接装置の放電電極は前記第1バスバー側に寄せて配置され、前記放電電極から飛ぶアークによって前記第2バスバーの先端部を溶融することを特徴とする異種金属バスバーの接合方法。
  4. 請求項1に記載の異種金属バスバーの接合方法において、
    前記溶融装置はレーザ光、或いは電子ビームを照射する溶接装置であり、前記レーザ光、或いは電子ビームによって前記第2バスバーの先端部を溶融することを特徴とする異種金属バスバーの接合方法。
  5. 請求項4に記載の異種金属バスバーの接合方法において、
    前記レーザ光、或いは電子ビームを照射する溶接装置は、前記レーザ光、或いは電子ビームを前記第2バスバー側に向けて照射するように照射位置及び照射角度を決定し、前記レーザ光、或いは電子ビームによって前記第2バスバーの先端部を溶融することを特徴とする異種金属バスバーの接合方法。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の異種金属バスバーの接合方法において、
    前記第1バスバーの先端部は溶融しない非溶融状態とし、この非溶融状態の先端部に前記第2バスバーの溶融金属が流れて溶着されることを特徴とする異種金属バスバーの接合方法。
  7. 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の異種金属バスバーの接合方法において、
    前記第1バスバーの先端部の表面は溶融状態とし、この溶融状態の先端部に前記第2バスバーの溶融金属が流れて前記第1バスバーの溶融金属と混合されて溶着されることを特徴とする異種金属バスバーの接合方法。
  8. 請求項7に記載の異種金属バスバーの接合方法において、
    前記第1バスバーと前記第2バスバーが混合されて溶着される部分は第2バスバーの金属成分が多いことを特徴とする異種金属バスバーの接合方法。
  9. 請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の異種金属バスバーの接合方法において、
    前記第1バスバーは銅を主成分乃至主要合金元素とする銅系バスバーであり、前記第2バスバーはアルミニウムを主成分乃至主要合金元素とするアルミニウム系バスバーであることを特徴とする異種金属バスバーの接合方法。
  10. 高融点の第1バスバーと、前記第1バスバーよりも融点が低い低融点の第2バスバーとを接続する異種金属バスバーの接合方法において、
    前記第1バスバーの先端部には前記第1バスバー及び前記第2バスバーとは異なる金属である異種金属表面層が形成されており、前記第1バスバーと前記第2バスバーを接触するように配置すると共に前記第2バスバーの先端部を前記第1バスバーの先端部よりも突出させ、前記第2バスバーの先端部を溶融装置によって溶融させ、この溶融した第2バスバーの溶融金属を前記第1バスバーの先端部の表面に形成された異種金属表面層に流して前記異種金属表面層と前記第2バスバーの溶融金属とを溶着することを特徴とする異種金属バスバーの接合方法。
  11. 請求項10に記載された異種金属バスバーの接合方法において、
    (1)前記異種金属表面層は溶融しない非溶融状態であり、この非溶融状態の異種金属表面層に前記第2バスバーの溶融金属が溶着されるか、或いは(2)前記異種金属表面層表面は溶融状態であり、この溶融状態の異種金属表面層と前記第2バスバーの溶融金属が混合された合金層で溶着されるか、或いは(3)前記第1バスバーの表面は溶融状態であり、前記異種金属表面層も溶融状態であり、前記第1バスバーの表面の溶融部と異種金属表面層の溶融部と前記第2バスバーの溶融金属が混合された合金層で溶着されていることを特徴とする異種金属バスバーの接合方法。
  12. 請求項11に記載の異種金属バスバーの接合方法において、
    前記異種金属表面層は、前記第1バスバーにめっき処理によって形成されているか、前記第1バスバーにクラッド層として形成されていることを特徴とする異種金属バスバーの接合方法。
  13. 高融点の第1バスバーと、前記第1バスバーよりも融点が低い低融点の第2バスバーとを接続する異種金属バスバーの接合方法において、
    前記第1バスバーと前記第2バスバーを接触するように配置すると共に前記第2バスバーの先端部を前記第1バスバーの先端部よりも突出させ、前記第2バスバーの先端部を溶融装置によって溶融させ、この溶融時に前記第1バスバー及び前記第2バスバーとは異なる成分の異種金属を溶融させ、この溶融した異種金属と前記第2バスバーの溶融金属を前記第1バスバーの先端部に流して前記第1バスバーの先端部表面と前記第2バスバーの溶融金属とを溶着することを特徴とする異種金属バスバーの接合方法。
  14. 請求項13に記載の異種金属バスバーの接合方法において、
    前記異種金属は前記第1バスバーと前記第2バスバーの間に挟み込まれているか、或いは仮付けされて前記第2バスバーと共に溶融されるか、或いは前記溶融装置から添加されることを特徴とする異種金属バスバーの接合方法。
  15. 請求項10乃至請求項14のいずれかに記載の異種金属バスバーの接合方法において、 前記第1バスバーは銅を主成分乃至主要合金元素とする銅系バスバーであり、前記第2バスバーはアルミニウムを主成分乃至主要合金元素とするアルミニウム系バスバーであることを特徴とする異種金属バスバーの接合方法。
  16. 請求項15に記載の異種金属バスバーの接合方法において、
    前記第1バスバーの異種金属は、ニッケル、錫、銀、金などの成分を単独、或いは複数成分を含んだ異種金属であることを特徴とする異種金属バスバーの接合方法。
  17. 請求項1乃至請求項15のいずれかに記載の異種金属バスバーの接合方法において、
    前記第2のバスバーの厚さは前記第1バスバーの厚さよりも大きいことを特徴とする異種金属バスバーの接合方法。
  18. 高融点の第1バスバーと、前記第1バスバーよりも融点が低い低融点の第2バスバーとが電気的に接続された異種金属バスバーにおいて、
    前記第1バスバーと前記第2バスバーを接触するように配置すると共に前記第2バスバーの先端部を前記第1バスバーの先端部よりも突出させ、前記第2バスバーの先端部を溶融することによって生成された第2バスバーの溶融金属で前記第1バスバーの先端部表面が溶着されていることを特徴とする異種金属バスバー。
  19. 請求項18に記載された異種金属バスバーにおいて、
    (1)前記第1バスバーの先端部は溶融しない非溶融状態であり、この非溶融状態の先端部に前記第2バスバーの溶融金属が溶着されるか、或いは(2)前記第1バスバーの先端部の表面は溶融状態であり、前記第2バスバーの溶融金属が前記第1バスバーの溶融金属と混合され、前記第2バスバーの溶融金属の方が多い合金層で溶着されることを特徴とする異種金属バスバー。
  20. 請求項19に記載された異種金属バスバーにおいて、
    前記第1バスバーは銅を主成分乃至主要合金元素とする銅系バスバーであり、前記第2バスバーはアルミニウムを主成分乃至主要合金元素とするアルミニウム系バスバーであることを特徴とする異種金属バスバー。
  21. 請求項20に記載された異種金属バスバーにおいて、
    前記第1バスバーと前記第2バスバーの間の合金層はアルミニウムの量が多いアルミリッチ層であることを特徴とする異種金属バスバー。
  22. 高融点の第1バスバーと、前記第1バスバーよりも融点が低い低融点の第2バスバーとを電気的に接続する異種金属バスバーにおいて、
    前記第1バスバーの先端部には前記第1バスバー及び前記第2バスバーとは異なる金属である異種金属表面層が形成されており、前記第1バスバーと前記第2バスバーを接触するように配置すると共に前記第2バスバーの先端部を前記第1バスバーの先端部よりも突出させ、前記第2バスバーの先端部を溶融することによって生成された第2バスバーの溶融金属で前記異種金属表面層が溶着されていることを特徴とする異種金属バスバー。
  23. 請求項22に記載された異種金属バスバーにおいて、
    (1)前記異種金属表面層は溶融しない非溶融状態であり、この非溶融状態の異種金属表面層に前記第2バスバーの溶融金属が溶着されるか、或いは(2)前記異種金属表面層表面は溶融状態であり、この溶融状態の異種金属表面層と前記第2バスバーの溶融金属が混合された合金層で溶着されるか、或いは(3)前記第1バスバーの表面、及び溶前記異種金属表面層は溶融状態であり、前記第1バスバーの表面の溶融部と前記異種金属表面層の溶融部と前記第2バスバーの溶融金属が混合された合金層で溶着されていることを特徴とする異種金属バスバー。
  24. 高融点の第1バスバーと、前記第1バスバーよりも融点が低い低融点の第2バスバーとを電気的に接続する異種金属バスバーにおいて
    前記第1バスバーと前記第2バスバーを接触するように配置すると共に前記第2バスバーの先端部を前記第1バスバーの先端部よりも突出させ、前記第2バスバーの先端部の溶融時に前記第1バスバー及び前記第2バスバーとは異なる成分の異種金属を溶融させ、この溶融した異種金属と前記第2バスバーの溶融金属で前記第1バスバーの先端部表面が溶着されていることを特徴とする異種金属バスバー。
  25. 請求項18乃至請求項24のいずれかに記載された異種金属バスバーにおいて、
    前記第2バスバー溶融部分は前記第1バスバー先端部の大部分、望ましくは全部を覆うことを特徴とする異種金属バスバー。
  26. 内部に収納空間を形成した金属製のハウジングと、前記収納空間に載置されたコンデンサモジュールと、前記コンデンサモジュールに接続され前記ハウジングに設けられた直流ターミナルと、前記コンデンサモジュールと電気的に接続されたパワーモジュールと、前記パワーモジュールに接続される前記ハウジングに設けられた交流ターミナルと、前記交流ターミナルと前記パワーモジュールとを接続する交流接続バスバーとを備えた電力変換装置において、
    前記交流接続バスバーと前記交流ターミナルを請求項18乃至請求項24に記載された異種金属バスバーによって構成したことを特徴とする電力変換装置。
  27. 請求項26に記載された電力変換装置において、
    前記交流接続バスバーは前記第1バスバーであり、前記交流ターミナルは前記第2バスバーであることを特徴とする電力変換装置。
  28. 請求項27に記載された電力変換装置であって、
    前記パワーモジュールは、直流電流を交流電流に変換するパワー半導体素子と、前記パワー半導体素子と接続されるリードフレームとを備え、前記リードフレームは第1バスバーと一体に形成されていることを特徴とする電力変換装置。
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