本発明及び本実施形態における用語の意味は、以下の通りである。
「操作スイッチ」とは、ベットスイッチ、スタートスイッチ、ストップスイッチを含み、狭義には、遊技を進行し、遊技結果を得るために遊技者が操作するスイッチである。
一方、「操作スイッチ」は、広義には、上記以外に、貯留されたメダルを実際に払い出すとき(ペイアウトするとき)に遊技者が操作する精算スイッチ、演出の進行(発展)を遊技者の意思によって行うときに遊技者が操作する演出スイッチ(チャンスボタン)を含むものである。
また、「遊技を進行する」とは、メダルを投入する、リールの回転を開始する、回転中のリールを停止させるという遊技動作を、遊技者の意思によって進行することを指す。
「通常遊技」とは、「特別遊技」や「AT遊技(特定遊技)」等に対する語ではなく、操作スイッチの本来の機能(ベットスイッチは通常遊技を開始するためにメダルを投入する機能、スタートスイッチは通常遊技を開始させるためにリールの回転を開始する機能、ストップスイッチは回転中のリールを、役の抽選結果に基づいて、最大移動図柄数の範囲内において停止させる機能)が有効になっている遊技を指す。
なお、以下の実施形態では、非特別遊技を「一般遊技」と称している。
これに対し、フリーズ中に実行される遊技(「非通常遊技」、「擬似遊技」等)は、少なくとも1つの操作スイッチについて、その機能が、通常遊技を進行して通常遊技での遊技結果を得るためのものとして有効になっていない遊技を指す。特に本実施形態では、スタートスイッチが操作された時から、リールが定速となってストップスイッチの操作受付け可能となるまで(ストップスイッチの機能が遊技結果を得るためのものとして有効になるまで)の間に実行する。
また、「遊技結果」とは、役の抽選結果及びリールの停止時の図柄の組合せにより定まるものであるので、役の抽選結果を得るためのベットスイッチ及びスタートスイッチの操作、並びにリールの停止時の図柄の組合せを得るためのストップスイッチの操作は、遊技結果を得るために必要な操作である。
さらにまた、ベットスイッチ、スタートスイッチ、及びストップスイッチの各操作は、いずれが欠けても遊技を進行し、遊技結果を得ることができないものであるので、これらの操作スイッチの操作は、いずれも遊技を進行する上で必要な操作である。
なお、「遊技結果」では、役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したときは、メダル(遊技媒体)の払出し(リプレイ入賞時の自動投入を含む)を実行する。
これに対し、フリーズ中にリールが停止したとしても、当該遊技(通常遊技)の遊技結果を示すものではない図柄の組合せの停止表示(仮停止)である。また、当該遊技(通常遊技)の遊技結果を示すものではない図柄の組合せが停止表示したときは、役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止する場合がないか、又は役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したとしてもメダルの払出し(小役の図柄の組合せの停止表示時)や自動投入(リプレイの図柄の組合せの停止表示時)が実行される場合はない。
「フリーズ」は、通常遊技(1遊技)中の一部の期間に設定される。たとえば、1遊技において、
a)通常遊技の開始と同時にフリーズが実行され、そのフリーズの終了後に通常遊技を開始する場合、
b)通常遊技を開始した後、フリーズが実行され、そのフリーズの終了後に通常遊技を再開する場合、
c)通常遊技を開始し、通常遊技の終了時にフリーズが実行され、そのフリーズの終了とともに通常遊技を終了する場合
等が挙げられる。
したがって、複数回の通常遊技にわたってフリーズが実行されるときは、1回ごとの通常遊技で、その一部の期間でフリーズが実行される。
すなわち、「通常遊技(N遊技目)では、通常遊技の開始→フリーズの開始→フリーズの終了→通常遊技の再開」の流れで進行する。通常遊技(「N+1」遊技目)についても上記と同様である。
「フリーズ中の進行」は、通常遊技の開始時(リールの回転開始時)にフリーズを実行し、そのフリーズ中にストップスイッチ等の操作スイッチの操作(操作スイッチの機能が通常遊技における遊技を進行して遊技結果を得るためのものとして有効になっていない操作)を契機としてリールが停止し、その停止後、リールを再始動させて通常遊技に移行すること、すなわち通常遊技の開始時におけるリールの回転状態に戻ること等である。このようなフリーズ中は、通常遊技の進行が一時停止状態になっている。
また、フリーズ中のリールの停止とは、通常遊技(本来の遊技)において、機能が有効となっているストップスイッチの操作時におけるリールの停止とは異なるものであり、通常遊技の遊技結果を示すものではない停止(一時的な仮停止)を指す。
さらにまた、フリーズ中のリールの停止は、リール(図柄)が一定位置に完全にとどまる場合もあるが、それ以外には、停止中に揺れ変動を行う場合を含む。
さらに、「揺れ変動」とは、図柄が一定の振幅(揺れ幅)をもって上下移動を繰り返すものであり、静止しない場合(常に上下移動を繰り返す場合)や、静止及び移動を繰り返す場合、たとえば有効ラインを基準として上寄りに約1〜2秒静止した後、下寄りに移動して約1〜2秒静止した後、再度上寄りに移動して約1〜2秒静止することを繰り返す等である。
また、「特定の図柄の組合せ」とは、遊技者にとって有利な遊技(AT遊技等)への移行可能性を有さない又は移行可能性が低いことを意味するハズレ目(バラケ目等)、特定役の当選可能性又は特定遊技への移行可能性を有することを意味するチャンス目、特定遊技への移行可能性が高い特定図柄揃い(「赤7」揃い、「青7」揃い等)、遊技者にとって有利となる特別遊技に移行させるための特別役の当選を意味するリーチ目等である。さらに、フリーズ中に停止表示する「特定の図柄の組合せ」は、図柄組合せライン上に図柄の中心が位置している必要はなく、通常遊技における停止位置に対して、半コマずれた位置に停止している場合も含まれる。
また、「特定の図柄の組合せを停止表示」とは、スロットマシンに設けられた有効ライン上における停止表示に限らず、たとえば有効ラインでない図柄組合せライン(特に、一直線状の無効ライン)に停止表示することも含まれる。
さらに、フリーズ中のリールの停止後の再変動(回転)には、その回転動作がフリーズ中である場合と、フリーズが終了して通常遊技に移行したときの回転である場合とを有する。
以下、図面等を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態におけるスロットマシン10の制御の概略を示すブロック図である。スロットマシン10は、メイン制御手段(遊技制御手段)50とサブ制御手段(演出制御手段)80とを備える。
メイン制御手段50は、役の抽選、リール31の駆動制御、及び入賞時の払出し等の遊技の進行を制御するものである。メイン制御手段50は、メイン制御基板(図示せず)上に設けられており、演算等を行うCPU、遊技の進行等に必要なプログラム等を記憶しておくROM、CPUが各種の制御を行うときに取り込んだデータ等を一時的に記憶しておくRAM等を備える。
また、サブ制御手段80は、遊技中及び遊技待機中(フリーズ中を含む)における演出の選択・出力等を制御するものである。サブ制御手段80は、サブ制御基板(図示せず)上に設けられており、演算等を行うCPU、演出用のデータ等(演出パターン等)を記憶しておくROM、CPUが各種の演出を出力するときに取り込んだデータ等を一時的に記憶しておくRAM等を備える。
なお、サブ制御基板は、メイン制御基板の下位に属する制御基板である。そして、メイン制御手段50とサブ制御手段80とは電気的に接続されており、メイン制御手段50からサブ制御手段80に一方向で、演出の出力に必要な信号や情報(コマンド)が送信されるように形成されている。
図1に示すように、メイン制御手段50の入力側(図1中、左側)には、遊技者が遊技を進行するときに操作する操作スイッチであるベットスイッチ40、スタートスイッチ41、及び(左、中、右)ストップスイッチ42が電気的に接続されている。
ベットスイッチ40は、遊技者が貯留メダルを当該遊技のために投入するときに操作するスイッチである。本実施形態では、いずれの遊技状態であってもメダルを3枚投入して遊技を行うように設定されており、ベットスイッチ40を操作することで、3枚のメダルが投入される。なお、これに限らず、1枚ベット用や2枚ベット用のベットスイッチ40を設けてもよい。
また、メダル投入口43は、実際のメダルを遊技者が投入する部分であり、メダル投入口43からメダルが投入されると、それがセンサ等によって検知されるように構成されている。したがって、メダル投入口43からのメダルの投入は、ベットスイッチ40を操作することと同様の役割を果たす。
さらにまた、スタートスイッチ41は、(左、中、右のすべての)リール31を始動させるときに遊技者が操作するスイッチである。
さらに、(左、中、右)ストップスイッチ42は、3つ(左、中、右)のリール31に対応して3つ設けられ、対応するリール31を停止させるときに遊技者が操作するスイッチである。
メイン制御手段50の出力側(図1中、右側)には、3つのモータ32が電気的に接続されている。
モータ32は、リール31を回転させるためのものであり、各リール31の回転中心部に連結され、後述するリール制御手段64によって制御される。ここで、リール31は、左リール31、中リール31、右リール31からなり、左リール31を停止させるときに操作するストップスイッチ42が左ストップスイッチ42であり、中リール31を停止させるときに操作するストップスイッチ42が中ストップスイッチ42であり、右リール31を停止させるときに操作するストップスイッチ42が右ストップスイッチ42である。
また、図1では図示しないが、各ストップスイッチ42は、半透明の樹脂材料によって略円盤状に形成されており、その背後(スロットマシン10の内部)には、ストップスイッチ42を照光するストップスイッチランプ(LED等)が設けられている。これにより、ストップスイッチ42は、遊技状態等に応じて所定色で発光可能に形成されている。
ストップスイッチ42の操作受付けが可能な状態、すなわち遊技者が通常遊技中に回転中のリール31を停止させるために操作可能な状態であるときは、ストップスイッチランプは青色に点灯され、ストップスイッチ42の操作受付けが不可能な状態では、ストップスイッチランプは赤色に点灯される。したがって、遊技者は、ストップスイッチランプの点灯色を見ることで、そのストップスイッチ42の操作が可能であるか否かを判断することができる。
なお、後述のフリーズ中には、ストップスイッチランプは、紫色に点灯する場合があるが、この点については後述する。
リール31は、リング状のものであって、その外周面には複数種類の図柄(役に対応する図柄の組合せを構成している図柄)を印刷したリールテープを貼付したものである。
図2は、本実施形態におけるリール31の図柄配列を示す図である。図2では、図柄番号を併せて図示している。図2に示すように、本実施形態では、各リール31ごとに、21個の図柄表示領域が等間隔で配置されているとともに(図柄コマ数が21個)、各図柄表示領域にそれぞれ所定の図柄が表示されている。
また、各リール31には、1個(2個以上であってもよい)のインデックス34が設けられている。インデックス34は、リール31の例えば周側面に凸状に設けられており、リール31が所定位置を通過したかや、1回転したか否か等を検出するときに用いられる。そして、各インデックス34を検知するためのセンサ35が設けられており、インデックス34がセンサ35を検知する(切る)と、リール31が所定位置を通過したことが検知される。
また、リール31のインデックス34を検知した瞬間の基準位置上の図柄が予め記憶されている。これにより、インデックス34を検知した瞬間の基準位置上の図柄を検知することができる。
図3は、スロットマシン10のフロントマスク部(前面扉。図示せず。)に設けられた表示窓(透明窓)11と、各リール31との位置関係を示す図である。各リール31は、本実施形態では横方向に並列に3個(左リール31、中リール31、及び右リール31)設けられている。さらに、各リール31は、表示窓11から、上下に連続する3図柄が見えるように配置されている。よって、スロットマシン10の表示窓11から、合計3×3=9個の図柄が見えるように配置されている。
なお、本明細書では、図3中、左リール31の「RP」の図柄、中リール31の「スイカ」の図柄、及び右リール31の「チェリー」の図柄が停止している位置を「上段」と称し、左、中及び右リール31の「赤7」の図柄が停止している位置を「中段」と称し、左リール31の「チェリー」の図柄、中リール31の「RP」の図柄、及び右リール31の「ベル」の図柄が停止している位置を「下段」と称する。
そして、左、中及び右リール31のそれぞれ表示窓11内の1図柄を通るラインが、1つの図柄組合せラインとなる。ここで、「図柄組合せライン」とは、リール31の停止時における図柄の並びラインであって図柄の組合せを形成させるラインである。
本実施形態では、図柄組合せラインのうち、10本が有効ラインに設定されている。ここで「有効ライン」とは、いずれかの役に対応する図柄の組合せがそのラインに停止したときに、その役の入賞となるラインである。
特に、中リール31の上段の図柄を通る有効ラインは、「上段(左リール31)」−「上段(中リール31)」−「上段(右リール31)」の1本である。また、中リール31の中段の図柄を通る有効ラインは、図3に示す9本である。なお、中リール31の下段の図柄を通る有効ラインは設けられていない。
そして、図柄組合せラインのうち、上記有効ライン以外は、無効ラインとなる。ここで、「無効ライン」とは、図柄組合せラインのうち、有効ラインとして設定されないラインであって、いずれかの役に対応する図柄の組合せがそのラインに停止した場合であっても、その役に応じた利益の付与(メダルの払出し等)を行わないラインである。すなわち、無効ラインは、そもそも図柄の組合せの成立対象となっていないラインである。
有効ライン及び無効ラインは、メダルの投入枚数や遊技状態等に応じて設定されるが、本実施形態では、常に3枚のメダルを投入して遊技を行うように設定されている。そして、常に10本が有効ラインとなる。
なお、これに限らず、メダルの投入枚数は、1枚又は2枚でもよい。また、メダル投入枚数や遊技状態等に応じて、図柄組合せラインのうち、有効ライン及び無効ラインの種類及び数を設定してもよい。
さらに、図1において、サブ制御手段80の出力側には、ランプ21、スピーカ22、及び画像表示装置23等の演出出力機器が電気的に接続されている。
ランプ21は、スロットマシン10の演出用のランプであり、所定の条件を満たしたときに、それぞれ所定のパターンで点灯する。なお、ランプ21には、各リール31の内周側に配置され、リール31に表示された図柄(表示窓11から見える上下に連続する3図柄)を背後から照らすためのバックランプ(図示せず)や、スロットマシン10の筐体前面に配置され、役の入賞時等に点滅する上部ランプ及びサイドランプ(図示せず)等が含まれる。
また、スピーカ22は、遊技中に各種の演出を行うべく、所定の条件を満たしたときに、所定のサウンドを出力するものである。
さらにまた、画像表示装置23は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、ドットディスプレイ等からなるものであり、遊技中に各種の演出画像(後述するフリーズ中の演出画像、AT遊技中の押し順、役の抽選結果に対応する演出等)や、遊技情報等(後述するAT遊技の遊技回数や獲得枚数等)を表示するものである。
図4は、本実施形態における役(後述する役抽選手段61で抽選される役)の種類、払出し枚数等、及び図柄の組合せ等を示す図である。図4に示すように、役としては、特別役、小役、及びリプレイが設けられている。
そして、各役に対応する図柄の組合せ及び入賞時の払出し枚数等が定められている。これにより、すべてのリール31の停止時に、いずれかの役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止すると、その役の入賞となり、その役に対応する枚数のメダルの払出し又は自動投入が行われる(ただし、特別役を除く。)。
本明細書では、「いずれかの役に対応する図柄の組合せがいずれかの有効ラインに停止する」ことを、「その役が入賞する」と称する。
役において、まず、特別役とは、通常遊技から特別遊技に移行させる役である。本実施形態では、特別役として、MB(ミドルボーナス。第2種ビッグボーナスともいう。)が設けられている。MBが入賞すると、当該遊技におけるメダルの払い出しはないが、次遊技から、特別遊技の1つであるMB遊技に移行する。
なお、他の特別役としては、BB(第1種ビッグボーナス)、RB(レギュラーボーナス)、SB(シングルボーナス)が挙げられるが、本実施形態では設けられていない。
また、特別役の入賞によって移行する特別遊技には、通常遊技以上に出玉率が高く、遊技者にとって有利な遊技と、メダルの増加を目的としない特別遊技とを有する。
ここで、本実施形態のMBは、MBに当選している遊技状態を作り出すことを目的とするものであり、MBを入賞させてMB遊技に移行させ、そのMB遊技で遊技者のメダルを増加させることを直接の目的とするものではない。
また、小役とは、予め定められた枚数のメダルが払い出される役であり、本実施形態では、大別して小役1〜小役3を備えており、各小役ごとに所定の図柄の組合せが設定されている。なお、小役1及び小役3Aにおける「ANY」とは、いずれの図柄でもよいことを意味している。
また、小役3は、小役3A〜小役3Cの3種類を備える。ここで、小役3B及び小役3Cは、ストップスイッチ42の押し順に応じて、小役3Aである「ANY」−「ベル」−「ANY」の図柄の組合せをどの有効ラインに停止させるかを制御するための「制御役」としての役割を有する小役であり、入賞を本来の目的とするものではない。この点については後述する。
さらにまた、リプレイとは、再遊技役であって、当該遊技で投入したメダル枚数を維持した再遊技が行えるようにした役である。
さらに、図4において、特定図柄A〜Cは、抽選される役に対応する図柄の組合せではないが、後述するフリーズ中のリール動作において停止表示する場合がある図柄の組合せである。
上述した各役において、役に当選した遊技でその役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止しなかったときは、次遊技以降に持ち越される役と、持ち越されない役とが定められている。
持ち越される役としては、特別役であるMBが挙げられる。特別役に当選したときは、リール31の停止時に、特別役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止するまでの遊技において、特別役の当選を次遊技以降に持ち越すように制御される。
このように、特別役の当選は持ち越されるのに対し、特別役以外の役(小役及びリプレイ)は、持ち越されない。役の抽選において、特別役以外の役に当選したときは、当該遊技でのみその当選役が有効となり、その当選は次遊技以降に持ち越されない。すなわち、これらの役に当選した遊技では、その当選した役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止(入賞)可能なようにリール31が停止制御されるが、その当選役の入賞の有無にかかわらず、その遊技の終了時に、その当選役に係る権利は消滅する。
なお、特別役に当選していない遊技中(特別役の当選が持ち越されていない遊技中)を、「非内部中」という。また、当該遊技以前の遊技において特別役に当選しているが、当選した特別役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止していない(入賞していない)遊技中(特別役の当選が持ち越されている遊技中)を「内部中」という。
遊技の開始時には、遊技者は、ベットスイッチ40を操作して予め貯留されたメダルを投入するか、又はメダル投入口43からメダルを投入し、スタートスイッチ41を操作(オン)する。スタートスイッチ41が操作されると、そのときに発生する信号がメイン制御手段50に入力される。
メイン制御手段50(具体的には、後述するリール制御手段64)は、この信号を受信すると、すべてのモータ32を駆動制御して、すべてのリール31を回転させるように制御する(後述するフリーズの実行時を除く)。このようにしてリール31がモータ32によって回転されることで、リール31上の図柄は、所定の速度で表示窓11内で上下方向(図3中、図柄が上段から下段に移動する方向)に移動表示される。
そして、遊技者は、ストップスイッチ42の操作受付けが有効となっているときにストップスイッチ42を押すことで、そのストップスイッチ42に対応するリール31(例えば、左ストップスイッチ42に対応する左リール31)の回転を停止させる。ストップスイッチ42が操作されると、そのときに発生する信号がメイン制御手段50に入力される。メイン制御手段50(具体的にはリール制御手段64)は、この信号を受信すると、そのストップスイッチ42に対応するモータ32を駆動制御して、そのモータ32に係るリール31の停止制御を行う。
そして、すべてのリール31の停止時に、いずれかの役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したとき(すなわち、その役の入賞時)は、入賞した役に対応するメダルの払出し等が行われる。
ここで、本実施形態では、メイン制御手段50側で制御する遊技状態として、一般遊技と特別遊技とを備える。「特別遊技」とは、本実施形態では、MB遊技に相当する。また、「一般遊技」とは、特別遊技以外の遊技をいい、非内部中遊技及び内部中遊技が設けられている。
さらに、内部中遊技には、非AT遊技とAT遊技とを有する。
ここで、AT(アシストタイム)遊技とは、遊技者にとって有利となる(有利な遊技結果を得るための)ストップスイッチ42の操作内容(押し順又は操作タイミング(有効ラインに狙う図柄等))を報知する遊技をいう。
したがって、AT遊技を実行する場合には、ストップスイッチ42の操作内容によって有利な遊技結果を得ることができる場合とできない場合とを設ける。そして、非AT遊技中は、偶然でしか有利な遊技結果を得ることができないが、AT遊技中は、遊技者は、報知に従ってストップスイッチ42を操作すれば、最も有利な遊技結果、例えば最も有利となる図柄の組合せを有効ラインに停止させることができる。
なお、本実施形態のAT遊技は、押し順に係るものであり、当選した小役3Aに対応する図柄の組合せが最も有利な停止態様となるための押し順を報知する。
また、遊技の種類として、通常遊技を有する。
「通常遊技」とは、操作スイッチの機能が遊技を進行して遊技結果を得るためのものとして有効になっている遊技である。
通常遊技では、ベットスイッチ40が操作されたときにメダルが投入され、スタートスイッチ41が操作されたときにリール31の回転を開始し、ストップスイッチ42が操作されたときに、後述の役抽選手段61による役の抽選結果に基づいてリール31を停止させ、リール31の停止時における図柄の組合せによってその遊技における遊技結果を表示する。
また、通常遊技の進行を一時停止状態にするフリーズが設けられている。「フリーズ」とは、(詳細は後述するが、)少なくとも1つの操作スイッチの機能が遊技を進行して遊技結果を得るためのものとして有効になっていない期間である。
さらに、このフリーズ中には、操作スイッチの操作(オン/オフ)を契機として、リール31の回転及び停止動作をさせること(「リール動作」と称する。「非通常遊技」や「擬似遊技」と称される場合もある。)を含むものである。
しかし、操作スイッチの機能が遊技を進行して遊技結果を得るためのものとして有効になっていない状態であり、操作スイッチの操作を契機としてリール31の回転を開始又は停止する動作を行うが、それによって通常遊技が進行したり、通常遊技の遊技結果を停止表示するものではない。
図1に示すように、メイン制御手段50は、以下の役抽選手段61等を備える。なお、本実施形態における以下の各手段は例示であり、メイン制御手段50は、本実施形態で示した手段に限定されるものではない。
役抽選手段61は、役(上述した特別役、小役及びリプレイ)の抽選を行うものである。役抽選手段61は、例えば、役抽選用の乱数発生手段(ハードウェア乱数等)と、この乱数発生手段が発生する乱数を抽出する乱数抽出手段と、乱数抽出手段が抽出した乱数値に基づいて、役の当選の有無及び当選役を判定する判定手段とを備えている。
乱数発生手段は、所定の領域(例えば10進法で0〜65535)の乱数を発生させる。乱数は、例えば200n(ナノ)secで1カウントを行うカウンターが0〜65535の範囲を1サイクルとしてカウントし続ける乱数であり、スロットマシン10の電源が投入されている間は、乱数をカウントし続ける。
乱数抽出手段は、乱数発生手段によって発生した乱数を、所定の時、本実施形態では遊技者によりスタートスイッチ41が操作(オン)された時に抽出する。判定手段は、乱数抽出手段により抽出された乱数値を、後述する役抽選テーブル62と照合することにより、その乱数値が属する領域に対応する役を決定する。例えば、抽出した乱数値がMBの当選領域に属する場合は、MBの当選と判定し、非当選領域に属する場合は、非当選と判定する。
役抽選テーブル62は、抽選される役の種類と、各役の当選確率とを定めたものである。図5は、遊技状態ごとの抽選される役の種類と当選確率とを示す図である。役抽選テーブル62は、それぞれ所定の範囲の抽選領域を有し、この抽選領域は、各役の当選領域及び非当選領域に分けられているとともに、抽選される役が、予め設定された当選確率となるように所定の割合に設定されている。
先ず、非内部中遊技では、特別役であるMBを含め、全役が抽選される。これに対し、内部中遊技及びMB遊技中は、MBは抽選されない。すなわち、一旦MBに当選し、内部中になると、その入賞に基づくMB遊技が終了するまで、MBは抽選されない。
また、図5において、「+」とは、当該遊技で同時に重複当選することを意味している。例えば「小役3A+小役3B+小役3C」とは、これら3つの小役3A〜小役3Cが当該遊技で同時に重複当選することを意味する。
なお、本実施形態では例示していないが、例えば特別役(MB)と小役やリプレイが重複当選する場合や、複数種類のリプレイを設けるとともにこれらのリプレイが重複当選するように設定してもよいのはもちろんである。
また、リプレイは、内部中遊技では、比較的高確率(本実施形態では、1/2.2)で当選するように設定されている。これに対し、非内部中遊技及びMB遊技では、1/7程度である。
説明を図1に戻す。
当選フラグ制御手段63は、役抽選手段61による役の抽選結果に基づいて、各役に対応する当選フラグ63aのオン/オフを制御するものである。本実施形態では、当選役に対応するように、MB、小役1、小役2、小役3A〜小役3C、及びリプレイの各当選フラグ63aを備える。そして、役抽選手段61による役の抽選において当選したときは、対応する役の当選フラグ63aをオンにする(当選フラグ63aを立てる)。例えば、小役1に当選したときは、小役1に係る当選フラグ63aがオンとなり、それ以外の役の当選フラグ63aはオフのままである。
また、上述したように、特別役以外の役の当選は持ち越されないので、当該遊技でこれらの役に当選し、これらの役の当選フラグ63aがオンにされても、当該遊技の終了時にその当選フラグ63aがオフにされる。
これに対し、特別役の当選は持ち越されるので、当該遊技で特別役に当選し、当選した特別役に係る当選フラグ63aがオンになったときは、その特別役が入賞するまでオンの状態が維持され、その特別役が入賞した時点でオフにされる。
例えば、当該遊技でMBに当選したときは、MBの当選フラグ63aがオンにされ、当該遊技でMBが入賞しなかったときは、MBに係る当選フラグ63aはオンの状態が維持される。そして、次遊技(内部中遊技)で、小役3A+小役3Bに当選したときは、すでにオンであるMBに係る当選フラグ63aのほか、小役3A及び小役3Bの当選フラグ63aがオンにされる。そして、当該遊技の終了時にMBが非入賞のときは、MBに係る当選フラグ63aのオンの状態が維持されるとともに、小役3A及び3Bの当選フラグ63aはオフにされる。
このように、オンとなる当選フラグ63aの数は、1つに限られるものではない。
リール制御手段64は、リール31の回転開始命令を受信したとき、特に本実施形態ではスタートスイッチ41が操作されたとき(スタートスイッチ41が操作された旨の信号を受信したとき)に、すべて(3つ)のリール31の回転を開始するように制御するものである。
なお、前遊技でのリール31の回転開始時から、当該遊技でのスタートスイッチ41が操作された時までの時間が4.1秒を経過していないときは、スタートスイッチ41の操作により役の抽選は行われるものの、スタートスイッチ41が操作された瞬間(直後)にリール31の回転は開始せず、上記4.1秒の経過後にリール31の回転が開始する。このように、スタートスイッチ41の操作時からリール31の回転が開始されるまでの時間を「ウエイト時間」という。
そして、本実施形態では、スタートスイッチ41の操作時に発生するウエイトと、後述するフリーズとは、異なるものである。
さらに、リール制御手段64は、通常遊技において、役抽選手段61により役の抽選が行われた後、当該遊技における当選フラグ63aのオン/オフを参照して当選フラグ63aのオン/オフに対応する停止位置決定テーブル65を選択するとともに、ストップスイッチ42が操作されたときに、ストップスイッチ42が操作されたときのタイミングに基づいて、そのストップスイッチ42に対応するリール31の停止位置を決定するとともに、モータ32を駆動制御して、その決定した位置にそのリール31を停止させるように制御するものである。
例えば、リール制御手段64は、通常遊技において、少なくとも1つの当選フラグ63aがオンである遊技では、リール31の停止制御の範囲内において、当選役(当選フラグ63aがオンになっている役)に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止可能にリール31を停止制御するとともに、当選役以外の役(当選フラグ63aがオフになっている役)に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させないように、リール31を停止制御する。
ここで、「リール31の停止制御の範囲内」とは、ストップスイッチ42が操作された瞬間からリール31が実際に停止するまでのリール31の回転量(移動図柄数)の範囲内を意味し、本実施形態では、ストップスイッチ42が操作された瞬間の図柄からの移動図柄数が4コマ以内(ストップスイッチ42が操作された瞬間の図柄を含めて5コマ以内)、いいかえればストップスイッチ42が操作された瞬間からリール31が停止するまでの時間が190ms以内に設定されている。
これにより、ストップスイッチ42の操作を検知した瞬間の図柄から数えてリール31の停止制御の範囲内にある図柄のいずれかが有効ラインに停止させるべき図柄であるときは、ストップスイッチ42が操作されたときに、その図柄が有効ラインに停止するように制御されることとなる。
すなわち、役の当選時にストップスイッチ42が操作された瞬間に直ちにリール31を停止させると、当選した役に係るその図柄が有効ラインに停止しないときには、リール31の停止時に、リール31の停止制御の範囲内においてリール31を回転移動制御することで、当選した役に係る図柄ができる限り有効ラインに停止させるように制御するものである。
また逆に、ストップスイッチ42が操作された瞬間に直ちにリール31を停止させると、当選していない役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止してしまうときは、リール31の停止時に、リール31の停止制御の範囲内においてリール31を回転移動制御することで、当選していない役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止しないように制御する。
なお、上記の「ストップスイッチ42が操作された瞬間からリール31が実際に停止するまで」とは、通常遊技中において、ストップスイッチ42の操作受付けが有効になっていることが前提となる。したがって、ウエイト中やフリーズ中のように、ストップスイッチ42の操作受付けが無効となっているとき(ストップスイッチ42の機能が遊技結果を得るためのものとして有効になっていないとき)には、ストップスイッチ42が操作されても、リール31の停止制御を実行しないか、又は通常遊技の遊技結果を示すものではない図柄の組合せを停止表示する。
また、「ストップスイッチ42が操作された瞬間の図柄からの移動図柄数が4コマ以内」、「ストップスイッチ42が操作された瞬間からリール31が停止するまでの時間が190ms以内」は、通常遊技時に適用されるものであり、フリーズ中のリール動作においては、適用される場合と適用されない場合(5コマを超えて停止する場合、又は190msを超えて停止する場合)とを有する。
また、特別役及び小役又はリプレイの当選フラグ63aがオンであるときは、小役又はリプレイに対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させることを優先し、小役又はリプレイに対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させることができないときは、次に、特別役に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるように制御される。したがって、特別役と小役又はリプレイとが重複入賞(当該遊技で同時に入賞)することはない。
また、リール制御手段64は、押し順検出手段64aを備える。
ストップスイッチ42が操作されると、そのストップスイッチ42が操作された旨の信号が押し順検出手段64aに入力される。この信号を判別することで、押し順検出手段64aは、どのストップスイッチ42が操作されたかを検出する。押し順の検知は、第1停止と第2停止とを検知して、左中右〜右中左の6択のうちのいずれであるかを検出する。
停止位置決定テーブル65は、当選フラグ63aのオン/オフの状態ごとに対応して設けられており、ストップスイッチ42が操作された瞬間のリール31の位置に対する、リール31の停止位置を定めたものである。具体的には、各停止位置決定テーブル65には、例えば1番の図柄(左リール31であれば「チェリー」)が中段(上段又は下段でも可)を通過する瞬間にストップスイッチ42が操作されたときは、何図柄だけ移動制御して、何番の図柄を上段に停止させる、というように停止位置が定められている。
停止位置決定テーブル65は、以下のテーブルを備える。
なお、後述するリプレイテーブル及び非当選テーブルを除き、各停止位置決定テーブル65は、通常遊技で使用される。これに対し、リプレイテーブル及び非当選テーブルは、通常遊技及びフリーズ中のリール動作の双方で使用される場合がある。
MBテーブルは、MB(のみ)の当選フラグ63aがオンであるとき(非内部中遊技でMBに当選したとき、又はMBの内部中遊技で役の非当選時)に用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、かつストップスイッチ42の押し順に応じて、MBに対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるとともに、MBに対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させることができないときは、いずれの役に対応する図柄の組合せも有効ラインに停止させないように、リール31の停止位置が定められたものである。
図6は、当選役に対する、ストップスイッチ42の押し順と入賞役との関係を示す図である。
本実施形態のMBテーブルは、ストップスイッチ42が第1停止右であることを条件に、MBが入賞可能となるように設定されている。したがって、第1停止左又は中のときは、目押しが正確であっても、MBは入賞しないように設定されている。
さらに、本実施形態では、非AT遊技中のストップスイッチ42の押し順は、押し順報知がなされた場合を除き、第1停止左と定めておき、仮に遊技者が(非報知時に)第1停止中又は右で操作したときは、ペナルティを課すように制御する。たとえば、非AT遊技中の第1停止中又は右のときは、AT遊技の抽選やAT遊技への移行等に対して所定の制限を課すことが挙げられる。
特に本実施形態では、AT遊技は、内部中遊技でのみ実行されるので、MB当選時の遊技がAT遊技である場合はない。したがって、MB当選時の遊技では、遊技者は、第1停止左でストップスイッチ42を操作するはずであるから、当選したMBが入賞する場合はない。
さらに本実施形態では、内部中遊技では、小役3Aを含む重複当選とリプレイの当選とで、約96%を占めており、その他小役1及び小役2の当選で約2%を占めているので、非当選となるのは、約2%に設定されている。したがって、内部中遊技であっても、MBテーブルが用いられるのは稀であり、かつ、MBは上述したように第1停止右であることがMBの入賞の条件に設定されている。これにより、内部中遊技であってもMBが入賞するのは稀である。
なお、AT遊技中は、MBが入賞可能となった遊技(MBテーブルが用いられる遊技)では、第1停止左を遊技者に指示することで、MBの入賞を回避するように設定されている。
小役1テーブルは、小役1(のみ)の当選フラグ63aがオンであるときに用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、小役1に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるとともに、小役1に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させることができないときは、いずれの役に対応する図柄の組合せも有効ラインに停止させないように、リール31の停止位置が定められたものである。
小役2テーブル、及びリプレイテーブルについても、小役1テーブルと同様である。すなわち、小役1テーブル中、「小役1」を、それぞれ「小役2」及び「リプレイ」と読み替えたものに相当する。
なお、図6に示すように、小役1、小役2及びリプレイについては、ストップスイッチ42の押し順にかかわらず、これらの当選役が入賞可能である。ただし、小役1、小役2及びリプレイの当選時の遊技であっても、非AT遊技中の第1停止中又は右は、ペナルティとなる。
また、小役3A+3Bテーブルは、当該遊技で小役3A+小役3Bの当選となったとき、すなわち小役3A及び小役3Bの当選フラグ63aがオンであるときに用いられ、ストップスイッチ42の押し順が「第1停止左」であるときは、中リール31の停止時に中段に「ベル」の図柄を停止させるとともに、ストップスイッチ42の押し順が「第1停止中又は右」であるときは、中リール31の停止時に上段に「ベル」の図柄を停止させるように、リール31の停止位置が定められたものである。
ここで、小役3Aの図柄の組合せは、「ANY」−「ベル」−「ANY」であり、中リール31の「ベル」の図柄が中段に停止すれば、(左及び右リール31の停止図柄にかかわらず)小役3Aの入賞となり、かつ小役3Aに対応する図柄の組合せが9本の有効ラインに停止したこととなる(図3参照)。
これに対し、中リール31の「ベル」の図柄が上段に停止したときは、1本の有効ラインに停止したこととなる。
以上のように、本実施形態では、小役3Aが9本の有効ラインに停止する押し順が「正解押し順」であり、小役3Aが1本の有効ラインに停止する押し順が「不正解押し順」となる。
さらに、本実施形態では、小役3Aの入賞時は、遊技者に対し、「ベル」図柄に係る小役が有効ラインに停止したことを一見して理解できるようにするために、いずれかの一直線状のラインに、「ベル」−「ベル」−「ベル」の図柄の組合せを停止させるように、各リール31の停止位置が定められている。どのラインに「ベル」揃いを停止させるかは任意である。
さらにまた、小役3A+3Cテーブルは、当該遊技で小役3A+小役3Cの当選となったとき、すなわち小役3A及び小役3Cの当選フラグ63aがオンであるときに用いられ、ストップスイッチ42の押し順が「第1停止中」であるとき(押し順正解時)は、中リール31の停止時に中段に「ベル」の図柄を停止させるとともに、ストップスイッチ42の押し順が「第1停止左又は右」であるとき(押し順不正解時)は、中リール31の停止時に上段に「ベル」の図柄を停止させるように、リール31の停止位置が定められたものである。
同様に、小役3A+3B+3Cテーブルは、当該遊技で小役3A+小役3B+小役3Cの当選となったとき、すなわち小役3A、小役3B及び小役3Cの当選フラグ63aがオンであるときに用いられ、ストップスイッチ42の押し順が「第1停止右」であるとき(押し順正解時)は、中リール31の停止時に中段に「ベル」の図柄を停止させるとともに、ストップスイッチ42の押し順が「第1停止左又は中」であるとき(押し順不正解時)は、中リール31の停止時に上段に「ベル」の図柄を停止させるように、リール31の停止位置が定められたものである。
なお、非AT遊技中は、第1停止左が前提であるので、小役3A+3C当選時、小役3A+3B+3C当選時には、遊技者のストップスイッチ42の操作ミス等がない限り、押し順正解にはならない。
また、図2に示すように、すべてのリール31において、「ベル」の図柄は、5図柄以内の間隔で配置されている。これにより、リール31がどの瞬間に位置するときにストップスイッチ42が操作されても、リール制御手段64は、リール31の停止制御の範囲内において、常に、所望の位置に「ベル」の図柄を停止させることができる。よって、小役3Aを含む重複当選時には、リール制御手段64は、常に、所望の図柄組合せラインに、「ANY」−「ベル」−「ANY」の図柄の組合せを停止させることができる。
なお、リール31がどの瞬間に位置するときにストップスイッチ42が操作されても、リール31の停止制御の範囲内において、所望の有効ラインに対象図柄を停止させることができること(常に入賞させることができること)を、「引込み率(PB)=1」という。これに対し、遊技者の目押しによらなければ有効ラインに対象図柄を停止させることができないこと(常に入賞させることができないこと)を、「PB≠1」という。
また、図2に示すように、すべてのリール31において、「RP」の図柄は、5図柄以内の間隔で配置されている。これにより、リプレイについても、小役3Aと同様に、「PB=1」である。
さらにまた、すべての当選フラグ63aがオフであるときは、非当選テーブルが用いられる。
非当選テーブルは、すべての当選フラグ63aがオフであるとき(すなわち、非内部中遊技又は特別遊技における役の非当選時)に用いられ、いずれの役に対応する図柄の組合せも有効ラインに停止しないように、リール31の停止時の図柄の組合せを定めたものである。したがって、非当選テーブルは、特別役の内部中に用いられることはない。
一方、特別役の内部中遊技において、小役若しくはリプレイに当選したとき、すなわちいずれか1つの特別役に係る当選フラグ63aと、少なくとも1つの小役又はリプレイに係る当選フラグ63aがオンであるときは、小役又はリプレイを入賞させることを優先する停止位置決定テーブル65が用いられる。
そして、この停止位置決定テーブル65において、小役又はリプレイを入賞させることができないときは、次に、特別役を入賞させるようにし、特別役も入賞させることができないときは、いずれの役も入賞しないようにリール31の停止位置が定められている。
本実施形態では、特別役の内部中遊技においてリプレイに当選したときに、リプレイは「PB=1」であるから、当該遊技では常にリプレイが入賞し、特別役であるMBが入賞する場合はない。
また、特別役の内部中遊技において小役3Aを含む当選となったときに、小役3Aの入賞を優先するが、小役3Aは「PB=1」であるから、小役3Aが常に入賞し、特別役であるMBが入賞する場合はない。
さらに、特別役の内部中遊技において、「PB≠1」である小役1又は小役2の当選となったときは、第1停止が左であれば、その時点でMBの非入賞が確定する。そして、第1停止が左であるとき、目押しが正確であれば、当該遊技で当選した小役1又は小役2が入賞するが、これらの小役1又は小役2が入賞するタイミングでストップスイッチ42が操作されなかったときは、当該遊技では役の非入賞となる。
次に、フリーズ中のリール動作に用いられる停止位置決定テーブル65として、以下の特定図柄A〜特定図柄Cテーブルを備える。
フリーズ中に用いられる停止位置決定テーブル65は、当該遊技での当選フラグ63aのオン/オフは無視される。すなわち、スタートスイッチ41の操作時に役の抽選が行われ、その役の抽選結果に基づいて当選フラグ63aがオン/オフされるが、当該遊技でフリーズ中のリール動作が実行されるときは、当選フラグ63aのオン/オフの状態にかかわらず、リール動作中の停止位置決定テーブル65が用いられる。
なお、詳細は後述するが、リール動作中の図柄の停止位置は、「仮停止」位置であり、通常遊技の遊技結果を示す停止位置ではない。
まず、特定図柄Aテーブルは、図4に示した特定図柄A、すなわち「赤7」揃いを中段に停止させるように停止位置を定めたものである。特に本実施形態では、左、中、及び右リール31の16番の「赤7」の図柄を中段に停止させるように定められている。
「赤7」の図柄を停止するときの停止制御については、ストップスイッチ42が操作された瞬間から4コマ先以内に停止させるべき「赤7」の図柄が存在するときは通常遊技時と同様の停止制御によって「赤7」の図柄を停止させればよく、停止させるべき「赤7」の図柄がストップスイッチ42が操作された瞬間に5コマ以上離れた位置に存在する場合には、5コマ以上の移動制御を行って停止させる。
また、特定図柄Bテーブルは、図4に示した特定図柄B、すなわち「青7」揃いを中段に停止させるように停止位置を定めたものであり、その他は上記特定図柄Aテーブルと同様である。
さらにまた、特定図柄Cテーブルは、図4に示した特定図柄C、すなわち「BAR」揃いを中段に停止させるように停止位置を定めたものであり、その他は上記特定図柄Aテーブルと同様である。
さらに、フリーズ中のリール動作時には、通常遊技における非当選テーブル又はリプレイテーブルを用いる場合がある。非当選テーブルが用いられたときは、通常遊技時と同様に、最大移動コマ数が4コマ以内でいずれの役に対応する図柄の組合せも有効ラインに停止しない位置で各リール31を停止させる。
同様に、リプレイテーブルが用いられたときは、通常遊技時と同様に、最大移動コマ数が4コマ以内で、リプレイの図柄の組合せをいずれかの有効ラインに停止させる位置で各リール31を停止させる。
なお、これに限らず、フリーズ中のリール動作時特有の非当選テーブルやリプレイテーブルを別途設けてもよい。そして、この場合には、リール31の停止時の最大移動コマ数は、通常遊技における最大4コマ移動に限られるものではなく、5コマ以上となるようにリール31を停止させることも可能である。
また、特定図柄A〜特定図柄Cテーブルを用いた場合において、ストップスイッチ42が操作された瞬間からリール31を停止するまでのリール31の回転速度は、いかなるものであってもよい。たとえば、「赤7」の図柄が中段を通りすぎた瞬間にストップスイッチ42が操作され、かつ「赤7」の図柄を中段に停止させるときは、ストップスイッチ42が操作された瞬間から、リール31が定速であるときの速度をできる限り維持して、たとえば15番の図柄が中段に位置する瞬間まで定速を維持し、その後減速して16番の「赤7」を中段に停止させてもよい。
あるいは、ストップスイッチ42が操作された瞬間から、定速時よりも速度を低下させて(スロー回転させ)、16番の「赤7」の図柄を中段に停止させてもよい。これとは逆に、ストップスイッチ42が操作された瞬間から、定速時よりも高速にした後、減速させて16番の「赤7」の図柄を中段に停止させてもよい。
説明を図1に戻す。
停止図柄判断手段66は、各リール31の停止時ごとに、有効ラインに停止した図柄を判断する。また、すべてのリール31の停止時に、いずれかの役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したか否かを判断する。停止図柄判断手段66は、例えばインデックス34を検知してからのモータ32のステップ数を検知することにより、有効ライン上の図柄を判断する。
ただし、停止図柄判断手段66は、ストップスイッチ42が操作され、停止位置決定テーブル65を用いて停止位置が決定された時に、そのリール31が停止したか否かにかかわらず、停止図柄を判断することが可能である。
払出し手段67は、停止図柄判断手段66により、すべてのリール31の停止時に、いずれかの役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したと判断され、その役の入賞となったときに、その入賞役に応じて所定枚数のメダルを遊技者に対して払い出すか、又はクレジットの加算等の処理を行うものである。
特別遊技制御手段68は、特別遊技の開始、特別遊技中の遊技の進行、及び特別遊技の終了を制御するものである。
通常遊技中に、MBに当選し、MBに対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したときは、MBの入賞となり、特別遊技制御手段68は、次遊技からMB遊技を開始するように制御する。
ここで、本実施形態のMB遊技は、払出し枚数が20枚以上になったことに設定されている。
このため、特別遊技制御手段68は、MB遊技中に払い出されたメダル枚数をカウントし、毎遊技、払い出された枚数を更新し続けるとともに、カウントされた払出し枚数が20枚以上となったと判断したときはMB遊技の終了条件を満たすと判断する。
なお、上述したように、当選したMBが入賞することは稀であるから、MB遊技が実行されることも稀である。
遊技状態制御手段69は、一般遊技/特別遊技、一般遊技の非内部中/内部中の移行を制御する。
遊技状態制御手段69は、非内部中遊技においてMBに当選し、当該遊技でMBが入賞しなかったときは、次遊技から内部中遊技に移行する。この内部中遊技は、当選したMBが入賞するまで継続する。そして、当選したMBが入賞すると、遊技状態制御手段69は、MB遊技に移行する。MB遊技は、上述したMB遊技の終了条件を満たすまで継続する。そして、MB遊技が終了すると、遊技状態制御手段69は、遊技状態を非内部中遊技に移行させる。
なお、上述したように、MBは、押し順が第1停止右であることを条件として入賞可能となる。また、第1停止右はペナルティとしているので、遊技者は、第1停止左で遊技を進行する。このため、MBに当選しても、原則として、当選したMBが入賞することはない。したがって、MBの当選後は、MBが入賞しない状態、すなわち内部中遊技がずっと継続することとなる。
また、MBの当選確率は任意に設定できるが、本実施形態では、比較的高確率(図5の例では1/8)に設定されている。これにより、仮に、当選したMBが入賞してMB遊技に移行し、そのMB遊技が終了して非内部中遊技に移行すると、早期にMBに当選して内部中遊技となる。
非内部中遊技及びMB遊技では、AT遊技を実行するか否かの決定は行われない。これに対し、MBに当選し、内部中遊技になったときは、AT遊技を実行するか否かの決定が行われる。この決定は、サブ制御手段80側で行われるが、どのような契機でAT遊技を実行するか否かの決定を行うかについては、後述する。
フリーズ制御手段70は、操作スイッチの操作(メダル投入口43から投入されたメダルの受付けを含む)を、所定時間受け付けないフリーズの実行及び終了を制御するものである。
ここで、一般的に、「フリーズ(フリーズ演出、又はフリーズ動作ともいう。)」とは、遊技機(本実施形態ではスロットマシン10)の操作スイッチの機能を一時停止状態にすることをいう。
さらに、「操作スイッチの機能を一時停止状態にする」とは、操作スイッチの機能が遊技を進行して遊技結果を得るためのものとして有効になっていないことを指す。
具体的には、ベットスイッチ40は、メダルを投入するときに遊技者が操作するスイッチであり、スタートスイッチ41は、リール31の回転を開始するときに遊技者が操作するスイッチであり、ストップスイッチ42は、回転中のリール31を停止させるときに遊技者が操作するスイッチである。遊技結果は、リール31の停止時における有効ライン上に停止した図柄の組合せによって得られるものであり、リール31を停止させるためには、ストップスイッチ42の操作によってリール31を停止する必要がある。
また、リール31を停止させるためには、その前提としてリール31の回転を開始する必要があるので、スタートスイッチ41の操作は、遊技結果を得るために必要な遊技者の操作である。さらにまた、ベットスイッチ40の操作は、前遊技でリプレイが入賞した場合を除き、リール31を回転させるためにメダル(遊技媒体)を投入するという遊技結果を得るために必要な操作である。
一方、ベットスイッチ40を操作してメダルを投入すること、スタートスイッチ41を操作してリール31の回転を開始すること、ストップスイッチ42を操作して回転中のリール31を停止させることは、いずれも、通常遊技を進行する上で必要な操作である。
したがって、上記操作は、いずれも、通常遊技を進行して、遊技結果を得るために必要な操作である。
よって、ベットスイッチ40を操作してもメダルが投入されない、スタートスイッチ41を操作してもリール31の回転が開始しない、ストップスイッチ42を操作しても、リール31が遊技結果を示す位置で停止しないことは、操作スイッチの機能が通常遊技を進行して通常遊技での遊技結果を得るためのものとして有効になっていないことである。
また、フリーズの態様としては、たとえば、
a)メダル投入口43から投入された遊技媒体の受付け、又は予めクレジットされた遊技媒体の投入(賭け)枚数を定めるためのベットスイッチ40の操作を一時停止状態にすること、
b)遊技を開始するためのスタートスイッチ41の操作を一時停止状態にすること、
c)ストップスイッチ42の操作(リール31の停止操作)を一時停止状態にすること
等が挙げられる。
また、操作スイッチの機能を一時停止状態にする態様としては、遊技者の操作に基づく信号(例えば、遊技媒体の投入を検知するセンサからの信号、ベットスイッチ40、スタートスイッチ41又はストップスイッチ42の操作に基づき操作スイッチから送信される信号)の受付けを所定期間行わないことが挙げられる。この場合、所定期間以内に遊技者の操作に基づいて送信された信号を受け付けたときは、受け付けた信号を無効にする制御処理を行うことや、所定期間以内に遊技者の操作に基づいて送信された信号を検知したときであっても受付け処理自体を行わないことが挙げられる。
さらにまた、所定期間以内に遊技者の操作に基づいて送信された信号を受け付けたときは、遊技者の操作に基づく信号の受付けは行うが、受け付けた信号に基づいて実施する操作スイッチの制御処理を所定期間実行せずに、所定期間経過後に受け付けた信号に基づいた制御処理を開始させることが挙げられる。
さらに、スタートスイッチ41のフリーズに関しては、スタートスイッチ41を操作しても、所定期間、スタートスイッチ41の操作受付けに基づくリール31の回転を開始させないことや、所定期間、役抽選を開始しないことが挙げられる。
また、フリーズの終了条件としては、予め定めた所定時間が経過することが挙げられるが、所定時間の経過前であっても、メイン制御手段50に入力される各種操作信号によって途中でフリーズをキャンセルすることも考えられる。
この場合、単純にスタートスイッチ41の操作入力を受け付けることでフリーズをキャンセルすることが可能であり、あるいは、所定の操作手順(例えば、「スタートスイッチ41を5回操作する」、「ストップスイッチ42を、中、右、左の順で操作する」、「所定のタイミングに合わせてベットスイッチ40を操作する」等)を検知したことを条件にフリーズをキャンセルすることも可能である。
本実施形態では、スタートスイッチ41の操作時に通常遊技が開始されるが、同時に、当該遊技でフリーズを実行するときは、スタートスイッチ41の操作を検知した時から所定時間、ベットスイッチ40(メダル投入口43からのメダルの投入を含む)、スタートスイッチ41、ストップスイッチ42の機能が通常遊技での遊技結果を得るためのものとして有効になっていないフリーズを実行する。
さらに、上述したフリーズの終了(解除)は、所定時間を経過したとき、又は機能が有効になっていない操作スイッチの操作によって行われる。
さらに、このフリーズ中に、リール制御手段64は、操作スイッチの操作を契機として、リール動作(リールの回転及び停止を含む動作。リール演出ともいう。)を実行する。
フリーズを実行するか否かは、それ以前の複数回の遊技におけるストップスイッチ42の押し順によって決定される。
本実施形態では、リプレイに当選した3遊技連続で、予め定められた所定の押し順でストップスイッチ42が操作されたときに、フリーズを実行することに決定する。
さらに、そのリプレイに当選した3遊技連続中に、リプレイ以外の役の当選時や役の非当選時の遊技が存在するときは、その遊技での押し順も参照にされる。
どのような押し順を定めていてもよいが、本実施形態では、リプレイ当選時の押し順は、いずれも、第1停止が中又は右となる押し順(本来であれば、ペナルティとなる押し順)が好ましい。
たとえば、
a)リプレイ当選1回目の押し順が「右中左」
b)リプレイ当選2回目の押し順が「中右左」
c)リプレイ当選3回目の押し順が「右左中」
d)リプレイ当選1回目〜3回目の間に、リプレイ当選以外の遊技があるとき(リプレイ当選の3遊技間にリプレイ当選以外の遊技を挟むとき)は、当該遊技の押し順が第1停止左
の上記4条件すべてを満たすときに、フリーズの実行条件を満たすと判断する。
したがって、例えば、N遊技目がリプレイ当選1回目であるとしたとき、
a1)N遊技目のリプレイ当選時の押し順が「右中左」(押し順一致)、
b1)「N+1」遊技目のリプレイ当選時の押し順が「中右左」(押し順一致)、
c1)「N+2」遊技目の小役3A当選時の押し順が第1停止左、
d1)「N+3」遊技目の小役3A当選時の押し順が第1停止左、
e1)「N+4」遊技目のリプレイ当選時の押し順が「右左中」(押し順一致)
であるときは、上記条件を満たす。
これに対し、N遊技目がリプレイ当選1回目であるとしたとき、
a2)N遊技目のリプレイ当選時の押し順が「右中左」(押し順一致)、
b2)「N+1」遊技目のリプレイ当選時の押し順が「中右左」(押し順一致)、
c2)「N+3」遊技目のリプレイ当選時の押し順が「左中右」(押し順不一致)
であるときは、上記条件を満たさない。
同様に、たとえば、N遊技目がリプレイ当選1回目であるとしたとき、
a3)N遊技目のリプレイ当選時の押し順が「右中左」(押し順一致)、
b3)「N+1」遊技目のリプレイ当選時の押し順が「中右左」(押し順一致)、
c3)「N+2」遊技目の小役3A当選時の押し順が第1停止右(ペナルティ押し順)
であるときは、この「N+2」遊技目で「押し順不一致」となり、上記条件を満たさない。
上記条件を判別するため、フリーズ制御手段70は、フリーズカウンター70aを備える。フリーズカウンター70は、リプレイ当選時に、押し順が1回一致するごとに、カウント値を「1」加算する。そして、フリーズ制御手段70は、フリーズカウンター70aのカウント値が「3」になったときは、フリーズを実行する条件を満たすと判断する。
そして、次遊技でフリーズを実行するための判断フラグとして、フリーズフラグ70bを備える。当該遊技でフリーズカウンター70aが「3」となったときは、フリーズフラグ70bをオフからオンにするとともに、フリーズカウンター70aのカウント値をクリアする。
また、リプレイ当選時に、押し順不一致時は、その時点でのフリーズカウンター70aのカウント値にかかわらず、カウント値をクリアする(「0」にする)。
さらに、それまでの遊技のリプレイ当選時に押し順が一致していたが、リプレイ非当選時の遊技において、第1停止が左でないときは、押し順不一致とし、その時点でのフリーズカウンター70aのカウント値にかかわらず、カウント値をクリアする。
たとえば、上記a3)〜c3)の例においては、a3)及びb3)の時点で、2回続けて押し順一致となり、フリーズカウンター70aのカウント値が「2」となったが、c3)に示すように、「N+2」遊技目で押し順不一致(上記の例ではペナルティ押し順)となったときは、フリーズカウンター70aのカウント値をクリアする。
フリーズ制御手段70は、フリーズの実行条件を満たすと判断したときは、次遊技における通常遊技の開始時に、フリーズを実行する。通常遊技の開始時には、上述のフリーズフラグ70bのオン/オフをチェックして、オンであるときはフリーズを開始する。
すなわち、スタートスイッチ41が操作されると、本来であれば通常遊技が開始されるが、フリーズフラグ70bがオンであるときは、通常遊技の進行を一時停止して、フリーズを実行する。
また、フリーズを実行したときは、ストップスイッチ42は、その機能が遊技結果を得るためのものとして有効になっていない状態である。いいかえれば、ストップスイッチ42を操作しても、当該遊技における遊技結果を示す位置でリール31が停止しない。
しかし、フリーズが実行されたときは、リール31は既に回転中である。そして、遊技者がストップスイッチ42を操作すると、そのストップスイッチ42の操作を契機として、操作されたストップスイッチ42に対応するリール31(たとえば、左ストップスイッチ42の操作時は左リール31)を停止するように制御する(フリーズ中のリール動作)。
このようにして、フリーズ中においてすべてのリール31が停止した後は、遊技者によりスタートスイッチ41が操作されることを待ち、スタートスイッチ41が操作されたときは、フリーズを終了するとともに、全リール31の再変動を行う。なお、このときのスタートスイッチ41の操作は、スタートスイッチ41の機能が遊技結果を得るためのものとして有効になっていない状態での操作であり、遊技者が自らフリーズを終了(解除ないしキャンセル)する操作である。また、リール31の再変動は、後述するランダム遅延によって、各リール31ごとに、再変動のタイミングをばらばらにする制御を行う。
また、本実施形態では、フリーズ中に、リール動作を複数回にわたって連続で実行する。
この場合、1回目のリール動作の終了後、遊技者がスタートスイッチ41を操作することで、2回目のリール動作を開始するためのリール31の再変動が行われる。したがって、この再変動時のスタートスイッチ41の操作は、フリーズ中に係る操作であるので、スタートスイッチ41の機能が遊技結果を得るためのものとして有効になっていない状態での操作である。このため、このときのスタートスイッチ41の操作によっては、役の抽選が行われないのはもちろんである。
図7は、フリーズ中のリール動作と通常遊技との関係を示すタイムチャートである。まず、図7(a)は、フリーズ中にリール動作を1回実行する場合の例である。
図7(a)において、スタートスイッチ41が操作され、リール31の回転が開始されると、スタートスイッチ41の操作と同時にフリーズが実行され、実際には通常遊技は開始されず、フリーズ中のリール動作が開始される。そして、各ストップスイッチ42の操作時ごとに(その操作を契機として)、ストップスイッチ42に対応するリール31が停止する。
全リール31が停止した後、スタートスイッチ41が操作されると(このときのスタートスイッチ41の操作は、スタートスイッチ41の機能が遊技結果を得るためのものとして有効になっていないときの操作である)、フリーズを終了し、リール31の再変動を行うことで通常遊技を開始する。
また、図7(b)は、フリーズ中にリール動作を3回連続で実行する場合の例である。
1回目のリール動作において全リール31が停止した後、遊技者によりスタートスイッチ41が操作されると(この期間は、フリーズ中であるので、実際にはスタートスイッチ41の機能は遊技結果を得るためのものとして有効になっていない)、2回目のリール動作を開始するために全リール31が回転する。
そして、1回目のリール動作と同様に、各ストップスイッチ42の操作時ごとに、ストップスイッチ42に対応するリール31が停止する。全リール31が停止した後、スタートスイッチ41が操作されると(このときのスタートスイッチ41の操作は、スタートスイッチ41の機能が遊技結果を得るためのものとして有効になっていないときの操作である)、3回目のリール動作を開始するために全リール31が回転する。
そして、1、2回目のリール動作と同様に、各ストップスイッチ42の操作時ごとに、ストップスイッチ42に対応するリール31が停止する。全リール31が停止した後、スタートスイッチ41が操作されると(このときのスタートスイッチ41の操作は、スタートスイッチ41の機能が遊技結果を得るためのものとして有効になっていないときの操作である)、フリーズを終了し、リール31の再変動を行うことで通常遊技を開始する。
図8は、フリーズ中のリール動作において、スタートスイッチ41、ストップスイッチ42、ストップスイッチランプ、及びリール31の状態を示すタイムチャートである。
スタートスイッチ41がオフからオンにされると、第1〜第3リール31(全リール31)は、停止状態から加速域を経て、定速状態となる。全リール31が定速状態になると、各リール31に対応する各ストップスイッチランプは、それまでの赤色から紫色に変化する。
ストップスイッチランプは、赤色のときはストップスイッチ42の操作を受け付けない状態を遊技者に報知し、紫色のときは、ストップスイッチ42の機能は遊技結果を得るためのものとして有効になっていないが、フリーズ中のリール動作においてリール31を停止可能な状態であることを遊技者に報知するものである。
そして、第1ストップスイッチ42が操作されると、その瞬間から第1リール31が停止するまでの間は、全ストップスイッチランプが赤色にされる。第1リール31は、第1ストップスイッチ42の操作に基づいて、減速状態を経て停止する。停止時には、第1リール31は、揺れ変動(後述)を伴って停止する。
第1リール31が停止すると、第2及び第3ストップスイッチランプは、再度、紫色にされる。
次に第2ストップスイッチ42が操作されると、その瞬間から第2リール31が停止するまでの間は、第2及び第3ストップスイッチランプが赤色にされる。第2リール31は、第2ストップスイッチ42の操作に基づいて、減速状態を経て停止する。停止時には、第2リール31は、揺れ変動を伴って停止する。
第2リール31が停止すると、第3ストップスイッチランプは、再度、紫色にされる。
さらに次に第3ストップスイッチ42が操作されると、その瞬間から第3ストップスイッチランプが赤色にされる。第3リール31は、第3ストップスイッチ42の操作に基づいて、減速状態を経て停止する。停止時には、第3リール31は、揺れ変動を伴って停止する。
全リール31が(揺れ変動を伴って)停止した後、スタートスイッチ41が操作されると、その時点でフリーズを終了し、通常遊技を開始する。これにより、各リール31がランダム遅延によって変動(回転)を開始する。図8の例では、第3リール31、第2リール31、第1リール31の順にリール31の変動(加速域を経て、定速状態になること)を開始する。全リール31が定速状態になると、全ストップスイッチランプは青色にされる。ストップスイッチ42ランプが青色になることによって、ストップスイッチ42の機能が遊技結果を得るためのものとして有効になったことを遊技者に報知する。
なお、ストップスイッチランプの点灯色については、種々設定することが可能である。通常遊技では、上記のようにストップスイッチ42の操作を受け付けないときは赤色、操作を受け付けるときは青色とし、フリーズ中は、ストップスイッチ42の操作を受け付けないときは緑色、操作を受け付けるときは紫色、等としてもよい。
図9は、フリーズ中のリール動作時における停止である揺れ変動の具体的態様を順を追って示す図である。図9では、(a)→(b)→(c)→・・・→(h)が時系列の流れである。
なお、停止時の揺れ変動は、実際には、リール制御手段64によるモータ32の制御によって行われる。
図9の例では、上述した非当選テーブルを用いてリール31を停止する例を示している。
フリーズ中のリール動作において、左ストップスイッチ42が操作されると、図9(a)に示すように、左リール31が停止する。左リール31の停止時には、図2中、18番の「ベル」が中段に停止した例を示している。
次に、同図(b)に示すように、停止した左リール31は、モータ32を所定ステップ数だけ駆動して、図柄を(a)の位置よりもやや下方向に移動させる。このときの移動量は任意であるが、中段の「ベル」が、下段の中央位置には到達しない程度の量である。
図柄を下方向に移動させた後は、再度、図柄を上方向に移動させ、同図(c)の位置、すなわち同図(a)と同様に、「ベル」の図柄が中段の中央に位置するまで移動させる。
さらにこの状態から、同図(d)に示すように、今度は、同図(b)と略対称位置になるまで、図柄を上方向に移動させる。
この状態から、次に、同図(e)のように、再度、同図(a)の状態まで戻す。このようにして、同図(a)〜(e)の繰り返しを行うことで、図柄の上下方向の移動を繰り返す。これが本実施形態の「揺れ変動」である。また、揺れ変動は、他のリール31の回転や停止の有無にかかわらず、終了条件を満たすまで継続する。
同図(e)のときに、中ストップスイッチ42が操作されると、中リール31が停止する。この例では、図2中、20番の「RP」の図柄を中段で停止させた例である。
そして、中リール31についても、停止させた後は、左リール31と同様に揺れ変動を実行する。
ここで、後から停止したリール31(この例では中リール31)についての揺れ変動は、既に停止しているリール31(この例では左リール31)についての揺れ変動と同期するように、すなわち同一のタイミングで動作させる。
たとえば、遊技中、スロットマシン10の電源が投入されている間、又はフリーズ中等に、一定の周期を有して一定時間ごとに値が更新され続けるカウンターを設けておく。そして、このカウンターは、たとえば0.1〜2.0秒程度で「1」ずつ数値が更新されるものとする。
ここで、図9において、(a)の停止位置を「中央」、(b)の停止位置を「下」、(d)の停止位置を「上」とすると、最初に左リール31を中央に停止させた後、次にカウンターの値が「1」更新された瞬間に、停止位置を「中央」から「下」に変化させる。
その後、カウンターの値が「1」ずつ更新されるごとに、「下」→「中央」→「上」→「中央」→「下」→「中央」・・・の揺れ変動を繰り返す。また、左リール31が「中央」で停止した後、図柄が「下」に移動されるときのカウンターの値が「N」であるとき、その後に、カウンターの値が「N+4×k(k=1,2,・・・)」になったときに、左リール31の図柄が再度「中央」から「下」に移動されるタイミングとなる。よって、この「N」を記憶しておく。
そして、図9(e)に示すように中リール31が「中央」で停止したとき、その位置にてカウンターの値が「N+4k」となるまで、「中央」での停止を維持する。次に、カウンターの値が「N+4k」となったとき、中リール31の「中央」の停止位置を「下」に移動する。これにより、図9(f)に示すように、左及び中リール31は、その後、同期して揺れ変動を行うようになる。
さらに、右リール31が停止すると(この例では、「ベル」の図柄を中段に停止させた例である)、カウンターの値が「N+4k」となるまでその位置で待機する。図9(g)の例では、左及び中リール31の停止位置が「上」であるときに右リール31が停止した例を示している。
そして、カウンターの値が「N+4k」となったとき、すなわち左及び中リール31の図柄が「中央」から「下」に移動するときに合わせて、右リール31についても図柄の位置を「中央」から「下」に移動させる(図9(h))。その後は、カウンターの値に同期させて、揺れ変動を実行する。
これにより、すべてのリール31について、同一タイミングで揺れ変動を行うことが可能となる。
次に、フリーズ中のリール動作における停止出目について説明する。
フリーズ制御手段70は、フリーズを開始するときは、3回のリール動作を実行する。
また、フリーズの開始時には、3回目のリール動作で停止させる特定の図柄の組合せとして、図4に示した特定図柄A又はBを選択する。選択は、乱数等を用いた抽選で行い、たとえば特定図柄Aの選択率を60%、特定図柄Bの選択率を40%に設定すること等が挙げられる。
さらに、3回目のリール動作で特定図柄A又はBを停止させるときの条件として、3回のリール動作で必要なストップスイッチ42の押し順が予め設定されている。
たとえば特定図柄Aの選択時には、
a)1回目のリール動作時:右左中の押し順
b)2回目のリール動作時:中右左の押し順
c)3回目のリール動作時:右中左の押し順
に設定することが挙げられる。
同様に、特定図柄Bの選択時には、
a)1回目のリール動作時:右左中の押し順
b)2回目のリール動作時:中左中の押し順
c)3回目のリール動作時:中右左の押し順
に設定することが挙げられる。
フリーズ制御手段70は、特定図柄A又はBのいずれかを選択すると、1回目〜3回目のリール動作時の押し順の情報を、後述のサブ制御手段80に送信し、サブ制御手段80によってその押し順を報知する。したがって、遊技者は、報知された押し順に従えば、3回目のリール動作時に特定図柄A又はBを停止させることができる。
また、フリーズ制御手段70は、3回のリール動作を実行したか否かを判断するためのカウンターとして、特図カウンター70c(図1)を備える。
特図カウンター70cは、フリーズ開始前は「0」となっており、リール動作において、1回の押し順が一致するごとに「1」加算する。そして、特定図柄A又はBが停止表示されたときは、「3」となる。
本実施形態では、フリーズ中のリール動作において、遊技者の操作ミス等により、報知した押し順でストップスイッチ42が操作されなかったときは、特図カウンター70cのカウント値に応じて、現状維持するか又はクリア(「0」に)する。
特図カウンター70cがすでに「2」となっており、次の(3回目の)リール動作で特定図柄A又はBが停止表示する状態となっている場合において、3回目のリール動作で遊技者が押し順を操作ミスして押し順不一致となったときは、特図カウンター70cのカウント値「2」を維持し、次遊技の通常遊技で再度フリーズを実行し、このフリーズ中に3回目のリール動作を再度実行する。この場合、遊技者には、特定図柄A又はBを停止表示するための押し順が再度報知される。
これに対し、特図カウンター70cが「0」又は「1」の場合において、リール動作時に遊技者が押し順を操作ミスして押し順不一致となったときは、特図カウンター70cのカウント値をクリアする。そして、次遊技の通常遊技で再度フリーズを実行し、このフリーズ中に、1回目のリール動作から再度実行し直す。
以上のようにして、3回目(最後)、すなわち特定図柄A又はBを停止表示させるリール動作時に遊技者の操作ミスで押し順不一致となったときは、最初からリール動作をやり直すことなく3回目のリール動作を再度実行することで、遊技者に対する救済措置を行う。しかし、1回目又は2回目のリール動作時に遊技者の操作ミスで押し順不一致となったときは、ペナルティとして最初からリール動作をやり直す。
フリーズ制御手段70は、1回目及び2回目のリール動作時において、押し順一致時は、上述したリプレイテーブルを用いて、リプレイの図柄の組合せを停止表示させる。リプレイテーブルを用いることにより、ストップスイッチ42が操作された瞬間から最大4コマ移動で「RP」の図柄を停止させるので、遊技者は、通常遊技と同様の感覚で遊技を行うことができる。
また、1回目及び2回目のリプレイの図柄の組合せが有効ラインに停止した場合であっても、フリーズ中のリール動作であるので、メダルの自動投入が行われることはない。ただし、通常遊技中のリプレイ入賞時に演出として出力するメダルの自動投入音と同等の音を出力させることは可能である。さらに、規則上の問題がなければ、通常遊技のリプレイ入賞時と同様に、有効ラインランプを点灯させることも可能である。
そして、3回目のリール動作では、特定図柄A又はBテーブルを用いて、「赤7」又は「青7」揃いを中段ラインに停止させる。上述したように、特定図柄A又はBテーブルは、ストップスイッチ42が操作された瞬間に、停止対象図柄となる「赤7」又は「青7」の図柄が4コマの範囲内に存在しない場合であっても、5コマ以上の移動制御をして、強制的に停止させる。
また、演出として、「「赤7(又は青7)」を狙え!」等のような報知を行い、遊技者に対し、「赤7(又は青7)」図柄を狙わせるようにすれば、中級者以上の遊技者であれば、概ねの目押しができることから、全リール31について、4コマ以内の移動制御によって「赤7(又は青7)」揃いをすることが可能である。
「赤7(又は青7)」揃いでリール31が停止した後は、遊技者によるスタートスイッチ41の操作(ベットスイッチ40でも可)を待ち、その操作を検出したら、フリーズを終了させ、通常遊技に移行するとともに、当該遊技から、後述するAT遊技を開始する。
さらにまた、フリーズ中のリール動作において、押し順不一致時には、通常遊技の非当選テーブルを用いて、ハズレ目を停止させる。ただし、これに限らず、押し順不一致時専用の停止位置決定テーブル65を別途設け、特有の停止出目を表示させるようにしてもよい。
また、フリーズ中に、ストップスイッチ42の操作や、全リール31の停止後のスタートスイッチ41の操作が有効時間内に行われなかったときは、フリーズを終了して通常遊技に移行する。有効時間内にストップスイッチ42が操作されなかったときは、回転中のすべてのリール31を自動停止させる。なお、この自動停止についても、通常遊技移行前の停止の1つである。
図1において、自動停止カウンター70dは、このときの有効時間を計測するものである。まず、スタートスイッチ41が操作され、フリーズが開始されると、自動停止カウンター70dは、スタートスイッチ41の操作時からの時間を計測し、有効時間(本実施形態では、20秒)を経過したか否かを判断する。20秒を経過する前に第1ストップスイッチ42が操作されたときは、自動停止カウンター70dによる計測時間をクリアし、第1ストップスイッチ42の操作時から改めて20秒の計測を開始する。
次に、この20秒の経過前に第2ストップスイッチ42が操作されたときは、自動停止カウンター70dによる計測時間をクリアし、第2ストップスイッチ42の操作時から改めて20秒の計測を開始する。さらに次に、この20秒の経過前に第3ストップスイッチ42が操作されたときは、自動停止カウンター70dによる計測時間をクリアし、第3ストップスイッチ42の操作時から改めて20秒の計測を開始する。
これに対し、スタートスイッチ41の操作時から第1ストップスイッチ42が操作されるまで、第1ストップスイッチ42の操作時から第2ストップスイッチ42が操作されるまで、第2ストップスイッチ42の操作時から第3ストップスイッチ42が操作されるまで、及び第3ストップスイッチ42の操作時からスタートスイッチ41が操作されるまでのいずれかの間に20秒を経過したときは、その時点でフリーズを終了し(リール31の回転中にフリーズを終了するときは、回転中のリール31の自動停止を行い)、リール31のランダム遅延による再変動を自動で開始して通常遊技に移行する。
たとえば、リール31の回転開始とともにフリーズを実行したが、いずれのストップスイッチ42も操作されることなく20秒を経過したときは、自動停止によって全リール31をハズレ目で停止させる。自動停止におけるハズレ目の停止時の制御は、たとえば左、中、右リール31の順に停止させてもよく、あるいは、最短時間で一斉に停止させるものであってもよい。
さらに、フリーズ中のリール動作時に、第1ストップスイッチ42が操作され、第1ストップスイッチ42に対応する第1リール31が停止した後、20秒を経過したときは、他の2つのリール31について自動停止を行う。同様に、2つのストップスイッチ42が操作され、2つのリール31が停止した後、20秒を経過したときは、残り1つのリール31について自動停止を行う。さらに同様に、全リール31を停止させた後、スタートスイッチ41が操作されることなく20秒を経過したときは、その時点でフリーズを終了し、リール31のランダム遅延による再変動を(自動で)開始して通常遊技に移行する。
なお、フリーズ中に少なくとも1つのリール31を自動停止したときは、その自動停止時からスタートスイッチ41が操作されるまで20秒を待つことなく、リール31の再変動を開始してもよい。
また、フリーズ中に、1回目のリール動作を行い、2回目のリール動作に移行するときも、上記と同様である。2回目のリール動作を実行する場合において、20秒を経過する前にスタートスイッチ41が操作されたときは、2回目のリール動作を行うが、スタートスイッチ41が操作されることなく20秒を経過したときは、その時点で2回目のリール動作を終了し、リール31のランダム遅延による再変動を自動で開始して通常遊技に移行する。2回目のリール動作を行い、3回目のリール動作に移行するときも、上記と同様である。
さらに本実施形態では、リール動作中にストップスイッチ42が操作されたときは、ストップスイッチ42のオンを検出した時点で(そのストップスイッチ42の操作を契機として)リール31を停止させるように制御するが、ストップスイッチ42のオンからオフとなったことを検出した時点で、自動停止カウンター70dによる計測時間を検知する。
したがって、たとえばスタートスイッチ41が操作された時から自動停止カウンター70dによる計測を開始し、第1ストップスイッチ42のオンを検出した時点では未だ20秒を経過していなかったが、第1ストップスイッチ42のオンからオフになったことを検出した時点で20秒を経過していたときは、第2及び第3リール31を自動停止させ、さらにリール31を再変動させて通常遊技に移行するように制御する。
このようなケースは、たとえば遊技者がストップスイッチ42を長押しした場合に生じ得る。遊技者がストップスイッチ42を長押しすることは、遊技を楽しむために稀にあることである。たとえばストップスイッチ42のオンの間は、演出の出力を停止したり、遊技の進行(払出し等)を停止等するスロットマシン10が存在するためである。
しかし、ストップスイッチ42を長押ししている最中に20秒が経過し、長押ししている最中にスリーズが終了して勝手にリール31が再変動(回転)してしまうのは見た目上好ましくないので、上記のように制御する。
同様に、第2ストップスイッチ42のオンを検出した時点では未だ20秒を経過していなかったが、第2ストップスイッチ42のオンからオフになったことを検出した時点で20秒を経過していたときは、第2ストップスイッチ42のオフを検出した時点で第3リール31を自動停止させ、さらにリール31を再変動させて通常遊技に移行するように制御する。
また、第3ストップスイッチ42のオンを検出した時点では未だ20秒を経過していなかったが、第3ストップスイッチ42のオンからオフになったことを検出した時点で20秒を経過していたときは、オフを検出した時点でリール31を再変動させて通常遊技に移行するように制御する。
続いて、フリーズの終了後に行うランダム遅延によるリール31の再変動について説明する。
<ランダム遅延の第1例>
リール制御手段64は、フリーズ中のリール動作において全リール31を停止させたときは、各リール31の停止位置を記憶しておく。リール制御手段64は、上述したインデックス34の検知時に基準となる図柄が基準位置を通過したと判断するとともに、その位置からのモータ32のステップ数をカウントすることでリール31の現在位置を判断する。
そして、フリーズを終了すると、リール31を再変動させるが、フリーズ中のリール動作において停止をした状態から、リール31を一斉に再変動すると、フリーズ中に停止した相関位置関係を有したままでリール31が回転してしまうこととなる。
たとえば、フリーズ中に「赤7」−「赤7」−「赤7」が中段ラインに停止し、フリーズを終了してリール31を再変動すると、その相関位置関係が保持された状態で各リール31が回転し、かつ定速状態となって、ストップスイッチ42の受付け可能となる。
しかし、その相関位置関係のままで各リール31を一斉に回転させると、前遊技での遊技結果(前遊技での最終停止位置)と異なる位置関係を有してリール31が回転してしまう。
このため、そのような相関位置関係が目押し補助につながるおそれがあり、遊技の公正を害するおそれがある。
そこで、本実施形態では、フリーズを終了してリール31を再変動するときは、フリーズ中に停止したときの相関位置関係と異なる相関位置関係であってランダムに選択された相関位置関係となるように、少なくとも1つのリール31の回転を制御する。
たとえば、モータ32の1ステップ(割込み)時間を「2.235ms」とし、1図柄に相当するステップ数を「16ステップ」とし、モータ32が1回転(360度回転)するステップ数を「336」とする。このとき、1回転時間は、「750.96ms」となる。
図1では図示していないが、たとえば、リール制御手段64に3つのカウンターC1、C2及びC3を設ける。
そして、これらのカウンターC1〜C3は、いずれも、モータ32の1回転のステップ数と同値の範囲を有する0〜335の周期を有し、乱数値を取得するために用いられる。
カウンターC1、C2、C3は、それぞれ左、中、右リール31に対応している。
カウンターC1〜C3は、いずれも、第1の更新と第2の更新とを有する。第1の更新は、すべてのカウンターC1〜C3において、一律に更新される。本実施形態では、リール31の定速回転時におけるモータ32の1ステップ時間が2.235msであることから、2.235msに1割込みとし、4割込みを1セットとする。1割込み目はカウンターC1の値のみを更新し、2割込み目はカウンターC2の値のみを更新し、3割込み目はカウンターC3の値のみを更新する。4割込み目は、いずれのカウンターC1〜C3の値も更新しない。
したがって、4割込み(2.235ms×4=8.94ms)ごとに各カウンターC1〜C3の値が「1」ずつ更新される。
また、この第1の更新は、スロットマシン10の電源がオンである間は、ずっと行われる。
これに対し、第2の更新では、当該遊技において、スタートスイッチ41が操作された時から最初のストップスイッチ42が操作されるまでの間は、カウンターC1のみを更新し続け、1番目(最初)のストップスイッチ42が操作された時から2番目のストップスイッチ42が操作されるまでの間は、カウンターC2の値のみを更新し続ける。さらに、2番目のストップスイッチ42が操作された時から3番目(最後)のストップスイッチ42が操作されるまでの間は、カウンターC3の値のみを更新し続ける。
なお、これに限らず、スタートスイッチ41が操作された時から1番目のストップスイッチ42が操作されるまでの間はカウンターC1の値を更新し続け、スタートスイッチ41が操作された時から2番目のストップスイッチ42が操作されるまでの間はカウンターC2の値を更新し続け、スタートスイッチ41が操作された時から3番目のストップスイッチ42が操作されるまでの間はカウンターC3の値を更新し続ける等してもよい。
また、「ストップスイッチ42が操作されるまで」とせずに、「そのストップスイッチ42に対応するリール31が停止するまで」としてもよい。ストップスイッチ42の操作時からリール31が実際に停止するまでには最長で190msを要するので、ストップスイッチ42の操作時とリール31の停止時とはタイミングが異なるようになる。
第2の更新では、メイン制御手段50側のループ処理(メインループ)に基づいて更新される。メインループとしては、どのようなものを用いてもよいが、たとえばスタートスイッチ41の操作時から全リール31が停止するまでの間、繰り返される処理が挙げられる。具体的には、スタートスイッチ41が操作された後、全リール31が停止したか否かを所定の時間間隔で繰り返し判定するプログラムが設けられており、全リール31が停止したか否かを判定する処理をしたときに、カウンターC1〜C3の値を更新することが挙げられる。また、たとえばインデックス34を1回検知するごとに1回更新することが挙げられる。
以上の第1の更新と第2の更新とを用いることにより、カウンターC1〜C3の値をランダムにすることができる。
たとえば、第1の更新をなくし、スタートスイッチ41の操作後、1番目のストップスイッチ42が操作されるまでは、第2の更新によってカウンターC1のみを更新し続けると、カウンターC2及びC3が全く更新されない時間帯が発生する。しかし、第1の更新を設けることで、スタートスイッチ41の操作後、1番目のストップスイッチ42が操作されるまでの間であっても、カウンターC2及びC3の値についても更新することができる。
これに対し、第1の更新のみとすると、カウンターC1〜C3の値が同一になってしまう場合がある(4割込み時)が、第2の更新を設けることで、カウンターC1〜C3の値を異ならせる(同期を解消する)ことができる。
また、カウンターC1〜C3の更新は、毎遊技行い続け、カウンターC1〜C3の値を使用するときのみ抽出する。
なお、第1の更新についても、1回につき「1」の更新に限らず、2以上の値であってもよい。
次に、カウンターC1〜C3の値と、フリーズ終了後の各リール31の再変動について説明する。
カウンターC1、C2、C3の値がたとえば「310、085、112」であったと仮定する。
この場合、フリーズを終了して通常遊技を開始した時から、左リール31は、「310」に対応する遅延時間の経過後に再変動させる。同様に、中リール31は、「085」に対応する遅延時間の経過後に再変動させ、右リール31は、「112」に対応する遅延時間の経過後に再変動させる。
たとえば、各カウンターC1〜C3の値をそのままステップ数に見立て、かつそのステップ数×2.235ms(モータ32の1ステップあたりの時間)分の遅延時間の経過後に当該リール31の再変動を開始する。なお、小数点以下は、四捨五入してもよい。
したがって、上記の例では、
左リール31:310×2.235ms≒693ms
中リール31:085×2.235ms≒190ms
右リール31:112×2.235ms≒250ms
となる。
これにより、フリーズの終了時を基準として、190ms経過後に中リール31の再変動を開始し、250ms経過後に右リール31の再変動を開始し、693ms経過後に左リール31の再変動を開始する。
このようにすることで、各リール31の再変動時のタイミングがランダム(ばらばら)となり、フリーズ中に停止させた出目が目押しの補助となることはない。
なお、上記から明らかであるが、カウンターC1〜C3の値によって、どのリール31が最初に回転を開始するかはまちまちであり、左→中→右の順に限られるものではない。
さらに、カウンターC1〜C3の値を用いて、遅延時間を図柄数に換算した値に変換してもよい。
モータ32の定速時は、上述のように、2.235msで1ステップ駆動であり、336ステップで1回転(360度回転)する。しかし、実際にリール31を停止させるときは、常に、図柄の中心位置と有効ライン上とが略一致する位置で停止させる必要がある。したがって、モータ32の実際の停止位置は、21か所に限られる。すなわち、336ステップのうち、16ステップの整数倍の位置に限られる。
そこで、カウンターC1〜C3の値を抽出したら、総図柄数21に換算した遅延時間となるように設定する。
上記の例と同様に、カウンターC1、C2、C3の値が「310、085、112」であったと仮定する。
この場合、16ステップの整数倍に最も近い値に換算すると、
左リール31:310ステップ→304ステップ(19図柄)=679.44ms
中リール31:85ステップ→80ステップ(5図柄)=178.8ms
右リール31:112ステップ=7図柄=250.32ms
となる。
これにより、フリーズの終了時を基準として、中リール31は、178.8msの遅延時間の経過後に再変動を開始し、右リール31は、250.32msの遅延時間の経過後に再変動を開始し、左リール31は、679.44msの遅延時間の経過後に再変動を開始する。
これにより、すべてのリール31が定速となったとき、中リール31に対して、右リール31は2図柄だけ遅れた位置にあり、左リール31は14図柄だけ遅れた位置にある。
<ランダム遅延の第2例>
上記第1例では、各リール31ごとの遅延時間を決定し、その遅延時間の経過後にそれぞれリール31の再変動を開始するようにした。
このようにした場合、左、中、右リール31の遅延時間がたとえばそれぞれ100ms、200ms、300msであるとき、最初に再変動を開始する左リール31については、通常遊技の開始時から100msを経過した後でなければ、再変動を開始することができない。
そこで、第2例では、最初に再変動を行うリール31については、フリーズの終了時と同時に再変動を開始するように制御するものである。すなわち、遅延時間が最も短いリール31については、遅延時間「0」で再変動を開始するように制御する。
図10は、リール31の再変動時のタイムチャートを示す図であって、第1例及び第2例を対比して示す図である。
図10において、乱数値により決定された左、中、右リールの遅延時間(ms)を、t1、t2、t3とし、図10では、「t1<t3<t2」の関係にあるものとする。また、図10では、横軸が時間軸を示し、縦軸がリール31の回転速度を示す。時間軸が「0」の時が、フリーズの終了時(通常遊技の開始時)に相当する。
図10(a)は、第1例の処理を示している。図10(a)では、リール31の再変動時、左リール31の遅延時間がt1、中リール31の遅延時間がt2、右リール31の遅延時間がt3である例を示している。
このように設定したとき、最初に再変動を開始する左リール31は、通常遊技の開始時から時間t1経過後となる。
また、リール31が定速状態になった後、最初にインデックス34を検知したときのタイミングを図中、「I」で示している。実際には、リール31が定速となった時からインデックス34が検知されるまでの時間はリール31の回転前の停止位置に依存するが、図10の例では、リール31が定速になった後、一定時間後に最初にインデックス34が検知されるものとしている。
図10(b)は、第2例におけるタイムチャートである。
第2例では、遅延時間が最も短いリール31については、通常遊技の開始と同時にそのリール31の再変動を開始し、他のリール31については、最も短い遅延時間t1を引いた遅延時間の経過後にそのリール31の再変動を開始するように制御する。
図10(b)では、左リール31の遅延時間t1が最も短いので、左リール31については、通常遊技の開始と同時に再変動を開始する。次に、右リール31については、「t3−t1」時間の経過後に再変動を開始し、中リール31については、「t2−t1」時間の経過後に再変動を開始する。このように制御しても、定速時における各リール31の相関位置関係を図10(a)と同一に設定することができる。また、このように設定することで、図10(a)の場合と比べて、再変動のタイミングをt1だけ短縮することができる。
図10(c)は、図10(b)の変形例を示すタイミングチャートである。各リール31の遅延時間は、図10(b)と同様であるが、図10(c)の例では、最後の中リール31のインデックス34を検知した後、t1経過後にストップスイッチ42の操作受付けを開始する。このようにすれば、リール31の再変動時のタイミングを図10(b)と同一に設定することができるとともに、ストップスイッチ42の操作受付け開始時を図10(a)と同一に(取得した乱数値により忠実に)設定することができる。
<ランダム遅延の第3例>
第1例では、3つのカウンターC1〜C3を設け、各リール31ごとの遅延時間を演算するようにした。これに対し、第3例では、1つのカウンターから、全リール31の遅延時間を演算するものである。
第3例のカウンターをカウンターC4とする。カウンターC4の周期は、リールの図柄数をN、リール31の個数をMとしたとき、「NM 」とする。
次に、カウンターC4から抽出した乱数値をRとしたとき、
R=xM ×NM−1 +xM−1 ×NM−2 +・・・+x1 ×N0
を満たすxM 、xM−1 、・・・、x1 を決定する。
そして、
各リール31の遅延時間t=x×2.235×16(x=xM 、xM−1 、・・・、x1 )
を決定する。
本実施形態では、リール31の図柄数が「21」、リール31の個数が「3」であるので、カウンターC4の周期は、「213 =9261」となる。
そして、
R=x3 ×212 +x2 ×211 +x1 ×210
を満たすx3 、x2 、x1 を決定する。
ここで、x3 、x2 、x1 は、それぞれ、左リール31、中リール31、右リール31に対応する乱数値となる。
たとえば取得した乱数値Rの値が「1235」であるとき、
1235=2×212 +16×211 +17×210
となるので、(x3 、x2 、x1 )=(2、16、17)となる。
この値が、遅延時間に対応する図柄数(遅延図柄数)となる。
よって、
左リール31:2×2.235×16=71.52ms
中リール31:16×2.235×16=572.16(ms)
右リール31:17×2.235×16=607.92(ms)
となる。
したがって、フリーズの終了時から、上記遅延時間の経過後に、それぞれ各リール31の再変動を開始するように制御すれば、全リール31が定速となったときは、左リール31を基準とすれば、中リール31は14図柄遅れ、右リール31は15図柄遅れとなる。
また、第2例で説明したように、遅延時間(遅延図柄数)が最も短いリール31について、通常遊技の開始時と同時に再変動を開始するように制御してもよい。
この場合には、左リール31の遅延時間は「0」、中リール31の遅延時間は500.64ms(14図柄遅れ)、右リール31の遅延時間は536.4ms(15図柄遅れ)となる。
<ランダム遅延の第4例>
第4例は、通常遊技の開始時におけるリール31の加速域において、遅延時間を含めた加速を行うものである。
図11は、第4例におけるモータ32の割込み時間とステップ数との関係を示す図である。
図11において、左リール31は、遅延時間がないときのモータ32の加速状態の一例を示している。先ず、最初は20割込み(20×2.235=44.7ms)で1ステップ駆動、次は16割込みで1ステップ駆動、さらに次は12割込みで1ステップ駆動、・・・と徐々に少ない時間で1ステップ駆動していき、最後は、1割込み(2.235ms)で1ステップ駆動(定速状態)にする。
また、中及び右リール31については、遅延時間を設けた例を示している。中及び右リール31のいずれも、この例では、本来であれば8割込みで1ステップ駆動のところを、遅延時間を加算した割込み数で1ステップ駆動としている。
中リール31では、「8+60」割込みで1ステップ駆動としている。すなわち、1ステップが2.235msであるので、「2.235×60=134.1ms」の遅延時間を設けている。
また、右リール31については、「8+80」割込みで1ステップ駆動としているので、「2.235×80=178.8ms」の遅延時間を設けている。
この例では、8割込みで1ステップの部分に遅延時間(割込み)を加算しているが、どの部分に遅延時間を加算してもよい。また、遅延時間を複数に分割し、複数の部分で遅延時間を加算してもよい。たとえば、遅延時間が70割込みであるとき、8割込みで1ステップの部分では「8+40」割込みで1ステップとし、次の4割込みで1ステップの部分では「4+30」割込みで1ステップとしてもよい。
第4例のようにすれば、通常遊技の開始と同時に全リール31の再変動を開始できるので、リール31の再変動時に遊技者に与える違和感をより少なくすることができる。
なお、第4例において、左、中、右リール31のそれぞれの遅延割込み数が、たとえば「10、70、90」であるとき、すべてのリール31について遅延時間(割込み)を加算してもよいが、「10、70、90」の遅延割込み数を第2例のように「0、60、80」に設定し直し、左リール31については遅延割込みなしとし、中及び右リール31にのみ、遅延割込みを加算してもよい。
<ランダム遅延の第5例>
第5例は、乱数値の取得を行うことなく、リール31間の相関位置関係を、前遊技である通常遊技での最終停止位置と同一の状態に戻すように、モータ32の駆動を制御するものである。
例えば、通常遊技の終了時(全リール31の停止時)における各リール31の相関位置関係をRAMに記憶しておく。
たとえば通常遊技での全リール31の停止時に、中段ラインに、図2中、左リール31の10番、中リール31の6番、右リール31の13番の図柄が停止しているときは、各リール31の最終停止位置を、「10、6、13」と記憶する。
この場合に、フリーズの終了後に通常遊技を開始するときは、各リール31の再変動を行うとともに、加速域において、前遊技での相関位置関係に戻す。
たとえば通常遊技の終了時における相関位置関係が上記の例のように「10、6、13」であるとする。そして、次遊技でフリーズが行われ、中段ラインに「赤7」揃いを停止させたとする。ここで、「赤7」揃いを停止させたときの位置は、「16、16、16」となる。
したがって、通常遊技の開始時におけるリール31の相関位置関係「16、16、16」を、リール31の回転が定速となったときに、「10、6、13」に戻すように制御する。
ここで、前遊技の通常遊技において、左、中、右リール31の相関位置関係を「L1、C1、R1」とし、フリーズ中に停止させたときの相関位置関係を「L2、C2、R2」とする。
このとき、先ず、「L2−L1、C2−C1、R2−R1」を算出する。上記の例では、「+6、+10、+3」となる。
次に、最も大きい値である「+10」が「0」になるようにその差分の相関位置関係に変換する。この例では、「−4、0、−7」となる。
よって、中リール31については、通常遊技の開始と同時に再変動を開始し、左リール31は、4図柄分だけ遅延するように再変動を開始し、右リール31は7図柄分だけ遅延するように再変動を開始する。
なお、上記「+6、+10、+3」のうち、最も小さい値である「+3」が「0」になるようにその差分の相関位置関係に変換して「+3、+7、0」とし、最も数値が大きい中リール31について、通常遊技の開始と同時に再変動を開始し、左リール31は、中リール31との差分である4図柄分だけ遅延するように再変動を開始し、右リール31は中リール31との差分である7図柄分だけ遅延するように再変動を開始すると算出しても、上記と同様となる。
すなわち、通常遊技の開始と同時に再変動させるリール31をどのリール31に設定するかは、前遊技である通常遊技と、フリーズの終了時とで位置ずれが最も大きいリール31を選択すれば、最小時間(最小の遅延図柄数)で元の相関位置関係に戻すことができる。
中リール31は通常遊技の開始と同時に再変動を開始し、左リール31は4図柄分だけ遅延させ、右リール31は7図柄分だけ遅延させると、通常遊技の開始時の相関位置関係「16、16、16」が、「10、6、13」に戻る。すなわち、前遊技の終了時での相関位置関係に戻ったことになる。
また、各リール31のインデックス34の位置が、0番の図柄が中段を通過する瞬間に検知されるとき、「10、6、13」の相関位置関係で各リール31が回転していれば、左、中、右リール31の順番でインデックス34が検知される。すなわち、定速状態になってから、左、中、右リール31の順番でインデックス34が検知されたときに、ストップスイッチ42の操作受付けが開始される。
そこで、相関位置関係を元に戻した場合においても、各リール31が定速となり、その後は、左、中、右リール31の順番でインデックス34が検知されるはずであるから、最後の右リール31のインデックス34が検知されたときに、ストップスイッチ42の操作受付けを開始するように制御する。このように制御すれば、当該遊技でフリーズがなかったときと同一の条件に設定することができる。
また、「16、16、16」の相関位置関係を、「10、6、13」の相関位置関係に戻す場合に、上記の例では、中リール31については遅延なしで再変動を開始し、左及び右リール31については、所定図柄数だけ遅延させるようにした。しかし、第1例のように、全リール31について遅延図柄数を設けてもよい。
ただし、上記のように、通常遊技である前遊技の停止位置と、当該遊技におけるフリーズ終了時の停止位置とで位置ずれが最も大きいリール31を特定し、そのリール31については通常遊技の開始と同時に再変動を開始し、他のリール31についてはその差分の図柄数だけ遅延させて再変動を開始するようにすれば、最小時間でリール31の相関位置関係を元に戻すことができる。
一方、第4例のように、全リール31について同時に再変動を開始し、モータ32の加速域で、遅延図柄数に相当する割込みを加算してもよい。
ここで、各リール31の相関位置関係を元に戻す際に、リール31の回転は正回転としたが、場合によっては一部を逆回転させた後停止させて正回転に戻す等により、最小時間で相関位置関係を元に戻すものであれば、どのような方法を採用してもよい。
なお、フリーズの終了後は、ランダム遅延によりリール31の再変動を行うが、フリーズ中のリール動作の連続時にリール31を再変動させるとき(次のリール動作でのリール31の回転開始時)には、ランダム遅延は不要である。それは、リール動作時の停止位置を維持してリール31が再変動したとしても、未だリール動作中(フリーズの実行中)であり、通常遊技ではないので、遊技の公正を害することがないからである。そして、2回目のリール動作が終了し、通常遊技に移行するときは、ランダム遅延によりリール31の再変動を行えばよい。
また、図9に示す揺れ変動を行っている場合において、リール31を再変動するとき(上述のランダム遅延による再変動を行うとき)は、以下のような制御を行う。
まず、リール31の再変動の開始時は、加速処理を行う。このため、リール31の揺れ変動中において、左リール31を例にとると、図9(b)の状態から(d)の状態に移動しているとき、すなわち上方向にリール31を移動させているときに加速処理に移行する(上から下に向かう加速を行う)と、モータ32の脱調のおそれがあることから、以下のように制御する。
たとえば第1に、揺れ変動中に当該リール31の再変動を行う信号を検知したときは、予め定めた所定位置で一時(一瞬)停止させた後、リール31の再変動処理に移行することが挙げられる。前記所定位置は、図9中、「上」、「中央」、又は「下」位置のいずれであってもよいが、たとえば「下」位置に設定したと仮定する。
全リール31の揺れ変動は、最初のリール31の再変動を行う信号を検知するまで継続する。そして、最初のリール31の再変動を行う信号を検知した時のそのリール31の位置がいずれの位置であっても、「下」位置、すなわち図9(b)の位置となるまで全リール31の揺れ変動を継続する。次に、図9(b)の位置となったら、その位置で一旦そのリール31のみを停止させる。いいかえれば、そのリール31については、「下」位置で揺れ変動を終了する。同時に、「下」位置からそのリール31の加速処理(再変動)を行う。
この瞬間は、残りの2つのリール31については、揺れ変動の継続中である。次に、2番目のリール31について再変動信号を行う信号を検知したら、そのリール31の位置がいずれの位置であっても、「下」位置となるまで、そのリール31の揺れ変動を継続する。次に、そのリール31が「下」位置となったら、その位置で一旦そのリール31を停止させ、そのリール31の揺れ変動を終了する。同時に、「下」位置からそのリール31の加速処理を行う。
この瞬間は、残りの1つのリール31については、揺れ変動の継続中である。次に、3番目のリール31について再変動信号を行う信号を検知したら、そのリール31の位置がいずれの位置であっても、「下」位置となるまで、そのリール31の揺れ変動を継続する。次に、そのリール31が「下」位置となったら、その位置で一旦そのリール31を停止させ、そのリール31の揺れ変動を終了する。同時に、「下」位置からそのリール31の加速処理を行う。
また第2に、揺れ変動中にリール31の再変動を行う信号を検知したときは、リール31が「上」から「中央」位置に移動する直前に揺れ変動を終了して、リール31の加速処理を開始することが挙げられる。
具体的には、揺れ変動中に最初のリール31の再変動を行う信号を検知したときは、その瞬間のリール31の位置がいずれの位置であっても、そのリール31については、「上」から「中央」位置に移動する直前に揺れ変動を終了し、その終了と同時に、そのリール31の加速処理を行う。
この瞬間は、残りの2つのリール31については、揺れ変動の継続中である。次に、2番目のリール31について再変動信号を行う信号を検知したら、そのリール31の位置がいずれの位置であっても、「上」位置となるまで、そのリール31の揺れ変動を継続する。次に、そのリール31が「上」位置から「中央」位置に移動する直前にそのリール31の揺れ変動を終了し、その終了と同時に、そのリール31の加速処理を行う。
この瞬間は、残りの1つのリール31については、揺れ変動の継続中である。次に、3番目のリール31について再変動信号を行う信号を検知したら、そのリール31の位置がいずれの位置であっても、「上」位置となるまで、そのリール31の揺れ変動を継続する。次に、そのリール31が「上」位置から「中央」位置に移動する直前にそのリール31の揺れ変動を終了し、その終了と同時に、そのリール31の加速処理を行う。
第2例のように制御すれば、揺れ変動から加速処理に移行する際に、リール31を一時停止させることがないので、違和感なく行うことができる。第1例及び第2例のいずれも、本来のランダム遅延時間に到達した瞬間から、そのリール31の加速処理が開始されるまでには一定時間を要するが、各リール31の回転開始タイミングは、ランダムとなるので、何ら問題はない。
なお、揺れ変動の1周期時間に対し、ランダム遅延時間が長い場合(たとえば揺れ変動の1周期時間が数十ms、ランダム遅延時間が数百ms等)には、上述した制御が好適である。これに対し、たとえばランダム遅延時間(数百ms)に対し、揺れ変動の1周期時間が数秒程度であるときは、上記第1例及び第2例において、最初のリール31が再変動するときに、全リール31について揺れ変動を終了することも可能である。
たとえば第1例では、最初のリール31の再変動を行う信号を検知するまでは全リール31について揺れ変動を実行し、最初のリール31の再変動を行う信号を検知したときは、「下」位置となるまで全リール31の揺れ変動を継続する。そして、その「下」位置で全リール31の揺れ変動を終了する。同時に、最初のリール31については、その「下」位置からそのリール31の加速処理を行う。
他の2つのリール31については、「下」位置で停止した状態を、そのリール31の再変動を行う信号を検知するまで待機し、それぞれ再変動を行う信号を検知したときに、それぞれのリール31について再変動を開始する。
第2例についても同様に、揺れ変動中に最初のリール31の再変動を行う信号を検知したときは、全リール31について「上」位置で揺れ変動を終了するとともに、最初に再変動を行うリール31については、「上」位置から「中央」位置に移動する直前にそのリール31の再変動を行う。
また、残りの2つのリール31については、「上」位置での停止を維持し、それぞれ再変動を行う信号を検知したときに、それぞれのリール31について再変動を開始する。
さらには、第2例において、揺れ変動として上方向から下方向に移動している間にランダム遅延時間に到達してリール31の再変動のタイミングとなったときは、そのタイミングで当該リール31の揺れ変動を終了し、同時に再変動を行う。一方、揺れ変動として下方向から上方向に移動している間にランダム遅延時間に到達してリール31の再変動のタイミングとなったときは、揺れ変動を継続して「上」位置に移動させた後、揺れ変動における下方向への移動のタイミングで当該リール31の揺れ変動を終了し、同時に再変動を行うようにしてもよい。
さらにまた、ランダム遅延時間に到達した後にリール31の再変動を行うことに限らず、ランダム遅延時間に到達する前に、最後に「上」位置となるタイミングを検知し、その「上」位置から下方向に移動するタイミングで当該リール31の揺れ変動の終了及び再変動の開始を行うことも可能である。
図1において、ATメイン制御手段71は、メイン制御手段50側でAT遊技の管理・制御を行う手段である。
図1に示すように、ATメイン制御手段71は、ATメインフラグ71aを備える。ATメインフラグ71aは、現在の遊技状態がAT遊技であるか否かをメイン制御手段50側で判別するためのフラグである。ATメイン制御手段71は、フリーズ中に3回目のリール動作を行い、特定図柄A又はBが停止したときは、ATメインフラグ71aをオンにするように制御する。
また、図1に示すように、メイン制御手段50は、外部端子基板100と電気的に接続され、AT遊技を開始するとき、たとえば「赤7」又は「青7」揃いで停止したときは、ATメイン制御手段71の外端信号送信手段71bは、外部端子基板100に対して外端信号(AT遊技の実行信号)を送信する。その外端信号は、たとえば外部端子基板100から、遊技履歴表示装置やホールコンピュータ等に送信される。
また、ATメイン制御手段71は、AT遊技の遊技回数を管理する。まず、ATメイン制御手段71は、「赤7」揃いでAT遊技を開始したときは、AT遊技の遊技回数の初期値を「50」に設定し、「青7」揃いでAT遊技を開始したときは、初期値を「100」に設定する。
そして、ATメイン制御手段71は、AT遊技中は、その遊技回数をカウントし続け、AT遊技の残り遊技回数が「0」となったときは、AT遊技を終了し、その旨の信号をサブ制御手段80に送信する。サブ制御手段80は、この信号を受信したときは、AT遊技の終了の演出を出力するとともに、サブ制御手段80側の遊技状態を非AT遊技とする。
また、AT遊技中にレア小役(小役1又は小役2)に当選したときは、AT遊技の遊技回数を上乗せするか否かの抽選(上乗せ抽選)を行い、この上乗せ抽選に当選したときは、AT遊技の遊技回数を加算するように制御する。
本実施形態では、AT遊技中の小役1当選時は、60%の確率で上乗せ抽選に当選するようにソフトウエア乱数を用いた抽選を行う。同様に、AT遊技中の小役2当選時は、30%の確率で上乗せ抽選に当選するように抽選を行う。
さらに、AT遊技中に小役1又は小役2に当選したときは、次遊技において、上述したフリーズを実行し、1回のリール動作を行う。
そして、上乗せ抽選に当選したときは、リール動作において、特定図柄Cテーブルを用いて「BAR」揃いでリール31を停止させる。一方、上乗せ抽選で非当選であったときは、「BAR」揃いにならないようにリール31を停止させる。
ここで、非当選テーブルは、左及び中リール31の停止時に、「BAR」図柄を狙って停止させたときは、中段に「BAR」図柄が停止するようにリール31の停止位置が定められている。さらに、右リール31についても「BAR」図柄を狙って停止させたときは、下段に「BAR」図柄が停止するようにリール31の停止位置が定められている。
一方、特定図柄Cテーブルが用いられたときは、「BAR」図柄を狙ってストップスイッチ42を操作したか否かにかかわらず、中段ラインに「BAR」揃いが停止する。
なお、AT遊技中に小役1又は小役2に当選し、次遊技でフリーズを実行し、1回のリール動作を行った後は、上述したリール動作と同様に、スタートスイッチ41が操作されたときにフリーズを終了(解除)し、ランダム遅延によるリール31の再変動を行い、通常遊技(AT遊技)に移行するように制御する。また、このリール動作中に、自動停止カウンター70dにより20秒を計測したときは、 その時点でフリーズを終了して通常遊技に移行する。
メイン制御手段50は、サブ制御手段80に対し、各種の情報(コマンド)を送信するように制御する。送信される情報としては、メダルが投入された旨の情報、スタートスイッチ41が操作された旨の情報、役の抽選結果(当選役)の情報、リール31の回転が開始された旨の情報、ストップスイッチ42が操作された旨の情報、リール31が停止した旨の情報、各リール31の停止位置(停止図柄)の情報、入賞役の情報、メダルの払出しの情報、遊技状態(非内部中/内部中遊技、一般遊技/特別遊技、非AT遊技/AT遊技)の情報、フリーズに関する情報、フリーズ中のリール動作の情報等が挙げられる。
図1において、サブ制御手段80は、演出出力制御手段81を備える。
演出出力制御手段81は、上述したランプ21、スピーカ22、及び画像表示装置23からの演出の出力を制御するものである。
演出出力制御手段81は、遊技ごとに、遊技の開始時に、役抽選手段61による役の抽選結果に基づいて、ソフトウェア乱数を用いた抽選によって、演出を選択する。具体的には、遊技の進行に伴って、どのようなタイミングで(スタートスイッチ41の操作時や各ストップスイッチ42の操作時等)、どのような演出を出力するか(ランプ21をどのように点灯、点滅又は消灯させるか、スピーカ22からどのようなサウンドを出力するか、及び画像表示装置23にどのような画像を表示させるか等)を選択する。そして、この選択に従って、演出を出力する。
なお、ランプ21、スピーカ22、及び画像表示装置23からの演出の出力は、サブ制御手段80によって制御されるものであり、メイン制御手段50によって制御されるものではない。
ただし、フリーズやAT遊技が実行されると、その旨の信号がメイン制御手段50からサブ制御手段80に送信され、フリーズ中、AT遊技中の画像表示等については、サブ制御手段80によって制御される。
また、演出出力制御手段81は、フリーズ中のリール動作時は、メイン制御手段650側から送信されてきたストップスイッチ42の押し順を報知する。すなわち、フリーズ中に、3回のリール動作において、「赤7」又は「青7」揃いをさせるための押し順を報知する。
ATサブ制御手段82は、AT遊技を実行するか否かの抽選、フリーズを発生させる押し順、AT遊技に関する情報の表示及び演出の出力等を制御する。
ATサブ制御手段82は、内部中遊技の非AT遊技中は、AT遊技を実行するか否かの抽選を行う。本実施形態では、以下を契機としてAT遊技の抽選(又は決定)を行う。
具体的には、たとえば、
1)小役1の当選時(50%の確率でAT遊技に当選)
2)小役2の当選時(15%の確率でAT遊技に当選)
3)非AT遊技中の遊技回数が「1500」に到達したとき(100%の確率でAT遊技に当選)
が挙げられる。
ATサブ制御手段82は、AT遊技の抽選に当選した否かを判別するためのフラグとして、ATサブフラグ82aを備える。ATサブフラグ82aは、非AT遊技中はオフであるが、AT遊技の抽選で当選したときは、オンとする。また、メイン制御手段50からAT終了信号が送信されてきたときは、オフにする。
ATサブ制御手段82は、AT遊技を実行するか否かの抽選に当選したとき(ATサブフラグ82aがオンになったとき)は、その時点以降のリプレイに当選した遊技で、ストップスイッチ42の所定の操作(本実施形態では押し順)を報知する。
ここで報知する押し順は、上述したように、メイン制御手段50側でフリーズを発生させるためである。上述の例の場合には、
a)リプレイ当選1回目の押し順が「右中左」
b)リプレイ当選2回目の押し順が「中右左」
c)リプレイ当選3回目の押し順が「右左中」
d)リプレイ当選1回目〜3回目の間に、リプレイ当選以外の遊技があるとき(リプレイ当選の3遊技間にリプレイ当選以外の遊技を挟むとき)は、当該遊技の押し順が第1停止左
の押し順を報知する。
また、フリーズを発生させるための押し順の報知を開始してからフリーズが発生する前に、遊技者が押し順ミスをしたときは、最初から押し順報知をやり直す。
たとえば、上記の例において、AT遊技を実行するか否かの抽選で当選した後、
a)1遊技目でリプレイに当選し、「右中左」の押し順を報知し、押し順一致
b)2遊技目でリプレイに当選し、「中右左」の押し順を報知し、押し順一致
c)3遊技目で、小役3Aに当選し、第1停止左の押し順を報知し、押し順一致
d)4遊技目でリプレイに当選し、「右左中」を押し順を報知し、押し順不一致
となったときは、リプレイ当選1回目の報知からやり直す。したがって、上記の例では、リプレイ当選3回目の押し順が押し順不一致であるが、次にリプレイに当選したときに、リプレイ当選3回目の押し順を報知することはしない。
ATサブ制御手段82は、フリーズを発生させるために報知した押し順が一致した回数をカウントするためのフリーズ報知カウンター82bを備える。非AT遊技中は、フリーズ報知カウンター82bは「0」となっているが、ATサブフラグ82aがオンになった後、リプレイに当選した遊技で上記押し順を報知し、押し順が一致しているときはフリーズ報知カウンター82bのカウント値を「1」加算する。
また、上記のように、フリーズに至るまでの過程において押し順不一致があったときは、その時点でフリーズ報知カウンターはクリアされる(「0」にされる)。
そして、フリーズ報知カウンター82bが「3」になったときは、メイン制御手段50側でフリーズが実行されるはずであるから、フリーズ報知カウンター82bのカウント値をクリアする。
また、ATサブ制御手段82は、AT遊技の抽選に当選したときや、AT遊技の開始・継続・終了時(AT開始フリーズ中の演出時を含む)には、AT遊技に関する情報や演出を画像表示装置23に画像表示する。また、AT遊技の遊技回数や払出し枚数の情報等を画像表示装置23に画像表示する。
さらに、ATサブ制御手段82は、AT遊技中は、小役3の重複当選時に、9枚の払出しとなる押し順を報知する。
AT遊技の終了時は、メイン制御手段50からサブ制御手段80に対してAT遊技の終了の情報が送信され、サブ制御手段80は、この情報を受信すると、AT遊技の終了を意味する演出を出力するとともに、その後は小役3の重複当選時に押し順報知を行わないように制御する。
図12は、以上説明した、非AT遊技からAT遊技への移行時におけるメイン制御手段50及びサブ制御手段80の流れを示す図である。
図12に示すように、サブ制御手段80は、非AT遊技中は、AT遊技を実行するか否かの抽選を行い、この抽選に当選したら、メイン制御手段50側でフリーズを発生させる押し順を報知する。メイン制御手段50は、フリーズを発生させる押し順が複数遊技にわって操作されたときは、フリーズを発生させる。
なお、本実施形態では、信号(情報)の送信は、メイン制御手段50からサブ制御手段80への一方向である。したがって、サブ制御手段80からメイン制御手段50へは、いかなる信号も送信されない。これにより、サブ制御手段80は、メイン制御手段50側でフリーズを発生させる押し順を報知するだけであり、メイン制御手段50は、サブ制御手段50側でフリーズを発生させる押し順報知が行われているか否かにかかわらず(メイン制御手段50側では、サブ制御手段80側で押し順報知が行われているか否かはわからない)、複数回の遊技にわたってリプレイ当選時に押し順一致時は、フリーズを発生させる。
メイン制御手段50は、フリーズを発生させると、3回のリール動作において特定図柄A又はBを停止表示させる押し順を決定し、サブ制御手段80に送信する。サブ制御手段80は、この情報を受信すると、フリーズ中のリール動作時にその押し順を報知する。
メイン制御手段50は、フリーズ中の3回のリール動作において押し順一致時は、特定図柄A又はBを停止させ、フリーズを終了し、通常遊技に移行するとともにAT遊技を開始する。AT遊技の開始信号は、サブ制御手段80に送信される。サブ制御手段80は、AT遊技中は、小役3A当選時に9枚の払出しとなる押し順を報知する。
メイン制御手段50は、AT遊技中の遊技回数を管理し、所定遊技回数に到達したときは、AT遊技を終了させるとともに、AT遊技の終了信号をサブ制御手段80に送信する。サブ制御手段80は、AT遊技の終了信号を受信したときは、小役3A当選時の押し順報知を終了する。
続いて、メイン制御手段50及びサブ制御手段80の処理の流れについて説明する。
図13は、フリーズ発生に至るまでのメイン制御手段50の処理の流れを示すフローチャートである。
図13において、メイン制御手段50(リール制御手段64)は、ステップS11では、全リール31が停止したか否かを判断し続ける。全リール31が停止したと判断したときはステップS12に進み、メイン制御手段50(停止図柄判断手段66)は、当該遊技でリプレイが入賞したか否かを判断する。リプレイが入賞したと判断したときはステップS13に進み、リプレイが入賞していないと判断したときはステップS18に進む。
ステップS13では、メイン制御手段50(押し順検出手段64a)は、当該リプレイ入賞時の押し順が所定押し順であるか否かを判断する。ここで、
a)フリーズカウンター70のカウント値が「0」のとき、「右中左」
b)フリーズカウンター70のカウント値が「1」のとき、「中右左」
c)フリーズカウンター70のカウント値が「2」のとき、「右左中」
であるときは、所定押し順であると判断する。
所定押し順であると判断したときはステップS14に進み、メイン制御手段50(フリーズ制御手段70)は、フリーズカウンター70aのカウント値を「1」加算する。一方、所定押し順でないと判断したときはステップS17に進む。
ステップS15では、メイン制御手段50(フリーズ制御手段70)は、フリーズカウンター70aのカウント値が「3」であるか否かを判断する。カウント値が「3」であると判断したときはステップS16に進み、フリーズフラグ70bをオンにし、ステップS17に進む。ステップS17では、フリーズカウンター70aのカウント値をクリアする。そして、本フローチャートによる処理を終了する。一方、ステップS15でフリーズカウンター70aのカウント値が「3」でないと判断したときは、本フローチャートによる処理を終了する。
また、ステップS13で所定の押し順でないと判断されてステップS17に進むと、フリーズカウンター70aのカウント値をクリアし、本フローチャートによる処理を終了する。
さらにまた、ステップS18では、当該遊技の押し順がペナルティ押し順(なお、フローチャートでは、「ペナ押し順」と略称する。)であるか否かを判断する。本実施形態では、非AT遊技中において、リプレイ当選時以外の場合に、第1停止左以外のときは、いずれもペナルティ押し順であると判断する。ペナルティ押し順であると判断されたときはステップS17に進んでフリーズカウンター70aのカウント値をクリアし、本フローチャートによる処理を終了する。
これに対し、ステップS18でペナルティ押し順でないと判断したときは本フローチャートによる処理を終了する。
図14は、フリーズ発生に至るまでのサブ制御手段80の処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS31では、サブ制御手段80は、スタートスイッチ41が操作されたか否かを判断し続ける。なお、フローチャートでは図示しないが、スタートスイッチ41がオンされた旨の信号はメイン制御手段50から送信され、同時に、当該遊技における当選役の情報も送信される。
スタートスイッチ41が操作されたと判断したときはステップS32に進み、サブ制御手段(ATサブ制御手段82)は、ATサブフラグ82aがオンであるか否か(既にAT遊技に当選しているか否か)を判断する。ATサブフラグ82aがオンでないと判断したときはステップS33に進み、オンであると判断したときはステップSステップS36に進む。
ステップS33では、ATサブ制御手段82は、当該遊技における当選役等に基づいてAT遊技を実行するか否かの抽選を行う。次にステップS34に進み、ATサブ制御手段82は、ステップS33の抽選でAT遊技を実行する抽選に当選したか否かを判断する。当選したと判断したときはステップS35に進み、当選していないと判断したときはステップS42に進む。
ステップS35では、ATサブ制御手段82は、ATサブフラグ82aをオンにする。次のステップS36では、ATサブ制御手段82は、当該遊技でリプレイに当選したか否かを判断する。なお、ステップS36の処理は、ステップS32で「Yes」の場合又はステップS35でATサブフラグ82aがオンにされた場合に行われる処理であるので、既にAT遊技の実行に当選している場合のみである。
リプレイに当選したと判断したときは、フリーズ報知カウンター82bに対応する報知を行う。この報知は、メイン制御手段50側でフリーズを発生させるための押し順の報知である。具体的には、
a)フリーズ報知カウンター82bの値が「0」のときは、「右中左」の押し順を報知し、
b)フリーズ報知カウンター82bの値が「1」のときは、「中右左」の押し順を報知し、
c)フリーズ報知カウンター82bの値が「2」のときは、「右左中」の押し順を報知する。
また、リプレイに当選していないと判断したときはステップS42に進む。
ステップS38では、ATサブ制御手段82は、当該遊技で操作された押し順が報知した押し順と一致するか否かを判断する。なお、当該遊技で操作された押し順は、メイン制御手段50から送信される。
押し順が一致すると判断したときはステップS39に進み、押し順が一致しないと判断したときはステップS43に進む。
ステップS39では、ATサブ制御手段82は、フリーズ報知カウンター82bのカウント値を「1」加算する。
次にステップS40に進み、ATサブ制御手段82は、フリーズ報知カウンター82bのカウント値が「3」であるか否かを判断する。カウント値が「3」であると判断したときはステップS41に進み、ATサブ制御手段82は、フリーズ報知カウンター82bのカウント値をクリアし、本フローチャートによる処理を終了する。また、ステップS40でカウント値が「3」でないと判断したときはステップS41の処理を行うことなく本フローチャートによる処理を終了する。
ステップS34においてAT遊技の実行に当選していないと判断されたとき、又はステップS36において当該遊技でリプレイに当選していないと判断されてステップS42に進むと、ATサブ制御手段82は、当該遊技で操作された押し順がペナルティ押し順であるか否かを判断する。リプレイに当選していない遊技では、第1停止左以外はペナルティ押し順に設定されている。ステップS42でペナルティ押し順であると判断されたとき、又はステップS38で押し順不一致であると判断されたときは、ステップS43において、フリーズ報知カウンター82bのカウント値をクリアし(「0」にし)、本フローチャートによる処理を終了する。
すなわち、AT遊技の実行に当選している場合に、フリーズを実行するための押し順が報知されたが、遊技者の操作ミスで押し順不一致となった場合は、フリーズ報知カウンター82bのカウント値はクリアされる。また、AT遊技を実行することに当選しているか否かにかかわらず、ペナルティ押し順であると判断されたときは、その時点でのフリーズ報知カウンター82bのカウント値にかかわらずカウント値がクリアさる。
図15〜図17は、フリーズの実行におけるメイン制御手段50の処理の流れを示すフローチャートである。図16及び図17は、図15から続くフローチャートである。
ステップS51において、メイン制御手段50は、スタートスイッチ41が操作されたか否かを判断し続ける。スタートスイッチ41が操作されたと判断したときはステップS52に進み、役抽選手段61は、役の抽選を行う。
次のステップS53では、メイン制御手段50は、フリーズフラグ70bがオンであるか否かを判断する。なお、フリーズフラグ70bがオフからオンになるのは、上述したステップS16(図13)である。そして、オンであると判断されたときはステップS54に進み、オンでないと判断されたときはステップS64に進む。
ステップS64に進んだときは、当該遊技ではフリーズは実行されず、全リール31を通常遊技と同様に回転させ、図17のステップS104以降の処理に進む。
これに対し、ステップS54に進むと、フリーズ制御手段70は、特図カウンター70cのカウント値が「0」であるか否かを判断する。「0」であると判断したときはステップS55に進み、「0」でないと判断したときはステップS56に進む。
ステップS55では、フリーズ制御手段70は、フリーズ中のリール動作において最終的に停止させるべき特定図柄A又はBの抽選を行う。なお、本フローチャートでは図示しないが、フリーズ制御手段70は、この抽選結果を記憶しておく。
次のステップS56では、フリーズ制御手段70は、フリーズを開始し、次のステップS57において、全リール31の回転を開始する。ここでのリール31の回転は、通常遊技におけるリール31の回転開始ではなく、フリーズの開始時(リール動作時)の回転開始である。
次にステップS58に進み、フリーズ制御手段70は、自動停止カウンター70dによる計測を開始(セット)する。
次のステップS59では、フリーズ制御手段70は、ステップS55の抽選結果に基づいて、特定図柄A又はBを停止させるためのリール動作時の押し順を決定し、その押し順の情報をサブ制御手段80に送信する。なお、後述するが、サブ制御手段80では、この情報を受信すると、その押し順を遊技者に報知する。
次にステップS60に進み、フリーズ制御手段70は、自動停止カウンター70dのカウント値が「0」になったか否かを判断する。自動停止カウンター70dのカウント値が「0」でないと判断したときはステップS61に進み、「0」であると判断したときはステップS65に進む。
ステップS61では、メイン制御手段50(リール制御手段64)は、ストップスイッチ42が操作されたか否かを判断する。ストップスイッチ42が操作されたと判断したときはステップS62に進み、操作されていないと判断したときはステップS60に戻る。
ステップS62では、特図カウンター70c及び押し順に応じて、リール制御手段64は、操作されたストップスイッチ42に対応するリール31を停止させる。
たとえば、特図カウンター70cのカウント値が「0」であり、押し順が一致しているときは、「RP」の図柄を停止させる制御となる。
次のステップS63では、メイン制御手段50は、ステップS61でオンにされたストップスイッチ42がオフとなったか否か(遊技者がそのストップスイッチ42から手を離したか否か)判断する。ここでは、そのストップスイッチ42がオフとなるまで検知し続ける。
ストップスイッチ42のオフを検知したときは、図16のステップS81に進む。
一方、ステップS60において自動停止カウンター70dのカウント値が「0」であると判断し、ステップS65に進むと、フリーズ制御手段70(リール制御手段64)は、回転中のすべてのリール31を自動停止させる。次にステップS66に進み、フリーズ制御手段70は、フリーズを終了するように制御する。そして、ステップS67に進み、メイン制御手段50(リール制御手段64)は、(スタートスイッチ41の操作にかかわらず)リールの回転を開始し、通常遊技に移行する。なお、フリーズ終了後のリール31の回転は、上述したランダム遅延によって行われる。そして、図17のステップS101に進む。
図16のステップS81では、メイン制御手段50は、全リール31が停止したか否かを判断する。全リール31が停止したと判断したときはステップS82に進み、未だ全リール31が停止していないと判断したときはステップS60に戻る。
ステップS82では、フリーズ制御手段70は、自動停止カウンター70dのカウント値が「0」になったか否かを判断する。「0」でないと判断したときはステップS83に進み、フリーズ制御手段70は、自動停止カウンター70dのカウント値を再セットし、ステップS84に進む。すなわち、ステップS83では、計測中のカウントを終了し、再度、カウントを開始する。
一方、ステップS82において自動停止カウンター70dのカウント値が「0」であると判断したときは、ステップS66に進む。
ステップS84では、フリーズ制御手段70は、当該リール動作においてストップスイッチ42の押し順が一致したか否かを判断する。一致したと判断したときはステップS85に進み、一致していないと判断したときはステップS91に進む。
ステップS85では、フリーズ制御手段70は、特図カウンター70cのカウント値を「1」加算する。次にステップS86に進み、フリーズ制御手段70は、特図カウンター70cのカウント値が「3」となったか否かを判断する。「3」であると判断したときはステップS87に進み、「3」でないと判断したときはステップS92に進む。
なお、特図カウンター70cのカウント値が「3」であることは、当該リール動作において特定図柄A又はBが停止したことを意味する。
ステップS87では、特図カウンター70cのカウント値をクリアし、ステップS88に進む。
ステップS88では、メイン制御手段50は、スタートスイッチ41が操作されたか否かを判断する。スタートスイッチ41が操作されたと判断したときはステップS90に進み、操作されていないと判断したときはステップS89に進む。
ステップS89では、フリーズ制御手段70は、自動停止カウンター70dのカウント値が「0」になったか否かを判断する。「0」であると判断したときはステップS90に進み、「0」でないと判断したときはステップS88に戻る。
ステップS90では、ATメイン制御手段71は、ATメインフラグ71aをオンにするとともに、フリーズ制御手段70は、フリーズフラグ70bをオフにする。そして、ステップS66に進む。
一方、ステップS84で押し順が一致していないと判断されてステップS91に進むと、フリーズ制御手段70は、特図カウンター70cのカウント値が「2」であるか否かを判断する。「2」であると判断したときはステップS92に進む。
ステップS92では、メイン制御手段50は、スタートスイッチ41が操作されたか否かを判断し、スタートスイッチ41が操作されたと判断したときはステップS57に進み、操作されていないと判断したときはステップS93に進む。
ステップS93では、フリーズ制御手段70は、自動停止カウンター70dのカウント値が「0」になったか否かを判断する。「0」であると判断したときはステップS66に進み、「0」でないと判断したときはステップS92に戻る。
一方、ステップS91において特図カウンター70cのカウント値が「2」でないと判断されてステップS94に進むと、フリーズ制御手段70は、特図カウンター70cのカウント値をクリアする(「0」にする)。そしてステップS66に進む。
以上のステップS84〜S86、及びステップS91〜S94の処理により、特図カウンター70cのカウント値が「0」又は「1」であるとき、すなわち1回目又は2回目のリール動作において押し順ミスがあったときは、特図カウンター70cのカウント値はクリアされ、1回目のリール動作からやり直す。これに対し、特図カウンター70cのカウント値が「2」であるとき、すなわち、3回目のリール動作であって、本来であればこのリール動作において特定図柄A又はBを停止表示させるときに、押し順ミスがあったときは、特図カウンター70cのカウント値は維持され、再度、3回目のリール動作(特定図柄A又はBを停止させる動作)をやり直す。
フリーズが終了し、図15のステップS67から図17のステップS101に進むと、ATメイン制御手段71は、ATメインフラグ71aがオンであるか否かを判断する。オンであると判断したときはステップS102に進み、オンでないと判断したときはステップS104に進む。
ステップS102では、ATメイン制御手段71は、当該遊技で小役3Aに当選しているか否かを判断する。当選していると判断したときはステップS103に進み、当選した小役3Aに係る押し順(9枚の払出しを得るための押し順)をサブ制御手段80に送信する。また、小役3Aに当選していないと判断したときはステップS104に進む。
ステップS104では、メイン制御手段50は、ストップスイッチ42が操作されたかか否かを判断し続ける。ストップスイッチ42が操作されたと判断したときはステップS105に進み、リール制御手段64は、当該遊技における役抽選結果(ステップS52)に基づき、リール31を停止制御する。次にステップS106に進み、メイン制御手段50は、全リール31が停止したか否かを判断する。全リール31が停止したと判断したときはステップS107に進み、全リール31が停止していないと判断したときはステップS104に戻る。
ステップS107では、払出し手段67は、当該遊技での停止図柄に基づいて、メダルの払出し等の処理(リプレイ入賞時はメダルの自動投入)を行う。なお、本フローチャートでは図示していないが、全リール31の停止時には、停止図柄判断手段66により、当該遊技での入賞役が判断される。
次に、ステップS108に進み、ATメイン制御手段71は、ATメイングラフ71aがオンであるか否かを判断する。オンであると判断したときはステップS109に進み、ATメイン制御手段71は、AT遊技の遊技回数Gから「1」を減算する。そして本フローチャートによる処理を終了する。これに対し、ステップS108でATメインフラグ71aがオンでないと判断したときは本フローチャートによる処理を終了する。
以上の図15〜図17に示すように、ステップS52の役の抽選において小役3Aに当選し、かつ、当該遊技でフリーズが実行される場合がある。このときは、通常遊技に移行する前に、3回のリール動作が行われ、3回目のリール動作において特定図柄A又はBが停止する。そして、フリーズが終了し、通常遊技に移行したときにはAT遊技が開始されるので、当該遊技で当選している小役3Aに基づく押し順報知が行われる。
これにより、1遊技で、特定図柄A又はBの停止と、AT小役である小役3Aの押し順報知が行われる。
ここで、従来では、AT遊技を実行するときには、AT遊技の開始出目である「7」揃い等をした後、次遊技からAT遊技を開始していた。そして、AT遊技の開始出目が停止表示されても、それは小役の入賞ではないので、払出しが行われない。これにより、AT遊技の開始出目を停止させるために、遊技者は、メダルを消費する必要があった。
これに対し、本実施形態では、特定図柄A又はBの停止表示と、小役3Aの当選に係る報知、及び小役3Aの入賞とを1遊技内で行うことができる。
図18及び図19は、AT遊技中におけるメイン制御手段50の処理の流れを示すフローチャートである。図19は、図18に続くフローチャートである。
図18のステップS121において、メイン制御手段50は、スタートスイッチ41が操作されたか否かを検知し続ける。スタートスイッチ41が操作されたと判断したときはステップS122に進み、役抽選手段61は、役の抽選を行う。
次のステップS123では、ATメイン制御手段71は、ATメインフラグ71aがオンであるか否かを判断する。オンであると判断したときはステップS124に進み、オンでないと判断したときはステップS127に進む。なお、オンであると判断されるのはAT遊技中であり、オンでないと判断されるのは非AT遊技中である。
ステップS124では、ATメイン制御手段71は、ステップS122の抽選において小役3Aに当選したか否かを判断する。小役3Aに当選したと判断したときはステップS125に進み、小役3Aに当選していないと判断したときはステップS135に進む。
ステップS125では、当選した小役3Aに対応するストップスイッチ42の押し順をサブ制御手段80に送信する。次のステップS126では、リール制御手段64は、全リール31の回転を開始するように制御する。
次にステップS127に進み、メイン制御手段50は、ストップスイッチ42が操作されたか否かを判断し続ける。ストップスイッチ42が操作されたと判断したときはステップS128に進み、リール制御手段64は、当該遊技での役の抽選結果(ステップS122)及びストップスイッチ42の操作タイミングに基づいて、操作されたストップスイッチ42に対応するリール31の停止制御を行う。
次のステップS129では、メイン制御手段50は、全リール31が停止したか否かを判断する。全リール31が停止したと判断したときはステップS130に進み、停止していないと判断したときはステップS127に戻る。
ステップS130では、払出し手段67は、当該遊技での入賞役に基づき、メダルの払出し等を行う。なお、フローチャートでは図示しないが、ステップS129で全リール31が停止したと判断されたときは、停止図柄判断手段66により、入賞役が判断される。
次にステップS131に進み、ATメイン制御手段71は、ATメインフラグ71aがオンであるか否かを判断する。オンである(AT遊技中)と判断したときはステップS132に進み、オンでない(非AT遊技中)と判断したときは本フローチャートによる処理を終了する。
ステップS132では、ATメイン制御手段71は、AT遊技の残り遊技回数Gから「1」を減算する。次にステップS133に進み、AT遊技の残り遊技回数Gが「0」となったか否かを判断する。「0」であると判断したときはステップS134に進み、ATメイン制御手段71は、ATメインフラグ71aをオフにし、本フローチャートによる処理を終了する。一方、ステップS133で、AT遊技の残り遊技回数Gが「0」でないと判断したときは本フローチャートによる処理を終了する。
ステップS124において小役3Aに当選していないと判断されステップS135に進むと、ATメイン制御手段71は、ステップS122の抽選において、レア小役(小役1又は小役2)に当選したか否かを判断する。当選したと判断したときはステップS136に進み、当選していないと判断したときはステップS127に進む。
ステップS136では、ATメイン制御手段71は、レア小役の当選に基づいて、AT遊技の遊技回数の上乗せ抽選を行う。次にステップS137に進み、ATメイン制御手段71は、上乗せ抽選に当選したか否かを判断する。当選したと判断したときはステップS138に進み、ATメイン制御手段71は、上乗せフラグ71cをオンにする。そして図19のステップS151に進む。一方、ステップS137で当選していないと判断されたときはステップS151に進む。
図19のステップS151では、フリーズ制御手段70は、フリーズを開始する。次にステップS152に進み、リール制御手段64は、フリーズ中のリール動作に係るリール31の回転を開始する。なお、ステップS126に進んだときは、通常遊技のリール31の回転を開始するが、ステップS152では、フリーズ中のリール31の回転開始である。
そして、次のステップS153で、フリーズ制御手段70は、自動停止カウンター70dのカウント値をセットする。次のステップS154では、フリーズ制御手段70は、自動停止カウンター70dのカウント値が「0」になったか否かを判断する。自動停止カウンター70dのカウント値が「0」でないと判断したときはステップS155に進み、「0」であると判断したときはステップS169に進む。
ステップS155では、メイン制御手段50は、ストップスイッチ42が操作されたか否かを判断する。ストップスイッチ42が操作されたと判断したときはステップS156に進み、操作されていないと判断したときはステップS154に戻る。
ステップS156では、リール制御手段64は、上乗せフラグ71cがオンであるか否かを判断する。オンであると判断したときはステップS157に進み、オンでないと判断したときはステップS158に進む。
ステップS157では、リール制御手段64は、特定図柄Cテーブルを用いて、「BAR」揃いで停止表示するようにリール31を停止させる。これに対し、ステップS158では、リール制御手段64は、通常遊技の非当選テーブルを用いて、「BAR」揃いにならないようにリール31を停止させる。
ステップS157又はステップS158からステップS159に進むと、リール制御手段64は、ステップS155でオンにされたストップスイッチ42がオフとなったか否か判断し続ける。ストップスイッチ42のオフを検知したときは、ステップS160に進む。
ステップS160では、メイン制御手段50は、全リール31が停止したか否かを判断する。全リール31が停止したと判断したときはステップS161に進み、全リール31が停止していないと判断したときはステップS167に進む。
ステップS161では、フリーズ制御手段70は、自動停止カウンター70dのカウント値が「0」になったか否かを判断する。「0」でないと判断したときはステップS162に進み、「0」であると判断したときはステップS165に進む。
ステップS162では、フリーズ制御手段70は、自動停止カウンター70dのカウント値を再セットし、ステップS163に進む。ステップS163では、メイン制御手段50は、スタートスイッチ41が操作されたか否かを判断する。スタートスイッチ41が操作されたと判断したときはステップS165に進み、操作されていないと判断したときはステップS164に進む。
ステップS164では、フリーズ制御手段70は、自動停止カウンター70dのカウント値が「0」になったか否かを判断する。「0」であると判断したときはステップS165に進み、「0」でないと判断したときはステップS163に戻る。
ステップS165では、フリーズ制御手段70は、フリーズを終了するように制御するとともに、ATメイン制御手段71は、上乗せフラグ71cをオフにする。
そしてステップS166に進み、メイン制御手段50(リール制御手段64)は、リールの回転を開始し(ランダム遅延)、通常遊技に移行する。そして、ステップS127に移行する。
一方、ステップS160において全リール31が停止していないと判断され、ステップS167に進むと、フリーズ制御手段70は、自動停止カウンター70dのカウント値が「0」になったか否かを判断する。「0」であると判断したときはステップS169に進み、「0」でないと判断したときはステップS168に進む。
ステップS168では、フリーズ制御手段70は、自動停止カウンター70dのカウント値を再セットし、ステップS155に戻る。
また、ステップS154又はステップS167からステップS169に進むと、フリーズ制御手段70(リール制御手段64)は、回転中のすべてのリール31を自動停止させる。次にステップS165に進み、フリーズを終了するように制御する。
なお、メイン制御手段50は、サブ制御手段80側で押し順の報知をしているか否かは判断できない。このため、サブ制御手段80側で押し順の報知が行われていないにもかかわらず、偶然に、フリーズに至るまでの押し順が一致すれば、フリーズが発生する。
さらに、フリーズ中に、サブ制御手段80側で押し順の報知が行われていないにもかかわらず、偶然に、特定図柄A又はBを停止させるまでの3回にわたるリール動作の押し順が偶然に一致することも考えられる。
このような偶然が生じれば、特定図柄A又はBが停止する。しかし、サブ制御手段80は、ATサブフラグ82aがオフであるときは、メイン制御手段50からAT開始信号等が送信されてきても、AT遊技の抽選に当選していないと判断し、AT遊技を実行しないように制御する。すなわち、小役3A当選時の押し順報知を行わないように制御する。
<第2実施形態>
図20は、第2実施形態におけるスロットマシン10Aの制御の概略を示すブロック図であり、第1実施形態の図1に相当する図である。
また、図21は、第2実施形態における非AT遊技及びAT遊技におけるメイン制御手段50及びサブ制御手段80の流れを示す図であり、第1実施形態の図12に相当する図である。
第2実施形態では、AT遊技を実行するか否かの抽選を行うのは、メイン制御手段50である。このため、サブ制御手段80のAT遊技に係る制御は、メイン制御手段50から送信される信号に基づいて押し順報知を行うことである。
メイン制御手段50は、役の抽選結果等に基づいて、非AT遊技中は、毎遊技、AT遊技を実行するか否かの抽選を行う。AT遊技を実行するか否かの抽選のタイミングは、たとえばレア小役の当選に基づいて決定するときは、スタートスイッチ41の操作時である。しかし、これに限らず、所定遊技回数の消化又は役の入賞に基づいてAT遊技を実行するか否かの抽選又は決定を行ってもよく、この場合のAT遊技を実行するか否かの抽選のタイミングは、遊技終了時である。
よって、図20に示すように、第2実施形態のフリーズ制御手段70は、第1実施形態のようにフリーズカウンター70aは設けられていない。
また、ATメイン制御手段71は、AT遊技を実行するか否かの抽選を行うAT抽選手段71dを備える。また、AT遊技を実行することに決定したときは、それを記憶するため、ATフラグ71eを備える。
一方、第2実施形態では、メイン制御手段50側でAT遊技の抽選を行うため、第1実施形態のATサブフラグ82aは設けられていない。また、フリーズに至るまでの報知を行う必要がないため、第1実施形態のフリーズ報知カウンター82bは設けられていない。
メイン制御手段50は、AT遊技を実行するか否かの抽選で当選したときは、直ちに、又は所定遊技回数の潜伏期間を経て、フリーズを実行する。所定遊技回数の潜伏期間を設けるときは、メイン制御手段50からサブ制御手段80に対し、AT遊技の実行の抽選に当選した旨の情報、及び潜伏期間(フリーズ発動までの遊技回数)の情報を送信する。サブ制御手段80は、この情報に基づいて、フリーズ発動まで、前兆演出を出力する。
なお、サブ制御手段80は、潜伏期間を経てフリーズが実行されるときは、本前兆の演出を出力する。これに対し、AT遊技に当選していない(フリーズが実行されることに決定されていない)ときは、所定割合で(たとえば抽選により決定して)フェイク前兆演出を出力することも可能である。
第2実施形態では、メイン制御手段50側でAT遊技の抽選を行うため、フリーズ発生に至るまでに、第1実施形態のように複数回の遊技にわたってリプレイ当選時に所定の押し順を報知する遊技を実行する必要はない。AT遊技の当選後、潜伏期間を経ることなくフリーズを実行するときは、直ちにフリーズを実行することができる。
たとえば、スタートスイッチ41の操作時にAT遊技の抽選を行い、この抽選に当選したときは、当該遊技からフリーズを実行することができる。
フリーズの実行後は、第1実施形態と同様に、メイン制御手段50は、特定図柄を抽選で決定し、3回のリール動作において、決定した特定図柄を停止させるための押し順をサブ制御手段80に送信する。
3回のリール動作を実行し、3回目のリール動作で特定図柄A又はBを停止させ、その後はフリーズを終了して通常遊技(AT遊技)に移行することは、第1実施形態と同様である。
第2実施形態では、フリーズ発生に至るまでに複数回の遊技を経る必要がないため、たとえばAT遊技に当選した遊技でAT遊技を開始することができる。
たとえば、小役3A当選時の1/1000程度の確率でAT遊技の実行に当選するように抽選を行うようにしたとき、
a)スタートスイッチ41の操作で遊技を開始
b)役の抽選で小役3Aに当選、かつAT遊技に当選
c)当該遊技でフリーズ開始、かつ3回のリール動作を実行し、3回目のリール動作で特定図柄を停止
d)特定図柄の停止後、フリーズを終了してAT遊技に移行し、かつ当該遊技で当選した小役3Aの押し順を報知
という一連の流れを1遊技内で実行することが可能となる。
図22は、第2実施形態において、フリーズの実行におけるメイン制御手段50の処理の流れを示すフローチャートであり、第1実施形態の図15に相当する図である。
図22において、ステップS51〜ステップS53は、第1実施形態(図15)と同一であるので説明を省略する。
ステップS53において、フリーズフラグ70bがオンであると判断されたときはステップS56に進む。これに対し、オンでないと判断されたときはステップS181に進み、ATメイン制御手段71は、AT遊技を実行するか否かの抽選を行う。
次にステップS182に進み、ATメイン制御手段71は、ステップS181の抽選で当選したか否かを判断する。当選したと判断したときはステップS183に進み、フリーズ制御手段70は、フリーズフラグ70bをオンにする。そしてステップS55に進む。
これに対し、ステップS182で当選していないと判断されたときはステップS64に進む。
ステップS55以降の処理については第1実施形態(図15)と同一であるので、説明を省略する。
以上のように、第2実施形態では、AT遊技の抽選に当選したときはフリーズフラグ70bをオンにし、図22の例では、当該遊技からフリーズを開始している。なお、上述したように、AT遊技に当選したときに、AT遊技の潜伏中(前兆中)とし、次遊技、又は数遊技〜数十遊技後にフリーズを実行してもよい。
<第3実施形態>
第1実施形態では、フリーズ中のリール動作においてリール31を停止させるときは、操作スイッチのうち、ストップスイッチ42を操作させるようにした。
これに対し、第3実施形態では、操作スイッチの1つとして、(メイン制御手段50と接続される)演出スイッチ(フリーズ中のリール動作用スイッチ)を設け、演出スイッチを3回操作させることで、各リール31を停止させるようにしたものである。
図23は、第3実施形態のフリーズ中のリール動作において、スタートスイッチ41、演出スイッチ、演出スイッチランプ、及びリール31の状態を示すタイムチャートである。
なお、演出スイッチランプは、第1実施形態のストップスイッチランプと同様に、演出スイッチを点灯/消灯するためのランプである。
スタートスイッチ41がオフからオンにされると、第1〜第3リール31(全リール31)は、停止状態から加速域を経て、定速状態となる。全リール31が定速状態になると、演出スイッチランプは、それまでの消灯状態から点灯状態に変化する。演出スイッチランプは、消灯のときはフリーズにおいて演出スイッチの操作を受け付けない状態を遊技者に報知し、点灯のときはフリーズにおいて演出スイッチの操作を受け付ける状態であることを遊技者に報知するものである。すなわち、演出スイッチランプは、フリーズ中の報知手段の役割を果たしている。ただし、この演出スイッチランプの点灯とともに、あるいは演出スイッチランプに代えて、画像表示装置23に「演出スイッチを押せ!」等の報知を行ってもよい。
そして、1回目の演出スイッチが操作されると、その瞬間から第1リール31が停止するまでの間は、演出スイッチランプが消灯される。第1リール31は、1回目の演出スイッチの操作に基づいて、減速状態を経て停止する。停止時には、第1リール31は、第1実施形態と同様に揺れ変動を伴って停止する。
第1リール31が停止すると、演出スイッチランプは、再度、点灯される。
次に2回目の演出スイッチが操作されると、その瞬間から第2リール31が停止するまでの間は、演出スイッチランプが消灯される。第2リール31は、2回目の演出スイッチの操作に基づいて、減速状態を経て停止する。停止時には、第2リール31は、揺れ変動を伴って停止する。
第2リール31が停止すると、演出スイッチランプは、再度、点灯される。
さらに次に、3回目の演出スイッチが操作されると、その瞬間から第3リール31が停止するまでの間は、演出スイッチランプが消灯される。第3リール31は、3回目の演出スイッチの操作に基づいて、減速状態を経て停止する。停止時には、第3リール31は、揺れ変動を伴って停止する。
全リール31が(揺れ変動を伴って)停止すると、演出スイッチランプが点灯され、演出スイッチランプの操作可能な状態となる。そして、演出スイッチが操作されると、演出スイッチランプが消灯されるとともに、リール動作が1回の場合にはフリーズが終了し、フリーズの終了と同時に通常遊技が開始される。これにより、各リール31がランダム遅延によって回転を開始する。
図23の例では、第3リール31、第2リール31、第1リール31の順にリール31の回転を開始する。全リール31が定速状態になり、ストップスイッチ42の受付けが許可されると、全ストップスイッチランプは青色にされる。ストップスイッチランプが青色になることによって、ストップスイッチ42の機能が遊技結果を得るためのものとして有効になったことを遊技者に報知する。
なお、第3実施形態においても、各演出スイッチの操作時ごとに、20秒をカウントし、20秒を経過するまでに演出スイッチが操作されなかったときは、リール31を自動で停止させ、フリーズを終了し、第1実施形態と同様に、自動でリール31を回転(ランダム遅延)させる。
また、演出スイッチは、1個に限らず、3個設けてもよい。この場合、左リール31に対応する左演出スイッチ、中リール31に対応する中演出スイッチ、及び右リール31に対応する右演出スイッチを設け、フリーズ中のリール動作時には、各演出スイッチを操作させることで、その演出スイッチに対応するリール31を停止させるようにしてもよい。
この場合、フリーズ終了後にリール31を回転させるときは、いずれかの演出スイッチを操作させてもよく、あるいは(その機能が遊技結果を得るためのものとして有効になっていない)スタートスイッチ41を操作させてもよい。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、以下のような種々の変形が可能である。
(1)第1実施形態における図15、又は第2実施形態における図22のステップS55では、フリーズを開始するときに、3回目のリール動作時に「赤7」又は「青7」揃いとするかを決定した。しかし、これに限らず、3回目のリール動作の開始時に、メイン制御手段50側で抽選を行って振り分けるようにしてもよい。
すなわち、1回目及び2回目のリール動作時は、メイン制御手段50側が押し順をランダムに決定してサブ制御手段80に送信する。サブ制御手段80は、送信されてきた押し順を報知する。メイン制御手段50は、1回目及び2回目のリール動作における押し順が一致しているときは3回目のリール動作を行うとともに、このときに「赤7」又は「青7」揃いをするかを抽選等で決定してもよい。
(2)AT遊技を実行するか否かの決定は、レア小役の当選時に限らず、ゲーム数で決定してもよい。たとえばAT遊技の開始時、AT遊技中、又はAT遊技の終了時等に、次回のAT遊技(フリーズ)を発生させるまでのゲーム数(非AT遊技に移行してから次のAT遊技を開始するまでのゲーム数)を抽選等で決定する。
決定方法としては種々挙げられるが、たとえば第1段階及び第2段階の抽選で決定する方法が挙げられる。第1段階の抽選は、256ゲーム以内(高確)、257〜512ゲームの間(通常確率)、513〜1599ゲームの間(低確)のいずれかに決定し、次に、第2段階の抽選で、具体的なゲーム数を1つ選択する。
このようにすれば、たとえばAT遊技の発動まで残り32ゲーム程度になったときから、本前兆の演出を出力することができ、AT遊技の当選確定演出の出力と同時にフリーズを発生させることが可能となる。また、AT遊技に当選していなくても、本前兆と類似するフェイク前兆の演出を出力することができる。
(3)フリーズ中の3回目のリール動作において、「赤7」揃いをさせた後、「青7」揃いに変更するリール演出を行うことも可能である。
たとえば、「赤7」揃いでリール31を停止させた後、1〜2秒経過後に(遊技者の操作スイッチの操作にかかわらず)リール31を再変動させて「青7」揃いで停止させることが挙げられる。あるいは、「赤7」揃いでリール31を停止させた後、遊技者がベットスイッチ40又はスタートスイッチ41を操作したときにリール31を再変動させて「青7」揃いで停止させることが挙げられる。
なお、本実施形態(図2)では、「赤7」図柄は、全リール31ともに16番に配置されており、「青7」図柄は、各リール31ごとに、「赤7」と「青7」の図柄間隔が異なっている。しかし、「青7」図柄を全リール31ともにたとえば19番(「赤7」揃いをしたときに表示窓11に出現しない位置であって、「赤7」図柄に近い位置)に配置すれば、「赤7」揃いを中段に停止させた後、リール31を駆動して瞬時に「青7」揃いに変更することができる。
(4)1回目及び2回目のリール動作は、ストップスイッチ42の操作を契機として各リール31を停止させるようにしたが、3回目のリール動作は、たとえばスタートスイッチ41の操作又は第1ストップスイッチ42の操作時に、全リール31を一斉に停止させて「赤7」又は「青7」揃いで停止させるようにしてもよい。この場合、第1ストップスイッチ42の押し順が正解のときは全リール31を一斉に停止させるが、第1ストップスイッチ42の押し順が不正解のときは、各ストップスイッチ42の操作時ごとに対応するリール31を停止させてもよい。
(5)また、1回目又は2回目のリール動作時に、遊技者が押し順ミスをしたときは、その時点で回転中のすべてのリール31を一斉に停止させ、たとえばハズレ目を停止させるようにしてもよい。
(6)第1実施形態では、AT遊技の遊技回数は、メイン制御手段50で管理するようにした。しかし、これに限らず、サブ制御手段80が遊技回数を管理するように制御してもよい。
この場合、レア小役当選時には、サブ制御手段80がAT遊技の遊技回数を上乗せするか否かを決定する。そして、上乗せした遊技回数をメイン制御手段50に知らせる方法としては、たとえばリプレイ当選時に変則押しを報知する。なお、リプレイ当選時に偶然に遊技者が操作ミスをするおそれがあることを考慮すると、第1実施形態のフリーズに至る過程のように、複数回のリプレイ当選時に変則押しを報知することが好ましい。
そして、複数回のリプレイ当選時に所定の変則押しでストップスイッチ42が操作されたときは、メイン制御手段50は、遊技回数の上乗せがあったと判断し、変則押しの回数や押し順によって事前に定められた遊技回数を加算する。
なお、メイン制御手段50がAT遊技の遊技回数を把握することは必ずしも必要ではないが、たとえばAT遊技の終了時にフリーズを実行する場合や、AT遊技の遊技回数に応じて外端信号を外部に送信する場合には必要となる。
(7)上記実施形態では、リール31の回転態様(たとえば、回転開始時の加速状態及び定速状態)は、通常遊技とフリーズ中とで同一とした。しかし、通常遊技とフリーズ中とで異ならせることも可能である。たとえばフリーズ中のリール31の定速時の速度を、通常遊技中のリール31の定速時の速度よりも速くする(高速)又は遅くする(低速、スロー)ように制御してもよい。
また、フリーズ中のリール31の回転方向は、通常遊技と同様に、図3中、図柄が上から下に向かって移動する方向(正方向)としたが、これに限らず、フリーズ中では逆方向(図3中、図柄が下から上に向かって移動する方向)としてもよい。
なお、リール31の定速時の速度を高速又は低速にする場合には、遊技者が体感(実感)できる程度に通常遊技時と差を設けてもよいが、わずかに異ならせることで、高速又は低速であることを遊技者にわかりにくくしてもよい。
(8)さらに、フリーズ中においても、リール31が正方向で回転するときと、逆方向で回転するときとを設けてもよい。たとえば、1回目のリール動作は正方向の回転とし、2回目は逆方向の回転としてもよい。2回目のリール動作時に逆回転でリール31を回転させれば、遊技者は、2回目もリール動作であると容易に判断することができる。
このことは、リール31の定速時の速度についても同様である。たとえば、a)リール動作の1回目は通常速度とし、2回目は低速とすること、b)1回目のリール動作は通常速度とし、2回目は高速とすること、c)1回目のリール動作は高速とし、2回目は低速とすること、等が挙げられる。
(9)また、リール31の定速時の速度や回転方向によって、リール動作時に特定図柄A又はBのいずれが揃う可能性を有するかを遊技者に示唆するようにしてもよい。たとえば、「青7」揃いをさせるリール動作時には、速度や回転方向を異ならせることが挙げられる。あるいは、リール31の定速時の速度や回転方向を、リール動作ごとに抽選で決定することも可能である。たとえば、「赤7」揃いをさせるリール動作時には、低速若しくは高速又は逆回転の選択率を5%、「青7」揃いをさせるリール動作時には、低速若しくは高速又は逆回転の選択率を40%に設定すること等が挙げられる。
(10)さらに、リール動作中におけるリール31の停止時の速度についても、上記と同様に種々設定することができる。たとえば、「青7」揃いのときは、第1ストップスイッチ42に対応するリール31をゆっくりと(スロー)回転させて停止させたり、あるいは、できるだけ高速に行う(瞬時に「青7」が停止する)ものであってもよい。
また、リール動作時にリール31を停止させる際に、最小回転量で停止させるときと、リール31を少なくとも1回転以上させた後で停止させるときとを設けてもよい。たとえば「赤7」の図柄を停止させるときには1回転未満で停止し、「青7」の図柄を停止させるときには1回転以上させてから停止すること等が挙げられる。
(11)上記実施形態において、リール動作時には、ストップスイッチ42の操作を契機としてリール31を停止させた。また、2回目のリール動作を行う場合には、スタートスイッチ41の操作が行われたときにリール31を回転させた。
しかし、フリーズ中のリール動作時にリール31を停止させるための操作スイッチとしては、ストップスイッチ42以外の入力装置として、ベットスイッチ40、スタートスイッチ41、精算スイッチ等を用いることも可能である。なお、当然であるが、フリーズ中のベットスイッチ40やスタートスイッチ41は、その機能が、遊技を進行して遊技結果を得るためのものとして有効になっていない状態である。
さらにこのように設定する場合には、「ベットスイッチ40を押せ!」等を画像表示装置23にて画像表示し、遊技者に対してフリーズ中のリール動作の進行手順を報知することが好ましい。
(12)また、フリーズ中のリール動作では、左、中、右ストップスイッチ42が操作されたときに、それぞれ左、中、右リール31を停止させるようにした。しかし、これに限らず、少なくとも1回のリール動作において、いずれか1つのストップスイッチ42が操作されたときに、全リール31を停止させるように制御してもよい。ベットスイッチ40やスタートスイッチ41の1回の操作によって全リール31を停止させることも可能である。さらにまた、ベットスイッチ40、スタートスイッチ41、又はいずれか1つのストップスイッチ42(同一の操作スイッチ)を1回操作するごとに、左、中、及び右リール31が順次停止するように制御してもよい。
特に、3回目のリール動作において特定図柄A又はBを停止させる際、遊技者が操作ミスをしたときには、その操作ミスをした時点(操作ミスとなるストップスイッチ42が操作された時点)で、全リール31を同時に停止させ、「赤7」又は「青7」揃いをさせてもよい。このようにすれば、再度の3回目のリール動作を行う必要がない。
(13)上記実施形態のリール動作では、左、中、右ストップスイッチ42に対応してそれぞれ左、中、右リール31を停止するようにした。しかし、これに限らず、リール動作では、たとえば左ストップスイッチ42の操作時に右リール31を停止させたり、左ストップスイッチ42の操作時に左及び中リール31を同時に停止させる等の動作を行うことも可能である。すなわち、フリーズ中のリール動作では、操作されたストップスイッチ42に対応しないリール31を停止させてもよい(矛盾停止)。
(14)本実施形態では、フリーズ中のリール動作において、1回目及び2回目は、リプレイテーブルを用いて、リプレイの図柄の組合せを停止させるようにした。しかし、これに限らず、たとえばリール31の図柄として、役に係る図柄ではない「チャンス」図柄等を設け、1回目及び2回目のリール動作時には、「チャンス」−「チャンス」−「チャンス」を、いずれかの図柄組合せライン(好ましくは、一直線状のライン)に停止させるようにしてもよい。
この場合、「チャンス」を、全リール31について、「RP」や「ベル」と同様に5図柄以内の間隔で配置すれば、「RP」を停止させるときと同様に、最大移動コマ数が4コマ以内で停止させることができる。
なお、「チャンス」図柄揃いを0枚役と位置づければ、メダルの払出しは必要なく、リール動作中の「RP」図柄揃い停止時のようにメダルの自動投入のフェイク演出を行う必要もない。
(15)上記実施形態では、ストップスイッチランプを紫色に点灯させることで、フリーズ中であることを遊技者に報知した。しかし、これに限らず、たとえばフリーズ中にのみ点灯するランプ(LED等)をスロットマシン10の筐体外部(遊技者から容易に見える位置)に設け、フリーズ中はそのランプを点灯させることで、フリーズ中であることを遊技者に報知してもよい。
この場合には、ストップスイッチランプを紫色に点灯させることは必ずしも必要ではなく、通常遊技と同様に青色に点灯させてもよい。なお、上記ランプを設けることなく、フリーズ中であっても通常遊技と同様にストップスイッチランプを青色に点灯することも可能である。この場合には、たとえばリール31の回転態様を通常遊技と異ならせたりすることで、フリーズ中であることを遊技者に報知することができる。
(16)フリーズ中におけるリール動作の停止時には、上記実施形態では、揺れ変動を伴って停止するようにした。したがって、フリーズ中のリール31の停止は、実際にリール31が停止しておらず、揺れ変動を伴っていることから、リール31の変動がずっと継続していることを意味する。
しかし、これに限らず、リール動作中の停止についても通常遊技での停止と同様に、リール31の再変動条件を満たすまで、静止状態(揺れ変動なし)を維持するようにしてもよい。
(17)さらに、リール動作での停止は、揺れ変動に限らず、バウンドストップや、ストップスイッチ42の操作後に5コマ以上の移動制御(すべり)を発生させた後に停止させるものでもよい。ここで、「バウンドストップ」とは、リール31が停止する場合において、目標停止位置に到達した後に1回又は複数回の上下動をした後に停止するものである。
(18)本実施形態の揺れ変動は、図9に示す例を挙げたが、揺れ変動時のリール31の上下方向における振幅やその動作速度については、種々設定することができる。たとえば、左リール31について、図9(a)の状態から同図(e)の状態になるまでの間、リール31が静止しないように駆動してもよく、あるいは、静止と移動とを繰り返すものであってもよい。
たとえば、左リール31について、図9(a)の位置で1〜2秒間静止した後に、所定の速度で左リール31を駆動して同図(b)の位置に移動させてもよい。
あるいは、リール31の上下動の振幅を小さくし、かつリール31の移動速度を速くすることで、遊技者から見ると「小刻みに震えている」ような態様(震動)としてもよい。
(19)本実施形態のモータ32は、たとえば4相ステッピングモータを用い、通常遊技でのリール31の停止は、4相駆動停止を行う。
これに対し、フリーズ中におけるリール31の停止時には、上記と同様に駆動してもよいが、たとえば3相駆動停止を行うことで、通常遊技でのリール停止とは異なる停止態様(たとえば減速態様が異なる)としてもよい。
(20)フリーズ中において、全リール31の停止時には、ベットスイッチ40を操作させることでメダル投入ランプを点灯させたり、有効ラインランプを点灯させたりしてもよい。
たとえば、フリーズ中において、1回目のリール動作の終了後、遊技者にスタートスイッチ41を操作させて2回目のリール動作を行うが、2回目のリール動作においてスタートスイッチ41が操作される前に遊技者がベットスイッチ40を操作したときは、メダル投入ランプ及び有効ラインランプを点灯させるフェイク演出を行うことが可能である。
(21)本実施形態では、フリーズ中にリール動作を3回連続で行う例を示したが、これに限らず、1回の通常遊技に対して1回のフリーズ(及びリール動作)を割り当てるようにしてもよい。
さらに、フリーズ中に複数回のリール動作を行う場合のリール動作の回数は、上記実施形態のように予め3回と定めるのではなく、停止出目や、リール動作中に遊技者によって操作されたストップスイッチ42等の操作態様(ストップスイッチ42の押し順や、ストップスイッチ42が操作されずに自動停止したか否か等)で決定することも可能である。
(22)フリーズ中にリール動作を複数回連続して行う場合において、2回目以降のリール動作では、遊技者に対してベットスイッチ40の操作を促す演出を出力してもよい。また、スタートスイッチ41の操作を促す演出を出力してもよい。
一方、2回目以降のリール動作の開始時に、遊技者によるスタートスイッチ41の操作なしでリール31を回転させることも可能である。
(23)フリーズ中のリール動作は、通常遊技の進行を一時停止して行うものであるので、リール動作が何回行われても、これらのリール動作を含む通常遊技としては、1遊技である。
しかし、これに限らず、リール動作1回あたり、遊技回数を「+1」とカウントしてもよい。たとえば、スロットマシン10を設置したホールでは、スロットマシン10の上部に、当日の遊技回数の累計やAT遊技回数等を表示した遊技履歴表示装置が設けられている場合があるが、ここで表示される遊技回数には、リール動作1回あたり1遊技とカウントして表示してもよい。
このように、リール動作についても遊技回数を「+1」とカウントすれば、遊技者にとってもメリットがある。たとえば、AT遊技に当選した後、所定遊技回数の前兆(潜伏期間)を経てAT遊技を実行する場合に、リール動作を含めて遊技回数をカウントすれば、前兆中のメダル消費枚数を少なくすることができる。
また、複数回の遊技にわたって連続して一連の演出を出力する連続演出を行う場合に、この連続演出中にフリーズを実行し、かつ1回又は複数回のリール動作を行い、そのリール動作を含めて遊技回数をカウントすれば、連続演出中のメダル消費枚数を少なくすることができる。
さらにまた、ルール動作を1遊技と見立て、フリーズの終了後に開始する通常遊技を1遊技と見立てたときに、リール動作ごとに1遊技に相当する演出を出力し、フリーズの終了後の通常遊技でさらに1遊技分に相当する演出を出力すれば、遊技者に対して、複数遊技が行われたような印象を与えることができる。
たとえば、通常遊技中に連続演出が行われるときに、1遊技目では敵キャラクタが主人公キャラクタを攻撃をする演出を出力し、2遊技目では主人公キャラクタが敵キャラクタの攻撃を防御する演出を出力する場合があるとする。
この連続演出をフリーズ中に出力する場合には、フリーズ中のリール動作では、敵キャラクタが主人公キャラクタを攻撃をする演出を出力し、フリーズ終了後の通常遊技では、主人公キャラクタが敵キャラクタの攻撃を防御する演出を出力することが挙げられる。
(24)フリーズ中のリール動作時に停止させる図柄の組合せは、実施形態で示したものに限らず、たとえば「チェリー」、「スイカ」、「ベル」等の図柄又はこれらの図柄の組合せであってもよい。また、「ベル」が停止したときは、最終のリール動作で「赤7」揃いが停止表示される確率を高くし、「チェリー」が停止したときは、最終のリール動作で「青7」揃いが停止表示される確率を高くすること等が挙げられる。
また、リール動作において、小役1、小役2、小役3Aの図柄の組合せを停止させる際には、通常遊技で用いる停止位置決定テーブル65(小役1テーブル、小役2テーブル、小役3Aテーブル)を用いることも可能である。この場合には、リール31の停止時の最大移動コマ数が4コマ、及びストップスイッチ42の操作時から190ms以内でリール31が停止することとなる。
あるいは、リール動作特有の小役1テーブル、小役2テーブル、小役3Aテーブルを設け、最大移動コマ数を5コマ以上にして、小役1、小役2、小役3Aに対応する図柄の組合せを停止させてもよい。この場合には、「チェリー」や「スイカ」の図柄であっても、「PB=1」で停止させることが可能となる。
さらに、フリーズ中のリール動作で停止させる図柄の組合せは、リール動作の開始時ごとに抽選で決定してもよく、あるいは、フリーズを開始するときの通常遊技での役の抽選結果に基づいて決定してもよい。
(25)上述したように、リール31の内周面側には、リール31に表示された図柄を背後から照らすためのバックランプが設けられている。ここで、通常遊技中は、所定の色でバックランプを点灯させるが、フリーズ中は、通常遊技と異なる色でバックランプを点灯させてもよい。
(26)上記実施形態では、リール動作で全リール31が停止した後は、スタートスイッチ41が操作されるのを待ち、スタートスイッ41が操作されたときにフリーズを終了してリール31を回転させた。また、スタートスイッチ41が操作されることなく20秒を経過したときは、自動でリール31を回転させるようにした。
しかし、これに限らず、少なくとも1つのストップスイッチ42が操作されずに20秒を経過して全リール31を停止させた後は、1〜2秒経過するのを待ってフリーズを終了し、その後は(スタートスイッチ41の操作を待たずに)自動でリール31を回転させてもよい。
(27)上記実施形態では、1回目又は2回目のリール動作において押し順ミスがあったときは、フリーズを終了して通常遊技に移行するようにした。しかし、これに限らず、特図カウンター70cのクリアは行うが、フリーズを継続してもよい。
このようにする場合には、図16のステップS94において特図カウンター70cをクリアした後、ステップS92に移行すればよい。
(28)AT遊技の終了時に継続抽選を実行することも可能である。たとえば、AT遊技の1セットの遊技回数を30遊技に設定するとともに、30遊技の終了時までにAT遊技を継続するか否か(次のセットを行うか否か)を抽選等で決定する。
そして、AT遊技の最終遊技(30遊技目)において、AT遊技を継続する場合には、「赤7」又は「青7」揃いでリール31を停止させるフリーズ中のリール動作を実行し、AT遊技を終了する(非継続の)場合には、フリーズ中のリール動作においてハズレ目で停止させることが挙げられる。
(29)通常遊技を開始した後、第1リール31又は第2リール31の停止後にフリーズを実行することも可能である。たとえば第1リール31は通常遊技として停止するが、第2及び第3リール31については、フリーズ中のリール動作として停止することが挙げられる。
(30)第1実施形態では、フリーズに至るまでに3回のリプレイ当選を必要とし、フリーズ中は、3回のリール動作を行ったが、これらの回数に限定されるものではない。ただし、フリーズに至るまでの遊技回数としては、複数回設けることが好ましい。偶然でフリーズが発生してしまう確率をより少なくすることができるからである。
(31)本実施形態では、メイン制御手段50側で、「赤7」又は「青7」揃いとするかを決定した。しかし、これに限らず、サブ制御手段80側で決定してもよい。サブ制御手段80側で決定するときは、たとえばAT遊技を実行するか否かの抽選に当選したときに抽選で振り分けることが挙げられる。
また、この場合には、メイン制御手段50側では、フリーズ中における複数回のリール動作において、予め所定の押し順でストップスイッチ42が操作されたときは、最後のリール動作において「赤7」揃いで停止させ、他の所定の押し順でストップスイッチ42が操作されたときは、最後のリール動作において「青7」揃いで停止させるように設定しておく。すなわち、「赤7」揃い又は「青7」揃いとするかはサブ制御手段80で決定し、メイン制御手段50は、押し順に従って「赤7」揃い又は「青7」揃いを停止させるだけとなる。
(32)フリーズの終了後におけるランダム遅延については、以下のような変形が可能である。
a)ランダム遅延の第1例〜第5例は、それぞれ単独で実施されることに限られず、各実施形態を組み合わせて実施することも可能である。
たとえば、第2例と第3例との組み合わせが挙げられる。
具体的には、第3例のように1つのカウンターC4から各リール31の乱数値を決定し、その値に基づいて各リール31の遅延時間を決定する。そして、遅延時間が最も短い(遅延時間がt1である)リール31については、第2例のようにフリーズ解除と同時にそのリール31の回転を開始し、他のリール31については、遅延時間t1を引いた遅延時間の経過後にそのリール31の回転を開始することが挙げられる。
b)また、第1例と第2例との組み合わせについても同様である。
具体的には、第1例のように3つのカウンターC1〜C3から各リール31の乱数値を決定し、その値に基づいて各リール31の遅延時間を決定する。そして、遅延時間が最も短い(遅延時間がt1である)リール31については、第2例のようにフリーズ解除と同時にそのリール31の回転を開始し、他のリール31については、遅延時間t1を引いた遅延時間の経過後にそのリール31の回転を開始することが挙げられる。
c)さらにまた、第4例のようにリール31の加速域に遅延時間を加算する場合には、第1例のように3つのカウンターC1〜C3の各乱数値から各リール31の遅延時間を決定してもよい。あるいは、第3例のように1個のカウンターC4の乱数値から各リール31の遅延時間を決定してもよい。
d)さらに、第1例のカウンターC1〜C3、又は第3例のカウンターC4から各リール31の乱数値を決定した後は、その乱数値に基づいて、各リール31の遅延時間を決定すること、各モータ32の遅延ステップ数を決定すること、各リール31の遅延図柄数を決定すること、のいずれであってもよい。
(33)第1〜第3実施形態、及び上記の各種の変形例は、単独で実施されることに限らず、適宜組み合わせて実施することが可能である。