JP2014094034A - 内視鏡装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】被写体までの撮影距離に応じて撮影モードの切り替えを自動的に行う。
【解決手段】内視鏡挿入部の先端部39に照明窓41A.41Bと観察窓43とを有する内視鏡装置は、光源及び該光源からの光を調光制御する調光制御部を有して所望の光量の照明光を照明窓に供給する光源部と、焦点距離を可変とするズーム機構を有するレンズユニットと、観察像を撮影して撮像画像を出力する撮像部とを備える。この内視鏡装置は、レンズユニットの焦点距離を、照明光の光量情報及び出力される撮像画像の輝度分布情報D1,D2に応じて、観察窓から最遠点の被写体の合焦位置に設定する遠焦点モード、又は観察窓から最近点の被写体の合焦位置に設定する近焦点モードのいずれかのモードに切り替える焦点距離切り替え部を備える。
【選択図】図7

Description

本発明は、内視鏡装置に関する。
一般的な内視鏡装置には、近点から遠点まで合焦できるパンフォーカスの撮像装置が搭載されている。この撮像装置は、例えば6mm〜100mmの広い合焦範囲を有する。近年、被検体を近接観察したいニーズがあることから、例えば特許文献1に開示されるような、遠距離物点用の通常観察と近距離物点用の近接観察とが選択的に行える内視鏡装置が提案されている。この内視鏡装置によれば、撮影距離が2〜5mmの近焦点モードと、5〜100mmの遠焦点モードとの2種類のモードの合焦範囲が選択的に使用できる。
特許第4819969号公報
しかしながら、この内視鏡装置では被写体と内視鏡挿入部の先端との距離を装置側で判断できないため、医師が内視鏡画像を見ながら経験に基づいて撮影距離を判断している。そのため、撮影モードの切り替えは手動で行わざるを得ず、内視鏡操作を煩雑にさせていた。
本発明は、被写体までの撮影距離に応じて撮影モードの切り替えを自動的に行うことができる内視鏡装置を提供することを目的とする。
本発明は、下記構成からなる。
被検体内に挿入される内視鏡挿入部の先端部に、照明光を出射するための照明窓と、被写体を観察するための観察窓とを有する内視鏡装置であって、
光源及び該光源からの光を調光制御する調光制御部を有して所望の光量の照明光を上記照明窓に供給する光源部と、
焦点距離を可変とするズーム機構を有し、上記被写体の観察像を結像するレンズユニットと、
上記レンズユニットから得られる観察像を撮影して撮像画像を出力する撮像部と、
上記レンズユニットの焦点距離を、上記照明光の光量情報及び出力される上記撮像画像の輝度分布情報に応じて、上記観察窓から最遠点の被写体の合焦位置に設定する遠焦点モード、又は上記観察窓から最近点の被写体の合焦位置に設定する近焦点モードのいずれかのモードに切り替える焦点距離切り替え部と、
を備える内視鏡装置。
本発明によれば、被写体までの撮影距離に応じて撮影モードの切り替えを自動的に行うことができる。これにより、術者による内視鏡装置の操作を軽減しつつ、近景から遠景までの観察をスムーズに行うことができる。
本発明の実施形態を説明するための図で、内視鏡装置のブロック構成図である。 図1に示す内視鏡装置の一例としての外観図である。 内視鏡先端部の拡大図である。 観察対象までの物面距離に対する矩形チャートによる特定周波数のMTFの分布を示すグラフである。 撮影距離に対する絞り開度の関係を概略的に示すグラフである。 図3に示す一対の照明窓を有する内視鏡先端部から照明光を白色平板に向けて出射した際の戻り光を撮影した撮像画像で、(A)は撮影距離が3mmのときの撮像画像を示す説明図、(B)は撮影距離が7mmのときの撮像画像を示す説明図である。 撮像画像の輝度分布から撮影距離を推定する方法を示す説明図である。 図7に示す輝度分布のカーブD1を一例として、検査ライン位置に対する輝度の関係を示すグラフである。 焦点距離のモード切り替え手順を示すフローチャートである。 光源の点灯時間に対する照度の関係を示すグラフである。 照明窓が1つである場合の検査ラインに対する輝度分布を示すグラフである。 (A)はレーザ光源を有する光源装置の構成図、(B)はLEDを有する光源装置の構成図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の実施形態を説明するための図で、内視鏡装置のブロック構成図、図2は図1に示す内視鏡装置の一例としての外観図である。
図1、図2に示すように、内視鏡装置100は、内視鏡11と、この内視鏡11が接続される制御装置13とを有する。内視鏡11は、被検体内に挿入される内視鏡挿入部15(図2参照)の先端から照明光を出射する照明光学系と、被観察領域を撮像する撮像素子17(図1参照)を含む撮像光学系とを有する、電子内視鏡である。
制御装置13は、照明光を生成する光源装置19と、撮像素子17からの画像信号を画像処理するプロセッサ21を備える。制御装置13には、画像情報等を表示する表示部23と、入力操作を受け付ける入力部25が接続される。
図2に示すように、内視鏡11は、体腔内に挿入される内視鏡挿入部15と、内視鏡挿入部15の先端の湾曲操作や観察のための操作を行う操作部27と、操作部27から延出されるユニバーサルコード29の先端に設けられ、内視鏡11を制御装置13に着脱自在に接続するコネクタ部31A,31Bを備える。なお、図示はしないが、操作部27及び内視鏡挿入部15の内部には、組織採取用処置具等を挿入する鉗子チャンネルや、送気・送水用のチャンネル等、各種のチャンネルが設けられている。
内視鏡挿入部15は、可撓性を持つ軟性部33と、アングルノブ35の回転操作により湾曲自在な湾曲部37と、先端部(以降、内視鏡先端部とも呼称する)39から構成される。内視鏡先端部39には、図3に内視鏡先端部の拡大図を示すように、照明光を出射するための照明窓41A,41Bと、被写体を観察するための観察窓43が配置されている。
図1に示す内視鏡先端部39内の観察窓43の光軸位置には、焦点距離を可変とするズーム機構を有し、被写体の観察像を結像する対物レンズユニット45が配置されている。対物レンズユニット45の観察像結像側には、対物レンズユニット45から得られる観察像を撮影して撮像画像を出力する撮像部としてのCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサやCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の撮像素子17が配置されている。ズーム制御部47は、対物レンズユニット45のズーム機構を所望の焦点距離(合焦範囲)に設定する。
光源装置19は、キセノンランプやハロゲンランプ等の光源51、光源51からの光を調光するための絞り53、光源51及び絞り53を駆動して照明窓41A,41Bに供給する照明光を光量制御する光量制御部55を有する。また、光源装置19には、光源51の点灯時間を測定するタイマ57を有し、光源51の総点灯時間の情報が随時取り出せるようになっている。
プロセッサ21は、内視鏡11の操作部27や入力部25からの指示に基づいて、内視鏡11から伝送されてくる撮像信号を画像処理し、表示用画像を生成して表示部23へ供給する。
プロセッサ21は、撮像素子17に接続される増幅器(以下、AMPと略す)61と、相関二重サンプリング/プログラマブルゲインアンプ(以下、CDS/PGA回路部と略す)63と、A/D変換器65と、画像処理部67とを有する。また、プロセッサ21は、撮像素子17を制御する撮像制御部69、各種情報テーブルが記憶される記憶部71、及びこれら全体を統括制御する制御部73を有する。
AMP61は、撮像素子17から出力された撮像信号に特定のゲインで増幅を施し、これをCDS/PGA回路部63に出力する。CDS/PGA回路部63は、AMP61から入力された撮像信号を、撮像素子17の各受光セルの電荷蓄積量に対応したR、G、Bの画像データとして出力し、この画像データに増幅を施してA/D変換器65に出力する。A/D変換器65は、CDS/PGA回路部63から入力されたアナログの画像データを、デジタルの画像データに変換し画像処理部67に出力する。画像処理部67は、A/D変換器65でデジタル化された画像データに対して各種画像処理を施し、表示部23に体腔内の観察画像を出力する。また、画像処理部67は、撮像画像の画像データの輝度情報を制御部73に出力する。
上記構成の内視鏡装置100は、遠距離物点用の通常観察と近距離物点用の近接観察とを選択的に行える構成となっており、図1に示す制御部73が、観察窓43から被写体までの距離である撮影距離に応じて、ズーム制御部47を制御し、対物レンズユニット45の焦点距離を変更する。これにより、撮影距離が2〜5mmの近点合焦範囲のモードと、5〜100mmの遠点合焦範囲のモードとの2種類のモードの合焦範囲が自動的に切り替わる。
図4に観察対象までの物面距離に対する矩形チャートによる特定周波数のMTFの分布を示す。遠焦点モードでは、物面距離が5mm以上の範囲でコントラストが高くなり、近焦点モードでは2〜5mmの範囲でコントラストが高くなる特性を有する。そのため、観察対象までの撮影距離が5mm以下である短い場合に近焦点モードに設定し、5mm以上である遠い場合に遠焦点モードに設定することで、常に高解像度の合焦画像を取得できる。
制御部73は、上記の撮影距離を、照明光の光量情報、及び撮像素子17から出力される撮像画像の輝度分布情報に応じて推定により求める。そして、制御部73は、推定される撮影距離に応じて、対物レンズユニット45の焦点距離を、観察窓43から最遠点の被写体の合焦位置に設定する遠焦点モード、又は観察窓43から最近点の被写体の合焦位置に設定する近焦点モードのいずれかのモードに切り替える。つまり、制御部は、遠焦点モードでは、最遠点の被写体の合焦位置を含む遠点合焦範囲に設定し、近焦点モードでは、最近点の被写体の合焦位置を含む近点合焦範囲に設定する。
例えば、遠焦点モードに設定されている場合、5mm以上の撮影距離では被写体を観察できる。この状態から術者が内視鏡先端部を更に被写体に近づけて5mm未満の撮影距離で観察する場合、遠焦点モードでは合焦できずに観察不能となる。その場合、制御部73は焦点距離切り換え部として機能して、遠焦点モードから近焦点モードに自動的に切り替える。近焦点モードでは2〜5mmの撮影距離で観察可能なので、2mmまで観察窓と被写体とを近づけても合焦させることができる。
逆に、近焦点モードに設定されている場合、術者が内視鏡先端部を被写体から遠ざけて5mmを超える撮影距離で観察する場合、合焦できずに観察不能となる。その場合、制御部73は、近焦点モードから遠焦点モードに自動的に切り替えることで、合焦画像が得られるようになる。
次に、上記の撮影距離の推定方法について説明する。
(1)照明光の光量情報による撮影距離の推定
光量制御部55は、画像処理部67から出力される撮像画像の輝度情報から照明光の戻り光量を求め、この戻り光量に応じて、絞り53を制御する。光量制御部55は、戻り光の光量が多い場合、絞り53を閉じるように、また、戻り光の光量が少ない場合、絞り53を開くように制御する。
そこで、制御部73は、上記光量制御部55の絞り制御の状態を読み出し、戻り光の光量が多く絞り開度が小さい場合に被写体が近い位置にあると判断し、戻り光の光量が少なく絞り開度が大きい場合に被写体が遠い位置にあると判断する。このときの被写体までの撮影距離の判断基準となる絞り開度の閾値(第2の閾値)は、予め記憶部71に記憶されている。なお、絞り開度は、本構成のように光源51の発光強度が一定である場合、照明光の使用光量と同義である。
図5は、撮影距離に対する絞り開度の関係を概略的に示すグラフである。撮影距離は、光量制御部55が制御する絞り53の絞り開度、即ち、その絞り開度に対応する照明光の使用光量から推定できる。従って、本構成においては、撮影距離が5mmとなる照明光の使用光量を、近焦点モードと遠焦点モードの切り替えを行う上記の閾値に設定すればよい。
(2)撮像素子17から出力される撮像画像の輝度分布情報による撮影距離の推定
図6は、図3に示す一対の照明窓41A,41Bを有する内視鏡先端部39から照明光を白色平板に向けて出射した際の戻り光を撮影した撮像画像で、(A)は撮影距離が3mmのとき、(B)は撮影距離が7mmのときの撮像画像である。
図6(A)に示すように、撮影距離が短い場合は、図3に示す内視鏡先端部39における照明窓41A,41Bと観察窓43の配列方向を示す直線Q(x方向に相当)に対応するx方向で、輝度分布に輝度のピークと谷間が生じる。つまり、撮像画像75に、照明窓41Aに対応する輝度ピーク77と、照明窓41Bに対応する輝度ピーク79とが現れ、これら輝度ピーク77,79間に、輝度が低下する谷間81の領域が現れる。
一方、図6(B)に示すように、撮影距離が長い場合は、輝度ピークや光量が低下する谷間が明瞭に現れず、略均等な光量分布となる。
このように、撮影距離の変化によって撮像画像の輝度分布に大きな特徴が生じる。この輝度分布の特徴量に基づいて撮像画像を撮影したときの撮影距離を推定できる。
図7は撮像画像の輝度分布から撮影距離を推定する方法を示す説明図である。図7に示すように、撮像画像75には、内視鏡先端部39の照明窓41Aに対応するx方向の位置PL1と、照明窓41Bに対応するx方向の位置PL2、及び観察窓43に対応する位置P(撮像画像の中央位置)に特徴量が現れる。
即ち、撮影距離が短い場合は、図中実線D1で示すように、位置PL1に輝度ピーク77、位置PL2に輝度ピーク79、位置Pに輝度の谷間81が現れる。撮影距離が長い場合は、図中二点鎖線D2で示すように、明瞭なピークや谷間は現れず、平坦な輝度分布となる。
なお、図示した輝度分布のカーブ(実線D1、二点鎖線D2)は、撮像画像75の中心位置Oを通りx方向に沿うラインを検査ラインL(i)として、その検査ラインL(i)上の輝度値を示している。ここで、L(i)は撮像画像75のx方向に沿うラインがy方向にnライン配列されたうち、図中下からi番目のラインを表す。
図8は図7に示す輝度分布のカーブD1を一例として、検査ライン位置に対する輝度の関係の示すグラフである。カーブD1は、位置PL1,PL2にそれぞれ極大点IL1,IL2を有する。また、検査ラインの中央位置Pを含む画素付近における特定の範囲W内に極小点Iを有する。
そこで、制御部73は、カーブD1の極小点Iに対する極大点IL1の輝度比(IL1/I)、極小点Iに対する極大点IL1の輝度比(IL2/I)を求め、各輝度比を予め定めた閾値(第1の閾値)と比較する。極大点IL1,IL2の少なくともいずれかの輝度比が閾値以上であった場合に、被写体が近焦点位置にあると判断し、輝度比が閾値未満であった場合に、被写体が遠焦点位置にあると判断する。このときの近焦点位置か遠焦点位置かの判断基準となる輝度比の閾値(第1の閾値)は、予め記憶部71に記憶されている。なお、制御部73は、検査ライン上の極小点を検出する場合に、検出範囲とする特定の範囲Wを、位置P−位置PL1間から、位置P−位置PL2間までの中央位置Pを含む範囲とし、撮像画像のx方向両端部を含まないようにする。
上記方法においては、カーブD1上の3箇所における輝度比に基づいて近焦点か遠焦点かを判定しているが、極小点Iといずれか一方の極大点だけで判断すれば、判定処理を簡略化できる。
また、輝度比を求めるカーブD1(D2も同様)は、検査ラインL(i)の輝度分布であるが、一ラインの輝度分布に限らず、複数ラインの平均値で求めた輝度分布を用いることや、撮像画像の中央近傍を重み付け処理して合成した輝度分布を用いることでもよい。その場合、ノイズによる影響が小さくでき、判断精度を向上できる。
以上の(1)、(2)に示す各閾値との比較により、制御部73は、被写体までの撮影距離を推定し、対物レンズユニット45を近焦点モード、遠焦点モードのいずれかに設定するかを決定する。制御部73が、決定したモードに設定するための信号をズーム制御部47に出力することで、対物レンズユニット45は、レンズを光軸方向に移動して焦点距離を切り替える。上記の特徴量を求める方法は一例であって、これに限らない。
次に、内視鏡装置100の実使用における上記モードの切り替えについて図9を用いて説明する。
図9は焦点距離のモード切り替え手順を示すフローチャートである。
制御部73は、まず、撮像素子17で撮像して画像処理部67から出力される輝度情報に基づいて、照明光の光量を設定する。その際に、制御部73は、タイマ57が測定する光源51の点灯時間を参照して、点灯時間に対する光量の補正処理を行う(S1)。

図10は光源の点灯時間に対する照度の関係を示すグラフである。図10に示す点灯時間と照度との関係は、記憶部71に予め記憶されており、制御部73は、現在の点灯使用時間に対応する照度の減少レベルを参照して、この照度の減少レベルに対応する補正係数を算出する。そして、制御部73は、算出された補正係数を、照明光の光量を設定する設定値に乗じて設定値を補正する。これにより、光源51のからの照明光の光量が点灯使用時間に応じて増加制御され、光源劣化の影響が補正された適正光量の照明光が得られる。このように、制御部73は光量補正部としても機能する。
次に、制御部73は、絞り53の開度を光量制御部55に問い合わせ、現在設定されている絞り53の開度を求める。得られた絞り53の開度と、光源51の点灯強度から、観察に使用される照明光の光量を求める(S2)。
そして、制御部73は、被写体の撮像画像の輝度情報を画像処理部67から取得し、前述した検査ラインの輝度分布を求める(S3)。
ここで、ステップS2で求めた照明光の使用光量が前述の第2の閾値以上であり(S4)、ステップS3で求めた輝度分布における輝度比が前述の第1の閾値未満である場合(S5)、制御部73は、現在設定されているモードから遠焦点モードに切り替える(S6)。また、輝度比が第1の閾値以上である場合は、現在設定されているモードをそのまま維持する(S7)。
一方、照明光の使用光量が前述の第2の閾値未満であり、ステップS3で求めた輝度分布における輝度比が前述の第1の閾値以上である場合(S8)は、現在設定されているモードから近焦点モードに切り替える(S9)、また、輝度比が第1の閾値未満である場合は、現在設定されているモードをそのまま維持する(S10)。
上記アルゴリズムを繰り返し実行することで、撮影距離に対応した適切なモードが自動的に設定される。そのため、医師が内視鏡画像を見ながら経験に基づいて撮影距離を判断することや、手動にてモードの切り替えを行うことがなくなり、内視鏡操作を簡単にできる。
以上では、内視鏡先端部の先端部における2箇所に照明窓が配置され、これら2箇所の照明窓同士を結ぶ直線上に観察窓が配置された内視鏡装置に対し、撮影距離の推定方法を説明したが、照明窓が1つの内視鏡装置であっても同様にして撮影距離を推定できる。図11は、照明窓が1つである場合の検査ラインに対する輝度分布を示すグラフである。
この場合、制御部73は、観察窓の位置に対応する検査ライン上の位置Pと、照明窓の位置に対応する検査ライン上の位置Pの輝度値をそれぞれ求め、位置Pに対する輝度Iと位置Pに対する輝度Iとの輝度比(I/I)を求める。制御部73は、この輝度比を用いてモード切り替えを行う。これにより、照明窓が1つであっても同様に撮影距離に応じたモード切り替えが自動で行える。
また、本構成の光源装置19においては、光源51からの光を絞り53により調光する構成となっているが、これに限らない。例えば、図12(A)に示すように、パルス変調駆動されるレーザ光源LDと、レーザ光を照明窓側まで導光する光ファイバ85(又は多数本の光ファイバを含むファイババンドル)と、光ファイバ85の光出射端に配置される光拡散体又は蛍光体を含む光学部材87とを組み合わせた構成としてもよい。
また、図12(B)に示すように、LEDを照明窓側に配置した構成としてもよい。いずれの場合でも、半導体発光素子からなる光源へ入力する駆動信号によって調光制御が行え、正確でダイナミックレンジの広い光量制御が可能となる。なお、上記各光源に対しても、前述同様に出射光量が個体によってバラツキが生じるので、内視鏡装置の工場出荷時に、被写体までの撮影距離と出射光量との関係を表す発光強度情報を記憶部71に記憶させておく。
以上説明したように、本構成の内視鏡装置によれば、絞りの開度や光源の駆動信号から照明光の光量を推定するので、新たに測光センサを設ける必要がなく装置構成を簡単にできる。
照明光の光量のみで撮影距離を判断する場合、色素散布で被写体が暗くなった場合に正確な判断ができなくなる。色素の反射率により補正することもできるが、生体内の状態や手技者により色素の濃さも変化するため、色素の反射率を測定してフィードバック補正することは難しい。しかし、本構成のように照明光の光量と輝度分布とを合わせて判断することにより正確な撮影距離の判断が可能となる。
本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、実施形態の各構成を相互に組み合わせることや、明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者が変更、応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。
以上の通り、本明細書には次の事項が開示されている。
(1) 被検体内に挿入される内視鏡挿入部の先端部に、照明光を出射するための照明窓と、被写体を観察するための観察窓とを有する内視鏡装置であって、
光源及びその光源からの光を調光制御する調光制御部を有して所望の光量の照明光を上記照明窓に供給する光源部と、
焦点距離を可変とするズーム機構を有し、上記被写体の観察像を結像するレンズユニットと、
上記レンズユニットから得られる観察像を撮影して撮像画像を出力する撮像部と、
上記レンズユニットの焦点距離を、上記照明光の光量情報及び出力される上記撮像画像の輝度分布情報に応じて、上記観察窓から最遠点の被写体の合焦位置に設定する遠焦点モード、又は上記観察窓から最近点の被写体の合焦位置に設定する近焦点モードのいずれかのモードに切り替える焦点距離切り替え部と、
を備える内視鏡装置。
(2) (1)記載の内視鏡装置であって、
上記焦点距離切り替え部は、上記内視鏡挿入部の先端部における上記照明窓と上記観察窓の配列方向に対応する上記撮像画像上の検査ラインに対し、その検査ライン各画素の輝度分布を検出し、上記検査ライン上の少なくとも2箇所の輝度値に対して相互間の輝度比を求め、
上記輝度比が予め設定された第1の閾値以上で、かつ上記照明光の光量が予め設定された第2の閾値未満である場合に上記近焦点モードに切り替え、
上記輝度比が上記第1の閾値未満で、かつ上記照明光の光量が上記第2の閾値以上である場合に上記遠焦点モードに切り替える内視鏡装置。
(3) (1)又は(2)記載の内視鏡装置であって、
上記照明窓は、上記内視鏡挿入部の先端部における複数箇所に配置される内視鏡装置。
(4) (3)記載の内視鏡装置であって、
上記照明窓は、上記内視鏡挿入部の先端部における2箇所に配置され、上記2箇所の照明窓同士を結ぶ直線上に上記観察窓が配置されており、
上記検査ラインは、上記直線の方向に対応する上記撮像画像上のラインである内視鏡装置。
(5) (4)記載の内視鏡装置であって、
上記輝度比を求める箇所の少なくとも1箇所は、上記検査ラインの中央位置の画素を含む内視鏡装置。
(6) (1)乃至(5)のいずれか一項記載の内視鏡装置であって、
上記光源部は、上記光源からの光を調光する絞りを備え、
上記照明光の光量情報は、上記絞りの開度を表す情報である内視鏡装置。
(7) (1)乃至(5)のいずれか一項記載の内視鏡装置であって、
上記光源部は、半導体発光素子の光源を駆動信号により調光制御するものであり、
上記照明光の光量情報は、上記駆動信号の上記半導体発光素子の発光強度情報である内視鏡装置。
(8) (1)乃至(7)のいずれか一項記載の内視鏡装置であって、
上記光源の出射光量に対する経時変化特性を記憶する記憶部と、
上記光源の点灯時間を測定するタイマと、
上記タイマにより測定した点灯時間に対応する補正係数を上記経時変化特性を参照して求め、求めた補正係数に応じて上記光源の出力を増加制御する光量補正部と、
を備える内視鏡装置。
11 内視鏡
13 制御装置
15 内視鏡挿入部
17 撮像素子
19 光源装置
21 プロセッサ
39 先端部
41A,41B 照明窓
43 観察窓
45 対物レンズユニット
47 ズーム制御部
51 光源
53 絞り
55 光量制御部
57 タイマ
71 記憶部
73 制御部
75 撮像画像
77 輝度ピーク
79 輝度ピーク
81 谷間
87 光学部材
100 内視鏡装置
D1,D2 輝度分布のカーブ
Q 直線

Claims (8)

  1. 被検体内に挿入される内視鏡挿入部の先端部に、照明光を出射するための照明窓と、被写体を観察するための観察窓とを有する内視鏡装置であって、
    光源及び該光源からの光を調光制御する調光制御部を有して所望の光量の照明光を前記照明窓に供給する光源部と、
    焦点距離を可変とするズーム機構を有し、前記被写体の観察像を結像するレンズユニットと、
    前記レンズユニットから得られる観察像を撮影して撮像画像を出力する撮像部と、
    前記レンズユニットの焦点距離を、前記照明光の光量情報及び出力される前記撮像画像の輝度分布情報に応じて、前記観察窓から最遠点の被写体の合焦位置に設定する遠焦点モード、又は前記観察窓から最近点の被写体の合焦位置に設定する近焦点モードのいずれかのモードに切り替える焦点距離切り替え部と、
    を備える内視鏡装置。
  2. 請求項1記載の内視鏡装置であって、
    前記焦点距離切り替え部は、前記内視鏡挿入部の先端部における前記照明窓と前記観察窓の配列方向に対応する前記撮像画像上の検査ラインに対し、該検査ライン各画素の輝度分布を検出し、前記検査ライン上の少なくとも2箇所の輝度値に対して相互間の輝度比を求め、
    前記輝度比が予め設定された第1の閾値以上で、かつ前記照明光の光量が予め設定された第2の閾値未満である場合に前記近焦点モードに切り替え、
    前記輝度比が前記第1の閾値未満で、かつ前記照明光の光量が前記第2の閾値以上である場合に前記遠焦点モードに切り替える内視鏡装置。
  3. 請求項1又は請求項2記載の内視鏡装置であって、
    前記照明窓は、前記内視鏡挿入部の先端部における複数箇所に配置される内視鏡装置。
  4. 請求項3記載の内視鏡装置であって、
    前記照明窓は、前記内視鏡挿入部の先端部における2箇所に配置され、前記2箇所の照明窓同士を結ぶ直線上に前記観察窓が配置されており、
    前記検査ラインは、前記直線の方向に対応する前記撮像画像上のラインである内視鏡装置。
  5. 請求項4記載の内視鏡装置であって、
    前記輝度比を求める箇所の少なくとも1箇所は、前記検査ラインの中央位置の画素を含む内視鏡装置。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか一項記載の内視鏡装置であって、
    前記光源部は、前記光源からの光を調光する絞りを備え、
    前記照明光の光量情報は、前記絞りの開度を表す情報である内視鏡装置。
  7. 請求項1乃至請求項5のいずれか一項記載の内視鏡装置であって、
    前記光源部は、半導体発光素子の光源を駆動信号により調光制御するものであり、
    前記照明光の光量情報は、前記駆動信号の前記半導体発光素子の発光強度情報である内視鏡装置。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれか一項記載の内視鏡装置であって、
    前記光源の出射光量に対する経時変化特性を記憶する記憶部と、
    前記光源の点灯時間を測定するタイマと、
    前記タイマにより測定した点灯時間に対応する補正係数を前記経時変化特性を参照して求め、求めた補正係数に応じて前記光源の出力を増加制御する光量補正部と、
    を備える内視鏡装置。
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