JP2014093828A - 冷媒給排装置およびそれを備えた超電導回転機装置 - Google Patents

冷媒給排装置およびそれを備えた超電導回転機装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 簡単な構造で、装置の軸方向長さを短くすることができる冷媒給肺装置および超電導回転機装置を提供する。
【解決手段】 超電導回転機の回転子の回転軸10とともに回転する円筒状の回転側ケーシング11と、回転側ケーシング11の内側に、該回転側ケーシング11と同軸状にかつ該回転側ケーシング11に対しベアリング3を介して相対回転可能に固定して設けられた円筒状の固定側ケーシング21と、固定側ケーシング21に嵌挿され、かつ回転しないように設けられた第1の固定側円筒体22と、第1の固定側円筒体22に隙間を有して嵌合され、回転軸10とともに回転する第1の回転側円筒体12と、第1の固定側円筒体12に挿入され、かつ回転しないように設けられた第2の固定側円筒体23と、第1の回転側円筒体12に挿入され、第2の固定側円筒体23に隙間を有して嵌合され、かつ回転軸10とともに回転する第2の回転側円筒体13と、を備える。
【選択図】 図2

Description

本発明は、超電導回転機との間で超電導回転機の超電導コイルを超電導状態に保持する温度まで冷却するための冷媒を給排する冷媒給排装置およびそれを備えた超電導回転機装置に関する。
従来、超電導回転機の超電導コイルを超電導状態に保持する温度まで冷却するための冷媒給排装置として、超電導回転機のロータと、ヘリウムガス等の極低温の冷媒の供給源となる冷凍機との間に設けられ、冷媒を超電導回転機に給排するための構造が開示されている(例えば、特許文献1、2参照)。
このような冷媒給排装置においては、超電導回転機のロータの回転軸と同軸の入口冷却チューブと出口冷却チューブとが設けられている。出口冷却チューブは入口冷却チューブより大きい口径を有し、入口冷却チューブが出口冷却チューブ内に設けられる。入口冷却チューブは、冷凍機からの冷媒を超電導回転機の回転軸内に導入するように構成され、出口冷却チューブは、入口冷却チューブの外側において超電導回転機の回転軸から排出された冷媒を冷凍機に戻すように構成されている。入口冷却チューブおよび出口冷却チューブは、超電導回転機の回転軸に固定され、回転軸の回転に伴って回転する回転チューブとして構成される。
特許文献1の構造においては、超電導回転機の回転軸は冷凍機に対して回転させる必要があることから、冷凍機側に固定された固定チューブと上記回転チューブとの連結部分から冷媒が漏れ出ないように、固定チューブと回転チューブとがシール部材を介して摺動するように構成されている。しかし、これらが摺動することによって熱が生じると、冷媒の温度上昇が生じたり、シール部材の劣化により寿命が短くなったりする問題があった。そこで、特許文献2の構造においては、固定チューブと回転チューブとが重なり合う部分に互いに摺動しない程度の微小な間隙を設け、固定チューブおよび回転チューブのうち小径となる側のチューブの外周面部分に凹部を形成することにより、当該連結部分における冷媒のリーク量を制御することができるものとしている。
特許第4064721号公報(図9) 特開2011−66993号公報(図2)
しかし、これらの構造では、超電導回転機とは別に冷媒給排装置を支持する支持構造が別途必要となる。このため、装置の構造が複雑化し、製造コストが高くなる問題があった。また、超電導回転機の回転軸の先端のさらに先の位置に冷媒給排装置が設けられることとなり、超電導回転機と冷媒給排装置とを合わせた回転軸方向の長さが長くなる問題があった。
本発明は、以上のような課題を解決すべくなされたものであり、簡単な構造で、装置の軸方向長さを短くすることができる冷媒給排装置およびそれを備えた超電導回転機装置を提供することを目的とする。
本発明のある形態に係る冷媒給排装置は、超電導回転機において超電導コイルを備える回転子と冷凍機との間に配置され、該冷凍機から供給された供給冷媒を前記回転子に供給し、該回転子から戻された戻り冷媒を前記冷凍機に戻す、超電導回転機の冷媒給排装置であって、前記回転子の回転軸とともに回転する円筒状の回転側ケーシングと、前記回転側ケーシングの内側に、該回転側ケーシングと同軸状にかつ該回転側ケーシングに対しベアリングを介して相対回転可能に固定して設けられた円筒状の固定側ケーシングと、前記固定側ケーシングに挿入され、かつ回転しないように設けられた第1の固定側円筒体と、前記第1の固定側円筒体に隙間を有して嵌挿され、前記回転軸とともに回転する第1の回転側円筒体と、前記第1の固定側円筒体に挿入され、かつ回転しないように設けられた第2の固定側円筒体と、前記第1の回転側円筒体に挿入され、前記第2の固定側円筒体に隙間を有して嵌合され、かつ前記回転軸とともに回転する第2の回転側円筒体と、を備え、前記第2の固定側円筒体および前記第2の回転側円筒体の内側に、前記供給冷媒の流路が形成され、前記第1の固定側円筒体および前記第1の回転側円筒体と、前記第2の固定側円筒体および前記第2の回転側円筒体との間に、前記戻り冷媒の流路が形成されたものである。
上記構成によれば、第2の固定側円筒体と第2の回転側円筒体とで供給冷媒の流路が形成され、第1の固定側円筒体および第1の回転側円筒体と、第2の固定側円筒体および第2の回転側円筒体とで戻り冷媒の流路が形成される。その上で、回転側ケーシングが固定側ケーシングの外側に位置し、かつ固定側ケーシングのすぐ内側には第1の固定側円筒体が位置しているため、回転側ケーシングの相対回転による振動が第1の固定側円筒体に伝わるのを防止しつつ回転部を超電導回転機の回転軸と一体化して設計することができる。これにより、冷媒給排装置の支持構造を別途設ける必要がなくなり、構造を単純化することができる。また、回転側ケーシングが最も外側に位置するため、冷媒給排装置を超電導回転機の回転軸内に収納した状態で、複雑な構造を用いることなく冷媒給排装置を回転軸に容易に取り付けることができる。したがって、簡単な構造で、装置の軸方向の長さを短くすることができる。
前記第1の固定側円筒体と前記第1の回転側円筒体とが嵌合される第1の嵌合部、および、前記第2の固定側円筒体と前記第2の回転側円筒体とが嵌合される第2の嵌合部は、前記回転側ケーシングの軸方向内側に位置してもよい。これによれば、第1の嵌合部および第2の嵌合部が回転側ケーシングの軸方向内側に位置するため、装置の軸方向の長さをより短くすることができる。また、第1の回転側円筒体および第2の回転側円筒体の長さを短くすることができる。一般的に、回転側円筒体は、超電導回転機の回転軸側でのみ支持される片持ち支持構造を有するため、回転側円筒体の軸方向長さが長くなると製造精度を高くすることができない、または、製造コストが高くなってしまう問題がある。したがって、第1の回転側円筒体および第2の回転側円筒体の長さを短くすることにより、製造精度を高く保持しつつ製造コストを低くすることができる。
前記回転側ケーシングと前記固定側ケーシングとの間は、磁性流体封止部材によりシールされていてもよい。これにより、第1の嵌合部から漏れ出た冷媒が外気に漏れるのを磁性流体封止部材により防止することができる。
前記各円筒体は、二重の管で構成され、当該二重の管の間の空間が真空断熱層として構成されていてもよい。これにより、冷媒の流路のそれぞれが他の領域と真空断熱層により隔てられるため、冷媒の温度上昇をより抑えることができる。
前記第1の嵌合部における間隙は、前記回転側ケーシングと前記固定側ケーシングとの間に連通しており、前記第2の嵌合部における間隙は、前記戻り冷媒の流路に連通していてもよい。これにより、微小な間隙から冷媒が漏れ出た場合でも、漏れ出た冷媒が外気に触れたりしないように構成することができ、冷媒の温度上昇をより抑えることができる。
前記第2の回転側円筒体に、前記第2の固定側円筒体が間隙を有して嵌挿されていてもよい。これにより、供給冷媒の流路において、第2の嵌合部の間隙により当該第2の嵌合部の内側と外側とを繋ぐ経路が超電導回転機へ向かう側(供給方向)の冷媒の進行方向とは逆向きに形成される。したがって、供給冷媒が第2の嵌合部から漏れ出る量をより低減させることができる。
本発明の他の形態に係る超電導回転機装置は、超電導コイルを備える回転子を含む超電導回転機と、前記回転子に冷媒を流す冷凍機と、前記回転子と前記冷凍機との間に配置され、該冷凍機から供給された供給冷媒を該回転子に供給し、該回転子から戻された戻り冷媒を前記冷凍機に戻す、超電導回転機の冷媒給排装置と、を備え、前記冷媒給排装置は、前記回転子の回転軸とともに回転する円筒状の回転側ケーシングと、前記回転側ケーシングの内側に、該回転側ケーシングと同軸状にかつ該回転側ケーシングに対しベアリングを介して相対回転可能に固定して設けられた円筒状の固定側ケーシングと、前記固定側ケーシングに嵌挿され、かつ回転しないように設けられた第1の固定側円筒体と、前記第1の固定側円筒体に隙間を有して嵌挿され、前記回転軸とともに回転する第1の回転側円筒体と、前記第1の固定側円筒体に挿入され、かつ回転しないように設けられた第2の固定側円筒体と、前記第1の回転側円筒体に挿入され、前記第2の固定側円筒体に隙間を有して嵌合され、かつ前記回転軸とともに回転する第2の回転側円筒体と、を備え、前記第2の固定側円筒体および前記第2の回転側円筒体の内側に、前記供給冷媒の流路が形成され、前記第1の固定側円筒体および前記第1の回転側円筒体と、前記第2の固定側円筒体および前記第2の回転側円筒体との間に、前記戻り冷媒の流路が形成されたものである。
上記構成によれば、第2の固定側円筒体と第2の回転側円筒体とで供給冷媒の流路が形成され、第1の固定側円筒体および第1の回転側円筒体と、第2の固定側円筒体および第2の回転側円筒体とで戻り冷媒の流路が形成される。その上で、回転側ケーシングが固定側ケーシングの外側に位置し、かつ固定側ケーシングのすぐ内側には第1の固定側円筒体が位置しているため、回転側ケーシングの相対回転による振動が第1の固定側円筒体に伝わるのを防止しつつ回転部を超電導回転機の回転軸と一体化して設計することができる。これにより、冷媒給排装置の支持構造を別途設ける必要がなくなり、構造を単純化することができる。また、回転側ケーシングが最も外側に位置するため、冷媒給排装置を超電導回転機の回転軸内に収納した状態で、複雑な構造を用いることなく冷媒給排装置を回転軸に容易に取り付けることができる。したがって、簡単な構造で、装置の軸方向の長さを短くすることができる。
本発明は以上に説明したように構成され、簡単な構造で、装置の軸方向長さを短くすることができるという効果を奏する。
図1は本発明の一実施形態における冷媒給排装置が適用される超電導回転機装置を示した概略構成図である。 図2は図1に示す冷媒給排装置の詳細構造を示した側方断面図である。 図3は本発明の一実施形態の第1の変形例における冷媒給排装置の詳細構造を示した側方断面図である。 図4は本発明の一実施形態の第2の変形例における冷媒給排装置の詳細構造を示した側方断面図である。
<発明の概要>
まず、本発明の概要について説明する。本発明は、上述した通り、従来の冷媒給排装置において、超電導回転機とは別に冷媒給排装置を支持する必要が生じる問題、および、超電導回転機と冷媒給排装置とを合わせた回転軸方向の長さが長くなる問題を解決するものである。本発明の発明者らは、これらの従来の課題について鋭意検討した結果、回転軸方向の長さを短くするためには、超電導回転機の回転軸の内部に冷媒給排装置を収納することができれば、理想的には冷媒給排機構(後述)と超電導回転機との間の長さは、超電導回転機の回転軸の長さとすることができ、装置の回転軸方向の長さを短くすることが可能になるという知見を得た。
ただし、従来の冷媒給排装置においては、外側が固定部かつ内側が回転部という構造を有しているため、そのままでは、超電導回転機の回転軸内には固定できない。すなわち、冷媒給排装置の外側に位置する固定部と、回転軸の内壁との間にベアリングなどを介して相対回転可能に取り付ける必要が生じる。このため、構造が複雑となるだけでなく、回転軸と冷媒給排装置とを一体的に固定することができないため、結局、別途冷媒給排装置を支持する構造が必要となる。このため、従来の構造のまま回転軸内に収納することは現実的ではなく、上記課題も解決できない。
そこで、本発明の発明者らは、鋭意検討の末、冷媒給排装置において回転部を固定部より外側に設けることにより超電導回転機の回転軸内に冷媒給排装置を収納した状態で一体化することを想到するに至った。これにより、上記のように複雑な構造をとることなく、超電導回転機の回転軸内に冷媒給排装置を収納した状態で、超電導回転機の回転軸と冷媒給排装置の外側に位置する回転部とを一体化することができる。通常、超電導回転機の回転軸は、高剛性を有しているため、当該回転軸を別途支持する構造は不要であり、冷媒給排装置の支持構造が不要となる分だけ装置全体として構造を簡略化することができる。しかも冷媒給排装置を超電導回転機の回転軸内に収納することにより装置の回転軸方向の長さを短くすることを実現することができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下ではすべての図を通じて同一または相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。
<冷媒給排装置の構成>
図1は、本発明の一実施形態における冷媒給排装置が適用される超電導回転機装置を示した概略構成図である。図1に示すように、本実施の形態の冷媒給排装置Tは、超電導回転機100のロータ(回転子)の回転軸10と冷凍機20との間に配置される。この冷媒給排装置Tは、冷凍機20により冷媒(例えば、ヘリウムガス等のガス状の冷媒)を所定温度(極低温)まで冷却し、当該極低温の冷媒(供給冷媒)を、冷媒供給管101を介してロータの超電導コイル103へ供給し、当該供給冷媒によってロータコア104全体を冷却しつつ、伝導冷却により超電導コイル103を、例えば30K程度まで冷却する。熱交換後の冷媒(戻り冷媒)は、冷媒排出管102を介して上記冷凍機20に戻される。このように、超電導回転機装置は、超電導回転機100、冷凍機20および冷媒給排装置Tを備えるように構成される。
次に、本実施の形態の冷媒給排装置Tの詳細構造について説明する。図2は、図1に示す冷媒給排装置の詳細構造を示した側方断面図である。なお、図2においては、図2の向かって右側を超電導回転機側、左側を冷凍機側としている。
図2に示すように、冷媒給排装置Tは、超電導回転機100の回転軸10に固定される回転部1と、冷凍機20の冷媒を給排するための冷媒給排機構4に固定される固定部2とを備えている。なお、本実施形態においては、固定部2と冷媒給排機構4とは一体的に形成されている。回転部1は、ロータの回転軸10とともに回転する円筒状の回転側ケーシング11と、回転軸10に同軸状に配置された第1の回転側円筒体12および第2の回転側円筒体13とを備えている。回転側ケーシング11は、回転軸10に継手部材(図示せず)を介して接続されている。なお、回転側ケーシング11と継手部材とは完全に固定されていなくてもよい(周方向および/または軸方向に多少のずれの発生を許容してもよい)。固定部2は、回転側ケーシング11の径方向内側に、該回転側ケーシング11と同軸状にかつ該回転側ケーシング11に対しベアリング3を介して相対回転可能に設けられた円筒状の固定側ケーシング21と、回転軸10に同軸状に配置された第1の固定側円筒体22および第2の固定側円筒体23とを備えている。固定側ケーシング21は、冷媒給排機構4に固定されている。
回転軸10は、軸心に沿って超電導回転機側に延在する略円筒形状の部材で形成されている。回転軸10の中央部には、1本の冷媒供給管101が配設されているともに、冷媒供給管101に沿って冷媒排出管102が配設され、これらが超電導回転機100のロータコア104内に連通している(図1参照)。また、回転軸10の端部は、後述するように冷媒給排装置Tが内部に挿通可能なように中空形状を有している。
回転側ケーシング11は、回転軸10の内部に設けられた継手部材のフランジ部に接続される。回転側ケーシング11には、第1の回転側円筒体12を支持する支持部材18が固定されている。回転側ケーシング11は、冷凍機側端部が径方向内方に延在した形状を有している。回転側ケーシング11の内側には、ベアリング3が内装されている。ベアリング3は、回転側ケーシング11の冷凍機側端部と超電導回転機側の端部とにそれぞれ1つずつ設けられる。第1の回転側円筒体12は、支持部材18に固定されることにより、回転側ケーシング11の径方向内側に、所定の間隙を有した状態で挿入されている。また、第2の回転側円筒体13は、第1の回転側円筒体12の径方向内側に、所定の間隙を有した状態で挿入されている。第1の回転側円筒体12は、図示しないが回転軸10側で片持ち支持されている。
固定側ケーシング21は、冷凍機側端部にフランジ部を有しており、冷凍機20に固定されている。具体的には、冷凍機20と固定側ケーシング21との間に設けられ、冷凍機の冷媒を給排するための冷媒給排機構4に固定されている。すなわち、固定側ケーシング21は、固定部2を支持する支持部材24に固定されることで冷凍機20に間接的に固定される。支持部材24は、固定部2を収容する枠体(図示せず)に固定される。第1の固定側円筒体22は、支持部材24に固定されることにより、固定側ケーシング21の径方向内側に、当該固定側ケーシング21と同軸状にかつ当該固定側ケーシング21とは所定の間隙を有した状態で相対回転しないように挿入されている。また、第2の固定側円筒体23は、第1の固定側円筒体22の径方向内側に、当該第1の固定側円筒体22と同軸状にかつ当該第1の固定側円体22とは所定の間隙を有した状態で相対回転しないように挿入されている。
第1の固定側円筒体22および第2の固定側円筒体23は、それぞれ二重の管で構成されている。より詳しくは、第1の固定側円筒体22は、外管22aと内管22bとを備えている。第1の固定側円筒体22の超電導回転機側端部は、外管22aと内管22bとの間が円環状の封止部材220により封止されており、冷凍機側端部は、外管22aと内管22bとの間が開放されている。同様に、第2の固定側円筒体23は、外管23aと内管23bとを備えている。第2の固定側円筒体23の超電導回転機側端部は、外管23aと内管23bとの間がそれぞれ円環状の封止部材230により封止されており、冷凍機側端部は、外管23aと内管23bとの間が開放されている。
また、第1の回転側円筒体12および第2の回転側円筒体13も、それぞれ二重管構造を有している。より詳しくは、第1の回転側円筒体12は、外管12aと内管12bとを備えている。第1の回転側円筒体12の冷凍機側端部は、外管12aと内管12bとの間が円環状の封止部材120により封止されており、超電導回転機側端部は、外管12aと内管12bとの間が開放されている。同様に、第2の回転側円筒体13は、外管13aと内管13bとを備えている。第2の回転側円筒体13の冷凍機側端部は、外管13aと内管13bとの間がそれぞれ円環状の封止部材130により封止されており、超電導回転機側端部は、外管13aと内管13bとの間が開放されている。
各円筒体22,23,12,13の開放端は、それぞれ真空チャンバ(図示せず)に連通され、各円筒体22,23,12,13の二重の管の間の空間、すなわち、各円筒体の外管および内管と封止部材とで形成される空間内が真空状態となることにより、当該空間内が真空断熱層として構成される。
第1の回転側円筒体12の内管12bと第2の回転側円筒体13の外管13aとで形成される円筒状空間は、冷凍機側が開放されており、超電導回転機側が円環状の閉塞部材123により閉塞されている。この閉塞部材123の一部には、貫通孔が形成され、当該貫通孔に排出側フレキシブルホース211が接続されている。また、第2の回転側円筒体13の内管13b内の円筒状空間は、冷凍機側が開放されており、超電導回転機側には供給側フレキシブルホース212が接続されている。
第1の回転側円筒体12は、第1の固定側円筒体22に、径方向に隙間を有して嵌合されている。すなわち、第1の回転側円筒体12と第1の固定側円筒体22とは互いに同心軸上でオーバーラップした状態に配置され、当該オーバーラップ箇所が環状の間隙を有する第1の嵌合部51となる。また、第2の回転側円筒体13は、第2の固定側円筒体23に、径方向に隙間を有して嵌合されている。すなわち、第2の回転側円筒体13と第2の固定側円筒体23とは互いに同心軸上でオーバーラップした状態に配置され、当該オーバーラップ箇所が第2の嵌合部52となる。環状の間隙は、両者が接触しない程度の微小距離(例えば0.1mm程度)となるように設計される。
このようにして、第2の固定側円筒体23および第2の回転側円筒体13の内側の空間および供給側フレキシブルホース212内の空間が、冷凍機からの供給冷媒の流路53として形成される。また、第1の固定側円筒体22および第1の回転側円筒体12と、第2の固定側円筒体23および第2の回転側円筒体13との間の空間および排出側フレキシブルホース211内の空間が、超電導回転機からの戻り冷媒の流路54として形成される。
本実施形態においては、第2の回転側円筒体13に、第2の固定側円筒体23が間隙を有して嵌挿されている。すなわち、第2の回転側円筒体13の内径(内管13bの直径)は、第2の固定側円筒体23の外径(外管23aの直径)よりわずかに大きいように構成される。また、第1の固定側円筒体22に、第1の回転側円筒体12が間隙を有して嵌挿されている。すなわち、第1の回転側円筒体12の外径(外管12aの直径)は、第1の固定側円筒体22の内径(内管22bの直径)よりわずかに小さいように構成される。
本実施形態において、第2の固定側円筒体23は、冷凍機側の第1部材231と、超電導回転機側の第2部材232とを備えている。第1部材231は二重の管で構成される。第2の嵌合部52は、第2の固定側円筒体23の第2部材232と、第2の回転側円筒体13とが同心軸上でオーバーラップすることにより形成されている。第2部材232の外表面には、軸方向に等ピッチで配置された複数のリング状の溝部(図示せず)が形成されている。なお、この複数のリング状の溝部は軸方向に不等ピッチで形成されていてもよい。
この第2部材232は、超高分子量ポリエチレン繊維、例えば、ダイニーマ(登録商標)やSpectra(Honeywell社製)を用いて構成することができる。ダイニーマ(登録商標)やSpectra(Honeywell社製)は、高強度で熱伝導率が優れた材料である。また、これらの材料は、製造過程においてフィラメントワインディングの角度を調整することにより、負の線膨張係数を有する部材とすることができる。これにより、例えば、第2部材232が第2の回転側円筒体13に間隙を有して嵌挿された場合に、冷媒の冷却作用により第2部材232が径方向に膨張する。このため、第2部材232を第2の回転側円筒体13から脱落することなく嵌合させることができる。
なお、第1の嵌合部51において、二重の管で構成された第1の回転側円筒体12の外表面に溝部を設けるだけでなく、第1の嵌合部51においても、第1の回転側円筒体12を軸方向に2つの部材に分割し、冷凍機側の部材の外表面に溝部を設けることとしてもよい。また、第2の固定側円筒体23の第2部材232に溝部を形成するのに代えて、上記第1の回転側円筒体12と同様に、二重の管で構成された第2の固定側円筒体23(第1部材231)の外表面に直接溝部を形成することとしてもよい。
また、上記第2部材232は、ダイニーマ(登録商標)やSpectra(Honeywell社製)に限られず、その他のポリエチレン繊維強化プラスチック等を用いることも可能である。さらに、第2部材232の材質を上記ダイニーマ(登録商標)やSpectra(Honeywell社製)に代えて、有機系充填材料を含むポリテトラフルオロチレン(4フッ化)樹脂で構成してもよい。この構成によれば、低温脆化による第2部材232の割れ等の損傷を防止することができる。また、例えば、第2の回転側円筒体13の内管13bの寸法公差をマイナス側に加工してもよい。上記材料を用いた第2部材232は、内管13bと馴染みやすく、仮に、連続する溝部の凸部と内管13bの内周面が接触したとしても、発熱を少なくすることができ、超電導回転機100の冷却への影響を十分に低くすることができる。
また、第2部材232の外周部に形成される溝部の一部に、例えば、四フッ化エチレン樹脂やテフロン(登録商標)樹脂を充填するなどして、第2部材232の外周部に、軸方向に不等ピッチで配置されたリング状の溝部を形成することとしてもよい。
また、第2部材232の外周部に形成される溝部は、前述した例に限られず、例えば第2部材232の外周部に軸方向に連続的または不連続的に形成した螺旋状の溝であってもよい。また、この螺旋状の溝は、隣接する凹部(谷部)に滞留する冷媒が第2の回転側円筒体13(回転部1)の回転に伴って冷媒供給路53内に押し戻す方向に形成されていてもよい。
さらに、第2部材232の外周部に形成される溝は、上述した作用を生じさせるものであれば種々の変更が可能である。例えば、第2部材232の外周面部分に周方向に分布する矩形状の窪みを形成することとしてもよい。この場合、壁面の高さよりも底面の壁面間の長さを長く形成した窪みとすることが好ましい。さらに、この多数の窪みは、第2部材232の外周面部分に不均一に分布させてもよいし、例えば、外周面部分に斜めに形成してもよい。
以上のように形成された第1の嵌合部51および第2の嵌合部52は、回転側ケーシング11の軸方向内側(回転側ケーシング11の冷凍機側端部と超電導回転機側端部との間)に位置するように構成されている。これによれば、第1の嵌合部51および第2の嵌合部52が回転側ケーシング11の軸方向内側に位置するため、装置の軸方向の長さをより短くすることができる。また、第1の回転側円筒体12および第2の回転側円筒体13の長さを短くすることができる。一般的に、回転側円筒体は、超電導回転機の回転軸側でのみ支持される片持ち支持構造を有するため、回転側円筒体の軸方向長さが長くなると製造精度を高くすることができない、または、製造コストが高くなってしまう問題がある。したがって、第1の回転側円筒体12および第2の回転側円筒体13の長さを短くすることにより、製造精度を高く保持しつつ製造コストを低くすることができる。
回転側ケーシング11と固定側ケーシング21との間は、磁性流体封止部材31によりシールされている。具体的には、2つのベアリング3と回転側ケーシング11および固定側ケーシング21とで区画される空間内に磁性流体封止部材31が充填される。なお、回転軸10(回転部1)の周速は、磁性流体封止部材31の内部粘性による発熱で磁性流体封止部材31を構成する油分が散逸しないよう適切な周速となるように設計されている。さらに、第1の嵌合部51における間隙は、回転側ケーシング11と固定側ケーシング21との間に連通されている。これにより、仮に、当該第1の嵌合部51において戻り冷媒が戻り冷媒の流路54から漏れ出た場合であっても、漏れ出た冷媒は、回転側ケーシング11の基端部(超電導回転機側端部)と固定側ケーシング21の先端部(超電導回転機側端部)との間から回転側ケーシング11と固定側ケーシング21との間の空間に流れるため、当該空間に充填されている磁性流体封止部材31により外部に漏れ出ることが防止される。
同様に、第2の嵌合部52における間隙は、戻り冷媒の流路54に連通されている。これにより、仮に当該第2の嵌合部52において供給冷媒が供給冷媒の流路53から漏れ出た場合であっても、漏れ出た冷媒は、戻り冷媒の流路54に流れるため、外部に漏れ出ることが防止される。
このように構成することにより、各嵌合部における間隙から冷媒が漏れ出た場合でも、漏れ出た冷媒が外気に触れたりしないように構成することができ、冷媒の温度上昇をより抑えることができる。
<冷媒給排装置の動作>
次に、本実施の形態の冷媒給排装置の動作について、説明する。
図2に示すように、冷凍機20により所定の極低温度に維持された冷媒(例えばヘリウムガス等)は、供給冷媒として冷凍機20から冷媒給排機構4および供給冷媒の流路53を介して超電導回転機の回転軸10内に供給される。
そして、供給冷媒は、図1に示すように、超電導回転機100内に送り込まれ、この供給冷媒によって超電導回転機100内に具備されているロータコア104全体を冷却しつつ、ロータコア104に保持されている超電導コイル103を伝導冷却により、所定温度(例えば、30K程度)まで冷却し、当該超電導コイル103を超電導状態に保持する。超電導コイル103を所定温度に冷却することにより熱交換された冷媒は、戻り冷媒として、図2に示すように、回転軸10から戻り冷媒の流路54および冷媒給排機構4を介して冷凍機20に戻される。
本実施形態の冷媒給排装置においては、供給冷媒の流路53を構成する第2の固定側円筒体23と第2の回転側円筒体13との間に形成される第2の嵌合部52および戻り冷媒の流路54を構成する第1の回転側円筒体12と第1の固定側円筒体22との間に形成される第1の嵌合部51において、冷媒のリーク量が制御される。
前述の通り、本実施形態の冷媒給排装置は、特許文献1に記載された構造のように、固定側シールと回転側シールとが接触し得る構成と根本的に異なる構成であるので、静止側部材と回転側部材との接触に起因する装置のメンテナンスコストの増加や、冷却気体の温度上昇という問題を排除することができる。
さらに、本実施形態の冷媒給排装置においては、第2の固定側円筒体23と第2の回転側円筒体13とで供給冷媒の流路53が形成され、第1の固定側円筒体22および第1の回転側円筒体12と、第2の固定側円筒体23および第2の回転側円筒体13とで戻り冷媒の流路54が形成される。さらに、回転側ケーシング11が固定側ケーシング21の外側に位置し、かつ固定側ケーシング21のすぐ内側には第1の固定側円筒体22が位置しているため、回転側ケーシング11の相対回転による振動が第1の固定側円筒体22に伝わるのを防止しつつ回転部1を超電導回転機100の回転軸10と一体化して設計することができる。
これにより、冷媒給排装置Tの支持構造を別途設ける必要がなくなり、構造を単純化することができる。また、回転側ケーシング11が最も外側に位置するため、冷媒給排装置Tを超電導回転機100の回転軸19内に収納した状態で、複雑な構造を用いることなく冷媒給排装置Tを回転軸10に容易に取り付けることができる。したがって、簡単な構造で、装置の軸方向の長さを短くすることができる。
また、回転部1を構成する回転側円筒体12,13と固定部2を構成する固定側円筒体22,23とを回転軸方向に一部オーバーラップさせて配置した構成であるので、シンプルで、かつ、コンパクトな冷媒給排装置を提供することができる。
上記のように回転部1と固定部2とを回転軸方向に一部オーバーラップさせて配置した構造においては、冷媒のリーク量を安定的に制御するために、各嵌合部51,52において回転側円筒体12,13と固定側円筒体22,23とが重なり合う部分の軸方向の長さがある程度必要となる。特許文献2に記載の構造のように、固定部に回転部が内装されるような構造となっている場合、当該重なり合う部分を冷媒給排装置のケーシングより軸方向外側に延出させなければならない場合がある。このため、回転部の長さを長くする必要が生じ、超電導回転機の回転軸および回転軸に接続された回転部の軸方向長さが長くなってしまい、超電導回転機装置全体の小型化が難しい問題が生じ得る。
これに対して、本実施形態の冷媒供給装置においては、回転側ケーシング11が固定側ケーシング21の外側に位置するように構成されている。このため、回転部1を超電導回転機の回転軸10と一体化して設計することができる。したがって、装置の軸方向の長さを短くすることができる。
また、本実施形態においては、第2の嵌合部52において供給冷媒の流路53の上流側に位置する第2の固定側円筒体23が下流側に位置する第2の回転側円筒体13より径方向内側に設けられる。このため、第2の嵌合部52において形成される間隙は、供給冷媒の進行方向(冷凍機側から超電導回転機側へ供給される方向)とは逆向きに形成されることとなる。同様に、第1の嵌合部51において戻り冷媒の流路54の上流側に位置する第1の回転側円筒体12および第2の回転側円筒体13が下流側に位置する第1の固定側円筒体22と第2の固定側円筒体23との間に設けられる。このため、第1の嵌合部51において形成される間隙は、戻り冷媒の進行方向(超電導回転機側から冷凍機側へ排出される方向)とは逆向きに形成されることとなる。このように、供給冷媒の流路53および戻り冷媒の流路54のそれぞれにおいて、冷媒の進行方向とは逆向きに各嵌合部51,52における間隙が形成される。したがって、冷媒が各嵌合部51,52から漏れ出る量をより低減させることができる。
また、本実施形態においては、第1の嵌合部51において形成される間隙の外気と触れる側の端部(すなわち、本実施形態における第1の固定側円筒体22の超電導回転機側端部)を回転側ケーシング11の超電導回転機側端部と軸方向において略同じ位置に位置させることにより、当該第1の嵌合部51(および第2の嵌合部52)を自然にケーシング11,12の軸方向内側に位置させることができる。前述したように、各嵌合部51,52において回転側円筒体12,13と固定側円筒体22,23とが重なり合う部分の軸方向の長さは、ある程度の長さが必要となる。従来の構成のように、固定部に回転部が内装されるような構造となっている場合、冷媒供給路を冷媒排出路の径方向内方に設けつつ、各嵌合部における微小な間隙を冷媒の進行方向とは逆向きに形成するためには、当該嵌合部(各円筒体が重なり合う部分)は、ケーシングの軸方向外側(具体的には冷却機側外方)に設ける必要があり、装置全体の軸方向長さが長くなってしまう。これに対し、本実施形態においては、回転側ケーシング11を固定側ケーシングの外側に位置させているため、シンプルな構造で、各嵌合部51,52において形成される間隙を冷媒の進行方向とは逆向きに形成しつつ、第1の嵌合部51および第2の嵌合部52が回転側ケーシング11の軸方向内側に位置するような構造を容易に形成することができる。
<変形例>
以下に、本発明の一実施形態における冷媒給排装置の変形例について説明する。図3は本発明の一実施形態の第1の変形例における冷媒給排装置の詳細構造を示した側方断面図である。本変形例において上記実施形態と同様の構成については同じ符号を付し説明を省略する。本変形例における冷媒給排装置が上記実施形態と異なる点は、第2の回転側円筒体13Bが、第2の固定側円筒体23Bに間隙を有して嵌挿されていることである。すなわち、第2の回転側円筒体13Bの外径(外管13aの直径)は、第2の固定側円筒体23Bの内径(内管23bの直径)よりわずかに小さいように構成される。
具体的には、第2の回転側円筒体13Bは、超電導回転機側の第1部材131と、冷凍機側の第2部材132とを備えている。第1部材131は二重の管で構成される。第2の嵌合部52Bは、第2の回転側円筒体13Bの第2部材132と、第2の固定側円筒体23とがオーバーラップすることにより形成されている。第2部材132の外表面には、軸方向に等ピッチで配置された複数のリング状の溝部が形成されている。
このような構成においても、回転部1を超電導回転機の回転軸10と一体化して設計することができ、従来の構成に比べて装置の軸方向の長さを短くすることができる。特に、供給冷媒および戻り冷媒により各円筒体および各流路は極低温に保持される。このため、供給冷媒の流路53と戻り冷媒の流路54との間の温度差による圧力差(冷媒の膨張率の差)は大きくなく第2の嵌合部52Bにおける間隙を適切に設定することにより、供給冷媒の流路53から第2の嵌合部52Bを介して戻り冷媒の流路54へ漏れ出る量を制御する(十分低く抑える)ことができる。また、戻り冷媒が第1の嵌合部51を介して外部へ漏れ出ると冷媒の損失となるが、供給冷媒が第2の嵌合部52を介して戻り冷媒の流路54へ漏れ出ても冷凍機20に冷媒が回収され、再び供給冷媒として使用可能であるため、第2の嵌合部52Bにおいて冷媒の漏れ出る割合は、第1の嵌合部51において冷媒の漏れ出る割合に比べて多くても問題ないレベルに抑えることができる。
なお、第2の回転側円筒体13Bの第2部材132に溝部を形成する代わりに、例えば図2に示すような第2の回転側円筒体13の外表面に直接溝部を形成することとしてもよい。
次に、その他の変形例について説明する。図4は本発明の一実施形態の第2の変形例における冷媒給排装置の詳細構造を示した側方断面図である。本変形例において上記実施形態と同様の構成については同じ符号を付し説明を省略する。本変形例における冷媒給排装置が上記実施形態と異なる点は、第1の嵌合部51Cおよび第2の嵌合部52Cが、回転側ケーシング11および固定側ケーシング21の軸方向外方に位置していることである。
このような構成であっても、回転部1を超電導回転機の回転軸10と一体化して設計することができ、従来の構成に比べて装置の軸方向の長さを短くすることができる。
以上、上記実施形態は例示であってこれに限定されるものではない。本発明は、上記で説明した範囲ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲での全ての変更が意図される。
本発明の冷媒給排装置および超電導回転機装置は、簡単な構造で、装置の軸方向長さを短くするために有用である。
1 回転部
2 固定部
3 ベアリング
4 冷媒給排機構
10 回転軸
11 回転側ケーシング
12 第1の回転側円筒体
13,13B 第2の回転側円筒体
18 支持部材
20 冷凍機
21 固定側ケーシング
22 第1の固定側円筒体
23 第2の固定側円筒体
24 支持部材
31 磁性流体封止部材
51,51C 第1の嵌合部
52,52B,52C 第2の嵌合部
53 供給冷媒の流路
54 戻り冷媒の流路
100 超電導回転機
101 冷媒供給管
102 冷媒排出管
103 超電導コイル
104 ロータコア
120,130,220,230 封止部材
123 閉塞部材
211 排出側フレキシブルホース
212 供給側フレキシブルホース
T 冷媒給排装置

Claims (7)

  1. 超電導回転機において超電導コイルを備える回転子と冷凍機との間に配置され、該冷凍機から供給された供給冷媒を前記回転子に供給し、該回転子から戻された戻り冷媒を前記冷凍機に戻す、超電導回転機の冷媒給排装置であって、
    前記回転子の回転軸とともに回転する円筒状の回転側ケーシングと、
    前記回転側ケーシングの内側に、該回転側ケーシングと同軸状にかつ該回転側ケーシングに対しベアリングを介して相対回転可能に固定して設けられた円筒状の固定側ケーシングと、
    前記固定側ケーシングに挿入され、かつ回転しないように設けられた第1の固定側円筒体と、
    前記第1の固定側円筒体に隙間を有して嵌挿され、前記回転軸とともに回転する第1の回転側円筒体と、
    前記第1の固定側円筒体に挿入され、かつ回転しないように設けられた第2の固定側円筒体と、
    前記第1の回転側円筒体に挿入され、前記第2の固定側円筒体に隙間を有して嵌合され、かつ前記回転軸とともに回転する第2の回転側円筒体と、を備え、
    前記第2の固定側円筒体および前記第2の回転側円筒体の内側に、前記供給冷媒の流路が形成され、
    前記第1の固定側円筒体および前記第1の回転側円筒体と、前記第2の固定側円筒体および前記第2の回転側円筒体との間に、前記戻り冷媒の流路が形成された、冷媒給排装置。
  2. 前記第1の固定側円筒体と前記第1の回転側円筒体とが嵌合される第1の嵌合部、および、前記第2の固定側円筒体と前記第2の回転側円筒体とが嵌合される第2の嵌合部は、前記回転側ケーシングの軸方向内側に位置する、請求項1に記載の冷媒給排装置。
  3. 前記回転側ケーシングと前記固定側ケーシングとの間は、磁性流体封止部材によりシールされている、請求項1または2に記載の冷媒給排装置。
  4. 前記各円筒体は、二重の管で構成され、当該二重の管の間の空間が真空断熱層として構成されている、請求項1〜3の何れかに記載の冷媒給排装置。
  5. 前記第1の嵌合部における間隙は、前記回転側ケーシングと前記固定側ケーシングとの間に連通しており、
    前記第2の嵌合部における間隙は、前記戻り冷媒の流路に連通している、請求項1〜4の何れかに記載の冷媒給排装置。
  6. 前記第2の回転側円筒体に、前記第2の固定側円筒体が間隙を有して嵌挿されている、請求項1〜5の何れかに記載の冷媒給排装置。
  7. 超電導コイルを備える回転子を含む超電導回転機と、
    前記回転子に冷媒を流す冷凍機と、
    前記回転子と前記冷凍機との間に配置され、該冷凍機から供給された供給冷媒を該回転子に供給し、該回転子から戻された戻り冷媒を前記冷凍機に戻す、超電導回転機の冷媒給排装置と、を備え、
    前記冷媒給排装置は、
    前記回転子の回転軸とともに回転する円筒状の回転側ケーシングと、
    前記回転側ケーシングの内側に、該回転側ケーシングと同軸状にかつ該回転側ケーシングに対しベアリングを介して相対回転可能に固定して設けられた円筒状の固定側ケーシングと、
    前記固定側ケーシングに嵌挿され、かつ回転しないように設けられた第1の固定側円筒体と、
    前記第1の固定側円筒体に隙間を有して嵌挿され、前記回転軸とともに回転する第1の回転側円筒体と、
    前記第1の固定側円筒体に挿入され、かつ回転しないように設けられた第2の固定側円筒体と、
    前記第1の回転側円筒体に挿入され、前記第2の固定側円筒体に隙間を有して嵌合され、かつ前記回転軸とともに回転する第2の回転側円筒体と、を備え、
    前記第2の固定側円筒体および前記第2の回転側円筒体の内側に、前記供給冷媒の流路が形成され、
    前記第1の固定側円筒体および前記第1の回転側円筒体と、前記第2の固定側円筒体および前記第2の回転側円筒体との間に、前記戻り冷媒の流路が形成された、超電導回転機装置。

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