JP2014093499A - 半導体装置の評価方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】デバイスパラメータの最適化に際して、半導体領域に接触する電極の特性に影響されることなく動特性の評価が可能となる評価方法を提供する。
【解決手段】n型JFET領域5の長さ(2LJFET)およびドーピング濃度(NJFET)を変えてデバイスを作製し、評価を行う場合に、ソース電極9のコンタクトウェル領域3dに対する室温での接触抵抗として、1×10−4Ωcm2台以下(1×10−3Ωcm2未満)ならば373K(100℃)以上、1×10−3Ωcm2を越えるならば398K〜423K(125℃〜150℃)以上で評価を行う。
【選択図】図1
【解決手段】n型JFET領域5の長さ(2LJFET)およびドーピング濃度(NJFET)を変えてデバイスを作製し、評価を行う場合に、ソース電極9のコンタクトウェル領域3dに対する室温での接触抵抗として、1×10−4Ωcm2台以下(1×10−3Ωcm2未満)ならば373K(100℃)以上、1×10−3Ωcm2を越えるならば398K〜423K(125℃〜150℃)以上で評価を行う。
【選択図】図1
Description
本発明は半導体装置の評価方法に関し、特に、パワーデバイスとして用いられるスイッチングデバイスにおける電極と半導体領域との接触抵抗を考慮した評価方法に関する。
半導体装置、とりわけ炭化珪素(SiC)等のワイドバンドギャップ半導体を使用した半導体装置は、低損失で耐圧特性に優れていることが知られている。
耐電圧として、600V〜数千Vの範囲の半導体装置においては、従来のSiを用いた半導体装置ではバイポーラデバイスでないと充分に素子抵抗が低いものが得られなかった。それに対して、SiCを用いた半導体装置ではMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)を始とするユニポーラデバイスでも低い素子抵抗を実現できる。また、Siを用いたバイポーラデバイスでは伝導度変調による多量のキャリアが存在するが、SiCを用いたユニポーラデバイスでは多量のキャリアは存在しないため、スイッチング損失の大幅な低減が可能である。
SiCを用いたユニポーラデバイスは、通常はp型半導体領域を含む構造を有しているが、SiC等のワイドバンドギャップ半導体においては、n型半導体領域に対する接触抵抗と比べるとp型半導体領域に対する接触抵抗は再現性良く低減させることができない。
また、プロセスの簡略化を考慮するとn型半導体領域とp型半導体領域とで同一の電極構造でオーミック性を得ることが望ましいが、接触抵抗値としては、例えば特許文献1で開示されるように10−3Ωcm2程度の値となることが示されている。従って、p型半導体領域に接触する電極においては、しばしば非線形な電流−電圧特性を示す電流成分が存在することになる。
p型半導体領域に対する接触抵抗の評価は、実際のデバイスにおけるp型半導体領域に接触する電極に対して行うことは困難であり、通常はTEG(test element group)構造として例えば非特許文献1に開示されるようなTLM(transmission line model)による評価が行われるが、電極面積や接触するp型半導体領域の形状が必ずしも実際のデバイスと同一条件にはならないため、正確な測定ができない場合が多い。
また、ユニポーラデバイスにおいて電子が多数キャリアとなる場合、耐電圧やオン電圧といった静特性にはp型半導体領域に対する接触抵抗の影響は少ないと考えられるが、スイッチング特性などの動特性においては、p型半導体領域の電位変化に対して、接触抵抗が影響することが考えられる。接触抵抗は温度と共に値が変化するが、半導体装置の評価における測定温度は、温度特性を考慮して室温から所定の温度に変えて行うことが、例えば、特許文献2および3において、ホットキャリアによるしきい値電圧の変化の測定や、スタンバイ電流による製品の選別試験において行われているが、いずれも静特性の評価に関するものである。
スイッチング特性などの動特性の改善においては、デバイス中の各種領域の寸法やドーピング濃度などのデバイスパラメータを最適化することになるが、MOSFETの場合にはゲート−ドレイン間容量の値に関連するJ(ジャンクション)FET領域の構成が影響することが例えば特許文献4などで開示されている。
Materials Science Forum, vol.389-393, pp.879-884, 2002."Ohmic contact structure and fabrication process applicable to practical SiC devices,"Satoshi Tanimoto, Norihiko Kiritani, Masakatsu Hoshi, Hideyo Okushi.
以上説明したように、スイッチング特性などの動特性の改善においては、デバイスパラメータを最適化することになるが、p型半導体領域に接触する電極において非線形な電流−電圧特性を示す電流成分を含む場合には、デバイスパラメータだけでなく、電極部分が動特性に影響する可能性がある。
しかし、接触抵抗値をどの程度まで小さくしておけば、スイッチング特性などの動特性に影響を及ぼさないかについては把握されておらず、また、接触抵抗は温度上昇とともに低下するが、接触抵抗値が動特性に影響を及ぼす範囲が把握されていないため、評価する温度をどの程度上げておけば評価結果に影響を及ぼさないか、についても把握されていない。
従って、デバイスパラメータを最適化するための動特性の評価において、p型半導体領域に接触する電極の特性に影響されることなく評価が可能な、接触抵抗値の範囲や、接触抵抗値の影響が充分小さくなるような温度の範囲についても知られておらず、適正な評価がなされていなかった。
本発明は上記のような問題点を解消するためになされたもので、デバイスパラメータの最適化に際して、半導体領域に接触する電極の特性に影響されることなく動特性の評価が可能となる評価方法を提供することを目的とする。
本発明に係る半導体装置の評価方法は、第1導電型の半導体基板と、前記半導体基板の第1の主面上に配設された第1導電型のドリフト層と、前記ドリフト層の表面内に選択的に配設された第2導電型のウェル領域と、前記ウェル領域の表面内に選択的に配設された第1導電型の第1の半導体領域と、前記ウェル領域内において前記第1の半導体領域に接続する第2導電型の第2の半導体領域と、前記第2の半導体領域上から前記第1の半導体領域の少なくとも一部の上部にかけて配設された主電極と、前記第1の半導体領域の少なくとも一部の上部から前記ドリフト層の上部にかけて配設されたゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜上に配設されたゲート電極とを備えた半導体装置の評価方法であって、前記主電極の前記第2の半導体領域に対する室温での接触抵抗に応じて、前記半導体装置の動特性の評価を行う温度を決定する。
主電極の第2の半導体領域に対する室温での接触抵抗によって、半導体装置の動特性評価の温度を決めるので、主電極の特性に影響されずに、デバイスパラメータの最適化を行うことが可能となって、スイッチング特性などの動特性がより改善された半導体装置を実現することができる。
<はじめに>
「MOS」という用語は、古くは金属/酸化物/半導体の接合構造に用いられており、Metal-Oxide-Semiconductorの頭文字を採ったものとされている。しかしながら特にMOS構造を有する電界効果トランジスタ(以下、単に「MOSトランジスタ」と称す)においては、近年の集積化や製造プロセスの改善などの観点からゲート絶縁膜やゲート電極の材料が改善されている。
「MOS」という用語は、古くは金属/酸化物/半導体の接合構造に用いられており、Metal-Oxide-Semiconductorの頭文字を採ったものとされている。しかしながら特にMOS構造を有する電界効果トランジスタ(以下、単に「MOSトランジスタ」と称す)においては、近年の集積化や製造プロセスの改善などの観点からゲート絶縁膜やゲート電極の材料が改善されている。
例えばMOSトランジスタにおいては、主としてソース・ドレインを自己整合的に形成する観点から、ゲート電極の材料として金属の代わりに多結晶シリコンが採用されてきている。また電気的特性を改善する観点から、ゲート絶縁膜の材料として高誘電率の材料が採用されるが、当該材料は必ずしも酸化物には限定されない。
従って「MOS」という用語は必ずしも金属/酸化物/半導体の積層構造のみに限定されて採用されているわけではなく、本明細書でもそのような限定を前提としない。すなわち、技術常識に鑑みて、ここでは「MOS」とはその語源に起因した略語としてのみならず、広く導電体/絶縁体/半導体の積層構造をも含む意義を有する。
<実施の形態>
図1は本発明に係る半導体装置の評価方法の適用対象となる炭化珪素半導体装置であるSiC−MOSFET100の部分断面の構成を示す図である。
<実施の形態>
図1は本発明に係る半導体装置の評価方法の適用対象となる炭化珪素半導体装置であるSiC−MOSFET100の部分断面の構成を示す図である。
図1に示すようにSiC−MOSFET100は、破線で挟まれた領域で1つのユニットUTをなしている。ここで、SiC−MOSFET100は、ユニットUTの領域の長辺側の破線での折り返しを繰り返した断面形状をなし、ユニットUTの繰り返しピッチLHPは4〜10μm程度である。
なお、ユニットUTの形状を維持するのであればSiC−MOSFET100の平面視形状は特に限定されない。例えば、ユニットUTの断面形状が図1の紙面に対面する方向に延在する櫛形の平面視形状であっても良いし、ユニットUTの断面形状が互いに直交する4方向に面するような4角形や、さらに多くの方向に面するような多角形の平面視形状であっても良い。
図1に示すように、SiC−MOSFET100は、基板面方位を基本結晶面(basal plane)である(0001)面より数度傾けたオフ角(オフアングル)を有し、n型不純物を含む低抵抗のSiC基板1上に、エピタキシャル成長により形成したn型のドリフト層2を備えて、耐電圧性能を保持する構成となっている。
すなわち、ドリフト層2は厚さ4〜150μm、ドーピング濃度0.5×1015〜30×1015/cm3の範囲で形成されるが、想定する耐電圧に応じて厚さおよびドーピング濃度が決定される。
例えば、耐電圧600Vの場合は、ドリフト層2の厚さを4〜7μmとし、ドーピング濃度を1×1016〜3×1016/cm3とし、耐電圧1200Vの場合は、ドリフト層2の厚さを8〜15μmとし、ドーピング濃度を5×1015〜3×1015/cm3とする。 また、耐電圧1700Vの場合は、ドリフト層2の厚さを10〜20μmとし、ドーピング濃度を5×1015〜15×1015/cm3とし、耐電圧3300Vの場合は、ドリフト層2の厚さを20〜35μmとし、ドーピング濃度を2×1015〜4.5×1015/cm3とする。
また、耐電圧6500Vの場合は、ドリフト層2の厚さを50〜80μmとし、ドーピング濃度を0.8×1015〜2×1015/cm3とし、耐電圧10000Vの場合は、ドリフト層2の厚さを100〜150μmとし、ドーピング濃度を0.5×1015〜1×1015/cm3とする。
ドリフト層2の上層部には、イオン注入および活性化熱処理工程によって選択的に形成されたp型ウェル領域3が設けられている。また、p型ウェル領域3の上層部には、イオン注入および活性化熱処理工程によって選択的に形成されたn型ソース領域4が設けられている。n型ソース領域4は、深さ0.3〜0.7μm、ドーピング濃度5×1018〜50×1018/cm3に設定される。
p型ウェル領域3のうち、n型ソース領域4の底面と対向する領域を底面ウェル領域3aと呼称し、図においては便宜的に他の領域と区別して示しているが、底面ウェル領域3aにおいては、想定する耐電圧と同じ電圧がソース−ドレイン間に印加された場合でも空乏化しないように、厚さ0.8〜1.5μm、ドーピング濃度7×1017〜20×1017/cm3に設定される。
なお、想定する耐電圧によって底面ウェル領域3aの空乏化の状態は多少異なるが、デバイスの耐電圧を大きくするには、ドリフト層2のドーピング濃度をより小さい値とすれば良く、底面ウェル領域3aの厚さやドーピング濃度は耐電圧を考慮することなく、空乏化を防止するように設定すれば良い。
p型ウェル領域3のうち、ソース領域4が形成されず、p型ウェル領域3の下端部となる領域であってドリフト層2との接合に近い領域を下端部ウェル領域3bと呼称し、図においては便宜的に他の領域と区別して示しているが、下端部ウェル領域3bは底面ウェル領域3aと同じドーピング濃度および厚さを有している。このような構成は、耐電圧の確保と、耐電圧印加時におけるゲート絶縁膜中の電界値の低減に有効である。
p型ウェル領域3のうち、チャネルとなる最表面を含むp型ウェル領域3の上端部となる領域を上端部ウェル領域3cと呼称し、図においては便宜的に他の領域と区別して示しているが、上端部ウェル領域3cにおいてはドーピング濃度を他の領域よりも低くした構成となっている。すなわち、上端部ウェル領域3cにおける実効アクセプタ濃度が、ゲート絶縁膜6と接する最表面で1×1016〜10×1016/cm3となるようなドーピングプロファイルになるように、p型ウェル領域3がイオン注入および活性化熱処理工程によって形成される。
また、ゲート絶縁膜6と接する最表面のドーピング濃度を下げることで、不純物による散乱が低減されて、チャネルにおけるキャリアの移動度が増加してデバイス抵抗を下げることができる。
なお、上端部ウェル領域3cのうち、チャネルが形成される最表面の長さがチャネル長(Lch)に相当し、その長さは0.3〜1μmである。
また、p型ウェル領域3のうち、ソース領域4が形成されず、下端部ウェル領域3bとは反対側にはコンタクトウェル領域3dが形成されている。コンタクトウェル領域3dの形成方法は、例えば、ドリフト層2の上層部にp型ウェル領域3を形成した後、p型ウェル領域3上から選択的にn型の不純物(窒素、リン等)をイオン注入してソース領域4を形成し、その後、ソース領域4上から選択的にp型の不純物(ボロン、アルミニウム等)をイオン注入する方法を採ることができる。この場合、コンタクトウェル領域3dのソース電極9と接する最表面のドーピング濃度が5×1018〜50×1018/cm3となるように、上層部になればなるほどドーピング濃度が高くなるようにイオン注入を行うことが望ましい。なお、各半導体領域の形成順序は、この順に限定されるものではない。
例えば、p型ウェル領域3を上層部になればなるほどドーピング濃度が低くなるようにイオン注入を行って形成した後、ソース領域4を形成する部分のみが開口部となった注入マスクを用いてソース領域4をイオン注入を行って形成しても良い。
この場合、コンタクトウェル領域3dは、底面ウェル領域3a、下端部ウェル領域3bおよび上端部ウェル領域3cと同時に形成され、コンタクトウェル領域3dのソース電極9と接する最表面のドーピング濃度は、上端部ウェル領域3cのゲート絶縁膜6と接する最表面のドーピング濃度と同じとなってしまう。しかし、この部分は、ソース電極9との接触抵抗を減らすためにドーピング濃度が高い方が望ましいので、ドーピング濃度が5×1018〜50×1018/cm3となるように、別途選択的にイオン注入を行っても良い。
ドリフト層2中のp型ウェル領域3が形成されない領域であって、隣り合うp型ウェル領域間の領域はn型JFET(ジャンクションFET)領域5と呼称されドリフト層2の上層部に位置する。
p型ウェル領域3のうち、チャネルが形成される最表面を含む上端部ウェル領域3cにおいては、実効アクセプタ濃度を下げた構成となっているため、n型JFET領域5がほぼ一定のドーピング濃度の場合、p型ウェル領域3は上部に向かうにつれて幅が狭くなる形状となる。これは、ドーピング濃度が低くなることで不純物の水平方向の接合位置が異なるためである。このため、n型JFET領域5とp型ウェル領域3との界面は垂直ではなく、チャネルとなる最表面に向かうにつれて、n型JFET領域5が拡がる(上端部ウェル領域3cが狭まる)形状となっている。
n型JFET領域5の長さは、その値が最も小さいドリフト層2に近い側のp型ウェル領域3間の長さで定義され、図1における1つのユニットUTでのn型JFET領域5の長さLJFETの2倍(2LJFET)で表される。
このn型JFET領域5の長さ2LJFETおよびドーピング濃度(NJFET)は、ゲート−ドレイン間容量に影響するため、スイッチング特性などの動特性に影響を及ぼすことになる。
動特性改善による、デバイス構造の最適化については、例えば、n型JFET領域5の長さ2LJFETやドーピング濃度NJFETの値を変化させたデバイスを複数種類を作製し、スイッチング損失などを測定し、評価することになる。
n型JFET領域5の形成方法はドリフト層2のエピタキシャル成長時に、連続して形成しても良いし、ドリフト層2のエピタキシャル成長後に、ドリフト層2の上層部にn型不純物をイオン注入して形成しても良い。また、イオン注入種の活性化熱処理は一括して行っても良いし、それぞれの注入工程ごとに活性化熱処理を行っても良い。
上述した層構造の上にゲート絶縁膜6、ゲート電極7を選択的に形成してゲート部を作製する。
ゲート絶縁膜7はシリコン酸化膜もしくはシリコン酸化窒化膜等を、炭化珪素半導体を熱酸化や窒化することで形成しても良いし、CVD(化学気相成長)法等により堆積形成しても良いし、これらを併用しても良い。なお、ゲート絶縁膜7の厚さは、p型ウェル領域3のうち、チャネルが形成される上端部ウェル領域3cの最表面において10〜100nmとなる厚さに形成する。
ゲート電極7は、多結晶シリコン膜や金属膜をCVD法やスパッタリング法により堆積形成することで得られる。なお、ゲート部以外の領域に形成されたゲート絶縁膜6およびゲート電極7は除去する。
そして、基板全面に渡るようにシリコン酸化膜等の層間絶縁膜8を形成した後、コンタクトウェル領域3dとその周囲のソース領域4のようなソース電極9の接触部となる領域の層間絶縁膜8を除去し、ソース電極9を形成する。このため、ソース電極9は、ソース領域4およびコンタクトウェル領域3dの両方に接触するが、n型であるソース領域4に対する接触と比べると、p型であるコンタクトウェル領域3dに対する接触はオーミック性が充分とならない場合が生じやすい。
さらに、SiC基板1のドリフト層2が形成される側とは反対側の主面(裏面)上に、例えばスパッタリング法によりドレイン電極10を形成し、また、ソース電極9および層間絶縁膜8上にソース配線11を形成することで、SiC−MOSFET100を得ることができる。なお、ゲート電極7は、SiC基板1の外周部に形成されるゲート電極パッド(図示せず)に電気的に接続されるが、ゲート電極パッド上ではソース配線11は除去された構成となる。
図2は、図1に示したSiC−MOSFET100の動特性評価のための回路構成の一例を示した図である。
図2に示すように、電源24から電源電圧が与えられる電源線Pと、接地電位GNDに接続される電源線N間にMOSFET21および31が直列に接続されている。このMOSFET21および31が、図1に示したSiC−MOSFET100に相当する。MOSFET21および31の接続ノードは出力ノードとなり、当該出力ノードと電源線Pとの間には負荷インダクタンス25が接続されている。
そして、MOSFET21および31のそれぞれに、逆並列にショットキ障壁ダイオード22および23が接続されている。ショットキ障壁ダイオード22および23は、いわゆるフリーホイールダイオードとして機能する。
MOSFET21および31のそれぞれのゲートには、ゲート駆動系23および33が接続され、MOSFET21および31のオン、オフ制御を行う制御信号が与えられる構成となっている。ゲート駆動系23および33の内部構成は本発明との関係が薄いので簡略化して示しており、ゲート駆動系23では、ゲート抵抗231と制御信号源となる電源232を示し、ゲート駆動系33では、ゲート抵抗331と制御信号源となる電源332を示している。なお、電源232はMOSFET21および31の接続ノードの電位を基準とし、電源332は接地電位GNDを基準とする。
図2に示す回路において、電流がショットキ障壁ダイオード22と負荷インダクタンス25とを還流する状態から、ゲート駆動系33によりMOSFET31をターンオンおよびターンオフさせたときのスイッチング波形における電圧および電流波形から、スイッチング損失を評価することができる。
<接触抵抗の変化に対するスイッチング損失の変化>
図3および図4は、図2に示す回路構成におけるMOSFET31のターンオン時のスイッチング損失を、デバイスシミュレーションにより得られた電圧波形および電流波形から算出し、ソース電極9(図1)のコンタクトウェル領域3d(図1)に対する室温(RT)での接触抵抗をパラメータとしてプロットした図であり、図3は、MOSFET31がオンとなったときの電流密度が100Acm−2の場合の計算結果であり、図4は電流密度が300Acm−2の場合の計算結果である。
図3および図4は、図2に示す回路構成におけるMOSFET31のターンオン時のスイッチング損失を、デバイスシミュレーションにより得られた電圧波形および電流波形から算出し、ソース電極9(図1)のコンタクトウェル領域3d(図1)に対する室温(RT)での接触抵抗をパラメータとしてプロットした図であり、図3は、MOSFET31がオンとなったときの電流密度が100Acm−2の場合の計算結果であり、図4は電流密度が300Acm−2の場合の計算結果である。
なお、図3および図4において、横軸は室温での接触抵抗ρC(Ωcm2)の変化を表し、縦軸はスイッチング損失(J/cycle)を表している。図3において、RTが付記された特性が室温での特性であり、その他は室温よりも高い温度でのスイッチング損失を表している。すなわち、348K、373K、398K、423Kおよび473Kと付記された特性は、それぞれ75℃、100℃、125℃、150℃および200℃でのスイッチング損失を表している。
ここで、横軸は室温での接触抵抗ρCの値を表しており、図3において、例えば、室温での接触抵抗ρCが1×10−4Ωcm2である場合、特性RTより、その場合のスイッチング損失は約3.55×10−4(J/cycle)となることが判る。これに対し、室温での接触抵抗ρCが1×10−4Ωcm2であるコンタクトウェル領域3d(図1)を有する素子が、例えば473Kとなった場合のスイッチング損失は計算により約3.5×10−4(J/cycle)と算出される。このようにして算出された、各温度でのスイッチング損失をプロットしたものが348K、373K、398K、423Kおよび473Kと付記された特性である。
なお、接触抵抗は、温度上昇と共に低下することが知られており、ソース電極9のコンタクトウェル領域3dに対する接触抵抗ρCの算出は、ソース電極9のうちコンタクトウェル領域3dに接触する部分をショットキ電極として扱うことで、温度上昇と共にオーミック性が改善され、接触抵抗が小さくなるような特性として設定することが可能となった。
この結果、室温での接触抵抗が2×10−4Ωcm2であった場合、398K(125℃)では2.6×10−5Ωcm2となり、473K(200℃)では4.8×10−6Ωcm2という設定をすることができる。また、室温での接触抵抗が5×10−3Ωcm2であった場合、398K(125℃)では2.4×10−3Ωcm2となり、473K(200℃)では2.4×10−4Ωcm2という設定をすることができる。
図3および図4より、室温でのスイッチング波形から算出された特性RTにおいては、接触抵抗が極小でないとスイッチング損失が増加する結果となっているが、これは室温ではショットキ性の接触部の障壁をキャリアが乗り越えることが困難であるが、温度の上昇と共に、比較的障壁が大きくても(室温での接触抵抗が比較的大きくても)乗り越えることが可能となって、スイッチング損失が増加しないことを示している。
また、図3および図4より、室温での接触抵抗が1×10−4Ωcm2台以下(1×10−3Ωcm2未満)を確保できている場合には、評価温度が373K(100℃)の場合、接触抵抗を充分低く(1×10−6Ωcm2未満)したときのスイッチング損失と同じにできることが判る。
一方、室温での接触抵抗が1×10−3Ωcm2を越える場合には、評価温度を398K〜423K(125℃〜150℃)まで上昇させることで、接触抵抗を充分低く(1×10−6Ωcm2未満)したときのスイッチング損失と同じにできることが判る。
このことは、例えば動特性改善のために、n型JFET領域5の長さ(2LJFET)およびドーピング濃度(NJFET)を変えてデバイスを作製し、評価を行う場合に、ソース電極9のコンタクトウェル領域3dに対する室温での接触抵抗として、1×10−4Ωcm2台以下(1×10−3Ωcm2未満)ならば373K(100℃)以上、1×10−3Ωcm2を越えるならば398K〜423K(125℃〜150℃)以上で評価を行うことによって、ソース電極4の特性に影響されずに、デバイスパラメータの最適化を行うことが可能となって、スイッチング特性などの動特性がより改善された半導体装置を実現することができる。
<温度の変化に対するスイッチング損失の変化>
次に、図5および図6を用いて、ソース電極9(図1)のコンタクトウェル領域3d(図1)に対する接触抵抗の温度による変化について説明する。
次に、図5および図6を用いて、ソース電極9(図1)のコンタクトウェル領域3d(図1)に対する接触抵抗の温度による変化について説明する。
図5および図6は、図2に示す回路構成におけるMOSFET31のターンオン時のスイッチング損失を、デバイスシミュレーションにより得られた電圧波形および電流波形から算出し、評価温度T(K)をパラメータとして接触抵抗ごとにプロットした図であり、図5は、MOSFET31がオンとなったときの電流密度が100Acm−2の場合の計算結果であり、図6は電流密度が300Acm−2の場合の計算結果である。なお、図5および図6は、図3および図4にプロットされた算出値に基づいて作成されている。
図5および図6においては、接触抵抗が2.9×10−3Ωcm2、1.0×10−3Ωcm2およびほぼ0の場合の特性について示しており、接触抵抗が充分小さい場合、すなわち0に近い場合には、スイッチング損失は評価温度の上昇とともに増加し、比較的小さい駆動電流密度である100Acm−2の場合には350K以上で線形な特性となり、駆動電流密度が300Acm−2の場合には400K以上で線形な特性となることが判る。
また、接触抵抗が1.0×10−3Ωcm2の場合の特性は、375K以下では接触抵抗が充分小さい場合、すなわち0に近い場合の特性に比べてスイッチング損失が大きく、評価温度の低下とともに増加する特性となっている。また、接触抵抗が2.9×10−3Ωcm2の場合の特性は、425K以下では接触抵抗が充分小さい場合、すなわち0に近い場合の特性に比べてスイッチング損失が大きく、評価温度の低下とともに増加する特性となっている。
また、評価温度として、室温(この場合295K)近傍では、評価温度の低下とともにスイッチング損失は増加しており、温度低下に対するスイッチング損失増加の傾きは接触抵抗の値にはあまり依存していないことが判る。
従って、評価温度を変えてスイッチング損失を測定した際に、その温度によるスイッチング損失の変化が線形な関係から外れ始める温度を把握することにより、実デバイスにおけるp型半導体領域の接触抵抗を把握することが可能となる。
例えば、線形な関係から外れ始める温度が375K付近であれば、接触抵抗は1.0×10−3Ωcm2程度であり、425K付近であれば、接触抵抗値は3.0×10−3Ωcm2程度となるものと見積もることができる。
なお、以上の説明においては、動特性の評価の例としてスイッチング損失の評価の場合を示した。スイッチング損失の評価においては通電時(スイッチオン時)のデバイスの温度上昇は比較的小さいが、短絡耐量やなだれ耐量などの動特性の評価のように通電時にデバイス温度が上昇する場合においても、動特性評価を開始する温度について、同様に上記のような条件とすることで、電極の特性に影響されない評価、ならびにデバイス構造の最適化を行うことが可能となる。
また、以上の説明においては、動特性改善のために変化させるデバイスパラメータの例として、n型JFET領域5の長さおよびドーピング濃度を用いる場合を示したが、他のデバイスパラメータにより最適化する場合であっても同様である。
また、以上の説明においては、p型半導体領域を有する半導体装置としてMOSFETの場合を示したが、スイッチングデバイスとしてn型半導体領域とp型半導体領域との両方に接続する電極構造を有するものであれば、室温での接触抵抗により評価温度を決めることが有用であり、同様の効果を有する。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
1 SiC基板、2 n型ドリフト層、3 p型ウェル領域、3d コンタクトウェル領域、5 n型JFET領域、6 ゲート絶縁膜、7 ゲート電極、8 層間絶縁膜、9 ソース電極。
Claims (4)
- 第1導電型の半導体基板と、
前記半導体基板の第1の主面上に配設された第1導電型のドリフト層と、
前記ドリフト層の表面内に選択的に配設された第2導電型のウェル領域と、
前記ウェル領域の表面内に選択的に配設された第1導電型の第1の半導体領域と、
前記ウェル領域内において前記第1の半導体領域に接続する第2導電型の第2の半導体領域と、
前記第2の半導体領域上から前記第1の半導体領域の少なくとも一部の上部にかけて配設された主電極と、
前記第1の半導体領域の少なくとも一部の上部から前記ドリフト層の上部にかけて配設されたゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜上に配設されたゲート電極と、を備えた半導体装置の評価方法であって、
前記主電極の前記第2の半導体領域に対する室温での接触抵抗に応じて、前記半導体装置の動特性の評価を行う温度を決定する、半導体装置の評価方法。 - 前記接触抵抗が1×10−3Ωcm2未満の場合には、前記第2の半導体領域の温度を373K(100℃)以上として前記半導体装置の動特性の評価を行う、請求項1記載の半導体装置の評価方法。
- 前記接触抵抗が1×10−3Ωcm2を越える場合には、前記第2の半導体領域の温度を398K〜423K(125℃〜150℃)以上として前記半導体装置の動特性の評価を行う、請求項1記載の半導体装置の評価方法。
- 第1導電型の半導体基板と、
前記半導体基板の第1の主面上に配設された第1導電型のドリフト層と、
前記ドリフト層の表面内に選択的に配設された第2導電型のウェル領域と、
前記ウェル領域の表面内に選択的に配設された第1導電型の第1の半導体領域と、
前記ウェル領域内において前記第1の半導体領域に接続する第2導電型の第2の半導体領域と、
前記第2の半導体領域上から前記第1の半導体領域の少なくとも一部の上部にかけて配設された主電極と、
前記第2の半導体領域の少なくとも一部の上部から前記第1の半導体領域および前記ドリフト層の上部にかけて配設されたゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜上に配設されたゲート電極と、を備えた半導体装置の評価方法であって、
前記半導体装置のスイッチング損失の評価温度に対する変化特性において、評価温度を変化させた場合の前記スイッチング損失の変化が線形な関係から外れ始める温度に基づいて、前記主電極の前記第2の半導体領域に対する接触抵抗を見積もる、半導体装置の評価方法。
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