JP2014092662A - 表示装置および表示装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】幅広い視野角範囲でコントラストを改善して表示品質を向上させることが可能な表示装置、および表示装置の製造方法を提供する。
【解決手段】表示体と、表示体の視認側に接着層を介して配置され、表示体から射出された光を表示体の法線方向から見た方位角方向において拡散させる光制御フィルムと、を備え、光制御フィルムが、光透過性を有する基材と、基材の一面の一部領域に配された光拡散部と、一部領域を除く残余領域に配された遮光層と、を有し、光拡散部は、基材側に光射出端面を有するとともに、基材側とは反対側に光射出端面よりも大きい面積の光入射端面を有し、遮光層は、光射出端面と光入射端面との間の離間距離よりも薄く、且つ基材の周縁部において基材の平面視形状の外周の少なくとも一部に接して形成されており、外周に接する遮光層と光拡散部の外周面とで区画される空間が樹脂材料で充填されている表示装置。
【選択図】図5

Description

本発明は、表示装置および表示装置の製造方法に関するものである。
従来、薄型テレビや携帯電話の表示部に用いられる表示装置として、液晶表示装置が知られている。こうした液晶表示装置の特性として、表示面を正面から見た場合には優れた表示特性を有するものの、斜め方向から見た場合にはコントラストが低下し視認性が悪くなりやすい。あるいは、斜め方向から見た場合に、階調表示において明るさが逆転する階調反転等が起こり、表示特性が悪くなるということもある。すなわち液晶表示装置は、良好な視認性で画面を観察可能な範囲(いわゆる視野角範囲)が狭いという課題を有している。
このため、従来、良好な視認性で画面を観察可能な視野角範囲を広げる様々な手法が提案されている。
例えば、特許文献1には、複数の単位レンズを備えた光拡散シートが記載されている。この光拡散シートにおける単位レンズは、一次元または二次元方向に形成され、入射光の一部がその内面で全反射する全反射部を備えるとともに、所定の屈折率N1を有する材料にて高屈折率部が形成されている。また、これら単位レンズ同士の間には、所定の屈折率N2を有する材料が存在している。
それぞれの単位レンズは断面形状が略台形であって、台形の下底を入光部、斜辺を前記全反射部、上底を出光部としている。単位レンズは、全反射部をなす斜辺と、出光部の法線と、がなす角度をθとした場合、角度θおよび屈折率N1,N2が、入光部から単位レンズ内に入った光に対して全反射条件を満たすように構成されている。
このような構成の光拡散シートによって、出光面の法線に平行な入射光を、単位レンズの斜辺にて全反射し、出光面においては反射を起こすことなく観察者側に出光することができ、輝度とコントラストが高い光拡散シートを得ることができるとされている。
特開2005−114953号公報
上述した特許文献1に開示された発明では、隣接する単位レンズに挟まれた低屈折率部に材料が充填されており、入手しうる材料のうちN2の最小値は1.30とされている。角度θは、N1とN2との比に基づいて定まるため、N2の値に制約があると、角度θの取りうる値にも制約が生じる。入光部から単位レンズに入る光は、斜面で反射し拡散するため、角度θに制約が生じると、光の拡散角度に制約が生じることとなり、視野角範囲が広がりにくいこととなる。
また、液晶表示装置以外の表示装置においても、視野角特性を改善したいという要求がある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、幅広い視野角範囲でコントラストを改善して表示品質を向上させることが可能な表示装置、およびこのような表示装置の製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明の一形態は、表示体と、前記表示体の視認側に接着層を介して配置され、前記表示体から射出された光を前記表示体の法線方向から見た方位角方向において拡散させる光制御フィルムと、を備え、前記光制御フィルムが、光透過性を有する基材と、前記基材の一面の一部領域に配された光拡散部と、前記一部領域を除く残余領域に配された遮光層と、を有し、前記光拡散部は、前記基材側に光射出端面を有するとともに、前記基材側とは反対側に前記光射出端面よりも大きい面積の光入射端面を有し、前記遮光層は、前記光射出端面と前記光入射端面との間の離間距離よりも薄く、且つ前記基材の周縁部において前記基材の平面視形状の外周の少なくとも一部に接して形成されており、前記外周に接する前記遮光層と前記光拡散部の外周面とで区画される空間が樹脂材料で充填されている表示装置を提供する。
本発明の一形態においては、前記光拡散部の形成材料と、前記空間を充填している樹脂材料と、は異なる材料であることが好ましい。
本発明の一形態においては、少なくとも前記光制御フィルムおよび前記接着層に接し、前記光制御フィルムの周囲を囲むように円環状に設けられた封止部を有し、前記空間を充填している樹脂材料が、前記封止部の形成材料であることが好ましい。
本発明の一形態においては、前記封止部が、前記基材の側面から前記基材の光拡散部が形成されていない側の面まで連続して設けられていることが好ましい。
本発明の一形態においては、前記表示体が、液晶パネルであり、前記封止部が、前記液晶パネルの前記視認側に配置された第2偏光板の側面をさらに覆っていることが好ましい。
本発明の一形態においては、前記封止部が、前記液晶パネルの前記視認側とは反対に配置された第1偏光板の側面をさらに覆っていることが好ましい。
本発明の一形態においては、前記封止部が、前記第1偏光板の側面から前記第1偏光板の上面まで連続して設けられていることが好ましい。
本発明の一形態においては、前記空間を充填している樹脂材料が、前記接着層の形成材料であることが好ましい。
本発明の一形態においては、前記空間を充填している樹脂材料は、前記光拡散部の形成材料よりも低い屈折率を有することが好ましい。
本発明の一形態は、表示体と、前記表示体の視認側に接着層を介して配置され、前記表示体から射出された光を前記表示体の法線方向から見た方位角方向において拡散させる光制御フィルムと、を備える表示装置の製造方法であって、前記表示体の前記視認側の面であって、前記光制御フィルムと平面的に重なる領域である接着領域に、前記光制御フィルムを配置して接着する工程と、前記接着領域の周縁部に接着材料を配置し、前記接着材料を硬化させる工程と、を有し、前記光制御フィルムは、光透過性を有する基材と、前記基材の一面の一部領域に配された光拡散部と、前記一部領域を除く残余領域に配された遮光層と、前記基材の周縁部において前記遮光層と重なる空隙と、を有し、前記硬化させる工程では、前記接着領域の周縁部に配置した前記接着材料を前記空隙の内部に充填する表示装置の製造方法を提供する。
本発明の一形態においては、前記接着材料は、前記光拡散部の形成材料よりも低い屈折率を有することが好ましい。
本発明によれば、幅広い視野角範囲でコントラストを改善して表示品質を向上させることが可能な表示装置、およびこのような表示装置の製造方法を提供することができる。
第1実施形態の液晶表示装置1Aの斜視図である。 液晶パネル4の縦断面図である。 バックライト2の説明図である。 液晶パネル4の駆動の様子を示す説明図である。 光制御フィルムを有する液晶表示装置1Aを示す説明図である。 指向性バックライトの輝度角度特性を示す図である。 光制御フィルム6Aの製造方法を示す工程図である。 光制御フィルム6Bの製造方法を示す工程図である。 光制御フィルムの一部構成を製造する製造装置を示す概略構成図である。 製造装置500における露光装置506の部分の説明図である。 本発明の一実施形態に係る表示装置の製造方法を示す工程図である。 第2実施形態の液晶表示装置1Bを示す断面図である。 第2実施形態の液晶表示装置1Cを示す断面図である。 第3実施形態の液晶表示装置1Dを示す断面図である。 第3実施形態の液晶表示装置1Eを示す断面図である。 変形例における光制御フィルム6Cの断面図である。 変形例の液晶表示装置1Fの断面図である。 変形例の液晶表示装置1Gの断面図である。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図1〜図11を用いて説明する。本実施形態では、表示体として透過型の液晶パネルを備えた液晶表示装置(表示装置)1Aの例を挙げて説明する。なお、以下の全ての図面においては、各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法の縮尺を異ならせて示すことがある。
図1は、本実施形態の液晶表示装置1Aの斜視図である。図に示すように、本実施形態の液晶表示装置1Aは、第1偏光板3と、液晶パネル(表示体)4と、第2偏光板5と、光制御フィルム6と、を有している。さらに、液晶表示装置1Aは、バックライト2(照明装置)を有している。図では、液晶パネル4を模式的に1枚の板状に図示しているが、その詳細な構造については後述する。
観察者は、光制御フィルム6が配置された側から液晶表示装置1Aの表示を見ることになる。以下の説明では、液晶表示装置1Aにおいて光制御フィルム6が配置された側を、液晶表示装置の「視認側」と称する。また、以下の説明において、x軸は液晶表示装置1Aの画面と平行な方向、y軸は液晶表示装置1Aの画面と平行な方向においてx軸と直交する方向、z軸は液晶表示装置1Aの厚さ方向、と定義する。
本実施形態の液晶表示装置1Aにおいては、バックライト2から射出された光を液晶パネル4で変調し、変調した光によって所定の画像や文字等を表示する。また、液晶パネル4から射出された光は、光制御フィルム6を透過すると、液晶パネル4の表示面の法線方向からみた方位角方向において拡散し、光制御フィルム6から射出される。「方位角方向において拡散」とは、液晶パネル4の表示面の法線方向から射出光の配光分布(拡散角度分布)が光制御フィルム6に入射する前より広がった状態となることである。これにより、観察者は広い視野角を持って表示を視認できる。
以下、液晶パネル4の具体的な構成について説明する。
ここでは、アクティブマトリクス方式の透過型液晶パネルを一例に挙げて説明するが、本発明に適用可能な液晶パネルはアクティブマトリクス方式の透過型液晶パネルに限るものではない。本発明に適用可能な液晶パネルは、例えば半透過型(透過・反射兼用型)液晶パネルであっても良く、更には、各画素がスイッチング用薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor, 以下、TFTと略記する)を備えていない単純マトリクス方式の液晶パネルであってもよい。
図2は、液晶パネル4の縦断面図である。図では、説明を容易にするため、液晶パネル4と接する第1偏光板3および第2偏光板5も合わせて図示してある。
液晶パネル4は、図2に示すように、スイッチング素子基板としてのTFT基板9と、TFT基板9に対向して配置されたカラーフィルター基板10と、TFT基板9とカラーフィルター基板10との間に挟持された液晶層11と、を有している。液晶層11は、TFT基板9と、カラーフィルター基板10と、TFT基板9とカラーフィルター基板10とを所定の間隔をおいて貼り合わせる枠状のシール部材(図示せず)と、によって囲まれた空間内に封入されている。本実施形態の液晶パネル4は、例えばTN(Twisted Nematic)モードで表示を行うものであり、液晶層11には誘電率異方性が正の液晶が用いられる。TFT基板9とカラーフィルター基板10との間には、これら基板間の間隔を一定に保持するための球状のスペーサー12が配置されている。
本発明の液晶表示装置は、表示モードとして、上記のTNモードに限らず、VA(Vertical Alignment, 垂直配向)モード、STN(Super Twisted Nematic)モード、IPS(In-Plane Switching)モード、FFS(Fringe Field Switching)モード等を用いることができる。なお、本実施形態では、TNモードの液晶パネルを用いた例を挙げる。
TFT基板9には、表示の最小単位領域である画素(図示せず)がマトリクス状に複数配置されている。TFT基板9には、複数のソースバスライン(図示せず)が、互いに平行に延在するように形成されるとともに、複数のゲートバスライン(図示せず)が、互いに平行に延在し、かつ、複数のソースバスラインと直交するように形成されている。したがって、TFT基板9上には、複数のソースバスラインと複数のゲートバスラインとが格子状に形成され、隣接するソースバスラインと隣接するゲートバスラインとによって区画された矩形状の領域が一つの画素となる。ソースバスラインは、後述するTFTのソース電極に接続され、ゲートバスラインは、TFTのゲート電極に接続されている。
TFT基板9を構成する透明基板14の液晶層11側の面に、半導体層15、ゲート電極16、ソース電極17、ドレイン電極18等を有するTFT19が形成されている。透明基板14には、例えばガラス基板を用いることができる。透明基板14上に、例えばCGS(Continuous Grain Silicon:連続粒界シリコン)、LPS(Low-temperature Poly-Silicon:低温多結晶シリコン)、α−Si(Amorphous Silicon:非結晶シリコン)等の半導体材料からなる半導体層15が形成されている。また、透明基板14上に、半導体層15を覆うようにゲート絶縁膜20が形成されている。ゲート絶縁膜20の材料としては、例えばシリコン酸化膜、シリコン窒化膜、もしくはこれらの積層膜等が用いられる。
ゲート絶縁膜20上には、半導体層15と対向するようにゲート電極16が形成されている。ゲート電極16の材料としては、例えばW(タングステン)/TaN(窒化タンタル)の積層膜、Mo(モリブデン)、Ti(チタン)、Al(アルミニウム)等が用いられる。
ゲート絶縁膜20上に、ゲート電極16を覆うように第1層間絶縁膜21が形成されている。第1層間絶縁膜21の材料としては、例えばシリコン酸化膜、シリコン窒化膜、もしくはこれらの積層膜等が用いられる。第1層間絶縁膜21上に、ソース電極17およびドレイン電極18が形成されている。ソース電極17は、第1層間絶縁膜21とゲート絶縁膜20とを貫通するコンタクトホール22を介して半導体層15のソース領域に接続されている。
同様に、ドレイン電極18は、第1層間絶縁膜21とゲート絶縁膜20とを貫通するコンタクトホール23を介して半導体層15のドレイン領域に接続されている。ソース電極17およびドレイン電極18の材料としては、上述のゲート電極16と同様の導電性材料が用いられる。第1層間絶縁膜21上に、ソース電極17およびドレイン電極18を覆うように第2層間絶縁膜24が形成されている。第2層間絶縁膜24の材料としては、上述の第1層間絶縁膜21と同様の材料、もしくは有機絶縁性材料が用いられる。
第2層間絶縁膜24上に、画素電極25が形成されている。画素電極25は、第2層間絶縁膜24を貫通するコンタクトホール26を介してドレイン電極18に接続されている。よって、画素電極25は、ドレイン電極18を中継用電極として半導体層15のドレイン領域に接続されている。画素電極25の材料としては、例えばITO(Indium Tin Oxide、インジウム錫酸化物)、IZO(Indium Zinc Oxide、インジウム亜鉛酸化物)等の透明導電性材料が用いられる。第2層間絶縁膜24上には、さらに、画素電極25を覆って配向膜27が形成されている。
一方、カラーフィルター基板10を構成する透明基板29の液晶層11側の面には、ブラックマトリクス30、カラーフィルター31、平坦化層32、対向電極33、配向膜34が順次形成されている。ブラックマトリクス30は、画素間領域において光を遮断する機能を有している。ブラックマトリクス30は、Cr(クロム)やCr/酸化Crの多層膜等の金属、もしくはカーボン粒子を感光性樹脂に分散させたフォトレジストで形成されている。カラーフィルター31には、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各色の色素が含まれている。R,G,Bのいずれか一つのカラーフィルター31が、TFT基板9上の一つの画素電極25に対向して配置されている。
平坦化層32は、ブラックマトリクス30およびカラーフィルター31を覆う絶縁膜で構成されている。平坦化層32は、ブラックマトリクス30およびカラーフィルター31によってできる段差を緩和して平坦化する機能を有している。平坦化層32上には、対向電極33が形成されている。対向電極33の材料としては、画素電極25と同様の透明導電性材料が用いられる。対向電極33上の全面に、水平配向規制力を有する配向膜34が形成されている。カラーフィルター31は、R、G、Bの3色以上の多色構成としてもよい。
TFT基板9を構成する透明基板14と第1偏光板3との間には、第1位相差板13が設けられている。カラーフィルター基板10を構成する透明基板29と第2偏光板5との間には、第2位相差板8が設けられている。これら第1位相差板13、第2位相差板8は、液晶層11により生じる光の位相差を補償するためのものである。
図3は、バックライトの一例を示す説明図である。図に示すように、バックライト2は、発光ダイオード、冷陰極管等の光源36と、アクリル樹脂等からなる導光体37と、リフレクター35と、反射シート38と、プリズムシートPSと、を備えている。光源36は、平面形状が矩形状の導光体37の一つの端面37aに面して配置され、導光体37の端面37aに向けて光を射出する。導光体37は、端面37aから入射した光を内部で伝搬させつつ、前面37bから射出させる。リフレクター35は、光源36から射出される光のうち、導光体37の端面37a以外の方向に向けて射出される光を、導光体37の端面37aに向けて反射させる。反射シート38は、導光体37の背面37cから射出される光を反射させ、導光体37の背面37cから再入射させる。プリズムシートPSは、互いに平行に配置された複数の三角柱状のプリズム構造体を備えている。プリズムシートPSは、導光体37の前面37bから光が入射したとき、この光の進行方向を液晶パネル4の法線方向に近い方向に変えて射出させる。本実施形態のバックライト2は、光源36が導光体37の端面37aに配置されたエッジライト型のバックライトである。
図3に示すバックライト2は、光の射出方向を制御して指向性を持たせたバックライト、いわゆる指向性バックライトである。具体的には、導光体37の厚みは光源36が配置された端面37aから反対側の端面37dに向けて漸次薄くなっている。すなわち、導光体37の前面37bと背面37cとは互いに平行でなく、導光体37を側面から見た形状は楔状である。導光体37の端面37aから入射した光は、導光体37の前面37bと背面37cとの間で反射を繰り返しつつ内部をy軸方向に進行する。仮に導光板が平行平板であったとすると、導光板の前面および背面に対する光の入射角は何回反射を繰り返しても一定である。これに対して、本実施形態のように、導光体37が楔状である場合、導光体37の前面37bおよび背面37cで光が1回反射する毎に入射角が小さくなる。
このとき、例えば導光体37を構成するアクリル樹脂の屈折率が1.5、空気の屈折率を1.0とすると、導光体37の前面37bにおける臨界角、すなわち導光体37を構成するアクリル樹脂と空気との界面における臨界角は、Snellの法則から約42°となる。
導光体37に入射した直後の光が前面37bに入射した際、前面37bへの光Lの入射角が臨界角である42°よりも大きい間は全反射条件を満たすため、光Lは前面37bで全反射する。その後、光Lが前面37bと背面37cとの間で全反射を繰り返し、前面37bへの光Lの入射角が臨界角である42°よりも小さくなった時点で全反射条件を満たさなくなり、光Lは外部空間に射出される。したがって、光Lは導光体37の前面37bに対して略一定の射出角度をもって射出する。このように、バックライト2は、yz平面内において狭い配光分布を有し、yz平面内での指向性を持つ。一方、バックライト2は、xz平面内においてはyz平面内での配光分布よりも広い配光分布を有し、xz平面内での指向性を持たない。
図1に示すように、バックライト2と液晶パネル4との間には、偏光子として機能する第1偏光板3が設けられている。ここで、x軸方向の正方向を基準として反時計回りに角度を表すとすると、第1偏光板3の透過軸P1は135°−315°方向に設定されている。液晶パネル4と光制御フィルム6との間には、検光子として機能する第2偏光板5が設けられている。第2偏光板5の透過軸P2は、第1偏光板3の透過軸P1と直交するように配置されており、45°−225°方向に設定されている。第1偏光板3の透過軸P1と第2偏光板5の透過軸P2とは、クロスニコルの配置となっている。
TFT基板9の配向膜27には、配向制御方向が135°−315°方向となるように、ラビング等の配向処理がなされている。図1において、配向膜27の配向制御方向を矢印H1で示す。一方、カラーフィルター基板10の配向膜34には、配向制御方向が45°−225°方向となるように、ラビング等の配向処理がなされている。図1において、配向膜34の配向制御方向を矢印H2で示す。
図4は、液晶パネル4の駆動の様子を示す説明図である。
図4(A)に示すように、液晶パネル4が有する一対の電極(図2に示す画素電極25と対向電極33)の間に電圧が印加されていないときには、液晶層11を構成する液晶分子Mは2つの配向膜27,34間で90°ツイストした状態となる。このとき、不図示のバックライトから第1偏光板3に光を入射すると、入射する光に含まれる互いに直交した直線偏光LP1,LP2のうち直線偏光LP1は、135°−315°方向の透過軸P1を有する第1偏光板3を透過する。その後、直線偏光LP1は、偏光面が液晶層11の持つ旋光性により90°回転し、45°−225°方向の透過軸P2を有する第2偏光板5を透過する。その結果、電圧無印加時には白表示(いわゆるノーマリーホワイト)となる。
一方、図4(B)に示すように、画素電極25と対向電極33との間に電圧が印加されたときには、液晶層11を構成する液晶分子Mは2つの配向膜27,34間で電界に沿った方向に立ち上がった状態となる。このとき、不図示のバックライトから第1偏光板3に光を入射すると、入射する光に含まれる直線偏光のうち直線偏光LP1は、135°−315°方向の透過軸P1を有する第1偏光板3を透過する。しかし、液晶層11において直線偏光LP1の偏光面は回転しないため、45°−225°方向の透過軸P2を有する第2偏光板5を透過しない。その結果、電圧印加時には黒表示となる。
以上のように、画素毎に電圧の印加/無印加を制御することにより白表示と黒表示とを切り替え、画像を表示することができる。
次に、本発明の一実施形態である光制御フィルムを有する表示装置、表示装置の製造方法について、さらに詳細に説明する。図5は、本実施形態の液晶表示装置1Aを示す説明図である。図5(A)は、光制御フィルム6を有する液晶表示装置1Aを示す断面図である。図5(B)は、光制御フィルム6を示す断面図である。図5(C),(D)は、本実施形態の液晶表示装置が有する光制御フィルム6を射出面側から見たときの平面図である。
図5(A)に示すように、本実施形態の液晶表示装置1Aは、液晶パネル4の両面に、それぞれ第1偏光板3と第2偏光板5とを有し、さらに表示側に配置された第2偏光板5に接して、光制御フィルム6が設けられている。液晶パネル4は、一対の基板(TFT基板9、カラーフィルター基板10)に挟持された液晶層11および液晶層11の周囲を囲むシール部材11Xを有している。
図5(A),(B)に示すように、光制御フィルム6は、光透過性の基材39と、基材39の一面39a(視認側と反対側の面)の一部領域に配された光拡散部40と、この光拡散部40が配された一部領域を除いた残余領域に配された遮光層41と、光拡散部40の傾斜面(外周面)40cおよび遮光層41とで区画された空隙部(空間)42と、を備えている。光制御フィルム6は、接着層43を介して第2偏光板5に接着されている。
この光制御フィルム6は、光拡散部40が設けられた側を第2偏光板5に向け、基材39の側を視認側に向けた姿勢で第2偏光板5上に配置されている。即ち、基材39の他面39b側が、液晶パネル4からの光(画像光)を観察者に向けて射出する射出側となる。
光透過性の基材39としては、一般に、熱可塑性ポリマーや熱硬化性樹脂、光重合性樹脂などの樹脂類など光透過性材料が用いられる。例えば、アクリル系ポリマー、オレフィン系ポリマー、ビニル系ポリマー、セルロース系ポリマー、アミド系ポリマー、フッ素系ポリマー、ウレタン系ポリマー、シリコーン系ポリマー、イミド系ポリマー等などからなる群から選ばれる1種以上の透明樹脂製の基材を用いることができる。中でも、例えばトリアセチルセルロース(TAC)フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、シクロオレフィンポリマー(COP)フィルム、ポリカーボネート(PC)フィルム、ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム、ポリエーテルサルホン(PES)フィルム、ポリイミド(PI)フィルム等の透明樹脂製の基材が好ましく用いられる。基材39は、光透過性を有するならば、上記光透過性材料を2種以上用いて形成されていてもよい。
基材39は、後述する製造プロセスにおいて、後で遮光層41や光拡散部40の材料を塗布する際の下地となるものであり、製造プロセス中の熱処理工程における耐熱性と機械的強度とを備える必要がある。したがって、基材39としては、樹脂製の基材の他、ガラス製の基材等を用いてもよい。
ただし、基材39の厚さは耐熱性や機械的強度を損なわない程度に薄い方が好ましい。その理由は、基材39の厚さが厚くなる程、表示のボヤケが生じる虞があるからである。また、基材39の全光線透過率は、JIS K7361−1の規定で90%以上が好ましい。全光線透過率が90%以上であると、十分な透明性が得られる。本実施形態では、一例として厚さが100μmのPETフィルムを用いる。
光拡散部40は、例えばアクリル樹脂やエポキシ樹脂、シリコーン樹脂等の光透過性および感光性を有する有機材料で構成されている。これら樹脂に重合開始剤、カップリング剤、モノマー、有機溶媒などを混合した透明樹脂製の混合物を用いることができる。さらに、重合開始剤は安定剤、禁止剤、可塑剤、蛍光増白剤、離型剤、連鎖移動剤、他の光重合性単量体等のような各種の追加成分を含んでいてもよい。その他、特許第4129991号記載の材料を用いることができる。また、光拡散部40の全光線透過率は、JIS K7361−1の規定で90%以上が好ましい。全光線透過率が90%以上であると、十分な透明性が得られる。
こうした光拡散部40は、基材39の一面39aに接する光射出端面40aの面積が、液晶パネル4と接する光入射端面40bよりも小さく、かつ、基材39から離れるにつれて水平断面の面積が徐々に大きくなっている。また、光拡散部40は光射出端面40aから光入射端面40bに向けて、遮光層41よりも厚みが厚くなるように形成されている。即ち、光拡散部40は、基材39側から見たとき、いわゆる逆テーパ状の円錐台形の形状を有している。
光拡散部40は、光制御フィルム6において光の透過に寄与する部分である。すなわち、光拡散部40に入射した光は、光拡散部40の光射出端面40aから光入射端面40bに向かって広がるテーパ状の傾斜面(外周面)40cで全反射しつつ、光拡散部40の内部に略閉じこめられた状態で導光し、射出される。
遮光層41は、基材39の一面39aのうち、光拡散部40が形成された一部領域を除いた残余領域を覆うように形成されている。遮光層41は、一例として、ブラックレジスト等の光吸収性および感光性を有する有機材料で構成されている。遮光層41としては、このほか、Cr(クロム)やCr/酸化Crなど金属単体、金属酸化物、もしくは金属単体と金属酸化物との多層膜等の金属膜、黒色インクに用いられるような顔料・染料、黒色樹脂、多色のインクを混合して黒色インクとしたもの等、遮光性を有する材料を用いていればよい。
遮光層41の層厚は、光拡散部40の光入射端面40bから光射出端面40aまでの厚み(高さ)よりも小さく(光入射端面40bと光射出端面40aとの間の離間距離よりも薄く)設定されている。本実施形態の場合、遮光層41の層厚は一例として150nm程度であり、光拡散部40の光入射端面40bから光射出端面40aまでの高さは一例として25μm程度である。
空隙部42は、光拡散部40の傾斜面40cおよび遮光層41とで区画された空間、即ち複数の光拡散部40間の空隙である。空隙部42には、光拡散部40よりも屈折率が低い低屈折率材料が充填されている。こうした低屈折率材料は、光拡散部40の構成材料に応じて選択されればよいが、例えば気体、一例として空気や、アルゴン、窒素などの不活性ガスを挙げることができる。
なお、基材39の屈折率と光拡散部40の屈折率とは略同等であることが望ましい。その理由は、例えば基材39の屈折率と光拡散部40の屈折率とが大きく異なっていると、光入射端面40bから入射した光が光拡散部40から射出しようとする際に光拡散部40と基材39との界面で不要な光の屈折や反射が生じて、所望の光拡散角度が得られない、射出光の光量が減少する、等の不具合が生じる虞があるからである。
このような光拡散部40は、図5(C)に示す光制御フィルム6Aのように、複数の遮光層41が基材39上に点在して配置されることとすることで、基材39上に一連に繋がった状態で形成されることとしてもよい。このような光制御フィルム6Aでは、図中符号βで示す位置のように、遮光層41が基材39の周縁部に接していることがある。
図では、光制御フィルム6Aが有する遮光層41の平面視形状が、円形であることとして示しているが、これに限らず、楕円形、矩形、不定形など、任意の形状をもつように形成することができる。
また、図5(D)に示す光制御フィルム6Bのように、複数の光拡散部40が、基材39上に点在して配置されることとしてもよい。この場合、遮光層41は、基材39上に一連に繋がった状態で形成され、基材39の周縁部においては、遮光層41が基材39の周縁部に接して形成されることとなる。
光制御フィルム6Bが有する光拡散部40を基材39の一面と平行な面(xy平面)で切断したときの水平断面は、例えば円形である。この光拡散部40の直径は例えば20μm程度である。複数の光拡散部40は全て同一の直径であってもよいし、図5(D)に示すように異なる直径のものが混在していてもよい。また、光拡散部40の水平断面は、円形以外にも、楕円形、矩形、不定形など、任意の形状をもつように形成することができる。
また、複数の光拡散部40は、基材39の主面の法線方向から見てランダムに(非周期的に)配置されている。したがって、隣接する光拡散部40間のピッチは一定ではないが、隣接する光拡散部40間のピッチを平均した平均ピッチは25μmに設定されている。
なお、本明細書において「周縁部」とは、基材39や光制御フィルム6を平面視したときの輪郭(平面視形状の外周)の内側であって、輪郭に接する近傍の領域を指す。
このように、光制御フィルム6において、遮光層41が基材39の周縁部に接していると、遮光層41と平面的に重なる空隙部42は、基材39の周縁部において基材39の外周に接することとなる。図5(C)に示す光制御フィルム6Aにおいては、空隙部42が基材39の外周の一部に接し、図5(D)に示す光制御フィルム6Bにおいては、空隙部42が基材39の外周全体に接している。
このような光制御フィルム6(6A,6B)は、第2偏光板5の上に配置したときに、基材39の周縁部の空隙部42で、基材39と光拡散部40とが剥離しやすい。
しかし、本実施形態の表示装置では、基材39の周縁部において、空隙部42に接着層43が充填され充填部48を形成しており、剥離しにくくなっている。また、充填された接着層43により光制御フィルム6が封止されるため、空隙部42への水分や異物の侵入を防ぐことができ、液晶表示装置1Aの信頼性を高めることができる。
接着層43は、光透過性を有する樹脂材料(接着材料)を用いて形成する。接着層43の形成材料としては、硬化性樹脂が好ましく、熱硬化性樹脂であってもよく光硬化性樹脂であってもよい。接着層43の形成材料としては、例えばエポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂などを挙げることができる。
接着層43の形成材料の一部は、図中符号αで示す破線部のように、光制御フィルム6の周縁部に位置する空隙部42内に充填され、充填部48を形成している。充填部48は、遮光層41に接している。このような構成となっていることで、光制御フィルム6の周縁部においては、基材39と光拡散部40との剥離を抑制し、光制御フィルム6の信頼性を高めることができ、これにより液晶表示装置1Aの信頼性を高めることができる。
充填部48の形成材料は、光透過性であっても不透明であっても構わない。また、充填部48の形成材料は、光拡散部40の形成材料と同じ材料であっても異なる材料であっても構わないが、光透過性を有し、光拡散部40の形成材料よりも低い屈折率を有することが好ましい。これにより、充填部48と接する光拡散部40において、光拡散部40と充填部48との界面で好適に光を反射させることができる。
このような光制御フィルム6において、光拡散部40の傾斜面40cの傾斜角θ(光入射端面40bと傾斜面40cとのなす角)は、例えば、41°〜89°の範囲に設定される。一例として、傾斜面40cの傾斜角θは80°に設定される。ただし、光拡散部40の傾斜面40cの傾斜角度は、光制御フィルム6から射出される光を十分に拡散させることが可能な角度であれば、特に限定されない。
本実施形態の場合、隣接する光拡散部40間には空気が介在しているため、光拡散部40を例えばアクリル樹脂で形成したとすると、光拡散部40の傾斜面40cはアクリル樹脂と空気との界面となる。仮に光拡散部40の周囲を他の低屈折率材料で充填したとしても、光拡散部40の内部と外部との界面の屈折率差は、外部にいかなる低屈折率材料が存在する場合よりも空気が存在する場合が最大となる。したがって、Snellの法則より、本実施形態の構成においては臨界角が最も小さくなり、光拡散部40の傾斜面40cで光が全反射する入射角範囲が最も広くなる。その結果、光の損失がより抑えられ、高い輝度を得ることができる。
ただし、光拡散部40の光入射端面40bに対して90°から大きくずれた角度で入射する光は、光拡散部40の傾斜面40cに対して臨界角以下の角度で入射し、全反射することなく光拡散部40の傾斜面40cを透過する。それでも、光拡散部40の形成領域以外の領域に遮光層41が設けられているため、光拡散部40の傾斜面40cを透過した光は遮光層41で吸収される。そのため、表示のボヤケが生じたり、コントラストが低下したりすることはない。しかしながら、光拡散部40の傾斜面40cを透過する光が増えると、光量のロスが生じ、輝度の高い画像が得られにくい。そこで、本実施形態の液晶表示装置1Aにおいては、図3に示したバックライト2のような指向性を有するバックライトを用い、光拡散部40の傾斜面40cに臨界角以下で入射しないような角度で光を射出させるとよい。
図6は、指向性バックライトの説明図である。
図6(A)は、指向性バックライトの輝度角度特性を示す図である。この図は、指向性バックライトから射出される光に関して、横軸が射出角度(°)、縦軸が輝度(cd/m)を示している。図に示した指向性バックライトは、射出されるほぼ全ての光が射出角度±30°以内におさまっていることが分かる。この指向性バックライトと光制御フィルムを組み合わせることで、ボヤケを少なくし、光の利用効率の高い構成を実現できる。
図6(B)に示すようにθ1 : バックライトからの射出角度, θ2 : 光拡散部40のテーパ角度と定義する。光拡散部40に入射した光Laはテーパ部で全反射を起こし、基材39表面から視認側へ射出されるが、入射角度の大きい光Lbは、テーパ部で全反射せず透過し、入射光の損失が発生する場合がある。
図6(C)にバックライトからの射出角度と臨界角となるテーパ角度の関係を示す。
例えば、バックライトからの射出角度30°の光は、光拡散部40の形成材料である透明樹脂の屈折率がn=1.5であり、光拡散部40のテーパ角度が60°未満の場合、テーパ形状で全反射せずに透過し、光の損失が発生する。射出角度±30°以内の光を損失無く、テーパ形状で全反射させるためには、光拡散部40のテーパ角度は60°以上〜90°未満が望ましい。
このような指向性を有するバックライトを用いることで、光量のロスが生じにくく、輝度の高い画像が得られやすくなる。
次に、本実施形態の表示装置が有する光制御フィルム6の製造方法を説明する。図7,8は、光制御フィルムの製造方法を示す工程図である。なお、図7,8の説明においては、各構成の具体的な寸法を記載するが、これらの数値は一例であって、発明の効果を損なわない限り、必要物性や設計要求に応じて適宜変更可能である。
図7は、図5(C)に示したような、複数の遮光層41が基材39上に点在して配置されている光制御フィルム6Aの製造方法を示す工程図である。
このような光制御フィルムの製造方法においては、まず図7(A)に示すように、例えば、厚さが100μmのポリエチレンテレフタレートの基材39を準備し、スピンコート法を用いて、この基材39の一面に遮光部材料としてカーボンを含有したブラックネガレジストを塗布する。次いで、上記の塗膜44を形成した基材39をホットプレート上に載置し、温度90℃で塗膜44のプリベークを行う。これにより、ブラックネガレジスト中の溶媒が揮発し、膜厚150nmの塗膜44が形成される。
次いで、露光装置を用い、複数の開口部46が形成されたフォトマスク45Aを介して塗膜44に光LRを照射し、露光を行う。このとき、波長365nmのi線、波長404nmのh線、波長436nmのg線の混合線を用いた露光装置を使用する。露光量は100mJ/cmとする。
開口部46は、フォトマスク45Aの内部にランダムに配置された平面視形状が円形の開口部と、フォトマスク45Aの周縁部に配置された円形から一部が欠けた形状の開口部と、を含んでいる。円形の開口部は、直径20μmである。
このフォトマスク45Aを介してブラックネガレジストの塗膜44に光LRを照射する。フォトマスク45Aを介して露光することにより、塗膜44内にはランダムに配置された複数の開口部46に対応した潜像が形成される。
次いで、図7(B)に示すように、専用の現像液を用いてブラックネガレジストからなる塗膜44の現像を行い、100℃で乾燥することで、平面視形状が円形および円形から一部が欠けた形状の複数の遮光層41を基材39の一面に形成する。露光で用いたフォトマスク45Aの開口部46の位置は、遮光層41の形成位置に対応する。
フォトマスク45Aの複数の開口部46は、主として、それぞれ直径が異なる数十μm程度の円形のパターンであり、隣接する開口部46間の間隔(ピッチ)も数十μm程度でそれぞれ異なる。ただし、開口部46間のピッチは液晶パネル4の画素の間隔(ピッチ、例えば150μm)よりも小さいことが望ましい。これにより、画素内に少なくとも1つの遮光層41が形成されるので、例えばモバイル機器等に用いる画素ピッチが小さい液晶パネルと組み合わせたときに広視野角化を図ることができる。
本実施形態では、ブラックネガレジストを用いたフォトリソグラフィー法によって遮光層41を形成したが、この構成に代えて、本実施形態の開口部46と遮光パターンとが反転したフォトマスクを用いれば、光吸収性を有するポジレジストを用いることもできる。もしくは、蒸着法や印刷法、インクジェット法等を用いて遮光層41を直接形成してもよい。
次いで、図7(C)に示すように、スピンコート法を用いて、遮光層41の上面に光拡散部の形成材料としてアクリル樹脂からなる透明ネガレジストを塗布する。次いで、上記の塗膜49を形成した基材39をホットプレート上に載置し、温度95℃で塗膜49のプリベークを行う。これにより、透明ネガレジスト中の溶媒が揮発し、膜厚25μmの塗膜49が形成される。
次いで、基材39側から遮光層41をマスクとして塗膜49に拡散光である光Fを照射し、露光を行う。このとき、波長365nmのi線、波長404nmのh線、波長436nmのg線の混合線を用いた露光装置を使用する。露光量は600mJ/cmとする。露光装置から射出された平行光を拡散光として基材39に照射する手段としては、例えば露光装置から射出された光の光路上にヘイズ(Hz)値が50程度の拡散板を配置する方法が挙げられる。拡散光である光Fで露光を行うことにより、塗膜49は、遮光層41間の開口部から放射状に露光される。
その後、上記の塗膜49を形成した基材39をホットプレート上に載置し、温度95℃で塗膜49のポストエクスポージャーベイク(PEB)を行う。
次いで、図7(D)に示すように、専用の現像液を用いて透明ネガレジストからなる塗膜49の現像を行い、150℃でポストベークし、複数の空隙部42を有する光拡散部40を基材39の一面に形成する。本実施形態では、図7(C)に示したように、拡散光である光Fを用いて露光を行っているので、塗膜49を構成する透明ネガレジストが遮光層41の非形成領域から外側に広がるように放射状に露光される。これにより、順テーパ状の空隙部42が形成され、光拡散部40は逆テーパ状の形状となる。
光拡散部40の傾斜面40cの傾斜角度は光Fの拡散の度合いや露光量で制御できる。ここで用いる光Fとしては、平行光、拡散光、または特定の射出角度における強度が他の射出角度における強度と異なる光(すなわち特定の射出角度に強弱を有する光)、を用いることができる。
平行光を用いた場合、光拡散部40の傾斜面40cの傾斜角度が例えば60°〜85°程度の単一の傾斜角度となる。拡散光を用いた場合には、傾斜角度が連続的に変化する、断面形状が曲線状の傾斜面となる。特定の射出角度に強弱を有する光を用いた場合には、その強弱に対応した斜面角度を有する傾斜面となる。
このように、光拡散部40の傾斜面40cの傾斜角度を調整することができる。これにより、光制御フィルム6の光拡散性を、目的とする視認性が得られるように調整することが可能となる。
以上の工程を経て、本実施形態の表示装置が有する光制御フィルム6Aが完成する。
図8は、図5(D)に示したような、複数の光拡散部40が基材39上に点在して配置されている光制御フィルム6Bの製造方法を示す工程図である。
このような光制御フィルムの製造方法においては、まず図8(A)に示すように、10cm角で厚さが100μmのポリエチレンテレフタレートの基材39を準備し、スピンコート法を用いて、この基材39の一面に遮光層材料としてカーボンを含有したブラックネガレジストを塗布する。次いで、上記の塗膜44を形成した基材39をホットプレート上に載置し、温度90℃で塗膜のプリベークを行う。これにより、ブラックネガレジスト中の溶媒が揮発し、膜厚150nmの塗膜44が形成される。
次いで、図8(B)に示すように、露光装置を用い、複数の開口部46が設けられたフォトマスク45Bを介して塗膜44に光LRを照射し、露光を行う。このとき、波長365nmのi線、波長404nmのh線、波長436nmのg線の混合線を用いた露光装置を使用する。露光量は100mJ/cmとする。
フォトマスク45Bは、平面視形状が円形の複数の開口部46がランダムに配置されている。複数の開口部46は全て直径20μmの円形パターンであり、ランダムに配置されている。そのため、隣接する開口部46間の間隔(ピッチ)は一定でないが、複数の開口部46間の間隔を平均した平均間隔は25μmである。
開口部46の平均間隔は液晶パネル4の画素の間隔(ピッチ)よりも小さいことが望ましい。これにより、画素内に少なくとも1つの光拡散部40が形成されるので、例えばモバイル機器等に用いる画素ピッチが小さい液晶パネルと組み合わせたときに広視野角化を図ることができる。
次いで、図8(C)に示すように、上記のフォトマスク45Bを用いて露光を行った後、専用の現像液を用いてブラックネガレジストからなる塗膜44の現像を行い、100℃で乾燥して、複数の円形の開口部を有する遮光層41を基材39の一面に形成する。円形の開口部は次工程の光拡散部40の形成領域に対応する。露光で用いたフォトマスク45Bの開口部46の位置は、光拡散部40の形成位置に対応する。
なお、本実施形態では、ブラックネガレジストを用いたフォトリソグラフィー法によって遮光層41を形成したが、この構成に代えて、本実施形態の開口部46と光拡散部とが反転したフォトマスクを用いれば、ポジレジストを用いることもできる。もしくは、蒸着法や印刷法、インクジェット法等を用いてパターニングした遮光層41を直接形成してもよい。
次いで、図8(D)に示すように、スピンコート法を用いて、遮光層41の上面に光拡散部の形成材料としてアクリル樹脂からなる透明ネガレジストを塗布する。次いで、上記の塗膜49を形成した基材39をホットプレート上に載置し、温度95℃で塗膜49のプリベークを行う。これにより、透明ネガレジスト中の溶媒が揮発し、膜厚25μmの塗膜49が形成される。
次いで、基材39側から遮光層41をマスクとして塗膜49に拡散光である光Fを照射し、露光を行う。このとき、波長365nmのi線、波長404nmのh線、波長436nmのg線の混合線を用いた露光装置を使用する。露光量は600mJ/cmとする。露光工程では、平行光または拡散光を用いる。また、露光装置から射出された平行光を拡散光として基材39に照射する手段としては、露光装置から射出された光の光路上にヘイズ(Hz)値が50程度の拡散板を配置すればよい。拡散光で露光を行うことにより、塗膜49は、遮光層41間の開口部から放射状に露光され、光拡散部40の逆テーパ状の側面が形成される。
その後、上記の塗膜49を形成した基材39をホットプレート上に載置し、温度95℃で塗膜49のポストエクスポージャーベイク(PEB)を行う。
次いで、図8(E)に示すように、専用の現像液を用いて透明ネガレジストからなる塗膜49の現像を行い、150℃でポストベークし、複数の光拡散部40を基材39の一面に形成する。複数の光拡散部40の間の空隙は、空隙部42である。
以上の工程を経て、本実施形態の表示装置が有する光制御フィルム6Bが完成する。
なお、上記の例では遮光層41や光拡散部40の形成時に液状のレジストを塗布することとしたが、この構成に代えて、フィルム状のレジストを基材39の一面に貼付するようにしてもよい。
図9は光制御フィルムを製造する製造装置の一例を示す概略構成図である。図9に示す製造装置500は、長尺の基材39をロール・トゥー・ロールで搬送し、その間に各種の処理を行うものである。また、この製造装置500は、上述のフォトマスク45Aを用いたフォトリソグラフィー法に代えて、印刷法を用いて遮光層41を形成する。
製造装置500は、一端に基材39を送り出す送出ローラー508が設けられ、他端に基材39を巻き取る巻取ローラー509が設けられており、基材39が送出ローラー508側から巻取ローラー509側に向けて搬送する構成となっている。
基材39の上方には、送出ローラー508側から巻取ローラー509側に向けて(基材39の搬送方向に沿って)印刷装置501、第1乾燥装置502、塗布装置503、現像装置504、第2乾燥装置505が、順次配置されている。
また、塗布装置503と現像装置504との間の領域には、基材39の下方に、露光装置506が配置されている。
印刷装置501は、基材39上に遮光層41を印刷するためのものである。第1乾燥装置502は、印刷により形成した遮光層41を乾燥させるためのものである。塗布装置503は、遮光層41上に透明ネガレジストを塗布して塗膜49を形成するためのものである。現像装置504は、露光後の透明ネガレジストを現像液によって現像し、空隙部42を形成するためのものである。第2乾燥装置505は、現像後の透明レジストからなる光拡散部40が形成された基材39を乾燥させるためのものである。この後さらに、光拡散部40が形成された基材39を第2偏光板5と貼り合わせ一体化させてもよい。
露光装置506は、基材39側から透明ネガレジストの塗膜49の露光を行うためのものである。図10は、製造装置500のうち、露光装置506の部分だけを取り出して示す図である。
図10(A)に示すように、露光装置506は、複数の光源507を備えており、基材39の搬送に伴って、各光源507からの光Fの強度が徐々に弱くなる等、光Fの強度が変化してもよい。あるいは、露光装置506は、図10(B)に示すように、基材39の搬送に伴って、各光源507からの光Fの射出角度が徐々に変化してもよい。図10(B)では、基材39の搬送方向に沿って、拡散光である光Fの光線軸(拡散光の光線束の中心軸)が、徐々に基材39の搬送方向に傾くように、光Fの射出角度が変化することとして示している。このような露光装置506を用いることにより、光拡散部40の傾斜面40cの傾斜角度を所望の角度に制御することができる。
最後に、光拡散部40が形成された基材39を、基材39を視認側に向け、光拡散部40を第2偏光板5に対向させた状態で、光透過性を有する樹脂材料(接着材料)を用いて不図示の液晶パネル4に貼付する。
製造装置500を用いて基材39上に光拡散部40を形成したもの(原反)を液晶パネル4に貼付する際には、原反から適宜裁断することで光制御フィルムを製造して用いる。原反を裁断する際、原反では遮光層41がランダムに形成されているため、高確率で(実用的にはほぼ確実に)遮光層41と重なって原反を裁断することとなる。したがって、原反を裁断して得られる光制御フィルムでは、遮光層41と重なる空隙部42が基材39の周縁部に接して形成されることとなる。
ここでは、図5(C)に示した光制御フィルム6Aに対応した、複数の遮光層41が基材39上に点在して配置されている光制御フィルムを製造する例を示したが、上記製造装置を用いて図5(D)に示した光制御フィルム6Bに対応した、複数の光拡散部40が基材39上に点在して配置されている光制御フィルムを製造することも可能である。
図11は、本発明の一実施形態に係る表示装置の製造方法を示す工程図である。図11では、光制御フィルムとして、複数の光拡散部40が基材39上に点在して配置されているもの(光制御フィルム6B)を例に説明する。
図11(A)および図11(C)は各工程の概略斜視図であり、図11(B)および図11(D)は、各工程の断面図である。なお、図11(C),(D)は一つの工程を示す。
まず、図11(A)に示すように、光制御フィルム6Bを液晶パネル4上の第2偏光板5に重ねて貼付する際、光制御フィルム6Bが貼付される領域(接着領域AR)に接着材料43Aを塗布する。
次いで、図11(B)に示すように、光制御フィルム6Bを液晶パネル4の接着領域ARに押し付けて接着する。その後、接着領域ARの周縁部に接着材料43Bを配置する。接着領域の周縁部に配置した接着材料43Bは、光制御フィルム6Bにおいて基材39の周縁部に位置する空隙部42に充填される。接着材料43A,43Bが熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂である場合、図11(C)(D)に示すように、必要に応じて、加熱または光照射を行って樹脂の硬化を促進するエネルギー(熱または光)を供給し、接着材料43A,43Bを硬化させる。
その際、接着領域ARに配置した接着材料43Aは、硬化し、接着層43を形成する。また、接着領域の周縁部に配置した接着材料43Bは、光制御フィルム6Bにおいて基材39の周縁部に位置する空隙部42にも充填された状態で硬化し、充填部48を形成する。
以上のようにして液晶表示装置1Aを製造する。
以上のような構成の表示装置によれば、幅広い視野角範囲でコントラストを改善して表示品質を向上させたものとなる。また、光制御フィルムの基材の剥離を抑制し、信頼性が高い装置とすることができる。
以上のような構成の表示装置の製造方法によれば、幅広い視野角範囲でコントラストを改善して表示品質を向上させた装置を容易に製造することが可能となる。
なお、本実施形態においては、指向性バックライトを用いることとして説明したが、もちろん指向性がないバックライトを用いても幅広い視野角範囲でコントラストを改善し、表示品質を向上させることができる。
また、本実施形態においては、接着材料43Aを塗布して光制御フィルム6Bを貼付した後に、周縁部に接着材料43Bを充填することとしたが、これに限らない。例えば、接着材料43Aを塗布する際に、接着材料43Aを接着領域ARの内部よりも周縁部に相対的に多く配置した上で、光制御フィルム6Bを貼付すると、予め接着領域ARの周縁部に多く配置した接着材料43Aが光制御フィルム6Bにおいて基材39の周縁部に位置する空隙部42に充填され、充填部48を形成することができる。この場合、得られる表示装置においては、周縁部の空隙部42を充填している樹脂材料は、接着層43の形成材料である接着材料43Aになる。
[第2実施形態]
図12,13は、本発明の第2実施形態に係る液晶表示装置の説明図であり、図5(A)に対応する図である。本実施形態の液晶表示装置1B、1Cは、第1実施形態の液晶表示装置1Aと一部共通しているため、本実施形態において第1実施形態と共通する構成要素については同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
図12に示す液晶表示装置1Bは、基材39の周縁部、光制御フィルム6の周縁部に位置する光拡散部40および遮光層41と、接着層43とを、側面から覆って封止するモールド樹脂(封止部)47を有している。モールド樹脂47は、硬化性樹脂を用いることができる。
モールド樹脂47の一部は、光制御フィルム6の周縁部に位置する空隙部42内に充填されて充填部48を形成している。充填部48は、遮光層41に接している。このような構成となっていることで、光制御フィルム6の周縁部においては、基材39と光拡散部40との剥離を抑制するとともに、光制御フィルム6の空隙部42への水分や異物の侵入を防ぐことができ、液晶表示装置1Bの信頼性を高めることができる。
モールド樹脂47は、光透過性であっても不透明であっても構わないが、光透過性を有し、光拡散部40の形成材料よりも低い屈折率を有することが好ましい。これにより、充填部48と接する光拡散部40において、光拡散部40と充填部48との界面で好適に光を反射させることができる。
図に示すように、モールド樹脂47は、光制御フィルム6の基材39の側面から基材39の光拡散部40が形成されていない側の面(他面39b)まで連続して設けられていることが好ましい。このような構成とすることで、モールド樹脂47が他面39bまで設けられていない構成と比べ、基材39をより強固に保持し、剥離を抑制することができる。
また、図13に示す液晶表示装置1Cのように、モールド樹脂47が第2偏光板5の側端面をさらに覆って設けられることとしても構わない。
[第3実施形態]
図14,15は、本発明の第3実施形態に係る液晶表示装置の説明図であり、図5(A)に対応する図である。
図14に示す液晶表示装置1Dでは、モールド樹脂47が、基材39の周縁部、光制御フィルム6の周縁部に位置する光拡散部40、遮光層41、接着層43、第2偏光板5、液晶パネル4、第1偏光板3を側面から覆って封止している。これにより、光制御フィルム6において基材39の剥離を抑制することができるとともに、光制御フィルム6の空隙部42への水分や異物の侵入を防ぐことができ、液晶表示装置1Dの信頼性を高めることができる。但し、本構成時にはモールド樹脂47は、少なくとも液晶パネルと制御基板を接続するフレキシブルケーブル部分は避けるように封止する。
また、モールド樹脂47が液晶パネル4の側面も覆うため、液晶パネル4への水分侵入を防ぐことができ、液晶表示装置1Dの信頼性を高めることができる。
図に示すように、モールド樹脂47は、光制御フィルム6の基材39の側面から基材39の光拡散部40が形成されていない側の面(他面39b)まで連続して設けられていることが好ましい。このような構成とすることで、モールド樹脂47が他面39bまで設けられていない構成と比べ、基材39をより強固に保持し、剥離を抑制することができる。
また、図15に示す液晶表示装置1Eのように、モールド樹脂47が第1偏光板3の側面から上面まで連続して設けられていることとしても構わない。このような構成では、モールド樹脂47が、液晶表示装置1Eを構成する全構成の側面を一体に覆っていることから、モールド樹脂47により各部材が強固に保持され、信頼性が高い装置とすることができる。但し、本構成時にはモールド樹脂47は、少なくとも液晶パネルと制御基板を接続するフレキシブルケーブル部分は避けるように封止する。
(変形例1)
なお、上述した実施形態の表示装置が有する光制御フィルム6A,6Bでは、基材39の他面39bから直接、視認者に向けて光(画像光)を射出させていたが、基材39の他面39bに重ねて、更に機能層を設けることとしてもよい。機能層としては、光散乱層、反射防止層、帯電防止層、防眩処理層、防汚処理層などを挙げることができる。
図16(A)、(B)は、第一実施形態の変形例における表示装置が有する光制御フィルム6Cの作用を説明する断面図である。ここでは、基材39の他面39bに重ねて光散乱層を設け、光をより効率的に拡散させ、視野角輝度特性を更に改善する構成について説明する。
図16(A)に示すように、この光制御フィルム6Cでは、基材39の他面39bに重ねて、更に拡散フィルム(光散乱層)50を形成している。光散乱層50は、フィルム状の部材が基材39の他面39bに粘着層51により固定され形成されている。光散乱層50は、例えばアクリル樹脂等のバインダー樹脂の内部に多数のアクリルビーズ等の光散乱体52が分散されて構成されている。当該光散乱層50の厚みは一例として20μm程度であり、球状の光散乱体52の球径は0.5〜20μm程度であり、粘着層51の厚みは一例として25μm程度である。なお、光散乱層50は、等方拡散材である。光散乱層50は、光拡散部40で拡散された光を等方的に拡散しさらに広角に広げる。
なお、光散乱体52は、これに限らず、アクリル系ポリマー、オレフィン系ポリマー、ビニル系ポリマー、セルロース系ポリマー、アミド系ポリマー、フッ素系ポリマー、ウレタン系ポリマー、シリコーン系ポリマー、イミド系ポリマーなどからなる樹脂片、ガラスビーズ等の適宜な透明の物質で構成されていてもよい。
また、これら透明な物質以外でも、光の吸収の無い散乱体、反射体を用いることができる。あるいは、光散乱体52を光拡散部40内に拡散させた気泡としてもよい。個々の光散乱体52の形状は、例えば、球形、楕円球形、平板形、多角形立方体など、各種形状に形成することができる。光散乱体52のサイズも均一あるいは不均一になるように形成されていればよい。
本実施形態において、拡散フィルム(光散乱層)50は防眩処理層(アンチグレア層)をも兼ねている。防眩処理層は例えば基材39にサンドブラスト処理やエンボス処理等を施すことによって形成することもできるが、本実施形態においては基材39に複数の光散乱体52を含む層を形成することにより防眩処理を施している。この構成によれば、光散乱層50が防眩処理層として機能するので、新たに防眩処理層を設ける必要がない。よって、装置の簡素化、薄型化を図ることができる。
なお、本実施形態では、拡散フィルム(光散乱層)50が基材39の他面39b側に形成されているが、これに限らない。例えば、拡散フィルム(光散乱層)50を基材39の一面39aと光拡散部40との間に光散乱層50を設けることも好ましい。この場合、光散乱層50自体に剛性を持たせて、基材の機能を兼ねた構成としてもよい。あるいは、粘着層51そのものが光拡散性を有していてもよい。例えば、粘着層51に多数の光散乱体を分散させることにより実現することができる。
粘着層51としては、ゴム系やアクリル系、シリコーン系やビニルアルキルエーテル系、ポリビニルアルコール系やポリビニルピロリドン系、ポリアクリルアミド系やセルロース系等の粘着剤など、接着対象に応じた適宜な粘着性物質を用いることができる。特に、透明性や耐候性等に優れる粘着性物質が好ましく用いる。なお粘着層51は、実用に供するまでの間、セパレータなどを仮着して保護しておくことが好ましい。
本実施形態の場合、光拡散部40の光入射端面40bに対して垂直に入射する光Lcは、光拡散部40で拡散した後、光散乱層50でさらに拡散する。このため、光散乱層50からは様々な角度の光が射出される。
このように、本変形例の場合、光制御フィルム6Cの最表面には光散乱層50が配置されているため、光の拡散角度を1つに集中させないようにできる。その結果、光制御フィルム6Cの光拡散特性をよりなだらかにすることができ、広い視野角で明るい表示が得られる。
また、本変形例において、光制御フィルム6Cは、光散乱層50が、当該光散乱層50の光拡散部40と反対側の面50fから入射し、バインダー樹脂などの基材と光散乱体52との界面で反射、もしくは光散乱体52で屈折して進行方向が変更された光が、前方散乱するように構成されている。
なお、図16(B)において、光散乱層50の面50fに向けて入射する外光Lsが光散乱層50において前方散乱する光を実線の矢印で示す。比較のため、後方散乱する光を破線の矢印で示したが、この種の光を生じないようにする。このような全反射条件は、例えば、光散乱層50に含まれる光散乱体52の粒子の大きさを適宜変更することにより、満足させることができる。
図17は、図16で示した光制御フィルム6Cを備える液晶表示装置1Fの断面図であり、図12に対応する図である。ここでは、上述の図12に対応する構成を説明するが、光制御フィルム6Cは、上記図13〜図15のような構成の液晶表示装置にも適用することができる。
図に示すように、光制御フィルム6Cの周囲をモールド樹脂47で囲んで封止する場合には、モールド樹脂47が光散乱層50の端部を覆って光制御フィルム6Cの基材39の側面から基材39の光拡散部40が形成されていない側の面(他面39b)まで連続して設けられていることが好ましい。このような構成とすることで、モールド樹脂47が他面39bまで設けられていない構成と比べ、基材39および光散乱層50をより強固に保持し、剥離を抑制することができる。
(変形例2)
また、上述した実施形態の液晶表示装置では、各断面図において光制御フィルム6の端面と第2偏光板5の端面との位置が揃っているが、この構成に限らない。ここで、端面の「位置が揃っている」とは、光制御フィルム6と第2偏光板5とが平面視において同形状且つ同じ大きさを呈しており、断面視において、光制御フィルム6と第2偏光板5との面方向における端面位置が一致していることを指す。
図18は、変形例に係る液晶表示装置1Gを示す断面図であり、図12に対応する図である。液晶表示装置1Gにおいては、平面視において光制御フィルム6Dよりも第2偏光板5の方が大きく、図18に示すように、光制御フィルム6Dの端面61が第2偏光板5の端面59よりも内側(液晶パネル4の表示領域側)に位置している。このとき、光制御フィルム6Dの端面61は、液晶パネル4の表示領域とは重ならない位置に配置されていることは言うまでもない。
液晶表示装置1Gにおいても、モールド樹脂47の一部が、光制御フィルム6Dの周縁部に位置する空隙部42内に充填されて充填部48を形成している。このような構成となっていることで、光制御フィルム6Dの周縁部においては、基材39と光拡散部40との剥離を抑制するとともに、光制御フィルム6Dの空隙部42への水分や異物の侵入を防ぐことができ、液晶表示装置1Fの信頼性を高めることができる。
また、平面視において第2偏光板5よりも大きい光制御フィルムを有する表示装置であっても、光制御フィルムの周縁部に位置する空隙部にモールド樹脂を充填することで、信頼性を高めた液晶表示装置とすることができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施の形態例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、上記実施形態では、表示体として透過型の液晶パネルを備えた液晶表示装置(表示装置)の例を挙げたが、これに限らず、有機エレクトロルミネッセンス装置、プラズマディスプレイ等の表示面に上述の光制御フィルムを付した表示装置であっても構わない。
1A〜1G…液晶表示装置(表示装置)、3…第1偏光板、4…液晶パネル(表示体)、5…第2偏光板、6,6A〜6D…光制御フィルム、F,L,La,Lb,Lc,LR…光、39…基材、39a…一面、40…光拡散部、40a…光射出端面、40b…光入射端面、40c…傾斜面(外周面)、41…遮光層、43…接着層、43A…接着材料、47…モールド樹脂(封止部)、48…充填部、AR…接着領域

Claims (11)

  1. 表示体と、前記表示体の視認側に接着層を介して配置され、前記表示体から射出された光を前記表示体の法線方向から見た方位角方向において拡散させる光制御フィルムと、を備え、
    前記光制御フィルムが、光透過性を有する基材と、前記基材の一面の一部領域に配された光拡散部と、前記一部領域を除く残余領域に配された遮光層と、を有し、
    前記光拡散部は、前記基材側に光射出端面を有するとともに、前記基材側とは反対側に前記光射出端面よりも大きい面積の光入射端面を有し、
    前記遮光層は、前記光射出端面と前記光入射端面との間の離間距離よりも薄く、且つ前記基材の周縁部において前記基材の平面視形状の外周の少なくとも一部に接して形成されており、
    前記外周に接する前記遮光層と前記光拡散部の外周面とで区画される空間が樹脂材料で充填されている表示装置。
  2. 前記光拡散部の形成材料と、前記空間を充填している樹脂材料と、は異なる材料である請求項1に記載の表示装置。
  3. 少なくとも前記光制御フィルムおよび前記接着層に接し、前記光制御フィルムの周囲を囲むように円環状に設けられた封止部を有し、
    前記空間を充填している樹脂材料が、前記封止部の形成材料である請求項2に記載の表示装置。
  4. 前記封止部が、前記基材の側面から前記基材の光拡散部が形成されていない側の面まで連続して設けられている請求項3に記載の表示装置。
  5. 前記表示体が、液晶パネルであり、
    前記封止部が、前記液晶パネルの前記視認側に配置された第2偏光板の側面をさらに覆っている請求項3または4に記載の表示装置。
  6. 前記封止部が、前記液晶パネルの前記視認側とは反対側に配置された第1偏光板の側面をさらに覆っている請求項5に記載の表示装置。
  7. 前記封止部が、前記第1偏光板の側面から前記第1偏光板の上面まで連続して設けられている請求項6に記載の表示装置。
  8. 前記空間を充填している樹脂材料が、前記接着層の形成材料である請求項2に記載の表示装置。
  9. 前記空間を充填している樹脂材料は、前記光拡散部の形成材料よりも低い屈折率を有する請求項2から8のいずれか1項に記載の表示装置。
  10. 表示体と、前記表示体の視認側に接着層を介して配置され、前記表示体から射出された光を前記表示体の法線方向から見た方位角方向において拡散させる光制御フィルムと、を備える表示装置の製造方法であって、
    前記表示体の前記視認側の面であって、前記光制御フィルムと平面的に重なる領域である接着領域に、前記光制御フィルムを配置して接着する工程と、
    前記接着領域の周縁部に接着材料を配置し、前記接着材料を硬化させる工程と、を有し、
    前記光制御フィルムは、光透過性を有する基材と、前記基材の一面の一部領域に配された光拡散部と、前記一部領域を除く残余領域に配された遮光層と、前記基材の周縁部において前記遮光層と重なる空隙と、を有し、
    前記硬化させる工程では、前記接着領域の周縁部に配置した前記接着材料を前記空隙の内部に充填する表示装置の製造方法。
  11. 前記接着材料は、前記光拡散部の形成材料よりも低い屈折率を有する請求項10に記載の表示装置の製造方法。
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