JP2014091329A - 金型構造、転写成形装置、及び、転写成形方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】第1金型9と、第1金型9に対して相対的に接離可能な第2金型10と、金型の少なくともいずれか一方に設けられる加熱手段15、22と、金型の少なくともいずれか一方に設けられ、金型に対して相対的に分離移動可能であり、金型間に供給される樹脂製シート25に転写面を当接させて転写成形を行う転写部材14、20と、金型と転写部材14、20を相対的に移動可能とする機構とを備える。
【選択図】図2
Description
金型構造を、
第1金型と、
前記第1金型に対して相対的に接離可能な第2金型と、
前記金型の少なくともいずれか一方に設けられる加熱手段と、
前記金型の少なくともいずれか一方に設けられ、前記金型に対して相対的に分離移動可能であり、前記金型間に供給される樹脂製シートに転写面を当接させて転写成形を行う転写部材と、
前記金型と前記転写部材を相対的に移動可能とする機構と、
を備えたものである。
転写成形装置を、前記金型構造を備えた構成としたものである。
前記冷却手段を、分離移動した各転写部材の転写面とは反対側の面をそれぞれ冷却可能な2部材で構成し、
前記両金型の温度を略同一とするのが好ましい。
前記冷却手段によって冷却される側に配置される金型の温度を、反対側の金型の温度よりも高く設定するのが好ましい。
転写成形方法を、
対向して配置した第1金型と第2金型の間に樹脂製シートを挿入する挿入工程と、
前記両金型間に、少なくともいずれか一方の面に転写部材の転写面を当接させた状態で樹脂製シートを挟持する挟持工程と、
前記金型の少なくともいずれか一方を加熱することにより、前記樹脂製シートに転写成形する転写成形工程と、
前記金型を開放した後、前記金型から前記転写部材を分離移動させる開放工程と、
前記金型から分離移動した転写部材を冷却する冷却工程と、
で行うものである。
(構成)
図1は、第1実施形態に係る導光板形成装置の概略を示す。この導光板形成装置は、材料供給装置1、転写成形装置2、フィルム貼着装置3、裁断装置4、外形加工装置5を備える。
下型9は、下型用支持プレート11の上面に、下型用中間プレート12、下型用断熱プレート13、下型用転写プレート14をこの順で配置したものである。
次に、前記構成からなる導光板形成装置の動作について説明する。
上型10を上昇させて金型を開放し、材料供給装置1から供給した樹脂製シート25の先端部分を搬送用グリッパ35に挟持させる。そして、搬送用グリッパ35を移動させた後、位置決め用グリッパ34で樹脂製シート25を挟持することにより、この樹脂製シート25を上型10と下型9とが対向する領域内に配置する(搬送工程)。
ここで、支持ローラ33及び位置決め用グリッパ34を降下させることにより樹脂製シート25を下型9の下型用転写プレート14上に載置する。また、プレス装置31を駆動して上型10を降下させ、上型用転写プレート20の転写面を当接させる。このとき、プレス装置31によって作用させる圧力は小さく抑え、樹脂製シート25を金型間に軽く挟んだ状態とする。これにより、樹脂製シート25は加熱され、その表層部分に含有される水分が除去される(プレヒート工程)。
転写成形装置2で転写成形された樹脂製シート25を、さらに下流側へと搬送し、フィルム貼着装置3にて上下面に保護フィルム39を貼着する。保護フィルム39は、半製品プレート46が他の部材に衝突する等により傷が付いたりして損傷するのを防止し、かつ、周囲の埃等が付着して不具合を発生させるのを防止する。保護フィルム39は、半製品プレート46が後の加工を経て導光板となった後、液晶パネルを組み付ける際に剥がされる。
両面に保護フィルム39を貼着された樹脂製シート25を、さらに下流側へと搬送し、裁断装置4にて搬送方向に半製品プレート単位で切断して短冊状とする。半製品プレート46は、厚肉部26とその反対側の端面(切削面)に外形加工工程での削り代を有する。このとき、半製品プレート46の切削面には、後述する第1切削工具48aによる切削方向側の角部にテーパ面46aを形成する。ここでは、テーパ面46aは、切削面に対して約3°の角度を有し、削り代を切削した後にテーパ部分が残るように形成されている。
裁断工程で得られた半製品プレート46を、厚肉部26が交互に反対側に位置するようにして都合8枚積層する。そして、積層状態の半製品プレート46の上下面にダミープレート47をそれぞれ配置する。
図6では、上型用転写プレート20を給気ダクト36から吹き付ける空気による空冷方式に代えて、冷却プレート50を直接接触させて冷却する直接冷却方式を採用している。
図7A(d)に示すように、上型用転写プレート20の上面に冷却プレート50の下面を当接させ、冷却プレート50及び補助断熱プレート51を、上型用転写プレート20と上型用中間プレート18の間に挟持する。図8に示すように、このときの加圧力は、樹脂製シート25から気泡(ボイド)を消失させることができるように高圧(加熱・加圧時よりは低圧)とする(例えば、直径約0.4mmの気泡を直径約0.1mmとすることができるように、ボイルシャルルの法則により加圧力を0.8MPa以上とする。
続いて、樹脂製シート25の温度が、その融点以下(例えば、200℃)まで低下してくれば(ここでは、時間で管理し、第1冷却工程の開始から第1設定時間経過した時点)、加圧力を一気に低下させる(例えば、加圧力を0.1MPaとする)。図7B(a)に示すように、樹脂製シート25の弾性率は温度低下に伴って大きくなり、弾性変形しにくくなり、ガラス転移温度である約150℃で固化して流動性を消失する。このため、図7B(b)に示すように、樹脂製シート25は約150℃まで温度低下した際、金型によって加圧力を付与されたままの状態であると、残留応力が発生する。実際には、約200℃からゴム状の弾性体となり残留応力が発生する。そこで、本実施形態では、樹脂製シート25の温度が約200℃まで低下すれば、加圧力を低下させることにより残留応力を除去するようにしている。
その後、さらに樹脂製シート25の温度が、そのガラス転移温度以下(例えば、150℃)まで低下してくれば(ここでは、時間で管理し、第2冷却工程の開始から第2設定時間経過した時点)、加圧力を再び上昇させる(例えば、加圧力を0.5MPa以上とする)。樹脂製シート25を上面側から冷却しているので、その温度分布がばらつくことが避けられない。樹脂製シート25の上面側が先にガラス転移温度以下まで低下して固化した時点で、下面側がそこまで温度低下していないことがある。この場合、樹脂製シート25の下面側での熱収縮に固化した上面側が追従せず、下面が中央部で盛り上がった湾曲形状のソリが発生する。しかしながら、再度加圧力を上昇させることにより強制的に収縮応力を打ち消すことができる。
第3実施形態では、図9及び図10に示すように、上型用転写プレート20の上面側からだけではなくて、下型用転写プレート14の下面側からも冷却することにより、樹脂製シート25を上下から冷却する冷却機構を備えている。
すなわち、前記第1及び2実施形態と同様にして、図9(a)に示すように、プレヒート工程及び転写成形工程が終了すれば、図9(b)に示すように、上型用転写プレート20を樹脂製シート25の上面に当接させた状態を維持しつつ、上型10を上昇させる。そして、図9(c)に示すように、下型用転写プレート14を樹脂製シート25の下面に当接させた状態を維持しつつ、下型9の他の部分を水平方向の退避位置へと移動させる。また、上下方向に対向して配置した上型用転写プレート20と下型用転写プレート14を水平方向に移動させ、上型用転写プレート20及び下型用転写プレート14を上下面に当接させた樹脂製シート25の上下に配置する。この状態で、図9(d)に示すように、上型10を降下させ、上型用転写プレート20及び下型用転写プレート14を上下面に当接させた樹脂製シート25を、第1冷却プレート及び第2冷却プレートによって挟持する。そして、加圧することにより樹脂製シート25の冷却工程を開始する。
なお、本発明は、前記実施形態に記載された構成に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
P0×V0/T0=P1×V1/T1…(1)
(1)式に以下の値を代入する。
P0=101325Pa(大気圧)
V0=3.35×10−11m3(直径0.4mmの気泡の体積)
T0=240℃=513K
V1=5.23×10−13m3(直径0.1mmの気泡の体積)
T1=190℃=463K
以上により、P1=5.85MPaが得られる。
したがって、加圧力を5.85MPa以上とすることにより、直径0.4mmの気泡を直径0.1mm以下に圧縮することが可能となる。
すなわち、P2=E×α
E(弾性係数)=2.45GPa
α(ポリカーボネートの線膨張係数)=7×10−5
したがって、P2=3.4MPaとなり、この値以上の加圧力(例えば、6.2MPa)を付与すれば、冷却に伴う樹脂製シート25の収縮応力による変形を防止することが可能となる。
2…転写成形装置
3…フィルム貼着装置
4…裁断装置
5…外形加工装置
6…メインローラ
7…ローラ
8…巻取ローラ
9…下型
10…上型
11…下型用支持プレート
12…下型用中間プレート
13…下型用断熱プレート
14…下型用転写プレート
15…ヒータ
16…マイクロメータ
17…上型用支持プレート
18…上型用中間プレート
19…上型用断熱プレート
20…上型用転写プレート
21…保持プレート
22…ヒータ
23…凹所
24…円弧状領域
25…樹脂製シート
26…厚肉部
27…溝部
28…開口部
29…軟X線照射装置
30…ロッド
31…プレス装置
32…エア供給装置
33…支持ローラ
34…位置決め用グリッパ
35…搬送用グリッパ
36…給気ダクト
37…排気ダクト
38…粘着ローラ
39…保護フィルム
40…治具
41…切削部材
42…溝状部
43…取付凹部
44…クランプ部材
45…クランププレート
46…半製品プレート
47…ダミープレート
48…切削工具
49…切刃
50…冷却プレート
51…補助断熱プレート
Claims (3)
- 第1金型と、
前記第1金型に対して相対的に接離可能な第2金型と、
前記金型の少なくともいずれか一方に設けられる加熱手段と、
前記金型の少なくともいずれか一方に設けられ、前記金型に対して相対的に分離移動可能であり、前記金型間に供給される樹脂製シートに転写面を当接させて転写成形を行う転写部材と、
前記金型と前記転写部材を相対的に移動可能とする機構と、
を備えたことを特徴とする金型構造。 - 前記請求項1に記載の金型構造を備えたことを特徴とする転写成形装置。
- 対向して配置した第1金型と第2金型の間に樹脂製シートを挿入する挿入工程と、
前記両金型間に、少なくともいずれか一方の面に転写部材の転写面を当接させた状態で樹脂製シートを挟持する挟持工程と、
前記金型の少なくともいずれか一方を加熱することにより、前記樹脂製シートに転写成形する転写成形工程と、
前記金型を開放した後、前記金型から前記転写部材を分離移動させる開放工程と、
前記金型から分離移動した転写部材を冷却する冷却工程と、
を有することを特徴とする転写成形方法。
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