JP2014090224A - 受信装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】フェージング環境下において、既知のプリアンブルがデータよりも短いパケット信号を受信する際の特性の向上する技術を提供する。
【解決手段】受信処理部24は、パケット信号を複数のアンテナにて受信する。ウエイトベクトル導出部42は、複数のアンテナにて受信したパケット信号に対するウエイトベクトルを導出する。ウエイトベクトル導出部42は、RLSアルゴリズムにてウエイトベクトルを更新しており、パケット信号の途中においてRLSアルゴリズム中の相関逆行列をリセットする。乗算部40、合成部44は、導出したウエイトベクトルを使用して、複数のアンテナにて受信したパケット信号を合成する。
【選択図】図4

Description

本発明は、受信技術に関し、特にパケット信号を受信する受信装置に関する。
交差点の出会い頭の衝突事故を防止するために、路車間通信の検討がなされている。路車間通信では、路側機と車載器との間において交差点の状況に関する情報が通信される。路車間通信では、路側機の設置が必要になり、手間と費用が大きくなる。これに対して、車車間通信、つまり車載器間で情報を通信する形態であれば、路側機の設置が不要になる。その場合、例えば、GPS(Global Positioning System)等によって現在の位置情報をリアルタイムに検出し、その位置情報を車載器同士で交換しあうことによって、自車両および他車両がそれぞれ交差点へ進入するどの道路に位置するかを判断する(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−202913号公報
IEEE802.11等の規格に準拠した無線LAN(Local Area Network)では、CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance)と呼ばれるアクセス制御機能が使用されている。そのため、当該無線LANでは、複数の端末装置によって同一の無線チャネルが共有される。このようなCSMA/CAでは、キャリアセンスによって他のパケット信号が送信されていないことを確認した後に、パケット信号が送信される。一方、ITS(Intelligent Transport Systems)のような車車間通信に無線LANを適用する場合、不特定多数の端末装置へ情報を送信する必要があるために、信号はブロードキャストにて送信されることが望ましい。
このようなITSにおいて、受信特性を向上するために、アダプティブアレイアンテナを適用することが望ましい。しかしながら、アダプティブアレイアンテナを適用する場合に、例えば、次のような課題が挙げられる。IEEE802.11等の規格に準拠した無線LANのパケット信号のフォーマットでは、既知のプリアンブルとして、STF、LTFが先頭部分に配置される。また、これらに続く、シグナル、データでは、既知のパイロット信号が一部のサブキャリアに配置される。そのため、アダプティブアレイアンテナにて使用される初期のウエイトベクトルは、LTFの間において収束させる必要がある。つまり、既知のプリアンブルのシンボル数が少ないような状況下において、初期のウエイトベクトルの収束が必要とされる。
また、既知のプリアンブルのシンボル数が少ない場合、周波数オフセットも十分に補正されないおそれがある。そのため、周波数オフセットを正確に補正することが必要とされる。さらに、車両の移動によって、一般的に、伝送路特性の変動が高速に生じる。これによって、伝送路特性に適したウエイトベクトルも高速に変動する。そのため、ウエイトベクトルには、過去の伝送路特性の影響を低減することが必要とされる。このように、既知のプリアンブルがデータよりも短いパケット信号を受信する際の特性の向上が求められる。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、フェージング環境下において、既知のプリアンブルがデータよりも短いパケット信号を受信する際の特性の向上する技術を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の受信装置は、パケット信号を複数のアンテナにて受信する受信部と、受信部が複数のアンテナにて受信したパケット信号に対するウエイトベクトルを導出する導出部と、導出部において導出したウエイトベクトルを使用して、受信部が複数のアンテナにて受信したパケット信号を合成する合成部とを備える。導出部は、RLSアルゴリズムにてウエイトベクトルを更新しており、パケット信号の途中においてRLSアルゴリズム中の相関逆行列をリセットする。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、フェージング環境下において、既知のプリアンブルがデータよりも短いパケット信号を受信する際の特性を向上できる。
本発明の実施例に係る通信システムの構成を示す図である。 図1の車両に搭載された無線装置の構成を示す図である。 図1の通信システムにおいて規定されるパケット信号のフォーマットを示す図である。 図3の無線装置における受信処理部の構成を示す図である。 図4の第1FFT前AFCの構成を示す図である。 図4のサブキャリア間回転補正部の動作概要を示す図である。 図4のウエイトベクトル導出部の動作概要を示す図である。 図4の位相推定部の動作概要を示す図である。 図4のウエイトベクトル導出部の別の動作概要を示す図である。 図4の受信処理部による初期のウエイトベクトルの導出手順を示すフローチャートである。 図4の受信処理部によるウエイトベクトルの更新手順を示すフローチャートである。
本発明を具体的に説明する前に、概要を述べる。本発明の実施例は、車両に搭載された端末装置間において車車間通信を実行するとともに、交差点等に設置された基地局装置から端末装置へ路車間通信も実行する通信システムに関する。当該通信システムは、ITSに相当する。車車間通信として、端末装置は、車両の速度や位置等の情報を格納したパケット信号をブロードキャスト送信する。また、他の端末装置は、パケット信号を受信するとともに、これらの情報をもとに車両の接近等を認識する。さらに、基地局装置は、渋滞情報や工事情報を格納したパケット信号をブロードキャスト送信する。端末装置は、パケット信号を受信するとともに、情報をもとに渋滞の発生や工事区間を認識する。
通信システムにて使用されるパケット信号のフォーマットは、無線LANと類似しており、先頭部分にSTFが配置され、それに続いてLTF(Long Training Field)が配置される。なお、LTFは、ふたつのOFDMシンボルを含み、ここでは、前の方をLTF1といい、後ろの方をLTF2という。無線LANでは、一般的に、受信したパケット信号とSTFとの相関処理がなされ、相関値のピークがしきい値よりも大きくなった場合に、タイミング同期が確立したとされている。また、LTFをもとに伝送路特性が推定され、推定した伝送路特性が復調に使用される。端末装置や基地局装置に複数のアンテナが備えられ、かつアダプティブアレイ信号処理が実行される場合、LTFをもとにウエイトベクトルの初期値が導出される。前述のごとく、LTFは、ふたつのOFDMシンボルを含んでいるので、各サブキャリアに対するウエイトベクトルの初期値はふたつのOFDMシンボルで推定されなければならない。ウエイトベクトルを導出するために、例えば、RLSアルゴリズムが使用される。受信特性を向上するためには、LTFのOFDMシンボル数が少なくても、ウエイトベクトルの初期値の導出精度向上が望まれる。
また、ITSのようなフェージング環境下では、伝送路に適したウエイトベクトルも変動する。そのため、LTF終了後のデータ期間でもウエイトベクトルの更新が必要となる。一方、LTF期間においてRLSアルゴリズムを使用する場合よりも、データ期間においてRLSアルゴリズムを使用する場合は、誤差の影響を受けやすくなり、ウエイトベクトルの精度が悪化する傾向にある。そのため、データ期間においてRLSアルゴリズムを使用する場合に、誤差の影響の低減が望まれる。さらに、周波数オフセットの影響を低減するために、STF、LTFのような既知信号が使用される。周波数オフセットの推定精度を向上するために、既知信号以外の信号の使用が望まれる。これらに対応するために、本実施例に係る受信装置は、次の処理を実行する。
受信装置の処理は、STF、LTFの期間においてなされる初期設定処理と、それらに続く期間においてなされる追従処理とに分類される。初期設定処理では、複数のアンテナにおいて受信したパケット信号をもとに、OFDM信号全体に対する周波数オフセットが推定されるとともに、サブキャリア間の周波数オフセットも推定される。また、これらの推定された周波数オフセットによる補正がなされる。受信装置は、RLSアルゴリズムによって、複数のアンテナにおいて受信したパケット信号をアレイ合成する際に使用すべきウエイトベクトルの初期値を導出する。RLSアルゴリズムは、2OFDMシンボルのLTFに対してサブキャリア単位に適用される。受信装置は、所定のサブキャリアに対するウエイトベクトルを導出する際に、当該サブキャリアの信号と、当該サブキャリアに隣接したサブキャリアの信号を使用する。例えば、LTF1とLTF2における当該サブキャリアの信号に加えて、LTF1における隣接したふたつのサブキャリアの信号も使用される場合、LTFは2OFDMシンボルながら、4つのLTFが使用可能になる。このような処理は、サブキャリア間の周波数オフセットが補正されることによって、各サブキャリアに対する残留周波数オフセットが均一になっているために可能になる。
受信装置は、アレイ合成後の信号に残った周波数オフセット(以下、「残留周波数オフセット」という)をOFDM信号全体で推定する。当該推定は、ふたつのLTFに加えて、LTF2の後段に配置されたシグナルまで延長することによってなされる。シグナルは、LTFと異なって既知の信号ではない。しかしながら、シグナルの変調多値数は、データの変調多値数以下である。その結果、シグナルの誤り率は、データの誤り率よりも低い。そのため、受信装置は、アレイ合成後のシグナルを判定して、残留オフセットの推定に使用する。追従処理では、データ区間においてもRLSアルゴリズムを実行することによって、ウエイトベクトルを更新する。RLSアルゴリズムでは、受信したデータに対する相関逆行列を計算する。相関逆行列は、漸化式によって定義されるので、時間の経過とともに誤差が積算されていく。このような誤差の影響を低減するために、受信装置は、データの途中であっても、定期的に相関逆行列をリセットする。一方、ウエイトベクトルはリセットされない。
図1は、本発明の実施例に係る通信システム100の構成を示す。これは、ひとつの交差点を上方から見た場合に相当する。通信システム100は、基地局装置10、車両12と総称される第1車両12a、第2車両12b、第3車両12c、第4車両12d、第5車両12e、第6車両12f、第7車両12g、第8車両12h、ネットワーク202を含む。なお、各車両12には、図示しない端末装置が搭載されている。また、エリア212が、基地局装置10の周囲に形成され、エリア212の外側がエリア外214である。
図示のごとく、図面の水平方向、つまり左右の方向に向かう道路と、図面の垂直方向、つまり上下の方向に向かう道路とが中心部分で交差している。ここで、図面の上側が方角の「北」に相当し、左側が方角の「西」に相当し、下側が方角の「南」に相当し、右側が方角の「東」に相当する。また、ふたつの道路の交差部分が「交差点」である。第1車両12a、第2車両12bが、左から右へ向かって進んでおり、第3車両12c、第4車両12dが、右から左へ向かって進んでいる。また、第5車両12e、第6車両12fが、上から下へ向かって進んでおり、第7車両12g、第8車両12hが、下から上へ向かって進んでいる。
通信システム100は、交差点に基地局装置10を配置する。基地局装置10は、ネットワーク202から、渋滞情報や工事情報を受けつける。基地局装置10は、渋滞情報や工事情報が格納されたパケット信号を生成し、パケット信号を報知する。ここで、報知は、基地局装置10によって形成されたエリア212内に存在する端末装置に対してなされる。車両12に搭載された端末装置は、基地局装置10からのパケット信号を受信すると、パケット信号に格納された渋滞情報や工事情報を抽出する。端末装置は、抽出した渋滞情報や工事情報を運転者へ通知する。通知は、例えば、モニタへの表示によってなされる。端末装置は、GPS等によって存在位置に関する情報を取得し、存在位置に関する情報が格納されたパケット信号を生成する。端末装置は、CSMA/CAによってパケット信号を報知する。端末装置は、他の端末装置からのパケット信号を受信すると、他の端末装置が搭載された車両12の接近を運転者へ通知する。
図2は、車両12に搭載された無線装置14の構成を示す。無線装置14は、RF部20と総称される第1RF部20a、第2RF部20b、送信処理部22、受信処理部24、制御部26を含む。無線装置14は、図1の車両12に搭載された端末装置に相当するが、図1の基地局装置10に相当してもよい。以下では、端末装置と基地局装置10とを総称して「無線装置14」という場合もあれば、端末装置あるいは基地局装置10を「無線装置14」という場合もあるが、これらを明示しないものとする。
RF部20は、アンテナと1対1で接続される。図示しない他の無線装置14からのパケット信号をアンテナにて受信する。RF部20は、受信処理として、受信した無線周波数のパケット信号に対して周波数変換を実行し、ベースバンドのパケット信号を生成する。さらに、RF部20は、ベースバンドのパケット信号を受信処理部24に出力する。一般的に、ベースバンドのパケット信号は、同相成分と直交成分によって形成されるので、ふたつの信号線が示されるべきであるが、ここでは、図を明瞭にするためにひとつの信号線だけを示すものとする。RF部20には、LNA(Low Noise Amplifier)、ミキサ、AGC、A/D変換部も含まれる。
RF部20は、送信処理として、送信処理部22から入力したベースバンドのパケット信号に対して周波数変換を実行し、無線周波数のパケット信号を生成する。さらに、RF部20は、路車送信期間において、無線周波数のパケット信号をアンテナから送信する。また、RF部20には、PA(Power Amplifier)、ミキサ、D/A変換部も含まれる。なお、ふたつのRF部20からパケット信号が送信されてもよいし、ひとつのRF部20からパケット信号が送信されてもよい。ここでは、説明を明瞭にするために後者であるとする。
送信処理部22は、図示しない図示しないGPS受信機、ジャイロスコープ、車速センサ等を含んでおり、それらから供給されるデータによって、図示しない車両12、つまり無線装置14が搭載された車両12の存在位置、進行方向、移動速度等(以下、これも「存在位置」と総称する)を取得する。なお、存在位置は、緯度・経度によって示される。これらの取得には公知の技術が使用されればよいので、ここでは説明を省略する。送信処理部22は、存在位置を格納したパケット信号を生成する。
送信処理部22は、生成したパケット信号に対して、変調を実行する。さらに、送信処理部22は、変調した結果をベースバンドのパケット信号としてRF部20に出力する。前述のごとく、ひとつのRF部20が送信に使用されるので、送信処理部22は、当該ひとつのRF部20へパケット信号を出力する。ここで、通信システム100は、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)変調方式に対応するので、送信処理部22は、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform)も実行する。
ここでは、送信処理部22における変調処理、後述の受信処理部24における復調処理の対象とされるパケット信号のフォーマットを説明する。図3は、通信システム100において規定されるパケット信号のフォーマットを示す。図示のごとく、STFが先頭に配置されるとともに、STFに続いてGI2、LTF1、LTF2、SIG、データが配置されている。ここで、STFは、160サンプルの信号であり、16サンプルの信号パターンが10回繰り返されている。つまり、STFでは、後述のLTF1の期間よりも短い期間の信号パターンが10回繰り返されている。LTF1とLTF2とは、64サンプルで同一期間であり、信号パターンも同一である。GI2は、LTF1あるいはLTF2に対するガードインターバルであり、32サンプルである。また、GI2、LTF1、LTF2とによってLTFが形成されている。なお、LTF1、LTF2とによってLTFが形成されているとしてもよい。SIGは、制御信号であり、80サンプルである。80サンプルには、16サンプルのガードインターバルが含まれている。SIGは、前述のシグナルに相当する。図2に戻る。
受信処理部24は、各RF部20からのベースバンドのパケット信号を受けつける。受信処理部24は、各RF部20からのベースバンドのパケット信号に対してアダプティブアレイ信号処理を実行することによって、パケット信号を合成する。これらの処理の詳細は後述する。受信処理部24は、合成したパケット信号に対して、復調を実行する。その際、受信処理部24は、FFT(Fast Fourier Transform)も実行する。受信処理部24は、復調結果の内容に応じた処理を実行する。例えば、復調結果の内容が、他の無線装置14を搭載した車両12の存在位置に関する情報である場合、受信処理部24は、図示しない他の車両12の接近等を運転者へモニタやスピーカを介して通知する。また、復調結果の内容が渋滞情報や工事情報であれば、それらを運転者へモニタやスピーカを介して通知する。制御部26は、無線装置14の動作タイミングを制御する。
この構成は、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウエア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
図4は、無線装置14における受信処理部24の構成を示す。受信処理部24は、FFT前AFC32と総称される第1FFT前AFC32a、第2FFT前AFC32b、FFT34と総称される第1FFT34a、第2FFT34b、サブキャリア間回転補正部36と総称される第1サブキャリア間回転補正部36a、第2サブキャリア間回転補正部36b、位相補正部38と総称される第1位相補正部38a、第2位相補正部38b、乗算部40と総称される第1乗算部40a、第2乗算部40b、ウエイトベクトル導出部42、合成部44、位相推定部46を含む。なお、図4では、受信処理部24においてなされる処理のうち、物理レイヤの処理を中心に示している。上位レイヤの処理については、説明を省略する。
ここでは、まず初期設定処理を説明し、それに続いて追従処理を説明する。初期設定処理において、FFT前AFC32は、図示しないふたつのRF部20のそれぞれから、パケット信号を入力する。パケット信号のフォーマットは、図2に示したとおりであり、プリアンブルとしてのSTF、LTF、制御信号としてのシグナル、データが順に配置されている。また、パケット信号は、複数のサブキャリアが含まれたマルチキャリア信号でもある。さらに、データを構成している複数のサブキャリアのうち、一部のサブキャリアにはパイロット信号が配置されている。ここで、パケット信号のうち、プリアンブルとしてのSTF、LTFおよびパイロット信号は既知の信号である。また、シグナルの変調方式はBPSKで固定であり、データの変調方式はBPSK、QPSK、16QAMで可変である。つまり、シグナルの変調多値数はデータの変調多値数以下である。
FFT前AFC32は、LTF1、LTF2をもとに、マルチキャリア信号全体に対する周波数オフセットを補正する。図5は、第1FFT前AFC32aの構成を示す。第1FFT前AFC32aは、第1遅延部50、位相差導出部52、出力部54、第2遅延部56は、乗算部58を含む。なお、第2FFT前AFC32bも図5と同様に構成される。第1遅延部50は、パケット信号を入力し、LTF1の期間、つまり64サンプルにわたってパケット信号を遅延させる。第1遅延部50は、遅延させたパケット信号を位相差導出部52へ出力する。
位相差導出部52は、第1遅延部50からの遅延したパケット信号を入力するとともに、遅延させていないパケット信号も入力する。位相差導出部52は、遅延したパケット信号と遅延させていないパケット信号との間の位相差をサンプル単位に導出する。前述のごとく、遅延したパケット信号は、遅延させていないパケット信号よりも64サンプル遅延しているので、遅延したパケット信号がLTF1であるときに、遅延させていないパケット信号はLTF2になる。送信時において両者は同一であるので、これらの位相差は、64サンプル経過することによって生じる回転量に相当する。位相差導出部52は、位相差を出力部54に順次出力する。
出力部54は、位相差導出部52からの位相差を順次入力する。出力部54は、位相差をLTFの期間にわたって平均することによって、64サンプルでの位相差の平均値を導出する。出力部54は、平均値を64で除算することによって1サンプルでの回転量を導出する。以上の処理は、LTFの終了時に1回だけなされる。また、出力部54は、1サンプルでの回転量を逆回転で積算していくことによって、1サンプル経過するごとに、1サンプルでの回転量だけ逆回転するような波形(以下、「初期補正信号」という)を生成する。出力部54は、初期補正信号を乗算部58へ出力する。
第2遅延部56は、パケット信号を入力する。第2遅延部56は、第1遅延部50、第2遅延部56、出力部54の処理遅延に応じて期間にわたってパケット信号を遅延させる。第2遅延部56は、遅延させたパケット信号(以下、これも「パケット信号」という)を乗算部58へ出力する。乗算部58は、第2遅延部56からのパケット信号を入力するとともに、出力部54からの初期補正信号を入力し、両者を乗算する。これは、初期補正信号によってパケット信号の位相を回転させることに相当する。乗算部58での乗算は、パケット信号全体にわたって継続してなされる。つまり、追従処理でも、乗算が継続される。乗算部58は、乗算結果、つまり初期の周波数オフセット補正がなされたパケット信号(以下、これも「パケット信号」という)を図示しないFFT34に出力する。図4に戻る。
FFT34は、FFT前AFC32からのパケット信号を入力する。FFT34は、パケット信号に対してFFTを実行することによって、時間領域のマルチキャリア信号を周波数領域のマルチキャリア信号に変換する。FFT34は、周波数領域のマルチキャリア信号に変換されたパケット信号をサブキャリア間回転補正部36へ出力する。なお、FFT34は、追従処理でも同様の処理を実行する。サブキャリア間回転補正部36は、FFT34からのパケット信号を入力する。これは、FFT前AFC32において初期の周波数オフセットを補正したマルチキャリア信号に相当する。サブキャリア間回転補正部36は、LTFの期間においてサブキャリア間の周波数オフセットを導出し、導出した周波数オフセットによって、マルチキャリア信号に対するサブキャリア間の周波数オフセットを補正する。ここでは、サブキャリア間回転補正部36の処理を説明する前に、サブキャリア間の周波数オフセットについて説明する。本実施例においては説明を省略したが、実際には、FFT34においてFFTを実行するためのウインドウが設定される。
この設定は、受信したパケット信号をもとになされるので、誤差を含むことがある。つまり、最適なタイミングから時間Tだけずれることがある。時間Tずれることによって位相回転が生じるが、サブキャリアごとに周波数が異なるので、サブキャリアごとに位相回転量が異なる。その結果、サブキャリア単位に異なった位相回転量によって位相が回転する。これが、サブキャリア間の周波数オフセットである。サブキャリア間の周波数オフセットが存在すると、サブキャリア間の相関が小さくなるので、サブキャリアをまたがった処理によって特性が悪化する。詳細は後述するが、本実施例では、サブキャリアをまたがった処理を実行するので、サブキャリア間の相関を大きくするために、サブキャリア間の周波数オフセットの補正が実行される。
図6は、サブキャリア間回転補正部36の動作概要を示す。これは、LTF1とLTF2におけるマルチキャリア信号に相当する。縦軸が周波数を示しており、各サブキャリアの周波数が、f、f、f、・・・、f52、f53のように示されている。なお、周波数は、fが最も低く、f53が最も高いものとする。サブキャリア間回転補正部36は、LTF1とLTF2との間の位相差をサブキャリアごとに導出する。また、隣接したサブキャリア間において位相差を減算することによって、サブキャリア間の周波数の差異を導出する。これは、図6において、Δf、Δf、Δf、・・・、Δf51と示される。サブキャリア間回転補正部36は、これらの差異の平均値Δfを導出する。これがサブキャリア間の周波数オフセットであり、初期設定処理によって導出され、固定される。
サブキャリア間回転補正部36は、周波数fのサブキャリアに対して補正を実行しない。最も周波数の低いサブキャリアを基準にするためである。サブキャリア間回転補正部36は、周波数fのサブキャリアに対して−Δfによる補正を実行する。また、サブキャリア間回転補正部36は、周波数fのサブキャリアに対して−2Δfによる補正を実行する。つまり、サブキャリア間回転補正部36は、サブキャリアの周波数が増加するにつれて、−Δfずつ加算させた周波数による補正を実行する。これは、サブキャリアごとに異なった回転量による補正がなされることに相当する。なお、サブキャリア間回転補正部36は、追従処理においても、Δfをもとにした補正を同様に実行する。図4に戻る。サブキャリア間回転補正部36は、サブキャリア間の周波数オフセットを補正したマルチキャリア信号であるパケット信号(以下、これも「パケット信号」という)を位相補正部38に出力する。
位相補正部38は、残留した周波数オフセットを補正するが、初期設定処理においては補正を実行せず、乗算部40およびウエイトベクトル導出部42へパケット信号をそのまま出力する。ウエイトベクトル導出部42は、ふたつの位相補正部38のそれぞれからパケット信号を受けつける。ウエイトベクトル導出部42は、RLSアルゴリズムにてウエイトベクトルをサブキャリア単位に導出する。このようなウエイトベクトルは、複数のアンテナにて受信したマルチキャリア信号に対するウエイトベクトルといえる。ウエイトベクトル導出部42は、ウエイトベクトルを導出するために、LTF1とLTF2とを使用する。
RLSを実行する前に、ウエイトベクトル導出部42は、RLSアルゴリズムの実行パターンを決定する。ウエイトベクトル導出部42は、サブキャリアの受信電力Powをサブキャリア単位に計算する。ここで、受信電力Powは、次のように、LTF1での受信電力とLTF2での受信電力のうち、大きい方とされる。
Figure 2014090224
ウエイトベクトル導出部42は、受信電力Powがしきい値以上であり、かつ隣接サブキャリアが存在するかをサブキャリア単位に判定する。このような条件を満たすサブキャリアに対して、ウエイトベクトル導出部42は、RLSアルゴリズムの実行パターンとしてパターン1を選択する。一方、このような条件を満たさないサブキャリア、つまり受信電力がしきい値よりも低いか、あるいは隣接サブキャリアが存在しないサブキャリアに対して、ウエイトベクトル導出部42は、パターン2を選択する。
ここでは、パターン1とパターン2を説明するために図7を使用する。図7は、ウエイトベクトル導出部42の動作概要を示す。それぞれにおいて縦方向に3つの四角が並べられ、そのうちの中央の四角の右側にひとつの四角が並べられた図形が示されている。ひとつの四角は、ひとつのサブキャリアにおけるひとつのOFDMシンボルを示しており、図6と同様である。また、左側の3つの四角がLTF1に相当し、右側のひとつの四角がLTF2に相当する。さらに、左側の3つの四角のうち、中央の四角が、着目しているサブキャリアに相当する。パターン1では、LTF1を読み込んだ後、「1」と示したように、着目しているサブキャリアのLTF1に対してRLSアルゴリズムが実行される。また、これに続いて、「2」と示したように、着目しているサブキャリアの低周波数側のサブキャリアのLTF1に対してRLSアルゴリズムが実行される。
さらに、「3」と示したように、着目しているサブキャリアの高周波数側のサブキャリアのLTF1に対してRLSアルゴリズムが実行される。パターン1でのLTF2の読み込み後、「4」と示したように、着目しているサブキャリアのLTF1に対してRLSアルゴリズムが実行される。これは、「1」の場合と同一である。さらに、「5」と示したように、着目しているサブキャリアのLTF2に対してRLSアルゴリズムが実行される。つまり、パターン1において、ウエイトベクトル導出部42は、所定のサブキャリアに対するウエイトベクトルを導出する際に、当該サブキャリアの信号に加えて、当該サブキャリア以外のサブキャリアの信号も使用する。これは、RLSアルゴリズムに使用するOFDMシンボル数を擬似的に増加させ、雑音の影響を低減するためである。
パターン2では、LTF1を読み込んだ後、「1」と示したように、着目しているサブキャリアのLTF1に対してRLSアルゴリズムが実行される。また、LTF2の読み込み後、着目しているサブキャリアのLTF2に対してRLSアルゴリズムが実行される。さらに、「3」と「4」と示されたように、「1」と「2」とが繰り返し実行される。つまり、パターン2において、所定のサブキャリアに対するウエイトベクトルを導出する際に、当該サブキャリア以外のサブキャリアの信号を使用せず、当該サブキャリアの信号のみを使用する。これは、当該サブキャリアの受信電力が小さいために、隣接サブキャリアを使用すると、隣接サブキャリアの影響が大きくなってしまうからである。図4に戻る。
ウエイトベクトル導出部42は、相関逆行列に対して初期値P(0)を設定し、ウエイトベクトルに対して初期値W(0)を設定する。ここで、初期値P(0)は次のように示される。
Figure 2014090224
また、ウエイトベクトル導出部42は、パターンに応じたX(t)、d(t)を取得する。ここで、X(t)は受信信号ベクトルを示し、d(t)は参照信号を示す。参照信号は、前述のLTF1やLTF2に相当する。ウエイトベクトル導出部42は、中間生成ベクトルTを次のように導出する。
Figure 2014090224
ウエイトベクトル導出部42は、カルマンゲインベクトルKを次のように導出する。
Figure 2014090224
ウエイトベクトル導出部42は、相関逆行列P(t)を次のように更新する。
Figure 2014090224
ウエイトベクトル導出部42は、誤差ベクトルe(t)を次のように導出する。
Figure 2014090224
ウエイトベクトル導出部42は、ウエイトベクトルW(t)を次のように導出する。
Figure 2014090224
以上の処理は、パターン1あるいはパターン2に応じて繰り返し実行される。繰り返し処理の終了後、ウエイトベクトル導出部42は、ウエイトベクトルの初期値を次のように導出する。このような処理は、前述のごとく、サブキャリア単位になされる。
Figure 2014090224
ウエイトベクトル導出部42は、ウエイトベクトルの初期値を乗算部40に出力する。以下では、サブキャリア単位のウエイトベクトル、そのようなウエイトベクトルを複数のサブキャリアについてまとめたものを区別せずにウエイトベクトルという。
乗算部40は、位相補正部38からのパケット信号を受けつけるとともに、ウエイトベクトル導出部42からのウエイトベクトルの初期値を受けつける。乗算部40は、ウエイトベクトルの初期値をパケット信号に乗算する。当該乗算は、サブキャリア単位になされる。乗算部40は、乗算結果を合成部44に出力する。合成部44は、乗算部40からの乗算結果、つまり複数のアンテナのそれぞれに対応した乗算結果をサブキャリア単位に合成する。乗算部40および合成部44の処理が、ウエイトベクトルを使用したアレイ合成に相当する。なお、LTFもアレイ合成するために、乗算部40は、ウエイトベクトル導出部42から、ウエイトベクトルの初期値が出力されるまで、位相補正部38からのパケット信号を遅延させてもよい。追従処理では、ウエイトベクトル導出部42から、更新されたウエイトベクトルが出力されるが、乗算部40および合成部44は、更新されたウエイトベクトルを使用してアレイ合成を実行する。合成部44は、アレイ合成の結果(以下、これも「パケット信号」という)を位相推定部46に出力するとともに、図示しない上位レイヤの処理へも出力する。
位相推定部46は、合成部44からのパケット信号を受けつける。位相推定部46は、FFT前AFC32およびサブキャリア間回転補正部36において既に周波数オフセットを補正したパケット信号に残留した周波数オフセット(以下、「残留周波数オフセット」という)を推定する。具体的に説明すると、位相推定部46は、受けつけたパケット信号のうちのLTFの部分と、既知のLTFとの差分をもとに残留周波数オフセットを推定する。さらに、さらに、位相推定部46は、LTFに加えて、受けつけたパケット信号のうち、シグナルの判定結果も使用して、残留周波数オフセットを推定する。このシグナルの判定結果は、アレイ合成されたパケット信号にもとづくので、誤り率が改善されている。
図8は、位相推定部46の動作概要を示す。図8は、図6と同様に示されるが、シグナルである「SIG」が追加されている。矢印で示された期間は、残留周波数オフセットを導出するための期間に相当する。図示のごとく、残留周波数オフセットは、サブキャリア単位に導出される。位相推定部46は、パケット信号のLTFに相当する部分と、予め記憶したLTFの値とによって、当該部分における位相を導出する。また、位相推定部46は、パケット信号のシグナルに相当する部分と、シグナルの判定結果とによって、当該部分における位相を導出する。位相推定部46は、これらの位相の差を導出し、かつ複数のサブキャリアにおける位相の差を平均することによって、残留周波数オフセットを導出する。図4に戻る。位相推定部46は、出力部54と同様に、残留周波数オフセットをもとに、逆回転するような波形(以下、「残留補正信号」という)を生成し、残留補正信号による補正を位相補正部38に指示する。なお、ふたつの位相補正部38に対して、同一の波形による補正が指示される。前述のごとく、位相補正部38における補正は、初期設定処理の間においてなされない。
FFT前AFC32における周波数オフセットの推定には、LTFが使用される。一方、位相推定部46は、FFT前AFC32において推定できなかった残留周波数オフセットを推定するので、位相推定部46には、FFT前AFC32よりも高い推定精度が必要とされる。これを実現するために、位相推定部46は、LTFに加えてシグナルも使用するので、雑音の影響がさらに低減され、推定精度が向上される。さらに、FFT前AFC32は、アレイ合成前の信号に対する周波数オフセットを推定するが、位相推定部46は、アレイ合成後の信号に対する周波数オフセットを推定する。そのため、合成後のシグナルの誤り率は低くなっているので、推定精度が向上される。
次に、追従処理を説明する。位相補正部38は、位相推定部46からの残留補正信号を受けつける。位相補正部38は、受けつけた残留補正信号によって、パケット信号パケット信号に対する残留周波数オフセットをサブキャリア単位に補正する。その際、複数のアンテナにて受信したパケット信号のそれぞれに対する残留周波数オフセットが共通に補正される。ウエイトベクトル導出部42は、RLSアルゴリズムを使用して、ウエイトベクトルの初期値からウエイトベクトルをサブキャリア単位に更新する。ここで、ウエイトベクトル導出部42は、前回の設定値P(t−1)とW(t−1)とを取得する。現在のOFDMシンボルをt番目とし、nをリセット間隔とし、ウエイトベクトル導出部42は、次の条件が真であるかを確認する。
Figure 2014090224
例えば、nが20OFDMシンボルであると、これは、20OFDMシンボルごとに真になり、残りのタイミングで偽になる条件である。条件が真になった場合、ウエイトベクトル導出部42は、相関逆行列P(t−1)をリセットする。つまり、ウエイトベクトル導出部42は、RLSアルゴリズムにてウエイトベクトルを更新しており、パケット信号の途中においてRLSアルゴリズム中の相関逆行列を定期的にリセットする。これは、更新していた相関逆行列に初期値を代入することによって、相関逆行列をリセットすることである。また、ウエイトベクトル導出部42は、図示しない記憶部を備えており、リセットのタイミングにおいて、次のように、Wkeepを設定する。
Figure 2014090224
これは、記憶部によって、相関逆行列をリセットする前に更新したウエイトベクトルを記憶することに相当する。
一方、条件が偽になった場合、前述の処理は省略される。その後、ウエイトベクトル導出部42は、初期値を導出する際と同様に、式(3)から式(7)を実行することによって、ウエイトベクトルW(t)を導出する。このような処理によって、ウエイトベクトル導出部42は、RLSアルゴリズムにて、リセットした相関逆行列からウエイトベクトルの更新を再開する。なお、ウエイトベクトル導出部42は、リセットしてから所定の期間経過するまで、ウエイトベクトルを更新するものの当該ウエイトベクトルを乗算部40に出力しない。この期間にわたって、ウエイトベクトル導出部42は、記憶部に記憶したウエイトベクトルWkeepを乗算部40に出力する。リセットしてから所定の期間経過後、ウエイトベクトル導出部42は、更新を再開したウエイトベクトルを乗算部40に出力する。
図9は、ウエイトベクトル導出部42の別の動作概要を示す。最上段には、OFDMシンボルのタイミングが示される。ここでは、x、x+1、x+2、・・・のように示される。次の段には、各タイミングにおける相関逆行列が示される。x+2のタイミングにおいて、相関逆行列がリセットされることによって、P(0)になっている。その次の段には、RLS更新前のウエイトベクトルが示される。タイミングx、x+1、x+2、・・・に対応して、ウエイトベクトルは、W(x)、W(x+1)、W(x+2)、・・・のように示される。x+2のタイミングにおいて相関逆行列がリセットされているので、W(x+2)がWkeepに入力される。その次の段には、RLS更新後のウエイトベクトルが示される。
RLS更新後のウエイトベクトルは、RLS更新前のウエイトベクトルよりもひとつタイミングが進んでいる。x+2のタイミングにおいて相関逆行列がリセットされているので、リセットされた相関逆行列はW(x+3)から使用されている。最下段には、乗算用のウエイトベクトルが示される。通常は、乗算用のウエイトベクトルとして、RLS更新前のウエイトベクトルが使用される。一方、x+2のタイミングにおいて相関逆行列がリセットされ、かつW(x+2)がWkeepに入力されているので、x+2からx+4のタイミングにわたって、W(x+2)が使用される。一定の期間経過後、つまりx+5のタイミングから、新たな相関逆行列にもとづくW(x+5)が乗算用のウエイトベクトルとして使用される。図4に戻る。
ウエイトベクトル導出部42は、図示しない測定部を備え、測定部は、合成部44での合成結果の大きさy(t)を導出する。さらに、測定部は、追従処理の期間において、合成結果の大きさy(t)の積算値yave(t)も導出する。測定部におけるこれらの処理は次のように示される。
Figure 2014090224
ここで、yave(t)は、シグナルのときに1にされる。ウエイトベクトル導出部42は、積算値yave(t)がしきい値よりも小さい場合、ウエイトベクトルを増幅させる。例えば、ウエイトベクトルが1.05倍される。
乗算部40、合成部44は、ウエイトベクトル導出部42において更新したウエイトベクトルを使用して、位相補正部38からのパケット信号を合成する。位相推定部46は、データの区間において、パイロット信号を使用して、残留周波数オフセットを推定する。推定の手順は、初期設定処理の際と同様になされればよいので、ここでは説明を省略する。
以上の構成による通信システム100の動作を説明する。図10は、受信処理部24による初期のウエイトベクトルの導出手順を示すフローチャートである。これはひとつのサブキャリアに対するウエイトベクトルの初期値を導出するための処理であり、各サブキャリアに対して同様の処理がなされる。ウエイトベクトル導出部42は、受信電力Powをサブキャリア単位に計算する(S10)。Powがしきい値以上であり、かつ隣接サブキャリアが存在すれば(S12のY)、ウエイトベクトル導出部42は、パターン1を選択する(S14)。一方、Powがしきい値以上でなく、あるいは隣接サブキャリアが存在しなければ(S12のN)、ウエイトベクトル導出部42は、パターン2を選択する(S16)。
ウエイトベクトル導出部42は、初期値を設定し(S18)、パターンに応じたX(t)とd(t)を設定する(S20)。これに続いて、ウエイトベクトル導出部42は、中間ベクトルTを計算し(S22)、カルマンゲインベクトルKを計算し(S24)、相関逆行列Pを計算し(S24)、誤差ベクトルを計算し(S26)、ウエイトベクトルを計算する(S28)。パターンに応じたLTFが終了していなければ(S32のN)、ステップ20に戻る。一方、パターンに応じたLTFが終了すれば(S32のY)、ウエイトベクトル導出部42は、ウエイトベクトルの初期値を計算する(S34)。
図11は、受信処理部24によるウエイトベクトルの更新手順を示すフローチャートである。これはひとつのサブキャリアに対するウエイトベクトルを更新するための処理であり、各サブキャリアに対して同様の処理がなされる。Mod(t,n)=0であれば(S40のY)、ウエイトベクトル導出部42は、相関逆行列をリセットし(S42)、WkeepにW(t−1)を代入する(S44)。一方、Mod(t,n)=0でなければ(S40のN)、ステップ42、ステップ44をスキップする。これに続いて、ウエイトベクトル導出部42は、中間ベクトルTを計算し(S46)、カルマンゲインベクトルKを計算し(S48)、相関逆行列Pを計算し(S50)、誤差ベクトルを計算し(S52)、ウエイトベクトルを計算する(S54)。
現在のタイミングがシグナルであれば(S56のY)、ウエイトベクトル導出部42は、yave(t)を1に設定する(S60)。一方、現在のタイミングがシグナルでなければ(S56のN)、ウエイトベクトル導出部42は、yave(t)を更新する(S58)。yave(t)<0.9であれば(S62のY)、ウエイトベクトル導出部42は、W(t)に1.05を乗算する(S64)。yave(t)<0.9でなければ(S62のN)、ステップ64はスキップされる。M>Mod(t,n)でなければ(S66のN)、ウエイトベクトル導出部42は、乗算用ウエイトベクトルをW=W(t)として計算する(S68)。M>Mod(t,n)であれば(S66のY)、ウエイトベクトル導出部42は、乗算用ウエイトベクトルをW=Wkeepとして計算する(S70)。
本発明の実施例によれば、所定のサブキャリアに対するウエイトベクトルを導出する際に、当該サブキャリアの信号に加えて、当該サブキャリア以外のサブキャリアの信号も使用するので、擬似的に多くの信号を使用できる。また、擬似的に多くの信号が使用されるので、既知のプリアンブルが少なくても、雑音の影響を低減できる。また、雑音の影響が低減されるので、ウエイトベクトルの導出精度を向上できる。また、ウエイトベクトルの導出精度が向上されるので、受信特性の悪化を抑制できる。また、既知のプリアンブルがデータよりも短くても、受信特性の悪化が抑制されるので、伝送効率を改善できる。また、マルチキャリア信号全体に対する周波数オフセットを補正するとともに、サブキャリア間の周波数オフセットも補正するので、局部発振信号のずれの影響を低減できるとともに、FFTウインドウ設定のずれの影響も低減できる。また、サブキャリア間の周波数オフセットが補正されるので、ウエイトベクトルを導出する際に、隣接したサブキャリアも使用できる。
また、所定のサブキャリアの受信電力がしきい値よりも低い場合、当該サブキャリア以外のサブキャリアの信号を使用しないので、他のサブキャリアに含まれた雑音の影響を回避できる。また、所定のサブキャリアの受信電力がしきい値以上である場合、当該サブキャリア以外のサブキャリアの信号も使用するので、他のサブキャリアに含まれた雑音の影響を低減しながら、全体の雑音の影響を低減できる。また、アレイ合成した結果の大きさの積算値がしきい値より小さくなると、ウエイトベクトルを増幅させるので、伝送路の急激な変化にも追従できる。また、伝送路の急激な変化にも追従されるので、受信特性の悪化を抑制できる。
また、データの途中であっても、RLSアルゴリズム中の相関逆行列をリセットするので、誤差の累積の影響を低減できる。また、誤差の累積の影響が低減されるので、ウエイトベクトルの導出精度の悪化を抑制できる。また、相関逆行列をリセットした場合であっても、一定期間にわたって、リセット前に導出したウエイトベクトルをそのまま使用するので、リセットの影響を低減できる。また、リセットから一定期間経過してから、リセットした相関逆行列を使用したウエイトベクトルを使用するので、相関逆行列が収束してから使用できる。また、相関逆行列が収束してから使用されるので、ウエイトベクトルの導出精度を向上できる。
また、残留周波数オフセットを推定する際に、プリアンブルだけではなくシグナルも使用するので、OFDMシンボル数を増加できる。また、OFDMシンボル数が増加されるので、雑音の影響を低減される。また、雑音の影響が低減されるので、残留周波数オフセットの推定精度を向上できる。また、シンボルの変調多値数はデータの変調多値数以下であるので、シンボルを残留オフセットの推定に使用しても、シンボルの誤りの影響を低減できる。また、複数のアンテナにてパケット信号を受信している場合に、アレイ合成したシンボルを使用するので、シンボルの誤りの影響を低減できる。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
本発明の実施例において、無線装置14は、ふたつのアンテナを備える。しかしながらこれに限らず例えば、無線装置14は、3つ以上のアンテナを備えてもよい。本変形例によれば、受信特性を向上できる。
本発明の実施例において、サブキャリア間回転補正部36は、パターン1の際に、隣接サブキャリアのLTF1を使用している。しかしながらこれに限らず例えば、サブキャリア間回転補正部36は、次隣接サブキャリア等のさらに離れたサブキャリアのLTF1を使用してもよい。本変形例によれば、RLSアルゴリズムに使用可能な信号数を増加できる。
本発明の実施例において、サブキャリア間回転補正部36は、パターン1の際に、隣接サブキャリアのLTF1を使用している。しかしながらこれに限らず例えば、隣接サブキャリアのLTF2を使用してもよい。本変形例によれば、RLSアルゴリズムに使用可能な信号数を増加できる。
本発明の実施例において、ウエイトベクトル導出部42は、相関逆行列の初期値P(0)として固定値を使用している。しかしながらこれに限らず例えば、ウエイトベクトル導出部42は、相関逆行列の初期値P(0)として、受信状況に応じて異なった値を設定してもよい。具体的には、AGCの収束値に応じた値や、弱電界、中電界、強電界等に応じた値が設定される。本変形例によれば、受信状況に適した相関逆行列の初期値P(0)を使用できる。
本発明の実施例において、ウエイトベクトル導出部42は、ウエイトベクトルの初期値W(0)として固定値を使用している。しかしながらこれに限らず例えば、ウエイトベクトル導出部42は、ウエイトベクトルの初期値W(0)として、RLSアルゴリズムとは別のアルゴリズム、例えば、最大比合成で計算した値を使用してもよい。本変形例によれば、ウエイトベクトルの精度を向上できる。
10 基地局装置、 12 車両、 14 無線装置、 20 RF部、 22 送信処理部、 24 受信処理部、 26 制御部、 32 FFT前AFC、 34 FFT、 36 サブキャリア間回転補正部、 38 位相補正部、 40 乗算部、 42 ウエイトベクトル導出部、 44 合成部、 46 位相推定部、 50 第1遅延部、 52 位相差導出部、 54 出力部、 56 第2遅延部、 58 乗算部、 100 通信システム。

Claims (3)

  1. パケット信号を複数のアンテナにて受信する受信部と、
    前記受信部が複数のアンテナにて受信したパケット信号に対するウエイトベクトルを導出する導出部と、
    前記導出部において導出したウエイトベクトルを使用して、前記受信部が複数のアンテナにて受信したパケット信号を合成する合成部とを備え、
    前記導出部は、RLSアルゴリズムにてウエイトベクトルを更新しており、パケット信号の途中においてRLSアルゴリズム中の相関逆行列をリセットすることを特徴とする受信装置。
  2. 前記導出部は、更新していた相関逆行列に初期値を代入することによって、相関逆行列をリセットすることを特徴とする請求項1に記載の受信装置。
  3. 前記導出部が相関逆行列をリセットする前に更新したウエイトベクトルを記憶する記憶部をさらに備え、
    前記導出部は、
    RLSアルゴリズムにて、リセットした相関逆行列からウエイトベクトルの更新を再開する更新部と、
    リセットしてから所定の期間経過するまで、前記記憶部に記憶したウエイトベクトルを前記導出部に出力し、リセットしてから所定の期間経過後、前記更新部において更新を再開したウエイトベクトルを前記導出部に出力する選択部と、
    を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の受信装置。
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