JP2014089008A - 温水暖房回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】 暖房用の循環温水として互いに異なる所定の2温度の温水を簡単な構成でかつ確実に供給し得る温水暖房回路を提供する。
【解決手段】 プレート式液−液熱交換器5の熱源側に対し貯湯タンク3の頂部から供給される高温の貯湯を熱源入口51から熱源出口52に流し、被加熱側に対し膨脹タンク11からの戻り循環温水を供給する。被加熱側入口53に導入された戻り循環温水は最も遠い位置の高温取出口54まで流れる間に熱交換熱され、高温取出口54から高温往き循環温水として取り出して高温暖房端末6に供給する。高温取出口54よりも上流側位置に開口させた低温取出口55から、より低温の低温往き循環温水を取り出して低温暖房端末7に供給する。温度センサ12の検出温度に基づいて熱源供給流量を調整する。
【選択図】 図1
【解決手段】 プレート式液−液熱交換器5の熱源側に対し貯湯タンク3の頂部から供給される高温の貯湯を熱源入口51から熱源出口52に流し、被加熱側に対し膨脹タンク11からの戻り循環温水を供給する。被加熱側入口53に導入された戻り循環温水は最も遠い位置の高温取出口54まで流れる間に熱交換熱され、高温取出口54から高温往き循環温水として取り出して高温暖房端末6に供給する。高温取出口54よりも上流側位置に開口させた低温取出口55から、より低温の低温往き循環温水を取り出して低温暖房端末7に供給する。温度センサ12の検出温度に基づいて熱源供給流量を調整する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、浴室暖房乾燥機等の高温暖房端末に対し循環供給するための比較的高温の循環温水と、床暖房等の低温暖房端末に対し循環供給するための比較的低温の循環温水との互いに異なる2温度の温水を生成して供給するための温水暖房回路に関する。
従来、暖房端末に対し循環供給させる循環温水を加熱するために、冷凍サイクルを利用したヒートポンプの高圧冷媒を熱源とする熱交換器を利用することが知られている。このような熱交換器として、例えば特許文献1では、第1伝熱管と第2伝熱管とを互いに沿わせて一体化し、一体化した結合管をコイル状に巻回させて熱交換器を構成することが提案されている。そして、この結合管の内の第1伝熱管の一端側から他端側に向けて熱源となる冷媒を流す一方、第2伝熱管の他端側から一端側に向けて被加熱側となる循環温水を流し、一端側の出口の他に途中位置にも循環温水の中間取出口を設けることにより、出口から取り出される循環温水の温度よりも低温の循環温水を中間取出口から取り出し得るようにすることが記載されている。
ところで、ヒートポンプの高圧冷媒を熱源として加熱した湯を貯湯タンクに貯留することで蓄熱し、蓄熱した貯湯を熱源として温水暖房回路内の循環温水を加熱することが行われている。例えば図10に示すように、ヒートポンプ2の高圧冷媒が供給される熱交換器22に貯湯タンク3の底部から取り出した湯水を供給して熱交換加熱し、加熱された湯水を貯湯タンク3の頂部に戻すことで貯湯タンク3内に蓄熱する。そして、この貯湯タンク3の頂部から取り出した湯水を液−液熱交換器500の熱源側に循環供給する一方、膨脹タンク11から供給される循環温水を液−液熱交換器500の被加熱側に循環供給することにより高温(例えば80℃)に熱交換加熱し、この高温循環温水を高温暖房端末6に供給する。高温暖房端末6で放熱した後の循環温水は膨脹タンク11に戻され、この膨脹タンク11から再度取り出された放熱後の戻り循環温水は液−液熱交換器500を通して高温暖房端末6に循環供給されるか、あるいは、戻り循環温水と前記の高温循環温水との混合により所定の低温循環温水(例えば60℃の循環温水)に温調された後に低温暖房端末7に循環供給されることになる。
このような温水暖房回路においては、高温循環温水は液−液熱交換器500で熱交換加熱すればよいものの、低温循環温水はその所定の低温の循環温水に温調するために流量調整弁501や逆止弁502等の機器類や配管503等というような複雑な設備構成を必要とすることになる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、暖房用の循環温水として互いに異なる所定の2温度の温水を簡単な構成でかつ確実に供給し得る温水暖房回路を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明では、高温暖房端末に接続された高温暖房回路と、低温暖房端末に接続された低温暖房回路と、前記高温暖房回路及び低温暖房回路に対し暖房用熱源として循環供給される循環媒体を被加熱側に通して熱交換加熱するための熱交換器と、熱源装置と、この熱源装置により加熱された加熱用の熱源媒体を前記熱交換器の熱源側に循環供給するための熱源循環回路とを備えた温水暖房回路を対象にして次の特定事項を備えることとした。すなわち、前記熱交換器として、前記高温暖房端末又は前記低温暖房端末に対し循環供給される循環媒体を、前記熱源循環回路を通して供給される熱源媒体により液−液熱交換加熱する液−液熱交換器として構成し、かつ、前記高温暖房回路に接続されて前記高温暖房回路用の暖房用熱源として第1温度の循環媒体を取り出すための高温取出口と、前記低温暖房回路に接続されて前記低温暖房回路用の暖房用熱源として前記第1温度よりも低温の第2温度の循環媒体を取り出すための低温取出口とを備えるようにする。そして、前記低温取出口を、前記液−液熱換器の被加熱側の流路に臨んで、前記高温取出口よりも上流側位置において、前記高温取出口とは互いに独立して開口するように設けることとした(請求項1)。
この発明の場合、液−液熱交換器により、第1温度の循環媒体及び第2温度の循環媒体という互いに異なる2温度の循環媒体を個別に又は同時に生成することが可能となり、液−液熱交換器から高温暖房端末のみならず低温暖房端末に対しても暖房用熱源の循環媒体を直接に循環供給することが可能となる。このため、例えば従来用いられている温水暖房回路の例と比べ、流量調整弁や逆止弁等の低温暖房端末用の循環温水を生成するための機器や配管をいずれも省略することが可能となり、部品数の低減化、組立性の向上及びそれらに伴うコスト低減化が図られる。その上に、前記の機器や配管の省略により、特に低温暖房回路における圧力損失の低減化が図られ、これにより、高温暖房端末や低温暖房端末に循環媒体を供給するための循環ポンプの小型化が可能となり、これに伴う温水暖房システム全体のコンパクト化や、消費電力の低減化を得ることが可能となる。
本発明の温水暖房回路において、液−液熱交換器を、プレート式の熱交換器により構成することができる(請求項2)。このようにすることにより、温水暖房回路のより一層のコンパクト化が図られる。
又、前記プレート式の熱交換器には、被加熱対象である循環媒体の温度を検出するための温度検出手段を設置することができ、熱源循環回路を通して循環供給される熱源媒体の循環流量を前記温度検出手段により検出される検出温度に基づいて変更調整可能にすることができる(請求項3)。このようにすることにより、高温取出口から取り出される循環媒体の温度、又は、低温取出口から取り出される循環媒体の温度を、より正確に所定のものになるように温度調整し得るようになる。しかも、このような温度調整を実現させるための温度検出手段をプレート式熱交換器という平面形状の部位に設置するようにしているため、円形断面の配管に設置する場合よりも容易でかつ確実に設置し得るようになる。
さらに、本発明の温水暖房回路の液−液熱交換器として、低温取出口の側の流路抵抗が高温取出口の側の流路抵抗よりも大になるように流路抵抗を付与するための抵抗調整手段を備えたものとすることができる(請求項4)。このようにすることにより、高温取出口の側に循環媒体がより容易に流れるようになる一方、低温取出口には流路抵抗の分だけ流れ難くなる。これにより、高温取出口よりも手前位置にある低温取出口からより多くの循環媒体が流れ出てしまって高温取出口から取り出す筈の循環媒体が不足するような事態の発生が防止され、低温取出口からの取り出し流量が所定のものに維持されることになる。
以上、説明したように、本発明の温水暖房回路によれば、液−液熱交換器により、第1温度の循環媒体及び第2温度の循環媒体という互いに異なる2温度の循環媒体を個別に又は同時に生成することができ、液−液熱交換器から高温暖房端末のみならず低温暖房端末に対しても暖房用熱源の循環媒体を直接に循環供給することができるようになる。このため、例えば従来用いられている温水暖房回路の例と比べ、流量調整弁や逆止弁等の低温暖房端末用の循環温水を生成するための機器や配管をいずれも省略することができ、部品数の低減化、組立性の向上及びそれらに伴うコスト低減化を図ることができる。その上に、前記の機器や配管の省略により、特に低温暖房回路における圧力損失の低減化を図ることができ、これにより、高温暖房端末や低温暖房端末に循環媒体を供給するための循環ポンプを小型化することができ、これに伴い温水暖房システム全体のコンパクト化や、消費電力の低減化を得ることができる。
特に、請求項2の温水暖房回路によれば、液−液熱交換器を、プレート式の熱交換器により構成することで、温水暖房回路のより一層のコンパクト化を図ることができる。
又、請求項3の温水暖房回路によれば、プレート式の熱交換器に対し、被加熱対象である循環媒体の温度を検出するための温度検出手段を設置し、熱源循環回路を通して循環供給される熱源媒体の循環流量を温度検出手段により検出される検出温度に基づいて変更調整可能とすることで、高温取出口から取り出される循環媒体の温度、又は、低温取出口から取り出される循環媒体の温度を、より正確に所定のものになるように温度調整することができるようになる。しかも、このような温度調整を実現させるための温度検出手段をプレート式熱交換器という平面形状の部位に設置するようにしているため、円形断面の配管に設置する場合よりも容易でかつ確実に設置することができるようになる。
さらに、請求項4の温水暖房回路によれば、液−液熱交換器に対し、低温取出口の側の流路抵抗が高温取出口の側の流路抵抗よりも大になるように流路抵抗を付与するための抵抗調整手段を備えることで、高温取出口よりも手前位置にある低温取出口からより多くの循環媒体が流れ出てしまって高温取出口から取り出す筈の循環媒体が不足するような事態の発生を防止することができ、低温取出口からの取り出し流量を確実に所定のものに維持させることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る温水暖房回路を含む温水暖房システムの模式図である。この温水暖房システムは、熱源装置としてのヒートポンプ2と、熱源装置の一部を構成する貯湯タンク3と、温水暖房回路4とを備えたものである。この温水暖房システムの概略の特徴点は、所定温度の高温循環温水及び低温循環温水という2種類の温度の被加熱液体を互いに独立して取り出し可能に構成された液−液熱交換器5を温水暖房回路4が備えている点、そして、ヒートポンプ2の排熱を利用して熱交換加熱し貯湯タンク3内に蓄熱された貯湯(加熱用の熱源液体)を、液−液熱交換器5で前記の被加熱液体を加熱するための加熱源として用いる点にある。
ヒートポンプ2は、冷凍サイクルを利用して貯湯タンク3内の湯水を熱交換加熱し得るようになっている。すなわち、冷媒循環回路2は、圧縮機21と、凝縮熱交換器(凝縮器)22と、減圧手段としての膨張弁23と、蒸発熱交換器(蒸発器)24とを、冷媒(例えばCO2やHC系冷媒)が循環供給される冷媒循環配管25で順に接続したものである。そして、貯湯タンク3と凝縮熱交換器22との間に湯水循環配管31が配設され、この湯水循環配管31に設けられた循環ポンプ32の作動により、貯湯タンク3の湯水を底部から凝縮熱交換器22へ圧送し、加熱後に凝縮熱交換器22から貯湯タンク3の頂部へと導いて貯湯(蓄熱)するようになっている。なお、貯湯タンク3は例えばステンレス製等の圧力容器により密閉式に構成され、貯湯タンク3内の貯湯は温水暖房回路4の加熱用熱源として用いられる他、それ自体が給湯としても利用されるようになっており、給湯により貯湯タンク3内の貯湯量が減れば、その分だけ給水されて常に充満状態にされている。
温水暖房回路4は、液−液熱交換器5と、高温暖房端末6及び低温暖房端末7との間に、暖房用熱源となる循環温水(例えば不凍液)を循環ポンプ8の作動により循環させるための高温暖房回路9及び低温暖房回路10を備えている。液−液熱交換器5は後に詳述するようなプレート式の熱交換器により構成されている。液−液熱交換器5の熱源側には、循環ポンプ33の作動により熱源循環回路34を通して貯湯タンク3の頂部から加熱用液体として高温の貯湯(以下「高温熱源」という)が熱源入口51(図2も併せて参照)に導入され、熱交換により温度低下した湯水(以下「低温熱源」という)が熱源出口52から導出されて貯湯タンク3の底部に戻されるというように、貯湯タンク3から高温熱源が循環供給されるようになっている。一方、高温熱源により熱交換加熱される被加熱側には、高温暖房端末6及び低温暖房端末7で放熱した後の循環温水(戻り循環温水)が膨脹タンク11から被加熱側入口53に導入され、高温熱源とは逆方向に通過する間に熱交換加熱され、熱交換加熱後に高温取出口54及び/又は低温取出口55から往き循環温水となって取り出され、高温暖房端末6及び/又は低温暖房端末7に供給されるようになっている。
高温暖房端末6は例えば浴室乾燥機であり、低温暖房端末7は例えば床暖房である。高温暖房回路9はその往き路91の上流端が液−液熱交換器5の高温取出口54に接続され、下流端が高温暖房端末6の入側に接続されている。そして、高温暖房端末6に対しては開閉切換弁90を開切換することにより液−液熱交換器5の高温取出口54から取り出された所定温度(例えば80℃)の高温往き循環温水が往き路91を通して供給され、高温暖房端末6で放熱されて温度低下した戻り循環温水が戻り路92を通して膨脹タンク11に戻されるようになっている。又、低温暖房回路10はその往き路101の上流端が液−液熱交換器5の低温取出口55に接続され、下流端が低温暖房端末7の入側に接続されている。そして、低温暖房端末7には開閉切換弁100を開切換することにより液−液熱交換器5の低温取出口55から取り出された所定温度(例えば60℃)の低温往き循環温水が往き路101を通して供給され、低温暖房端末7で放熱されて温度低下した戻り循環温水が戻り路102を通して膨脹タンク11に戻されるようになっている。そして、膨脹タンク11に一旦戻された戻り循環温水は循環ポンプ8を通して液−液熱交換器5の被加熱側入口53に導入され、再度、熱交換加熱された後に高温暖房端末6及び/又は低温暖房端末7に循環供給される。
開閉切換弁90,100や循環ポンプ8は図示省略のコントローラにより作動制御されるようになっており、高温暖房端末6及び/又は低温暖房端末7がユーザーによりON操作されると暖房運転のための作動制御が開始されるようになっている。すなわち、高温暖房端末6がON操作されれば、開閉切換弁90を開切換した上で循環ポンプ8を作動制御し、又、低温暖房端末7がON操作されれば、開閉切換弁100を開切換した上で循環ポンプ8を作動制御する。高温暖房端末6及び低温暖房端末7が共にON操作されれば、開閉切換弁90,100を共に開切換した上で循環ポンプ8を作動する。
次に、液−液熱交換器5について詳細に説明する。液−液熱交換器5は、図3に示すように、上蓋プレート56及び下蓋プレート57の上下間に第1伝熱プレート58及び第2伝熱プレート59が複数対(図例では2対)介装された状態で重ね合わされて、全体として扁平形状を有するように構成されている。以下、液−液熱交換器5が横置きされた状態で説明するが、実際の使用時には横置き又は縦置き等のいずれに配設してもよい。
上蓋プレート56には、上向きに突出するようにして、熱源入口51及び熱源出口52が幅方向一側において互いに離れた位置に、被加熱側入口53,高温取出口54及び低温取出口55が幅方向他側において互いに離れた各位置に、それぞれ一体に形成されている。そして、第1伝熱プレート58,58及び第2伝熱プレート59,59のそれぞれには、熱源入口51、熱源出口52,被加熱側入口53、高温取出口54及び低温取出口55とそれぞれ上下方向に連通する貫通孔及び周囲の孔縁を含む貫通孔部581〜585,591〜595が形成され、これら貫通孔部581〜585,591〜595を除く領域に溝形の流路が形成されている。
ここで、低温取出口55は高温取出口54に比して小さい開口面積(例えば小径)になるように形成されている。これは、高温暖房端末6及び低温暖房端末7が共にON操作されて、高温取出口54からの高温往き循環温水の取り出しと、低温取出口55からの低温往き循環温水の取り出しとが同時に行われる場合に、後述の被加熱流路Sを通して流れて熱交換加熱された戻り循環温水が高温取出口54及び低温取出口55から所要量ずつ取り出し得るようにするためである。すなわち、高温取出口54よりも手前位置にある低温取出口55からより多くの循環温水が流れ出てしまって高温取出口54から取り出す筈の循環温水が不足するような事態の発生を防止するように、低温取出口55に対し流路抵抗を付与するようにしたものである。つまり、高温取出口54の側の流路抵抗を小に、低温取出口55の側の流路抵抗を大にして、低温取出口55からの取り出し流量を所定のものに維持するための抵抗調整手段を設けたものである。抵抗調整手段としては、前記の低温取出口55の開口面積を高温取出口54よりも小さくする他、例えば、流量調整手段(流量調整弁等)やオリフィスを積極的に介装させるようにしてもよい。
そして、図4〜図6に詳細に図示するように、第1伝熱プレート58の貫通孔部581,582は所定量だけ上方にオフセットされた位置に形成される一方、貫通孔部583〜585は所定量だけ下方にオフセットされた位置に形成されている。逆に、第2伝熱プレート59の貫通孔部591,592は所定量だけ下方にオフセットされた位置に形成される一方、貫通孔部593〜595は所定量だけ上方にオフセットされた位置に形成されている。
これにより、上から上蓋プレート56,第1伝熱プレート58,第2伝熱プレート59,第1伝熱プレート58,第2伝熱プレート59及び下蓋プレート57がこの順で重ね合わされて接合された状態では、下蓋プレート57の上面(図5参照)と最下段位置の第2伝熱プレート59の貫通孔部591,592とが互いに密着し、この第2伝熱プレート59の上側の第1伝熱プレート58の貫通孔部581,582と、さらに上側の第2伝熱プレート59の貫通孔部591,592とが互いに密着することになる。この結果、下側の第2伝熱プレート59と上側の第1伝熱プレート58との間に、高温熱源が熱源入口51から熱源出口52に向けて流れる扁平状の熱源流路Nが区画形成されることになる。
同時に、最下段位置の第2伝熱プレート59の貫通孔部593〜595(図6参照)と、この上側の第1伝熱プレート58の貫通孔部583〜585と互いに密着し、この第1伝熱プレート58の上側の第2伝熱プレート59の貫通孔部593〜595と、さらに上側の第1伝熱プレート58の貫通孔部583〜585とが互いに密着することになる。これにより、下蓋プレート57と最下段位置の第2伝熱プレート59との間、その上側の第1伝熱プレート58とさらに上側の第2伝熱プレート59との間、及び、さらに上側の第1伝熱プレート58と上蓋プレート56との間に、戻り循環温水が被加熱側入口53から高温取出口54又は低温取出口55に向けて流れる扁平状の被加熱流路Sが区画形成されることになる。以上より、液−液熱交換器5においては、上下に重ねられた各プレート56,58,59,58,59,57の間に戻り循環温水が流れる被加熱流路Sと、高温熱源が流れる熱源流路Nとが交互に、しかも、互いに逆方向に流れるようになっている。
このような液−液熱交換器5においては、被加熱側入口53から導入されて高温取出口54から導出されるまでの熱交換加熱のために被加熱流路Sを流れる流路長さが最も長くなるように設定される一方、被加熱側入口53から導入されて低温取出口55から導出されるまでの熱交換加熱のために被加熱流路Sを流れる流路長さが高温取出口54のそれよりも所定長さだけ短くなるように設定されている。なお、この際、単なる直線距離ではなく、被加熱流路S内の熱交換加熱過程における面上の温度分布等も考慮して低温取出口55の連通位置を設定することが好ましい。以上のような位置設定により、高温取出口54から取り出される循環温水の温度が例えば80℃の高温往き循環温水に熱交換加熱される場合には、低温取出口55から取り出される循環温水の温度が例えば60℃という熱交換加熱の途中温度の低温往き循環温水になるようにされている。
加えて、液−液熱交換器5の上蓋プレート56の上面には被加熱液体の戻り循環温水の温度を検出するための温度検出手段としての循環温水温度センサ12が設置されている。この循環温水温度センサ12は、そのセンサ部が上蓋プレート56の上面を貫通して被加熱流路S内に臨んで位置するように例えばロウ付けにより設置されている。そして、循環温水温度センサ12により検出される検出温度に基づいて、図示省略のコントローラにより循環ポンプ33の作動制御が行われ、これにより、液−液熱交換器5の熱源側に供給される高温熱源の循環流量を変更調整するようになっている。すなわち、高温熱源の循環流量を変更調整することにより、高温取出口54から取り出される高温往き循環温水の温度、又は、低温取出口55から取り出される低温往き循環温水の温度が所定のものになるように温度調整するようになっている。この際、循環温水温度センサ12を低温取出口55の近傍位置であって、被加熱側入口53側の位置に設置することで、特に低温取出口55から取り出される低温往き循環温水の温度をより精密に温度調整可能となる。又、この場合、循環温水温度センサ12を上蓋プレート56の平面状態の部位に設置すればよいので、例えば配管等の円形断面のものに設置する場合に比して、容易かつ確実に設置することができる。
以上の温水暖房回路4の場合、液−液熱交換器5により、高温往き循環温水及び低温往き循環温水という互いに異なる2温度の循環温水を個別に又は同時に生成することができ、液−液熱交換器5から高温暖房端末6のみならず低温暖房端末7に対しても暖房用熱源の循環温水を直接に循環供給することができる。このため、例えば図10の温水暖房回路の例と比べ、流量調整弁や逆止弁等の低温往き循環温水を生成するための機器や配管をいずれも省略することができ、部品数の低減化、組立性の向上及びそれらに伴うコスト低減化を図ることができる。その上に、前記の機器や配管の省略により、特に低温暖房回路9における圧力損失の低減化をも図ることができ、これにより、循環ポンプ8の小型化を図ることができ、これに伴う温水暖房システム全体のコンパクト化や、消費電力の低減化を得ることができる。
<他の実施形態>
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の実施形態を包含するものである。すなわち、上記実施形態では、液−液熱交換器5として、熱源入口51及び熱源出口52を幅方向一側で互いに離れた位置に、被加熱側入口53,高温取出口54及び低温取出口55を幅方向他側で互いに離れた各位置に、それぞれ配置した例を示したが、これに限らず、互いに交差する斜め方向(対角線方向)に互いに離れた位置に配置するようにしてもよい。例えば図7に示すプレート式の液−液熱交換器5aのように、互いに交差する2本の対角線の内の一方の対角線に沿って遠い側に熱源入口51を、近い側に熱源出口52を、他方の対角線に沿って近い側に被加熱側入口53を、遠い側に高温取出口54を、そして、被加熱側入口53と高温取り口54との中間位置に低温取出口55を、それぞれ配置するようにしてもよい。なお、第1伝熱プレート58aや第2伝熱プレート59aは、貫通孔部が、前記の如き熱源入口51,熱源出口52,被加熱側入口53,高温取出口54及び低温取出口55と同配置に位置設定されている点を除き、実施形態のもの58,59と同じ構成を有している。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の実施形態を包含するものである。すなわち、上記実施形態では、液−液熱交換器5として、熱源入口51及び熱源出口52を幅方向一側で互いに離れた位置に、被加熱側入口53,高温取出口54及び低温取出口55を幅方向他側で互いに離れた各位置に、それぞれ配置した例を示したが、これに限らず、互いに交差する斜め方向(対角線方向)に互いに離れた位置に配置するようにしてもよい。例えば図7に示すプレート式の液−液熱交換器5aのように、互いに交差する2本の対角線の内の一方の対角線に沿って遠い側に熱源入口51を、近い側に熱源出口52を、他方の対角線に沿って近い側に被加熱側入口53を、遠い側に高温取出口54を、そして、被加熱側入口53と高温取り口54との中間位置に低温取出口55を、それぞれ配置するようにしてもよい。なお、第1伝熱プレート58aや第2伝熱プレート59aは、貫通孔部が、前記の如き熱源入口51,熱源出口52,被加熱側入口53,高温取出口54及び低温取出口55と同配置に位置設定されている点を除き、実施形態のもの58,59と同じ構成を有している。
又、図8に示すような二重管式の液−液熱交換器5bを採用するようにしてもよい。すなわち、大径管状体13の内部に小径管状体14を配設し、大径管状体13の長手方向一側位置(図面の上側位置)に熱源入口131を設けて高温熱源を導入し、長手方向他側位置(図面の下側位置)に熱源出口132を設けて熱交換により温度低下した低温熱源を導出するようにする。一方、小径管状体14の長手方向他側位置(図面の下側位置)に被加熱側入口を設けて戻り循環温水を内部に導入し、長手方向一側位置(図面の上側位置)に高温取出口142を設けて高温熱源により例えば80℃まで熱交換加熱された高温往き循環温水を取り出し可能とするとともに、長手方向中間位置(図面の上下方向中間位置)に低温取出口143を設けて高温熱源による熱交換加熱の途中段階で、高温往き循環温水よりも低温の低温往き循環温水を取り出し可能にする。この場合、被加熱側入口141又は低温取出口143に循環温水温度センサ12′を設けて高温熱源の循環流量の変更調整制御を行うようにすればよい。
さらに、本発明の温水暖房回路の熱源装置として熱源機を用いて構成してもよい。この場合には、例えば図9に示すように、熱源機15の燃焼バーナ151を燃焼作動させることで熱交換器152内を通過する媒体(例えば浴槽水)を熱交換加熱し、加熱された媒体を高温熱源として液−液熱交換器5の熱源入口51に導入し、熱交換後の低温熱源を熱源出口52から導出するようにする。他の温水暖房回路の構成は図1の実施形態と同様であるため、実施形態と同じ構成要素には実施形態と同じ符号を付して詳細な説明を省略する。この場合であっても、実施形態と同様の作用・効果を得ることができる。なお、熱源機15を通過する媒体として浴槽水とする場合には、熱源機15と図示省略の浴槽とをふろ追焚循環回路(熱源循環回路に相当する)16により接続し、浴槽水を戻り路161を通して熱源機15に戻し、熱源機15で追焚加熱した上で往き路162を出湯して浴槽に供給するようにすればよい。その際、往き路162の途中が液−液熱交換器5の熱源側を通過するようにする。図9の例における液−液熱交換器5の代わりに図7の液−液熱交換器5a又は図8の液−液熱交換器5bを用いるようにしてもよい。又、図示を省略するが、図9の例において、熱源機15に加えて、さらに給湯回路用の熱源機を備えた構成にしてもよい。
2 ヒートポンプ(熱源装置)
3 貯湯タンク(熱源装置の一部)
4 温水暖房回路
5,5a,5b 液−液熱交換器
5,5a 液−液熱交換器(プレート式の熱交換器)
6 高温暖房端末
7 低温暖房端末
9 高温暖房回路
10 低温暖房回路
12,12′ 循環温水温度センサ(温度検出手段)
15 熱源機(熱源装置)
16 ふろ追焚循環回路(熱源循環回路)
33 熱源循環回路
54 高温取出口
55 低温取出口
3 貯湯タンク(熱源装置の一部)
4 温水暖房回路
5,5a,5b 液−液熱交換器
5,5a 液−液熱交換器(プレート式の熱交換器)
6 高温暖房端末
7 低温暖房端末
9 高温暖房回路
10 低温暖房回路
12,12′ 循環温水温度センサ(温度検出手段)
15 熱源機(熱源装置)
16 ふろ追焚循環回路(熱源循環回路)
33 熱源循環回路
54 高温取出口
55 低温取出口
Claims (4)
- 高温暖房端末に接続された高温暖房回路と、低温暖房端末に接続された低温暖房回路と、前記高温暖房回路及び低温暖房回路に対し暖房用熱源として循環供給される循環媒体を被加熱側に通して熱交換加熱するための熱交換器と、熱源装置と、この熱源装置により加熱された加熱用の熱源媒体を前記熱交換器の熱源側に循環供給するための熱源循環回路とを備えた温水暖房回路において、
前記熱交換器は、
前記高温暖房端末又は前記低温暖房端末に対し循環供給される循環媒体を、前記熱源循環回路を通して供給される熱源媒体により液−液熱交換加熱する液−液熱交換器として構成され、かつ、
前記高温暖房回路に接続されて前記高温暖房回路用の暖房用熱源として第1温度の循環媒体を取り出すための高温取出口と、前記低温暖房回路に接続されて前記低温暖房回路用の暖房用熱源として前記第1温度よりも低温の第2温度の循環媒体を取り出すための低温取出口とを備え、
前記低温取出口は、前記液−液熱換器の被加熱側の流路に臨んで、前記高温取出口よりも上流側位置において、前記高温取出口とは互いに独立して開口するように設けられている、
ことを特徴とする温水暖房回路。 - 請求項1に記載の温水暖房回路であって、
前記液−液熱交換器は、プレート式の熱交換器により構成されている、温水暖房回路。 - 請求項2に記載の温水暖房回路であって、
前記プレート式の熱交換器には、被加熱対象である循環媒体の温度を検出するための温度検出手段が設置され、
前記熱源循環回路を通して循環供給される熱源媒体の循環流量が前記温度検出手段により検出される検出温度に基づいて変更調整可能とされている、温水暖房回路。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の温水暖房回路であって、
前記液−液熱交換器は、前記低温取出口の側の流路抵抗が前記高温取出口の側の流路抵抗よりも大になるように流路抵抗を付与するための抵抗調整手段を備えている、温水暖房回路。
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- 2012-10-31 JP JP2012240014A patent/JP2014089008A/ja active Pending
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