JP2014088982A - 酸素富化空気製造システム - Google Patents

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Abstract

【課題】酸素富化空気の生産量を変更することができると共に、生産量に関わらず酸素富化空気を安価に製造できる酸素富化空気製造システムを提供することを課題とする。
【解決手段】本発明に係る酸素富化空気製造システム10は、天然ガスを燃焼させる施設55に供給される液化天然ガスと空気とを熱交換させる第1の熱交換器14と、第1の熱交換器14において熱交換された空気を所定の圧力まで圧縮する圧縮機15と、圧縮された空気と液化天然ガスとを熱交換させる第2の熱交換器16と、第2の熱交換器16において熱交換された空気を断熱膨張させる膨張弁18と、断熱膨張させた空気の気液分離を行う気液分離装置19と、を備え、圧縮機15の圧縮比及び膨張弁18の開度は、断熱膨張後の空気の温度が窒素の沸点よりも高く且つ酸素の沸点以下となるようにそれぞれ設定されていることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、投入された空気から当該空気よりも酸素濃度の高い空気である酸素富化空気を製造する酸素富化空気製造システムに関する。
近年、地球環境問題からCOの排出削減のため、高炉や発電等の燃焼熱源を使う施設(設備)では、燃焼させたときのCOの排出量が比較的少ないNG(天然ガス)を燃料として使用している。このNGを燃焼させる際に、燃費削減等のために、大気(空気)の代わりに酸素(純酸素)や、大気よりも酸素濃度の高い酸素富化空気を吹き込んで燃やすことでNGをより高温で燃焼させ、大気中窒素に持っていかれる熱を抑制することによって熱効率を向上させる方法がある。このような、NGのより高温の燃焼に用いられる純酸素を比較的大量に、また生産性よく製造する装置としては、特許文献1に記載の深冷分離方式の空気分離装置が一般に知られている。
この空気分離装置(深冷分離方式)は、空気を極低温まで冷却して液化した後、精留塔において酸素と窒素との沸点の違いを利用して前記空気から酸素を分留する。このとき、前記空気分離装置において、空気を液化する際の低温源としてLNG(液化したNG)の冷熱を利用して酸素の製造コストを抑える提案やその試みはあるが、それほど一般的ではない。詳しくは、NGを燃料とする燃焼熱源を使う施設では、通常、NGを液化してその体積を小さくした(約1/600にした)状態、即ち、LNG(液化天然ガス)の状態でタンク等に貯蔵しており、このタンクに貯蔵されているLNGの温度がその沸点である−162°以下の極低温状態に保たれている。このため、原理的には、前記空気分離装置では、このLNGの冷熱を利用して空気の液化を行って酸素の冷却の際の電力等の消費を抑えることができる。
このような空気分離装置(深冷分離方式)によれば、純度が99.6vol.%以上の高純度な酸素(純酸素)が得られる。
特開平6−11254号公報
NGのより高温の燃焼のために供給される空気は、上述のように、純酸素のような純度の高い酸素でなく、通常の空気(酸素濃度が21%)よりも酸素濃度の高い酸素富化空気(酸素濃度が例えば30%〜50%程度)であってもよい(酸素富化燃焼と呼ばれる。)。空気分離装置は、そもそも工業用原料としての高純度酸素及び高純度窒素を製造するために設計された装置であり、前記のように、LNGの貯蔵設備に併設されるのであればLNGの冷熱を利用してコストを抑えることができるが、酸素富化燃焼を目的とする場合には、必要以上の純度の酸素を製造することによって余分な電力等のエネルギーを消費しており、余分なコストが生じてしまう。
ここで、この純度の高い酸素と通常の空気とを混ぜて酸素富化空気を製造することも考えられるが、上記のような深冷分離方式による酸素の製造方法では、30t/日を超えるような大規模生産を行わなければ経済的でないため、少量の酸素富化空気が必要な場合には、コストが大幅に上昇して酸素富化空気を安価に製造することができない。
また、上記の空気分離装置では、深冷分離方式の作動原理及び分子熱流体の特性から、負荷変動量の制限と負荷変動速度の制限とが存在するため、極力一定した運転(即ち、単位時間当たりの酸素の生産量が一定になるような運転)を行わなければならず、単位時間当たりの酸素の生産量を変更することができない。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、酸素富化空気の生産量を変更することができると共に、生産量に関わらず酸素富化空気を安価に製造できる酸素富化空気製造システムを提供することを課題とする。
本発明者は、種々検討した結果、上記目的は、以下の本発明により達成されることを見出した。即ち、本発明の一態様である酸素富化空気製造システムは、投入された空気から当該空気よりも酸素濃度の高い酸素富化空気を製造する酸素富化空気製造システムであって、天然ガスを燃焼させる施設に供給される液化天然ガスと前記投入された空気とを熱交換させる第1の熱交換器と、前記第1の熱交換器において熱交換された空気を所定の圧力まで圧縮する圧縮機と、前記圧縮された空気と前記液化天然ガスとを熱交換させる第2の熱交換器と、前記第2の熱交換器において熱交換された空気を断熱膨張させる膨張弁と、前記断熱膨張させた空気の気液分離を行う気液分離装置と、を備える。そして、前記圧縮機の圧縮比及び前記膨張弁の開度は、前記断熱膨張後の空気の温度が窒素の沸点よりも高く且つ酸素の沸点以下となるようにそれぞれ設定されている。
本発明によれば、酸素富化空気を製造することによって純酸素を製造する場合に比べて製造コストを抑えることができる。
しかも、第1の熱交換器と第2の熱交換器とにおいて液化天然ガスの冷熱を利用して空気を冷却すると共に、この冷却後の空気を圧縮機によって圧縮することで、生産量に関わらず酸素富化空気を安価に製造することができる。
具体的には、気化させて使用する液化天然ガスの冷熱を利用して空気を冷却することによって、酸素富化空気の生産量に関わりなく、空気の冷却のための消費電力等のコストを抑えることができる。また、酸素富化空気の生産量に関わりなく、冷却後の空気を圧縮することによって圧縮機による昇圧の幅(圧縮比)を小さくしても断熱膨張後の空気の温度を酸素の沸点以下にすることができるため、圧縮機における消費電力を抑えることができる。よって、生産量に関わりなく酸素富化空気を安価に製造することができる。
また、上述の構成によれば、深冷分離方式のような液化させた空気から酸素のみを気化させるといった準静的な平衡プロセスではなく、空気中の酸素を液化させてこの空気を気液分離装置によって強制的に気液分離して酸素の濃縮を行う構成であるため、気液分離装置に供給される空気の量等が変動しても酸素の濃縮が連続的に行われる。このため、酸素富化空気の生産量(単位時間当たりの生産量)を変更することができる。
また、上述の酸素富化空気製造システムにおいて、前記第2の熱交換器は、前記第1の熱交換器において熱交換された後の液化天然ガスと、前記圧縮された空気と、を熱交換させる構成が好ましい。
かかる構成によれば、第1の熱交換器において空気との熱交換によって温度の上昇した液化天然ガスを、第2の熱交換器においてさらに昇温又は気化させることができる。即ち、第1の交換器から排出された空気は、圧縮機での圧縮によって第1の熱交換器から排出された直後よりも温度が上昇しているため、第2の熱交換器では、この熱によって液化天然ガスをさらに加熱して(熱交換させて)昇温又は気化させることができる。これにより、タンクに貯留された液化天然ガスを、前記施設において燃焼させるために気化させる際のエネルギー(例えば電力等)のコストをより抑えることができる。
また、上述の酸素富化空気製造システムにおいて、前記気液分離装置は、上下に延びる分離筒を備え、且つ供給された空気を前記分離筒内で旋回させるサイクロン式気液分離装置であることが好ましい。
かかる構成によれば、分離筒内において供給された空気の旋回流を生じさせるといった簡単な構造の装置であるため、極低温(空気に含まれる酸素が液化する温度)の空気の気液分離を行っても故障等が生じ難い。しかも、分離筒内で空気を旋回させる構成であるため、空気中に生じたミスト状の酸素(液化した酸素)を遠心力を利用して連続的に分離することができる。
上述の酸素富化空気製造システムでは、第1の熱交換器において液化天然ガスと熱交換したあとの空気は、非常に低い温度にまで冷却されている。このため、第1の熱交換器において熱交換された後の空気を圧縮する圧縮機は、低温雰囲気下においても摩擦なく連続的な圧縮動作が可能な構成でなければならず、例えば、回転軸が平行となるように配置された一対のスクリューロータを備え、これら一対のスクリューロータの回転によって空気を圧縮するスクリュー式圧縮機であることが好ましい。
また、上述の酸素富化空気製造システムにおいて、前記第1の熱交換器は、熱交換のために前記液化天然ガス又は前記空気が流れる流路を複数有し、これら複数の流路のうち外部に最も近い外側流路を前記空気が流れるように構成されることが好ましい。
かかる構成によれば、外部から第1の熱交換器の内部に向かって温度勾配が単調になり、即ち、温度が上下に変動せずに外部から第1の熱交換器の内部に向かって大気、空気の流れる流路、液化天然ガスの流れる流路の順に温度が下がるような温度勾配となるため、断熱性が向上すると共に当該第1の熱交換器における熱歪みを抑えることができる。
この場合、前記第1の熱交換器は、所定のゼオライトによって構成され、且つ前記外側流路内、又は当該第1の熱交換器内に設けられて前記外側流路と連通する空間内に配置される吸着材を有することが好ましい。
かかる構成によれば、第1の熱交換器内を空気が通過することによって、この空気に含まれる水蒸気やCO、メタン、有機溶媒等が吸着剤によって吸着され、これにより、空気にこれらの物質が含まれていることに起因する気液分離装置での気液分離効率の低下を防ぐことができる。
また、上述の酸素富化空気製造システムにおいて、前記第2の熱交換器は、熱交換のために前記液化天然ガス又は前記空気が流れる流路を複数有し、これら複数の流路のうち当該第2の熱交換器の外部に最も近い外側流路を前記液化天然ガスが流れるように構成されることが好ましい。
熱交換器では、一般に、外側流路の断面積は、その内側に設けられ且つ前記外側流路を流れる流体と熱交換する流体の流れる内側流路の断面積よりも大きい。このため、上述の構成によれば、流路の断面積の大きな外側流路に液化天然ガスを流すと共に、流路の断面積の小さな内側流路に圧縮されて体積の小さくなった空気を流すことで、第2の熱交換器における液化天然ガスと空気(圧縮後の空気)との流速の差が抑えられ、これにより、熱交換効率の低下を抑えることができる。
さらに、圧縮機での圧縮に伴う発熱によって温度の上昇した空気との熱交換によって液化天然ガスの全部又は一部が気化することによる体積膨張を前記断面積の差によって吸収させることにより、前記膨張に基づいて熱交換器に発生する応力を低減することができる。
この場合、内側流路を流れる空気の温度よりも外側流路を流れる液化天然ガスの温度の方が低いため、第2の熱交換器における外部(外気)との温度差に起因する熱歪みの発生を防ぐために、前記第2の熱交換器は、前記複数の流路全体を外側から囲う断熱部を有することが好ましい。
また、上述の酸素富化空気製造システムでは、前記第1の熱交換器において熱交換された液化天然ガス又は前記第2の熱交換器において熱交換された液化天然ガス、及び、前記気液分離装置における分離した液体を排出する排出部から排出された前記空気と、前記天然ガスを燃焼させる施設から排気された排ガスと、を熱交換させる第3の熱交換器をさらに備えてもよい。
かかる構成によれば、天然ガスを燃焼させる施設において生じた排ガス(廃熱)を利用して、当該施設に供給される液化天然ガス(一部ガス化している場合も含む)と、当該酸素富化空気製造システムによって製造される酸素富化空気とを確実に気化(ガス化)することができる。しかも、前記液化天然ガスを燃焼させる施設から排気される排ガスは、天然ガス(気化させた液化天然ガス)を酸素富化空気を供給した状態で燃焼(高カロリー燃焼)させた後の排ガスであるためその温度が十分高く、このため、前記施設に供給される液化天然ガス(一部ガス化している場合も含む)と酸素富化空気との両方を確実にガス化することができる。
このように、前記施設に供給される液化天然ガスと酸素富化空気とが確実に気化される構成の酸素富化空気製造システムでは、前記第3の熱交換器において熱交換した空気、又は前記第3の熱交換器において熱交換することによって気化した液化天然ガスである天然ガスの流れる流路に配置されて前記空気又は前記天然ガスの流れ又は圧力を利用して発電する発電機をさらに備え、前記発電機は、前記圧縮機に接続され、当該発電機において生成した電力を前記圧縮機に供給することが好ましい。
かかる構成によれば、外部から酸素富化空気製造システムに供給される電力を抑えることができ、これにより、当該酸素富化空気製造システムの省電力化を図ることができる。
また、上述の酸素富化空気製造システムにおいて、前記気液分離装置における分離した気体を排気する排気部に接続されると共に、前記施設に供給される前の液化天然ガスが貯蔵されるタンクとこのタンクの外側を囲う断熱部との間に設けられるタンク冷却流路をさらに備えることが好ましい。
かかる構成によれば、気液分離装置の排気部から排気される極低温(酸素の沸点以下)の窒素又は窒素リッチな空気の冷熱を利用してタンクを冷却することができ、これにより、タンクに貯蔵する液化天然ガスを冷却して液相のままで維持するための電力等を抑えることができる。
また、上述の酸素富化空気製造システムにおいて、当該酸素富化空気製造システムに投入される空気を前記第1の熱交換器まで案内する案内流路をさらに備え、前記案内流路は、その内部を流れる空気と、前記施設に供給される前の液化天然ガスが貯蔵されるタンク内の液化天然ガスとの間で熱交換可能に当該タンクに沿って配置されることが好ましい。
かかる構成によれば、タンクに貯蔵された極低温の液化天然ガスの冷熱を利用して、第1の熱交換器に供給される前の空気を冷やして結露させることにより、後段(空気の流れにおける下流側)の気液分離装置での気液分離効率の低下の原因となる空気中の水分を除去することができる。
また、第1の熱交換器に供給される前の空気をタンクに貯蔵された液化天然ガスの冷熱を利用して冷却することにより、第1の熱交換器の小型化を図ることも可能となる。
以上より、本発明によれば、酸素富化空気の生産量を変更することができると共に、生産量に関わらず酸素富化空気を安価に製造できる酸素富化空気製造システムを提供することができる。
本実施形態に係る酸素富化空気製造システムと、この酸素富化製造システムが併設されている施設の概略構成を示す図である。 第1の熱交換器の斜視図である。 図2のIII−III位置の断面図である。 図4(A)はスクリュー圧縮機の横断面図であり、図4(B)はスクリュー圧縮機の縦断面図であり、図4(C)は図4(A)のIV(C)―IV(C)位置の断面図である。 膨張弁の前後の空気の圧力と、膨張後の空気の温度との関係を示す図である。 第2の熱交換器の横断面図である。 図7(A)はサイクロン式気液分離装置の平面図であり、図7(B)はサイクロン式気液分離装置の正面図である。 第3の熱交換器の横断面図である。 他実施形態に係る酸素富化空気製造システムの概略構成を示す図である。
以下、本発明の一実施形態について、図1〜図8を参照しつつ説明する。図1は、本実施形態に係る酸素富化空気製造システムと、この酸素富化製造システムが併設されている施設の概略構成を示す図である。図2は、第1の熱交換器の斜視図であり、図3は、図2のIII−III位置の断面図である。図4は、スクリュー圧縮機を説明するための図である。図5は、膨張弁の前後の空気の圧力と、膨張後の空気の温度との関係を示す図である。図6は、第2の熱交換器の横断面図である。図7(A)は、サイクロン式気液分離装置の平面図であり、図7(B)は、サイクロン式気液分離装置の正面図である。図8は、第3の熱交換器の横断面図である。
本実施形態に係る酸素富化空気製造システム(以下、単に「製造システム」とも称する。)は、例えば、高炉や発電等において天然ガス(以下、単に「NG」とも称する。)を燃焼させるときに熱効率の向上及び排出ガス(COガス等)の削減を目的として吹き込ませる酸素濃度の高い空気(酸素富化空気)を製造するためのものである。尚、酸素富化空気は、大気に比べて酸素濃度の高い空気のことであり、本実施形態の製造システム10では、酸素濃度が30%程度の酸素富化空気が製造される。また、本実施形態において、NGは、液化天然ガス(以下、単に「LNG」とも称する。)を気化させたガス(気体)である。
本実施形態の製造システムは、図1に示されるように、LNGをタンク50に貯蔵すると共に、このLNGを気化させたガス(NG)を燃料として燃焼させる例えば高炉や発電等の施設55(以下、単に「施設」とも称する。)に併設され、投入された空気から当該空気よりも酸素濃度の高い酸素富化空気を前記LNGの冷熱を利用して製造し、この製造した酸素富化空気を施設55に供給する。
この製造システム10は、送風装置11と、予冷部12と、圧縮機15と、第2の熱交換器16と、膨張弁18と、気液分離装置19と、第3の熱交換器20と、発電機21と、を備える。
送風装置11は、外部の空気(大気)を投入空気として予冷部12に送り込む(送風する)。
予冷部12は、除湿案内部(案内流路)13と第1の熱交換器14とを有し、送風装置11によって送られた空気を冷却したあと圧縮機15に供給する。
除湿案内部13は、送風装置11によって当該製造システム10に投入された空気を第1の熱交換器14まで案内する。この除湿案内部13は、その内部を流れる空気と、タンク50に貯蔵されたLNGとの間で熱交換可能にタンク50に沿って配置されている。このように、タンク50に貯蔵された極低温(本実施形態では113K)のLNGの冷熱を利用して第1の熱交換器14に供給される前の空気を除湿案内部13内で結露させて除湿することにより、後段の気液分離装置19において気液分離効率の低下の原因となる空気中の水分を除去することができる。また、第1の熱交換器14に供給される前の空気を冷却することにより、第1の熱交換器14の小型化を図ることも可能となる。
具体的に、除湿案内部13は、送風装置11と第1の熱交換器14とに接続されている。そして、除湿案内部13は、送風装置11から供給された空気(投入空気)を断熱壁52内を通過させたあと、第1の熱交換器14まで案内する。この断熱壁52は、LNGが貯蔵されたタンク50を囲み且つ厚さ方向に複数層に区分けされた壁であり、除湿案内部13は、前記空気をこの断熱壁52の最外層を通過させたあと、第1の熱交換器14まで案内する。
尚、除湿案内部13は、投入された空気を断熱壁52の最外層を通過させる構成に限定されず、断熱壁52の他の層(最外層以外の層)を通過させるように構成されてもよい。また、図1では、複数層の断熱壁52を簡略化して一層の壁として記載している。
第1の熱交換器14は、除湿案内部13を通過した空気と、タンク50から供給されたLNGとを熱交換させる。本実施形態の第1の熱交換器14は、例えば図2及び図3に示されるような、アルミ製のプレートフィン式熱交換器(詳しくは、アルミ部材をロウ付けすることによって形成された熱交換器)である。
この第1の熱交換器14は、箱型形状のケーシング140と、このケーシング140の中央部に内装されると共に、空気が流れる第1流路141aとLNGが流れる第2流路141bとが交互に配置される熱交換部141とを備える。
ケーシング140は、下端部及び上端部にLNG用の下部ヘッダ142及び上部ヘッダ143を有する。また、ケーシング140は、上側部及び下側部に空気用の上側部ヘッダ144及び下側部ヘッダ145を有する。
このケーシング140は、その内部の上下方向の中央位置に熱交換部141を有する。この熱交換部141の上端部に上部分配部146が設けられ、熱交換部141の下端部に下部分配部147が設けられている。
上部分配部146は、除湿案内部13から上側部ヘッダ144に供給された空気を熱交換部141の各第1流路141aに案内すると共に熱交換部141の各第2流路141bを通過したLNGを上部ヘッダ143に案内する。一方、下部分配部147は、タンク50から下部ヘッダ142に供給されたLNGを熱交換部141の各第2流路141bへ案内すると共に、熱交換部141の各第1流路141aを通過した空気を下側部ヘッダ145に案内する。
このように構成されることにより、第1の熱交換器14に供給される空気は、上側部ヘッダ144及び上部分配部146を順に通過して熱交換部141の各第1流路141a内に導入される。そして、この空気は、これら各第1流路141aを通過した後、下部分配部147及び下側部ヘッダ145を順に通過して外部に排出される。一方、第1の熱交換器14に供給されるLNGは、下部ヘッダ142及び下部分配部147を順に通過して熱交換部141の各第2流路141b内に導入される。そして、このLNGは、これら各第2流路141bを通過した後、上部分配部146及び上部ヘッダ143を順に通過して外部に排出される。このようにLNGが上方に向かって流れると共に空気が下方に向かって流れることにより、各流路141a、141bを仕切っているアルミ製のプレートを介してLNGと空気との熱交換が行われる。
熱交換部141は、第1流路141aと第2流路141bとが交互に配置されることによって、多数の流路(第1流路141aと第2流路141bと)が層状に並ぶ。本実施形態の熱交換部141(第1の熱交換器14)は、外部に最も近い外側流路(図3における右端の第1流路141a及び左端の第1流路141a)を空気が流れるように構成されている。かかる構成によれば、各流路141a、141bの積層方向(図3の左右方向)における第1の熱交換器14の外周部及びその近傍において、外部から第1の熱交換器14の内部に向かって温度勾配が単調になる。具体的に、温度が上下に変動せずに外部から第1の熱交換器14の内部に向かって大気、空気の流れる第1流路141a、LNGの流れる第2流路141bの順に温度が下がるような温度勾配となる。このため、第1の熱交換器14では、外部との断熱性が向上すると共に当該第1の熱交換器14の前記外周部における熱歪みを抑えることができる。
尚、熱交換部141において、外側に最も近い流路である第1流路141aは、第2流路141bよりも1層多いことから、各第1流路141aの断面積の合計の方が、各第2流路141bの断面積の合計よりも大きくなっている。
また、第1の熱交換器14の第1流路141a内又は第1流路141aと連通する上側部ヘッダ144及び下側部ヘッダ145内に、吸着剤(図示省略)が配置されている。本実施形態の吸着剤は、例えば、モレキュラーシーブ等のゼオライトである。この吸着剤は、第1の熱交換器14内を空気が通過したときに、この空気に含まれる水蒸気やCO、メタン、有機溶媒等を吸着する。これにより、空気にこれらの物質が含まれていることに起因する気液分離装置19での気液分離効率の低下を防ぐことができる。
圧縮機15は、第1の熱交換器14と第2の熱交換器16とに接続されている。この圧縮機15は、第1の熱交換器14において熱交換された後の空気を所定の圧力まで圧縮し、第2の熱交換器16に向けて送り出す。本実施形態の圧縮機15は、容積型圧縮機の一種である、スクリュー式圧縮機である。具体的に、スクリュー圧縮機15は、図4(A)〜図4(C)に示されるように、回転軸151が平行となるように配置された一対のスクリューロータ(雌ロータと雄ロータ)152、153と、これを囲むケーシング154とを備える。このスクリュー圧縮機15は、ケーシング154に設けられた導入口155から供給された空気を、一対のスクリューロータ152、153が互いに逆方向に回転する(図4(C)においてスクリューロータ152は時計周りに回転し、スクリューロータ153は反時計周りに回転する)ことによって空気を圧縮し、この圧縮した空気を排出口156から排出(排気)する。
本実施形態の圧縮機15は、第1の熱交換器14から供給された大気圧(1気圧)の空気を7気圧まで圧縮する。即ち、本実施形態の圧縮機の圧縮比は7である。
この圧縮比(圧縮後の空気圧)は、膨張弁18によって断熱膨張された後の空気の温度が窒素の沸点より高く且つ酸素の沸点以下となるように設定される。具体的には、以下の通りである。
膨張弁18の前後の空気の圧力P1、P2、及び膨張弁18の前後の温度T1、T2の関係は、ジュール・トムソン関係式より以下の式(1)によって表される。
Figure 2014088982
また、Cpは定圧比熱であり、Cvは定積比熱である。尚、本実施形態においてT1(断熱膨張前の空気の温度)は、113Kである。
図5は、この関係をグラフ化したものである。当該製造システム10では、膨張弁18から気液分離装置19に対して空気を高速のガス流として供給する必要から、断熱膨張後の空気の圧力として3気圧を確保する必要がある。そこで、図5を参照すると、断熱膨張前の空気の圧力(即ち、膨張弁の直前の空気の圧力)が7気圧以上であれば、断熱膨張後の空気の温度を窒素の沸点より高く且つ酸素の沸点以下とすることができる。また、断熱膨張後の空気において3気圧を確保することが可能であることがわかる。
第2の熱交換器16は、圧縮機15から供給された空気(圧縮された後の空気)と、第1の熱交換器14から供給されたLNG(第1の熱交換器14において熱交換された後のLNGであって一部が気化してNGとなっている状態も含む)とを熱交換させる。本実施形態の第2の熱交換器16はアルミ製のプレートフィン式熱交換器である。
この第2の熱交換器16は、図6に示されるように、ケーシング140の外側に断熱部160を有する以外は第1の熱交換器14と同様の構成である。この断熱部160は、真空断熱構造を有する。
この第2の熱交換器16は、LNGが第1流路141aを流れ、且つ空気が第2流路141bを流れるように、第1の熱交換器14と圧縮機15とに接続されている。このように最も外側の流路(外側流路)に温度の低いLNGが流れるため、断熱部160を設け、これにより、第2の熱交換器16の外周部における外部(外気)と内部(第1流路141aを流れるLNG)との温度差に起因する熱歪みの発生を防いでいる。
また、第2の熱交換器16では、第1の熱交換器14と同様に、各第1流路141aの断面積(流れ方向と直交する断面の断面積)の合計が、各第2流路141bの断面積(流れ方向と直交する断面の断面積)の合計よりも大きい。このため、当該第2の熱交換器16のように、各流路の断面積の合計の大きな第1流路141aにLNGを流すと共に、各流路の断面積の合計の小さな第2流路141bに圧縮されて体積の小さくなった空気を流すことで、第2の熱交換器16内を流れるLNGと空気(圧縮後の空気)との流速の差が抑えられる。これにより、第2の熱交換器16における熱交換効率の低下が抑えられる。
さらに、圧縮機15での圧縮に伴う発熱によって温度の上昇した空気との熱交換によってLNGの全部又は一部が気化することによる体積膨張を前記断面積の差によって吸収させることにより、第2の熱交換器16において発生する前記膨張に基づく応力を低減することができる。
膨張弁18は、第2の熱交換器16から供給された空気を断熱膨張させて気液分離装置19に供給する。この膨張弁18は、供給された空気を断熱膨張させて当該空気の温度が窒素の沸点(77K)よりも高く且つ酸素の沸点(90K)以下にする。即ち、膨張弁18の開度は、断熱膨張させた空気の温度が窒素の沸点よりも高く且つ酸素の沸点以下となるように設定されている(又は調整される)。これにより、膨張弁18を通過した空気では、酸素が液化した状態(具体的には、ミスト状の酸素を含んだ空気)となる。
尚、膨張弁18の開度は、断熱膨張前の空気の圧力及び温度によって適宜設定される。
本実施形態の膨張弁18は、気液分離装置19に所定の値以上の流速(気液分離装置19において気液分離可能な旋回流が形成されるような流速)で空気を供給できるように、断熱膨張させた後の空気の圧力が3気圧となるような開度に設定されている。
気液分離装置19は、断熱膨張させて温度が窒素の沸点よりも高く且つ酸素の沸点以下になった空気(本実施形態では、酸素がミスト状になっている空気)の気液分離を行う。本実施形態では、図7(A)及び図7(B)に示されるようなサイクロン式気液分離装置19が用いられる。
この気液分離装置19は、上下に延びる分離筒190を備え、且つ供給された空気を前記分離筒190内で旋回させる。即ち、本実施形態の気液分離装置19は、供給された空気の旋回流を分離筒190内に形成し、この旋回流における遠心力を利用して気液分離を行う、いわゆるサイクロン式の気液分離装置である。
分離筒190は、上下方向に延びる軸cを中心とする円筒状の円筒上部191と、円筒上部191の下側に設けられた円錐状の円筒下部192と、を有する。円筒上部191は、圧縮機15に接続され且つ円筒上部191の上端部に設けられる導入口193と、前記円筒上部191の天壁の中心部を貫通するように上下に延びる排出筒194と、を有する。
この分離筒190では、導入口193からミスト状の酸素を含む空気が円筒上部191内へ接線方向に導入される。導入された空気は、円筒上部191の内周面191aに沿って旋回しつつ下方へ向かう旋回流となる。この旋回流における遠心力によって分離筒190の内周面191a、192aに液化した酸素(ミスト状の酸素)が付着し、内周面191a、192aに沿って下方へ流れ落ちる。
円筒上部191から円筒下部192まで旋回しつつ降下し、この間に遠心力によってミスト状の(液化した)酸素が取り除かれた空気(即ち、窒素又は窒素リッチになった空気)の流れは、円筒下部192において上方へ向かう流れとなり、円筒上部191の中央に設けられた排出筒194から外部に排出される。尚、円筒下部192の内周面192aの中心軸(垂直軸)cに対する傾斜角が大き過ぎると、ミストごと空気が巻き上げられて排出筒194から排出される一方、前記傾斜角が小さ過ぎると、分離筒190の上下方向の長さ寸法が大きくなってしまう。このため、前記傾斜角は、75°〜85°が好ましい。
円筒下部192の下端には、当該気液分離装置19において分離した液体(ミスト状の酸素)を排出する排出部195が設けられている。この排出部195は、液化酸素受け部(図示省略)と、排水ポンプ196(図1参照)とを有する。液化酸素受け部は、分離筒190の内周面191a、192aに沿って流れ落ちてきたミスト状の酸素を溜める。また、排水ポンプ196は、前記液化酸素受け部に溜まった液体(ミスト状の酸素)を連続的又は断続的に外部に排出する。本実施形態では、排水ポンプが液化酸素受け部に泡状になって溜まった空気を外部に排出する。この排水ポンプによって排出される泡状の空気は、酸素が濃縮された酸素富化空気である。
尚、液化酸素受け部に溜まった液化した酸素(泡状の空気)を断続的に外部に排出させる場合には、排水ポンプ196の代わりに電磁弁が設けられてもよい。
分離筒190は、内部で旋回する空気をその温度が窒素の沸点(77K)よりも高く且つ酸素の沸点(90K)以下となるように保持する必要があるため、周壁は、真空断熱構造となっている。また、空気の旋回流と内周面191a、192aとの間の摩擦を抑えるため、内周面191a、192aは、鏡面仕上げとなっている。
排出筒194は、タンク50とこのタンク50の外側を囲う断熱壁52との間に設けられたタンク冷却流路54に接続されている。これにより、排出筒194から排出された窒素(又は窒素リッチな空気)がタンク冷却流路54に供給される。この窒素は、酸素の沸点以下の極低温であるため、この窒素の冷熱によってタンク50内に貯蔵されたLNGを冷却することによって、タンク50内のLNGの温度を維持するための電力等を抑えることができる。尚、本実施形態では、タンク50を冷却した後の窒素は、大気中に放出される。
第3の熱交換器20は、気液分離装置19の排出部195から排出された酸素富化空気及び第2の熱交換器16を通過したLNG(NGを含む気液二相状態のLNG)又はNGと、施設55から排気された排ガスと、を熱交換させる。本実施形態の第3の熱交換器20はアルミ製のプレートフィン式熱交換器である。この第3の熱交換器20は、図8に示されるように、第1の熱交換器14と同様の構成である。
この第3の熱交換器20は、排ガスが第1流路141aを流れ、酸素富化空気とLNG(又はNG)とが第2流路141b(141c)を交互に流れるように構成されている。尚、図8においては、酸素富化空気が流れる第2流路の符号を141bとし、LNG(又はNG)が流れる第2流路の符号を141cとしている。
施設55では、酸素富化空気を供給しつつNGを燃焼させている(高カロリー燃焼させている)ため、高温の排ガスが排出されている。第3の熱交換器20では、この高温の排ガスと熱交換させることによって酸素富化空気及びNGを完全に気化させる。
発電機21は、第3の熱交換器20の下流に配置され、第3の熱交換器20から排出される空気を利用して発電する。詳しくは、発電機21は、タービンを備えたタービン式の発電機であり、第3の熱交換器20から施設55へ供給される酸素富化空気の流路に配置されている。そして、発電機21は、施設55へ向かう酸素富化空気の流れによってタービンが回転することによって発電する。この発電機21は、圧縮機15に送電可能に接続され、発電した電力を圧縮機15に供給する。これにより、外部から当該製造システム10に供給される電力を抑えることができ、その結果、当該製造システム10の省電力化を図ることができる。
尚、発電機21は、酸素富化空気の流れを利用して発電するタービン式発電機等に限定されず、酸素富化空気の圧力を利用して発電する発電機(例えば、いわゆるスクリュー式発電機等)であってもよい。
また、第2の熱交換器16において空気(圧縮後の空気)と熱交換したLNGが完全に気化した状態(NGの状態)で第2の熱交換器16から排出される場合には、発電機21は、第2の熱交換器16と第3の熱交換器20とを繋ぐ流路上に配置されてもよい。
以上の製造システム10によれば、酸素富化空気を製造することによって純酸素を製造する場合に比べて製造コストを抑えることができる。
しかも、第1の熱交換器14と第2の熱交換器16とにおいてLNGの冷熱を利用して空気を冷却すると共に、この冷却後の空気を圧縮機15によって圧縮することで、生産量に関わらず酸素富化空気を安価に製造することができる。
具体的には、LNG(気化させて使用するLNG)の冷熱を利用して空気を冷却することによって、酸素富化空気の生産量に関わりなく、空気の冷却のための消費電力等のコストを抑えることができる。また、酸素富化空気の生産量に関わりなく、冷却後の空気を圧縮することによって圧縮機15による昇圧の幅(圧縮比)を小さくしても断熱膨張後の空気の温度を酸素の沸点以下にすることができる。このため、圧縮機15における消費電力を抑えることができる。従って、当該製造システム10によれば、生産量に関わりなく酸素富化空気を安価に製造することができる。
また、本実施形態の製造システム10では、深冷分離方式のような液化させた空気から酸素のみを気化させるといった準静的な平衡プロセスではなく、空気中の酸素を液化させてこの空気を気液分離装置19によって強制的に気液分離して酸素の濃縮を行う構成である。このため、当該製造システム10では、気液分離装置19に供給される空気の量等が変動しても酸素の濃縮が連続的に行われる。よって、酸素富化空気の生産量(単位時間当たりの生産量)を変更することができる。
また、本実施形態の製造システム10によれば、分離筒190内において供給された空気の旋回流を生じさせるといった簡単な構造の装置であるため、極低温(空気に含まれる酸素が液化する温度:90K以下)の空気の気液分離を行っても故障等が生じ難い。しかも、分離筒190内で空気を旋回させる構成であるため、空気中に生じたミスト状の酸素(液化した酸素)を、遠心力を利用して連続的に分離させることができる。
尚、本発明の酸素富化空気製造システムは、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
上記実施形態の製造システム10では、圧縮機15の駆動に必要な電力を発電機21から得ているが、この構成に限定されず、外部からの電力を用いる構成でもよい。この場合、発電機21が設けられていなくてもよい。
また、気液分離装置の具体的構成は限定されない。上記実施形態の気液分離装置19は、いわゆるサイクロン式の気液分離装置であるが、極低温の雰囲気下(酸素の沸点(90K)以下の雰囲気下)で気液分離可能な装置であれば気液分離の方法は限定されず、例えば、図9に示される遠心式分留器60等の他の方式(サイクロン式と異なる方式)の気液分離装置であってもよい。
図9に示される製造システム10Aの遠心式分留器60は、すり鉢状の回転体(ローター)62と、この回転体62を回転駆動する駆動部(モータ)64と、その内部空間内に回転体62を回転可能に収容するケーシング66と、を備える。この遠心式分留器60は、膨張弁18によって断熱膨張された空気が回転体62の内側面63に噴射され、内側面63に付着した酸素(断熱膨張によって液化した酸素)が回転体62の回転による遠心力によって回転体62の外周縁を囲むように設けられた受け部67によって集められる。一方、断熱膨張によって液化しなかった窒素又は窒素リッチな空気は、ケーシング66に設けられた排気部68から外部に排出される。このようにして、遠心式分留器60では、気液分離が行われる。
また、上記実施形態の製造システム10では除湿案内部13が設けられているが、無くてもよい(図9参照)。この場合、例えば、図9に示されるように、第1の熱交換器14に供給される空気と、気液分離装置19、60から排気される窒素又は窒素リッチな空気とを熱交換させる第4の熱交換器17が設けられてもよい。即ち、第1の熱交換器14に供給される空気の除湿及び予冷(予備冷却)を、気液分離装置19、60から排気される極低温(窒素の沸点より高く且つ酸素の沸点以下)の窒素又は窒素リッチな空気の冷熱を利用して行ってもよい。
また、上記実施形態の製造システム10ではタンク冷却流路54が設けられているが、無くてもよい。
また、上記実施形態の第3の熱交換器20は、気液分離装置19から排出される酸素富化空気及び第2の熱交換器16から排出されるLNGと、施設55からの排ガスとを熱交換させる構成であるが、前記酸素富化空気と前記LNGのいずれか一方と、施設55からの排ガスとを熱交換させるように構成されてもよい。
また、上記実施形態の製造システム10では、第1の熱交換器14において熱交換された後のLNGが第2の熱交換器16に供給されているが、例えば、第2の熱交換器16にタンク50からLNGが直接供給される構成であってもよい。
10、10A 酸素富化空気製造システム
13 除湿案内部(案内流路)
14 第1の熱交換器
141a 第1流路(外側流路)
141b 第2流路(内側流路)
15 圧縮機
151 回転軸
152、153 スクリューロータ
16 第2の熱交換器
160 断熱部
18 膨張弁
19、60 気液分離装置
190 分離筒
194 排出筒(排出部)
195 排出部
20 第3の熱交換器
21 発電機
50 タンク
52 断熱壁
54 タンク冷却流路
55 施設

Claims (12)

  1. 投入された空気から当該空気よりも酸素濃度の高い酸素富化空気を製造する酸素富化空気製造システムであって、
    天然ガスを燃焼させる施設に供給される液化天然ガスと前記投入された空気とを熱交換させる第1の熱交換器と、
    前記第1の熱交換器において熱交換された空気を所定の圧力まで圧縮する圧縮機と、
    前記圧縮された空気と前記液化天然ガスとを熱交換させる第2の熱交換器と、
    前記第2の熱交換器において熱交換された空気を断熱膨張させる膨張弁と、
    前記断熱膨張させた空気の気液分離を行う気液分離装置と、を備え、
    前記圧縮機の圧縮比及び前記膨張弁の開度は、前記断熱膨張後の空気の温度が窒素の沸点よりも高く且つ酸素の沸点以下となるようにそれぞれ設定されている、酸素富化空気製造システム。
  2. 前記第2の熱交換器は、前記第1の熱交換器において熱交換された後の液化天然ガスと、前記圧縮された空気と、を熱交換させる、請求項1に記載の酸素富化空気製造システム。
  3. 前記気液分離装置は、上下に延びる分離筒を備え、且つ供給された空気を前記分離筒内で旋回させるサイクロン式気液分離装置である、請求項1又は2に記載の酸素富化空気製造システム。
  4. 前記圧縮機は、回転軸が平行となるように配置された一対のスクリューロータを備え、これら一対のスクリューロータの回転によって空気を圧縮するスクリュー式圧縮機である、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の酸素富化空気製造システム。
  5. 前記第1の熱交換器は、熱交換のために前記液化天然ガス又は前記空気が流れる流路を複数有し、これら複数の流路のうち外部に最も近い外側流路を前記空気が流れるように構成される、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の酸素富化空気製造システム。
  6. 前記第1の熱交換器は、所定のゼオライトによって構成され、且つ前記外側流路内、又は当該第1の熱交換器内に設けられて前記外側流路と連通する空間内に配置される吸着材を有する、請求項5に記載の酸素富化空気製造システム。
  7. 前記第2の熱交換器は、熱交換のために前記液化天然ガス又は前記空気が流れる流路を複数有し、これら複数の流路のうち当該第2の熱交換器の外部に最も近い外側流路を前記液化天然ガスが流れるように構成される、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の酸素富化空気製造システム。
  8. 前記第2の熱交換器は、前記複数の流路全体を外側から囲う断熱部を有する、請求項7に記載の酸素富化空気製造システム。
  9. 前記第1の熱交換器において熱交換された液化天然ガス又は前記第2の熱交換器において熱交換された液化天然ガス、及び、前記気液分離装置における分離した液体を排出する排出部から排出された前記空気と、前記天然ガスを燃焼させる施設から排気された排ガスと、を熱交換させる第3の熱交換器をさらに備える、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の酸素富化空気製造システム。
  10. 前記第3の熱交換器において熱交換した空気、又は前記第3の熱交換器において熱交換することによって気化した液化天然ガスである天然ガスの流れる流路に配置されて前記空気又は前記天然ガスの流れ又は圧力を利用して発電する発電機をさらに備え、
    前記発電機は、前記圧縮機に接続され、当該発電機において生成した電力を前記圧縮機に供給する、請求項9に記載の酸素富化空気製造システム。
  11. 前記気液分離装置における分離した気体を排気する排気部に接続されると共に、前記施設に供給される前の液化天然ガスが貯蔵されるタンクとこのタンクの外側を囲う断熱部との間に設けられるタンク冷却流路をさらに備える、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の酸素富化空気製造システム。
  12. 当該酸素富化空気製造システムに投入される空気を前記第1の熱交換器まで案内する案内流路をさらに備え、
    前記案内流路は、その内部を流れる空気と、前記施設に供給される前の液化天然ガスが貯蔵されるタンク内の液化天然ガスとの間で熱交換可能に当該タンクに沿って配置される、請求項1乃至11のいずれか1項に記載の酸素富化空気製造システム。
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