JP2014088797A - 液体輸送装置及び液種判定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】液体の種類を精度良く判定する。
【解決手段】本発明は、液体を輸送する流路を構成するためのチューブと、前記チューブを押して閉塞させる複数のフィンガーと、前記チューブを圧搾して前記液体を輸送するように前記フィンガーを順に押すカムと、前記チューブに設けられ、内周面が前記液体と接触して前記液体を輸送する流路を構成する第1電極及び第2電極と、前記第1電極と前記第2電極の間のインピーダンスに基づいて前記液体の種類を判定する判定部とを備えた液体輸送装置である。
【選択図】図15

Description

本発明は、液体輸送装置及び液種判定方法に関する。
液体を輸送する液体輸送装置として、特許文献1に記載されたマイクロポンプが知られている。マイクロポンプには、チューブに沿って複数のフィンガーが配置されており、カムがフィンガーを順次押すことによって、チューブが圧搾されて液体が輸送される。
特開2010−77947号公報
複数のフィンガーによりチューブを圧搾して液体を輸送する液体輸送装置は、気体をも輸送可能であるため、輸送される液体の制約をほとんど受けず、様々な種類の液体を輸送可能である。このため、仮に液体輸送装置に間違った液体がセットされていても、液体輸送装置は、その液体をそのまま輸送できてしまう。
本発明は、液体の種類を精度良く判定することを目的とする。
上記目的を達成するための主たる発明は、液体を輸送する流路を構成するためのチューブと、前記チューブを押して閉塞させる複数のフィンガーと、前記チューブを圧搾して前記液体を輸送するように前記フィンガーを順に押すカムと、前記チューブに設けられ、内周面が前記液体と接触して前記液体を輸送する流路を構成する第1電極及び第2電極と、前記第1電極と前記第2電極の間のインピーダンスに基づいて前記液体の種類を判定する判定部とを備えた液体輸送装置である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
図1は、液体輸送装置1の全体斜視図である。 図2は、液体輸送装置1の分解図である。 図3は、液体輸送装置1の断面図である。 図4は、液体輸送装置1の内部の透過上面図である。 図5は、ポンプ部5の概要説明図である。 図6は、本体10の内部構成を示す分解斜視図である。 図7は、本体10の裏面の斜視図である。 図8は、カートリッジ20の内部構成を示す分解斜視図である。 図9は、カートリッジ20ベースの裏面の分解斜視図である。 図10は、液体輸送装置1をパッチ30の底面側から見た斜視図である。 図11は、液体輸送装置1の使用方法を示すフロー図である。 図12は、プライミング処理の説明図である。 図13は、液体の種類の監視を行う監視装置70の説明図である。 図14A〜図14Dは、気泡の発生の説明図である。 図15は、第2実施形態の監視装置70の説明図である。 図16は、インピーダンス測定部73によるインピーダンスの測定の実験結果のグラフである。 図17は、第3実施形態の説明図である。
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも、以下の事項が明らかとなる。
液体を輸送する流路を構成するためのチューブと、前記チューブを押して閉塞させる複数のフィンガーと、前記チューブを圧搾して前記液体を輸送するように前記フィンガーを順に押すカムと、前記チューブに設けられ、内周面が前記液体と接触して前記液体を輸送する流路を構成する第1電極及び第2電極と、前記第1電極と前記第2電極の間のインピーダンスに基づいて前記液体の種類を判定する判定部とを備えた液体輸送装置が明らかとなる。
このような液体輸送装置によれば、液体の種類を精度良く判別できる。
前記第1電極及び前記第2電極は、複数の前記フィンガーに押される領域よりも上流側又は下流側のチューブに設けられていることが望ましい。これにより、第1電極及び第2電極の間でチューブが閉塞されることがないため、インピーダンスに基づく液体の種類を精度良く判別できる。
前記第1電極及び前記第2電極は、複数の前記フィンガーに押される領域よりも下流側のチューブに設けられており、前記第1電極と前記第2電極の間のインピーダンスに基づいて気泡の有無を判定することが望ましい。これにより、第1電極及び第2電極を気泡判定に兼用させることができる。
前記チューブの内周面に撥水処理が施されていることが望ましい。これにより、気泡を検出しやすくなる。
前記第1電極と前記第2電極の間のインピーダンスを測定する際に、前記第1電極と第2電極の間にバイアス電圧が加わらないように、前記第1電極及び前記第2電極に交流電圧を印加することが望ましい。これにより、液体に電気化学的なプロセスが生じることを抑制できる。
前記液体輸送装置の流路内に前記液体を充満させるプライミング処理の際に、前記第1電極と前記第2電極の間のインピーダンスに基づいて前記プライミング処理が完了しているか否かを判断することが望ましい。これにより、液体輸送装置がプライミング処理の完了を判別することもできる。
前記流路は矩形断面であり、前記第1電極及び第2電極は平板状に形成されていることが望ましい。これにより、液体輸送装置の低コスト化を図ることができる。
液体を輸送するためのチューブと、前記チューブを押して閉塞させる複数のフィンガーと、前記チューブを圧搾して前記液体を輸送するように前記フィンガーを順に押すカムと、を備えた液体輸送装置の前記液体の種類を判定する液種判定方法であって、前記チューブに設けられ内周面が前記液体と接触して前記液体を輸送する流路を構成する第1電極と第2電極との間のインピーダンスに基づいて、前記液体の種類を判定することを特徴とする液種判定方法が明らかとなる。これにより、液体の種類を精度良く判別できる。
===第1実施形態===
<液体輸送装置の基本構成>
図1は、液体輸送装置1の全体斜視図である。図2は、液体輸送装置1の分解図である。図に示すように、液体輸送装置1の貼着される側(生体側)を「下」とし、逆側を「上」として説明することがある。
液体輸送装置1は、液体を輸送するための装置である。液体輸送装置1は、本体10と、カートリッジ20と、パッチ30とを備える。本体10、カートリッジ20及びパッチ30は、図2に示すように分離可能であるが、使用時には図1に示すように一体に組み立てられる。液体輸送装置1は、例えば生体にパッチ30を貼着して、カートリッジ20に貯留されているインスリンを定期注入するのに好適に用いられる。カートリッジ20に貯留された液体(例えばインスリン)が無くなった場合、カートリッジ20は交換されるが、本体10及びパッチ30は継続して使用される。但し、パッチ30も低頻度で交換される。
図3は、液体輸送装置1の断面図である。図4は、液体輸送装置1の内部の透過上面図である。図4には、ポンプ部5の構成も示されている。図5は、ポンプ部5の概要説明図である。
ポンプ部5は、カートリッジ20に貯留されている液体を輸送するためのポンプとしての機能を有し、チューブ21と、複数のフィンガー22と、カム11と、駆動機構12とを備えている。
チューブ21は、液体を輸送するための管である。チューブ21の上流側(液体の輸送方向を基準にした場合の上流側)は、カートリッジ20の液体の貯留部26に連通している。チューブ21は、フィンガー22から押されると閉塞し、フィンガー22からの力が解除されると元に戻る程度に弾性を有している。チューブ21は、カートリッジ20のチューブ案内壁251Aの内面に沿って、部分的に円弧形状に配置されている。チューブ21の円弧形状の部分は、チューブ案内壁251Aの内面と、複数のフィンガー22との間に配置されている。チューブ21の円弧の中心は、カム11の回転中心と一致している。
フィンガー22は、チューブ21を閉塞させるための部材である。フィンガー22は、カム11から力を受けて、従動的に動作する。フィンガー22は、棒状の軸部と鍔状の押圧部とを有し、T字形状になっている。棒状の軸部はカム11と接触し、鍔状の押圧部はチューブ21と接触している。フィンガー22は、軸方向に沿って可動になるように、支持されている。
複数のフィンガー22は、カム11の回転中心から放射状に等間隔で配置されている。複数のフィンガー22は、カム11とチューブ21との間に配置されている。ここでは、7本のフィンガー22が設けられている。以下の説明では、液体の輸送方向の上流側から順に、第1フィンガー22A、第2フィンガー22B、・・・第7フィンガー22Gと呼ぶことがある。
カム11は、外周の4箇所に突起部を有している。カム11の外周に複数のフィンガー22が配置されており、そのフィンガー22の外側にチューブ21が配置されている。カム11の突起部によってフィンガー22が押されることによって、チューブ21が閉塞する。フィンガー22が突起部から外れると、チューブ21の弾性力によってチューブ21が元の形状に戻る。カム11が回転すると、7本のフィンガー22が順に突起部から押されて、輸送方向上流側から順にチューブ21が閉塞する。これにより、チューブ21が蠕動運動させられて、液体がチューブ21に圧搾されて輸送される。液体の逆流を防止するため、少なくとも1つ、好ましくは2つのフィンガー22がチューブ21を閉塞させるように、カム11の突起部が形成されている。
駆動機構12は、カム11を回転駆動するための機構である。駆動機構12は、圧電モーター121と、ローター122と、減速伝達機構123とを有する(図4参照)。
圧電モーター121は、圧電素子の振動を利用してローター122を回転させるためのモーターである。圧電モーター121は、矩形状の振動体の両面に接着された圧電素子に駆動信号を印加することによって、振動体を振動させる。振動体の端部はローター122に接触しており、この端部は、振動体が振動すると、楕円軌道や8の字軌道などの所定の軌道を描いて振動する。振動体の端部が、振動軌道の一部においてローター122と接触することによって、ローター122が回転駆動する。圧電モーター121は、振動体の端部がローター122に接触するように、一対のばねでローター122に向かって付勢されている。
ローター122は、圧電モーター121によって回転させられる被駆動体である。ローター122には、減速伝達機構123の一部を構成するローターピニオンが形成されている。
減速伝達機構123は、ローター122の回転を所定の減速比でカム11に伝達する機構である。減速伝達機構123は、ローターピニオンと、伝達車と、カム歯車とから構成されている。ローターピニオンは、ローター122に一体的に取り付けられた小歯車である。伝達車は、ローターピニオンと噛合する大歯車と、カム歯車と噛合するピニオンを有し、ローター122の回転力をカム11に伝達する機能を有する。カム歯車は、カム11に一体的に取り付けられており、カム11とともに回転可能に支持されている。
ポンプ部5を構成するチューブ21、複数のフィンガー22、カム11及び駆動機構12のうち、カム11及び駆動機構12は本体10に設けられており、チューブ21及び複数のフィンガー22はカートリッジ20に設けられている。以下、本体10、カートリッジ20及びパッチ30の構成について説明する。
・本体10
図6は、本体10の内部構成を示す分解斜視図である。図7は、本体10の裏面の斜視図である。以下、これらの図とともに図1〜図4を参照しながら、本体10の構成について説明する。
本体10は、本体ベース13と、本体ケース14とを有する。本体ベース13上には、前述の駆動機構12と、圧電モーター121等の制御を行う制御基板15(制御部)とが設けられている。本体ベース13上の駆動機構12(圧電モーター121、ローター122、減速伝達機構123)や制御基板15は、本体ケース14によって覆われて保護されている。
本体ベース13には、ベアリング13Aが設けられている。カム11の回転軸が本体ベース13を貫通しており、ベアリング13Aは、本体ベース13に対して回転可能にカム11の回転軸を支持している。カム11は減速伝達機構123を構成するカム歯車と一体であり、カム歯車は本体ケース14によって覆われて本体10の内部に配置され、カム11は本体10から露出している。本体10とカートリッジ20とを組み合わせると、本体10から露出しているカム11が、カートリッジ20のフィンガー22の端部と噛み合うことになる。
本体10にはフック掛け16が設けられている。フック掛け16には、カートリッジ20の固定フック234が引っ掛かり、本体10がカートリッジ20に固定される。
また、本体10は、電池収納部18を有する。電池収納部18に収納された電池19は、液体輸送装置1の電力源となる。
・カートリッジ20
図8は、カートリッジ20の内部構成を示す分解斜視図である。図9は、カートリッジ20ベースの裏面の分解斜視図である。以下、これらの図とともに図1〜図5を参照しながら、カートリッジ20の構成について説明する。
カートリッジ20は、カートリッジベース23と、ベース受け24とを有する。
カートリッジベース23の上側には、チューブユニット25が設けられている。チューブユニット25は、前述のチューブ21及び複数のフィンガー22と、ユニットベース251と、ユニットカバー252とを有する。ユニットベース251にはチューブ案内壁251Aが形成されており、ユニットベース251の内部においてチューブ21が円弧形状に配置されている。また、ユニットベース251は、フィンガー22を軸方向に可動に支持している。ユニットベース251内のチューブ21とフィンガー22は、ユニットカバー252によって覆われている。
チューブユニット25は平坦な円筒形状になっており、チューブユニット25の中央の空洞に本体10から露出しているカム11が挿入されることになる。これにより、本体10側のカム11とカートリッジ20側のフィンガー22とが噛み合うことになる。
カートリッジベース23には、供給側継手231及び排出側継手232が設けられている。供給側継手231及び排出側継手232には、チューブユニット25内のチューブ21の端部がそれぞれ接続される。複数のフィンガー22がチューブ21を順に圧搾すると、供給側継手231から液体がチューブ21に供給されるとともに、排出側継手232から液体が排出される。排出側継手232には接続針233が連通しており、排出側継手232から排出された液体は、接続針233を介して、パッチ30側に供給されることになる。
カートリッジベース23には、固定フック234が形成されている。固定フック234は、本体10のフック掛け16に引っ掛かり、本体10をカートリッジ20に固定する。
カートリッジベース23とベース受け24との間には、リザーバーフィルム25が挟み込まれている。リザーバーフィルム25の周囲は、カートリッジベース23の底面に密に接着されている。カートリッジベース23とリザーバーフィルム25との間に貯留部26が形成され、この貯留部26に液体(例えばインスリン)が貯留される。貯留部26は供給側継手231に連通しており、貯留部26に貯留された液体は、供給側継手231を介して、チューブ21に供給されることになる。
上記の通り、貯留部26は、カートリッジベース23の下側に構成されている。カートリッジベース23の上側にはポンプ部5を構成するチューブ21及びフィンガー22が配置されているので、ポンプ部5と貯留部26が上下に配置されている。これにより、液体輸送装置1の小型化が図られている。また、貯留部26は、ポンプ部5よりも生体側に配置されている。これにより、貯留部26に貯留された液体が生体の体温で保温されやすくなり、液体の温度と生体の体温との差が抑制される。
貯留部26に貯留された液体が無くなると、カートリッジ20は、液体輸送装置1から取り外されて、新たなカートリッジ20に交換される。但し、注射針を用いて外部からカートリッジセプタム27を介して貯留部26に液体を注入することが可能である。なお、カートリッジセプタム27は、注射針を抜くと穴が塞がる材料(例えばゴム、シリコン等)で構成されている。
・パッチ30
図10は、液体輸送装置1をパッチ30の底面側から見た斜視図である。以下、図1〜図5も参照しながら、パッチ30の構成について説明する。
パッチ30は、ソフトニードル31と、導入針フォルダ32と、ポートベース33と、パッチベース34と、粘着パッド35とを有する。
ソフトニードル31は、生体に液体を注入するための管であり、カテーテルの機能を有する。ソフトニードル31は、例えばフッ素樹脂等の柔らかい材料で構成される。ソフトニードル31の一端は、ポートベース33に固定されている。
導入針フォルダ32は、導入針32Aを保持する部材である。導入針フォルダ32には、導入針32Aの一端が固定されている。導入針32Aは、柔らかいソフトニードル31を生体に挿入するための金属製の針である。導入針32Aは細長い中空管状の針であるとともに、不図示の横穴を有する。導入針32Aの横穴から液体が供給されると、導入針32Aの先端から液体が排出される。これにより、ソフトニードル31を生体に穿刺する前に、液体輸送装置1の流路内を液体で充満させるプライミング処理が可能になる。
使用前の状態では、導入針フォルダ32はポートベース33に取り付けられており、導入針32Aはソフトニードル31に挿通されてソフトニードル31の下側から針先が露出している。パッチ30を生体に貼り付けるとき、導入針32Aとともにソフトニードル31を生体に穿刺した後、導入針32Aごと導入針フォルダ32がポートベース33から引き抜かれる(抜去)。硬い導入針32Aは生体に留置し続けないで済むため、生体への負荷が小さい。なお、ソフトニードル31は生体に留置し続けるが、ソフトニードル31は柔らかいため、生体への負荷は小さい。
ポートベース33には、カートリッジ20の接続針233から供給される液体をソフトニードル31に供給する部材である。ポートベース33は、接続針用セプタム33Aと、導入針用セプタム33Bとを有する。接続針用セプタム33A及び導入針用セプタム33Bは、針を抜くと穴が塞がる材料(例えばゴム、シリコン等)で構成されている。接続針用セプタム33Aにはカートリッジ20の接続針233が挿通され、液体は、接続針233を介して接続針用セプタム33A越しに、カートリッジ20側からパッチ30側に供給される。カートリッジ20の交換のためにカートリッジ20の接続針233がパッチ30から抜かれても、接続針用セプタム33Aの接続針233による穴は自然に塞がる。導入針用セプタム33Bには導入針32Aが挿通されており、導入針32Aが引き抜かれると、導入針用セプタム33Bの導入針32Aによる穴は自然に塞がる。接続針用セプタム33A及び導入針用セプタム33Bにより、パッチ30内の液体が外部に漏れたり、生体の体液がパッチ30側に逆流したりすることが防止される。なお、ポートベース33内で導入針32Aの存在した領域(導入用セプタム以外の領域)は、導入針32Aの抜き取り後には液体の流路となる。
パッチベース34は、ポートベース33に固定された平板状の部材である。パッチベース34は、ベース受け24を固定するための固定部34Aを有する。パッチベース34の底面には粘着パッド35が取り付けられている。粘着パッド35は、パッチ30を生体等に貼着するための粘着性のパッドである。
上記の液体輸送装置1では、ポンプ部5と貯留部26とが上下に配置され、液体輸送装置1の小型化が図られている。これにより、粘着パッド35を小型化できる。
<基本的な使用方法>
図11は、液体輸送装置1の使用方法を示すフロー図である。
まず、使用者は、液体輸送装置1のキットを準備する(S001)。キットには、液体輸送装置1を構成するための本体10、カートリッジ20及びパッチ30が同梱されている。使用者は、図2に示すように、本体10、カートリッジ20及びパッチ30を組み立てて、液体輸送装置1を組み立てる(S002)。使用者は、本体10とカートリッジ20とを組み立てることによって、本体10側のカム11とカートリッジ20側のフィンガー22とを噛み合わせる。また、使用者は、カートリッジ20の接続針233をパッチ30の接続針用セプタム33Aに挿入し、カートリッジ20側からパッチ30側に液体を供給可能な状態にする。
次に、使用者は、プライミング処理を行う(S003)。図12は、プライミング処理の説明図である。プライミング処理は、液体輸送装置1のポンプ部5を駆動させて、液体輸送装置1の流路内に液体を充満させる処理である。このプライミング処理により、液体輸送装置1の流路内の気体が導入針32Aから排出される。また、このプライミング処理により、空の状態のチューブ21に液体が充満することになる。使用者は、導入針32Aの先端から液体が排出されるまで、液体輸送装置1のポンプ部5を駆動させる。
プライミング処理後、使用者は、導入針32A及びソフトニードル31を生体に垂直に穿刺し、その後、導入針フォルダ32をポートベース33から引き抜き、ソフトニードル31から導入針32Aを抜去する(S004)。導入針用セプタム33Bがあるため、導入針32Aが抜き去られても、導入針用セプタム33Bの導入針32Aによる穴は自然に塞がる。このとき、使用者は、パッチ30の粘着パッド35の保護用紙を剥がして、粘着パッド35を生体の皮膚に貼り付けて、液体輸送装置1を生体に貼着させると良い。
次に、使用者は、導入針32Aの存在した領域(導入用セプタム以外の領域)の容量分の液体を輸送するように、ポンプ部5を予備動作させる(S005)。これにより、導入針32Aの存在した空間を液体で充満させることができる。
その後、使用者は、液体輸送装置1に定量輸送処理(通常の処理)を行わせる(S006)。このとき、液体輸送装置1は、駆動機構12の圧電モーター121を駆動してカム11を回転させ、カム11の突起部によって7本のフィンガー22を順に押して輸送方向上流側から順にチューブ21を閉塞させ、チューブ21を蠕動運動させて液体を輸送する。定量輸送処理では、所定時間に所定量の液体が輸送されるように、カム11の回転量が制御される。
<液種判定>
カートリッジ20にはカートリッジセプタム27が設けられているため、カートリッジ20は、注射針を用いて外部から液体を注入可能な構造になっている。このため、間違った種類の液体が外部からカートリッジ20に注入されると、間違った種類の液体が生体に注入されるおそれがある。若しくは、異種の液体を貯留したカートリッジに交換してしまった場合にも、間違った種類の液体が生体に注入されるおそれがある。
そこで、本実施形態の液体輸送装置1は、輸送中の液体の種類の判定を行っている。
図13は、液体の種類の監視を行う監視装置70の説明図である。
監視装置70は、第1電極71と、第2電極72と、インピーダンス測定部73と、液種判定部74とを有している。第1電極71は、第2電極72よりも上流側に位置している。インピーダンス測定部73及び液種判定部74は、前述の制御基板15に設けられている。
第1電極71及び第2電極は、フィンガー22がチューブ21を押す領域よりも上流側のチューブ21に設けられている。後述する第2実施形態のように、第1電極71及び第2電極は、フィンガー22がチューブ21を押す領域よりも下流側のチューブ21に設けられても良い。但し、第1電極71と第2電極72との間にフィンガー22がチューブ21を押す領域を挟むように、第1電極71及び第2電極72を配置することはできない。このように第1電極71及び第2電極72を配置すると、フィンガー22がチューブ21を閉塞させたときに、その閉塞位置で液体が絶縁されてしまい、この結果、第1電極71と第2電極との間のインピーダンスが高くなり、インピーダンスに基づく液種判定ができなくなるからである。
第1電極71及び第2電極72は、管形状であり、その内周面で液体と接触して液体を輸送する流路を構成している。本実施形態では、第1電極71及び第2電極72が液体と直接的に接触しているため、電極と液体とが容量結合している場合(電極がチューブの外側に設けられ、電極が液体と直接的には接触していない場合)と比べて、インピーダンスの測定時の誤差を軽減でき、測定精度が向上する。
具体的には、第1電極71及び第2電極72は、導電性の金属製の継手で構成されている。第1電極71は、チューブ21と貯留部26とを連通させるためのL字形状の継手であり、ここでは供給側継手231を兼用している。第2電極72は、上流側と下流側のチューブ21を連結する直管形状の継手である。
インピーダンス測定部73は、第1電極71と第2電極72の間のインピーダンスを測定する。液種判定部74は、インピーダンス測定部73の測定結果に基づいて、液体の種類を判定する。具体的には、液種判定部74は、測定結果のインピーダンスが所定範囲内であれば、正常な液体であると判定する。測定結果のインピーダンスが所定範囲外であれば、異常な液体であると判定する。例えば、正常な液体であれば第1電極71と第2電極72の間のインピーダンスが10kΩ程度になるような場合に、液種判定部74は、測定結果が8kΩ〜12kΩ(±20%)の範囲内であれば正常な液体と判定し、その範囲外であれば異常な液体と判定する。
液種判定部74は、判定結果を制御基板15の制御部に出力する。制御部は、液体が正常であると判定された場合には定量輸送処理(S006)を継続し、液体が異常であると判定された場合には定量輸送処理を停止して、音や光などによって使用者に警告を報知する。
上記の通り、本実施形態の液体輸送装置1は、第1電極71及び第2電極72と、液種判定部74とを備えており、液体の種類毎にインピーダンスが異なることを利用して、インピーダンスに基づいて液種判定をしている。但し、インピーダンスの測定時の誤差が大きいと、液種判定の精度が低下するおそれがある。特に、液体の種類によるインピーダンスの差は小さいため、インピーダンスの測定時の誤差が大きいと、液体の種類の判定精度が低下してしまう。そこで、本実施形態では、第1電極71及び第2電極は管形状であり、第1電極71及び第2電極72の内周面は、それぞれ、液体と接触して液体を輸送する流路を構成している。これにより、電極と液体とが容量結合している場合(電極がチューブの外側に設けられ、電極が液体と直接的には接触していない場合)と比べて、インピーダンスの測定時の誤差を軽減でき、液種判定の精度を向上させている。
また、本実施形態では、第1電極71と第2電極72の間にバイアス電圧が加わらないように、インピーダンス測定部73の電源電圧のDC成分がカットされた状態で、交流電圧が印加されている。仮に第1電極71と第2電極72との間にDC電圧がかかると、電極に接触している液体(第1電極71と第2電極72との間の液体)に電気化学的なプロセスが生じ、液体の特性が変化したり、電極に析出物が付着したりするおそれが生じためである。
上記の監視装置70は、液体の種類の判定だけでなく、前述のプライミング処理が十分であるか否かの判定(プライミング処理の完了判定)にも用いることができる。例えば、プライミング開始前はチューブが空の状態なので第1電極71と第2電極72の間が極めて高いインピーダンス(例えば10MΩ以上)になるので、制御部は、インピーダンス測定部73の測定結果が極めて高いインピーダンスのまま使用者がプライミグ処理を終了した場合に、プライミング処理が不十分だと判断し、使用者に警告を報知しても良い。
===第2実施形態===
第2実施形態では、液体の種類を判定するのに用いられる第1電極71及び第2電極72を利用して、気泡判定を行う。
<気泡の発生について>
以下に説明するように、フィンガー22によりチューブ21を圧搾して液体を輸送する場合には、フィンガー22の動作に伴って気泡が発生する。特に、複数のフィンガー22を用いる場合には、大きな気泡が発生する。
図14A〜図14Dは、気泡の発生の説明図である。本来であればチューブ21は円弧形状に配置されているが、ここでは便宜上、チューブ21を直線状に配置している。
カム11が回転することによって、第7フィンガー22Gがチューブ21を閉塞した状態(図14A)から、第7フィンガー22Gによる押圧状態が開放された状態(図14B)に移行する。このとき、第7フィンガー22Gの近傍のチューブ21の液体は、負圧になりやすく、この結果、液体に溶存していた気体が微小気泡になることがある。この微小気泡は、この段階では、チューブ21の内壁に付着し、液体と共には輸送されない。また、この微小気泡は、チューブを塞ぐほどの大きさではない。
第7フィンガー22Gだけでなく、他のフィンガー22においても、チューブ21内に微小気泡が同様に発生することになる。そして、カム11の回転が継続されて、フィンガー22によるチューブ21の閉塞と開放とが繰り返されると、図14Cに示すように、微小気泡が発達してくる。
図14Cのように微小気泡が発達すると、比較的大きな微小気泡は、チューブ21の内壁から剥がれて、液体と共に輸送されやすくなる。そして、チューブ21の上流側で内壁から剥がれた微小気泡は下流側の微小気泡を巻き込んで一体化し、図14Dに示すように一体化した気泡が輸送方向に輸送されることになる。一体化した気泡は、チューブ21を塞ぐほどの大きさになる。
このように、複数のフィンガー22によりチューブを圧搾して液体を輸送する場合には、各フィンガー22の動作に伴って複数箇所で発生した微小気泡が一体化するため、チューブ21を塞ぐほどの大きさに気泡が発達する。そして、一体化した気泡は、チューブ21内を下流側に移動することになる。
なお、液体に気体が溶存していれば、気泡はどの場所でも発生するおそれがある。例えば、温度が変化すれば、貯留部26の中の液体や、チューブ21の中の液体に気泡が発生することがある。また、継手(供給側継手231や排出側継手232)における管径変化に伴う液体の圧力変動が原因となって、気泡が発生することもある。但し、これらの原因で発生する気泡は、上記の微小気泡程度の大きさであり、単独ではチューブ21を塞ぐほどの大きさになりにくい。これに対し、複数のフィンガー22によりチューブ21を圧搾して液体を輸送する場合には、気泡がチューブ21を塞ぐほどの大きさになりやすい。
<気泡判定>
図15は、本実施形態のチューブ21内の気泡の監視を行う監視装置70の説明図である。
監視装置70は、液種判定部74を有するとともに、更に気泡判定部75を有している。気泡判定部75は、インピーダンス測定部73や液種判定部74と同様に、前述の制御基板15に設けられている。
第1電極71及び第2電極72は、フィンガー22により押される領域よりも下流側のチューブ21に設けられている。第1電極71及び第2電極72をこのような位置に設ける理由は、フィンガー22がチューブ21を押す領域で気泡が発生し、そこから気泡が下流側に移動するので(図14D参照)、その気泡を検出するためである。
第1電極71及び第2電極72は、管形状であり、その内周面で液体と接触して液体を輸送する流路を構成している。第2実施形態においても、第1電極71及び第2電極72が液体と直接的に接触しているため、電極と液体とが容量結合している場合(電極がチューブの外側に設けられ、電極が液体と直接的には接触していない場合)と比べて、インピーダンスの測定時の誤差を軽減でき、測定精度が向上する。
なお、第2実施形態においても、第1電極71及び第2電極72は、導電性の金属製の継手で構成されている。但し、第2実施形態では、第1電極71は、上流側と下流側のチューブ21を連結する直管形状の継手である。第2電極72は、チューブ21と接続針233とを連通させるためのL字形状の継手であり、ここでは排出側継手232を兼用している。
図16は、インピーダンス測定部73によるインピーダンスの測定の実験結果のグラフである。グラフの横軸は、インピーダンス測定部73の交流電圧の周波数[Hz]であり、グラフの縦軸は、インピーダンス測定部73によって測定されたインピーダンス[Ω]である。なお、インピーダンス測定部73の交流電圧の周波数は、実際には1kHz〜10kHzの範囲であるが、実験では広い帯域で測定が行われている。
実験に用いたチューブ21は、内径Dは0.57[mm]、面積Sは0.00255[cm]である(但し、実験では、第1電極71と第2電極72との間の長さは実際よりも長くしている)。また、実験に用いた液体は、0.9%生理食塩水であり、25℃の条件下で導電率は0.016[S/cm]、抵抗率は62.5[Ωcm]である。実験では、チューブ21が空の状態と、チューブ21に液体が充填された状態と、チューブ21に液体が充填されつつ3mmの気泡がある状態の3通りについて、第1電極71と第2電極72の間のインピーダンスの測定が行われた。なお、長さ3mmの気泡がチューブ21にあると、その気泡によってチューブ21が塞がれた状態になる。
グラフに示すように、インピーダンスは、チューブ21が空の状態では、10MΩ以上であった(周波数1kHz〜10kHzの範囲)。これに対し、チューブ21に液体が充填された状態では、160kΩであった。液体が充填された状態でインピーダンスが低い値を示したのは、チューブ21内の液体によって第1電極71と第2電極72との間が導通状態になるからである。また、この実験により、チューブ21が空の状態と、チューブ21に液体が充填された状態とでは、両者のインピーダンスに大きな差(10倍以上の差)があることが確認された。
チューブ21に3mmの気泡がある状態では、インピーダンスは、10MΩ以上であった。チューブ21に3mmの気泡がある状態では、チューブ21が空の状態と同程度(10MΩ以上)のインピーダンスであった理由は、気泡によって、気泡の上流側と下流側の液体が隔てられ、両者が絶縁されたためだと考えられる。この実験結果によれば、チューブ21に液体がほとんど充填されている状態であっても、チューブ21を塞ぐほどの大きさの気泡の有無によって、第1電極71と第2電極72の間のインピーダンスが大きく変化することが確認できる。
気泡判定部75は、インピーダンス測定部73の測定結果に基づいて、気泡の有無を判定する。気泡判定部75は、測定結果のインピーダンスが所定の閾値よりも低ければ、気泡が無いと判定する。また、気泡判定部75は、測定結果のインピーダンスが所定の閾値よりも高ければ、気泡が有ると判定する。
気泡判定部75は、判定結果を制御基板15の制御部に出力する。制御部は、気泡が無いと判定された場合には定量輸送処理(S006)を継続し、気泡が有ると判定された場合には定量輸送処理を停止して、音や光などによって使用者に警告を報知する。
上記の通り、第2実施形態の液体輸送装置1は、液体を輸送するためのチューブ21と、チューブを押して閉塞させる複数のフィンガー22と、チューブを圧搾して液体を輸送するようにフィンガーを順に押すカム11とを備えている。このような構成の液体輸送装置1の場合、各フィンガー22の動作に伴って複数箇所で発生した微小気泡が一体化し、チューブ22を塞ぐほどの大きさの気泡が発生し、気泡の上流側と下流側の液体が絶縁状態になる。このことを利用して、第2実施形態の液体輸送装置1は、複数のフィンガー22に押される領域よりも下流側のチューブ21に設けた第1電極71及び第2電極72と、第1電極71と第2電極72の間のインピーダンスに基づいて気泡の有無を判定する判定部75とを更に備えることよって、気泡の監視を可能にしている。
加えて、第2実施形態では、チューブ21の内周面に撥水処理が施されている。これにより、チューブ21の内周面と気泡との間に液膜が形成されにくくなり、気泡の上流側と下流側の液体が絶縁状態になりやすくなる。このため、チューブ21の内周面に撥水処理を施すことによって、気泡発生時のインピーダンスの変化が大きくなり、気泡を検出しやすくなる。
===第3実施形態===
図17は、第3実施形態の説明図である。
流路が詰まった状態でポンプ部5を駆動し続けると流路内の圧力が高くなる。このことを利用して、第3実施形態では、荷重センサが隔壁を介して流路内の圧力を検出することによって、荷重センサの検出結果に基づいて流路の詰まりを検出する。このような場合、流路は矩形断面に形成されるため、第3実施形態では、第1電極71及び第2電極72が平板状である。
第3実施形態では、詰まり検出に用いられる矩形断面の流路に第1電極71及び第2電極72を配置できるので、詰まり検出機能と液種判定機能の両機能を低コストで実現できる。
===その他===
上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。
<監視装置70について>
前述の監視装置70では、インピーダンス測定部73が第1電極71と第2電極72との間のインピーダンスの値を精度よく測定し、液種判定部74がインピーダンスの値に基づいて液体の種類を判定していた。但し、インピーダンスの値を精度よく測定しなくてもよい。
例えば、第1電極71と第2電極72との間のインピーダンスが所定範囲内のときにLレベル(又はHレベル)の信号を出力し、インピーダンスが所定範囲外のときにHレベル(Lレベル)の信号を出力するように、インピーダンス測定部が構成され、液種判定部74がインピーダンス測定部の出力信号に基づいて液体の種類を判定しても良い。
<電極について>
第1実施形態の第1電極は供給側継手231を兼用しており、第2実施形態の第2電極は排出側継手232を兼用していたが、第1電極や第2電極はこれに限られるものではない。例えば、第1電極71及び第2電極72を供給側継手231や排出側継手232とは別の部材で構成することも可能である。但し、この場合、フィンガーに押される領域よりも上流側又は下流側のチューブと継手(供給側継手231又は排出側継手232)との間の狭いスペースに第1電極71及び第2電極72の両方を配置する必要がある。
1 液体輸送装置、5 ポンプ部、
10 本体、11 カム、12 駆動機構、
121 圧電モーター、122 ローター、123 減速伝達機構、
13 本体ベース、13A ベアリング、
14 本体ケース、15 制御基板、16 フック掛け、
18 電池収納部、19 電池、
20 カートリッジ、21 チューブ、22 フィンガー、
23 カートリッジベース、231 供給側継手、232 排出側継手、
233 接続針、234 固定フック、
24 ベース受け、25 チューブユニット、
251 ユニットベース、251A チューブ案内壁、252 ユニットカバー、
25 リザーバーフィルム、26 貯留部、27 カートリッジセプタム、
30 パッチ、31 ソフトニードル、32 導入針フォルダ、32A 導入針、
33 ポートベース、33A 接続針用セプタム、33B 導入針用セプタム、
34 パッチベース、34A 固定部、35 粘着パッド、
70 監視装置、71 第1電極、72 第2電極、
73 インピーダンス測定部、74 液種判定部、75 気泡判定部

Claims (8)

  1. 液体を輸送する流路を構成するためのチューブと、
    前記チューブを押して閉塞させる複数のフィンガーと、
    前記チューブを圧搾して前記液体を輸送するように前記フィンガーを順に押すカムと、
    前記チューブに設けられ、内周面が前記液体と接触して前記液体を輸送する流路を構成する第1電極及び第2電極と、
    前記第1電極と前記第2電極の間のインピーダンスに基づいて前記液体の種類を判定する判定部と
    を備えた液体輸送装置。
  2. 請求項1に記載の液体輸送装置であって、
    前記第1電極及び前記第2電極は、複数の前記フィンガーに押される領域よりも上流側又は下流側のチューブに設けられている
    ことを特徴とする液体輸送装置。
  3. 請求項1又は2に記載の液体輸送装置であって、
    前記第1電極及び前記第2電極は、複数の前記フィンガーに押される領域よりも下流側のチューブに設けられており、
    前記第1電極と前記第2電極の間のインピーダンスに基づいて気泡の有無を判定する
    ことを特徴とする液体輸送装置。
  4. 請求項3に記載の液体輸送装置であって、
    前記チューブの内周面に撥水処理が施されている
    ことを特徴とする液体輸送装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の液体輸送装置であって、
    前記第1電極と前記第2電極の間のインピーダンスを測定する際に、前記第1電極と第2電極の間にバイアス電圧が加わらないように、前記第1電極及び前記第2電極に交流電圧を印加する
    ことを特徴とする液体輸送装置。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の液体輸送装置であって、
    前記液体輸送装置の流路内に前記液体を充満させるプライミング処理の際に、前記第1電極と前記第2電極の間のインピーダンスに基づいて前記プライミング処理が完了しているか否かを判断する
    ことを特徴とする液体輸送装置。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の液体輸送装置であって、
    前記流路は矩形断面であり、前記第1電極及び第2電極は平板状に形成されている
    ことを特徴とする液体輸送装置。
  8. 液体を輸送するためのチューブと、前記チューブを押して閉塞させる複数のフィンガーと、前記チューブを圧搾して前記液体を輸送するように前記フィンガーを順に押すカムと、を備えた液体輸送装置の前記液体の種類を判定する液種判定方法であって、
    前記チューブに設けられ内周面が前記液体と接触して前記液体を輸送する流路を構成する第1電極と第2電極との間のインピーダンスに基づいて、前記液体の種類を判定すること
    を特徴とする液種判定方法。
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