JP2014087766A - 高分子凝集剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】 難脱水性の有機性汚泥等の脱水処理において、粗大で低含水率のフロックを形成させて汚泥ケーキや焼却後の灰の発生量を大幅に低減できる高分子凝集剤を提供する。
【解決手段】 1個の不飽和基を有するカチオン性モノマー(a)、架橋性モノマー(b)、および(a)以外の1個の不飽和基を有する水酸基含有モノマー(c)を含有する不飽和モノマー(α)を重合させた水溶性ポリマー(A)を含有してなり、(α)の重量に基づく含有量が、(a)が75〜97%、(b)が0.0015〜0.015%であり、(b)と(c)の重量比が0.00006〜0.005である高分子凝集剤(P)。
【選択図】 なし
【解決手段】 1個の不飽和基を有するカチオン性モノマー(a)、架橋性モノマー(b)、および(a)以外の1個の不飽和基を有する水酸基含有モノマー(c)を含有する不飽和モノマー(α)を重合させた水溶性ポリマー(A)を含有してなり、(α)の重量に基づく含有量が、(a)が75〜97%、(b)が0.0015〜0.015%であり、(b)と(c)の重量比が0.00006〜0.005である高分子凝集剤(P)。
【選択図】 なし
Description
本発明は、高分子凝集剤に関する。さらに詳しくは、下水汚泥の脱水性に優れる高分子凝集剤に関する。
従来、下水等の有機性汚泥処理、工場廃水等の無機性汚泥処理、あるいは土木現場での泥水処理、浚渫埋め立て時の泥水の沈降分離促進用等の処理剤として、さらには製紙用脱水剤や紙力増強剤等として水溶性高分子からなる高分子凝集剤が広く使用されている。 とくに近年、発生する汚泥量等の増加から、脱水処理速度向上のニーズが高まってきていることや、有機性汚泥の性状の難脱水化に伴う、脱水ケーキの焼却処分費用の増大、並びに脱水ケーキをそのまま埋め立て処分する際の埋め立て地の逼迫した状況等から、よりろ過性に優れ、粗大なフロックを形成させ、脱水ケーキの含水率を大幅に低減することができる高分子凝集剤が強く望まれている。
これらを解決する技術として、架橋性モノマー存在下でアクリレート系およびメタクリレート系カチオン性モノマーを共重合させた両性高分子凝集剤(例えば特許文献1参照)、無機凝結剤と水酸基含有高分子凝集剤による処理を順次行う方法(例えば特許文献2参照)が提案されている。
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、脱水ケーキのろ布剥離性が不十分であり、また、特許文献2に記載の技術では、凝集性能が不十分であるため、大量の無機凝集剤の併用が必要であり、その結果汚泥ケーキの増大や焼却後の灰の増大という問題があった。 なお、本発明において、凝集性能に優れるとは、汚泥等の処理において、フロック形成後のフロック径、ろ過性、ろ布剥離性、フロック強度、脱水ケーキ含水率等において優れた性能を示すことを指す。
これらを解決する技術として、架橋性モノマー存在下でアクリレート系およびメタクリレート系カチオン性モノマーを共重合させた両性高分子凝集剤(例えば特許文献1参照)、無機凝結剤と水酸基含有高分子凝集剤による処理を順次行う方法(例えば特許文献2参照)が提案されている。
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、脱水ケーキのろ布剥離性が不十分であり、また、特許文献2に記載の技術では、凝集性能が不十分であるため、大量の無機凝集剤の併用が必要であり、その結果汚泥ケーキの増大や焼却後の灰の増大という問題があった。 なお、本発明において、凝集性能に優れるとは、汚泥等の処理において、フロック形成後のフロック径、ろ過性、ろ布剥離性、フロック強度、脱水ケーキ含水率等において優れた性能を示すことを指す。
現状用いられている高分子凝集剤は、まだ前記の課題を十分に解決できるレベルには到達しておらず、また上記開示されている高分子凝集剤はろ過性や脱水ケーキ含水率の観点から、多少は改良されているもののまだ不十分であった。
本発明の目的は、難脱水性の有機性汚泥等の脱水処理において、粗大で低含水率のフロックを形成させて汚泥ケーキや焼却後の灰の発生量を大幅に低減できる高分子凝集剤を提供することにある。
本発明の目的は、難脱水性の有機性汚泥等の脱水処理において、粗大で低含水率のフロックを形成させて汚泥ケーキや焼却後の灰の発生量を大幅に低減できる高分子凝集剤を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち、本発明は、1個の不飽和基を有するカチオン性モノマー(a)、架橋性モノマー(b)、および(a)以外の1個の不飽和基を有する水酸基含有モノマー(c)を含有する不飽和モノマー(α)を共重合させた水溶性ポリマー(A)を含有してなり、(α)の重量に基づく含有量が、(a)が75〜97%、(b)が0.0015〜0.015%であり、(b)と(c)の重量比が0.00006〜0.005である高分子凝集剤(P)である。
本発明の高分子凝集剤は下記の効果を奏する。
(1)汚泥等の処理において、粗大かつ高強度のフロックを形成する。
(2)フロック形成後のろ過性、ろ布剥離性に優れることから、凝集処理の安定性や処理速度を著しく高めることができる。
(3)脱水工程のケーキ含水率が低く、発生する廃棄物量および処理コストを低減できる。
なお、本発明においては、上記(1)〜(3)の効果の発揮に優れることを凝集性能に優れる、ということがある。
(1)汚泥等の処理において、粗大かつ高強度のフロックを形成する。
(2)フロック形成後のろ過性、ろ布剥離性に優れることから、凝集処理の安定性や処理速度を著しく高めることができる。
(3)脱水工程のケーキ含水率が低く、発生する廃棄物量および処理コストを低減できる。
なお、本発明においては、上記(1)〜(3)の効果の発揮に優れることを凝集性能に優れる、ということがある。
[水溶性ポリマー(A)]
本発明における水溶性ポリマー(A)は、1個の不飽和基を有するカチオン性モノマー(a)、架橋性モノマー(b)、および(a)以外の1個の不飽和基を有する水酸基含有モノマー(c)を含有する不飽和モノマー(α)を共重合させて得られる。
本発明における水溶性ポリマー(A)は、1個の不飽和基を有するカチオン性モノマー(a)、架橋性モノマー(b)、および(a)以外の1個の不飽和基を有する水酸基含有モノマー(c)を含有する不飽和モノマー(α)を共重合させて得られる。
[カチオン性モノマー(a)]
下記のもの、これらの塩[例えば無機酸(塩酸、硫酸、リン酸および硝酸等)塩、メチ ルクロライド塩、ジメチル硫酸塩およびベンジルクロライド塩等]、およびこれらの混 合物が挙げられる。
下記のもの、これらの塩[例えば無機酸(塩酸、硫酸、リン酸および硝酸等)塩、メチ ルクロライド塩、ジメチル硫酸塩およびベンジルクロライド塩等]、およびこれらの混 合物が挙げられる。
(a1) 窒素原子含有(メタ)アクリレート
炭素数(以下Cと略記)5〜30、例えばアミノアルキル(C2〜3)(メタ)アクリレート、N,N−ジアルキル(C1〜2)アミノアルキル(C2〜3)(メタ)アクリレート[N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等]、複素環含有(メタ)アクリレート[N−モルホリノエチル(メタ)アクリレート等];
(a2) アミド基以外の窒素原子含有(メタ)アクリルアミド誘導体
C5〜30、例えばN,N−ジアルキル(C1〜2)アミノアルキル(C2〜3)(メタ)アクリルアミド[N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド等];
(a3) アミノ基を有するエチレン性不飽和化合物
C5〜30、例えばビニルアミン、ビニルアニリン、(メタ)アリルアミン、p−アミノスチレン等。
炭素数(以下Cと略記)5〜30、例えばアミノアルキル(C2〜3)(メタ)アクリレート、N,N−ジアルキル(C1〜2)アミノアルキル(C2〜3)(メタ)アクリレート[N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等]、複素環含有(メタ)アクリレート[N−モルホリノエチル(メタ)アクリレート等];
(a2) アミド基以外の窒素原子含有(メタ)アクリルアミド誘導体
C5〜30、例えばN,N−ジアルキル(C1〜2)アミノアルキル(C2〜3)(メタ)アクリルアミド[N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド等];
(a3) アミノ基を有するエチレン性不飽和化合物
C5〜30、例えばビニルアミン、ビニルアニリン、(メタ)アリルアミン、p−アミノスチレン等。
これらの(a)のうち、(A)の凝集性能の観点から好ましいのは、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートの塩(メチルクロライド塩、ベンジルクロライド塩等)およびN,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレートの塩(メチルクロライド塩、ベンジルクロライド塩等)である。
[架橋性モノマー(b)]
下記のものが挙げられる。
(b1)アルキレン(C2〜4)グリコールジ(メタ)アクリレート
C8〜14、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート;
(b2)ポリ(2〜4またはそれ以上)アルキレン(C2〜4)グリコールジ(メタ)アクリレート
分子量214以上かつ数平均分子量[以下Mnと略記。測定は後述の条件でのゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)法による。]3,000以下、例えば、ポリエチレングリコール(以下PEGと略記)ジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(以下PPGと略記)ジ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレン/プロピレン)グリコールジ(メタ)アクリレート;
(b3)3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有するモノマー
C12〜25、例えば、グリセリンのトリ(メタ)アクリロイル化モノマー、ペンタエリスリトールのトリ−およびテトラ(メタ)アクリロイル化モノマー。
下記のものが挙げられる。
(b1)アルキレン(C2〜4)グリコールジ(メタ)アクリレート
C8〜14、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート;
(b2)ポリ(2〜4またはそれ以上)アルキレン(C2〜4)グリコールジ(メタ)アクリレート
分子量214以上かつ数平均分子量[以下Mnと略記。測定は後述の条件でのゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)法による。]3,000以下、例えば、ポリエチレングリコール(以下PEGと略記)ジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(以下PPGと略記)ジ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレン/プロピレン)グリコールジ(メタ)アクリレート;
(b3)3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有するモノマー
C12〜25、例えば、グリセリンのトリ(メタ)アクリロイル化モノマー、ペンタエリスリトールのトリ−およびテトラ(メタ)アクリロイル化モノマー。
これらの(b)のうち、(A)の水溶解性の観点から好ましいのはエチレングリコールジ(メタ)アクリレートおよびプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートである。
なお、本発明におけるMnのGPC測定は次の条件に従うものとする。
<GPC測定条件>
GPC機種:HLC−8120GPC、東ソー(株)製
カラム :TSKgel GMHXL 2本+TSKgel Multipore
HXL−M 1本を直列に連結、いずれも東ソー(株)製
カラム温度:40℃
検出装置 :屈折率検出器
基準物質 :標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)
東ソー(株)製
溶媒 :テトラヒドロフラン(THF)
<GPC測定条件>
GPC機種:HLC−8120GPC、東ソー(株)製
カラム :TSKgel GMHXL 2本+TSKgel Multipore
HXL−M 1本を直列に連結、いずれも東ソー(株)製
カラム温度:40℃
検出装置 :屈折率検出器
基準物質 :標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)
東ソー(株)製
溶媒 :テトラヒドロフラン(THF)
[(a)以外の水酸基含有モノマー(c)]
下記のものが挙げられる。
(c1)ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート
C5〜10、例えばヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート;
下記のものが挙げられる。
(c1)ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート
C5〜10、例えばヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート;
(c2)水酸基含有(メタ)アクリルアミド誘導体
C5〜13、例えばN−アルキロール(C1〜5)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルキロール(C1〜5)(メタ)アクリルアミド、およびこれらのアルキレンオキシド(以下AOと略記。C2〜3)付加物;具体例としては、N−メチロール、N−エチロールおよびN−イソプロピロール(メタ)アクリルアミド、N−ポリオキシエチル(メタ)アクリルアミド[ポリオキシエチル基はエチレンオキシド(以下EOと略記)2〜4モル]、N−ポリオキシプロピル(メタ)アクリルアミド[ポリオキシプロピル基はプロピレンオキシド(以下POと略記)2〜4モル]、N,N−ジポリオキシエチル[ポリオキシエチル基はEO2〜4モル付加]およびN,N−ジポリオキシプロピル[ポリオキシプロピル基はPO2〜4モル](メタ)アクリルアミド等;
C5〜13、例えばN−アルキロール(C1〜5)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルキロール(C1〜5)(メタ)アクリルアミド、およびこれらのアルキレンオキシド(以下AOと略記。C2〜3)付加物;具体例としては、N−メチロール、N−エチロールおよびN−イソプロピロール(メタ)アクリルアミド、N−ポリオキシエチル(メタ)アクリルアミド[ポリオキシエチル基はエチレンオキシド(以下EOと略記)2〜4モル]、N−ポリオキシプロピル(メタ)アクリルアミド[ポリオキシプロピル基はプロピレンオキシド(以下POと略記)2〜4モル]、N,N−ジポリオキシエチル[ポリオキシエチル基はEO2〜4モル付加]およびN,N−ジポリオキシプロピル[ポリオキシプロピル基はPO2〜4モル](メタ)アクリルアミド等;
(c3)その他の不飽和カルボン酸誘導体
不飽和モノカルボン酸[(メタ)アクリル酸を除く]のAO付加物(ビニル安息香酸のAO付加物等)、不飽和ジカルボン酸AO付加物のモノエステル(マレイン酸AO付加物のモノエステル等)。
不飽和モノカルボン酸[(メタ)アクリル酸を除く]のAO付加物(ビニル安息香酸のAO付加物等)、不飽和ジカルボン酸AO付加物のモノエステル(マレイン酸AO付加物のモノエステル等)。
これらの(c)のうち、(A)の凝集性能の観点から好ましいのはヒドロキシエチル(メタ)アクリレートおよびヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートである。で
ある。
ある。
[その他のモノマー]
(A)を構成する不飽和モノマー(α)としては、本発明の効果を阻害しない範囲で上記(a)、(b)、(c)の他に必要によりその他のモノマーとして(c)以外のノニオン性モノマー(d)、アニオン性モノマー(e)を使用してもよい。
(d)としては、以下の(d1)〜(d5)、およびこれらの2種またはそれ以上の混合物が挙げられる。
(A)を構成する不飽和モノマー(α)としては、本発明の効果を阻害しない範囲で上記(a)、(b)、(c)の他に必要によりその他のモノマーとして(c)以外のノニオン性モノマー(d)、アニオン性モノマー(e)を使用してもよい。
(d)としては、以下の(d1)〜(d5)、およびこれらの2種またはそれ以上の混合物が挙げられる。
(d1)(メタ)アクリルアミドおよびその誘導体
C3〜13、例えば(メタ)アクリルアミド、N−アルキル(C1〜4)置換(メタ)アクリルアミド、N−アルケニル(C2〜4)置換(メタ)アクリルアミド;
C3〜13、例えば(メタ)アクリルアミド、N−アルキル(C1〜4)置換(メタ)アクリルアミド、N−アルケニル(C2〜4)置換(メタ)アクリルアミド;
(d2)C4〜15の(メタ)アクリレート
脂肪族または脂環式アルコール(C1〜10)の(メタ)アクリレート[メチル−、エチル−、ブチル−、オクチル−およびシクロヘキシル(メタ)アクリレート等]およびエポキシ基含有(C3〜10)(メタ)アクリレート[グリシジル(メタ)アクリレート等]等;
脂肪族または脂環式アルコール(C1〜10)の(メタ)アクリレート[メチル−、エチル−、ブチル−、オクチル−およびシクロヘキシル(メタ)アクリレート等]およびエポキシ基含有(C3〜10)(メタ)アクリレート[グリシジル(メタ)アクリレート等]等;
(d3)モノアルコキシ(C1〜20)−、モノシクロアルコキシ(C3〜12)−およびモノフェノキシポリ(エチレンおよび/またはプロピレン)グリコール(重合度2〜50)の不飽和カルボン酸モノエステル
モノオール(C1〜20)もしくは1価フェノール(C6〜20)のEOおよび/またはPO付加物の(メタ)アクリル酸エステル[ω−メトキシ、−エトキシ、−プロポキシ、−ブトキシ、−シクロヘキソキシおよび−フェノキシPEGおよび/またはPPGモノ(メタ)アクリレート等]等;
モノオール(C1〜20)もしくは1価フェノール(C6〜20)のEOおよび/またはPO付加物の(メタ)アクリル酸エステル[ω−メトキシ、−エトキシ、−プロポキシ、−ブトキシ、−シクロヘキソキシおよび−フェノキシPEGおよび/またはPPGモノ(メタ)アクリレート等]等;
(d4)不飽和アルコールのカルボン酸エステル
C4〜36、例えば不飽和アルコール[C2〜4、例えばビニルアルコール、(メタ)アリルアルコール]のカルボン酸(C2〜30)エステル(酢酸ビニル等);
(d5)ハロゲン含有モノマー
C2〜30、例えば塩化ビニル。
C4〜36、例えば不飽和アルコール[C2〜4、例えばビニルアルコール、(メタ)アリルアルコール]のカルボン酸(C2〜30)エステル(酢酸ビニル等);
(d5)ハロゲン含有モノマー
C2〜30、例えば塩化ビニル。
これらの(d)のうち、(A)の高分子量化の観点から好ましいのはアクリルアミドおよびブチル(メタ)アクリレートである。
前記アニオン性モノマー(e)は、1個の不飽和基を有するアニオン性モノマーであり、例えば下記のもの、これらの酸無水物、これらの塩[アルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウム等、以下同じ。)塩、アルカリ土類金属(マグネシウム、カルシウム等、以下同じ。)塩、アンモニウム塩およびアミン(C1〜20)塩等]、およびこれらの混合物が挙げられる。
(e1)不飽和カルボン酸
C3〜30、例えば(メタ)アクリル酸、(無水)マレイン酸、フマル酸、(無水)イタコン酸、ビニル安息香酸、アリル酢酸;
(e2)不飽和スルホン酸
C2〜20の脂肪族不飽和スルホン酸(ビニルスルホン酸等)、C6〜20の芳香族不飽和スルホン酸(スチレンスルホン酸等)、スルホ基含有(メタ)アクリレート[スルホアルキル(C2〜20)(メタ)アクリレート[2−(メタ)アクリロイルオキシ−エタン、−プロパンおよび−ブタンスルホン酸、3−(メタ)アクリロイルオキシプロパンスルホン酸、4−(メタ)アクリロイルオキシブタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2−ジメチルエタンスルホン酸、p−(メタ)アクリロイルオキシメチルベンゼンスルホン酸等]、スルホ基含有(メタ)アクリルアミド[2−(メタ)アクリロイルアミノエタンスルホン酸、2−および3−(メタ)アクリロイルアミノプロパンスルホン酸、2−および4−(メタ)アクリロイルアミノブタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2−ジメチルエタンスルホン酸、p−(メタ)アクリロイルアミノメチルベンゼンスルホン酸等]、アルキル(C1〜20)(メタ)アリルスルホコハク酸エステル[メチル(メタ)アリルスルホコハク酸エステル等]等;
(e3)(メタ)アクリロイルポリ(2〜50)オキシアルキレン(アルキレン基はC2〜3)硫酸エステル
C7〜154、例えば(メタ)アクリロイルポリオキシエチレン硫酸エステル等。
C3〜30、例えば(メタ)アクリル酸、(無水)マレイン酸、フマル酸、(無水)イタコン酸、ビニル安息香酸、アリル酢酸;
(e2)不飽和スルホン酸
C2〜20の脂肪族不飽和スルホン酸(ビニルスルホン酸等)、C6〜20の芳香族不飽和スルホン酸(スチレンスルホン酸等)、スルホ基含有(メタ)アクリレート[スルホアルキル(C2〜20)(メタ)アクリレート[2−(メタ)アクリロイルオキシ−エタン、−プロパンおよび−ブタンスルホン酸、3−(メタ)アクリロイルオキシプロパンスルホン酸、4−(メタ)アクリロイルオキシブタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2−ジメチルエタンスルホン酸、p−(メタ)アクリロイルオキシメチルベンゼンスルホン酸等]、スルホ基含有(メタ)アクリルアミド[2−(メタ)アクリロイルアミノエタンスルホン酸、2−および3−(メタ)アクリロイルアミノプロパンスルホン酸、2−および4−(メタ)アクリロイルアミノブタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2−ジメチルエタンスルホン酸、p−(メタ)アクリロイルアミノメチルベンゼンスルホン酸等]、アルキル(C1〜20)(メタ)アリルスルホコハク酸エステル[メチル(メタ)アリルスルホコハク酸エステル等]等;
(e3)(メタ)アクリロイルポリ(2〜50)オキシアルキレン(アルキレン基はC2〜3)硫酸エステル
C7〜154、例えば(メタ)アクリロイルポリオキシエチレン硫酸エステル等。
これらアニオン性モノマー(e)のうち水溶性ポリマー(A)の高分子量化の観点から好ましいのは、(e1)、(e2)、さらに好ましいのは(e1)、および(e2)のうちのスルホ基含有(メタ)アクリレート、スルホ基含有(メタ)アクリルアミド、特に好ましいのは(e1)のうちの(メタ)アクリル酸、(無水)マレイン酸、(無水)イタコン酸およびこれらのアルカリ金属塩、(e2)のうちの2−(メタ)アクリロイルオキシエタンスルホン酸、2−および3−(メタ)アクリロイルオキシプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2−ジメチルエタンスルホン酸およびこれらのアルカリ金属塩である。また、これらの(e)は、任意に混合して共重合させることができる。
水溶性ポリマー(A)を構成する不飽和モノマー(α)の重量に基づくカチオン性モノマー(a)の含有量は75〜97%、好ましくは80〜90%である。(a)の含有量が75%未満では(A)の汚泥への吸着力が弱くなって脱水率が悪化し、97%を超えると(A)分子内の電荷反発が強くなり粗大フロックが得られないこととなり、いずれの場合も凝集性能が悪くなる。
また、不飽和モノマー(α)の重量に基づく架橋性モノマー(b)の含有量は0.0015〜0.015%、好ましくは0.003〜0.01%である。(b)の含有量が0.0015%未満では粗大フロックが得られず、0.015%を超えると(A)の水への溶解性が悪化する。
また、不飽和モノマー(α)の重量に基づく架橋性モノマー(b)の含有量は0.0015〜0.015%、好ましくは0.003〜0.01%である。(b)の含有量が0.0015%未満では粗大フロックが得られず、0.015%を超えると(A)の水への溶解性が悪化する。
さらに、不飽和モノマー(α)の重量に基づく水酸基含有モノマー(c)の含有量は、汚泥表面の水酸基との親和性およびポリマーの水溶解性の観点から好ましくは3〜25%、さらに好ましくは8〜15%である。
架橋性モノマー(b)とカチオン性モノマー(a)との重量比(b)/(a)は、水溶性ポリマー(A)の分子内の電荷反発の抑制およびポリマーの水溶解性、汚泥表面の荷電中和力の観点から好ましくは0.00002〜0.0002、さらに好ましくは0.00003〜0.00015である。
また、架橋性モノマー(b)と水酸基含有モノマー(c)との重量比(b)/(c)は0.00006〜0.005、好ましくは0.0002〜0.001である。(b)/(c)の重量比が0.00006未満では粗大フロックが得られず、0.005を超えると汚泥表面の水酸基との親和性やポリマーの水溶解性が悪くなる。
本発明における水溶性ポリマー(A)の製造方法は特に限定はされることはなく、一般的なラジカル重合開始剤(f)を用いた重合方法としては、水溶液重合、逆相懸濁重合等が挙げられる。
水溶液重合としては、例えば不飽和モノマー水溶液を外部からの熱の出入りがない容器中に入れ、断熱重合をさせる方法(例えば特公昭59−40843号公報参照)およびモノマーの水溶液を外部から温度調整可能な容器中で定温重合させる方法(例えば特開平3−189000号公報参照)を用いることができる。
逆相懸濁重合としては、例えば不飽和モノマーの水溶液を油溶性高分子物質[無水マレイン酸変性エチレン・酢酸ビニル共重合体]またはノニオン性界面活性剤(多価アルコールの脂肪酸エステル等)を分散安定剤とし、有機溶媒(脂肪族炭化水素等)を分散媒として、油中水型の分散液として重合させる方法(例えば特開2010−158668号公報参照)を用いることができる。
ラジカル重合開始剤(f)としては、種々のもの、例えばアゾ化合物〔水溶性のもの[アゾビスアミジノプロパン(塩)、アゾビスシアノバレリン酸(塩)等]および油溶性のもの[アゾビスジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル 、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)(塩)等]〕および過酸化物〔水溶性のもの[過酢酸、t−ブチルパーオキサイド、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等]および油溶性のもの[ベンゾイルパーオキシド、クメンヒドロキシパーオキシド、ジクミルパーオキシド等]〕が挙げられる。
上記アゾ化合物における塩としては、無機酸(塩酸、硫酸、リン酸、硝酸等)塩およびアルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウム等)塩、アンモニウム塩等が挙げられる。
上記アゾ化合物における塩としては、無機酸(塩酸、硫酸、リン酸、硝酸等)塩およびアルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウム等)塩、アンモニウム塩等が挙げられる。
上記過酸化物は還元剤と組み合わせてレドックス開始剤として用いてもよく、還元剤としては重亜硫酸塩(重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸カリウム、重亜硫酸アンモニウム等)、還元性金属塩[硫酸鉄(II)等]、遷移金属塩のアミン錯体[塩化コバルト(III)のペンタメチレンヘキサミン錯体、塩化銅(II)のジエチレントリアミン錯体等]、有機性還元剤〔アスコルビン酸、3級アミン[ジメチルアミノ安息香酸(塩)、ジメチルアミノエタノール等]等〕等が挙げられる。
また、アゾ化合物、過酸化物およびレドックス開始剤はそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもいずれでもよい。
これらのうち、水溶性ポリマー(A)の水不溶解分低減の観点からアゾ化合物が好ましい。
また、アゾ化合物、過酸化物およびレドックス開始剤はそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもいずれでもよい。
これらのうち、水溶性ポリマー(A)の水不溶解分低減の観点からアゾ化合物が好ましい。
重合に際しては、(A)の分子量を調整するために、種々のラジカル重合用の連鎖移動剤(g)を使用してもよい。ラジカル重合用連鎖移動剤としては、例えば、ジエチレングリコールジメルカプタン、エチレングリコール−ジ−2−メルカプトエチルエーテル、グリセリンモノチオール等のチオール系連鎖移動剤や、マンデル酸、無水マレイン酸、リン酸等の有機酸が挙げられる。
これらの(g)のうち、(A)の分子量制御の観点から好ましいのはジエチレングリコールジメルカプタン、エチレングリコール−ジ−2−メルカプトエチルエーテルおよびグリセリンモノチオールである。
これらの(g)のうち、(A)の分子量制御の観点から好ましいのはジエチレングリコールジメルカプタン、エチレングリコール−ジ−2−メルカプトエチルエーテルおよびグリセリンモノチオールである。
重合温度は、特に制限されないが、生産性およびポリマーの熱安定性の観点から好ましくは−10〜90℃、さらに好ましくは0℃〜80℃である。
重合時のモノマー水溶液のpHは、特に限定されないが、重合速度、および得られる水溶性ポリマーの水溶解性の観点から、好ましくは1〜8、さらに好ましくは2〜7、とくに好ましくは3〜6.5である。
また、(A)は予め上記の方法による製造の後、ポリマー変性反応させたものでもよい。ポリマー変性反応としては、例えばアクリルアミド等の加水分解性官能基を分子内に有する水溶性不飽和モノマーを使用した場合に、重合時または重合後に苛性アルカリ(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)または炭酸アルカリ(炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等)を添加して、モノマーのアミド基を部分的に加水分解(加水分解率は全モノマーの合計モル数に基づいて、(A)の水溶解性および凝集性能の観点から好ましくは約1〜60モル%)してカルボキシル基を導入する方法(例えば、特開昭56−16505号公報参照)、ホルムアルデヒド、ジアルキル(C1〜12)アミンおよびハロゲン化(例えば塩化、臭化およびヨウ化)アルキル(C1〜12)(例えばメチルクロライドおよびエチルクロライド)を加え、マンニッヒ反応によって部分的にカチオン性基を導入する方法、およびアクリロニトリル等のニトリル基と、ビニルホルムアミド等の加水分解により得られるアミノ基との閉環反応により分子内にアミジン環を形成させる方法(例えば特開平5−192513号公報参照)が挙げられる。
また、(A)として2種以上の水溶性ポリマーを用いる場合、予めそれぞれを製造した後に混合してもよいし、一方を予め製造しておき、他方の製造時のモノマーに加えて製造してもよい。
水溶性ポリマー(A)の分子量は固有粘度[η](単位はdl/g。1N−NaNO3水溶液中30℃で測定。)で表され、該[η]は、凝集性能および汚泥等の中の懸濁粒子との反応性の観点から好ましくは0.5〜11.0、さらに好ましくは1.5〜7.0である。
(A)の0.5重量%塩水溶液粘度(単位はmPa・s。4重量%NaCl水溶液中25℃で測定。以下において0.5%塩水溶液粘度ということがある。)は、凝集性能および汚泥等の中の懸濁粒子との反応性の観点から好ましくは3〜50、さらに好ましくは5〜25である。0.5重量%塩水溶液粘度は、(A)の分子量の指標となる。
(A)の水不溶解分率(重量%)は、凝集性能の観点から好ましくは8%以下、さらに好ましくは5%以下である。
前記0.5重量%塩水溶液粘度および水不溶解分率は、後述の方法で評価することができる。
前記0.5重量%塩水溶液粘度および水不溶解分率は、後述の方法で評価することができる。
本発明の高分子凝集剤は、用途により、適したイオン性のものが用いられる。
一般的に、下水汚泥においては、懸濁粒子の大きさが比較的大きく、また水中における懸濁粒子表面がマイナス荷電を有していることから、脱水用高分子凝集剤としてはカチオン性または両性高分子凝集剤、およびこれらの混合物が好ましい。
製紙工程での濾水歩留向上用または紙力増強用としては、カチオン性または両性高分子凝集剤、およびこれらの混合物が好ましい。
上記のイオン性は、本発明の高分子凝集剤中の、水溶性ポリマー(A)のイオン性に由来するものである。
一般的に、下水汚泥においては、懸濁粒子の大きさが比較的大きく、また水中における懸濁粒子表面がマイナス荷電を有していることから、脱水用高分子凝集剤としてはカチオン性または両性高分子凝集剤、およびこれらの混合物が好ましい。
製紙工程での濾水歩留向上用または紙力増強用としては、カチオン性または両性高分子凝集剤、およびこれらの混合物が好ましい。
上記のイオン性は、本発明の高分子凝集剤中の、水溶性ポリマー(A)のイオン性に由来するものである。
ここで、カチオン性高分子凝集剤とは、分子内にカチオン性基を有する高分子凝集剤、すなわち水に溶解した際にカチオン性を示す高分子凝集剤であり、また両性高分子凝集剤とは、分子内にカチオン性基およびアニオン性基を有する高分子凝集剤、すなわち水に溶解した際にカチオン性およびアニオン性を示す高分子凝集剤である。これらの高分子凝集剤の水中におけるカチオン性の評価方法については、カチオンコロイド当量値(meq/g)として求めることができる。すなわち、カチオン性凝集剤中のカチオン性基当量値はカチオンコロイド当量値として求めることができ、両性凝集剤中のカチオン性基当量値は、カチオンコロイド当量値として求めることができる。
本発明の高分子凝集剤(P)がカチオン性高分子凝集剤の場合、該凝集剤中の水溶性ポリマー(A)のカチオンコロイド当量値は、(A)の凝集性能の観点から、好ましい下限は3.0、さらに好ましくは3.3、とくに好ましくは3.5、最も好ましくは3.6、好ましい上限は6.0、さらに好ましくは5.6、とくに好ましくは5.2、最も好ましくは5.0である。
また本発明の高分子凝集剤(P)が両性高分子凝集剤の場合についても、該凝集剤中の水溶性ポリマー(A)のカチオンコロイド当量値は、(A)の凝集性能の観点から、好ましい下限は3.0、さらに好ましくは3.3、とくに好ましくは3.5、最も好ましくは3.6、好ましい上限は6.0、さらに好ましくは5.6、とくに好ましくは5.2、最も好ましくは5.0である。
また本発明の高分子凝集剤(P)が両性高分子凝集剤の場合についても、該凝集剤中の水溶性ポリマー(A)のカチオンコロイド当量値は、(A)の凝集性能の観点から、好ましい下限は3.0、さらに好ましくは3.3、とくに好ましくは3.5、最も好ましくは3.6、好ましい上限は6.0、さらに好ましくは5.6、とくに好ましくは5.2、最も好ましくは5.0である。
カチオンコロイド当量値は以下に示すコロイド滴定法により求めることができる。なお、以降の測定は室温(約20℃)下で行う。
(1)測定試料(50ppm水溶液)の調製
試料0.2g(固形分含量換算したもの)を精秤し、200mlの三角フラスコにとり、全体の重量(試料とイオン交換水の合計重量)が100gとなるようにイオン交換水を加えた後、マグネチックスターラー(長さ40mm、直径5mmの円筒状マグネット、回転数1,000rpm)で、3時間撹拌して完全に溶解させ、0.2重量%の水溶性ポリマー(A)の水溶液を調製する。500mlのビーカーに該調製水溶液10gをとり、全体の重量(水溶液10gとイオン交換水の合計重量)が400gとなるようにイオン交換水を加え、再度マグネチックスターラー(1,000〜1,200rpm)で、30分間撹拌して、均一な測定試料とする。
なお、水溶性ポリマー(A)の固形分含量は、粉末状の試料約1.0gをシャーレ(直径100mm、深さ10mm)に秤量(W1)して、循風乾燥機中、105±5℃で90分間乾燥させた後の残存重量を(W2)として、次式から算出した値である。
固形分含量(重量%)=(W2)×100/(W1)
(1)測定試料(50ppm水溶液)の調製
試料0.2g(固形分含量換算したもの)を精秤し、200mlの三角フラスコにとり、全体の重量(試料とイオン交換水の合計重量)が100gとなるようにイオン交換水を加えた後、マグネチックスターラー(長さ40mm、直径5mmの円筒状マグネット、回転数1,000rpm)で、3時間撹拌して完全に溶解させ、0.2重量%の水溶性ポリマー(A)の水溶液を調製する。500mlのビーカーに該調製水溶液10gをとり、全体の重量(水溶液10gとイオン交換水の合計重量)が400gとなるようにイオン交換水を加え、再度マグネチックスターラー(1,000〜1,200rpm)で、30分間撹拌して、均一な測定試料とする。
なお、水溶性ポリマー(A)の固形分含量は、粉末状の試料約1.0gをシャーレ(直径100mm、深さ10mm)に秤量(W1)して、循風乾燥機中、105±5℃で90分間乾燥させた後の残存重量を(W2)として、次式から算出した値である。
固形分含量(重量%)=(W2)×100/(W1)
(2)カチオンコロイド当量値の測定
測定試料100gを200mlのコニカルビーカーにとり、マグネチックスターラー(500rpm)で撹拌しながら徐々に0.5重量%硫酸水溶液を加え、pH3に調整する。次にトルイジンブルー指示薬(TB指示薬)を2〜3滴加え、N/400ポリビニル硫酸カリウム(N/400PVSK)試薬で滴定する。滴定速度は2ml/分とし、測定試料が青から赤紫色に変色し、赤紫色が30秒間保持される時点を終点として滴定量(単位はml)を求める。
(3)空試験
測定試料の代わりにイオン交換水100gを用いる以外は(2)と同様の操作を行い、滴定量(単位はml)を求める。
(4)計算方法
カチオンコロイド当量値(meq/g)=(1/2)×(試料の滴定量−
空試験の滴定量)×(N/400PVSKの力価)
測定試料100gを200mlのコニカルビーカーにとり、マグネチックスターラー(500rpm)で撹拌しながら徐々に0.5重量%硫酸水溶液を加え、pH3に調整する。次にトルイジンブルー指示薬(TB指示薬)を2〜3滴加え、N/400ポリビニル硫酸カリウム(N/400PVSK)試薬で滴定する。滴定速度は2ml/分とし、測定試料が青から赤紫色に変色し、赤紫色が30秒間保持される時点を終点として滴定量(単位はml)を求める。
(3)空試験
測定試料の代わりにイオン交換水100gを用いる以外は(2)と同様の操作を行い、滴定量(単位はml)を求める。
(4)計算方法
カチオンコロイド当量値(meq/g)=(1/2)×(試料の滴定量−
空試験の滴定量)×(N/400PVSKの力価)
[高分子凝集剤(P)]
本発明の高分子凝集剤(P)は、前記水溶性ポリマー(A)を含有してなる。
高分子凝集剤(P)には、必要に応じ、本発明の効果を阻害しない範囲で、消泡剤、キレート化剤、pH調整剤、界面活性剤、ブロッキング防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤および防腐剤からなる群から選ばれる添加剤を含有させることができる。
該添加剤の合計の添加量は、(A)の重量に基づいて、通常15%以下、添加効果および凝集性能の観点から好ましくは0.1〜10%である。
本発明の高分子凝集剤(P)は、前記水溶性ポリマー(A)を含有してなる。
高分子凝集剤(P)には、必要に応じ、本発明の効果を阻害しない範囲で、消泡剤、キレート化剤、pH調整剤、界面活性剤、ブロッキング防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤および防腐剤からなる群から選ばれる添加剤を含有させることができる。
該添加剤の合計の添加量は、(A)の重量に基づいて、通常15%以下、添加効果および凝集性能の観点から好ましくは0.1〜10%である。
上記各添加剤の使用量は、(A)の重量に基づいて、消泡剤は通常5%以下、好ましくは1〜3%、キレート化剤は通常30%以下、好ましくは2〜10%、pH調整剤は通常10%以下、好ましくは1〜5%、界面活性剤およびブロッキング防止剤はそれぞれ通常5%以下、好ましくは1〜3%、酸化防止剤、紫外線吸収剤および防腐剤はそれぞれ通常5%以下、好ましくは0.1〜2%である。
各添加剤の好ましい添加量の範囲は、前記添加量の合計の添加量の場合と同様の観点に基づく。
各添加剤の好ましい添加量の範囲は、前記添加量の合計の添加量の場合と同様の観点に基づく。
本発明の高分子凝集剤(P)は、従来にない特異的な凝集効果等を示すことから、下水等の汚泥または工場廃水の処理で生じた有機性汚泥または無機性汚泥の脱水処理用高分子凝集剤として用いることができ、とくに有機性汚泥の脱水処理用として好適に用いられる。
本発明の、汚泥または廃水の処理方法は、本発明におけるポリマー(A)を含有してなる高分子凝集剤(P)を汚泥または廃水に添加、混合してフロックを形成させ、固液分離を行う方法であれば特に限定されることはない。
上記処理方法のうち、本発明の効果(前記凝集性能に優れること)発揮の観点から好ましいのは、高分子凝集剤を汚泥または廃水に添加、混合してフロックを形成させ、固液分離を行う方法である。 なお、高分子凝集剤を汚泥または廃水に添加するに際してはこれらは予め水溶液の形態としておくことが均一混合の観点から好ましい。
上記処理方法のうち、本発明の効果(前記凝集性能に優れること)発揮の観点から好ましいのは、高分子凝集剤を汚泥または廃水に添加、混合してフロックを形成させ、固液分離を行う方法である。 なお、高分子凝集剤を汚泥または廃水に添加するに際してはこれらは予め水溶液の形態としておくことが均一混合の観点から好ましい。
また、(P)を汚泥または廃水に適用する際には、本発明の効果を阻害しない範囲で公知の有機凝結剤を1種または2種以上併用してもよい。これらを併用する場合は、(i)(P)に予め添加しておく方法、(ii)(P)の添加時に同時に添加する方法、(iii)有機凝結剤を、(P)とは別にそれらの添加の前および/または後に順序不同で汚泥または廃水に添加する方法のいずれを採用してもよい。これらのうち凝集性能の観点から好ましいのは、(iii)のうち有機凝結剤を初めに汚泥または廃水に添加する方法である。
有機凝結剤としては、例えばエピハロヒドリンとアミンとの重縮合体(もしくはその塩酸塩、以下塩酸塩と略記)、エピハロヒドリンとアルキレンジアミンとの重縮合体(塩酸塩)、ポリエチレンイミン(塩酸塩)、アルキレンジハライド−アルキレンポリアミン重縮合体(塩酸塩)、アニリン−ホルムアルデヒド重縮合体(塩酸塩)、ポリビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ポリビニルピリジン(塩酸塩)、(ジ)メチルジ(メタ)アリルアンモニウムクロライドおよびポリビニルイミダゾリン(塩酸塩)が挙げられる。
これらの有機凝結剤はそれぞれの1種または2種以上用いても、あるいは両者を併用してもいずれでもよい。
これらの有機凝結剤はそれぞれの1種または2種以上用いても、あるいは両者を併用してもいずれでもよい。
該凝結剤を予め(P)に添加しておく場合の使用量は、(P)の重量に基づいて、無機凝結剤は通常100%以下、凝集性能の観点から好ましくは5〜50%、さらに好ましくは10〜30%、有機凝結剤は通常20%以下、同様の観点から好ましくは1〜10%、さらに好ましくは2〜5%である。
有機凝結剤を、(P)とは別に汚泥または廃水に添加する場合[上記(iii)の方法]の有機凝結剤の使用量は、汚泥または廃水の種類、懸濁している粒子の大きさ、および汚泥または廃水中の固形分含量(蒸発残留物重量ともいう。以下TSと略記)等によって異なるが、汚泥または廃水中のTSに基づいて、フロック強度の観点から好ましい下限は0.01%、さらに好ましくは0.05%、とくに好ましくは0.1%、フロックの粗大化の観点から好ましい上限は5%、さらに好ましくは3%、とくに好ましくは1%である。
また、上記方法における高分子凝集剤(P)の汚泥または廃水への添加方法としては、特に限定はなく、(P)をそのまま汚泥または廃水に添加してもよいが、均一混合の観点から好ましいのは(P)を水溶液にした後に汚泥または廃水に添加する方法である。
(P)を水溶液として用いる場合は、その濃度(重量%)は好ましくは0.05〜3%、さらに好ましくは0.1〜1%である。溶解方法、溶解後の希釈方法は特に限定はないが、例えば予め秤りとった水をジャーテスター等の撹拌装置を用いて撹拌しながら、所定量の(P)を加え、数時間(約1〜4時間程度)撹拌して溶解させる方法等が採用できる。
(P)を水溶液として用いる場合は、その濃度(重量%)は好ましくは0.05〜3%、さらに好ましくは0.1〜1%である。溶解方法、溶解後の希釈方法は特に限定はないが、例えば予め秤りとった水をジャーテスター等の撹拌装置を用いて撹拌しながら、所定量の(P)を加え、数時間(約1〜4時間程度)撹拌して溶解させる方法等が採用できる。
上記処理方法において汚泥または廃水に添加する際の(P)の使用量は、汚泥または廃水の種類、懸濁している粒子の含有量および該高分子凝集剤の分子量等によって異なりとくに限定はされないが、汚泥または廃水中のTSに基づいて、フロック強度の観点から、好ましい下限は0.01%、さらに好ましくは0.1%、とくに好ましくは1%、最も好ましくは1.5%、脱水ケーキの含水率低減の観点から、好ましい上限は10%、さらに好ましくは8%、とくに好ましくは5%、最も好ましくは3%である。
また、上記の処理方法により形成されたフロック状の汚泥の脱水方法(固液分離法)としては、例えば重力沈降、膜ろ過、カラムろ過、加圧浮上、および濃縮装置(例えばシックナー)および脱水装置(例えば遠心脱水機、ベルトプレス脱水機、フィルタープレス脱水機およびキャピラリー脱水機)を用いる方法が挙げられる。これらのうち本発明の高分子凝集剤の特異的な凝集性能である高フロック強度の観点から好ましいのは、脱水装置、とくに遠心脱水機、ベルトプレス脱水機およびフィルタープレス脱水機を用いる方法である。
以下実施例をもって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の部は重量部、%は重量%を表す。
実施例および比較例に使用した原料の組成、記号等は次のとおりである。
(1)カチオン性モノマー(a)
(a−1):N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートのメチルクロライド塩の63.8%水溶液
(a−2):N,N−ジメチルアミノエチルアクリレートのメチルクロライド塩の80%水溶液
(2)架橋性モノマー(b)
(b−1)エチレングリコールジメタクリレート
(b−2)ポリエチレン(Mn594)グリコールジメタクリレート
(b−3)トリエチレングリコールジアクリレート
(3)(a)以外の水酸基含有モノマー(c)
(c−1)メタクリル酸2−ヒドロキシエチル
(c−2)アクリル酸2−ヒドロキシエチル
(c−3)メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル
(4)上記(c)以外のノニオン性モノマー(d)
(d−1):メタクリル酸n−ブチル
(d−2):アクリルアミド50%水溶液
(5)アニオン性モノマー(e)
(e−1):アクリル酸
(1)カチオン性モノマー(a)
(a−1):N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートのメチルクロライド塩の63.8%水溶液
(a−2):N,N−ジメチルアミノエチルアクリレートのメチルクロライド塩の80%水溶液
(2)架橋性モノマー(b)
(b−1)エチレングリコールジメタクリレート
(b−2)ポリエチレン(Mn594)グリコールジメタクリレート
(b−3)トリエチレングリコールジアクリレート
(3)(a)以外の水酸基含有モノマー(c)
(c−1)メタクリル酸2−ヒドロキシエチル
(c−2)アクリル酸2−ヒドロキシエチル
(c−3)メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル
(4)上記(c)以外のノニオン性モノマー(d)
(d−1):メタクリル酸n−ブチル
(d−2):アクリルアミド50%水溶液
(5)アニオン性モノマー(e)
(e−1):アクリル酸
(5)ラジカル重合開始剤(f)
(f−1):アゾビスアミジノプロパン塩酸塩[和光純薬工業(株)製、「V−50」
10時間半減期温度:56℃]の10%水溶液
(f−2):過酸化水素の0.25%水溶液
(f−3):アスコルビン酸の0.4%水溶液
(f−4):硫酸鉄(I)の0.25%水溶液
(6)連鎖移動剤(g)
(g−1):エチレングリコール−ジ−2−メルカプトエチルエーテルの3%水溶液
(f−1):アゾビスアミジノプロパン塩酸塩[和光純薬工業(株)製、「V−50」
10時間半減期温度:56℃]の10%水溶液
(f−2):過酸化水素の0.25%水溶液
(f−3):アスコルビン酸の0.4%水溶液
(f−4):硫酸鉄(I)の0.25%水溶液
(6)連鎖移動剤(g)
(g−1):エチレングリコール−ジ−2−メルカプトエチルエーテルの3%水溶液
水溶性ポリマー(A)を含有してなる高分子凝集剤(P)の固形分含量は前記の方法で評価し、その他の項目は下記の方法で評価した。
なお、下水汚泥等中の蒸発残留物重量(TS)、浮遊物質(SS)、有機分(強熱減量)は、「下水試験方法」(日本下水道協会、1984年度版)記載の分析方法に準じて行った。
なお、下水汚泥等中の蒸発残留物重量(TS)、浮遊物質(SS)、有機分(強熱減量)は、「下水試験方法」(日本下水道協会、1984年度版)記載の分析方法に準じて行った。
<評価方法>
(1)0.5%塩水溶液粘度(mPa・s、25℃)
ジャーテスター[型式「JMD−6HS−A」、宮本理研工業(株)製、以下同じ。]に板状の塩ビ製撹拌羽根(直径5cm、高さ2cm、厚さ0.2cm)2枚を十字になるように上下に連続して撹拌棒に取り付けた撹拌装置を用い、500mLビーカーにイオン交換水477.5gを入れ、水温20〜25℃にて200rpmで撹拌下、固形分2.5gの試料を徐々に加えて、4時間かけて完全に溶解させた。その後、塩化ナトリウム20gを入れ、さらに30分間撹拌して溶解させた。その後、得られた塩水溶液(塩化ナトリウムの濃度は4%)の一部を200mLトールビーカーに移し、25℃の恒温槽に20分間静置して温度調整した後、B型粘度計でM1ローター、60rpmにて、測定開始300秒後の値を0.5%塩水溶液粘度とした。
(1)0.5%塩水溶液粘度(mPa・s、25℃)
ジャーテスター[型式「JMD−6HS−A」、宮本理研工業(株)製、以下同じ。]に板状の塩ビ製撹拌羽根(直径5cm、高さ2cm、厚さ0.2cm)2枚を十字になるように上下に連続して撹拌棒に取り付けた撹拌装置を用い、500mLビーカーにイオン交換水477.5gを入れ、水温20〜25℃にて200rpmで撹拌下、固形分2.5gの試料を徐々に加えて、4時間かけて完全に溶解させた。その後、塩化ナトリウム20gを入れ、さらに30分間撹拌して溶解させた。その後、得られた塩水溶液(塩化ナトリウムの濃度は4%)の一部を200mLトールビーカーに移し、25℃の恒温槽に20分間静置して温度調整した後、B型粘度計でM1ローター、60rpmにて、測定開始300秒後の値を0.5%塩水溶液粘度とした。
(2)不溶解分率(%)
1Lビーカーに0.1%の塩化ナトリウム水溶液500gを入れ、これを前記ジャーテスターを用いて700rpmで撹拌下、該水溶液中に固形分2.5gの高分子凝集剤試料を加えて、2時間かけて溶解させる。予め秤量した目開き100μmのステンレス製金網にて溶解液をろ過する。残渣を金網とともにアルミ皿に載せて、120℃の恒温槽で2時間乾燥させる。乾燥後の残渣を金網とともにデシケータ内で室温まで冷却後、秤量してステンレス製金網重量を差し引いた重量を[乾燥後残渣量]とし、下記の式から不溶解分率を求める。
不溶解分率(%)[I]=[乾燥後残渣量/溶解時試料量]×100
1Lビーカーに0.1%の塩化ナトリウム水溶液500gを入れ、これを前記ジャーテスターを用いて700rpmで撹拌下、該水溶液中に固形分2.5gの高分子凝集剤試料を加えて、2時間かけて溶解させる。予め秤量した目開き100μmのステンレス製金網にて溶解液をろ過する。残渣を金網とともにアルミ皿に載せて、120℃の恒温槽で2時間乾燥させる。乾燥後の残渣を金網とともにデシケータ内で室温まで冷却後、秤量してステンレス製金網重量を差し引いた重量を[乾燥後残渣量]とし、下記の式から不溶解分率を求める。
不溶解分率(%)[I]=[乾燥後残渣量/溶解時試料量]×100
(3)フロック粒径(mm)
300mlのビーカーに汚泥200mlを入れ、上記(1)と同じ撹拌装置にセットした。ジャーテスターの回転数を650rpmとし、徐々に汚泥を撹拌しながら、所定の濃度の高分子凝集剤の水溶液を所定の方法で添加し、30秒間撹拌した後、撹拌を止め形成されたフロックの粒径(mm)を目視にて観察した。
300mlのビーカーに汚泥200mlを入れ、上記(1)と同じ撹拌装置にセットした。ジャーテスターの回転数を650rpmとし、徐々に汚泥を撹拌しながら、所定の濃度の高分子凝集剤の水溶液を所定の方法で添加し、30秒間撹拌した後、撹拌を止め形成されたフロックの粒径(mm)を目視にて観察した。
(4)フロック強度
上記(3)におけるフロック粒径を比較し、フロック粒径の変化からフロック強度を下記の基準に従って評価した。
<評価基準>
◎ 非常に強固 (粒径に変化なし)
○ 強固 (ごく一部細分化)
△ やや弱い (部分的に細分化)
× 弱い (全体的に細分化)
上記(3)におけるフロック粒径を比較し、フロック粒径の変化からフロック強度を下記の基準に従って評価した。
<評価基準>
◎ 非常に強固 (粒径に変化なし)
○ 強固 (ごく一部細分化)
△ やや弱い (部分的に細分化)
× 弱い (全体的に細分化)
(5)20秒後ろ液量(ml)(ろ過性評価)
T−1189のナイロン製ろ布[敷島カンバス(株)製、円形状、直径9cm]、ヌッチェ漏斗、および300mlが計測できるメスシリンダーを用いてろ過装置をセットした。上記(3)のフロック粒径試験後の汚泥をヌッチェろ過面上に一気に全量投入してろ過し、ストップウォッチを用いて投入直後から20秒後までに通過したろ液量を測定した。
T−1189のナイロン製ろ布[敷島カンバス(株)製、円形状、直径9cm]、ヌッチェ漏斗、および300mlが計測できるメスシリンダーを用いてろ過装置をセットした。上記(3)のフロック粒径試験後の汚泥をヌッチェろ過面上に一気に全量投入してろ過し、ストップウォッチを用いて投入直後から20秒後までに通過したろ液量を測定した。
(6)ろ布剥離性
ろ過した汚泥の一部をスパーテルで取り出し、プレスフィルター試験機を用いて脱水試験(1kg/cm2、60秒)を行い、試験後のろ布に付着した脱水ケーキをスパーテルで剥離させた場合の脱水ケーキの剥離性を下記の基準に従って評価した。
<評価基準>
◎:非常に剥がれやすい(ろ布に付着物なし)
○:剥がれやすい (ろ布に付着物わずかにあり)
△:多少剥がれにくい (ろ布に付着物あり、わずかにろ布内部にまで付着物あり)
×:剥がれにくい (ろ布内部にまで付着物多い)
ろ過した汚泥の一部をスパーテルで取り出し、プレスフィルター試験機を用いて脱水試験(1kg/cm2、60秒)を行い、試験後のろ布に付着した脱水ケーキをスパーテルで剥離させた場合の脱水ケーキの剥離性を下記の基準に従って評価した。
<評価基準>
◎:非常に剥がれやすい(ろ布に付着物なし)
○:剥がれやすい (ろ布に付着物わずかにあり)
△:多少剥がれにくい (ろ布に付着物あり、わずかにろ布内部にまで付着物あり)
×:剥がれにくい (ろ布内部にまで付着物多い)
(7)脱水ケーキ含水率(%)
上記(6)のろ布剥離性試験後の脱水ケーキ約3gをシャーレに秤量(W3)して、循風乾燥機中、105±5℃、8時間で乾燥させた後、シャーレ上に残った乾燥ケーキの重量を(W4)として、次式からケーキ含水率を算出した。
脱水ケーキ含水率(%)=[(W3)−(W4)]×100/(W3)
上記(6)のろ布剥離性試験後の脱水ケーキ約3gをシャーレに秤量(W3)して、循風乾燥機中、105±5℃、8時間で乾燥させた後、シャーレ上に残った乾燥ケーキの重量を(W4)として、次式からケーキ含水率を算出した。
脱水ケーキ含水率(%)=[(W3)−(W4)]×100/(W3)
以下においては、高分子凝集剤の製造と該得られた高分子凝集剤の性能評価の実施例および比較例は同じNO.で表記することとする。
実施例1[高分子凝集剤(P−1)の製造](水溶液重合)
反応容器に、表1に従って、カチオン性モノマー(a−1)1,507部、架橋性モノマー(b−1)0.0253部および水酸基含有モノマー(c−1)39部、連鎖移動剤(g−1)10部、およびイオン交換水301部を配合したモノマー水溶液[水相(1)]を系内が均一溶液になるまで混合、撹拌した。撹拌下、モノマー水溶液のpH(20℃)をpHメーターで監視しながら硫酸を用いて3.0に調整した。
次に、0℃の恒温水槽中で該反応容器の溶液温度を5℃に調整し、系内を窒素で充分に置換した(気相酸素濃度約5ppm)。その後、ラジカル重合開始剤(f-1)〜(f−4)を含有する各水相(2)を表1に基づいて、順不同で別々に逐次滴下にて反応容器に仕込み、溶液温度5℃で重合を開始させた。重合により発生する熱により溶液温度が上昇し、溶液温度が70℃に達した時点で90℃の恒温槽内に反応容器を入れて10時間保温し重合を完結させた。(なお重合中、内容物が高粘度となり撹拌が困難となったため、撹拌は途中で停止した。)
その後、得られた含水ゲルを取り出し、ミートチョッパー機[型番「12VR−400K」、ROYAL(株)製、目皿の目開き6mm]により混合、混練、さらにミンチ状に細断し、80℃の熱風で2時間乾燥後、ジューサーミキサーで粉砕して、水溶性ポリマー(A−1)を含有してなる粉末状の高分子凝集剤(P−1)920部を得た(収率92%、固形分含量95%)。表1に配合組成、水溶性ポリマーの特性等を示す。
反応容器に、表1に従って、カチオン性モノマー(a−1)1,507部、架橋性モノマー(b−1)0.0253部および水酸基含有モノマー(c−1)39部、連鎖移動剤(g−1)10部、およびイオン交換水301部を配合したモノマー水溶液[水相(1)]を系内が均一溶液になるまで混合、撹拌した。撹拌下、モノマー水溶液のpH(20℃)をpHメーターで監視しながら硫酸を用いて3.0に調整した。
次に、0℃の恒温水槽中で該反応容器の溶液温度を5℃に調整し、系内を窒素で充分に置換した(気相酸素濃度約5ppm)。その後、ラジカル重合開始剤(f-1)〜(f−4)を含有する各水相(2)を表1に基づいて、順不同で別々に逐次滴下にて反応容器に仕込み、溶液温度5℃で重合を開始させた。重合により発生する熱により溶液温度が上昇し、溶液温度が70℃に達した時点で90℃の恒温槽内に反応容器を入れて10時間保温し重合を完結させた。(なお重合中、内容物が高粘度となり撹拌が困難となったため、撹拌は途中で停止した。)
その後、得られた含水ゲルを取り出し、ミートチョッパー機[型番「12VR−400K」、ROYAL(株)製、目皿の目開き6mm]により混合、混練、さらにミンチ状に細断し、80℃の熱風で2時間乾燥後、ジューサーミキサーで粉砕して、水溶性ポリマー(A−1)を含有してなる粉末状の高分子凝集剤(P−1)920部を得た(収率92%、固形分含量95%)。表1に配合組成、水溶性ポリマーの特性等を示す。
実施例2〜11
[高分子凝集剤(P−2)〜(P−11)の製造]
実施例1において、モノマー組成等を表1に基づいて代えたこと以外は実施例1と同様にして、各高分子凝集剤を得た。表1に配合組成、水溶性ポリマーの特性等を示す。
[高分子凝集剤(P−2)〜(P−11)の製造]
実施例1において、モノマー組成等を表1に基づいて代えたこと以外は実施例1と同様にして、各高分子凝集剤を得た。表1に配合組成、水溶性ポリマーの特性等を示す。
比較例1〜7
[高分子凝集剤(RP−1)〜(RP−7)の製造]
実施例1において、モノマー組成等を表2に基づいて代えたこと以外は実施例1と同様にして、各高分子凝集剤を得た。表2に配合組成、水溶性ポリマーの特性等を示す。
[高分子凝集剤(RP−1)〜(RP−7)の製造]
実施例1において、モノマー組成等を表2に基づいて代えたこと以外は実施例1と同様にして、各高分子凝集剤を得た。表2に配合組成、水溶性ポリマーの特性等を示す。
実施例1〜11、比較例1〜7[高分子凝集剤の性能評価]
得られた高分子凝集剤をそれぞれイオン交換水に溶解させて固形分含量0.2%の水溶液とした。K市処理場から採取した余剰汚泥[pH6.4、TS1.50%、SS1.05%、有機分85.7%、アルカリ度520mg−CaCO3/L]200部を500mLのビーカーに採り、上記高分子凝集剤の各水溶液22.5部を添加(この時の固形分添加量1.5%/TS)し、性能を評価した。結果を表3および表4に示す。
得られた高分子凝集剤をそれぞれイオン交換水に溶解させて固形分含量0.2%の水溶液とした。K市処理場から採取した余剰汚泥[pH6.4、TS1.50%、SS1.05%、有機分85.7%、アルカリ度520mg−CaCO3/L]200部を500mLのビーカーに採り、上記高分子凝集剤の各水溶液22.5部を添加(この時の固形分添加量1.5%/TS)し、性能を評価した。結果を表3および表4に示す。
表3および4から、実施例1〜11では、比較例1〜7に比べて凝集性能に優れることがわかる。すなわち、実施例1〜11では、比較例1〜7に比べてフロック径が大きく、20秒後ろ液量が多いことからろ過性に優れ、ろ布剥離性および脱水性(脱水ケーキ含水率)においても優れた効果を示すことがわかる。
本発明の高分子凝集剤は、汚泥または廃水の処理用途に主として用いられるが、それ以外の用途、例えば掘削・泥水処理用凝集剤、製紙用薬剤(製紙工業用地合形成助剤、濾水歩留向上剤、濾水性向上剤、紙力増強剤等)、原油増産用添加剤(原油の二、三次回収用添加剤)、分散剤、スケール防止剤、凝結剤、脱色剤、増粘剤、帯電防止剤および繊維用処理剤等としても用いることができる。
Claims (6)
- 1個の不飽和基を有するカチオン性モノマー(a)、架橋性モノマー(b)、および(a)以外の1個の不飽和基を有する水酸基含有モノマー(c)を含有する不飽和モノマー(α)を重合させた水溶性ポリマー(A)を含有してなり、(α)の重量に基づく含有量が、(a)が75〜97%、(b)が0.0015〜0.015%であり、(b)と(c)の重量比が0.00006〜0.005である高分子凝集剤(P)。
- (b)が、アルキレングリコールジ(メタ)アクリレートである請求項1記載の高分子凝集剤。
- (c)の含有量が、(α)の重量に基づいて3〜25%である請求項1または2記載の高分子凝集剤。
- (b)と(a)の重量比が、0.00002〜0.0002である請求項1〜3のいずれか記載の高分子凝集剤。
- (A)のカチオンコロイド当量値が、3.0〜6.0である請求項1〜4のいずれか記載の高分子凝集剤。
- 請求項1〜5のいずれか記載の高分子凝集剤を汚泥または廃水に添加、混合してフロックを形成させ固液分離する汚泥または廃水の処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012240312A JP2014087766A (ja) | 2012-10-31 | 2012-10-31 | 高分子凝集剤 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2012240312A JP2014087766A (ja) | 2012-10-31 | 2012-10-31 | 高分子凝集剤 |
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JP2014087766A true JP2014087766A (ja) | 2014-05-15 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2015051428A (ja) * | 2013-08-06 | 2015-03-19 | 三洋化成工業株式会社 | 高分子凝集剤 |
-
2012
- 2012-10-31 JP JP2012240312A patent/JP2014087766A/ja active Pending
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