JP2014087200A - 充電装置、充電方法、プログラム、及び情報処理装置 - Google Patents

充電装置、充電方法、プログラム、及び情報処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】バッテリのセル劣化を防止しつつ、充電時間を短縮する。
【解決手段】充電電圧が略満充電電圧に達するまでは漸増する電圧で充電を行い、略満充電電圧に達すると定電圧で充電を行う充電装置であって、充電電圧が、略満充電電圧より低い第1の電圧に至るまでは、第1の電流値による定電流で充電を行う手段と、充電電圧が、第1の電圧から略満充電電圧に至るまでは、第1の電流値よりも低い第2の電流値による定電流で充電を行う手段と、充電電圧が、略満充電電圧に達すると、第2の電流値から漸減する電流で充電を行う手段と、を含む。
【選択図】図4

Description

本発明は、充電装置、充電方法、プログラム、及び情報処理装置に関する。
近年、素子の小型化、LSI(Large Scale Integrated circuit)の高集積化、CPU(Central Processing Unit)の高性能化が進み、携帯電話やインターネット等、通信設備が充実してきたことにより、ノート型パソコン、ハンディターミナル、モバイルコンピュータ等の、様々な大きさや機能を有する携帯型パーソナルコンピュータ(以下、「ノート型PC」ともいう。)が開発されてきている。例えば、ノートブック型パーソナルコンピュータ(PC)、サブノートブック型PC、パームトップ型PC、PDA(Personal Digital Assistant:携帯型情報通信端末)等がある。
ノート型PCは、本体にバッテリを内蔵している。この内蔵バッテリにより、例えば、列車内等のように商用電源を利用することができない環境下においても、ユーザは、ノート型PCを使用することができる。内蔵バッテリとして、充電することにより繰り返し使うことが可能な2次電池を用いるのが一般的である。
このようなノート型PCのバッテリとしては、近年、リチウムイオン電池の使用が急激に広がっている。リチウムイオン電池は、重量エネルギー密度がニカド・ニッケル水素電池の約3倍、体積エネルギー密度で約2倍となり、小型で軽量の高容量のバッテリであり、様々な携帯型情報機器に使用されている。
またリチウムイオン電池は、公称電圧3.7ボルトを発生する電池セルを基本単位とし、携帯型情報端末が必要とする電源電圧に応じたセル数だけ、円筒形や角形のパッケージに収納されている。例えば2セルであれば7.4ボルト、3セルであれば11.1ボルトとなる。
ノート型PC等の携帯型情報機器に搭載されるリチウムイオン電池の充電方法は、定電圧定電流充電が必要となっている。このようなバッテリの充電においては、充電電圧、充電電流、及び充電時間によって充電される量が決定される。
ノート型PC等の携帯型情報機器は、リチウムイオン電池の充電される量、すなわち、満充電時の容量が多いほどバッテリによる稼働時間が長くなり、このため許容範囲内で可能な限り高い電圧で充電させることにより満充電時の容量が多くなるようにしている。また放電終止電圧として、機器が安定して稼動し得る最低限の電圧値を設定する必要があるが、放電終止電圧の設定の仕方によっても装置稼働時間は変化する。
一方、リチウムイオン電池は、充電状態で高温環境下に放置しておくだけでも、充放電させたのと同じように容量が低下してしまうという劣化特性がある。劣化の度合は放置温度と充電電圧に依存し、温度が高いほど劣化が速い。
ノート型PCの使用方法は、携帯して使用される状態に限らず、机上で常にAC(Alternating Current)アダプタを接続した状態で使用されることもある。この場合、ノート型PCの電源は常時ACアダプタから供給され、内蔵のバッテリから供給されることはない。しかし、ノート型PCの電力が常にACアダプタから供給されていても、商用電源の瞬断や停電等の異常事態を考慮すると、バッテリの充電容量が空であることは好ましくない。
さらに、通常は机上での使用が主であるが、急に携帯して使用しようとした場合にも、バッテリの充電容量が空であると、バッテリの充電が終了するまで待たなければ携帯して使用することができないという問題もある。このように、ノート型PCが机上で常時ACアダプタを接続した状態で使用される場合であっても、内蔵バッテリの充電容量は100%に近い略満充電状態に保持する必要がある。
リニアテクノロジー株式会社、"LINER TECHNOLOGY DESIGN NOTES 安価な回路でリチウムイオン電池を充電−デザインノート188"、[online]、[平成24年10月 1日検索]、インターネット〈URL:http://cds.linear.com/docs/Japanese%20Design%20Note/jdn188.pdf〉 株式会社ベイサン、"リチウムイオン電池の話 9.充電方法(定電流定電圧 パルス充電)"、[online]、[平成24年10月 1日検索]、インターネット〈URL:http://www.baysun.net/ionbattery_story/lithium09.html〉 株式会社エジソンパワー、"エジソンパワートップページ リチウムイオン電池とは? 7.リチウムイオン電池の原理と仕組み"、[online]、[平成24年10月 1日検索]、インターネット〈URL:http://www.edisonpower.co.jp/ion_battery/5.html〉
ここで、リチウムイオン電池の充電特性について図6を用いて説明する。図6は、標準的なリチウムイオン電池の充電特性を模式的に表すグラフである。非特許文献1から3に記載されているように、図6に示す標準的なリチウムイオン電池の充電特性は、横軸を充電時間、縦軸を充電電圧及び充電電流と規定した場合、放電状態から充電を開始すると、充電開始からA領域までは、充電電流は一定値である定電流(CC:Constant Current)であるのに対し、当初電圧は低いため、充電電圧は充電満了時の電圧値に到達するように次第に増加する特性を有している。そして、充電電圧が充電満了時の電圧値に到達するB領域からは、充電電圧は一定値である定電圧(CV:Constant Voltage)であるのに対し、充電電流は充電満了時の電圧値を超えないように電流量が絞られ、次第に減少する特性を有している。
すなわち、このような定電流/定電圧(CC/CV)充電方式では、まず定電流により予め設定された上限電圧まで充電が行われ、その後その電圧に保持される。定電圧モードに入ると電流値は減衰するので、一定の収束電流値になった時点若しくは一定時間経過後に充電は終了する。そして、満充電になるには2〜3時間が必要で、初期の1時間で電池容量の約90%の充電がなされる。定電流/定電圧(CC/CV)充電方式で充電時間が長くかかるのは、電圧が上昇したときに電流値を小さく絞っているためである。
このような状況下、リチウムイオン電池を急速に充電したいいという要望もあり、パルス充電法が開発されている。このパルス充電法は、定電流(CC)充電により所定の電圧に達した後、パルス充電により充電が継続されるものである。すなわち、定電流/定電圧(CC/CV)方式で充電時間が長くかかるのは、電圧が上昇したときに電流値を小さくしているからであり、充電中のごく短時間だけ、セル電圧が規格電圧値を超えることを認め、電流値を大きくすることによって充電時間を短縮しようとするものである。
このようにパルス充電法では、充電電流値を大きくし、満充電になるまでの時間を短縮している。しかしながら、このパルス充電法では、セル電圧がごく短時間だけ所定の電圧を超えることを認め、セル電圧を細かくモニタすることによって過充電を防止しているが、バッテリの定格を超えた領域で充電を行っているため、バッテリのセル劣化を招いてしまうという問題があった。
そこで本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたもので、バッテリのセル劣化を防止しつつ、充電時間を短縮することが可能な充電装置、充電方法、プログラム、及び情報処理装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の本発明における充電装置は、充電電圧が略満充電電圧に達するまでは漸増する電圧で充電を行い、前記略満充電電圧に達すると定電圧で充電を行う充電装置であって、前記充電電圧が、前記略満充電電圧より低い第1の電圧に至るまでは、第1の電流値による定電流で充電を行う手段と、前記充電電圧が、前記第1の電圧から前記略満充電電圧に至るまでは、前記第1の電流値よりも低い第2の電流値による定電流で充電を行う手段と、前記充電電圧が、前記略満充電電圧に達すると、前記第2の電流値から漸減する電流で充電を行う手段と、を含むことを特徴とする。
また、上記課題を解決するため、請求項2に記載の本発明における充電方法は、充電電圧が略満充電電圧に達するまでは漸増する電圧で充電を行い、前記略満充電電圧に達すると定電圧で充電を行う充電方法であって、前記充電電圧が、前記略満充電電圧より低い第1の電圧に至るまでは、第1の電流値による定電流で充電を行う工程と、前記充電電圧が、前記第1の電圧から前記略満充電電圧に至るまでは、前記第1の電流値よりも低い第2の電流値による定電流で充電を行う工程と、前記充電電圧が、前記略満充電電圧に達すると、前記第2の電流値から漸減する電流で充電を行う工程と、を含むことを特徴とする。
さらに、上記課題を解決するため、請求項3に記載の本発明におけるプログラムは、充電電圧が略満充電電圧に達するまでは漸増する電圧で充電を行い、前記略満充電電圧に達すると定電圧で充電を行う充電装置に実行させるコンピュータにより読み取り可能なプログラムであって、前記充電電圧が、前記略満充電電圧より低い第1の電圧に至るまでは、第1の電流値による定電流で充電を行う処理と、前記充電電圧が、前記第1の電圧から前記略満充電電圧に至るまでは、前記第1の電流値よりも低い第2の電流値による定電流で充電を行う処理と、
前記充電電圧が、前記略満充電電圧に達すると、前記第2の電流値から漸減する電流で充電を行う処理と、を含むことを特徴とする。
また、上記課題を解決するため、請求項4に記載の本発明における情報処理装置は、充電電圧が略満充電電圧に達するまでは漸増する電圧で充電を行い、前記略満充電電圧に達すると定電圧で充電を行う充電装置を含む情報処理装置であって、前記充電装置は、前記充電電圧が、前記略満充電電圧より低い第1の電圧に至るまでは、第1の電流値による定電流で充電を行う手段と、前記充電電圧が、前記第1の電圧から前記略満充電電圧に至るまでは、前記第1の電流値よりも低い第2の電流値による定電流で充電を行う手段と、前記充電電圧が、前記略満充電電圧に達すると、前記第2の電流値から漸減する電流で充電を行う手段と、を含むことを特徴とする。
そして、上記課題を解決するため、請求項5に記載の本発明における充電方法は、充電電圧が略満充電電圧に達するまでは漸増する電圧で充電を行い、前記略満充電電圧に達すると定電圧で充電を行う充電装置を含む情報処理装置の充電方法であって、前記充電電圧が、前記略満充電電圧より低い第1の電圧に至るまでは、第1の電流値による定電流で充電を行う工程と、前記充電電圧が、前記第1の電圧から前記略満充電電圧に至るまでは、前記第1の電流値よりも低い第2の電流値による定電流で充電を行う工程と、前記充電電圧が、前記略満充電電圧に達すると、前記第2の電流値から漸減する電流で充電を行う工程と、を含むことを特徴とする。
また、上記課題を解決するため、請求項6に記載の本発明におけるプログラムは、充電電圧が略満充電電圧に達するまでは漸増する電圧で充電を行い、前記略満充電電圧に達すると定電圧で充電を行う充電装置を含む情報処理装置に実行させるコンピュータにより読み取り可能なプログラムであって、前記充電電圧が、前記略満充電電圧より低い第1の電圧に至るまでは、第1の電流値による定電流で充電を行う処理と、前記充電電圧が、前記第1の電圧から前記略満充電電圧に至るまでは、前記第1の電流値よりも低い第2の電流値による定電流で充電を行う処理と、前記充電電圧が、前記略満充電電圧に達すると、前記第2の電流値から漸減する電流で充電を行う処理と、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、バッテリのセル劣化を防止しつつ、充電時間を短縮することが可能な充電装置、充電方法、プログラム、及び情報処理装置が得られる。
本発明の実施形態における充電装置を含む情報処理装置の全体構成を示す概略図である。 本発明の実施形態における充電装置を含む情報処理装置の構成を示す概略ブロック図である。 本発明の実施形態における充電装置の動作について説明するフローチャート図である。 本発明の実施形態における充電装置を用いたリチウムイオン電池の充電特性を模式的に表すグラフである。 本発明の他の実施形態における充電装置を用いたリチウムイオン電池の充電特性を模式的に表すグラフである。 標準的なリチウムイオン電池の充電特性を模式的に表すグラフである。
次に、本発明を実施するための形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化乃至省略する。本発明の内容を簡潔に説明すると、充電電圧が略満充電電圧に達するまでは漸増する電圧で充電を行い、略満充電電圧に達すると定電圧で充電を行う充電装置であって、充電電圧が、略満充電電圧より低い第1の電圧に至るまでは、第1の電流値による定電流で充電を行う手段と、充電電圧が、第1の電圧から略満充電電圧に至るまでは、第1の電流値よりも低い第2の電流値による定電流で充電を行う手段と、充電電圧が、略満充電電圧に達すると、第2の電流値から漸減する電流で充電を行う手段と、を含むことにより、バッテリのセル劣化を防止しつつ、充電時間を短縮することが可能な充電装置、充電方法、プログラム、及び情報処理装置が得られるのである。なお、電圧が漸増するとは、充電電圧が、充電開始時点から徐々に増加していくことを指し、電流が漸減するとは、充電電流が、定電流状態から徐々に減少していくことを指し、略満充電電圧とは、充電状態が、定電流充電(CC)から定電圧充電(CV)に切り替わる時点における充電電圧のことを指すものとする。
まず、図1を用いて本発明の実施形態における情報処理装置の構成について説明する。図1は、本発明の実施形態における充電装置を含む情報処理装置の全体構成を示す概略図である。図1を参照すると、本発明の実施形態における情報処理装置100は、例えば、パーソナルコンピュータ(以下、「PC」という。)が代表として挙げられるが、ノート型PC100は、本体ケース106と、本体ケース106の後部にヒンジ102により回動可能に保持された蓋体103とからなる。本体ケース106にはCPUを含む回路要素ユニット群が収容され、蓋体103内側面には、液晶パネル104が設けられている。CPUを搭載した回路基板、他の回路要素ユニット群、及びバッテリパック等が、本体ケース106の内部に収容されている。本体ケース106の上面部には、キーボード105、タッチパッド101等が設けられている。本体ケース106の外部の、例えば右側面部に電源端子107が設けられ、この電源端子107に外部電源であるACアダプタ108が接続される。ACアダプタ108は、外部から供給されるAC(交流)電源をDC(Direct current:直流)電源に変換してノート型PC100に供給する。
次に、図2を用いて本発明の実施形態における充電装置を含む情報処理装置の構成について説明する。図2は、本発明の実施形態における充電装置を含む情報処理装置の構成を示す概略ブロック図である。図2を参照すると、本発明の実施形態におけるノート型PC100は、外部から供給される交流電源を直流電源に変換してノート型PC100に供給するACアダプタ108と、ACアダプタ108から供給される直流電源を用いて充電回路208を介してバッテリ209に対して電流を供給する電流供給部204と、電流供給部204から供給される充電電流をモニタする電流モニタ203と、電流モニタ203によってモニタされた電流値及び記憶部201に記憶されたバッテリ209の定格値に基づいて、電流供給部204から充電回路208に対して供給される充電電流を調整する調整部202と、充電回路208を介してバッテリ209に対して電圧を印加する電圧印加部207と、電圧印加部207から印加される充電電圧をモニタする電圧モニタ206と、電圧モニタ206によってモニタされた電圧値及び記憶部201に記憶されたバッテリの定格値に基づいて、電圧印加部207から充電回路208に対して印加される充電電圧を調整する調整部205と、バッテリ209の温度特性(温度定格)を記憶する記憶部201と、電流供給部204から供給される電流及び電圧印加部207から印加される電圧に基づいてバッテリ209を充電する充電回路208と、から構成される。
次に、本発明の実施形態における充電装置の動作について説明する。図3は、本発明の実施形態における充電装置の動作について説明するフローチャート図である。図3を参照すると、ステップ(以下、「S」という。)301の処理において、バッテリ209(図2)に対して充電が開始されたか否かが判断される。充電が開始された(S301:Y)と判断されたときは、S302の処理へ移行し、充電が開始されない(S301:N)と判断されたときは、充電が開始されるまで待機する。
S302の処理では、充電回路208を介してバッテリ209に対して次第に増加する電圧で充電が開始される。すなわち、ACアダプタ108によって変換された直流電圧が電圧印加部207から漸増する電圧となって充電回路208に印加されることにより、バッテリ209が充電される。そして、このとき、S303の処理のように、充電回路208には、所定の許容範囲内で高く設定された定電流(CC)が供給される。この関係について図4を用いて説明する。
図4は、本発明の実施形態における充電装置を用いたリチウムイオン電池の充電特性を模式的に表すグラフである。図4に示す本発明の実施形態における充電装置を用いたリチウムイオン電池の充電特性は、横軸を充電時間、縦軸を充電電圧及び充電電流と規定した場合、放電状態から充電を開始すると、充電開始から(1)の領域、すなわち、充電電圧がD電圧に至るまで(充電時間がC時間に至るまで)の(1)の領域では、充電電流がバッテリ209の推奨充電電流値よりも高く設定され、バッテリの寿命、許容温度等の許容範囲を満たす定電流(CC)で充電が行われる。他方、充電電圧は、バッテリが放電状態にあるため、当初低い電圧から、充電満了時の電圧値に到達するように次第に増加する特性を有している。
図3のS304の処理において、充電電圧が所定の電圧値(第1の電圧:D電圧)に到達したか否かが判断される。充電電圧が所定の電圧値(D電圧)に到達した(S304:Y)と判断されたときは、S305の処理へ移行し、到達していない(S304:N)と判断されたときは、S303の処理へ戻る。すなわち、図4に示すように、充電電圧がD電圧に到達する(充電時間がC時間に到達する)と、S305の処理のように、充電電流は(1)の領域で供給されていた定電流と比較して低く設定された定電流(バッテリ209の推奨充電電流値)(CC)に減少され、バッテリ209に供給される。
図3に戻り、S306の処理では、充電電圧が略満充電電圧に到達したか否かが判断される。充電電圧が略満充電電圧に到達した(S306:Y)と判断されると、S307の処理へ移行し、略満充電に到達していない(S306:N)と判断されると、S305の処理へ戻る。すなわち、S307の処理では、図4に示すように、充電電圧がF電圧に到達する(充電時間がE時間に到達する)と、充電電圧は略満充電電圧に達するので、(3)の領域では、充電電圧は定電圧(CV)領域になると共に、充電電流は(2)の領域で供給されていた低めに設定された定電流(バッテリ209の推奨充電電流値)(CC)から次第に減少して供給される。
図3に戻り、S307の処理で定電圧(CV)及び次第に減少する電流で充電がなされた後、S308の処理において、満充電であるか否かが判断される。満充電である(S308:Y)と判断されたときは、S309の処理へ移行し充電が完了する。満充電でない(S308:N)であると判断されたときは、S307の処理へ戻る。
要するに、本発明の実施形態では、充電開始から、充電電圧が略満充電電圧より低い所定の電圧に達するまでは、バッテリの推奨充電電流値よりも高い電流値で定電流(CC)充電を行い、その後、充電電流を低い電流値(バッテリの推奨充電電流値)に切り替えて定電流(CC)充電を行い、最後は充電電流を絞り定電圧(CV)充電を行うことにより、バッテリの寿命に影響を与えない範囲内、許容温度を満たす範囲内で最初の充電電流を高く設定しているのである。これにより、バッテリのセル劣化を防止しつつ、充電時間を短縮することが可能となった。
すなわち、本発明の実施形態によれば、図6に示した従来の標準的なリチウムイオン電池の充電特性の充電開始時点から定電流(CC)領域までの充電時間(A時間)と比較して、図4に示した充電特性の充電開始時点から定電流(CC)領域(1)及び(2)までの充電時間(E時間)の短縮化が図られた。
また、バッテリの推奨充電電流値よりも高い値の電流値は、バッテリの寿命や、許容温度を満たす電流値を予め見極めておき、所定の充電電圧に到達した段階で充電電流を絞ることとしている。さらに、本発明の実施形態では、充電電流の切り替えは高低の2段階で行っているが、この切り替え段階の数は2段階に限定されず、また、充電電流を極限まで高い値に設定することにより、さらなる充電時間の短縮化を図ることができる。そして、切り替え段階の回数は、充電時間の短縮化と、設計上の制約との関係から、適当な回数に設定することが可能である。
例えば、充電電流の切り替えを3段階にした場合の充電特性について図5を用いて説明する。図5は、本発明の他の実施形態における充電装置を用いたリチウムイオン電池の充電特性を模式的に表すグラフである。すなわち、放電状態から充電を開始すると、充電開始から(1)の領域、すなわち、充電電圧がH電圧に至るまで(充電時間がG時間に至るまで)の(1)の領域では、充電電流がバッテリ209の推奨充電電流値よりも高めに設定され、バッテリの寿命、許容温度等の許容範囲を満たす定電流(CC)で充電が行われる。他方、充電電圧は、バッテリが放電状態にあるため、当初低い電圧から、充電満了時の電圧値に近づくように次第に増加する特性を有している。
充電電圧がH電圧に到達する(充電時間がG時間に到達する)と、充電電流は(1)の領域で供給されていた定電流と比較して少し低めに設定され、バッテリの寿命、許容温度等の許容範囲を満たす(2)の領域の定電流(CC)に減少され、バッテリ209に供給される。また、充電電圧は、バッテリが未だ満充電でないため、充電満了時の電圧値に近づくように次第に増加する特性を引き続き有している。
充電電圧がJ電圧に到達する(充電時間がI時間に到達する)と、充電電流は(2)の領域で供給されていた定電流と比較して少し低めに設定され、バッテリの寿命、許容温度等の許容範囲を満たす(3)の領域の定電流(バッテリ209の推奨充電電流値)(CC)に減少され、バッテリ209に供給される。また、充電電圧は、バッテリが未だ満充電でないため、充電満了時の電圧値に近づくように次第に増加する特性を引き続き有している。
充電電圧がL電圧に到達する(充電時間がK時間に到達する)と、充電電圧は略満充電電圧に達するので、充電電圧は(4)の定電圧(CV)領域になると共に、充電電流は(3)の領域で供給されていた、(2)の領域より低めに設定された定電流(バッテリ209の推奨充電電流値)(CC)から次第に減少して供給される。
このように、本発明の実施形態によれば、図6に示した従来の標準的なリチウムイオン電池の充電特性の充電開始時点から定電流(CC)領域までの充電時間(A時間)と比較して、図5に示した充電特性の充電開始時点から定電流(CC)領域(1)、(2)、及び(3)までの充電時間(K時間)の短縮化が図られた。
さらに、図3に示した本発明の実施形態における充電装置の各動作フローは、コンピュータ上のプログラムに実行させることもできる。すなわち、情報処理装置100の図示しない制御部に内蔵される図示しないCPUが、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等から構成される記憶部201に格納されたプログラムをロードし、プログラムの各処理ステップが順次実行されることによって行われる。
以上説明してきたように、本発明によれば、充電電圧が略満充電電圧に達するまでは漸増する電圧で充電を行い、略満充電電圧に達すると定電圧で充電を行う充電装置であって、充電電圧が、略満充電電圧より低い第1の電圧に至るまでは、第1の電流値による定電流で充電を行う手段と、充電電圧が、第1の電圧から略満充電電圧に至るまでは、第1の電流値よりも低い第2の電流値による定電流で充電を行う手段と、充電電圧が、略満充電電圧に達すると、第2の電流値から漸減する電流で充電を行う手段と、を含むことにより、バッテリのセル劣化を防止しつつ、充電時間を短縮することが可能な充電装置、充電方法、プログラム、及び情報処理装置を得ることができるのである。
以上、本発明の好適な実施の形態により本発明を説明した。ここでは特定の具体例を示して本発明を説明したが、特許請求の範囲に定義された本発明の広範囲な趣旨及び範囲から逸脱することなく、これら具体例に様々な修正及び変更が可能である。
100 ノート型PC(情報処理装置)
101 タッチパッド
102 ヒンジ
103 蓋体
104 液晶パネル
105 キーボード
106 本体ケース
107 電源端子
108 ACアダプタ
201 記憶部
202、205 調整部
203 電流モニタ
204 電流供給部
206 電圧モニタ
207 電圧印加部
208 充電回路
209 バッテリ

Claims (6)

  1. 充電電圧が略満充電電圧に達するまでは漸増する電圧で充電を行い、前記略満充電電圧に達すると定電圧で充電を行う充電装置であって、
    前記充電電圧が、前記略満充電電圧より低い第1の電圧に至るまでは、第1の電流値による定電流で充電を行う手段と、
    前記充電電圧が、前記第1の電圧から前記略満充電電圧に至るまでは、前記第1の電流値よりも低い第2の電流値による定電流で充電を行う手段と、
    前記充電電圧が、前記略満充電電圧に達すると、前記第2の電流値から漸減する電流で充電を行う手段と、
    を含むことを特徴とする充電装置。
  2. 充電電圧が略満充電電圧に達するまでは漸増する電圧で充電を行い、前記略満充電電圧に達すると定電圧で充電を行う充電方法であって、
    前記充電電圧が、前記略満充電電圧より低い第1の電圧に至るまでは、第1の電流値による定電流で充電を行う工程と、
    前記充電電圧が、前記第1の電圧から前記略満充電電圧に至るまでは、前記第1の電流値よりも低い第2の電流値による定電流で充電を行う工程と、
    前記充電電圧が、前記略満充電電圧に達すると、前記第2の電流値から漸減する電流で充電を行う工程と、
    を含むことを特徴とする充電方法。
  3. 充電電圧が略満充電電圧に達するまでは漸増する電圧で充電を行い、前記略満充電電圧に達すると定電圧で充電を行う充電装置に実行させるコンピュータにより読み取り可能なプログラムであって、
    前記充電電圧が、前記略満充電電圧より低い第1の電圧に至るまでは、第1の電流値による定電流で充電を行う処理と、
    前記充電電圧が、前記第1の電圧から前記略満充電電圧に至るまでは、前記第1の電流値よりも低い第2の電流値による定電流で充電を行う処理と、
    前記充電電圧が、前記略満充電電圧に達すると、前記第2の電流値から漸減する電流で充電を行う処理と、
    を含むことを特徴とするプログラム。
  4. 充電電圧が略満充電電圧に達するまでは漸増する電圧で充電を行い、前記略満充電電圧に達すると定電圧で充電を行う充電装置を含む情報処理装置であって、
    前記充電装置は、
    前記充電電圧が、前記略満充電電圧より低い第1の電圧に至るまでは、第1の電流値による定電流で充電を行う手段と、
    前記充電電圧が、前記第1の電圧から前記略満充電電圧に至るまでは、前記第1の電流値よりも低い第2の電流値による定電流で充電を行う手段と、
    前記充電電圧が、前記略満充電電圧に達すると、前記第2の電流値から漸減する電流で充電を行う手段と、
    を含むことを特徴とする情報処理装置。
  5. 充電電圧が略満充電電圧に達するまでは漸増する電圧で充電を行い、前記略満充電電圧に達すると定電圧で充電を行う充電装置を含む情報処理装置の充電方法であって、
    前記充電電圧が、前記略満充電電圧より低い第1の電圧に至るまでは、第1の電流値による定電流で充電を行う工程と、
    前記充電電圧が、前記第1の電圧から前記略満充電電圧に至るまでは、前記第1の電流値よりも低い第2の電流値による定電流で充電を行う工程と、
    前記充電電圧が、前記略満充電電圧に達すると、前記第2の電流値から漸減する電流で充電を行う工程と、
    を含むことを特徴とする充電方法。
  6. 充電電圧が略満充電電圧に達するまでは漸増する電圧で充電を行い、前記略満充電電圧に達すると定電圧で充電を行う充電装置を含む情報処理装置に実行させるコンピュータにより読み取り可能なプログラムであって、
    前記充電電圧が、前記略満充電電圧より低い第1の電圧に至るまでは、第1の電流値による定電流で充電を行う処理と、
    前記充電電圧が、前記第1の電圧から前記略満充電電圧に至るまでは、前記第1の電流値よりも低い第2の電流値による定電流で充電を行う処理と、
    前記充電電圧が、前記略満充電電圧に達すると、前記第2の電流値から漸減する電流で充電を行う処理と、
    を含むことを特徴とするプログラム。
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