JP2014087012A - エネルギー消費機器制御システム、エネルギー消費機器制御方法及びエネルギー消費機器制御装置 - Google Patents

エネルギー消費機器制御システム、エネルギー消費機器制御方法及びエネルギー消費機器制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】携帯端末保有者の部屋間移動に連動して各部屋のエネルギー消費機器を制御するシステムについて構成機器の台数をより少なくする。
【解決手段】ホームサーバ1と、ホームサーバ1に対して電気機器5の制御の実行を要求する携帯端末3と、を有するエネルギー消費機器制御システムSにおいて、携帯端末3は、携帯端末3の保有者が住宅内の電気機器5の中から指定した制御対象機器を示す制御対象機器情報をホームサーバ1に向けて送信する。ホームサーバ1は、制御対象機器情報を受信して制御対象機器を特定し、特定した制御対象機器に向けて制御信号を送信する。また、ホームサーバ1は、携帯端末3が今回送信した制御対象機器情報及び前回送信した制御対象機器情報の間で制御対象機器の設置部屋が異なると判定すると、携帯端末3が前回送信した制御対象機器情報が示す制御対象機器及び当該機器と同じ部屋に設置された電気機器5に向けて、運転状態を停止状態にさせる制御信号を送信する。
【選択図】図14

Description

本発明は、エネルギー消費機器制御システム、エネルギー消費機器制御方法及びエネルギー消費機器制御装置に係り、特に、建物内での人の移動に合わせて各部屋のエネルギー消費機器を制御することが可能なエネルギー消費機器制御システム、エネルギー消費機器制御方法及びエネルギー消費機器制御装置に関する。
エネルギー消費機器の制御システムとして、ホームサーバを住宅内に設置し、ホームサーバを通じて住宅内の各機器を制御するシステム、所謂HEMS(Home Energy Management System)が近年、注目されている。HEMSにおいて、ホームサーバは、住宅内に構築された通信ネットワークを通じて家電機器等の電気機器や蓄電池等の分散電源と通信し、これらの機器に対して制御信号を送信する。
また、近年のHEMSでは、ユーザである住宅の居住者が携帯電話、スマートフォン及びPDA等の携帯端末を通じて住宅内の各機器の制御をホームサーバに対して要求することが可能である。より具体的に説明すると、HEMSにおいて携帯端末は、ホームサーバと通信可能に接続されており、一般的には、住宅内に設置された無線アクセスポイントを経由してホームサーバと無線通信する。そして、ユーザが携帯端末に搭載された機器制御用のアプリケーションプログラムを起動した上で所定の操作を行うと、携帯端末からホームサーバに対して制御実行要求が送信される。最終的にホームサーバが当該要求を受信し当該要求の内容に応じて住宅内の機器を制御するようになる。
ところで、近年、住宅内での人の移動に連動して住宅内の各機器、特に電気機器のオンオフ等を制御することにより住宅内で消費される電力量を削減することが可能なシステムが開発されてきている(例えば、特許文献1及び2参照)。
特許文献1に開示されたシステムでは、ホームサーバと接続された送信端末が住宅内の各室に設置されている。そして、住宅の居住者が保有する携帯端末は、ある室の送信端末に対して近接状態に配置されると、当該送信端末から給電とホームサーバからの情報とを受けるようになる。これにより、携帯端末の画面にはその室の照明等の負荷のスイッチが表示されるようになり、携帯端末の保有者である居住者は、表示されたスイッチによりその室の照明等の負荷のスイッチ制御が可能となる。さらに、特許文献1に開示されたシステムでは、携帯端末を送信端末から離すことにより、その室の照明等の負荷に対する電力供給が遮断されるようになっている。このような構成により、特許文献1に開示されたシステムでは、使用しない部屋の負荷の消費電力が削減され、消費電力の効果的な削減を実現することができる。
特許文献2に開示されたシステムでは、ホームサーバと接続された無線アクセスポイントが住宅内の各室に設置されており、住宅の居住者が保有する携帯電話機が各室の無線アクセスポイントに帰属したり離脱したりすると、その情報が無線アクセスポイントからホームサーバに送信される。最終的にホームサーバは、上記の情報に基づいて各室に設置されたネットワーク機器を制御するようになっている。このような構成により、特許文献2に開示されたシステムでは、住宅内での人の移動に合わせて各室のネットワーク機器の電源のオンオフを適切に制御し得るようになる。
特開2011−35679号公報 特開2009−232307号公報
住宅内での人の移動に合わせて各室のエネルギー消費機器を制御する上で、特許文献1では送信端末を各室に設置し、特許文献2では無線アクセスポイントを各室に設置することになっている。つまり、特許文献1及び2では、各室に送信端末や無線アクセスポイント等のハードウェア機器を設置しているため、その分、機器数が多くなりシステム構築コストが嵩んでしまう。また、送信端末や無線アクセスポイントを各室に設置してしまうと、混線状態となる虞がある。つまり、携帯端末を持った居住者がある部屋に居たとしても、他の部屋に設置された送信端末や無線アクセスポイントが携帯端末を検知する可能性がある。このような状況の下では、人の移動に伴って各室の機器を制御する機能が適切に発揮されなくなることがある。
そこで、本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、建物内での人の移動に合わせて各部屋のエネルギー消費機器を制御するシステムとして、機器数がより少ないシステムを実現することである。
同様に、本発明の他の目的は、建物内での人の移動に合わせて各部屋のエネルギー消費機器を制御する方法として、使用するハードウェア機器の台数がより少ない方法を提供することである。また、本発明の他の目的は、建物内での人の移動に合わせて各部屋のエネルギー消費機器を制御する装置として、人が部屋間を移動したか否かを判定するうえで建物内に設置する機器の台数をより少なくすることが可能な装置を提供することである。
前記課題は、本発明のエネルギー消費機器制御システムによれば、建物内の異なる部屋に設置されたエネルギー消費機器の各々の運転状態を制御するエネルギー消費機器制御装置と、該エネルギー消費機器制御装置と無線通信して該エネルギー消費機器制御装置に対して前記エネルギー消費機器の制御の実行を要求する携帯端末と、を有するエネルギー消費機器制御システムであって、前記携帯端末は、該携帯端末の保有者が前記建物内の前記エネルギー消費機器の中から指定した制御対象機器を示す制御対象機器情報を前記エネルギー消費機器制御装置に向けて送信する端末側送信部を備え、前記エネルギー消費機器制御装置は、前記制御対象機器情報を受信して前記制御対象機器を特定する制御対象機器特定部と、該制御対象機器特定部が特定した前記制御対象機器に向けて前記運転状態を制御するための制御信号を送信する制御信号送信部と、前記端末側送信部が今回送信した前記制御対象機器情報及び前回送信した前記制御対象機器情報の双方の間で前記制御対象機器が設置された前記部屋が異なるか否かを判定する判定部と、を備え、前記制御信号送信部は、前記双方の間で前記制御対象機器が設置された前記部屋が異なると前記判定部が判定することを条件として、前記端末側送信部が前回送信した前記制御対象機器情報が示す前記制御対象機器及び該制御対象機器と同じ前記部屋に設置された前記エネルギー消費機器のうちの少なくとも一方に向けて、前記運転状態を停止状態または負荷が所定量以下となる状態にさせる前記制御信号を送信することにより解決される。
上記のシステムによれば、携帯端末から今回送信された制御対象機器情報及び前回送信された制御対象機器情報に基づいて、携帯端末の保有者が部屋間を移動したか否かを判定する。つまり、本発明のエネルギー消費機器制御システムでは、携帯端末の保有者が部屋間を移動したか否かを判定するうえで各部屋に通信端末や無線アクセスポイントを設置することを要さず、携帯端末から受信した制御対象機器情報を解析して当該保有者の部屋間移動の有無を判定する。この結果、建物内での人の移動に合わせて各部屋のエネルギー消費機器を制御するシステムとして、より少ない機器数で構成されたシステムが実現されるようになる。
また、上記のエネルギー消費機器制御システムにおいて、前記エネルギー機器制御装置は、前記制御対象機器情報を記憶する記憶部を備えていることとしてもよい。
上記のシステム構成であれば、過去に送信された制御対象機器情報が記憶部に記憶されるので、制御履歴を管理することが可能となる。
また、上記のエネルギー消費機器制御システムにおいて、前記エネルギー消費機器制御装置は、前記記憶部から前記制御対象機器情報を読み出して前記制御対象機器情報が示す前記制御対象機器が設置された前記部屋を特定する部屋特定部を有し、前記建物内において前記携帯端末を個々に保有する複数の前記保有者中、ある保有者が保有する前記携帯端末から送信された前記制御対象機器情報を前記制御対象機器特定部が受信したとき、前記判定部は、前記ある保有者が保有する前記携帯端末の前記端末側送信部が今回送信した前記制御対象機器情報及び前回送信した前記制御対象機器情報の間で前記部屋特定部が特定した前記部屋が異なるか否かを判定する第1判定処理と、前記ある保有者以外の前記保有者が保有する前記携帯端末の前記端末側送信部が直近に送信した前記制御対象機器情報、及び、前記ある保有者が保有する前記携帯端末の前記端末側送信部が前回送信した前記制御対象機器情報の間で前記部屋特定部が特定した前記部屋が異なるか否かを判定する第2判定処理と、を行い、前記判定部が前記第1判定処理において前記部屋特定部が特定した前記部屋が異なると判定し、かつ、前記第2判定処理において前記部屋特定部が特定した前記部屋が異なると判定したとき、前記制御信号送信部は、前記ある保有者が保有する前記携帯端末の前記端末側送信部が前回送信した前記制御対象機器情報が示す前記制御対象機器及び該制御対象機器と同じ前記部屋に設置された前記エネルギー消費機器のうち、起動状態にある機器に向けて前記運転状態を停止状態にさせる前記制御信号を送信することしてもよい。
上記のシステム構成であれば、携帯端末の保有者が部屋間を移動したことに合わせて当該保有者が前回居た部屋(すなわち、移動前に居た部屋)にあるエネルギー消費機器を制御する。また、上記のシステム構成であれば、携帯端末の保有者が前回居た部屋のエネルギー消費機器を制御するにあたり、同部屋に他の携帯端末の保有者が残っているか否かを判定し、他の携帯端末の保有者が残っていないときに当該部屋のエネルギー消費機器を制御することとしている。この結果、各部屋における携帯端末保有者の存否に応じて当該各部屋に設置されたエネルギー消費機器の運転状態を制御することが可能となり、携帯端末保有者にとって使い勝手の良いシステムが実現される。
また、上記のエネルギー消費機器制御システムにおいて、複数の前記保有者が保有する前記携帯端末の各々に対して固有の識別情報が割り当てられており、前記記憶部は、前記携帯端末別の前記制御対象機器情報を前記携帯端末別の前記識別情報に関連付けて記憶することとしてもよい。
上記のシステム構成であれば、複数の携帯端末の各々の制御履歴を携帯端末別に管理することが可能となる。
また、上記のエネルギー消費機器制御システムにおいて、前記識別情報は、前記携帯端末に割り当てられた固定IPアドレスであることとしてもよい。
上記のシステム構成であれば、変動IPアドレスを識別情報として用いる場合と比べて携帯端末別の制御履歴を管理することが容易となる。
また、上記のエネルギー消費機器制御システムにおいて、前記エネルギー消費機器制御装置は、前記制御信号送信部に前記制御信号を前記制御対象機器に向けて送信させるためのAPIを実装しており、前記端末側送信部は、前記制御対象機器情報及び前記APIを利用するためのコマンドを組み込んだHTTPリクエストを前記エネルギー消費機器制御装置に向けて送信することとしてもよい。
上記のシステム構成であれば、携帯端末にインストールされる機器制御用のアプリケーションプログラムを開発する際に上記のAPIを用いることによって、当該プログラムを容易に開発することが可能となる。
また、上記のエネルギー消費機器制御システムにおいて、前記エネルギー消費機器制御装置は、前記エネルギー消費機器制御装置が最後に前記制御対象機器情報を受信してからの経過時間を監視する経過時間監視部を更に備えていることとしてもよい。
上記のシステム構成であれば、制御対象機器情報の最後の受信からの経過時間を監視することにより、例えば、携帯端末の保有者について安否確認を行うことも可能となる。また、所定時間が経過しても制御対象機器情報を受信しないときに、それを契機にして建物内のエネルギー消費機器を一括オフにする等、より合理的なエネルギー管理を実現することが可能となる。
また、前述した課題は、本発明のエネルギー消費機器制御方法によれば、建物内の異なる部屋に設置されたエネルギー消費機器の各々の運転状態を制御するエネルギー消費機器制御装置と、該エネルギー消費機器制御装置に対して前記エネルギー消費機器の制御の実行を要求する携帯端末と、が無線通信することで行われるエネルギー消費機器制御方法であって、前記携帯端末が、該携帯端末の保有者が前記建物内の前記エネルギー消費機器の中から指定した制御対象機器を示す制御対象機器情報を前記エネルギー消費機器制御装置に向けて送信する工程と、前記エネルギー消費機器制御装置が前記制御対象機器情報を受信して前記制御対象機器を特定する工程と、前記エネルギー消費機器制御装置が特定した前記制御対象機器に向けて前記運転状態を制御するための制御信号を送信する工程と、前記携帯端末が今回送信した前記制御対象機器情報及び前回送信した前記制御対象機器情報の双方の間で、前記制御対象機器が設置された前記部屋が異なるか否かを判定する工程と、を実行し、前記双方の間で前記制御対象機器が設置された前記部屋が異なると判定することを条件として、前記携帯端末が前回送信した前記制御対象機器情報が示す前記制御対象機器及び該制御対象機器と同じ前記部屋に設置された前記エネルギー消費機器のうちの少なくとも一方に向けて、前記エネルギー消費機器制御装置が前記運転状態を停止状態または負荷が所定量以下となる状態にさせる前記制御信号を送信する工程を更に実行することにより解決される。
上記の方法であれば、携帯端末の保有者が部屋間を移動したか否かを判定するうえで各部屋に通信端末や無線アクセスポイントを設置することを要さず、携帯端末から受信した制御対象機器情報を解析して当該保有者の部屋間移動の有無を判定する。つまり、本発明のエネルギー消費機器制御方法であれば、携帯端末の保有者が部屋間を移動したか否かを判定するために使用するハードウェア機器の台数がより少なくなる。
また、前述した課題は、本発明のエネルギー消費機器制御装置によれば、建物内の異なる部屋に設置されたエネルギー消費機器の各々の運転状態を制御するエネルギー消費機器制御装置であって、該エネルギー消費機器制御装置と無線通信して該エネルギー消費機器制御装置に対して前記エネルギー消費機器の制御の実行を要求する携帯端末から送信される制御対象機器情報を受信して、前記携帯端末の保有者が前記建物内の前記エネルギー消費機器の中から指定した制御対象機器を特定する制御対象機器特定部と、該制御対象機器特定部が特定した前記制御対象機器に向けて前記運転状態を制御するための制御信号を送信する制御信号送信部と、前記携帯端末が今回送信した前記制御対象機器情報及び前回送信した前記制御対象機器情報の双方の間で、前記制御対象機器が設置された前記部屋が異なるか否かを判定する判定部と、を備え、前記制御信号送信部は、前記双方の間で前記制御対象機器が設置された前記部屋が異なると前記判定部が判定することを条件として、前記携帯端末が前回送信した前記制御対象機器情報が示す前記制御対象機器及び該制御対象機器と同じ前記部屋に設置された前記エネルギー消費機器のうちの少なくとも一方に向けて、前記運転状態を停止状態または負荷が所定量以下となる状態にさせる前記制御信号を送信することにより解決される。
上記の装置では、建物内での人の移動に合わせて各部屋のエネルギー消費機器を制御するにあたり、携帯端末保有者の部屋間移動の有無を判定するうえで各部屋に通信端末や無線アクセスポイントを設置することを要さず、携帯端末から受信した制御対象機器情報を解析して当該保有者の部屋間移動の有無を判定する。つまり、本発明のエネルギー消費機器制御装置であれば、携帯端末の保有者が部屋間を移動したか否かを判定するうえで建物内に設置する機器の台数をより少なくすることが可能となる。
本発明のエネルギー消費機器制御システム、エネルギー消費機器制御方法及びエネルギー消費機器制御装置によれば、建物内での人の移動に合わせて各部屋のエネルギー消費機器を制御するにあたり、携帯端末保有者の部屋間移動の有無を判定するうえで各部屋に通信端末や無線アクセスポイントを設置することを要さず、携帯端末から受信した制御対象機器情報を解析して当該保有者の部屋間移動の有無を判定する。これにより、携帯端末の保有者が部屋間を移動したか否かを判定するために建物内に設置する機器の台数をより少なくすることが可能となる。
本発明に係るエネルギー消費機器制御システムの概略構成を示す図である。 本発明に係る携帯端末のハードウェア構成を示す図である。 本発明に係る携帯端末に描画される制御画面の一例を示す図である。 本発明に係る携帯端末に描画される確認画面の一例を示す図である。 本発明に係るエネルギー消費機器制御装置のハードウェア構成を示す図である。 本発明に係るエネルギー消費機器制御装置に記憶された情報の説明図である。 エネルギー消費機器制御装置に記憶された端末識別情報を示す図である。 エネルギー消費機器制御装置に記憶された住宅内の各機器の設置場所情報を示す図である。 エネルギー消費機器制御装置に記憶された各携帯端末からの制御履歴を示す図である。 本発明に係るエネルギー消費機器制御装置のソフトウェア構成を示す図である。 本発明に係るエネルギー消費機器制御システムにおける機器間で送受信されるデータの形式に関する説明図である。 HTTPリクエストの電文例を示す図である。 本発明に係るエネルギー消費機器制御システム各部の構成例を示すブロック図である。 端末保有者の部屋間移動と連動した機器制御を説明するための第1例を示す図である。 端末保有者の部屋間移動と連動した機器制御を説明するための第2例を示す図である。 端末保有者の部屋間移動と連動した機器制御を説明するための第3例を示す図である。 本発明に係るエネルギー消費機器制御方法の手順例を示す第1図である。 本発明に係るエネルギー消費機器制御方法の手順例を示す第2図である。
以下、本発明に係るエネルギー消費機器制御システム、エネルギー消費機器制御方法及びエネルギー消費機器制御装置について図1乃至17Bを参照しながらその一例を説明する。なお、以下では、エネルギー消費機器が使用される建物の一例として住宅を挙げ、住宅内で使用される電気機器を制御する制御システム、制御方法及び制御装置について説明する。ここで、住宅とは、一戸建ての家の他、マンションのような集合住宅における一室も含む概念である。
ただし、本発明は、電気機器以外のエネルギー消費機器、例えばガスや水道等を消費する機器を制御する場合にも適用可能である。また、住宅は、あくまで建物の一例にすぎず、本発明は、住宅以外の建物、例えば商業ビル、工場内の建屋、店舗等において使用されるエネルギー消費機器を制御する場合にも適用可能である。
<<エネルギー消費機器制御システムの全体構成>>
先ず、図1を参照しながら、本発明の一実施形態に係るエネルギー消費機器制御システム(以下、本システム)Sについて、その全体構成を概説する。
本システムSは、所謂HEMSであり、住宅内に設置されたホームサーバ1と、住宅内に構築された宅内ネットワーク4と、宅内ネットワーク4を介してホームサーバ1と通信可能な電気機器5とを主たる構成要素として有する。宅内ネットワーク4は、ホームサーバ1と通信対象機器との間で双方向通信が可能なネットワークのことであり、有線の通信ネットワークでもよく、あるいは無線の通信ネットワークであってもよい。
ホームサーバ1は、本発明に係るエネルギー消費機器制御装置に相当し、宅内ネットワーク4に接続された機器と通信することで当該機器の運転状態を制御したり、当該機器の機器情報を入手したりすることが可能である。具体的に説明すると、例えば、ホームサーバ1は、住宅内に設置された不図示の電力データロガーと通信し、当該電力データロガーから住宅における総消費電力に関する情報を収集する。また、図1に示すように、ホームサーバ1は、住宅内の異なる部屋に設置された電気機器5の各々と通信し、各電気機器5の運転状態を制御する。ここで、電気機器5とは、住宅内で使用される電気機器のうち、宅内ネットワーク4に接続されてホームサーバ1と通信可能な機器を意味し、以下において同じである。
なお、図1には、電気機器5の一例として住宅にある3つの部屋の各々に設置されたエアコン5Ax,5Bx,5Cxと照明5Ay,5By,5Cyとが図示されている。ただし、図1に図示した電気機器5は、あくまでも一例に過ぎず、住宅内の各部屋に設置された電気機器5の種類や台数については当然ながら図1に図示した内容に限定されるものではない。また、住宅において電気機器5が設置された部屋の数についても、図1に図示した部屋数(すなわち、3部屋)に限定されるものではない。
以上のようなホームサーバ1の機能を利用することにより、本システムSのユーザである住宅の居住者(以下、単に居住者)は、ホームサーバ1を通じて住宅の各部屋に設置された電気機器5を遠隔操作したり、住宅における総消費電力を視認したりすることが可能となる。ここで、居住者は、上述したホームサーバ1の機能を利用するにあたり、自己が保有する携帯端末3を用いる。この携帯端末3は、ホームサーバ1と通信可能な端末であり、具体的には、スマートフォンやタブレット端末(PDA)等の携帯情報端末により構成されている。以下では、携帯端末3がスマートフォンからなるケースについて説明する。
携帯端末3は、その保有者である居住者の入力操作を受け付けることで、ホームサーバ1に対して情報提供や電気機器制御の実行を要求する。特に、本システムSでは、携帯端末3が住宅内においてホームサーバ1と無線通信する。より詳しく説明すると、図1に示す通り、ホームサーバ1には無線LANルータ2が接続しており、この無線LANルータ2が無線アクセスポイントとして機能する。そして、携帯端末3は、Wi−Fi(登録商標)の技術により無線LANルータ2を介してホームサーバ1と無線通信する。なお、無線通信技術については、例えばBluetooth(登録商標)、WiMAX(登録商標)及びZigbee(登録商標)等、他の技術が用いられてもよい。
さらに、本システムSでは、一つの住宅に対して居住者が複数存在し、各居住者が個別に携帯端末3を保有する。各居住者は、住宅内に居る期間中、自己の携帯端末3を携帯し、自己が居る部屋に設置された電気機器5の制御をホームサーバ1に対して要求する際に携帯端末3を操作する。このように各居住者は、自己の携帯端末3を通じて、住宅内の各部屋において制御対象とする電気機器5(以下、制御対象機器)を指定し、当該制御対象機器の制御の実行をホームサーバ1に対して要求することが可能である。
以下では、住宅に2人の居住者が存在するケースを具体例に挙げて説明し、一方の居住者を居住者Aと呼び、他方の居住者を居住者Bと呼ぶこととする。ただし、居住者の数については2人に限定されず、3人以上若しくは1人であってもよい。
居住者A,Bは、それぞれ携帯端末3を保有しており、前述のように、住宅内に居る間、自己の携帯端末3を携帯し、自己の携帯端末3を通じてホームサーバ1に対して電気機器5の制御の実行を要求することが可能である。なお、本システムSでは、各居住者A,Bの携帯端末3から制御の実行を要求することが可能な電気機器5は、居住者A,B別に予め設定されている。
より詳しく説明すると、本システムSにおいて、居住者Aは、居住者Aの専用部屋に設置された電気機器5Ax,5Ay及び共用部屋に設置された電気機器5Cx,5Cyのみについて、制御の実行をホームサーバ1に対して要求することが可能である。一方、居住者Bは、居住者Bの専用部屋に設置された電気機器5Bx,5By及び共用部屋に設置された電気機器5Cx,5Cyのみについて、制御の実行をホームサーバ1に対して要求することが可能である。ここで、専用部屋とは、住宅にある部屋のうち、各居住者が専用する目的で各居住者に対して付与された部屋であり、図1等においてA専用部屋、B専用部屋と表記する。共用部屋とは、住宅にある部屋のうち、居住者全員が利用する目的で設けられている部屋であり、リビング、浴室、トイレ(WC)が該当する。
なお、専用部屋や共用部屋の如何に拘わらず、各居住者A,Bが住宅内にあるすべての部屋の電気機器5について制御の実行をホームサーバ1に対して要求可能であることとしてもよい。
さらに、本システムSでは、居住者A,Bが部屋間を移動するのに連動してホームサーバ1が電気機器5を制御する。具体的に説明すると、居住者A,Bが部屋間を移動した際、ホームサーバ1は、所定の要件が満たされることを条件として、移動前の部屋に設置された電気機器5の運転状態を停止状態(オフ状態)となるように制御する。これにより、例えば居住者A,Bがある部屋から他の部屋へ移動する際に当該ある部屋に設置された電気機器5を消し忘れたとしても、同電気機器5の運転状態を強制的にオフ状態とすることで電力の浪費を抑えることが可能になる。
なお、ホームサーバ1による強制制御については後に詳述することとする。
<<エネルギー消費機器制御システム各部の構成>>
以下では、本システムSの構成する携帯端末3及びホームサーバ1の各々の機器構成について説明する。
先ず、携帯端末3の機器構成について図2乃至4を参照しながら説明する。
携帯端末3は、図2に示すように、CPU3a、ROMやRAMからなるメモリ3b、ハードディスクドライブ(以下、HDD)3c、通信用インターフェース3d、表示手段と入力手段を兼ねるタッチパネル3eを有する。また、携帯端末3には、各部屋の電気機器5の制御の実行をホームサーバ1に対して要求するためのアプリケーションプログラム(以下、制御用プログラム)がインストールされている。
携帯端末3は、タッチパネル3eを通じて、居住者A,Bが電気機器5の制御の実行をホームサーバ1に対して要求するために行う入力操作(以下、制御要求操作)を受け付ける。具体的に説明すると、居住者A,Bがタッチパネル3eを通じて所定の入力操作を行うと、上述した制御用プログラムが起動し、図3に図示した制御画面がタッチパネル3eに描画される。なお、図3に図示した画面は、あくまでも制御画面の一例であり、そのデザインやレイアウトについては自由に設計することが可能である。
そして、居住者A,Bは、自己が居る部屋に設置された電気機器5の中から制御対象機器を指定し、図3に図示した制御画面中、指定した電気機器5に対応する欄に設けられたプルダウンボタンP1を押す。これにより、制御内容の一覧を示すプルダウンリストP2が表示されるようになる。このプルダウンリストP2に示された制御内容は、各電気機器5に対して予め設定されており、照明については起動(オン)と停止(オフ)が挙げられ、エアコンについては起動(オン)と停止(オフ)の他、冷房・暖房・除湿等の運転モード、設定温度や設定湿度等の運転条件などが挙げられる。居住者A,Bは、このプルダウンリストP2の中から一の制御内容を選択し、制御画面中、当該制御内容が表示された領域をタッチする。以上の一連の操作が居住者A,Bによる制御要求操作に相当する。
携帯端末3は、上記の制御要求操作を受け付けると、当該操作に応じた制御実行要求をホームサーバ1に向けて送信する。この制御実行要求は、制御要求操作において居住者A,Bが指定した制御対象機器及び制御内容を示す情報、すなわち、制御対象機器情報を含む。
なお、前述したように、本システムSでは、居住者Aの携帯端末3から送信される制御実行要求は、居住者Aの専用部屋に設置された電気機器5若しくは共用部屋に設置された電気機器5のいずれかを指定して送信される。また、居住者Bの携帯端末3から送信される制御実行要求は、居住者Bの専用部屋に設置された電気機器5若しくは共用部屋に設置された電気機器5のいずれかを指定して送信される。
さらに、携帯端末3は、ブラウジング機能を備えており、ホームサーバ1から提供される情報を表示した画面をタッチパネル3eに描画することも可能である。そして、携帯端末3のタッチパネル3eに描画される画面には、図4に図示した確認画面が含まれる。
確認画面について概説すると、同画面は、ホームサーバ1から送信される確認画面情報を携帯端末3が受信して展開することにより描画される。この確認画面には、図4に示す通り、各部屋に設置された電気機器5の現時点での運転状態、より具体的には各電気機器5のオンオフ状態が表示されている。居住者A,Bは、上記の確認画面を見て、自己が要求した電気機器制御の実行の成否を確認することが可能である。なお、図4に図示された画面は、あくまでも確認画面の一例であり、そのデザインやレイアウトについては自由に決定することが可能である。また、確認画面に表示させる情報としては、各電気機器5のオンオフ状態のほかに、各電気機器5の負荷(消費電力)や現在適用されている運転モードや運転条件、住宅内の総消費電力等の情報が表示されることとしてもよい。
次に、ホームサーバ1の機器構成について図5乃至12を参照しながら説明する。
ホームサーバ1は、図5に示すように、CPU1a、ROMやRAMからなるメモリ1b、HDD1c及び通信用インターフェース1dを有する。また、ホームサーバ1には、電気機器5や携帯端末3と通信するためのアプリケーションプログラム(以下、通信バンドル)がインストールされている。
そして、ホームサーバ1は、携帯端末3からの制御実行要求を受信し、当該要求が示す制御対象機器及び制御内容を特定し、特定した制御対象機器に向けて、特定した制御内容に応じた運転状態とするための制御信号を送信する。制御信号を受信した電気機器5では、制御信号に従って運転状態が制御されるようになる。
さらに、本システムSでは、制御信号を受信して運転状態が制御された電気機器5からは応答信号が送信されるようになっており、ホームサーバ1は、応答信号を受信し、当該応答信号の送信元である電気機器5の運転状態を特定する。その後、ホームサーバ1は、特定した運転機器の運転状態を示す確認画面を描画させるための情報、すなわち、確認画面情報を生成し、当該情報を携帯端末3に向けて送信する。確認画面情報を受信した携帯端末3側では、タッチパネル3eに確認画面が描画されるようになる。
以上のように本システムSでは、ホームサーバ1による電気機器5の制御の実行に付随する形で確認画面情報が生成され送信される。ただし、これに限定されるものではなく、例えば、居住者A,Bが確認画面情報の送信をホームサーバ1に対して要求するための入力操作を行い、携帯端末3からホームサーバに向けて確認画面データの送信要求がなされ、当該要求をホームサーバ1が受信することを契機として、確認画面データの生成及び送信がなされることとしてもよい。
ところで、ホームサーバ1のHDD1cには、電気機器5の制御に要する情報が記憶されている。具体的に説明すると、HDD1cの記憶領域のうち、図6に図示した端末情報記憶領域1pには、住宅の居住者A,Bが保有する携帯端末3に関する情報が記憶されている。より具体的に説明すると、端末情報記憶領域1pには、図7に示すように、携帯端末3の保有者を示す情報、携帯端末3の識別情報、及び、携帯端末3の保有者に付与された専用部屋を示す情報が互いに関連付けられた状態で記憶されている。これらの情報がHDD1cに記憶されていることにより、携帯端末3から制御対象機器情報が送信されてきた場合に、どの居住者が保有する携帯端末3から送信されてきた情報であるのかを特定することが可能となる。
なお、本システムSにおいて、端末情報記憶領域1pに記憶された携帯端末3の識別情報は、各居住者A,Bの携帯端末3に対して割り当てられた固定IPアドレスである。このように携帯端末3の識別情報として固定IPアドレスを用いた場合、当該識別情報として変動IPアドレスを用いた場合と比較して、書き換えの手間等が省ける分、情報の管理が幾分容易となる。ただし、携帯端末3の識別情報として用いることが可能な情報は、固定IPアドレスに限定されず、変動IPアドレスであってもよく、あるいは携帯端末3に固有の識別情報として与えられたmacアドレスであってもよい。
また、HDD1cの記憶領域のうち、図6に図示した設置場所記憶領域1qには、各電気機器5の設置場所を示す設置場所情報が記憶されている。この設置場所情報は、住宅の施工段階においてホームサーバ1と各電気機器5との間の接続状態を検査する際に、検査者により所定の入力機器を通じてHDD1cに書き込まれる。ただし、設置場所情報の取得方法については上記のケースに限定されるものではなく、例えば、住宅の施工図面を示すデータから各電気機器5の設置場所を割り出すことによって設置場所情報を取得することとしてもよい。
以上のようにホームサーバ1のHDD1cに各電気機器5についての設置場所情報が記憶されることにより、ホームサーバ1は、どこに設置された電気機器5が制御対象機器となっているのかを把握した上で、電気機器5の制御を適切に実行することが可能となる。
なお、本システムSにおいて、設置場所記憶領域1qには、図8に示すように、各電気機器5の機器名、機器特定用の情報であるデバイスID、設置場所情報、及び通信時に用いる通信プロトコルを示す情報が互いに関連付けられた状態で記憶されている。ここで、通信プロトコルは、通信方式や通信規格と同義であり、各電気機器5が採用する通信プロトコルの種類については後述する。
さらに、HDD1cの記憶領域のうち、図6に図示した制御対象機器情報記憶領域1rには、各居住者A,Bの携帯端末3から送信された制御対象機器情報が、携帯端末3の識別情報である固定IPアドレスに関連付けられた状態で記憶されている。
より分かり易く説明すると、本システムSでは、制御対象機器情報記憶領域1rのうち、居住者Aの携帯端末3から送信された制御対象機器情報を記憶する領域(図6中、A端末用と表記された領域)1sと、居住者Bの携帯端末3から送信された制御対象機器情報を記憶する領域(図6中、B端末用と表記された領域)1tとが分かれている。各端末別領域1s、1tには、対応する携帯端末3から送信された制御対象機器情報が携帯端末3の識別情報に関連付けられた状態で記憶される。この結果、2人の居住者A,Bが保有する携帯端末3の各々から送信された制御対象機器情報を携帯端末3別に管理することが可能となる。より具体的に説明すると、各携帯端末3から制御対象機器情報が送信された年月日及び時刻、並びに、制御対象機器及び制御内容を図9に示すような履歴(以下、制御履歴)として携帯端末3別に管理することが可能となる。
さらにまた、HDD1cの記憶領域のうち、図6に図示したバンドル記憶領域1uには、ホームサーバ1がその機能を発揮するためにCPU1aによって実行されるアプリケーションプログラム(以下、バンドル)が記憶されている。このバンドル記憶領域1uに記憶されたバンドルの中には、前述した通信用バンドルが含まれている。そして、本システムSでは、住宅内の電気機器5の中には、互いに異なる通信プロトコルを採用する機器が存在し、バンドル記憶領域1uには、通信プロトコルの種類数に相当する通信用バンドルが記憶されている。
より詳しく説明すると、HEMSが搭載された住宅では、通常、共通の通信プロトコルを採用した電気機器5を使用することが推奨されており、例えば、ECHONETコンソーシアムが提唱する通信プロトコルを採用した機器に統一されていることが望まれている。一方、ECHONETコンソーシアムが提唱するプロトコルとしては、ECHONET(登録商標)と、その後継規格であるECHONETLite(登録商標)とがあり、住宅内の電気機器5において両プロトコルが混在する場合がある。また、居住者A,Bが購入する電気機器5の中には、ECHONETやECHONETLite以外の通信プロトコルの機器が含まれる場合もある。さらに、居住者A,Bの携帯端末3についても、住宅内の電気機器5と異なる通信プロトコルが用いられる可能性がある。
以上のような理由により、本システムSでは、住宅内においてホームサーバ1と通信する機器の中に、互いに異なる通信プロトコルを採用する機器が存在する。このため、HDD1cのバンドル記憶領域1uには、ホームサーバ1が通信相手の機器と通信するための通信用バンドルが通信プロトコル別に記憶されている。
具体的に説明すると、本システムSでは、図8に示すように、住宅内の電気機器5のうち、Aの専用部屋及びBの専用部屋の各々に設置された電気機器5Ax,5Ay,5Bx,5Byが、第1通信プロトコル(例えば、ECHONET)にてホームサーバ1と通信する。また、リビングに設置された電気機器5Cx,5Cyは、第2通信プロトコル(例えば、ECHONETLite)にてホームサーバ1と通信する。また、各居住者A,Bの携帯端末3は、第3通信プロトコル(例えば、ECHONETやECHONETLite以外の通信プロトコル)にてホームサーバ1と通信する。
一方、ホームサーバ1のHDD1c中、バンドル記憶領域1uには、第1通信プロトコルにて通信するためのバンドル(以下、第1通信バンドル)と、第2通信プロトコルにて通信するためのバンドル(以下、第2通信バンドル)と、第3通信プロトコルにて通信するためのバンドル(以下、第3通信バンドル)が記憶されている。
そして、本システムSでは、バンドル記憶領域1uに記憶された通信バンドルのうち、読み出されて実行される通信バンドルが通信相手に応じて切り替わるようになっている。これにより、ホームサーバ1は、エアコンと通信する際に採用する通信プロトコルを、通信相手のエアコンが採用する通信プロトコルに応じて切り替えることが可能となる。
ここで、ホームサーバ1におけるプログラム実行環境について説明すると、ホームサーバ1は、図10に示すように、OS101と、JAVA(登録商標)仮想マシン(以下、JVM)102と、OSGi(Open Services Gataway initiative)フレームワーク103と、OSGiフレームワーク103上で動作する各種バンドルを備える。OSGiフレームワーク103は、JVM102上に構築され、OSGiフレームワーク103上で動作するバンドルのダウンロード、インストール、起動、停止などのライフサイクルを管理する。そして、OSGiフレームワーク103上で動作するバンドルについては、動的に入れ替えることが可能であり、また、複数のバンドルを並列的に実行することが可能である。
一方、OSGiフレームワーク103上で動作するバンドルには、図10に示すように、前述した第1通信バンドル104と、第2通信バンドル105と、第3通信プロトコルにて通信するためのバンドル106が含まれる。そして、OSGiフレームワーク103が有する機能のうち、バンドルを動的に入れ替える機能により、ホームサーバ1の通信相手となる機器の通信プロトコルに応じて、実行される通信バンドルが入れ替われるようになる。このような通信バンドルの入れ替えにより、ホームサーバ1が採用する通信プロトコルが切り替わる結果、ホームサーバ1は、通信プロトコルの異同に関わらず、住宅内の各機器と通信することが可能となる。
さらに、OSGiフレームワーク103に各通信バンドル104,105,106が登録されると、各通信バンドル104,105,106の機能を利用するためのインターフェースがサービスレジストリに登録される。OSGiフレームワーク103は、これらのインターフェースを統合したものをAPI(Application Program Interface)として提供する。このAPIを利用すれば、携帯端末3の操作者、すなわち居住者A,B側では、電気機器5間における通信プロトコルの差異を意識する必要が無くなる。これにより、つまり、電気機器5の制御の実行をホームサーバ1に対して要求するプログラムを開発する際、その開発者は、各電気機器5に関するオブジェクト規定さえ把握しておけば、一般的なWeb通信プログラムの開発手法を適用することが可能となる。
具体的に説明すると、本システムSにおいて、携帯端末3がホームサーバ1に対して電気機器5の制御の実行を要求する際に送信する制御実行要求は、図11に示す通り、HTTPリクエストである。さらに詳しく説明すると、携帯端末3は、REST(Representational State Transfer)に則って制御実行要求をホームサーバ1に向けて送信する。このように本システムSでは、ホームサーバ1に対する制御実行要求を汎用的な電文、すなわちHTTPリクエストにより行うことが可能である。
そして、本システムSでは、ホームサーバ1に対する制御実行要求をHTTPリクエストにて送信する目的から、ホームサーバ1(具体的には、後述する制御信号送信部15)に制御信号を制御対象機器に向けて送信させるためのAPI(以下、制御要求API)がホームサーバ1に実装されている。この制御要求APIを利用すれば、ホームサーバ1に対して電気機器5の制御の実行を要求する携帯端末3用のアプリケーションプログラム、すなわち、制御用プログラムを開発する際に、通信相手となる機器の通信プロトコルを意識する必要がなく制御用プログラムの開発がより容易になる。
そして、上記の制御用プログラムが携帯端末3にインストールされた上で実行されると、携帯端末3が、ホームサーバ1に対する制御実行要求を生成し、当該要求をホームサーバ1に向けて送信する。この制御実行要求は、前述したようにHTTPリクエストであり、図12に示すように、ホームサーバ1のURIを示すコマンドと、制御対象機器を特定するための情報であるデバイスIDを示すコマンドと、制御内容を示すコマンドと、から構成される。これらのコマンドのうち、ホームサーバ1のURIを示すコマンドは、ホームサーバ1が実装したAPIを利用するためのコマンドに相当し、デバイスIDを示すコマンドが制御対象機器情報に相当する。すなわち、携帯端末3がホームサーバ1に向けて送信する制御実行要求としてのHTTPリクエストには、制御対象機器情報及び上記APIを利用するためのコマンドが組み込まれている。
一方、前述したように、ホームサーバ1は、電気機器5の制御を実行すると、これに付随して携帯端末3に向けて前述の確認画面情報を送信する。この際、確認画面情報は、図11に示す通りHTTPレスポンスという形で送信される。つまり、本システムSにおいて、確認画面情報は、XML形式で携帯端末3に提供されることになっている。これにより、確認画面情報が携帯端末3側で受信されると、携帯端末3の仕様に応じた形式で確認画面がタッチパネル3eに描画される。つまり、本システムSでは確認画面情報が汎用的なXML形式のデータとして送信されるので、当該データに基づいて描画される確認画面の描画形式に関する自由度が高くなる。これにより、例えば、確認画面において各電気機器5の運転状態をテキスト形式で表示したり、動画を含めたグラフィカルな形式で表示したりすることが可能となる。
さらに、本システムSにおいて、ホームサーバ1は、居住者A,Bが部屋間を移動するのに連動して電気機器5を制御することが可能である。具体的に説明すると、例えば、居住者Aがある部屋に設置された電気機器5の制御の実行をホームサーバ1に対して要求する操作を携帯端末3にて行った後、部屋を移動し、移動後の部屋に設置された電気機器5の制御の実行を要求する操作を行ったとする。この場合、ホームサーバ1は、移動前の部屋に設置された電気機器5を強制的に停止させる強制制御を実行する。
なお、本システムSにおいて、ホームサーバ1は、移動前の部屋に設置された電気機器5を制御するにあたり、移動前の部屋に他の居住者Bが残っているかどうか、及び、他の居住者Bの携帯端末3がホームサーバ1と通信可能なエリア(以下、通信エリア)内に存在するか否かを考慮する。
具体的に説明すると、ホームサーバ1は、移動前の部屋に他の居住者Bが残っていないと判断したとき、または他の居住者Bの携帯端末3が通信エリア内に存在しないと判断したときには、移動前の部屋に設置された電気機器5に対して強制制御を実行する。なお、通信エリア内における携帯端末3の存否の判定については、公知の技術が利用可能であり、例えば、ホームサーバ1がPING等を用いた疎通確認を定期的に実行し、返答信号を送信した携帯端末3については通信エリア内に存在すると判断することとしてもよい。
一方、ホームサーバ1は、移動前の部屋に他の居住者Bが残っていると判断したときには、移動前の部屋に設置された電気機器5に対して強制制御の実行を保留する。また、かかるケースにおいて、ホームサーバ1は、居住者Aの携帯端末3に向けて、移動前の部屋に設置された電気機器5の運転状態がオン状態にあることを報知するための報知情報を送信する。報知情報を受信した携帯端末3側では、報知情報に基づく警告メッセージがタッチパネル3eに表示される。
<<ホームサーバの詳細構成>>
次に、図13を参照しながら、ホームサーバ1の構成を機能面から改めて説明する。
先ず、ホームサーバ1の構成について説明するにあたり、住宅内の各部屋に設置された電気機器5、及び、居住者A,Bが保有する携帯端末3の各々の構成を説明する。
電気機器5は、図13に示すように、制御信号受信部51、制御部52及び応答信号送信部53を有する。制御信号受信部51が宅内ネットワーク4を介してホームサーバ1から送信された制御信号を受信すると、制御部52が、制御信号受信部51が受信した制御信号に応じて電気機器本体を制御し、これに伴って、応答信号送信部53が制御後の運転状態を通知する目的で応答信号を生成し、同信号をホームサーバ1に向けて送信する。
携帯端末3は、図13に示すように、操作受け付け部31、端末側送信部32、端末側受信部33及び表示部34を有する。操作受け付け部31は、居住者A,Bの入力操作を受け付けるものであり、携帯端末3のタッチパネル3eからなる。ここで、操作受け付け部31が受け付ける操作の中には、居住者A,Bが住宅内の電気機器5の中から指定した制御対象機器の制御の実行をホームサーバ1に対して要求する操作、すなわち、制御要求操作が含まれる。
端末側送信部32は、操作受け付け部31が受け付けた居住者A,Bの入力操作の内容を示す情報(以下、入力情報)をホームサーバ1に向けて送信するものであり、携帯端末3のCPU3a、メモリ3b、通信用インターフェース3d及びHDD3cに記憶された制御用プログラムによって構成される。端末側送信部32が送信する入力情報の中には、上述の制御要求操作に基づく制御実行要求が含まれる。制御実行要求には、前述したように、居住者A,Bが指定した制御対象機器を示す制御対象機器情報が組み込まれている。かかる意味で、端末側送信部32は、制御対象機器情報をホームサーバ1に向けて送信するものであると言える。また、前述したように、上記の制御実行要求はHTTPリクエストとして送信され、当該HTTPリクエストには前述の制御要求APIを利用するためのコマンドが組み込まれている。
端末側受信部33は、ホームサーバ1から送信されてくる情報を受信するものであり、携帯端末3のCPU3a、メモリ3b、通信用インターフェース3d及びHDD3cに記憶された通信プログラムによって構成される。端末側受信部33がホームサーバ1から受信する情報の中には確認画面情報が含まれる。なお、本システムSにおいて端末側受信部33は、確認画面情報をHTTPリクエストとして受信する。また、端末側受信部33がホームサーバ1から受信する情報の中には、ホームサーバ1による強制制御の実行が保留される際に送信される報知情報が含まれる。
表示部34は、端末側受信部33が受信した情報を携帯端末3のタッチパネルに3eに表示するものであり、携帯端末3のCPU3a、メモリ3b及びHDD3cに記憶された制御用プログラムからなる。具体的に説明すると、表示部34は、端末側受信部33が確認画面情報を受信した場合には図4に図示した確認画面を描画し、端末側受信部33が報知情報を受信した場合には当該報知情報に基づく警告メッセージを表示する。
なお、本システムSでは、端末側受信部33が報知情報を受信すると、当該報知情報に基づく警告メッセージがタッチパネル3eに表示されることとしたが、これに限定されず、例えば警告音や音声メッセージが携帯端末3のスピーカから発せられることとしてもよい。
次に、ホームサーバ1の詳細構成について説明すると、ホームサーバ1は、図13に示すように、制御対象機器特定部11、記憶部12、部屋特定部13、判定部14、制御信号送信部15、運転状態特定部16、通信プロトコル切り替え部17、確認画面情報送信部18、報知情報送信部19及び経過時間監視部20を有する。
制御対象機器特定部11は、HTTPリクエストの形式で携帯端末3から送信されてくる制御実行要求を受信し、当該制御実行要求を解析して制御対象機器を特定するものであり、ホームサーバ1のCPU1a、メモリ1b、通信用インターフェース1d及びHDD1cに記憶されたバンドルによって構成される。なお、前述したように、制御実行要求であるHTTPリクエストには制御対象機器情報が組み込まれているので、制御対象機器特定部11は、制御対象機器情報を受信して制御対象機器を特定するものであると言える。
記憶部12は、ホームサーバ1のメモリ1b及びHDD1cからなり、携帯端末3別の制御対象機器情報を携帯端末3別の識別情報に関連付けて記憶している。これにより、ホームサーバ1側で複数の携帯端末3の各々の制御履歴を携帯端末3別に管理することが可能となる。なお、前述したように、制御対象機器情報に関連付けられる携帯端末3の識別情報は、固定IPアドレスである。
また、本システムSにおいて、記憶部12は、各電気機器5に関する情報としてデバイスID、設置場所情報及び通信プロトコルを互いに関連付けた状態で記憶している。これにより、住宅内の各部屋に設置された電気機器5を制御する際、どの電気機器5が制御対象機器であるか、当該制御対象機器と通信するときにどの通信プロトコルを用いるのかを把握した上で、電気機器5の制御を適切に実行することが可能となる。
さらに、記憶部12は、携帯端末3に関する情報として固定IPアドレス、保有者及び保有者の専用部屋を互いに関連付けた状態で記憶している。
部屋特定部13は、記憶部12から制御対象機器情報を読み出して当該制御対象機器情報が示す制御対象機器が設置された部屋を特定するものであり、ホームサーバ1のCPU1a、メモリ1b及びHDD1cに記憶されたバンドルによって構成される。なお、部屋特定部13は、制御対象機器が設置された部屋を特定する際、記憶部12に記憶された各電気機器5の設置場所情報を参照して当該部屋を特定する。
判定部14は、居住者A,Bが保有する携帯端末3のうちの一方から制御実行要求が送信された際に、その制御実行要求、及び、同じ携帯端末3から前回送信された制御実行要求の間で制御対象機器が設置された場所が異なるか否かを判定するものである。この判定部14は、ホームサーバ1のCPU1a、メモリ1b及びHDD1cに記憶されたバンドルによって構成される。なお、前述したように、制御実行要求であるHTTPリクエストには制御対象機器情報が組み込まれている。かかる意味で、判定部14は、ある携帯端末3の端末側送信部32が今回送信した制御対象機器情報及び前回送信した制御対象機器情報の双方の間で制御対象機器が設置された部屋が異なるか否かを判断するものと言える。
判定部14について詳しく説明すると、2人の居住者A,B中、ある居住者(ここでは、説明を分かり易くするために居住者Aとする)が保有する携帯端末3から送信された制御対象機器情報を制御対象機器特定部11が受信したとき、判定部14は、第1判定処理を行う。第1判定処理とは、居住者Aが保有する携帯端末3の端末側送信部32が今回送信した制御対象機器情報及び前回送信した制御対象機器情報の間で部屋特定部13が特定した部屋が異なるか否かを判定する処理である。
ここで、制御対象機器情報の今回の送信と前回の送信との間に居住者Aが部屋を移動した場合、判定部14は、第1判定処理において、今回送信された制御対象機器情報と前回送信された制御対象機器情報との間で制御対象機器の設置部屋が異なると判断する。これにより、前回の制御対象機器情報が送信されてから今回の制御対象機器情報が送信されるまでの間に居住者Aが部屋を移動したと推察される。
反対に、制御対象機器情報の今回の送信時点及び前回の送信時点の両時点で居住者Aが同じ部屋に居る場合、判定部14は、第1判定処理において、今回送信された制御対象機器情報と前回送信された制御対象機器情報との間で制御対象機器の設置部屋が同じであると判断する。これにより、前回の制御対象機器情報が送信されてから今回の制御対象機器情報が送信されるまでの期間中、居住者Aが同じ部屋に居たと推察される。
また、本システムSにおいて、居住者Aが保有する携帯端末3から送信された制御対象機器情報を制御対象機器特定部11が受信したとき、判定部14は、上述した第1判定処理とともに第2判定処理を行う。第2判定処理とは、居住者A以外の居住者(すなわち、居住者B)が保有する携帯端末3の端末側送信部32が直近に送信した制御対象機器情報、及び、居住者Aが保有する携帯端末3の端末側送信部32が前回送信した制御対象機器情報の間で部屋特定部13が特定した部屋が異なるか否かを判定する処理である。
ここで、居住者Aの携帯端末3が制御対象機器情報を前回送信した時点と今回送信した時点との間に居住者Aが部屋を移動し、居住者Bの携帯端末3が直近に制御対象機器情報を送信した時点で居住者Bが居た部屋と、居住者Aが移動前に居た部屋とが同じ部屋である場合を想定する。かかる場合、判定部14は、第2判定処理において、居住者Bの携帯端末3が直近に送信した制御対象機器情報、及び、居住者Aの携帯端末3が前回送信した制御対象機器情報の間で部屋特定部13が特定した部屋が同じであると判断する。これにより、居住者Aが部屋を移動する前に居た部屋に居住者Bが残っていると推察される。
さらに、本システムSにおいて、判定部14は、居住者Aが保有する携帯端末3から送信された制御対象機器情報を制御対象機器特定部11が受信したとき、第1判定処理及び第2判定処理の他に第3判定処理を行う。第3判定処理とは、居住者Aが保有する携帯端末3から制御対象機器情報を受信した時点で、居住者A以外の居住者(すなわち、居住者B)が保有する携帯端末3が通信エリア内に存在するか否かを判定する処理である。
ここで、判定部14が第3判定処理において居住者Bの携帯端末3が通信エリア外に存すると判断した場合には、居住者Aの携帯端末3から制御対象機器情報を受信した時点で居住者Bが外出していると推察される。
制御信号送信部15は、制御対象機器特定部11が特定した制御対象機器に向けて、当該機器の運転状態を制御するための制御信号を送信するものであり、ホームサーバ1のCPU1a、メモリ1b、通信用インターフェース1d及びHDD1cに記憶されたバンドルによって構成される。なお、本システムSにおいて、制御信号送信部15が制御信号を送信する際に用いる通信プロトコルは、前述のOSGiフレームワーク103によって実現される通信プロトコル切り替え部17により切り替えることが可能である。より詳しく説明すると、制御信号送信部15は、記憶部12に記憶された電気機器と通信プロトコルとの対応関係を参照し、制御信号送信のために用いる通信プロトコルを制御対象機器と対応する通信プロトコルに設定する。このように制御対象機器に応じて通信プロトコルを切り替えることが可能であるので、居住者A,B側では通信プロトコルの違いを意識しなくともホームサーバ1に対して電気機器5の制御を要求することが可能となる。
運転状態特定部16は、制御信号を受信して運転状態が切り替わった電気機器5から送信される応答信号を受信し、当該応答信号を解析して、当該応答信号の送信元である電気機器5の運転状態を特定する。この運転状態特定部16は、ホームサーバ1のCPU1a、メモリ1b、通信用インターフェース1d及びHDD1cに記憶されたバンドルによって構成される。なお、本システムSにおいて、運転状態特定部16が応答信号を電気機器5から受信する際に用いる通信プロトコルについても、通信プロトコル切り替え部17により切り替えることが可能である。このように本システムSでは、応答信号の送信元に応じて通信プロトコルを切り替えることが可能であるので、居住者A,B側では応答信号の送信元である電気機器5の通信プロトコルを意識する必要がなく、各電気機器5の運転状態を把握することが可能となる。
確認画面情報送信部18は、運転状態特定部16により特定された電気機器5の運転状態を示す確認画面を描画するための情報、すなわち、確認画面情報を生成して携帯端末3に向けて送信するものである。この確認画面情報送信部18は、ホームサーバ1のCPU1a、メモリ1b、通信用インターフェース1d及びHDD1cに記憶されたバンドルによって構成される。なお、本システムSにおいて、確認画面情報送信部18は、確認画面情報をHTTPレスポンスの形式で送信する。
報知情報送信部19は、前述の判定部14が第1判定処理において部屋特定部13が特定した部屋が異なると判定し、第2判定処理において部屋特定部13が特定した部屋が同じであると判定した際に、報知情報を生成して携帯端末3に向けて送信するものである。この報知情報送信部19は、ホームサーバ1のCPU1a、メモリ1b、通信用インターフェース1d及びHDD1cに記憶されたバンドルによって構成される。
経過時間監視部20は、ホームサーバ1が各居住者A,Bの携帯端末3から最後に制御実行要求を受信してからの経過時間を携帯端末3別に監視するものであり、ホームサーバ1のCPU1a、メモリ1b、通信用インターフェース1d及びHDD1cに記憶されたバンドルによって構成される。ここで、制御実行要求には制御対象機器情報が組み込まれているので、経過時間監視部20は、ホームサーバ1が携帯端末3から最後に制御対象機器情報を受信してからの経過時間を監視するものと言える。
そして、本システムSでは、居住者A,Bの携帯端末3が最後に送信した制御実行要求をホームサーバ1が受信した時点から所定時間が経過すると、経過時間監視部20が所定の処理を実行する。ここで、所定の処理とは、居住者A,Bのうち、最後の制御実行要求の受信時点から所定時間が経過した携帯端末3(以下、無操作端末)を保有する居住者について安否確認を行う処理のことである。より具体的に説明すると、経過時間監視部20は、無操作端末に向けて安否確認用のメールや呼び出し信号を送信する等して、無操作端末を保有する居住者からの応答を要求する。そして、経過時間監視部20は、予め設定された時間内に無操作端末からの応答を受信しなかった場合、その旨を示す情報を不図示の外部サーバに向けて送信する。
なお、無操作端末が発生したときに経過時間監視部20が実行する処理については、上記の安否確認処理に限定されるものではなく、例えば、無操作端末が発生した時点で起動状態にある住宅内の電気機器5のうち、直近になされた制御実行要求が無操作端末から送信された制御実行要求である電気機器5を一括停止させる処理であってもよい。
<<居住者の部屋間移動と連動した電気機器の制御について>>
本システムSでは、前述したホームサーバ1各部、より具体的には、制御対象機器特定部11、記憶部12、部屋特定部13、判定部14及び制御信号送信部15が協働することにより、居住者A,Bの部屋間移動と連動した電気機器5の制御が実現される。
具体的に説明すると、2人の居住者A,B中、ある居住者(以下では、説明を分かり易くするために居住者Aとする)が保有する携帯端末3から送信された制御対象機器情報を制御対象機器特定部11が受信したとき、判定部14が第1判定処理を行う。そして、判定部14が第1判定処理において部屋特定部13が特定した部屋が異なると判定することを条件として、居住者Aの携帯端末3から前回送信された制御対象機器情報が示す制御対象機器及び当該機器と同じ部屋に設置された電気機器5に対して強制制御が行われる。
より詳しく説明すると、判定部14は、第1判定処理において部屋特定部13が特定した部屋が異なると判定したとき、前述した第2判定処理や第3判定処理を更に行う。そして、下記の条件1)及び2)が成立したとき、若しくは条件1)及び3)が成立したとき、居住者Aの携帯端末3から前回送信された制御対象機器が示す制御対象機器及び当該機器と同じ部屋に設置された電気機器5のうち、起動状態にある機器に対して強制制御を実行する。
1)判定部14が第1判定処理において部屋特定部13が特定した部屋が異なると判定する。
2)判定部14が第2判定処理において部屋特定部13が特定した部屋が異なると判定する。
3)判定部14が第3判定処理において居住者Bの携帯端末3が通信エリア外に存在すると判定する。
ここで、強制制御とは、強制制御の対象となる電気機器5に向けて制御信号送信部15が運転状態をオフ状態にさせる制御信号を送信する制御である。ただし、制御信号については、運転状態をオフ状態にさせる制御信号に限定されるものではなく、運転状態を負荷(より具体的には消費電力)が所定量以下となる状態にさせる制御信号であってもよい。
なお、本システムSでは、居住者Aの部屋間の移動に連動して強制制御する際の制御対象が居住者Aの専用部屋に設置された電気機器5及び共用部屋に設置された電気機器5に限定される。ただし、これに限定されず、居住者Aの部屋間の移動に連動して強制制御する際の制御対象については、住宅内にあるすべての部屋の電気機器5を対象とすることとしてもよい。
一方、上記の条件1)が成立しない場合、つまり、判定部14が第1判定処理において部屋特定部13が特定した部屋が同じであると判定した場合、強制制御は実行されない。
また、上記の条件1)が成立し、かつ、条件2)及び3)がいずれも成立しない場合、強制制御の実行が保留される。この場合には、報知情報送信部19が報知情報を生成し、当該情報を居住者Aの携帯端末3に向けて送信する。
次に、以上までに説明してきた居住者A,Bの部屋間移動と連動した電気機器5の制御について、図14乃至16に図示したケースを具体例に挙げて各図別に説明する。
(図14に図示したケース)
図14に図示したケースは、先ず、居住者Aが自己の専用部屋に居るところから始まる。かかる時点において、居住者Aの専用部屋に設置された電気機器5としてのエアコン5Axや照明5Ayは、居住者Aが自己の携帯端末3を通じて行った制御要求操作により起動状態(オン状態)にある。このとき、共用部屋であるリビングに設置された電気機器5としてのエアコン5Cxや照明5Cyは、停止状態(オフ状態)にある。
その後、居住者Aが自己の専用部屋からリビングに移動し、居住者Aが携帯端末3を操作し、リビングに設置された照明5Cyをオン状態にする制御の実行をホームサーバ1に対して要求する。ホームサーバ1は、居住者Aの携帯端末3から今回送信された制御実行要求(以下、今回の制御実行要求)を受信すると、当該要求に組み込まれている制御対象機器情報から制御対象機器を特定し、特定した制御対象機器に向けて制御信号を送信する。この結果、リビングの照明5Cyがオフ状態からオン状態に切り換わる。
また、ホームサーバ1は、今回の制御実行要求を受信すると第1判定処理を行い、今回の制御実行要求と前回の制御実行要求の間で制御対象機器の設置部屋が異なるか否かを判定する。本ケースにおいて、今回の制御実行要求に係る制御対象機器の設置部屋は、リビングであり、前回の制御実行要求に係る制御対象機器の設置部屋は、居住者Aの専用部屋である。よって、本ケースにおいてホームサーバ1は、今回の制御実行要求と前回の制御実行要求の間で制御対象機器の設置部屋が異なると判定する。この結果、ホームサーバ1は、居住者Aが自己の専用部屋からリビングに移動したと判断する。
また、ホームサーバ1は、上述の第1判定処理とともに第3判定処理を行う。本ケースでは、ホームサーバ1が今回の制御実行要求を受信した時点で、居住者A以外の居住者、すなわち居住者Bの携帯端末3が通信エリア外に存する。よって、ホームサーバ1は、第3判定処理において、居住者Bの携帯端末3が通信エリア外に存すると判定する。
そして、ホームサーバ1は、第1判定処理及び第3判定処理の各々の判定結果に応じて、居住者Aが移動前に居た自己の専用部屋に設置された電気機器5に対して強制制御を実行する。具体的には、居住者Aの専用部屋に設置された電気機器5のうち、起動状態にある機器(本ケースでは、エアコン5Ax及び照明5Ay)に向けて、運転状態をオフ状態にさせる制御信号が送信される。これにより、居住者Aが移動前に居た部屋、すなわち、居住者Aの専用部屋に設置された電気機器5が強制的にオフ状態となる。
(図15に図示したケース)
図15に図示したケースは、先ず、居住者A,Bの両名がリビングに居るところから始まる。かかる時点において、リビングに設置された電気機器5としてのエアコン5Cxや照明5Cyは、いずれもオン状態にある。なお、リビングの照明5Cyについては、居住者Aが自己の携帯端末3を通じて行った制御要求操作によりオン状態となっており、リビングのエアコン5Cxについては、居住者Bが自己の携帯端末3を通じて行った制御要求操作によりオン状態となっている。一方、このとき、居住者Aの専用部屋に設置された電気機器5としてのエアコン5Axや照明5Ayは、オフ状態にある。
その後、居住者Aがリビングから自己の専用部屋に移動し、居住者Aが携帯端末3を操作して同部屋に設置された照明5Ayをオン状態にする制御の実行をホームサーバ1に対して要求する。ホームサーバ1は、居住者Aの携帯端末3から制御実行要求を受信すると、当該要求に組み込まれている制御対象機器情報から制御対象機器を特定し、特定した制御対象機器に向けて制御信号を送信する。この結果、居住者Aの専用部屋にある照明5Ayがオフ状態からオン状態に切り換わる。
また、ホームサーバ1は、居住者Aの携帯端末3から今回送信された制御実行要求を受信すると第1判定処理を行い、居住者Aの携帯端末3から今回受信した制御実行要求と前回受信した制御実行要求の間で制御対象機器の設置部屋が異なるか否かを判定する。本ケースにおいて、今回の制御実行要求に係る制御対象機器の設置部屋は、居住者Aの専用部屋であり、前回の制御実行要求に係る制御対象機器の設置部屋は、リビングである。よって、本ケースにおいてホームサーバ1は、居住者Aの携帯端末3から今回受信した制御実行要求と前回受信した制御実行要求との間で制御対象機器の設置部屋が異なると判定し、居住者Aがリビングから自己の専用部屋に移動したと判断する。
また、ホームサーバ1は、上述の第1判定処理とともに第2判定処理を行い、居住者Bの携帯端末3から直近に受信した制御実行要求と居住者Aの携帯端末3から前回受信した制御実行要求との間で制御対象機器の設置部屋が異なるか否かを判定する。本ケースにおいて、居住者Bの携帯端末3から直近に受信した制御実行要求、及び、居住者Aの携帯端末3から前回受信した制御実行要求については、いずれも制御対象機器の設置部屋がリビングである。よって、本ケースにおいてホームサーバ1は、居住者Bの携帯端末3から直近に受信した制御実行要求と居住者Aの携帯端末3から前回受信した制御実行要求との間で、制御対象機器の設置部屋が同じであると判定し、居住者Aが移動前に居たリビングに居住者Bが残っていると判断する。
そして、ホームサーバ1は、第1判定処理及び第2判定処理の各々の判定結果に応じて、居住者Aが移動前に居たリビングにある電気機器5への強制制御の実行を保留する。したがって、居住者Aが自己の専用部屋に移動した時点でオン状態にあるリビングのエアコン5Cx及び照明5Cyについては、引き続きオン状態のままで維持されることになる。さらに、ホームサーバ1は、リビングのエアコン5Cx及び照明5Cyがオン状態にあることを報知するための報知情報を生成し、当該報知情報を居住者Aの携帯端末3に向けて送信する。
(図16に図示したケース)
次に図16に図示したケースは、居住者A,Bの両名がリビングに居るところから始まる。かかる時点において、リビングの照明5Cyは、居住者Aが携帯端末3を通じて行った制御要求操作によりオン状態となっている。このとき、居住者Aの専用部屋及び居住者Bの専用部屋の各々に設置された電気機器5は、オフ状態にある。
その後、居住者Aがリビングから自己の専用部屋に移動し、居住者Aが携帯端末3を操作して同部屋に設置された照明5Ayを起動状態にする制御の実行をホームサーバ1に対して要求する。さらに、居住者Bもリビングから自己の専用部屋に移動し、居住者Bが携帯端末3を操作して同部屋に設置された照明5Byを起動状態にする制御の実行をホームサーバ1に対して要求する。ホームサーバ1は、各居住者A,Bの携帯端末3から制御実行要求を受信すると、当該要求に組み込まれている制御対象機器情報から制御対象機器を特定し、特定した制御対象機器に向けて制御信号を送信する。この結果、居住者Aの専用部屋にある照明5Ay、及び、居住者Bの専用部屋にある照明5Byがオフ状態からオン状態に切り換わる。
その後、ホームサーバ1は、第1判定処理を行い、居住者Aの携帯端末3から今回受信した制御実行要求と前回受信した制御実行要求の間で制御対象機器の設置部屋が異なるか否かを判定する。本ケースにおいて、今回の制御実行要求に係る制御対象機器の設置部屋は、居住者Aの専用部屋であり、前回の制御実行要求に係る制御対象機器の設置部屋は、リビングである。したがって、本ケースにおいてホームサーバ1は、居住者Aの携帯端末3から今回受信した制御実行要求と前回受信した制御実行要求との間で制御対象機器の設置部屋が異なると判定し、居住者Aがリビングから居住者Aの専用部屋に移動したと判断する。
また、ホームサーバ1は、上述の第1判定処理とともに第2判定処理を行い、居住者Bの携帯端末3から直近に受信した制御実行要求と居住者Aの携帯端末3から前回受信した制御実行要求との間で制御対象機器の設置部屋が異なるか否かを判定する。本ケースにおいて、居住者Bの携帯端末3から直近に受信した制御実行要求では、制御対象機器の設置場所が居住者Bの専用部屋となっているのに対し、居住者Aの携帯端末3から前回受信した制御実行要求では、制御対象機器の設置部屋がリビングとなっている。よって、本ケースにおいてホームサーバ1は、居住者Bの携帯端末3から直近に受信した制御実行要求と居住者Aの携帯端末3から前回受信した制御実行要求との間で制御対象機器の設置部屋が異なると判定し、居住者Aが移動前に居たリビングには居住者Bが居ないと判断する。
そして、ホームサーバ1は、第1判定処理及び第2判定処理の各々の判定結果に応じて、居住者Aが移動前に居たリビングに設置された電気機器5に対して強制制御を実行する。具体的には、リビングに設置された電気機器5のうち、起動状態にある照明5Cyに向けて、運転状態をオフ状態にさせる制御信号が送信される。これにより、居住者Aが移動前に居たリビングに設置された電気機器5が強制的にオフ状態となる。
以上のように本システムSでは、居住者Aの部屋間移動に連動した電気機器5の制御を実行するにあたり、居住者Aの携帯端末3が送信した制御対象機器情報に基づいて、居住者Aが部屋間を移動したか否かを判定する。つまり、本システムSでは、居住者Aの携帯端末3から送信される情報に対して所定の解析処理(ソフトウェア処理)を施すことで居住者Aの部屋間移動の有無を判定すること可能となる。このため、従来のシステムのように、住宅内の各部屋に送信端末や無線アクセスポイント等のハードウェア機器を設置する必要がなく、システムの構成機器をより少なくすることが可能になる。この結果、システム構築コストが削減されるとともに、送信端末や無線アクセスポイントを各室に設置した場合に生じる不具合を回避することができる。具体的に説明すると、混線状態となって居住者Aが実際に居る部屋とは異なる部屋で居住者Aの携帯端末3が検出される事態を防止し、居住者Aの部屋間移動に連動した電気機器5の制御を良好に実行することが可能となる。
また、本システムSでは、居住者Aが移動前に居た部屋に居住者Bが残っているか否かを判定し、居住者Bが残っていない場合に限り、当該部屋の電気機器5を強制制御することになっている。この結果、各部屋における居住者A,Bの存否に応じて当該各部屋に設置された電気機器5の運転状態を制御することが可能となり、本システムSが各居住者A,Bにとって使い勝手の良いものとなる。
<<エネルギー消費機器制御方法>>
次に、以上までに説明してきた本システムSにて用いられる電気機器5の制御方法について図17A及び図17Bを参照しながら説明する。
本システムSにて用いられる電気機器5の制御方法は、本発明に係るエネルギー消費機器制御方法の一例であり、より具体的に説明すると、本システムSにおいて実行される電機器制御プロセス(以下、本プロセス)の中で適用される。このため、以下では、電気機器5の制御方法の説明として、本プロセスの手順について説明することとする。
本プロセスは、ホームサーバ1と各居住者A,Bの携帯端末3とが無線通信し、さらにホームサーバ1と各電気機器5とが宅内ネットワーク4を介して通信することで行われる。
より具体的に説明すると、本プロセスは、図17Aに示すように、2人の居住者A,B中、ある居住者(以下では説明を分かり易くするために居住者Aとする)の携帯端末3が制御実行要求をホームサーバ1に向けて送信するところから始まる(S001)。本工程S001は、換言すると、居住者Aが住宅内の電気機器5の中から指定した制御対象機器を示す制御対象機器情報を居住者Aの携帯端末3からホームサーバ1に向けて送信する工程であると言える。
次に、ホームサーバ1が携帯端末3から送信された制御対象機器情報を受信して制御対象機器を特定し(S002)、当該制御対象機器に向けて制御信号を送信する(S003)。制御対象機器がホームサーバ1から送信されてくる制御信号を受信すると(S004)、当該制御信号に従って制御対象機器の運転状態が切り替わるようになる。その後、制御対象機器は、切り替わり後の運転状態を示す応答信号をホームサーバ1に向けて送信する(S005)。ホームサーバ1は、制御対象機器から送信された応答信号を受信し、受信した応答信号を解析して、当該制御対象機器の現時点の運転状態を特定する(S006)。
一方、ホームサーバ1は、居住者Aの携帯端末3から制御実行要求を受信すると、第1判定処理を行う。すなわち、ホームサーバ1は、居住者Aの携帯端末3が今回送信した制御実行要求及び前回送信した制御実行要求との間で制御対象機器の設置部屋が異なるか否かを判定する(S007)。上記の第1判定処理において居住者Aの携帯端末3が今回送信した制御実行要求及び前回送信した制御実行要求との間で制御対象機器の設置部屋が同じであると判定された場合(S007でNo)、図17Bに示すように、ホームサーバ1は、確認画面情報の生成及び送信を行う(S025)。本工程S025において、ホームサーバ1は、前工程S006にて特定した制御対象機器の運転状態が表示される確認画面を描画させるための情報として確認画面情報を生成し、同情報を居住者Aの携帯端末3に向けて送信する。
反対に、上記の第1判定処理において居住者Aの携帯端末3が今回送信した制御実行要求及び前回送信した制御実行要求との間で制御対象機器の設置部屋が異なると判断された場合(S007でYes)、ホームサーバ1は、第2判定処理を行う。すなわち、ホームサーバ1は、居住者Aの携帯端末3が前回送信した制御実行要求及び居住者Bの携帯端末3が直近に送信した制御実行要求の間で制御対象機器の設置場所が異なるか否かを判定する(S008)。
そして、上記の第2判定処理において居住者Aの携帯端末3が前回送信した制御実行要求及び居住者Bの携帯端末3が直近に送信した制御実行要求の間で制御対象機器の設置場所が異なると判定された場合(S008でYes)、図17Bに示すように、ホームサーバ1は、前回の制御対象機器等に対して強制制御を実行する。前回の制御対象機器等とは、居住者Aの携帯端末3が前回送信した制御実行要求に係る制御対象機器、及び、当該制御対象機器と同じ部屋に設置された電気機器5のことである。
より具体的に説明すると、ホームサーバ1は、前回の制御対象機器等のうち、オン状態にある電気機器5すべてに向けて、運転状態をオフ状態にさせる制御信号を送信する(S021)。本工程S021は、居住者Aの携帯端末3が今回送信した制御実行要求及び前回送信した制御実行要求との間で制御対象機器の設置部屋が異なると判断することを条件として、ホームサーバ1が運転状態を停止状態にさせる制御信号を前回の制御対象機器等に向けて送信する工程に相当する。
上記の制御信号を受信した電気機器5側では、運転状態がオン状態からオフ状態に切り換わり、これに伴って応答信号がホームサーバ1に向けて送信される(S022、S023)。そして、ホームサーバ1は、運転状態がオフ状態に切り換わった電気機器5から送信されてくる応答信号を受信し、受信した応答信号を解析して、当該電気機器5の現時点の運転状態を特定する(S024)。
その後、ホームサーバ1は、確認画面情報を生成して居住者Aの携帯端末3に向けて送信する(S025)。この場合にホームサーバ1が生成する確認画面情報は、居住者Aの携帯端末3が今回送信した制御実行要求に係る制御対象機器、及び、強制制御が実行された前回の制御対象機器等の各々について、制御後の運転状態が表示される確認画面を描画させるための情報である。
一方、上記の第2判定処理において居住者Aの携帯端末3が前回送信した制御実行要求及び居住者Bの携帯端末3が直近に送信した制御実行要求の間で制御対象機器の設置場所が同じであると判定された場合(S008でNo)、ホームサーバ1は、第3判定処理を行う。すなわち、ホームサーバ1は、居住者Bの携帯端末3が通信エリア外に存在するか否かを判定する(S009)。そして、第3判定処理において居住者Bの携帯端末3が通信エリア外に存在すると判定された場合(S009でYes)、図17Bに示すように、ホームサーバ1は、前回の制御対象機器等に対して強制制御を実行する。つまり、前述した工程S021〜S025が実行され、前回の制御対象機器等のうち、オン状態にある電気機器5すべての運転状態がオン状態からオフ状態に切り換わる。
これに対し、第3判定処理において居住者Bの携帯端末3が通信エリア内に存在すると判定された場合(S009でNo)、ホームサーバ1は、前回の制御対象機器等に対する強制制御の実行を保留する一方で、前回の制御対象機器等の一部又は全部がオン状態にあることを示す報知情報を生成し、当該情報を居住者Aの携帯端末3に向けて送信する(S010)。居住者Aの携帯端末3は、ホームサーバ1から送信されてくる報知情報を受信する(S011)。さらに、ホームサーバ1は、確認画面情報を生成して居住者Aの携帯端末3に向けて送信する(S025)。この場合にホームサーバ1が生成する確認画面情報は、居住者Aの携帯端末3が今回送信した制御実行要求に係る制御対象機器について、制御後の運転状態が表示される確認画面を描画させるための情報である。
そして、工程S025までの各工程が終了すると、居住者Aの携帯端末3がホームサーバ1から送信されてくる確認画面情報を受信し(S026)、当該情報に基づいて確認画面をタッチパネル3eに描画する(S027)。
以降、居住者Aの携帯端末3から制御実行要求(換言すると、制御対象機器情報)が送信される度に、上記一連の工程が繰り返し実行されることになる。一方、居住者Aの携帯端末3が最後に制御対象機器情報を送信してから所定時間以内に新たな制御対象機器情報を送信しない場合(S028でNo)、ホームサーバ1は、前述した安否確認処理を実行する(S029)。
<<その他の実施形態>>
上記の実施形態では、本発明のエネルギー消費機器制御システム、エネルギー消費機器制御方法及びエネルギー消費機器制御装置について、一例を挙げて説明した。ただし、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
また、上記の実施形態では、ホームサーバ1が住宅内に設置された状態で住宅内の各部屋に設置された各電気機器5を制御することとしたが、これに限定されるものではない。例えば、住宅外に設置されたクラウドサーバが、インターネット等の宅外ネットワークを介して住宅内の電気機器5と通信し、上記の実施形態に係るホームサーバ1と同様の機能を発揮することとしてもよい。
また、上記の実施形態では、電気機器5の通信プロトコルとしてECHONETやECHONETLiteを例示したが、当然ながら、これら以外の通信プロトコルを住宅内の各電気機器5が採用していることとしてもよい。
また、上記の実施形態では、住宅内の各電気機器5の設置場所がホームサーバ1のHDD1cに記憶されていることとした。ただし、これに限定されるものではなく、設置場所情報とともに、あるいは、設置場所情報に代えて各電気機器5が接続された電気回路(具体的には、分電盤における分岐回路)を示す情報が記憶されていてもよい。
また、上記の実施形態では、居住者A,Bの携帯端末3の端末情報(具体的には、固定IPアドレスや保有者情報等)、住宅内の各電気機器5の設置場所、携帯端末3別の制御履歴がホームサーバ1のHDD1cに記憶されていることとした。ただし、これに限定されるものではなく、上記の情報は、ホームサーバ1と通信可能に接続されたデータベースに記憶されてもよい。なお、当該データベースについては、住宅内及び住宅外のうち、いずれに設置されてもよい。
また、上記の実施形態では、エネルギー消費機器の一例として住宅内の各部屋に設置された電気機器5を挙げたが、エネルギー消費機器には蓄電池や燃料電池も含まれ、これらの機器の運転状態を制御する場合にも本発明は適用可能である。
また、上記の実施形態では、例えば居住者Aが部屋間を移動して、移動先の部屋に設置された電気機器5の制御の実行をホームサーバ1に対して要求するために携帯端末3を操作すると、ホームサーバ1が強制制御を実行する。この際、ホームサーバ1は、居住者Aの携帯端末3が前回送信した制御実行要求に係る制御対象機器、及び、当該制御対象機器と同じ部屋に設置された電気機器5のうち、起動状態にある機器に向けて制御信号を送信することになっている。ただし、強制制御としては、居住者Aの携帯端末3が前回送信した制御実行要求に係る制御対象機器、及び、当該制御対象機器と同じ部屋に設置された電気機器5のうち、少なくとも一方に向けて制御信号を送信すればよく、例えば、居住者Aの携帯端末3が前回送信した制御実行要求に係る制御対象機器にのみ制御信号を送信することとしてもよい。
S 本システム
1 ホームサーバ
1a CPU、1b メモリ
1c HDD、1d 通信用インターフェース
1p 端末情報記憶領域、1q 設置場所記憶領域
1r 制御対象機器情報記憶領域
1s,1t 端末別領域
1u バンドル記憶領域
2 無線LANルータ、3 携帯端末
3a CPU、3b メモリ、3c HDD
3d 通信用インターフェース、3e タッチパネル
4 宅内ネットワーク
5 電気機器
5Ax,5Bx,5Cx エアコン
5Ay,5By,5Cy 照明
11 制御対象機器特定部、12 記憶部
13 部屋特定部、14 判定部
15 制御信号送信部、16 運転状態特定部
17 通信プロトコル切り替え部、18 確認画面情報送信部
19 報知情報送信部、20 経過時間監視部
31 操作受け付け部、32 端末側送信部
33 端末側受信部、34 表示部
51 制御信号受信部、52 制御部
53 応答信号送信部
101 OS、102 JVM
103 OSGiフレームワーク
104 第1通信バンドル、105 第2通信バンドル
106 第3通信バンドル
P1 プルダウンボタン、P2 プルダウンリスト

Claims (9)

  1. 建物内の異なる部屋に設置されたエネルギー消費機器の各々の運転状態を制御するエネルギー消費機器制御装置と、該エネルギー消費機器制御装置と無線通信して該エネルギー消費機器制御装置に対して前記エネルギー消費機器の制御の実行を要求する携帯端末と、を有するエネルギー消費機器制御システムであって、
    前記携帯端末は、該携帯端末の保有者が前記建物内の前記エネルギー消費機器の中から指定した制御対象機器を示す制御対象機器情報を前記エネルギー消費機器制御装置に向けて送信する端末側送信部を備え、
    前記エネルギー消費機器制御装置は、
    前記制御対象機器情報を受信して前記制御対象機器を特定する制御対象機器特定部と、
    該制御対象機器特定部が特定した前記制御対象機器に向けて前記運転状態を制御するための制御信号を送信する制御信号送信部と、
    前記端末側送信部が今回送信した前記制御対象機器情報及び前回送信した前記制御対象機器情報の双方の間で前記制御対象機器が設置された前記部屋が異なるか否かを判定する判定部と、を備え、
    前記制御信号送信部は、前記双方の間で前記制御対象機器が設置された前記部屋が異なると前記判定部が判定することを条件として、前記端末側送信部が前回送信した前記制御対象機器情報が示す前記制御対象機器及び該制御対象機器と同じ前記部屋に設置された前記エネルギー消費機器のうちの少なくとも一方に向けて、前記運転状態を停止状態または負荷が所定量以下となる状態にさせる前記制御信号を送信することを特徴とするエネルギー消費機器制御システム。
  2. 前記エネルギー機器制御装置は、前記制御対象機器情報を記憶する記憶部を備えていることを特徴とする請求項1に記載のエネルギー消費機器制御システム。
  3. 前記エネルギー消費機器制御装置は、前記記憶部から前記制御対象機器情報を読み出して前記制御対象機器情報が示す前記制御対象機器が設置された前記部屋を特定する部屋特定部を有し、
    前記建物内において前記携帯端末を個々に保有する複数の前記保有者中、ある保有者が保有する前記携帯端末から送信された前記制御対象機器情報を前記制御対象機器特定部が受信したとき、前記判定部は、
    前記ある保有者が保有する前記携帯端末の前記端末側送信部が今回送信した前記制御対象機器情報及び前回送信した前記制御対象機器情報の間で前記部屋特定部が特定した前記部屋が異なるか否かを判定する第1判定処理と、
    前記ある保有者以外の前記保有者が保有する前記携帯端末の前記端末側送信部が直近に送信した前記制御対象機器情報、及び、前記ある保有者が保有する前記携帯端末の前記端末側送信部が前回送信した前記制御対象機器情報の間で前記部屋特定部が特定した前記部屋が異なるか否かを判定する第2判定処理と、を行い、
    前記判定部が前記第1判定処理において前記部屋特定部が特定した前記部屋が異なると判定し、かつ、前記第2判定処理において前記部屋特定部が特定した前記部屋が異なると判定したとき、前記制御信号送信部は、前記ある保有者が保有する前記携帯端末の前記端末側送信部が前回送信した前記制御対象機器情報が示す前記制御対象機器及び該制御対象機器と同じ前記部屋に設置された前記エネルギー消費機器のうち、起動状態にある機器に向けて前記運転状態を停止状態にさせる前記制御信号を送信することを特徴とする請求項2に記載のエネルギー消費機器制御システム。
  4. 複数の前記保有者が保有する前記携帯端末の各々に対して固有の識別情報が割り当てられており、
    前記記憶部は、前記携帯端末別の前記制御対象機器情報を前記携帯端末別の前記識別情報に関連付けて記憶することを特徴とする請求項2または3に記載のエネルギー消費機器制御システム。
  5. 前記識別情報は、前記携帯端末に割り当てられた固定IPアドレスであることを特徴とする請求項4に記載のエネルギー消費機器制御システム。
  6. 前記エネルギー消費機器制御装置は、前記制御信号送信部に前記制御信号を前記制御対象機器に向けて送信させるためのAPIを実装しており、
    前記端末側送信部は、前記制御対象機器情報及び前記APIを利用するためのコマンドを組み込んだHTTPリクエストを前記エネルギー消費機器制御装置に向けて送信することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のエネルギー消費機器制御システム。
  7. 前記エネルギー消費機器制御装置は、前記エネルギー消費機器制御装置が最後に前記制御対象機器情報を受信してからの経過時間を監視する経過時間監視部を更に備えていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のエネルギー消費機器制御システム。
  8. 建物内の異なる部屋に設置されたエネルギー消費機器の各々の運転状態を制御するエネルギー消費機器制御装置と、該エネルギー消費機器制御装置に対して前記エネルギー消費機器の制御の実行を要求する携帯端末と、が無線通信することで行われるエネルギー消費機器制御方法であって、
    前記携帯端末が、該携帯端末の保有者が前記建物内の前記エネルギー消費機器の中から指定した制御対象機器を示す制御対象機器情報を前記エネルギー消費機器制御装置に向けて送信する工程と、
    前記エネルギー消費機器制御装置が前記制御対象機器情報を受信して前記制御対象機器を特定する工程と、
    前記エネルギー消費機器制御装置が特定した前記制御対象機器に向けて前記運転状態を制御するための制御信号を送信する工程と、
    前記携帯端末が今回送信した前記制御対象機器情報及び前回送信した前記制御対象機器情報の双方の間で、前記制御対象機器が設置された前記部屋が異なるか否かを判定する工程と、を実行し、
    前記双方の間で前記制御対象機器が設置された前記部屋が異なると判定することを条件として、前記携帯端末が前回送信した前記制御対象機器情報が示す前記制御対象機器及び該制御対象機器と同じ前記部屋に設置された前記エネルギー消費機器のうちの少なくとも一方に向けて、前記エネルギー消費機器制御装置が前記運転状態を停止状態または負荷が所定量以下となる状態にさせる前記制御信号を送信する工程を更に実行することを特徴とするエネルギー消費機器制御方法。
  9. 建物内の異なる部屋に設置されたエネルギー消費機器の各々の運転状態を制御するエネルギー消費機器制御装置であって、
    該エネルギー消費機器制御装置と無線通信して該エネルギー消費機器制御装置に対して前記エネルギー消費機器の制御の実行を要求する携帯端末から送信される制御対象機器情報を受信して、前記携帯端末の保有者が前記建物内の前記エネルギー消費機器の中から指定した制御対象機器を特定する制御対象機器特定部と、
    該制御対象機器特定部が特定した前記制御対象機器に向けて前記運転状態を制御するための制御信号を送信する制御信号送信部と、
    前記携帯端末が今回送信した前記制御対象機器情報及び前回送信した前記制御対象機器情報の双方の間で、前記制御対象機器が設置された前記部屋が異なるか否かを判定する判定部と、を備え、
    前記制御信号送信部は、前記双方の間で前記制御対象機器が設置された前記部屋が異なると前記判定部が判定することを条件として、前記携帯端末が前回送信した前記制御対象機器情報が示す前記制御対象機器及び該制御対象機器と同じ前記部屋に設置された前記エネルギー消費機器のうちの少なくとも一方に向けて、前記運転状態を停止状態または負荷が所定量以下となる状態にさせる前記制御信号を送信することを特徴とするエネルギー消費機器制御装置。
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