JP2014086990A - 携帯端末間の距離測定方法及びそれを用いたネットワークを構築する方法及びその携帯端末 - Google Patents

携帯端末間の距離測定方法及びそれを用いたネットワークを構築する方法及びその携帯端末 Download PDF

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Abstract

【課題】アドホック通信可能な距離範囲に位置する二つの携帯端末間の距離測定、及び当該距離測定結果に基づく複数の携帯端末間のアドホックネットワーク構築方法を実現することを目的とする。
【解決手段】アドホック通信が可能な範囲に位置する二つの携帯端末間の距離を測定する方法であって、一方の携帯端末から他方の携帯端末に対して応答遅延が生じる伝送レートでデータを送出する工程と、データを受信した他方の携帯端末から一方の携帯端末に対してデータを受信したことを応答する工程とを有し、一方の携帯端末は、応答に基づく伝送レートに対応して距離を算出する携帯端末間の距離測定方法とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、アドホック通信をする携帯端末間の距離測定方法及びそれを用いたネットワークを構築する方法及びその携帯端末に関する。
特許文献1には、スマートフォンを用いてアドホック通信等を利用する技術思想に関連する認証方法が開示されている。
下記特許文献1には、スペクトル認証、アクセス制御、および構成パラメータ有効確認に関する説明においては、アドホック構成またはピアツーピア構成の複数のデバイスが、認可されたスペクトルを、そのスペクトルを使用することをそれらのデバイスが認証されている場合、利用することができ、認証されているかどうかは、自動的に判定されることができること、また、デバイスの資格証明、およびデバイスが受ける権利があるサービスを有効にしたことの結果としての、認証サーバによる認証チケットの配信に関する説明においては、認証チケットの交換および検証が、そのスペクトルを使用する有効にされた無線リンクを使用可能にすることの条件として、デバイスによって実行されることが記載されている。
特表2012−502587号公報
アドホック通信を利用したアプリケーションや技術思想は種々多様なものが提案されている。しかし、アドホック通信可能な範囲に位置する二つの携帯端末(典型的にはスマートフォン)間の距離測定に関する技術思想や、当該距離測定結果に基づく複数のスマートフォン間のネットワーク構築の技術思想は従来知られていない。
本発明は、上述した問題点に鑑み為された発明であって、アドホック通信可能な範囲に位置する二つの携帯端末間の伝送レートまたは/及び距離測定、及び当該伝送レートまたは/及び距離測定結果に基づく複数の携帯端末間のアドホック通信によるネットワーク構築方法を実現することを目的とする。
本発明の携帯端末間の距離測定方法は、アドホック通信が可能な範囲に位置する二つの携帯端末間の距離を測定する方法であって、一方の携帯端末から他方の携帯端末に対して応答遅延が生じるようにデータを送出する工程と、データを受信した他方の携帯端末から一方の携帯端末に対してデータを受信したことを応答する工程と、を有し、一方の携帯端末は、応答に基づく伝送レートに対応して距離を算出することを特徴とする。
また、本発明の携帯端末間の距離測定方法は、好ましくは一方の携帯端末が算出する二つの携帯端末間の距離が、伝送レートが小さい程大きく、伝送レートが大きいほど小さいことを特徴とする。
また、本発明の携帯端末間の距離測定方法は、さらに好ましくはデータの送出が、一方の携帯端末から他方の携帯端末へ所定時間毎に所定量のデータ送出であることを特徴とする。
また、本発明の携帯端末間の距離測定方法は、アドホック通信が可能な範囲に位置する二つの携帯端末間の距離を測定する方法であって、二つの携帯端末間のアドホック通信における電波強度を測定する工程と、測定した電波強度に対応して距離を算出する工程とを有することを特徴とする。
また、本発明の携帯端末間の距離測定方法は、アドホック通信が可能な範囲に位置する二つの携帯端末間の距離を測定する方法であって、二つの携帯端末間のアドホック通信におけるキャリア/ノイズレシオを測定する工程と、測定したキャリア/ノイズレシオに対応して距離を算出する工程と有することを特徴とする。
また、本発明の複数の携帯端末間のネットワークを構築する方法は、アドホック通信が確立された複数の携帯端末間のネットワークを構築する方法において、上述のいずれかに記載の携帯端末間の距離測定方法により、アドホック接続された複数の携帯端末間全ての距離を測定する工程と、複数の携帯端末の任意の一台を中心として、同時にアドホック接続可能な最大数を超えない範囲内で、複数の携帯端末間の総伝送距離が最小となるネットワークを選択する工程とを有することを特徴とする。
また、本発明の複数の携帯端末間のネットワークを構築する方法は、好ましくは複数の携帯端末の任意の一台を中心として、同時にアドホック接続可能な最大数を超えずかつ所定の最大接続段数を超えない範囲内で、複数の携帯端末間のアドホック接続による総伝送距離が最小となるネットワークを選択する工程とを有することを特徴とする。
また、本発明の複数の携帯端末間のネットワークを構築する方法は、さらに好ましくは任意の一台が、選択されたネットワークに基づいて、各携帯端末に対して通信するべき相手方の携帯端末をアドホック通信により指示することを特徴とする。
また、本発明の携帯端末は、アドホック通信が可能な範囲に位置する他の携帯端末とアドホック通信する携帯端末であって、他の携帯端末に対して応答遅延が生じるようにデータを送出し、データを受信したこと示す応答を他の携帯端末から受信するまでの時間に基づく伝送レートに対応して他の携帯端末との距離を算出することを特徴とする。
また、本発明の携帯端末は、好ましくは携帯端末が算出する他の携帯端末との距離が、伝送レートが小さい程大きく、伝送レートが大きいほど小さいことを特徴とする。
また、本発明の携帯端末は、さらに好ましくはデータの送出が、一方の携帯端末から他方の携帯端末へ所定時間毎に所定量のデータ送出であることを特徴とする。
また、本発明の携帯端末は、アドホック通信が可能な範囲に位置する他の携帯端末との距離を測定する携帯端末であって、他の携帯端末とのアドホック通信における電波強度を測定し、測定した電波強度に対応して他の携帯端末との距離を算出することを特徴とする。
また、本発明の携帯端末は、アドホック通信が可能な範囲に位置する他の携帯端末との距離を測定する携帯端末であって、他の携帯端末とのアドホック通信におけるキャリア/ノイズレシオを測定し、測定したキャリア/ノイズレシオに対応して距離を算出することを特徴とする。
アドホック通信可能な範囲に位置する二つの携帯端末間の伝送レートまたは/及び距離測定、及び当該伝送レートまたは/及び距離測定結果に基づく複数の携帯端末間のアドホックネットワーク構築方法を実現できる。
アドホック通信で接続する携帯端末と携帯端末との接続可能範囲を説明する概念図である。 図1に示した携帯端末が、アドホック通信可能なエリア領域内に存在する携帯端末との間の伝送レートを測定するタイムチャートを説明する概念図である。 アドホック接続で構築された典型的なプライべートネットワークを例示する概念図である。 携帯端末と他の携帯端末との間で距離を測定する手順を順次説明するフローチャートである。 本発明のアドホック接続によりプライベートネットワークを構築する手順を順次説明するフローチャートである。
実施形態では、スマートフォンを典型例とする複数の携帯端末がアドホック通信でプライベートネットワークを構築する。各携帯端末はランダムに散らばっているものであり、相互の携帯端末間をブルーツースやWi−Fiダイレクト等の基地局を必要としない無線通信(アドホック通信)により、直接接続する。
また、プライベートネットワーク内のすべての携帯端末間で、文字列やテキストデータやバイナリーデータを共有するものとする。バイナリーデータには、音声データと画像データと動画データ等が含まれる。また、これらの共有データは、1:1、1:n、n:1のいずれの携帯端末接続であっても双方向で伝送が可能であるものとする。
また、各携帯端末は、伝送されてきたデータが自身宛てのデータではない場合には、自身がアドホック接続している他の携帯端末へと転送(パススルー)するものとする。
また、プライベートネットワークを構築する各携帯端末は、お互いを識別して認証する手段を有しているので、仮に複数のプライベートネットワークが混在する場合でも、自身が所属するプライベートネットワークを認識することができる。
このため、一台の携帯端末が複数のプライベートネットワークに同時に参加することも可能である。また、各携帯端末は、アドホック通信が可能な範囲内(例えば半径10メートル範囲内)にアドホック通信が可能な他の携帯端末が存在するか否かを探知する機能を有しているものとする。
また、複数の携帯端末のうち任意の一台を中心として、そこから他の携帯端末へと所望の情報を効率良く伝送することが可能なベストなネットワークを選択し、各携帯端末に指示して当該ベストなネットワーク網を構築することが可能である。
一般に、ブルーツースやWi−Fiダイレクト等の基地局を必要としないアドホック通信においては、通信電波が届く範囲が比較的狭いという通信上の第一の制約がある。アドホック通信における通信可能範囲は、典型的には半径10メートル程度とされており、それ以上距離が離れた携帯端末間ではアドホック通信が困難となる。
また、アドホック通信の接続は、接続要求を送出する携帯端末と接続要求を受信して応答する携帯端末との1:1が基本であり、当該二台の携帯端末の間でアドホック通信が確立される。
また、アドホック接続する二台の携帯端末は、上述のような接続要求送出及び要求への受信応答との役割分担があることから、親携帯端末(接続要求をする端末)と子携帯端末(接続要求に応える端末)と称される場合もある。
また、同時に複数の携帯端末とアドホック通信接続をするためには、相応の処理能力が必要とされるところ、例えば、ブルーツースの場合には最大7台まで同時に接続することが可能であることが現在のところ知られている。
また、アドホック通信が可能な範囲が比較的小さいことに起因して、例えば携帯端末1と携帯端末2とが20メートル離間していた場合には、両者の間では直接的なアドホック通信が不可能となる。
しかし、携帯端末1と携帯端末2との中間地点に例えば携帯端末3が存在しているとすれば、携帯端末1と携帯端末2とは直接通信はできないとしても、携帯端末3を介して間接的にアドホック通信をすることが可能となる。
すなわち、携帯端末1と携帯端末3との距離は10メートルで直接的にアドホック通信が可能であり、携帯端末3と携帯端末2との距離は10メートルで直接的にアドホック通信が可能であることから、携帯端末3をいわば中継装置として利用することで、携帯端末1と携帯端末3とは間接的にアドホック通信が可能となるものである。
図1は、アドホック通信で接続する携帯端末100と携帯端末200との接続可能範囲を説明する概念図である。図1に示すように、携帯端末100とアドホック通信が可能な範囲は、半径lの円110で示される範囲内である。通常、半径lは電波の障害物等が存在しなければ、10メートル程度である場合が多い。
図1から理解できるように、半径lの円110内に存在する携帯端末200は、距離L(Lはlよりも小さい)だけ携帯端末100と離間しているものとする。この場合には、携帯端末100と携帯端末200との間でアドホック通信が確立されて、当該接続により、携帯端末100と携帯端末200との間で文字列やテキストデータやバイナリーデータを共有することができる。
また、図1には示していないが、仮に円110内にアドホック通信が可能な他の携帯端末が存在する場合には、携帯端末100は、携帯端末200と同様に、当該他の携帯端末との間においても、同時にアドホック通信を確立することが可能である。但し、携帯端末100は、同時接続が可能な台数に制限(例えばブルーツースでは7台等)があることから、他の携帯端末が複数台ある場合にはその制限台数の範囲内での接続数に限られる。
図2は、図1に示した携帯端末100が、アドホック通信可能なエリア領域(円110)内に存在する携帯端末200との間の伝送レートを測定するタイムチャートを説明する概念図である。
図2においては、10,000バイト/秒で携帯端末100からデータを送出して伝送レートを測定する典型例を示している。但し、伝送レートを測定するためのデータ送出は、10,000バイト/秒に限定されるものではなく、相手方の携帯端末200からの受信応答に遅延が生じるデータ送出であれば、例えば15,000バイト/秒でもよく、20,000バイト/秒でもよく、他の送出レートでもよい。
図2から理解できるように、携帯端末100は携帯端末200に対して、応答遅延が生じるように、100ミリ秒ごとに1,000バイトずつ継続してデータを送出する。
そして、例えば5回のデータ送出、すなわち5,000バイトのデータ送出に対する携帯端末200からの5回目の応答5の受信までに時間(T)だけ要したとすると、携帯端末100は携帯端末200に対する伝送レートを(5,000/T)として算出する。
ここで、携帯端末100は、携帯端末200との距離をK・(5,000/T)として算出する。Kは、現実に携帯端末100と携帯端末200との間で予め実測した伝送レートと距離との関係を示すパラメータである。
一般には、距離が大きくなるほど伝送レートは低下することから、距離と伝送レートとが線形関係を満たすものとして、定数Kを定めてもよい。また、仮に線形関係を満たさない場合には、予め実測した距離と伝送レートとの関係をテーブルにして携帯端末100に記憶させておき、測定された伝送レートと距離との関係をテーブルを参照しながら算出してもよい。
また、携帯端末100の通信方式によっては、携帯端末100と携帯端末200とのアドホック通信における電波強度が得られる場合もある。この場合には、電波強度がC/N(キャリア/ノイズ)比に比例すると仮定し、C/N比と一定バイトのデータ送受信に要する時間が比例すると仮定する。すなわち、電波強度と伝送レートとは比例するものと仮定して、携帯端末100は得られた電波強度から伝送レートを算出し、伝送レートから距離を求めることが可能となる。
上述の方法により、携帯端末100は、アドホック通信可能なエリア領域(円110)内に存在する全ての携帯端末との間の少なくとも相対的な距離を認識することが可能となる。
また、複数台の携帯端末でプライベートネットワークを構築している場合には、当該全ての複数台の携帯端末間の少なくとも相対的な距離の大小関係を算出し、親携帯端末はその時点における全ての相対的な距離の大小関係を把握できることが好ましい。
複数の携帯端末間の相対的な距離の大小関係を把握するだけであれば、距離を算出することなく、上述により求めた各携帯端末間の伝送レートのみにより見積もることが可能である。
また、伝送レートを測定できるのは直接的にアドホック接続可能な携帯端末間のみであり、アドホック接続が不可能に離間した携帯端末間において、伝送レートを算出することはない。
また、複数台の携帯端末はスマートフォン(アンドロイド等)であってもよく、全ての携帯端末間でデータを共有する場合には、任意の一台を親携帯端末として指定してもよい。全ての携帯端末間で伝送レート情報を共有するためには、二台の携帯端末がアドホック接続した場合に、互いに保有する伝送レート情報を全て相手方にもコピーして付与するものとする。
図3は、アドホック接続で構築された典型的なプライべートネットワーク3000を例示する概念図である。図3から理解できるように、図3のプライべートネットワーク3000においては、一台(親携帯端末300)あたりの最大接続数が4であり、最大接続段数が3段である。
図3に示すように、親携帯端末300は、親携帯端末300の接続範囲内に位置する子携帯端末1(310)と子携帯端末3(330)と子携帯端末4(340)と子携帯端末7(370)とアドホック接続しており、この接続が親携帯端末300から見た一段目の接続となる。
また、子携帯端末1(310)は、その接続領域内に位置する親携帯端末300と子携帯端末2(320)と子携帯端末8(380)とアドホック接続しており、子携帯端末1(310)と子携帯端末2(320)及び子携帯端末8(380)との接続が親携帯端末300から見た二段目の接続となる。
また、子携帯端末2(320)は、その接続領域内に位置する子携帯端末1(310)と子携帯端末5(350)とアドホック接続しており、子携帯端末2(320)と子携帯端末5(350)との接続が親携帯端末300から見た三段目の接続となる。
また、子携帯端末3(330)は、その接続領域内に位置する親携帯端末300と子携帯端末6(360)とアドホック接続しており、子携帯端末3(330)と子携帯端末6(360)との接続が親携帯端末300から見た二段目の接続となる。
ここで、上述のようなプライべートネットワーク3000のネットワークを構築は、上述した各端末間の距離を一定条件下で最小にするように、親携帯端末300から各子携帯端末1(310)〜8(380)に指示されて形成される。
例えば、仮に子携帯端末8(380)が、子携帯端末2(320)の接続範囲内に位置していたと仮定する。しかし、この場合でも、子携帯端末8(380)へ接続する場合に、親携帯端末300−子携帯端末1(310)−子携帯端末2(320)−子携帯端末8(380)と接続することなく、親携帯端末300−子携帯端末1(310)−子携帯端末8(380)と接続するべきである。
この経路指示は、親携帯端末300が上述のように伝送経路(距離の算出)に基づいてその総伝送経路が一定条件下で最小となるように決定し、子携帯端末1(310)に子携帯端末8(380)と接続するように指示を出すものとする。ここで、アドホック通信による接続は双方向の接続であるから、具体的には以下のように接続指示が伝達されてプライベートネットワークが構築されることとなる。
親携帯端末300は、決定したネットワーク経路に基づいて、子携帯端末1と子携帯端末3と子携帯端末4と子携帯端末7とアドホック接続を確立する。また、親携帯端末300は、決定したネットワーク経路に基づいて、子携帯端末1(310)に対しては、子携帯端末2(320)と子携帯端末8(380)と接続するように指示する。
また、これと同時に親携帯端末300は、決定したネットワーク経路に基づいて、子携帯端末2(320)に対しては子携帯端末子携帯端末5(350)と接続するように子携帯端末1(310)を介して指示する。
上述の指示に基づいて、子携帯端末1(310)は子携帯端末2(320)とアドホック接続を確立し、子携帯端末2(320)に対する親携帯端末300からの指示を子携帯端末2(320)へ伝送する。また当該伝送を受けて、子携帯端末2(320)は子携帯端末子携帯端末5(350)とアドホック接続を確立する。
また、親携帯端末300は、決定したネットワーク経路に基づいて、子携帯端末3(330)に対しては子携帯端末6(360)と接続するように指示する。そして、当該指示に基づいて、子携帯端末3(330)は子携帯端末6(360)と双方向のアドホック接続を確立する。
また、親携帯端末300は、上述の伝送経路のプライベートネットワークを構築・決定するにあたり、各携帯端末間の距離を入手し、予め定められた所定の最大接続段数の範囲内において、最小の総伝送距離となるように決定する。
また、親携帯端末300は、上述の伝送経路のプライベートネットワークを構築・決定するにあたり、各携帯端末間の距離を入手し、当該接続における最大の一台あたり同時接続可能数の範囲内において、最小の総伝送距離となるように決定する。
例えば、親携帯端末300の同時接続可能数が最大で4である場合には、仮に、子携帯端末8(380)が接続可能領域内に存在するとしても、図3の接続において親携帯端末300がさらに子携帯端末8(380)と追加的に接続することは不可能である。
このため、親携帯端末300は、直接に子携帯端末8(380)に接続する以外の伝送経路を探索し、その中で総伝送距離が最小となるネットワークを選択し、当該選択経路を介して子携帯端末8(380)に接続することとなる。
また、例えば、親携帯端末300からの最大接続段数が3である場合には、仮に、子携帯端末8(380)が子携帯端末5(350)の接続可能領域内に存在するとしても、図3の接続において子携帯端末5(350)がさらに子携帯端末8(380)と接続することはしない。仮にこのような接続とすると、接続段数が4となり所定の最大接続段数3を超えることとなる。
このため、親携帯端末300は、子携帯端末5(350)がさらに子携帯端末8(380)と接続する以外の伝送経路を探索し、その中で総伝送距離が最小となるネットワークを選択することとなる。
接続段数の制限は携帯端末の使用者等が予め任意に設定することとしてもよい。また、接続段数があまりに増大すると、いわゆる中継にかかわる子携帯端末が増大し、中継処理時間がパイルアップすることとなるので、より迅速なほぼリアルタイムな伝送処理を遂行する観点からは4〜5段程度以内とすることが好ましい。
また、図3においては、親携帯端末300と子携帯端末1(310)〜8(380)とを併せて合計9台の携帯端末で、プライベートネットワークを構築する例を示した。しかし、数十台以上たとえば50〜60台程度の携帯端末でプライベートネットワークを構築する場合には、アドホック通信で接続可能な距離内に位置する例えば10台程度ずつのグループ分けをしてもよい。そして、各グループ間でどのように伝送経路を構築するかについて、上述のように決定することとしてもよい。
図4は、携帯端末100と携帯端末200との間で距離を測定する手順を順次説明するフローチャートである。そこで、図4に示した各ステップに基づいて、携帯端末100と携帯端末200との間で距離を測定する手順について以下に説明する。
(ステップS410)
携帯端末100と携帯端末200とを直接的にアドホック通信により接続する。距離を測定するためには、直接的にアドホック接続された二台の携帯端末間の伝送レートを用いることとなる。
(ステップS420)
携帯端末100は時間計測を開始すると同時に、一定量のデータを定期的に携帯端末200へと送出する。携帯端末100は、例えば100ミリ秒毎に1,000バイトを携帯端末200へと送出してもよい。但し、このデータの送出は、携帯端末200からの受信応答に遅延が生じる程度のレートで送出する必要がある。
すなわち、極端に少ないデータを多くの時間をかけて携帯端末100から携帯端末200へと複数回データ送出したとしても、携帯端末200は何ら遅延を生じることなく、常に迅速かつ即座に受信応答(レスポンス)を返答するものと考えられる。
これでは、二台の携帯端末間の距離に対応するような応答遅延を含む伝送レートの情報を得ることはできない。距離に対応して伝送レートが変化するためには、携帯端末200からの受信応答に遅延が生じる程度の、ある程度多量のデータを比較的短い時間間隔で送出することが好ましい。
このようなデータ送出は、携帯端末200のデータ処理能力や負荷によっても異なる場合があるので、予め携帯端末200の処理能力を確認し、これに応じたデータ送出レートを予め決定しておくことが好ましい。
典型的には、距離離間による遅延の影響が含まれないように近接した状態にある携帯端末100から携帯端末200への最大の伝送レートを予め測定評価しておく。そして、当該最大の伝送レートでもって、現実の離間測定時の携帯端末100から携帯端末200へのデータ送出レートとし、これに対する距離離間による携帯端末200からの応答遅延が含まれる伝送レートを測定することが好ましい。
これにより、例えば、携帯端末200が携帯端末100から3メートル離間している場合と8メートル離間している場合とを比較すると、受信応答の遅延量は後者の方が大きいものとなるため、受信応答遅延を含む伝送レートを算出することで、相対的な距離を見積もることが可能となる。
(ステップS430)
携帯端末200は、携帯端末100から受信したバイト数(データ量)を端末100へ応答報告する。上述したように、この応答報告は、距離が離間すればするほど、より大きな遅延を含むものとなる。
また、ステップS420とステップS430とを複数回繰り返して総データ量と総応答時間とを積算するように遂行してもよい。例えば、5回分のデータ送出積算とする場合には、5回分の総データ送出量を、5回目データの受信応答が携帯端末200から得られるまでの時間、で除算した値が伝送レートとなる。但し、この場合には、1回〜4回の受信応答は、5回目の受信応答までに応答されているものとする。
(ステップS440)
携帯端末100は、携帯端末200による単位時間当たりの受信バイト数、すなわち伝送レートを算出する。伝送レートは、あくまで受信側の携帯端末200の実受信データ量と、当該データ量の受信に必要とされた実時間とに基づいて算出する。ただし、当該データ量を完全に受信完了した後、携帯端末200から携帯端末100へ応答報告するために要する報告通信時間は、ほぼ無視できるものとする。
(ステップS450)
携帯端末100は、算出した伝送レートに基づいて携帯端末200との距離を算出する。携帯端末100による距離の算出は、パラメータKを定数であるとして線形関係を近似することで求めることとしてもよい。
また、パラメータKの値が伝送レート等の各種条件により異なるものとして予め定義・記憶しておき、現実の測定時の条件に適合するパラメータKを用いて算出してもよい。
また、携帯端末100と携帯端末200との間の、一定データ送出条件下における伝送レートと離間距離との関係を、テーブルとして予め測定評価し携帯端末100に記憶させておき、テーブルに基づいて現実に測定した伝送レートに対応する離間距離をメモリから読み出してもよい。
また、携帯端末100と携帯端末200との間の離間距離と伝送レートとの関係は、その時点で使用している携帯端末200のアプリケーションとCPUの処理能力とのバランス等により、異なる場合もあるため、定期的に校正することが好ましい。
校正は、携帯端末100と携帯端末200との間の離間距離と伝送レートとの関係を実測により再評価し再定義することで行ってもよい。校正により、新たなパラメータKを更新し定義したり、新たなテーブルを更新し記憶させてもよい。
図5は、本発明のアドホック接続によりプライベートネットワーク3000を構築する手順を順次説明するフローチャートである。そこで、図5に示した各ステップに基づいて、アドホック接続によりプライベートネットワーク3000を構築する手順について以下に説明する。
(ステップS510)
各携帯端末は、アドホック通信可能な範囲内に存在する他の携帯端末を探索する。探索された携帯端末は、リストとして記憶される。一台の携帯端末の通信可能領域内に複数台の他の携帯端末がある場合には、当該複数台の携帯端末を全てリストアップする。
(ステップS520)
各携帯端末は、ステップS510で探索された他の携帯端末との距離を個別に逐一測定・算出する。この場合に、距離の測定・算出に換えて伝送レートのみを測定してこの値を相対的な距離としてもよい。
なお、伝送レートや距離を算出する場合に、複数のアドホック接続先が存在する場合でも、距離等測定時は1:1で順次に遂行するものとする。このため、このステップにおける他の携帯端末との距離等測定を遂行する場合には、現在通信をしている一の携帯端末以外とのアドホック通信は一旦切断するものとする。
(ステップS530)
ステップS510とステップS520を繰り返すことで、測定した各携帯端末間の距離を全ての携帯端末間で共有する。すなわち、距離算出後、アドホック接続する携帯端末間で、互いの保有する距離情報を相手方にも供与する。典型的には、親携帯端末にも全ての距離情報が集約される。
(ステップS540)
親携帯端末は、総伝送距離(各携帯端末間の通信距離の総和)が最小となるネットワークを算出し選択する。また、この場合に、ネットワークに組み入れられず通信ができない子携帯端末が生じないようにネットワークを選択することが好ましいが、仮にこのような子携帯端末が生じた場合には、親携帯端末のオペレータに通知してもよい。
(ステップS550)
親携帯端末は、ステップS540で選択したネットワークについて、一台の携帯端末が同時に接続可能な最大接続可能数を超えていないか、かつ、所定の最大接続段数を超えていないかを検証する。
ステップS540で選択したネットワークについて、一台の携帯端末が同時に接続可能な最大接続可能数を超えておらず、かつ、所定の最大接続段数を超えていない場合には、ステップS560へと進む。
また、ステップS540で選択したネットワークについて、一台の携帯端末が同時に接続可能な最大接続可能数を超えておらず、かつ、所定の最大接続段数を超えていない場合でなければ、ステップS540へと戻り、その次に総伝送距離が最小となるネットワークを選択する。
要約すれば、このステップS540とステップS550とにより、親携帯端末は、一台の携帯端末が同時に接続可能な最大接続可能数を超えておらず、かつ、所定の最大接続段数を超えていないとの条件を充足する範囲内において、ネットワーク上の総伝送距離が最小となるプライベートネットワーク網を決定することができる。
(ステップS560)
ステップS540とステップS550とで決定されたネットワークに基づいて、親携帯端末が、各子携帯端末にアドホック接続するべき相手を指示する。この場合に、親携帯端末が直接アドホック接続していない携帯端末については、決定されたネットワークに基づいて指示を順次伝送して間接的に指示することとなる。
上述したように例えば図3に例示したプライベートネットワークにおいては、図示した各携帯端末全てが直接または間接に親携帯端末とアドホック接続することが可能であった。
しかし、例えば50〜60台以上等の多数の携帯端末でプライベートネットワークを構築しようとする場合には、最大同時接続可能数や最大接続段数の制限の下、接続されない携帯端末が生じる懸念もある。接続されない携帯端末が生じる場合には、接続されない携帯端末数が最小となるように選択するネットワークを考慮してもよい。
また、各携帯端末は、常に移動することが想定されていることから、上述した距離測定やプライベートネットワークの構築動作は、比較的短い時間間隔ごとに、常に再測定・評価されて随時リアルタイムで更新されることが好ましい。
これにより、携帯端末の移動に拘わらず、その時点における最新かつ最善のプライベートネットワークの構築が可能となる。また、アドホック接続するべき全ての携帯端末のリストは、アドホック接続時に、距離情報の共有とともに全ての携帯端末で互いに共有されるものとなる。また、アドホック通信圏外については、3G回線で補間することも可能である。
上述の実施形態で例示した携帯端末やそのプライベートネットワーク3000等は、実施形態での説明に限定されるものではなく、実施形態で説明する技術思想の範囲内かつ自明な範囲内で、適宜その構成や動作及び動作方法等を変更することができる。また、説明の便宜上実施形態ごとに個別に説明しているが、実施形態の構成を適宜組み合わせて適用し、またその動作も適宜組み合わせてアレンジしてもよい。
本発明の携帯端末は、各種のスマートフォンやアンドロイドに対して広く適用できる。
100・・携帯端末、110・・アドホック通信可能領域(円)、200・・携帯端末、300・・親携帯端末、310・・子携帯端末1、320・・子携帯端末2、330・・子携帯端末3、340・・子携帯端末4、350・・子携帯端末5、360・・子携帯端末6、370・・子携帯端末7、380・・子携帯端末8、3000・・プライベートネットワーク。


Claims (13)

  1. アドホック通信が可能な範囲に位置する二つの携帯端末間の距離を測定する方法であって、
    一方の携帯端末から他方の携帯端末に対して応答遅延が生じるようにデータを送出する工程と、
    データを受信した前記他方の携帯端末から前記一方の携帯端末に対して前記データを受信したことを応答する工程と、を有し、
    前記一方の携帯端末は、前記応答に基づく伝送レートに対応して距離を算出する
    ことを特徴とする携帯端末間の距離測定方法。
  2. 請求項1に記載の携帯端末間の距離測定方法において、
    前記一方の携帯端末が算出する前記二つの携帯端末間の距離は、前記伝送レートが小さい程大きく、前記伝送レートが大きいほど小さい
    ことを特徴とする携帯端末間の距離測定方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の携帯端末間の距離測定方法において、
    前記データの送出は、前記一方の携帯端末から前記他方の携帯端末へ所定時間毎に所定量のデータ送出である
    ことを特徴とする携帯端末間の距離測定方法。
  4. アドホック通信が可能な範囲に位置する二つの携帯端末間の距離を測定する方法であって、
    前記二つの携帯端末間のアドホック通信における電波強度を測定する工程と、
    測定した前記電波強度に対応して距離を算出する工程と、を有する
    ことを特徴とする携帯端末間の距離測定方法。
  5. アドホック通信が可能な範囲に位置する二つの携帯端末間の距離を測定する方法であって、
    前記二つの携帯端末間のアドホック通信におけるキャリア/ノイズレシオを測定する工程と、
    測定した前記キャリア/ノイズレシオに対応して距離を算出する工程と、有する
    ことを特徴とする携帯端末間の距離測定方法。
  6. アドホック通信が確立された複数の携帯端末間のネットワークを構築する方法において、
    請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の携帯端末間の距離測定方法により、アドホック接続された前記複数の携帯端末間全ての距離を測定する工程と、
    前記複数の携帯端末の任意の一台を中心として、同時にアドホック接続可能な最大数を超えない範囲内で、前記複数の携帯端末間の総伝送距離が最小となるネットワークを選択する工程と、を有する
    ことを特徴とする複数の携帯端末間のネットワークを構築する方法。
  7. 請求項6に記載の複数の携帯端末間のネットワークを構築する方法において、
    前記複数の携帯端末の任意の一台を中心として、同時にアドホック接続可能な最大数を超えずかつ所定の最大接続段数を超えない範囲内で、前記複数の携帯端末間のアドホック接続による総伝送距離が最小となるネットワークを選択する工程と、を有する
    ことを特徴とする複数の携帯端末間のネットワークを構築する方法。
  8. 請求項6または請求項7に記載の複数の携帯端末間のネットワークを構築する方法において、
    前記任意の一台は、前記選択されたネットワークに基づいて、各携帯端末に対して通信するべき相手方の携帯端末をアドホック通信により指示する
    ことを特徴とする複数の携帯端末間のネットワークを構築する方法。
  9. アドホック通信が可能な範囲に位置する他の携帯端末とアドホック通信する携帯端末であって、
    他の携帯端末に対して応答遅延が生じるようにデータを送出し、
    前記データを受信したこと示す応答を前記他の携帯端末から受信するまでの時間に基づく伝送レートに対応して前記他の携帯端末との距離を算出する
    ことを特徴とする携帯端末。
  10. 請求項9に記載の携帯端末において、
    前記携帯端末が算出する前記他の携帯端末との距離は、前記伝送レートが小さい程大きく、前記伝送レートが大きいほど小さい
    ことを特徴とする携帯端末。
  11. 請求項9または請求項10に記載の携帯端末において、
    前記データの送出は、前記一方の携帯端末から前記他方の携帯端末へ所定時間毎に所定量のデータ送出である
    ことを特徴とする携帯端末。
  12. アドホック通信が可能な範囲に位置する他の携帯端末との距離を測定する携帯端末であって、
    前記他の携帯端末とのアドホック通信における電波強度を測定し、測定した前記電波強度に対応して前記他の携帯端末との距離を算出する
    ことを特徴とする携帯端末。
  13. アドホック通信が可能な範囲に位置する他の携帯端末との距離を測定する携帯端末であって、
    前記他の携帯端末とのアドホック通信におけるキャリア/ノイズレシオを測定し、測定した前記キャリア/ノイズレシオに対応して距離を算出する
    ことを特徴とする携帯端末。

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