JP2014086386A - 高周波熱処理用コイル、等速自在継手用外側継手部材、および等速自在継手 - Google Patents

高周波熱処理用コイル、等速自在継手用外側継手部材、および等速自在継手 Download PDF

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Abstract

【課題】自己発熱量が小さくでき、自己発熱量に起因する割れ等を有効に回避できる高周波熱処理用コイル、等速自在継手用外側継手部材、および等速自在継手を提供する。
【解決手段】等速自在継手用外側継手部材の加熱処理部位を加熱する高周波熱処理用コイルである。高周波熱処理用コイルは、高周波電流が流れる電流経路が形成されるコイル本体と、コイル本体に接合されてコイル本体内に冷却水経路を構成するための蓋部材とからなる。コイル本体が一体削り出し加工にて成形されてなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、高周波熱処理用コイル、等速自在継手用外側継手部材、および等速自在継手に関する。
自動車の駆動に使用する部品には等速自在継手やプロペラシャフト等がある。金属製品であるこれらの部品は、強度などを高める目的で熱処理を施している。熱処理方法の一つである高周波焼入では製品形状や焼入深さ、焼入範囲により、製品ごとに適したコイルを用いて焼入を行っている。
等速自在継手(固定式等速自在継手)は、一般的には、図11に示すように、内径面1に複数の案内溝(トラック溝)2を軸方向に形成した外側継手部材3と、外径面4に複数の案内溝(トラック溝)5を形成した内側継手部材6と、外側継手部材3のトラック溝2と内側継手部材6のトラック溝5とで協働して形成されるボールトラックに配される複数のボール7と、ボール7を収容するためのポケット9を有するケージ8等から構成される。
この場合、この外側継手部材3には、図8と図9に示すように、その内径面1に高周波熱処理等によって、硬化層10が形成される。
高周波熱処理に用いられコイル20としては、例えば、銅で製作した複数の部品を、銀ロウなどでロウ付けすることで組み立てられる。すなわち、このコイルは、図10に示すように、高周波電流の電流経路を形成する第1・第2部材11,12と、これらを連結する連結体13と、第1部材11の開口部を塞ぐ第1蓋部材14と、第2部材12の開口部を塞ぐ第2蓋部材15との部品にて構成される。この場合、各部品は銅等にて構成され、これらがロウ付け等で接合されてなる。
そして、コイルの内部には、冷却水が流れる冷却水経路が形成される。すなわち、コイルの断面形状は自己発熱や加熱された製品からの輻射熱の影響を低減させるために管状に作られ、使用時は常時管(冷却水経路)内に冷却水を通水している。しかし、このコイルは自己発熱、輻射熱などの加熱と冷却水通水による冷却を繰り返すことによって発生した応力により破損に至る場合がある。
そこで、コイル寿命改善方法として種々の方法が提案されている。すなわち、出力を下げて加熱時間を延ばしたり、または、特許文献1や特許文献2等に示すようにコイル形状に工夫をこらすようにしたりしたものがある。
特開平7−226292号公報 実開平7−36395号公報
しかしながら、出力を下げて加熱時間を延ばすことにより、コイルに対する負荷を小さくして寿命を延ばすようにした場合、加工時間が長くなることで生産性が下がる問題がある。
また、特許文献1,2に記載のように、コイル形状を工夫することで、コイルへの負荷を減らして寿命を延ばすようにした場合、コイル形状が複雑になり既存の設備では電気的な整合が取れない場合がある。ところで、周波数は次の数1に示す公式にて計算できる。
このため、コイル形状が複雑となれば、コイルの持つインダクタンスが大きく変わる。このようにコイルの持つインダクタンスが変われば、狙いとする出力や周波数で発振されない。そこで、既存の発振機の改造が必要となる。
前記図10に示すようなコイルでは、ロウ材と銅の境界面が存在するため自己発熱や輻射熱を繰り返し受けることで境界面を起点として割れが発生して、冷却水が漏れ出し寿命となる。また、第1・第2部材11,12との接続部16には電流が集中し易く、この場合、この接続部にロウ材と銅の境界面があり、割れが発生し易くコイル寿命が短いものとなる。
本発明は、上記課題に鑑みて、自己発熱量が小さくでき、自己発熱量に起因する割れ等を有効に回避できる高周波熱処理用コイル、等速自在継手用外側継手部材、および等速自在継手を提供する。
本発明の高周波熱処理用コイルの製造方法は、等速自在継手用外側継手部材の加熱処理部位を加熱する高周波熱処理用コイルの製造方法であって、高周波熱処理用コイルは高周波電流が流れる電流経路が形成されるコイル本体を備え、このコイル本体を一体削り出し加工にて成形して、その後、このコイル本体に蓋部材を接合して冷却水経路を形成することよって完成させるものである。
本発明の高周波熱処理用コイルは、等速自在継手用外側継手部材の加熱処理部位を加熱する高周波熱処理用コイルであって、高周波電流が流れる電流経路が形成されるコイル本体と、コイル本体に接合されてコイル本体内に冷却水経路を構成するための蓋部材とからなり、前記コイル本体が一体削り出し加工にて成形されてなるものである。
本発明の高周波熱処理用コイルによれば、高周波電流が流れる電流経路が形成されるコイル本体が一体削り出し加工にて成形されてなるものであるので、自己発熱量が小さくでき、破損起点となりやすいロウ材と銅との境界面を少なくできる。
蓋部材とコイル本体との接合部に流れる電流を微小電流として、この接合部が加熱に寄与しない位置に配置されるのが好ましい。また、コイル本体の電流経路は、第1周方向経路と第2周方向経路の2経路があり、この第1周方向経路と第2周方向経路との間の接続部が、電流流れ方向に対して所定角度で傾斜しているのが好ましい。このように設定することによって、破損原因となりやすい角部の電流集中を緩和させることができる。
高周波熱処理用コイルとしては、高周波焼入れや高周波焼戻しに用いることができる。高周波焼入れとは高周波誘導加熱を用いる焼入れであり、高周波電流の流れているコイル中に焼入れに必要な部分を入れ、電磁誘導作用により、ジュール熱を発生させて、伝導性物体を加熱する原理を応用した焼入れ方法である。また、高周波焼戻しとは高周波誘導加熱を用いる焼戻しであり、誘導加熱した後、冷媒(冷却水等)で冷却する方法である。すなわち、高周波熱処理としては、鉄鋼製品の表面全体又は部分の表面硬化を目的として、誘導加熱によって Ac3又はAc1点以上の適切な温度に加熱した後、適切な冷却剤で冷却し(焼入れ)、さらに硬さを調節し、じん性(靱性)を増すために、Ac1点以下の適切な温度に通常の焼戻し炉中で加熱した後、冷却(焼戻)処理するのが好ましい。
本発明の等速自在継手用外側継手部材は、前記高周波熱処理用コイルを用いて熱処理が
施されたものである。前記等速自在継手用外側継手部材は、内径面にトルク伝達部材としてボールが嵌合するトラック溝が形成されたマウス部を有する固定式等速自在継手用であってもよい。等速自在継手は、前記等速自在継手用外側継手部材を用いたものである。
本発明の高周波熱処理用コイルでは、自己発熱量が小さくでき、自己発熱量に起因する割れ等を有効に防止でき、長寿命化を図ることができる。しかも、全体としての部品を少なくでき、組立性の向上を図ることができる。
蓋部材とコイル本体との接合部に流れる電流を微小電流として、この接合部が加熱に寄与しない位置に配置されるように設定することによって、この部位にはほとんど電流が流れず、また、輻射熱の影響も少ないため、破損起点とならない。このため、安定して長寿命化を図ることができる。
コイル本体の電流経路は、第1周方向経路と第2周方向経路との間の接続部が、電流流れ方向に対して所定角度で傾斜ように設定することによって、破損原因となりやすい角部の電流集中を緩和させることができる。
高周波熱処理用コイルとしては、高周波焼入れや高周波焼戻しに用いることができ、安定した高周波焼入れ焼戻し作業を行うことが可能である。
また、本発明の高周波熱処理用コイルを用いて加熱処理を施した等速自在継手用外側継手部材は、高品質の熱硬化層を備えたものとなって、強度的に優れた外側継手部材となる。このため、このような外側継手部材を用いた等速自在継手は、強度的に優れ、長期にわたって等速自在継手として安定した機能を発揮できる。
本発明の高周波熱処理用コイルによる等速自在継手用外側継手部材への熱処理状態の説明図である。 前記図1のA−A線断面図である。 本発明の高周波熱処理用コイルの分解斜視図である。 本発明の高周波熱処理用コイルを示し、(a)は簡略平面図であり、(b)は簡略底面図である。 本発明の高周波熱処理用コイルのコイル本体の成形方法を示す斜視図である。 本発明の高周波熱処理用コイルのコイル本体の成形方法を示す簡略図である。本 高周波電流を流しているときの電流密度を示し、(a)は従来の高周波熱処理用コイルの可視化モデル図であり、(b)は本発明の高周波熱処理用コイルの可視化モデル図である。 従来の高周波熱処理用コイルによる等速自在継手用外側継手部材への熱処理状態の説明図である。 図7のB−B線断面図である。 従来の高周波熱処理用コイルの分解斜視図である。 固定式等速自在継手の断面図である。
以下本発明の実施の形態を図1〜図7に基づいて説明する。図1と図2に本発明に係る高周波熱処理用コイル30による等速自在継手用外側継手部材33への熱処理状態を示し、図3はこの高周波熱処理用コイル30の分離状態を示す斜視図である。
外側継手部材33は、内径面31に複数の案内溝(トラック溝)32を軸方向に形成したマウス部34を有するものである。そして、このトラック溝32を含む内径面31に、前記高周波熱処理用コイル30による熱硬化処理にて硬化層Sが形成される。
高周波熱処理用コイル30は、高周波電流が流れる電流経路35が形成されるコイル本体36と、このコイル本体36の開口部を塞ぐ一対の蓋部材37、38とからなる。
コイル本体36は、図3と図4等に示すように、外周壁40と内周壁41とを備える。外周壁40は、軸方向中間部のリング状の胴部40aと、胴部40aの上縁部から上方に向かって縮径する第1コーン部40bと、胴部40aの下縁部から下方に向かって縮径する第2コーン部40cとからなる。また、内周壁41は円筒体からなる。
図4(a)に示すように、内周壁41と第1コーン部40bとはそれぞれスリット42,43があり、このスリット42,43が連結片44、45で連結されている。また、図4(b)に示すように、内周壁41と第2コーン部40cとはそれぞれスリット46,47があり、このスリット46,47が連結片48、49で連結されている。
連結片44、45との間の隙間は、図3に示すように、このコイルの軸心に所定角度で傾斜するスリット部50となり、また、連結片48、49との間の隙間は、コイルの軸心に所定角度で傾斜するスリット部51となり、これらのスリット部50、51は平行に設定される。また、外周壁40と内周壁41との間には、胴部40aにおいて仕切壁46が設けられ、スリット部50とスリット部51とは、この仕切壁46に形成される分離スリット部52に連通されている。この場合、分離スリット部52は、スリット部50とスリット部51との間の所定範囲においてはその形成が省略される。すなわち、分離スリット部52において残部を残すことによって、図10に示す従来のコイルの連結体13を構成するものである。
これによって、連結片44から連結片45に達する2重リング部からなる第1周方向経路53が形成され、連結片48から連結片49に達する2重リング部からなる第2周方向経路54が形成される。そして、第1周方向経路53と第2周方向経路54とがスリット部50とスリット部51の間で接続部55を介して連結されている。
すなわち、第1周方向経路53と接続部55と第2周方向経路54とで、いわゆる螺旋状に巻かれたコイル形状体を形成することになる。また、第1周方向経路53のリング状の上方開口部53aが蓋部材37にて塞がれ、第2周方向経路54のリング状の下方開口部54aが蓋部材38にて塞がれている。なお、蓋部材37にスリット37aが設けられ、このスリット37aが連結片44、45との間の隙間に対応し、蓋部材38にスリット38aが設けられ、このスリット37aが連結片48、49との間の隙間に対応する。また、蓋部材37のスリット37aによって、冷却水経路65(図3参照)の冷却水入口を形成し、蓋部材38のスリット38aによって、冷却水経路65の冷却水出口を形成する。
このコイル本体36は、図5(a)と図6(a)とに示すように、銅の母材60を一体削り出し加工にて成形される。この場合、図6(a)に示すように、多軸制御機能を有するマニシングセンタMを用いることができる。母材60としては、断面矩形のブロック体からなり、図6(a)に示すように、一方の端部60aをマニシングセンタMのバイス61で端部を把持する。この際、一方の幅広側面を上方に向けて配置する。この状態で、図5(b)と図6(b)に示すように、削り出し工具62にて削り出し加工を行う。まず、外周壁40の第1コーン部40bと胴部40aと内周壁41の上半分とスリット部50と分離スリット部52等を削り出す。その後、この母材60を図5(c)と図6(c)に示すように、母材60を反転させて、外周壁40の第2コーン部40cと内周壁41の下半分とスリット部51等削り出す。そして、母材60の端部60aから切り離して、コイル本体36を完成する。
このように、構成されたコイル本体36に対して、別途成形した蓋部材37、38を銀ロウ付け等のロウ付けにて接合する。これによって、第1周方向経路53と第2周方向経路54と接続部55とからなる電流経路35が形成されるとともに、内部、つまり、外周壁40と内周壁41と蓋部材37、38との間で、冷却水経路65が形成される。この冷却水経路65は、第1周方向経路53にて構成される第1冷却水経路65aと、第2周方向経路54にて構成される第2冷却水経路65bとからなる。なお、仕切壁46の残部(つまり、従来の連結体13に対応する部位)の開口孔が設けられ、第1冷却水経路65aと第2冷却水経路65bとは連通される。
次に、前記のように構成された高周波熱処理用コイル30を用いた加熱処理方法を説明する。この場合、電流経路35の第1周方向経路53の上流端と電流経路35の第2周方向経路54の下流端とにリード線を接続し、また、冷却水経路65の第1冷却水経路65aに冷却水供給路を接続するとともに、冷却水経路65の第2冷却水経路65bに冷却水排水路を接続する。
この状態で、図1に示すように、高周波熱処理用コイル30を、外側継手部材33に内嵌状とする。そして、電流経路35の第1周方向経路53に前記リード線を介して高周波電流を流す。これによって、高周波電流が、第1周方向経路53の上流側から供給され、この第1周方向経路53をこの経路に沿って周方向に流れて、接続部55を介して第2周方向経路54に入って、この第2周方向経路54をこの経路に沿って周方向に流れて第2周方向経路54からリード線を介して流出することになる。
これによって、この高周波熱処理用コイル30に電磁誘導作用によってジュール熱を発生させ、外側継手部材33の被加熱部位(外側継手部材33のトラック溝を含む内径面)を加熱する。すなわち、誘導加熱によって、被加熱部位をAc3又はAc1点以上の適切な温度に加熱した後、焼入用冷却水で冷却し(焼入れ)、さらに、被加熱部位をAc1点以下の適切な温度に加熱した後、冷却(焼戻)処理する。これによって、図1と図2に示すように、硬化層Sを形成することができる。なお、冷却水は、第1冷却水経路65aに冷却水供給路を介して流して、第2冷却水経路65bから冷却水排水路に流出させる。
ところで、蓋部材37は、図1に示すように、マウス部34の底壁34aに相対向し、また、蓋部材38は、マウス部34の開口部よりも外側に配置されるものである。このため、蓋部材37、38乃至この接続部にて、被加熱部位を加熱する必要がない。蓋部材37、38とコイル本体36との接合部に流れる電流を微小電流とすることができる。
本発明の高周波熱処理用コイルによれば、高周波電流が流れる電流経路が形成されるコイル本体36が一体削り出し加工にて成形されてなるものであるので、自己発熱量が小さくできる。さらに、ロウ材と銅との境界面を少なくできる。このため、自己発熱量に起因する割れ等を有効に防止でき、長寿命化を図ることができる。しかも、全体としての部品を少なくでき、組立性の向上を図ることができる。
蓋部材37、38とコイル本体36との接合部に流れる電流を微小電流として、図1に示すように、この接合部が加熱に寄与しない位置に配置されるように設定することによって、この部位にはほとんど電流が流れず、また、輻射熱の影響も少ないため、破損起点とならない。このため、安定して長寿命化を図ることができる。
ところで、従来にように、第1・第2部材11,12との接続部16が、電流流れ方向に対して直交するものであれば、図7(a)の範囲H1に示すように、その接続部16の角部に電流密度集中が見られる。
これに対して、この実施形態のコイルでは、コイル本体36の電流経路35は、第1周方向経路53と第2周方向経路54との間の接続部55が、電流流れ方向に対して所定角度θで傾斜ように設定している。このため、図7(b)の範囲H2に示すように、破損原因となりやすい角部の電流集中を緩和させることができる。この場合の接続部55の傾斜角度θとしては、例えば、30°〜70°程度とされる。すなわち、破損原因となりやすい角部の電流集中を緩和できればよい。
本発明の高周波熱処理用コイルとしては、高周波焼入れや高周波焼戻しに用いることができ、安定した高周波焼入れ焼戻し作業を行うことが可能である。
また、本発明の高周波熱処理用コイル30を用いて加熱処理を施した等速自在継手用外側継手部材33は、高品質の熱硬化層を備えたものとなって、強度的に優れた外側継手部材33となる。このため、このような外側継手部材を用いた等速自在継手は、強度的に優れ、長期にわたって等速自在継手として安定した機能を発揮できる。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、例えば、等速自在継手として、前記各実施形態では、ツェッパタイプの固定式等速自在継手であったが、アンダーカットフリータイプの固定式等速自在継手であってもよい。また、プロペラシャフト用であっても、ドライブシャフト用であってもよい。さらに、外側継手部材のトラック溝としては、8本に限るものではない。
また、実施形態では、高周波電流を第1周方向経路53側から流していたが、逆に第2周方向経路54側から流すようにしてもよい。冷却水としても、第1冷却水経路65aから流していたが、逆に第2冷却水経路65b側から流すようにしてもよい。さらには、高周波電流の流れ方向と冷却水の流れ方向とが同一方向であっても、逆方向であってもよい。
30 高周波熱処理用コイル
31 内径面
32 トラック溝
33 外側継手部材
34 マウス部
35 電流経路
36 コイル本体
37 蓋部材
38 蓋部材
53 第1周方向経路
53a 上方開口部
54a 下方開口部
54 第2周方向経路
55 接続部
65 冷却水経路
M マニシングセンタ
S 硬化層

Claims (8)

  1. 等速自在継手用外側継手部材の加熱処理部位を加熱する高周波熱処理用コイルの製造方法であって、高周波熱処理用コイルは高周波電流が流れる電流経路が形成されるコイル本体を備え、このコイル本体を一体削り出し加工にて成形して、その後、このコイル本体に蓋部材を接合して冷却水経路を形成することよって完成させることを特徴とする高周波熱処理用コイルの製造方法。
  2. 等速自在継手用外側継手部材の加熱処理部位を加熱する高周波熱処理用コイルであって、高周波電流が流れる電流経路が形成されるコイル本体と、コイル本体に接合されてコイル本体内に冷却水経路を構成するための蓋部材とからなり、前記コイル本体が一体削り出し加工にて成形されてなることを特徴とする高周波熱処理用コイル。
  3. 蓋部材とコイル本体との接合部に流れる電流を微小電流として、この接合部が加熱に寄与しない位置に配置されることを特徴とする請求項2に記載の高周波熱処理用コイル。
  4. コイル本体の電流経路は、第1周方向経路と第2周方向経路の2経路があり、この第1周方向経路と第2周方向経路との間の接続部が、電流流れ方向に対して所定角度で傾斜していることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の高周波熱処理用コイル。
  5. 高周波焼入れおよび高周波焼戻しの少なくとも一方に用いることを特徴とする請求項2〜請求項4のいずれか1項に記載の高周波熱処理用コイル。
  6. 前記請求項2〜請求項5のいずれか1項に記載の高周波熱処理用コイルを用いて熱処理が施されたことを特徴とする等速自在継手用外側継手部材。
  7. 前記等速自在継手用外側継手部材は、内径面にトルク伝達部材としてボールが嵌合するトラック溝が形成されたマウス部を有する固定式等速自在継手用であることを特徴とする請求項6の等速自在継手用外側継手部材。
  8. 前記請求項6又は請求項7に記載の等速自在継手用外側継手部材を用いたことを特徴とする等速自在継手。
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JP2003096516A (ja) * 2001-09-21 2003-04-03 Denki Kogyo Co Ltd 内部に複数の溝部を有する筒状体内面の高周波焼入方法
JP2009218176A (ja) * 2008-03-12 2009-09-24 Toyota Motor Corp コイルヘッド

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