JP2014086313A - 連続時間システムのパラメータ同定装置およびその同定方法 - Google Patents

連続時間システムのパラメータ同定装置およびその同定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 非線形モデルに対しても、適用してパラメータを推定することができる連続時間システム同定装置および同定方法を提供する。
【解決手段】 連続時間システム同定装置は、所定時間範囲における入力時の対象システムの出力値を検出する出力検出部3と、所定時間範囲においてパラメータと等価モデル5をもとに出力の予測値を算出する出力予測部6と、検出した出力値と算出した予測値との間の誤差を算出する誤差算出部7と、等価モデル5のパラメータに関する感度関数をもとに算出した誤差が少なくなるように更新するパラメータ更新部8と、を備える。出力予測部6、誤差算出部7、パラメータ更新部8におけるそれぞれの算出演算を誤差が最小になるまで算出を繰り返し、誤差が最小のときのパラメータを同定するようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、連続時間システムのパラメータ同定装置およびその同定方法に関する。
従来の連続時間システムのパラメータ同定方法としては、特許文献1に記載のものが知られている。
この従来の連続時間システムのパラメータ同定方法は、連続時間入力信号を、微分方程式で表現し得る連続時間システムに印加するとともに、このシステムの連続時間出力信号を検出し、これら入力信号と出力とのサンプル値を用いて、このシステムの微分方程式上のパラメータを同定する方法において、状態空間実現された安定なアナログ・フィルタの状態変数のサンプル値に合致した状態変数を持ち得る状態空間実現された安定なディジタル・フィルタ群に、入力信号と出力信号のサンプル値信号を各々入力し、各々のディジタル・フィルタの状態変数から、システムのパラメータに対応した同定信号を生成し、この同定信号を利用してシステムのパラメータを同定するようにしている。
特開平9−81204号公報
しかしながら、上記従来の連続時間システム同定装置および同定方法には以下に説明するような問題がある。
すなわち、連続時間入力信号u(t)と連続時間出力信号とy(t)の関係は、下記のn次微分方程式で記述され、パラメータ(ai、bi)が未知の単入力単出力システムとされている。
(sn+an-1sn-1+・・・+a0)y(t)=(bnsn+bn-1sn-1+・・・b0)u(t)
なお、i=0〜n、またsはラプラス演算子である。
これを書き換えると、次式のようになる。
y(t)=[N(p,θ)/D(p,θ)]×u(t)
ここで、θは未知のパラメータ・ベクトルであり、(ai、bi)で表される。また、pは微分演算子である。
上記従来の連続時間システムのパラメータ同定方法では、N、Dがパラメータθについて線形であると仮定して、上記微分方程式を用いてパラメータを同定するようにしているので、たとえば抵抗やキャパシタなどからなる二次バッテリの等価回路モデルのような非線形のモデルに対しては、上記従来の射影型連続時間システムの同定方法を適用してパラメータを推定することができないという問題がある。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、その目的とするところは、非線形モデルに対しても、射影型連続時間システムの同定方法を適用してパラメータを推定することができるようにした連続時間システムのパラメータ同定装置およびその同定方法を提供することにある。
この目的のため、請求項1に記載の本発明による連続時間システムのパラメータ同定装置は、
対象システムを、複数のパラメータを用いて表した等価モデルと、
対象システムへの入力値を検出する入力検出部と、
所定時間範囲において入力を入力したときの対象システムの出力値を検出する出力検出部と、
所定時間範囲においてパラメータと等価モデルをもとに出力の予測値を算出する出力予測部と、
出力検出部で検出した出力値と出力予測部で算出した予測値との間の誤差を算出する誤差算出部と、
等価モデルのパラメータに関する感度関数(∂y^(t,θ)/∂θjの偏微分で定義され、y^は推定出力、tは時間、θはパラメータ・ベクトルである)をもとに、誤差算出部で算出した誤差が少なくなるようにパラメータを更新するパラメータ更新部と、
を備え、
出力予測部、誤差算出部、パラメータ更新部におけるそれぞれの算出演算を誤差が最小になるまで算出を繰り返し、誤差が最小のときのパラメータによりパラメータを同定するようにした、
ことを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明の連続時間システムのパラメータ同定装置は、
請求項1の連続時間システムのパラメータ同定装置において、
対象システムが、二次バッテリであり、
等価モデルが、バッテリ・モデルであり、
入力検出部が、二次バッテリの充放電電流を検出する電流センサであり、
出力検出部が、二次バッテリの端子電圧を検出する電圧センサであり、
パラメータが、前記二次バッテリの充電率、健全度、前記電流センサのオフセット電流、バッテリ・モデルでの拡散抵抗、バッテリ・モデルでの電解液の抵抗、バッテリ・モデルでの拡散過程の時定数のうちの少なくともいずれかを含む、
ことを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明の連続時間システムのパラメータ同定方法は、
対象システムへの入力値を検出し、
所定時間範囲において前記入力値を入力したときの前記対象システムの出力値を検出し、
所定時間範囲において対象システムの等価モデルで用いるパラメータと等価モデルをもとに出力の予測値を算出し、
検出した出力値と算出した予測値との間の誤差を算出し、
等価モデルのパラメータに関する感度関数(∂y^(t,θ)/∂θjの偏微分で定義され、y^は推定出力、tは時間、θはパラメータ・ベクトルである)をもとに、誤差が少なくなるようにパラメータを更新し、
出力予測値の算出、誤差の算出、パラメータの更新を誤差が最小になるまで算出を繰り返し、この誤差が最小のときのパラメータによりパラメータを同定するようにした、
ことを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明の連続時間システムのパラメータ同定方法は、
請求項3の連続時間システムのパラメータ同定方法において、
対象システムが、二次バッテリであり、
等価モデルが、バッテリ・モデルであり、
入力検出部が、二次バッテリの充放電電流を検出する電流センサであり、
出力検出部が、二次バッテリの端子電圧を検出する電圧センサであり、
パラメータが、前記二次バッテリの充電率、健全度、前記電流センサのオフセット電流、バッテリ・モデルでの拡散抵抗、バッテリ・モデルでの電解液の抵抗、バッテリ・モデルでの拡散過程の時定数のうちの少なくともいずれかを含む、
ことを特徴とする。
請求項1に記載の本発明の連続時間システム同定装置にあっては、バッテリのような非線形モデルに対しても、射影型連続時間システムの同定方法を適用してパラメータを推定することができる。
また、請求項2に記載の本発明の連続時間システム同定装置にあっては、バッテリの充電率、健全度、前記電流センサのオフセット電流、バッテリ・モデルでの拡散抵抗、バッテリ・モデルでの電解液の抵抗、バッテリ・モデルでの拡散過程の時定数のうちの少なくともいずれか推定することができる。
また、請求項3に記載の本発明の連続時間システム同定方法にあっては、バッテリのような非線形モデルに対しても、射影型連続時間システムの同定方法を適用してパラメータを推定することができる。
また、請求項4に記載の本発明の連続時間システム同定方法にあっては、バッテリの充電率、健全度、前記電流センサのオフセット電流、等価モデルでの拡散抵抗、等価モデルでの電解液の抵抗、等価モデルの拡散過程の時定数のうちの少なくともいずれか推定することができる。
本発明の実施例1の連続時間システム同定装置の構成を示すブロック図である。 閉ループ表現による実施例1の連続時間システム同定装置で実行する同定方法のアルゴリズムの安定解析を説明するための信号図である。 実施例1の連続時間システム同定装置の対象システムとしての二次バッテリのSOCとOCVの関係を示す特性図である。 対象システムとしての二次バッテリの等価回路を示す図である。 実施例1の連続時間システム同定装置で実行するパラメータ同定のためのフローチャートを示す図である。 実施例1の連続時間システム同定装置のシミュレーションに用いた入力とその出力を示す図である。 上記シミュレーションにおけるパラメータの推定値をまとめた表を示す図である。 上記シミュレーションにおける出力の測定値と推定値との比較結果を示した図である。 上記シミュレーションにおけるクーロン・カウント法によるSOCと実施例1によるSOCとの比較結果を示した図である。 実施例1におけるパラメータ推定値の反復更新0回のときの様子を示した図である。 実施例1におけるパラメータ推定値の反復更新3回のときの様子を示した図である。 実施例1におけるパラメータ推定値の反復更新6回のときの様子を示した図である。 実施例1におけるパラメータ推定値の反復更新9回のときの様子を示した図である。 実施例1におけるパラメータ推定値の反復更新15回のときの様子を示した図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。
まず、実施例1の連続時間システムの同定装置の全体構成を説明する。
この実施例1の連続時間システム同定装置および同定方法は、図1に示すように、たとえば、対象システムである二次バッテリ1に接続され、この充放電電流を検出する電流センサ2と、電流を入力したときのバッテリ1の端子電圧を検出する電圧センサ3と、マイクロコンピュータ4とを備えている。
なお、電流センサ2は本発明の入力検出部に、また、電圧センサ3は本発明の出力検出部にそれぞれ相当する。
マイクロコンピュータ4は、複数のパラメータを用いて表したバッテリ1の等価モデル(バッテリ・モデル)5と、所定時間範囲においてパラメータをもとに出力の予測値を算出する出力予測部6と、電圧センサ3で検出した出力値と出力予測部6で算出した出力の予測値との間の誤差を算出する誤差算出部7と、等価モデル5のパラメータに関する感度関数をもとに、誤差算出部7で算出した誤差が少なくなるようにパラメータを更新するパラメータ更新部8と、を備える。
なお、感度関数については、後で説明する。
出力予測部6、誤差算出部7、パラメータ更新部8におけるそれぞれの算出演算は、誤差が最小になるまで算出を繰り返し、この誤差が最小のときの感度関数を同定することで、パラメータを推定する。
次に、上記連続時間システム同定装置で実施する射影型連続時間システム同定法のアルゴリズムについて、以下に説明する。
今、pを微分演算子として、次式のような線形時不変システムを考える。
Figure 2014086313
ただし、θは、m次元数ベクトルの集合Rの要素である未知パラメータ・ベクトルであり、N(p, θ)、D(p, θ)はパラメータに関して線形であること、すなわち
Figure 2014086313
と書き表せることを仮定する。なお、Tは転置行列を意味する。
推定誤差信号e(t)を
Figure 2014086313
であると定義する。なお、文字の上の「^」は、推定値であることを意味する。
真のパラメータθ0が存在するとき、
Figure 2014086313
となる。
ここで、上記式(2)、式(3)の関係を用いれば、
Figure 2014086313
が導かれる。
したがって、基底(べクトルV)
Figure 2014086313
の張る部分空間へe(t)を射影したベクトル表現εは、
Figure 2014086313
を満たす。
しかし、基底Vは、真の対象システムG(p, θ0)を含むので、これを推定値G(p、θ^)で置き換える必要がある。
なお、推定値を表す「^」は、明細書中では、数式での表記とは異なって表記している。すなわち、「^」は、文字上に配置すべきところ、表記制約上、「^」を付けるべき文字(ここではθ)の後にずらして記載している。
このとき得られる射影のベクトル表現εはGの誤差に起因する項Δを用いて、
Figure 2014086313
となる。そこで、
Figure 2014086313
にしたがってθ^を反復更新して、推定値を決定する。
このとき、
Figure 2014086313
となり、これを変形して
Figure 2014086313
と書くことができる。
したがって、このシステムの平衡点は、θ^=θ0であり、その安定性は事変の不確かさΔを持つノミナル安定なシステムとして考察することができる。
式(14)は図2の閉ループと等価である。
なお、αは、アルゴリズムの安定性を決めるステップ幅パラメータであり、0<α<1の間で決定する。αが1に近いほど収束のスピードは速くなるが、安定性は低下する。そのため、αを適切に決定する必要がある。
言い換えると、0<α<1とするとき、システム[?α/{z?(1?α)}]×Iは安定であり、その∞ノルムは1である。したがって、スモール・ゲイン定理から、Δの最大特異値が時間によらず1以下であることが、アルゴリズムが安定となる十分条件となる。
次に、射影の実装では、時刻t(k=0,1,2,…,N)における入出力データが得られているとき、基底VDおよび推定誤差信号eDを、
Figure 2014086313
のように構成し、
Figure 2014086313
とすればよい。
ここでは、対象システムの例として、二次バッテリを取り上げる。二次バッテリを使用する場合、その時々の充電率(SOC: State of Charge)や健全度(State of Health)を知ることで、電気車両の走行条件を制御したり、警報を発したりすることが可能となる。
しかしながら、これらの値は直接検知することができないので、上記射影型連続時間システム同定法を利用する。
充電率を推定するための一般的なバッテリの等価回路モデルでは、開回路電圧(OCV: Open Circuit Voltage)と過電圧(Overpotential)の2つの要素を考える。
開回路電圧は電気化学的平衡状態における電極の電位差であり、過電圧はバッテリに電流が流れたときのバッテリ内部での反応のダイナミックスによる電圧降下である。
OCVとSOCとの間には電極の材料などによって決まる1対1の対応関係があり、この関係は温度やバッテリの劣化にほとんど依存しないことが知られている。
OCVとSOCの関係の一例を図3に示す。
SOCは、
Figure 2014086313
で求められる。
ただし、i(t)は充放電時の電流であり、充電時を正、放電時を負とする。
また、FCC0は新品時のバッテリの満充電容量(Full Charge Capacity)、SOHはバッテリの劣化の度合いを表す健全度である。さらに、dは電流センサのオフセット誤差である。
過電圧は電解液などの抵抗、電極と電解質の界面の電荷移動過程、バッテリ内部のイオンの拡散過程の3つの要素に分けることができる。
電荷移動過程は時定数が数ミリ秒の早い応答であり、拡散過程は時定数が数百秒に及ぶ遅い応答である。
ここでは、データのサンプリング周期などの関係から電荷移動過程は無視できるとし、過電圧部分のインピーダンスを
Figure 2014086313
と表現する。
ここで、sはラプラス演算子である。R0は電解液などの抵抗を表しており、Zω(s)はワールブルグ・インピーダンスと呼ばれている拡散過程のインピーダンスである。
このワールブルグ・インピーダンスは
Figure 2014086313
と表される。ここで、Rdは直流電流に対する拡散抵抗である。また、τdは拡散過程の時定数を表す量であり、lを拡散層の厚み、Dを拡散定数とすると、τd=l2/Dを満たす。
このワールブルグ・インピーダンスは、45度の位相遅れを持つことが大きな特徴である。
式(21)のインピーダンスはそのままでは扱いにくいが、等価回路を用いて近似することができる。
Figure 2014086313
のように双曲線関数の展開であるtanh(・)の連分数展開に対応する図4に示すようなキャパシタCと抵抗Rとからなるカウエル型の等価回路を扱う。ただし、
Figure 2014086313
である。
実用上は無次元のモデルを扱うことができないので、適切な次数nで打ち切ることになる。
式(22)のモデルは、等価回路の抵抗やキャパシタが2つの物理パラメータRd、τdのみで決定される点で、R1〜RnとC1〜Cnのすべてを未知数とする従来の等価回路モデルと異なっている。
図2のようなSOC−OCV特性の関数をfOCV(・)と表し、
Figure 2014086313
とすると、バッテリの端子電圧v(t)は
Figure 2014086313
と表すことができる。ただし、pは微分演算子である。
この式(26)を、電流i(t)が入力、電圧v(t)が出力であるバッテリのモデルとする。
バッテリのモデルのうち、関数fOCVは事前の実験によって得ておく。また、FCC0は既知の量である。
したがって、バッテリのモデルの未知パラメータθは、
Figure 2014086313
となる。
上記バッテリのモデルは、式(1)〜式(5)のような形式ではないので、射影型連続時間システム同定法をバッテリのモデルのパラメータ推定に直接適用することはできない。
そこで、射影型連続時間システム同定法を上記バッテリ・モデルのパラメータ推定に適用できるように上記アルゴリズムを変更する。
式(1)の両辺をθjで偏微分すると、
Figure 2014086313
が成り立つ。
したがって、射影型連続時間システム同定法における基底は
Figure 2014086313
であると解釈しなおすことで、バッテリのモデルのパラメータを推定することができる。式(29)を基底の「感度関数」と定義する。なお、感度関数の定義は式(29)の右辺の?をとったもので定義するようにしてもよい。感度関数は、勾配や傾きの一種と考えることができる。
実際に基底、すなわち感度関数を計算して行くと、
Figure 2014086313
となる。
上記v1(t)、v2(t)、v3(t)はバッテリのモデルのパラメータ推定を行うための感度関数であり、それぞれSOC、SOH、電流センサのオフセットに関する感度関数である。
ただし、us(t)は以下のような単位ステップ信号である。
Figure 2014086313
次に、Rdとτd。による微分を考える。
Figure 2014086313
を状態空間によって表現し直すと、
Figure 2014086313
となる。
ここで、状態方程式(式(38))と観測方程式(式(39))の両辺をθjで偏微分すると、
Figure 2014086313
となる。
したがって、
Figure 2014086313
の応答を計算すれば、基底
Figure 2014086313
が得られる。最後に、
Figure 2014086313
である。これらの基底を用いて、式(16)を構成することでパラメータを推定することができる。
以上の手順を、図1のマイクロコンピュータで実行されるパラメータ推定処理のための図5に示すフローチャートに基づいて説明する。
ステップS0では、事前に実験を行って、バッテリから電流および電圧の波形をサンプリングする。
次いで、ステップS1へ進む。
ステップS1では、初期化を行う。すなわち、パラメータの初期推定値θ^0を適当に決定する。ガウス・ニュートン法は、勾配法の一種であり、反復の初期値θ0の選び方によっては局所最適解に陥ってしまうことがある。
そのため、適切なθ0を選ぶことが大切である。連続時間システム同定法においては、未知パラメータ・ベクトルθに対して物理的な意味付けをすることが容易である場合が多いので、対象のシステムに関する事前情報を活かして反復の初期値を決定することが重要である。
次いで、ステップS2へ進む。
ステップS2では、ステップS2で得たパラメータの推定値θ^を用いて基底VDと推定誤差信号eDを構築する。
基底は
Figure 2014086313
である。ここで、基底ベクトルを
Figure 2014086313
のように、感度関数へと定義し直す。
また推定誤差信号は
Figure 2014086313
であり、推定電圧y^と観測した電圧yを用いると、
Figure 2014086313
である。
次いで、ステップS3へ進む。
ステップS3では、上記基底VDと推定誤差信号eDの構築が成功した否かを判定する。判定結果がYESであれば、ステップS4に進み、NOであればステップS1に戻って、初期化からやり直す。
ステップS4では、パラメータ推定値の更新を行う。すなわち、
Figure 2014086313
を用いて射影を計算する。次に、
Figure 2014086313
によってパラメータ推定値を反復更新する。
このとき、基底の一次独立性が弱まって失敗することがある。その場合には、ステップS1に戻り、別のパラメータ初期推定値θ^0を用いて同様の処理を行う。
成功したら、ステップS5へ進む。
ステップS5では、パラメータ推定値の更新が成功したか否かを判定する。判定結果がYESであれば、ステップS6へ進み、NOであればステップS1に戻って、初期化からやり直す。
ステップS6では、最終基準、すなわち収束の判定を行う。判定結果がYESすなわち、パラメータ推定値が収束していれば、更新を終了する。
ただし、収束の条件としては、たとえば以下の式を用いることができる。
Figure 2014086313
ここで、εはユーザの設定する十分に小さな数である。
一方、判定結果がNOでパラメータ推定値が収束していなければ、ステップS2に戻り、基底VDと推定誤差信号eDの構築からやり直す。
以上で、パラメータ推定処理を終える。
ここで、電気自動車の走行実験により得られた図6のような入出力データ(同図(a)が入力としての入力電流、同図(b)が出力としての出力電圧)を用いてシミュレーションでパラメータを推定した。
データのサンプリング周期は0.1秒であり、バッテリのモデルのZW(s)の次数は4とした。このときのパラメータの推定結果を表にして図7に示す。この表から物理的にこれらのパラメータの値は妥当であると考えられる。
また、観測された出力と実施例1のモデル出力との比較結果を、図8(測定結果を実線で、推定結果を破線で示す)に示し、またクーロン・カウント法により得たSOCと実施例1で推測したSOCとの比較結果を図9(クーロン・カウント法による結果を実線で、推定結果を破線で示す)に示した。
これらの結果をみると、慨形は捉えられているものの前半部分で誤差が生じていることが分かる。これは実験の間にバッテリの特性が変化してしまった可能性が考えられ、これを考慮するようにすれば、推定精度をより高くすることが可能となる。
ここで、パラメータ推定値の反復更新回数の様子を、出力電圧(下記各図中の(a))とSOC(下記各図中の(b))について、測定結果を実線で、推定結果を破線でそれぞれに示す。
図10は反復0回のとき、図11は反復3回のとき、図12は反復6回のとき、図13は反復9回のとき、図14は反復15回のときの結果を示す。
これらの図から分かるように、推定の反復更新を繰り返すことで推定精度が次第に高まっていく。したがって、実施例1における推定の反復更新は、推定精度の向上に効果があることが分かる。
以上、説明したように、実施例1の連続時間システムのパラメータ同定装置およびその推定方法は、バッテリのような非線形モデルに対しても、射影型連続時間システムの同定方法を適用してパラメータを推定することができる。
また、バッテリ1に適用すると、バッテリ1の充電率、健全度、前記電流センサのオフセット電流、バッテリ・モデル5での拡散抵抗、バッテリ・モデル5での電解液の抵抗R0、バッテリ・モデルでの拡散過程の時定数のうちの少なくともいずれかを一挙に同時推定することができる。
以上、本発明を上記実施例に基づき説明してきたが、本発明は上記実施例に限られず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で設計変更等があった場合でも、本発明に含まれる。
たとえば、本発明の連続時間システムのパラメータ同定装置およびその推定方法は、バッテリ以外の非線形モデルにも適用することができる。
1 バッテリ(対象システム)
2 電流センサ(入力検出部)
3 電圧センサ(出力検出部)
4 マイクロコンピュータ
5 バッテリ・モデル(等価モデル)
6 出力予測部
7 誤差算出部
8 パラメータ更新部

Claims (4)

  1. 対象システムを、複数のパラメータを用いて表した等価モデルと、
    前記対象システムへの入力値を検出する入力検出部と、
    所定時間範囲において前記入力を入力したときの前記対象システムの出力値を検出する出力検出部と、
    前記所定時間範囲において前記パラメータと前記等価モデルをもとに前記出力の予測値を算出する出力予測部と、
    前記出力検出部で検出した出力値と前記出力予測部で算出した予測値との間の誤差を算出する誤差算出部と
    前記等価モデルのパラメータに関する感度関数(∂y^(t,θ)/∂θjの偏微分で定義され、y^は推定出力、tは時間、θはパラメータ・ベクトルである)をもとに、前記誤差算出部で算出した誤差が少なくなるように前記パラメータを更新するパラメータ更新部と、
    を備え、
    前記出力予測部、前記誤差算出部、前記パラメータ更新部におけるそれぞれの算出演算を前記誤差が最小になるまで算出を繰り返し、該誤差が最小のときのパラメータにより前記パラメータを同定するようにした、
    ことを特徴とする連続時間システムのパラメータ同定装置。
  2. 請求項1に記載の連続時間システムのパラメータ同定装置において、
    前記対象システムは、二次バッテリであり、
    前記等価モデルは、バッテリ・モデルであり、
    前記入力検出部は、前記二次バッテリの充放電電流を検出する電流センサであり、
    前記出力検出部は、前記二次バッテリの端子電圧を検出する電圧センサであり、
    前記パラメータは、前記二次バッテリの充電率、健全度、前記電流センサのオフセット電流、前記バッテリ・モデルでの拡散抵抗、前記バッテリ・モデルでの電解液の抵抗、前記バッテリ・モデルでの拡散過程の時定数のうちの少なくともいずれかを含む、
    ことを特徴とする連続時間システムのパラメータ同定装置。
  3. 対象システムへの入力値を検出し、
    所定時間範囲において前記入力値を入力したときの前記対象システムの出力値を検出し、
    前記所定時間範囲において前記対象システムの等価モデルで用いるパラメータと前記等価モデルをもとに前記出力の予測値を算出し、
    前記検出した出力値と前記算出した予測値との間の誤差を算出し、
    前記等価モデルの前記パラメータの感度関数(∂y^(t,θ)/∂θjの偏微分で定義され、y^は推定出力、tは時間、θはパラメータ・ベクトルである)をもとに、前記誤差が少なくなるように前記パラメータを更新し、
    前記出力予測値の算出、前記誤差の算出、前記パラメータの更新を前記誤差が最小になるまで算出を繰り返し、該誤差が最小のときのパラメータにより前記パラメータを同定するようにした、
    ことを特徴とする連続時間のパラメータシステム同定方法。
  4. 請求項3に記載の連続時間のパラメータシステム同定方法において、
    前記対象システムは、二次バッテリであり、
    等価モデルが、バッテリ・モデルであり、
    前記等価モデルは、バッテリ・モデルであり、
    前記入力検出部は、前記二次バッテリの充放電電流を検出する電流センサであり、
    前記出力検出部は、前記二次バッテリの端子電圧を検出する電圧センサであり、
    前記パラメータは、前記二次バッテリの充電率、健全度、前記電流センサのオフセット電流、前記バッテリ・モデルでの拡散抵抗、前記バッテリ・モデルでの電解液の抵抗、前記バッテリ・モデルでの拡散過程の時定数のうちの少なくともいずれかを含む、
    ことを特徴とする連続時間のパラメータシステム同定方法。
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