JP2014085638A - ハードコートフィルム - Google Patents

ハードコートフィルム Download PDF

Info

Publication number
JP2014085638A
JP2014085638A JP2012237045A JP2012237045A JP2014085638A JP 2014085638 A JP2014085638 A JP 2014085638A JP 2012237045 A JP2012237045 A JP 2012237045A JP 2012237045 A JP2012237045 A JP 2012237045A JP 2014085638 A JP2014085638 A JP 2014085638A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hard coat
meth
acrylate
coat film
coat layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012237045A
Other languages
English (en)
Inventor
Kyoichi Suzuki
教一 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujicopian Co Ltd
Original Assignee
Fuji Kagakushi Kogyo Co Ltd
Fujicopian Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Kagakushi Kogyo Co Ltd, Fujicopian Co Ltd filed Critical Fuji Kagakushi Kogyo Co Ltd
Priority to JP2012237045A priority Critical patent/JP2014085638A/ja
Publication of JP2014085638A publication Critical patent/JP2014085638A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paints Or Removers (AREA)
  • Surface Treatment Of Optical Elements (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

【課題】携帯電話やスマートフォン、タブレット端末などのタッチパネル用表面部材として、高い透明性と防指紋性能を有するハードコートフィルムを提供する。
【解決手段】基材の少なくとも一方の面にハードコート層を設けたハードコートフィルムにおいて、前記ハードコート層が
(a)電離放射線により重合する化合物
(b)電離放射線により重合する疎水性の多官能高分子樹脂
(c)物理気相合成法により作製した真球状シリカ粒子
を少なくとも含有する塗液を基材に塗布乾燥した後、電離放射線を照射することで硬化してなるハードコート層であることを特徴とするハードコートフィルム。
さらには、前記真球状シリカ粒子の平均粒径が10nm〜30nmであることを特徴とするハードコートフィルム。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ハードコートフィルムに関する発明であって、指紋が付きにくい表面処理が施された、即ち防指紋性を付与された透明タイプのハードコートフィルムに関する。
近年、画像表示素子としての液晶表示装置である情報端末が普及している。これらの情報端末などの入力装置として、液晶表示素子の上に透明タッチパネルを載せたもの、特に価格などの点から抵抗膜方式のタッチパネルが一般的に用いられており、このようなタッチパネルの表面部材としてハードコートフィルムが用いられている。また、携帯電話やスマートフォン、タブレット端末などのモバイル機器の最表面に、傷付き防止を目的としてハードコートフィルムが粘着層を介して貼着されるケースも多く見受けられる。
このようなハードコートフィルムは、操作者が直接手で触れる部分に使われるため、皮脂汚れ、特に指紋が付着して、画像が見難くなったり、見映えが悪くなったりすることがある。
そこで、ハードコート層上に防汚層を設けたハードコートフィルム(特許文献1)などが提案されている。また、フッ素系材料を含有するハードコート層とすることで指紋の拭取り性を向上させたハードコートフィルム(特許文献2)やハードコート層に電離放射線により重合する疎水性の多官能高分子樹脂と電離放射線により重合する親水部を有する多官能高分子樹脂を含有することで、高いハードコート性能と防指紋性能を両立させたハードコートフィルム(特許文献3)も提案されている。
しかしながら、特許文献1のハードコートフィルムでは、ハードコート層が最表面とならないために十分な表面硬度が得られず、また、防汚層を形成するための工数が増えるなどの問題があった。また、特許文献2のハードコートフィルムの場合、一定の汚れ付着低減効果はあるものの、完全に付着が防止できるものではなく、表面に弾かれたまま残存した指紋は光による乱反射を受けて、かえって外観上汚れが目立ちやすくなり、実用上満足できるものではなかった。さらに、特許文献3のハードコートフィルムでは、ハードコート層表面に付着した指紋の皮脂や油分が表面に薄く押し広げられることで指紋が目立ちにくくはなるものの、いまだに満足行くものとは言い難かった。
特開2003−94588 特開平10−110118 特開2012−116007
本発明が解決しようとする課題は、携帯電話やスマートフォン、タブレット端末などのタッチパネル用表面部材として、高い透明性と防指紋性能を有するハードコートフィルムを提供するものである。
第1発明は、基材の少なくとも一方の面にハードコート層を設けたハードコートフィルムにおいて、前記ハードコート層が
(a)電離放射線により重合する化合物
(b)電離放射線により重合する疎水性の多官能高分子樹脂
(c)物理気相合成法により作製した真球状シリカ粒子
を少なくとも含有する塗液を基材に塗布乾燥した後、電離放射線を照射することで硬化してなるハードコート層であることを特徴とするハードコートフィルムである。
第2発明は、前記真球状シリカ粒子の平均粒径が10nm〜30nmであることを特徴とする第1発明記載のハードコートフィルムである。
第3発明は、前記真球状シリカ粒子の含有量がハードコート層中の5重量%〜35重量%であることを特徴とする第1および第2発明記載のハードコートフィルムである。
第4発明は、前記疎水性の多官能高分子樹脂がポリブタジエン骨格を有するウレタンアクリレ−トであることを特徴とする第1〜第3発明記載のハードコートフィルムである。
本発明によれば、携帯電話やスマートフォン、タブレット端末などのタッチパネル用表面部材として、高い透明性と防指紋性能を有するハードコートフィルムを提供することができる。
本発明で使用するハードコ−トフィルムの基材は、各種のプラスチックからなるフィルムであれば、特に限定されない。例えば、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、フッ素樹脂、ポリフェニレンオキサイド、ポリイミド、ポリアミドイミド、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、セルロース系樹脂等よりなるフィルムが例示されるが、これらに限定されるものではない。取り扱い性、貼着層との接着力の向上、コストの面より、好ましくはポリエステルフィルムを用いるとよい。基材の厚みは、用途に応じて適宜選択すればよいが、通常4〜400μmの範囲のものを用いる。
本発明のハードコート層を形成する塗液には、電離放射線により重合する化合物を含有する。電離放射線により重合する化合物としては、ラジカル重合反応を形成する(メタ)アクリロイル基を有する化合物や、カチオン重合反応を形成する化合物であることが好ましい。(メタ)アクリロイル基を有する化合物としては分子内に(メタ)アクリロイル基を1以上有する化合物を意味し、モノマーであっても、オリゴマーであってもよく、またその両方を含んでもよい。
本発明では、アクリロイル基とメタアクリロイル基を総称して、(メタ)アクリロイル基という。すなわち、(メタ)アクリロイル基を有する化合物とは、アクリロイル基のみを有する化合物であってもよく、メタアクリロイル基のみを有する化合物であってもよく、アクリロイル基とメタアクリロイル基との両方を有するものであってもよい。また、以下に記載する(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸エステルについても同様である。
本発明に係る(メタ)アクリロイル基を有する化合物としては、例えば、以下に記載する多官能(メタ)アクリレートや単官能(メタ)アクリレートのモノマー又はオリゴマーが挙げられる。
多官能(メタ)アクリレートとしては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、エチレングルコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングルコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングルコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングルコールジ(メタ)アクリレート、ビス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、及びこれらの出発アルコール類へのエチレンオキシド又はプロピレンオキシド付加物のポリ(メタ)アクリレート類、分子内に2以上の(メタ)アクリロイル基を有するオリゴエステル(メタ)アクリレート類、オリゴエーテル(メタ)アクリレート類、オリゴウレタン(メタ)アクリレート類、及びオリゴエポキシ(メタ)アクリレート類等を挙げることができる。
単官能(メタ)アクリレートとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、アクリロニトリル、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、n−ステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノールエチレンオキサイド変性(n=2)(メタ)アクリレート、ノニルフェノールプロピレンオキサイド変性(n=2.5)(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルフタレート等のフタル酸誘導体のハーフ(メタ)アクリレート、フルフリル(メタ)アクリレート、カルビトール(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート2−アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェートモノエステル、シクロヘキサンジメタノールモノアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、4−グリシジルオキシブチルアクリレート、ダイアセトンアクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、アクリロイルモルホリン、フェノキシ基含有アクリレート等が挙げられる。
これらの(メタ)アクリロイル基を有する化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合してもよい。
一方、カチオン重合反応を形成する化合物としては、エポキシ系樹脂が通常使用される。このエポキシ系樹脂としては、例えばビスフェノール樹脂やノボラック樹脂などの多価フェノール類にエピクロルヒドリンなどでエポキシ化した化合物、直鎖状オレフィン化合物や環状オレフィン化合物を過酸化物などで酸化して得られた化合物などが挙げられる。
電離放射線重合反応に用いられる光重合開始剤としては、ラジカル重合型の化合物に対しては、例えばベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−2(ヒドロキシ−2−プロプル)ケトン、ベンゾフェノン、p−フェニルベンゾフェノン、4,4'−ジエチルアミノベンゾフェノン、ジクロロベンゾフェノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−ターシャリ−ブチルアントラキノン、2−アミノアントラキノン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタール、p−ジメチルアミン安息香酸エステルなどが挙げられる。また、カチオン重合型の化合物に対する光重合開始剤としては、例えば芳香族スルホニウムイオン、芳香族オキソスルホニウムイオン、芳香族ヨードニウムイオンなどのオニウムと、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェート、ヘキサフルオロアンチモネート、ヘキサフルオロアルセネートなどの陰イオンとからなる化合物が挙げられる。これらは1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、また、その配合量は、重合性化合物100質量部に対して、通常0.2〜10質量部の範囲で選ばれる。
前記電離放射線硬化性化合物以外にもハードコート性を大きく損なわない範囲で熱可塑性ポリマーを添加することができる。該熱可塑性ポリマーとしては、例えばアクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ブチラール系樹脂、ゼラチン、セルロース系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ウレタン系樹脂等が挙げられる。
さらに、必要に応じて、消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、界面活性剤、有機系潤滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、発泡剤、染料、顔料、帯電防止剤などを含有していてもよい。
本発明のハードコート層を形成する塗液には物理気相合成法により作製した真球状シリカ粒子を含有する。物理気相合成法により作製したシリカ粒子はアスペクト比が小さい真球状の形状であり、透明性を損なうことなく表面に微細な凹凸形状を付与できるため、特に優れた防指紋効果が得られるからである。なお、高温加水分解法により得られる気相法シリカでは比表面積が大きく、かつ、真球状ではないため、ハードコート層に曇りが生じやすく透明性に劣るため好ましくない。また、ゾルゲル法により作製されたシリカの場合、物理気相合成法により作製した真球状シリカ粒子と比較すると、シリカ粒子自体が多孔質な形状であることから、ハードコート層表面に形成される微細な凹凸形状が粗くなり、防指紋効果や透明性が劣り好ましくない。
本発明の物理気相合成法により作製した真球状シリカ粒子の平均粒径は10nm〜30nm、より好ましくは10nm〜25nmであることが好ましい。10nm未満の平均粒径では、透明性に優れるものの高い防指紋効果を得ることが出来ず、30nmよりも大きい粒子であれば、防指紋性に優れるものの透明性が低下するため好ましくない。
また、前記物理気相合成法により作製した真球状シリカ粒子の含有量をハードコート層中の5重量%〜35重量%とすることで、高い透明性と防指紋効果とを両立したハードコートフィルムが得られる。5重量%未満では十分な防指紋性(視認性)を得ることが出来ず、35重量%を超えると高い透明性が得られなくなる場合があり好ましくない。なお、高い透明性と防指紋効果とを両立するより好ましい真球状シリカ粒子の含有量は、5重量%〜25重量%である。
ハードコート層に用いられる電離放射線により重合する化合物の一部を、疎水性の多官能高分子樹脂とすることにより、ハードコート層に防指紋性を付与することができる。ハードコート層の表面に皮脂や油分が付着すると、一点に付着した皮脂や油分は表面に薄く押し広げられ、人間の視力では皮脂や油分の外周部の境界が識別できなくなり、あたかも皮脂や油分が付着していないように視認されるものである。
また、皮脂や油分の付着量が非常に多く、厚く重なって、薄く押し広げられる効果が直ぐに現れない場合でも、付着した皮脂や油分を拭き取りその付着量を少なくすると、薄く押し広げられ付着していないように視認される。このように、皮脂や油分を拭き取ることによって見えなくするという、拭き取りによる防指紋性も付与される。
疎水性の多官能高分子樹脂は、ハードコート層に用いられる主成分の電離放射線により重合する化合物と同じく、ラジカル重合反応を形成する(メタ)アクリロイル基を有する化合物や、カオチン重合反応を形成する化合物であることが好ましい。また、これらの疎水性の多官能高分子樹脂は、主成分の化合物と同種のものを用いることがより好ましい。同種のものを用いることにより、ハードコート層内での重合反応による結合を強固にでき、ハードコ−トの効果をより高めることができる。
疎水性の多官能高分子樹脂は、アルキル基、フェニル基、ニトロ基などの親油性の官能基を有する化合物でも良いが、ブタジエン骨格を有するウレタンアクリレ−トが、防指紋性の向上のためにより好ましい。
ハードコート層に含有される疎水性の多官能高分子樹脂の含有量は、ハードコート層中の0.1〜8重量%が好ましく、より好ましくは0.2〜8重量%、さらに好ましくは0.2〜1重量%である。0.1重量%未満では十分な防指紋効果が得られず、8重量%を超えるとハードコート層に十分な硬度が得られなくなるばかりでなく、透明性が低下する場合があり好ましくない。
ハードコート塗膜の厚みは1μm以上20μm以下、好ましくは3μm以上15μm以下であることが好ましい。1μm未満ではハードコート性が十分得られず、塗膜に傷がつきやすい。一方、20μmを超えるとコストアップにつながる。また、両側にハードコートを塗工する場合、その両層の膜厚差は30%以内に抑えることが好ましい。該範囲を超えると、ハードコートフィルムのカールが大きくなることで、次工程以降の取り扱い性に悪影響する可能性や、タッチパネルを組んだ際にタッチパネル機能に悪影響を及ぼす可能性がある。
本発明を以下の実施例に従って、さらに具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
[疎水性多官能高分子樹脂の合成]
5リットルの4つ口フラスコにポリブタジエングリコ−ル(日本曹達製、商品名NISSO PB G−3000、数平均分子量2600〜3200)を1943重量部、ジラウリン酸ジ−n−ブチル錫を0.2重量部、2,6−ジ−ターシャリブチル−4−メチルフェノ−ルを0.7重量部入れ、50℃で攪拌しつつ、イソホロンジイソシアネ−ト(住友バイエル社製、商品名デスモジュ−ルI)289重量部を4時間にわたって滴下した。
滴下終了後50℃で攪拌しながら、3時間反応を続行したのち、さらに、50℃で攪拌しつつ、ペンタエリスリトールトリアクリレート388重量部を2時間にわたって滴下し、滴下終了後70℃で攪拌しながら、5時間反応を続行し、ポリブタジエン骨格を有するウレタンアクリレートA(疎水性多官能高分子樹脂)を得た。
[物理気相合成法による真球状シリカ粒子の作製]
珪素原料を消費アノード電極とし、カソード電極からアーク放電により生じたアルゴンガスのプラズマフレームを発生させ、前記珪素原料を加熱蒸発させ、そのプラズマ状態の珪素を酸化、冷却する方法(直流アークプラズマ法)により、平均粒子径が25nmの真球状シリカ粒子Bを作製した。また、加熱温度を変更することで平均粒子径が10nmの真球状シリカ粒子Cを作製した。
[物理気相合成法による真球状アルミナ粒子の作製]
アーク放電式プラズマ発生装置を用い、アーク放電により生じたプラズマフレームで、アノードとしてチャンバー内に設置したアルミニウム金属棒を蒸発させ、発生したアルミニウム蒸気を酸化して、α−アルミナ粒子粉末を得た。次いで、ロータリーキルンを用いて、上記のγ−アルミナ粒子粉末を1250℃の温度で20分間焼成し、平均粒径が30nmの真球状アルミナ粒子Dを作製した。
[ハードコートフィルムの形成]
上記で合成したポリブタジエン骨格を有するウレタンアクリレートAと物理気相合成法により作製した真球状シリカ粒子BもしくはCを用いて、ハードコート層の固形分比率として表1に示す配合比率となるよう各ハードコート塗液を調整し、厚さ100μmの光学PETの片面に表1の各ハードコート塗液を塗布乾燥した後、それぞれ積算光量500mj/cmの紫外線を照射し、塗膜を硬化させて厚み7μmのハードコート層 を形成して、実施例1〜8と比較例1〜4のハードコートフィルムを作製した。
[ハードコート塗液]
Figure 2014085638

表中の各成分の材料名
※1:A−9550(ジペンタエリストールヘキサアクレート 新中村化学製)とUA−53(ウレタンアクリレートオリゴマー 新中村化学製)の1:1混合物
※2:ポリブタジエン骨格を有するウレタンアクリレートA
※3:物理気相合成法により作製した真球状シリカ粒子B 平均粒径25nm
※4:物理気相合成法により作製した真球状シリカ粒子C 平均粒径10nm
※5:湿式法により作製したシリカ(MEK−ST 日産化学製) 平均粒径15nm
※6:物理気相合成法により作製した真球状アルミナ粒子D 平均粒径25nm
※7:高温加水分解法により得られる気相法シリカ(アエロジル130 日本アエロジル製) 平均粒径16nm
※8:イルガキュア184(光開始剤、チバスペシャリティケミカル製)
以上の様にして作製したハードコートフィルムについて以下の評価を行った。評価項目および評価基準は以下の通りである。
1.防指紋性評価(視認性評価)
ハードコ−ト層面上に右手人差し指の指先を押しあてて指紋をつけ、黒地にのせて目視で指紋の付着度合いを確認した。指先を押し付ける順番により指紋の濃淡差が発生することを避けるために、指先をハードコ−ト面上に押し付ける前に、必ず右手人差し指と右手の他の指先又は左手の掌を擦り合わせた。評価基準は、下記の通りである。
○:指紋が目立たない。
△:指紋がほとんど目立たない。
△×:指紋が若干目立つ。
×:指紋が目立つ。
2.防指紋性評価(拭き取り性評価)
視認性評価と同様の方法で、ハードコート層面上に指紋をつけた。次いで、綿布で拭き取りを行い、拭き取り後の指紋の残り度合いで拭取りやすさを評価した。評価基準は下記の通りである。
○:指紋が見えない。
△:指紋が若干残っている。
×:指紋が残っている。
3.全光線透過率
日本電色工業製ヘイズメーターNDH2000を用い、JIS−K7361−1:1997に基づき測定した。なお、光はハードコート層面側から入射させて測定した。
4.ヘイズ
日本電色工業製ヘイズメーターNDH2000を用い、JIS−K7105:1981に基づき測定した。なお、光はハードコート層面側から入射させて測定した。
5.耐スチールウール硬度
スチールウール(#0000)に、500gf/cmの加重をかけ、ハードコ−ト層上をストロ−ク幅30mmで、14秒間に10往復させた後、ハードコ−ト層の傷を評価した。評価基準は、下記の通りである。
○:傷跡が全く見えない
△:傷跡が薄く見える
×:傷跡がはっきり見える
6.鉛筆硬度
JIS−K5600−5−4に基づき、ハードコート層の鉛筆硬度を測定した。
測定結果および評価結果を表2にまとめた。
Figure 2014085638

Claims (4)

  1. 基材の少なくとも一方の面にハードコート層を設けたハードコートフィルムにおいて、前記ハードコート層が
    (a)電離放射線により重合する化合物
    (b)電離放射線により重合する疎水性の多官能高分子樹脂
    (c)物理気相合成法により作製した真球状シリカ粒子
    を少なくとも含有する塗液を基材に塗布乾燥した後、電離放射線を照射することで硬化してなるハードコート層であることを特徴とするハードコートフィルム。
  2. 前記真球状シリカ粒子の平均粒径が10nm〜30nmであることを特徴とする請求項1記載のハードコートフィルム。
  3. 前記真球状シリカ粒子の含有量がハードコート層中の5重量%〜35重量%であることを特徴とする請求項1および2記載のハードコートフィルム。
  4. 前記疎水性の多官能高分子樹脂がポリブタジエン骨格を有するウレタンアクリレ−トであることを特徴とする請求項1〜3記載のハードコートフィルム。
JP2012237045A 2012-10-26 2012-10-26 ハードコートフィルム Pending JP2014085638A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012237045A JP2014085638A (ja) 2012-10-26 2012-10-26 ハードコートフィルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012237045A JP2014085638A (ja) 2012-10-26 2012-10-26 ハードコートフィルム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014085638A true JP2014085638A (ja) 2014-05-12

Family

ID=50788704

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012237045A Pending JP2014085638A (ja) 2012-10-26 2012-10-26 ハードコートフィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2014085638A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019131701A1 (ja) * 2017-12-26 2019-07-04 東洋インキScホールディングス株式会社 活性エネルギー線硬化型ハードコート剤および積層体

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000258606A (ja) * 1999-03-09 2000-09-22 Fuji Photo Film Co Ltd 防眩性反射防止フィルムおよび画像表示装置
JP2000319633A (ja) * 1999-05-12 2000-11-21 C I Kasei Co Ltd エポキシ樹脂系封止材料用シリカ系充填材
JP2000336155A (ja) * 1999-05-27 2000-12-05 C I Kasei Co Ltd エチレングリコールスラリーおよびその製造方法
JP2003236991A (ja) * 2002-02-15 2003-08-26 Catalysts & Chem Ind Co Ltd 反射防止膜付基材
JP2007086764A (ja) * 2005-08-25 2007-04-05 Fujifilm Corp 光学フィルム、偏光板、および画像表示装置
JP2007240707A (ja) * 2006-03-07 2007-09-20 Konica Minolta Opto Inc 防眩性反射防止フィルムの製造方法、防眩性反射防止フィルム及び画像表示装置
JP2012116007A (ja) * 2010-11-29 2012-06-21 Fujicopian Co Ltd ハードコートフィルム
JP2012173411A (ja) * 2011-02-18 2012-09-10 Seiko Epson Corp 光学物品

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000258606A (ja) * 1999-03-09 2000-09-22 Fuji Photo Film Co Ltd 防眩性反射防止フィルムおよび画像表示装置
JP2000319633A (ja) * 1999-05-12 2000-11-21 C I Kasei Co Ltd エポキシ樹脂系封止材料用シリカ系充填材
JP2000336155A (ja) * 1999-05-27 2000-12-05 C I Kasei Co Ltd エチレングリコールスラリーおよびその製造方法
JP2003236991A (ja) * 2002-02-15 2003-08-26 Catalysts & Chem Ind Co Ltd 反射防止膜付基材
JP2007086764A (ja) * 2005-08-25 2007-04-05 Fujifilm Corp 光学フィルム、偏光板、および画像表示装置
JP2007240707A (ja) * 2006-03-07 2007-09-20 Konica Minolta Opto Inc 防眩性反射防止フィルムの製造方法、防眩性反射防止フィルム及び画像表示装置
JP2012116007A (ja) * 2010-11-29 2012-06-21 Fujicopian Co Ltd ハードコートフィルム
JP2012173411A (ja) * 2011-02-18 2012-09-10 Seiko Epson Corp 光学物品

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019131701A1 (ja) * 2017-12-26 2019-07-04 東洋インキScホールディングス株式会社 活性エネルギー線硬化型ハードコート剤および積層体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6243983B2 (ja) 透明導電膜付き基材及びタッチパネル
TWI356770B (en) Hard coat film
JP6115650B2 (ja) 光学用シートおよび導電性シート、並びに前記光学用シートを備える表示装置
KR101470463B1 (ko) 하드코팅 필름
KR101415841B1 (ko) 하드코팅 필름
JP5201369B2 (ja) ハードコートフィルム
CN113448001B (zh) 硬质涂膜、偏光板、硬质涂膜加工品、显示部件
JP2008197320A (ja) 防眩性コーティング組成物、防眩フィルムおよびその製造方法
JP2011098563A (ja) 透明導電性フィルム
JP5020913B2 (ja) タッチパネル又はディスプレイ用ハードコートフィルム
JP6577768B2 (ja) ハードコートフィルム、これを用いた偏光板、ディスプレイ部材及び表示装置
JP2010208035A (ja) 光学フィルム及びその製造方法
JP5769625B2 (ja) ディスプレイ用フィルム及びその製造方法
JP2010042671A (ja) ニュートンリング防止シート、およびこれを用いたタッチパネル
JP5825055B2 (ja) 反射防止体、静電容量式タッチパネルおよび静電容量式タッチパネル付き表示装置
JP2009287017A (ja) 活性エネルギー線硬化性樹脂組成物、硬化物及び物品
JP2013075955A (ja) ハードコートフィルム
KR20160080549A (ko) 광경화성 점착 조성물 및 이를 이용한 비산방지필름
KR20180041531A (ko) 광경화성 코팅 조성물, 이를 이용하는 코팅막 형성 방법 및 이를 이용하는 코팅막 형성 장치
CN1647016A (zh) 笔输入装置用表面材料和笔输入装置
JP2008036927A (ja) 耐擦傷性樹脂板及びそれを用いた携帯型情報端末の表示窓保護板
JP5701698B2 (ja) ハードコートフィルム
JP2014085638A (ja) ハードコートフィルム
JP3959286B2 (ja) ハードコートフィルム
JP2016090728A (ja) ハードコートフィルム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20151008

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160622

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160704

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160831

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170201

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170327

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20170904