JP2014085164A - 気体溶存量測定装置および液体圧縮率測定装置 - Google Patents

気体溶存量測定装置および液体圧縮率測定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】液体の気体溶存量および圧縮率を測定する技術を提供する。
【解決手段】測定対象の液体の気体溶存量を測定する気体溶存量測定装置であって、流路抵抗を有する流路と、流路の一端と連通する所定容積の液体収容室液体収容室の内部圧力を変更する圧力変更手段と、流路と液体収容室とに液体を収容した状態で、圧力変更手段の動作にともなう液体収容室内の液体の挙動を測定する測定部と、液体の挙動に基づいて、気体溶存量を取得する取得部とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、液体の気体溶存量や圧縮率を測定する技術に関する。
従来、測定対象の液体の物性的な情報を取得する技術として、例えば、下記特許文献1の技術が知られている。特許文献1には、測定対象の液体(文献中では有機溶媒)の気化によって生成された気相に含有する水分量や酸素量から、測定対象の液体中の水分量や酸素量を推定する技術が開示されている。
特開平7−243743号公報
しかし、特許文献1の技術では、原理的に測定対象の液体が気化することによって気相が生成されていないと測定することができず、測定できる対象や環境が制限されるといった問題が指摘されていた。また、測定システムが全体として大型化してしまうといった問題も指摘されていた。その他、気体溶存量を測定する場合においては、低コスト化、省資源化、製造の容易化、使い勝手の向上等が望まれていた。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、測定対象の液体の気体溶存量を測定する気体溶存量測定装置が提供される。この気体溶存量測定装置は、流路抵抗を有する流路と;前記流路の一端と連通する所定容積の液体収容室と;前記液体収容室の内部圧力を変更する圧力変更手段と;前記流路と前記液体収容室とに前記液体を収容した状態で、前記圧力変更手段の動作にともなう前記液体収容室内の液体の挙動を測定する測定部と;前記液体の挙動に基づいて、前記気体溶存量を取得する取得部と;を備えるとしてもよい。この気体溶存量測定装置によると、液体から状態変化した状態(例えば気体)を介さず直接的に測定を行うことができる。よって、測定対象や測定環境に関する制限を緩和することができる。液体の挙動とは、液体の流量、流速、圧力振動周期、移動度など、液体に関する種々のパラメーターを採用することができる。
(2)上記実施形態の気体溶存量測定装置において、前記液体の挙動は、前記圧力振動の周期であるとしてもよい。この気体溶存量測定装置によれば、液体の挙動として、液体の圧力振動の周期を測定するので、比較的容易に測定をすることができる。その他、液体の挙動として、圧力振動の1/4周期分や1/2周期分の圧力変動を測定し、その測定結果から、その後の圧力振動の波形を推測し、周期を取得するとしてもよい。
(3)上記実施形態の気体溶存量測定装置において、前記圧力変更手段は、圧電素子を備え、前記圧電素子の歪力によって前記液体収容室の内部圧力を変更するとしてもよい。この気体溶存量測定装置によれば、圧電素子によって液体収容室の圧力を変化させるので、圧力変化を電気的に制御することができる。その他、圧力変更手段として、磁歪素子を用いるとしてもよい。
(4)上記実施形態の気体溶存量測定装置において、前記圧電素子は、さらに、前記液体収容室の圧力変化によって歪み;前記測定部は、前記圧電素子の歪みに基づいて前記液体の挙動を測定するものとしてもよい。この気体溶存量測定装置によると、圧力の変更と、液体の挙動の測定とを、同じ圧電素子によって行うことができる。
(5)上記実施形態の気体溶存量測定装置において、前記液体は、容器に収容され;前記流路の他端は、前記容器と接続されているとしてもよい。この気体溶存量測定装置によれば、容器に収容された液体の気体溶存量を測定することができる。
(6)上記実施形態の気体溶存量測定装置において、前記流路の他端は、前記容器と着脱可能に接続されるとしてもよい。この気体溶存量測定装置によれば、容器に着脱可能なので、簡易に気体溶存量を測定することができる。
(7)また、本発明の他の形態によれば、気体溶存量測定装置を用いた水処理装置が提供される。この水処理装置によれば、液体から状態変化した状態を介さず直接的に測定を行うことができる。よって、測定対象や測定環境に関する制限を緩和することができる。
(8)また、本発明の他の形態によれば、測定対象の液体の圧縮率を測定する液体圧縮率測定装置を提供することができる。この液体圧縮率測定装置は、流路抵抗を有する流路と;前記流路の一端と連通する所定容積の液体収容室と;前記液体収容室の内部圧力を変更する圧力変更手段と;前記流路と前記液体収容室とに前記液体を収容した状態で、前記圧力変更手段の動作にともなう前記液体収容室内の液体の挙動を測定する測定部と;前記液体の挙動に基づいて、前記液体の圧縮率を取得する取得部と;を備える。この液体圧縮率測定装置によると、液体の挙動に基づいて液体の圧縮率を取得するので、実際に液体を加圧して、加圧前後の体積から圧縮率を取得する場合と比較して、構造および測定方法を簡易化することができる。
上述した本発明の各形態の有する複数の構成要素はすべてが必須のものではなく、上述の課題の一部又は全部を解決するため、あるいは、本明細書に記載された効果の一部又は全部を達成するために、適宜、前記複数の構成要素の一部の構成要素について、その変更、削除、新たな他の構成要素との差し替え、限定内容の一部削除を行うことが可能である。また、上述の課題の一部又は全部を解決するため、あるいは、本明細書に記載された効果の一部又は全部を達成するために、上述した本発明の一形態に含まれる技術的特徴の一部又は全部を上述した本発明の他の形態に含まれる技術的特徴の一部又は全部と組み合わせて、本発明の独立した一形態とすることも可能である。
また、このような形態によれば、装置の小型化や、低コスト化、省資源化、製造の容易化、使い勝手の向上等の種々の課題の少なくとも1つを解決することができる。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能である。例えば、液体物性測定装置、液体物性測定方法、水質測定装置、水質測定方法などの形態で実現することができる。本発明を、例えば、工業用水製造装置や生活用水製造装置、工業用水処理装置、下水道処理装置など様々な水処理装置の気体溶存量測定装置に適用することができ、特に低コストな水処理装置を提供することができる。
測定システム10を説明する説明図である。 駆動回路50の構成を説明するブロック図である。 圧力信号Vpおよび検出信号DSを示した説明図である。 実測による気体溶存量と固有振動周期Tとの関係を示すグラフである。 変形例2としての気体溶存量測定装置の態様を示す説明図である。
A.第1実施形態:
(A1)システム構成:
図1は、本発明の第1実施形態としての気体溶存量測定装置30を用いた測定システム10を説明する説明図である。気体溶存量測定装置30は、液体中に溶存している気体の量を測定する装置である。
測定システム10は、測定対象の液体Lqが収容された容器20と、気体溶存量測定装置30とを備える。本実施形態においては、容器20に収容されている液体Lqは水である。また、本実施形態においては、液体Lqに溶存している気体は、酸素、窒素、水素などの種々の気体、または、これらが混合された気体である。
気体溶存量測定装置30は、筐体32と、流路34と、ダイアフラム36と、圧電素子38と、駆動回路50とを備える。筐体32は、内部にポンプ室40を有する。ポンプ室40は、筐体32の内壁とダイアフラム36とによって形成される。流路34は、容器20に接続されており、ポンプ室40と容器20とを連通している。よって、流路34およびポンプ室40には、測定対象の液体Lq(本実施形態では水)が充満している。ポンプ室40は、液体Lqを満たすために、測定前からポンプ室40内に存在する空気を抜くための蓋付きの空気抜き穴を備えるとしてもよい。本実施形態においては、容器20、および、筐体32は、非常に固い部材で構成されている。例えば、ステンレス鋼を採用することができる。
圧電素子38は、一端がダイアフラム36に、他端が筐体32の内壁に、それぞれ固定されている。本実施形態では、圧電素子38として、積層型の圧電素子を用いる。また、それに限ることなく、モノモルフやバイモルフの圧電素子を採用するとしてもよい。圧電素子38は、駆動回路50と接続されており、駆動回路50から印加される駆動信号(電力)によって伸張する。圧電素子38は、伸張による歪力によってダイアフラム36を押し引きし、ポンプ室40の容積を変化させることによって、間接的にポンプ室40内の水に対して加圧および減圧を行う。ダイアフラム36および圧電素子38が、特許請求の範囲に記載の圧力変更手段に対応する。
駆動回路50は、圧電素子38に駆動信号を印加するとともに、ポンプ室40の内部圧力の変化を検出する。具体的には、ポンプ室40の内部圧力が変化すると、ダイアフラム36を介して圧電素子38に力が加わる。圧電素子38は、圧電効果によって電圧を発生する。駆動回路50は、圧電素子38が発生した電圧を検出することによりポンプ室40の内部圧力の変化を検出する。後述するように、駆動回路50は、所定の条件の下で検出したポンプ室40の内部圧力の変化に基づいて、測定対象である水の気体溶存量を測定する。
図2は、駆動回路50の構成を説明するブロック図である。駆動回路50は、駆動波形信号Vinを出力する制御部52と、駆動波形信号Vinを増幅率Gで増幅して駆動信号Voutを出力する増幅回路54と、ポンプ室40の内部圧力を検出する圧力検出部60と、検出した内部圧力を所定の閾値と比較する比較部56と、表示部70とを備える。圧力検出部60は、圧電素子38の駆動電流を検出する電流検出回路62と、検出した駆動電流を積分する積分回路64と、積分回路64の出力と駆動波形信号Vinとの差分を出力する減算回路66を備える。
駆動回路50は、ポンプ室40の内部圧力を示す圧力信号Vpを、以下のようにして検出する。制御部52は、駆動波形信号Vinを出力する。駆動波形信号Vinは増幅回路54で増幅され、駆動信号Voutとして圧電素子38に印加される。このとき、圧電素子38には、駆動信号Voutに対応する駆動電流Ioutが流れ込む。圧電素子38の他端には、電流検出用の抵抗rが接続されている。抵抗rの他端は接地されている。電流検出回路62は、駆動電流Ioutによって生じる抵抗r端子間の電位差を、抵抗rの抵抗値で除算することによって電流信号Viに変換し、積分回路64に入力する。積分回路64は、入力された電流信号Viを積分器で積分することによって、圧電素子38に蓄えられた電荷量に対応する値である電荷信号Vqを出力する。
圧電素子38に流れる駆動電流Iout(電流信号Vi)は圧電素子38の変位速度に比例する。よって、圧電素子38に蓄えられる電荷量(電荷信号Vq)は、圧電素子38の変位に比例している。圧電素子38が自由に伸縮可能な状態では、圧電素子38の変位は駆動信号にほぼ比例する。一方、ポンプ室40で内部圧力が変化すると、ダイアフラム36を介して圧電素子38が圧力の変化を受ける。このとき、圧電素子38は受けた圧力の変化に比例して伸縮する(変位が変わる)ため、ポンプ室40の圧力変化を受けた場合の圧電素子38の変位と、本来の圧電素子38の変位(圧力を受けていないときとの差)との差は、圧電素子38が受けた圧力(ポンプ室40の内部圧力)に比例する。
圧力検出部60は、積分回路64の積分器で得られた電荷信号Vqを圧電素子38の等価静電容量c及び増幅回路54の増幅率Gで除算して電圧信号Vxを取得する。圧力検出部60は、圧電素子38の実変位に対応する電圧信号Vxと、駆動波形信号Vinとの差分を減算回路66で算出することによって、ポンプ室40の相対的な内部圧力に対応した圧力信号Vpを取得する。
圧力検出部60は、取得した圧力信号Vpを、比較部56に入力する。比較部56は、所定の閾値と比較することにより、2値化された検出信号DSを生成して、制御部52に入力する。制御部52は、ルックアップテーブルLUTを備えている。制御部52は、入力された検出信号DSとルックアップテーブルLUTに基づいて水の気体溶存量を取得する。そして、取得した気体溶存量を表示部70に、ユーザーが視認可能に表示する。なお、ルックアップテーブルLUT、および、検出信号DSに基づいて気体溶存量を取得する方法については後述する。なお、本説明におけるポンプ室40の内部圧力とは、基準となる圧力によって規定されていない相対的な内部圧力である。
(A2)圧力振動:
図3は、駆動信号Voutを圧電素子38に印加したときに、圧力検出部60で得られた圧力信号Vp、および、比較部56で得られた検出信号DSを例示した説明図である。図3(a)は、圧電素子38に印加する駆動信号Voutを示している。図3(b)は、圧力検出部60で得られた圧力信号Vpを示している。図3(c)は、比較部56で得られた検出信号DSを示している。
図3(a)に示すように、本実施形態においては、制御部52から1パルスのVinを出力し、圧電素子38に駆動信号Voutを印加する。圧電素子38は、駆動信号Voutの電圧(駆動電圧)が上昇すると伸張し、ダイアフラム36を介してポンプ室40の液体を加圧する。その結果、図3(b)に示すように、駆動信号Voutの電圧が立ち上がるとともに、ポンプ室40の内部圧力が急激に上昇する。駆動電圧が最大電圧で保たれている間は、圧電素子38の変位は変わらない。このため、ポンプ室40の液体と容器20の液体との間に圧力差が生じ、ポンプ室40から容器20に液体が流出する(図1参照)。ポンプ室40の内部圧力は、液体が容器20に流出するに従って減少する。このとき、流路34のイナータンスによって流路34を通過する液体に慣性力が働き、ポンプ室40から容器20へ液体が流れ続けようとする。その結果、ポンプ室40の内部圧力は負圧となる。なお、イナータンスについては、後で詳しく説明する。
そして、ポンプ室40は、内部圧力が負圧になると、容器20から液体を吸入する。従って、容器20からポンプ室40へ液体が流入する。この場合も、上記説明したように流路のイナータンスに基づく慣性力によって、容器20からポンプ室40へ液体が流れ続けようとする。従って、図3(b)に示すように、ポンプ室40の内部圧力は上昇する。このように、流路34のイナータンスに起因する慣性力によって、ポンプ室40の内部圧力は振動する。図3(b)から分かるように、ポンプ室40の内部圧力の振動は所定の周期を有する。
ここで、図3(b)に示すように、圧電素子38への駆動信号Voutの印加に伴うポンプ室40の内部圧力の1回の上昇と下降とからなる圧力振動の波を第1波と呼ぶ。その後の第1波に続く圧力振動の波を、第2波、第3波、第4波・・・・と言ったように呼ぶ。図3(c)に示すように、検出信号DSは、ポンプ室40の圧力振動の波(第1波、第2波等)に対応した信号となる。各圧力振動に対応した検出信号DSのパルスを、第1パルス、第2パルス・・・と言ったように呼ぶ。
(A3)液体の圧縮性による共振モデル:
上記説明したポンプ室40の内部圧力の振動現象は、液体の圧縮性を考慮した共振モデルによって説明することができる。液体は、通常、非圧縮性である。しかし、液体中に気体が溶存している場合、溶存気体の圧縮性に起因して、液体が圧縮性を有する。液体が圧縮性を有する場合、ポンプ室40と容器20との間の圧力差、および、流路34のイナータンスの慣性力によって、圧力の振動が生ずる。
ここで、ポンプ室40と、容器20と、流路34とからなる液体の圧力振動の共振モデルを仮定する。この共振モデルにおける固有振動周期Tは、下記式(1)として表される。
Figure 2014085164
式(1)において、Mは、流路34のイナータンスである。Cは、ポンプ室40のコンプライアンスと容器20のコンプライアンスとの合成コンプライアンスである。合成コンプライアンスCは、ポンプ室40のコンプライアンスをC1、容器20のコンプライアンスをC2とすると、下記式(2)として表される。
Figure 2014085164
コンプライアンスとは、流体室内に圧力が加わった時の、流体室の変形による容積の膨張や流体の圧縮を示している。例えば、容積がV、体積弾性率がKの流体室に、圧縮率をκFの液体が満たされており、流体室内の液体に圧力Pが加わった場合、流体室の変形による容積変化ΔVaは、下記式(3)として表すことができる。また、液体の圧縮による流体室の容積変化ΔVbは、下記式(4)として表される。
Figure 2014085164
Figure 2014085164
よって、圧力Pに対する見かけ上の流体室の容積の変化量ΔVは下記式(5)として表される。
Figure 2014085164
式(5)における、V×(1/K+κF)が、流体室のコンプライアンスである。よって、本実施形態における容器20のコンプライアンスC1、ポンプ室40のコンプライアンスC2は下記式(6)および式(7)として表される。
Figure 2014085164
Figure 2014085164
式(6)、式(7)において、V1は容器20の容積を表し、V2はポンプ室40の容積を表す。また、本実施形態では、上述したように、容器20およびポンプ室40を構成する筐体32は、ステンレス鋼などの非常に固い部材で構成されているため、弾性率Kは非常に大きい値となる。すなわち、式(6)、式(7)の(1/K)は、微少な値となる。これは、容器20およびポンプ室40の容積変化が微小であることを示す。よって、容器20およびポンプ室40の容積変化は、コンプライアンスの値に殆ど影響を与えない。従って、式(6)、式(7)において、(1/K)を0に近似することができる。さらに、本実施形態においては、容器20の容積V1はポンプ室40の容積V2と比べて十分に大きいとする。よって、式(6)、式(7)より、C1≫C2となる。この場合、式(2)で算出される合成コンプライアンスCにおいては、容器20のコンプライアンスC2は無視できる項となる。従って、式(1)、式(2)、式(7)より、固有振動周期Tは下記式(8)として表すことができる。
Figure 2014085164
式(8)から、固有振動周期Tは、液体の圧縮率κFの平方根に比例することが分かる。液体中の気体の溶存量が増加するに従って液体の圧縮率κFが高くなるとすると、式(8)より、気体溶存量が増加するほど、固有振動周期Tが長くなる。
次に、「気体溶存量が増加するほど固有振動周期Tが長くなる」ことを、実測によって示す。図4は、測定システム10において、実測によって得られた気体溶存量と固有振動周期Tとの関係を示したグラフである。グラフの横軸は容器20における液体の気体溶存量を示す。本測定においては、液体の気体溶存量は、市販の溶存気体の測定装置によって測定する。また、グラフの縦軸は、固有振動周期Tを示す。固有振動周期Tは、検出信号DSの第3パルスが検出されてから第4パルスが検出されるまでの時間を採用する(図3参照)。図4から分かるように、気体溶存量が増加するに従って固有振動周期Tが長くなっていることが分かる。すなわち、「気体溶存量が増加するほど、固有振動周期Tが長くなる」と言う、気体溶存量と固有振動周期Tとの相関関係があることが実測によっても示された。
(A4)気体溶存量測定および液体圧縮率測定:
制御部52は、上記のように実測した気体溶存量と固有振動周期Tとの相関(図4)を、ルックアップテーブルLUTとして備える(図2参照)。実際に気体溶存量を測定する際には、制御部52は、圧電素子38に対して1パルスの駆動信号Voutを印加して、ポンプ室40内に圧力振動を発生させ、検出した検出信号DSから固有振動周期Tを抽出する。そして、取得した固有振動周期TをルックアップテーブルLUTに入力する。制御部52は、固有振動周期Tに対応してルックアップテーブルLUTから出力される気体溶存量を取得する。
その後、制御部52は、取得した気体溶存量の値を、ユーザーに視認可能に表示部70に表示する。制御部52は、水、所定の油、所定の有機溶媒など、種々の液体についてのルックアップテーブルLUTを備えるとしてもよい。各液体について、気体溶存量と固有振動周期Tと相関を実測してルックアップテーブルを生成することによって実現することが可能である。
さらに、制御部52は、実測により取得した固有振動周期Tと、式(8)とを用いて、液体Lqの圧縮率κFを算出することができる。制御部52は、算出した圧縮率κFも、気体溶存量と共に表示部70に表示する。このようにして、気体溶存量測定装置30は、気体溶存量と圧縮率κFとを測定する。
本実施形態においては、気体溶存量測定はルックアップテーブルLUTを用いて行ったが、気体溶存量と固有振動周期Tとの相関(例えば図4)を表した所定の関数を用いて行うとしてもよい。制御部52が、所定の関数と固有振動周期Tとから、気体溶存量を算出することによって実現することが可能である。
次に、本実施形態の説明に用いたイナータンスについて説明する。イナータンスとは、流路の特性値である。具体的には、流路の一端に圧力が加わったことによって流路内の流体が流れようとするときの流体の流れやすさを示している。例えば、断面積がSで、長さがLの流路に、密度ρの流体(本実施形態では液体)が満たされており、流路の一端に圧力P(両端での圧力差)が加わったものとする。流路内の流体にはP×Sの力が作用する。その結果、流路内の液体が流れ出す。流体の加速度をaとすると、下記式(9)の運動方程式が成り立つ。
Figure 2014085164
流路を流れる体積流量をQ、流路を流れる流体の流速をvとすると、下記式(10)および式(11)が得られる。
Figure 2014085164
Figure 2014085164
式(10)および式(11)から下記式(12)を得ることができる。
Figure 2014085164
式(12)は、同じ圧力Pが加わるのであれば、(ρ×L/S)が小さくなるほど、dQ/dtが大きくなる(すなわち、流速が大きく変化すること)を表している。この(ρ×L/S)がイナータンスと呼ばれる値である。すなわち上記式(1)および式(8)においては、M=(ρ×L/S)となる。以上、イナータンスについて説明した。
以上説明したように、気体溶存量測定装置30は、容器20とポンプ室40との間における圧力振動の共振を利用して液体中の気体溶存量、および、液体の圧縮率κFを測定することができる。よって、液体の状態において直接的に測定を行うことができる(気相によって測定することを要しない)。
また、測定時に流路34とポンプ室40とを測定対象の液体Lqで満たした状態を保持できれば、気体溶存量と圧縮率κFは測定可能である。従って、気体溶存量および圧縮率κFの測定対象や測定環境に関する制限を緩和することができる。例えば、液体を収容する工業用のタンクには、通常、温度計の挿入用の貫通孔や、ドレイン抜き用の貫通孔が設けられている。このような貫通孔に気体溶存量測定装置30の流路34を接続することによって、タンク内に収容した液体の気体溶存量や圧縮率κFを測定することが可能となる。一例として、気体溶存量測定装置30を水処理装置に設置することが可能である。処理対象の水、または、処理後の水を収容するタンクに気体溶存量測定装置30を設置することにより、簡易に水質(気体溶存量)を測定することができる。具体的な水処理装置としては、工業用浄水器が挙げられる。また、水処理装置としては、工業用に限らず、家庭用の水処理装置(家庭用浄水器)にも適用可能である。
また、本実施形態においては、1つの圧電素子38で、ポンプ室40の加圧と、ポンプ室40の内部圧力の測定を行うので、それぞれ別個の素子や装置によって行う場合と比較して、構造の簡易化、小型化、低コスト化を実現することができる。
特許請求の範囲との対応関係としては、ポンプ室40が特許請求の範囲に記載の液体収容室に対応する。ダイアフラム36および圧電素子38が、特許請求の範囲に記載の圧力変更手段に対応する。固有振動周期Tが、特許請求の範囲に記載の液体の挙動に対応する。圧電素子38および駆動回路50が、特許請求の範囲に記載の測定部に対応する。駆動回路50(制御部52)が、特許請求の範囲に記載の取得部に対応する。
B.変形例:
なお、この発明は上記の実施形態や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
(B1)変形例1:
上記実施形態においては、液体の挙動として、液体の圧力振動の周期を測定し、気体溶存量を取得するとしたが、それに限ることなく、種々の挙動から、気体溶存量を取得するとしてもよい。例えば、直接的に固有振動周期を取得するのではなく、周波数から周期を取得するとしてもよい。その他、圧力振動の1/4周期分や1/2周期分の圧力変動を測定し、その測定結果から、その後の圧力振動の波形を推測し、固有振動周期Tを取得するとしてもよい。また、液体の挙動として、流路34を流通する水の流量、流速、移動度など、液体に関する種々のパラメーターを採用することができる。これらのパラメーターに基づいて固有振動周期を取得することによって、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、上記実施形態においては、第3波の固有振動周期Tによって、気体溶存量を測定するとしたが、それに限らず、第1波、第2波、・・・第10波・・・といったように、圧力振動を測定可能の範囲において、任意の波に基づいて周期を測定することができる。
(B2)変形例2:
気体溶存量測定装置30の態様は、図1に示した態様に限らず、種々の態様を採用することができる。図5は、変形例2としての気体溶存量測定装置の態様を示す説明図である。図示するように流路34の先端が鋭利な形状をしており、容器20に突き刺して使用する態様となっている。測定対象の液体Lqが収容されている容器20には、流路34を突き刺して容器20の内部と連通させるため挿入部22が設けられている。挿入部22は、肉厚のゴム部材からなる。流路34を抜いた後に形成された挿入部22の穴は、ゴム部材の弾性力により塞がれる。
図示するように、気体溶存量測定装置30は、表示部70と、測定の開始のためのスタートボタンや、測定値の記録を指示するための操作ボタンなど、種々の操作ボタン72を有する。表示部70には、測定された気体溶存量の値がユーザーに視認可能に表示される。気体溶存量測定装置30をこのような態様とすることで、ユーザーは簡易に容器20に収容されている液体Lqの気体溶存量および圧縮率κFを測定することができる。また、流路34を直接的に河川や海などの水に浸すことで、測定対象の液体を容器等に収容せずに、気体溶存量を測定することができる。
(B3)変形例3:
上記実施形態においては、圧電素子38が、圧力振動を生じさせるとともに、ポンプ室40の内部圧力を測定したが、それぞれ、別個の圧電素子を用いてもよい。つまり、気体溶存量測定装置30は、圧力差発生部としての圧電素子と、測定部としての圧電素子とを、各々、備えるとしてもよい。また、上記実施形態においては、圧力差発生部として圧電素子を採用したが、圧電素子に換えて磁歪素子を用いるとしてもよい。磁歪素子は歪みによる変位が大きいので、より大きい圧力振動を生じさせることができる。上記実施形態においては、測定部として圧電素子を採用したが、通常の水圧測定計を採用するとしてもよい。このようにしても、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
(B4)変形例4:
上記実施形態においては、圧力変更手段として、圧電素子38およびダイアフラム36を採用したが、それに限らず、ポンプ室40の圧力を変更させることができる種々の構成を採用することができる。例えば、ポンプ室40に外部から液体を注入することによって、ポンプ室40の圧力を変更するとしてもよい。このようにしても、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
10…測定システム
20…容器
22…挿入部
30…気体溶存量測定装置
32…筐体
34…流路
36…ダイアフラム
38…圧電素子
40…ポンプ室
50…駆動回路
52…制御部
54…増幅回路
56…比較部
60…圧力検出部
62…電流検出回路
64…積分回路
66…減算回路
70…表示部
72…操作ボタン
DS…検出信号
LUT…ルックアップテーブル

Claims (8)

  1. 測定対象の液体の気体溶存量を測定する気体溶存量測定装置であって、
    流路抵抗を有する流路と、
    前記流路の一端と連通する所定容積の液体収容室と、
    前記液体収容室の内部圧力を変更する圧力変更手段と、
    前記流路と前記液体収容室とに前記液体を収容した状態で、前記圧力変更手段の動作にともなう前記液体収容室内の液体の挙動を測定する測定部と、
    前記液体の挙動に基づいて、前記気体溶存量を取得する取得部と
    を備える気体溶存量測定装置。
  2. 前記液体の挙動は、前記液体の圧力振動の周期である請求項1記載の気体溶存量測定装置。
  3. 請求項1または請求項2記載の気体溶存量測定装置であって、
    前記圧力変更手段は、圧電素子を備え、前記圧電素子の歪力によって前記液体収容室の内部圧力を変更する
    気体溶存量測定装置。
  4. 請求項3記載の気体溶存量測定装置であって、
    前記圧電素子は、さらに、前記液体収容室の圧力変化によって歪み、
    前記測定部は、前記圧電素子の歪みに基づいて前記液体の挙動を測定する
    気体溶存量測定装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の気体溶存量測定装置であって、
    前記液体は、容器に収容され、
    前記流路の他端は、前記容器と接続されている
    気体溶存量測定装置。
  6. 請求項5に記載の気体溶存量測定装置であって、
    前記流路の他端は、前記容器と着脱可能に接続される
    気体溶存量測定装置。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の気体溶存量測定装置を用いた水処理装置。
  8. 測定対象の液体の圧縮率を測定する液体圧縮率測定装置であって、
    流路抵抗を有する流路と、
    前記流路の一端と連通する所定容積の液体収容室と、
    前記液体収容室の内部圧力を変更する圧力変更手段と、
    前記流路と前記液体収容室とに前記液体を収容した状態で、前記圧力変更手段の動作にともなう前記液体収容室内の液体の挙動を測定する測定部と、
    前記液体の挙動に基づいて、前記液体の圧縮率を取得する取得部と
    を備える液体圧縮率測定装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH08159943A (ja) * 1994-12-06 1996-06-21 Kyoto Electron Mfg Co Ltd 流体の溶存ガス量の測定方法
JP2002071647A (ja) * 2000-09-05 2002-03-12 Toshiba Corp 溶存ガス濃度計、洗浄装置及び洗浄方法

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