JP2014085160A - 土砂流出検知装置、及び検知装置 - Google Patents

土砂流出検知装置、及び検知装置 Download PDF

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Abstract

【課題】設置費用を低廉とし、また多数の装置が一斉に発報しても、個々の装置の発報を区別して受信できる土砂流出検知装置及び検知装置を提供する。
【解決手段】設置状態では水底または水路近傍の土砂内に配され、筐体と、筐体内部の一方側に配された錘と、筐体内部で、錘とは反対側に配されるアンテナを介して信号を発信する信号発信部と、を含み、錘及び信号発信部を内包した筐体全体が、水の比重より小さい比重であり、信号発信部は、設置状態にあるときと、流出状態にあるときとで発信する信号を異ならせるか、または流出状態にあるときに信号を発信する。
【選択図】図1

Description

本発明は、河川護岸、河川高水敷、河床あるいは海岸護岸等の土砂流出や漏水を検知する土砂流出検知装置、及び検知装置に関する。
洪水による河川の高水敷洗掘検知方法としては、光ファイバーを高水敷に埋設し、光ファイバーに錘を固定しておき、高水敷が洗掘され錘が光ファイバーを折り曲げることで光ファイバー内の反射光の変化を測定器で計測する方法が知られている(特許文献1)。
また、河床洗掘の検知方法としては、無線装置を河床に埋設しておき、河床が洗掘されたとき無線装置が浮上し、浮上時にリードスイッチなどで無線装置に電源を入れ無線発信により河床洗掘を検知する方法が知られている。
特開2007−292530号公報
しかしながら光ファイバーを用いた高水敷洗掘検知方法は、測定器から光ファイバーを高水敷内に長距離にわたって敷設し、錘を固定する必要がある。また、この方法では測定器の近傍の光ファイバーが切断されればその先の検知ができなくなる。さらには光ファイバーの測定器自体が一般に高額であるばかりでなく、光ファイバーの埋設も高額になることがあり、試行的に採用された例はあるが、特に経済性の観点から利用が進んでいない。
一方で無線装置を使用する河床洗掘検知方法は、小電力無線装置などの無線機器が使用されるが、この無線機器が一般に埋設するものとしては比較的大きいので、当該大きさに応じて収容するプラスチックケースも大きくなり、河床への埋設する際に河川水をせき止めて行うなど大がかりな工事が必要になっているのが現状である。このために敷設に多額な費用を要し、また無線機器の消費電力が大きいために、河床埋設後数年などの短期間で寿命となってしまう。
さらに無線機器が利用できる無線周波数の帯域幅の制約などから、複数の無線機器からの信号を一斉に受信することが困難であった。そのため広範囲で河床洗掘を検知しようとする場合、埋設できる無線機器の数に制約を受けてしまうので、検知の精度が低下してしまう。
本発明は、上記実情に鑑みて為されたもので、設置費用を低廉とし、また多数の装置が一斉に発報しても、個々の装置の発報を区別して受信できる土砂流出検知装置及び検知装置を提供することを、その目的の一つとする。
上記従来例の問題点を解決するための本発明は、設置状態では水底または水路近傍の土砂内に配される土砂流出検知装置であって、筐体と、前記筐体内部の一方側に配された錘と、前記筐体内部で、前記錘とは反対側に配されるアンテナを介して信号を発信する信号発信部と、を含み、前記錘及び信号発信部を内包した筐体全体が、水の比重より小さい比重であり、前記信号発信部は、設置状態にあるときと、流出状態にあるときとで発信する信号を異ならせるか、または流出状態にあるときに信号を発信することとしたものである。
またここで、前記筐体内部には、前記筐体の振動を検出する振動検出部を有し、前記振動検出部により振動が検出されているか否かにより、前記信号発信部が、設置状態にあるときと、流出状態にあるときとで、発信する信号を異ならせてもよい。
また流出または設置状態からの筐体の傾斜を検出する検出手段をさらに含み、前記検出手段が、流出または設置状態からの筐体の傾斜を検出したときに、前記信号発信部に電源を供給して信号を発信させることで、前記信号発信部が、流出状態にあるときに信号を発信することとしてもよい。
さらに前記筐体外に水溶性テープで固定された設置用錘をさらに含んでもよいし、上記の場合に、前記筐体内の検出手段は、筐体外に水溶性テープで固定され、流出時には離れる永久磁石の磁場を検出する手段であり、前記永久磁石の磁場が検出できなくなると、前記検出手段が、流出または設置状態からの筐体の傾斜を検出したとして前記信号発信部に電源を供給して信号を発信させてもよい。また、前記筐体は非対称の形状をなしていてもよい。
また、本発明の一態様に係る検知装置は、第1の筐体と、前記第1の筐体内部の一方側に配された錘と、前記第1の筐体内部で、前記錘とは反対側に配されるアンテナを介して信号を発信する信号発信部と、前記第1の筐体を取り囲む、中空の第2の筐体と、を含み、前記第2の筐体内には、透水性を有する材料を満たして、当該材料により前記第1の筐体を第2の筐体内に支持し、前記錘及び信号発信部を内包した第1の筐体全体の比重が、水の比重より大きく、かつ、前記透水性を有する材料の比重よりも小さい比重であり、前記信号発信部は、前記第1の筐体が第2の筐体内に進入した水により第2の筐体内で動くときに、所定の信号を発信することとしたものである。
本発明によると、設置費用を低廉とし、また多数の装置が一斉に発報しても、個々の装置の発報を区別して受信できる。
本発明の実施の形態に係る土砂流出検知装置の例を表す概要図である。 本発明の実施の形態に係る土砂流出検知装置の構成例を表すブロック図である。 本発明の実施の形態に係る土砂流出検知装置におけるセンサの例を表す説明図である。 本発明の実施の形態に係る土砂流出検知装置の設置、動作例を表す説明図である。 本発明の実施の形態に係る土砂流出検知装置の動作を説明する説明図である。 本発明の実施の形態に係る土砂流出検知装置のもう一つの例を表す概要図である。 本発明の実施の形態に係る土砂流出検知装置のさらにもう一つの構成例を表すブロック図である。 本発明の実施の形態に係る土砂流出検知装置のさらにもう一つの例に係る概要図である。 本発明の実施の形態に係る検知装置の例を表す概要図である。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。本実施の形態に係る土砂流出検知装置1は、図1に例示するように、筐体10と、この筐体10内に配された錘11と、回路部12とを含んで構成される。ここで錘11と回路部12とは、筐体10内を通る仮想的な軸の一方端側と、他方端側との内壁にそれぞれ分けて配される。さらに本実施の形態においては、錘11は、回路部12よりも大きい重量の金属塊等である。また、筐体10を水密に形成し、内部に空気を含めておき、錘11の重量を調整するなどして、錘11及び信号発信部としての回路部12を含んだ筐体10全体(土砂流出検知装置1の全体)の比重が、水(河床等に配する場合は川水、海底等に配する場合は海水)の比重よりも小さくなるようにしておく。
さらにこの筐体10の形状は、筐体10の重心と錘11の重心とを通る軸を対称軸として回転対称の形状となっていてもよい。この場合、上記軸方向には、非対称の形状をなしてもよい。つまり、この筐体10は全体として球形をなしてもよいし、卵型(上記軸方向に非対称)をなしてもよい。また筐体10は図1に例示のように、直方体形状であってもよい。
回路部12は、図2に例示するように、ICタグ21と、センサ22と、電源部23と、制御部24とを含む。ここでICタグ21は、アンテナANTを備える。このICタグ21は、電源部23から制御部24を介して電力供給を受けて、制御部24からの指示に従い、アンテナを介して無線にて信号を放射する。本実施の形態のある例では、このICタグ21が放射する信号は、水中を透過しやすい周波数帯域(300MHz帯等)の周波数の信号を、制御部24から入力される情報に応じて所定の方法で変調したものである。
センサ22は、筐体10の振動を検出する振動検出部、ないし検出手段として機能する。このセンサ22は例えば図3に示したように、回路部12の基板等を介して筐体10に固定される支持部31と、この支持部31を中心として少なくとも所定の角度範囲内で回転するアーム32と、アーム32の回転を検出する検出部33とを含んで構成されてもよい。この図3の例のセンサ22によると、筐体10が振動したときに、アーム32が支持部31を回転中心として回動し、このアーム32の回動により検出部33が検出信号を出力する。なお、検出部33は例えばロータリエンコーダであってもよいし、回転により電力を生じるモータであってもよい。さらに、このセンサ22はこの図3の例に示したものに限られず、加速度センサ等、筐体10の振動を検出可能なものであればよい。
電源部23は、各部の電源を供給する。この電源部23は、例えばボタン電池と、このボタン電池からの供給電圧を制御するDC−DCコンバータとを含んで構成される。本実施の形態の一例では、この電源部23は制御部24を介してICタグ21に電源を供給している。
制御部24は、マイクロコンピュータ等であり、予め設定されたプログラムに従って動作する。本実施の形態の一例では、この制御部24は、ICタグ21に電源を供給し、またICタグ21を制御して所定の信号を放射させる。本実施の形態ではこの制御部24はセンサ22が振動を検出しているか否かにより信号の放射態様を異ならせる。
具体的に制御部24は、センサ22が振動を検出した旨の信号を出力していない間は、予め土砂流出検知装置1ごとに設定された識別情報の値を表す信号を、第1の時間間隔Δt1ごとに繰返して放射するようICタグ21を制御する。またこの制御部24は、センサ22が振動を検出した旨の信号を出力している間は、当該識別情報の値を表す信号を、第2の時間間隔Δt2ごとに繰返して放射するようICタグ21を制御する。ここで例えばΔt2<Δt1としておいてもよい。本実施の形態の一例では、Δt1=7秒、Δt2=1秒とする。またここで識別情報は、例えば複数の土砂流出検知装置1をグループとして扱う場合の、土砂流出検知装置1が属するグループを特定するグループコードと、少なくとも当該グループ内で土砂流出検知装置1に固有のセンサコードとを含むものであってもよい。
これによると、センサ22が振動を検出していないときには、ICタグ21は、7秒おきに識別情報の値を表す信号を放射し、センサ22が振動を検出したときには1秒おきに識別情報の値を表す信号を放射する。なお、センサ22が振動を検出したときには、制御部24は、第2の時間間隔Δt2ごとに繰返して、識別情報の値を表す信号と振動があったことを表す信号とを続けて放射するようICタグ21を制御してもよい。
次に、本実施の形態の土砂流出検知装置1の動作について述べる。この土砂流出検知装置1は、図4(a)に例示するように、設置状態では河床あるいは海岸護岸等、または水路近傍(水路の水が到来する可能性のある範囲内)の土砂内に配される。このときには使用者は、土砂流出検知装置1を、錘11が上方になるようにして土砂内に埋めておく。
土砂内で安置された状態では、筐体10内部は、例えば図1(a)に例示される状態で安定しており、センサ22が振動を検出することはないので、ICタグ21は例えば識別情報の値を表す信号を、第1の時間間隔Δt1ごとに繰返して放射している状態となる。もっとも、初期の錘11の位置は、鉛直上方に限られない。
一方、洗掘等の土砂移動が生じて、筐体10が土砂から露出すると、錘11及び信号発信部としての回路部12を内包した筐体10全体の比重が水(河床に埋込まれている場合は川水、海岸等ある場合は海水)より小さい比重であるために、筐体10は川水表面や海水表面に浮き上る(図4(b))。また錘11が回路部12よりも重いために、錘11が鉛直下方となるように筐体10全体が回転する。このとき、筐体10内部は図1(b)に例示される状態となる。つまり、ICタグ21(アンテナANTを含む)を備えた回路部12側が水面から出るように配向される。またこのときセンサ22が振動を検出するため、ICタグ21は、センサ22から振動を検出した旨の信号を受けて、第2の時間間隔Δt2ごとに繰返して、識別情報の値を表す信号と振動があったことを表す信号とを続けて放射するようになる。
本実施の形態の土砂流出検知装置1の使用者は、土砂流出検知装置1ごとに設定された識別情報と、その土砂流出検知装置1の設置場所(地図上の位置等)とを記録しておく。洗掘等が生じて、設置した複数の土砂流出検知装置1のうち一部が流出すると、当該流出した土砂流出検知装置1のICタグ21が第2の時間間隔Δt2ごとに繰返して識別情報を表す信号を放射する。一方、流出していない土砂流出検知装置1のICタグ21は、第1の時間間隔Δt1ごとに繰返して識別情報を表す信号を放射している。そこで利用者は、第2の時間間隔Δt2ごとに受信される信号で表される識別情報と、第1の時間間隔Δt1ごとに受信される信号で表される識別情報とを調べることで、どこに設置した土砂流出検知装置1が流出したかを知ることができる。
また本実施の形態で、洗掘による流出を検出する例では、錘11及び信号発信部としての回路部12を内包した筐体10全体の比重が水(概ね1から1.2程度)より小さい比重であるように、筐体10の容積や錘11の重量等が調整されているので、土砂の平均的比重(水分の含有量により1.5ないし2.5)よりも当然に筐体10全体の比重は小さくなっている。これにより、土砂に水が入り込んだ場合には、筐体10が土砂表面、さらに水面上にせり上がる。
また本実施の形態で、海岸護岸で使用する場合や漏水を検出する例では、錘11及び信号発信部としての回路部12を内包した筐体10全体の比重が、土砂の平均的比重(水分の含有量により1.5ないし2.5)よりも小さく、また、水(概ね1から1.2程度)よりは大きい比重であるように、筐体10の容積や錘11の重量等が調整される。この筐体10は水よりは重いので、漏水等により筐体10は水没して土砂等に接触する。これにより土砂等との摩擦により筐体10の回転動作が阻害され、筐体10内の傾斜センサ等の動作が妨げられることがない。
以上のように、河床の洗堀だけでなく、海岸護岸部など水に覆われない場所に埋め込んで使用する場合にも、例えば漏水した水が土砂の下層側に入り込んだり、あるいは波浪により海岸護岸底部の砂が吸い出されて空洞が生じ、そこへ海水が流れ込んだような場合では、この土砂流出検知装置1は土砂表面にせり上がり、あるいは当該流れ込んだ海水中で浮遊する(ただし水面に浮き上ることはない)。そしてこの土砂流出検知装置1は、その際に生じる振動や傾斜等を検知して、第1の時間間隔Δt1で識別情報を表す信号を放射開始するか、第2の時間間隔Δt2ごとに繰返して識別情報を表す信号を放射するようになる。
また、ここでは振動を検出して信号の発信タイミングや、発信する信号の内容を変更する例について述べたが、本実施の形態はこれだけに限られない。例えば制御部24は、センサ22が振動を検出した旨の信号を出力していない間は、ICタグ21に電源を供給しないよう制御してもよい。この場合、制御部24は、センサ22が振動を検出した旨の信号を出力している間、ICタグ21に対して電源を供給し、当該識別情報の値を表す信号を、第2の時間間隔Δt2ごとに繰返して放射するようICタグ21を制御する。この例によると、流出が生じていない間はICタグ21への電源供給が遮断されるため、電源部23のボタン電池の電力消費が抑制される。
さらにここではセンサ22が振動センサであるものとしたが、振動センサに代えて、傾斜センサを用いてもよい。センサ22として傾斜センサを用いる場合、この傾斜センサは、筐体10の予め定めた基準軸からの傾斜角度が所定しきい値を超えたか否かを検出する。具体的には、図5に例示するように、鉛直上方を向く軸を基準軸として、この基準軸に対して土砂流出検知装置1全体の重心と、筐体10内部の錘11の重心とを結ぶ軸のなす角θが所定のしきい値を超えるときに、傾斜センサとしてのセンサ22が、傾斜角度が所定しきい値を超えた旨の信号(傾斜信号)を出力する。
この例では、制御部24は、センサ22が傾斜信号を出力していない間は、予め土砂流出検知装置1ごとに設定された識別情報の値を表す信号を、第1の時間間隔Δt1ごとに繰返して放射するようICタグ21を制御する。またこの制御部24は、センサ22が傾斜信号を出力している間は、当該識別情報の値を表す信号を、第2の時間間隔Δt2ごとに繰返して放射するようICタグ21を制御する。
またこの制御部24は、センサ22が傾斜信号を出力していない間は、ICタグ21に電源を供給しないよう制御し、センサ22が傾斜信号を出力している間、ICタグ21に対して電源を供給し、当該識別情報の値を表す信号を、第2の時間間隔Δt2ごとに繰返して放射するようICタグ21を制御してもよい。
この例においても、錘11が上方になるようにして土砂内に埋められた状態では、センサ22が傾斜信号を出力しないので、ICタグ21は識別情報の値を表す信号を、第1の時間間隔Δt1ごとに繰返して放射するか、あるいは信号を放射しない。しかし洗掘等が生じて、設置した土砂流出検知装置1が流出すると、当該流出した土砂流出検知装置1の筐体10は、川水または海水面に浮き上がり、錘11が下方になるよう回転する。これにより傾斜センサであるセンサ22が傾斜信号を出力するようになり、ICタグ21が第2の時間間隔Δt2ごとに繰返して識別情報を表す信号を放射することとなる。
さらに設置時に意図しない浮き上がりが生じることを防ぐため、図6に例示するように、筐体10外に水溶性のテープ(例えば住友3M社、水溶性片面テープ902等)41を用いて設置用錘42を固定し、この状態で河床または海底の土砂中に配してもよい。この場合、洗堀等が生じて水溶性テープ41周囲が浸水するまでは、当該水溶性テープ41で接着された設置用錘42の重みにより、よりよく設置状態に保持される。一方、洗堀等が生じて水溶性テープ41周囲が浸水すると、水溶性テープ41が溶解して粘着力を失い、設置用錘42が筐体10から外れるので、筐体10(その比重が水よりも小さいか、あるいは同等となっている)がその内部の錘11を下方向にするよう回転しつつ浮き上がる。
さらに本実施の形態の別の態様では、回路部12が、図7に例示するように、ICタグ21と、センサ22′と、電源部23と、制御部24とを含む。またこの態様では、筐体10外のセンサ22′に対する位置に、水溶性テープ45を用いて永久磁石46が接着されている。ここで既に説明したものと同様の構成をとるものについては、同じ符号を付して繰り返しての説明を省略する。
センサ22′は、例えばリードスイッチやホールセンサ等であり、近傍の磁場の有無を検出する。このセンサ22′は、磁場が検出できなくなると、磁場の検出ができなくなった旨の信号(磁場喪失信号)を出力する。この例では、制御部24は、センサ22′が磁場喪失信号を出力していない間は、予め土砂流出検知装置1ごとに設定された識別情報の値を表す信号を、第1の時間間隔Δt1ごとに繰返して放射するようICタグ21を制御する。またこの制御部24は、センサ22′が磁場喪失信号を出力している間は、当該識別情報の値を表す信号を、第2の時間間隔Δt2ごとに繰返して放射するようICタグ21を制御する。
本実施の形態の態様では、洗堀等が生じて水溶性テープ45周囲が浸水するまでは、筐体10の壁を挟んでセンサ22′と、永久磁石46とが対向した状態におかれる(図8(a))。そしてセンサ22′は永久磁石46の磁場を検出するので、磁場喪失信号は出力されない。一方、洗堀等が生じて水溶性テープ45周囲が浸水すると、水溶性テープ45が溶解して粘着力を失い、筐体10(その比重が水よりも小さいか、あるいは同等となっている)がその内部の錘11を下方向にするよう回転しつつ浮き上がる(図8(b))。このとき永久磁石46とセンサ22′とが離れて、センサ22′が永久磁石46の磁場を検出できなくなり、設置状態から流出、または傾斜したとして、センサ22′は磁場喪失信号を出力することとなる。
また、本実施の形態の別の態様に係る検知装置1′では、図9に例示するように、この筐体10を第1の筐体として、筐体10を取り囲むケースである中空の第2の筐体50に収納して設置することとしてもよい。この第2の筐体50は、下方が開口し、上方に蓋を備えた筒状をなす。またこの第2の筐体50の上方の蓋近傍に孔Hを形成している。
また、この例では第2の筐体内50を、透水性を有する材料51で充填し、この透水性を有する材料51により、第2の筐体50内に筐体10を支持する。この透水性を有する材料は、例えば砂などである。
この例の検知装置1′では、第1の筐体である筐体10(内部に錘11及び回路部12を含む)の比重を、水の比重より大きく、また砂等の平均比重より小さくする。既に述べたように水の比重は例えば海水の場合1ないし1.2程度であり、土砂の平均比重が1.5ないし2.0程度であることから、筐体10の比重を、錘11の重量などを調整して、1.0より大きく、1.5未満とする。
また、この例による検知装置1′は、堤防表(河川に対して堤防の内側)法面、堤防天端や堤防裏(河川に対して堤防の外側)の土砂内に埋設され、堤防下部からの漏水や、堤防越水による堤防変形を検知することに利用できる。ここで堤防下部からの漏水は、河川水位が上昇して水圧があがったときに、河川水が堤防地盤を通じて堤防裏側に漏れ出すことをいう。
堤防裏の土砂内に埋設された、この例の検知装置1′に対し、堤防地盤を通じて、つまり下方から漏水による河川水が進入すると、一般に堤防裏の土砂よりも、第2の筐体50内に充填された砂の透水性が高いことから、この漏水した河川水は、第2の筐体50下部の開口より第2筐体50内の砂を通じて第2の筐体50の上部の蓋近傍に設けられた孔Hから外へ排水される。
このとき、第2の筐体50内の砂は、第2の筐体50下部の開口や、上部の孔Hから外部へ送り出され、第2の筐体50内における第1の筐体10の保持力が弱まって、筐体10が第2の筐体50内で移動、ないし傾斜して振動する。これにより、筐体10内のセンサ22が当該振動あるいは傾斜を検出し、ICタグ21が第2の時間間隔Δt2ごとに繰返して識別情報を表す信号を放射することとなる。利用者は、この信号を受信して、堤防裏への漏水を知ることができる。
なお既に述べたように、錘11や回路部12を含む筐体10の比重が、水の比重より大きく、第2の筐体50に充填されていた透水性を有する砂等の材料51の比重より小さくなるよう、錘11の重量等が調整されているので、第2の筐体50内で筐体10が移動したとしても、浸水した水によって筐体10が第2の筐体50内で浮き上ることがない。つまり、筐体10が第2の筐体50の上方の蓋の裏面に押付けられて固定され、振動しない状態となって信号が放射されないという事態が回避される。また筐体10が、透水性を有する材料51よりも沈みこんで第2の筐体50の外部へ出てしまうこともない。
また、この例の検知装置1′は、一旦漏水を検知した後であっても、再度透水性を有する材料51を充填して筐体10を保持させるようにすることで、再利用できる。
以上のように本実施の形態によれば、ICタグを用いることで全体を小型化し、河床や海底、または水路近傍の土砂内に埋込む作業を簡易なものとでき、設置費用を低廉なものにできる。さらに個々の装置が備えるICタグに、互いに区別可能な識別情報を発信させることが容易なので、多数の装置が一斉に発報しても、個々の装置を識別できる。
1 土砂流出検知装置、1′ 検知装置、10 筐体、11 錘、12 回路部、21 ICタグ、22,22′ センサ、23 電源部、24 制御部、31 支持部、32 アーム、33 検出部、41,45 水溶性テープ、42 設置用錘、46 永久磁石、50 第2の筐体、51 透水性を有する材料。
上記従来例の問題点を解決するための本発明は、検知装置であって、第1の筐体と、前記第1の筐体内部の一方側に配された錘と、前記第1の筐体内部で、前記錘とは反対側に配されるアンテナを介して信号を発信する信号発信部と、前記第1の筐体を取り囲む、中空の第2の筐体と、を含み、前記第2の筐体内には、透水性を有する材料を満たして、当該材料により前記第1の筐体を第2の筐体内に支持し、前記錘及び信号発信部を内包した第1の筐体全体の比重が、水の比重より大きく、かつ、前記透水性を有する材料の比重よりも小さい比重であり、前記信号発信部は、前記第1の筐体が第2の筐体内に進入した水により第2の筐体内の透水性の材料が送り出され、信号発信部が第2の筐体内で動くときに、所定の信号を発信することとしたものである。
本発明の一態様は、設置状態では水路近傍の土砂内に配される土砂流出検知装置であって、筐体と、前記筐体内部の一方側に配された錘と、前記筐体内部で、前記錘とは反対側に配されるアンテナを介して信号を発信する信号発信部と、を含み、前記錘及び信号発信部を内包した筐体全体が、水の比重より小さい比重であり、前記信号発信部は、設置状態にあるときと、流出状態にあるときとで発信する信号を異ならせるか、または流出状態にあるときに信号を発信することとしたものである。

Claims (7)

  1. 設置状態では水底または水路近傍の土砂内に配される土砂流出検知装置であって、
    筐体と、
    前記筐体内部の一方側に配された錘と、
    前記筐体内部で、前記錘とは反対側に配されるアンテナを介して信号を発信する信号発信部と、
    を含み、
    前記錘及び信号発信部を内包した筐体全体が、水の比重より小さい比重であり、
    前記信号発信部は、設置状態にあるときと、流出状態にあるときとで発信する信号を異ならせるか、または流出状態にあるときに信号を発信する土砂流出検知装置。
  2. 請求項1記載の土砂流出検知装置であって、
    前記筐体内部には、前記筐体の振動を検出する振動検出部を有し、
    前記振動検出部により振動が検出されているか否かにより、前記信号発信部が、設置状態にあるときと、流出状態にあるときとで、発信する信号を異ならせる土砂流出検知装置。
  3. 請求項1記載の土砂流出検知装置であって、
    流出または設置状態からの筐体の傾斜を検出する検出手段をさらに含み、
    前記検出手段が、流出または設置状態からの筐体の傾斜を検出したときに、前記信号発信部に電源を供給して信号を発信させることで、前記信号発信部が、流出状態にあるときに信号を発信する土砂流出検知装置。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の土砂流出検知装置であって、
    前記筐体外に水溶性テープで固定された設置用錘をさらに含む土砂流出検知装置。
  5. 請求項3記載の土砂流出検知装置であって、
    前記筐体内の検出手段は、筐体外に水溶性テープで固定され、流出時には離れる永久磁石の磁場を検出する手段であり、
    前記永久磁石の磁場が検出できなくなると、前記検出手段が、流出または設置状態からの筐体の傾斜を検出したとして前記信号発信部に電源を供給して信号を発信させる土砂流出検知装置。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載の土砂流出検知装置であって、
    前記筐体が非対称の形状をなす土砂流出検知装置。
  7. 第1の筐体と、
    前記第1の筐体内部の一方側に配された錘と、
    前記第1の筐体内部で、前記錘とは反対側に配されるアンテナを介して信号を発信する信号発信部と、
    前記第1の筐体を取り囲む、中空の第2の筐体と、
    を含み、
    前記第2の筐体内には、透水性を有する材料を満たして、当該材料により前記第1の筐体を第2の筐体内に支持し、
    前記錘及び信号発信部を内包した第1の筐体全体の比重が、水の比重より大きく、かつ、前記透水性を有する材料の比重よりも小さい比重であり、
    前記信号発信部は、前記第1の筐体が第2の筐体内に進入した水により第2の筐体内で動くときに、所定の信号を発信する検知装置。
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