JP2014084994A - 深みぞ玉軸受用保持器および深みぞ玉軸受 - Google Patents

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Abstract

【課題】軸受回転時のボールの遅れ進みにより、そのボールから付与される応力の緩和を図ることができるようにした深みぞ玉軸受用の保持器を提供することである。
【解決手段】第1分割保持器41の切欠部と、その第1分割保持器41の内側に嵌合される第2分割保持器42の切欠部とでボール収容用のポケット49を形成し、そのポケット49を、ボール31の外周に沿う半円形部を周方向の両端部に有する長円状とし、ボールとポケット49の周方向両端に形成される周方向のポケット隙間δおよび第1分割保持器41および第2分割保持器42を軸方向に連結する連結手段Xの係合部に設けられた周方向すきまδをボールの動き代として、応力の緩和を図る。
【選択図】図2

Description

この発明は、深みぞ玉軸受のボールを保持する保持器およびその保持器を用いた深みぞ玉軸受に関する。
インプットシャフトとアウトプットシャフトを同軸上に配置し、その両軸に平行にカウンタシャフトを設け、その平行する2軸の相互間に変速比の異なる複数の歯車式減速部を設けて、インプットシャフトの回転を複数段に変速してアウトプットシャフトから出力するようにしたトランスミッションにおいては、一般的に、歯車式減速部にヘリカルギヤを採用しているため、インプットシャフトからアウトプットシャフトへの回転トルクの伝達時、インプットシャフト、アウトプットシャフトおよびカウンタシャフトのそれぞれにスラスト力が負荷されることになる。
このため、インプットシャフト、アウトプットシャフトおよびカウンタシャフトを支持する軸受には、ラジアル荷重とスラスト荷重の両方の荷重を支持することができる軸受を用いる必要がある。
円すいころ軸受においては、負荷容量が大きく、スラスト荷重およびラジアル荷重の両方を受けることができるため、トランスミッション用軸受に好適である。しかし、円すいころ軸受においては、損失トルクが大きく、燃料の消費量が多くなるという問題が生じる。その低燃費化を図るため、トルク損失の少ない深みぞ玉軸受が使用されるケースが多くなってきている。
ところで、標準の深みぞ玉軸受においては、過大なスラスト荷重が負荷されると、そのスラスト荷重を受ける負荷側軌道輪の肩にボールが乗り上げて、肩のエッジが損傷する懸念がある。
そのような不都合を解消するため、特許文献1に記載された深みぞ玉軸受においては、外輪の軌道溝および内輪の軌道溝のそれぞれ両側に形成された肩のうち、スラスト荷重を受ける側の肩を高くして、ボールの乗り上げを阻止し、軸受の耐久性の低下を抑制して、大きなスラスト荷重を受けることができるようにしている。
ここで、外輪の一側の肩および内輪の他側の肩を高くすると、外輪の肩と内輪の肩の対向面の間隔が標準の深みぞ玉軸受より小さくなるため、ボールを保持する保持器の径方向の幅(厚さ)を小さくする必要が生じ、保持器の耐久性に問題が生じる。
そこで、特許文献1に記載された保持器においては、径の異なる一対の冠形分割保持器を内外に嵌合し、その嵌合する組み合わせ状態でボールを包み込むポケットを形成すると共に、係合爪と係合凹部の係合により一対の冠形分割保持器を軸方向に非分離として、保持器の耐久性の向上を図るようにしている。
上記一対の冠形分割保持器からなる保持器においては、上記のような高スラスト荷重用の深みぞ玉軸受への使用に限定されるものではなく、標準の深みぞ玉軸受にも採用することができる。
特開2011−7286号公報
ところで、上記特許文献1に記載された深みぞ玉軸受においては、一対の分割保持器を軸方向に非分離とする係合爪と係合凹部間に周方向すきまを設け、その周方向すきまの範囲内における第1分割保持器と第2分割保持器の相対回転により軸受回転時の荷重負荷域に位置するボールと非負荷域に位置するボールの相互間における遅れ進みを吸収するようにしているが、その吸収量が小さく、ボールが保持器の内面に干渉して、隣接するポケット間に形成された柱部および係合部に引張および圧縮の荷重が作用し、保持器が損傷する可能性がある。
また、第1分割保持器と第2分割保持器の相対回転により、第1分割保持器と第2分割保持器とで形成されるポケットすきまが小さくなって、ポケットがボールを挟み込むことになり、その挟み込みにより、ボールは回転が妨げられてボールと転走面との間に滑りが生じ、摩擦力が増加する。
さらに、ボールの滑りにより転走面の油膜切れが発生し、その転走面や転動面にフレーキングが発生するリスクが高くなり、さらには、ボールがポケット内面に対して接触回転するため、ポケット内面が摩耗する可能性がある。
この発明の課題は、軸受回転時のボールの遅れ進みによって保持器の柱部に負荷される応力の緩和を図ることである。
上記の課題を解決するために、この発明に係る深みぞ玉軸受用の保持器においては、合成樹脂の成形品からなる第1分割保持器と、その第1分割保持器の内側に嵌合される合成樹脂製の第2分割保持器とを有し、その第1分割保持器および第2分割保持器のそれぞれに、第1分割保持器の軸方向の一側面および第2分割保持器の軸方向他側面で開口し、その開口部に対向一対のポケット爪が設けられ、両分割保持器を内外に嵌合する組み合わせた状態でボール保持用のポケットを形成する切欠部を周方向に間隔をおいて設け、前記第1分割保持器と第2分割保持器の相互間に、両分割保持器の嵌合により軸方向に係合して第1分割保持器と第2分割保持器とを軸方向に非分離とする連結手段を設け、その連結手段の係合部間に周方向すきまを設けた深みぞ玉軸受用の保持器において、前記第1分割保持器の切欠部と第2分割保持器の切欠部で形成されるボール収容用のポケットを、ボールの外周に沿う半円形部を周方向の両端部に有する長円状とし、前記対向一対のポケット爪における先端の対向間隔をボールの直径より小さくした構成を採用したのである。
また、この発明に係る深みぞ玉軸受においては、内径面に軌道溝が形成された外輪と、外径面に軌道溝が形成された内輪と、外輪の軌道溝と内輪の軌道溝間に組込まれたボールと、そのボールを保持する保持器とからなる深みぞ玉軸受において、前記保持器として、この発明に係る上記構成の保持器を採用したのである。
この発明においては、上記のように、ボール収容用のポケットを、ボールの外周に沿う半円形部を周方向の両端部に有する長円状としたことにより、そのポケットとボール間に軸方向のポケット隙間より大きな周方向のポケット隙間を確保することができる。その周方向のポケット隙間と、第1分割保持器と第2分割保持器とを軸方向に非分離とする連結手段の係合部間に形成された周方向すきまのそれぞれでボールの遅れ進みを吸収することができる。
このため、ボールの遅れ進みの吸収量が大きく、しかも、ポケット内に形成された周方向のポケット隙間がなくなった後にボールが柱部に接触して、その柱部を押圧し、その押圧により第1分割保持器と第2分割保持器とが相対回転して、連結手段の係合部間に形成された周方向すきまが縮小し始めるため、ボールから保持器の柱部に負荷される応力を効果的に緩和することができる。
また、ボールの遅れ進みによる柱部への押圧によって第1分割保持器と第2分割保持器とが相対回転して連結手段の係合部間の周方向すきまがなくなったとしても、ボールとポケットの端面間に周方向のポケット隙間が確保されるため、ボールが挟み込まれて回転が阻害されことはない。このため、摩擦力が増加し、ポケットの内面がボールとの接触によって摩耗するという不都合の発生がない。
ここで、長円状ポケットとボールとの間で形成される周方向のポケット隙間のすきま量と連結手段の係合部間における周方向すきま量の合計がボール径の5%以下ではボールの遅れ進みの吸収量が不足し、また、30%を超えると、ボールのピッチ誤差が大きくなり過ぎ、振動の増加や最大転動体か荷重が増加し、短寿命になる可能性があるため、ポケットにおける周方向のポケット隙間と連結手段における周方向すきまのすきま量の合計は、ボール径の5%〜30%の範囲とするのが良い。
第1分割保持器と第2分割保持器を軸方向に連結する連結手段として、第1分割保持器の隣接するポケットのポケット爪間に内輪外径方向に突出する部位を有する係合爪を設け、第2分割保持器の隣接するポケットのポケット爪間に外輪内径方向に突出する部位を有する係合爪を設け、第1保持器の係合爪を第2分割保持器の外径面に形成された係合凹部に係合し、第2保持器の係合爪を第1分割保持器の内径面に形成された係合凹部に係合した構成からなるものを採用することができる。
ここで、深みぞ玉軸受は、オイル潤滑されるため、耐油性および耐久性に優れた合成樹脂で成形するのが好ましい。そのような樹脂として、ポリアミド46(PA46)、ポリアミド66(PA66)、ポリアミド9T(PA9T)、ポリエーテルエーテルケトン樹脂(PEEK)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、ポリフタルアミド樹脂(PPA)、ポリアミドイミド樹脂(PAI)を挙げることができる。
この発明においては、上記のように、第1分割保持器の切欠部と第2分割保持器の切欠部で形成されるボール収容用のポケットを、ボールの外周に沿う半円形部を周方向の両端部に有する長円状としたことにより、ポケットの周方向両端とボール間に軸方向のポケット隙間より大きな周方向のポケット隙間を確保することができ、その周方向のポケット隙間および第1分割保持器と第2分割保持器とを軸方向に非分離とする連結手段の係合部間に形成された周方向すきまのそれぞれでボールの遅れ進みを吸収することができるため、ボールの遅れ進みの吸収量が大きく、ボールから保持器柱部への応力を緩和することができ、第1、第2分割保持器の損傷防止に効果を挙げることができる。
また、ボールの遅れ進みによる柱部への押圧によって第1分割保持器と第2分割保持器とが相対回転して連結手段の係合部間の周方向すきまがなくなったとしても、ボールとポケットの端面間に周方向のポケット隙間が確保されるため、ボールが挟み込まれて回転が阻害されるということはない。このため、摩擦力が増加し、ポケットの内面がボールとの接触によって摩耗するのを効果的に防止することができる。
この発明に係る深みぞ玉軸受の実施の形態を示す縦断面図 図1に示す保持器の一部分を示す平面図 図2のIII−III線に沿った断面図 図2のIV−IV線に沿った断面図 第1分割保持器と第2分割保持器の結合前の状態を示す平面図
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1に示すように、深みぞ玉軸受Aは、外輪11の内径面に形成された軌道溝12と内輪21の外径面に設けられた軌道溝22間にボール31を組込み、そのボール31を保持器40で保持している。
外輪11の軌道溝12の両側に形成された一対の肩13a、13bのうち、軌道溝12の一側方に位置する肩13aの高さは他側方に位置する肩13bの高さよりも高くなっている。一方、内輪21の軌道溝22の両側に形成された一対の肩23a、23bのうち、軌道溝22の他側方に位置する肩23bの高さは一側方に位置する肩23aの高さより高くなっている。
ここで、高さの低い肩13bおよび23aの肩の高さは、標準型深みぞ玉軸受の肩と同じ高さとしているが、標準型深みぞ玉軸受の肩の高さより低くしてもよい。
なお、説明の都合上、高さの高い肩13a、23bをスラスト負荷側の肩13a、23bといい、高さの低い肩13b、23aをスラスト非負荷側の肩13b、23aという。
スラスト負荷側の肩13a、23bの肩高さをHとし、ボール31の球径をdとすると、ボールdの球径に対する肩高さHの比率H/dは、0.25以上0.5未満の範囲とされている。
保持器40は、第1分割保持器41と、その第1分割保持器41の内側に挿入された第2分割保持器42とからなる。
図5に示すように、第1分割保持器41は、環状体43の軸方向一側部に複数の切欠部44を周方向に間隔をおいて設け、それぞれの切欠部44における開口部に対向一対のポケット爪45を設けた冠形をなしており、合成樹脂によって成形されている。
ここで、切欠部44は、その平面形状において、円弧状部44aを周方向の両端部に有し、その円弧状部44aの端部間に直線状部44bを設けた平面C字状をなしており、内面はボール31の外周に沿う曲面とされている。lは、直線状部44bの長さを示している。
また、環状体43の内径は、図1に示すように、ボール31のピッチ円径(PCD)に略等しく、外径は外輪11の高さが高い肩13aの内径と高さの低い肩13bの内径の範囲内とされて、外輪11の高さの低い肩13b側から軸受内に挿入可能とされている。
さらに、対向一対のポケット爪45における先端の対向間隔Lは、ボール31の直径dより小さくされている。
一方、第2分割保持器42は、環状体46の軸方向他側部に複数の切欠部47を周方向に間隔をおいて設け、それぞれの切欠部47における開口部に対向一対のポケット爪48を設けた冠形をなし、合成樹脂によって成形されている。
ここで、切欠部47は、第1分割保持器41の切欠部44と同様に、その平面形状において、円弧状部47aを周方向の両端部に有し、その円弧状部47aの端部間に直線状部47bを設けた平面C字状をなしており、内面はボール31の外周に沿う曲面とされている。
また、環状体46の外径は、図1に示すように、ボール31のピッチ円径(PCD)に略等しく、内径は内輪21の高さの高い肩23bの外径と高さの低い肩23aの外径の範囲内とされている。この第2分割保持器42は、高さの低い肩23a側から軸受内に挿入可能とされ、かつ、第1分割保持器41の内側に嵌合可能とされている。
さらに、対向一対のポケット爪48における先端の対向間隔Lは、ボール31の直径dより小さくされている。
第1分割保持器41の切欠部44と第2分割保持器42の切欠部47は、図2および図3に示すように、第1分割保持器41と第2分割保持器42を内外に嵌め合わせて保持器40を形成する状態でボール31を包み込む長円状のポケット49を形成するようになっており、そのポケット49の周方向両端の半円形部49aの半径Rは、ボール31の半径(d/2)より大きな設定となっている。また、ポケット49の周方向両端とボール31との間に形成される周方向のポケット隙間δは軸方向のポケット隙間δより大きな設定となっており、その周方向のポケット隙間δ1の範囲内でボール31は移動し得るようになっている。
図2および図3に示すように、第1分割保持器41と第2分割保持器42の相互間には、内外に嵌り合って保持器40を形成する嵌合状態において軸方向に非分離とする連結手段Xが設けられている。
連結手段Xは、第1分割保持器41の隣接する切欠部44間に形成された柱部43aの先端に内向きの係合爪51を設け、かつ、環状体43の内径面に上記係合爪51と同一軸線上に溝状の係合凹部52を形成し、第2分割保持器42の隣接する切欠部47間に形成された柱部46aの先端に外向きの係合爪53を設け、かつ、環状体48の外径面に上記係合爪53と同一軸線上に係合凹部54を形成し、第1分割保持器41の係合爪51と第2分割保持器42の係合凹部54の係合、および、第2分割保持器42の係合爪53と第1分割保持器41の係合凹部52の係合によって、第1分割保持器41と第2分割保持器42とを軸方向に非分離とする構成とされている。
ここで、係合爪51と係合凹部54の係合部間および係合爪53と係合凹部52の係合部間には周方向すきまδが形成され、その周方向すきまδは周方向のポケット隙間δより小さくなっている。この周方向すきまδと周方向のポケット隙間δのすきま量の合計がボール径dの5%以下ではボール31の遅れ進みの吸収量が不足し、また、30%を超えると、ボール31のピッチ誤差が大きくなり過ぎ、振動の増加や最大転動体か荷重が増加し、短寿命になる可能性があるため、ポケット隙間δと周方向すきまδのすきま量の合計は、ボール径の5%〜30%の範囲としている。
第1分割保持器41および第2分割保持器42は、深みぞ玉軸受を潤滑する潤滑油に曝されるため、耐油性に優れた合成樹脂を用いるようにする。そのような合成樹脂として、ポリアミド46(PA46)、ポリアミド66(PA66)、ポリアミド9T(PA9T)、ポリエーテルエーテルケトン樹脂(PEEK)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、ポリフタルアミド樹脂(PPA)、ポリアミドイミド樹脂(PAI)を挙げることができる。これらの樹脂は、潤滑油の種類に応じて適切なものを選択して使用すればよい。
実施の形態で示す深みぞ玉軸受は上記の構造からなり、その深みぞ玉軸受の組立てに際しては、外輪11の内側に内輪21を挿入し、その内輪21の軌道溝22と外輪11の軌道溝12間に所要数のボール31を組込む。
このとき、内輪21を外輪11に対して径方向にオフセットして、内輪21の外径面の一部を外輪11の内径面の一部に当接して、その当接部位から周方向に180度ずれた位置に三日月形の空間を形成し、その空間の一側方から内部にボール31を組込むようにする。
そのボール31の組込みに際して、外輪11のスラスト負荷側の肩13aや内輪21のスラスト負荷側の肩23bの肩高さHが必要以上に高い場合には、ボール31の組込みを阻害することになるが、実施の形態では、ボール31の球径dに対する肩高さHの比率H/dが、0.5未満とされているため、外輪11と内輪21間にボール31を確実に組込むことができる。
ボール31の組込み後、内輪21の中心を外輪11の中心に一致させてボール31を周方向に等間隔に配置し、外輪11のスラスト非負荷側の肩13bの一側方から外輪11と内輪21間に第1分割保持器41を、その第1分割保持器41に形成された切欠部47内にボール31が嵌り込むようにして挿入する。
また、内輪21のスラスト非負荷側の肩23aの一側方から外輪11と内輪21間に第2分割保持器42を、その第2分割保持器42に形成された切欠部47内にボール31が嵌り込むように挿入して、第1分割保持器41内に第2分割保持器42を嵌合する。
上記のように、第1分割保持器41内に第2分割保持器42を嵌合することにより、図2および図3に示すように、第1分割保持器41に形成された係合爪51が第2分割保持器42に設けられた係合凹部54に係合し、また、第2分割保持器42に形成された係合爪53が第1分割保持器41に設けられた係合凹部52に係合して、深みぞ玉軸受の組立てが完了する。
上記のような深みぞ玉軸受の組立てにより、第1分割保持器41に形成された切欠部44と第2分割保持器42に形成された切欠部47は、図2に示すように、長円状のポケット49を形成し、そのポケット49の周方向の両端とボール31間に、軸方向のポケット隙間δより大きな周方向のポケット隙間δが確保されることになる。
このため、軸受の回転時に負荷領域のボール31と非負荷領域のボール31に遅れ進みが生じた場合に、ボール31は周方向のポケット隙間δと連結手段Xに形成された周方向すきまδの範囲内で移動し、その周方向のポケット隙間δと周方向すきまδのすきま量の合計がボール31の動き代となる。
したがって、ボール31の遅れ進みの吸収量が大きく、しかも、ポケット49内に形成された周方向のポケット隙間δがなくなった後にボール31が柱部43a、46aと接触して、その柱部43a、46aを押圧することになる。その押圧により第1分割保持器41と第2分割保持器42とが相対回転して、連結手段Xの係合部間に形成された周方向すきまδが縮小し始めるため、ボール31から第1分割保持器41および第2分割保持器42の柱部43a、46aに負荷される応力は効果的に緩和されることになる。
なお、第1分割保持器41と第2分割保持器42が相対回転するのに必要な力は、ボール31の遅れ進みにより、ボール31が保持器のポケットを周方向に押圧した場合に初めて動く程度に設定されていることが好ましい。具体的には、第1分割保持器41の内径と第2分割保持器42の外径を適宜調整することで、ボール31が存在しない状態で第1分割保持器41と第2分割保持器42を相対回転させた時に摩擦力が発生する程度のシメシロを有する寸法としておくとよい。
また、ボール31の遅れ進みによる柱部43a、46aへの押圧によって第1分割保持器41と第2分割保持器42とが相対回転して連結手段Xの係合部間の周方向すきまδがなくなったとしても、ボール31とポケット49の端面間に周方向のポケット隙間δが確保されるため、ボール31が挟み込まれて回転が阻害されことはない。このため、摩擦力が増加し、ポケット49の内面がボール31との接触によって摩耗するという不都合の発生ない。
さらに、ポケット49の周方向両端の半円形部49aの半径Rは、ボール31の半径(d/2)より大きくされているため、遅れ進みによってボール31が周方向に移動しても、ポケット49の軸方向で対向する一対の側面はボール31で押圧されるようなことがなく、第1分割保持器41と第2分割保持器42を連結状態に保持する連結手段Xに連結を解除する方向の分力が付与されることはない。
このため、ボール31の遅れ進みによって第1分割保持器41と第2分割保持器42が連結解除されるということがなく、また、振動等により第1分割保持器41と第2分割保持器42に軸方向の応力が付与されると、ポケット爪45、48がボール31の外周に係合するため、第1分割保持器41と第2分割保持器42の脱落を効果的に防止することができる。
図1では、高さの低いスラスト非負荷側の肩13bおよび23aの高さを標準型深みぞ玉軸受の肩と同じ高さとしたが、標準型深みぞ玉軸受の肩の高さより低くしてもよい。
スラスト非負荷側の肩13bおよび23aの高さを標準型深みぞ玉軸受の肩の高さより低くすると、低くした分、第1分割保持器41および第2分割保持器42の径方向の厚みを厚くすることができるため、保持器40の強度を高めることができる。
実施の形態においては、一対の冠形分割保持器41、42によって形成される保持器40を高スラスト荷重用の深みぞ玉軸受に使用した例を示したが、標準の深みぞ玉軸受に採用してもよい。
11 外輪
12 軌道溝
21 内輪
22 軌道溝
31 ボール
40 保持器
41 第1分割保持器
42 第2分割保持器
44 切欠部
45 ポケット爪
47 切欠部
48 ポケット爪
49 ポケット
X 連結手段
51 係合爪
52 係合凹部
53 係合爪
54 係合凹部
δ 周方向のポケット隙間
δ 周方向すきま

Claims (5)

  1. 合成樹脂の成形品からなる第1分割保持器と、その第1分割保持器の内側に嵌合される合成樹脂製の第2分割保持器とを有し、その第1分割保持器および第2分割保持器のそれぞれに、第1分割保持器の軸方向の一側面および第2分割保持器の軸方向他側面で開口し、その開口部に対向一対のポケット爪が設けられ、両分割保持器を内外に嵌合する組み合わせた状態でボール保持用のポケットを形成する切欠部を周方向に間隔をおいて設け、前記第1分割保持器と第2分割保持器の相互間に、両分割保持器の嵌合により軸方向に係合して第1分割保持器と第2分割保持器とを軸方向に非分離とする連結手段を設け、その連結手段の係合部間に周方向すきまを設けた深みぞ玉軸受用の保持器において、
    前記第1分割保持器の切欠部と第2分割保持器の切欠部で形成されるボール収容用のポケットを、ボールの外周に沿う半円形部を周方向の両端部に有する長円状とし、前記対向一対のポケット爪における先端の対向間隔をボールの直径より小さくしたことを特徴とする深みぞ玉軸受用の保持器。
  2. 前記長円状ポケットとボールとの間で形成される周方向のポケット隙間のすきま量と前記連結手段の係合部間における周方向すきま量の合計がボール径の5%〜30%の範囲とされた請求項1に記載の深みぞ玉軸受用の保持器。
  3. 前記連結手段が、前記第1分割保持器の隣接するポケットのポケット爪間に内輪外径方向の係合爪を設け、前記第2分割保持器の隣接するポケットのポケット爪間に外輪内径方向の係合爪を設け、前記第1保持器の係合爪を第2分割保持器の外径面に形成された係合凹部に係合し、前記第2保持器の係合爪を第1分割保持器の内径面に形成された係合凹部に係合した構成からなる請求項1又は2に記載の深みぞ玉軸受用の保持器。
  4. 前記合成樹脂が、ポリアミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリフタルアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂のいずれか一種からなる請求項1乃至3のいずれか1項に記載の深みぞ玉軸受の保持器。
  5. 内径面に軌道溝が形成された外輪と、外径面に軌道溝が形成された内輪と、外輪の軌道溝と内輪の軌道溝間に組込まれたボールと、そのボールを保持する保持器とからなる深みぞ玉軸受において、前記保持器が、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の深みぞ玉軸受。
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JP2016151345A (ja) * 2015-02-19 2016-08-22 Ntn株式会社 深みぞ玉軸受

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JP2016151345A (ja) * 2015-02-19 2016-08-22 Ntn株式会社 深みぞ玉軸受
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