JP2014084969A - 電気自動車の変速制御方法および変速制御装置 - Google Patents
電気自動車の変速制御方法および変速制御装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2014084969A JP2014084969A JP2012235296A JP2012235296A JP2014084969A JP 2014084969 A JP2014084969 A JP 2014084969A JP 2012235296 A JP2012235296 A JP 2012235296A JP 2012235296 A JP2012235296 A JP 2012235296A JP 2014084969 A JP2014084969 A JP 2014084969A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- shift
- speed
- clutch
- shift control
- brake
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Hydraulic Clutches, Magnetic Clutches, Fluid Clutches, And Fluid Joints (AREA)
- Control Of Transmission Device (AREA)
Abstract
【課題】 電気自動車の力行制御時または変速制御時に、急ブレーキを検出したときのクラッチのショックトルクを低減することができる電気自動車の変速制御方法および変速制御装置を提供する。
【解決手段】 急ブレーキ判定手段80は、急ブレーキ検出部83からの信号に基づいて、急ブレーキか急ブレーキ解除かを判定する。変速制御手段81は、現変速段の力行制御時または変速制御時に、急ブレーキ判定手段80により急ブレーキと判定されたとき、クラッチ解除手段77、シンクロ制御手段78、およびクラッチ係合手段79のいずれかの動作に応じて、変速機を制御する。このように急ブレーキと判定されたとき、各手段のいずれかの動作に応じてきめ細かく変速機を制御することで、力行制御時または変速制御時に、急ブレーキを検出したときのクラッチのショックトルクを低減し得る。
【選択図】 図9
【解決手段】 急ブレーキ判定手段80は、急ブレーキ検出部83からの信号に基づいて、急ブレーキか急ブレーキ解除かを判定する。変速制御手段81は、現変速段の力行制御時または変速制御時に、急ブレーキ判定手段80により急ブレーキと判定されたとき、クラッチ解除手段77、シンクロ制御手段78、およびクラッチ係合手段79のいずれかの動作に応じて、変速機を制御する。このように急ブレーキと判定されたとき、各手段のいずれかの動作に応じてきめ細かく変速機を制御することで、力行制御時または変速制御時に、急ブレーキを検出したときのクラッチのショックトルクを低減し得る。
【選択図】 図9
Description
この発明は、電気自動車の力行制御時または変速時に、急ブレーキと検出した際のクラッチのショックトルクを低減し得る電気自動車の変速制御方法および変速制御装置に関する。
電気自動車の駆動装置として、電動モータ、2段変速機、および差動装置(ディファレンシャル)を介し駆動輪に動力を伝達する車両用モータ駆動装置がある(例えば、特願2011−227666)。
<エンジン車>
急ブレーキ操作検出時、ロックアップクラッチを解放するか若しくは解放を継続する。これと共に、その時点ですでに変速操作を開始しているときには、変速操作を続行して変速を終了させるか、変速操作を中断して変速開始前の変速段にするかを判断して実行し、いずれにおいても、それ以降の新たな変速を禁止する制御方法が提案されている(特許文献1)。
急ブレーキ操作検出時、ロックアップクラッチを解放するか若しくは解放を継続する。これと共に、その時点ですでに変速操作を開始しているときには、変速操作を続行して変速を終了させるか、変速操作を中断して変速開始前の変速段にするかを判断して実行し、いずれにおいても、それ以降の新たな変速を禁止する制御方法が提案されている(特許文献1)。
しかし、この制御方法を特願2011−227666で開発された変速装置上に適用することはできない。
理由:特願2011−227666で開発された変速装置において、オートマチックトランスミッションを搭載したエンジン車のロックアップクラッチのようなクラッチ機構が、前記変速装置の入力シャフト側に備わっていない。このため、急ブレーキを検出した時点で、すでに変速操作を開始している場合に、クラッチを係合させると、クラッチ係合までに時間が掛かるため、その間に、特に氷雪路面上等でタイヤがロックしてしまう可能性が十分に考えられる。そこで、クラッチの内輪と外輪が大きな回転数差で係合してしまうことによって、大きなショックトルクが発生する。
理由:特願2011−227666で開発された変速装置において、オートマチックトランスミッションを搭載したエンジン車のロックアップクラッチのようなクラッチ機構が、前記変速装置の入力シャフト側に備わっていない。このため、急ブレーキを検出した時点で、すでに変速操作を開始している場合に、クラッチを係合させると、クラッチ係合までに時間が掛かるため、その間に、特に氷雪路面上等でタイヤがロックしてしまう可能性が十分に考えられる。そこで、クラッチの内輪と外輪が大きな回転数差で係合してしまうことによって、大きなショックトルクが発生する。
<電気自動車>
電気自動車において、急ブレーキの際、アンチロックブレーキシステムを作動させる場合に、スリップ率λを0.2程度に抑えて路面摩擦抵抗μを大きい値に維持する。これにより、制動距離を短くし、且つ、バッテリへエネルギーを回生する方法が提案されている(特許文献2)。
しかし、タイヤの低速回転時またはタイヤのロック時、バッテリへのエネルギー回生量は少ないかまたは回生不能となってしまう。その時点で摩擦ブレーキに切換えると遅延が発生し、制動距離が伸びる可能性がある。
電気自動車において、急ブレーキの際、アンチロックブレーキシステムを作動させる場合に、スリップ率λを0.2程度に抑えて路面摩擦抵抗μを大きい値に維持する。これにより、制動距離を短くし、且つ、バッテリへエネルギーを回生する方法が提案されている(特許文献2)。
しかし、タイヤの低速回転時またはタイヤのロック時、バッテリへのエネルギー回生量は少ないかまたは回生不能となってしまう。その時点で摩擦ブレーキに切換えると遅延が発生し、制動距離が伸びる可能性がある。
<電気自動車>
特願2011−227666の制御方法は、急ブレーキの際、すでに変速操作を開始しているときに、クラッチを係合させる。この場合、クラッチ係合までに時間が掛かるため、その間に、特に氷雪路面上等でタイヤがロックしてしまう可能性が十分に考えられる。そこで、クラッチの内輪と外輪が大きな回転数差で係合してしまうことによって、大きなショックトルクが発生する。
特願2011−227666の制御方法は、急ブレーキの際、すでに変速操作を開始しているときに、クラッチを係合させる。この場合、クラッチ係合までに時間が掛かるため、その間に、特に氷雪路面上等でタイヤがロックしてしまう可能性が十分に考えられる。そこで、クラッチの内輪と外輪が大きな回転数差で係合してしまうことによって、大きなショックトルクが発生する。
この発明の目的は、電気自動車の力行制御時または変速制御時に、急ブレーキを検出したときのクラッチのショックトルクを低減することができる電気自動車の変速制御方法および変速制御装置を提供することである。
この発明の電気自動車の変速制御方法は、互いに変速比が異なる複数の変速段のギヤ列LA,LBと、走行用の電動モータ3の出力軸であるモータ軸4に連結された入力軸7と前記各変速段のギヤ列LA,LBとの間にそれぞれ介在し断続の切換が可能な各変速段の2ウェイ型のクラッチ16A,16Bと、これら各クラッチ16A,16Bの断続の切換を行う変速比切換機構40とを有する変速機5を備え、
前記各クラッチ16A,16Bは、内輪18A,18Bのカム面19と外輪23A,23B間に設けられた各楔状空間Sに係合子20が介在し、各係合子20が楔状空間Sの狭まり部分に係合することで接続状態となり、各係合子20を楔状空間Sの広がり部分に位置させることで切断状態となる構成であり、
急ブレーキとその解除を検出する急ブレーキ検出部83を備えた、
電気自動車における変速制御方法において、
目標変速段への変速指令に応答して、前記変速比切換機構40により前記電動モータ3のトルクを除荷して現変速段のクラッチ16A,16Bの係合を解除するクラッチ解除過程と、
前記電動モータ3を回転数制御することにより前記目標変速段の前記クラッチ16A,16Bの外輪23A,23Bと内輪18A,18Bの回転数が同期するようにシンクロさせるシンクロ過程と、
前記電動モータ3を回転数制御することにより、目標変速段のクラッチ16A,16Bを係合させるクラッチ係合過程とを有し、
前記急ブレーキ検出部83からの信号に基づいて、急ブレーキか急ブレーキ解除かを判定する急ブレーキ判定過程と、
現変速段の力行制御時または変速制御時に、前記急ブレーキ判定過程により急ブレーキと判定されたとき、前記クラッチ解除過程、前記シンクロ過程、および前記クラッチ係合過程のいずれかの過程に応じて、前記変速機5を制御する変速制御過程と、
を有することを特徴とする。
前記力行制御時における「力行」とは、現変速段のクラッチ16A,16Bが正方向に締結している状態で、トルク制御により、電動モータ3を駆動させている状態を言う。
前記各クラッチ16A,16Bは、内輪18A,18Bのカム面19と外輪23A,23B間に設けられた各楔状空間Sに係合子20が介在し、各係合子20が楔状空間Sの狭まり部分に係合することで接続状態となり、各係合子20を楔状空間Sの広がり部分に位置させることで切断状態となる構成であり、
急ブレーキとその解除を検出する急ブレーキ検出部83を備えた、
電気自動車における変速制御方法において、
目標変速段への変速指令に応答して、前記変速比切換機構40により前記電動モータ3のトルクを除荷して現変速段のクラッチ16A,16Bの係合を解除するクラッチ解除過程と、
前記電動モータ3を回転数制御することにより前記目標変速段の前記クラッチ16A,16Bの外輪23A,23Bと内輪18A,18Bの回転数が同期するようにシンクロさせるシンクロ過程と、
前記電動モータ3を回転数制御することにより、目標変速段のクラッチ16A,16Bを係合させるクラッチ係合過程とを有し、
前記急ブレーキ検出部83からの信号に基づいて、急ブレーキか急ブレーキ解除かを判定する急ブレーキ判定過程と、
現変速段の力行制御時または変速制御時に、前記急ブレーキ判定過程により急ブレーキと判定されたとき、前記クラッチ解除過程、前記シンクロ過程、および前記クラッチ係合過程のいずれかの過程に応じて、前記変速機5を制御する変速制御過程と、
を有することを特徴とする。
前記力行制御時における「力行」とは、現変速段のクラッチ16A,16Bが正方向に締結している状態で、トルク制御により、電動モータ3を駆動させている状態を言う。
この方法によると、クラッチ解除過程では、目標変速段への変速指令に応答して、変速比切換機構40により電動モータ3のトルクを除荷して現変速段のクラッチ16A,16Bの係合を解除する。シンクロ過程では、電動モータ3を回転数制御することにより目標変速段のクラッチ16A,16Bの外輪23A,23Bと内輪18A,18Bの回転数が同期するようにシンクロさせる。その後、クラッチ係合過程において、電動モータ3を回転数制御することにより、目標変速段のクラッチ16A,16Bを係合させる。
急ブレーキ検出部83は、急ブレーキとその解除を検出する。急ブレーキ判定過程では、急ブレーキ検出部83からの信号に基づいて、急ブレーキか急ブレーキ解除かを判定する。
変速制御過程では、現変速段の力行制御時または変速制御時に、急ブレーキ判定過程により急ブレーキと判定されたとき、クラッチ解除過程、シンクロ過程、およびクラッチ係合過程のいずれかの過程に応じて、変速機5を制御する。このように急ブレーキと判定されたとき、各過程に応じてきめ細かく変速機5を制御することで、力行制御時または変速制御時に、急ブレーキを検出したときのクラッチのショックトルクを低減し得る。クラッチ16A,16Bや電動モータ3の動作状態にかかわらず、ショックトルクの低減を図ることが可能となる。
変速制御過程では、現変速段の力行制御時または変速制御時に、急ブレーキ判定過程により急ブレーキと判定されたとき、クラッチ解除過程、シンクロ過程、およびクラッチ係合過程のいずれかの過程に応じて、変速機5を制御する。このように急ブレーキと判定されたとき、各過程に応じてきめ細かく変速機5を制御することで、力行制御時または変速制御時に、急ブレーキを検出したときのクラッチのショックトルクを低減し得る。クラッチ16A,16Bや電動モータ3の動作状態にかかわらず、ショックトルクの低減を図ることが可能となる。
この発明の電気自動車の変速制御装置は、
互いに変速比が異なる複数の変速段のギヤ列LA,LBと、走行用の電動モータ3の出力軸であるモータ軸4に連結された入力軸7と前記各変速段のギヤ列LA,LBとの間にそれぞれ介在し断続の切換が可能な各変速段の2ウェイ型のクラッチ16A,16Bと、これら各クラッチ16A,16Bの断続の切換を行う変速比切換機構40とを有する変速機5を備え、
前記各クラッチ16A,16Bは、内輪18A,18Bのカム面19と外輪23A,23B間に設けられた各楔状空間Sに係合子20が介在し、各係合子20が楔状空間Sの狭まり部分に係合することで接続状態となり、各係合子20を楔状空間Sの広がり部分に位置させることで切断状態となる構成であり、
急ブレーキとその解除を検出する急ブレーキ検出部83を備えた、
電気自動車における変速制御装置において、
目標変速段への変速指令に応答して、前記変速比切換機構40により前記電動モータ3のトルクを除荷して現変速段のクラッチ16A,16Bの係合を解除するクラッチ解除手段77と、
前記電動モータ3を回転数制御することにより前記目標変速段の前記クラッチ16A,16Bの外輪23A,23Bと内輪18A,18Bの回転数が同期するようにシンクロさせるシンクロ制御手段78と、
前記電動モータ3を回転数制御することにより、目標変速段のクラッチ16A,16Bを係合させるクラッチ係合手段79とを有し、
前記急ブレーキ検出部83からの信号に基づいて、急ブレーキか急ブレーキ解除かを判定する急ブレーキ判定手段80と、
現変速段の力行制御時または変速制御時に、前記急ブレーキ判定手段80により急ブレーキと判定されたとき、前記クラッチ解除手段77、前記シンクロ制御手段78、および前記クラッチ係合手段79のいずれかの動作に応じて、前記変速機5を制御する変速制御手段81と、
を有することを特徴とする。
互いに変速比が異なる複数の変速段のギヤ列LA,LBと、走行用の電動モータ3の出力軸であるモータ軸4に連結された入力軸7と前記各変速段のギヤ列LA,LBとの間にそれぞれ介在し断続の切換が可能な各変速段の2ウェイ型のクラッチ16A,16Bと、これら各クラッチ16A,16Bの断続の切換を行う変速比切換機構40とを有する変速機5を備え、
前記各クラッチ16A,16Bは、内輪18A,18Bのカム面19と外輪23A,23B間に設けられた各楔状空間Sに係合子20が介在し、各係合子20が楔状空間Sの狭まり部分に係合することで接続状態となり、各係合子20を楔状空間Sの広がり部分に位置させることで切断状態となる構成であり、
急ブレーキとその解除を検出する急ブレーキ検出部83を備えた、
電気自動車における変速制御装置において、
目標変速段への変速指令に応答して、前記変速比切換機構40により前記電動モータ3のトルクを除荷して現変速段のクラッチ16A,16Bの係合を解除するクラッチ解除手段77と、
前記電動モータ3を回転数制御することにより前記目標変速段の前記クラッチ16A,16Bの外輪23A,23Bと内輪18A,18Bの回転数が同期するようにシンクロさせるシンクロ制御手段78と、
前記電動モータ3を回転数制御することにより、目標変速段のクラッチ16A,16Bを係合させるクラッチ係合手段79とを有し、
前記急ブレーキ検出部83からの信号に基づいて、急ブレーキか急ブレーキ解除かを判定する急ブレーキ判定手段80と、
現変速段の力行制御時または変速制御時に、前記急ブレーキ判定手段80により急ブレーキと判定されたとき、前記クラッチ解除手段77、前記シンクロ制御手段78、および前記クラッチ係合手段79のいずれかの動作に応じて、前記変速機5を制御する変速制御手段81と、
を有することを特徴とする。
この構成によると、急ブレーキ判定手段80は、急ブレーキ検出部83からの信号に基づいて、急ブレーキか急ブレーキ解除かを判定する。変速制御手段81は、現変速段の力行制御時または変速制御時に、急ブレーキ判定手段80により急ブレーキと判定されたとき、クラッチ解除手段77、シンクロ制御手段78、およびクラッチ係合手段79のいずれかの動作に応じて、変速機5を制御する。このように急ブレーキと判定されたとき、各手段のいずれかの動作に応じてきめ細かく変速機5を制御することで、力行制御時または変速制御時に、急ブレーキを検出したときのクラッチ16A,16Bのショックトルクを低減し得る。
前記変速制御手段81は、前記急ブレーキ判定手段80により急ブレーキと判定されたとき、新たな変速制御と回生制御を禁止するものであっても良い。
前記変速制御手段81は、前記急ブレーキ判定手段80により急ブレーキ解除と判定されたとき、新たな変速制御と回生制御を許可するものであっても良い。
前記変速制御手段81は、前記急ブレーキ判定手段80により急ブレーキ解除と判定されたとき、新たな変速制御と回生制御を許可するものであっても良い。
前記急ブレーキ判定手段80は、前記電気自動車における動力伝達軸の回転数を一定時間間隔で取得し、取得した回転数差を前記一定時間間隔で除した値が、減速度閾値を下回ったときに、急ブレーキと判定するものとしても良い。この場合、動力伝達軸から取得した回転数差を減速度閾値と比較することで、急ブレーキか否かを客観的に判定することができる。
前記急ブレーキ判定手段80は、急ブレーキと判定した後、車速が車速閾値を下回って一定の時間経過した後に、急ブレーキ解除と判定するものであっても良い。車速が車速閾値を一時的に下回ってもその後直ぐに車速が車速閾値以上に戻る場合がある。この場合、急ブレーキか急ブレーキ解除かを誤判定されるおそれがある。そこで、急ブレーキと判定した後、車速が車速閾値を下回って一定の時間経過した後に、急ブレーキ解除と判定することで、誤判定を未然に防止することができる。
前記急ブレーキ判定手段80は、タイヤまたは動力伝達軸に備える回転センサからの信号を取得して、車速を算出するものとしても良い。このように回転センサからの信号に基づき、より正確に車速を算出し得る。
前記変速制御手段81は、前記急ブレーキ判定手段80により急ブレーキと判定されたときに、前記電気自動車が力行制御時のとき、クリープ駆動閾値で前記電動モータ3を駆動するものとしても良い。この場合、車速にかかわらず必要な電動モータ3の走行トルクを得ることが可能となる。
前記クリープ駆動閾値で前記電動モータ3を駆動する場合において、アクセルペダルとブレーキペダルが同時に踏まれた場合、ブレーキを優先するものとしても良い。ペダルの踏み間違い等があっても、ブレーキを優先する設定とすることで、より安全に配慮した変速制御装置を実現し得る。
前記クリープ駆動閾値で前記電動モータ3を駆動する場合において、アクセルペダルとブレーキペダルが同時に踏まれた場合、ブレーキを優先するものとしても良い。ペダルの踏み間違い等があっても、ブレーキを優先する設定とすることで、より安全に配慮した変速制御装置を実現し得る。
前記変速制御手段81は、前記急ブレーキ判定手段80により急ブレーキ解除と判定されたときに、現変速段が1速段以外の2速段またはニュートラル位置にある場合、1速段に戻す変速制御を実施するものとしても良い。この場合、低速域から必要な加速を得ることができ、ドライバビリティの向上を図れる。
前記変速比切換機構40は、保持器21A,21Bに連結されて回転する摩擦板35A,35Bの外輪23A,23Bへの接触と離間とを変速切換アクチュエータ47によるシフト部材45の進退によって切り換える機構であり、
前記変速制御手段81は、前記急ブレーキ判定手段80により急ブレーキと判定されたときに、電気自動車がシフトアップ変速制御中であって、さらに現変速段のクラッチ16A,16Bを解除動作中の場合に、前記シフト部材45のシフト位置が定められたシフト位置SP_1tを下回ったとき、即時に前記変速切換アクチュエータ47を停止し(ニュートラル位置)、前記電動モータ3の駆動トルクを除荷するものとしても良い。
このようにシフト部材45のシフト位置に応じて、変速切換アクチュエータ47を停止させ、効率良く変速切換アクチュエータ47を駆動させることが可能となる。
前記変速制御手段81は、前記急ブレーキ判定手段80により急ブレーキと判定されたときに、電気自動車がシフトアップ変速制御中であって、さらに現変速段のクラッチ16A,16Bを解除動作中の場合に、前記シフト部材45のシフト位置が定められたシフト位置SP_1tを下回ったとき、即時に前記変速切換アクチュエータ47を停止し(ニュートラル位置)、前記電動モータ3の駆動トルクを除荷するものとしても良い。
このようにシフト部材45のシフト位置に応じて、変速切換アクチュエータ47を停止させ、効率良く変速切換アクチュエータ47を駆動させることが可能となる。
前記変速制御手段81は、前記急ブレーキ判定手段80により急ブレーキと判定されたときに、電気自動車がシフトアップ変速制御中であって、さらに現変速段のクラッチ16A,16Bを解除動作中の場合に、前記シフト部材45のシフト位置が定められたシフト位置SP_1tを下回っていないとき、即時に前記変速切換アクチュエータ47をシフト位置SP_1f(1速段位置)に戻すものとしても良い。
急ブレーキのとき、シフトアップ変速制御中、例えば、変速切換アクチュエータ47が前記シフト位置SP_1fから定められたシフト位置SP_1f-tにある場合、変速切換アクチュエータ47を即時にシフト位置SP_1fに戻しても、クラッチ16A,16Bの内外輪間に大きな回転数差は生じない。そこで、急ブレーキで前記のような条件のとき、低速域の状態から必要な加速を得ることができ、ドライバビリティの向上を図れる。
急ブレーキのとき、シフトアップ変速制御中、例えば、変速切換アクチュエータ47が前記シフト位置SP_1fから定められたシフト位置SP_1f-tにある場合、変速切換アクチュエータ47を即時にシフト位置SP_1fに戻しても、クラッチ16A,16Bの内外輪間に大きな回転数差は生じない。そこで、急ブレーキで前記のような条件のとき、低速域の状態から必要な加速を得ることができ、ドライバビリティの向上を図れる。
前記シフトアップ変速制御において、前記変速制御手段81が、前記急ブレーキ判定手段80により急ブレーキ解除と判定されたときに、変速段をニュートラル位置から1速段に戻す変速制御を実施する、または変速段を1速段に維持するものとしても良い。このように急ブレーキ解除を条件として、変速段が1速段に確実に位置するように制御することで、クラッチ16A,16Bのショックトルクの低減を図ると共に、低速域の状態から必要な加速を得ることができる。
前記変速制御手段81は、前記急ブレーキ判定手段80により急ブレーキと判定されたときに、電気自動車がシフトダウン変速制御中であって、さらに現変速段のクラッチ16A,16Bを解除動作中の場合に、前記シフト部材45のシフト位置が定められたシフト位置SP_2tを上回ったとき、即時に前記変速切換アクチュエータ47を停止し(ニュートラル位置)、前記電動モータ3の駆動トルクを除荷するものとしても良い。
前記変速制御手段81は、前記急ブレーキ判定手段80により急ブレーキと判定されたときに、電気自動車がシフトダウン変速制御中であって、さらに現変速段のクラッチ16A,16Bを解除動作中の場合に、前記シフト部材45のシフト位置が定められたシフト位置SP_2tを下回ったとき、即時に前記変速切換アクチュエータ47をシフト位置SP_2f(2速段位置)に戻す変速制御を実施するものとしても良い。
前記シフトダウン変速制御において、前記変速制御手段81が、前記急ブレーキ判定手段80により急ブレーキ解除と判定されたときに、変速段をニュートラル位置から1速段へ変速制御を継続実施する、または変速段を2速段から1速段へ変速制御を実施するものとしても良い。このように急ブレーキ解除を条件として、変速段が1速段に確実に位置するように制御することで、クラッチ16A,16Bのショックトルクの低減を図ると共に、低速域の状態から必要な加速を得ることができる。
前記シフトダウン変速制御において、前記変速制御手段81が、前記急ブレーキ判定手段80により急ブレーキ解除と判定されたときに、変速段をニュートラル位置から1速段へ変速制御を継続実施する、または変速段を2速段から1速段へ変速制御を実施するものとしても良い。このように急ブレーキ解除を条件として、変速段が1速段に確実に位置するように制御することで、クラッチ16A,16Bのショックトルクの低減を図ると共に、低速域の状態から必要な加速を得ることができる。
前記変速制御手段81は、前記急ブレーキ判定手段80により急ブレーキと判定されたときに、電気自動車が変速制御中であって、さらに前記電動モータ3をシンクロさせるシンクロ動作中の場合、前記変速切換アクチュエータ47を停止してシンクロ動作を中止し(ニュートラル位置)、前記電動モータ3の駆動トルクを除荷するものとしても良い。急ブレーキ時にシンクロ動作を継続するとショックトルクを起こすおそれがある。この場合、急ブレーキ時にシンクロ動作を中止して電動モータ3の駆動トルクを除荷することで、ショックトルクを未然に防止することができる。
前記変速制御手段81は、前記電動モータ3をシンクロさせる動作中に急ブレーキ判定手段80により急ブレーキと判定され、その後急ブレーキ解除と判定されたとき、変速段をニュートラル位置から1速段への変速制御を実施するものとしても良い。
前記変速制御手段81は、前記急ブレーキ判定手段80により急ブレーキと判定されたとき、電気自動車がシフトアップ変速制御中であって、さらに目標変速段のクラッチ16A,16Bを締結動作中の場合に、前記シフト部材45のシフト位置が定められたシフト位置SP_2ftを過ぎたとき、変速制御終了まで継続的に2速段への変速制御を実施するものとしても良い。急ブレーキ時におけるシフトアップ変速制御中であっても、シフト部材45のシフト位置に応じて臨機応変に変速制御を継続的に実施することで、動作途中の変速制御を安定して行うことができる。
前記変速制御手段81は、前記急ブレーキ判定手段80により急ブレーキと判定されたとき、電気自動車がシフトアップ変速制御中であって、さらに目標変速段のクラッチ16A,16Bを締結動作中の場合に、前記シフト部材45のシフト位置が定められたシフト位置SP_2ftを上回ったとき、変速制御を中止させ、前記変速切換アクチュエータ47を定められたシフト位置SP_2nに戻すようにしても良い。
前記変速制御手段81は、前記急ブレーキ判定手段80により急ブレーキと判定されたとき、電気自動車がシフトアップ変速制御中であって、さらに目標変速段のクラッチ16A,16Bを締結動作中の場合に、変速制御終了まで継続的に2速段への変速制御を実施した後、前記急ブレーキ判定手段80により急ブレーキ解除と判定されたとき、2速段から1速段への変速段の変速制御を実施するようにしても良い。
前記変速制御手段81は、前記急ブレーキ判定手段80により急ブレーキと判定されたとき、電気自動車がシフトアップ変速制御中であって、さらに目標変速段のクラッチ16A,16Bを締結動作中の場合に、変速制御終了まで継続的に2速段への変速制御を実施した後、前記急ブレーキ判定手段80により急ブレーキ解除と判定されたとき、2速段から1速段への変速段の変速制御を実施するようにしても良い。
前記変速制御手段81は、前記急ブレーキ判定手段80により急ブレーキと判定されたとき、電気自動車がシフトダウン変速制御中であって、さらに目標変速段のクラッチ16A,16Bを締結動作中の場合に、前記シフト部材45のシフト位置が定められたシフト位置SP_1ftを上回ったとき、変速制御終了まで継続的に1速段への変速制御を実施しても良い。
前記変速制御手段81は、前記急ブレーキ判定手段80により急ブレーキと判定され、電気自動車がシフトダウン変速制御中であって、さらに目標変速段のクラッチ16A,16Bを締結動作中の場合に、前記シフト部材45のシフト位置が定められたシフト位置SP_1ftを下回ったとき、変速制御を中止させ、前記変速切換アクチュエータ47の目標変速段のシフト位置SP_1nに戻させるようにしても良い。
前記変速制御手段81は、前記急ブレーキ判定手段80により急ブレーキと判定され、電気自動車がシフトダウン変速制御中であって、さらに目標変速段のクラッチ16A,16Bを締結動作中の場合に、前記シフト部材45のシフト位置が定められたシフト位置SP_1ftを下回ったとき、変速制御を中止させ、前記変速切換アクチュエータ47の目標変速段のシフト位置SP_1nに戻させるようにしても良い。
前記変速制御手段81は、急ブレーキ時で且つシフトダウン変速制御中であって、さらに目標変速段のクラッチ16A,16Bを締結動作中の場合に、前記急ブレーキ判定手段80により急ブレーキ解除と判定されたとき、現変速段の変速制御を実施しないものとしても良い。
前記変速制御手段81は、前記変速切換アクチュエータ47の目標変速段のシフト位置SP_1nに戻させる場合に、ニュートラル位置から1速段への変速段の変速制御を継続実施するようにしても良い。
前記変速制御手段81は、前記変速切換アクチュエータ47の目標変速段のシフト位置SP_1nに戻させる場合に、ニュートラル位置から1速段への変速段の変速制御を継続実施するようにしても良い。
前記電気自動車は、車両の前後輪のいずれか一方または両方を前記電動モータ3で駆動するものとしても良い。
前記電気自動車は、車両の前後輪のいずれか一方をエンジンにて駆動し、前後輪のいずれか他方を前記電動モータ3で駆動するものであっても良い。
前記電気自動車は、車両の前後輪のいずれか一方をエンジンにて駆動し、前後輪のいずれか他方を前記電動モータ3で駆動するものであっても良い。
この発明の電気自動車の変速制御方法は、互いに変速比が異なる複数の変速段のギヤ列と、走行用の電動モータの出力軸であるモータ軸に連結された入力軸と前記各変速段のギヤ列との間にそれぞれ介在し断続の切換が可能な各変速段の2ウェイ型のクラッチと、これら各クラッチの断続の切換を行う変速比切換機構とを有する変速機を備え、
前記各クラッチは、内輪のカム面と外輪間に設けられた各楔状空間に係合子が介在し、各係合子が楔状空間の狭まり部分に係合することで接続状態となり、各係合子を楔状空間の広がり部分に位置させることで切断状態となる構成であり、
急ブレーキとその解除を検出する急ブレーキ検出部を備えた、
電気自動車における変速制御方法において、
目標変速段への変速指令に応答して、前記変速比切換機構により前記電動モータのトルクを除荷して現変速段のクラッチの係合を解除するクラッチ解除過程と、
前記電動モータを回転数制御することにより前記目標変速段の前記クラッチの外輪と内輪の回転数が同期するようにシンクロさせるシンクロ過程と、
前記電動モータを回転数制御することにより、目標変速段のクラッチを係合させるクラッチ係合過程とを有し、
前記急ブレーキ検出部からの信号に基づいて、急ブレーキか急ブレーキ解除かを判定する急ブレーキ判定過程と、
現変速段の力行制御時または変速制御時に、前記急ブレーキ判定過程により急ブレーキと判定されたとき、前記クラッチ解除過程、前記シンクロ過程、および前記クラッチ係合過程のいずれかの過程に応じて、前記変速機を制御する変速制御過程とを有する。
このため、電気自動車の力行制御時または変速制御時に、急ブレーキを検出したときのクラッチのショックトルクを低減することができる。
前記各クラッチは、内輪のカム面と外輪間に設けられた各楔状空間に係合子が介在し、各係合子が楔状空間の狭まり部分に係合することで接続状態となり、各係合子を楔状空間の広がり部分に位置させることで切断状態となる構成であり、
急ブレーキとその解除を検出する急ブレーキ検出部を備えた、
電気自動車における変速制御方法において、
目標変速段への変速指令に応答して、前記変速比切換機構により前記電動モータのトルクを除荷して現変速段のクラッチの係合を解除するクラッチ解除過程と、
前記電動モータを回転数制御することにより前記目標変速段の前記クラッチの外輪と内輪の回転数が同期するようにシンクロさせるシンクロ過程と、
前記電動モータを回転数制御することにより、目標変速段のクラッチを係合させるクラッチ係合過程とを有し、
前記急ブレーキ検出部からの信号に基づいて、急ブレーキか急ブレーキ解除かを判定する急ブレーキ判定過程と、
現変速段の力行制御時または変速制御時に、前記急ブレーキ判定過程により急ブレーキと判定されたとき、前記クラッチ解除過程、前記シンクロ過程、および前記クラッチ係合過程のいずれかの過程に応じて、前記変速機を制御する変速制御過程とを有する。
このため、電気自動車の力行制御時または変速制御時に、急ブレーキを検出したときのクラッチのショックトルクを低減することができる。
この発明の電気自動車の変速制御装置は、互いに変速比が異なる複数の変速段のギヤ列と、走行用の電動モータの出力軸であるモータ軸に連結された入力軸と前記各変速段のギヤ列との間にそれぞれ介在し断続の切換が可能な各変速段の2ウェイ型のクラッチと、これら各クラッチの断続の切換を行う変速比切換機構とを有する変速機を備え、
前記各クラッチは、内輪のカム面と外輪間に設けられた各楔状空間に係合子が介在し、各係合子が楔状空間の狭まり部分に係合することで接続状態となり、各係合子を楔状空間の広がり部分に位置させることで切断状態となる構成であり、
急ブレーキとその解除を検出する急ブレーキ検出部を備えた、
電気自動車における変速制御装置において、
目標変速段への変速指令に応答して、前記変速比切換機構により前記電動モータのトルクを除荷して現変速段のクラッチの係合を解除するクラッチ解除手段と、
前記電動モータを回転数制御することにより前記目標変速段の前記クラッチの外輪と内輪の回転数が同期するようにシンクロさせるシンクロ制御手段と、
前記電動モータを回転数制御することにより、目標変速段のクラッチを係合させるクラッチ係合手段とを有し、
前記急ブレーキ検出部からの信号に基づいて、急ブレーキか急ブレーキ解除かを判定する急ブレーキ判定手段と、
現変速段の力行制御時または変速制御時に、前記急ブレーキ判定手段により急ブレーキと判定されたとき、前記クラッチ解除手段、前記シンクロ制御手段、および前記クラッチ係合手段のいずれかの動作に応じて、前記変速機を制御する変速制御手段とを有する。
このため、電気自動車の力行制御時または変速制御時に、急ブレーキを検出したときのクラッチのショックトルクを低減することができる。
前記各クラッチは、内輪のカム面と外輪間に設けられた各楔状空間に係合子が介在し、各係合子が楔状空間の狭まり部分に係合することで接続状態となり、各係合子を楔状空間の広がり部分に位置させることで切断状態となる構成であり、
急ブレーキとその解除を検出する急ブレーキ検出部を備えた、
電気自動車における変速制御装置において、
目標変速段への変速指令に応答して、前記変速比切換機構により前記電動モータのトルクを除荷して現変速段のクラッチの係合を解除するクラッチ解除手段と、
前記電動モータを回転数制御することにより前記目標変速段の前記クラッチの外輪と内輪の回転数が同期するようにシンクロさせるシンクロ制御手段と、
前記電動モータを回転数制御することにより、目標変速段のクラッチを係合させるクラッチ係合手段とを有し、
前記急ブレーキ検出部からの信号に基づいて、急ブレーキか急ブレーキ解除かを判定する急ブレーキ判定手段と、
現変速段の力行制御時または変速制御時に、前記急ブレーキ判定手段により急ブレーキと判定されたとき、前記クラッチ解除手段、前記シンクロ制御手段、および前記クラッチ係合手段のいずれかの動作に応じて、前記変速機を制御する変速制御手段とを有する。
このため、電気自動車の力行制御時または変速制御時に、急ブレーキを検出したときのクラッチのショックトルクを低減することができる。
以下、この発明の実施形態にかかる電気自動車の変速制御方法を説明する。なお以下の説明は、変速制御装置の説明をも含む。図1は、左右一対の前輪1を車両用モータ駆動装置Aで駆動される駆動輪とし、左右一対の後輪2を従動輪とした電気自動車EVを示す。
図2は、左右一対の前輪1をエンジンEによって駆動される主駆動輪とし、左右一対の後輪2を車両用モータ駆動装置Aで駆動される補助駆動輪としたハイブリッド自動車HVを示す。ハイブリッド自動車HVには、エンジンEの回転を変速するトランスミッションTと、トランスミッションTから出力された回転を左右の前輪1に分配するディファレンシャルDとが設けられている。この実施形態の変速制御方法および変速制御装置は、図1,図2の車両用モータ駆動装置Aに適用される。
図3に示すように、車両用モータ駆動装置Aは、走行用の電動モータ3と、電動モータ3の出力軸4の回転を変速して出力する変速機5と、その変速機5から出力された回転を図1に示す電気自動車EVの左右一対の前輪1に分配し、または、図2に示すハイブリッド車の左右一対の後輪2に分配するディファレンシャル6とを有する。
変速機5は、変速段数が2段であって、図3に示すように、互いに変速比が異なる複数(この例では2列)の変速段のギヤ列LA,LBと、電動モータ3の出力軸であるモータ軸4に連結された入力軸7と前記各変速段のギヤ列LA,LBにそれぞれ介在し断続の切換が可能な各変速段の2ウェイ型のクラッチ16A,16Bと、これら各クラッチ16A,16Bの断続の切換を行う変速比切換機構40とを有する。クラッチ16A,16Bは、それぞれ係合子としてローラを用いたローラクラッチが適用されているが、係合子としてスプラグを用いたスプラグ型クラッチを適用してもよい。この例では、以後、クラッチ16A,16Bをそれぞれローラクラッチ16A,16Bと表記して説明する。
変速機5および変速比切換機構40については、ここでは変速制御方法および変速制御装置の理解に必要な範囲で簡単に説明し、変速制御方法および変速制御装置の説明の後に、詳細に説明する。
変速機5は、モータ軸4の回転が入力される入力軸7と、入力軸7に対して間隔をおいて平行に配置された出力軸8と、上記各ギヤ列LA,LBとを有する平行軸常時噛合型変速機である。1速ギヤ列LAの入力ギヤ9Aおよび2速ギヤ列LBの入力ギヤ9Bが入力軸に一体に設けられ、1速ギヤ列LAの出力ギヤ10Aおよび2速ギヤ列LBの出力ギヤ10Bが出力軸8の外周に回転自在に設置されている。これら各出力ギヤ10A,10Bと出力軸8の間に、前記ローラクラッチ16A,16Bが介在させてある。
各ローラクラッチ16A,16Bは、図24に示す2速のローラクラッチ16Bの例で説明するように、外周面が多角形状とされた内輪18Bの外周の平面状の各カム面19と外輪23Bの内周の円筒面間に設けられた各楔状空間Sにローラ20が介在する。楔状空間Sは、円周方向の両側が狭まり、円周方向の中央が広がり部分となる。各ローラクラッチ16A,16Bは、各ローラ20が楔状空間Sの狭まり部分に係合することで接続状態となり、保持器21Bにより各ローラ20を楔状空間Sの広がり部分に位置させることで切断状態となる構成である。
変速比切換機構40は、図4に示すように、ローラクラッチ16A,16Bの保持器21A,21Bに連結されて回転する環状の摩擦板35A,35Bの外輪23A,23Bへの接触と離間とを変速切換アクチュエータ47による、シフト部材であるシフトフォーク45の進退によって切り換える機構である。シフト機構41は、変速比切換機構40のうちの、摩擦板35A,35Bを動作される機構部分であり、変速切換アクチュエータ47とシフトフォーク45により構成される。
変速切換アクチュエータ47は、シフト用の電動モータであり、その出力軸47aの回転を、送りねじ機構48によりシフトロッド46の直動運動に変換し、シフトロッド46に取り付けたシフトフォーク45を軸方向に移動させる。シフトフォーク45の移動により、シフトスリーブ43およびシフトリング34が移動する。シフトリング34が摩擦板35A,35Bを、クラッチ外輪23A,23B(出力ギヤ10A,10B)の側面に押し付ける。これにより、カム面付きの内輪18A,18Bと外輪23A,23Bとが相対回転する場合に、摩擦板35A,35Bと外輪23A,23Bとの間に摩擦力(トルク)が作用し、保持器21A,21Bを介してローラ20を楔状空間Sの狭まり部分に押し込むことができる。
なお、保持器21A,21Bは内輪18A,18Bに対して回転自在であるが、スイッチばね22A,22B(図23)により、内輪18A,18Bのカム面19(図23)の中央、つまり楔状空間Sの広がり部分である中立位置とポケット21aの円周方向中央とが一致するように付勢される。摩擦板35A,35Bは、上記スイッチばね22A,22Bにより、保持器21A,21Bと共に回転可能なように連結されている。
図5は、車両用モータ駆動装置Aを制御する制御システムを示すブロック図である。この制御システムは、統合ECU60、変速ECU61、およびインバータ装置62を有する。統合ECU60、変速ECU61、およびインバータ装置62の3者間の信号転走はCAN通信(コントローラー・エリア・ネットワーク)で行われる。
統合ECU60は、車載全ての電子制御装置間の協調制御を行う電子制御装置であり、アクセルペダル63のアクセル開度センサ63a、ブレーキペダル91のブレーキ開度センサ91a、ステアリングホイール92の操舵角センサ92a、変速段を手動で切り替えるシフトレバー93のレバー位置センサ93aに接続されている。統合ECU60は、これらアクセル開度センサ63a、ブレーキ開度センサ91a、操舵角センサ92a、レバー位置センサ93aの検出したアクセル開度信号、ブレーキ開度信号、操舵角信号、およびレバー位置信号を、変速ECU61に送信する機能、並びにこれらの4種の信号および他の各種のセンサ等の信号によって前記協調制御を行う機能を備える。
変速ECU61は、統合ECU60から送信された各種信号や、直接に変速ECU61に入力された各種信号により、自動変速の制御を行う電子制御装置であり、各種入力信号に基づいて変速判断を行ない、変速機5の変速切換アクチュエータ47とインバータ装置62に指令を出す。
変速ECU61は、次の各機能(1)〜(6)を備える。
(1)車速度センサ(車速検出部)94および加速度センサ95から、車速と車両の加減速度の検出信号を受け、統合ECU60からアクセル開度信号を受け取り、自動変速の判断を行う。
(2)急ハンドルと判断した場合は、新たな自動変速と手動変速両方を行わない。
(3)統合ECU60からシフトレバー93の位置信号を受け取り、電動モータ3のクリープ制御を実施する。
(1)車速度センサ(車速検出部)94および加速度センサ95から、車速と車両の加減速度の検出信号を受け、統合ECU60からアクセル開度信号を受け取り、自動変速の判断を行う。
(2)急ハンドルと判断した場合は、新たな自動変速と手動変速両方を行わない。
(3)統合ECU60からシフトレバー93の位置信号を受け取り、電動モータ3のクリープ制御を実施する。
(4)手動変速機能も備えている。
(5)変速切替アクチュエータ47のシフト位置を、変速機5に付けられたシフト位置センサ68から検出する機能とインバータから電動モータ3の回転数を取得する機能を備える。
(6)インバータ装置62にトルク指令または回転数指令と変速指令を送信する機能、および変速機5に付けられた変速切替アクチュエータ47を駆動する機能を備える。
(6)インバータ装置62にトルク指令または回転数指令と変速指令を送信する機能、および変速機5に付けられた変速切替アクチュエータ47を駆動する機能を備える。
この実施形態の変速制御方法および変速制御装置は、変速ECU61による自動変速モードおよび手動変速モードの各変速モードにおける制御に係る。変速ECU61は、図9に示す各種の機能達成手段を有しているが、これらの手段については後に説明する。
図5において、インバータ装置62は、バッテリ69から直流電流が供給されて、電動モータ3に交流のモータ駆動電力を供給するとともに、その供給電力を変速ECU61からの信号に基づいて制御する。インバータ装置62には、電動モータ3に設けられた回転角度センサ66から、電動モータ3の回転数を示す信号が入力される。
インバータ装置62は、電動モータ3を駆動する機能、および回転角度センサ66から電動モータ3の回転角信号を得る機能を備える。インバータ装置62は、図6に示すように、インバータ71と、このインバータ71を制御するインバータ制御回路72とで構成される。インバータ71と、U,V,W相の上側アームスイッチング素子Up,Vp,Wpと、U,V,W相の下側アームスイッチング素子Un,Vn,Wnの接続点に電動モータ3の各相(U,V,W相)の端子を接続したものである。インバータ71には、3相の交流電力を出力するように、インバータ制御回路72から各スイッチング素子Up,Vp,Wp,Un,Vn,Wnに開閉指令が与えられる。
電動モータ3は、3相の通電により、転流を行っている。電動モータ3の駆動のためには大電流が必要である。
電動モータ3は、3相の通電により、転流を行っている。電動モータ3の駆動のためには大電流が必要である。
図7は、シフトレバー操作パネル75の構成を示す。運転手がシフトレバー93を手動操作することによって、周知の例と同様に、P(パーキング)、R(リバース)、N(ニュートラル)、D(ドライブ)、2速(セカンド)、1速(ロウ)の各レンジを切り換えることができる。シフトレバー操作パネル75は、このように切り換えられるどのレンジに現在あるかを示す表示装置である。シフトレバー操作パネル75におけるレンジ選択情報は統合ECU60に入力される。1速レンジは1速段状態である。なお、シフトレバー操作パネル75は、タッチパネル形式の入力手段を兼ねて、シフトレバー93に代えて運転者により操作される操作手段としても良い。
図8は、電動モータ3と、インバータトルク制御、インバータ回転数制御のブロック図を示す。このインバータ制御回路72は、トルク制御と回転数制御とに切り換えて制御可能としてあり、トルク制御と回転数制御とも、フィードバック制御で、かつベクトル制御である。変速時はトルク制御と回転数制御とを行い、変速時以外のときはトルク制御を行う。詳細な説明は省略する。
同図のインバータ制御回路72の構成を、トルク制御方法の概要と共に説明する。
インバータ制御回路72は、アクセル信号(トルク指令)と電動モータ回転数を取得して、電流指令部101で電流指令値を生成する。電流指令部101には、トルク制御時は、アクセル信号から変速ECU61のトルク指令部110で生成されたトルク指令が入力される。なお、図8における変速ECU61のトルク指令部110および速度指令部106は、変速ECU61の構成要素のうち、トルク指令および速度指令を出力する手段を総称して示している。
電力変換部62aは、PWMデューティVu,Vv,Vwに従ってインバータ71をPWM制御し、電動モータ3を駆動する。
インバータ制御回路72は、アクセル信号(トルク指令)と電動モータ回転数を取得して、電流指令部101で電流指令値を生成する。電流指令部101には、トルク制御時は、アクセル信号から変速ECU61のトルク指令部110で生成されたトルク指令が入力される。なお、図8における変速ECU61のトルク指令部110および速度指令部106は、変速ECU61の構成要素のうち、トルク指令および速度指令を出力する手段を総称して示している。
電力変換部62aは、PWMデューティVu,Vv,Vwに従ってインバータ71をPWM制御し、電動モータ3を駆動する。
同図のインバータ制御回路72による回転数制御を説明する。
速度指令部106は、インバータ制御回路72に対して速度指令を与える手段であり、変速ECU61に設けられている。速度指令部106は、変速時の車速と選択された目標変速段の変速比に基づき、電動モータ3の目標回転数を算出する。算出した目標回転数は、速度指令としてインバータ装置62のインバータ制御回路72に指示される。
速度指令部106は、インバータ制御回路72に対して速度指令を与える手段であり、変速ECU61に設けられている。速度指令部106は、変速時の車速と選択された目標変速段の変速比に基づき、電動モータ3の目標回転数を算出する。算出した目標回転数は、速度指令としてインバータ装置62のインバータ制御回路72に指示される。
また、電動モータ3の回転子角度を回転角度センサ66から取得し、実際の電動モータ3の回転数を速度計算部108で算出する。速度指令部106の速度指令と、速度計算部108で算出した実際の電動モータ回転数の差分を比較部109で求め、その差分に対つき、制御部107でPID制御(比例積分微分制御)、あるいはPI制御(比例積分制御)を行い、制御量をトルク指令として、電流指令部101に入力する。回転数制御時、この速度計算部108の速度指令に基づくトルク指令が、トルク指令部110からのトルク指令に代えて電流指令部101に入力される。
なお、図8において、インバータ制御回路72は、速度制御部73と、トルク制御部74とに分けて説明している。
トルク制御部74は、インバータ制御回路72のうち、トルク制御により電動モータ3の制御の機能を果たす部分であり、図8の電流指令部101、電流PI制御部102、2相・3相変化部103、3相・2相変化部104、速度計算部108、および予測部111を含む。
速度制御部73は、インバータ制御回路72のうち、速度制御により電動モータ3の制御の機能を果たす部分であって、比較部109と、制御部107とを有し、トルク制御部74の電流制御部101へトルク指令を与え、その後の制御をトルク制御部74で行わせる。
トルク制御部74は、インバータ制御回路72のうち、トルク制御により電動モータ3の制御の機能を果たす部分であり、図8の電流指令部101、電流PI制御部102、2相・3相変化部103、3相・2相変化部104、速度計算部108、および予測部111を含む。
速度制御部73は、インバータ制御回路72のうち、速度制御により電動モータ3の制御の機能を果たす部分であって、比較部109と、制御部107とを有し、トルク制御部74の電流制御部101へトルク指令を与え、その後の制御をトルク制御部74で行わせる。
次に、電気自動車における車両用モータ駆動装置の変速制御装置につき、図9のブロック図を参照して説明する。制御対象となる電気自動車は、上記実施形態の変速制御方法を適用する図1〜図8と共に前述した電気自動車である。
この電気自動車の変速制御装置は、上記実施形態の変速制御方法を実施する装置であって、変速ECU61は、変速指令生成手段76と、クラッチ解除手段77と、シンクロ制御手段78と、クラッチ係合手段79とを有する。さらに変速ECU61は、急ブレーキ判定手段80と、変速制御手段81と、ROM82とを有する。変速ECU61は、変速時以外の電動モータ3の制御をトルク制御として、トルク指令をインバータ制御回路72へ出力し、変速時にトルク制御と回転数制御を切り換える。
この電気自動車の変速制御装置は、上記実施形態の変速制御方法を実施する装置であって、変速ECU61は、変速指令生成手段76と、クラッチ解除手段77と、シンクロ制御手段78と、クラッチ係合手段79とを有する。さらに変速ECU61は、急ブレーキ判定手段80と、変速制御手段81と、ROM82とを有する。変速ECU61は、変速時以外の電動モータ3の制御をトルク制御として、トルク指令をインバータ制御回路72へ出力し、変速時にトルク制御と回転数制御を切り換える。
変速指令生成手段76は、アクセル開度センサ63aからのアクセル開度信号、車速度センサ94からの検出値、および加速度センサ95からの加減速度から、定められた規則に従って目標変速段への変速指令を生成する。
クラッチ解除手段77は、前記変速指令に応答して、変速切換アクチュエータ47によりシフト部材45を動作させ、現変速段の摩擦板35A,35Bと外輪23A,23Bの当接を解除し、トルク制御により電動モータ3のトルクを除荷して現変速段のローラクラッチ16A,16Bの係合を解除する。
シンクロ制御手段78は、電動モータ3を回転数制御することにより目標変速段のローラクラッチ16A,16Bの外輪23A,23Bと内輪18A,18Bの回転数が同期するようにシンクロさせる。
クラッチ解除手段77は、前記変速指令に応答して、変速切換アクチュエータ47によりシフト部材45を動作させ、現変速段の摩擦板35A,35Bと外輪23A,23Bの当接を解除し、トルク制御により電動モータ3のトルクを除荷して現変速段のローラクラッチ16A,16Bの係合を解除する。
シンクロ制御手段78は、電動モータ3を回転数制御することにより目標変速段のローラクラッチ16A,16Bの外輪23A,23Bと内輪18A,18Bの回転数が同期するようにシンクロさせる。
クラッチ係合手段79は、電動モータ3を回転数制御することにより、目標変速段のローラクラッチ16A,16Bを係合させる。
急ブレーキ判定手段80は、後述する急ブレーキ検出部83からの信号に基づいて、急ブレーキか急ブレーキ解除かを判定する。
変速制御手段81は、現変速段の力行制御時または変速制御時に、急ブレーキ判定手段80により急ブレーキと判定されたとき、クラッチ解除手段77、シンクロ制御手段78、およびクラッチ係合手段79のいずれかの動作に応じて、変速機5を制御する。
変速ECU61における記憶手段であるROM82には、温度閾値、待ち時間閾値、減速値閾値、車速閾値、クリープ駆動閾値などが格納されている。
急ブレーキ判定手段80は、後述する急ブレーキ検出部83からの信号に基づいて、急ブレーキか急ブレーキ解除かを判定する。
変速制御手段81は、現変速段の力行制御時または変速制御時に、急ブレーキ判定手段80により急ブレーキと判定されたとき、クラッチ解除手段77、シンクロ制御手段78、およびクラッチ係合手段79のいずれかの動作に応じて、変速機5を制御する。
変速ECU61における記憶手段であるROM82には、温度閾値、待ち時間閾値、減速値閾値、車速閾値、クリープ駆動閾値などが格納されている。
図10は、変速制御方法の概要を示すフローチャートである。図9も参照しつつ説明する。例えば、車両のイグニッションスイッチ等をオンにすることで本処理が開始する。本処理開始後、ステップS1において、急ブレーキ判定手段80が、急ブレーキか急ブレーキ解除かを判定する。その後ステップS2にて、変速制御手段81は、現在、クラッチ解除過程、シンクロ過程、クラッチ係合過程のいずれかにあるかを判定した後、いずれかの過程に応じて、変速機5を制御する。その後本処理を終了する。なおクラッチ解除手段77がクラッチ解除過程の処理を行い、シンクロ制御手段78がシンクロ過程の処理を行い、クラッチ係合手段79がクラッチ係合過程の処理をそれぞれ行う。
図11は、この変速制御方法における自動変速線図である。実線はシフトアップ線、破線はシフトダウン線である。横軸を車速、縦軸をアクセル開度として表される。
アクセルペダルを一杯に踏み込むと、シフトダウン変速され所要の加速力が得られる。このようにアクセルペダルを全開付近まで踏込むことにより、強制的にシフトダウン変速することをキックダウンという。図11のキックダウン域がそれに当たる。
アクセルペダルを一杯に踏み込むと、シフトダウン変速され所要の加速力が得られる。このようにアクセルペダルを全開付近まで踏込むことにより、強制的にシフトダウン変速することをキックダウンという。図11のキックダウン域がそれに当たる。
図12は、自動変速判断のフローチャートを示す。図7のDレンジ走行時に、自動変速判断を行う。自動変速の実行可否の判断を、次の3パターンで行う。本処理開始後、第1の操作スイッチ96がオンのとき(ステップa1:Yes)、自動変速が許可される。
パターン1:車両加速でシフトアップ線を左から右へ跨ぐ時に(ステップa2:Yes)、車両加速と判断され(ステップa3:Yes)、且つ、油温>温度閾値(負数)の場合(ステップa4:Yes)にシフトアップ変速を開始する(ステップa5)。ステップa3で車両加速でないとの判断でステップa6に移行する。
パターン2:車両減速でシフトダウン線を右から左へ跨ぐ時(ステップa6:Yes、ステップa7:Yes)、且つ、油温>温度閾値(負数)の場合(ステップa8:Yes)にシフトダウン変速を開始する(ステップa9)。
パターン3:シフトダウン線を下から上へ跨ぐ時(キックダウン時)(ステップa10:Yes)、且つ、油温>温度閾値(負数)の場合(ステップa8:Yes)にシフトダウン変速を開始する(キックダウンという)。
パターン1:車両加速でシフトアップ線を左から右へ跨ぐ時に(ステップa2:Yes)、車両加速と判断され(ステップa3:Yes)、且つ、油温>温度閾値(負数)の場合(ステップa4:Yes)にシフトアップ変速を開始する(ステップa5)。ステップa3で車両加速でないとの判断でステップa6に移行する。
パターン2:車両減速でシフトダウン線を右から左へ跨ぐ時(ステップa6:Yes、ステップa7:Yes)、且つ、油温>温度閾値(負数)の場合(ステップa8:Yes)にシフトダウン変速を開始する(ステップa9)。
パターン3:シフトダウン線を下から上へ跨ぐ時(キックダウン時)(ステップa10:Yes)、且つ、油温>温度閾値(負数)の場合(ステップa8:Yes)にシフトダウン変速を開始する(キックダウンという)。
このアルゴリズムでは、極低温時に、クラッチの締結もしくは解除が不能となる課題を解決するため、変速機内の潤滑油の油温センサ84(図5)から温度信号を取り込み、変速の一条件として、油温>温度閾値(負数)の場合(ステップa4,a8:Yes)、変速を実施する。例えば、クラッチの締結もしくは解除が可能となる潤滑油の温度と、同クラッチの締結もしくは解除が不能となる潤滑油の温度を、試験において求めることで、温度閾値を設定し得る。
図13は、前記変速制御方法における変速時、電動モータ3を駆動させるトルクと、各動作時間との概略特性を示す図である。本変速制御装置における電気自動車の変速制御方法において、電動モータ3を駆動させる動作は主に下記の動作(1)→動作(5)からなる。
動作(1)→動作(5)における電動モータトルクの概略特性を説明する。
t0→t1間(動作(1)):車両が現変速段走行トルクで走行している。
現変速段のローラクラッチ16A,16Bが正方向に締結している状態で、トルク制御により、電動モータ3を駆動している。このとき電動モータ3のトルクは、変速機5および差動装置6を介して駆動輪に伝達されている。
前記ロラクラッチ16A,16Bの「正方向」とは、電動モータ3を駆動するとき、ローラクラッチ16A,16Bが締結している方向とする。これに対してローラクラッチ16A,16Bの「負方向」とは、電動モータ3を回生するとき、ローラクラッチ16A,16Bが締結している方向とする。以下同じ。
t0→t1間(動作(1)):車両が現変速段走行トルクで走行している。
現変速段のローラクラッチ16A,16Bが正方向に締結している状態で、トルク制御により、電動モータ3を駆動している。このとき電動モータ3のトルクは、変速機5および差動装置6を介して駆動輪に伝達されている。
前記ロラクラッチ16A,16Bの「正方向」とは、電動モータ3を駆動するとき、ローラクラッチ16A,16Bが締結している方向とする。これに対してローラクラッチ16A,16Bの「負方向」とは、電動モータ3を回生するとき、ローラクラッチ16A,16Bが締結している方向とする。以下同じ。
t1→t2間(動作(2)):クラッチ解除手段77が、現変速段のローラクラッチ16A,16Bを解除させる。
t2→t3間(動作(3)):シンクロ制御手段78が、電動モータ3をシンクロさせる。
t3→t4間(動作(4)):クラッチ係合手段79が、目標変速段のローラクラッチ16A,16Bを締結(係合)させる。
t2→t3間(動作(3)):シンクロ制御手段78が、電動モータ3をシンクロさせる。
t3→t4間(動作(4)):クラッチ係合手段79が、目標変速段のローラクラッチ16A,16Bを締結(係合)させる。
t4→(動作(5)):車両が目標変速段走行トルクで走行している(実際のアクセル信号を取り込んで、車両が走行する)。この動作(5)では、目標変速段のローラクラッチ16A,16Bが正方向に係合している状態で、トルク制御により、電動モータ3を駆動している。このとき電動モータ3のトルクは、変速機5および差動装置6を介して駆動輪に伝達されている。
図14は、変速制御装置のシフトフォーク45(図27)のシフト位置を説明する図である。
シフトフォークが1速段位置から2速段位置にシフトアップ変速するとき、シフトフォークは、順次、シフト位置SP_1f →SP_1f・t→SP_1t→SP_1n→SP_2n→SP_2t→SP_2f・t→SP_2fに移動する。前記シフト位置におけるニュートラル位置は、SP_1tとSP_2tの間である。逆にシフトフォークが2速段位置から1速段位置にシフトダウン変速するとき、シフトフォークは、順次、SP_2f→SP_2f・t→SP_2t→SP_2n→SP_1n→SP_1t→SP_1f・t→SP_1fに移動する。
シフトフォークが1速段位置から2速段位置にシフトアップ変速するとき、シフトフォークは、順次、シフト位置SP_1f →SP_1f・t→SP_1t→SP_1n→SP_2n→SP_2t→SP_2f・t→SP_2fに移動する。前記シフト位置におけるニュートラル位置は、SP_1tとSP_2tの間である。逆にシフトフォークが2速段位置から1速段位置にシフトダウン変速するとき、シフトフォークは、順次、SP_2f→SP_2f・t→SP_2t→SP_2n→SP_1n→SP_1t→SP_1f・t→SP_1fに移動する。
図15は、この変速制御方法,変速制御装置における急ブレーキの判定を行うフローチャートである。図9も参照しつつ説明する。例えば、車両のイグニッションスイッチ等をオンにすることで本処理が開始する。本処理開始後、ステップb1において、急ブレーキ判定手段80は、急ブレーキ解除か否かを判定する。急ブレーキ解除と判定されると(ステップb1:Yes)、ステップb2に移行する。急ブレーキ解除されていないと判定されると(ステップb1:No)、リターンする。
ステップb2では、例えば、動力伝達軸(ドライブシャフト)に備わっている回転センサからなる急ブレーキ検出部83から信号を取り込み、変速ECU61における急ブレーキ判定手段80において回転数ROT1を算出する。
次にステップb3に移行し、急ブレーキ判定手段80は、前記信号を取り込んだ時点からの待ち時間が、待ち時間閾値Aに一致したか否かを判定する。前記待ち時間が待ち時間閾値Aに一致した時点で(ステップb3:Yes)、待ち時間を零にリセットし(ステップb4)、もう一度回転センサからの信号を取り込み、急ブレーキ判定手段80において回転数ROT2を算出する(ステップb5)。
次にステップb3に移行し、急ブレーキ判定手段80は、前記信号を取り込んだ時点からの待ち時間が、待ち時間閾値Aに一致したか否かを判定する。前記待ち時間が待ち時間閾値Aに一致した時点で(ステップb3:Yes)、待ち時間を零にリセットし(ステップb4)、もう一度回転センサからの信号を取り込み、急ブレーキ判定手段80において回転数ROT2を算出する(ステップb5)。
ステップb6では、急ブレーキ判定手段80は、ステップb2,b5で算出された回転数ROT1,ROT2に基づき、下記の判定式にて、急ブレーキの判定を行う。
(ROT2-ROT1)/待ち時間閾値 < 減速度閾値(負数)?
回転数ROT2から回転数ROT1を減じた値を待ち時間閾値で除した値が、減速度閾値(負数)より小さいとき(ステップb6:Yes)、急ブレーキと判定し(ステップb7)、急ブレーキ判定フラグBlk_flag_0 を「1」にする(ステップb8)。その後本処理を終了する。
前記判定式の左辺の値が、減速度閾値(負数)以上のとき(ステップb6:No)、急ブレーキではないと判定し、急ブレーキ判定フラグBlk_flag_0 を「0」にし(ステップb9)、回転数ROT1,ROT2が等しい(ROT1=ROT2)としてステップb3に戻る。
本フローチャートは一定の時間間隔で繰り返し実行される特徴を持つ。
(ROT2-ROT1)/待ち時間閾値 < 減速度閾値(負数)?
回転数ROT2から回転数ROT1を減じた値を待ち時間閾値で除した値が、減速度閾値(負数)より小さいとき(ステップb6:Yes)、急ブレーキと判定し(ステップb7)、急ブレーキ判定フラグBlk_flag_0 を「1」にする(ステップb8)。その後本処理を終了する。
前記判定式の左辺の値が、減速度閾値(負数)以上のとき(ステップb6:No)、急ブレーキではないと判定し、急ブレーキ判定フラグBlk_flag_0 を「0」にし(ステップb9)、回転数ROT1,ROT2が等しい(ROT1=ROT2)としてステップb3に戻る。
本フローチャートは一定の時間間隔で繰り返し実行される特徴を持つ。
図16は、この変速制御方法,変速制御装置における急ブレーキ解除の判定を行うフローチャートである。この図16に示す方法は、急ブレーキ解除時、新たな変速制御と回生制御を許可する方法である。図9も参照しつつ説明する。例えば、車両のイグニッションスイッチ等をオンにすることで本処理が開始する。本処理開始後、ステップc1において、急ブレーキ判定手段80が急ブレーキ中か否かを判定する。急ブレーキ中との判定で(ステップc1:Yes)、急ブレーキ解除フラグBlk_flag_1 を「0」にする(ステップc2)。その後ステップc3に移行する。急ブレーキ中ではないとの判定で(ステップc1:No)、リターンする。
ステップc3では、急ブレーキ判定手段80は、車速が、定められた車速閾値Aよりも小さいかを判定する{車速<車速閾値A?(停車も含む)}。このステップにおいて、車速は、車速センサから信号を取り込んで車速を算出する方法、もしくは、ドライブシャフトに取り付けられたセンサから信号を取り込んで車速を算出する方法、のいずれか一つの方法とする。
車速が車速閾値Aよりも小さいとき(ステップc3:Yes)、ステップc4へ移行する。車速が車速閾値A以上のとき(ステップc3:No)、待ち時間をリセットし(ステップc7)、リターンする。
車速が車速閾値Aよりも小さいとき(ステップc3:Yes)、ステップc4へ移行する。車速が車速閾値A以上のとき(ステップc3:No)、待ち時間をリセットし(ステップc7)、リターンする。
ステップc4では、急ブレーキ判定手段80は、急ブレーキ解除フラグBlk_flag_1を「0」にして、さらに車速が車速閾値Aを下回った時点からの待ち時間が、定められた待ち時間閾値Bと一致したか否かを判定する。一致した時点(ステップc4:Yes)、急ブレーキ判定手段80は急ブレーキ解除と判定し(ステップc5)、一致していないとの判定で(ステップc4:No)、ステップc3に戻る。ステップc5の後、急ブレーキ判定手段80は、急ブレーキ判定フラグBlk_flag_0 を「0」にし、急ブレーキ解除フラグBlk_flag_1 を「1」にする(ステップc6)。その後本処理を終了する。
本フローチャートは、一定の時間間隔で繰り返し実行される特徴を持つ。
本フローチャートは、一定の時間間隔で繰り返し実行される特徴を持つ。
図17は、電気自動車の力行制御時において、急ブレーキと判定されたときの制御フローチャートである。本制御フローチャートは、図13における動作(2)と動作(5)に対応するものである(急ブレーキのとき、新たな回生制御と変速制御を禁止する制御方法とする)。図9も参照しつつ説明する。例えば、車両のイグニッションスイッチ等をオンにすることで本処理が開始する。本処理開始後、ステップd1において、急ブレーキ判定手段80が急ブレーキ中か否かを判定する。急ブレーキ中との判定で(ステップd1:Yes)、変速制御手段81は、力行制御中か否かの判定を行う(ステップd2)。急ブレーキ中ではないとの判定で(ステップd1:No)、リターンする。
力行制御中との判定で(ステップd2:Yes)、ステップd3へ移行し、力行制御中ではないとの判定で(ステップd2:No)、リターンする。
ステップd3では、変速制御手段81は、アクセルペダルを踏んでも踏まなくても、クリープ駆動閾値で、電動モータ3を駆動する。但し、ドライバの操作ミスで、アクセルペダルとブレーキペダルが同時に踏まれた場合は、ブレーキ優先とする(クラッチを正方向に締結するための制御とする)。
ステップd3では、変速制御手段81は、アクセルペダルを踏んでも踏まなくても、クリープ駆動閾値で、電動モータ3を駆動する。但し、ドライバの操作ミスで、アクセルペダルとブレーキペダルが同時に踏まれた場合は、ブレーキ優先とする(クラッチを正方向に締結するための制御とする)。
次にステップd4において、急ブレーキ判定手段80が、急ブレーキ解除か否かを判定する。急ブレーキ解除していないとの判定で(ステップd4:No)、ステップd3に戻る。急ブレーキ解除したとの判定で(ステップd4:Yes)、ステップd5へ移行する。
ステップd5では、変速制御手段81は、現変速段が2速段か否かを判定し、2速段との判定で(ステップd5:Yes)、ステップd6に移行する。2速段ではないとの判定で(ステップd5:No)、ステップd7に移行する。
ステップd5では、変速制御手段81は、現変速段が2速段か否かを判定し、2速段との判定で(ステップd5:Yes)、ステップd6に移行する。2速段ではないとの判定で(ステップd5:No)、ステップd7に移行する。
ステップd6では、変速制御手段81は、2速段を1速段に戻す変速制御を実施する。このステップは、現変速段が2速段の場合に対応する。次にステップd7では、変速制御手段81は、現変速段が1速段か否かを判定し、1速段との判定で(ステップd7:Yes)、本処理を終了する。1速段ではないとの判定で(ステップd7:No)、ステップd6に戻る。
図18は、電気自動車のシフトアップ変速制御において、現変速段のクラッチの解除動作中に、急ブレーキと判定されたときの制御フローチャートである。本制御フローチャートは、図13における動作(2)に対応するものである。図9も参照しつつ説明する。例えば、車両のイグニッションスイッチ等をオンにすることで本処理が開始する。本処理開始後、ステップe1において、急ブレーキ判定手段80が急ブレーキ中か否かを判定する。
急ブレーキ中との判定で(ステップe1:Yes)、ステップe2に移行し、急ブレーキ中ではないとの判定で(ステップe1:No)、リターンする。
急ブレーキ中との判定で(ステップe1:Yes)、ステップe2に移行し、急ブレーキ中ではないとの判定で(ステップe1:No)、リターンする。
ステップe2では、変速制御手段81は変速制御中か否かを判定する。変速制御中との判定で(ステップe2:Yes)、ステップe3に移行し、変速制御中ではないとの判定で(ステップe2:No)、リターンする。
ステップe3では、変速制御手段81は、クラッチ解除手段77が、現変速段のローラクラッチ16A,16Bを解除させる動作中か否かを判定する。ここで解除動作中との判定で(ステップe3:Yes)、ステップe4へ移行する。解除動作中ではないとの判定で(ステップe3:No)、リターンする。
ステップe3では、変速制御手段81は、クラッチ解除手段77が、現変速段のローラクラッチ16A,16Bを解除させる動作中か否かを判定する。ここで解除動作中との判定で(ステップe3:Yes)、ステップe4へ移行する。解除動作中ではないとの判定で(ステップe3:No)、リターンする。
ステップe4では、変速制御手段81は、シフトフォークのシフト位置が、定められたシフト位置SP_1tを下回っているかを判定し、下回っているとの判定で(ステップe4:Yes)、変速切換アクチュエータを停止し(現変速位置がニュートラル)(ステップe5)、電動モータへのトルクを除荷する(ステップe6)。その後ステップe7に移行する。シフト位置がSP_1tを下回っていないとの判定で(ステップe4:No)、ステップe9に移行する。
ステップe9では、変速制御手段81は、変速切換アクチュエータを駆動して、シフトフォークのシフト位置を、シフト位置SP_1fに戻させる。次にステップe10にて、変速制御手段81は、現変速段が1速段か否かを判定し、1速段との判定で(ステップe10:Yes)、ステップe7に移行する。現変速段が1速段ではないとの判定で(ステップe10:No)、ステップe9に戻る。
ステップe7では、急ブレーキ判定手段80が、急ブレーキ解除か否かを判定する。急ブレーキ解除したとの判定で(ステップe7:Yes)、変速制御手段81は、現変速段が1速段か否かを判定する(ステップe8)。急ブレーキ解除していないとの判断で(ステップe7:No)、ステップe7に戻る。
ステップe8において、現変速段が1速段との判定で(ステップe8:Yes)、本処理を終了する。1速段ではないとの判定で(ステップe7:No)、変速制御手段81は、1速段への変速制御を継続実施する(ステップe11)。このステップは、現変速段がニュートラルの場合に対応する。このステップe11の後、ステップe8に戻る。
ステップe8において、現変速段が1速段との判定で(ステップe8:Yes)、本処理を終了する。1速段ではないとの判定で(ステップe7:No)、変速制御手段81は、1速段への変速制御を継続実施する(ステップe11)。このステップは、現変速段がニュートラルの場合に対応する。このステップe11の後、ステップe8に戻る。
図19は、電気自動車のシフトダウン変速制御において、現変速段のクラッチの解除動作中に、急ブレーキと判定されたときの制御フローチャートである。本制御フローチャートは、図13における動作(2)に対応するものである。図9も参照しつつ説明する。例えば、車両のイグニッションスイッチ等をオンにすることで本処理が開始する。本処理開始後、ステップf1において、急ブレーキ判定手段80が急ブレーキ中か否かを判定する。
急ブレーキ中との判定で(ステップf1:Yes)、ステップf2に移行し、急ブレーキ中ではないとの判定で(ステップf1:No)、リターンする。
急ブレーキ中との判定で(ステップf1:Yes)、ステップf2に移行し、急ブレーキ中ではないとの判定で(ステップf1:No)、リターンする。
ステップf2では、変速制御手段81は変速制御中か否かを判定する。変速制御中との判定で(ステップf2:Yes)、ステップf3に移行し、変速制御中ではないとの判定で(ステップf2:No)、リターンする。
ステップf3では、変速制御手段81は、クラッチ解除手段77が、現変速段のローラクラッチ16A,16Bを解除させる動作中か否かを判定する。ここで解除動作中との判定で(ステップf3:Yes)、ステップf4へ移行する。解除動作中ではないとの判定で(ステップf3:No)、リターンする。
ステップf3では、変速制御手段81は、クラッチ解除手段77が、現変速段のローラクラッチ16A,16Bを解除させる動作中か否かを判定する。ここで解除動作中との判定で(ステップf3:Yes)、ステップf4へ移行する。解除動作中ではないとの判定で(ステップf3:No)、リターンする。
ステップf4では、変速制御手段81は、シフトフォークのシフト位置が、定められたシフト位置SP_2tを上回っているかを判定し、上回っているとの判定で(ステップf4:Yes)、変速切換アクチュエータを停止し(現変速位置がニュートラルにある)(ステップf5)、電動モータへのトルクを除荷する(ステップf6)。その後ステップf7に移行する。シフト位置がSP_2tを上回っていないとの判定で(ステップf4:No)、ステップf10に移行する。
ステップf10では、変速制御手段81は、変速切換アクチュエータを駆動して、シフトフォークのシフト位置を、現変速段のシフト位置SP_2fに戻させる。次にステップf11にて、変速制御手段81は、現変速段が2速段か否かを判定し、2速段との判定で(ステップf11:Yes)、ステップf7に移行する。現変速段が2速段ではないとの判定で(ステップf11:No)、ステップf10に戻る。
ステップf7では、急ブレーキ判定手段80が、急ブレーキ解除か否かを判定する。急ブレーキ解除していないとの判定で(ステップf7:No)、ステップf7に戻る。急ブレーキ解除したとの判定で(ステップf7:Yes)、変速制御手段81は1速段への変速制御を実施する(ステップf8)。次に、変速制御手段81は、現変速段が1速段か否かを判定する(ステップf9)。現変速段が1速段との判定で(ステップf9:Yes)、本処理を終了する。1速段ではないとの判定で(ステップf9:No)、ステップf8に戻る。
図20は、電気自動車の変速制御において、電動モータをシンクロさせる動作中に、急ブレーキと判定されたときの制御フローチャートである。本制御フローチャートは、図13における動作(3)に対応するものである。図9も参照しつつ説明する。例えば、車両のイグニッションスイッチ等をオンにすることで本処理が開始する。本処理開始後、ステップg1において、急ブレーキ判定手段80が急ブレーキ中か否かを判定する。
急ブレーキ中との判定で(ステップg1:Yes)、ステップg2に移行し、急ブレーキ中ではないとの判定で(ステップg1:No)、リターンする。
急ブレーキ中との判定で(ステップg1:Yes)、ステップg2に移行し、急ブレーキ中ではないとの判定で(ステップg1:No)、リターンする。
ステップg2では、変速制御手段81は変速制御中か否かを判定する。変速制御中との判定で(ステップg2:Yes)、ステップg3に移行し、変速制御中ではないとの判定で(ステップg2:No)、リターンする。
ステップg3では、変速制御手段81は、シンクロ制御手段78が、電動モータをシンクロさせる動作中か否かを判定する。ここでシンクロ中との判定で(ステップg3:Yes)、ステップg4へ移行する。シンクロ中でないとの判定で(ステップg3:No)、リターンする。
ステップg3では、変速制御手段81は、シンクロ制御手段78が、電動モータをシンクロさせる動作中か否かを判定する。ここでシンクロ中との判定で(ステップg3:Yes)、ステップg4へ移行する。シンクロ中でないとの判定で(ステップg3:No)、リターンする。
ステップg4では、変速制御手段81は、変速切換アクチュエータを停止させる(現変速位置はニュートラルにある)。次にシンクロ制御手段78は、電動モータのシンクロ動作を中止させ、電動モータへのトルクを除荷する(ステップg5)。その後ステップg6において、急ブレーキ判定手段80が、急ブレーキ解除か否かを判定する。急ブレーキ解除していないとの判定で(ステップg6:No)、ステップg6に戻る。急ブレーキ解除したとの判定で(ステップg6:Yes)、変速制御手段81は1速段への変速制御を実施する(ステップg7)。その後、変速制御手段81は、現変速段が1速段か否かを判定する(ステップg8)。現変速段が1速段との判定で(ステップg8:Yes)、本処理を終了する。1速段ではないとの判定で(ステップg8:No)、ステップg7に戻る。
図21は、電気自動車のシフトアップ変速制御において、目標変速段のクラッチの締結動作中に、急ブレーキと判定されたときの制御フローチャートである。本制御フローチャートは、図13における動作(4)に対応するものである。図9も参照しつつ説明する。例えば、車両のイグニッションスイッチ等をオンにすることで本処理が開始する。本処理開始後、ステップh1において、急ブレーキ判定手段80が急ブレーキ中か否かを判定する。
急ブレーキ中との判定で(ステップh1:Yes)、ステップh2に移行し、急ブレーキ中ではないとの判定で(ステップh1:No)、リターンする。
急ブレーキ中との判定で(ステップh1:Yes)、ステップh2に移行し、急ブレーキ中ではないとの判定で(ステップh1:No)、リターンする。
ステップh2では、変速制御手段81は変速制御中か否かを判定する。変速制御中との判定で(ステップh2:Yes)、ステップh3に移行し、変速制御中ではないとの判定で(ステップh2:No)、リターンする。
ステップh3では、クラッチ係合手段79が、目標変速段のローラクラッチ16A,16Bを締結させる動作中か否かを判定する。ここでクラッチ締結中との判定で(ステップh3:Yes)、ステップh4へ移行する。クラッチ締結中ではないとの判定で(ステップh3:No)、リターンする。
ステップh3では、クラッチ係合手段79が、目標変速段のローラクラッチ16A,16Bを締結させる動作中か否かを判定する。ここでクラッチ締結中との判定で(ステップh3:Yes)、ステップh4へ移行する。クラッチ締結中ではないとの判定で(ステップh3:No)、リターンする。
ステップh4では、変速制御手段81は、シフトフォークのシフト位置が、定められたシフト位置SP_2f・tを下回っているかを判定し、下回っているとの判定で(ステップh4:Yes)、変速制御終了まで継続実施する(2速段へ変速制御を実施する)(ステップh5)。その後ステップh6に移行する。シフト位置がSP_2f・tを下回っていないとの判定で(ステップh4:No)、ステップh9に移行する。ステップh9では、変速制御手段81は、変速を中止し、変速切換アクチュエータを駆動して、シフトフォークのシフト位置を、シフト位置SP_2nに戻させる(変速位置はニュートラルにある)。次に電動モータへのトルクを除荷し(ステップh10)、その後ステップh6に移行する。
ステップh6では、急ブレーキ判定手段80が、急ブレーキ解除か否かを判定する。急ブレーキ解除したとの判定で(ステップh6:Yes)、変速制御手段81は、1速段への変速制御を継続実施する(ステップh7)。急ブレーキ解除していないとの判断で(ステップh6:No)、ステップh6に戻る。
ステップh7の後、変速制御手段81は、現変速段が1速段か否かを判定する(ステップh8)。現変速段が1速段との判定で(ステップh8:Yes)、本処理を終了する。1速段ではないとの判定で(ステップh8:No)、ステップh7に戻る。
ステップh7の後、変速制御手段81は、現変速段が1速段か否かを判定する(ステップh8)。現変速段が1速段との判定で(ステップh8:Yes)、本処理を終了する。1速段ではないとの判定で(ステップh8:No)、ステップh7に戻る。
図22は、電気自動車のシフトダウン変速制御において、目標変速段のクラッチの締結動作中に、急ブレーキと判定されたときの制御フローチャートである。本制御フローチャートは、図13における動作(4)に対応するものである。図9も参照しつつ説明する。例えば、車両のイグニッションスイッチ等をオンにすることで本処理が開始する。本処理開始後、ステップj1において、急ブレーキ判定手段80が急ブレーキ中か否かを判定する。
急ブレーキ中との判定で(ステップj1:Yes)、ステップj2に移行し、急ブレーキ中ではないとの判定で(ステップj1:No)、リターンする。
急ブレーキ中との判定で(ステップj1:Yes)、ステップj2に移行し、急ブレーキ中ではないとの判定で(ステップj1:No)、リターンする。
ステップj2では、変速制御手段81は変速制御中か否かを判定する。変速制御中との判定で(ステップj2:Yes)、ステップj3に移行し、変速制御中ではないとの判定で(ステップj2:No)、リターンする。
ステップj3では、クラッチ係合手段79が、目標変速段のローラクラッチ16A,16Bを締結させる動作中か否かを判定する。ここでクラッチ締結中との判定で(ステップj3:Yes)、ステップj4へ移行する。クラッチ締結中ではないとの判定で(ステップj3:No)、リターンする。
ステップj3では、クラッチ係合手段79が、目標変速段のローラクラッチ16A,16Bを締結させる動作中か否かを判定する。ここでクラッチ締結中との判定で(ステップj3:Yes)、ステップj4へ移行する。クラッチ締結中ではないとの判定で(ステップj3:No)、リターンする。
ステップj4では、変速制御手段81は、シフトフォークのシフト位置が、定められたシフト位置SP_1f・tを上回っているかを判定し、上回っているとの判定で(ステップj4:Yes)、変速制御終了まで継続実施する(1速段へ変速制御を実施する)(ステップj5)。シフト位置がSP_1f・tを上回っていないとの判定で(ステップj4:No)、ステップj8に移行する。ステップj8では、変速制御手段81は、変速を中止し、変速切換アクチュエータを駆動して、シフトフォークのシフト位置を、シフト位置SP_1nに戻させる(変速段はニュートラル位置にある)。次に電動モータへのトルクを除荷し(ステップj9)、その後ステップj6に移行する。
ステップj6では、急ブレーキ判定手段80が、急ブレーキ解除か否かを判定する。急ブレーキ解除したとの判定で(ステップj6:Yes)、ステップj7に移行する。急ブレーキ解除していないとの判断で(ステップj6:No)、ステップj6に戻る。
次に変速制御手段81は、現変速段が1速段か否かを判定する(ステップj7)。ここで現変速段が1速段との判定で(ステップj7:Yes)、本処理を終了する。1速段ではないとの判定で(ステップj7:No)、変速制御手段81は、1速段への変速制御を継続実施する(ステップj10)。ステップj10は、ニュートラル位置から1速段への変速制御の実施に相当する。このステップj10の後、ステップj7に戻る。
次に変速制御手段81は、現変速段が1速段か否かを判定する(ステップj7)。ここで現変速段が1速段との判定で(ステップj7:Yes)、本処理を終了する。1速段ではないとの判定で(ステップj7:No)、変速制御手段81は、1速段への変速制御を継続実施する(ステップj10)。ステップj10は、ニュートラル位置から1速段への変速制御の実施に相当する。このステップj10の後、ステップj7に戻る。
次に、図3,図4の車両用モータ駆動装置の詳細を、図23〜図28と共に説明する。
図3において、モータ軸4は、入力軸7と同軸上に直列に配置されており、ハウジング11に固定された電動モータ3のステータ12で回転駆動される。入力軸7は、ハウジング11内に組込まれた対向一対の軸受13により回転可能に支持され、入力軸7の軸端はスプライン嵌合によってモータ軸4に接続されている。出力軸8は、ハウジング11内に組込まれた対向一対の軸受14により回転可能に支持されている。
図3において、モータ軸4は、入力軸7と同軸上に直列に配置されており、ハウジング11に固定された電動モータ3のステータ12で回転駆動される。入力軸7は、ハウジング11内に組込まれた対向一対の軸受13により回転可能に支持され、入力軸7の軸端はスプライン嵌合によってモータ軸4に接続されている。出力軸8は、ハウジング11内に組込まれた対向一対の軸受14により回転可能に支持されている。
1速入力ギヤ9Aと2速入力ギヤ9Bは軸方向に間隔をおいて配置され、入力軸7を中心として入力軸7と一体に回転するように入力軸7に固定されている。1速出力ギヤ10Aと2速出力ギヤ10Bも軸方向に間隔をおいて配置されている。
図4に示すように、1速出力ギヤ10Aは、出力軸8を貫通させる環状に形成され、軸受15を介して出力軸8で支持されており、出力軸8を中心として出力軸8に対して回転可能となっている。同様に、2速出力ギヤ10Bも、軸受15を介して出力軸8で回転可能に支持されている。
1速入力ギヤ9Aと1速出力ギヤ10Aは互いに噛合しており、その噛合によって1速入力ギヤ9Aと1速出力ギヤ10Aの間で回転が伝達するようになっている。2速入力ギヤ9Bと2速出力ギヤ10Bも噛合しており、その噛合によって2速入力ギヤ9Bと2速出力ギヤ10Bの間で回転が伝達するようになっている。2速入力ギヤ9Bと2速出力ギヤ10Bの減速比は、1速入力ギヤ9Aと1速出力ギヤ10Aの減速比よりも小さい。
1速出力ギヤ10Aと出力軸8の間には、1速出力ギヤ10Aと出力軸8の間でトルクの伝達と遮断の切換えを行なう1速の2ウェイローラクラッチ16Aが組込まれている。また、2速出力ギヤ10Bと出力軸8の間には、2速出力ギヤ10Bと出力軸8の間でトルクの伝達と遮断の切換えを行なう2速の2ウェイローラクラッチ16Bが組込まれている。
1速の2ウェイローラクラッチ16Aと2速の2ウェイローラクラッチ16Bは、左右対称の同一構成なので、2速の2ウェイローラクラッチ16Bを以下に説明し、1速の2ウェイローラクラッチ16Aについては、2速の2ウェイローラクラッチ16Bに対応する部分に同一の符号または末尾のアルファベットBをAに置き換えた符号を付して説明を省略する。
図23〜図25に示すように、2速の2ウェイローラクラッチ16Bは、2速出力ギヤ10Bの内周に設けられた円筒面17と、出力軸8の外周に回り止めした環状の2速カム部材18Bに形成されたカム面19と、カム面19と円筒面17の間に組み込まれたローラ20と、ローラ20を保持する2速保持器21Bと、2速スイッチばね22Bとからなる。カム面19は、円筒面17との間で周方向中央から周方向両端に向かって次第に狭くなる楔状空間Sを形成するような面であり、例えば、図24に示すように円筒面17と対向する平坦面である。
図4、図28に示すように、2速保持器21Bは、ローラ20を収容する複数のポケット21aが周方向に間隔をおいて形成された円筒部24と、円筒部24の一端から径方向内方に延び出す内向きフランジ部25とを有する。内向きフランジ部25の径方向内端は、2速カム部材18Bの外周で周方向にスライド可能に支持され、この周方向のスライドによって、2速保持器21Bは、カム面19と円筒面17の間にローラ20を係合させる係合位置とローラ20の係合を解除する中立位置との間で出力軸8に対して相対回転可能となっている。また、2速保持器21Bの内向きフランジ部25は軸方向両側への移動が規制され、これにより2速保持器21Bが軸方向に非可動とされている。
図24に示すように、各カム面19は、回転中心を含む仮想平面に対して対称に形成され、これにより、各カム面19と円筒面17の間に配置されたローラ20は、正転方向と逆転方向の両方向で係合可能となっている。すなわち、電動モータ3が発生するトルクにより車両を前進させるときは、2速保持器21Bを出力軸8に対して正転方向に相対回転させることにより、2速保持器21Bに保持されたローラ20を、カム面19と円筒面17の間の正転方向側の空間狭まり部分に係合させ、そのローラ20を介して2速出力ギヤ10Bと出力軸8の間で正転方向のトルクを伝達することが可能となっており、一方、電動モータ3が発生するトルクにより車両を後退させるときは、2速保持器21Bを出力軸8に対して逆転方向に相対回転させることにより、2速保持器21Bに保持されたローラ20を、カム面19と円筒面17の間の逆転方向側の空間狭まり部分に係合させ、そのローラ20を介して2速出力ギヤ10Bと出力軸8の間で逆転方向のトルクを伝達することが可能となっている。
図25、図28に示すように、2速スイッチばね22Bは、鋼線をC形に巻いたC形環状部26と、C形環状部26の両端からそれぞれ径方向外方に延出する一対の延出部27,27とからなる。C形環状部26は、2速カム部材18Bの軸方向端面に形成された円形のスイッチばね収容凹部28に嵌め込まれ、一対の延出部27,27は、2速カム部材18Bの軸方向端面に形成された径方向溝29に挿入されている。
径方向溝29は、スイッチばね収容凹部28の内周縁から径方向外方に延びて2速カム部材18Bの外周に至るように形成されている。2速スイッチばね22Bの延出部27は、径方向溝29の径方向外端から突出しており、その延出部27の径方向溝29からの突出部分が、2速保持器21Bの円筒部24の軸方向端部に形成された切欠き30に挿入されている。径方向溝29と切欠き30は同じ幅に形成されている。
延出部27,27は、径方向溝29の周方向で対向する内面と、切欠き30の周方向で対向する内面にそれぞれ接触しており、その接触面に作用する周方向の力によって2速保持器21Bを中立位置に弾性保持している。
すなわち、2速保持器21Bを出力軸8に対して相対回転させて、図25に示す中立位置から周方向に移動させると、径方向溝29に対する切欠き30の位置が周方向にずれるので、一対の延出部27,27の間隔が狭まる方向にC形環状部26が弾性変形し、その弾性復元力によって2速スイッチばね22Bの一対の延出部27,27が径方向溝29の内面と切欠き30の内面を押圧し、その押圧によって2速保持器21Bを中立位置に戻す方向の力が作用するようになっている。
図4に示すように、1速カム部材18Aと2速カム部材18Bの出力軸8に対する回り止めは、スプライン嵌合によって行なわれている。1速カム部材18Aのカム面19と2速カム部材18Bのカム面19は同数かつ同位相となっている。また、1速カム部材18Aと2速カム部材18Bは、出力軸8の外周に嵌合した一対の止め輪31によって軸方向に非可動となっている。1速カム部材18Aと2速カム部材18Bの間には間座32が組み込まれている。
1速の2ウェイローラクラッチ16Aと2速の2ウェイローラクラッチ16Bは、変速用伝達機構33により選択的に係合することができるようになっている。
図23に示すように、変速用伝達機構33は、1速出力ギヤ10A(断面でない部分は図示せず。図27においても同様。)と2速出力ギヤ10Bの間に軸方向に移動可能に設けられたシフトリング34と、1速出力ギヤ10Aとシフトリング34の間に組み込まれた1速摩擦板35Aと、2速出力ギヤ10Bとシフトリング34の間に組み込まれた2速摩擦板35Bとを有する。
ここで、1速摩擦板35Aと2速摩擦板35Bは、左右対称の同一構成なので、2速摩擦板35Bを以下に説明し、1速摩擦板35Aについては、2速摩擦板35Bに対応する部分に同一の符号または末尾のアルファベットBをAに置き換えた符号を付して説明を省略する。
2速摩擦板35Bには、2速保持器21Bの切欠き30に係合する突片36が設けられ、この突片36と切欠き30の係合によって、2速摩擦板35Bが2速保持器21Bに回り止めされている。2速保持器21Bの切欠き30は、2速摩擦板35Bの突片36を軸方向にスライド可能に収容しており、このスライドによって、2速摩擦板35Bは、2速保持器21Bに回り止めされた状態のまま、2速出力ギヤ10Bの側面に接触する位置と離間する位置との間で、2速保持器21Bに対して軸方向に移動可能となっている。
2速摩擦板35Bの突片36の先端に凹部37が形成されて、間座32の外周には、凹部37に係合する凸部38が形成されている。そして、凹部37と凸部38は、2速摩擦板35Bが2速出力ギヤ10Bの側面から離反した位置にある状態では、凹部37と凸部38が係合することで、間座32を介して2速摩擦板35Bを出力軸8に回り止めし、このとき、2速摩擦板35Bに回り止めされた2速保持器21Bが中立位置に保持されるようになっている。また、2速摩擦板35Bが2速出力ギヤ10Bの側面に接触する位置にある状態では、凹部37と凸部38の係合が解除することで、2速摩擦板35Bの回り止めが解除されるようになっている。
2速摩擦板35Bと2速カム部材18Bの間には、軸方向に圧縮された状態で2速離間ばね39Bが組み込まれており、この2速離間ばね39Bの弾性復元力によって2速摩擦板35Bが2速出力ギヤ10Bの側面から離間する方向に付勢されている。
2速離間ばね39Bは、間座32の外周に沿って巻回されたコイルスプリングであり、その一端が2速ワッシャ90Bを介して2速摩擦板35Bの突片36に係合し、他端が2速カム部材18Bの軸方向端面で支持されている。2速ワッシャ90Bは、2速カム部材18Bの軸方向端面の径方向溝29を覆うように環状に形成されている。
シフトリング34は、1速摩擦板35Aを押圧して1速出力ギヤ10Aの側面に接触させる1速シフト位置SP1fと、2速摩擦板35Bを押圧して2速出力ギヤ10Bの側面に接触させる2速シフト位置SP2fとの間で軸方向に移動可能に支持されている。また、シフトリング34を1速シフト位置SP1fと2速シフト位置SP2fの間で軸方向に移動させるシフト機構41が設けられている。シフト機構41は、前述のように変速比切換機構40の一部を構成する。
図26、図27に示すように、シフト機構41は、シフトリング34を転がり軸受42を介して回転可能に支持するシフトスリーブ43と、そのシフトスリーブ43の外周に設けられた環状溝44に係合する二股状のシフトフォーク45と、シフトフォーク45が固定されたシフトロッド46と、シフトモータである変速切換アクチュエータ47と、変速切換アクチュエータ47の回転をシフトロッド46の直線運動に変換する運動変換機構48(送りねじ機構等)とからなる。
図27に示すように、シフトロッド46は、出力軸8に対して間隔をおいて平行に配置され、ハウジング11内に組み込まれた一対の滑り軸受49で軸方向にスライド可能に支持されている。シフトリング34とシフトスリーブ43の間に組み込まれた転がり軸受42は、シフトリング34とシフトスリーブ43のいずれに対しても軸方向に非可動となるように組み付けられている。
このシフト機構41は、変速切換アクチュエータ47の回転が運動変換機構48により直線運動に変換されてシフトフォーク45に伝達し、そのシフトフォーク45の直線運動が転がり軸受42を介してシフトリング34に伝達することにより、シフトリング34を軸方向に移動させる。
図23に示すように、シフトフォーク45と環状溝44の間の両側の軸方向隙間には、軸方向に圧縮可能な予圧ばね50が組み込まれている。これにより、シフトリング34で1速摩擦板35Aを押圧して1速出力ギヤ10Aの側面に接触させるときに、シフトスリーブ43に対するシフトフォーク45の軸方向の相対位置を調節することによって予圧ばね50のばね力を調節し、1速摩擦板35Aと1速出力ギヤ10Aの接触面間の摩擦力を調整することが可能となっている。また、シフトリング34で2速摩擦板35Bを押圧して2速出力ギヤ10Bの側面に接触させるときも、2速摩擦板35Bと2速出力ギヤ10Bの接触面間の摩擦力を調整することが可能となっている。
図3に示すように、出力軸8には、出力軸8の回転をディファレンシャル6に伝達するディファレンシャル駆動ギヤ51が固定されている。
ディファレンシャル6は、一対の軸受52で回転可能に支持されたデフケース53と、デフケース53の回転中心と同軸にデフケース53に固定され、ディファレンシャル駆動ギヤ51に噛合するリングギヤ54と、デフケース53の回転中心と直角な方向にデフケース53に固定されたピニオン軸55と、ピニオン軸55に回転可能に支持された一対のピニオン56と、その一対のピニオン56に噛合する左右一対のサイドギヤ57とからなる。左側のサイドギヤ57には、左側の車輪に接続されたアクスル58の軸端部が接続され、右側のサイドギヤ57には、右側の車輪に接続されたアクスル58の軸端部が接続されている。出力軸8が回転するとき、出力軸8の回転はディファレンシャル駆動ギヤ51を介してデフケース53に伝達され、そのデフケース53の回転がピニオン56とサイドギヤ57を介して左右の車輪に分配される。
以下に、車両用モータ駆動装置Aの動作例を説明する。
まず、図23に示すように、1速摩擦板35Aが1速出力ギヤ10Aの側面から離間し、かつ、2速摩擦板35Bも2速出力ギヤ10Bの側面から離間した状態では、1速保持器21Aは1速スイッチばね22Aの弾性力により中立位置に保持され、2速保持器21Bも2速スイッチばね22Bの弾性力により中立位置に保持されるので、1速の2ウェイローラクラッチ16Aはローラ20の係合が解除された状態となり、2速の2ウェイローラクラッチ16Bもローラ20の係合が解除された状態となる。
まず、図23に示すように、1速摩擦板35Aが1速出力ギヤ10Aの側面から離間し、かつ、2速摩擦板35Bも2速出力ギヤ10Bの側面から離間した状態では、1速保持器21Aは1速スイッチばね22Aの弾性力により中立位置に保持され、2速保持器21Bも2速スイッチばね22Bの弾性力により中立位置に保持されるので、1速の2ウェイローラクラッチ16Aはローラ20の係合が解除された状態となり、2速の2ウェイローラクラッチ16Bもローラ20の係合が解除された状態となる。
この状態では、図3に示す電動モータ3の駆動により入力軸7が回転しても、1速の2ウェイローラクラッチ16Aと2速の2ウェイローラクラッチ16Bによって回転の伝達が遮断されるので、1速出力ギヤ10Aおよび2速出力ギヤ10Bは空転し、入力軸7の回転は出力軸8に伝達されない。
次に、シフト機構41を作動させて、図23に示すシフトリング34を1速出力ギヤ10Aに向けて移動させると、1速摩擦板35Aが1速出力ギヤ10Aの側面に接触し、その接触面間の摩擦力によって1速摩擦板35Aが出力軸8に対して相対回転し、この1速摩擦板35Aに回り止めされた1速保持器21Aが1速スイッチばね22Aの弾性力に抗して中立位置から係合位置に移動するので、1速保持器21Aに保持されたローラ20が、円筒面17とカム面19の間の楔状空間Sの狭まり部分に押し込まれて係合した状態となる。
この状態では、1速出力ギヤ10Aの回転は、1速の2ウェイローラクラッチ16Aを介して出力軸8に伝達され、出力軸8の回転が、ディファレンシャル6を介してアクスル58に伝達される。その結果、図1に示す電気自動車EVにおいては、駆動輪としての前輪1が回転駆動され、図2に示すハイブリッド車HVにおいては補助駆動輪としての後輪2が回転駆動される。
次に、シフト機構41の作動により、シフトリング34を1速シフト位置から2速シフト位置に向かって軸方向移動させると、1速摩擦板35Aと1速出力ギヤ10Aの接触面間の摩擦力が小さくなるので、1速スイッチばね22Aの弾性力により1速保持器21Aが係合位置から中立位置に移動し、この1速保持器21Aの移動によって1速の2ウェイローラクラッチ16Aの係合が解除される。
シフトリング34が2速シフト位置に到達すると、2速摩擦板35Bがシフトリング34で押圧されて2速出力ギヤ10Bの側面に接触し、その接触面間の摩擦力によって2速摩擦板35Bが出力軸8に対して相対回転し、2速摩擦板35Bに回り止めされた2速保持器21Bが2速スイッチばね22Bの弾性力に抗して中立位置から係合位置に移動するので、2速保持器21Bに保持されたローラ20が、円筒面17とカム面19の間の楔状空間Sの狭まり部分に押し込まれて係合した状態となる。
この状態では、2速出力ギヤ10Bの回転は、2速の2ウェイローラクラッチ16Bを介して出力軸8に伝達され、出力軸8の回転がディファレンシャル6を介してアクスル58に伝達される。
同様に、シフトリング34を2速シフト位置から1速シフト位置に軸方向移動させることにより、2速の2ウェイローラクラッチ16Bの係合を解除して、1速の2ウェイローラクラッチ16Aを係合させることができる。
ところで、1速の2ウェイローラクラッチ16Aを係合解除するときに、1速の2ウェイローラクラッチ16Aを介してトルクが伝達していると、そのトルクがローラ20を円筒面17とカム面19の間の楔状空間Sの狭まり部分に押し込むように作用し、1速の2ウェイローラクラッチ16Aの係合解除が妨げられる。そのため、シフト機構41の作動により、シフトリング34が1速シフト位置SP1fから2速シフト位置SP2fに向かって軸方向移動を開始したときに、1速摩擦板35Aが、1速出力ギヤ10Aの側面から既に離反しているにもかかわらず、1速の2ウェイローラクラッチ16Aの係合が解除されない可能性がある。
このため、1速の2ウェイローラクラッチ16Aを確実に係合解除するためには、シフト機構41の作動により、1速摩擦板35Aを1速出力ギヤ10Aの側面から離反させるだけでなく、電動モータ3の出力を制御して、入力軸7と出力軸8の間で伝達するトルクを変化させる必要がある。2速の2ウェイローラクラッチ16Bを係合解除するときも同様である。
そこで、上記制御システムでは、図9に示す変速制御装置により、電動モータ3と変速切換アクチュエータ47を制御し、この制御により1速の2ウェイローラクラッチ16Aまたは2速の2ウェイローラクラッチ16Bの係合を解除するときの動作の信頼性を確保している。
以上説明した変速制御方法および変速制御装置によると、急ブレーキ判定手段80は、急ブレーキ検出部83からの信号に基づいて、急ブレーキか急ブレーキ解除かを判定する。変速制御手段81は、現変速段の力行制御時または変速制御時に、急ブレーキ判定手段80により急ブレーキと判定されたとき、クラッチ解除手段77、シンクロ制御手段78、およびクラッチ係合手段79のいずれかの動作に応じて、変速機5を制御する。このように急ブレーキと判定されたとき、各手段のいずれかの動作に応じてきめ細かく変速機5を制御することで、力行制御時または変速制御時に、急ブレーキを検出したときのクラッチのショックトルクを低減し得る。
3…電動モータ
4…モータ軸
5…変速機
7…入力軸
16A,16B…クラッチ
18A,18B…内輪
19…カム面
20…係合子
23A,23B…外輪
40…変速比切換機構
77…クラッチ解除手段
78…シンクロ制御手段
79…クラッチ係合手段
80…急ブレーキ判定手段
81…変速制御手段
83…急ブレーキ検出部
LA,LB…ギヤ列
S…楔状空間
4…モータ軸
5…変速機
7…入力軸
16A,16B…クラッチ
18A,18B…内輪
19…カム面
20…係合子
23A,23B…外輪
40…変速比切換機構
77…クラッチ解除手段
78…シンクロ制御手段
79…クラッチ係合手段
80…急ブレーキ判定手段
81…変速制御手段
83…急ブレーキ検出部
LA,LB…ギヤ列
S…楔状空間
Claims (10)
- 互いに変速比が異なる複数の変速段のギヤ列と、走行用の電動モータの出力軸であるモータ軸に連結された入力軸と前記各変速段のギヤ列との間にそれぞれ介在し断続の切換が可能な各変速段の2ウェイ型のクラッチと、これら各クラッチの断続の切換を行う変速比切換機構とを有する変速機を備え、
前記各クラッチは、内輪のカム面と外輪間に設けられた各楔状空間に係合子が介在し、各係合子が楔状空間の狭まり部分に係合することで接続状態となり、各係合子を楔状空間の広がり部分に位置させることで切断状態となる構成であり、
急ブレーキとその解除を検出する急ブレーキ検出部を備えた、
電気自動車における変速制御方法において、
目標変速段への変速指令に応答して、前記変速比切換機構により前記電動モータのトルクを除荷して現変速段のクラッチの係合を解除するクラッチ解除過程と、
前記電動モータを回転数制御することにより前記目標変速段の前記クラッチの外輪と内輪の回転数が同期するようにシンクロさせるシンクロ過程と、
前記電動モータを回転数制御することにより、目標変速段のクラッチを係合させるクラッチ係合過程とを有し、
前記急ブレーキ検出部からの信号に基づいて、急ブレーキか急ブレーキ解除かを判定する急ブレーキ判定過程と、
現変速段の力行制御時または変速制御時に、前記急ブレーキ判定過程により急ブレーキと判定されたとき、前記クラッチ解除過程、前記シンクロ過程、および前記クラッチ係合過程のいずれかの過程に応じて、前記変速機を制御する変速制御過程と、
を有することを特徴とする電気自動車の変速制御方法。 - 互いに変速比が異なる複数の変速段のギヤ列と、走行用の電動モータの出力軸であるモータ軸に連結された入力軸と前記各変速段のギヤ列との間にそれぞれ介在し断続の切換が可能な各変速段の2ウェイ型のクラッチと、これら各クラッチの断続の切換を行う変速比切換機構とを有する変速機を備え、
前記各クラッチは、内輪のカム面と外輪間に設けられた各楔状空間に係合子が介在し、各係合子が楔状空間の狭まり部分に係合することで接続状態となり、各係合子を楔状空間の広がり部分に位置させることで切断状態となる構成であり、
急ブレーキとその解除を検出する急ブレーキ検出部を備えた、
電気自動車における変速制御装置において、
目標変速段への変速指令に応答して、前記変速比切換機構により前記電動モータのトルクを除荷して現変速段のクラッチの係合を解除するクラッチ解除手段と、
前記電動モータを回転数制御することにより前記目標変速段の前記クラッチの外輪と内輪の回転数が同期するようにシンクロさせるシンクロ制御手段と、
前記電動モータを回転数制御することにより、目標変速段のクラッチを係合させるクラッチ係合手段とを有し、
前記急ブレーキ検出部からの信号に基づいて、急ブレーキか急ブレーキ解除かを判定する急ブレーキ判定手段と、
現変速段の力行制御時または変速制御時に、前記急ブレーキ判定手段により急ブレーキと判定されたとき、前記クラッチ解除手段、前記シンクロ制御手段、および前記クラッチ係合手段のいずれかの動作に応じて、前記変速機を制御する変速制御手段と、
を有することを特徴とする電気自動車の変速制御装置。 - 請求項2に記載の電気自動車の変速制御装置において、前記変速制御手段は、前記急ブレーキ判定手段により急ブレーキと判定されたとき、新たな変速制御と回生制御を禁止する電気自動車の変速制御装置。
- 請求項2または請求項3に記載の電気自動車の変速制御装置において、前記変速制御手段は、前記急ブレーキ判定手段により急ブレーキ解除と判定されたとき、新たな変速制御と回生制御を許可する電気自動車の変速制御装置。
- 請求項2ないし請求項4のいずれか1項に記載の電気自動車の変速制御装置において、前記急ブレーキ判定手段は、前記電気自動車における動力伝達軸の回転数を一定時間間隔で取得し、取得した回転数差を前記一定時間間隔で除した値が、減速度閾値を下回ったときに、急ブレーキと判定する電気自動車の変速制御装置。
- 請求項2ないし請求項5のいずれか1項に記載の電気自動車の変速制御装置において、前記急ブレーキ判定手段は、急ブレーキと判定した後、車速が車速閾値を下回って一定の時間経過した後に、急ブレーキ解除と判定する電気自動車の変速制御装置。
- 請求項2ないし請求項6のいずれか1項に記載の電気自動車の変速制御装置において、前記変速制御手段は、前記急ブレーキ判定手段により急ブレーキと判定されたときに、前記電気自動車が力行制御時のとき、クリープ駆動閾値で前記電動モータを駆動する電気自動車の変速制御装置。
- 請求項2ないし請求項7のいずれか1項に記載の電気自動車の変速制御装置において、前記変速制御手段は、前記急ブレーキ判定手段により急ブレーキ解除と判定されたときに、現変速段が1速段以外の2速段またはニュートラル位置にある場合、1速段に戻す変速制御を実施する電気自動車の変速制御装置。
- 請求項2ないし請求項8のいずれか1項に記載の電気自動車の変速制御装置において、前記変速比切換機構は、回転する摩擦板の前記外輪への接触と離間とを、変速切換アクチュエータにより切り換える機構であり、前記変速制御手段は、前記急ブレーキ判定手段に急ブレーキと判定されたときに、電気自動車が変速制御中であって、さらに前記電動モータのシンクロ動作中の場合、前記変速切換アクチュエータを停止してシンクロ動作を中止し、前記電動モータの駆動トルクを除荷する電気自動車の変速制御装置。
- 請求項2ないし請求項9のいずれか1項に記載の電気自動車の変速制御装置において、前記変速比切換機構は、回転する摩擦板の前記外輪への接触と離間とを、変速切換アクチュエータによるシフト部材の進退により切り換える機構であり、
前記急ブレーキ判定手段により急ブレーキと判定されたときに、電気自動車がシフトアップ変速制御中であって、現変速段のクラッチを解除動作中の場合において、前記シフト部材のシフト位置が定められたシフト位置SP_1tを下回ったとき、即時に前記変速切換アクチュエータを停止し、前記電動モータの駆動トルクを除荷する電気自動車の変速制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012235296A JP2014084969A (ja) | 2012-10-25 | 2012-10-25 | 電気自動車の変速制御方法および変速制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012235296A JP2014084969A (ja) | 2012-10-25 | 2012-10-25 | 電気自動車の変速制御方法および変速制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014084969A true JP2014084969A (ja) | 2014-05-12 |
Family
ID=50788218
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012235296A Pending JP2014084969A (ja) | 2012-10-25 | 2012-10-25 | 電気自動車の変速制御方法および変速制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2014084969A (ja) |
-
2012
- 2012-10-25 JP JP2012235296A patent/JP2014084969A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US8753240B2 (en) | Power transmitting device | |
EP2897827B1 (en) | Hybrid vehicle including a control device | |
JP5947086B2 (ja) | 車両の変速制御装置 | |
JP5863333B2 (ja) | 自動クラッチ制御装置 | |
JP2015007459A (ja) | 電気自動車の変速制御装置 | |
EP3067589A1 (en) | Automatic transmission control device | |
WO2012165146A1 (ja) | 車両用モータ駆動装置の変速制御方法および自動車の変速制御方法 | |
WO2013176074A1 (ja) | 電気自動車の変速制御方法および変速制御装置 | |
JP2014121225A (ja) | 電気自動車の変速制御装置および変速制御方法 | |
JP2013152001A (ja) | 電気自動車の変速制御方法および変速制御装置 | |
JP2013255329A (ja) | 電気自動車の変速制御方法および変速制御装置 | |
US9822829B2 (en) | Controller of vehicle and vehicle | |
JP2014047817A (ja) | 電気自動車の変速制御方法および変速制御装置 | |
JP4616625B2 (ja) | 自動変速制御装置 | |
JP2014001746A (ja) | 電気自動車の変速制御方法および変速制御装置 | |
JP2014045561A (ja) | 電気自動車の変速制御方法および変速制御装置 | |
JP6424380B2 (ja) | 車両用変速システム | |
JP2014023415A (ja) | 電気自動車の変速制御方法および変速制御装置 | |
JP2015048900A (ja) | 電気自動車の変速制御装置 | |
JP2014084969A (ja) | 電気自動車の変速制御方法および変速制御装置 | |
WO2007072539A1 (ja) | 車両の原動機始動装置および始動方法 | |
JP2015048901A (ja) | 電気自動車の変速制御装置 | |
WO2013081121A1 (ja) | 電動モータ搭載自動車のアクセル操作応答制御方法 | |
WO2013183482A1 (ja) | 電気自動車の変速制御方法および変速制御装置 | |
JP4432314B2 (ja) | 車両に搭載されるブレーキ装置 |