JP2014084824A - ガスタービン運転制御装置及びその方法並びにそれを備えたガスタービン - Google Patents

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隆 園田
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Abstract

【課題】冷却空気系統に流通する冷却空気の温度を速やかに制御すること。
【解決手段】圧縮機と、燃料と圧縮機によって圧縮された空気である圧縮空気との燃焼によって生成された燃焼ガスにより駆動するタービンと、タービンにより回転駆動される発電機と、圧縮機から圧縮空気の一部を抽出して冷却空気を生成するTCAクーラ8を有する冷却空気系統の主系統と、主系統から分岐してタービン側に接続させる冷却空気系統のバイパス系統と、冷却空気の流量を調整する流量調整部9とを具備するガスタービンに適用されるガスタービン運転制御装置であって、発電機の出力値に基づいて、TCAクーラ8を流通する冷却空気の流量が流量目標値となるように流量調整部9をフィードフォワード制御により調整する制御装置10を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、ガスタービン運転制御装置及びその方法並びにそれを備えたガスタービンに関するものである。
ガスタービンでは、圧縮機により圧縮された圧縮空気を燃焼器に導き、圧縮空気を用いて燃料を燃焼させて高温ガスを発生させ、タービンにおいて高温ガスのエネルギを回転駆動力に変換し、回転駆動力の一部を用いて圧縮機を駆動している。そして、圧縮空気の一部は、タービンのタービン動翼およびタービン静翼を冷却する冷却空気や、タービン動翼およびタービン静翼の間のシール空気として抽気されている。
従来、冷却空気温度の制御方法では、圧縮機から、冷却するタービンロータまでの冷却空気が流通する冷却空気系統を、冷却器を備える主系統と、主系統から分岐し圧縮機からタービロータとの間を冷却器を介さずに接続するバイパス系統とに分け、バイパス系統側に冷却空気の流量を調整する流量調整弁を備え、予め設定しておいた冷却空気温度目標値と実際に流通する冷却空気の温度とをPI制御することにより流量調整弁の開度を調整して、冷却空気がバイパスされる流量を調整して、主系統の冷却器に流通する冷却空気流量を調整していた(例えば、下記特許文献1参照。)
特開2002−213208号公報
しかしながら、こうした予め定められた冷却空気温度目標値を用いて制御する従来の方法では、熱電対による温度の計測値を得るのに測定遅れが生じるため、速やかな制御ができないという問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、冷却空気系統に流通する冷却空気の温度を速やかに制御できるガスタービン運転制御装置及びその方法並びにそれを備えたガスタービンを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
本発明は、圧縮機と、燃料と前記圧縮機によって圧縮された空気である圧縮空気との燃焼によって生成された燃焼ガスにより駆動するタービンと、前記タービンにより回転駆動される発電機と、前記タービン側の冷却に用いられる冷却空気の流通経路である冷却空気系統のうち前記圧縮機から前記圧縮空気の一部を抽出して前記圧縮空気を冷却する冷却手段を有する冷却空気系統の主系統と、前記主系統から分岐して前記冷却手段を介さず前記タービン側に接続させる前記冷却空気系統のバイパス系統と、前記圧縮空気の流量を調整する流量調整手段とを具備するガスタービンに適用されるガスタービン運転制御装置であって、前記発電機の出力値に基づいて、前記冷却手段を流通する前記圧縮空気の流量が流量目標値となるように前記流量調整手段をフィードフォワード制御により調整する第1制御手段とを具備するガスタービン運転制御装置を提供する。
このような構成によれば、圧縮機と、燃料と圧縮機によって圧縮された空気である圧縮空気との燃焼によって生成された燃焼ガスにより駆動するタービンと、タービンにより回転駆動される発電機と、タービン側の冷却に用いられる冷却空気の流通経路である冷却空気系統のうち圧縮機から圧縮空気の一部を抽出して圧縮空気を冷却する冷却手段を有する冷却空気系統の主系統と、主系統から分岐して冷却手段を介さずタービン側に接続させる冷却空気系統のバイパス系統と、圧縮空気の流量を調整する流量調整手段とを具備するガスタービンに適用されるガスタービン運転制御装置であって、発電機の出力値に基づいて、フィードフォワード制御し、冷却手段を流通する圧縮空気の流量が流量目標値となるように調整されることにより、冷却空気が所望の温度に調整される。ここで、発電機の出力とは、例えば、ガスタービン出力、ガスタービンのデマンド値、全燃料流量指令値(CSO:Control Signal Output)、タービン入口温度、発電機出力を含む。
冷却手段を流通した後の圧縮空気(冷却空気)の温度を熱電対により測定し、その測定値が所望の温度になるようにフィードバック制御する場合と比較して、本発明はフィードフォワード制御するので、熱電対による計測遅れによる制御の遅れがなくなり、速やかな制御ができる。
なお、タービン側の冷却に用いられる空気を冷却空気と呼び、特に圧縮機から抽出されてから冷却空気系統の分岐が合流するまでの区間に流通する空気を圧縮空気と呼ぶこととするが、冷却空気と圧縮空気とは共通の媒体を示す。
上記ガスタービン運転制御装置は、前記冷却空気系統における、前記冷却手段の下流側に設けられる前記冷却空気の温度を計測する温度計測手段により計測された冷却空気計測値と、前記冷却手段の下流側における前記冷却空気の温度目標値との偏差を抑制するよう前記流量調整手段をフィードバック制御により調整する第2制御手段を具備することとしてもよい。
計測される冷却空気計測値と温度目標値との偏差を抑制するよう制御されることにより、外乱などの発生に対する補正機能を有することになる。また、冷却手段の下流側は、冷却手段よりタービン側であることを示す。
上記ガスタービン運転制御装置は、前記タービンが、前記発電機と接続されていない状態において、前記第1制御手段は、前記タービンが発電した動力を前記発電機に伝達する回転軸の回転数または全燃料流量指令値に基づいて、前記冷却手段を流通する前記圧縮空気の流量が流量目標値となるように前記流量調整手段をフィードフォワード制御により調整することが好ましい。
ガスタービンの昇速時などの、タービンと発電機とが電気的に接続されていない状態における発電機の出力値が得られない期間においても、冷却空気の温度を調整して適切に保つことができる。
上記ガスタービン運転制御装置は、前記流量調整手段が、前記ガスタービンの前記主系統または前記バイパス系統のうち、少なくともいずれか一方に設けられることが好ましい。
流量調整手段を主系統に設け、開度を全閉にした場合には、圧縮空気を冷却手段側に流通させず、完全にバイパス系統に流通させるので、タービン入口側における冷却空気の温度を、圧縮機の出口温度と略等しい温度にでき、タービン側でより高温な冷却空気を得ることができる。一方、流量調整手段を主系統に設け、開度を全閉にしている状態で、流量調整手段が故障した場合には、圧縮空気を冷却手段に流通させることができなくなるので、定格運転時に十分な翼冷却が得られない虞がある。これに対し、流量調整手段をバイパス系統に設けることにより、流量調整手段が故障した場合であっても、冷却手段を流通させる圧縮空気が得られなくなる事態を防ぐことができる。また、流量調整手段が、主系統に設けられる場合は、冷却手段より上流側に設けられていてもよいし、下流側に設けられていてもよい。なお、冷却手段より上流側とは、圧縮機側であることを示す。
前記ガスタービンは、前記圧縮空気を冷却する可変速ファンを有している場合に、上記ガスタービン運転制御装置の前記第1制御手段は、前記発電機の出力値に基づいて、前記冷却空気の温度が温度目標値となるように前記可変速ファンの回転数をフィードフォワード制御により調整することとしてもよい。
ガスタービンが圧縮空気を冷却する可変速ファンを有している場合に、可変速ファンの回転数を調整することにより、冷却空気の温度が温度目標値となるように簡便に調整できる。
前記ガスタービンは、前記圧縮空気を冷却する複数の固定速ファンを有している場合に、上記ガスタービン運転制御装置の前記第1制御手段は、前記発電機の出力値に基づいて、前記冷却空気の温度が温度目標値となるように、稼働させる前記固定速ファンの個数を調整し、フィードフォワード制御することとしてもよい。
ガスタービンが圧縮空気を冷却する固定速ファンを複数有している場合には、稼働させる固定速ファンの個数を調整することにより冷却空気の温度が温度目標値となるように簡便に調整できる。
上記ガスタービン運転制御装置において、前記可変速ファン及び前記固定速ファンは、前記主系統または前記バイパス系統のうち、少なくともいずれか一方に設けられることとしてもよい。
可変速ファン及び固定速ファンは、主系統またはバイパス系統のうち少なくともいずれか一方に設けられればよく、適宜選定できる。
本発明は、圧縮機と、燃料と前記圧縮機によって圧縮された空気である圧縮空気との燃焼によって生成された燃焼ガスにより駆動するタービンと、前記タービンにより回転駆動される発電機と、前記圧縮機から前記圧縮空気の一部を抽出して前記タービン側の冷却に用いられる冷却空気の流通経路である冷却空気系統と、前記圧縮空気を冷却する可変速ファンとを具備するガスタービンに適用されるガスタービン運転制御装置であって、前記発電機の出力値に基づいて、前記冷却空気の温度が温度目標値となるように前記可変速ファンの回転数をフィードフォワード制御により調整する第1制御手段を具備するガスタービン運転制御装置を提供する。
このような構成によれば、圧縮機と、燃料と前記圧縮機によって圧縮された空気である圧縮空気との燃焼によって生成された燃焼ガスにより駆動するタービンと、タービンにより回転駆動される発電機と、圧縮機から圧縮空気の一部を抽出してタービン側の冷却に用いられる冷却空気の流通経路である冷却空気系統と、圧縮空気を冷却する可変速ファンとを具備するガスタービンに適用されるガスタービン運転制御装置であって、発電機の出力値に基づいて、可変速ファンの回転数をフィードフォワード制御し、冷却空気の温度が温度目標値となるように調整される。ここで、発電機の出力とは、例えば、ガスタービン出力、ガスタービンのデマンド値、全燃料流量指令値(CSO:Control Signal Output)、タービン入口温度、発電機出力を含む。
これにより、冷却手段を流通した後の冷却空気の温度を熱電対により測定し、その測定値が所望の温度になるようにフィードバック制御する場合と比較して、本発明は、圧縮空気を冷却する可変速ファンをフィードフォワード制御するので、熱電対による計測遅れによる制御の遅れがなくなり、速やかな制御ができる。
本発明は、圧縮機と、燃料と前記圧縮機によって圧縮された空気である圧縮空気との燃焼によって生成された燃焼ガスにより駆動するタービンと、前記タービンにより回転駆動される発電機と、前記圧縮機から前記圧縮空気の一部を抽出して前記タービン側の冷却に用いられる冷却空気の流通経路である冷却空気系統と、前記圧縮空気を冷却する複数の固定速ファンとを具備するガスタービンに適用されるガスタービン運転制御装置であって、前記発電機の出力値に基づいて、前記冷却空気の温度が温度目標値となるように、稼働させる前記固定速ファンの個数を調整し、フィードフォワード制御する第1制御手段を具備するガスタービン運転制御装置を提供する。
このような構成によれば、圧縮機と、燃料と前記圧縮機によって圧縮された空気である圧縮空気との燃焼によって生成された燃焼ガスにより駆動するタービンと、タービンにより回転駆動される発電機と、圧縮機から圧縮空気の一部を抽出してタービン側の冷却に用いられる冷却空気の流通経路である冷却空気系統と、圧縮空気を冷却する複数の固定速ファンとを具備するガスタービンに適用されるガスタービン運転制御装置であって、発電機の出力値に基づいて、固定速ファンの稼働させる個数を調整してフィードフォワード制御し、冷却空気の温度が温度目標値となるように制御される。ここで、発電機の出力とは、例えば、ガスタービン出力、ガスタービンのデマンド値、全燃料流量指令値(CSO:Control Signal Output)、タービン入口温度、発電機出力を含む。
これにより、冷却手段を流通した後の冷却空気の温度を熱電対により測定し、その測定値が所望の温度になるようにフィードバック制御する場合と比較して、本発明はフィードフォワード制御するので、熱電対による計測遅れによる制御の遅れがなくなり、速やかな制御ができる。
上記ガスタービン運転制御装置の前記第1制御手段は、前記発電機の出力値と、前記発電機の1次遅れの出力値との差に基づいて、前記冷却手段を流通する前記圧縮空気の流量が前記流量目標値となるように前記流量調整手段をフィードフォワード制御により調整することとしてもよい。
発電機の出力と1次遅れ(過去)の出力値との差である変化量に応じて、流量調整手段をフィードフォワード制御するので、フィードバック制御で調整しきれない急激な変化に対しても、追従性が向上される。
上記ガスタービン運転制御装置は、前記ガスタービンは、前記圧縮空気を冷却する可変速ファンを有している場合に、上記ガスタービン運転制御装置の前記第1制御手段は、前記発電機の出力値と、前記発電機の1次遅れの出力値との差に基づいて、前記冷却空気の温度が前記温度目標値となるように前記可変速ファンの回転数をフィードフォワード制御により調整することとしてもよい。
発電機の出力と1次遅れ(過去)の出力値との差である変化量に応じて、可変速ファンの回転数をフィードフォワード制御するので、フィードバック制御で調整しきれない急激な変化に対しても、追従性が向上される。
上記ガスタービン運転制御装置は、前記ガスタービンは、前記圧縮空気を冷却する複数の固定速ファンを有している場合に、上記ガスタービン運転制御装置の前記第1制御手段は、前記発電機の出力値と、前記発電機の1次遅れの出力値との差に基づいて、前記冷却空気の温度が前記温度目標値となるように前記固定速ファンの個数を調整し、フィードフォワード制御することとしてもよい。
発電機の出力と1次遅れ(過去)の出力値との差である変化量に応じて、固定速ファンの稼働個数を調整し、フィードフォワード制御するので、フィードバック制御で調整しきれない急激な変化に対しても、追従性が向上される。
本発明は、上記いずれかに記載のガスタービン運転制御装置を備えるガスタービンを提供する。
本発明は、圧縮機と、燃料と前記圧縮機によって圧縮された空気である圧縮空気との燃焼によって生成された燃焼ガスにより駆動するタービンと、前記タービンにより回転駆動される発電機と、前記タービン側の冷却に用いられる冷却空気の流通経路である冷却空気系統のうち前記圧縮機から前記圧縮空気の一部を抽出して前記圧縮空気を冷却する冷却手段を有する冷却空気系統の主系統と、前記主系統から分岐して前記冷却手段を介さず前記タービン側に接続させる前記冷却空気系統のバイパス系統と、前記圧縮空気の流量を調整する流量調整手段とを具備するガスタービンに適用されるガスタービン運転制御方法であって、前記発電機の出力値に基づいて、前記冷却手段を流通する前記圧縮空気の流量が流量目標値となるように前記流量調整手段をフィードフォワード制御により調整するガスタービン運転制御方法を提供する。
本発明は、圧縮機と、燃料と前記圧縮機によって圧縮された空気である圧縮空気との燃焼によって生成された燃焼ガスにより駆動するタービンと、前記タービンにより回転駆動される発電機と、前記圧縮機から前記圧縮空気の一部を抽出して前記タービン側の冷却に用いられる冷却空気の流通経路である冷却空気系統と、前記圧縮空気を冷却する可変速ファンとを具備するガスタービンに適用されるガスタービン運転制御方法であって、前記発電機の出力値に基づいて、前記冷却空気の温度が温度目標値となるように前記可変速ファンの回転数をフィードフォワード制御により調整するガスタービン運転制御方法を提供する。
本発明は、圧縮機と、燃料と前記圧縮機によって圧縮された空気である圧縮空気との燃焼によって生成された燃焼ガスにより駆動するタービンと、前記タービンにより回転駆動される発電機と、前記圧縮機から前記圧縮空気の一部を抽出して前記タービン側の冷却に用いられる冷却空気の流通経路である冷却空気系統と、前記圧縮空気を冷却する複数の固定速ファンとを具備するガスタービンに適用されるガスタービン運転制御方法であって、前記発電機の出力値に基づいて、前記冷却空気の温度が温度目標値となるように、稼働させる前記固定速ファンの個数を調整し、フィードフォワード制御するガスタービン運転制御方法を提供する。
本発明は、冷却空気系統に流通する冷却空気の温度を速やかに制御できるという効果を奏する。
本発明の第1の実施形態に係るガスタービンプラントの概略構成の一例を示した図である。 本発明の第1の実施形態に係るガスタービン運転制御装置の機能ブロック図である。 本発明の第2の実施形態に係るガスタービン運転制御装置の機能ブロック図である。 本発明の第3の実施形態に係るガスタービンプラントの概略構成の一例を示した図である。 本発明の第4の実施形態に係るガスタービンプラントの概略構成の一例を示した図である。 本発明の第5の実施形態に係るガスタービン運転制御装置の機能ブロック図である。
以下に、本発明に係るガスタービン運転制御装置及びその方法並びにそれを備えたガスタービンの実施形態について、図面を参照して説明する。
〔第1の実施形態〕
図1は、本実施形態に係るガスタービンプラント100の概略構成を示した図である。本実施形態においては、圧縮機1から抽出される圧縮空気の温度及び流量が略一定である場合を想定して説明することとするが、これに限定されない。また、圧縮機1から圧縮空気が抽出されてから冷却空気系統の分岐が合流するまでの区間で流通する空気を圧縮空気と呼び、合流後においてタービン側の冷却に用いられる空気を冷却空気と呼ぶが、共通の媒体を示している。
図1に示されるように、本実施形態に係るガスタービンプラント100は、圧縮機1、燃焼器2、タービン3、車室4、発電機5、温度計測部(温度計測手段)6、回転軸(タービンロータ)7、TCAクーラ(Turbine Cooling Air cooler)(冷却手段)8、流量調整部9、及び制御装置(ガスタービン運転制御装置)10を備えている。
圧縮機1の下流側は2つの経路に分岐されており、それぞれの経路には燃焼器2またはTCAクーラ8が備えられている。燃焼器2の下流側にはタービン3が備えられている。
冷却空気系統11は、タービン3側の冷却に用いられる冷却空気の流通経路のうち、圧縮機1の途中から圧縮空気の一部を抽出して圧縮空気を冷却するTCAクーラ8を有する主系統12と、主系統12の途中から分岐してTCAクーラ8を介さずタービン3側に接続させるバイパス系統13とに分けられている。また、冷却空気系統11は、回転軸7に接続され、冷却空気系統11を流通した冷却空気(圧縮空気)を、回転軸7に供給する。
圧縮機1の下流側の他の経路においては、圧縮機1は、吸入した空気を圧縮し、車室4を介して燃焼器2に供給する。圧縮機1は、タービン3とともに回転軸7に設けられ、タービン3により回転駆動される。燃焼器2は、車室4を介して圧縮機1から供給された圧縮空気と燃料ガスとを混合させ、高温の燃焼排ガスを生成し、タービン3に供給する。
タービン3は、圧縮機1によって圧縮された空気である圧縮空気と燃焼器2で生成された燃焼排ガスとから回転駆動力を取り出し、駆動力を出力する。出力された回転駆動力は、同軸上に接続されている発電機5に伝達されて発電機5を発電させ、タービン3と同軸に接続されている圧縮機1に伝達されて圧縮機1を駆動させる。
温度計測部6は、主系統12とバイパス系統13との合流点より下流側のタービン2側の冷却空気系統の経路上に設けられ、冷却空気の温度を計測する。
TCAクーラ8は、圧縮機1及びタービン3の回転軸7とそれぞれ接続されており、圧縮空気の一部を流通させ、圧縮空気を冷却水により冷却して、圧縮空気を冷却する。
流量調整部9は、TCAクーラ8に流入させる圧縮空気の流量を調整する。また、流量調整部9は、制御装置10から取得する開度指令値に基づいて、開閉弁の開閉状態が調整され、圧縮空気の流量が調整される。例えば、流量調整部9は、全閉状態にされると、圧縮機1から抽気された圧縮空気は、バイパス系統13を流通されず、全て主系統12に流通される。
なお、本実施形態においては、流量調整部9がバイパス系統13に設けられる場合を例に挙げて説明するが、これに限定されず、流量調整部9は、主系統12またはバイパス系統13のいずれか一方に設けられていればよい。なお、流量調整部9がバイパス系統13に設けられることにより、主系統12側に設けられる場合と比較して、例えば、流量調整部9を全閉にしている状態で故障した場合に、TCAクーラ8側に圧縮空気を流通させることができず定格運転時に十分な翼冷却が得られないという事態を防ぐことができる。
制御装置10は、第1制御部(第1制御手段)30と第2制御部(第2制御手段)40とを具備する。具体的に、制御装置10の制御について図2を用いて説明する。
第1制御部30は、発電機5の出力値に基づいて、TCAクーラ8を流通する圧縮空気の流量が流量目標値となるように流量調整部9をフィードフォワード制御により調整する。具体的には、第1制御部30は、第1指令値決定部31を備えている。第1指令値決定部31は、取得した発電機5の出力値に対して、TCAクーラ8を流通させる圧縮空気の流量を流量目標値とするような流量調整部9の開度を決定する第1対応情報(例えば、ガスタービン3の出力が高い場合には、回転軸7を冷却する冷却空気の温度を低くする必要があるので、冷却空気(圧縮空気)を増やすように、バイパス側に設けられた流量調整部9の開度を閉めるような関数、マップ等)を備えており、この第1対応情報に基づいて決定される第1開度指令値を加算部43に出力する。
このように、第1制御部30は、発電機5の出力値に基づいて先行的に流量調整部9を制御(フィードフォワード制御)する第1開度指令値を出力する。発電機5の出力値とは、例えば、ガスタービン出力、ガスタービンのデマンド値、全燃料流量指令値(CSO:Control Signal Output)、タービン入口温度、発電機出力そのものを含む。
第2制御部40は、冷却空気系統11における、TCAクーラ8の下流側に設けられる冷却空気の温度を計測する温度計測部6により計測された冷却空気計測値と、TCAクーラ8の下流側における冷却空気の温度目標値との偏差を抑制するよう流量調整部9をフィードバック制御により調整する。具体的には、第2制御部40は、減算器41及びPID制御器42を備えている。減算器41は、冷却空気の温度目標値と、温度計測部6から計測された冷却空気の冷却空気計測値との差を算出し、PID制御器42に出力する。PID制御器42は、減算器41から取得した差の情報に基づいて、冷却空気の温度が温度目標値に追従するようにPID演算によって制御量(流量調整部9の開度制御量)を算出し、その制御量を第2開度指令値として加算器43に出力する。
このように、第2制御部40は、温度計測部6における冷却空気計測値と温度目標値とを比較し、比較結果に基づいて制御(フィードバック制御)する第2開度指令値を出力する。
加算器43は、第2制御部40から取得した第2開度指令値と、第1制御部30から取得した第1開度指令値とに基づいて、流量調整部9の開度である開度指令値を決定する。
このように、制御装置10は、フィードフォワード制御とフィードバック制御とを組み合わせて流量調整部9を調整することにより、温度計測部6による冷却空気の温度計測遅れをなくし、速やかな制御ができる。
次に、本実施形態に係るガスタービンプラント100の作用について、図1及び図2を用いて説明する。
空気Aが圧縮機1に供給され、圧縮機1において圧縮された圧縮空気は、車室4を介して燃焼器2に供給される。また、圧縮機1において圧縮された圧縮空気は、回転軸7を冷却する冷却空気として冷却空気系統に流入される。
第1制御部30において、発電機5の出力値が入力されると、第1対応情報に基づいて、発電機5の出力値に応じた、流量目標値の流量の圧縮空気をTCAクーラ8に流通させるための流量調整部9の開度情報が、第1開度指令値として決定され、加算部43に出力される。また、第2制御部40において、TCAクーラ8の下流側に設けられる温度計測部6により計測された冷却空気計測値と、冷却空気の温度目標値との差を低減させるようにPID制御する流量調整部9の制御量が算出され、第2開度指令値として出力される。
第1開度指令値と第2開度指令値との加算によって、流量調整部9の開度指令値が決定され、出力される。
バイパス系統13に設けられる流量調整部9は、取得した開度指令値に基づいた開度に制御される。そうすると、圧縮機1から抽出された圧縮空気は、流量調整部9を流通するバイパス系統13側の圧縮空気と、流量調整部9を介さずにTCAクーラ8側を流通する圧縮空気とに分けられる。バイパス系統13を流通する圧縮空気は、冷却されずにバイパス系統13と主系統12との合流点側に放出され、主系統12を流通する圧縮空気は、TCAクーラ8により冷却され、バイパス系統13と主系統12との合流点側に放出される。主系統12で冷却された圧縮空気と、バイパス系統13を流通した圧縮空気との合流後の冷却空気は、温度計測部6により温度が計測される。温度計測部6において計測された冷却空気の温度計測値は制御装置10に出力され、第2制御部40に入力される。
冷却空気は、回転軸7に供給され、回転軸7を冷却する。
以上説明してきたように、本実施形態に係るガスタービン運転制御装置(制御装置)10及びその方法並びにそれを備えたガスタービンプラント100によれば、発電機5の出力値に基づいてTCAクーラ8を流通する圧縮空気の流量が流量目標値となるようにフィードフォワード制御され調整されるとともに、TCAクーラ8の下流側における温度計測部6の冷却空気計測値と冷却空気の温度目標値との差が抑制されるようにフィードバック制御される。このように、フィードフォワード制御とフィードバック制御とを組み合わせることにより、温度差をフィードバック制御するだけの場合と比較して、フィードバック制御により補正しつつ、温度計測部6(熱電対)による計測遅れによる制御の遅れがなくなり、速やかな制御ができる。
〔第2の実施形態〕
次に、本発明の第2の実施形態に係るガスタービン運転制御装置及びその方法並びにそれを備えたガスタービンプラントについて図1および図3を用いて説明する。本実施形態に係るガスタービンプラントは、第1の実施形態における構成に加え、ガスタービンの昇速時など発電機がタービンと電気的に接続されていない場合を含む点で、上述の第1の実施形態と異なる。以下、本実施形態に係るガスタービンプラントについて、第1の実施形態と共通する点については説明を省略し、異なる点について主に説明する。
第1制御部30は、昇速時などのように、タービン3が発電機5と電気的に接続されていない状態において、タービン3が発電した動力を発電機5に伝達する回転軸7の回転数または全燃料流量指令値CSOに基づいて、TCAクーラ8を流通する圧縮空気の流量が流量目標値となるように流量調整部9をフィードフォワード制御により調整する。
具体的に、図3を用いて本実施形態に係る制御装置10aについて説明する。
第1制御部30は、第1指令値決定部31,32,33、加算器34を備えている。
第1指令値決定部31は、発電機5の出力値に基づいて、TCAクーラ8を流通する圧縮空気の流量を流量目標値とするような流量調整部9の開度を決定する第1対応情報が備えられており、タービン3と発電機5とが電気的に接続されている場合に、発電機5の出力値(或いは、ガスタービンデマンド値)が入力されると、第1対応情報に基づいて第1開度指令値aを決定し、出力する。
第1指令値決定部32は、回転軸7の軸回転数に基づいて、TCAクーラ8を流通する圧縮空気の流量を流量目標値とするような流量調整部9の開度を決定する第2対応情報が備えられており、タービン3と発電機5とが電気的に接続されていない状態である場合に、回転軸7の軸回転数の情報が入力されると、第2対応情報に基づいて、第1開度指令値bを決定し、出力する。
加算器34は、発電機5とタービン3との電気的接続状態に応じて、第1指令値決定部31から取得した流量調整部9の第1開度指令値a,bのいずれか一方を選択し、加算器43に出力する。
このように、軸回転数を勘案した補正を加えることにより、昇速時の冷却空気温度を最適に保つことができる。
第1指令値決定部33は、全燃料流量指令値CSOに基づいて、TCAクーラ8を流通する圧縮空気の流量を流量目標値にするような流量調整部9の開度を決定する第3対応情報が備えられており、発電機出力及び軸回転数の情報の使用時以外において全燃料流量指令値CSOが入力された場合に、第3対応情報に基づいて、第1開度指令値cを決定し、加算器43に出力する。
このように、第1制御部30は、使用する信号に応じて、第1指令値決定部31,32による第1開度指令値aまたはbを用いるか、第1指令値決定部33による第1開度指令値cを用いるかが決定される。
これにより、ガスタービンの昇速時においても、回転軸7を冷却する冷却空気の温度を所望の値に保つことができる。
〔変形例〕
なお、本実施形態においては、発電機出力及び軸回転数の情報の使用時以外においては、全燃料流量指令値CSOが入力された場合を想定して説明していたが、これに限定されない。例えば、第1指令値決定部33は、タービン3の入口温度に基づいて、TCAクーラ8を流通する圧縮空気の流量を流量目標値にするような流量調整部9の開度を決定する第4対応情報が備えられており、発電機出力及び軸回転数の情報の使用時以外において、タービン3の入口温度の情報が入力された場合には、第4対応情報に基づいて、第1開度指令値dを決定し、加算器43に出力する。
具体的には、タービン3の入口温度は、直接計測することができないため、タービン3から排出される排ガスなどのタービン入口温度を代表する値から推定されるタービン入口温度に基づいて、流量調整部9の第1開度指令値dが決定される。
〔第3の実施形態〕
次に、本発明の第3の実施形態に係るガスタービン運転制御装置及びその方法並びにそれを備えたガスタービンプラントについて図4を用いて説明する。
本実施形態に係るガスタービンプラントは、流量調整部9が主系統12に設けられている点で、上述の第1の実施形態、第2の実施形態と異なる。以下、本実施形態に係るガスタービンプラント20について、第1の実施形態、第2の実施形態と共通する点については説明を省略し、異なる点について主に説明する。
図4に示されるように、冷却空気系統11の主系統12には、流量調整部9とTCAクーラ8が設けられている。冷却空気系統11のバイパス系統13は、圧縮機1から抽出された圧縮空気をバイパスさせる流路とされている。また、図4において、流量調整部9の配置位置は、TCAクーラ8の上流側(圧縮機1側)とされているが、これに限定されず、TCAクーラ8の下流側(タービン3側)であってもよいこととする。
上述した第1の実施形態および第2の実施形態のように、バイパス系統13側に流量調整部9を設け、流量調整部9の開度を全開にした場合には、TCAクーラ8を流通する圧縮空気は、分岐系統の圧損の関係により決まるため、TCAクーラ8を流通させる圧縮空気の流量を完全になくすことはできなかった。また、急速起動時等、圧縮空気の温度を低下させることなく、ガスタービン冷却空気として供給したい場合(例えば、熱応力の緩和)は、TCAクーラ8側の流量をできるだけ少なくし、バイパス系統13側の空気を供給することが望ましい。
そこで、本実施形態のように、TCAクーラ8の上流側または下流側に流量調整部9を設け、流量調整部9を全閉状態にすることにより、TCAクーラ8側には圧縮空気を流通させず、バイパス系統13に圧縮空気を流通させることにより、バイパス系統13側に流量調整部9を設けた場合と比較して、さらに高温な冷却空気を回転軸7側に供給することができる。
さらに、第2の実施形態で説明したように、ガスタービンの昇速時を勘案した制御装置10と組み合わせることにより、より高い温度まで昇速時の冷却空気温度を制御することができる。
また、本実施形態のように主系統12に流量調整部9を設けている場合では、制御装置10bは、流量調整部9を開く方向に制御することで主系統12に流通させる圧縮空気を増加させる、流量調整部9を閉じる方向に制御することでバイパス系統13に流通させる圧縮空気を増加させる。
このように、TCAクーラ8が設けられる主系統12に流量調整部9を設けることにより、圧縮機1の出口温度そのものを冷却空気の温度とすることができる。
〔第4の実施形態〕
次に、本発明の第4の実施形態に係るガスタービン運転制御装置及びその方法並びにそれを備えたガスタービンプラントについて図5を用いて説明する。
本実施形態に係るガスタービンプラントは、可変速ファンを設ける点で、上述の第1の実施形態、第2の実施形態、第3の実施形態と異なる。以下、本実施形態に係るガスタービンプラント20について、第1の実施形態、第2の実施形態、第3の実施形態と共通する点については説明を省略し、異なる点について主に説明する。
冷却空気系統11は、圧縮機1から圧縮空気の一部を抽出してタービン3側の冷却に用いられる冷却空気の流通経路とする。本実施形態においては、上述した第1から第3の実施形態のように冷却空気系統11を主系統12とバイパス系統13とに分けられていてもよいし、分けられていなくてもよい。図5において、バイパス系統側13が点線で示されているのは、本実施形態がバイパス系統13の有無に関係しないことを示している。なお、主系統12とバイパス系統13とに分けられている場合には、少なくともいずれか一方に可変速ファン14が設けられていればよい。
本実施形態に係るガスタービンプラント20は、冷却空気系統11の近傍に圧縮空気を冷却する可変速ファン14を備えている。可変速ファン14は、例えば、ラジエータ式のTCAクーラであり、ファンが可変速(例えば、インバータ式)である。可変速ファン14は、回転数を制御されることにより、冷却水(低温側流体)の温度を制御できる。これにより、第1から第3の実施形態で用いていた流量調整部9を不要とすることができる。
また、第1制御部30は、発電機5の出力値に基づいて、冷却空気の温度が温度目標値となるように可変速ファンの回転数をフィードフォワード制御により調整する。具体的には、第1制御部30は、発電機5の出力値に対して、冷却空気の温度が温度目標値となるようにする可変速ファンの回転数を決定する第5対応情報を備えており、発電機5の出力値を取得すると、第5対応情報に基づいて、可変速ファンの回転数を決定する。
このように、ガスタービンが圧縮空気を冷却する可変速ファンを有している場合に、可変速ファンの回転数を調整することにより、冷却空気の温度が温度目標値となるように簡便に調整できる。
〔変形例〕
なお、本実施形態においては、冷却空気の冷却に可変速ファンを用いていたが、これに限定されず、複数の固定速ファンを設け、適宜回転させる固定速ファンの個数を調整する(例えば、3つの固定速ファンを設けておき、2つの固定速ファンのみを稼働させるなど)ことにより、ファンによって得られる冷却効果に強弱を持たせることとしてもよい。
〔第5の実施形態〕
次に、本発明の第5の実施形態に係るガスタービン運転制御装置及びその方法並びにそれを備えたガスタービンプラントについて図6を用いて説明する。
本実施形態に係るガスタービンプラントは、フィードフォワード制御をする場合に、1次遅れの要素を勘案する点で、上述した第1の実施形態、第2の実施形態、第3の実施形態、第4の実施形態と異なる。以下、本実施形態に係るガスタービンプラント20について、第1の実施形態、第2の実施形態、第3の実施形態、第4の実施形態と共通する点については説明を省略し、異なる点について主に説明する。
図6は、本実施形態に係る制御装置10dの機能ブロック図を示している。ここでは、第2の実施形態で説明したように、ガスタービンが昇速時の場合と定格運転時の場合との両方に対応可能なケースを一例として示しているが、これに限定されず、例えば、定格運転時の場合だけの制御であっても適用できる。また、冷却手段として、TCAクーラ8による冷却水冷却の場合を例に挙げるが、可変速ファンおよび複数の固定速ファンであってもよい。
第1制御部30は、発電機5の出力値と、発電機5の1次遅れの出力値との差に基づいて、TCAクーラ8を流通する圧縮空気の流量が流量目標値となるように流量調整部9をフィードフォワード制御により調整する。具体的には、図6に示されるように、第1制御部30は、減算器35,37、第1指令値決定部36,38、および加算器39を備えている。
減算器5は、発電機5の出力値とその1次遅れの出力値との差を算出し、第1指令値決定部36に出力する。
第1指令値決定部36は、発電機5の出力値の差Aの情報に対して、TCAクーラ8を流通する圧縮空気の流量を流量目標値にするような第1開度指令値aを決定する第6対応情報を備えており、取得した差Aの情報と第6対応情報に基づいて、流量調整部9の第1開度指令値aを決定し、加算器39に出力する。例えば、第6対応情報は、差分Aが出力増加を示す場合には、冷却空気の温度を低くする必要があるので、流量調整部9の開度を閉める方向に制御する対応情報(関数、マップ等)とすることが好ましい。
減算器37は、回転軸7の軸回転数と、その1次遅れの軸回転数との差Bを算出し、第1指令値決定部38に出力する。
第1指令値決定部38は、回転軸7の軸回転数に基づいて、TCAクーラ8を流通する圧縮空気の流量を流量目標値にするような流量調整部9の開度を決定する第7対応情報が備えられており、取得した差Bの情報と第7対応情報に基づいて、第1開度指令値bを決定し、加算器39に出力する。
加算器39は、入力される信号に応じて、第1指令値決定部36からの第1開度指令値aを用いるか、第1指令値決定部38からの第1開度指令値bを用いるかを決定し、加算器43に出力する。
1次遅れとの差A,Bは、測定信号の変化量が大きいほど増大する性質があり、その差A,Bに応じて開度を決定する対応情報を設けているので、各パラメータの急変に対し、追従性のよいフィードフォワード制御が可能となる。このように、本実施形態においては、フィードバック制御する第1制御部30が、補正の役割を果たしている。
このように、1次遅れ(過去)の出力値との差である変化量に応じて、流量調整部9をフィードフォワード制御するので、フィードバック制御で調整しきれない急激な変化に対しても、追従性が向上される。
6 温度計測部
8 TCAクーラ
9 流量調整部
10,10a,10b,10c,10d 制御装置
30 第1制御部
40 第2制御部
100 ガスタービンプラント

Claims (16)

  1. 圧縮機と、燃料と前記圧縮機によって圧縮された空気である圧縮空気との燃焼によって生成された燃焼ガスにより駆動するタービンと、前記タービンにより回転駆動される発電機と、前記タービン側の冷却に用いられる冷却空気の流通経路である冷却空気系統のうち前記圧縮機から前記圧縮空気の一部を抽出して前記圧縮空気を冷却する冷却手段を有する前記冷却空気系統の主系統と、前記主系統から分岐して前記冷却手段を介さず前記タービン側に接続させる前記冷却空気系統のバイパス系統と、前記圧縮空気の流量を調整する流量調整手段とを具備するガスタービンに適用されるガスタービン運転制御装置であって、
    前記発電機の出力値に基づいて、前記冷却手段を流通する前記圧縮空気の流量が流量目標値となるように前記流量調整手段をフィードフォワード制御により調整する第1制御手段と
    を具備するガスタービン運転制御装置。
  2. 前記冷却空気系統における、前記冷却手段の下流側に設けられる前記冷却空気の温度を計測する温度計測手段により計測された冷却空気計測値と、前記冷却手段の下流側における前記冷却空気の温度目標値との偏差を抑制するよう前記流量調整手段をフィードバック制御により調整する第2制御手段を具備する請求項1に記載のガスタービン運転制御装置。
  3. 前記タービンが、前記発電機と接続されていない状態において、
    前記第1制御手段は、前記タービンが発電した動力を前記発電機に伝達する回転軸の回転数または全燃料流量指令値に基づいて、前記冷却手段を流通する前記圧縮空気の流量が流量目標値となるように前記流量調整手段をフィードフォワード制御により調整する請求項1または請求項2に記載のガスタービン運転制御装置。
  4. 前記流量調整手段は、前記ガスタービンの前記主系統または前記バイパス系統のうち、少なくともいずれか一方に設けられる請求項1から請求項3のいずれかに記載のガスタービン運転制御装置。
  5. 前記ガスタービンは、前記圧縮空気を冷却する可変速ファンを有している場合に、
    前記第1制御手段は、前記発電機の出力値に基づいて、前記冷却空気の温度が温度目標値となるように前記可変速ファンの回転数をフィードフォワード制御により調整する請求項1から請求項4のいずれかに記載のガスタービン運転制御装置。
  6. 前記ガスタービンは、前記圧縮空気を冷却する複数の固定速ファンを有している場合に、
    前記第1制御手段は、前記発電機の出力値に基づいて、前記冷却空気の温度が温度目標値となるように、稼働させる前記固定速ファンの個数を調整し、フィードフォワード制御する請求項1から請求項4のいずれかに記載のガスタービン運転制御装置。
  7. 前記可変速ファン及び前記固定速ファンは、前記主系統または前記バイパス系統のうち、少なくともいずれか一方に設けられる請求項5または請求項6に記載のガスタービン運転制御装置。
  8. 圧縮機と、燃料と前記圧縮機によって圧縮された空気である圧縮空気との燃焼によって生成された燃焼ガスにより駆動するタービンと、前記タービンにより回転駆動される発電機と、前記圧縮機から前記圧縮空気の一部を抽出して前記タービン側の冷却に用いられる冷却空気の流通経路である冷却空気系統と、前記圧縮空気を冷却する可変速ファンとを具備するガスタービンに適用されるガスタービン運転制御装置であって、
    前記発電機の出力値に基づいて、前記冷却空気の温度が温度目標値となるように前記可変速ファンの回転数をフィードフォワード制御により調整する第1制御手段と
    を具備するガスタービン運転制御装置。
  9. 圧縮機と、燃料と前記圧縮機によって圧縮された空気である圧縮空気との燃焼によって生成された燃焼ガスにより駆動するタービンと、前記タービンにより回転駆動される発電機と、前記圧縮機から前記圧縮空気の一部を抽出して前記タービン側の冷却に用いられる冷却空気の流通経路である冷却空気系統と、前記圧縮空気を冷却する複数の固定速ファンとを具備するガスタービンに適用されるガスタービン運転制御装置であって、
    前記発電機の出力値に基づいて、前記冷却空気の温度が温度目標値となるように、稼働させる前記固定速ファンの個数を調整し、フィードフォワード制御する第1制御手段を具備するガスタービン運転制御装置。
  10. 前記第1制御手段は、前記発電機の出力値と、前記発電機の1次遅れの出力値との差に基づいて、前記冷却手段を流通する前記圧縮空気の流量が前記流量目標値となるように前記流量調整手段をフィードフォワード制御により調整する請求項2から請求項9のいずれかに記載のガスタービン運転制御装置。
  11. 前記ガスタービンは、前記圧縮空気を冷却する可変速ファンを有している場合に、
    前記第1制御手段は、前記発電機の出力値と、前記発電機の1次遅れの出力値との差に基づいて、前記冷却空気の温度が前記温度目標値となるように前記可変速ファンの回転数をフィードフォワード制御により調整する請求項2から請求項9のいずれかに記載のガスタービン運転制御装置。
  12. 前記ガスタービンは、前記圧縮空気を冷却する複数の固定速ファンを有している場合に、
    前記第1制御手段は、前記発電機の出力値と、前記発電機の1次遅れの出力値との差に基づいて、前記冷却空気の温度が前記温度目標値となるように前記固定速ファンの調整し、フィードフォワード制御する請求項2から請求項9のいずれかに記載のガスタービン運転制御装置。
  13. 請求項1から請求項12のいずれかに記載のガスタービン運転制御装置を備えるガスタービン。
  14. 圧縮機と、燃料と前記圧縮機によって圧縮された空気である圧縮空気との燃焼によって生成された燃焼ガスにより駆動するタービンと、前記タービンにより回転駆動される発電機と、前記タービン側の冷却に用いられる冷却空気の流通経路である冷却空気系統のうち前記圧縮機から前記圧縮空気の一部を抽出して前記圧縮空気を冷却する冷却手段を有する冷却空気系統の主系統と、前記主系統から分岐して前記冷却手段を介さず前記タービン側に接続させる前記冷却空気系統のバイパス系統と、前記圧縮空気の流量を調整する流量調整手段とを具備するガスタービンに適用されるガスタービン運転制御方法であって、
    前記発電機の出力値に基づいて、前記冷却手段を流通する前記圧縮空気の流量が流量目標値となるように前記流量調整手段をフィードフォワード制御により調整するガスタービン運転制御方法。
  15. 圧縮機と、燃料と前記圧縮機によって圧縮された空気である圧縮空気との燃焼によって生成された燃焼ガスにより駆動するタービンと、前記タービンにより回転駆動される発電機と、前記圧縮機から前記圧縮空気の一部を抽出して前記タービン側の冷却に用いられる冷却空気の流通経路である冷却空気系統と、前記圧縮空気を冷却する可変速ファンとを具備するガスタービンに適用されるガスタービン運転制御方法であって、
    前記発電機の出力値に基づいて、前記冷却空気の温度が温度目標値となるように前記可変速ファンの回転数をフィードフォワード制御により調整するガスタービン運転制御方法。
  16. 圧縮機と、燃料と前記圧縮機によって圧縮された空気である圧縮空気との燃焼によって生成された燃焼ガスにより駆動するタービンと、前記タービンにより回転駆動される発電機と、前記圧縮機から前記圧縮空気の一部を抽出して前記タービン側の冷却に用いられる冷却空気の流通経路である冷却空気系統と、前記圧縮空気を冷却する複数の固定速ファンとを具備するガスタービンに適用されるガスタービン運転制御方法であって、
    前記発電機の出力値に基づいて、前記冷却空気の温度が温度目標値となるように、稼働させる前記固定速ファンの個数を調整し、フィードフォワード制御するガスタービン運転制御方法。
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KR20200061572A (ko) 2018-11-26 2020-06-03 한국가스공사 공급가스 온도 제어 장치 및 방법
CN113874611A (zh) * 2019-05-31 2021-12-31 三菱动力株式会社 燃气轮机及其控制方法、以及联合循环设备

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