JP2014084540A - 布材 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両用シートの静電容量式センサやヒータとして使用できる表皮材用布材において、導電糸の破断や、芯糸に対する導電糸のズレを極力回避できる布材を提供する。
【解決手段】通電可能な糸材を備える布材において、該通電可能な糸材11が、芯糸20と、芯糸20に対してスパイラル状に巻装される金属線などの導電糸21,22とを有するとともに、芯糸20が、巻縮されてなるフィラメント糸である糸材を備えたことを特徴とする布材。
【選択図】図3

Description

本発明は、通電可能な糸材を備える布材に関する。
車両用シートの表皮材は、シートの利便性などを考慮して、静電容量式センサの電極やヒータとして使用できることが好ましい。
例えば特許文献1に開示の織物(布材)は、通電可能な糸材と、絶縁性の糸材(他の糸材)を構成糸として有する。通電可能な糸材は、ステンレス製の導電糸が、絶縁性の芯糸(ポリエステル65%・綿35%の合成繊維の撚糸)にスパイラル状に巻装されてなる。
そして公知技術の織物を表皮材として使用するとともに、導電糸と電源を電気的につなげることで表皮材をヒータとして機能させることができる。
ここで上述の構成では、芯糸に対して導電糸を均一に巻装することが望ましい。例えば芯糸に対して導電糸がズレるなどして不均一に巻装されると、導電糸に疎な部分と密な部分が発生する。導電糸の疎な部分では応力を芯糸が負担しずらくなり導電糸に力がかかり、破断するおそれがある。
そこで公知技術では、芯糸一部の綿が毛羽立つ(嵩高となる)ことから、導電糸が食い込むなどして芯糸に対するズレを極力阻止できる。
特開平7−161456号公報
ところで公知技術では、芯糸一部の綿(毛羽立ち)を用いて、導電糸のズレを極力阻止する。しかし一般的に綿は、比較的短い繊維を紡績して線状とすることから、他の糸材と比較して収縮率が小さくなりがちである。
例えば公知技術の構成に倣って、通電可能な糸材11bと、他の糸材12bにて表皮材10b(織物)を製織したのち熱収縮させる(図8(a)を参照、なお同図では、便宜上、一部の糸材にのみ符号を付す)。このとき通電可能な糸材11b(紡績糸の芯材)と表皮材(他の糸材12b)の間で生じる糸長差により、通電可能な糸材11bが表皮材10bから部分的に飛び出すことがあった(図8(b)を参照)。そして通電可能な糸材11bが飛び出すことによりシート性能が悪化する(例えば糸材の断線、異物感、温度ムラが生じる)ことがあった。
本発明は上述の点に鑑みて創案されたものであり、本発明が解決しようとする課題は、芯糸に対する導電糸のズレを極力回避することにある。
上記課題を解決するための手段として、第1発明の布材は、通電可能な糸材を備える布材であり、例えば静電容量式センサの電極やヒータとして機能することから、車両用シートの表皮材等として使用可能である。
本発明では、通電可能な糸材が、芯糸と、芯糸に対してスパイラル状に巻装される導電糸とを有する。この種の構成では、表皮材等に使用されることを考慮して、芯糸に対する導電糸のズレを極力回避できることが望ましい。
そこで本発明では、上述の芯糸が、巻縮されてなるフィラメント糸である。このようにフィラメント糸が巻縮されて嵩高となることにより、芯糸に対する導電糸のズレを極力回避できる。
本発明に係る第1発明によれば、芯糸に対する導電糸のズレを極力回避することができる。
車両用シートの斜視図である。 表皮材一部の正面図である。 (a)は、収縮前の第一糸材の側面図であり、(b)は、収縮後の第一糸材の側面図である。 (a)は、製織時の実施例の布材の斜視図であり、(b)は、熱収縮後の実施例の布材を別角度から見た斜視図である。 実施例の布材の組織図を用いて導電糸の配置を模式的に示した図であり、(a)は、製織時の図であり、(b)は、熱収縮後の図である。 実施例の布材の概略断面図である。 比較例の布材の組織図を用いて導電糸の配置を模式的に示した図であり、(a)は、製織時の図であり、(b)は、熱収縮後の図である。 (a)は、生織時の従来の布材の斜視図であり、(b)は、仕上げ加工後の従来の布材を別角度から見た斜視図である。
以下、本発明を実施するための形態を、図1〜図7を参照して説明する。なお図2、図4、図5及び図7では、便宜上、第一糸材と第二糸材の一部にのみ符号を付す。また各図には、適宜、車両用シート前方に符号F、車両用シート後方に符号B、車両用シート上方に符号UP、車両用シート下方に符号DWを付す。
図1の車両用シート2は、シートクッション4と、シートバック6と、ヘッドレスト8を有する。これらシート構成部材は、各々、シート外形をなして乗員を弾性的に支持するクッション材(4P,6P,8P)と、クッション材を被覆する表皮材(4S,6S,8S)を有する。
本実施例では、シートクッション4の表皮材4Sの一部に布材10(通電可能な面材)が使用されており、静電容量式センサの電極又はヒータとして機能する。
そして布材10が、通電可能な糸材(第一糸材11)を有するとともに、同糸材11が、芯糸20と、芯糸20に対してスパイラル状に巻装される導電糸(21,22)を有する(図2及び図3を参照、各部材の構成は後述)。この種の構成では、表皮材4Sが乗員の押圧を受ける部位であることを考慮して、芯糸20に対する各導電糸21,22のズレを極力回避できることが望ましい。
そこで本実施例では、後述の構成にて、芯糸20に対する導電糸のズレを極力回避することとした。以下、各構成について詳述する。
[表皮材(布材)]
表皮材4Sは、袋状の面状部材であり、複数の表皮ピース(例えば第一表皮ピース40fと第二表皮ピース40s)を縫合して形成できる(図1及び図2を参照)。
第一表皮ピース40fは、シート中央(座面)形状に倣った略矩形の面状部材である。本実施例では、第一表皮ピース40fが、布材10(織物)を用いて形成されており、第一糸材11(通電可能な糸材)と、第二糸材12(第一糸材11とは異なる他の糸材)と、接続部材30を有する(図3〜図6を参照、各部材等の構成は後述)。そして第一表皮ピース40f(布材10)を、電源9に電気的に接続することにより、静電容量式センサの電極やヒータとして機能させることができる。
また第二表皮ピース40sは、シート側部形状に倣った形状の面状部材であり、布帛(織物,編物,不織布)、皮革(天然皮革,合成皮革)又はこれらの複合材にて形成できる。なお各表皮ピースの裏面側(クッション材を臨む側)には、パッド材14(典型的に発泡樹脂製の面材)と、裏基布16(例えば不織布)を積層状に配置できる。
[第一糸材(通電可能な糸材)]
第一糸材11は、第一表皮ピース40f(布材10)の構成糸であり、芯糸20と、導電糸(21,22)を有する(図2〜図4を参照)。
芯糸20は、巻縮されてなるフィラメント糸(複数又は単数)であり、例えば熱可塑性樹脂を材質として形成できる。ここで巻縮とは、フィラメント糸がコイル状又はSZ反転しながら三次元的に嵩高となることであり、通常のフィラメント糸と比較して嵩高性と伸縮性と弾力性に優れる構成となる。
そして芯糸20としてフィラメント糸を使用することにより、布帛(布材10)の収縮時に短繊維の紡績糸と比較して複合糸(第一糸材11)と表皮材(第二糸材12)の糸長差を減少させることができる(図4及び図5を参照)。また芯糸20が巻縮されてなる(嵩高である)ことにより、各導電糸21,22(後述)のズレを極力阻止できる。
この種の芯糸20として、各種の巻縮加工された糸材(仮撚り糸や複合糸等)を使用できる。
ここで仮撚り糸の作成方法は特に限定しないが、フィラメント糸に撚り(甘撚、中撚、強撚等)をかけた状態で熱を与え形状をセットしたのちに冷却させて固定した上で解撚することで作成できる。
また仮撚り糸は熱水寸法変化率が低いことが望ましく、熱水寸法変化率が10%以下(典型的には0%〜10%の範囲内)であることが望ましい。仮撚り糸(特に熱水寸法変化率が10%以下の仮撚り糸)は、熱処理で巻縮して構造的に縮むため、芯糸20に好適な伸度を持たせることができる。熱水寸法変化率は、「JIS−L1013 8.18.1(b)」に準じて98℃以上の熱水を用いて初荷重8.82mN/texをかけて測定できる。
ここで芯糸20の熱水寸法変化率では、その糸の熱水による糸の実際の収縮を測る。熱水寸法変化率が10%以上だと糸自体が縮んでいるため伸びがなく、糸の食い込みが甘くなる傾向にある。
そして「JIS−L1013 8.18.1(b)」を参考に、初荷重を1/6に減少させた条件において、芯糸20の熱水収縮率が20〜40%の範囲であることが望ましい。熱水収縮率は、「JIS−L1013 8.18.1(b)」を参考にJIS規定初荷重8.82mN/texをかけ500mmを測定して2点のうち、初荷重を除き98℃以上の熱水中に30分間浸せきした後風乾後1.47mN/texをかけて2点間の長さを測り測定した。
ここで上述の条件における熱水収縮率では、熱水によって捲縮という構造上での見かけ上の収縮を測ることを目的としている(実際の糸の長さは同じだが、糸構造上ちぢれることで、見かけ上では糸が短くなっている)。熱水収縮率は、熱水寸法変化率と大差ないと熱水により捲縮が起きていないことを示し、伸びがなく糸の食い込みが甘くなる傾向にある。収縮が小さいため、糸材12との糸長差が生じて糸材11の飛び出しにつながる。また芯糸20の熱水収縮率が40%より大きいと糸材11がつっぱりやすい。
また複合糸とは、異なる素材を一体化してなる糸材であり、これら素材の伸縮性の違いを利用して巻縮させることができる。複合糸の作成方法は特に限定しないが、例えば各種の複合糸のフィラメント糸(バイメタル複合糸、芯鞘複合糸、海島型複合糸及び多層複合糸)を作成したのち熱処理することで巻縮させる。
(導電糸)
導電糸(21,22)は、通電可能な導電性の線材であり、典型的に比抵抗(体積抵抗率とも呼ぶ)が100〜10-12Ω・cmである。この導電糸(21,22)を第一表皮ピース40f(布材10)に取付けることで、静電容量式センサの電極やヒータとして機能させることができる。
ここで「比抵抗(体積抵抗率)」とは、どのような材料が電気を通しにくいかを比較するために用いられる物性値であり、例えば「JIS C 2525 7.2C」に準拠して測定することができる。
例えば導電糸(21,22)として、しなやかな金属や合金などの糸材、メッキ線材が好適に使用できる。メッキ線材は、非導電性又は導電性の線材(芯材)と、金属又は合金のメッキ層を有する。
(第一糸材の作成)
図3を参照して、導電糸(21,22)を、芯糸20に対してスパイラル状に巻装することで第一糸材11を作成する。
このとき本実施例では、巻縮されて嵩高な芯糸20に導電糸(21,22)が食込み状に巻装される。このように導電糸(21,22)が芯糸20に食込むことにより、導電糸(21,22)が芯糸20と一体となって動きやすく、他からの接触に対して導電糸(21,22)がズレにくい特徴をもつ。このため導電糸(21,22)の捩れ(スナール)発生が好適に阻止されて、芯糸20の過度の露出や、第一糸材11の短縮化(スナールに芯糸20が巻き込まれて短くなること)などを極力阻止できる。
また本実施例では、導電糸(21,22)が芯糸20に食込むため、芯糸20と導電糸(21,22)がともに蛇行状に絡み合う。このため第一糸材11が引張された際の加重を芯糸20が負担するなどして、導電糸(21,22)の断線を極力回避できる。
ここで第一糸材11中の導電糸の本数は特に限定しないが、1本(シングルカバリング)、または2本(ダブルカバリング)などの偶数本であることが好ましい。
例えば本実施例では、第一導電糸21と第二導電糸22を使用してダブルカバリングすることにより、第一糸材11の強度や導電性を向上させることができる。なお導電糸の撚り方向はS撚又はZ撚のいずれでもよいが、ダブルカバリングの場合には、一方の導電糸をS撚とし、他方の導電糸をZ撚とすることが好ましい。また第一導電糸21(第二導電糸22)の撚り方向と、芯糸20に対するカバリングの撚り方向は異なっていることが望ましい。
また第一導電糸21と第二導電糸22のいずれかを使用してシングルカバリングすることで、第一糸材11の部品点数を抑えて製造コスト等を低減することもできる。
また導電糸(21,22)の撚数は、導電糸の太さ(繊度)、フィラメント数(シングルカバリング、ダブルカバリング)などに応じて適宜設定できる。
例えばダブルカバリングの場合、第一導電糸21と第二導電糸22の撚数を、それぞれ独立に又は統一して20〜2000T/mの範囲に設定することで、第一糸材11に所望の強度を付与することができる。
ここで第一導電糸21と第二導電糸22の撚数が20T/m未満であると、所望の第一糸材11の強度が得られない傾向にある。また第一導電糸21と第二導電糸22の撚数が2000T/mより多いと、芯糸20の伸縮性や弾力性が過度に悪化することがある。そして第一導電糸21と第二導電糸22のカバリング数を150〜1500T/mの範囲に設定することで、所望の性能を備えた第一糸材11とすることができる。
[第二糸材]
第二糸材12(12a〜12g)は、第一糸材11とは異なる糸材であり、紡績糸、フィラメント、延伸糸又は伸縮加工糸(仮撚加工糸や座屈糸)を例示できる(図2〜図6を参照)。
第二糸材12(材質)として、植物系及び動物系の天然繊維、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂からなる化学繊維及びこれらの混繊維を例示できる。
なお天然繊維では、綿、麻又は羊毛が風合いに優れるため、表皮材4Sの構成糸として用いることが好ましい。また化学繊維では、ポリエステル繊維(例えばポリエチレンテレフタレートのフィラメント)やナイロン繊維は耐久性と風合いと強度に優れるため、表皮材4Sの構成糸として用いることが好ましい。
なお第二糸材12の繊度は特に限定しないが、例えば30〜3000dtex程度の糸材を使用することができる。
[第一表皮ピース(布材)の作成]
図2〜図5を参照して、第一表皮ピース40f(織物としての布材10)のタテ糸又はヨコ糸(構成糸)として、第一糸材11と第二糸材12を適宜使用する。
例えばタテ糸としての第二糸材12を整経したのち、ヨコ糸としての第一糸材11と第二糸材12を打ち込むことができる。またタテ糸として、第一糸材11と第二糸材12を使用することもできる。このとき本実施例では、嵩高な芯糸20に導電糸(21,22)が食込み状に巻装されるため、製織時において第一糸材11に応力がかかっても、芯糸20と導電糸(21,22)の位置関係を好適に維持できる。
なお図6を参照して、布材10を、多重組織(重ね織組織や紋織組織など)の織物とすることができる。例えばヨコ糸として、第一糸材11と第二糸材12aを使用するとともに、タテ糸として、複数の第二糸材12b〜12gを使用する。そして図6の布材10(緯二重裏付組織(重ね織組織の一例))のように、布材10裏面側に第一糸材11を配置しつつ、布材10の残りの部分を第二糸材(12a〜12g)にて形成する。こうすることで布材10の表面側(表皮材の着座面側)から見ると、裏面側の第一糸材11がほとんど現れないことから見栄えの良いシート構成となる。かつ、導電糸(21,22)が表面に現れないことから、シート着座時の導電糸(21,22)のひっかかりによる断線が防げる。
ここで第一表皮ピース40f(布材10)中の第一糸材11の配置本数は特に限定しないが、各種機能を好適に発揮させるために、複数の第一糸材11を、所定間隔をあけつつ平行に配置することが好ましい(図2を参照)。
例えば第一表皮ピース40fにヒータ機能を持たせる場合、第一糸材11同士の間隔寸法を1mm〜60mmに設定することができる。また第一表皮ピース40fにセンサ(電極)機能を持たせる場合、第一糸材11同士の間隔寸法を60mmの範囲内に設定することが望ましい。第一糸材11同士の間隔寸法が60mmを超えると、第一表皮ピース40fのセンサ機能が悪化(静電容量が低下)して電極として機能しないおそれがある。好ましくは第一糸材11の間隔寸法の上限値を30mmとすることで、第一表皮ピース40fがより好適なセンサ機能(静電容量)を備える。
(仕上げ処理)
本実施例では、第一表皮ピース40f(布材10)を製織したのち、所定の仕上げ処理を行うことができる(図2を参照)。
この仕上げ処理として、精練工程と、染色工程と、熱セット工程と、風合い出し工程と、後加工剤付与工程と、仕上げセット工程を例示でき、これら上述の工程を全て行うこともでき、1又は複数の工程を省略することもできる。
上記各工程では第一表皮ピース40fに熱処理を施すことが多く、例えば精練や染色工程では90〜155℃前後の熱処理が施されることが多い。そしてこの加熱処理によって、第一表皮ピース40f中の第二糸材12が面方向に収縮する。
そして本実施例では、嵩高な芯糸20に各導電糸21,22が食込み状に巻装される(図3を参照)。第一表皮ピース40f(布材10)が収縮する際に複合糸(第一糸材)の芯糸20は巻縮して見かけ上の糸の長さが短くなる際に各導電糸21,22の巻きつけ角度を大きくして糸長差を吸収することで、表皮材4S中の複合糸(第一糸材)の飛び出しを極力阻止する(図3のθ1及びθ2を参照)。上述の加工時において第一糸材11に応力がかかっても、芯糸20に対して各導電糸21,22がズレたり、巻き戻ったりする(スナールが発生する)ことを極力阻止でき、芯糸20と各導電糸21,22は一体となり見かけ上の長さは短くなる。その糸長差により、仕上げ処理時の他との接触によるズレを極力阻止できる。
[接続部材]
接続部材30は、第一糸材11と電源9を電気的につなげる部材であり、導線、導電テープ、導電化された布体を例示できる(図2を参照)。この接続部材30によって、第一糸材11と電源を電気的につなげることで、第一糸材11を通電可能状態にできる。
本実施例では、第一表皮ピース40fの向きを調節するなどして、第一糸材11をシート幅方向に向けつつ配置する。つぎに第一表皮ピース40fの両末端部に接続部材30(帯状の布体)をそれぞれ配設する。そして各接続部材30を、第一表皮ピース40fに縫着しつつ、第一糸材11の両端に電気的につなげる。
そして一対の接続部材30を、電源ケーブル(符号省略)などを介して電源9につなげることで、第一表皮ピース40fを通電可能状態とすることができる。こうすることで表皮材4S(第一表皮ピース40f)を、例えばヒータとして機能させることができる(利便性に優れるシート構成となる)。
[表皮材の使用]
図1及び図2を参照して、表皮材4Sを、クッション材4P上に配置しつつ、ヒータ等として使用する。
このとき本実施例では、嵩高な芯糸20に導電糸(21,22)が食込み状に巻装されるため、乗員着座時に第一糸材11に応力がかかっても、芯糸20と導電糸(21,22)の位置関係を好適に維持できる。このため第一糸材11の断線等が原因の機能低下を極力回避して、表皮材4Sをヒータ等として好適に機能させることができる。
以上説明したとおり本実施例では、芯糸20が巻縮されて嵩高となることで、各導電糸21,22を食込み状に巻装できる。このため第一糸材11に応力がかかったとしても、芯糸20に対して各導電糸21,22がズレたり、巻き戻ったりする(スナールが発生する)ことを極力阻止できる。
よって本実施例によれば、芯糸20に対する各導電糸21,22のズレを極力回避することができる。
以下、本実施形態を実施例に基づいて説明するが、本発明は実施例に限定されない。
[実施例1]
本実施例では、経糸(複数種類の第二糸材12)と、緯糸(第一糸材11,複数種類の第二糸材12)にて、布材としての織物10(生機織密度タテ/ヨコ=168/100本/25.4mm)を作成した(図5(a)を参照)。そして第一糸材11を、生機の段階で20mmピッチにて織り込んだ。
つぎに布材10に対して、130℃でのクラッシュタンブラーによるリラックス加工、起毛・剪毛後、バックコーティング、熱セット150℃(仕上げ処理)を行った(図5(b)を参照)。
そして本実施例では、経糸の第二糸材12として、ポリエチレンテレフタレート(PET)の仮撚加工糸(84dtex/36フィラメント)と、PET糸(167dtex/36フィラメント)を交互に整経した。
また緯糸の第二糸材12として、PET仮撚加工糸(84dtex/36フィラメント)と、PET糸(167dtex/36フィラメント)を交互に打ち込んだ。
そして緯糸の第一糸材11として、PET仮撚糸(330dtex/72フィラメント,熱水収縮率33%、熱水寸法変化率0.6%)の芯糸と、7本のSUS316線(線径18μm,撚数1500T/m)の鞘糸(導電糸)を使用した。なお本実施例及び下記の比較例の熱水収縮率は、「JIS−L1013 8.18.1(b)」を参考に、初荷重を1/6に減少させた条件における値である。
[比較例1]
本比較例では、布材としての織物10a(生機織密度タテ/ヨコ=168/100本/25.4mm)を作成した(図7(a)を参照)。つぎに第一糸材11aを、生機の段階で20mmピッチにて織り込んだのち、実施例1と同一の処理を行った(図7(b)を参照)。
本比較例では、経糸及び緯糸の第二糸材12aとして実施例1と同一の糸材を使用した。そして緯糸の第一糸材11aとして、PET染糸(167dtex/36フィラメント,熱水収縮率7.8%、熱水寸法変化率0.7%)の芯糸と、7本のSUS316線(線径18μm,撚数1500T/m)の鞘糸(導電糸)を使用した。
[比較例2]
本比較例では、布材としての織物(生機織密度タテ/ヨコ=168/100本/25.4mm)を作成した。つぎに第一糸材を、生機の段階で20mmピッチにて織り込んだのち、実施例1と同一の処理を行った。
本比較例では、経糸及び緯糸の第二糸材として実施例1と同一の糸材を使用した。そして緯糸の第一糸材として、重量比が45:55からなるナイロンMXD6ポリマーとナイロン6ポリマー繊維のフィラメント(84dtex/24フィラメント,熱水寸法変化率46%)の芯糸と、7本のSUS316線(線径18μm,撚数1500T/m)の鞘糸(導電糸)を使用した。
[結果及び考察]
実施例1の布材10(仕上げ加工後)は、その幅方向に生機時と比べて29%収縮したが、第一糸材11(導電糸)の飛び出しはみられなかった(図5を参照)。
これは本実施例の第一糸材11の芯糸が嵩高く鞘糸(導電糸)が食い込み、芯糸が巻縮して長さが短くなる際に鞘糸巻きつけ角度を大きくして第一糸材が一体となって長さを変化させたためである(図3を参照)。
このことから本実施例によれば、芯糸に対する導電糸のズレを極力回避できることがわかった。
また比較例1の布材10a(仕上げ加工後)は、その幅方向に生機時と比べて28%収縮した(図7を参照)。そして布材10aの幅と比較して第一糸材11aが長くなった結果、第一糸材11aが、10箇所/10cm布材裏面に浮き上がった。
なお比較例1の結果から、芯糸として、PET65%綿35%の紡績糸(典型的に熱水寸法変化率1.4%)を用いることで、第一糸材(紡績糸)が布材裏面から浮き上がることが容易に推測される。
そして比較例2の布材(仕上げ加工後)は、その幅方向に生機時と比べて32%収縮するとともに、第一糸材中の導電糸が14箇所/10cm浮き上がった。
比較例2のように芯糸と導電糸の絡みがない場合は、第一糸材の芯糸のみ収縮して長さが短くなるのに対して、導電糸と芯糸が一体でないため導電糸の巻きつけ角度は変化せず、布材の収縮に追従できない導電糸が裏面へ浮き出す結果となったためである。
本実施形態の布材は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その他各種の実施形態を取り得る。
(1)本実施形態では、第一糸材11と第二糸材12を構成糸とする布材を例示したが、第一糸材11のみで布材を作成することもできる。
(2)また本実施形態では、一対の接続部材30を第一表皮ピース40fの両端に取付ける例(ヒータとして機能させる例)を説明した。これとは異なり第一表皮ピースを静電容量式センサの電極として機能させる場合には、例えば同表皮ピースの一側に接続部材(単数)を取付けることができる。
(3)また本実施形態では、第一表皮ピース40fを布材10で作成する例を説明した。布材は、例えば第一表皮ピースのほか、第二表皮ピースなどの他の表皮ピースとして使用することができる。またシートクッションの表皮材のほか、シートバックやヘッドレストの表皮材に使用することもできる。
(4)また本実施形態では、シートクッション4を一例に説明したが、本実施例の構成は、シートバック6等の各種シート構成部材、車両構成部材、衣類等に適用できる。
2 車両用シート
4 シートクッション
4S 表皮材
6 シートバック
8 ヘッドレスト
9 電源
10 布材
11 第一糸材
12 第二糸材
20 芯糸
21 第一導電糸
22 第二導電糸
30 接続部材
40f 第一表皮ピース
40s 第二表皮ピース

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  1. 通電可能な糸材を備える布材において、
    前記通電可能な糸材が、芯糸と、前記芯糸に対してスパイラル状に巻装される導電糸とを有するとともに、前記芯糸が、巻縮されてなるフィラメント糸である布材。
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KR20180134074A (ko) * 2017-06-08 2018-12-18 현대자동차주식회사 환편 편직용 합연 금속도금실의 제조방법 및 이를 활용한 전도성 니트환편 원단의 제조방법
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