JP2014083990A - 伝達比可変操舵装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な構成によりベアリングギヤに予圧を付与することができる伝達比可変操舵装置を提供する。
【解決手段】Z1ギヤ34の背面に、段つき状の軸受受部が形成され、このZ1ギヤ34は、軸受受部において出力軸19のスラスト支持部にスラストニードルベアリング29と、スラストニードルベアリング29の転動用のプレート31とにより相対回転可能に支持されている。出力軸19とプレート31との隙間に弾性部材からなるウェーブワッシャー27が設けられ、プレート31、スラストニードルベアリング29、およびZ1ギヤ34を軸方向センタベアリング36側へ押圧している。これにより、ベアリングギヤ20に予圧が付与されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、伝達比可変操舵装置に関するものである。
従来、歯車を用いた様々な伝達機構が知られており、部品点数が少なく大きな減速比を得ることができ、伝達容量が大きい伝達機構が望まれている。このような伝達機構として、入力軸と出力軸との回転伝達比を変化させ、入力軸からの入力を出力軸へ減速して伝達することができる伝達比可変装置およびそれを備えた車両操舵装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
このような伝達比可変装置の減速機構は、対向して設けられた一対の面歯車のうち一方の面歯車が出力軸に固定され、他方の面歯車に対して入力軸が相対的に回転可能に設けられている。そして、この一対の面歯車間に入力軸に対して斜めに設けられた傾斜軸に支持され、軸受を介して入力軸の軸方向の揺動を行いながら面歯車と噛み合う歯車と面歯車との歯数の差により回転する両面歯車(揺動歯車)が設けられている。両面歯車は、入力軸からの入力を出力軸へ減速して伝達し、他方の面歯車を駆動手段を用いて回転させることで入力軸と出力軸との回転伝達比を変更することができるように構成されている。
特開2007−170624号公報
上記のような伝達比可変装置では、揺動歯車減速機、いわゆるベアリングギヤの噛み合い部分のずれにより異音が発生する。そこで、安定した位置で噛み合いをさせ異音を抑えるため、ベアリングギヤの噛合部に予圧(荷重)を付与する構造にしている。例えば、入力軸側に予圧用プラグを設け、締付トルクを調整しながら締め付け固定する場合がある。この場合、予圧用プラグの軸力が面歯車と両面歯車との噛合部の予圧として負荷される。しかしながら、予圧用プラグの締め付けによりベアリングギヤが固定されると歯面が磨耗した場合に噛合部に隙間(がた)が発生する。また、予圧を付与する経路にハウジングを形成するアルミとその他部材の鉄が混在するため、温度変化により予圧量が変化する。したがって、予圧量をプラグの締付トルクによって管理する必要があるが、摩擦などによる予圧のばらつきが大きく予圧量が安定しない場合がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、簡易な構成によりベアリングギヤに予圧を付与することができる伝達比可変操舵装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の伝達比可変操舵装置は、ステアリングホイールに連結される入力軸と、前記入力軸を相対回転可能に支持するハウジングと、前記ハウジングに対してモータ出力軸が相対回転可能に設けられたモータと、前記モータ出力軸に連結されモータ回転角を低減した転舵角を出力する減速機と、前記減速機から出力される前記転舵角を転舵輪側に伝達する出力軸と、を備え、前記減速機は、前記入力軸に一体回転可能に設けられ端面に第1歯が形成された第1歯車と、前記出力軸に一体回転可能に設けられ前記第1歯車の前記端面に対向する端面に第4歯が形成された第4歯車と、前記入力軸に対して斜めに設けられた傾斜軸と、前記傾斜軸に相対回転可能に支持されるとともに、前記第1および第4歯車とそれぞれ噛み合うように異なる端面に第2および第3歯が形成された第2歯車および第3歯車を有し、前記第1および第4歯車間で前記傾斜軸の回転にともない前記入力軸の軸方向の揺動を行いながら前記第1または第4歯車のいずれかと前記第2および第3歯車との歯数の差により回転する揺動歯車と、を備え、前記出力軸と前記第1歯車との間に前記出力軸に対して前記第1歯車を相対回転可能に支持するスラスト軸受と、前記スラスト軸受に隣接して前記揺動歯車側への軸方向力を前記減速機に対して付与する軸方向力付与部材とを設け、前記減速機の前記各歯車の噛合部を前記入力軸側に押圧することを要旨とする。
上記構成によれば、第1歯車は出力軸に対してスラスト軸受により相対回転自在に支持され、第1歯車と出力軸の間に設けられた軸方向力付与部材は、スラスト軸受を介して第1歯車に揺動歯車側への軸方向力を付与し、減速機の噛合部を入力軸側に押圧する。これにより、第1歯車および第2歯車の軸方向の隙間、ならびに第3歯車および第4歯車の軸方向の隙間が狭くなるように作用している。その結果、軸方向の隙間(がた)をより減少させることができる。したがって、減速機での異音や振動の発生をより抑制することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の伝達比可変操舵装置において、前記スラスト軸受の保持器をウェーブ状に形成することにより、前記軸方向力付与部材と前記スラスト軸受とを一体に形成したことを要旨とする。上記構成によれば、保持器をウェーブ状に形成し弾性変形させるようにして軸方向力付与部材とスラスト軸受とを一体に形成したので、減速機の噛合部に予圧を付与することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の伝達比可変操舵装置において、前記スラスト軸受の保持器の軸方向上部と下部との間に弾性部材を設けることにより、前記軸方向力付与部材と前記スラスト軸受とを一体に形成したことを要旨とする。上記構成によれば、軸方向上下の保持器の間に弾性部材を設け、この弾性部材により転動体の位置が上下に移動するようにしたので、転動体に軸方向に掛かる荷重により減速機の噛合部に予圧を付与することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の伝達比可変操舵装置において、前記スラスト軸受の保持器の転動体を保持するポケット縁部を、前記転動体を押圧する方向に折り曲げることにより、前記軸方向力付与部材と前記スラスト軸受とを一体に形成したことを要旨とする。上記構成によれば、保持器の転動体保持部の縁を曲げて周方向に押圧し、隣り合って配置された転動体が互いに軸方向上下にずれて移動するようにしたので、転動体に軸方向に掛かる荷重により減速機の噛合部に予圧を付与することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の伝達比可変操舵装置において、前記スラスト軸受の軸中心に向って径が小さくなるテーパ形状を有する一対の転動体をそれぞれ低摩擦部材で仕切り、かつ前記一対の転動体間に前記転動体を離反する方向に付勢するばねを設けることにより、前記軸方向力付与部材と前記スラスト軸受とを一体に形成したことを要旨とする。上記構成によれば、一対の転動体間にばねを設け、低摩擦係数を有する低摩擦部材を隣接する転動体間に挟んで、当接する転動体を互いに軸方向上下にずれて移動するようにしたので、転動体に軸方向に掛かる荷重により減速機の噛合部に予圧を付与することができる。
本発明によれば、簡易な構成によりベアリングギヤに予圧を付与することができる伝達比可変操舵装置を提供できる。
本発明の第1の実施形態に係る伝達比可変操舵装置を備えた車両操舵装置の模式図。 本発明の第1の実施形態に係る伝達比可変操舵装置の概略構成を示す縦断面図。 第2〜5の実施形態に係る伝達比可変操舵装置の要部の拡大断面図。 (a)は、第2の実施形態に係る軸方向力付与部材とスラスト軸受とを一体化した概念図、(b)は、断面図。 (a)は、第3の実施形態に係る軸方向力付与部材とスラスト軸受とを一体化した概念図、(b)は、断面図。 (a)は、第4の実施形態に係る軸方向力付与部材とスラスト軸受とを一体化した概念図、(b)は、断面図。 第5の実施形態に係る軸方向力付与部材とスラスト軸受とを一体化した概念図。
次に、本発明の実施形態に係る車両に搭載される伝達比可変操舵装置について、図に基づいて説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る伝達比可変操舵装置10を備えた車両操舵装置1の模式図である。車両操舵装置1は、運転者によって操作されるステアリングホイール16と、このステアリングホイール16に連結されたステアリングシャフト17と、ステアリングシャフト17の下端に設けられたラックケース(ギヤボックス)12Cとを備える。ステアリングシャフト17の下端にはピニオン15が連結されており、このピニオン15がラックケース12C内において車両の左右方向(車幅方向)に延びるラックバー12に噛合されている。
ラックバー12の両端には、それぞれタイロッド13の一端が接続されている。各タイロッド13の他端は、左右の転舵輪11を支持する図示しないナックルアームに連結されている。ステアリングホイール16が操作されてステアリングシャフト17が回転されると、この回転がラックケース12Cによって車両の左右方向の直線運動に変換される。この直線運動は、ナックルアーム回りの回転に変換され、転舵輪11の転舵が行われる。
ステアリングシャフト17は、ステアリングホイール16に連結された入力軸18と、ラックケース12Cに連結された出力軸19とに分割されている。出力軸19と入力軸18とは、伝達比可変操舵装置10を介して接続されている。伝達比可変操舵装置10は、車両速度および操舵角などの情報に基づいて、ステアリングホイール16と転舵輪11との間の伝達特性を制御して、低速走行時から高速走行時を通じてステアリング操作性を向上させる機能を持つ装置である。
入力軸18には、入力軸18の回転角を検出することによりステアリングホイール16の操舵角と操舵方向を検出する舵角センサが設けられている。舵角センサにより検出されたステアリングホイール16の操舵角と操舵方向や、車輪速センサ、車速センサなどからの検出値は、ECU(電子制御装置)60に入力される。ECU60は、車両速度や操舵角の情報に基づいて目標操舵角の演算を行い、伝達比可変操舵装置10が備える駆動手段としてのモータ44(図2参照)に対し、目標操舵角に対応した操舵角を与える制御信号を伝達する。
上述のように、車両操舵装置1に伝達比可変操舵装置10を備えることで、ステアリングホイール16と転舵輪11との間の伝達比を、車両の走行速度や操舵角に合わせて最適化することができる。
次に、本発明に係る第1実施形態を図2に基づいて説明する。図2は、本発明の第1実施形態に係る伝達比可変操舵装置10の概略構成を示す縦断面図である。
第1の実施形態に係る伝達比可変操舵装置10は、複数の入力の和または差を出力軸19に出力することができるとともに入力軸18から出力軸19への回転伝達比を変更することができる
図2に示すように、伝達比可変操舵装置10は、入力軸18と、出力軸19と、モータ回転軸(モータ出力軸)45に連結されモータ回転角を低減した転舵角を出力するベアリングギヤ(減速機)20と、入力軸18および出力軸19をほぼ同軸上に収納するアルミ部材により構成される複数のハウジング部材14とを備えている。ハウジング部材14は、円筒状の部材であり、その内部の入力軸18側にZ4ギヤ(第4歯車)22を軸受30により回転可能に支持し、また、モータ回転軸45を軸受40,47により回転可能に支持している。さらに、ハウジング部材14は、出力軸19を軸受24により回転可能に支持している。
Z1ギヤ(第1歯車)34は、円板状に形成されており、入力軸18端部にセレーション嵌合により固定されることにより、入力軸18と同軸上で一体回転可能に連結されている。また、その端面に歯数N1の歯車が設けられている。
また、Z4ギヤ22は、円環状に形成されており、Z1ギヤ34と対向して設けられるとともにその内部に貫通するように設けられたモータ回転軸45の一部を軸受42により回転可能に支持している。Z4ギヤ22の一方の端面には歯数N4の歯車が設けられている。
さらに、本実施形態に係る伝達比可変操舵装置10は、センタベアリング(揺動歯車)36を回転可能に設けており、このセンタベアリング36を回転駆動する駆動手段としてのモータ44を備えている。モータ44は、ハウジング部材14に対して軸受40,47により正逆方向回転可能に支持されたロータ46と、ロータ46の外周側にロータ46と対向するようにハウジング部材14の内周に固定されたステータ48とを有している。モータ44には、図示しないケーブルを介して制御信号が供給される。
センタベアリング36は、円筒状の内輪、円筒状の外輪歯車、および内輪と外輪歯車との間に介在されるボール(転動体)により構成される軸受28を備え、一対のZ1およびZ4ギヤ34,22の間に斜めに配置された部材であり、その外輪歯車の両端面には歯数がそれぞれN2,N3であるZ2ギヤ(第2歯車)およびZ3ギヤ(第3歯車)36a,36bが設けられている。
また、センタベアリング36は、入力軸18に対して斜めに設けられた傾斜軸38に回転可能に支持されている。傾斜軸38は、モータ回転軸45の一方の端部に延出して固定して取り付けられたクランク形状の軸であり、モータ回転軸45の回転にともない偏心運動(首振り運動)を行いながらセンタベアリング36を回転可能に支持する。これにより、傾斜軸38に固定されたセンタベアリング36(軸受28)の内輪とともに外輪歯車が偏心運動し、Z1ギヤ34とZ2ギヤ36aとの噛合部、およびZ4ギヤ22とZ3ギヤ36bとの噛合部が同一方向に回転する。センタベアリング36の2つのZ2およびZ3ギヤ36a,36bのうち、一方のZ2ギヤ36aの一部のみがZ1ギヤ34の歯車と噛み合い、他方のZ3ギヤ36bの一部のみがZ4ギヤ22の歯車と噛み合っている。
このようなZ1およびZ4ギヤ34,22とセンタベアリング36とがそれぞれ噛み合うベアリングギヤ20を備えた伝達比可変操舵装置10において、入力軸18に回転力が加えられると、入力軸18の回転は、Z1ギヤ34からセンタベアリング36を介してZ4ギヤ22に伝達され、出力軸19へと伝達される。また、モータ44が駆動され、モータ回転軸45が回転すると、モータ回転軸45の端部に設けられている傾斜軸38が偏心運動する。その結果、傾斜軸38に回転可能に支持されているセンタベアリング36は、入力軸18の軸方向に揺動する。
ここで、Z4ギヤ22が出力軸19に連結され出力軸19がハウジング部材14に対して相対回転可能に支持されている場合、傾斜軸38が取り付けられているモータ回転軸45と、出力軸19との減速比Rは、数1で表される。
(数1)
R=1/(1−(N1×N3)/(N2×N4))
数1の詳細な説明は省略するが、モータ回転軸45が1回転すると、センタベアリング36は、1/減速比Rだけ回転することになる。例えば、歯数N1=19、歯数N2=20、歯数N3=20、歯数N4=20の場合、この段階での減速比は20となる。つまりモータ回転軸45からの回転を出力軸19へ所定の回転比1/20により伝達している。さらに、入力軸18の19/20(=N1/N2)倍の回転にモータ回転軸45の1/20倍の回転が上乗せされて出力軸19に伝達される。このとき、モータ回転軸45の正逆回転方向により出力軸19の回転が増減される。
このように本実施形態に係る伝達比可変操舵装置10は、各ギヤの歯数N1〜N4を適宜選択することで必要な減速比を得ることができ、上述のようにセンタベアリング36を回転駆動するモータ44を備えることで、モータ44からの入力を入力軸18からの入力に加えて、または、モータ44からの入力と入力軸18からの入力との差分を出力軸19に伝達することができる。
すなわち、傾斜軸38が回転することで、センタベアリング36はZ2ギヤ36aがZ1ギヤ34の歯車と、Z3ギヤ36bがZ4ギヤ22の歯車と噛み合いながら揺動し回転する。その結果、Z1ギヤ34とZ2ギヤ36a、およびZ3ギヤ36bとZ4ギヤ22の歯数差に基づく回転差が、モータ44による回転として入力軸18に上乗せされて出力軸19へと伝達される。つまり、モータ駆動に基づく回転に応じて入力軸18と出力軸19との回転伝達比を変更することができる。
以上、本実施形態に係る伝達比可変操舵装置10は、モータ44によりセンタベアリング36を回転させることで入力軸18と出力軸19との回転伝達比、すなわち、ステアリングホイール16と転舵輪11との間の伝達比を変更することができる。
次に、予圧機構25および予圧の力の流れについて説明する。
Z1ギヤ34の背面に、段つき状の軸受受部が形成され、このZ1ギヤ34は、軸受受部において出力軸19のスラスト支持部(肩部)にスラストニードルベアリング(スラスト軸受)29と、スラストニードルベアリング29の転動面用のプレート31とにより相対回転可能に支持されている。出力軸19とプレート31との隙間に弾性部材からなるウェーブワッシャー(軸方向力付与部材)27が設けられ、プレート31、スラストニードルベアリング29およびZ1ギヤ34を軸方向センタベアリング36側へ押圧している。これにより、ベアリングギヤ20に予圧が付与されている。ここで、ウェーブワッシャー27の予圧荷重だけでベアリングギヤ20の反力を受けると、ステアリングホイール16(図1参照)のトルクが大きいときに、繰り返し負荷によりベアリングギヤ20が塑性変形する場合があるため、プレート31がストッパとして作用して出力軸19の肩部に固定されている。プレート31として、炭素鋼(例えば、軸受鋼SUJ2やSCM415の熱処理材)などの高硬度の鋼材が用いられる。
上記構成によれば、ウェーブワッシャー27によりベアリングギヤ20に付与される予圧の力は、プレート31およびスラストニードルベアリング29を介して、Z1ギヤ34、センタベアリング36両端の2つの噛合部(Z2ギヤ36a、およびZ3ギヤ36b)、Z4ギヤ22、出力軸19へ至る伝達経路を形成している。また、この予圧を付与する経路の部材は、鉄材料のみで構成されている。
次に、図3は、第2〜第5の実施形態に係る伝達比可変操舵装置10の要部の拡大断面図、図4(a)〜図6(a)および図7は、第2〜第5の実施形態に係る第1の実施形態において、ウェーブワッシャー27(図2参照)とスラストニードルベアリング29とを一体化した予圧機構25の概念図、図4(b)〜図6(b)は、そのニードル33の長手方向の縦断面図である。
図3に示すように、予圧機構25は、スラストニードルベアリング29と、スラストニードルベアリング29の転動面用プレート31とで構成され、スラストニードルベアリング29に第1の実施形態におけるウェーブワッシャー27(図2参照)の機能を持たせた構造に形成されている。すなわち、スラストニードルベアリング29に軸方向の荷重が掛かることにより、軸方向に押圧されスラストニードルベアリング29の幅が変化する。
次に、第2の実施形態として、図4(a)に示すように、スラストニードルベアリング29のリテーナ32は、ウェーブ状に形成されて第1の実施形態で説明したウェーブワッシャー27(図2参照)の機能も有している。図4(b)に示すように、軸方向上下のリテーナ32は、圧入により上下の頂点が拘束された状態で固定されている。ニードル33はウェーブ状のリテーナ32の山部、谷部に交互にそれぞれ所定の個数(例えば、6個)配置されており、ニードル33に荷重が掛かると、リテーナ32が押圧され変形して、矢印で示す上下(高さ)方向の寸法(幅)dが変化する。
第3の実施形態として、図5(a)に示すように、スラストニードルベアリング29は、平板状の軸方向上下のリテーナ32とニードル33とで構成されている。図5(b)に示すように、リテーナ32の内外周にはそれぞれ上下のリテーナ32の間に上下方向に付勢する弾性部材(例えば、Oリングなど)37が配置され、さらに、リテーナ32間が摺動しやすいようにブッシュ(例えば、すべり軸受、滑りシートなど)41が挿入されている。隣り合うニードル33は、上下(高さ)方向にずれた位置で保持されて所定の個数(例えば、6対)配置されており、ニードル33に荷重が掛かるとリテーナ32が荷重を受け、弾性部材37によってニードル33の位置、すなわち矢印で示す上下方向の幅dが変化する。
第4の実施形態として、図6(a),(b)に示すように、スラストニードルベアリング29は、リテーナ32のニードル保持部(ポケット縁部)35が折り曲げられることによりばね機構を有してニードル33を押圧している。そして、軸方向上下のリテーナ32は、ニードル33の頂点で拘束されている。ニードル33は所定の個数(例えば、6対)配置されており(図5(a)参照)、隣り合う一対のニードル33は、リテーナ32の押圧力により互いに上下方向にずれた位置にある。リテーナ32の押圧力以上の荷重が入力されると、ニードル33が移動し、リードル33の矢印で示す上下方向の幅dが変化する。
第5の実施形態として、図7に示すように、一対のニードル33間にばね43が設けられ、この一対のニードル33を軸方向上下のリテーナ32の間に隣接させて、上下方向にずれた位置に配置されている。そして、上下のリテーナ32は、ニードル33の頂点で拘束されている(図6(b)参照)。近接するニードル33はテーパニードルが用いられ、隣接するニードル33間、およびリテーナ32内面とニードル33間にはニードル33のすべりをよくするため、低摩擦係数を有する低摩擦部材(例えば、樹脂リテーナ、滑りシートなど)39が挿入されている。ニードル33に荷重が掛かると隣り合うニードル33同士が押し付けあって軸方向上下にずれ、リードル33の矢印で示す上下方向の幅dが変化する。
次に、上記のように構成された本実施形態である伝達比可変操舵装置10の作用および効果について説明する。
上記第1の実施形態によれば、Z1ギヤ(第1歯車)34は、出力軸19にスラストニードルベアリング(スラスト軸受)29により相対回転自在に支持され、Z1ギヤ34にセンタベアリング(揺動歯車)36側への軸方向力を付与するウェーブワッシャー(軸方向力付与部材)27は、スラストニードルベアリング29およびスラストニードルベアリング29転動面用のプレート31を介して、Z1ギヤ34をセンタベアリング36側に押圧する。これにより、Z1ギヤ34およびセンタベアリング36のZ2ギヤ36aの軸方向の隙間、ならびにZ4ギヤ22および同じくセンタベアリング36のZ3ギヤ36bの軸方向の隙間が狭くなるように作用している。その結果、軸方向の隙間(がた)をより減少させることができる。したがって、異音や振動の発生をより抑制することができる。また、予圧の調整が必要なくなることで組付工程を簡易化できるとともに、温度による悪影響がなくなるため温度変化により発生する噛合い不良を抑制することができる。
上記第2の実施形態によれば、リテーナ(保持器)32をウェーブ状に形成し弾性変形させることにより、ウェーブワッシャー27とスラストニードルベアリング29とを一体に形成するようにした。
また、第3の実施形態によれば、軸方向上下のリテーナ32の間に弾性部材37を設け、この弾性部材37によりニードル33の位置を上下方向に移動させることにより、ウェーブワッシャー27とスラストニードルベアリング29とを一体に形成するようにした。
また、第4の実施形態によれば、リテーナ32のニードル保持部35の縁を曲げて周方向に押圧し、隣り合って配置されたニードル33を互いに軸方向上下方向にずれて移動させることにより、ウェーブワッシャー27とスラストニードルベアリング29とを一体に形成するようにした。
さらに、第5の実施形態によれば、一対のニードル33間にばね43を設け、低摩擦部材39を挟んで当接するニードル33を互いに軸方向上下方向にずれて移動させることにより、ウェーブワッシャー27とスラストニードルベアリング29とを一体に形成するようにした。
これらにより、上記第2〜第5の実施形態において、それぞれニードル33に軸方向に掛かる荷重によりベアリングギヤ20の噛合部に予圧を付与することができる。
さらに、上記第2〜第5実施形態によれば、第1の実施形態のスラストニードルベアリング29とウェーブワッシャー27とを一体に形成したことにより、予圧機構25の部品点数の削減、小型化による省搭載スペース、組付工数の削減、低価格化を図ることができる。
以上のように、本発明の第1〜第5の実施形態によれば、簡易な構成によりベアリングギヤに予圧を付与することができる伝達比可変操舵装置を提供できる。
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、本発明はさらに他の形態で実施することも可能である。
上記第1の実施形態では、予圧機構25として。Z1ギヤ34と出力軸19との間にウェーブワッシャー27とスラストニードルベアリング29を介在させセンタベアリング36の噛合部を予圧するようにしたが、これに限らず、Z1,Z4ギヤ34,22とセンタベアリング36の噛合部を与圧する他の位置(例えば、入力軸側)に設けられていてもよい。
また、第2実施形態において、6個のニードル33を用いて荷重を受けるようにしたが、これに限らず、ニードルの個数を増やすことによりスラスト剛性を高くするようにしてもよい。
さらに、第3および第4の実施形態において、互いに軸方向に上下方向に荷重を受ける6対のニードル33を設けるようにしたが、これに限らず、ニードルの対数を増やすことによりスラスト剛性を高くするようにしてもよい。
1:車両操舵装置、10:伝達比可変操舵装置、11:転舵輪、12ラックバー、
12C:ラックケース、13:タイロッド、14:ハウジング部材、15:ピニオン、
16:ステアリングホイール、17:ステアリングシャフト、18:入力軸、19:出力軸、20:ベアリングギヤ(減速機)、22:Z4ギヤ(第4歯車)、24,26,28,
30,40,42,47:軸受、25:予圧機構、27:ウェーブワッシャー(軸方向力付与部材)、29:スラストニードルベアリング(スラスト軸受)、31:プレート、
32:リテーナ(保持器)、33:ニードル(転動体)、34:Z1ギヤ(第1歯車)、35:ニードル保持部(ポケット縁部)、36:センタベアリング(揺動歯車)、
36a:Z2ギヤ(第2歯車)、36b:Z3ギヤ(第3歯車)、37:弾性部材、
38:傾斜軸、39:低摩擦部材、41:ブッシュ、43:ばね、44:モータ、45:モータ回転軸(モータ出力軸)、46:ロータ、48:ステータ、60:ECU、
N1〜N4:歯数、R:減速比

Claims (5)

  1. ステアリングホイールに連結される入力軸と、
    前記入力軸を相対回転可能に支持するハウジングと、
    前記ハウジングに対してモータ出力軸が相対回転可能に設けられたモータと、
    前記モータ出力軸に連結されモータ回転角を低減した転舵角を出力する減速機と、
    前記減速機から出力される前記転舵角を転舵輪側に伝達する出力軸と、を備え、
    前記減速機は、
    前記入力軸に一体回転可能に設けられ端面に第1歯が形成された第1歯車と、
    前記出力軸に一体回転可能に設けられ前記第1歯車の前記端面に対向する端面に第4歯が形成された第4歯車と、
    前記入力軸に対して斜めに設けられた傾斜軸と、
    前記傾斜軸に相対回転可能に支持されるとともに、前記第1および第4歯車とそれぞれ噛み合うように異なる端面に第2および第3歯が形成された第2歯車および第3歯車を有し、前記第1および第4歯車間で前記傾斜軸の回転にともない前記入力軸の軸方向の揺動を行いながら前記第1または第4歯車のいずれかと前記第2および第3歯車との歯数の差により回転する揺動歯車と、を備え、
    前記出力軸と前記第1歯車との間に前記出力軸に対して前記第1歯車を相対回転可能に支持するスラスト軸受と、前記スラスト軸受に隣接して前記揺動歯車側への軸方向力を前記減速機に対して付与する軸方向力付与部材とを設け、前記減速機の前記各歯車の噛合部を前記入力軸側に押圧することを特徴とする伝達比可変操舵装置。
  2. 請求項1に記載の伝達比可変操舵装置において、
    前記スラスト軸受の保持器をウェーブ状に形成することにより、前記軸方向力付与部材と前記スラスト軸受とを一体に形成したことを特徴とする伝達比可変操舵装置。
  3. 請求項1に記載の伝達比可変操舵装置において、
    前記スラスト軸受の保持器の軸方向上部と下部との間に弾性部材を設けることにより、前記軸方向力付与部材と前記スラスト軸受とを一体に形成したことを特徴とする伝達比可変操舵装置。
  4. 請求項1に記載の伝達比可変操舵装置において、
    前記スラスト軸受の保持器の転動体を保持するポケット縁部を、前記転動体を押圧する方向に折り曲げることにより、前記軸方向力付与部材と前記スラスト軸受とを一体に形成したことを特徴とする伝達比可変操舵装置。
  5. 請求項1に記載の伝達比可変操舵装置において、
    前記スラスト軸受の軸中心に向って径が小さくなるテーパ形状を有する一対の転動体をそれぞれ低摩擦部材で仕切り、かつ前記一対の転動体間に前記転動体を離反する方向に付勢するばねを設けることにより、前記軸方向力付与部材と前記スラスト軸受とを一体に形成したことを特徴とする伝達比可変操舵装置。
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