以下、本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
図1から図11は、本発明の第1実施例を示す図である。図1は、車両の概略を示す側面図である。図1において、矢印FRは、車両の前進方向を示し、矢印UPは、車両の上方向を示している。
図1に示すように、車両100は、車室内にシート101、102が配置されている。車室とは、乗員の乗車するスペースである。シート101は、フロントシートであり、例えば、運転席又は助手席である。シート102は、リアシートであり、例えば、後部座席(3列シートの場合は、2列目又は/及び3列目のシート)である。シート101、102は、車両100のフロアパネルに固定されている。電池パック10は、シート102の下部に形成されたスペースに配置され、フロアパネルに固定されている。言い換えれば、電池パック10は、シート102のシートクッションとフロアパネルとの間に配置されている。
なお、本実施例では、シート102の下方に電池パック10を配置しているが、車両100の他のスペースに電池パック10を配置することができる。例えば、シート101の下方に電池パック10を配置したり、シート102の後方に位置するラゲッジスペースに電池パック10を配置したりすることができる。
電池パック10は、車両100の走行に用いられるエネルギを出力する。車両100としては、ハイブリッド自動車や電気自動車がある。ハイブリッド自動車とは、車両100を走行させるための動力源として、電池パック10に加えて、燃料電池や内燃機関といった他の動力源を備えた車両である。電気自動車は、車両100の動力源として、電池パック10だけを備えた車両である。
電池パック10は、モータ・ジェネレータに接続されている。モータ・ジェネレータは、電池パック10からの電力を受けることにより、車両100を走行させるための運動エネルギを生成することができる。モータ・ジェネレータは、車輪に接続されており、モータ・ジェネレータによって生成された運動エネルギは、車輪に伝達される。車両100を減速させたり、停止させたりするとき、モータ・ジェネレータは、車両の制動時に発生する運動エネルギを電気エネルギに変換する。モータ・ジェネレータによって生成された電気エネルギは、電池パック10に蓄えることができる。
電池パック10およびモータ・ジェネレータの間の電流経路には、DC/DCコンバータやインバータを配置することができる。DC/DCコンバータを用いれば、電池パック10の出力電圧を昇圧して、モータ・ジェネレータに供給したり、モータ・ジェネレータからの電圧を降圧して電池パック10に供給したりすることができる。また、インバータを用いれば、電池パック10から出力された直流電力を交流電力に変換でき、モータ・ジェネレータとして、交流モータを用いることができる。
次に、車両100に搭載される電池パック10とブロア30を用いて温度調節用の空気を電池パック10に供給する機構について説明する。図2は、シート102の下方に配置された電池パック10及びブロア30の概略上面図である。図3は、図2においてFR方向の方向から見た電池パック及びブロアの概略側面図である。矢印RHは、車両100の前進方向FRに直交する横方向(車両左右方向)を示している。
電池パック10は、アッパーケース11およびロアーケース12を有する。電池スタック20は、アッパーケース11およびロアーケース12によって囲まれたスペースに配置されている。電池スタック20は、アッパーケース11又はロアーケース12に固定される。ロアーケース12が、車両100のフロアパネルPに固定されることで、電池スタック20がフロアパネルPに固定される。なお、電池パック10は、ブラケットを介してフロアパネルPに固定することも可能である。
例えば、図4に示すように電池スタック20の下端に、FR方向の各側面から外側に延設される設置部を設けることができ、ロアーケース12に設けられたRH方向に延びる固定部12aに、電池スタック20の設置部を固定することで、電池スタック20をロアーケース12に固定することができる。
電池スタック20は、本発明の蓄電ユニットに相当する。電池スタック20は、複数の単電池21を有しており、複数の単電池21は、所定の方向(RH方向)に並んでいる。単電池21は、本発明の蓄電素子に相当する。複数の単電池21は、バスバーによって電気的に直列に接続されている。なお、電池スタック20には、電気的に並列に接続された複数の単電池21が含まれていてもよい。
単電池21として、いわゆる角型の単電池を用いることができる。角型の単電池21とは、複数の単電池21の配列方向と直交する平面を有する単電池である。また、単電池21としては、ニッケル水素電池やリチウムイオン電池といった二次電池を用いることができる。また、二次電池の代わりに、電気二重層キャパシタ(コンデンサ)を用いることもできる。
本実施例では、複数の単電池21が一方向に並んでいるが、これに限るものではない。具体的には、2つ以上の単電池21によって1つの電池モジュールを構成し、複数の電池モジュールを一方向(RH方向)に並べることができる。1つの電池モジュールに含まれる複数の単電池21は、電気的に直列に接続することができる。
複数の単電池21が並んで配置される方向(RH方向)の電池スタック20の両端には、一対のエンドプレート22が配置されている。一対のエンドプレート22は、電池スタック20を構成する複数の単電池21を挟んでおり、複数の単電池21に対して拘束力を与えるために用いられる。拘束力とは、RH方向において、単電池21を挟む力である。単電池21に拘束力を与えることにより、単電池21の膨張を抑制することができ、単電池21の入出力特性が劣化するのを抑制することができる。
具体的には、RH方向に延びる拘束バンド23の両端が、一対のエンドプレート22に接続されている。エンドプレート22には、拘束バンド23が連結される固定部24が形成されており、拘束バンド23の端部を固定部24に連結することで、エンドプレート22に対して拘束バンド23が接続される。
これにより、一対のエンドプレート22は、複数の単電池21に対して拘束力を与えることができる。拘束バンド23は、電池スタック20の上面および下面に配置されている。拘束バンド23を配置する位置は、適宜設定することができ、拘束バンド23の両端が一対のエンドプレート22に接続されていればよい。例えば、FR方向おける電池スタック20の両側面に、拘束バンド23を配置することができる。
隣り合って配置された2つの単電池21の間には、不図示のスペーサを配置することができる。スペーサは、2つの単電池21の間に、スペースを形成するために用いられる。スペーサは、樹脂といった絶縁性材料で形成することができる。スペーサによって形成されるスペースは、単電池21の温度を調節するための空気が移動するスペースとなる。
本実施例では、電池スタック20の下面に、吸気通路S1が形成されており、電池スタック20の上面に、排気通路S2が形成されている。吸気通路S1は、電池スタック20の下面とロアーケース12とによって形成されている。排気通路S2は、電池スタック20の上面とアッパーケース11とによって形成されている。
ブロア30は、電池スタック20のRH方向における側面に隣り合って配置される。すなわち、ブロア30は、電池スタック20の複数の単電池21が並んで配置される方向に隣接して配置される。また、本実施例では、例えば、図2に示すように、ブロア30は、電池スタック20に対して車両100の本体外装側(例えば、RH方向における車両側部側)に配置される。
ブロア30は、吸気口30Cと、吸気ダクト41が接続される接続部(流出部)31とが形成されるハウジング部30Aと、ハウジング部30A内に収容されるブロアモータ30Bとを有する。ブロアモータ30Bは、ブロアモータ30Bに供給される電力によって回転駆動する円形状のモータである。ブロアモータ30Bには、円筒状に配置された回転軸方向に長い複数の羽根部を有するランナーが接続される。ブロアモータ30Bを駆動することにより、車室内の空気が吸気口30Cからブロア30内に取り込まれ、吸気ダクト41を通じて電池パック10の吸気経路S1に導入される。
ハウジング部30Aには、ブロア30をフロアパネルPに固定するための固定部30Dが設けられている。ブロア30は、固定部30Dを介してフロアパネルPに固定され、固定部30Dは、ボルト等の締結部材によってフロアパネルPに固定される。
本実施例のブロア30は、例えば、電池パック10が固定されるフロアパネルPよりも上方に形成されたフロアパネルP1に設置され、ブロア30(接続部31)が、吸気経路S1(電池スタック20の下面)よりも上方に位置するように、電池スタック20と隣り合って配置されている。
なお、ブロア30は、直接フロアパネルPに固定する以外にも、例えば、台座を介してフロアパネルPに固定することもできる。例えば、ロアーケース12の一部をRH方向に延設し、ブロア30が載設される台座を設けることができる。フロアパネルPに台座を固定することで、ブロア30が台座を介してフロアパネルPに設置することができる。この場合、ブロア30が台座(ロアーケース12)に取り付けられた状態で、電池パック10を車両100に搭載することができ、電池パック10およびブロア30を一体的に取り扱うことができる。台座は、ロアーケース12と一体的に又は個別の部材で構成することができる。
ブロアモータ30Bは、ブロアモータ30Bの回転軸方向が電池パック10のFR方向と略平行となるように、電池パック10と隣り合って配置されている。つまり、ブロアモータ30Bの回転軸が、RH方向と略垂直となる方向となるように、ブロア30が電池パック10の側面に隣り合って配置される。本実施例では、図2に示すように、ブロア30の吸気口31Cは、FR方向のシート102の前側に面している。ブロア30は、ブロアモータ30Bの回転軸方向と略平行なFR方向から車室内の吸気を取り込み、回転軸方向に略垂直なRH方向に流出させて吸気ダクト41を介して電池パック10に、車室内の吸気を供給する。
ブロア30から供給されて吸気通路S1に導かれた空気は、スペーサによって形成されたスペースに進入して電池スタック20の下面から上面に向かって移動する。
ここで、空気は、単電池21の外面に接触し、空気および単電池21の間で熱交換が行われる。例えば、単電池21が充放電等によって発熱しているときには、冷却用の空気を単電池21に接触させることにより、単電池21の温度上昇を抑制することができる。また、単電池21が過度に冷却されているときには、加温用の空気を単電池21に接触させることにより、単電池21の温度低下を抑制することができる。
車室内の空気は、車両100に搭載された空調装置等によって、単電池21の温度調節に適した温度となっている。したがって、車室内の空気を単電池21に供給すれば、単電池21の温度調節を行うことができる。単電池21の温度を調節することにより、単電池21の入出力特性が劣化してしまうのを抑制することができる。
単電池21との間で熱交換が行われた空気は、排気通路S2に移動する。排気ダクト42が排気通路S2に接続されているため、排気通路S2に移動した空気は、排気ダクト42に導かれる。排気ダクト42は、空気を電池パック10の外部に移動させる。例えば、排気ダクト42は、車室内に空気を排出させることができる。なお、図2において、実線で示した一点鎖線が吸気経路、実線で示した矢印が排気経路をそれぞれ示している。
排気ダクト42は、電池パック10とブロア30との間のスペースに配置することができる。排気ダクト42の一端は、電池パック10の排気経路S2と接続される。排気ダクト42の他端は、吸気ダクト41から取り込まれた空気を電池パック10外部に排出する排出口が形成されており、本実施例の排気ダクト42は、電池パック10からブロア30の後方に向かって延びるように形成される。
排気ダクト42の他端(排出口)は、例えば、車両100の横方向に位置するガーニッシュに接続することができる。排気ダクト42を移動した空気は、ガーニッシュを通じて車室内に戻される。また、例えば、ラゲッジスペースやシート102と車両100の側面との間のスペースに排出口が位置するように、排気ダクト42を配置することができる。
また、電池スタック20とブロア30の間には、監視ユニット51を配置することができる。監視ユニット51は、例えば、電池スタック20の電圧や電流を監視する制御装置であり、電池スタック20の電圧を検出する電圧センサの検出結果や充放電電流を検出する電流センサの検出結果が、監視ユニット51に出力される。監視ユニット51は、例えば、電池スタック20のエンドプレート22に取り付けることができる。このとき、監視ユニット51を覆う保護部材を別途設けることも可能である。
次に、図4及び図5を参照して、本実施例の吸気ダクト41とブロア30との接続構造及び吸気ダクト41と電池パック10との接続構造について説明する。図4は、電池パック10と吸気ダクト41との接続構造を示す外観斜視図であり、図5は、吸気ダクト41とブロア30との接続構造を示す外観斜視図である。
電池パック10は、上述のように電池スタック20の下面及び上面に、RH方向に延びる吸気経路S1と排気経路S2とが形成されており、ブロア30に面する電池スタック20の側面下側に、吸気経路S1と接続する吸気ダクト41が接続される。排気ダクト42は、吸気ダクト41の上方であって、電池スタック20の側面上側の排気経路S2と接続されるように設けられる。なお、排気ダクト42は、吸気ダクト41とは反対側の電池パック10の側面に設けることができる。
そして、本実施例の吸気ダクト41は、電池パック10とブロア30との間のスペースに配置されるとともに、ブロア30が外力を受けた際に電池パック10に向かって移動するブロア30を、電池パック10の上面に移動させることを許容し、ブロアが電池スタック20に衝突することを回避させるように、一端が電池パック10と接続しつつ、他端がブロア30に接続される。
吸気ダクト41の一端部41Aは、電池側接続部であり、電池パック10の吸気経路S1に連通する開口41aを備える。開口41aは、FR方向に幅広に形成されている。一端部41Aの端部には、電池スタック20のエンドプレート22に接触する当接部41Cが設けられている。当接部41Cは、電池スタック20の下端に対してRH方向から当接する当接面を有し、吸気経路S1と連通する開口41aの上部に設けられる。当接部41Cは、電池パック10に対する吸気ダクト41の位置決め部として機能するとともに、ブロア30を電池スタック20の上方へ回動させるための支点として機能する。
当接部41Cは、例えば、電池スタック20の下端におけるエンドプレート23の固定部24と接触するように、吸気ダクト41の一端部41Aに設けることができる。具体的には、FR方向に離間して配置される2つの固定部24の位置に対応する開口41aの上端部に、開口41aの内側に向かって凹んだ凹部41Dをそれぞれ形成し、凹部41D内にRH方向に所定の長さを有する当接部41Cを設けることができる。
本実施例では、RH方向において一端部41Aの一部がエンドプレート23の下側に配置されている。凹部41Dは、一端部41Aとエンドプレート23の下面に突出して設けられている固定部24との接触を回避する回避部である。当接部41Cは、吸気ダクト41の一端部41Aの外周面に設けられ、吸気ダクト41が電池パック10の吸気経路S1に接続される状態で、凹部41D内に固定部24が位置するとともに、RH方向において固定24の端部と当接部41Cと接触するようになっている。
一端部41Aの開口41aの下端部は、電池スタック20又は電池パック10(アッパーケース11又はロアーケース12)に対し、RH方向において接触等しておらず、吸気ダクト41の一端部41Aは、当接部41Cを支点として、外力を受けてブロア30から入力される力に対し、少なくとも電池スタック20の上方向への移動を許容するように、電池パック10に接続されている。
このように吸気ダクト41の一端部41Aは、ブロア30が外力を受けた際に電池スタック20の下端に接触し、他端部41Bに接続されるブロア30の電池スタック20へ向かう移動を制限する当接部41Cが設けられる。このため、外力を受けたブロア30からダクトの他端部41Bに入力される電池スタック20へ向かう力が、他端部41Bよりも下方に位置する当接部41Cに作用し、当接部41Cが支点となって、吸気ダクト41及び他端部41Bに接続されるブロア30が共に、電池スタック20の上方へ回動させることができる。
なお、当接部41C及び凹部41Dは、プレス加工等により吸気ダクト41に一体的に形成することができる。また、開口41aに形成された凹部41Dに、当接部41Cを別部材で設けるようにしてもよい。
図9は、本実施例の当接部41Cの変形例を示す図である。図9に示すように、当接部41Cを、RH方向において電池スタック20の下端側であってエンドプレート22の端部と接触するように設けることができる。図9の例における当接部41Cは、吸気ダクト41の一端部41Aの外周面の上面側に設けられ、電池スタック20の上方に突出するように設けられている。図9の例においても、当接部41Cが支点となって吸気ダクト41及び他端部41Bに接続されるブロア30が共に、電池スタック20の上方へ回動させることができる。
他端部41Bは、ブロア側接続部であり、ブロア30の接続部31に接続される。他端部41Bは、電池スタック20の下側に位置する吸気ダクト41の一端部41Aに対し、電池スタック20の上方に向かって高い位置に形成されている。具体的には、図3に示すように、本実施例の吸気ダクト41は、ダクトの形状が一端部41Aから他端部41Bに向かって電池スタック20上方に高く形成されており、一端部41Aの当接部41Cに対し、他端部41Bの上面(開口41bの上端部)が上方向において高さHとなるように形成され、他端部41Bが、一端部41Aよりも電池スタック20上方に位置している。
他端部41Bは、開口41bが形成されており、ブロア30の接続部31の開口と連通している。他端部41Bの外周には、接続部31の外周に突出する爪部33と係合する穴部(係合部)41Eが形成されており、接続部31の外周に他端部41Bが位置した際に、爪部33と穴部41Eとが係合することで、接続部31と吸気ダクト41とが接続される。なお、本実施例では、爪部33及び穴部41Eを、吸気ダクト41の側面側に設けているが、これに限らず、吸気ダクト41の周面の任意の位置に設けることができる。
ブロア30の接続部31には、吸気ダクト41の他端部41Bに当接するストッパ32が設けられている。本実施例のストッパ32は、吸気ダクト41の他端部41Bにおけるブロア30と吸気ダクト41との接続領域において、開口41bの上端部に接触し、外力を受けて電池スタック20へ向かうブロアの移動を制限する制限部である。
ストッパ32は、RH方向において開口41bの上端部と向かい合う接触面を有しており、接続部31の上面に形成されている。ストッパ32は、例えば、接続部31と一体的に形成することができ、接続部31の上面の一部を上方に突出させるように形成して、ストッパ32を設けることができる。なお、ストッパ32が接続部31の上面のみに設けられているが、これに限らず、例えば、変形例として図10及び図11に示すように、ストッパ32Aを接続部31の側面(開口41bの側面部に対応する位置)に設けたり、ストッパ32Bを接続部31の下面に設けることができる。また、接続部31の上面、側面、下面のいずれか1以上の面又はこれら全ての面にストッパ32を設けることもできる。さらに、ストッパ32は、接続部31ではなく、吸気ダクト41側に設けることもでき、例えば、吸気ダクト41の他端部41Bのダクト内部に、接続部31の電池スタック20側端部が接触するように、ストッパ32を設けることができる。
このように本実施例の吸気ダクト41は、ダクトの形状が一端部41Aから他端部41Bに向かって電池スタック20上方に高く形成され、一端部41Aの当接部41Cよりも上方に、他端部41Bが位置しているので、ブロア30が外力を受けて電池スタック20に向かう移動に伴う他端部41Bに入力される力が、一端部41Aの当接部41Cよりも上方側で吸気ダクト41に作用する。
このため、当接部41Cを支点して、吸気ダクト41及び吸気ダクト41に接続されるブロア30に、電池スタック20上方への回動を促す力が作用し易くなり、外力に対してブロア30を電池スタック20上方へ回動させることができる。このとき、高さHが高い程、ブロア30に対して電池スタック20上方への回動を促す力が作用し易くなる。
また、本実施例では、他端部41Bとブロア30の接続部31との接続領域に、ストッパ32が設けられているので、外力を受けたブロア30から吸気ダクト41の他端部41Bに入力される電池スタック20へ向かう力を効率良く作用させることができる。つまり、本実施例のストッパ32は、支点となる当接部41Cよりも電池スタック20の上方側に設けられ、吸気ダクト41の他端部41Bに当接して外力を受けて電池スタック20へ向かうブロア30の移動を制限する制限部として機能するので、外力を受けたブロア30から吸気ダクト41の他端部41Bに入力される電池スタック20へ向かう力を効率良く作用させることができる。
そして、図5等に示したように、ストッパ32を他端部41Bの端部領域の電池スタック20上方側の端部に接触するように設けることで、ブロア30から吸気ダクト40に入力される力が、他端部41Bにおける開口41bの上端部に作用する。したがって、支点に対してより上方側で吸気ダクト42に、ブロア30が外力を受けて電池スタック20に向かう移動に伴う力が入力され、外力に対してさらに効率良く電池スタック20上方への回動を促す力を生じさせることができる。なお、ストッパ32は、位置決め部として機能することができ、例えば、ブロア30を吸気ダクト41に取り付けた後にブロア30をフロアパネルPに固定する際、固定部30DをフロアパネルPに固定する組付け作業が容易となる。
なお、ストッパ32と開口41bの上端部とは、ブロア30に外力が作用しない状態において、接触していなくても接触していてもよい。つまり、外力によって電池スタック20の側面に向かうブロア30の移動を制限するように、開口41bの上端部がストッパ32と接触できる構成であればよい。また、予めストッパ32と開口41bの上端部とが接触するようにストッパ32を形成することで、ブロア30の移動と共に接続部31が電池スタック20の側面に向かって所定距離、移動することを許容させ、RH方向において開口41bの上端部とストッパ32とを離間させて、吸気ダクト41の他端部41Bとブロア30の接続部31との接続領域を構成してもよい。
また、本実施例のブロア30のハウジング部30Aは、ブロアモータ30が収容される領域を形成するように円筒形成され、接続部31が、ブロアモータ30が収容される領域から延設されている。図5に示すように、接続部31とブロアモータ30Bが収容される領域の間には凹状の接続部34が形成され、この凹状の接続部34におけるブロアモータ30Bが収容される領域のハウジング部30Aを、他端部41Bにおける開口41bの上端部と接触するストッパ32として機能させることができる。このため、ストッパ32を設けない構成とすることもできる。
図6は、ブロア30に外力が作用した際に吸気ダクト41に加わる力を説明するための側面図である。
例えば、車両100のサイドドアに外力が作用すると、サイドドアの変形やフロアパネルPの変形によって、サイドドアがブロア30に近づくことになる。ブロア30は、電池スタック20よりもサイドドアの近くに配置されているため、サイドドアを介してブロア30に外力が作用することがある。
外力Fは、RH方向に対して略平行にブロア30に作用する外力である。外力Fがブロア30に作用すると、外力Fによって固定部30DとフロアパネルPとの固定が解除(例えば、図6の一点鎖線で囲んだ固定部30Dの領域が破損)され、ブロア30(ブロアモータ30B)は、RH方向に略平行に電池スタック20に向かって移動する。
吸気ダクト41の他端部41Bは、ブロア30が電池スタック20に向かって移動することでストッパ32と接触し、他端部41Bの上端部に外力Fに対応する力FがRH方向から作用する。
図7は、外力Fに対して吸気ダクト41に作用するブロア30を電池スタック20の上方へ移動させる力を説明するための模式図である。
図7に示すように、他端部41Bにブロア30を介して外力Fが作用すると、他端部41Bよりも電池スタック20の下方に位置する当接部41Cに向かって分力F2が作用する。つまり、他端部41B(ストッパ32)に入力される外力Fによって、他端部41Bよりも下方の当接部41Cに向かう分力F2と、この分力F2と直交する方向の分力F1の各分力が吸気ダクト41に加わり、分力F1が、当接部41Cを支点とした電池スタック20の上方へ回動させる力として、ブロア30に作用する。
図8は、外力Fが作用したブロア30の移動軌跡を示す側面図である。図8に示すように、ブロア30に作用した外力Fによって、ブロア30に分力F2に応じた電池スタック20の上方へ向かう力が作用するとともに、当接部41Cが吸気ダクト41(ブロア30)の電池スタック20へ向かう移動を制限するので、当接部41Cが支点となって吸気ダクト41及びブロア30が、電池スタック20の上方向に回動し、ブロア30がRH方向に隣り合って配置される電池スタック20又は電池スタック20とブロア30との間に配置される監視ユニット51に衝突することを防止(回避)できる。
(実施例2)
図12から図15は、本発明の第2実施例を示す図である。本実施例は、実施例1の当接部41Cに相当する当接部41Fが、吸気ダクト41の一端部41Aの両側面に設けられ、当接部41Fが電池スタック20ではなく、電池パック10を構成するロアーケース12に当接するように設けられている。
図12及び図13に示すように、ロアーケース12には、RH方向に延びる固定部12aが設けられており、固定部12aは、RH方向に延びる吸気経路S1の両側に配置されている。吸気ダクト41の一端部41Aが吸気経路S1に接続された状態で、固定部12aは、一端部41AのFR方向における側面よりも外側に位置している。
吸気ダクト41の一端部41Aには、FR方向の各側面から外側に突出した当接部41Fがそれぞれ設けられている。当接部41Fは、ブロア30側に面する固定部12aの端部と接触する接触面を有し、他端部41Bよりも下方に配置されている。
当接部41Fは、実施例1の当接部41C同様、ブロア30が外力を受けた際にロアーケース12の固定部12aに接触し、他端部41Bに接続されるブロア30の電池スタック20へ向かう移動を制限しつつ、吸気ダクト41及び他端部41Bに接続されるブロア30が共に、電池スタック20の上方へ回動させる支点となる。その他の構成については、実施例1と同様であり、同符号を付して説明を省略する。
図14は、外力Fが作用したブロア30の移動軌跡を示す側面図である。図14に示すように、ブロア30に作用した外力Fによって、ブロア30に分力F2´に応じた電池スタック20の上方へ向かう力が作用するとともに、当接部41Fが吸気ダクト41(ブロア30)の電池スタック20へ向かう移動を制限するので、当接部41Fが支点となって吸気ダクト41及びブロア30が、電池スタック20の上方向に回動し、ブロア30がRH方向に隣り合って配置される電池スタック20又は電池スタック20とブロア30との間に配置される監視ユニット51に衝突することを防止(回避)できる。
図15は、本実施例の当接部41Fの変形例を示す図であり、図15の例では、電池パック10を構成するロアーケース12に当接する当接部41Fが、電池スタック20の下面と向き合うロアーケース12の底面端部と接触するように設けられている。この場合、ブロア30が外力を受けた際に吸気ダクト41の一端部41Aにおける下面に設けられる当接部41Fがロアーケース12の底面端部と接触し、他端部41Bに接続されるブロア30の電池スタック20へ向かう移動を制限しつつ、吸気ダクト41及び他端部41Bに接続されるブロア30が共に、電池スタック20の上方へ回動させる支点となる。
上述した実施例では、電池スタック20の下面に形成される吸気経路S1に、吸気ダクト41が接続される態様を一例に説明したが、例えば、電池スタック20のFR方向における側面の一方に、吸気経路S1が形成されている場合でも適用可能である。例えば、吸気ダクト41の一端部41Aを、電池スタック20の側面とアッパーケース11との間に形成された吸気経路S1に接続する。この場合、吸気経路S1側のエンドプレート22の端部又はアッパーケース11に当接するように当接部41C(41F)を形成する。当接部41C(41F)が、外力を受けたブロア30が電池スタック20のFR方向へ回動させるための支点となり、ブロア30がRH方向に隣り合って配置される電池スタック20又は電池スタック20とブロア30との間に配置される監視ユニット51に衝突することを防止(回避)できる。
また、いわゆる角型の単電池21を用いた場合について説明したが、これに限るものではない。すなわち、ブロア30と並んで配置される組電池の構成は、適宜選択することができる。
例えば、電池スタック20の代わりに、いわゆる円筒型の単電池を用いた組電池(蓄電ユニットに相当する)を用いることができる。円筒型の単電池は、長手方向と直交する断面が略円形に形成されている単電池である。一方、単電池21として、ラミネートフィルムで覆われた単電池を用いることができる。ラミネート型の単電池を用いる場合には、複数の単電池を重ねて配置することにより、組電池(蓄電ユニットに相当する)を構成することができる。