JP2014083564A - 摩擦接合方法及び接合構造体 - Google Patents

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理絵 坂元
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直貴 大岩
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Abstract

【課題】第2金属部品W2を第1金属部品W1側へ押圧する接合荷を大きくしなくても、第1金属部品W1と第2金属部品W2を確実に接合すること。
【解決手段】加熱工程の処理により第1接合工程の開始時における第1金属部品W1の接合面W1a及び第2金属部品W2の接合面W2aの温度が第1金属部品W1及び第2金属部品W2の材料の融点の20%以上になってあって、加熱工程の処理により第1接合工程の開始時における第1金属部品W1の接合面W1a及び第2金属部品W2の接合面W2aからの加熱深さmが1.0mm以上になっていること。
【選択図】 図1

Description

本発明は、円筒状又は円柱状の第1金属部品の接合面と第2金属部品に発生した摩擦熱を利用して、第1金属部品と第2金属部品を接合する摩擦接合方法等に関する。
ガスタービンエンジン又は過給機等には、円筒状又は円柱状の第1金属部品であるロータ軸(例えばタービン軸)と第2金属部品であるロータ(例えばタービンインペラ)を一体構造にした接合構造体としてのロータアセンブリが組み込まれており、このロータアセンブリを製造する場合には摩擦接合を用いることがある。そして、この摩擦接合の内容について簡単に説明すると、次のようになる。
円筒状又は円柱状の第1金属部品の接合面と第2金属部品の接合面を対向させた状態で、第1金属部品をその軸心周りに回転(回転運動)させつつ、第2金属部品を第1金属部品側へ相対的に移動させることにより、第1金属部品の接合面と第2金属部品の接合面を接触させる。そして、第1金属部品の接合面と第2金属部品の接合面を対向接触させた状態で、第1金属部品をその軸心周りに回転させつつ、第1金属部品と第2金属部品の寄り量(変位量)が目標の寄り量(目標の変位量)になるまで、第2金属部品を第1金属部品側へ相対的に押圧する。これにより、第1金属部品の接合面及び第2金属部品の接合面から酸化物又は汚れ等をバリとして排出しつつ、摩擦熱によって第1金属部品の接合面と第2金属部品の接合面を軟化させて接合することができる。
なお、本発明に関連する先行技術として特許文献1から特許文献3に示すものがある。
特開2002−323494号公報 特開平6−269962号公報 特開平3−184683号公報
ところで、第1金属部品と第2金属部品の接合強度を十分に確保するには、第2金属部品を第1金属部品側へ相対的に押圧する接合荷重(押圧荷重)を大きくして、バリの排出性を高めて、第1金属部品の接合面と第2金属部品の接合面を活性化させた状態で接合する必要がある。そのため、第1金属部品及び第2金属部品の強度又は剛性が十分に高くないと、接合荷重を大きくすることができず、第1金属部品と第2金属部品を接合することは非常に困難である。また、第2金属部品を第1金属部品側へ相対的に押圧するアクチュエータ(押圧機構の一例)等が大型化して、第1金属部品と第2金属部品を接合するための装置(摩擦接合装置)全体が大掛かりなものになるという問題がある。
そこで、本発明は、前述の問題を解決することができる、新規な構成の摩擦接合方法等を提供することを目的とする。
本願の発明者は、前述の問題を解決するために試行錯誤を繰り返して、2つの新規な知見を見出し、これらの新規な知見に基づいて本発明を完成するに至った。本発明の特徴を説明する前に、これらの新規な知見を見出すまでの経緯について説明する。
図6(a)(b)に示すように、円筒状の接合品(金属部品)の接合面と対称面(相手側の接合品の接合面)を対向接触させて、単位体積当たりの摩擦入力熱量を接合品の接合面に付与することにより、接合品の接合面と対称面を接合することを想定した場合に、接合開始時における接合品の接合面の温度(加熱温度)と接合品の寄り開始時間及び寄り速度との関係について有限要素法による非定常熱弾塑性解析(1つ目の非定常熱弾塑性解析)を行い、この非定常熱弾塑性解析結果をまとめると、図7(a)(b)に示すようになる。また、1つ目の非定常熱弾塑性解析においては、接合開始時における接合品の加熱深さを5.0mmに設定した。ここで、単位体積当たりの摩擦入力熱量とは、接合荷重と接合品の回転数(回転速度)と接合品の半径との積によって規定される熱量のことをいい、単位体積当たりの摩擦入力熱量は、接合品の外周に近づくにしたがって大きくなっている。寄り開始時間とは、接合品の接合面に単位体積当たりの摩擦入力熱量を付与してから接合品の対向方向(押圧方向)の変位を開始するまでの時間のことをいい、寄り速度とは、接合品の対向方向の変位を開始してから目標の寄り量(目標の変位量)になるまでの接合品の対向方向の変位速度のことをいい、加熱深さ(加熱長さ)とは、温度が接合面の温度の90〜100%になる対向方向の長さのことをいう。なお、図7(a)(b)において、加熱温度は、接合品の融点に対する割合で表しており、寄り時間開始時間及び寄り速度は、無次元化して表している。
1つ目の非定常熱弾塑性解析結果によれば、図7(a)に示すように、接合開始時における接合品の接合面の温度がその接合品の材料の融点の20%以上であれば、接合品の寄り開始時間を短くして、換言すれば、接合品の接合面の軟化を速めて、接合品の接合面から生じるバリの排出性(排出速度)を高めることができることが判明した。特に、図7(b)に示すように、接合開始時における接合品の接合面の温度がその接合品の材料の融点の40%以上であれば、接合品の寄り速度を高めて、換言すれば、接合品の接合面の軟化を速めて、バリの排出性を更に高めることができることが判明した。これにより、本願の発明者は、接合開始時における接合品(金属部品)の接合面の温度がその接合品の材料の融点の20%以上、好ましくは40%以上になるように予め接合品の接合面を加熱しておくことにより、接合品を対称面側へ押圧する接合荷重(押圧荷重)を大きくしなくても、接合品の接合面の軟化を速めて、バリの排出性を高めることができるという、第1の新規な知見を得ることができた。
図6(a)(b)に示すように、円筒状の接合品の接合面と対称面を対向接触させて、単位体積当たりの摩擦入力熱量を接合品の接合面に付与することにより、接合品の接合面と対称面を接合することを想定した場合に、接合開始時における接合品の加熱深さと接合品の寄り開始時間及び寄り速度との関係について有限要素法による2つ目の非定常熱弾塑性解析を行い、この非定常熱弾塑性解析結果をまとめると、図8(a)(b)に示すようになる。また、2つ目の非定常熱弾塑性解析において、接合開始時における接合品の接合面の温度は接合品の材料の融点の44%に設定した。なお、図8(a)(b)において、寄り時間開始時間及び寄り速度は、無次元化して表している。
2つ目の非定常熱弾塑性解析結果によれば、図8(a)に示すように、接合開始時における接合品の加熱深さが1.0mm以上であれば、接合品の寄り開始時間を短くして、バリの排出性を高めることができることが判明した。特に、図8(b)に示すように、接合開始時における接合品の加熱深さが2.0mm以上であれば、接合品の寄り速度を高めて、換言すれば、接合品の接合面の軟化を速めて、バリの排出性を更に高めることができることが判明した。これにより、本願の発明者は、接合開始時における接合品(金属部品)の加熱深さが1.0mm以上、好ましくは2.0mm以上になるように予め接合品の接合面を加熱しておくことにより、接合品を対称面側へ押圧する接合荷重を大きくしなくても、接合品の接合面の軟化を速めて、バリの排出性をより高めることができるという、第2の新規な知見を得ることができた。
続いて、前述の新規な知見に基づいて完成した本発明の特徴について説明する。
本発明の第1の特徴は、円筒状又は円柱状の第1金属部品の接合面と第2金属部品の接合面に発生した摩擦熱を利用して、前記第1金属部品と前記第2金属部品を接合する摩擦接合方法において、前記第1金属部品と前記第2金属部品のうちの少なくともいずれかの金属部品の接合面を加熱する加熱工程と、前記加熱工程の終了後に、前記第1金属部品の接合面と前記第2金属部品の接合面を対向させた状態で、前記第1金属部品をその軸心(前記第1金属部品の軸心)周りに回転させつつ、前記第2金属部品を前記第1金属部品側へ相対的に移動させることにより、前記第1金属部品の接合面と前記第2金属部品の接合面を接触させる接触工程と、前記接触工程の終了後に、前記第1金属部品の接合面と前記第2金属部品の接合面を対向接触させた状態で、前記第1金属部品をその軸心周りに回転させつつ、前記第1金属部品と前記第2金属部品の寄り量(変位量)が目標の寄り量(目標の変位量)になるまで、前記第2金属部品を前記第1金属部品側へ相対的に押圧することにより、摩擦熱によって前記第1金属部品の接合面と前記第2金属部品の接合面を軟化させて接合する接合工程と、を備え、前記加熱工程の処理により前記接合工程の開始時における前記いずれかの金属部品の接合面の温度がその前記金属部品の材料の融点の20%以上になっていることを要旨とする。
ここで、本願の明細書及び特許請求の範囲において、前記第1金属部品及び前記第2金属部品には、ガスタービンエンジンに用いられる第1エンジン部品及び第2エンジン部品、過給機に用いられる第1過給機部品及び第2過給機部品等、種々の2つの金属部品が含まれる。また、前記第2金属部品は、円筒状又は円柱状を呈していなくても構わなく、前記第2金属部品は、前記第1金属部品と同種材料により構成されていなくても構わない。更に、対向方向とは、前記第1金属部品の接合面と前記第2金属部品の接合面が対向する方向のことをいい、前記第1金属部品の軸方向と同じである。なお、融点は、摂氏を単位にしている。
第1の特徴によると、摩擦接合方法は前記加熱工程を前記接触工程の前工程(前記接合工程の前工程)として備えており、前記加熱工程の処理により前記接合工程の開始時における前記いずれかの金属部品の接合面の温度がその前記金属部品の材料の融点の20%以上になっているため、前述の第1の新規な知見を適用すると、前記接合工程中に、前記第2金属部品を前記第1金属部品側へ相対的に押圧する接合荷重(押圧荷重)を大きくしなくても、前記第1金属部品の接合面及び前記第2金属部品の接合面の軟化を速めて、前記第1金属部品の接合面及び前記第2金属部品の接合面から生じるバリの排出性を高めることができる。
本発明の第2の特徴は、第1の特徴に加えて、前記加熱工程の処理により前記接合工程の開始時における前記いずれかの金属部品の加熱深さ(温度が接合面の温度の90〜100%になる対向方向の長さ)が1.0mm以上になっていることを要旨とする。
第2の特徴によると、前記加熱工程の処理により前記接合工程の開始時における前記いずれかの金属部品の接合面からの加熱深さが1.0mm以上になっているため、前述の第2の新規な知見を適用すると、前記接合工程中に、前記第2金属部品を前記第1金属部品側へ相対的に押圧する接合荷重を大きくしなくても、一対の前記金属部品の各接合面の軟化を速めて、バリの排出性をより高めることができる。
本発明によれば、前記接合工程中に、前記第2金属部品を前記第1金属部品側へ相対的に押圧する接合荷重を大きくしなくても、前記第1金属部品の前記接合面及び前記第2金属部品の前記接合面の軟化を速めて、バリの排出性を高めることができるため、前記第1金属品及び前記第2金属部品の強度又は剛性が十分に高くなくても、前記第1金属部品と前記第2金属部品を確実に接合することができると共に、前記第2金属部品を前記第1金属部品側へ相対的に押圧する押圧機構等の大型化を抑えて、前記第1金属部品と前記第2金属部品を接合するための装置(摩擦接合装置)全体のコンパクト化を図ることができる。
図1(a)(b)(c)は、本発明の実施形態に係る摩擦接合方法における加熱工程を説明する模式図である。 図2(a)は、本発明の実施形態に係る摩擦接合方法における接触工程を説明する模式図、図2(b)(c)は、本発明の実施形態に係る摩擦接合方法における第1接合工程を説明する模式図である。 図3(a)は、本発明の実施形態に係る摩擦接合方法における第2接合工程を説明する模式図、図3(b)は、本発明の実施形態に係る摩擦接合方法によって接合された接合構造体を示す模式図である。 図4は、本発明の実施形態に係る摩擦接合装置を説明する模式図である。 図5は、時間と接合荷重と寄り量(第1金属部品と第2金属部品の寄り量)との関係を示す図である。 図6(a)は、単位体積当たりの摩擦入力熱量を接合品の接合面に付与した状態を示す模式図、図6(b)は、接合品の接合面と対称面を摩擦接合させた状態を示す模式図である。 図7(a)は、接合開始時における接合品の接合面の温度と接合品の寄り開始時間との関係を示す図、図7(b)は、接合開始時における接合品の接合面の温度と接合品の寄り速度との関係を示す図である。 図8(a)は、接合開始時における接合品の加熱深さと接合品の寄り開始時間との関係を示す図、図8(b)は、接合開始時における接合品の加熱深さと接合品の寄り速度との関係を示す図である。
本発明の実施形態について図1から図5を参照して説明する。なお、説明中、「設けられ」とは、直接的に設けられたことの他に、間接的に設けられたことを含む意であって、図面中、「FF」は、前方向を、「FR」は、後方向をそれぞれ指してある。
本発明の実施形態に係る摩擦接合方法について説明する前に、図4を参照して、本発明の実施形態に係る摩擦接合方法の実施に用いられる摩擦接合装置1について簡単に説明する。
図4に示すように、本発明の実施形態に係る摩擦接合装置1は、円筒状又は円柱状の第1金属部品W1と円筒状又は円柱状の第2金属部品W2を接合するための装置であって、前後方向へ延びたベッド3と、このベッド3の後部に立設されたコラム5とをベースとして備えている。
コラム5の前側には、スピンドル7が回転可能に設けられており、このスピンドル7は、先端側(前端側)に、第1金属部品W1を保持(把持を含む)する第1チャック9を有している。また、コラム5の適宜位置には、スピンドル7をその軸心(スピンドル7の軸心)周りに回転させる回転モータ等の回転アクチュエータ11が設けられている。ここで、第1チャック9に第1金属部品W1を取付けた状態(保持させた状態)で、回転アクチュエータ11を駆動させると、第1金属部品W1がその軸心(第1金属部品W1の軸心)周りにスピンドル7と一体的に回転するようになっている。
ベッド3の前部には、スライド13がガイドレール15を介して前後方向へ移動可能に設けられており、このスライド13は、後側に、第2金属部品W2を保持する第2チャック17を有している。また、ベッド3の適宜位置には、スライド13を前後方向へ移動させる移動シリンダ等の移動アクチュエータ19が設けられている。ここで、第2チャック17により第2金属部品W2を取付けた状態で、移動アクチュエータ19を駆動させると、第2金属部品W2が前後方向へスライド13と一体的に移動したり、第1金属部品W1側へ押圧されたりするようになっている。
ベッド3の上部には、支持フレーム21が設けられており、この支持フレーム21には、昇降体23がガイドレール25を介して昇降可能(上下方向へ移動可能)に設けられている。また、支持フレーム21の適宜位置には、昇降体23を昇降させる昇降モータ等の昇降アクチュエータ27が設けられている。更に、昇降体23には、第1金属部品W1の接合面W1aと第2金属部品W2の接合面W2aを高周波によって加熱する加熱コイル29が支持棒31を介して設けられており、この加熱コイル29は、高周波電流を供給可能な高周波電源(図示省略)に接続されている。
続いて、本発明の実施形態に係る摩擦接合方法について説明する。
本発明の実施形態に係る摩擦接合方法は、円筒状又は円柱状の第1金属部品W1の接合面W1aと円筒状又は円柱状の第2金属部品W2の接合面W2aに発生した摩擦熱を利用して、第1金属部品W1と第2金属部品W2を接合する方法であって、加熱工程、接触工程、第1接合工程、及び第2接合工程を備えている。そして、各工程の具体的な内容は、次のようになる。なお、本発明の実施形態にあっては、第1金属部品W1及び第2金属部品W2は、同種類の材料により構成されているが、異種材料により構成されても構わない。
(i)加熱工程
図1(a)及び図4に示すように、第1金属部品W1を第1チャック9に、第2金属部品W2を第2チャック17にそれぞれ取付けて、第1金属部品W1の接合面W1aと第2金属部品W2の接合面W2aを対向させる。次に、昇降アクチュエータ27の駆動により昇降体23を下降(下方向へ移動)させることにより、図1(b)に示すように、加熱コイル29を第1金属部品W1の接合面W1aと第2金属部品W2の接合面W2aの間の領域に進入させる。そして、高周波電源から加熱コイル29に高周波電流を供給することにより、図1(c)に示すように、加熱コイル29によって第1金属部品W1の接合面W1a及び第2金属部品W2の接合面W2aを加熱する(図5参照)。ここで、第1金属部品W1及び第2金属部品W2の劣化を防止するために、第1金属部品W1の接合面W1a及び第2金属部品W2の接合面W2aの温度が第1金属部品W1及び第2金属部品W2の材料の結晶成長温度又は変態温度等を超えないようにしておく。
なお、図中に、第1金属部品W1及び第2金属部品W2に点ハッチングを施した部位は、高温になっている部位である。
(ii)接触工程
加熱工程の終了後に、図2(a)及び図4に示すように、昇降アクチュエータ27の駆動により昇降体23を上昇(上方向へ移動)させることにより、加熱コイル29を第1金属部品W1の接合面W1aと第2金属部品W2の接合面W2aの間の領域から退避させる。そして、第1金属部品W1の接合面W1aと第2金属部品W2の接合面W2aを対向させた状態で、回転アクチュエータ11の駆動により第1金属部品W1をその軸心周りにスピンドル7と一体的に回転させつつ、移動アクチュエータ19の駆動により第2金属部品W2を第1金属部品W1側(後方向)へスライド13と一体的に移動させる。これにより、第1金属部品W1の接合面W1aと第2金属部品W2の接合面W2aを接触させる。
(iii)第1接合工程
接触工程の終了後に、図2(b)及び図4に示すように、第1金属部品W1の接合面W1aと第2金属部品W2の接合面W2aを対向接触させた状態で、回転アクチュエータ11の駆動により第1金属部品W1をその軸心周りにスピンドル7と一体的に回転させつつ、移動アクチュエータ19の駆動により第2金属部品W2を第1金属部品W1側へ押圧する。これにより、図2(c)に示すように、第1金属部品W1の接合面W1a及び第2金属部品W2の接合面W2aから酸化物又は汚れ等をバリBとして排出しつつ、摩擦熱によって第1金属部品W1の接合面W1a及び第2金属部品W2の接合面W2aを軟化させることができる。そして、第1金属部品W1と第2金属部品W2の寄り量(変位量)mが目標の寄り量(目標の変位量)t1(図5参照)よりも小さく設定した目標前の寄り量(目標前の変位量)t2(図5参照)になると、回転アクチュエータ11の駆動を停止して第1金属部品W1の回転(回転運動)を停止する(図5参照)。
ここで、加熱工程の処理により第1接合工程の開始時(接合開始時)における第1金属部品W1の接合面W1a及び第2金属部品W2の接合面W2aの温度は、第1金属部品W1及び第2金属部品W2の材料の融点の20%以上になっている。具体的には、第1金属部品W1及び第2金属部品W2がチタン合金により構成される場合に、第1接合工程の開始時における第1金属部品W1の接合面W1a及び第2金属部品W2の接合面W2aの温度(摂氏温度)は、320〜400℃になっている。第1接合工程の開始時における第1金属部品W1の接合面W1a及び第2金属部品W2の接合面W2aの温度を第1金属部品W1及び第2金属部品W2の材料の融点の20%以上としたのは、前述の1つ目の新規な知見を適用するためである。
また、加熱工程の処理により第1接合工程の開始時における第1金属部品W1及び第2金属部品W2の加熱深さhは、1.0mm以上、好ましくは2.0mm以上になっている。具体的には、第1金属部品W1及び第2金属部品W2の加熱深さhを1.0mm以上になるようにするため、加熱工程において加熱コイル29に供給する高周波電流又は供給時間を制御したり、加熱工程の終了後から第1接合工程の開始までの時間を制御したりしている。第1接合工程の開始時における第1金属部品W1及び第2金属部品W2の加熱深さhを1.0mm以上としたのは、前述の2つ目の新規な知見を適用するためである。
(iv)第2接合工程
第1接合工程の終了後に、図3(a)及び図4に示すように、第1金属部品W1と第2金属部品W2の寄り量mが目標の寄り量t1になるまで、移動アクチュエータ19の駆動による第2金属部品W2の押圧動作を継続して、第1金属部品W1の接合面W1aと第2金属部品W2の接合面W2aを据え込む(図5参照)。これにより、図3(b)に示すように、第1金属部品W1の接合面W1a及び第2金属部品W2の接合面W2aからバリBとして排出しつつ、第1金属部品W1の接合面W1aと第2金属部品W2の接合面W2aを接合することができる。換言すれば、第1金属部品W1と第2金属部品W2からなる接合構造体JSを製造することができる。
以上により、本発明の実施形態に係る摩擦接合方法の実施が終了する。
続いて、本発明の実施形態の作用及び効果について説明する。
本発明の実施形態に係る摩擦接合方法は加熱工程を接触工程の前工程(第1接合工程の前工程)として備えており、加熱工程の処理により第1接合工程の開始時における第1金属部品W1の接合面W1a及び第2金属部品W2の接合面W2aの温度が第1金属部品W1及び第2金属部品W2の材料の融点の20%以上になっているため、前述の第1の新規な知見を適用すると、第1接合工程及び第2接合工程中に、第2金属部品W2を第1金属部品W1側へ押圧する接合荷重(押圧荷重)を大きくしなくても、第1金属部品W1の接合面W1a及び第2金属部品W2の接合面W2aから生じるバリBの排出性を高めることができる。特に、加熱工程の処理により第1接合工程の開始時における第1金属部品W1の接合面W1a及び第2金属部品W2の接合面W2aからの加熱深さmが1.0mm以上になっているため、前述の第2の新規な知見を適用すると、第1金属部品W1の接合面W1a及び第2金属部品W2の接合面W2aの軟化を速めて、バリの排出性をより高めることができる。
なお、第1金属部品W1及び第2金属部品W2の摩擦接合試験を行った結果、加熱工程を備えることにより、加熱工程を備えていない場合(非加熱の場合)に比べて、接合荷重を大幅に低減できることが確認された(図5参照)。
従って、本発明の実施形態によれば、第1金属部品W1及び第2金属部品W2の強度又は剛性が十分に高くなくても、第1金属部品W1と第2金属部品W2を確実に接合することができると共に、第2金属部品W2を第1金属部品W1側へ押圧する移動アクチュエータ19(押圧機構の一例)等の大型化を抑えて、接合するための摩擦接合装置1全体のコンパクト化を図ることができる。
なお、本発明は、前述の実施形態の説明に限られるものではなく、次のように適宜の変更を行うことにより、種々の態様で実施可能である。
即ち、加熱工程において、第1金属部品W1の接合面W1aと第2金属部品W2の接合面W2aを均一に加熱する代わりに、いずれかの金属部品W1(又はW2)の接合面W1a(又はW2a)を均一に加熱するようにしたり、加熱コイル29により高周波によって加熱する代わりに、レーザの照射等によって加熱したりしても構わない。また、本発明の実施形態に係る摩擦接合方法は、一般的な第1金属部品W1及び第2金属部品W2を接合対象にしているが、一般的な第1金属部品W1及び第2金属部品W2の代わりに、ガスタービンエンジンに用いられる第1エンジン部品(図示省略)及び第2エンジン部品(図示省略)を接合対象にしたり、過給機に用いられる第1過給機部品(図示省略)及び第2過給機部品(図示省略)を接合対象にしたりしても構わない。
本発明の実施形態に摩擦接合方法は、接合構造体JSを製造する製造方法として捉えることもできる。また、本発明に包含される権利範囲は、本発明の実施形態に係る接合方法によって接合された接合構造体JSにも及ぶものである。
B バリ
JS 接合構造体
W1 第1金属部品
W1a 第1金属部品の接合面
W2 第2金属部品
W2a 第2金属部品の接合面
1 摩擦接合装置
3 ベッド
5 コラム
7 スピンドル
9 第1チャック
11 回転アクチュエータ
13 スライド
15 ガイドレール
17 第2チャック
19 移動アクチュエータ
21 支持フレーム
23 昇降体
25 ガイドレール
27 昇降アクチュエータ
29 加熱コイル
31 支持棒

Claims (5)

  1. 円筒状又は円柱状の第1金属部品の接合面と第2金属部品の接合面に発生した摩擦熱を利用して、前記第1金属部品と前記第2金属部品を接合する摩擦接合方法において、
    前記第1金属部品と前記第2金属部品のうちの少なくともいずれかの金属部品の接合面を加熱する加熱工程と、
    前記加熱工程の終了後に、前記第1金属部品の接合面と前記第2金属部品の接合面を対向させた状態で、前記第1金属部品をその軸心周りに回転させつつ、前記第2金属部品を前記第1金属部品側へ相対的に移動させることにより、前記第1金属部品の接合面と前記第2金属部品の接合面を接触させる接触工程と、
    前記接触工程の終了後に、前記第1金属部品の接合面と前記第2金属部品の接合面を対向接触させた状態で、前記第1金属部品をその軸心周りに回転させつつ、前記第1金属部品と前記第2金属部品の寄り量が目標の寄り量になるまで、前記第2金属部品を前記第1金属部品側へ相対的に押圧することにより、摩擦熱によって前記第1金属部品の接合面と前記第2金属部品の接合面を軟化させて接合する接合工程と、を備え、
    前記加熱工程の処理により前記接合工程の開始時における前記いずれかの金属部品の接合面の温度がその前記金属部品の材料の融点の20%以上になっていることを特徴とする摩擦接合方法。
  2. 前記加熱工程の処理により前記接合工程の開始時における前記いずれかの金属部品の加熱深さが1.0mm以上になっていることを特徴とする請求項1に記載の摩擦接合方法。
  3. 前記加熱工程中に、前記第1金属部品の接合面及び前記第2金属部品の接合面を加熱することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の摩擦接合方法。
  4. 前記接合工程は、
    前記接触工程の終了後に、前記第1金属部品の接合面と前記第2金属部品の接合面を対向接触させた状態で、前記第1金属部品をその軸心周りに回転させつつ、前記第2金属部品を前記第1金属部品側へ相対的に押圧することにより、摩擦熱によって前記第1金属部品の接合面と前記第2金属部品の接合面を軟化させて、前記第1金属部品と前記第2金属部品の寄り量が前記目標の寄り量よりも小さく設定した目標前の寄り量になると、前記第1金属部品の回転を停止する第1接合工程と、
    前記第1接合工程の終了後に、前記第1金属部品と前記第2金属部品の寄り量が前記目標の寄り量になるまで、前記第2金属部品の相対的な押圧動作を継続して、前記第1金属部品の接合面と前記第2金属部品の接合面を据え込むことにより、前記第1金属部品の接合面と前記第2金属部品の接合面を接合する第2接合工程と、からなることを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれかの請求項に記載の摩擦接合方法。
  5. 請求項1から請求項4に記載の摩擦接合方法によって接合されたことを特徴とする接合構造体。
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