JP2014083516A - 製粉機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】粗く粉砕する粗砕部と、細かく粉砕する精砕部と、粗砕部及び精砕部に残留する被処理物を吸引回収するための清掃用クリーナと、制御装置100とを備え、制御装置100には、粗砕部及び精砕部での粉砕工程終了後における粗砕部及び精砕部の駆動状態で清掃用クリーナによる吸引作動を行う制御手段104が備えられている。
【選択図】図10
Description
しかしながら、この構造では、粗砕部や精砕部の内部を清掃するための手段が装備されていないため、製粉の都度内部の清掃を行いたい場合に、粗砕部や精砕部を分解して清掃する必要があり、この点で改善の余地がある。
〔解決手段1〕
投入部に投入された製粉処理対象の被処理物を粗く粉砕する粗砕部と、その粗砕部で粉砕された被処理物をさらに細かく粉砕する精砕部と、前記粗砕部及び精砕部に残留する被処理物を吸引回収するための清掃用クリーナと、前記粗砕部、前記精砕部、及び前記清掃用クリーナの作動を制御する制御装置とを備え、前記制御装置には、前記粗砕部及び精砕部での粉砕工程終了後における前記粗砕部及び精砕部の駆動状態で前記清掃用クリーナによる吸引作動を行う制御手段が備えられている。
上記の解決手段1によれば、清掃用クリーナを組み込んで粗砕部及び精砕部に残留する被処理物を吸引回収するように構成しているため、粗砕部や精砕部の分解作業などを要することなく清掃することができる。
しかも、その清掃用クリーナでの清掃に際して、粗砕部及び精砕部の駆動状態で吸引作動を行うように制御することができるので、清掃用クリーナでの吸引を、粗砕部や精砕部の停止状態で行う場合よりも効果的に行い得る利点がある。つまり、粗砕部や精砕部の停止状態のままで一方向から清掃用クリーナで吸引を行うと、粗砕部や精砕部に対して一方向からの吸引力の影響を与えることしかできないが、粗砕部や精砕部が駆動されていると、その駆動に伴って吸引力の方向に対する粗砕部や精砕部の各位置の向きが変化するため、粗砕部や精砕部の内壁に付着する被処理物が離れ易くなる傾向があり、効果的な清掃を行えるものである。
解決手段2にかかる発明の構成によると、前記精砕部の粉体出口に連通接続された被処理物回収用の粉粒体回収部を備え、この粉粒体回収部に前記清掃用クリーナの吸引口が接続されている。
解決手段2によれば、清掃用クリーナの吸引口を精砕部の粉体出口に直接に接続するのではなく、精砕部の粉体出口に連通接続された粉粒体回収部に接続してあるので、全体的にスムースな残留粉体の吸引排出を行い易いものである。つまり、例えば、清掃用クリーナの吸引口を精砕部の粉体出口に直接に接続した場合には、粉体出口付近や精砕室内で部分的に吸引風による強い動圧が作用する箇所と、あまり吸引風の動圧が作用しない部分とが生じる傾向がある。このため、吸引風の動圧があまり作用しない部分に除去しきれない粉塵が滞留して清掃状態が不十分になってしまうものと想定される。これに比べて、粗砕部や精砕部に対しては外部空間であるところの粉粒体回収部に吸引口を接続した解決手段2にかかる発明では、粉粒体回収部が全体的に負圧になることで、粗砕部や精砕部の全体に対して万遍なく吸引作用を与え易くなるためにスムースな吸引排出が行われるものと思われる。
解決手段3にかかる発明の構成によると、前記粉体出口が前記粉粒体回収部の水平方向での一端側寄り箇所に配設され、前記吸引口が前記粉体出口から離れた他端側寄り箇所に配設されている。
解決手段3によれば、粉粒体回収部に対して、精砕部の粉体出口と清掃用クリーナの吸引口とが、一端側寄り箇所と他端側寄り箇所に離れた位置に配設されているので、清掃用クリーナの吸引圧が精砕部の粉体出口に直接的に作用することを避けやすく、より一層スムースな残留粉体の吸引排出を行い易いものである。
解決手段4にかかる発明の構成によると、前記制御手段は、前記粉砕工程終了時点で前記精砕部に微量の粒状の被処理物が残存する程度に前記精砕部における粉砕時間を設定するように構成されている。
解決手段4によれば、駆動される精砕部に微量の粒状の被処理物が残存する状態で、清掃用クリーナによる吸引排出が行われるので、精砕部に残留する微量の粒状の被処理物が、精砕部の内壁に付着する微細な粉末の剥離を効果的に行って、より一層高機能な清掃を行い易いという利点がある。
解決手段5にかかる発明の構成によると、前記精砕部は、上下で相対向する上精砕臼と下精砕臼を備え、前記粗砕部及び前記精砕部での粉砕工程終了後における前記精砕部の駆動状態で、前記上精砕臼と前記下精砕臼との対向間隔を変更可能に構成されている。
解決手段5によれば、清掃用クリーナによる清掃中に、精砕部の駆動状態で、上精砕臼と下精砕臼との対向間隔を変更することによって、より一層良好な清掃を行い易いという利点がある。
〔全体構成〕
図2に示すように、製粉機は、建物の仕切壁Wに埋め込み状態で配設されている。仕切壁Wの一方側は利用客が出入り可能な通路側空間S1となり、その仕切壁Wの通路空間S1側に製粉機の取付パネル1の表側が露出するように配設されている。そして、取付パネル1の表側を除く製粉機の全体が仕切壁Wの機械室S2側に位置する状態で配設されている。
製粉対象となる被処理物は、各種の穀物を選択することができるが、ここでは米を製粉対象の被処理物として説明する。
穀物導入部10の下方には、図4に示すように、投入された穀物を粗く粉砕する粗砕部20を備え、その粗砕部20で粉砕された被処理物をさらに細かく粉砕する精砕部30を粗砕部20の下方に配設してある。そして、図4及び図8に示すように、精砕部30で粉砕された被処理物を取り出すための粉体取り出し部40を精砕部30よりも下方側に設けてある。
また精砕部30には、その精砕部30での穀物の細かい粉砕に際して発生する熱の放散を図る冷却装置35が設けられている。
さらに、図3に示すように、粗砕部20及び精砕部30で粉砕処理が終了した後に、粗砕部20及び精砕部30で僅かに残留している被処理物の残留物を吸引回収するための清掃用クリーナ60も製粉機に備えられている。
前記操作制御盤2には、コイン投入口3A及び釣り銭返却口3Bを備えたコイン検出器3や、各種表示装置4、及び粒度選択スイッチ5が備えられるとともに、前記コイン検出器3での検出信号や粒度選択スイッチ5などの操作信号が入力される制御装置100が装備されている(図10参照)。
制御装置100では、コイン検出器3での検出信号に基づいて、製粉機の使用に対する対価として予め設定された所定金額に達したか否かを判別する。コイン検出器3でのコインの検出信号がない、もしくは検出信号が所定金額に達していないと判別されたときには、図3、図5、及び図6に示すロック機構6により、穀物投入口11Aの開放側への作動が阻止され、所定金額に達したことの判別結果に伴ってロック機構6によるロックを解除するようにロック操作用ソレノイド7の作動を前記制御装置100が制御する。
前記コイン投入口3Aに所定金額のコインが投入される前には、穀物投入口11Aからの穀物投入が不可能な状態であることを示す状態表示灯4aが点灯され、前記ロック機構6が穀物投入口11Aの開放を規制するようにロックしている。
コイン投入口3Aに所定金額のコインが投入されると、穀物投入口11Aからの穀物投入が可能な状態であることを示す開始表示灯4bが点灯され、前記ロック機構6によるロックが解除されるように構成されている。
残留表示灯4eは、投入口ホッパ11に投入された被処理物が目的の被処理物であるときに、その被処理物を受け入れて、粗砕部20へ供給するための受入口ホッパ12に設けた感圧センサなどで構成される残留物検出器18(図5,6参照)が、被処理物の存在を検出したときに点灯表示するように構成されている。
上記の状態表示灯4a、開始表示灯4b、粒度表示灯4c、異素材表示灯4d、残留表示灯4e、終了表示灯4fは、それぞれLED等の発光手段からなり、これらによって前記表示装置4が構成されている。
穀物導入部10は、図5及び図6に示すように、穀物投入口11Aが設けられた投入口ホッパ11と、その投入口ホッパ11からの貯留物が供給される受入口ホッパ12と、異素材ホッパ13とを備えて構成されている。
投入口ホッパ11は、一度に製粉処理する予定量の被処理物を投入可能な容量を有した大きさに設定されており、受入口ホッパ12と異素材ホッパ13は、それぞれ投入口ホッパ11に投入された被処理物の全量を受入可能な容量を有した大きさに設定されている。
この開閉蓋11Bの開放可能な状態と開放不能な状態との切換は、前述したようにロック操作用ソレノイド7の作動に基づいてロック状態とロック解除状態とに切り換えられるロック機構6の操作によって行われる。
また、開閉蓋11Bによる穀物投入口11Aの開閉状態は、その開閉蓋11Bが閉塞されたか否かを検出する投入口スイッチsw(図10参照)によって検出される。
コイン検出器3が所定金額に達したことを検出しても、残留物検出器18が被処理物の残留を検出しているときには、ロック操作用ソレノイド7はロック機構6をロック状態に維持し、穀物投入口11Aを開放しない状態とする。このとき、制御装置100は、受入口ホッパ12内に残留している被処理物が除去されるように、粗砕部20及び精砕部30を駆動して残留している被処理物を粉体取り出し部40から外部へ取り出し可能にする。そして、後述する清掃用クリーナ60による清掃工程が終了した後にロック機構6のロック状態を解除するように構成されている。
コイン検出器3でのコインの検出信号がない、もしくは検出信号が所定金額に達していないと判別されたときには、ロック操作用ソレノイド7はロック機構6をロック状態に維持し、開閉蓋11Bは開放不能な状態がそのまま維持される。
投入物検出器17は、投入口ホッパ11の内部を撮影することが可能な画像検出器などで構成され、傾斜した下面11Cを流下する被処理物の撮影が可能であるように構成されている。この投入物検出器17で撮影された画像データが制御装置100に入力され、投入口ホッパ11内の被処理物が異素材であるのか否かが判別される。
この流下案内板14は、その傾斜上端側の端縁が投入口ホッパ11の下面11Cの傾斜の延長線とほぼ一致する位置、もしくはそれよりも少し下方に離れた位置にあり、図5に示すように、投入口ホッパ11に投入された被処理物が、投入口ホッパ11の下面11Cと、後述する閉塞位置にある異素材取り出しシャッタ15の先端傾斜面15aとを経て滑落する被処理物が受入口ホッパ12に流下することを妨げないように構成されている。
したがって、図6に示すように異素材取り出しシャッタ15が開放位置に操作されると、投入口ホッパ11の下端側出口11Dから落下する異素材と判定された被処理物が、流下案内板14の傾斜した案内面14aの傾斜方向での中間位置に落下供給される。
このとき、異素材ホッパ13が図6に実線で示すように格納位置に収められていると、投入口ホッパ11の下端側出口11Dから落下する異素材と判定された被処理物が異素材ホッパ13に回収される。回収された異素材は、同図に仮想線に示すように、異素材ホッパ13とともに人為的に取り出すことができる。図5及び図6における符号13aは、異素材ホッパ13の前面側に設けられた指掛け部である。
この異素材取り出しシャッタ15を、図5に示す閉塞位置と、図6に示す開放位置とに、人為的に切換操作可能に構成してある。
この出口シャッタ16は、前記縦壁11E部分に設けられた駆動手段としての開閉用ソレノイド8により上下に位置移動可能に構成されている。つまり、図5に仮想線で示され、かつ図6に実線で示される閉塞位置と、図5に実線で示す開放位置とに位置変更可能に構成されている。
この状態で投入口ホッパ11内の被処理物が投入物検出器17で検出され、被処理物が異素材に相当するものであるのか否かが、その投入物検出器17からの検出信号に基づいて制御装置100で判断される。
この異素材表示灯4dの表示にしたがって異素材取り出しシャッタ15を人為的に引き出して開放位置に切り換えると、図6に示すように投入口ホッパ11から異素材ホッパ13への被処理物の流下供給が行われる。
図4及び図7に示すように、受入口ホッパ12に供給された被処理物は、被処理物を粗く粉砕するための粗砕部20に供給される。
粗砕部20は、上下軸心周りで回転駆動される下臼22と、その下臼22に上方側から外嵌する上臼21とを備えて構成される。
下臼22は、円錐面状の外周面に臼歯20Aを備えた截頭円錐台状に形成され、上臼21は円錐面状の内周面に臼歯20Aを備えた円筒状に形成されている。下臼22の外周面と上臼21の内周面との間隔は、上方側ほど広く、下方に至るほど狭くなっていて、粗く粉砕する過程でも、上方側でより粗く、下方側では少し細かくなるように粉砕される。
上臼21の天井部21bは、受入口ホッパ12の下端部を支持して、受入口ホッパ12の下端側開口12Cから被処理物を導入するように構成されている。また、この天井部21bには、下臼22及び後述する精砕部30の下精砕臼32に対して駆動力を伝達する動力伝達軸53の上端部を下臼22とともに支持するための軸支部24が設けられている。
したがって、図7(a)に示すように、受入口ホッパ12の下端側開口12Cから導入された被処理物が下臼22と上臼21の間に導入されて粉砕されるとき、図7(b)に示すように、被処理物の破砕に伴う反力によって下臼22が付勢バネ26の付勢力に抗しながら多少下方側へ押し下げられることを許容することができる。
つまり、下臼22の下端部に六角孔で形成される嵌合孔部22cが設けてあり、この嵌合孔部22cに動力伝達軸53の上部伝動軸55の六角軸部55aが嵌入して、下臼22に回転動力を伝達するように構成してある。そして下臼22の嵌合孔部22cの上方側には、支軸25の大径部分が挿入される丸孔22dが形成してあり、この丸孔22dに動力伝達軸53の前記六角軸部55aよりも上方に形成された丸軸部55bが挿入支持されている。
これらの嵌合孔部22c、六角軸部55a、丸孔22d、及び丸軸部55bによって動力伝達軸53から下臼22への動力伝達構造が構成されている。
この融通間隙sが存在する状態で下臼22と上臼21の相対位置を定めて構成したことにより、図7(b)に示すように、被処理物の破砕に伴う反力によって下臼22が所定範囲内で下方側へ押し下げられることを許容し得る。
このような下臼22の多少の上下移動を許容しながら下臼22に駆動力を伝達するための融通伝動部56を、前記付勢バネ26を備えた軸支部24と、前記融通間隙sを備えた前記下臼22への動力伝達構造とによって構成している。
つまり、支持台23は、図4及び図9に示すように、上端側が上臼21の下端側のフランジ部21aに対向し、かつ、下臼22の外周面と上臼21の内周面との対向箇所よりも外側で上臼21を支持するように大径に形成されていて、下臼22の外周面と上臼21の内周面との対向箇所から落下する被処理物が支持台23の内部に供給されるように構成してある。
そして、この支持台23の内部は、粗砕部20で粉砕処理された被処理物が落下供給される状態を妨げることなく、精砕部30に取り込まれる前の被処理物を一時的に貯留するに十分な容積の貯留用空間23Aを構成している。
つまり、粗砕部20と精砕部30とでは、一般に被処理物の粉砕処理時間が異なり、粗砕部20よりも精砕部30で長い処理時間を要する傾向がある。このため、粗砕部20から直ちに精砕部30へ被処理物が送り込まれて処理される構造のものでは、先に粉砕処理を終えた粗砕部20側の被処理物が精砕部30へ円滑に送り込まれ難く、粗砕部20側で停滞してしまう虞がある。しかし、本発明によれば、粗砕部20から前記精砕部30への被処理物の移動経路途中に設けられた貯留用空間23Aに、精砕部30へ送り込まれる前の被処理物を一時的に貯留させられるので、粗砕部20で被処理物が停滞してしまうことを回避できる。
これによって、被処理物が粗砕部20内で停滞することによる発熱の影響が被処理物に及ぶことを回避し、かつ貯留空間23A内で貯留されている間に被処理物自体の放熱をも期待することができるので、被処理物に対する熱的影響を回避するための放熱手段としての機能をも兼ねている。
粗砕部20よりも細かく粉砕するための精砕部30は、図4及び図9に示すように、上下軸心周りで回転駆動される下精砕臼32と、その下精砕臼32の上面に対向する上精砕臼31とを備えて構成される。
上精砕臼31と下精砕臼32とは、共に対向面に臼歯30A、30Aを備えた円板状に形成されており、下精砕臼32が動力伝達軸53からの駆動力を受けて回転駆動され、上精砕臼31は取付パネル1の背面側に設けてある上部取付枠1Aの上側に固定設置されている。
下部伝動軸54の上部軸端に形成したネジ軸部54aに、前記粗砕部20に駆動力を伝える上部伝動軸55の下端側の雌ネジ部55cを螺合させて、下部伝動軸54と上部伝動軸55とを一体に構成してある。この下部伝動軸54と上部伝動軸55とによって動力伝達軸53が構成されている。
この精砕室34の内部で下精砕臼32が回転駆動され、粉砕された被処理物は、精砕室34の底面の一部に形成された粉体出口30Cから、その下方に位置する粉粒体回収部41に落下供給される。
送風機38の送風方向は、図1乃至図3に示すように、斜め下向きで、上精砕臼31の上面、及び支持台23の下半側に向けられ、ヒートシンク36の熱交換効率を高めるとともに、支持台23の周面に冷却風を当てて、支持台23の内部に貯留されている被処理物の放熱も促進されるように構成してある。
精砕部30から取り出された被処理物は粉体取り出し部40に導かれる。
この粉体取り出し部40は、粉体出口30Cから落下供給される被処理物を受け止める前記粉粒体回収部41と、その粉粒体回収部41の下方に位置する取り出し凹部43とで構成されている。
この終了表示灯4fの点灯を見ることによって粉砕処理の完了を知ることができるので、取り出し用操作板42を引き出すことにより、粉粒体回収部41に貯留されていた被処理物を下方の取り出し凹部43へ落下供給することができる。
したがって、この取り出し凹部43に仮想線で示すように受入容器44を置くことで、製粉処理された被処理物を外部へ取り出すことができる。
粗砕部20及び精砕部30に駆動力を伝達する駆動部50は次のように構成されている。
図2乃至図4に示すように、駆動部50は、動力源としての第1電動モータ51と第2電動モータ52とを備えている。第1電動モータ51に連結された動力伝達軸53を介して、前記第1電動モータ51の駆動力が、粗砕部20及び精砕部30に粉砕用の回転動力として伝達されるように構成されている。
第2電動モータ52の動力は、動力伝達軸53に対する回転用の駆動力としてではなく、上下位置変更機構としてのネジ送り機構57を介して、動力伝達軸53を上下方向で昇降移動させるための動力として用いられる。つまり、動力伝達軸53を上下方向で昇降移動させることにより、動力伝達軸53に一体に連結されている精砕部30の下精砕臼32を上下方向で位置移動させて、上精砕臼31との対向間隔を変更できるように構成してある。
前記動力伝達軸53は、第1電動モータ51の出力軸51aと同心状に位置して、下部伝動軸54の下端側のボス部54bと出力軸51aとがキー連結され、一体回動するように構成されている。また、下部伝動軸54は、出力軸51aに対して軸線方向で僅かな範囲ではあるが上下相対移動可能に構成されている。
したがって、中間部材59が上方に移動すると、スラストベアリング59bを介して下部伝動軸54の段部54dを上方側へ押し上げ、下部伝動軸54の上方移動に伴って下精砕臼32が上精砕臼31に近接する側に移動する。
逆に、中間部材59が下方に移動すると、スラストベアリング59bを介して段部54dを支持した状態にある下部伝動軸54の下方側への自重移動により、下部伝動軸54を下方移動させるに伴って下精砕臼32が上精砕臼31から離れる側に移動し、上精砕臼31との対向間隔を拡げることになる。
図3及び図8に示すように、精砕部30の粉体出口30Cに連なる粉粒体回収部41には、吸引ダクト61を備えた清掃用クリーナ60が接続されている。
清掃用クリーナ60は、取り出し用操作板42を閉塞位置に操作した状態で、外部との連通状態が遮断された粉粒体回収部41に吸い込み側の端部が接続された吸引ダクト61を備えている。吸引ダクト61の吐出側の端部は、粉塵分離用の集塵部62、及び吸引ファン63に接続され、吸引ファン63の駆動にともなって粉粒体回収部41内の気体、及びその気体に含まれる粉塵等を吸引排出するように構成されている。
清掃用クリーナ60の集塵部62、及び吸引ファン63は、機械室S2内の床面等、適所に設置されているが、機械室S2の外部に設置しても差し支えない。
図10に示すように、制御装置100は、各種表示装置4に対して制御信号を出力する表示制御手段101と、投入状況判別制御手段102と、粉砕制御手段103と、清掃制御手段104とを備えている。
稼働中でなければ、コイン検出器3からの所定金額のコインが投入されたことの検出信号に基づいて、穀物投入口11Aからの穀物投入が可能であることを示す開始表示灯4bの表示を行う。
これとともに残留物検出器18からの検出信号に基づいて、受入口ホッパ12に残留物が存在していれば、そのことを残留物表示灯4eに表示する。
また、粒度選択スイッチ5である粗挽き選択スイッチ5a、中挽き選択スイッチ5b、及び細挽き選択スイッチ5cの何れが選択されたかを粒度表示灯4cによって表示する。
粉砕制御手段103や清掃制御手段104が稼働中ではなく、投入物が異素材でなく、コイン検出器3からの所定金額のコインが投入されたことの検出信号があり、粒度選択スイッチ5で被処理物の粒度が選択された後、投入口スイッチswで投入口11Aの開閉蓋11Bが閉塞されたことが検出されると、それらの検出信号を投入状況判別制御手段102が粉砕制御手段103に出力する。
また、第1電動モータ51の駆動とともに、冷却装置35の送風機38も駆動する。
第1電動モータ51による粗砕部20及び精砕部30での粉砕工程の作動時間、及び送風機38の作動時間は、粉砕制御手段103に予めプログラムとして記憶されている設定時間によって決定される。この粉砕制御手段103で設定される第1電動モータ51の作動時間は、粉砕工程の終了時点で、精砕部30内に最終目標の粒度よりも少し大きい粒度の被処理物が僅かな量だけ残る程度に設定するのが望ましい。これは、後の清掃工程で精砕部30を駆動しながら清掃を行う場合に、精砕室34内をよりきれいに清掃し易いためである。この現象は、僅かに残った粒度の大きい被処理物が精砕室34内を移動する際に、精砕室34の室壁に付着している微細な粉体に接触して剥離し易くするためと考えられる。
このとき、清掃制御手段104は、第1電動モータ51を駆動して、粗砕部20と精砕部30とが駆動されている状態で前記吸引ファン63による吸引が行われるように制御する。このときの粗砕部20と精砕部30との駆動速度は通常の粉砕工程のときの駆動速度と同一であるが、より緩やかな駆動速度で駆動するように制御してもよい。
上記制御装置100による作動を、図11に示すフローチャートに基づいて説明する。
[1] 電源入りとともに制御装置100が作動し、粉砕制御手段103による粉砕工程、あるいは、清掃制御手段104による清掃工程が行われているか否かが判断され、粉砕工程、あるいは、清掃工程での稼働中であれば、状態表示灯4aを点灯する(ステップ1、ステップ3)。
[2] 粉砕工程、あるいは、清掃工程での稼働中でなければ、コイン検出器3からの検出信号に基づいて所定金額のコインが投入されたか否かを判断し、所定金額のコインが投入されていなければ状態表示灯4aが点灯したままの状態を維持する(ステップ2、ステップ3)。
[3] 所定金額のコインが投入されると、残留物検出器18での検出信号に基づいて受入口ホッパ12内に被処理物が残留しているか否かを判断し、残留していれば、残留物表示灯4eを点灯し、第1電動モータ51を駆動して残留物の粉砕処理を行い、引き続いて吸引ファン63を駆動して清掃処理を行う(ステップ4〜ステップ7)。
[4] 受入口ホッパ12内に被処理物が残留していなければ、穀物投入口11Aからの穀物投入が可能であることを示す開始表示灯4bを点灯し、かつロック機構6による開閉蓋11Bのロックを解除する(ステップ4、ステップ8、ステップ9)。
[5] 投入口ホッパ11に設けた投入物検出器17からの検出信号に基づいて、被処理物が投入されたか否か、及び投入された被処理物が、製粉対象としている被処理物であるか否かを判断する。投入されていなければ投入を待ち、投入された被処理物が製粉対象としている被処理物ではないと判断された場合には、異素材表示灯4dを点灯し、投入されたコインを釣り銭返却口3Bに返却し、ステップ1に戻る(ステップ10〜ステップ13)。
この状態で異素材取り出しシャッタ15を人為操作で引き出すことにより、投入口ホッパ11の被処理物を異素材ホッパ13内に排出することができる。さらに異素材ホッパ13の指掛け部13aに指を掛けて引き出すことにより、異素材ホッパ13ごと被処理物を取り出すことができる。
[7] 次に、人為操作によって開閉蓋11Bが閉塞されたか否かを投入口スイッチswで検出し、閉塞されていなければ粒度選択スイッチ5での粒度の変更が可能な状態で待機する。開閉蓋11Bが閉塞されたことを投入口スイッチswで検出すると、ロック操作用ソレノイド7を作動させてロック機構6をロック状態とし、開閉用ソレノイド8で投入口ホッパ11の出口シャッタ16を開き、被処理物を受入口ホッパ12側へ流入させる(ステップ15〜ステップ17)。
この状態で、人為操作により取り出し用操作板42を開放位置に引き出すと、粉粒体回収部41に貯留されていた被処理物を下方の取り出し凹部43へ落下供給することができる。
[10] 清掃工程での第1電動モータ51及び吸引ファン63の駆動時間は、清掃制御手段104で予め設定された所定時間であり、その所定時間の経過後に清掃工程を終了し、電源OFFなどの終了条件が入力されなければステップ1に戻って制御を続行する(ステップ23、ステップ24)。
実施の形態では、粗砕部20と精砕部30との間における移動経路rを、粗砕部20の支持台23の内部空間に設けた構造を例示したが、このような構造に限られるものではない。
例えば、図示しないが、支持台23とは別に設けた管路内に移動経路rを形成するなどしてもよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
実施の形態では、融通伝動部56を、軸支部24に設けた付勢バネ26や融通間隙sによって形成したが、このような構造に限られるものではない。
例えば、動力伝達軸53の軸線方向での中間位置に、動力伝達軸53が軸線方向で多少伸縮移動することが可能な構造を採用するなど、適宜の構造、及び配設位置を採択することができる。
また、この融通伝動部56そのものを省いて、動力伝達軸53に下臼22を直結して駆動力を伝達するようにしてもよい。この場合、上臼21と下臼22との夫々の臼歯20A,20A同士の間には、粗粉砕に適した対向間隔を設定しておく必要がある。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
実施の形態では、精砕部30での粉砕粒度の調節のために、下精砕臼32を第2電動モータ52の駆動によって行うように構成した構造のものを示したが、これに限らず、例えば、手動操作で螺軸部を回転させられるようにして、手動調節により粉砕粒度を変更できるように構成してもよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
実施の形態では、清掃工程での清掃の精度を向上させるために、粉砕制御手段103で精砕部30内に最終目標の粒度よりも少し大きい粒度の被処理物が僅かな量だけ残る程度に粉砕時間を設定するようにしたものを例示したが、これに限られるものではない。
清掃工程での清掃の精度を向上させるには、例えば、被処理物の全部が最終目標の粒度に達するように粉砕工程での処理時間を設定し、かつ粉砕処理されたすべての被処理物を取り出した後に、清掃用の適正な粒度の別の被処理物を新たに少量投入して清掃を行うように構成してもよい。この場合、精砕部30では、上精砕部31と下精砕部32との間隔を、投入されている粒度の被処理物の粉砕が行われない程度に広く設定しておくのが望ましい。
あるいは、被処理物の全部が最終目標の粒度に達するように粉砕工程での処理時間を設定し、かつ粉砕処理されたすべての被処理物を取り出した後に、被処理物に相当するものではない清掃専用の粒状物を投入して清掃するようにしてもよい。この場合、精砕部30では、上精砕部31と下精砕部32との間隔を、投入されている粒度の粒状物の粉砕が行われない程度に広く設定しておくのが望ましい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
実施の形態では、製粉機が仕切壁Wに埋め込まれた構造のものを例示したが、穀物投入口11Aと粗砕部20と精砕部30とを一つの箱状のケーシング内に収めて、床面に据え付けた構造に構成したものであってもよい。また、コインの投入によって稼働する商用のものではない場合には、コイン検出に関する構造を省いて簡素化したり小型化することも可能である。
実施の形態では、製粉機を単独で設置した構造のものを示したが、この製粉機を周知の精穀機と併設して、精穀後に直ちに製粉できるようにしてもよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
20 粗砕部
30 精砕部
30C 粉体出口
31 上精砕臼
32 下精砕臼
41 粉粒体回収部
60 清掃用クリーナ
61a 吸引口
100 制御装置
104 制御手段
Claims (5)
- 投入部に投入された製粉処理対象の被処理物を粗く粉砕する粗砕部と、
その粗砕部で粉砕された被処理物をさらに細かく粉砕する精砕部と、
前記粗砕部及び精砕部に残留する被処理物を吸引回収するための清掃用クリーナと、
前記粗砕部、前記精砕部、及び前記清掃用クリーナの作動を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置には、前記粗砕部及び精砕部での粉砕工程終了後における前記粗砕部及び精砕部の駆動状態で前記清掃用クリーナによる吸引作動を行う制御手段が備えられている製粉機。 - 前記精砕部の粉体出口に連通接続された被処理物回収用の粉粒体回収部を備え、
この粉粒体回収部に前記清掃用クリーナの吸引口が接続されている請求項1記載の製粉機。 - 前記粉体出口が前記粉粒体回収部の水平方向での一端側寄り箇所に配設され、前記吸引口が前記粉体出口から離れた他端側寄り箇所に配設されている請求項2記載の製粉機。
- 前記制御手段は、前記粉砕工程終了時点で前記精砕部に微量の粒状の被処理物が残存する程度に前記精砕部における粉砕時間を設定するように構成されている請求項1〜3のいずれか一項記載の製粉機。
- 前記精砕部は、上下で相対向する上精砕臼と下精砕臼を備え、前記粗砕部及び前記精砕部での粉砕工程終了後における前記精砕部の駆動状態で、前記上精砕臼と前記下精砕臼との対向間隔を変更可能に構成されている請求項1〜4のいずれか一項記載の製粉機。
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